JP2012083715A - 二成分現像剤用キャリア、それを用いた静電潜像現像剤、カラートナー現像剤、補給用現像剤、画像形成方法、静電潜像現像剤を備えるプロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
二成分現像剤用キャリア、それを用いた静電潜像現像剤、カラートナー現像剤、補給用現像剤、画像形成方法、静電潜像現像剤を備えるプロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなる静電潜像現像剤用キャリアであって、該芯材粒子の形状係数SF2が130以上160以下であり、該樹脂層は導電性微粒子を含み、かつトリシロキシルシリル基を有する(メタ)アクリレートモノマーとモノアルキルジアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの共重合体を、加熱処理して得られた樹脂を含有することを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
【選択図】なし
Description
したがって、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー像の表面を平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から、従来のフルカラー複写機等の画像光沢は、10〜50%の中〜高光沢のものが多かった。
キャリア付着は、大きく、出力画全面に発生するキャリア付着と、背景部に発生するキャリア付着と、像中に発生するキャリア付着の3種類に分けられる。
全面に発生するキャリア付着は、主として低磁力が原因に挙げられる。背景部に発生するキャリア付着は、通常高抵抗、大粒径が原因であり、トナーにより逆極に帯電したキャリアが逆現像する現象である。像中に発生するキャリア付着は、主に低抵抗が原因であり、トナーあるいは現像電荷がキャリアに注入され、トナーと一緒に正現像することが原因である。
このため、キャリアを低抵抗にすると、画質は良化するが、電荷注入による像中へのキャリア付着が生じるため、芯材形状によるキャリア付着抑制が必要である。
上記課題は、本発明の下記(1)〜(13)によって解決される。
(1)磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなる静電潜像現像剤用キャリアであって、該芯材粒子の形状係数SF2が130以上160以下であり、該樹脂層は、導電性微粒子を含み、かつ少なくとも下記一般式(1)で表されるモノマーA成分由来のA部位と下記一般式(2)で表されるモノマーB成分由来のB部位とを含む共重合体を加熱処理して得られた樹脂を含有することを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
(式中において、R1、m、R2、R3、X、及びYは以下に該当するものを示す。)
R1:水素原子、またはメチル基
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
R2:炭素原子数1〜4のアルキル基
R3は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X:10〜90モル%
Y:10〜90モル%
(2)前記共重合体は、下記一般式(5)で表される共重合体を含むことを特徴とする前記(1)に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
R1:水素原子、またはメチル基
m :炭素原子数1〜8のアルキレン基
R2:炭素原子数1〜4のアルキル基
R3: 炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X:10〜40モル%
Y:10〜40モル%
Z:30〜80モル%
60モル%<Y+Z<90モル%
(3)前記加熱処理時の熱処理温度が80〜400℃であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(4)体積固有抵抗が1×107Ω・cm以上1×1017Ω・cm以下であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(5)前記樹脂層は、平均膜厚が0.05μm以上0.50μm以下であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(6)前記芯材粒子は、重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(7)1kOeの磁場における磁化が40Am2/kg以上90Am2/kg以下であることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。(8)前記(1)乃至(7)のいずれかに記載のキャリア及びトナーを有することを特徴とする二成分現像剤。
(9)前記トナーは、カラートナーであることを特徴とする前記(8)に記載の現像剤。
(10)キャリア及びトナーを含む補給用現像剤であって、キャリア1質量部に対してトナーを2〜50重量部含有し、前記キャリアが前記(1)乃至(7)のいずれかに記載のキャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
(11)静電潜像担持体と、該潜像担持体を帯電させる帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記(8)乃至(10)のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
(12)静電潜像担持体、該感光体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を前記(8)乃至(10)のいずれかに記載の現像剤を用いて現像する現像部と、前記静電潜像担持体をクリーニングするクリーニング部材を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
