JP5816839B2 - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解コンデンサの製造方法に関し、特に該電解コンデンサが具える誘電体層を形成する方法に関する。
電解コンデンサの内、特にリードタイプのコンデンサ素子を具えた固体電解コンデンサにおいては、コンデンサ素子が、多孔質焼結体からなる陽極体と、該陽極体に植立された陽極リードと、陽極体の外周面上及び陽極体内に存在する複数の孔の内壁面上に形成された誘電体層と、該誘電体層上に形成された電解質層と、陽極体の外周面の上方にて電解質層上に形成された陰極層とから構成されている(例えば、特許文献1参照)。
従来、誘電体層は、次の様な方法で形成されている。即ち、誘電体層となる酸化被膜を形成するための化成液に、陽極体となる多孔質焼結体を浸漬させた後、該多孔質焼結体と化成液との間に電圧を印加して多孔質焼結体に電流を流し、これにより、多孔質焼結体の外周面及び複数の孔の内壁面を電気化学的に酸化させている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−91784号公報 特開2007−250920号公報
化成液に多孔質焼結体を浸漬させたとき、多孔質焼結体の外周面全体から多孔質焼結体内(多孔質焼結体内に存在する複数の孔)へ化成液が浸透し、これによって、多孔質焼結体の表面酸化が、該多孔質焼結体の外周面から多孔質焼結体内へ向けて徐々に進行することになる。
しかしながら、多孔質焼結体の表面酸化が進行する過程では、多孔質焼結体の外周面に形成される酸化被膜が成長する一方で、多孔質焼結体の孔の内壁面上に形成される酸化被膜の成長が鈍化する虞がある。具体的には、多孔質焼結体の外周面に形成される酸化被膜が成長することによって、該酸化被膜の電気抵抗が増大し、これに伴って、多孔質焼結体に電流が流れ難くなり、その結果、孔の内壁面上での酸化被膜の成長が鈍化することになる。
このため、従来の製造方法で作製された固体電解コンデンサにおいては、陽極体内の誘電体層において、その厚さ寸法が所望の厚さ寸法より小さい部分が生じ、その結果、該固体電解コンデンサにおいて、漏れ電流の増大や静電容量のバラツキの増大等、電気特性が低下する虞があった。
そこで本発明の目的は、高い電気特性を有する電解コンデンサを安定して作製することが可能な製造方法を提供することである。
本発明に係る電解コンデンサの製造方法は、第1工程と第2工程とを有している。ここで、該製造方法によって作製される電解コンデンサは、電解型のコンデンサ素子を具え、該コンデンサ素子は、多孔質焼結体からなる陽極体と、該陽極体に形成された陽極引出し部と、陽極体の外周面上及び陽極体内に存在する複数の孔の内壁面上に形成された誘電体層と、該誘電体層上に形成された電解質層と、陽極体の外周面の上方にて電解質層上に形成された陰極層とから構成されている。そして、第1工程では、前記誘電体層となる酸化被膜を形成するための化成液の液面に、前記陽極体となる多孔質焼結体の外周面の一部を接触させて、該多孔質焼結体内に存在する複数の孔へ化成液を浸透させることにより、該孔の内壁面を化学的又は電気化学的に酸化させる。その後、第2工程では、第1工程で用いた化成液と同じ化成液又はそれとは別の化成液内に前記多孔質焼結体を浸漬させることにより、該多孔質焼結体の少なくとも外周面を化学的又は電気化学的に酸化させる。
上記製造方法の第1工程においては、多孔質焼結体の外周面の内、化成液の液面に接触した接触面から多孔質焼結体内(多孔質焼結体内に存在する複数の孔)へ化成液が浸透し、その後、化成液は、多孔質焼結体の外周面の内、化成液の液面と接触していない非接触面へ拡がる。これによって、多孔質焼結体の表面酸化が、該多孔質焼結体の接触面及び多孔質焼結体の内部から、多孔質焼結体の非接触面へ向けて徐々に進行することになる。従って、第1工程では、多孔質焼結体の接触面と孔の内壁面とに酸化被膜が形成され、該酸化被膜は、表面酸化が進行する過程で成長し、その結果、該酸化被膜の厚さ寸法が所望の厚さ寸法に到達することになる。
その一方で、多孔質焼結体の非接触面、更には孔の内壁面の内、非接触面近傍の領域には、酸化被膜が形成されない虞がある。又、これらの領域に酸化被膜が形成されたとしても、その厚さ寸法が所望の厚さ寸法に達していない虞がある。そこで、第2工程が実行される。
上記製造方法の第2工程においては、多孔質焼結体の外周面全体から多孔質焼結体内(多孔質焼結体内に存在する複数の孔)へ化成液が浸透し、これによって、多孔質焼結体の表面酸化が、該多孔質焼結体の外周面から多孔質焼結体内へ向けて徐々に進行することになる。従って、第2工程では、多孔質焼結体の外周面、更には孔の内壁面の内、多孔質焼結体の外周面近傍の領域において、酸化被膜が成長し、その結果、これらの領域にも、所望の厚さ寸法を有する酸化被膜が形成されることになる。
従って、第1工程と第2工程とを実行することにより、多孔質焼結体の外周面と孔の内壁面全体に、所望の厚さ寸法を有する誘電体層が形成されることになる。よって、作製される電解コンデンサは高い電気特性を有することになる。即ち、作製される電解コンデンサにおいては、漏れ電流が小さく、又、静電容量のバラツキが小さくなる。更には、上記製造方法によれば、その様な電解コンデンサを安定して作製することが出来る。
上記製造方法の具体的形態において、前記第1工程では、毛細管現象を利用して、多孔質焼結体内に存在する複数の孔へ化成液を浸透させる。
ここで、前記多孔質焼結体は、弁作用金属粉の成型体を焼成することによって形成された焼結体であって、弁作用金属粉どうしが焼結して部分的に結合する一方で該焼結体内に微細な間隙が形成されたものであり、該微細な間隙によって前記複数の孔が形成されている。
本発明に係る電解コンデンサの製造方法によれば、高い電気特性を有する電解コンデンサを安定して作製することが出来る。
図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法により作製される固体電解コンデンサの断面図である。 図2は、該固体電解コンデンサが具えるコンデンサ素子について、陽極体の外周面近傍の領域を拡大して示した断面図である。 図3は、上記製造方法の素子作製工程の内、陽極作製工程の説明に用いられる斜視図である。 図4は、該陽極作製工程で作製される多孔質焼結体について、その外周面近傍の領域を拡大して示した断面図である。 図5は、上記製造方法の素子作製工程の内、誘電体層形成工程の第1工程の説明に用いられる図である。 図6は、該誘電体層形成工程の第2工程の説明に用いられる図である。 図7は、上記第1工程及び第2工程で形成される酸化被膜(誘電体層)を示した断面図である。 図8は、上記製造方法の素子作製工程の内、電解質層形成工程の説明に用いられる図である。 図9は、該電解質層形成工程で形成される電解質層を示した断面図である。 図10は、上記製造方法の内、素子搭載工程の説明に用いられる側面図である。
以下、本発明を固体電解コンデンサの作製に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法により作製される固体電解コンデンサの断面図である。図1に示す様に、該固体電解コンデンサは、固体電解型のコンデンサ素子(1)と、該コンデンサ素子(1)を被覆する外装部材(2)と、陽極端子(3)と、陰極端子(4)とを具えている。外装部材(2)は、エポキシ樹脂等の樹脂から形成されている。
コンデンサ素子(1)は、多孔質焼結体からなる陽極体(11)と、該陽極体(11)に植立された陽極リード(12)とを具えている。ここで、陽極体(11)の外周面は、陽極リード(12)が引き出された第1面(11a)と、該第1面(11a)とは反対側の第2面(11b)と、第1面(11a)の外周縁から第2面(11b)の外周縁まで延びる側面(11c)とから構成されている。
又、陽極体(11)を構成する多孔質焼結体、及び陽極リード(12)は、同種又は異種の弁作用金属から形成されており、陽極体(11)と陽極リード(12)とは互いに電気的に接続されている。尚、弁作用金属には、例えばタンタル、ニオブ、チタン、アルミニウム等の金属が用いられる。
図2は、コンデンサ素子(1)について、陽極体(11)の外周面近傍の領域を拡大して示した断面図である。図2に示す様に、コンデンサ素子(1)は更に、陽極体(11)の外周面上及び陽極体(11)内に存在する複数の孔(110)の内壁面上に形成された誘電体層(13)と、該誘電体層(13)上に形成された電解質層(14)と、陽極体(11)の外周面(具体的には、第2面(11b)及び側面(11c))の上方にて電解質層(14)上に形成された陰極層(15)とを具えている。尚、図1においては、誘電体層(13)及び電解質層(14)は、陽極体(11)の外周面上に形成された一部分のみが示されている。
ここで、誘電体層(13)は、陽極体(11)の外周面上及び陽極体(11)内に存在する複数の孔(110)の内壁面上に形成された酸化被膜から構成されている。電解質層(14)は、誘電体層(13)上で固化させることが可能な電解質材料、例えば導電性ポリマー等の導電性有機材料を用いて形成されている。陰極層(15)は、陽極体(11)の外周面の上方にて電解質層(14)上に形成されたカーボン層(図示せず)と、該カーボン層上に形成された銀ペースト層(図示せず)とから構成されている。そして、電解質層(14)と陰極層(15)とは互いに電気的に接続されている。
図1に示す様に、陽極端子(3)及び陰極端子(4)は、外装部材(2)内に埋設されている。そして、陽極端子(3)の表面の一部を外装部材(2)の下面(2a)に露出させることによって、外装部材(2)の下面(2a)に陽極端子面(30)が形成される一方、陰極端子(4)の表面の一部を外装部材(2)の下面(2a)に露出させることによって、外装部材(2)の下面(2a)に陰極端子面(40)が形成されており、陽極端子面(30)は、陰極端子面(40)から所定方向(91)へ離間して配置されている。
陽極端子(3)及び陰極端子(4)上には、コンデンサ素子(1)が、その陽極リード(12)の引出し部(121)を所定方向(91)へ向けた姿勢で搭載され、陽極リード(12)の引出し部(121)と陽極端子(3)とが、導電性を有する枕部材(31)を介して互いに電気的に接続される一方、陰極層(15)と陰極端子(4)とが、これらの対向面間に導電性接着剤(41)を介在させることにより互いに電気的に接続されている。
次に、上記固体電解コンデンサの製造方法について、図面に沿って具体的に説明する。該製造方法においては、素子作製工程と、素子搭載工程と、外装形成工程とが順に実行される。
素子作製工程は、コンデンサ素子(1)を作製する工程であり、素子作製工程においては、陽極作製工程と、誘電体層形成工程と、電解質層形成工程と、陰極層形成工程とが順に実行される。
図3は、陽極作製工程の説明に用いられる斜視図である。図3に示す様に、陽極作製工程では、陽極体(11)となる多孔質焼結体(50)と、該多孔質焼結体(50)に植立された陽極リード(12)とから構成された陽極構造物(5)を作製する。ここで、多孔質焼結体(50)の外周面は、陽極リード(12)が引き出された第1面(50a)と、該第1面(50a)とは反対側の第2面(50b)と、第1面(50a)の外周縁から第2面(50b)の外周縁まで延びる側面(50c)とから構成されている。
具体的には、金型(図示せず)内に弁作用金属粉を充填すると共に該金型内へ陽極リード(12)の一部を挿入し、その後、金型に圧力を加えることによって弁作用金属粉を押し固める。これにより、多孔質焼結体(50)となる粉末成型体が、これに陽極リード(12)が植立された状態で形成されることになる。次に、陽極リード(12)と共に粉末成型体を焼成する。これにより、該粉末成型体が焼結して多孔質焼結体(50)が形成され、その結果、陽極構造物(5)が完成する。ここで、多孔質焼結体(50)は、図4に示す様に、弁作用金属粉どうしが焼結して部分的に結合する一方で該焼結体(50)内に微細な間隙が形成されたものであり、該微細な間隙によって複数の孔(501)が形成されている。
誘電体層形成工程では、第1工程と第2工程とが順に実行される。
図5は、誘電体層形成工程の第1工程の説明に用いられる図である。図5に示す様に、第1工程では、処理槽(71)を用意する。該処理槽(71)内には陰極板(710)が設けられている。そして、該処理槽(71)内の所定の高さ位置まで、リン酸水溶液やアジピン酸水溶液等の電解溶液(701)を充填する。ここで、所定の高さ位置は、陰極板(710)全体が電解溶液(701)中に浸漬することとなる位置に設定されている。又、電解溶液(701)は、誘電体層(13)となる酸化被膜を形成するための化成液である。
次に、電解溶液(701)の液面(701a)に多孔質焼結体(50)の第2面(50b)を接触させ、これにより、毛細管現象を利用して、多孔質焼結体(50)内に存在する複数の孔(501)へ電解溶液(701)を浸透させる。これに並行して、陽極リード(12)と陰極板(710)との間に電圧V1を印加して多孔質焼結体(50)に電流を流し、これにより、多孔質焼結体(50)の第2面(50b)及び孔(501)の内壁面を電気化学的に酸化(陽極酸化)させる。
上記第1工程においては、多孔質焼結体(50)の第2面(50b)(即ち、多孔質焼結体(50)の外周面の内、電解溶液(701)の液面(701a)に接触した接触面)から多孔質焼結体(50)内(多孔質焼結体(50)内に存在する複数の孔(501))へ電解溶液(701)が浸透し、その後、電解溶液(701)は、多孔質焼結体(50)の第1面(50a)及び側面(50c)(即ち、多孔質焼結体(50)の外周面の内、電解溶液(701)の液面(701a)と接触してない非接触面)へ拡がる。これによって、多孔質焼結体(50)の表面酸化が、該多孔質焼結体(50)の第2面(50b)及び多孔質焼結体(50)の内部から、多孔質焼結体(50)の第1面(50a)及び側面(50c)へ向けて徐々に進行することになる。従って、第1工程では、多孔質焼結体(50)の第2面(50b)と孔(501)の内壁面とに酸化被膜が形成され、該酸化被膜は、表面酸化が進行する過程で成長し、その結果、該酸化被膜の厚さ寸法が所望の厚さ寸法に到達することになる。
その一方で、多孔質焼結体(50)の第1面(50a)及び側面(50c)、更には孔(501)の内壁面の内、第1面(50a)及び側面(50c)近傍の領域には、酸化被膜が形成されない虞がある。又、これらの領域に酸化被膜が形成されたとしても、その厚さ寸法が所望の厚さ寸法に達していない虞がある。そこで、次の第2工程が実行される。
図6は、誘電体層形成工程の第2工程の説明に用いられる図である。図6に示す様に、第2工程では、処理槽(71)内に電解溶液(701)を注ぎ込むことにより、多孔質焼結体(50)を電解溶液(701)中に浸漬させる。これに並行して、陽極リード(12)と陰極板(710)との間に電圧V2を印加して多孔質焼結体(50)に電流を流し、これにより、多孔質焼結体(50)の外周面及び孔(501)の内壁面を電気化学的に酸化(陽極酸化)させる。尚、第2工程では、第1工程で使用した電解溶液(701)とは別の電解溶液を使用してもよい。
上記第2工程においては、多孔質焼結体(50)の外周面全体から多孔質焼結体(50)内(多孔質焼結体(50)内に存在する複数の孔(501))へ電解溶液(701)が浸透し、これによって、多孔質焼結体(50)の表面酸化が、該多孔質焼結体(50)の外周面から多孔質焼結体(50)内へ向けて徐々に進行することになる。従って、第2工程では、多孔質焼結体(50)の外周面、更には孔(501)の内壁面の内、多孔質焼結体(50)の外周面近傍の領域において、酸化被膜が成長し、その結果、これらの領域にも、所望の厚さ寸法を有する酸化被膜が形成されることになる。
従って、上記第1工程と第2工程とを実行することにより、図7に示す様に、多孔質焼結体(50)の外周面と孔(501)の内壁面全体に、所望の厚さ寸法を有する誘電体層(13)が形成されることになる。又、多孔質焼結体(50)の内、酸化されずに残った金属部分によって陽極体(11)が形成され、該陽極体(11)内に存在する微細な間隙によって複数の孔(110)が形成されることになる。
次に、電解質層形成工程では、誘電体層(13)上に、導電性を有するプレコート層(図示せず)を形成する。ここで、該プレコート層は、化学重合法を用いて導電性高分子等の導電性材料から形成される。
電解質層形成工程では更に、図8に示す様に、導電性ポリマー等の導電性有機材料からなる電解重合液(702)で充たされた処理槽(72)を用意する。ここで、電解重合液(702)中には、陰極板(720)が設けられている。その後、陽極構造物(5)を電解重合液(702)に浸漬させる。これにより、電解重合液(702)は、陽極体(11)内に存在する複数の孔(110)(図7参照)へ浸透することになる。
そして、図8に示す様に、電解重合液(702)中にてプレコート層に外部電極(61)を電気的に接触させ、又、外部電極(61)と陰極板(720)との間に電圧V3を印加することによって、プレコート層に定電流を流す。これにより、該プレコート層上に電解重合膜が形成され、その結果、図9に示す様に、誘電体層(13)上に、プレコート層と該プレコート層上の電解重合膜とによって構成された電解質層(14)が形成される。
陰極層形成工程では先ず、陽極構造物(5)をカーボンペーストに浸漬させることにより、陽極体(11)の外周面(11c)の上方にて、電解質層(14)上にカーボン層を形成する。その後、陽極構造物(5)を銀ペーストに浸漬させることにより、カーボン層上に銀ペースト層を形成する。これにより、図2に示す様に、陽極体(11)の外周面の上方にて電解質層(14)上に、陰極層(15)が形成される。その結果、コンデンサ素子(1)が完成する。
図10は、素子搭載工程の説明に用いられる側面図である。図10に示す様に、素子搭載工程では、陽極端子(3)及び陰極端子(4)上にコンデンサ素子(1)を搭載する。具体的には、陽極端子(3)上に枕部材(31)が設けられており、該陽極端子(3)は、陰極端子(4)から所定方向(91)へ離間した位置に配置されている。そして、素子搭載工程では、コンデンサ素子(1)を、その陽極リード(12)の引出し部(121)を所定方向(91)へ向けた姿勢で、陽極端子(3)及び陰極端子(4)上に搭載し、これによって、該引出し部(121)を枕部材(31)の先端面に接触させる。このとき、コンデンサ素子(1)の陰極層(15)と陰極端子(4)との間には、導電性接着剤(41)を介在させる。その後、陽極リード(12)の引出し部(121)と枕部材(31)との接触面に溶接を施し、これにより、引出し部(121)と枕部材(31)とを互いに電気的に接合する。
外装形成工程では、モールド成形技術を用いることにより、図1に示す如くコンデンサ素子(1)を外装部材(2)によって被覆する。このとき、陽極端子(3)の表面の一部を外装部材(2)の下面(2a)に露出させ、又、陰極端子(4)の表面の一部を外装部材(2)の下面(2a)に露出させる。これにより、固体電解コンデンサが完成する。
上記製造方法によれば、誘電体層形成工程の第1工程と第2工程とを実行することにより、多孔質焼結体(50)の外周面と孔(501)の内壁面全体に、所望の厚さ寸法を有する誘電体層(13)が形成されることになる。よって、作製される固体電解コンデンサは高い電気特性を有することになる。即ち、作製される固体電解コンデンサにおいては、漏れ電流が小さく、又、静電容量のバラツキが小さくなる。更には、上記製造方法によれば、その様な固体電解コンデンサを安定して作製することが出来る。
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記誘電体層形成工程の第1工程又は第2工程において、多孔質焼結体(50)に電流を流さずに、多孔質焼結体(50)の外周面及び孔(501)の内壁面を化学的に酸化させることにより、誘電体層(13)となる酸化被膜を形成してもよい。
又、上記製造方法は、図1に示す固体電解コンデンサの作製に限らず、種々の電解コンデンサの作製に適用することが出来る。
(1) コンデンサ素子
(11) 陽極体
(110) 孔
(12) 陽極リード
(121) 引出し部(陽極引出し部)
(13) 誘電体層
(14) 電解質層
(15) 陰極層
(2) 外装部材
(2a) 下面
(3) 陽極端子
(30) 陽極端子面
(31) 枕部材
(4) 陰極端子
(40) 陰極端子面
(41) 導電性接着剤
(5) 陽極構造物
(50) 多孔質焼結体
(50a) 第1面
(50b) 第2面
(50c) 側面
(501) 孔
(71) 処理槽
(701) 電解溶液(化成液)
(701a)液面
(710) 陰極板
(72) 処理槽
(702) 電解重合液
(720) 陰極板

Claims (2)

  1. 電解型のコンデンサ素子を具え、該コンデンサ素子は、多孔質焼結体からなる陽極体と、該陽極体に形成された陽極引出し部と、陽極体の外周面上及び陽極体内に存在する複数の孔の内壁面上に形成された誘電体層と、該誘電体層上に形成された電解質層と、陽極体の外周面の上方にて電解質層上に形成された陰極層とから構成されている電解コンデンサを製造する方法であって、
    前記誘電体層となる酸化被膜を形成するための化成液の液面に、前記陽極体となる多孔質焼結体の外周面の下面を接触させて、毛細管現象を利用して、該多孔質焼結体内に存在する複数の孔へ化成液を浸透させることにより、該孔の内壁面を化学的又は電気化学的に酸化させる第1工程と、
    第1工程の実行後、該第1工程で用いた化成液と同じ化成液又はそれとは別の化成液内に前記多孔質焼結体を浸漬させることにより、該多孔質焼結体の少なくとも外周面を化学的又は電気化学的に酸化させる第2工程と
    を有する電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記多孔質焼結体は、弁作用金属粉の成型体を焼成することによって形成された焼結体であって、弁作用金属粉どうしが焼結して部分的に結合する一方で該焼結体内に微細な間隙が形成されたものであり、該微細な間隙によって前記複数の孔が形成されている、請求項1記載の電解コンデンサの製造方法。
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