JP2012074436A - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】実装時のリフロー工程において、電解コンデンサの等価直列抵抗の上昇を抑制できる電解コンデンサの製造方法を提供することである。
【解決手段】陽極として機能する複数の弁作用金属箔14,15であって、誘電体として機能する酸化膜18が表面上に設けられている複数の弁作用金属箔14,15が、隙間g1〜g6を介して積み重ねられると共に、溶接されてなる積層体12を準備する。陰極として機能する導電性高分子膜からなる固体電解質層23を酸化膜18上に重合反応により形成する。積層体12に残留している重合反応の未反応物を超臨界流体により除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解コンデンサの製造方法に関し、より特定的には、陰極としての導電性高分子膜を備えている電解コンデンサの製造方法に関する。
従来の電解コンデンサとしては、例えば、特許文献1に記載の積層型固体電解コンデンサが知られている。図19は、特許文献1に記載の積層型固体電解コンデンサ600の断面模式図である。
積層型固体電解コンデンサ600は、図19に示すように、弁作用金属陽極体602、導電性高分子膜604及び導電ペースト606を備えている。弁作用陽極体602は、陽極として機能する平板状の金属箔であり、隙間を介して積層されている。弁作用陽極体602の表面には、酸化処理が施されている。これにより、誘電体層として機能する誘電体酸化皮膜が形成されている。導電性高分子膜604は、陰極として機能し、弁作用陽極体602の隙間に設けられている。導電ペースト606は、各弁作用陽極体602同士を接続するように設けられている。以上の構成を有する積層型電解コンデンサ600では、弁作用陽極体602と導電性高分子膜604とが誘電体酸化皮膜を介して対向している。これにより、弁作用陽極体602と導電性高分子膜604との間には静電容量が形成されている。
ところで、積層型固体電解コンデンサ600では、以下に説明するように、実装時のリフロー工程において、積層型固体電解コンデンサ600が等価直列抵抗が上昇することがある。まず、積層型固体電解コンデンサ600の製造方法について説明する。
まず、弁作用陽極体602の表面に酸化処理を施して誘電体酸化皮膜を形成する。次に、弁作用陽極体602を隙間を介して積層し、これらを導電ペースト606により接続する。その後、単量体を重合反応させることにより、弁作用陽極体602の隙間に導電性高分子膜604を形成する。以上の工程により、積層型固体電解コンデンサ600が作製される。
ここで、導電性高分子膜604の形成後には、単量体等の未反応物を除去するために水洗により洗浄を行う。ところが、積層した弁作用陽極体602の隙間が小さいために、洗浄のための水が隙間の奥まで十分に行き渡らない。そのため、積層した弁作用陽極体602の隙間に未反応物が残留してしまう。単量体の未反応物は導電性を有していない。したがって、未反応物が積層した弁作用陽極体602の隙間に残留していると、積層型固体電解コンデンサ600の等価直列抵抗が上昇してしまう。
特許第4458470号公報
そこで、本発明の目的は、電解コンデンサの等価直列抵抗の上昇を抑制できる電解コンデンサの製造方法を提供することである。
本発明の一形態に係る電解コンデンサの製造方法は、陽極として機能する複数の弁作用金属箔であって、誘電体として機能する酸化膜が表面上に設けられている複数の弁作用金属箔が、隙間を介して積み重ねられると共に、接合されてなる積層体を準備する第1の工程と、陰極として機能する導電性高分子膜を前記酸化膜上に重合反応により形成する第2の工程と、前記積層体に残留している前記重合反応の未反応物を超臨界流体により除去する第3の工程と、を備えていること、を特徴とする。
本発明によれば、実装時のリフロー工程において、電解コンデンサが破損することを抑制できる。
図1(a)及び図1(b)は、電解コンデンサの断面構造図である。図1(c)は、電解コンデンサの一部拡大断面図である。 電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 電解コンデンサの製造時の工程断面図である。 第1の変形例に係る電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 第2の変形例に係る電解コンデンサの製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。 第3の変形例に係る電解コンデンサの製造時の工程断面図である。 第4の変形例に係る電解コンデンサの製造方法において準備される弁作用金属箔のz軸方向から平面視したときの平面図である。 その他の実施形態に係る電解コンデンサの断面構造図である。 特許文献1に記載の積層型固体電解コンデンサの断面模式図である。
以下に、本発明の実施形態に係る電解コンデンサの製造方法について説明する。
(電解コンデンサの構造)
まず、電解コンデンサの構造について説明する。図1(a)及び図1(b)は、電解コンデンサ10の断面構造図である。図1(c)は、電解コンデンサ10の一部拡大断面図である。
電解コンデンサ10は、図1(a)及び図1(b)に示すように、直方体状をなしている。そこで、電解コンデンサ10の高さ方向をz軸方向と定義する。また、z軸方向から平面視したときに、電解コンデンサ10の長辺が延在している方向をx軸方向と定義し、電解コンデンサ10の短辺が延在している方向をy軸方向と定義する。x軸方向、y軸方向及びz軸方向はそれぞれ直交している。
