JP5606110B2 - セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5606110B2 JP5606110B2 JP2010062180A JP2010062180A JP5606110B2 JP 5606110 B2 JP5606110 B2 JP 5606110B2 JP 2010062180 A JP2010062180 A JP 2010062180A JP 2010062180 A JP2010062180 A JP 2010062180A JP 5606110 B2 JP5606110 B2 JP 5606110B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- cellulose acylate
- group
- carbohydrate derivative
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/30—Polarising elements
- G02B5/3025—Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
- G02B5/3033—Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state in the form of a thin sheet or foil, e.g. Polaroid
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J5/00—Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
- C08J5/18—Manufacture of films or sheets
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/04—Oxygen-containing compounds
- C08K5/15—Heterocyclic compounds having oxygen in the ring
- C08K5/151—Heterocyclic compounds having oxygen in the ring having one oxygen atom in the ring
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L1/00—Compositions of cellulose, modified cellulose or cellulose derivatives
- C08L1/08—Cellulose derivatives
- C08L1/10—Esters of organic acids, i.e. acylates
- C08L1/14—Mixed esters, e.g. cellulose acetate-butyrate
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/30—Polarising elements
- G02B5/3083—Birefringent or phase retarding elements
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2301/00—Characterised by the use of cellulose, modified cellulose or cellulose derivatives
- C08J2301/08—Cellulose derivatives
- C08J2301/10—Esters of organic acids
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Description
すなわち、上記課題は、以下の構成の本発明によって解決される。
条件(a)ClogP値が0〜5.5。
条件(b)230nm〜700nmの波長範囲のモル吸光係数の最大値が50×103以下。
[2] 前記炭水化物誘導体中に含まれるヒドロキシル基が、該炭水化物誘導体の単糖ユニットあたり1個以下であることを特徴とする[2]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[3] 前記炭水化物誘導体が、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする[1]または[2]に記載のセルロースアシレートフィルム。
一般式(1)
(OH)p−G−(L1−R1)q(L2−R2)r
(一般式(1)中、Gは単糖残基または、多糖類残基を表し、L1およびL2はそれぞれ独立に−O−、−CO−、−NR3−のいずれか一つを表し、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基を表し、R1およびR2の少なくとも一方は芳香環を有する。pは0以上の整数を表し、qおよびrはそれぞれ独立に1以上の整数を表し、p+q+rは前記Gが環状アセタール構造の無置換の糖類であると仮定した場合のヒドロキシル基の数と等しい。)
[4] 前記炭水化物誘導体中のヒドロキシル基の置換基が、置換または無置換のアシル基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、あるいは、置換または無置換のアミノ基の中から選択されることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[5] 前記炭水化物誘導体中のヒドロキシル基の置換基が、芳香環を含まない置換基を少なくとも一つ含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[6] 前記炭水化物誘導体中のヒドロキシル基の芳香環を含まない置換基が、少なくとも一つのアセチル基を含むことを特徴とする[5]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[7] 前記炭水化物誘導体中のヒドロキシル基の置換基が、少なくとも一つのベンジル基を含むことを特徴とする[1]〜[6]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[8] 前記炭水化物誘導体中のヒドロキシル基の置換基が、少なくとも一つのフェニルアセチル基を含むことを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[9] 置換基の導入比率が異なる少なくとも2種類以上の前記炭水化物誘導体を含有することを特徴とする[1]〜[8]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを含むことを特徴とする位相差フィルム。
[11] [1]〜[9]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムまたは[10]に記載の位相差フィルムを含んでなる偏光板。
[12] [1]〜[9]のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム、[10]に記載の位相差フィルムまたは[11]に記載の偏光板を含んでなる液晶表示装置。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレートと、下記の条件(a)および(b)を満たし、ヒドロキシル基が2種類以上の置換基で置換されており、かつ前記置換基のうち少なくとも1種が少なくとも一つの芳香環を有する炭水化物誘導体とを含み、前記セルロースアシレート100質量部に対して前記炭水化物誘導体を1質量部〜30質量部含むことを特徴とする。
条件(a)ClogP値が0〜5.5。
条件(b)230nm〜700nmの波長範囲のモル吸光係数の最大値が50×103以下。
前記炭水化物誘導体をセルロースアシレートフィルムに添加することにより、光学特性の発現性を損なわず、かつヘイズを上昇させることなく、フィルムの含水率を大幅に低減できる。
さらに、該セルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いることにより、高温高湿下での偏光子の性能劣化を大幅に改良できる。
以下に、前記炭水化物誘導体、セルロースアシレートフィルムの製造方法の順に詳しく説明する。なお、本明細書中、「本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体」とは、条件(a)および(b)を満たし、ヒドロキシル基が2種類以上の置換基で置換されており、かつ前記置換基のうち少なくとも1種が少なくとも一つの芳香環を有する炭水化物誘導体のことを言う。また、「本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体以外のその他の炭水化物誘導体」とは、条件(a)を満たさない炭水化物誘導体、条件(b)を満たさない炭水化物誘導体、ヒドロキシル基が2種類以上の置換基で置換されていない炭水化物誘導体、またはヒドロキシル基を置換している置換基がいずれも芳香環を有さない炭水化物誘導体のことを言う。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、前記炭水化物誘導体を含むことを特徴とする。以下、本発明に用いられる炭水化物誘導体の構造の詳細について、説明する。
いかなる理論に拘泥するものでもないが、添加剤によるセルロースアシレートフィルムの含水率の低下のためには、添加剤がセルロースアシレートの近傍に存在し、一定の疎水場を形成することが重要である。このため添加剤の親疎水性は特定範囲に制御されていることが好ましい。すなわち、添加剤が疎水的過ぎるとセルロースアシレートとの相溶性が不足し、セルロースアシレートに近傍に存在しうる添加剤の割合が少なくなってしまう。一方、添加剤が親水的過ぎると、添加剤自体が水と相互作用しやすくなるためフィルムの含水率をかえって上昇させてしまう。
オクタノール−水分配係数(logP値)の測定は、一般にJIS日本工業規格Z7260−107(2000)に記載のフラスコ浸とう法により実施することができる。また、オクタノール−水分配係数(logP値)は実測に代わって、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もることも可能である。計算方法としては、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))、Viswanadhan’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989))、Broto’s fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.−Chim.Theor.,19,71(1984))などを用いることが知られている。本発明では、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))を用いる。
ClogP値とは、1−オクタノールと水への分配係数Pの常用対数logPを計算によって求めた値である。ClogP値の計算に用いる方法やソフトウェアについては公知の物を用いることができるが、本発明ではDaylight Chemical Information Systems社のシステム:PCModelsに組み込まれたCLOGPプログラムを用いた。
また、ある化合物のlogPの値が、測定方法あるいは計算方法により異なる場合に、該化合物が本発明の範囲内であるかどうかは、Crippen’s fragmentation法により判断することとなる。
また、本発明のフィルムが炭水化物誘導体を2種以上含む場合、置換基の導入比率が異なる少なくとも2種類以上の炭水化物誘導体を含有することが、光学特性の発現性を損なわず、かつヘイズを上昇させることなく、フィルムの含水率を大幅に低減できる観点から好ましい。また、該セルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いることにより、高温高湿下での偏光子の性能劣化を大幅に改良できる観点からも好ましい。
上述したとおり本発明に単独で用いられる前記炭水化物誘導体は、条件(a)および(b)を満たし、ヒドロキシル基が2種類以上の置換基で置換されており、かつ前記置換基のうち少なくとも1種が少なくとも一つの芳香環を有する。このような本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体において、「置換基の導入比率が異なる」とは、炭水化物誘導体の構成糖のヒドロキシル基を置換している2種以上の置換基の種類が全て同じであって、かつ、各置換基の数が互いに異なることをいう。例えば、炭水化物誘導体の構成糖のヒドロキシル基がベンゾイル基とアセチル基の2種類の置換基で置換されている場合、ベンゾイル基で置換されているヒドロキシル基の数と、アセチル基で置換されているヒドロキシル基の数が異なっており、かつベンゾイル基およびアセチル基以外のその他置換基を有さないことを意味する(但し、無置換のヒドロキシル基は有していてもよい)。
また、本発明のフィルムは、「本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体」1種類と、「本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体以外のその他の炭水化物誘導体」1種類とを併用する場合も本発明の効果を奏する。
しかし、その場合よりも、本発明のフィルムが「本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体」を少なくとも2種類以上含有することがより好ましい。ここで、「本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体」を少なくとも2種類以上含有している場合において、前記「本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体以外のその他の炭水化物誘導体」は併用しても、併用しなくてもよい。その中でも、「本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体以外のその他の炭水化物誘導体」を併用しないことがヘイズおよび波長分散の観点から好ましい。
置換基の導入比率の異なり方については、特に制限はない。例えば、炭水化物誘導体の5官能構成糖のヒドロキシル基がベンゾイル基とアセチル基の2種類の置換基で置換されている場合、ベンゾイル基の数とアセチル基の数がそれぞれ0〜5、5〜0の任意の数である炭水化物誘導体を、2種以上用いることができる。置換基の導入比率の異なり方の好ましい範囲については、以下の態様が好ましい。
ベンゾイル基の数が2および3のものの比率が最も高く、ベンゾイル基数2>ベンゾイル基数1>ベンゾイル基数0の順、およびベンゾイル基数3>ベンゾイル基数4>ベンゾイル基数5の順に比率が減少する様態が好ましい。
本明細書中、前記平均ClogPは下記式により算出した。
平均ClogP=ΣClogPi・Wi
(式中、ClogPiはi番目の炭水化物誘導体のClogP値を表し、Wiはi番目の炭水化物誘導体添加量の、全炭水化物誘導体添加量に対する重量比率を表す。)
VA、IPS等の液晶表示装置に用いられる位相差フィルムにおいては、一般にReが逆波長分散(短波長側ほどReが小さくなる波長分散)を有している方がコントラスト、色味ともに優れた表示性能が得られることが知られている。セルロースアシレートは波長分散が逆分散性を有しており、この点で好ましい。一方、200nm以上の紫外領域に吸収を有する添加剤をセルロースアシレートフィルムに添加するとフィルムの波長分散が順分散(短波長ほどReが多くなる)方向に変化することが知られている。また、いかなる理論に拘泥するものでもないが、炭水化物誘導体の230nm〜700nmのモル吸光係数を特定の範囲以下とすることで、偏光板に貼り合わせて高温高湿下で経時させた場合に偏光子の劣化を抑制できることを本発明者らは見出した。
このため、本発明に用いられる炭水化物誘導体は、波長230nm〜700nmのモル吸光係数(以下、εとも言う)の最大値が50×103以下である。
本発明に用いられる炭水化物誘導体の波長230nm〜700nmのモル吸光係数の最大値は好ましくは30×103以下であり、さらに好ましくは20×103以下であり、最も好ましくは10×103以下である。
また、本発明に用いられる炭水化物誘導体の分子量は300〜1500が好ましく350〜1200がさらに好ましく、400〜1000が最も好ましい。前記範囲の分子量を有する炭水化物誘導体を使用することにより、フィルム製造工程における炭水化物誘導体の揮散を抑制でき、かつセルロースアシレートとの相溶性を確保しやすくなり好ましい。また、本発明のフィルム中に含まれる、本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体以外のその他の炭水化物誘導体の分子量の好ましい範囲についても、本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体の分子量の好ましい範囲と同様である。
本発明に用いられる炭水化物誘導体は、本発明に用いられる炭水化物誘導体は、前記条件(a)および条件(b)を満たすための構造を有する。さらに、本発明に用いられる炭水化物誘導体は、ヒドロキシル基が2種類以上の置換基で置換されており、かつ前記置換基のうち少なくとも1種が少なくとも一つの芳香環を有する構造を有する。以下、本発明に用いられる炭水化物誘導体の構造の構造について順に説明する。
本発明に用いられる炭水化物誘導体において、ClogP値を上昇させるための構造としては、芳香環あるいはシクロアルキル環等の環状構造が好ましく、芳香環が特に好ましい。そのため、本発明に用いられる炭水化物誘導体は、その置換基のうち少なくとも1種が少なくとも一つの芳香環を有することを特徴とする。その他、ClogP値を本発明の範囲に制御するにあたり、必須の構造はなく、前記少なくとも1つの芳香環を有する置換基と、その他の任意の置換基を適当な比率で導入することにより、ClogP値を本発明の範囲に制御してよい。
上記吸収特性、すなわち波長230nm〜700nmのモル吸光係数の最大値を30×103以下にするための炭水化物誘導体の構造としては、特に制限はないが、例えば、以下の構造であることが好ましい。
本発明に用いられる炭水化物誘導体が上記吸収特性を満たすための好ましい第1の構造としては、2重結合を有する官能基(カルボニル基等)との間で共役していない芳香環を有する置換基を含む炭水化物誘導体を挙げることができる。前記第1の構造における、2重結合を有する官能基との間で共役していない芳香環を有する置換基の好ましい具体例としてはベンジル基、フェニルアセチル基等があげられる。
一方、本発明に用いられる炭水化物誘導体が上記吸収特性を満たすための好ましい第2の構造としては、2重結合を有する官能基との間で共役している芳香環を有する置換基の置換度を、一定以下に制御した炭水化物誘導体を挙げることができる。前記第2の構造における、2重結合を有する官能基との間で共役している芳香環を有する置換基の好ましい具体例としては、例えば、ベンゾイル基を挙げることができる。ベンゾイル基を置換基として有する本発明に用いられる炭水化物誘導体の場合、該炭水化物誘導体の単糖ユニットあたりのベンゾイル基の置換度は3以下であることが好ましく、2以下であることがさらに好ましい。
前記第1の構造と前記第2の構造の中でも、本発明に用いられる炭水化物誘導体は、前記第1の構造を有することが好ましい。
本発明に用いられる炭水化物誘導体は、該炭水化物誘導体の構成糖のヒドロキシル基が2種類以上の置換基で置換されており、かつ前記置換基のうち少なくとも1種が少なくとも一つの芳香環を有する。
一般式(1)
(OH)p−G−(L1−R1)q(L2−R2)r
一般式(1)中、Gは単糖残基または、多糖類残基を表し、L1およびL2はそれぞれ独立に−O−、−CO−、−NR3−のいずれか一つを表し、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基を表し、R1およびR2の少なくとも一方は芳香環を有する。pは0以上の整数を表し、qおよびrはそれぞれ独立に1以上の整数を表し、p+q+rは前記Gが環状アセタール構造の無置換の糖類であると仮定した場合のヒドロキシル基の数と等しい。
また、前記L1およびL2がそれぞれ複数ある場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、前記R1、R2およびR3がそれぞれ複数ある場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記qおよび前記rはそれぞれ独立に1以上の整数を表し、前記条件(a)および(b)を満たす範囲であれば好ましい範囲については特に制限はない。
また、p+q+rは前記Gが環状アセタール構造の無置換の糖類であると仮定した場合のヒドロキシル基の数と等しいため、前記p、qおよびrの上限値は前記Gの構造に応じて一意に決定される。
前記芳香環を含まない置換基としては、例えば、アルキル基、アシル基などを挙げることができ、その中でもアセチル基、プロピル基およびt−ブチル基が好ましく、前記炭水化物誘導体中のヒドロキシル基の芳香環を含まない置換基が少なくとも一つのアセチル基を含むことがヘイズ低減の観点から好ましい。
また、本発明に用いられる炭水化物誘導体中の単糖ユニット当たりのヒドロキシル基の数(以下、ヒドロキシル基含率とも言う)は、1以下であることが好ましい。ヒドロキシル基含率を前記範囲に制御することにより、高温高湿経時における炭水化物誘導体の偏光子層への移動およびPVA-ヨウ素錯体の破壊を抑制でき、高温高湿経時における偏光子性能の劣化を抑制する点から好ましい。
本発明に用いられる炭水化物誘導体は、単糖または2〜5個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体であることが好ましく、単糖または2個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体であることがより好ましい。
前記単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の例としては、例えば、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、フルクトース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、トレハロサミン、コウジビオース、ニゲロース、マルトース、マルチトール、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクチトール、ラクツロース、メリビオース、プリメベロース、ルチノース、シラビオース、スクロース、スクラロース、ツラノース、ビシアノース、セロトリオース、カコトリオース、ゲンチアノース、イソマルトトリオース、イソパノース、マルトトリオース、マンニノトリオース、メレジトース、パノース、プランテオース、ラフィノース、ソラトリオース、ウンベリフェロース、リコテトラオース、マルトテトラオース、スタキオース、バルトペンタオース、ベルバルコース、マルトヘキサオース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールなどを挙げることができる。
前記炭水化物誘導体はピラノース構造またはフラノース構造を有することが好ましく、中でもピラノース構造のみ(ピラノース構造を複数有する多糖構造も含む)を有することが特に好ましい。
前記炭水化物誘導体の入手方法としては、市販品として(株)東京化成製、アルドリッチ製等から入手可能であり、もしくは市販の炭水化物に対して既知のエステル誘導体化法(例えば、特開平8−245678号公報に記載の方法)を行うことにより合成可能である。
これらの前記条件(a)および前記条件(b)などをともに満たす前記炭水化物誘導体(本発明に単独で用いられる炭水化物誘導体)の添加量は、セルロースアシレート100質量部に対して1〜30質量部である。1質量%以上であれば、偏光子耐久性改良効果が得られやすく、また30質量%以下であれば、ブリードアウトも発生しにくい。より好ましい添加量はセルロースアシレート100質量部に対して1〜20質量部であり、さらに好ましい添加量は2〜15質量部であり、特に好ましくは5〜12質量部である。
次に本発明で使用するセルロースアシレートについて詳しく説明する。
セルロースアシレートの置換度は、セルロースの構成単位((β)1,4−グリコシド結合しているグルコース)に存在している、3つの水酸基がアシル化されている割合を意味する。置換度(アシル化度)は、セルロースの構成単位質量当りの結合脂肪酸量を測定して算出することができる。本発明において、セルロース体の置換度はセルロース体を重水素置換されたジメチルスルフォキシド等の溶剤に溶解して13C−NMRスペクトルを測定し、アシル基中のカルボニル炭素のピーク強度比から求めることにより算出することができる。セルロースアシレートの残存水酸基をセルロースアシレート自身が有するアシル基とは異なる他のアシル基に置換したのち、13C−NMR測定により求めることができる。測定方法の詳細については、手塚他(Carbohydrate.Res., 273(1995)83-91)に記載がある。
本発明のセルロースアシレートのアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基が特に好ましい。
本発明においては、置換基および/または置換度の異なる2種のセルロースアシレートを併用、混合して用いてもよいし、後述の共流延法などにより、異なるセルロースアシレートからなる複数層からなるフィルムを形成してもよい。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により製造することができる。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムを製造する。
前記エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよい。また、前記エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−および−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、前記有機溶媒として用いることができる。前記有機溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、その炭素原子数はいずれかの官能基を有する溶媒の上述の好ましい炭素原子数範囲内であることが好ましい。
