JP2013061465A - 光学フィルム、それを含む偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、それを含む偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高いリターデーションと、高い耐湿熱特性、脆性を有する光学フィルムの提供。
【解決手段】セルロースエステルと、下式(1)で表される化合物を含有する光学フィルム。[式中、L11は単結合、−NR−;A11はアリール含有基、ヘテロアリール含有基;L12は単結合、−NR−等;A12はアリール含有基、ヘテロアリール含有基等;L13は単結合、−NR−等;A13はアリール含有基、ヘテロアリール含有基等;R〜Rは水素原子、C1〜6のアルキル基又はアリール基;R12は水素原子、ヒドロキシル基等を示す。]式(1)
Figure 2013061465

【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム、それを含む偏光板および液晶表示装置に関する。
セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等の樹脂フィルムは、光学フィルム;主に液晶表示装置用の光学補償フィルムとして用いられている。その中でも、セルロースエステルを含む樹脂フィルム(以下、単にセルロースエステルフィルムとも称す)は、偏光子であるポリビニルアルコールフィルムと貼り合わせやすいことから、広く用いられている。
近年、薄型かつ軽量なノートパソコンや、薄型かつ大画面のテレビなどの開発が進んでいる。それに伴い、液晶表示装置用の光学補償フィルムにも、さらなる薄膜化、大型化、高性能化の要求が強まっている。しかしながら、セルロースエステルフィルムは、光学補償フィルムに必須な複屈折性が十分でないだけでなく、吸湿性が高いことから、湿度安定性も低かった。
これらを解決する手段として、円盤状化合物を含む光学補償フィルムが提案されている(例えば特許文献1)。しかしながら、当該円盤状化合物を含む光学補償フィルムは、リターデーション発現性が十分ではなかった。また、所望のリターデーションを発現させるために、円盤状化合物の添加量を増やすと、ブリードアウトが生じることがあった。
ブリードアウトを抑制しつつ、リターデーション発現性を向上させる手段として、分子錯体を形成しうる1,3,5−トリアジン化合物を含む光学補償フィルムが提案されている(例えば特許文献2)。これらの化合物を含む光学補償フィルムは、ブリードアウトが抑制されるものの、使用環境の湿度によってリターデーションが変動しやすいという問題があった。そのため、当該光学補償フィルムを含む偏光板や液晶表示装置は、耐湿特性が十分でないという問題があった。
光学補償フィルムの湿度依存性を改善する手段として、1,3,5−トリアジン環を構成する炭素原子にアミノ基が結合した化合物や、ピリミジン環を構成する2位と4位の炭素原子にアミド基が結合した化合物を含むフィルムが提案されている(例えば特許文献3および4)。
特開2001−166144号公報 特開2004−109410号公報 特開2011−94114号公報 特開2011−94120号公報
しかしながら、特許文献3および4に記載の化合物を含むフィルムは、湿度依存性は改善されるものの、リターデーション発現性が低い、あるいはリターデーションが低下するという問題があった。このように、高いリターデーションを有し、かつ使用環境の温度や湿度によるリターデーションの変動が少なく(耐湿熱特性が高く)、さらには脆性(スリッティング適性)が良好なセルロースエステルフィルムが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高いリターデーションを有し、かつ高い耐湿熱特性と、脆性とを有する光学フィルムを提供することを目的とする。さらには、当該光学フィルムを含み、良好な耐光性と耐湿熱性とを有する偏光板、および正面コントラストのムラや視野角の湿度依存性が低減された液晶表示装置を提供することを目的とする。
[1] セルロースエステルと、下記一般式(1)で表される化合物とを含有する、光学フィルム。
一般式(1)
Figure 2013061465
(式中、
11は、単結合または−NR−(Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基)を表し;
11は、アリール含有基またはヘテロアリール含有基を表し;
12は、単結合、−NR−(Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基)、−O−、−S−、−C(=O)−、−NRC(=O)−(Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基)または−SO−を表し;
12は、アリール含有基、ヘテロアリール含有基またはシクロアルキル基を表し;
13は、単結合、−NR−(Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基)、−O−、−S−、−C(=O)−、−NRC(=O)−(Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基)または−SO−を表し;
13は、アリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル基または水素原子を表し;
12は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアシルアミノ基を表す)
[2] 前記一般式(1)のA11、A12およびA13において、前記アリール含有基は、アリール基、アリール含有アルキル基またはアリール含有アルケニル基であり;前記ヘテロアリール含有基は、ヘテロアリール基、ヘテロアリール含有アルキル基またはヘテロアリール含有アルケニル基である、[1]に記載の光学フィルム。
[3] 前記一般式(1)のA13は、アリール含有基、ヘテロアリール含有基またはシクロアルキル基である、[1]または[2]に記載の光学フィルム。
[4] 前記セルロースエステルは、下記式(a)および(b)を満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学フィルム。
式(a) 1.5≦X+Y≦2.5
式(b) 0≦Y≦1.5
(式中、Xはアセチル基の置換度、Yはプロピオニル基またはブチリル基、もしくはそれらの混合物の置換度を表す)
[5] 前記セルロースエステルにおいて、前記式(b)のYが0である、[4]に記載の光学フィルム。
[6] 前記光学フィルムの厚みが20〜60μmである、[1]〜[5]のいずれかに記載の光学フィルム。
[7] 下記式(I)で表される、波長590nmでのリターデーションRoが20〜150nmであり、かつ下記式(II)で表される、波長590nmでのRthが70〜300nmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学フィルム。
式(I) Ro=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(nxは、光学フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し;nyは、光学フィルムの面内方向において前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;nzは、光学フィルムの厚み方向zにおける屈折率を表し;d(nm)は、光学フィルムの厚みを表す)
[8] 偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された、[1]〜[7]のいずれかに記載の光学フィルムと、を有する、偏光板。
[9] 液晶セルと、前記液晶セルを挟持する一対の偏光板と、を含む液晶表示装置であって、前記一対の偏光板のうち少なくとも一方は、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置される[1]〜[7]のいずれかに記載の光学フィルムとを含む、液晶表示装置。
[10] 前記光学フィルムは、前記偏光子の前記液晶セル側の面に配置される、[9]に記載の液晶表示装置。
[11] 前記液晶セルが、対向する一対の透明基板と、前記一対の透明基板の間に挟持され、ポジ型液晶を含む液晶層と、を有し、前記一対の透明基板のうち、一方の透明基板に前記ポジ型液晶に電圧を印加するための複数の電極が配置され、前記ポジ型液晶は、電圧無印加時には、前記透明基板に対して垂直に配向し、電圧印加時には、前記複数の電極間に生じる電界によって前記透明基板に対して水平に配向する、[9]または[10]に記載の液晶表示装置。
本発明の光学フィルムは、高いリターデーションを有し、かつ高い耐湿熱特性と脆性とを有する。そのため、本発明の光学フィルムを含む偏光板は耐光性と耐湿熱性が良好であり、液晶表示装置は正面コントラストのムラや、視野角の湿度依存性が低減されうる。
本発明に係る液晶表示装置の一実施形態の基本構成を示す模式図である。
1.光学フィルム
本発明の光学フィルムは、セルロースエステルと、一般式(1)で表される化合物と、を含有する。
セルロースエステルについて
セルロースエステルは、特に限定されないが、セルロースを、炭素数2〜22程度の脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸でエステル化した化合物でありうる。脂肪族カルボン酸は、直鎖または分岐の脂肪族カルボン酸であってもよいし、環を有してもよく、置換基をさらに有してもよい。セルロースエステルは、セルロースを、炭素数6以下の低級脂肪酸でエステル化した化合物であることが特に好ましい。
セルロースエステルの好ましい例には、セルロースアセテートの他にも、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどの、アセチル基の他にプロピオネート基またはブチレート基を含むセルロースの混合脂肪酸エステルが含まれる。
セルロースエステルは、総アシル基置換度が1.5以上2.5以下であることが好ましく、下記式(a)と(b)とを同時に満たすことがより好ましい。
式(a) 2.0≦X+Y≦2.5
式(b) 0≦Y≦1.5
(式中、Xはアセチル基の置換度を示し、Yはプロピオニル基またはブチリル基、もしくはそれらの混合物の置換度を示す)
なかでも、セルロースアセテート(Y=0)、およびセルロースアセテートプロピオネート(Y>0、かつY:プロピオニル基)が特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートは、下記式(a)、(b1)および(c1)を同時に満たすものが特に好ましい。
式(a) 2.0≦X+Y≦2.5
式(b1) 0.1≦Y≦1.5
式(c1) 1.0≦X≦2.4
アシル基の置換度の測定方法は、ASTM−D817−96に準じて測定することができる。
セルロースエステルは、所望の光学特性を得るためなどから、置換度の異なる複数種類のセルロースエステルの混合物であってもよい。置換度の異なる2種類のセルロースエステルの混合物における混合比は、質量比で10:90〜90:10であることが好ましい。
セルロースエステルの数平均分子量は、機械的強度が高いフィルムを得るためには、6×10〜3×10の範囲であることが好ましく、7×10〜2×10の範囲であることがより好ましい。セルロースエステルの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製)を3本接続して使用する。
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standardポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1.0×10〜5.0×10までの13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に選択することが好ましい。
セルロースエステルは、公知の方法で合成することができる。具体的には、セルロースと、少なくとも酢酸または無水酢酸を含む、炭素原子数3以上の有機酸またはその無水物と、をエステル化反応させて合成することができる(特開平10−45804号に記載の方法を参照)。
原料となるセルロースは、例えば綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)およびケナフなどを用いることができる。原料となるセルロースは、一種類だけであってもよいし、二種類以上の混合物であってもよい。
一般式(1)で表される化合物について
一般式(1)で表される化合物は、リターデーション発現剤として好ましく機能しうる。
一般式(1)
Figure 2013061465
一般式(1)のL11は、単結合または−NR−を示し、好ましくは−NR−を示す。−NR−におけるRは、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、好ましくは水素原子である。アルキル基の炭素数は1〜6であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。炭素数1〜6のアルキル基の例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等などが含まれる。アリール基の環炭素数は6〜10であることが好ましく、6であることがより好ましい。環炭素数6〜10のアリール基の例には、フェニル基、ナフチル基などが含まれる。
一般式(1)のA11は、アリール含有基またはヘテロアリール含有基を示す。
アリール含有基は、アリール基、アリール含有アルキル基またはアリール含有アルケニル基である。アリール基の環炭素数は6〜14であることが好ましく、6であることがより好ましい。環炭素数6〜14のアリール基の例には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が含まれ、好ましくはナフチル基またはフェニル基であり、さらに好ましくはフェニル基である。
アリール含有アルキル基は、アリール基を含有するアルキル基であり、アリール基とアルキル基とが直接結合していてもよいし、アリール基とアルキル基とが他の2価の基(例えば−NH−など)を介して結合していてもよい。アリール含有アルキル基におけるアルキル基の炭素数は1〜10であることが好ましく、2〜6であることがより好ましい。アリール含有アルキル基の例には、フェニルメチル基、フェニルエチル基などが含まれる。
アリール含有アルケニル基は、アリール基を含有するアルケニル基であり、アリール基とアルケニル基とが直接結合していてもよいし、アリール基とアルケニル基とが他の2価の基(例えば−NH−など)を介して結合していてもよい。アリール含有アルケニル基におけるアルケニル基の炭素数は2〜10であることが好ましく、2〜6であることがより好ましい。アリール含有アルケニル基の例には、フェニルエチレニル基などが含まれる。
ヘテロアリール含有基は、ヘテロアリール基、ヘテロアリール含有アルキル基またはヘテロアリール含有アルケニル基である。ヘテロアリール基の例には、ピリジル基、ピリミジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基等が含まれ、好ましくはピリジル基、ピリミジル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基であり、さらに好ましくはピリジル基、ベンゾオキサゾリル基またはベンゾチアゾリル基である。
ヘテロアリール含有アルキル基は、ヘテロアリール基を含有するアルキル基であり、ヘテロアリール基とアルキル基とが直接結合していてもよいし、ヘテロアリール基とアルキル基とが他の2価の基(例えば−NH−など)を介して結合していてもよい。ヘテロアリール含有アルキル基におけるアルキル基の炭素数は1〜10であることが好ましく、2〜6であることがより好ましい。ヘテロアリール含有アルキル基の例には、ピリミジルアミノエチル基、ピリミジルアミノ−2,2−ジメチルプロピル基などが含まれる。
ヘテロアリール含有アルケニル基は、ヘテロアリール基を含有するアルケニル基であり、ヘテロアリール基とアルケニル基とが直接結合していてもよいし、ヘテロアリール基とアルケニル基とが他の2価の基(例えば−NH−など)を介して結合していてもよい。ヘテロアリール含有アルケニル基のアルケニル基の炭素数は2〜10であることが好ましく、2〜6であることがより好ましい。ヘテロアリール含有アルケニル基の例には、ピリミジルエチレニル基などが含まれる。
アリール含有基に含まれるアリール基およびヘテロアリール含有基に含まれるヘテロアリール基は、置換基をさらに有していてもよい。置換基の例には、
アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリフルオロメチル基等);
シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等);
アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等);
アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等);
アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等);
アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等);
アルケニル基(例えば、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、スチリル基等);
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等);
アルキニル基(例えば、プロパルギル基等);
アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等);
アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等);
アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等);
アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等);
ホスホノ基;
アシル基(例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等);
カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、モルホリノカルボニル基等);
スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等);
スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等);
シアノ基;
アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等);
アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等);
シロキシ基;
アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等);
スルホン酸基;スルホン酸の塩;アミノカルボニルオキシ基;
アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等);
アニリノ基(例えば、フェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等);
イミド基;
ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等);
アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等);
アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等);
アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等);
カルバメート基(例えば、メチルカルバメート基、フェニルカルバメート基);
チオウレイド基;カルボキシル基;カルボン酸の塩;ヒドロキシル基;メルカプト基;ニトロ基等が含まれる。なかでも、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基などが好ましく、アルキル基、アルコキシ基、カルバモイル基などがより好ましい。セルロースエステルとの相溶性を高める観点では、アルコキシ基、カルバモイル基などの極性基が好ましい。
一般式(1)のL12は、単結合、−NR−、−O−、−S−、−C(=O)−、−NRC(=O)−または−SO−を示し;好ましくは−NR−、−O−、−S−、−C(=O)−または−NRC(=O)−を示し;より好ましくは−NR−または−NRC(=O)−を示し;さらに好ましくは−NR−を示す。−NR−におけるR、および−NRC(=O)−におけるRは、前述の−NR−におけるRとそれぞれ同義である。
一般式(1)のA12は、アリール含有基、ヘテロアリール含有基またはシクロアルキル基を示し;好ましくはアリール含有基またはヘテロアリール含有基である。アリール含有基およびヘテロアリール含有基は、前述のA11が示すアリール含有基およびヘテロアリール含有基とそれぞれ同義である。シクロアルキル基の環炭素数は3〜7であることが好ましく、6であることがより好ましい。シクロアルキル基は、前述のアリール基またはヘテロアリール基が有する置換基と同様の置換基をさらに有してもよい。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル基、シクロヘキシル基などが含まれる。
一般式(1)のL13は、単結合、−NR−、−O−、−S−、−C(=O)−、−NRC(=O)−または−SO−を示し;好ましくは−NR−、−O−、−S−、−C(=O)−または−NRC(=O)−を示し;より好ましくは−NR−または−NRC(=O)−を示し;特に好ましくは−NR−を示す。−NR−におけるRおよび−NRC(=O)−におけるRは、前述の−NR−におけるRとそれぞれ同義である。
一般式(1)のA13は、アリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル基または水素原子を示し;好ましくはアリール含有基、ヘテロアリール含有基またはシクロアルキル基を示し;より好ましくはアリール含有基またはヘテロアリール含有基を示す。アリール含有基およびヘテロアリール含有基は、前述のA11のアリール含有基およびヘテロアリール含有基とそれぞれ同義であり、シクロアルキル基は、前述のA12のシクロアルキル基と同義である。
一般式(1)のR12は、水素原子または2価の有機基である。2価の有機基は、前述のA11が示すアリール含有基またはヘテロアリール含有基が有する置換基と同義であり、好ましくは水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、カルバモイル基、またはアルキルオキシカルボニル基であり、より好ましくはヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアシルアミノ基であり、さらに好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。アシルアミノ基を構成するアシル基の炭素数は2〜10であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示す。まず、ピリミジン環の2位、4位に置換基を有する化合物の例を示す。L11が−NH−であり、A11がアリール基である例を以下に示す。
Figure 2013061465
11が−NH−であり、A11がアリール基であり、R12が水素原子でない例を以下に示す。
Figure 2013061465
11が−NH−であり、A11がアリール含有アルキル基またはアリール含有アルケニル基である例を示す。
Figure 2013061465
11が−NH−であり、A11がヘテロアリール基である例を示す。
Figure 2013061465
11が−NH−であり、A11がヘテロアリール含有アルキル基である例を示す。
Figure 2013061465
11が−NR−(Rはアルキル基またはアリール基)であり、A11がアリール基である例を示す。
Figure 2013061465
11が単結合であり、A11がアリール基である例を示す。
Figure 2013061465
次に、ピリミジン環の2位、4位、6位の炭素原子がアリール含有基またはヘテロアリール含有基を有する化合物の例を示す。L11が−NH−であり、A11がアリール基である例を示す。
Figure 2013061465
Figure 2013061465
11が−NH−であり、A11がアリール含有アルキル基である例を示す。
Figure 2013061465
11が−NH−であり、A11がヘテロアリール基である例を示す。
Figure 2013061465
11が−NH−であり、A11がヘテロアリール含有アルキル基である例を示す。
Figure 2013061465
11が−NR−(Rはアルキル基)であり、A11がアリール基である例を示す。
Figure 2013061465
11が単結合であり、A11がアリール基である例を示す。
Figure 2013061465
リターデーション発現剤は、高いリターデーション発現性を得るためには、複屈折が大きい化合物であることが好ましい。複屈折が大きい化合物は、分子の分極率が高く、かつ分極率異方性が高い化合物であることが好ましい。化合物の分極率は、分子軌道法または密度汎関数法を用いた計算によって求めることができる。化合物の分極率異方性は、例えば特開2009−222994号に記載の方法で求めることができる。
一般式(1)で表される化合物を含むセルロースエステルフィルムが、本発明の効果を奏する理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推定される。
即ち、一般式(1)で表される化合物は、ピリミジン環の2位の炭素原子と、アリール含有基またはヘテロアリール含有基(A11)とを連結する連結基(L11)が「単結合またはアミノ基(−NH−)」であるため、ピリミジン環の2位の炭素原子と、アリール含有基またはヘテロアリール含有基(A11)とを連結する連結基(L11)が「アミド基(−NHC(=O)−)」である化合物よりも、平面性が高い構造を有する。平面性が高い構造を有する化合物は、分極率異方性によって高いリターデーションを発現しやすいため、一般式(1)で表される化合物を含むセルロースエステルフィルムは、高いリターデーションを有すると考えられる。また、一般式(1)で表される化合物を含むセルロースエステルフィルムは、ブリードアウト耐性、耐光性および耐湿熱性などにも優れている。
また、ピリミジン環の2位、4位および6位にアリール含有基またはヘテロアリール含有基を有する化合物は、ピリミジン環の2位、4位にアリール含有基またはヘテロアリール含有基を有する化合物よりも高い分極率異方性を有するため、それを含むフィルムは、リターデーション発現性が高く、かつフィルムの脆性(スリッティング特性)も高いと考えられる。
さらに、一般式(1)において、A11〜A13が示すアリール含有基またはヘテロアリール含有基に含まれるアリール基が置換基をさらに有する化合物や、ピリミジン環の5位に置換基をさらに有する化合物は、これらの置換基を有しない化合物よりも高い分極率異方性を有する。そのため、これらの化合物は、リターデーション発現性も高いと考えられる。
さらに、一般式(1)で表される化合物において、ピリミジン環が有する置換基の数が多いと、セルロースエステルとの相溶性が低下しやすい。そのため、ピリミジン環が有する少なくとも一つの置換基の末端を「極性基」とすることで、セルロースエステルとの相溶性を維持しうる。
一般式(1)で表される化合物の含有量は、所望のリターデーションを付与するのに適宜量を調整して含有することができる。具体的には、一般式(1)で表される化合物の含有量は、セルロースエステルに対して0.1〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、2〜5質量%であることがさらに好ましい。一般式(1)で表される化合物の含有量がこの範囲内であれば、セルロースエステルに十分なリターデーションを付与でき、かつブリードアウト特性を良好にすることができる。
本発明の光学フィルムは、セルロースエステルと、一般式(1)で表される化合物とに加えて、任意の成分をさらに含んでいてもよい。任意の成分の例には、セルロースエステル以外の樹脂、一般式(1)で表される化合物以外のリターデーション発現剤、糖エステル化合物、可塑剤、波長分散制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、および微粒子などが含まれる。
セルロースエステルと併用されうる樹脂の例には、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂等)等が含まれ、なかでもポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂の少なくとも一以上である。セルロースエステル以外の樹脂の含有量は、セルロースエステルに対して5〜70質量%であることが好ましい。
糖エステル化合物
糖エステル化合物は、例えばピラノース構造およびフラノース構造の少なくとも一方を1個以上12個以下有し、その構造に含まれるOH基の全部もしくは一部をモノカルボン酸とエステル化反応させて得られるエステル化合物が挙げられる。
糖エステル化合物を構成するピラノース構造またはフラノース構造を有する化合物の例には、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、あるいはアラビノース;
ラクトース、スクロース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオース、マルチトール、ラクチトール、ラクチュロース、セロビオース、マルトース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノースあるいはケストース;ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース、キシロトリオース、あるいはガラクトシルスクロースなどが含まれる。
なかでも、ピラノース構造とフラノース構造を両方有する化合物が好ましく、具体的にはスクロース、ケストース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、およびスタキオースなどが好ましく、スクロースがより好ましい。
糖エステル化合物を構成するピラノース構造またはフラノース構造を有する化合物は、オリゴ糖であることが好ましい。オリゴ糖は、澱粉、ショ糖等にアミラーゼ等の酵素を作用させて製造されるものであり、その具体例には、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖などが含まれる。
ピラノース構造またはフラノース構造に含まれるOH基の全部もしくは一部をエステル化反応させるのに用いられるモノカルボン酸は、特に制限されず、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。用いられるモノカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合物であってもよい。
脂肪族モノカルボン酸の例には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸;ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、オクテン酸等の不飽和脂肪酸等が含まれる。
脂環族モノカルボン酸の例には、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸などが含まれる。
芳香族モノカルボン酸の好ましい例には、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、アルコキシ基を導入した芳香族モノカルボン酸、ケイ皮酸、ベンジル酸、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。より具体的には、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、γ−イソジュリル酸、ジュリル酸、メシト酸、α−イソジュリル酸、クミン酸、α−トルイル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、サリチル酸、o−アニス酸、m−アニス酸、p−アニス酸、クレオソート酸、o−ホモサリチル酸、m−ホモサリチル酸、p−ホモサリチル酸、o−ピロカテク酸、β−レソルシル酸、バニリン酸、イソバニリン酸、ベラトルム酸、o−ベラトルム酸、没食子酸、アサロン酸、マンデル酸、ホモアニス酸、ホモバニリン酸、ホモベラトルム酸、o−ホモベラトルム酸、フタロン酸、p−クマル酸などが挙げられ、特に安息香酸が好ましい。
糖エステル化合物の例としては、第一工業製薬社製モノペットSB、第一工業製薬社製モノペットSOAなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
糖エステル化合物の含有量は、セルロースエステルに対して0.5〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
可塑剤
可塑剤の例には、ポリエステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤(フタル酸エステル系可塑剤を含む)、グリコレート系可塑剤、エステル系可塑剤(脂肪酸エステル系可塑剤を含む)、およびアクリル系可塑剤などが好ましい。これらは単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステル系可塑剤
ポリエステル系可塑剤は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(2)
B−(G−A)n−G−B
式(2)中、Aは、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸から誘導される2価の基または炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸から誘導される2価の基を表す。Gは、炭素原子数2〜12のアルキレングリコールから誘導される2価の基、炭素原子数6〜12のアリールグリコールから誘導される2価の基、または炭素原子数が4〜12のオキシアルキレングリコールから誘導される2価の基を表す。Bは、水素原子またはモノカルボン酸から誘導される1価の基を表す。nは、1以上の整数を表す。
Aの、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸から誘導される2価の基の例には、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などから誘導される2価の基が含まれる。Aにおける炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸から誘導される2価の基の例には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸などから誘導される2価の基が含まれる。
Gの、炭素原子数2〜12のアルキレングリコールから誘導される2価の基の例には、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール(3,3-ジメチロールペンタン)、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール(3,3-ジメチロールヘプタン)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、および1,12-オクタデカンジオール等から誘導される2価の基が含まれる。
Gの、炭素原子数6〜12のアリールグリコールから誘導される2価の基の例には、1,2-ジヒドロキシベンゼン(カテコール)、1,3-ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)などから誘導される2価の基が含まれる。Gにおける炭素原子数が4〜12のオキシアルキレングリコールから誘導される2価の基の例には、ジエチレングルコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどから誘導される2価の基が含まれる。
Gは、炭素数2〜12のアルキレングリコールから誘導される2価の基であることが好ましい。ポリエステル系可塑剤の、セルロースエステルとの相溶性を高めるためである。
Bの、モノカルボン酸から誘導される1価の基の例には、安息香酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、およびアセトキシ安息香酸などの芳香族モノカルボン酸;酢酸、プロピオン酸、および酪酸などの脂肪族モノカルボン酸などから誘導される1価の基が含まれる。
ポリエステル系可塑剤の数平均分子量は、300〜1500であることが好ましく、400〜1000であることがより好ましい。数平均分子量が300未満であるポリエステル系可塑剤は、光学フィルムから溶出しやすいことがある。
ポリエステル系可塑剤の酸価は、それを含む光学フィルムと、ハードコート層などの他の機能層との密着性を高める観点などから、0.5mgKOH/g以下であることが好ましい。ポリエステル系可塑剤の酸価とは、試料1g中に含まれる酸(試料中に存在するカルボキシル基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数として定義される。ポリエステル系可塑剤の酸価は、JIS K0070に準拠して測定されうる。
ポリエステル系可塑剤の水酸基価は、セルロースエステルとの相溶性を高める観点などから、25mgKOH/g以下であることが好ましい。ポリエステル系可塑剤の水酸基価は、試料1gを無水酢酸と反応させてアセチル化させたとき、未反応の酢酸を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数として定義される。ポリエステル系可塑剤の水酸基価は、JIS K 0070(1992)に準拠して測定されうる。
式(2)で示されるポリエステル系可塑剤の具体例を以下に示す。
Figure 2013061465
Figure 2013061465
Figure 2013061465
多価アルコールエステル系可塑剤
多価アルコールエステル系可塑剤は、2価以上の脂肪族多価アルコールと、モノカルボン酸とのエステル化合物(アルコールエステル)であり、好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールエステルである。多価アルコールエステル系化合物は、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。
脂肪族多価アルコールの好ましい例には、アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等が含まれる。なかでも、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールなどが好ましい。
モノカルボン酸は、特に制限はなく、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸または芳香族モノカルボン酸等でありうる。フィルムの透湿性を高め、かつ揮発しにくくするためには、脂環族モノカルボン酸または芳香族モノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸は、1種類であってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。また、脂肪族多価アルコールに含まれるOH基の全部をエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
脂肪族モノカルボン酸は、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸であることが好ましい。脂肪族モノカルボン酸の炭素数はより好ましくは1〜20であり、さらに好ましくは1〜10である。そのような脂肪族モノカルボン酸の例には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸;ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等が含まれる。なかでも、セルロースエステルとの相溶性を高めるためには、酢酸、または酢酸とその他のモノカルボン酸との混合物が好ましい。
脂環族モノカルボン酸の例には、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸などが含まれる。
芳香族モノカルボン酸の例には、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、メトキシ基あるいはエトキシ基などのアルコキシ基を1〜3個を導入したもの;ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸などが含まれ、好ましくは安息香酸である。
多価アルコールエステル系可塑剤の分子量は、特に制限されないが、300〜1500であることが好ましく、350〜750であることがより好ましい。揮発し難くするためには、分子量が大きいほうが好ましく;透湿性、セルロースエステルとの相溶性を高めるためには、分子量が小さいほうが好ましい。
多価カルボン酸エステル系可塑剤
多価カルボン酸エステル系可塑剤は、2価以上、好ましくは2〜20価の多価カルボン酸と、アルコール化合物とのエステル化合物である。多価カルボン酸は、2〜20価の脂肪族多価カルボン酸であるか、3〜20価の芳香族多価カルボン酸または3〜20価の脂環式多価カルボン酸であることが好ましい。
多価カルボン酸の好ましい例には、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの3価以上の芳香族多価カルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、テトラヒドロフタル酸などの脂肪族多価カルボン酸;酒石酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸などのオキシ多価カルボン酸が含まれ、揮発しにくくするためには、好ましくはオキシ多価カルボン酸である。
アルコール化合物の例には、公知のアルコール化合物、フェノール化合物が含まれる。アルコール化合物の例には、炭素数1〜32、より好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の脂肪族飽和アルコールまたは脂肪族不飽和アルコール;シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコール化合物;ベンジルアルコール、シンナミルアルコールなどの芳香族アルコール化合物などが含まれる。アルコール化合物は、一種類でもよいし、二種以上の混合物であってもよい。
多価カルボン酸としてのオキシ多価カルボン酸は、アルコール性またはフェノール性の水酸基がモノカルボン酸でエステル化されていてもよい。エステル化に用いられるモノカルボン酸は、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、または芳香族モノカルボン酸でありうる。
脂肪族モノカルボン酸は、炭素数1〜32、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の脂肪酸が含まれる。そのような脂肪族モノカルボン酸の例には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などの飽和脂肪酸;ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸などが含まれる。
脂環族モノカルボン酸の例には、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸などが含まれる。芳香族モノカルボン酸の例には、安息香酸、トルイル酸などの安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸などのベンゼン環を2個以上もつ芳香族モノカルボン酸などが含まれる。これらのなかでも酢酸、プロピオン酸、安息香酸が特に好ましい。
多価カルボン酸エステル系可塑剤の分子量は、特に制限はないが、300〜1000であることが好ましく、350〜750であることがより好ましい。多価カルボン酸エステル系可塑剤の分子量は、ブリードアウトを抑制する観点では、大きいほうが好ましく;透湿性やセルロースエステルとの相溶性の観点では、小さいほうが好ましい。
多価カルボン酸エステル系可塑剤の酸価は1mgKOH/g以下であることが好ましく、0.2mgKOH/g以下であることがより好ましい。酸価を上記範囲にすることで、リターデーションの環境変動も抑制されるため好ましい。
多価カルボン酸エステル系可塑剤の酸価は、試料1g中に含まれる酸(試料中に存在するカルボキシル基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数として定義される。酸価はJIS K0070に準拠して測定されうる。
多価カルボン酸エステル系可塑剤の例には、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート(ATEC)、アセチルトリブチルシトレート(ATBC)、ベンゾイルトリブチルシトレート、アセチルトリフェニルシトレート、アセチルトリベンジルシトレート、酒石酸ジブチル、酒石酸ジアセチルジブチル、トリメリット酸トリブチル、ピロメリット酸テトラブチル等が含まれる。
多価カルボン酸エステル系可塑剤は、フタル酸エステル系可塑剤であってもよい。フタル酸エステル系可塑剤の例には、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルテレフタレート等が含まれる。
グリコレート系可塑剤の例には、アルキルフタリルアルキルグリコレート類が含まれる。アルキルフタリルアルキルグリコレート類の例には、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等が含まれる。
エステル系可塑剤には、脂肪酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤やリン酸エステル系可塑剤などが含まれる。
脂肪酸エステル系可塑剤の例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、およびセバシン酸ジブチル等が含まれる。クエン酸エステル系可塑剤の例には、クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸アセチルトリエチル、およびクエン酸アセチルトリブチル等が含まれる。リン酸エステル系可塑剤の例には、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、およびトリブチルホスフェート等が含まれる。
アクリル系可塑剤
アクリル系可塑剤は、少なくとも分子内に芳香環と水酸基の両方を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと、分子内に芳香環を有さず、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを重合成分とする重合体X、または分子内に芳香環を有しないエチレン性不飽和モノマーYaを重合成分とする重合体Yであることが好ましい。エチレン性不飽和モノマーは、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルである。
重合体Xは、下記一般式(X)で示される構造を有することが好ましい。下記式(X)の−[CH−C(−Rc)(−CORd)]m−は、エチレン性不飽和モノマーXaから誘導される基であり;―[CH−C(−Re)(−CORf−OH)−]n―は、エチレン性不飽和モノマーXbから誘導される基である。
一般式(X)
−[CH−C(−Rc)(−CORd)]m−[CH−C(−Re)(−CORf−OH)−]n−[Xc]p−
式(X)のRcおよびReは、水素原子またはメチル基を示す。Rdは、炭素数1〜12のアルキレン基またはシクロアルキレン基を示す。Rfは、メチレン基、エチレン基またはプロピレン基を示す。Xcは、XaおよびXbに重合可能なモノマー単位を示す。m、nおよびpは、モル組成比を示す。ただし、mとnは0ではなく、かつm+n+p=100である。重合体Xの重量平均分子量は3000〜30000であることが好ましい。
重合体Yは、下記一般式(Y)で示される構造を有することが好ましい。下記式(Y)の−[CH−C(−Rg)(−CORh−OH)−]k−は、エチレン性不飽和モノマーYaから誘導される基である。
一般式(Y)
Ry−[CH−C(−Rg)(−CORh−OH)−]k−[Yb]q−
式(Y)のRgは、水素原子またはメチル基を示す。Rhは、メチレン基、エチレン基またはプロピレン基を示す。Ryは、水素原子、水酸基または炭素数1〜3のアルキル基を表す。Ybは、Yaに共重合可能なモノマー単位を表す。kおよびqは、モル組成比を表す。ただし、kは0ではなく、かつk+q=100である。重合体Yの重量平均分子量は500以上3000以下であることが好ましい。
これらの可塑剤の含有量の合計は、セルロースエステルに対して0.5〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
波長分散制御剤
本発明の光学フィルムは、波長分散制御剤をさらに含有してもよい。波長分散制御剤は、フィルムのリターデーションの波長分散特性を調整する機能を有する。
波長分散制御剤は、光吸収スペクトルにおいて、250nm〜400nmの波長範囲において吸収極大を有する化合物であることが好ましく、270nm〜380nmの波長範囲において吸収極大を有する化合物であることがより好ましい。波長分散制御剤の好ましい例には、特開2001−166144号および特開2003−3446556号に記載の円盤状化合物や;特開2010−163482号に記載の化合物などが含まれる。
波長分散制御剤の含有量は、光学フィルムに含まれる樹脂成分全体に対して0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
紫外線吸収剤
本発明の光学フィルムは、光学フィルムの耐久性を向上させるために、紫外線吸収剤をさらに含んでもよい。紫外線吸収剤は、波長400nm以下の紫外線を吸収する化合物であり、好ましくは波長370nmでの透過率が10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である化合物である。紫外線吸収剤の例には、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体などが含まれ、好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤であり、より好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤である。
紫外線吸収剤の具体例には、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖および側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等のほか、BASFジャパン社製の市販品であるチヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン928等が含まれる。これらの紫外線吸収剤は、一種類だけであっても、二種以上の混合物であってもよい。
これらのほかにも、高分子紫外線吸収剤や、円盤状化合物なども紫外線吸収剤として好ましく用いられる。高分子紫外線吸収剤は、特に特開平6−148430号記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられ、円盤状化合物は、例えば1,3,5−トリアジン環を有する化合物等が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の含有量は、紫外線吸収剤の種類などにもよるが、光学フィルム全体に対して0.5〜10質量%であることが好ましく、0.6〜4質量%であることがより好ましい。
酸化防止剤
本発明の光学フィルムは、例えば高湿高温下で生じやすい光学フィルムの劣化を防止するために、酸化防止剤をさらに含んでもよい。酸化防止剤は、光学フィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等による分解を遅延または防止する機能を有する。
酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系化合物であることが好ましく、その具体例には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が含まれる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。
これらの化合物は、例えばN,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤や、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤と併用されてもよい。
酸化防止剤の含有量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%であることが好ましく、10〜1000ppmであることがより好ましい。
微粒子
本発明の光学フィルムは、滑り性を向上させるために、微粒子をさらに含んでもよい。微粒子は、無機微粒子であっても有機微粒子であってもよい。無機微粒子の例には、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムなどが含まれる。有機微粒子の例には、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプピルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチレンカーボネート、アクリルスチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系粉末、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂、澱粉等の有機高分子化合物の粉砕分級物、懸濁重合法で合成した高分子化合物、スプレードライ法あるいは分散法等により球型にした高分子化合物などが含まれる。フィルムのヘイズの増大を少なくするためには、珪素を含む微粒子が好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
二酸化珪素の微粒子の例には、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の市販品)が含まれる。なかでも、光学フィルムのヘイズを低く保ちつつ、摩擦係数を下げる効果が大きいことから、アエロジル200V、アエロジルR972Vが好ましい。
微粒子の一次平均粒子径は、5〜400nmであることが好ましく、10〜300nmであることがより好ましい。微粒子の含有量は、光学フィルムの少なくとも一方の面の動摩擦係数が0.2〜1.0となるように調整されることが好ましい。具体的には、微粒子の含有量は、光学フィルムに対して0.01〜1質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましい。
光学フィルムの厚みは、特に限定はされないが、10〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、20〜60μmであることがさらに好ましい。光学フィルムの厚みが大きすぎると、湿度によってリターデーションの変動が大きくなりやすい。一方、フィルムの厚みが小さすぎると、所望のリターデーションが得られにくい。フィルム厚みが上記範囲にあれば、湿度依存性が少なく、かつ一般式(1)で表される化合物によって高いリターデーションが得られやすい。また、フィルム厚みが上記範囲にあれば、フィルムの脆性も高いため、スリッティング特性も良好である。
本発明の光学フィルムは、光学補償フィルムとして好ましく用いられる。即ち、液晶ディスプレイは、異方性を有する液晶材料や偏光板を有するため、表示画面を正面から見た場合に良好に表示されていても、斜めから見た場合に良好に表示されないことがある(視野角依存性がある)。光学補償フィルムは、このような視野角依存性を低減する上で有効である。
液晶セルの屈折率分布は、通常、液晶セルの厚み方向で大きく、面内方向で小さい。そのため、光学補償フィルムは、この屈折率の異方性を相殺するものであること;即ち、屈折率分布が、厚み方向で小さく、面内方向で大きい負の一軸性を有することが好ましい。本発明の光学フィルムは、そのような光学補償機能を有するフィルムとして好ましく用いられる。
本発明の光学フィルムの、23℃、55%RHの環境下で、波長590nmにて測定されるリターデーションRoは、20〜150nmであることが好ましく、70〜145nmであることがより好ましい。23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにて測定されるリターデーションRthは、70〜300nmであることが好ましく、170〜270nmであることがより好ましい。光学フィルムのリターデーションRおよびRthは、通常、延伸条件により調整することができる。
面内方向のリターデーションRおよび厚み方向のリターデーションRthは、それぞれ以下の式で表される。
式(I) R=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(nx:フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、ny:フィルム面内において、遅相軸に対して直交する方向の屈折率、nz:厚み方向におけるフィルムの屈折率、d:フィルムの厚み(nm))
レターデーションRおよびRthは、例えば以下の方法によって求めることができる。
1)フィルムの平均屈折率を屈折計により測定する。
2)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向からの波長590nmの光を入射させたときの面内方向のレターデーションRを測定する。
3)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向に対してθの角度(入射角(θ))から波長590nmの光を入射させたときのレターデーション値R(θ)を測定する。θは0°よりも大きく、好ましくは30°〜50°である。
4)測定されたRおよびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、nx、nyおよびnzを算出し、Rthを算出する。レターデーションの測定は、23℃55%RH条件下で行うことができる。
本発明の光学フィルムは、フィルム面内に遅相軸または進相軸を有する。遅相軸の製膜方向とのなす角θ1(配向角)は、−1°以上+1°以下であることが好ましく、−0.5°以上+0.5°以下であることがより好ましい。配向角θ1が上記範囲を満たしていると、光漏れを抑制できるため、表示画像の輝度を高めることができる。
光学フィルムのリターデーションRおよびRth、および配向角θ1の測定は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて測定することができる。
光学フィルムの、JIS Z 0208に準拠して測定される40℃、90%RHにおける透湿度は、10〜1200g/m・24hであることが好ましい。光学フィルムの透湿度を低下させるためには、例えば光学フィルムに含まれるセルロースエステルの総アシル基置換度を高くしたり、炭素数3以上のアシル基置換度の割合を多くしたり、可塑剤などの添加剤を多く含有させたりすればよい。
本発明の光学フィルムの可視光透過率は90%以上であることが好ましく、93%以上であることがより好ましい。本発明の光学フィルムのヘイズは1%未満であることが好ましく、0.1%以下であることが特に好ましい。本発明の光学フィルムの破断伸度は10〜80%であることが好ましい。
2.光学フィルムの製造方法
セルロースエステルフィルムは、溶液流延法または溶融流延法で製造することができ、薄膜で平面性の高いフィルムが得られるなどの観点から、溶液流延法で製造されることが好ましい。
セルロースエステルフィルムを溶液流延法により製造する工程は、1)少なくとも前述のセルロースエステルと、必要に応じて添加剤とを溶剤に溶解させてドープを調製する工程、2)ドープを無端の金属支持体上に流延する工程、3)流延したドープを乾燥してウェブとする工程、4)ウェブを金属支持体から剥離する工程、5)ウェブを延伸してフィルムを得る工程、6)フィルムをさらに乾燥する工程、7)得られたフィルムを巻取る工程、を含む。
1)ドープを調製する工程について
前述のセルロースエステルと、必要に応じて添加剤とを溶剤に溶解させてドープを調製する。ドープに含まれるセルロースエステルの濃度は、乾燥負荷を低減するためには高いことが好ましいが、セルロースエステルの濃度が高すぎると濾過しにくく、濾過精度が低下しやすくなる。このため、ドープに含まれるセルロースエステルの濃度は10〜35質量%であることが好ましく、15〜25質量%であることがより好ましい。
ドープに含まれる溶剤は、1種類でも2種以上を組み合わせたものでもよい。生産効率を高める観点では、セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を組み合わせて用いることが好ましい。良溶剤とは、セルロースエステルを単独で溶解する溶剤をいい、貧溶剤とは、セルロースエステルを膨潤させるか、または単独では溶解しないものをいう。そのため、良溶剤および貧溶剤は、セルロースエステルの平均アシル基置換度(アセチル基置換度)によって異なる。
良溶剤と貧溶剤を組み合わせて用いる場合、セルロースエステルの溶解性を高めるためには、良溶剤が貧溶剤よりも多いことが好ましい。良溶剤と貧溶剤の混合比率は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が2〜30質量%であることが好ましい。
良溶剤の例には、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン類、アセトン、酢酸メチル、およびアセト酢酸メチルなどが含まれ、好ましくはメチレンクロライドまたは酢酸メチルなどである。貧溶剤の例には、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、およびシクロヘキサノン等が含まれる。ドープ中には、水分が0.01〜2質量%含まれていることが好ましい。
セルロースエステルを溶剤に溶解させる方法は、一般的な方法であってよく、例えば加熱および加圧下で溶解させる方法、セルロースエステルに貧溶剤を加えて膨潤させた後、良溶剤をさらに加えて溶解させる方法などでありうる。なかでも、常圧における沸点以上に加熱できることから、加熱および加圧下で溶解させる方法が好ましい。具体的には、常圧下で溶剤の沸点以上であり、かつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度に加熱しながら攪拌溶解すると、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を抑制できる。
加圧は、窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、加熱して溶剤の蒸気圧を上昇させる方法などによって行うことができる。加熱は、外部から行うことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易であるため好ましい。
加熱温度は、セルロースエステルの溶解性を高める観点では、高いほうが好ましいが、高過ぎると、圧力を高める必要があり、生産性が低下する。このため、加熱温度は、45〜120℃であることが好ましく、60〜110℃がより好ましく、70℃〜105℃であることがさらに好ましい。圧力は、設定された加熱温度において、溶剤が沸騰しないような範囲に調整される。
紫外線防止剤や微粒子などの添加剤は、ドープにバッチ添加してもよいし、別途調製した添加剤溶解液をインライン添加してもよい。添加剤溶液は、添加剤を、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の溶媒あるいはこれらの混合溶媒に溶解させたものである。
特に微粒子は、ろ過材への負荷を減らすために、一部または全部をインライン添加することが好ましい。添加剤溶解液をインライン添加する場合は、ドープとの混合性をよくするため、添加剤溶解液に少量のセルロースエステルを溶解させておくことが好ましい。添加剤溶解液に添加されるセルロースエステルの量は、溶剤100質量部に対して好ましくは1〜10質量部であり、より好ましくは3〜5質量部である。
インライン添加は、例えばスタチックミキサー(東レエンジニアリング製)、SWJ(東レ静止型管内混合器 Hi−Mixer)等のインラインミキサー等を用いて行うことができる。
得られるドープには、例えば原料であるセルロースエステルに含まれる不純物などの不溶物が含まれることがある。このような不溶物は、得られるフィルムにおいて輝点異物となりうる。このような不溶物等を除去するために、得られたドープを濾過することが好ましい。
ドープの濾過は、濾紙等の濾過材によって行われる。濾過材の絶対濾過精度は、ドープに含まれる不溶物等を高度に除去するためには小さいことが好ましいが、小さすぎると目詰まりが生じやすい。このため、濾過材の絶対濾過精度は、0.008mm以下であることが好ましく、0.001〜0.008mmであることがより好ましく、0.003〜0.006mmであることがさらに好ましい。
濾過材の種類は、通常の濾過材であってよく、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾過材や、ステンレススチール等の金属製の濾過材などでありうる。なかでも、繊維の脱落等が少ない観点から、金属製の濾過材が好ましい。
ドープの濾過は、濾過前後の差圧を少なくするために、ドープの調製と同様に、加熱および加圧下で行うことが好ましい。加熱温度も、ドープの調製と同様に、溶剤の常圧での沸点以上で、かつ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度とすることが好ましく、具体的には45〜120℃であることが好ましく、45〜70℃であることがより好ましく、45〜55℃であることがさらに好ましい。濾圧は、低いことが好ましく、具体的には1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることがさらに好ましい。
ドープの濾過は、得られるフィルムにおける輝点異物の数が一定以下となるように行うことが好ましい。具体的には、径が0.01mm以上である輝点異物の数が、200個/cm以下、好ましくは100個/cm以下、より好ましくは50個/m以下、さらに好ましくは0〜10個/cm以下となるようにする。径が0.01mm以下である輝点異物も少ないことが好ましい。
フィルムの輝点異物の数は、以下の手順で測定することができる。
i)2枚の偏光板をクロスニコル状態に配置し、それらの間に得られたフィルムを配置する。
ii)一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察したときに、光が漏れてみえる点(異物)の数をカウントする。
2)ドープを流延する工程について
ドープが流延される金属支持体は、表面が鏡面仕上げされたものが好ましい。金属支持体の好ましい例は、ステンレススチールベルトや、鋳物で表面がメッキ仕上げされたドラムなどである。
ドープが流延される金属支持体の表面温度は、ウェブの乾燥速度を高めるためには高いことが好ましいが、高すぎるとウェブが発泡したり、ウェブの平滑性が低下したりすることがある。そのため、金属支持体の表面温度は、−50℃以上溶剤の沸点未満に設定されることが好ましく、0〜40℃であることがより好ましく、5〜30℃であることがさらに好ましい。
金属支持体の表面温度の制御方法は、特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法などであってよい。熱を効率的に伝達でき、金属支持体の温度が一定になるまでの時間を短くできる観点などから、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法が好ましい。
3)流延したドープを乾燥する工程について
流延したドープを、残留溶媒が一定以下となるように乾燥させる。金属支持体からウェブを剥離するときのウェブの残留溶媒量は、得られるフィルムの平面性を高めるためには10〜150質量%であることが好ましく、20〜40質量%(低残存溶媒量)または60〜130質量%(高残存溶媒量)であることがより好ましく、20〜30質量%(低残存溶媒量)または70〜120質量%(高残存溶媒量)であることがさらに好ましい。
ウェブの残留溶媒量は、下記式で定義される。下記式において、Mは、製造中のウェブまたは製造後のフィルムから任意の時点で採取した試料の質量を示す。Nは、前記試料を115℃で1時間加熱した後の、試料の質量を示す。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
4)ウェブを剥離する工程について
ウェブの剥離は、一般的な方法で行われるが、剥離ロールにより剥離することが好ましい。剥離ロールによる剥離は、ウェブが、金属支持体の下面に至り、ほぼ一巡したところで行うことが好ましい。ウェブの剥離張力は、300N/m以下とすることが好ましい。
ウェブの剥離は、前記3)の工程でウェブを乾燥した後、剥離する方法だけでなく、前記2)の工程の後に、乾燥させることなくキャスト膜を冷却して、残留溶媒を多く含む状態のままゲル化させた後に、剥離してもよい。
剥離されたウェブをさらに乾燥してもよい。剥離されたウェブの乾燥は、一般的に、ウェブを搬送させながら行うことができる。具体的には、剥離されたウェブを、上下に配置した多数のロールにより搬送しながら乾燥させるロール乾燥方式や、テンター方式などがある。
ウェブの乾燥方法は、特に制限されないが、一般的に、熱風、赤外線、加熱ロールおよびマイクロ波等で乾燥する方法であってよく、簡便である点から、熱風で乾燥する方法が好ましい。ウェブの乾燥温度は、40℃から200℃にかけて、段階的に高くすることが好ましい。
5)ウェブを延伸する工程について
ウェブの延伸により、所望のレターデーション値RoおよびRthを有する光学フィルムを得る。光学フィルムのレターデーション値RoおよびRthは、ウェブに掛かる張力の大きさを、少なくともウェブの搬送方向(ドープの流延方向)に対して垂直方向(幅方向)に調整することによって制御することができる。
ウェブの延伸は、少なくとも幅方向に延伸すればよく、一軸延伸であっても、二軸延伸であってもよい。また、ウェブの延伸は、幅方向またはドープの流延方向に対して斜め方向の延伸であってもよい。二軸延伸には、ウェブの搬送方向(縦方向)と幅方向(横方向)の両方に延伸することが含まれる。延伸は、逐次延伸であっても同時延伸であってもよい。
ウェブの延伸倍率は、互いに直交する方向に二軸延伸する場合には、最終的には幅方向(横方向)に1.1〜2.5倍とし、搬送方向(縦方向)に0.8〜1.5倍とすることが好ましく;幅方向(横方向)に1.2〜2.0倍とし、搬送方向(縦方向)に0.9〜1.0倍とすることがより好ましい。
ウェブの延伸温度は、120℃〜200℃であることが好ましく、140℃〜180℃であることがより好ましい。延伸されるウェブの残留溶媒は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることが好ましい。
ウェブの延伸方法は、特に制限されず、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法(ロール延伸法)、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を縦方向に向かって広げて縦方向に延伸したり、横方向に広げて横方向に延伸したり、縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法など(テンター延伸法)などが挙げられる。これらの延伸方法は、組み合わされてもよい。
テンター延伸法は、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動することが好ましい。クリップ部分の移動が滑らかであるため、延伸を行い易く、ウェブの破断を生じる危険性を低減できるからである。
ウェブの幅保持や横方向の延伸は、テンター法により行うことが好ましい。テンター法は、ピンテンター法でもクリップテンター法でもよい。
延伸により得られた光学フィルムの幅は、搬送を容易にする観点などから、4m以下であることが好ましく、1〜4mであることがより好ましく、1.4〜4mであることがさらに好ましく、1.6〜3mであることが特に好ましい。延伸により得られた光学フィルムは、必要に応じてさらに乾燥された後、巻き取られる。
本発明の光学フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の各種表示装置の機能フィルムとして用いられる。特に本発明の光学フィルムは、液晶表示装置の偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、ハードコートフィルム、防眩フィルム、帯電防止フィルム、視野角拡大用の光学補償フィルム等でありうる。
3.偏光板
本発明の偏光板は、偏光子と、その一方の面に配置された本発明の光学フィルムとを含み、必要に応じて偏光子の他方の面に配置された偏光板保護フィルムをさらに含んでもよい。
偏光子は、一定方向の偏波面の光のみを通過させる素子である。偏光子の代表的な例は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムであり、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものと、がある。
偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸した後、ヨウ素または二色性染料で染色して得られるフィルムであってもよいし、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素または二色性染料で染色した後、一軸延伸したフィルム(好ましくはさらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよい。偏光子の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。
ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール水溶液を製膜したものであってもよい。ポリビニルアルコール系フィルムは、偏光性能および耐久性能に優れ、色斑が少ないなどことから、エチレン変性ポリビニルアルコールフィルムが好ましい。エチレン変性ポリビニルアルコールフィルムの例には、特開2003−248123号公報、特開2003−342322号公報等に記載されたエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、けん化度99.0〜99.99モル%のフィルムが含まれる。
二色性色素の例には、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素およびアントラキノン系色素などが含まれる。
本発明の光学フィルムは、偏光子の一方の面に直接配置されてもよいし、他のフィルムまたは層を介して配置されてもよい。本発明の光学フィルムは、偏光板保護フィルムの機能を兼ねた光学補償フィルムであることが好ましい。偏光板保護フィルムとは別に光学補償フィルムをさらに用いる必要がなく、液晶表示装置を薄型化できるだけでなく、製造プロセスを簡略化できるからである。
本発明の光学フィルム以外の偏光板保護フィルムは、特に制限されず、通常のセルロースエステルフィルム等であってよい。セルロースエステルフィルムの市販品の例には、市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC6UY、KC4UY、KC4UE、KC8UE、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UXW−RHA−C、KC8UXW−RHA−NC、KC4UXW−RHA−NC、以上コニカミノルタオプト(株)製)が好ましく用いられる。
偏光板は、通常、偏光子と、本発明の光学フィルムまたは偏光板保護フィルムとを貼り合わせて製造することができる。貼り合わせに用いられる接着剤は、例えば完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液などが好ましく用いられる。
4.液晶表示装置
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板と、を有する。そして、一対の偏光板のうち少なくとも一方が前述の光学フィルムを有する偏光板であり、好ましくは一対の偏光板の両方が前述の光学フィルムを有する偏光板である。
図1は、本発明に係る液晶表示装置の一実施形態の基本構成を示す模式図である。図1に示されるように、液晶表示装置10は、液晶セル20と、それを挟持する第一の偏光板40および第二の偏光板60と、バックライト80と、を有する。
液晶セル20の表示方式は、特に制限されず、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、IPS(In−Plane Switching)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式、VA(Vertical Alignment)方式(MVA;Multi−domain Vertical AlignmentやPVA;Patterned Vertical Alignmentも含む)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)方式等がある。コントラストを高めるためには、VA(MVA、PVA)方式が好ましい。
VA方式の液晶セルは、通常、対向する一対の透明基板と、一対の透明基板の間に挟持され、ポジ型液晶を含む液晶層と、を有する。
一対の透明基板のうち、少なくとも一方の透明基板には、ポジ型液晶に電圧を印加するための画素電極と、それに対応する対向電極とが配置される。
液晶層は、正の誘電異方性を有するネマチック液晶材料であるポジ型液晶分子を含む。このポジ型液晶分子は、透明基板の液晶層側の面に設けられた配向膜の配向規制力により、電圧無印加時(画素電極と対向電極との間に電界が生じていない時)には、液晶分子の長軸が、透明基板の表面に対して略垂直となるように配向している。
このように構成された液晶セルでは、画素電極に画像信号(電圧)を印加することで、画素電極と対向電極との間に、基板面に対して水平方向の電界を生じさせる。これにより、透明基板の表面に対して垂直に初期配向している液晶分子を、その長軸が基板面に対して水平方向となるように配向させる。このように、液晶層を駆動し、各副画素の透過率および反射率を変化させて画像表示を行う。
第一の偏光板40は、視認側に配置されており、第一の偏光子42と、それを挟持する偏光板保護フィルム44(F1)および46(F2)とを有する。第二の偏光板60は、バックライト80側に配置されており、第二の偏光子62と、それを挟持する偏光板保護フィルム64(F3)および偏光板保護フィルム66(F4)とを有する。偏光板保護フィルム46(F2)と64(F3)の一方は、必要に応じて省略される場合がある。
偏光板保護フィルム44(F1)、46(F2)、64(F3)および66(F4)のうち、液晶セル側に配置される偏光板保護フィルム46(F2)と64(F3)の少なくとも一方を、本発明の光学フィルムとすることが好ましい。表示側に配置される偏光板保護フィルム44(F1)は、防眩層、クリアハードコート層、反射防止層、帯電防止層、防汚層またはバックコート層をさらに有していてもよい。
前述の通り、本発明の光学フィルムは、高いリターデーションを有し、かつ湿度や温度の条件によってリターデーションの変動が少ない。そのため、本発明の光学フィルムを偏光子の液晶セル側に有する本発明の液晶表示装置は、正面コントラストが高く、かつ湿度や温度の条件によって生じやすい正面コントラストのムラや視野角依存性の増大が抑制される。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.材料の準備
1)セルロースエステル
セルロースエステルA:総アシル基置換度2.40、アセチル基置換度2.40のセルロースジアセテート(DAC)
セルロースエステルB:総アシル基置換度2.46、アセチル基置換度1.56、プロピオニル基置換度0.9のセルロースアセテートプロピオネート(CAP)
セルロースエステルC:総アシル基置換度2.87、アセチル基置換度2.87のセルローストリアセテート(TAC)
2)リターデーション発現剤
a)例示化合物PM−2の合成
p−アニシジン5.2g、2,4−ジクロロピリミジン3.0g、スルホラン20mlを混合し、150℃で3時間攪拌を行った。室温まで放冷した後、メタノール50ml、水50mlを順次加えて、析出物をろ取した。得られた析出物をアセトンで再結晶させて、例示化合物PM−2を5.2g得た。得られた例示化合物PM−2の分子構造は、NMRおよびマススペクトルによって同定した。
b)例示化合物PM−43の合成
p−アニシジン4.4g、トリクロロピリミジン2.0g、スルホラン10mlを混合し、180℃で3時間攪拌を行った。室温まで放冷した後、酢酸エチル70ml、水40mlを順次加えて、析出物をろ取した。得られた析出物をカラムクロマトグラフィーで精製して、例示化合物PM−43を3.2g得た。得られた例示化合物PM−43の分子構造は、NMRおよびマススペクトルによって同定した。
例示化合物PM−2またはPM−43と同様にして、以下に示す例示化合物をそれぞれ合成した。
Figure 2013061465
また比較用化合物として、以下の化合物を準備した。
Figure 2013061465
B002は、トリアジン化合物とピリミジン化合物とを1:1のモル比で含む混合物である。
2.光学フィルムの作製
(実施例1)
以下の成分を、ディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散させて、微粒子分散液を得た。
〔微粒子分散液〕
微粒子(アエロジル R972V 日本アエロジル(株)製) 11質量部
エタノール 88質量部
溶解タンクにメチレンクロライドを入れて十分攪拌させながら、前記微粒子分散液をゆっくりと添加した後、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるように、アトライターにて分散させた。得られた溶液を、日本精線(株)製のファインメットNFでろ過して、微粒子添加液を調製した。
〔微粒子添加液〕
メチレンクロライド 101質量部
微粒子分散液 5質量部
ドープ液の調製
下記組成のドープ液を調製した。まず、加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを投入した。これらの溶剤に、さらにセルロースエステルA(総アシル基置換度2.40、アセチル基置換度2.40のセルロースジアセテート)を攪拌しながら投入した。得られた溶液を、加熱下で攪拌しながら溶解させ、リターデーション発現剤として例示化合物PM−1と、糖エステル化合物としてモノペットSB(第一工業製薬社製)と、微粒子添加液とをさらに添加し、攪拌して完全に溶解させた。得られた溶液を、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を用いてろ過し、ドープ液を得た。
〔ドープ液の組成〕
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 64質量部
セルロースエステルA(総アシル基置換度2.40、アセチル基置換度2.40、セルロースジアセテート) 100質量部
リターデーション発現剤:例示化合物PM−1 4質量部
モノペットSB(第一工業製薬社製) 5.5質量部
微粒子添加液 1質量部
次いで、34℃に調整した上記ドープ液を、無端ベルト流延装置のステンレスベルト支持体上に、幅1500mmとなるように均一に流延させた。ステンレスベルト支持体の温度は30℃とした。ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)された塗膜中の残留溶媒量が75%になるまで溶媒を蒸発させた後、剥離張力130N/mで、ステンレスベルト支持体上から塗膜を剥離した。剥離して得られるウェブを、140℃の熱をかけながらテンターを用いて幅方向に20%延伸した。延伸開始時のウェブの残留溶媒量は15%であった。次いで、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させた。延伸して得られるフィルムを、搬送張力100N/mで搬送させながら、乾燥温度130℃で乾燥させた。これにより、膜厚40μmの光学フィルム101を得た。
(実施例2〜17)
表1に示されるように、セルロースエステルの種類、あるいはリターデーション発現剤の種類やその含有量を変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルム102〜117を得た。
(実施例18〜23)
表1に示されるように、フィルム厚みを変更した以外は実施例12と同様にして光学フィルム118〜123を得た。
(比較例1〜8)
表2に示されるように、セルロースエステルの種類、あるいはリターデーション発現剤の種類やその含有量を変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルム124〜131を得た。
得られた光学フィルムのリターデーションRoおよびRth、スリッティング特性、およびブリードアウト特性を、以下の方法で評価した。
リターデーションRoおよびRthの測定
1)得られたフィルムを、23℃、55%RHの環境下で24時間放置して調湿した。得られたフィルムの平均屈折率を、アッベ屈折率計(4T)を用いて測定した。また、フィルムの厚さを、市販のマイクロメーターを用いて測定した。
2)自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、フィルム法線方向からの波長590nmの光を入射させて、下記式(I)で表される面内方向のレターデーションRoを測定した。また、フィルム法線方向に対してθの角度(入射角(θ))から波長590nmの光を入射させたときのリターデーション値R(θ)を測定した。θは30°〜50°とした。
3)測定されたRおよびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)によりnx、nyおよびnzを算出し、下記式(II)で表されるRthを算出した。リターデーションの測定は、23℃、55%RH条件下で行った。
式(I) Ro=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(nxは、フィルム面内方向で屈折率が最大となる方向xにおける屈折率を示し;
nyは、フィルム面内方向で前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を示し;
nzは、フィルム厚み方向zにおける屈折率を示し;
d(nm)は、フィルム厚みを示す)
スリッティング特性(脆性)
油圧卓上プレス機に、刃先の角度を60°に摩耗させた上刃と、90°の下刃とを、水平方向の間隔が30μmとなるように取り付けた。そして、上刃の先端と下刃の先端との間に、得られたフィルムをセットし、上刃の下降速度6m/分の条件で、幅90cm、長さ100cmの大きさの試料片を、連続して100枚切り出した。切り出された各試料片の裁断面を、光学顕微鏡を用いて50倍で観察した。バリや劈開、切断できない、切りくずの発生等の不良が発生したフィルムの枚数をカウントし、下記式に当てはめて不良率を算出した。
不良率(%)=(不良が発生したフィルムの枚数/切り出した全フィルムの枚数(100枚))×100
スリッティング特性の評価は、下記の基準に基づいて行った。
A:不良率が2%未満
B:不良率が2%以上5%未満
C:不良率が5%以上10%未満
D:不良率が10%以上
ブリードアウト耐性
得られたフィルムを、80℃、90%RHの高温高湿雰囲気下で1000時間放置した。その後、フィルム表面のブリードアウト(結晶析出)の有無を目視観察した。ブリードアウト耐性の評価は、下記基準に基いて行った。A、Bが実用上問題ないレベルと判断した。
A:表面にブリードアウトの発生が全く認められない
B:表面に部分的なブリードアウトが僅かに認められる
C:表面全面にわたってブリードアウトが僅かに認められる
D:表面全面にわたって明確なブリードアウトが認められる
実施例1〜23の光学フィルムの評価結果を表1に示し;比較例1〜8の光学フィルムの評価結果を表2に示す。表1および2において、Dallはセルロースエステルの総アシル基置換度を示し;Dacはアセチル基置換度を示し;Dprはプロピル基置換度を示す。
Figure 2013061465
Figure 2013061465
表1に示されるように、リターデーション発現剤として一般式(1)で表されるピリミジン化合物(ピリミジン環の2位にアミノ基を有する化合物)を含む実施例1〜23の光学フィルムは、高いリターデーションRoおよびRthを有し、かつ良好な脆性(スリッティング適性)と耐久性(ブリードアウト耐性)を有することがわかる。
一方、表2に示されるように、リターデーション発現剤を含まない比較例6〜8の光学フィルムは、リターデーション値が小さく、光学補償機能を有しないことがわかる。また、リターデーション発現剤としてトリアジン化合物を含む比較例1および2の光学フィルムは、比較的高いリターデーションを有するものの、脆性(スリッティング適性)や耐久性(ブリードアウト耐性)が低いことがわかる。さらに、従来のピリミジン化合物(ピリミジン環の2位にアミド基を有する化合物)を含む比較例3〜5の光学フィルムは、十分なリターデーション値が得られないことがわかる。
具体的には、実施例3と比較例3との対比から、ピリミジン環の2位に連結する基(L11)がアミノ基であると、アミド基であるよりもリターデーションが高く、ブリードアウトしにくいことがわかる。また、実施例10と比較例1との対比から、主骨格がピリミジン環であるほうが、トリアジン環であるよりもリターデーションが高く、かつブリードアウトしにくいことがわかる。
また、実施例1と8との対比あるいは実施例2と9との対比から、ピリミジン環の2位、4位および6位にアリール含有基を有する化合物のほうが、ピリミジン環の2位および4位にアリール含有基を有する化合物よりもリターデーション発現性が高く、フィルムの脆性も高いことがわかる。
また、実施例8と、実施例9〜10および12との対比から、式(1)におけるA11〜A13が置換基をさらに有する場合、より高いリターデーションが得られることがわかる。
また、実施例1と実施例7の対比から、式(1)におけるR12がアルキル基である化合物は、式(1)におけるR12が水素原子である化合物よりも、リターデーション発現性が高いことがわかる。
さらに、実施例1および18〜23に示されるように、フィルム厚みが20〜60μmの範囲において、高いリターデーションを有し、かつ良好な脆性(スリッティング適性)と耐久性(ブリードアウト耐性)とを有することがわかる。
3.偏光板および液晶表示装置の製造
(実施例24)
偏光板の作製
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、温度110℃、延伸倍率5倍の条件で一軸延伸した。得られたフィルムを、ヨウ素0.071g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に55秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.1g、水100gからなる65℃の水溶液に浸漬した。浸漬後のフィルムを水洗した後、乾燥させて、厚さ25μmの偏光子を得た。
次いで、下記工程1〜5に従って、偏光子の一方の面に前記光学フィルム101を、他方の面にコニカミノルタタックKC4UY(コニカミノルタオプト(株)製セルロースエステルフィルム)をそれぞれ貼り合わせて偏光板101を作製した。
工程1:光学フィルム101とコニカミノルタタックKC4UYとを、それぞれ60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬した。得られたフィルムを水洗した後、乾燥させて、偏光子と貼り合わせる面を鹸化処理したフィルムを得た。
工程2:前記偏光子を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒浸漬した。
工程3:工程2で偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く拭きとった後、偏光子の一方の面に工程1で鹸化処理した光学フィルム101を積層し、他方の面に工程1で鹸化処理したコニカミノルタタックKC4UYを積層した。
工程4:工程3で得られた光学フィルム101/偏光子/コニカミノルタタックKC4UYの積層物を、圧力20〜30N/cm、搬送スピード約2m/分の条件で貼り合わせた。
工程5:工程4で貼り合わせた試料を、乾燥機にて80℃で2分間乾燥させて、偏光板101を得た。
(実施例25〜46、および比較例9〜13)
光学フィルム101を、表3に示されるように変更した以外は実施例24と同様にして偏光板102〜123および124〜128を得た。
得られた偏光板の耐光性、および耐湿熱性を、以下の方法で評価した。
耐光性
得られた偏光板の平行透過率(H0)と直行透過率(H90)を、Haze Meter NDH2000(日本電色工業株式会社製)を用いて測定した。得られた値を下記式に当てはめて、強制劣化処理前の偏光度P0を算出した。
偏光度P0=〔(H0−H90)/(H0+H90)〕/2×100
次いで、偏光板をサンシャインウェザーメーターにて、UVカットフィルター無しの条件で500時間強制劣化処理を施した。その後、再度、偏光板の平行透過率(H0′)と直行透過率(H90′)を測定した。得られた値を下記式に当てはめて、強制劣化処理500時間後の偏光度P500を算出した。
偏光度P500=〔(H0′−H90′)/(H0′+H90′)〕/2×100
そして、得られた偏光度P0と偏光度P500の値を下記式に当てはめて、偏光度変化量を求めた。
偏光度変化量=P0−P500
このようにして得られた偏光度変化量から、耐光性を以下の基準に基づいて評価した。A、Bが実用上問題ないレベルと判断した。
A:偏光度変化量が2%未満
B:偏光度変化量が2%以上10%未満
C:偏光度変化量が10%以上25%未満
D:偏光度変化量が25%以上
耐湿熱性
得られた偏光板から、500mm×500mmのサイズの偏光板試料を2枚切り出して、それぞれ80℃、90%RHで100時間熱処理した。熱処理後に得られた2枚の偏光板試料を、互いに吸収軸が直交するように積層した。そして、一方の偏光板試料側から光を照射したときに、他方の偏光板試料側の縁部分で生じる白抜け部分の長さを測定し、偏光板試料の一辺の長さ(500mm)に対する比率を算出した。評価対象となる「白抜け部分」は、偏光板試料の4つの縁部分のそれぞれ中心付近に生じる複数の白抜け部分のうち、最も長いものとする。縁の白抜けは、直交状態で光を通さない偏光板の縁の部分が光を通す状態になることによって生じるものであり、偏光板の縁の部分で画像表示がされない故障の原因となる。偏光板の耐湿熱性は、以下の基準に基づいて評価した。A、Bが実用上問題ないレベルと判断した。
A:縁の白抜けが5%未満(偏光板として問題ないレベル)
B:縁の白抜けが5%以上10%未満(偏光板として実用上問題ないレベル)
C:縁の白抜けが10%以上20%未満(偏光板として何とか使えるレベル)
D:縁の白抜けが20%以上(偏光板として問題のあるレベル)
実施例24〜46および比較例9〜13で得られた偏光板の評価結果を、表3に示す。
Figure 2013061465
表3に示されるように、本発明の光学フィルムを含む実施例24〜46の偏光板は、本発明の光学フィルムを含まない比較例9〜13の偏光板よりも、耐湿熱性が高いだけでなく、耐光性も高いことがわかる。
4.液晶表示装置の作製
(実施例47)
SONY製40型ディスプレイKLV−40J3000を準備した。そして、液晶セルに予め貼り合わされていた両面の偏光板を剥がして、作製した2枚の偏光板101を液晶セルのガラス面の両面にそれぞれ貼り合わせて、液晶表示装置101を得た。2枚の偏光板101の貼り合わせは、光学フィルム101が液晶セルと接し、かつ偏光板101の吸収軸が予め貼り合わされていた偏光板の吸収軸と同じ方向となるように行った。
(実施例48〜69、および比較例14〜18)
偏光板101を、表4に示されるように変更した以外は実施例47と同様にして偏光板102〜123および124〜128を得た。
得られた液晶表示装置の正面コントラストのムラ、および視野角の湿度依存性を、以下の方法で評価した。
正面コントラストのムラ
23℃55%RHの環境下にて、得られた液晶表示装置のバックライトを1週間連続して点灯させた。その後、ELDIM社製EZ−Contrast160Dを用いて、液晶表示装置で白表示させたときの表示画面の法線方向からの輝度と、黒表示させたときの表示画面の法線方向からの輝度とをそれぞれ測定し、下記式に当てはめて正面コントラストを求めた。
正面コントラスト=(表示装置の法線方向から測定した白表示の輝度)/(表示装置の法線方向から測定した黒表示の輝度)
液晶表示装置の表示画面の任意の5点の正面コントラストを同様にして測定した。そして、得られた5点の正面コントラストの平均値を求めた。さらに、得られた5点の正面コントラストのうち、平均値との差(絶対値)が最大となる正面コントラストの最大値もしくは最小値を求めた。これらの値を下記式に当てはめて、正面コントラストのばらつき(%)を求めた。
正面コントラストのばらつき(%)=|(正面コントラストの最大値もしくは最小値)−(正面コントラストの平均値)|/(正面コントラストの平均値)×100
正面コントラストのムラを以下の基準で評価した。A、Bが実用上問題ないレベルと判断した。
A:正面コントラストのばらつきが0%以上5%未満であり、ムラが小さい
B:正面コントラストのばらつきが5%以上10%未満であり、ムラがややある
C:正面コントラストのばらつきが10%以上であり、ムラが大きい
視野角の湿度依存性
23℃55%RHの環境下にて5時間放置した後の液晶表示装置の視野角を、ELDIM社製EZ−Contrast160Dを用いて測定した。次いで、この液晶表示装置を23℃20%RHの環境下にて5時間放置した後、視野角を測定した。さらに、この液晶表示装置を23℃80%RHの環境下にて5時間放置した後、視野角を測定した。最後に、この液晶表示装置を23℃55%RHの環境下にて5時間放置した後、視野角を測定した。そして、最初の23℃55%RHの環境下で測定された視野角と、最後の23℃55%RHの環境下で測定された視野角とを比較して、視野角の変動量を測定した。A、Bが実用上問題ないレベルと判断した。
A:視野角の変動が認められない
B:視野角の変動がやや認められる
C:視野角の変動が認められる
D:視野角の変動が顕著に認められる
実施例47〜69および比較例14〜18で得られた液晶表示装置の評価結果を、表4に示す。
Figure 2013061465
表4に示されるように、本発明の光学フィルムを含む実施例47〜69の液晶表示装置は、本発明の光学フィルムを含まない比較例14〜18の液晶表示装置よりも、正面コントラストのムラが少なく、視野角の湿度依存性も少ないことがわかる。
本発明の光学フィルムは、高いリターデーションを有し、かつ高い耐湿熱特性と脆性とを有する。そのため、本発明の光学フィルムを含む偏光板は耐光性と耐湿熱性が良好であり、液晶表示装置は正面コントラストのムラや、視野角の湿度依存性が低減されうる。
10 液晶表示装置
20 液晶セル
40 第一の偏光板
42 第一の偏光子
44 偏光板保護フィルム(F1)
46 偏光板保護フィルム(F2)
60 第二の偏光板
62 第二の偏光子
64 偏光板保護フィルム(F3)
66 偏光板保護フィルム(F4)
80 バックライト

Claims (11)

  1. セルロースエステルと、下記一般式(1)で表される化合物と、を含有する、光学フィルム。
    一般式(1)
    Figure 2013061465
    (式中、
    11は、単結合または−NR−(Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基)を表し;
    11は、アリール含有基またはヘテロアリール含有基を表し;
    12は、単結合、−NR−(Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基)、−O−、−S−、−C(=O)−、−NRC(=O)−(Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基)または−SO−を表し;
    12は、アリール含有基、ヘテロアリール含有基またはシクロアルキル基を表し;
    13は、単結合、−NR−(Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基)、−O−、−S−、−C(=O)−、−NRC(=O)−(Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基)または−SO−を表し;
    13は、アリール含有基、ヘテロアリール含有基、シクロアルキル基または水素原子を表し;
    12は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはアシルアミノ基を表す)
  2. 前記一般式(1)のA11、A12およびA13において、
    前記アリール含有基は、アリール基、アリール含有アルキル基またはアリール含有アルケニル基であり;
    前記ヘテロアリール含有基は、ヘテロアリール基、ヘテロアリール含有アルキル基またはヘテロアリール含有アルケニル基である、
    請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記一般式(1)のA13は、アリール含有基、ヘテロアリール含有基またはシクロアルキル基である、請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 前記セルロースエステルは、下記式(a)および(b)を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
    式(a) 1.5≦X+Y≦2.5
    式(b) 0≦Y≦1.5
    (式中、Xはアセチル基の置換度、Yはプロピオニル基またはブチリル基、もしくはそれらの混合物の置換度を表す)
  5. 前記セルロースエステルにおいて、前記式(b)のYが0である、請求項4に記載の光学フィルム。
  6. 前記光学フィルムの厚みが20〜60μmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  7. 下記式(I)で表される、波長590nmでのリターデーションRoが20〜150nmであり、かつ下記式(II)で表される、波長590nmでのRthが70〜300nmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルム。
    式(I) Ro=(nx−ny)×d
    式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
    (nxは、光学フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し;
    nyは、光学フィルムの面内方向において前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;
    nzは、光学フィルムの厚み方向zにおける屈折率を表し;
    d(nm)は、光学フィルムの厚みを表す)
  8. 偏光子と、
    前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルムと、
    を有する、偏光板。
  9. 液晶セルと、前記液晶セルを挟持する一対の偏光板と、を含む液晶表示装置であって、
    前記一対の偏光板のうち少なくとも一方は、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置される請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルムとを含む、液晶表示装置。
  10. 前記光学フィルムは、前記偏光子の前記液晶セル側の面に配置される、請求項9に記載の液晶表示装置。
  11. 前記液晶セルが、対向する一対の透明基板と、前記一対の透明基板の間に挟持され、ポジ型液晶を含む液晶層と、を有し、
    前記一対の透明基板のうち、一方の透明基板に前記ポジ型液晶に電圧を印加するための複数の電極が配置され、
    前記ポジ型液晶は、電圧無印加時には、前記透明基板に対して垂直に配向し、電圧印加時には、前記複数の電極間に生じる電界によって前記透明基板に対して水平に配向する、請求項9または10に記載の液晶表示装置。
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