(13)静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記(8)乃至(10)のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
本発明のキャリアは、表面エネルギーが小さいシラン系の架橋成分、及び前記導電性微粒子により強靭な被膜が形成され、かつ、抵抗が調節されて長期間帯電安定性に優れ、キャリア抵抗や現像剤の汲み上げ量が変化し難く、被膜削れ/剥がれが少なく、かつトナースペントが少ない、かつキャリア付着を抑制できる高耐久キャリア、および現像剤を得ることができる。
さらに、帯電の環境変動を抑制し、さまざまな使用環境においても画像濃度変動、地肌汚れ、トナー飛散による機内汚染などを生じない。
加えて、信頼性の高い現像方法、画像形成装置を提供することができる、という極めて優れた効果を奏するものである。
本発明の静電潜像現像剤用キャリアは、磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなる静電潜像現像剤用キャリアであって、該芯材粒子の形状係数SF2が130以上160以下であり、該樹脂層は、導電性微粒子を含み、かつ少なくとも下記一般式(1)で表されるモノマー成分(A成分)由来の部位と下記一般式(2)で表されるモノマー成分(B成分)由来の部位とを含む共重合体を加熱処理して得られる樹脂を含有する静電潜像現像剤用キャリア、即ち、形状係数SF2が130以上160以下の芯材粒子を、後述のモノマーA成分、モノマーB成分をラジカル共重合して得られるアクリル系共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)触媒を用いて縮合させ、架橋、被覆した後、加熱処理して得られる静電潜像現像用キャリアである。
(被覆樹脂モノマー成分)
A成分(及びそのためのモノマーA成分):
R1: 水素原子、またはメチル基
m:メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素原子数1〜8のアルキレン基、
R2:炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基
A成分において、X=10〜90モル% であり、より好ましくは、30〜70モル%で
ある。
下式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基である。
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiEt3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiPr3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiPr3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiPr3)3
前記一般式(2)中、
R1: 水素原子、またはメチル基
m:メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素原子数1〜8のアルキレン基。
R2:炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基
R3:炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など )、又は炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)。
Y=10〜90モル%であるが、より好ましくは30〜70モル%である。
また、イソシアネート化合物による架橋より、本願のシロキサン結合による架橋の方が、結合エネルギーが大きく熱ストレスに対しても安定しているため、被膜の経時安定性が保たれていると推察される。
(一般式(3)中において、R1、m、R2、R3、X、Yは以下に該当するものを示す。)
R1: 水素原子、またはメチル基、
m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、
R2:炭素原子数1〜4のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基、
R3は、炭素数1〜8のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基、または炭素数1〜4のメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、それぞれを表わす。
X=10〜90モル%、Y=10〜90モル%
C部分(及びモノマーC成分):(アクリル成分)
C部分(モノマーC成分)が80モル%より大きくなると、X、およびYのいずれかが10以下となるため、キャリア被膜の撥水性、硬さと可とう性(膜削れ)を両立させることが難しくなる。
被覆層用組成物で芯材粒子を被覆しながら、シラノール基を縮合させる方法としては、特に限定されないが、熱、光等を付与しながら、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆する方法等が挙げられる。また、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆した後に、シラノール基を縮合させる方法としては、特に限定されないが、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆した後に加熱する方法等が挙げられる。
前記熱処理時の熱処理温度は、80〜400℃であることが好ましい。
このような本発明のモノマーC成分を含む被覆樹脂を一般式(5)に示す。
R1: 水素原子、またはメチル基、
m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、
R2:炭素原子数1〜4のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基、
R3は、炭素数1〜8のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基、または炭素数1〜4のメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、それぞれを表わす。
X=10〜40モル%、Y=10〜40モル%、Z=30〜80モル%
60モル%<Y+Z<90モル%
また、本発明の被覆層用組成物は、導電性微粒子を含有するものであり、該導電性微粒子としてはカーボンブラック、ITO(酸化インジウムスズ) 、酸化錫、酸化亜鉛等を用いることができ、これらを併用しても良い。
中でもITOが好ましい。ITOを用いることで経時の抵抗、帯電が安定する理由は現在解明中であるが、酸化亜鉛の表面に導電性被覆層を有する導電性微粒子は、キャリアの体積固有抵抗を調節する機能が高く、前記表面エネルギーが小さく強靭な共重合体との親和性が相俟って、長期間キャリア抵抗や現像剤の汲み上げ量が変化せず、画像濃度の変化を防止でき、長期にわたって高品質な画像を形成できると考えられる。
本発明において、被覆層用組成物は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。これにより、導電性微粒子を安定に分散させることができる。
本発明において、芯材粒子としては、磁性体であれば、特に限定されないが、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物;これらの磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が挙げられる。中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト等が好ましい。
また、焼成工程でも焼成温度を精密に制御しなければ、粒界成長が不均一になり、上記と同様に形状に影響を与える。造粒工程においても、2 〜 3 個の粒子が合体した状態になるものがあり、これが焼成によって球から逸脱した形状になる。これらのコア製造工程を最適化することにより、コア粒子の表面構造を制御することができる。
なお、磁化は、VSM−P7−15(東英工業社製)を用いて測定することができる。
本発明の現像剤は、本発明のキャリア及びトナーを有する。
トナーは、結着樹脂と着色剤を含有するが、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。また、定着ローラにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用するために、トナー粒子は、離型剤を含有してもよい。このようなトナーは、一般に、フィルミングが発生しやすいが、本発明のキャリアは、フィルミングを抑制することができるため、本発明の現像剤は、長期に亘り、良好な品質を維持することができる。さらに、カラートナー、特に、イエロートナーは、一般に、キャリアの被覆層の削れによる色汚れが発生するという問題があるが、本発明の現像剤は、色汚れの発生を抑制することができる。
また、冷却した溶融混練物を粉砕する際には、ハンマーミル、ロートプレックス等を用いて粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機、機械式の微粉砕機等を用いて微粉砕することができる。なお、平均粒径が3〜15μmとなるように粉砕することが好ましい。
また、母体粒子に外添剤を添加する際には、ミキサー類を用いて混合攪拌することにより、外添剤が解砕されながら母体粒子の表面に付着する。
補給用現像剤の混合比率は、キャリア1質量部に対してトナーを2〜50質量部の配合割合とすることが好ましい。トナーが2質量部未満の場合には、補給キャリア量が多すぎ、キャリア供給過多となり現像装置中のキャリア濃度が高くなりすぎるため、現像剤の帯電量が増加しやすい。又、現像剤帯電量が上がる事により、現像能力が下がり画像濃度が低下してしまう。また50質量部を超えると、補給用現像剤中のキャリア割合が少なくなるため、画像形成装置中のキャリアの入れ替わりが少なくなり、キャリア劣化に対する効果が期待できなくなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有する。
図2に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。
プロセスカートリッジ(10)は、感光体(11)、感光体(11)を帯電する帯電装置(12)、感光体(11)上に形成された静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置(13)及び感光体(11)上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、感光体(11)上に残留したトナーを除去するクリーニング装置(14)が一体に支持されており、プロセスカートリッジ(10)は、複写機、プリンター等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
まず、感光体(11)が所定の周速度で回転駆動され、帯電装置(12)により、感光体(11)の周面が正又は負の所定電位に均一に帯電される。次に、スリット露光方式の露光装置、レーザービームで走査露光する露光装置等の露光装置(不図示)から感光体(11)の周面に露光光が照射され、静電潜像が順次形成される。さらに、感光体(11)の周面に形成された静電潜像は、現像装置(13)により、本発明の現像剤を用いて現像され、トナー像が形成される。次に、感光体(11)の周面に形成されたトナー像は、感光体(11)の回転と同期されて、給紙部(不図示)から感光体(11)と転写装置(不図示)の間に給紙された転写紙に、順次転写される。さらに、トナー像が転写された転写紙は、感光体(11)の周面から分離されて定着装置(不図示)に導入されて定着された後、複写物(コピー)として、画像形成装置の外部へプリントアウトされる。一方、トナー像が転写された後の感光体(11)の表面は、クリーニング装置(14)により、残留したトナーが除去されて清浄化された後、除電装置(不図示)により除電され、繰り返し画像形成に使用される。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該潜像担持体を帯電させる帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有しており、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなるものであり、現像剤として本発明の現像剤を用いるものである。
(芯材製造例1)
Fe2O3 73 部、MnO2 3部、Mg(OH)2 4部を混合し、湿式ボールミルで24 時間混合/ 粉砕して、スプレードライヤーにより造粒・乾燥した後、ロータリーキルンを用いて900℃ 、23 時間の焼成を行い、解砕工程、分級工程を経て、芯材粒子C1を調製した。
芯材粒子C1の調製において、ボールミルで19時間混合/ 粉砕した以外はC1 と全く同様にして芯材粒子C2を調製した。
芯材粒子C1の調製において、ボールミルで10時間混合/ 粉砕した以外はC1 と全く同様にして芯材粒子C3を調製した。
芯材粒子C1の調製において、ボールミルで25時間混合/ 粉砕した以外はC1 と全く同様にして芯材粒子C4を調製した。
芯材粒子C1の調製において、ボールミルで9時間混合/ 粉砕した以外はC1 と全く同様にして芯材粒子C5を調製した。
以下、本発明に使用する樹脂の合成例を示す。
撹拌機付きフラスコにトルエン500gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。
次いでこれに、CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3 (式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン379.8g(900ミリモル:サイラプレーン TM−0701T/チッソ株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン24.8g(100ミリモル)、および、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は37,000であった。
次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。
このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.4mm2/sであり、比重は0.92であった。
撹拌機付きフラスコにトルエン500gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。
次いでこれに、CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3 (式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン42.2g(100ミリモル:サイラプレーン TM−0701T/チッソ株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン223.2g(900ミリモル)、および、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は34,000であった。
次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.7mm2/sであり、比重は0.90であった。
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。
次いでこれに、CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3 (式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン84.4g(200ミリモル:サイラプレーン TM−0701T/チッソ株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン 39g(150ミリモル)、メタクリル酸メチル65.0g(650ミリモル)、および、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は33,000であった。次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。 このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.8mm2/sであり、比重は0.91であった。
3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン 39g(150ミリモル)を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン37.2g(150ミリモル)に替える以外は、樹脂合成例3と全く同じようにして、ラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は34,000であった。
次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.7mm2/sであり、比重は0.91であった。
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン105.5g(250ミリモル)をメタクリル酸メチル60.0g(600ミリモル)に替える以外は、樹脂合成例3と全く同じようにして、ラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は34,000であった。
次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.6mm2/sであり、比重は0.91であった。
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン63.3g(150ミリモル)をメタクリル酸メチル70.0g(700ミリモル)に替える以外は、樹脂合成例3と全く同じようにして、ラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は34,000であった。
次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.9mm2/sであり、比重は0.92であった。
撹拌機付きフラスコにトルエン500gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。
次いでこれに、CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3 (式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン422g(500ミリモル:サイラプレーン TM−0701T/チッソ株式会社製)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は37,000であった。
次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.4mm2/sであり、比重は0.91であった。
撹拌機付きフラスコにトルエン500gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。
次いでこれに、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン248.0g(1000ミリモル)、および、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は33,000であった。
次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.7mm2/sであり、比重は0.90であった。
攪拌器、コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下装置を備えた容量500mlのフラスコにMEK(メチルエチルケトン)100部を仕込んだ。別に窒素雰囲気下80℃でMMA(メチルメタクリレート)を32.6部、HEMA(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)を2.5部、MPTS(オルガノポリシロキサン−1:3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン)を64.9部、V−40(1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル))1部を MEK100部に溶解させて得られた溶液を2時間にわたり反応容器中に滴下し、5時間熟成させた。
この共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにMEK(メチルエチルケトン)で希釈した。
酸化アルミニウム(住友化学製AKP−30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫11.6gを2N塩酸1リットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように40分かけて滴下した。引き続き塩化インジウム36.7gと塩化第二スズ5.4gを2N塩酸450ミリリットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のpHが7〜8になるように1時間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子の体積固有抵抗は4Ω・cmであった。
(実施例1)
(キャリア製造例1)
樹脂合成例1で得られた重量平均分子量35,000のメタクリル系共重合体(100部)、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)4部、上記導電性微粒子2部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。
芯材として芯材粒子C1を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.30μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアAを得た。
(キャリア製造例2)
樹脂を合成例2の樹脂に替える以外は、キャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアBを得た。
(キャリア製造例3)
樹脂を合成例3の樹脂に替える以外は、キャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアCを得た。
(キャリア製造例4)
樹脂を合成例4の樹脂に替える以外は、キャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアDを得た。
(キャリア製造例5)
樹脂を合成例5の樹脂に替える以外は、キャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアEを得た。
(キャリア製造例6)
樹脂を合成例6の樹脂に替える以外は、キャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリア製造例6にあたるキャリアFを得た。
(キャリア製造例7)
芯材粒子をC2に替える以外はキャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアGを得た。
(キャリア製造例8)
芯材粒子をC2に替える以外はキャリア製造例2と全く同じ方法で、キャリアHを得た。
(キャリア製造例9)
芯材粒子をC2に替える以外はキャリア製造例3と全く同じ方法で、キャリアIを得た。
(キャリア製造例10)
芯材粒子をC2に替える以外はキャリア製造例4と全く同じ方法で、キャリアJを得た。
(キャリア製造例11)
芯材粒子をC2に替える以外はキャリア製造例5と全く同じ方法で、キャリアKを得た。
(キャリア製造例12)
芯材粒子をC2に替える以外はキャリア製造例6と全く同じ方法で、キャリアLを得た。
(キャリア製造例13)
芯材粒子をC3に替える以外はキャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアMを得た。
(キャリア製造例14)
芯材粒子をC3に替える以外はキャリア製造例2と全く同じ方法で、キャリアNを得た。
(キャリア製造例15)
芯材粒子をC3に替える以外はキャリア製造例3と全く同じ方法で、キャリアOを得た。
(キャリア製造例16)
芯材粒子をC3に替える以外はキャリア製造例4と全く同じ方法で、キャリアPを得た。
(キャリア製造例17)
芯材粒子をC3に替える以外はキャリア製造例5と全く同じ方法で、キャリアQを得た。
(キャリア製造例18)
芯材粒子をC3に替える以外はキャリア製造例6と全く同じ方法で、キャリアRを得た。
(キャリア製造比較例1)
樹脂を合成例7の樹脂に替える以外は、キャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアaを得た。
(キャリア製造比較例2)
樹脂を合成例8の樹脂に替える以外は、キャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアbを得た。
(キャリア製造比較例3)
樹脂を合成例9の樹脂に替える以外は、キャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアcを得た。
(キャリア製造比較例4)
2官能または3官能のモノマーから作成された重量平均分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)30部を加える以外はキャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアdを得た。
(キャリア製造比較例5)
樹脂を合成例7の樹脂に替える以外は、キャリア製造例7と全く同じ方法で、キャリアeを得た。
(キャリア製造比較例6)
樹脂を合成例8の樹脂に替える以外は、キャリア製造例7と全く同じ方法で、キャリアfを得た。
(キャリア製造比較例7)
樹脂を合成例9の樹脂に替える以外は、キャリア製造例7と全く同じ方法で、キャリアgを得た。
(キャリア製造比較例8)
2官能または3官能のモノマーから作成された重量平均分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)30部を加える以外はキャリア製造例7と全く同じ方法で、キャリアhを得た。
(キャリア製造比較例9)
樹脂を合成例7の樹脂に替える以外は、キャリア製造例13と全く同じ方法で、キャリアiを得た。
(キャリア製造比較例10)
樹脂を合成例8の樹脂に替える以外は、キャリア製造例13と全く同じ方法で、キャリアjを得た。
(キャリア製造比較例11)
樹脂を合成例9の樹脂に替える以外は、キャリア製造例13と全く同じ方法で、キャリアkを得た。
(キャリア製造比較例12)
2官能または3官能のモノマーから作成された重量平均分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)30部を加える以外はキャリア製造例13と全く同じ方法で、キャリアlを得た。
(キャリア製造比較例13)
芯材粒子をC4に替える以外はキャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアmを得た。
(キャリア製造比較例14)
芯材粒子をC4に替える以外はキャリア製造例2と全く同じ方法で、キャリアnを得た。
(キャリア製造比較例15)
芯材粒子をC4に替える以外はキャリア製造例3と全く同じ方法で、キャリアoを得た。
(キャリア製造比較例16)
芯材粒子をC5に替える以外はキャリア製造例1と全く同じ方法で、キャリアpを得た。
(キャリア製造比較例17)
芯材粒子をC5に替える以外はキャリア製造例2と全く同じ方法で、キャリアqを得た。
(キャリア製造比較例18)
芯材粒子をC5に替える以外はキャリア製造例3と全く同じ方法で、キャリアrを得た。
得られた芯材及びキャリアの特性を各々表1、2に示す。
(芯材特性)
画像解析装置(LUZEX III、ニレコ社製)を用いて形状係数の値を求めた。
マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320−X100(日機装社製)を用いて、キャリア粒子の粒度分布を測定した。
キャリア約0.15gを、内径が2.4mm、高さが8.5mmのセルに充填した後、VSM−P7−15(東英工業社製)を用いて、1kOeの磁場において、磁化を測定した。
体積固有抵抗は、図1に示すセルを用いて測定した。具体的には、まず、表面積2.5cm×4cmの電極1a及び電極1bを、0.2cmの距離を隔てて収容したフッ素樹脂製容器2からなるセルに、キャリア3を充填し、落下高さ1cm、タッピングスピード30回/分で、10回のタッピングを行った。次に、電極1a及び1bの間に1000Vの直流電圧を印加して30秒後の抵抗r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し、下記式2から、体積固有抵抗[Ωcm]を算出した。
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリアの断面を観察して、被覆層の平均膜厚を測定した。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて標準ポリスチレン換算で求めた。粘度は25℃でJIS−K2283に準じて測定した。また、不揮発分はコーティング剤組成物1gをアルミ皿に秤取り、150℃で1時間加熱した後の重量を測定して、次式に従って算出した。
不揮発分(%)=(加熱前の重量−加熱後の重量)×100/加熱前の重量
(ポリエステル樹脂Aの合成例)
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価 320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、200℃で酸価が10になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂A]を得た。本樹脂のTgは63℃、ピーク個数平均分子量6000であった。
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価 320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、230℃で酸価が7になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂B]を得た。本樹脂のTgは65℃、ピーク個数平均分子量16000であった。
ポリエステル樹脂A ・・・・ 40部
ポリエステル樹脂B ・・・・ 60部
カルナバワックス ・・・・1部
カーボンブラック(#44 三菱化学社製)・・・・ 15部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて以下の条件で混練を行い(設定温度:入口部100℃、出口部50℃で、フィード量:2kg/Hr)、[母体トナーA1]を得た。
更に、[母体トナーA1]を混練後圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製IDS−2型にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:6.8atm/cm2、フィード量:0.5kg/hrの条件)にて微粉砕を行い、更に分級を行って(アルピネ社製の132MP)、[母体トナー粒子1]を得た。
「母体トナー粒子1」100部に対し、外添剤として疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナー粒子を得た(以下「トナー1」という)。
キャリア製造例で得られたキャリアA〜R、a〜r(93部)に対して、トナー製造例で得られたトナー1(7.2μm)を7.0部加えて、ボールミルで20分攪拌して、現像剤A〜R、及び現像剤a〜rを作成した。
得られた現像剤を用いて、リコー社製 イマジオカラー4000(リコー製デジタルカラー複写機・プリンタ複合機)を用いて画像評価を実施した。具体的には、まず、実施例及び比較例の現像剤A〜R、a〜rを用いて、画像面積率20%で、初期及び30万枚のランニング後のキャリアの帯電量及び体積固有抵抗を測定し、帯電量の低下量及び体積固有抵抗の変化量を算出した。
なお、初期のキャリアの帯電量(Q1)は、キャリアA〜R、a〜rと、トナー1を、質量比93:7で混合し、摩擦帯電させたサンプルを、ブローオフ装置TB−200(東芝ケミカル社製)を用いて測定した。
また、ランニング後のキャリアの帯電量(Q2)は、ブローオフ装置を用いてランニング後の現像剤中の各色のトナーを除去したキャリアを用いた以外は、上記と同様にして測定した。なお、帯電量の変化量の目標値は10μC/g以下である。
一方、初期のキャリアの体積固有抵抗(LogR1)は、上記[体積固有抵抗]と同様にして測定したキャリアの体積固有抵抗の常用対数値である。ランニング後のキャリアの体積固有抵抗(LogR2)は、ブローオフ装置を用いてランニング後の現像剤中の各色のトナーを除去したキャリアを用いた以外は、上記と同様にして測定した。なお、体積固有抵抗の目標値は絶対値で1.5[Log(Ωcm)]以下である。
現像剤評価結果を表3に示す。
なお、画像品質確認および信頼性試験等の特性試験は、リコー社製 イマジオカラー4000(リコー製デジタルカラー複写機・プリンタ複合機)を使用し、次の現像条件で作成した。
・現像ギャップ(感光体−現像スリーブ):0.3mm
・ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.65mm
・感光体線速度:200mm/sec
・(現像スリーブ線速度)/(感光体線速度):1.80
・書込み密度:600dpi
・帯電電位(Vd):−600V
・画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:−100V
・現像バイアス:DC −500V /交流バイアス成分:2KHz、−100V〜−900V、50%duty
品質評価は転写紙上で実施、但しキャリア付着は現像後転写前の状態を感光体上から粘着テープに転写して観察した。
(現像剤の物性変動)
(1)現像剤汲み上げ量の変動率(%)
={(初期における現像剤汲み上げ量−30万枚ランニング後の現像剤汲み上げ量)/初期における現像剤汲み上げ量}×100
但し、現像スリーブ上の現像剤汲み上げ量=mg/cm2
±5%未満 : ◎大変良好
±5以上〜±10%未満 : ○良好
±10以上〜±20%未満 : △使用可能
±20%以上 : ×不良
0以上〜0.03Wt%未満 : ◎大変良好
0.03Wt%以上 〜0.07t%未満 : ○良好
0.07Wt%以上 〜0.15Wt%未満 : △使用可能
0.15Wt%以上 : ×不良
0以上〜10%未満 : ◎大変良好
10以上〜30%未満 : ○良好
30以上〜70%未満 : △使用可能
70%以上 : ×不良
一定量の現像剤を、両端に金属メッシュを備えた導体容器(ケージ)に入れる。メッシュ(ステンレス製)の目開きはトナーとキャリアの粒径の中間のもの(目開き20μm)選び、トナーがメッシュの間を通過するように設定する。ノズルから圧縮窒素ガス(1kgf/cm2)を60秒間吹き付けて、トナーをゲージの外へ飛び出させると、ケージ内にトナーの電荷と逆極性を持ったキャリアが残される。
その電荷量Qと、飛び出したトナーの質量Mを測定し、単位質量当たりの電荷量を帯電量Q/Mとして算出する。トナー帯電量はμc/gで表示される。
上記の画像形成において画像の評価に採用した試験方法および評価基準は以下のとおりである。
画像品質評価は転写紙上で実施、但しキャリア付着は現像後、転写前の状態を感光体上から粘着テープに転写して観察した。
注1;現像ポテンシャル400V相当箇所=(露光部電位−現像バイアスDC)
=-100V-(-500V)
注2;現像ポテンシャル150V相当箇所=(ハイライト部電位−現像バイアスDC)=-350V-(-500V)
粒状度=exp(aL+b)∫(WS(f))1/2・VTF(f)df
L:平均明度
f:空間周波数(cycle/mm)
WS(f):明度変動のパワースペクトラム
VTF(f):視覚の空間周波数特性
a,b:係数
0以上〜0.2未満 : ◎(大変良好)
0.2以上〜0.3未満 : ○(良好)
0.3以上〜0.4未満 : △(使用可能)
0.4以上 : ×(不良)
キャリア付着が発生すると、感光体ドラムや定着ローラーの傷の原因となり、画像品質の低下を招く。感光体上にキャリア付着が発生しても、一部のキャリアしか紙に転写しないため、以下の方法で評価した。
前述の現像条件(帯電電位(Vd):−600V、画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:−100V、現像バイアス:DC −500V)における、イマジオカラー4000のベタ画像(30mm×30mm)に付着したキャリアの個数を、感光体上でカウントしてベタキャリア付着の評価を行った。
表中記載の記号は、◎:大変良好、○:良好、△:使用可能、×:不良とした。
キャリア付着が発生すると、感光体ドラムや定着ローラーの傷の原因となり、画像品質の低下を招く。感光体上にキャリア付着が発生しても、一部のキャリアしか紙に転写しないため、以下の方法で評価した。
帯電電位(Vd)を−600V、露光部電位-100V、現像バイアス(Vb)DC−400Vの現像条件で、即ち、地肌ポテンシャル200Vの条件で、感光体上の副走査方向に2ドットライン(100lpi/inch)の画像を形成した。
次に、感光体上に現像された2ドットラインを粘着テープ(面積100cm2)で転写し、その個数をカウントしてキャリア付着の評価を行った。
表中記載の記号は、◎:大変良好、○:良好、△:使用可能、×:不良(×は許容不可のレベル)とした。
ΔID= 30℃90%と10℃15%のベタ部の画像濃度の差
0以上〜0.05未満 : ◎(大変良好)
0.05以上〜0.15未満 : ○(良好)
0.15以上〜0.25未満 : △(使用可能)
0.25以上 : ×(不良)
30万枚ランニング後の現像装置周辺のトナの飛散状態を以下の基準で評価した。
表中記載の記号は、◎:大変良好、○:良好、△:使用可能、×:不良(×は許容不可のレベル)とした。
(初期の印刷品質)
1a 電極
1b 電極
2 フッ素樹脂製
3 キャリア
(図2について)
10 プロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
Claims (13)
- 磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなる静電潜像現像剤用キャリアであって、該芯材粒子の形状係数SF2が130以上160以下であり、該樹脂層は、導電性微粒子を含み、かつ少なくとも下記一般式(1)で表されるモノマーA成分由来のA部位と下記一般式(2)で表されるモノマーB成分由来のB部位とを含む共重合体を、加熱処理して得られた樹脂を含有することを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
R1:水素原子、またはメチル基
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
R2:炭素原子数1〜4のアルキル基
R3は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X:10〜90モル%
Y:10〜90モル% - 前記加熱処理時の熱処理温度が80〜400℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 体積固有抵抗が1×107Ω・cm以上1×1017Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記樹脂層は、平均膜厚が0.05μm以上0.50μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記芯材粒子は、重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 1kOeの磁場における磁化が40Am2/kg以上90Am2/kg以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載のキャリア及びトナーを有することを特徴とする二成分現像剤。
- 前記トナーは、カラートナーであることを特徴とする請求項8に記載の現像剤。
- キャリア及びトナーを含む補給用現像剤であって、キャリア1質量部に対してトナーを2〜50重量部含有し、前記キャリアが請求項1乃至7のいずれかに記載のキャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
- 静電潜像担持体と、該潜像担持体を帯電させる帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項8乃至10のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
- 静電潜像担持体、該感光体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項8乃至10のいずれかに記載の現像剤を用いて現像する現像部と、前記静電潜像担持体をクリーニングするクリーニング部材を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項8乃至10のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
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