前記炭素原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノンが含まれる。
前記炭素原子数が3〜12のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
また、2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキシエタノールが含まれる。
また、2種類以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
では、通常の溶解方法ではセルロースアシレートを溶解させることが困難な有機溶媒中にも、セルロースアシレートを溶解させることができる。なお、通常の溶解方法でセルロースアシレートを溶解できる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な溶液が得られるとの効果がある。
使用される溶剤は低級アルコール類としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムには、延伸処理をおこなうこともできる。延伸処理によりセルロースアシレートフィルムに所望のレターデーションを付与することが可能である。セルロースアシレートフィルムの延伸方向は幅方向、長手方向のいずれでも好ましい。
幅方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。
また、流延後にドープ溶剤が残存した状態で延伸を行う場合、乾膜よりも低い温度で延伸が可能となり、この場合、100℃〜170℃が好ましい。
延伸速度は1%/分〜300%/分が好ましく、10%/分〜300%/分がさらに好ましく、30%/分〜300%/分が最も好ましい。
フィルムの幅方向に延伸する延伸工程と、フィルムの搬送方向(長手方向)に収縮させる収縮工程を含むことを特徴とする製造方法においてはパンタグラフ式あるいはリニアモーター式のテンターによって保持し、フィルムの幅方向に延伸しながら搬送方向にはクリップの間隔を徐々に狭めることでフィルムを収縮させることが出来る。
特に、フィルムの幅方向に10%以上延伸する延伸工程と、フィルムの幅方向にフィルムを把持しながらフィルムの搬送方向を5%以上収縮させる収縮工程とを含むことが好ましい。
なお、本発明でいう収縮率とは、収縮方向における収縮前のフィルムの長さに対する収縮後のフィルムの収縮した長さの割合を意味する。
収縮率としては5〜40%が好ましく、10〜30%が特に好ましい。
(レターデーション)
次に本発明セルロースアシレートフィルムの特性について詳しく説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、下記式(1)〜(4)の関係を満たすことが好ましい。
0nm<Re<300nm ・・・式(1)
−50nm<Rth<400nm ・・・式(2)
また、式(2)においてRthは−30nm〜350nmが好ましく、−10nm〜300nmがより好ましい。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基に、以下の式(21)および式(22)よりRthを算出することもできる。
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値をあらわす。式(21)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnxおよびnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの厚さを表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)がさらに算出される。
本発明におけるセルロースアシレートフィルムの厚みは30μm〜100μmが好ましく、30μm〜80μmがさらに好ましく、30μm〜60μmが最も好ましい。
ガラス転移温度の測定は、以下の方法により測定する。本発明のセルロースアシレートフィルム試料24mm×36mmを、25℃、相対湿度60%で2時間以上調湿した後に動的粘弾性測定装置(バイブロン:DVA-225(アイティー計測制御株式会社製))で、つかみ間距離20mm、昇温速度2℃/分、測定温度範囲30℃〜200℃、周波数1Hzで測定した。縦軸に対数軸で貯蔵弾性率、横軸に線形軸で温度をとり、貯蔵弾性率が固体領域からガラス転移領域へ移行する際に観察される貯蔵弾性率の急激な減少に対して、JIS K7121−1987の図3に記載の方法によりガラス転移温度Tgを求めた。
本発明のセルロースアシレートフィルムの25℃、相対湿度80%における平衡含水率は、0〜5.0%であることが好ましい。前記平衡含水率は、より好ましくは0.1〜4.0%である。平衡含水率が5.0%以下であれば、水の可塑化効果によるセルロースアシレートフィルムのガラス転移温度低下が小さく、高温高湿下の偏光子性能劣化を抑制する点から好ましい。
含水率の測定法は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置(CA−03、VA−05、共に三菱化学(株))にてカールフィッシャー法で測定した。水分量(g)を試料重量(g)で除して算出した。
本発明のセルロースアシレートフィルムはアルカリ鹸化処理することによりポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を付与し、偏光板保護フィルムとして用いることができる。鹸化の方法については、特開2007−86748号公報の〔0211〕と〔0212〕に記載され、偏光板の偏光子の作り方、偏光板の光学特性等については同公報の〔0213〕〜〔0255〕に記載されており、これらの記載を基に本発明のフィルムを保護フィルムに用いた偏光板を作製することができる。
偏光板は、一般に、偏光子およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護膜として、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いることができる。他方の保護膜は、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよい。偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護膜として用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護膜処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子およびその両面を保護する保護膜で構成されており、さらに該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルムおよびセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
本発明の液晶表示装置において、偏光板の透過軸と本発明のセルロースアシレートフィルムの遅相軸が、実質的に平行であることが好ましい。ここで、実質的に平行であるとは、本発明のセルロースアシレートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが5°以内であることをいい、1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°より大きいと、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下して光抜けが生じて好ましくない。
偏光板の直交透過率CTは、UV3100PC(島津製作所社製)を用いて測定した。測定では、380nm〜780nmの範囲で測定し、10回測定の平均値を用いた。
偏光板耐久性試験は(1)偏光板のみと(2)偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた、2種類の形態で次のように行った。(1)の偏光板のみの測定は、2つの偏光子の間に光学補償膜本発明のセルロースアシレートフィルムが挟まれるように組み合わせて直交、同じのものを2つ用意する。(2)の偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた形態での測定は、ガラスの上に偏光板を光学補償膜本発明のセルロースアシレートフィルムがガラス側にくるように貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作成する。単板直交透過率測定ではこのサンプルのフィルムの側を光源に向けてセットして測定する。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を単板直交透過率とする。本発明の実施例では、上記(1)および(2)の試験方法のうち、(2)の試験方法を採用した。
偏光性能の好ましい範囲としては直交透過率CTがCT≦2.0であり、より好ましい範囲としてはCT≦1.3(単位はいずれも%)である。
また偏光板耐久性試験ではその変化量はより小さいほうが好ましい。本発明の偏光板は、60℃、相対湿度95%に7日間静置させたときの直交透過率の変化量(%)が0.05%以下である。
ここで、変化量とは試験後測定値から試験前測定値を差し引いた値である。
上記直交透過率の変化量の範囲を満たせば、偏光板の高温高湿下で長時間使用中あるいは保管中の安定性が確保でき、好ましい。
本発明における偏光板は、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板としても好ましく使用される。機能化のための反射防止フィルム、輝度向上フィルム、他の機能性光学フィルム、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア層については、特開2007−86748号公報の〔0257〕〜〔0276〕に記載され、これらの記載を基に機能化した偏光板を作成することができる。
本発明における偏光板は反射防止フィルムと組み合わせて使用することができる。反射防止フィルムは、フッ素系ポリマー等の低屈折率素材を単層付与しただけの反射率1.5%程度のフィルム、または薄膜の多層干渉を利用した反射率1%以下のフィルムのいずれも使用できる。本発明では、透明支持体上に低屈折率層、および低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、高屈折率層、中屈折率層)を積層した構成が好ましく使用される。また、日東技報,vol.38,No.1,May,2000,26頁〜28頁や特開2002−301783号公報などに記載された反射防止フィルムも好ましく使用できる。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
前記含シリコーン化合物はポリシロキサン構造を有する化合物が好ましいが、反応性シリコーン(例えば、サイラプレーン(チッソ(株)製)や両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報)等を使用することもできる。シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化させてもよい(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報、特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)。
低屈折率層には、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820号公報の[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有させることも好ましく行うことができる。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
このような超微粒子は、粒子表面を表面処理剤で処理したり(シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908号公報、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造としたり(特開2001−166104号公報等)、特定の分散剤を併用する(例えば、特開平11−153703号公報、米国特許第6,210,858B1明細書、特開2002−2776069号公報等)等の態様で使用することができる。
前記高屈折率層の屈折率は、1.70〜2.20であることが好ましい。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
前記中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
本発明における偏光板は、輝度向上フィルムと組み合わせて使用することができる。輝度向上フィルムは、円偏光もしくは直線偏光の分離機能を有しており、偏光板とバックライトとの間に配置され、一方の円偏光もしくは直線偏光をバックライト側に後方反射もしくは後方散乱する。バックライト部からの再反射光は、部分的に偏光状態を変化させ、輝度向上フィルムおよび偏光板に再入射する際、部分的に透過するため、この過程を繰り返すことにより光利用率が向上し、正面輝度が1.4倍程度に向上する。輝度向上フィルムとしては異方性反射方式および異方性散乱方式が知られており、いずれも本発明における偏光板と組み合わせることができる。
本発明における偏光板は、さらに、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層、ガスバリア層、滑り層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けた機能性光学フィルムと組み合わせて使用することも好ましい。また、これらの機能層は、前述の反射防止フィルムにおける反射防止層、あるいは光学異方性層等と同一層内で相互に複合して使用することも好ましい。これらの機能層は、偏光子側および偏光子と反対面(より空気側の面)のどちらか片面、または両面に設けて使用できる。
本発明における偏光板は耐擦傷性等の力学的強度を付与するため、ハードコート層を透明支持体の表面に設けた機能性光学フィルムと組み合わせることが好ましく行われる。ハードコート層を、前述の反射防止フィルムに適用して用いる場合は、特に、透明支持体と高屈折率層の間に設けることが好ましい。
前記ハードコート層は、光および/または熱による硬化性化合物の架橋反応、または、重合反応により形成されることが好ましい。硬化性官能基としては、光重合性官能基が好ましく、または、加水分解性官能基含有の有機金属化合物は有機アルコキシシリル化合物が好ましい。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、国際公開第00/46617号パンフレット等記載のものを好ましく使用することができる。
ハードコート層の膜厚は、0.2μm〜100μmであることが好ましい。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
前方散乱層は、本発明における偏光板を液晶表示装置に適用した際の、上下左右方向の視野角特性(色相と輝度分布)改良するために使用される。本発明では、前方散乱層は屈折率の異なる微粒子をバインダー分散した構成が好ましく、例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子との相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等の構成を使用することができる。また、本発明における偏光板をヘイズの視野角特性を制御するため、住友化学(株)の技術レポート「光機能性フィルム」31頁〜39頁に記載された「ルミスティ」と組み合わせて使用することも好ましく行うことができる。
アンチグレア(防眩)層は、反射光を散乱させ映り込みを防止するために使用される。アンチグレア機能は、液晶表示装置の最表面(表示側)に凹凸を形成することにより得られる。アンチグレア機能を有する光学フィルムのヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
フィルム表面に凹凸を形成する方法は、例えば、微粒子を添加して膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、比較的大きな粒子(粒子サイズ0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成する方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報、同2001−100004号公報、同2001−281407号公報等)、フィルム表面に物理的に凹凸形状を転写する方法(例えば、エンボス加工方法として、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等記載)等を好ましく使用することができる。
次に本発明の液晶表示装置について説明する。
液晶表示装置10には、画像直視型、画像投影型や光変調型が含まれる。TFTやMIMのような3端子または2端子半導体素子を用いたアクティブマトリックス液晶表示装置が本発明は有効である。もちろん時分割駆動と呼ばれるSTNモードに代表されるパッシブマトリックス液晶表示装置でも有効である。
本発明の液晶表示装置の液晶セルはVAモードであることが好ましい。
VAモードでは上下基板間に誘電異方性が負で、Δn=0.0813、Δε=−4.6程度の液晶をラビング配向により、液晶分子の配向方向を示すダイレクタ、いわゆるチルト角を、約89°で作製する。図1における液晶層5の厚さdは3.5μm程度に設定してあることが好ましい。ここで厚さdと屈折率異方性Δnとの積Δndの大きさにより白表示時の明るさが変化する。このため最大の明るさを得るためには液晶層の厚みを0.2μm〜0.5μmの範囲になるように設定する。
またVAモードの液晶表示装置では、TNモードの液晶表示装置で一般的に使われているカイラル剤の添加は、動的応答特性の劣化させるため用いることは少ないが、配向不良を低減するために添加されることもある。
例えば、VA方式では液晶分子が電界印加により、一つの画素内で異なる複数の領域に傾斜することで視角特性が平均化される。一画素内で配向を分割するには、電極にスリットを設けたり、突起を設け、電界方向を変えたり電界密度に偏りを持たせる。全方向で均等な視野角を得るにはこの分割数を多くすればよいが、4分割、あるいは8分割以上することでほぼ均等な視野角が得られる。特に8分割時は偏光板吸収軸を任意の角度に設定できるので好ましい。
〔セルロースアシレートフィルムの作製〕
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.43、重合度340のセルロースアセテート
100.0質量部
炭水化物誘導体105 10.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液2を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液2の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.0質量部
メタノール(第2溶媒) 12.7質量部
前記セルロースアシレート溶液1 10.3質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
次に、作製した比較例1のセルロースアシレートフィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、比較例1のセルロースアシレートフィルムについて表面の鹸化処理を行った。
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
鹸化処理した比較例1のセルロースアシレートフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)製)に同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作成した比較例1のセルロースアシレートフィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に鹸化処理後のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と作成した比較例1のセルロースアシレートフィルムの遅相軸とは平行になるように配置した。また、偏光子の透過軸と市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸とは、直交するように配置した。
このようにして比較例1の偏光板を作製した。
〔セルロースアシレートフィルムの作製〕
比較例1においてセルロースアシレートの置換度、炭水化物誘導体の種類および添加量、延伸温度および延伸倍率、フィルム厚みを下記表5に記載したとおりに変更した以外は比較例1と同様にして、実施例1〜8および比較例2〜13のセルロースアシレートフィルムを製造した。
実施例1〜8および比較例2〜13のセルロースアシレートフィルムについても、それぞれ比較例1と同様にしてけん化処理および偏光板作製を行い、実施例1〜8の偏光板および比較例2〜13の偏光板を作製した。
(含水率の測定)
以上のようにして製造した各実施例および比較例のセルロースアシレートフィルムについて、試料7mm×35mmを25℃相対湿度80%の環境下に2時間以上を調湿した後、水分測定器、試料乾燥装置(CA−03、VA−05、共に三菱化学(株))にてカールフィッシャー法で測定した。水分量(g)を試料重量(g)で除して算出した。得られた結果を下記表5に記載した。
各実施例および比較例のセルロースアシレートフィルムについて、自動複屈折率計(KOBRA−WR、王子計測機器(株)製)により25℃で、相対湿度60%における波長446nm、548nm、および629nmにおけるReおよびRthをそれぞれ測定した。下記表5に、Re(548nm)の値をRe欄に、Re(629nm)−Re(446nm)を計算した値をΔRe(629−446)欄に、Re(548nm)の値をRth欄に、それぞれ記載した。
各実施例および比較例のセルロースアシレートフィルムについて、試料40mm×80mmを、25℃、相対湿度60%の環境下で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)を用いてJIS K−6714に従って測定した。得られた結果を下記表5に記載した。
上記で作製した各実施例および比較例偏光板について、波長410nmにおける偏光子の直交透過率を本明細書に記載した方法で測定した。
その後、実施例1〜6、比較例1〜7、12および13の偏光板については、60℃、相対湿度95%の環境下で7日間保存した後の直交透過率を測定した。その後、本明細書に記載の方法で、経時前後の直交透過率の変化率を求めた。この結果を7日経時の偏光子耐久性として下記表5に記載した。
一方、実施例7と比較例8および9の偏光板については、60℃、相対湿度90%の環境下で14日間保存した後の偏光子クロス直交透過率を測定し、同様に経時前後の直交透過率の変化を求めた。この結果を14日経時の偏光子耐久性として下記表5に記載した。
さらに、実施例8と比較例10および11の偏光板については、60℃、相対湿度90%の環境下で21日間保存した後の偏光子クロス直交透過率を測定し、同様に経時前後の直交透過率の変化を求めた。この結果を21日経時の偏光子耐久性として下記表5に記載した。なお、下記表5中、比較例13では、フィルムの透明性が著しく低下しているため、レターデーションおよび偏光子耐久性直交透過率を測定することができなかった。
化合物D−2:国際公開WO2009―011229号公報の例示化合物D−2。
化合物E:サッカロースオクタベンゾエート。
一方、特に実施例1〜6と同様のセルロースアシレートを用いた比較例1〜9については、以下の傾向がわかった。具体的には、芳香環を含む置換基1種のみを有する炭水化物誘導体を添加した比較例1〜3では、7日経時時の偏光子耐久性が0.05%を超えていた。芳香環を含まない置換基1種のみを有し、かつ、ClogP値が本発明の範囲外である炭水化物誘導体を添加した比較例4および5では、フィルム含水率が高い上、7日経時時の偏光子耐久性が0.05%を超えていた。芳香環を含む置換基1種のみを有し、かつ、ε最大値が本発明の範囲外である炭水化物誘導体を添加した比較例6では、7日経時時の偏光子耐久性が0.05%を超えていた。芳香環を含まない置換基3種を有し、かつ、ClogP値が本発明の範囲外である炭水化物誘導体を添加した比較例7では、フィルム含水率が高く、ヘイズも高く、7日経時時の偏光子耐久性が0.05%を超えていた。
また、比較例12より、本発明で規定する条件を満たす特定の炭水化物誘導体の添加量が本発明の範囲よりも少ない場合はフィルム含水率が高いことがわかった。比較例13より、本発明で規定する条件を満たす特定の炭水化物誘導体の添加量が本発明の範囲を超える場合はフィルム含水率が高いことがわかった。
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の2枚の偏光板をはがし、視認者側およびバックライト側に実施例2のセルロースアシレートフィルムを用いた本発明の偏光板を、実施例2のセルロースアシレートフィルムがそれぞれ液晶セル側となるように、粘着剤を介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り付けた。観察者側の偏光板の透過軸が上下方向に、そして、バックライト側の偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。このようにして作製した本発明の液晶表示装置は市販の液晶テレビに対して、環境湿度を変えても斜めから観察した場合のコントラスト変化および色味変化が小さく、かつ高温高湿下で長時間使用してもコントラストの低下が小さく、好ましかった。
〔セルロースアシレートフィルムの作製〕
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液4を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液4の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.39、重合度400のセルロースアセテート
100.0質量部
炭水化物誘導体215 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 425.0質量部
メタノール(第2溶媒) 48.0質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液2を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液5の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 7.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 80.7質量部
メタノール(第2溶媒) 10.2質量部
前記セルロースアシレート溶液4 5.3質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
〔セルロースアシレートフィルムの作製〕
比較例14において炭水化物誘導体の種類および添加量を下記表6に記載したとおりに変更した以外は比較例14と同様にして、実施例9〜12のセルロースアシレートフィルムを製造した。なお、表6中、炭水化物誘導体の添加量は、セルロースアシレートに対する比率(質量%)を表す。
実施例9〜12および比較例14のセルロースアシレートフィルムについて、試料40mm×80mmを、80℃相対湿度90%で7日間保管した後に、25℃、相対湿度60%の環境下で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)を用いてJIS K−6714に従って測定した。得られた結果を下記表6に記載した。
2 上側偏光板吸収軸の方向
3 液晶セル上電極基板
4 上基板の配向制御方向
5 液晶層
6 液晶セル下電極基板
7 下基板の配向制御方向
8 下側偏光板
9 下側偏光板吸収軸の方向
10 液晶表示装置
Claims (7)
- セルロースアシレートと、
下記の条件(a)および(b)を満たし、ヒドロキシル基が2種類以上の置換基で置換されており、かつ前記置換基のうち少なくとも1種が少なくとも一つの芳香環を有する炭水化物誘導体とを含み、
前記炭水化物誘導体は単糖構造としてピラノース構造のみを有し、
前記炭水化物誘導体のヒドロキシル基の少なくとも一つの芳香環を有する置換基がベンジル基、ベンゾイル基またはフェニルアセチル基であり、
前記炭水化物誘導体中のヒドロキシル基の一つの芳香環を有する置換基で置換されていないヒドロキシル基は、いずれもアセチル基で置換され、
前記炭水化物誘導体は前記少なくとも一つの芳香環を有する置換基の置換度が3以下であり、
前記セルロースアシレート100質量部に対して前記炭水化物誘導体を5質量部〜15質量部含むことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
条件(a)ClogP値が0〜5.5。
条件(b)230nm〜700nmの波長範囲のモル吸光係数の最大値が50×103以下。 - 前記セルロースアシレート100質量部に対して前記炭水化物誘導体を9.9質量部〜15質量部含むことを特徴とする請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 前記炭水化物誘導体中のヒドロキシル基の置換基が、芳香環を含まない置換基を少なくとも一つ含むことを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 置換基の導入比率が異なる少なくとも2種類以上の前記炭水化物誘導体を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムを含むことを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルムまたは請求項5に記載の位相差フィルムを含んでなる偏光板。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフィルム、請求項5に記載の位相差フィルムまたは請求項6に記載の偏光板を含んでなる液晶表示装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010062180A JP5606110B2 (ja) | 2009-09-30 | 2010-03-18 | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
CN201080051580.7A CN102612536B (zh) | 2009-09-30 | 2010-09-24 | 纤维素酰化物膜、延迟膜、偏振片和液晶显示装置 |
US13/499,182 US20120186489A1 (en) | 2009-09-30 | 2010-09-24 | Cellulose acylate film, retardation film, polarizer and liquid-crystal display device |
KR1020127010766A KR101627118B1 (ko) | 2009-09-30 | 2010-09-24 | 셀룰로오스 아실레이트 필름, 위상차 필름, 편광판 및 액정 표시 장치 |
PCT/JP2010/066558 WO2011040333A1 (ja) | 2009-09-30 | 2010-09-24 | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009226432 | 2009-09-30 | ||
JP2009226432 | 2009-09-30 | ||
JP2010062180A JP5606110B2 (ja) | 2009-09-30 | 2010-03-18 | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011094098A JP2011094098A (ja) | 2011-05-12 |
JP5606110B2 true JP5606110B2 (ja) | 2014-10-15 |
Family
ID=43826153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010062180A Expired - Fee Related JP5606110B2 (ja) | 2009-09-30 | 2010-03-18 | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20120186489A1 (ja) |
JP (1) | JP5606110B2 (ja) |
KR (1) | KR101627118B1 (ja) |
CN (1) | CN102612536B (ja) |
WO (1) | WO2011040333A1 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008191569A (ja) * | 2007-02-07 | 2008-08-21 | Nano Loa Inc | 液晶デバイス |
US8852697B2 (en) | 2010-04-28 | 2014-10-07 | Konica Minolta Advanced Layers, Inc. | Cellulose acetate film, and polarizing plate and liquid crystal display device which are made using same |
JP2013083706A (ja) * | 2011-10-06 | 2013-05-09 | Konica Minolta Advanced Layers Inc | 光学フィルム、それを含む偏光板および液晶表示装置 |
WO2014017257A1 (ja) * | 2012-07-26 | 2014-01-30 | 三洋化成工業株式会社 | 逆波長分散フィルム用樹脂組成物並びにこれからなる逆波長分散フィルム及び逆波長分散シート |
JPWO2014057784A1 (ja) * | 2012-10-11 | 2016-09-05 | コニカミノルタ株式会社 | 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
WO2014065083A1 (ja) * | 2012-10-26 | 2014-05-01 | コニカミノルタ株式会社 | 光学フィルム、円偏光板及び画像表示装置 |
JP6393651B2 (ja) * | 2015-03-31 | 2018-09-19 | 富士フイルム株式会社 | セルロースアシレートフィルムの製造方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007138121A (ja) * | 2005-11-22 | 2007-06-07 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法、ペレット、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルム、並びに液晶表示装置 |
JP2007169592A (ja) * | 2005-11-22 | 2007-07-05 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートペレットおよびその製造方法、セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法、偏光板、光学補償フィルム、反射防止フィルム、並びに液晶表示装置 |
CN101427163B (zh) | 2006-04-25 | 2010-08-04 | 柯尼卡美能达精密光学株式会社 | 相位差薄膜、偏光板及液晶显示装置 |
WO2008015911A1 (fr) * | 2006-07-31 | 2008-02-07 | Konica Minolta Opto, Inc. | Film de protection de plaque polarisante, plaque polarisante et écran à cristaux liquides |
JP2008080691A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Konica Minolta Opto Inc | セルロースアシレートフィルムの製造方法、セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
JP5604872B2 (ja) | 2007-07-19 | 2014-10-15 | コニカミノルタ株式会社 | セルロースエステルフィルム |
JP5018372B2 (ja) * | 2007-09-22 | 2012-09-05 | コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 | 樹脂フィルムの製造方法 |
JP2009217256A (ja) * | 2008-02-13 | 2009-09-24 | Fujifilm Corp | 樹脂フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置 |
-
2010
- 2010-03-18 JP JP2010062180A patent/JP5606110B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2010-09-24 KR KR1020127010766A patent/KR101627118B1/ko active IP Right Grant
- 2010-09-24 CN CN201080051580.7A patent/CN102612536B/zh active Active
- 2010-09-24 US US13/499,182 patent/US20120186489A1/en not_active Abandoned
- 2010-09-24 WO PCT/JP2010/066558 patent/WO2011040333A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2011040333A1 (ja) | 2011-04-07 |
JP2011094098A (ja) | 2011-05-12 |
CN102612536B (zh) | 2015-03-11 |
KR20120083890A (ko) | 2012-07-26 |
KR101627118B1 (ko) | 2016-06-03 |
CN102612536A (zh) | 2012-07-25 |
US20120186489A1 (en) | 2012-07-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5437780B2 (ja) | 偏光板保護フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5373582B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5827204B2 (ja) | 偏光板およびその製造方法、並びに液晶表示装置 | |
JP5745456B2 (ja) | 偏光板および液晶表示装置 | |
JP5543309B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5422165B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、光学フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5606110B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
WO2011040468A1 (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5473766B2 (ja) | 偏光子およびその製造方法、偏光板およびその製造方法、並びに液晶表示装置 | |
JP2014006505A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP5898443B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2007126603A (ja) | ポリマーフィルム、ポリマーフィルムの製造方法、び偏光板及び液晶表示装置 | |
JP4740534B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板、および液晶表示装置 | |
JP2009161761A (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板、および液晶表示装置 | |
JP2006292890A (ja) | 透明フィルム並びにそれを用いた液晶ディスプレイ素子及び液晶表示装置 | |
KR20060042257A (ko) | 셀룰로오스아실레이트 필름, 편광판 및 액정표시장치 | |
JP2006206826A (ja) | セルロースアシレートフィルム、セルロースアシレートフィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板、および液晶表示装置 | |
JP2009217256A (ja) | 樹脂フィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2009151015A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2013151618A (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP5373548B2 (ja) | セルロースアシレート組成物、セルロースアシレートフィルム、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2012007015A (ja) | 光学フィルム、偏光板、表示素子および液晶表示装置 | |
JP5796989B2 (ja) | 偏光板およびその製造方法、並びに液晶表示装置 | |
JP4530144B2 (ja) | セルロースアセテートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2005307142A (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板保護フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120705 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131119 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140117 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140122 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140218 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140819 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140826 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5606110 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |