JP2012082235A - セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012082235A JP2012082235A JP2010217618A JP2010217618A JP2012082235A JP 2012082235 A JP2012082235 A JP 2012082235A JP 2010217618 A JP2010217618 A JP 2010217618A JP 2010217618 A JP2010217618 A JP 2010217618A JP 2012082235 A JP2012082235 A JP 2012082235A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- general formula
- cellulose acylate
- carbon atoms
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 0 CN(**)c1nc(*C*)c2nc[n]c2n1 Chemical compound CN(**)c1nc(*C*)c2nc[n]c2n1 0.000 description 7
- NJYZCEFQAIUHSD-UHFFFAOYSA-N Cc1nc(N)nc(N)n1 Chemical compound Cc1nc(N)nc(N)n1 NJYZCEFQAIUHSD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- AIXPFQPJDWNMMP-UHFFFAOYSA-N CC1(N)N(C)C(NC)N=C(N)N1 Chemical compound CC1(N)N(C)C(NC)N=C(N)N1 AIXPFQPJDWNMMP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- ZFPGARUNNKGOBB-UHFFFAOYSA-N CCN(CCC1)C1=O Chemical compound CCN(CCC1)C1=O ZFPGARUNNKGOBB-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- DQIYTDDYAIQDDK-UHFFFAOYSA-N CNc1nc(NC(c(cc2)ccc2OC)=O)nc(N)n1 Chemical compound CNc1nc(NC(c(cc2)ccc2OC)=O)nc(N)n1 DQIYTDDYAIQDDK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- FJLKYDDLYFJLMI-UHFFFAOYSA-N CNc1nc(NC(c2cc(OC)ccc2)=O)nc(N)n1 Chemical compound CNc1nc(NC(c2cc(OC)ccc2)=O)nc(N)n1 FJLKYDDLYFJLMI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- SOWLQTNUSCLCNQ-UHFFFAOYSA-N CNc1nc(NC(c2ccccc2)=O)nc(N)n1 Chemical compound CNc1nc(NC(c2ccccc2)=O)nc(N)n1 SOWLQTNUSCLCNQ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- CLNBDZOCNDSGOG-UHFFFAOYSA-N COc(cc1)ccc1C(Nc1nc(N)nc(OC)n1)=O Chemical compound COc(cc1)ccc1C(Nc1nc(N)nc(OC)n1)=O CLNBDZOCNDSGOG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- MSFFXKZBOJURJQ-UHFFFAOYSA-N COc1cc(C(Nc2nc(N)nc(OC)n2)=O)ccc1 Chemical compound COc1cc(C(Nc2nc(N)nc(OC)n2)=O)ccc1 MSFFXKZBOJURJQ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- YBYPUWIJPNPUFM-UHFFFAOYSA-N COc1nc(NC(c2ccccc2)=O)nc(N)n1 Chemical compound COc1nc(NC(c2ccccc2)=O)nc(N)n1 YBYPUWIJPNPUFM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- JABXHRVQGADOKK-UHFFFAOYSA-N Cc(cc1)ccc1C(Nc1nc(N)nc(NC)n1)=O Chemical compound Cc(cc1)ccc1C(Nc1nc(N)nc(NC)n1)=O JABXHRVQGADOKK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- QCLQGPBVRFCJQK-UHFFFAOYSA-N Cc(cc1)ccc1C(Nc1nc(N)nc(OC)n1)=O Chemical compound Cc(cc1)ccc1C(Nc1nc(N)nc(OC)n1)=O QCLQGPBVRFCJQK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- OQQKUFHIVRHNGC-UHFFFAOYSA-N Cc1cc(C2OC2Nc2nc(N)nc(OC)n2)ccc1 Chemical compound Cc1cc(C2OC2Nc2nc(N)nc(OC)n2)ccc1 OQQKUFHIVRHNGC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- WYGGPVLYCAAUOH-UHFFFAOYSA-N Cc1cccc(C(Nc2nc(N)nc(NC)n2)=O)c1 Chemical compound Cc1cccc(C(Nc2nc(N)nc(NC)n2)=O)c1 WYGGPVLYCAAUOH-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- CPXCDEMFNPKOEF-UHFFFAOYSA-N Cc1cccc(C(OC)=O)c1 Chemical compound Cc1cccc(C(OC)=O)c1 CPXCDEMFNPKOEF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- DRQWQDPSMJHCCM-UHFFFAOYSA-N Cc1ncc[n]1CCc1nc(N)nc(N)n1 Chemical compound Cc1ncc[n]1CCc1nc(N)nc(N)n1 DRQWQDPSMJHCCM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- GZVHEAJQGPRDLQ-UHFFFAOYSA-N Nc1nc(N)nc(-c2ccccc2)n1 Chemical compound Nc1nc(N)nc(-c2ccccc2)n1 GZVHEAJQGPRDLQ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
【解決手段】(A)〜(C)の要件を満たす水素結合性化合物と、多価アルコールエステル系疎水化剤、重縮合エステル系疎水化剤および炭水化物誘導体系疎水化剤の中から選ばれる少なくとも一つの疎水化剤を含むセルロースアシレートフィルム。(A)1分子内に水素結合ドナー部と水素結合アクセプター部の双方を有する。(B)分子量を水素結合ドナー数と水素結合アクセプター数の合計数で除した値が30以上65以下。(C)芳香環構造の総数が1以上3以下。
【選択図】なし
Description
(A)1分子内に水素結合ドナー部と水素結合アクセプター部の双方を有する。
(B)分子量を水素結合ドナー数と水素結合アクセプター数の合計数で除した値が30以上65以下。
(C)芳香環構造の総数が1以上3以下。
[2] 前記水素結合性化合物が下記一般式(A−1)で表される化合物である、[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[3] 前記水素結合性化合物が下記一般式(B−1)で表される化合物である、[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[4] 前記一般式(A−1)および(B−1)において、前記X1、X2、X3、X4、X5およびX6が、それぞれ独立に、単結合および下記一般式(P)で表される2価の連結基からなる群から選択されるいずれか一つであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[5] 前記水素結合性化合物が下記一般式(C−1)で表される化合物である、[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[6] 前記水素結合性化合物が下記一般式(D−1)で表される化合物である、[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[7] 前記水素結合性化合物が下記一般式(E−1)で表される化合物である[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
一般式(Q)
[8] 前記水素結合性化合物が下記一般式(F−1)で表される化合物である[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[9] 前記水素結合性化合物が下記一般式(G−1)で表される化合物である[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[10] 前記水素結合性化合物が下記一般式(H−1)で表される化合物である[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[11] 前記水素結合性化合物の分子量が100〜1000であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを含むことを特徴とする位相差フィルム。
[13] [1]〜[11]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムまたは[12]に記載の位相差フィルムを含んでなる偏光板。
[14] [1]〜[11]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム、[12]に記載の位相差フィルムまたは[13]に記載の偏光板を含んでなる液晶表示装置。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、下記(A)〜(C)の要件を満たす水素結合性化合物(以下本発明に用いられる水素結合性化合物と称する)と、多価アルコールエステル系疎水化剤、重縮合エステル系疎水化剤および炭水化物誘導体系疎水化剤の中から選ばれる少なくとも一つの疎水化剤を含むことを特徴とする。
(A)1分子内に水素結合ドナー部と水素結合アクセプター部の双方を有する。
(B)分子量を水素結合ドナー数と水素結合アクセプター数の合計数で除した値が25以上65以下。
(C)芳香環構造の総数が1以上3以下。
本発明に用いられる水素結合性化合物と特定の疎水化剤をセルロースアシレートフィルムに添加することにより、環境湿度変化に伴うセルロースアシレートフィルムのレターデーション変化を大幅に低減できる。
さらに、該セルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いることにより、高温高湿下での偏光子の性能劣化を大幅に改良できる。
以下に、前記本発明に用いられる水素結合性化合物、前記疎水化剤、セルロースアシレートフィルムの製造方法の順に詳しく説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、前記水素結合性化合物を含むことを特徴とする。以下、本発明に用いられる水素結合性化合物の構造の詳細について、説明する。
いかなる理論に拘泥するものでもないが、セルロースアシレートフィルムの位相差値の湿度依存性はセルロースアシレート樹脂のアシル置換基に存在するカルボニル基に水分子が配位することにより、セルロースアシレート樹脂の複屈折性が変化することで生じていると推測される。同様にいかなる理論に拘泥するものでもないが、本発明に用いられる水素結合性化合物は、水素結合性基を適当な位置に有するため、セルロースアシレート樹脂のカルボニル基または水酸基に効果的に相互作用し、高湿状態での水分子のセルロースアシレート樹脂への接近を阻害することができる。すなわち、本発明は水素結合性化合物の構造、特に水素結合性化合物の分子内における配置に着目したものである。なお、従来1,3,5−トリアジン環を有する化合物をセルロースアシレート樹脂に添加する場合は、1,3,5−トリアジン環を有する化合物全体の形状の平面性に注目していたため、本発明の前記構造の化合物はほとんど注目されていなかった。