電解コンデンサ10は、図1に示すように、コンデンサ本体11、基板34及び封止樹脂46を備えている。
まず、コンデンサ本体11について説明する。コンデンサ本体11は、積層体12、陰極部17及び保護テープ32を含んでいる。
積層体12は、弁作用金属箔14(14a〜14f),15、接続部16(16a〜16f)及び酸化膜18により構成されている。弁作用金属箔14は、x軸方向に延在する長辺及びy軸方向に延在する短辺を有する長方形状のアルミニウム箔であり、電解コンデンサ10の陽極として機能する。弁作用金属箔15は、x軸方向に延在する長辺及びy軸方向に延在する短辺を有する長方形状のアルミニウム箔であり、弁作用金属箔14と同様に電解コンデンサ10の陽極として機能する。弁作用金属箔15は、図1(a)及び図1(b)に示すように、弁作用金属箔14の短辺と同じ長さの短辺を有していると共に、弁作用金属箔14の長辺よりも長い長辺を有している。
弁作用金属箔14a〜14c,15,14d〜14fは、図1(a)及び図1(b)に示すように、わずかな隙間g1〜g6を介して積み重ねられている。わずかな隙間g1〜g6が形成されているとは、弁作用金属箔14a〜14c,15,14d〜14fの表面が図1(c)に示すように凹凸を有するように加工されることにより、z軸方向に隣り合う弁作用金属箔14a〜14c,15,14d〜14fの間に隙間が形成されていることを意味する。また、以下では、弁作用金属箔15において、z軸方向から平面視したときに、弁作用金属箔14と重なっている部分を、容量部15aと呼び、弁作用金属箔14とは重なっていない部分を、引き出し部15bと呼ぶ。引き出し部15bは、z軸方向の負方向側に折り曲げられており、接続端子として機能する。
更に、接続部16は、図1(a)に示すように、z軸方向に延在しており、弁作用金属箔14a〜14c,15,14d〜14fを接続している。より詳細には、接続部16aは、弁作用金属箔14a,14bを接続している。接続部16bは、弁作用金属箔14b,14cを接続している。接続部16cは、弁作用金属箔14c,15を接続している。接続部16dは、弁作用金属箔15,14dを接続している。接続部16eは、弁作用金属箔14d,14eを接続している。接続部16fは、弁作用金属箔14e,14fを接続している。これにより、弁作用金属箔14a〜14c,15,14d〜14fは電気的に接続されている。接続部16は、後述するように、溶接により形成される。
酸化膜18は、図1(a)及び図1(b)に示すように、弁作用金属箔14,15及び接続部16の表面に設けられており、誘電体として機能する。図1(a)及び図1(b)では、理解の容易のために、酸化膜18が設けられている部分は、太線で示してある。酸化膜18は、弁作用金属箔14,15及び接続部16の表面を酸化させることによって形成された酸化アルミニウム膜である。酸化膜18は、図1(a)に示すように、酸化膜19(19a〜19f),20,22(22a〜22f)により構成されている。酸化膜19,20はそれぞれ、弁作用金属箔14,15の表面を覆っている。酸化膜22a〜22fはそれぞれ、接続部16a〜16fの表面を覆っている。ただし、引き出し部15bは、接続端子として用いられるので、酸化膜20は、引き出し部15bの一部のみを覆っており、引き出し部15bの先端近傍を覆っていない。
陰極部17は、固体電解質層23、カーボン皮膜28及び銀皮膜30により構成されており、陰極として機能する。固体電解質層23は、ポリエチレンジオキシチオフェン等の導電性高分子膜であり、隙間充填部24(24a〜24f)及び表面被覆部26により構成されている。隙間充填部24a〜24fはそれぞれ、図1(a)及び図1(b)に示すように、隙間g1〜g6を充填するように設けられている。すなわち、隙間充填部24は、図1(c)に示すように、互いに対向する酸化膜19,20間(図1(c)では酸化膜19e,19f間)を満たすように設けられている。これにより、陽極である弁作用金属箔14,15と陰極である隙間充填部24とが酸化膜19,20を介して対向するようになり、弁作用金属箔14,15と隙間充填部24との間で静電容量が形成される。
また、表面被覆部26は、弁作用金属箔14a〜14f,15の外周面、弁作用金属箔14aのz軸方向の正方向側の面及び弁作用金属箔14fのz軸方向の負方向側の面を覆っている。これにより、陽極である弁作用金属箔14,15と陰極である表面被覆部26とが酸化膜19,20を介して対向するようになり、弁作用金属箔14,15と表面被覆部26との間で静電容量が形成される。なお、引き出し部15bは、接続端子として用いられるので、表面被覆部26は、引き出し部15bの一部のみを覆っており、引き出し部15bの先端近傍を覆っていない。
カーボン皮膜28は、図1(a)及び図1(b)に示すように、表面被覆部26の全面を覆うように設けられており、表面被覆部26上にカーボンペーストが塗布及び乾燥されることにより形成されている。銀皮膜30は、図1(a)及び図1(b)に示すように、カーボン皮膜28の全面を覆うように設けられており、カーボン皮膜28上に銀ペーストが塗布及び乾燥されることにより形成されている。カーボン皮膜28及び銀皮膜30は、固体電解質層23とランド38との接続性を向上させる役割を果たしている。
保護テープ32は、図1(a)に示すように、引き出し部15bに巻きつけられており、酸化膜20及び固体電解質層23が引き出し部15bの先端に形成されることを防ぐためのマスキングテープである。保護テープ32の一例として、ポリイミドが挙げられる。
次に、基板34について説明する。基板34は、基板本体36、ランド38,40及びビアホール導体42,44を含んでいる。
基板本体36は、例えば、樹脂により構成され、図1(a)及び図1(b)に示すように、長方形状の板状部材である。ランド38は、基板本体36のz軸方向の正方向側の面に設けられている銀電極であり、陰極端子として機能する。ランド40は、基板本体36のz軸方向の正方向側の面に設けられている銀電極であり、陽極端子として機能する。
ビアホール導体42,44は、例えば銅により構成され、基板本体36をz軸方向に貫通している。ビアホール導体42,44のz軸方向の正方向側の端部はそれぞれ、ランド38,40に接続されている。また、ビアホール導体42,44のz軸方向の負方向側の端部はそれぞれ、基板本体36のz軸方向の負方向側の面から露出している。
コンデンサ本体11は、銀皮膜30がランド38に接触し、引き出し部15bがランド40に接触するように、基板34上に実装される。そして、封止樹脂46は、基板34のz軸方向の正方向側の面及びコンデンサ本体11全体を覆うように設けられている。なお、封止樹脂の一例としてエポキシ樹脂が挙げられる。
以上のように構成された電解コンデンサ10は、回路基板上にはんだ実装される。すなわち、回路基板上のランドにビアホール導体42,44のz軸方向の負方向側の端部がはんだにより固定される。
(電解コンデンサの製造方法)
以下に、電解コンデンサ10の製造方法について図面を参照しながら説明する。図2ないし図13は、電解コンデンサ10の製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。なお、図13では、平面図は省略されている。
まず、図2(a)及び図2(b)に示すように、弁作用金属箔14の集合体であるマザー金属箔114(114a〜114f)を準備する。マザー金属箔114は、アルミニウム箔である。マザー金属箔114の表面に図1(c)に示すような凹凸を形成して、マザー金属箔114の表面積を増加させる。具体的には、マザー金属箔114をエッチング液中に浸し、マザー金属箔114に直流電流を印加する。
次に、図2(b)に示すように、マザー金属箔114の表面に酸化アルミニウムからなる酸化膜19を陽極酸化法により形成する。陽極酸化法は、例えば、以下の条件により行われる。
電解液:9質量%アジピン酸アンモニウム水溶液
化成電圧:3.5V
温度:65℃
時間:10分間
なお、予め陽極酸化が施された化成アルミニウム箔を、酸化膜19が形成されたマザー金属箔114として用いてもよい。酸化膜19が形成されたマザー金属箔114は、例えば、110μmの厚みを有している。
次に、図2(b)に示すように、酸化膜19が形成されたマザー金属箔114a〜114cをz軸方向に積み重ねる。同様に、マザー金属箔114d〜114fをz軸方向に積み重ねる。この際、マザー金属箔114同士を密着させるのではなく、マザー金属箔114間に隙間g1,g2,g5,g6が形成されるように、マザー金属箔114を積み重ねる。
次に、図3(a)及び図3(b)に示すように、マザー金属箔114a〜114cをスポット溶接する。同様に、マザー金属箔114d〜114fをスポット溶接する。具体的には、マザー金属箔114を構成している各弁作用金属箔14の対角線の交点に電流を流して、抵抗熱を発生させる。これにより、抵抗熱によりマザー金属箔114が溶融して接続部16a,16b,16e,16fが形成される。電流を流す際に用いた電極の直径は、例えば、1.6mmである。これにより形成される接続部16の面積は、マザー金属箔114の面積の10%程度である。接続部16が形成されることにより、マザー金属箔114a〜114c及びマザー金属箔114d〜114fのそれぞれが接続される。このとき、図3(b)に示すように、接続部16a,16b,16e,16fの表面には、酸化膜22a,22b,22e,22fは形成されていない。なお、スポット溶接する位置は、弁作用金属箔14同士を接合できるのであれば、弁作用金属箔14の対角線の交点に限られるものでは無い。
次に、図4(a)及び図4(b)に示すように、マザー金属箔114a〜114c及びマザー金属箔114d〜114fを点線(図3(a)参照)に示す切断線において切断することにより個別の弁作用金属箔14a〜14c及び弁作用金属箔14d〜14fに分離する。切断後の弁作用金属箔14a〜14c及び弁作用金属箔14d〜14fのサイズは、例えば、幅3.5mm、長さ5.5mmである。このとき、図4(b)に示すように、弁作用金属箔14a〜14fの外周面には、酸化膜19a〜19fは形成されていない。
次に、弁作用金属箔15を準備する。弁作用金属箔15のサイズは、例えば、幅3.5mm、長さ9mmである。そして、図5(a)及び図5(b)に示すように、弁作用金属箔15の引き出し部15bにポリイミド製の保護マスク32を引き出し部15bの周囲を周回するように形成する。具体的には、ポリイミドを0.8mmの線幅で引き出し部15bに塗布した後、180℃で1時間にわたって乾燥した。保護マスク32を形成する位置は、弁作用金属箔15のz軸方向の負方向側の端部から6.5mmはなれた位置である。更に、図5(a)に示すように、複数の弁作用金属箔15をホルダ100にセットする。
次に、図5(a)及び図5(b)に示すように、弁作用金属箔15の表面を酸化して、酸化アルミニウムからなる酸化膜20を陽極酸化法により形成する。この際、容器102内の電解液104に弁作用金属箔15を浸す。ただし、引き出し部15bの先端には酸化膜20が形成されてはいけないので、容量部15a及び保護テープ32の一部を電解液104に浸す。陽極酸化法は、例えば、以下の条件により行われる。
電解液:9質量%アジピン酸アンモニウム水溶液
化成電圧:3.5V
温度:65℃
時間:10分間
次に、図6(a)及び図6(b)に示すように、弁作用金属箔15と弁作用金属箔14a〜14c及び弁作用金属箔14d〜14fとをスポット溶接する。具体的には、弁作用金属箔14の対角線の交点に電流を流して、抵抗熱を発生させる。これにより、抵抗熱により弁作用金属箔14が溶融して接続部16c,16dが形成される。電流を流す際に用いた電極の直径は、例えば、1.6mmである。これにより形成される接続部16の面積は、弁作用金属箔14の面積の10%程度である。接続部16c,16dが形成されることにより、弁作用金属箔14a〜14cと弁作用金属箔15とが接続されると共に、弁作用金属箔14d〜14fと弁作用金属箔15とが接続される。このとき、図6(b)に示すように、接続部16c,16dの表面には、酸化膜22c,22dは形成されていない。
次に、図7(a)及び図7(b)に示すように、弁作用金属箔14、15を容器102中の電解液104に浸漬し、電圧を印加する陽極酸化法によって、弁作用金属箔14,15及び接続部16の表面に、酸化アルミニウムからなる酸化膜19,22を形成する。本工程では、弁作用金属箔14の外周面及び接続部16の表面に酸化膜19,22を形成する。陽極酸化法は、例えば、以下の条件により行われる。
電解液:9質量%アジピン酸アンモニウム水溶液
化成電圧:3.5V
温度:65℃
時間:10分間
図2ないし図7に示す工程により、酸化膜18が表面上に設けられている複数の弁作用金属箔14,15が、隙間g1〜g6を介して積み重ねられて、溶接されてなる積層体12の準備が完了する。
次に、図8(a)及び図8(b)に示すように、弁作用金属箔15の引き出し部15bに太陽インキ製造(株)製樹脂(S−40 B8−270Ps)を塗布し、140℃及び20分間の条件で硬化させることにより、樹脂層120を形成する。この際、引き出し部15bの先端が覆われると共に、引き出し部15bの一部に形成されている酸化膜20の一部が覆われるように樹脂層120を形成する。更に、図8(a)に示すように、複数の積層体12をホルダ100にセットする。
次に、以下に説明するように、超臨界流体中において、導電性高分子膜からなる固体電解質層23を酸化膜18上に重合反応により形成する。本実施形態では、以下に説明するように、超臨界流体中において、酸化剤及びドーパントを用いて、単量体を重合させることにより、導電性高分子膜からなる固体電解質層23を酸化膜18上に形成する。
具体的には、図9(a)に示すように、50mlの容積を有する圧力容器130内に積層体12をセットすると共に、圧力容器130内に二酸化炭素(溶媒)を注入する。この後、圧力容器130内を40℃及び20MPaの条件まで加熱及び加圧する。これにより、二酸化炭素が超臨界流体132に変化する。
積層体12及び二酸化炭素を圧力容器130内に投入し、二酸化炭素を超臨界流体132とした後に、3,4−エチレンジオキシチオフェン及びパラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液を圧力容器130内に注入する。具体的には、圧力容器130内にポンプを用いて3,4−エチレンジオキシチオフェンを15ml注入する。3,4−エチレンジオキシチオフェンは導電性高分子膜のモノマーである。更に、圧力容器130内にポンプを用いて20質量%のパラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液を15ml注入する。パラトルエンスルホン酸イオンは導電性高分子膜の形成の際にドーパントとして機能し、鉄イオンが導電性高分子膜の形成の際に酸化剤として機能する。ブタノールは、パラトルエンスルホン酸鉄を溶解するための溶媒である。なお、ブタノールを溶媒として選択した理由は、3,4−エチレンジオキシチオフェン及びパラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液が超臨界流体132に溶解しやすいためである。
この後、圧力容器130内を加熱し、20分間にわたって圧力容器130内を120℃の条件に保つ。3,4−エチレンジオキシチオフェン及びパラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液は、超臨界流体132に溶解し、隙間g1〜g6の隅々まで行き渡る。このとき、ブタノールは、超臨界流体132に対する3,4エチレンジオキシチオフェンの溶解を促進させる。そして、積層体12の表面及び隙間g1〜g6の内部において、3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合反応が発生し、図9(b)に示すように、積層体12の表面及び隙間g1〜g6内にポリエチレンジオキシチオフェンの導電性高分子膜からなる固体電解質層23が形成される。この後、圧力容器130内に二酸化炭素を注入し10分間にわたって積層体12をリンスする。更に、積層体12を圧力容器130から取り出して水洗して、積層体12の表面及び隙間に残留している鉄を除去する。なお、固体電解層12の形成から積層体12の水洗までの工程は、例えば、5回にわたって繰り返し行われることにより、固体電解質層23が完成する。ただし、引き出し部15bの先端には、樹脂層120が塗布されているので、固体電解質層23が形成されない。
次に、積層体12の表面及び隙間g1〜g6内に残留している重合反応の未反応物(すなわち、3,4−エチレンジオキシチオフェン)を超臨界流体により除去する。具体的には、図10(a)及び図10(b)に示すように、50mlの容積を有する圧力容器130内に積層体12をセットすると共に、圧力容器130内に二酸化炭素を注入する。更に、圧力容器130内にエタノールを注入する。エタノールは、超臨界流体133中において、3,4-エチレンジオキシチオフェンを溶解し、パラトルエンスルホン酸鉄を溶解しない補助溶媒である。この後、圧力容器130内を130℃及び20MPaの条件まで加熱及び加圧する。これにより、二酸化炭素が超臨界流体133に変化する。この後、8時間にわたって、圧力容器130内の条件を130℃及び20MPaの条件に保つ。これにより、超臨界流体133は、積層体12の表面及び隙間g1〜g6の隅々まで行き渡る。そして、積層体12の表面及び隙間g1〜g6に残留している重合反応の未反応物(すなわち、3,4-エチレンジオキシチオフェン)は、超臨界流体133に溶解する。このとき、エタノールは、超臨界流体133に重合反応の未反応物が溶解することを促進する。これにより、積層体12の表面及び隙間g1〜g6内に残留している重合反応の未反応物が、積層体12から除去される。この後、圧力容器130内に二酸化炭素を注入して30分間にわたって積層体12をリンスする。以上の工程により、積層体12の洗浄が完了する。
次に、図11(a)及び図11(b)に示すように、固体電解質層23上にカーボン皮膜28を形成する。具体的には、図11(a)に示すように、容器136内のカーボンペースト138中に積層体12を浸す。そして、積層体12をカーボンペースト138から引き上げた後、積層体12を乾燥させることにより、カーボン皮膜28を形成する。
次に、図12(a)及び図12(b)に示すように、固体電解質層23に形成したカーボン被膜28上に銀皮膜30を形成する。具体的には、図12(a)に示すように、容器140内の銀ペースト142中に積層体12を浸す。そして、積層体12を銀ペースト142から引き上げた後、積層体12を乾燥させることにより、銀皮膜30を形成する。この後、積層体12をホルダ100から取り外し、樹脂層120を除去する。樹脂層120の除去は、例えば、樹脂層120を削り落とすことによって行う。
次に、図13に示すように、引き出し部15bをz軸方向の負方向側に折り曲げる。この際、引き出し部15bを所定の幅にカットしてもよい。これにより、図1(a)に示すように、引き出し部15bとランド40とが接続可能となる。以上の工程により、コンデンサ本体11が完成する。
次に、コンデンサ本体11を基板34に実装する。具体的には、図1(a)に示すように、銀皮膜30とランド38とを接触させて導電性接着剤により固定すると共に、引き出し部15bとランド40とを接触させて導電性接着剤により固定する。
最後に、図1(a)に示すように、基板34のz軸方向の正方向側の面及びコンデンサ本体11全体を覆うようにエポキシ樹脂等の封止樹脂46を形成する。以上の工程を経て、電解コンデンサ10が完成する。
(効果)
本実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法では、以下に説明するように、電解コンデンサ10の実装時のリフロー工程において、電解コンデンサ10の等価直列抵抗の上昇が抑制される。より詳細には、特許文献1に記載の積層型固体電解コンデンサ600では、導電性高分子膜604の形成後には、単量体等の未反応物を除去するために水洗により洗浄を行う。ところが、弁作用陽極体602の隙間が小さいために、洗浄のための水が隙間の奥まで十分に行き届かない。そのため、積層した弁作用陽極体602の隙間に未反応物が残留してしまう。単量体の未反応物は導電性を有していない。したがって、未反応物が弁作用陽極体602の隙間に残留していると、積層型固体電解コンデンサ600の等価直列抵抗が上昇してしまう。
そこで、本実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法では、未反応物を超臨界流体により除去している。前記の通り、超臨界流体は、気体の拡散性と液体の溶解性を併せ持っている。超臨界流体は、積層体12の洗浄時に、隙間g1〜g6内に拡散していき、未反応物を溶解し、隙間g1〜g6外へと運び出す。そのため、超臨界流体により積層体12を洗浄した場合には、水洗により積層体12を洗浄した場合に比べて、隙間g1〜g6内に残留する未反応物の量を低減できる。その結果、本実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法では、電解コンデンサ10の実装時のリフロー工程において、電解コンデンサ10が破損することが抑制される。
また、本実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法では、隙間g1〜g6には未反応物が残留しない。そのため、隙間g1〜g6の大きさを均一に近づけることができる。その結果、固体電解質層23の厚みを均一に近づけることができる。よって、電解コンデンサ10において所望の静電容量を得ることが容易となる。
また、本実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法では、以下に説明するように、隙間g1〜g6内に固体電解質層23の隙間充填部24a〜24fを高い被覆率で形成することが可能となる。より詳細には、本実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法では、超臨界流体中において、固体電解質層23を形成している。超臨界流体は、気体の拡散性と液体の溶解性を併せ持っている。そのため、超臨界流体は、固体電解質層23を形成するための3,4−エチレンジオキシチオフェン及びパラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液を溶解することができる。更に、超臨界流体は、通常の液体では浸入が困難な隙間g1〜g6にも浸入することができる。よって、隙間g1〜g6内まで3,4−エチレンジオキシチオフェン及びパラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液を十分に行き渡らせることが可能である。したがって、隙間g1〜g6内に固体電解質層23の隙間充填部24a〜24fを高い被覆率で形成することが可能となる。これにより、陰極部17の表面積が大きくなるので、電解コンデンサ10の容量が大きくなる。
更に、隙間g1〜g6内において、3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合反応が十分に進行する。すなわち、隙間g1〜g6内に大きな隙間を形成することなく固体電解質層23の隙間充填部24a〜24fを形成できる。よって、固体電解質層23の積層体12に対する被覆率が向上する。その結果、電解コンデンサ10の容量出現率が向上する。
また、電解コンデンサ10の製造方法では、固体電解質層23を各弁作用金属箔14,15に個別に形成するのではなく、積層体12に対して一括に形成している。そのため、固体電解質層23の形成工程を簡単にでき、電解コンデンサ10の製造工程数を減らすことが可能となる。
(第1の変形例)
以下に、第1の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法について説明する。以下では、前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法と第1の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法との相違点を中心に説明する。図14は、第1の変形例に係る電解コンデンサ10の製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。
前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法では、図9に示す工程において、積層体12及び二酸化炭素を圧力容器130内に投入し、二酸化炭素を超臨界流体とした後に、3,4−エチレンジオキシチオフェン及びパラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液を圧力容器130内に注入していた。一方、第1の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法では、3,4−エチレンジオキシチオフェンに含浸した積層体12及び二酸化炭素を圧力容器130内に投入し、二酸化炭素を超臨界流体とした後に、パラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液を圧力容器130内に注入している。
より詳細には、図14に示すように、容器144内の3,4−エチレンジオキシチオフェン146に積層体12を浸すことにより、積層体12に3,4−エチレンジオキシチオフェンを付与する。
次に、図9(a)に示すように、50mlの容積を有する圧力容器130内に、3,4−エチレンジオキシチオフェンが付与された積層体12をセットすると共に、圧力容器130内に二酸化炭素を注入する。この後、圧力容器130内を40℃及び20MPaの条件まで加熱及び加圧する。これにより、二酸化炭素が超臨界流体132に変化する。
次に、パラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液を圧力容器130内に注入する。具体的には、圧力容器130内にポンプを用いて20質量%のパラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液を15ml注入する。
この後、圧力容器130内を加熱し、20分間にわたって圧力容器130内を120℃の条件に保つ。これにより、積層体12の表面にポリエチレンジオキシチオフェンの導電性高分子膜からなる固体電解質層23が形成される。この後、圧力容器130内に二酸化炭素を注入し10分間にわたって積層体12をリンスする。なお、図14及び図9に示す工程は、例えば、5回にわたって繰り返し行われることにより、固体電解質層23が完成する。
第1の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法においても、前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法と同じ作用効果を得ることができる。
(第2の変形例)
以下に、第2の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法について説明する。以下では、前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法と第2の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法との相違点を中心に説明する。図15は、第2の変形例に係る電解コンデンサ10の製造時のz軸方向から平面視したときの平面図及び工程断面図である。
前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法では、図9に示す工程において、積層体12及び二酸化炭素を圧力容器130内に投入し、二酸化炭素を超臨界流体とした後に、3,4−エチレンジオキシチオフェン及びパラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液を圧力容器130内に注入していた。一方、第2の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法では、パラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液に含浸した積層体12及び二酸化炭素を圧力容器130内に投入し、二酸化炭素を超臨界流体とした後に、3,4−エチレンジオキシチオフェンを圧力容器内に注入している。
より詳細には、図15に示すように、容器148内のパラトルエンスルホン酸鉄のブタノール溶液150に積層体12を含浸することにより、積層体12にパラトルエンスルホン酸鉄を付与する。
次に、図9(a)に示すように、50mlの容積を有する圧力容器130内に、パラトルエンスルホン酸鉄が付与された積層体12をセットすると共に、圧力容器130内に二酸化炭素を注入する。この後、圧力容器130内を40℃及び20MPaの条件まで加熱及び加圧する。これにより、二酸化炭素が超臨界流体132に変化する。
次に、3,4−エチレンジオキシチオフェンを圧力容器130内に注入する。具体的には、圧力容器130内にポンプを用いて3,4−エチレンジオキシチオフェンを15ml注入する。
この後、圧力容器130内を加熱し、20分間にわたって圧力容器130内を120℃の条件に保つ。これにより、積層体12の表面にポリエチレンジオキシチオフェンの導電性高分子膜からなる固体電解質層23が形成される。この後、圧力容器130内に二酸化炭素を注入し10分間にわたって積層体12をリンスする。なお、図15及び図9に示す工程は、例えば、5回にわたって繰り返し行われることにより、固体電解質層23が完成する。
第2の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法においても、前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法と同じ作用効果を得ることができる。
(第3の変形例)
以下に、第3の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法について説明する。以下では、前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法と第3の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法との相違点を中心に説明する。図16は、第3の変形例に係る電解コンデンサ10の製造時の工程断面図である。
前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法では、図3及び図6の工程において、スポット溶接により、弁作用金属箔14,15を接合している。一方、第3の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法では、図16に示すように、弁作用金属箔14を、金具180によりz軸方向の両側から挟みこんだ状態で、超音波により接合している。なお、弁作用金属箔14,15も、同様に金具180によりz軸方向の両側から挟みこんだ状態で、超音波により接合する。
第3の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法においても、前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法と同じ作用効果を得ることができる。
(第4の変形例)
以下に、第4の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法について説明する。以下では、前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法と第4の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法との相違点を中心に説明する。図17は、第4の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法において準備される弁作用金属箔15のz軸方向から平面視したときの平面図である。
前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法では、図5の工程において準備される弁作用金属箔15は、互いに接続されていない。一方、第4の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法では、図17に示すように、弁作用金属箔15がガイド部200により接続されている。このような弁作用金属箔15及びガイド部200は、1枚のマザー金属箔に打ち抜き加工を施すことにより形成される。
この後、ガイド部200に接続された複数の弁作用金属箔15に図6ないし図8の工程を行う。そして、図9に示す固体電解質層23の形成工程の前に、弁作用金属箔15をガイド部200から分離する。
第4の変形例に係る電解コンデンサ10の製造方法においても、前記実施形態に係る電解コンデンサ10の製造方法と同じ作用効果を得ることができる。
(その他の実施形態)
以上のように構成された電解コンデンサ10の製造方法は、前記実施形態及び変形例に示したものに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
以下に、その他の実施形態に係る電解コンデンサ10'の構成について図面を参照しながら説明する。図18は、その他の実施形態に係る電解コンデンサ10'の断面構造図である。
電解コンデンサ10では、図1に示すように、引き出し部15bは、z軸方向の負方向側に折り曲げられ、更に、x軸方向の正方向側に折り曲げられている。一方、電解コンデンサ10'では、図18に示すように、引き出し部15bは、z軸方向の負方向側に折り曲げられ、更に、x軸方向の負方向側に折り曲げられている。すなわち、引き出し部15bの先端は、積層体12のz軸方向の負方向側に位置している。ただし、引き出し部15bと銀皮膜30とが短絡しないように、絶縁体層160が引き出し部15bと銀皮膜30との間に設けられている。絶縁体層160としては、例えば、ポリイミド樹脂が挙げられる。絶縁体層160は、引き出し部15bの折り曲げの前に、銀皮膜30上にポリイミド樹脂をローラー塗布することにより形成される。
電解コンデンサ10'によれば、引き出し部15bの先端がx軸方向の負方向側に折り曲げられているので、電解コンデンサ10'のx軸方向の長さを短くできる。
なお、弁作用金属箔14,15の積層前に、弁作用金属箔14,15に対して個別に陽極酸化処理を行い、弁作用金属箔14,15の積層後に、弁作用金属箔14,15に対してまとめて再度陽極酸化処理を行っている。しかしながら、電解コンデンサ10の製造方法において、例えば、弁作用金属箔14,15の積層前に陽極酸化処理を行うことなく、弁作用金属箔14,15の積層後にまとめて陽極酸化処理を行ってもよい。
なお、図12(a)及び図12(b)に示す銀皮膜30の形成工程の後に、図10に示す積層体12の洗浄工程を行ってもよい。これにより、積層体12の洗浄工程において、カーボンペーストや銀ペーストに含まれるバインダーの残留物も除去できる。
以上のように、本発明は、電解コンデンサの製造方法に有用であり、特に、等価直列抵抗の上昇を抑制できる点において優れている。
g1〜g6 隙間
10,10' 電解コンデンサ
11 コンデンサ本体
12 積層体
14a〜14f,15 弁作用金属箔
15a 容量部
15b 引き出し部
16a〜16f 接続部
17 陰極部
18,19a〜19f,20,22a〜22f 酸化膜
23 固体電解質層
24a〜24f 隙間充填部
26 表面被覆部
28 カーボン皮膜
30 銀皮膜
32 保護テープ
34 基板
36 基板本体
38,40 ランド
42,44 ビアホール導体
46 封止樹脂
100 ホルダ
102,136,140,144,148 容器
104 電解液
114a〜114f マザー金属箔
120 樹脂層
130 圧力容器
132,133 超臨界流体
138 カーボンペースト
142 銀ペースト
146 3,4−エチレンジオキシチオフェン
160 絶縁体層
200 ガイド部

Claims (5)

  1. 陽極として機能する複数の弁作用金属箔であって、誘電体として機能する酸化膜が表面上に設けられている複数の弁作用金属箔が、隙間を介して積み重ねられると共に、接合されてなる積層体を準備する第1の工程と、
    陰極として機能する導電性高分子膜を前記酸化膜上に重合反応により形成する第2の工程と、
    前記積層体に残留している前記重合反応の未反応物を超臨界流体により除去する第3の工程と、
    を備えていること、
    を特徴とする電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記第2の工程では、酸化剤及びドーパントを用いて、単量体を重合させて前記導電性高分子膜を形成すること、
    を特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記第3の工程では、前記単量体を溶解できる補助溶媒を前記超臨界流体中に注入すること、
    を特徴とする請求項2に記載の電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記補助溶媒は、前記ドーパントを溶解しないこと、
    を特徴とする請求項3に記載の電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記超臨界流体は、二酸化炭素であること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。
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