(A)1分子内に水素結合ドナー部と水素結合アクセプター部の双方を有する。
(B)分子量を水素結合ドナー数と水素結合アクセプター数の合計数で除した値が30以上65以下。
(C)芳香環の総数が1以上3以下。
本発明に用いられる前記水素結合性化合物において水素結合性ドナー部および水素結合性アクセプター部として働く官能基の例は例えば、Jeffrey, George A.著、Oxford UP刊のIntroduction to Hydrogen Bondingの15ページのTable 2に記載されており、本明細書ではこの表に記載の官能基の数の前記水素結合性化合物における合計を、水素結合性ドナー数および水素結合性アクセプター数の合計として用いる。
本発明に用いられる前記水素結合性化合物は1分子内に水素結合性ドナー部と水素結合性アクセプター部の双方を有することにより、水と強い水素結合を形成し、水がセルロースアシレート中のカルボニル基に配位するを抑制することができる。水素結合性ドナー部と水素結合性アクセプター部を結ぶ結合の数は0個以上3個以下が、前記水との水素結合形成の点で好ましく、1個および2個がさらに好ましい。
本発明に用いられる前記水素結合性化合物は、分子量を水素結合ドナー数と水素結合アクセプター数の合計数で除した値は35以上60以下がさらに好ましい。分子量を水素結合ドナー数と水素結合アクセプター数の合計数で除した値が大きすぎると、セルロースアシレートに水素結合性化合物が接近しにくくなり、環境変化にともなうレターデーション変化の改良効果が小さくなってしまう。一方、分子量を水素結合ドナー数と水素結合アクセプター数の合計数で除した値が小さすぎると水素結合性化合物同士の相互作用が強くなりすぎて、溶媒への溶解性、セルロースアシレートとの相溶性が不足するため好ましくない。
本発明に用いられる水素結合性化合物中の芳香環構造の数は1以上3以下である。ここで、芳香環構造とは、芳香族炭化水素環の他、複素芳香環も含む。また、芳香環構造の数は、芳香環が縮合している縮合環の場合は1つと数え、芳香環どうしが連結基を介して連結しているときに複数個と数える。例えば、ナフタレン由来の炭素数10の芳香環は、芳香環構造1つと数える。芳香環構造の数が4以上になると水素結合性化合物の分子サイズが大きくなりすぎて、セルロースアシレート中のカルボニル基に接近しにくくなり、環境湿度による光学特性変化に対する抑制効果が小さくなってしまう。
また、本発明に用いられる水素結合性化合物は少なくとも一つの複素芳香環を含むことが好ましい。複素芳香環を含むことにより複素芳香環中のヘテロ原子と水素結合性化合物中の他の水素結合性アクセプターあるいは水素結合性ドナーが水と環状水素結合を形成しやすくなり好ましい。
本発明に用いられる水素結合性化合物の親疎水性は特定範囲に制御されていることが好ましい。すなわち、添加剤が疎水的過ぎるとセルロースアシレートとの相溶性が不足し、セルロースアシレートに近傍に存在しうる添加剤の割合が少なくなってしまう。一方、添加剤が親水的過ぎると、ドープ溶剤への溶解性が不足してしまう。
オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、一般にJIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))、Viswanadhan’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989))、Broto’s fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.−Chim.Theor.,19,71(1984))などを用いることが知られている。本発明では、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))を用いる。
ClogP値とは、1−オクタノールと水への分配係数Pの常用対数logPを計算によって求めた値である。ClogP値の計算に用いる方法やソフトウェアについては公知の物を用いることができるが、本発明ではDaylight
Chemical Information Systems社のシステム:PCModelsに組み込まれたCLOGPプログラムを用いた。
また、ある化合物のlogPの値が、測定方法あるいは計算方法により異なる場合に、該化合物が本発明の範囲内であるかどうかは、Crippen’s fragmentation法により判断することとなる。
本発明に用いられる水素結合性化合物は以下に示す一般式(A−1)〜(H−1)であらわされる化合物が好ましい。以下に各々の構造について詳しく説明する。
まず、一般式(A−1)で表される化合物について説明する。なお、本明細書中において、アルキル基などの炭化水素基は、本発明の趣旨に反さない場合、直鎖であっても、分枝であってもよい。
前記Raがアルケニル基である場合、炭素数2〜20であることが好ましく、炭素数3〜15であることがより好ましく、炭素数6〜12であることが特に好ましい。
前記Raがアルキニル基である場合、炭素数2〜20であることが好ましく、炭素数3〜15であることがより好ましく、炭素数6〜12であることが特に好ましい。
前記Raがアリール基である場合、炭素数6〜24であることが好ましく、炭素数6〜18であることがより好ましい。
前記Raが複素環基である場合、炭素数5〜23であることが好ましく、炭素数5〜17であることがより好ましい。
前記Raが有していてもよい置換基としては、以下の置換基Tを挙げることができる。前記置換基Tとしては、例えばアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは、炭素原子数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結して環を形成してもよい。
前記X1、X2、X3およびX4がそれぞれ独立に表していてもよい前記2価の連結基としては、例えば、下記一般式(P)で表される2価の連結基、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜3、特に好ましくは炭素数2)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは、炭素数6〜10)などを挙げることができる。その中でも下記一般式(P)で表される2価の連結基であることが好ましく、カルボニル基であることがより好ましい。
前記R1、R2、R3およびR4がアルキル基である場合、炭素数1〜12であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましい。前記R1がアルキル基かつX1が−C(=O)−、前記R2がアルキル基かつX2が−C(=O)−、前記R3がアルキル基かつX3が−C(=O)−、前記R4がアルキル基かつX4が−C(=O)−である場合、湿度依存性改良の観点から好ましいR1、R2、R3およびR4の範囲は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシル基または複素環基であり、より好ましくは置換または無置換のアリール基である。該アリール基が有する好ましい置換基は、後述する一般式(A−4)におけるのR31〜R34の範囲と同様であり、すなわちハロゲン原子、水酸基、カルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1から8のアルキル基、炭素数1から8のアルコキシ基、炭素数1から8のアルキルアミノ基、炭素数1から8のジアルキルアミノ基である。
前記R1、R2、R3およびR4がアルケニル基である場合、炭素数2〜12であることが好ましく、炭素数2〜6であることがより好ましく、炭素数2〜4であることが特に好ましい。
前記R1、R2、R3およびR4がアルキニル基である場合、炭素数2〜12であることが好ましく、炭素数2〜6であることがより好ましく、炭素数2〜4であることが特に好ましい。
前記R1、R2、R3およびR4がアリール基である場合、炭素数6〜18であることが好ましく、炭素数6〜12であることがより好ましく、炭素数6であることが湿度依存性改良の観点から特に好ましい。
前記R1、R2、R3およびR4はさらに置換基を有していても、有していなくともよく、該置換基としては前記置換基Tを挙げることができる。
さらに、本発明のセルロースアシレートフィルムは、前記Ra3がアルキル基であることが、Rthを下降させつつ、レターデーションの湿度依存性を改良する場合に好ましく、その場合はさらに前記Ra3が無置換のアルキル基であるときがより好ましい。
次に、一般式(B−1)で表される化合物について説明する。
さらに、本発明のセルロースアシレートフィルムは、前記Rb3およびRc3が共にアルキル基であることが、Rthを下降させつつ、レターデーションの湿度依存性を改良する場合に好ましく、その場合はさらに前記Rb3およびRc3が共に無置換のアルキル基であるときがより好ましい。同様に前記Rb4およびRc4が共にアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(A−1)または一般式(B−1)で表される化合物の製造方法は、特に限定はなく、公知の方法により製造することができる。本発明において好ましく用いられる製造方法としては、例えば米国特許第3,478,026公報やChem. Eur. J. 2005, 11, 6616−6628に記載されているようにジシアノジアミドとニトリル化合物とを水酸化カリウム等の無機塩基存在下にてアルコール中で加熱することでトリアジン環を形成する方法や、Tetrahedron 2000,56,9705−9711に記載されているように塩化シアヌルを原料としてグリニャール化合物とアミン化合物を段階的に置換反応させていく方法や、有機合成化学協会誌 1967,第25巻第11号,1048−1051に記載されているようにイミドイルグアニジンとカルボン酸クロリドまたはエステルの反応によりモノアミノ−ジ置換−s−トリアジン類を合成する方法を用いることができる。
また、一般式(A−1)または一般式(B−1)で表される化合物は商業的に入手してもよい。
次に一般式(C−1)で表される化合物について詳しく説明する。
次に一般式(D−1)で表される化合物について詳しく説明する。
次に一般式(E−1)で表される化合物について詳しく説明する。
一般式(Q)
で表される2価の連結基からなる群から選択される連結基を表す。)
塩基としては、無機塩基(例、炭酸カリウム)と有機塩基(例、トリエチルアミン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド)のいずれも使用できる。有機塩基が好ましく、ナトリウムメトキシドが特に好ましい。用いる塩基の使用量は、一般式(E−1b)で表される化合物に対して0.5乃至10当量の範囲であることが好ましく、1乃至3当量の範囲であることが特に好ましい。
反応温度は、通常−20℃から用いる溶媒の沸点までであり、室温から溶媒の沸点が好ましい。反応時間は、通常10分〜〜3日間であり、好ましくは1時間から1日間である。反応を窒素雰囲気下、あるいは減圧下で行ってもよい。特に脱離基Zがアルコキシ基、アリール基の場合は減圧下で行うことも好ましい。
これらの中でも、−O−、−NH−および−N(CH3)−、−C(=O)−、およびそれらの組合せからなる連結基が好ましく、−O−、−NH−C(=O)−および−N(CH3)−がより好ましい。
前記R81がアルキル基である場合、炭素数1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
前記R1およびR2がそれぞれ独立にアルケニル基である場合、炭素数12〜15であることが好ましく、12〜10であることがより好ましく、12〜5であることが特に好ましい。
前記R81がアルキニル基である場合、炭素数2〜15であることが好ましく、2〜10であることがより好ましく、2〜5であることが特に好ましい。
前記R81がアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基である場合、環状、直鎖または分岐のいずれであってもよいが、直鎖または分岐であることが好ましく、直鎖であることがより好ましい。
前記R81がヘテロアリール基である場合、炭素数5〜18であることが好ましく、5〜12であることがより好ましい。
前記R81がアリール基である場合、炭素数6〜18であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。
前記R81がアリールアルキル基である場合、炭素数7〜18であることが好ましく、7〜12であることがより好ましい。
前記L1が−O−である場合、前記R81は 炭素数1〜15のアルキル基 またはアリールアルキル基であることが好ましく、アリールアルキル基であることがより好ましい。
前記L1が−NH−である場合、前記R81は 炭素数1〜15のアルキル基、アリールアルキル基であることが好ましく、アリールアルキル基であることがより好ましい。
前記L1が−NH−C(=O)−である場合、前記R81は 炭素数1〜15のアルキル基、アリール基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
前記L1が−N(CH3)−である場合、前記R81は 炭素数1〜15のアルキル基 またはアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
前記R82はメチル基、フェニル基またはベンジル基であることがより好ましく、メチル基、フェニル基またはベンジル基であることが特に好ましい。
前記核酸塩基骨格を含有する化合物が有していることが好ましい水素結合等によってセルロースアシレートと相互作用可能である部分構造としては、プリン塩基骨格、エーテル結合構造、エステル結合構造、アミド結合構造、−NH−連結基構造などを挙げることができる。
前記核酸塩基骨格を含有する一般式(G−1)で表される化合物の具体例としては、以下のものを挙げることができる。ただし、前記水素結合性化合物として用いることができる前記核酸塩基骨格を含有する一般式(G−1)で表される化合物は、これらに限定されるものではない。
つぎに一般式(H−1)で表される化合物について詳しく説明する。
前記一般式(A−1)〜(H−1)で表される化合物は、分子量が100〜1000であることが好ましく、150〜700であることがより好ましく、150以上450以下であることが最も好ましい。
前記一般式(A−1)〜(H−1)で表される化合物の添加量は、セルロースアシレート樹脂に対して、30質量%以下とすることが好ましく、1〜30質量%とすることがより好ましく、2〜20質量%とすることが特に好ましく、3〜15質量%とすることがさらに好ましい。
また、本発明のフィルムは、前記セルロースアシレート樹脂に対する、前記水素結合性化合物の合計含有量が35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。なお、前記水素結合性化合物は前記一般式(A−1)〜(H−1)で表される化合物に限定されない。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、多価アルコールエステル系疎水化剤、重縮合エステル系疎水化剤および炭水化物誘導体系疎水化剤の中から選ばれる少なくとも一つの疎水化剤を含む。前記疎水化剤としては、フィルムのガラス転移温度をできるだけ下げずに含水率を低減できるものが好ましい。このような疎水化剤を使用することにより高温高湿下においてセルロースアシレートフィルム中の添加剤が偏光子層へ拡散する現象を抑制でき、偏光子性能の劣化を改良することができる。以下に本発明に用いられる前記疎水化剤について詳しく説明する。
本発明に用いられる多価アルコールは次の一般式(4)で表される。
(但し、R1はn価の有機基、nは2以上の正の整数を表す)
好ましい前記多価アルコール系疎水化剤の例としては、例えば以下のようなものを挙げることが出来るが、本発明はこれらに限定されるものではない。アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることが出来る。特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
前記重縮合エステル系疎水化剤は、少なくとも一種の芳香環を有するジカルボン酸(芳香族ジカルボン酸とも呼ぶ)と少なくとも一種の平均炭素数が2.5〜8.0の脂肪族ジオールとから得られることが好ましい。また、芳香族ジカルボン酸と少なくとも一種の脂肪族ジカルボン酸との混合物、と少なくとも一種の平均炭素数が2.5〜8.0の脂肪族ジオールとから得られることも好ましい。
前記ジカルボン酸残基の組成比(モル分率)を構成炭素数に乗じて算出した値を平均炭素数とする。例えば、アジピン酸残基とフタル酸残基が50モル%ずつから構成される場合は、平均炭素数7.0となる。
また、前記ジオール残基の場合も同様で、ジオール残基の平均炭素数は、ジオール残基の組成比(モル分率)を構成炭素数に乗じて算出した値とする。例えばエチレングリコール残基50モル%と1,2−プロパンジオール残基50モル%から構成される場合は平均炭素数2.5となる。
前記重縮合エステルの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定、評価することができる。また、末端が封止のないポリエステルポリオールの場合、重量あたりのヒドロキシル基の量(以下、水酸基価とも言う)により算出することもできる。本発明において、水酸基価は、ポリエステルポリオールをアセチル化した後、過剰の酢酸の中和に必要な水酸化カリウムの量(mg)を測定する。
炭素数の平均が5.5以上であれば耐久性に優れた偏光板を得ることができる。炭素数の平均が10以下であればセルロースエステルへの相溶性が優れ、セルロースエステルフィルムの製膜過程でブリードアウトの発生を抑制することができる。
本明細書中では、残基とは、重縮合エステルの部分構造で、重縮合エステルを形成している単量体の特徴を有する部分構造を表す。例えばジカルボン酸HOOC−R−COOHより形成されるジカルボン酸残基は−OC−R−CO−である。
本発明に用いる重縮合エステルの芳香族ジカルボン酸残基比率は40mol%以上であることが好ましく、40mol%〜95mol%であることがより好ましい。
芳香族ジカルボン酸残基比率を40mol%以上とすることで、十分な光学異方性を示すセルロースエステルフィルムが得られ、耐久性に優れた偏光板を得ることができる。また、95mol%以下であればセルロースエステルとの相溶性に優れ、セルロースエステルフィルムの製膜時及び加熱延伸時においてもブリードアウトを生じにくくすることができる。
前記重縮合エステルには、混合に用いた芳香族ジカルボン酸に由来する芳香族ジカルボン酸残基が形成される。
すなわち、前記芳香族ジカルボン酸残基は、フタル酸残基、テレフタル酸残基、イソフタル酸残基の少なくとも1種を含むことが好ましく、より好ましくはフタル酸残基、テレフタル酸残基の少なくとも1種を含み、さらに好ましくはテレフタル酸残基を含む。
前記重縮合エステルの形成における混合に、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸を用いることで、よりセルロースエステルとの相溶性に優れ、セルロースエステルフィルムの製膜時及び加熱延伸時においてもブリードアウトを生じにくいセルロースエステルフィルムとすることができる。また、前記芳香族ジカルボン酸は1種でも、2種以上を用いてもよい。2種用いる場合は、フタル酸とテレフタル酸を用いることが好ましい。
フタル酸とテレフタル酸の2種の芳香族ジカルボン酸を併用することにより、常温での重縮合エステルを軟化することができ、ハンドリングが容易になる点で好ましい。
前記重縮合エステルのジカルボン酸残基中における、テレフタル酸残基の含有量は40mol%〜100mol%であることが好ましい。
テレフタル酸残基比率を40mol%以上とすることで、十分な光学異方性を示すセルロースエステルフィルムが得られる。
本発明で好ましく用いることができる重縮合エステル系疎水化剤を形成することができる脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
重縮合エステルには、混合に用いた脂肪族ジカルボン酸に由来する脂肪族ジカルボン酸残基が形成される。
脂肪族ジカルボン酸残基は、平均炭素数が5.5〜10.0であることが好ましく、5.5〜8.0であることがより好ましく、5.5〜7.0であることがさらに好ましい。脂肪族ジカルボン酸残基の平均炭素数が10.0以下であれば化合物の加熱減量が低減でき、セルロースアシレートウェブ乾燥時のブリードアウトによる工程汚染が原因と考えられる面状故障の発生を防ぐことができる。また、脂肪族ジカルボン酸残基の平均炭素数が5.5以上であれば相溶性に優れ、重縮合エステルの析出が起き難く好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸残基は、具体的には、コハク酸残基を含むことが好ましく、2種用いる場合は、コハク酸残基とアジピン酸残基を含むことが好ましい。
すなわち、重縮合エステルの形成における混合に、脂肪族ジカルボン酸を1種用いても、2種以上を用いてもよく、2種用いる場合は、コハク酸とアジピン酸を用いることが好ましい。重縮合エステルの形成における混合に、脂肪族ジカルボン酸を1種用いる場合は、コハク酸を用いることが好ましい。脂肪族ジカルボン酸残基の平均炭素数を所望の値に調整することができ、セルロースエステルとの相溶性の点で好ましい。
本明細書中では、ジオールHO−R−OHより形成されるジオール残基は−O−R−O−である。
重縮合エステルを形成するジオールとしては、芳香族ジオール及び脂肪族ジオールが挙げられ、本発明に用いられる前記疎水化剤に用いられる重縮合エステルは少なくとも脂肪族ジオールから形成されることが好ましい。
前記重縮合エステルは、平均炭素数が2.5〜7.0の脂肪族ジオール残基を含むことが好ましく、より好ましくは平均炭素数が2.5〜4.0の脂肪族ジオール残基を含む。前記脂肪族ジオール残基の平均炭素数が7.0より小さいとセルロースエステルとの相溶性が改善され、ブリードアウトが生じにくくなり、また、化合物の加熱減量が増大しにくくなり、セルロースアシレートウェブ乾燥時の工程汚染が原因と考えられる面状故障が発生し難くなる。また、脂肪族ジオール残基の平均炭素数が2.5以上であれば合成が容易である。
本発明に用いることができる重縮合エステル系疎水化剤を形成することができる脂肪族ジオールとしては、アルキルジオール又は脂環式ジオール類を好ましい例として挙げることができ、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が好ましい。これらはエチレングリコールとともに1種又は2種以上の混合物として使用されることが好ましい。
前記重縮合エステルには、混合に用いたジオールによりジオール残基が形成される。
すなわち、前記重縮合エステルは、ジオール残基としてエチレングリコール残基、1,2−プロパンジオール残基、及び1,3−プロパンジオール残基の少なくとも1種を含むことが好ましく、エチレングリコール残基又は1,2−プロパンジオール残基であることがより好ましい。
前記重縮合エステルに含まれる脂肪族ジオール残基には、エチレングリコール残基が10mol%〜100mol%含まれることが好ましく、20mol%〜100mol%含まれることがより好ましい。
封止に用いるモノカルボン酸類としては酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸等が好ましい。封止に用いるモノアルコール類としてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等が好ましく、メタノールが最も好ましい。重縮合エステルの末端に使用するモノカルボン酸類の炭素数が7以下であると、化合物の加熱減量が大きくならず、面状故障が発生しない。
前記重縮合エステルの末端は、封止せずにジオール残基のままであることか、酢酸またはプロピオン酸又は安息香酸によって封止されていることがさらに好ましい。
前記重縮合エステルの両末端は、それぞれ、封止の実施の有無が同一であることを問わない。
縮合体の両末端が未封止の場合、重縮合エステルはポリエステルポリオールであることが好ましい。
前記重縮合エステルの態様の一つとして脂肪族ジオール残基の炭素数が2.5〜8.0であり、重縮合エステルの両末端は未封止である重縮合エステルを挙げることができる。
重縮合エステルの両末端が封止されている場合、モノカルボン酸と反応させて封止することが好ましい。このとき、該重縮合エステルの両末端はモノカルボン酸残基となっている。本明細書中では、モノカルボン酸R−COOHより形成されるモノカルボン酸残基はR−CO−である。重縮合エステルの両末端がモノカルボン酸で封止されている場合、前記モノカルボン酸は脂肪族モノカルボン酸残基であることが好ましく、モノカルボン酸残基が炭素数22以下の脂肪族モノカルボン酸残基であることがより好ましく、炭素数3以下の脂肪族モノカルボン酸残基であることがさらに好ましい。また、炭素数2以上の脂肪族モノカルボン酸残基であることが好ましく、炭素数2の脂肪族モノカルボン酸残基であることが特に好ましい。
前記重縮合エステルの態様の一つとして脂肪族ジオール残基の炭素数が2.5より大きく7.0以下であり、重縮合エステルの両末端がモノカルボン酸残基で封止されている重縮合エステルを挙げることができる。
重縮合エステルの両末端を封止しているモノカルボン酸残基の炭素数が3以下であると、揮発性が低下し、重縮合エステルの加熱による減量が大きくならず、工程汚染の発生や面状故障の発生を低減することが可能である。
すなわち、封止に用いるモノカルボン酸類としては脂肪族モノカルボン酸が好ましく、モノカルボン酸が炭素数2から22の脂肪族モノカルボン酸であることがより好ましく、炭素数2〜3の脂肪族モノカルボン酸であることがさらに好ましく、炭素数2の脂肪族モノカルボン酸残基であることが特に好ましい。
例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸及びその誘導体等が好ましく、酢酸又はプロピオン酸がより好ましく、酢酸が最も好ましい。
封止に用いるモノカルボン酸は2種以上を混合してもよい。
前記重縮合エステルの両末端は酢酸又はプロピオン酸による封止が好ましく、酢酸封止により両末端がアセチルエステル残基(アセチル残基と称する場合がある)となることが最も好ましい。
前記重縮合エステルの両末端を封止した場合は、常温での状態が固体形状となりにくく、ハンドリングが良好となり、また湿度安定性、偏光板耐久性に優れたセルロースエステルフィルムを得ることができる。
前記疎水化剤としては、単糖あるいは2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体(以下、炭水化物誘導体系疎水化剤という)が好ましい。
前記単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の例としては、例えば、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、フルクトース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、トレハロサミン、コウジビオース、ニゲロース、マルトース、マルチトール、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクチトール、ラクツロース、メリビオース、プリメベロース、ルチノース、シラビオース、スクロース、スクラロース、ツラノース、ビシアノース、セロトリオース、カコトリオース、ゲンチアノース、イソマルトトリオース、イソパノース、マルトトリオース、マンニノトリオース、メレジトース、パノース、プランテオース、ラフィノース、ソラトリオース、ウンベリフェロース、リコテトラオース、マルトテトラオース、スタキオース、バルトペンタオース、ベルバルコース、マルトヘキサオース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールなどを挙げることができる。
これらの中で、さらに好ましいものはアルキル基、アリール基またはアシル基であり、特に好ましくはアシル基である。
キシローステトラアセテート、グルコースペンタアセテート、フルクトースペンタアセテート、マンノースペンタアセテート、ガラクトースペンタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシリトールペンタアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシローステトラブチレート、グルコースペンタブチレート、フルクトースペンタブチレート、マンノースペンタブチレート、ガラクトースペンタブチレート、マルトースオクタブチレート、セロビオースオクタブチレート、スクロースオクタブチレート、キシリトールペンタブチレート、ソルビトールヘキサブチレート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエートなどが好ましい。キシローステトラアセテート、グルコースペンタアセテート、フルクトースペンタアセテート、マンノースペンタアセテート、ガラクトースペンタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシリトールペンタアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエートなどがさらに好ましい。マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエートなどが特に好ましい。
前記炭水化物誘導体系疎水化剤はピラノース構造あるいはフラノース構造を有することが好ましく、中でもピラノース構造を有することが特に好ましい。
前記炭水化物誘導体の入手方法としては、市販品として(株)東京化成製、アルドリッチ製等から入手可能であり、もしくは市販の炭水化物に対して既知のエステル誘導体化法(例えば、特開平8−245678号公報に記載の方法)を行うことにより合成可能である。
次に本発明で使用するセルロースアシレートについて詳しく説明する。
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。本発明において、セルロース体の置換度はセルロース体を重水素置換されたジメチルスルフォキシド等の溶剤に溶解して13C−NMRスペクトルを測定し、アシル基中のカルボニル炭素のピーク強度比から求めることにより算出することができる。セルロースアシレートの残存水酸基をセルロースアシレート自身が有するアシル基とは異なる他のアシル基に置換したのち、13C−NMR測定により求めることができる。測定方法の詳細については、手塚他(Carbohydrate.Res., 273(1995)83−91)に記載がある。
本発明のセルロースアシレートのアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が特に好ましい。
本発明においては、置換基および/または置換度の異なる2種のセルロースアシレートを併用、混合して用いてもよいし、後述の共流延法などにより、異なるセルロースアシレートからなる複数層からなるフィルムを形成してもよい。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により製造することができる。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
前記エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。また、前記エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、前記有機溶媒として用いることができる。前記有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上述の好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
前記炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
また、2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
また、2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
では、通常の溶解方法ではセルロースアシレートを溶解させることが困難な有機溶媒中にも、セルロースアシレートを溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロースアシレートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、延伸処理をおこなうこともできる。延伸処理によりセルロースアシレートフィルムに所望のレターデーションを付与することが可能である。セルロースアシレートフィルムの延伸方向は幅方向、長手方向のいずれでも好ましい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。
また、流延後にドープ溶剤が残存した状態で延伸を行う場合、乾膜よりも低い温度で延伸が可能となり、この場合、100℃〜170℃が好ましい。
延伸速度は1%/分〜300%/分が好ましく、10%/分〜300%/分がさらに好ましく、30%/分〜300%/分が最も好ましい。
フィルムの幅方向に延伸する延伸工程と、フィルムの搬送方向(長手方向)に収縮させる収縮工程を含むことを特徴とする製造方法においてはパンタグラフ式あるいはリニアモーター式のテンターによって保持し、フィルムの幅方向に延伸しながら搬送方向にはクリップの間隔を徐々に狭めることでフィルムを収縮させることが出来る。
特に、フィルムの幅方向に10%以上延伸する延伸工程と、フィルムの幅方向にフィルムを把持しながらフィルムの搬送方向を5%以上収縮させる収縮工程とを含むことが好ましい。
なお、本発明でいう収縮率とは、収縮方向における収縮前のフィルムの長さに対する収縮後のフィルムの収縮した長さの割合を意味する。
収縮率としては5〜40%が好ましく、10〜30%が特に好ましい。
(レターデーション)
次に本発明セルロースアシレートフィルムの特性について詳しく説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、下記式(1)〜(4)の関係を満たすことが好ましい。
0nm≦Re<300nm ・・・式(1)
−50nm<Rth<400nm ・・・式(2)
0.1%≦{(25℃、相対湿度10%におけるRe)−(25℃、相対湿度80%におけるRe)}/(25℃、相対湿度60%におけるRe)≦20% ・・・式(3)
0.1%≦{(25℃、相対湿度10%におけるRth)−(25℃、相対湿度80%におけるRth)}/(25℃、相対湿度60%におけるRth)≦20% ・・・式(4)
また、式(2)においてRthは−30nm〜350nmが好ましく、−10nm〜300nmがより好ましい。
また、式(3)において{(25℃、相対湿度10%におけるRe)−(25℃、相対湿度80%におけるRe)}/(25℃、相対湿度60%におけるRe)の値は0.1%〜10%がさらに好ましい。
また、式(4)において{(25℃、相対湿度10%におけるRth)−(25℃、相対湿度80%におけるRth)}/(25℃、相対湿度60%におけるRth)の値は0.1%〜10%がさらに好ましい。
Re湿度依存性およびRth湿度依存性を上記範囲に設定したセルロースフィルムを使用することにより、高湿下で長時間点灯しても光漏れの発生しにくい液晶表示装置が得られる。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基に、以下の式(21)および式(22)よりRthを算出することもできる。
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。式(21)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnxおよびnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの厚さを表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)がさらに算出される。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムの厚みは30μm〜100μmが好ましく、30μm〜80μmがさらに好ましく、30μm〜60μmが最も好ましい。
ガラス転移温度の測定は、以下の方法により測定する。本発明のセルロースアシレートフィルム試料24mm×36mmを、25℃、相対湿度60%で2時間以上調湿した後に動的粘弾性測定装置(バイブロン:DVA−225(アイティー計測制御株式会社製))で、つかみ間距離20mm、昇温速度2℃/分、測定温度範囲30℃〜200℃、周波数1Hzで測定した。縦軸に対数軸で貯蔵弾性率、横軸に線形軸で温度をとり、貯蔵弾性率が固体領域からガラス転移領域へ移行する際に観察される貯蔵弾性率の急激な減少に対して、JIS K7121−1987の図3に記載の方法によりガラス転移温度Tgを求めた。
本発明のセルロースアシレートフィルムの25℃相対湿度80%における平衡含水率は、0〜5.0%であることが好ましい。さらに好ましくは0.1〜4.0%である。平衡含水率が5.0%以下であれば、水の可塑化効果によるセルロースアシレートフィルムのガラス転移温度低下が小さく、高温高湿下の偏光子性能劣化を抑制する点から好ましい。
含水率の測定法は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置(CA−03、VA−05、共に三菱化学(株))にてカールフィッシャー法で測定した。水分量(g)を試料重量(g)で除して算出した。
本発明のセルロースアシレートフィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。鹸化の方法については、特開2007−86748号公報の〔0211〕と〔0212〕に記載され、偏光板の偏光子の作り方、偏光板の光学特性等については同公報の〔0213〕〜〔0255〕に記載されており、これらの記載を基に本発明のフィルムを保護フィルムに用いた偏光板を作製することができる。
偏光板は、一般に、偏光子およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護膜として、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いることができる。他方の保護膜は、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよい。偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護膜として用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護膜処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護膜で構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
本発明の液晶表示装置において、偏光板の透過軸と本発明のセルロースアシレートフィルムの遅相軸が、実質的に平行であることが好ましい。ここで、実質的に平行であるとは、本発明のセルロースアシレートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが5°以内であることをいい、1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°より大きいと、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下して光抜けが生じて好ましくない。
偏光板の直交透過率CTは、UV3100PC(島津製作所社製)を用いて測定した。測定では、380nm〜780nmの範囲で測定し、10回測定の平均値を用いた。
偏光板耐久性試験は(1)偏光板のみと(2)偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた、2種類の形態で次のように行った。(1)の偏光板のみの測定は、2つの偏光子の間に本発明のセルロースアシレートフィルムが挟まれるように組み合わせて直交のものを2つ用意する。(2)の偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた形態での測定は、ガラスの上に偏光板を本発明のセルロースアシレートフィルムがガラス側にくるように貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作成する。直交透過率測定ではこのサンプルのフィルムの側を光源に向けてセットして測定する。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を直交透過率とする。本発明の実施例では、上記(1)および(2)の試験方法のうち、(2)の試験方法を採用した。
偏光性能の好ましい範囲としては直交透過率CTがCT≦2.0であり、より好ましい範囲としてはCT≦1.3(単位はいずれも%)である。
また偏光板耐久性試験ではその変化量はより小さいほうが好ましい。本発明の偏光板は、60℃、相対湿度90%に240時間静置させたときの直交透過率の変化量ΔCT240(%)または60℃、相対湿度95%に240時間静置させたときの直交透過率の変化量ΔCT1000(%)が下記式(j)、(k)の少なくとも1つ以上を満たしていることが好ましい。
−0.5≦ΔCT240≦0.5・・・(j)
−0.5≦ΔCT1000≦0.5・・・(k)
ここで、変化量とは試験後測定値から試験前測定値を差し引いた値である。
上記式(j)または(k)を満たせば、偏光板の高温高湿下で長時間使用中あるいは保管中の安定性が確保でき、好ましい。
本発明における偏光板は、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板としても好ましく使用される。機能化のための反射防止フィルム、輝度向上フィルム、他の機能性光学フィルム、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア層については、特開2007−86748号公報の〔0257〕〜〔0276〕に記載され、これらの記載を基に機能化した偏光板を作成することができる。
本発明における偏光板は反射防止フィルムと組み合わせて使用することができる。反射防止フィルムは、フッ素系ポリマー等の低屈折率素材を単層付与しただけの反射率1.5%程度のフィルム、または薄膜の多層干渉を利用した反射率1%以下のフィルムのいずれも使用できる。本発明では、透明支持体上に低屈折率層、および低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、高屈折率層、中屈折率層)を積層した構成が好ましく使用される。また、日東技報,vol.38,No.1,May,2000,26頁〜28頁や特開2002−301783号公報などに記載された反射防止フィルムも好ましく使用できる。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
前記含シリコーン化合物はポリシロキサン構造を有する化合物が好ましいが、反応性シリコーン(例えば、サイラプレーン(チッソ(株)製)や両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報)等を使用することもできる。シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化させてもよい(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報、特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)。
低屈折率層には、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820号公報の[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有させることも好ましく行うことができる。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
このような超微粒子は、粒子表面を表面処理剤で処理したり(シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908号公報、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造としたり(特開2001−166104号公報等)、特定の分散剤を併用する(例えば、特開平11−153703号公報、米国特許第6,210,858B1明細書、特開2002−2776069号公報等)等の態様で使用することができる。
前記高屈折率層の屈折率は、1.70〜2.20であることが好ましい。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
前記中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
本発明における偏光板は、輝度向上フィルムと組み合わせて使用することができる。輝度向上フィルムは、円偏光もしくは直線偏光の分離機能を有しており、偏光板とバックライトとの間に配置され、一方の円偏光もしくは直線偏光をバックライト側に後方反射もしくは後方散乱する。バックライト部からの再反射光は、部分的に偏光状態を変化させ、輝度向上フィルムおよび偏光板に再入射する際、部分的に透過するため、この過程を繰り返すことにより光利用率が向上し、正面輝度が1.4倍程度に向上する。輝度向上フィルムとしては異方性反射方式および異方性散乱方式が知られており、いずれも本発明における偏光板と組み合わせることができる。
本発明における偏光板は、さらに、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層、ガスバリア層、滑り層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けた機能性光学フィルムと組み合わせて使用することも好ましい。また、これらの機能層は、前述の反射防止フィルムにおける反射防止層、あるいは光学異方性層等と同一層内で相互に複合して使用することも好ましい。これらの機能層は、偏光子側および偏光子と反対面(より空気側の面)のどちらか片面、または両面に設けて使用できる。
本発明における偏光板は耐擦傷性等の力学的強度を付与するため、ハードコート層を透明支持体の表面に設けた機能性光学フィルムと組み合わせることが好ましく行われる。ハードコート層を、前述の反射防止フィルムに適用して用いる場合は、特に、透明支持体と高屈折率層の間に設けることが好ましい。
前記ハードコート層は、光および/または熱による硬化性化合物の架橋反応、または、重合反応により形成されることが好ましい。硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、または、加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、国際公開第00/46617号パンフレット等記載のものを好ましく使用することができる。
ハードコート層の膜厚は、0.2μm〜100μmであることが好ましい。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
前方散乱層は、本発明における偏光板を液晶表示装置に適用した際の、上下左右方向の視野角特性(色相と輝度分布)改良するために使用される。本発明では、前方散乱層は屈折率の異なる微粒子をバインダー分散した構成が好ましく、例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子との相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等の構成を使用することができる。また、本発明における偏光板をヘイズの視野角特性を制御するため、住友化学(株)の技術レポート「光機能性フィルム」31頁〜39頁に記載された「ルミスティ」と組み合わせて使用することも好ましく行うことができる。
アンチグレア(防眩)層は、反射光を散乱させ映り込みを防止するために使用される。アンチグレア機能は、液晶表示装置の最表面(表示側)に凹凸を形成することにより得られる。アンチグレア機能を有する光学フィルムのヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
フィルム表面に凹凸を形成する方法は、例えば、微粒子を添加して膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、比較的大きな粒子(粒子サイズ0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成する方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報、同2001−100004号公報、同2001−281407号公報等)、フィルム表面に物理的に凹凸形状を転写する方法(例えば、エンボス加工方法として、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等記載)等を好ましく使用することができる。
次に本発明の液晶表示装置について説明する。
液晶表示装置10には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。TFTやMIMのような3端子または2端子半導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置が本発明は有効である。もちろん時分割駆動と呼ばれるSTNモードに代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置でも有効である。
本発明の液晶表示装置の液晶セルはVAモードであることが好ましい。
VAモードでは上下基板間に誘電異方性が負で、Δn=0.0813、Δε=−4.6程度の液晶をラビング配向により、液晶分子の配向方向を示すダイレクタ、いわゆるチルト角を、約89°で作製する。図1における液晶層5の厚さdは3.5μm程度に設定してあることが好ましい。ここで厚さdと屈折率異方性Δnとの積Δndの大きさにより白表示時の明るさが変化する。このため最大の明るさを得るためには液晶層の厚みを0.2μm〜0.5μmの範囲になるように設定する。
またVAモードの液晶表示装置では、TNモードの液晶表示装置で一般的に使われているカイラル剤の添加は、動的応答特性の劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加されることもある。
例えば、VA方式では液晶分子が電界印加により、一つの画素内で異なる複数の領域に傾斜することで視角特性が平均化される。一画素内で配向を分割するには、電極にスリットを設けたり、突起を設け、電界方向を変えたり電界密度に偏りを持たせる。全方向で均等な視野角を得るにはこの分割数を多くすればよいが、4分割、あるいは8分割以上することでほぼ均等な視野角が得られる。特に8分割時は偏光板吸収軸を任意の角度に設定できるので好ましい。
〔セルロースアシレートフィルムの作製〕
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.76、重合度350のセルロースアセテート
100.0質量部
多価アルコールエステル4 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液2を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液2の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.0質量部
メタノール(第2溶媒) 12.7質量部
前記セルロースアシレート溶液1 10.3質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、水素結合性化合物溶液3を調製した。
水素結合性化合物溶液3の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
水素結合性化合物(A−16) 20.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 67.2質量部
メタノール(第2溶媒) 10.0質量部
前記セルロースアシレート溶液1 12.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
〔実施例2〜10および比較例1〜14のセルロースアシレートフィルムの作製〕
実施例1においてセルロースアシテートの置換度、各添加剤の種類および量、延伸温度および延伸倍率、フィルム厚みを下記表11〜14に記載したとおりに変更した以外は同様にして、実施例2〜10および比較例1〜14のセルロースアシレートフィルムを製造した。
・Re湿度依存性={(25℃、相対湿度10%におけるRe)−(25℃、相対湿度80%におけるRe)}/(25℃、相対湿度60%におけるRe)
・Rth湿度依存性={(25℃、相対湿度10%におけるRth)−(25℃、相対湿度80%におけるRth)}/(25℃、相対湿度60%におけるRth)
得られた結果を下記表11〜14に示した。
作製した実施例1のセルロースアシレートフィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、実施例1のセルロースアシレートフィルムについて表面の鹸化処理を行った。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
鹸化処理した実施例1のセルロースアシレートフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)に同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作成した実施例1のセルロースアシレートフィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に鹸化処理後のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と作成した実施例1のセルロースアシレートフィルムの遅相軸とは平行になるように配置した。また、偏光子の透過軸と市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸とは、直交するように配置した。
このようにして実施例1の偏光板を作製した。
上記で作製した実施例1〜10および比較例1〜14の偏光板について、波長410nmにおける偏光子の直交透過率を本明細書に記載した方法で測定した。
その後、実施例1、2、6、比較例1〜3、7、8、11および13の偏光板については、60℃、相対湿度95%の環境下で1000時間保存した後の直交透過率を測定した。経時前後の直交透過率の変化を求め、これを偏光子耐久性(1)として下記表11および表13にその結果を記載した。
一方、その他の偏光板については、60℃、相対湿度90%の環境下で240時間保存した後の直交透過率を測定し、同様に経時前後の直交透過率の変化を求め、これを偏光子耐久性(2)として下記表12および表14にその結果を記載した。
すなわち、本発明のセルロースアシレートフィルムを使用した偏光板は、環境湿度に依存したレターデーション変化が小さく、かつ、偏光板に貼り合わせて高温高湿下で経時させた場合に偏光子の劣化を抑えることができることがわかった。
〔液晶表示装置の作製〕
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の2枚の偏光板をはがし、視認者側およびバックライト側に実施例8のセルロースアシレートフィルムを用いた本発明の偏光板を、実施例8のセルロースアシレートフィルムがそれぞれ液晶セル側となるように、粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。このようにして作製した本発明の液晶表示装置は市販の液晶テレビに対して、環境湿度を変えても斜めから観察した場合のコントラスト変化および色味変化が小さく、かつ高温高湿下で長時間使用してもコントラストの低下が小さく好ましかった。
(セルロースアシレートの調製)
特開平10−45804号公報、同08−231761号公報に記載の方法で、セルロースアシレートを合成し、その置換度を測定した。具体的には、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。この時、カルボン酸の種類、量を調整することでアシル基の種類、置換度を調整した。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、固形分濃度が22質量%のセルロースアシレート溶液を調製した。なお、セルロースアシレート溶液の粘度は60Pa・sであった。
・セルロースアセテート(置換度2.45) 100.0質量部
・重縮合ポリエステルJ−35 16.0質量部
・水素結合性化合物 3.0質量部
・メチレンクロライド 365.5質量部
・メタノール 54.6質量部
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。各セルロースアシレート溶液の固形分濃度が下記表2に記載の値となるように溶剤(メチレンクロライドおよびメタノール)の量は適宜調整した。
・セルロースアセテート(置換度2.79) 100.0質量部
・重縮合ポリエステルJ−35 19.0質量部
・シリカ微粒子 R972(日本エアロジル製) 0.15質量部
・メチレンクロライド 395.0質量部
・メタノール 59.0質量部
得られた高置換度層用セルロースアシレート溶液S01の固形分濃度は20.0質量%、粘度を30Pa・sであった。
前記低置換度層用セルロースアシレート溶液C01を膜厚56μmになるように、また前記高置換度層用セルロースアシレート溶液S01を膜厚が各2μmのスキンA層およびスキンB層になるように、それぞれ流延した。得られたウェブ(フィルム)をバンドから剥離し、クリップに挟み、フィルム全体の質量に対する残留溶媒量が20〜5%の状態のときにテンターを用いて140℃で1.08倍横延伸した。その後にフィルムからクリップを外して130℃で20分間乾燥させた後、更にテンターを用いて180℃で1.2倍再度横延伸し、本発明の偏光板保護フィルム401を作製した。
なお、残留溶媒量は下記の式にしたがって求めた。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを測定したウェブを120℃で2時間乾燥させた時の質量である。
実施例401において、低置換度層用セルロースアシレート溶液に加える疎水化剤の種類および/あるいは、水素結合性化合物の種類を表15の内容に変更した以外は実施例401と同様にして、実施例402〜420の偏光板保護フィルム、および比較例501〜508、511、512の偏光板保護フィルムを作製した。
なお、表15中の比較例507は化合物U−6がドープに溶解しなかった。
(偏光板保護フィルム421の作成)
実施例421で調製した低置換度層用セルロースアシレート溶液C01を膜厚90μmになるように、また前記高置換度層用セルロースアシレート溶液S01を膜厚が各3μmのスキンA層およびスキンB層になるように、それぞれ流延した。得られたウェブ(フィルム)をバンドから剥離し、クリップに挟み、フィルム全体の質量に対する残留溶媒量が20〜5%の状態のときにテンターを用いて140℃で1.3倍横延伸した。その後にフィルムからクリップを外して130℃で20分間乾燥させ、本発明の偏光板保護フィルム410を作製した。
なお、残留溶媒量は下記の式にしたがって求めた。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを測定したウェブを120℃で2時間乾燥させた時の質量である。
実施例421において、低置換度層用セルロースアシレート溶液に加える疎水化剤の種類および/あるいは、水素結合性化合物の種類を表16の内容に変更した以外は実施例421と同様にして、実施例422〜430の偏光板保護フィルム421〜430、および比較例521、522の偏光板保護フィルム521、522を作製した。
アセトグアナミン10g(32mmol)のピリジン50mL溶液に、ベンゾイルクロライド9.9g(70mmol)を加え、8時間加熱還流させた。反応系の温度を室温に戻し、酢酸エチル及び水を加えて分液し、有機層を1N塩酸水、水の順に水洗した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去しカラムクロマトグラフィーにより精製し化合物(3−1)を得た。
得られた化合物(3−1)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:重DMSO、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.50(3H、s)
7.45−7.55(4H、m)
7.60−7.65(2H、m)
7.90−8.00(4H、m)
11.20(2H、s)
出発原料をベンゾイルクロライドからo−メチル安息香酸クロライドに変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−2)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.50(6H、s)
2.60(3H、s)
7.20−7.30(4H、m)
7.35−7.45(2H、m)
7.50−7.60(2H、m)
8.55(2H、s)
出発原料をベンゾイルクロライドからp−メチル安息香酸クロライドに変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−3)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:重DMSO、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.35(6H、s)
2.50(3H、s)
7.30(4H、d)
7.85(4H、d)
11.10(2H、s)
出発原料をベンゾイルクロライドからp−メトキシ安息香酸クロライドに変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−4)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:重DMSO、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.50(3H、s)
3.80(6H、s)
7.00(4H、d)
7.95(4H、d)
11.00(2H、s)
出発原料をベンゾイルクロライドからm−メトキシ安息香酸クロライドに変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−5)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:重DMSO、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.50(3H、s)
3.80(6H、s)
7.10−7.20(2H、m)
7.35−7.45(2H、m)
7.50−7.60(4H、m)
11.20(2H、s)
出発原料をベンゾイルクロライドからp−tert−ブチル安息香酸クロライドに変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−6)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:重DMSO、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
1.30(18H、s)
2.50(3H、s)
7.55(4H、d)
7.95(4H、d)
11.10(2H、s)
出発原料をベンゾイルクロライドからm−メチル安息香酸クロライドに変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−7)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.40(6H、s)
2.65(3H、s)
7.35−7.45(4H、m)
7.70−7.80(4H、m)
8.80(2H、s)
出発原料をベンゾイルクロライドからp−クロロ安息香酸クロライドに変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−8)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.60(3H、s)
7.40−7.50(4H、m)
7.90−8.00(4H、m)
9.10(2H、s)
出発原料をベンゾイルクロライドからo−クロロ安息香酸クロライドに変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−9)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.50(3H、s)
7.30−7.50(6H、m)
7.60−7.70(2H、m)
8.95(2H、s)
出発原料をベンゾイルクロライドからm−クロロ安息香酸クロライドに変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−10)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:重DMSO、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.50(3H、s)
7.55(2H、m)
7.70(2H、m)
7.90(2H、m)
8.00(2H、s)
11.35(2H、s)
出発原料をベンゾイルクロライドからo−メトキシ安息香酸クロライドに変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−11)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:重DMSO、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.40(3H、s)
3.80(6H、s)
7.00−7.20(4H、m)
7.55(2H、m)
7.65(2H、m)
10.70(2H、s)
原料の酸クロライドを変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。目的物はMSスペクトルで確認した。
原料の酸クロライドを変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。目的物はMSスペクトルで確認した。
原料の酸クロライドを変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−14)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:重DMSO、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.40(3H、s)
4.00(4H、s)
7.20−7.30(10H、m)
10.90(2H、s)
原料の酸クロライドを変更した他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−15)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:重DMSO、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.40(3H、s)
3.80(3H、s)
7.15(1H、m)
7.35−7.55(5H、m)
7.75(2H、m)
11.10(1H、s)
11.20(1H、s)
原料にベンゾグアナミンとp−tert−ブチル安息香酸クロライドを用いた他は化合物(3−1)と同様に合成を行った。
得られた化合物(3−16)のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:重DMSO、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
1.35(18H、s)
7.50−7.60(7H、m)
7.90−8.00(4H、m)
7.30(2H、m)
11.20(2H、s)
化合物(3−17)と同様に合成を行い、目的物はMSスペクトルで確認した。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2−クロロ−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン27gにメタノール300ml、水酸化ナトリウム16gを加え5時間加熱還流を行った。室温に冷却後、反応液に水を加え結晶を濾取した。この結晶を水で洗浄し、乾燥することで中間体(13−1)を17g得た。N−エチルピロリドン200mlに中間体(13−1)17g、2−メチル安息香酸メチル38g、ナトリウムメトキシド33gを加え40℃で8時間攪拌した。室温に冷却後、反応液に1N塩酸水、酢酸エチル、ヘキサンを加え、析出した結晶を濾取した。この結晶をイソプロパノールで再結晶し、乾燥することで目的物を20g得た。
2 上側偏光板吸収軸の方向
3 液晶セル上電極基板
4 上基板の配向制御方向
5 液晶層
6 液晶セル下電極基板
7 下基板の配向制御方向
8 下側偏光板
9 下側偏光板吸収軸の方向
10 液晶表示装置
Claims (14)
- 下記(A)〜(C)の要件を満たす水素結合性化合物と、多価アルコールエステル系疎水化剤、重縮合エステル系疎水化剤および炭水化物誘導体系疎水化剤の中から選ばれる少なくとも一つの疎水化剤を含むことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
(A)1分子内に水素結合ドナー部と水素結合アクセプター部の双方を有する。
(B)分子量を水素結合ドナー数と水素結合アクセプター数の合計数で除した値が30以上65以下。
(C)芳香環構造の総数が1以上3以下。 - 前記水素結合性化合物が下記一般式(C−1)で表される化合物である、請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記水素結合性化合物が下記一般式(D−1)で表される化合物である、請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記水素結合性化合物が下記一般式(E−1)で表される化合物である請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
一般式(Q)
- 前記水素結合性化合物が下記一般式(F−1)で表される化合物である請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記水素結合性化合物が下記一般式(H−1)で表される化合物である請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記水素結合性化合物の分子量が100〜1000であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを含むことを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムまたは請求項12に記載の位相差フィルムを含んでなる偏光板。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム、請求項12に記載の位相差フィルムまたは請求項13に記載の偏光板を含んでなる液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010217618A JP5543309B2 (ja) | 2009-09-29 | 2010-09-28 | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009225479 | 2009-09-29 | ||
JP2009225479 | 2009-09-29 | ||
JP2010207239 | 2010-09-15 | ||
JP2010207239 | 2010-09-15 | ||
JP2010217618A JP5543309B2 (ja) | 2009-09-29 | 2010-09-28 | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012082235A true JP2012082235A (ja) | 2012-04-26 |
JP5543309B2 JP5543309B2 (ja) | 2014-07-09 |
Family
ID=46241468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010217618A Expired - Fee Related JP5543309B2 (ja) | 2009-09-29 | 2010-09-28 | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5543309B2 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013061465A (ja) * | 2011-09-13 | 2013-04-04 | Konica Minolta Advanced Layers Inc | 光学フィルム、それを含む偏光板および液晶表示装置 |
JP2014048433A (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-17 | Konica Minolta Inc | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2014059547A (ja) * | 2012-08-23 | 2014-04-03 | Fujifilm Corp | 偏光板及び液晶表示装置 |
WO2015022867A1 (ja) * | 2013-08-12 | 2015-02-19 | コニカミノルタ株式会社 | セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2015134938A (ja) * | 2010-12-01 | 2015-07-27 | 富士フイルム株式会社 | 高分子フィルム、位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置、及び化合物 |
US9145417B2 (en) | 2010-04-23 | 2015-09-29 | Fujifilm Corporation | Optical performance humidity dependency improving agent for cellulose acylate film |
JP2015221895A (ja) * | 2010-12-01 | 2015-12-10 | 富士フイルム株式会社 | 高分子フィルム、位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置、及び化合物 |
KR20160127654A (ko) | 2015-04-27 | 2016-11-04 | 코니카 미놀타 가부시키가이샤 | 위상차 필름, 편광판, 수직 배향형 액정 표시 장치 및 위상차 필름의 제조 방법 |
US9656969B2 (en) | 2010-12-01 | 2017-05-23 | Fujifilm Corporation | Polymer film, retardation film, polarizing plate, liquid crystal display, and compound |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004109410A (ja) * | 2002-09-18 | 2004-04-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | レターデーション上昇剤、セルロースエステルフィルム、光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置 |
JP2006022306A (ja) * | 2004-06-07 | 2006-01-26 | Konica Minolta Opto Inc | セルロースエステルフィルム及びその製造方法、光学フィルム、偏光板、液晶表示装置 |
JP2006071876A (ja) * | 2004-09-01 | 2006-03-16 | Konica Minolta Opto Inc | セルロースエステルフィルム、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2006113239A (ja) * | 2004-10-14 | 2006-04-27 | Konica Minolta Opto Inc | 位相差フィルム、それを用いた偏光板及び液晶表示装置 |
JP2009173818A (ja) * | 2008-01-28 | 2009-08-06 | Konica Minolta Opto Inc | セルロースエステルフィルム、偏光板、及び液晶表示装置 |
JP2011094114A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-05-12 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2011094120A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-05-12 | Fujifilm Corp | 高分子フィルム用湿度依存性改良剤、高分子フィルム、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
-
2010
- 2010-09-28 JP JP2010217618A patent/JP5543309B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004109410A (ja) * | 2002-09-18 | 2004-04-08 | Fuji Photo Film Co Ltd | レターデーション上昇剤、セルロースエステルフィルム、光学補償シート、楕円偏光板および液晶表示装置 |
JP2006022306A (ja) * | 2004-06-07 | 2006-01-26 | Konica Minolta Opto Inc | セルロースエステルフィルム及びその製造方法、光学フィルム、偏光板、液晶表示装置 |
JP2006071876A (ja) * | 2004-09-01 | 2006-03-16 | Konica Minolta Opto Inc | セルロースエステルフィルム、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2006113239A (ja) * | 2004-10-14 | 2006-04-27 | Konica Minolta Opto Inc | 位相差フィルム、それを用いた偏光板及び液晶表示装置 |
JP2009173818A (ja) * | 2008-01-28 | 2009-08-06 | Konica Minolta Opto Inc | セルロースエステルフィルム、偏光板、及び液晶表示装置 |
JP2011094114A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-05-12 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2011094120A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-05-12 | Fujifilm Corp | 高分子フィルム用湿度依存性改良剤、高分子フィルム、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9145417B2 (en) | 2010-04-23 | 2015-09-29 | Fujifilm Corporation | Optical performance humidity dependency improving agent for cellulose acylate film |
JP2015134938A (ja) * | 2010-12-01 | 2015-07-27 | 富士フイルム株式会社 | 高分子フィルム、位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置、及び化合物 |
JP2015221895A (ja) * | 2010-12-01 | 2015-12-10 | 富士フイルム株式会社 | 高分子フィルム、位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置、及び化合物 |
US9656969B2 (en) | 2010-12-01 | 2017-05-23 | Fujifilm Corporation | Polymer film, retardation film, polarizing plate, liquid crystal display, and compound |
JP2013061465A (ja) * | 2011-09-13 | 2013-04-04 | Konica Minolta Advanced Layers Inc | 光学フィルム、それを含む偏光板および液晶表示装置 |
JP2014059547A (ja) * | 2012-08-23 | 2014-04-03 | Fujifilm Corp | 偏光板及び液晶表示装置 |
JP2014048433A (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-17 | Konica Minolta Inc | 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置 |
WO2015022867A1 (ja) * | 2013-08-12 | 2015-02-19 | コニカミノルタ株式会社 | セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
KR20160027053A (ko) | 2013-08-12 | 2016-03-09 | 코니카 미놀타 가부시키가이샤 | 셀룰로오스아실레이트 필름, 편광판 및 액정 표시 장치 |
JPWO2015022867A1 (ja) * | 2013-08-12 | 2017-03-02 | コニカミノルタ株式会社 | セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
KR20160127654A (ko) | 2015-04-27 | 2016-11-04 | 코니카 미놀타 가부시키가이샤 | 위상차 필름, 편광판, 수직 배향형 액정 표시 장치 및 위상차 필름의 제조 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5543309B2 (ja) | 2014-07-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5543309B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5437780B2 (ja) | 偏光板保護フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5827204B2 (ja) | 偏光板およびその製造方法、並びに液晶表示装置 | |
WO2011040468A1 (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5373582B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5745456B2 (ja) | 偏光板および液晶表示装置 | |
JP5898443B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5473766B2 (ja) | 偏光子およびその製造方法、偏光板およびその製造方法、並びに液晶表示装置 | |
JP5606110B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP4740534B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板、および液晶表示装置 | |
JP2009161761A (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板、および液晶表示装置 | |
JP2006206826A (ja) | セルロースアシレートフィルム、セルロースアシレートフィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板、および液晶表示装置 | |
JP5546489B2 (ja) | 偏光板、及びそれを有する液晶表示装置 | |
US8974875B2 (en) | Cellulose acylate film, polarizing plate using the same and liquid crystal display device | |
JP2009151015A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2013151618A (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP2005272800A (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2012007015A (ja) | 光学フィルム、偏光板、表示素子および液晶表示装置 | |
JP5373548B2 (ja) | セルロースアシレート組成物、セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP4530144B2 (ja) | セルロースアセテートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP5796989B2 (ja) | 偏光板およびその製造方法、並びに液晶表示装置 | |
JP2005307142A (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板保護フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
KR20140098472A (ko) | 셀룰로오스 에스테르 위상차 보상용 광학 필름 | |
JP6025951B2 (ja) | 偏光板および液晶表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120313 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131021 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131029 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140106 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140109 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140225 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140409 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140430 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140508 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5543309 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |