JP2019201027A - 固体電解コンデンサ、および、固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ、および、固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分散体液の浸透不足を抑制できる固体電解コンデンサを提供する。【解決手段】固体電解コンデンサにおいて、弁作用金属からなる多孔質焼結体1と、多孔質焼結体に一部が進入し、かつ、多孔質焼結体から突出する陽極ワイヤ11と、多孔質焼結体上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成された固体電解質層とを備えた。多孔質焼結体1は、その表面に開口端121a、122aを有し、且つ、当該表面から凹む凹部121、122を備える。【選択図】図5

Description

本開示は、固体電解コンデンサ、および、固体電解コンデンサの製造方法に関する。
特許文献1には、従来の固体電解コンデンサの一例が開示されている。固体電解コンデンサは、多孔質焼結体、多孔質焼結体の外表面および細孔の内表面に積層される誘電体層、および、誘電体層を覆うように積層される固体電解質層を備える。固体電解質層は、内部層および外部層を備える。内部層は、多孔質焼結体の細孔の内表面を覆う誘電体層を覆って、多孔質焼結体の細孔を埋めている。内部層は、誘電体層が形成された多孔質焼結体をポリマーの分散体液に浸漬し、乾燥させて形成される。
分散体の粒子は比較的大きいので、多孔質焼結体を分散体液に浸漬しても、多孔質焼結体に浸透不足の部分が生じる場合がある。浸透不足の部分は誘電体層が内部層に覆われていないので、形成されるコンデンサの静電容量が小さくなる。また、浸透不足の部分では誘電体層が内部層によって保護されないので、リフローによる熱応力などで誘電体層に傷がつく場合がある。
特開2015−220247号公報
本開示は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、分散体液の浸透不足を抑制できる固体電解コンデンサを提供することをその課題とする。
本開示によって提供される固体電解コンデンサは、弁作用金属からなる多孔質焼結体と、前記多孔質焼結体に一部が進入し、かつ、前記多孔質焼結体から突出する陽極ワイヤと、前記多孔質焼結体上に形成された誘電体層と、前記誘電体層上に形成された固体電解質層とを備え、前記多孔質焼結体は、その表面に開口端を有し且つ当該表面から凹む凹部を備えることを特徴とする。
本開示の固体電解コンデンサによれば、多孔質焼結体は、凹部を備える。固体電解質層形成工程において、分散体液が凹部に浸入するので、多孔質焼結体の表面から離れた内部まで、分散体液が浸透しやすい。したがって、多孔質焼結体への分散体液の浸透不足を抑制できる。
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本開示の第1実施形態に係る固体電解コンデンサを示す平面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 図1の固体電解コンデンサを示す要部拡大断面図である。 図1の固体電解コンデンサの多孔質焼結体および陽極ワイヤを示す斜視図である。 図1の固体電解コンデンサの製造方法の一例を示すフロー図である。 図1の固体電解コンデンサの多孔質体を形成するための金型を示す概略斜視図である。 図1の固体電解コンデンサの製造工程の一工程を示す概略断面図である。 図1の固体電解コンデンサの製造工程の一工程を示す概略断面図である。 図1の固体電解コンデンサの製造工程の一工程を示す概略断面図である。 図1の固体電解コンデンサの製造工程の一工程を示す概略断面図である。 本開示の第2実施形態に係る固体電解コンデンサを示す平面図である。 本開示の第3実施形態に係る固体電解コンデンサを示す平面図である。 本開示の第4実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図である。 本開示の第5実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図である。 本開示の第6実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図である。 本開示の第7実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図である。 本開示の第8実施形態に係る固体電解コンデンサを示す側面図である。 本開示の第9実施形態に係る固体電解コンデンサを示す側面図である。 本開示の第10実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図である。 図20の固体電解コンデンサの多孔質体を形成するための金型を示す概略斜視図である。 本開示の第11実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図である。 図22の固体電解コンデンサの多孔質体を形成するための金型を示す概略斜視図である。
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1〜図5は、本開示に係る固体電解コンデンサの一例を示している。本実施形態の固体電解コンデンサA1は、多孔質焼結体1、陽極ワイヤ11、誘電体層2、固体電解質層3、陰極層4、封止樹脂5、陽極導通部材6、および陰極導通部材7を備えている。各図においては、平面視における固体電解コンデンサA1の一方の辺に沿う方向(図1における左から右への方向)をx方向とし、他方の辺に沿う方向(図1における下から上への方向)をy方向とし、固体電解コンデンサA1の厚さ方向(図2および図3における下から上への方向)をz方向として説明する。y方向が本発明の「第1方向」に相当し、z方向が本発明の「第2方向」に相当する。固体電解コンデンサA1のサイズの一例を挙げると、x方向寸法が3.2mm程度、y方向寸法が1.6mm程度、z方向寸法が1.2mm程度である。なお、各サイズは限定されない。
図1は、固体電解コンデンサA1示す平面図である。なお、図1は、理解の便宜上、封止樹脂5を透過して、封止樹脂5の外形を想像線(二点鎖線)で示している。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。図3は、図1のIII−III線に沿う断面図である。図4は、固体電解コンデンサA1を示す要部拡大断面図である。図5は、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11を示す斜視図である。
多孔質焼結体1は、誘電体層2に対して陽極をなすものであり、弁作用金属であるたとえばTaまたはNbなどからなる。本実施形態においては、多孔質焼結体1は、直方体形状である。図4に示すように、多孔質焼結体1は、その内部に微小な多数の細孔15を有している。多孔質焼結体1は、x方向を向く面1aと、x方向の反対側を向く面1cと、面1aおよび面1cとつながる4つの面1bとを有する。面1a,1b,1cはそれぞれ、矩形状である。面1cが本発明の「第1面」に相当し、面1aが本発明の「第2面」に相当し、面1bが本発明の「第3面」に相当する。
陽極ワイヤ11は、多孔質焼結体1の内部にその一部がx方向に進入している。陽極ワイヤ11は、たとえば弁作用金属であるたとえばTaまたはNbなどからなる。なお、陽極ワイヤ11の材質は限定されないが、多孔質焼結体1を形成する弁作用金属と同じ弁作用金属によって形成されることが好ましい。陽極ワイヤ11は、多孔質焼結体1の面1cの中心から、x方向に向かって多孔質焼結体1に進入し、x方向の反対側に向かって突出している。つまり、陽極ワイヤ11は、多孔質焼結体1の4つの面1bに対して平行になるように配置され、z方向において多孔質焼結体1の中央に位置し、y方向において多孔質焼結体1の中央に位置している。陽極ワイヤ11の面1cに平行な断面は円形状である。
多孔質焼結体1は、凹部121,122を備える。凹部121,122は、後述する固体電解質層形成工程において、分散体液の多孔質焼結体1への含浸を促進し、浸透不足を抑制する。凹部121は、面1cに開口端121aを有し、面1cから凹むように形成される。凹部122は、面1cに開口端122aを有し、面1cから凹むように形成される。凹部121,122は、陽極ワイヤ11に平行に、x方向に延びる。凹部121の開口端121aおよび凹部122の開口端122aの形状は円形状であり(図5参照)、凹部121および凹部122の面1cに平行な断面も円形状である(図3参照)。また、図3に示すように、凹部121は、y方向において、y方向の反対側を向く面1bと陽極ワイヤ11とのほぼ中間の位置に配置され、凹部122は、y方向において、y方向を向く面1bと陽極ワイヤ11とのほぼ中間の位置に配置されている。すなわち、y方向において、2個の凹部121,122が、陽極ワイヤ11を挟んで互いに反対側に形成されている。また、凹部121,122は、z方向において、面1cの中心に配置されている。すなわち、凹部121、陽極ワイヤ11、凹部122は、y方向に沿ってこの順で一列に並んでいる。なお、凹部121,122の配置位置は限定されない。
図5は、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11を示す斜視図である。多孔質焼結体1のサイズの一例を挙げると、x方向寸法が2.3mm程度、y方向寸法が1.4mm程度、z方向寸法が0.7mm程度である。陽極ワイヤ11の直径D1は、0.1〜0.4mm程度である。また、陽極ワイヤ11が多孔質焼結体1に進入している進入長さL1は、多孔質焼結体1のx方向寸法Lの75%程度であり、1.7mm程度である。なお、各寸法は限定されない。凹部121,122の直径D2は、1〜数10μm程度である。本実施形態での固体電解質層形成工程において用いる分散体の粒子の直径は10〜80nm程度なので、凹部121,122は、当該粒子を問題なく通過させることができる。凹部121,122の直径D2は、陽極ワイヤ11の直径D1の0.25〜50%であるのが望ましい。つまり、凹部121,122の面1cに平行な断面積(開口端121a、122aの断面積)は、陽極ワイヤ11の面1cに平行な断面積の0.000625〜25%であるのが望ましい。また、凹部121,122の面1cに平行な断面積は、面1cの面積の1%以下であるのが望ましい。また、凹部121,122の深さ(x方向寸法)L2は、多孔質焼結体1のx方向寸法Lの60%程度であり、1.4mm程度である。深さL2は、大きいほど分散体液の多孔質焼結体1への含浸を促進でき、寸法Lの50〜75%であるのが望ましい。なお、凹部121と凹部122とで、直径D2または深さL2が異なっていてもよい。
誘電体層2は、多孔質焼結体1の表面に積層されている。また、誘電体層2は、陽極ワイヤ11の一部の表面に積層され得る。図4に示すように、多孔質焼結体1は、多数の細孔15を有する構造であり、誘電体層2が覆う表面は、多孔質焼結体1の外観に表れる表面(面1a,1b,1c)だけでなく、それぞれの細孔15の内表面を含んでいる。図2および図3においては、誘電体層2は、理解の便宜上多孔質焼結体1を外側から覆う層として記載されているが、実際には、多孔質焼結体1の外表面および細孔15内にわたって形成されている。誘電体層2は、一般的に弁作用金属の酸化物からなり、たとえばTa25(五酸化タンタル)またはNb25(五酸化ニオブ)などからなる。
固体電解質層3は、誘電体層2を覆っている。固体電解質層3は、誘電体層2を挟んで多孔質焼結体1と電気的にコンデンサを構成しうるものであればよい。固体電解質層3の具体例を挙げると、図4によく表れているように、固体電解質層3は、内部層31および外部層32からなる。内部層31は、誘電体層2のうち、多孔質焼結体1の細孔15の内表面を覆っている部分を覆っており、多孔質焼結体1の細孔15を埋める形態となっている。内部層31は、たとえば導電性ポリマーからなる。外部層32は、内部層31上に積層されており、多孔質焼結体1の外部において内部層31を覆う形態となっている。本実施形態においては、外部層32は、導電性ポリマーからなる。なお、固体電解質層3は、導電性ポリマーの単一層によって構成されていてもよい。
陰極層4は、固体電解質層3の外部層32上に積層されており、固体電解質層3と陰極導通部材7との導通を図る層である。陰極層4は、適切な導電性を有するものであればその構成は特に限定されない。陰極層4の具体例を挙げると、図4に示すように、陰極層4は、下地層41および上層42からなる。下地層41は、たとえばグラファイトからなり、固体電解質層3を直接覆っている。上層42は、下地層41上に積層されており、たとえばAgからなる。
封止樹脂5は、多孔質焼結体1、陽極ワイヤ11、誘電体層2、固体電解質層3、および陰極層4を覆っており、たとえばエポキシ樹脂からなる。封止樹脂5は、凹部121,122の内部にも充填されている。
陽極導通部材6は、陽極ワイヤ11に接合されており、その一部が封止樹脂5から露出している。陽極導通部材6は、たとえばCuメッキが施された、42アロイなどのNi−Fe合金からなる。陽極導通部材6のうち封止樹脂5から露出した部位は、固体電解コンデンサA1を面実装するための外部陽極端子6aとして用いられる。本実施形態においては、陽極導通部材6は、中間部61および露出部62によって構成されている。中間部61は、そのすべてが封止樹脂5に覆われており、陽極ワイヤ11にと接合されている。露出部62は、その一部が封止樹脂5から露出することにより外部陽極端子6aを構成しており、中間部61と接合されている。
陰極導通部材7は、たとえばAgなどからなる導電性接合材71を介して陰極層4に接合されており、その一部が封止樹脂5から露出している。陰極導通部材7は、たとえばCuメッキが施された、42アロイなどのNi−Fe合金からなり、本実施形態においては、板状部材である。陰極導通部材7のうち封止樹脂5から露出した面は、固体電解コンデンサA1を面実装するための外部陰極端子7aとして用いられる。
次に、固体電解コンデンサA1の製造方法の一例について、以下に説明する。
図6は、固体電解コンデンサA1の製造方法のフローを示している。まず、多孔質焼結体1を形成する(多孔質焼結体形成工程)。この工程においては、まず、多孔質体を形成する(多孔質体形成工程)。
図7は、多孔質体を形成するための金型を示す概略斜視図である。金型8は、固定ブロック84、1対の押圧ブロック81,82、および昇降ブロック83を備える。1対の押圧ブロック81,82は、水平方向に移動可能に固定ブロック84に形成された溝部84aに嵌入している。固定ブロック84の1対の内向きの側面84b,84cおよび内向きの底面84dと、1対の押圧ブロック81,82の互いに対向する内向きの側面81a,82aとにより、空間部85が形成されている。固定ブロック84および1対の押圧ブロック81,82が、本発明の「下金型」に相当する。
昇降ブロック83は、空間部85の上方に備えられている。昇降ブロック83は、たとえばその上方に設けられた油圧シリンダなどの駆動源(図示略)により、昇降自在とされている。昇降ブロック83には、ワイヤ材料92を上下方向に貫通させるための孔が形成されている。ワイヤ材料92は、たとえばTaまたはNbなどの弁作用を有する金属製であり、後に陽極ワイヤ11になるものである。ワイヤ材料92は、孔を通って上方から下方へと延出する。なお、昇降ブロック83の上方には、ワイヤ材料92を送り出すための送り出し装置(図示略)が備えられており、ワイヤ材料92を昇降ブロック83を通して所望の長さだけ送り出し、保持することが可能となっている。また、昇降ブロック83の下面83aには、2本の突出部831,832が設けられている。昇降ブロック83が、本発明の「上金型」に相当する。
図8〜図11は、金型8による多孔質体形成工程を説明するための図であり、図7のVIII−VIII線に沿う断面図に相当する図である。なお、図8〜図11においては、断面を示すハッチングを省略している。
多孔質体形成工程では、まず、図8に示すように、1対の押圧ブロック81,82を所定の位置に固定し、空間部85を形成する。そして、たとえばTaまたはNbなどの弁作用金属の微粉末91を、空間部85に充填する(微粉末充填)。なお、たとえば上記充填の後にスキージを利用して、微粉末91のうち空間部85から余分に盛り上がっている部分を取り除けば、所定の量の微粉末91を空間部85に均一に充填することができる。
次いで、図9に示すように、昇降ブロック83を下降させて、空間部85の上方を覆いつつ、ワイヤ材料92の先端部分92aを、空間部85に充填された微粉末91内に進入させる(ワイヤ配置)。このとき、突出部831,832も、空間部85に充填された微粉末91内に進入する。
次いで、図10に示すように、1対の押圧ブロック81,82を水平方向において空間部85の中央寄りに移動させることで、空間部85に充填された微粉末91に圧力を加える(加圧処理)。これにより、微粉末91が圧縮されて、多孔質体93が加圧成形される。次いで、ワイヤ材料92を、多孔質体93から離間した所定の位置で切断する(ワイヤ切断)。
次いで、図11に示すように、昇降ブロック83を上昇させる。昇降ブロック83の上昇に応じて、多孔質体93に進入していた突出部831,832も上昇し、多孔質体93から抜き取られる。突出部831,832が抜き取られた部分が、それぞれ凹部121,122になる。そして、1対の押圧ブロック81,82を水平方向において離間するように移動させて、多孔質体93を取り出す。以上により、ワイヤ材料92が進入し、凹部121,122が形成された多孔質体93が得られる。
次いで、この多孔質体93およびワイヤ材料92に焼結処理を施す。この焼結処理により、弁作用金属の微粉末91どうしが焼結し、多数の細孔15を有する多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11が形成される(焼結処理)。この際、焼結処理に伴う収縮によって、多孔質体93の外形よりも多孔質焼結体1の外形は小となる。この収縮を考慮して、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11が所定の寸法となるように、多孔質体93の成形を行う。
次いで、誘電体層2を形成する(誘電体層形成工程)。たとえば、陽極ワイヤ11によって多孔質焼結体1を支持しながら、リン酸水溶液の化成液に多孔質焼結体1を漬ける。そして、この化成液中において、多孔質焼結体1に対して陽極酸化処理を施す。これにより、多孔質焼結体1の外表面および内表面を覆うようにたとえばTa25またはNb25などからなる誘電体層2が形成される。
次いで、固体電解質層3を形成する(固体電解質層形成工程)。固体電解質層3を形成する工程においては、まず、内部層31を形成する(内部層形成)。まず、ポリマー分散体と溶媒とを混合する。前記ポリマー分散体は、あらかじめ重合反応させた導電性ポリマー粒子であり、たとえばポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる1種または2種からなる重合体または共重合体が導電率の観点から好適に用いられる。さらには、ポリピリロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)は、導電性をより向上させるとともに、耐熱性を高めることが可能である点から、より好ましい。前記溶媒は、前記ポリマー分散体を均一に分散させうるものであり、たとえば水、エタノール、有機溶剤などが適宜採用できる。これにより、分散体液が得られる。
次いで、誘電体層2が形成された多孔質焼結体1を前記分散体液に浸漬し、引き上げる。多孔質焼結体1を分散体液に浸漬する際、凹部121,122を介して、多孔質焼結体1の表面から離れた内部まで、分散体液が浸透する。次いで、前記分散体液をたとえば乾燥させることにより、前記溶媒を除去する。これにより、導電性ポリマーからなる内部層31が形成される。
次に、外部層32を形成する(外部層形成)。内部層31が形成された多孔質焼結体1を既知の酸化剤およびモノマー溶液にそれぞれ浸漬し、引き上げた後に乾燥させる。これにより、化学重合反応を起こさせる。そして、必要に応じて洗浄や再化成処理を行う。これにより、導電性ポリマーからなる外部層32が形成される。または、モノマーおよびドーパントを含む電解質液を塗布し、電流を流すことにより導電性ポリマーからなる外部層32を形成する電解重合法を用いてもよい。外部層32は、凹部121,122の内部にも積層される。
次いで、陰極層4を形成する(陰極層形成工程)。まず、下地層41を形成する(下地層形成)。下地層41の形成は、たとえば、グラファイトと有機溶剤との溶液に多孔質焼結体1を浸漬させ、引き上げた後に乾燥あるいは焼成する。次いで、上層42を形成する(上層形成)。上層42の形成は、たとえばAgフィラーと有機溶剤との溶液に多孔質焼結体1を浸漬させ、引き上げた後に、乾燥あるいは焼成する。これにより、上層42が形成され、陰極層4が得られる。陰極層4は、凹部121,122の内部にも積層される。
次いで、陽極導通部材6を陽極ワイヤ11に接合する(陽極導通部材接合工程)。たとえば、中間部61となる母材と陽極ワイヤ11とを溶接する。そして、この母材を所定の大きさに切断した後に、露出部62に中間部61を接合する。これにより、陽極導通部材6が得られる。次いで、陰極導通部材7を接合する(陰極導通部材接合工程)。たとえば、板状の金属部材を銀ペーストなどの導電性接合材71によって陰極層4に接合する。そして、金型成形などにより、封止樹脂5を形成する(封止樹脂形成工程)。このとき、封止樹脂5は、凹部121,122の内部にも充填される。以上の工程を経ることにより、図1〜図5に示す固体電解コンデンサA1が得られる。
次に、固体電解コンデンサA1の作用について説明する。
本実施形態によれば、多孔質焼結体1は、凹部121,122を備える。凹部121,122の直径D2は分散体の粒子と比較して十分大きいので、固体電解質層形成工程において、分散体液は、凹部121,122に浸入する。これにより、多孔質焼結体1の表面から離れた内部まで、分散体液が浸透しやすい。よって、多孔質焼結体1への分散体液の含浸を促進し、浸透不足を抑制できる。
また、本実施形態によれば、凹部121,122は、y方向において、陽極ワイヤ11を挟んで互いに反対側に形成されている。また、凹部121,122は、z方向において、面1cの中心に配置されている。よって、y方向の寸法がz方向の寸法より大きい多孔質焼結体1において、表面から離れた内部まで効率よく、分散体液の含浸を促進できる。
また、本実施形態によれば、凹部121,122の深さL2は、多孔質焼結体1のx方向寸法Lの50%以上である。したがって、多孔質焼結体1において、表面から離れた内部まで効率よく分散体液の含浸を促進できる。
また、本実施形態によれば、凹部121,122の内部には、封止樹脂5が充填されている。したがって、封止樹脂5が充填されない場合と比較して、多孔質焼結体1の強度を増加させることができる。
また、本実施形態によれば、凹部121,122は、多孔質体形成工程において形成される。したがって、形成された多孔質体93に対して、別工程で凹部121,122の形成を行う場合と比較して、固体電解コンデンサA1の製造工程を簡略化できる。また、形成された多孔質体93に対して、別工程で凹部121,122の形成を行う場合、多孔質体93を損傷したり、凹部121,122が適切に形成されない場合がある。一方、本実施形態によれば、突出部831,832を進入させた微粉末91に対して加圧処理を行うことで凹部121,122の形成を行うので、凹部121,122の形成において多孔質体93を損傷することなく、凹部121,122を適切に形成することができる。したがって、製造時の歩留まりが向上する。また、昇降ブロック83の下面83aに突出部831,832を設けるだけであり、昇降ブロック83を上昇させることで突出部831,832を抜き取ることができるので、複雑な金型8を作成する必要がない。
図12〜図23は、本開示の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
<第2実施形態>
図12は、本開示の第2実施形態に係る固体電解コンデンサを示す平面図である。なお、図12は、理解の便宜上、封止樹脂5を透過して、封止樹脂5の外形を想像線(二点鎖線)で示している。本実施形態の固体電解コンデンサA2は、凹部121,122がテーパ形状である点で上述した実施形態と異なっている。
本実施形態において、凹部121(122)は、いわゆる先細りのテーパ形状であって、開口端121a(122a)に平行な(面1cに平行な)断面の面積が、開口端121a(122a)から多孔質焼結体1の内部に進む(x方向に進む)に従って小さくなる形状である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態によれば、多孔質体形成工程において、昇降ブロック83を上昇させて、多孔質体93から突出部831,832を抜き取るとき(図11参照)に、多孔質体93に形成された凹部121,122の内壁と突出部831,832の外壁との摩擦を抑制できる。したがって、凹部121,122の内壁に形成された微小な細孔15を、摩擦によって閉塞してしまうことを抑制できる。これにより、凹部121,122に浸入した分散体液の多孔質焼結体1への含浸をさらに促進できる。
<第3実施形態>
図13は、本開示の第3実施形態に係る固体電解コンデンサを示す平面図である。なお、図13は、理解の便宜上、封止樹脂5を透過して、封止樹脂5の外形を想像線(二点鎖線)で示している。本実施形態の固体電解コンデンサA3は、凹部121,122の延びる方向が上述した実施形態と異なっている。
本実施形態において、凹部121(122)は、陽極ワイヤ11に平行に延びるのではなく、開口端121a(122a)から多孔質焼結体1の内部に進む(x方向に進む)に従って陽極ワイヤ11に近づくように延びる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態によれば、多孔質焼結体1の表面から離れた内部の陽極ワイヤ11の近くに、分散体液を浸透させることができる。なお、開口端121a(122a)が陽極ワイヤ11の近くに配置され、開口端121a(122a)から多孔質焼結体1の内部に進む(x方向に進む)に従って、凹部121(122)が陽極ワイヤ11から離れるように延びてもよい。また、凹部121,122は、まっすぐ延びるものに限定されない。凹部121,122は、湾曲して延びてもよい。また、たとえば螺旋状に延びてもよい。
<第4実施形態>
図14は、本開示の第4実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図であり、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11だけを示している。本実施形態の固体電解コンデンサA4は、凹部121,122の配置位置および延びる方向が上述した実施形態と異なっている。
本実施形態において、凹部121は、開口端121aが陽極ワイヤ11よりz方向側に配置されて、陽極ワイヤ11に対して、ねじれの位置の関係になるように延びる。また、凹部122は、開口端122aが陽極ワイヤ11よりz方向の反対側に配置されて、陽極ワイヤ11に対して、ねじれの位置の関係になるように延びる。ねじれの位置の関係とは、平行でなく、かつ、交差しない関係である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態によれば、多孔質焼結体1のz方向の寸法が大きい場合に、多孔質焼結体1の表面から離れた内部まで、効率よく分散体液を含浸させることができる。
<第5実施形態>
図15は、本開示の第5実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図であり、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11だけを示している。本実施形態の固体電解コンデンサA5は、凹部121,122の断面形状が上述した実施形態と異なっている。
本実施形態において、開口端121a(122a)の形状、および、凹部121(122)の開口端121a(122a)に平行な(面1cに平行な)断面の形状が、円形状ではなく、四角形状である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第6実施形態>
図16は、本開示の第6実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図であり、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11だけを示している。本実施形態の固体電解コンデンサA6は、凹部121,122の断面形状が上述した実施形態と異なっている。
本実施形態において、開口端121a(122a)の形状、および、凹部121(122)の開口端121a(122a)に平行な(面1cに平行な)断面の形状が、円形状ではなく、十字形状である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、開口端121a(122a)の形状は、円形状、四角形状および十字形状に限定されず、その他の形状であってもよい。また、開口端121aと開口端122aとで形状が異なっていてもよい。
<第7実施形態>
図17は、本開示の第7実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図であり、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11だけを示している。本実施形態の固体電解コンデンサA7は、4つの凹部121〜124が形成されている点で、上述した実施形態と異なっている。
本実施形態において、凹部122,124は、陽極ワイヤ11のy方向側に配置され、凹部121,123は、陽極ワイヤ11のy方向の反対側に配置される。また、凹部123,124は、陽極ワイヤ11のz方向側に配置され、凹部121,122は、陽極ワイヤ11のz方向の反対側に配置される。つまり、y方向において、凹部122,124と、凹部121,123とが、陽極ワイヤ11を挟んで互いに反対側に形成されている。また、z方向において、凹部123,124と、凹部121,122とが、陽極ワイヤ11を挟んで互いに反対側に形成されている。本実施形態では、凹部121、陽極ワイヤ11および凹部124が、面1cの一方の対角線に沿ってこの順で一列に並んでいる。また、凹部122、陽極ワイヤ11および凹部123が、面1cの他方の対角線に沿ってこの順で一列に並んでいる。なお、凹部121〜124の配置位置は限定されない。また、凹部121〜124の深さ(x方向の寸法)は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態によれば、多孔質焼結体1のy方向およびz方向の寸法が大きい場合(面1cの面積が大きい場合)に、多孔質焼結体1の表面から離れた内部まで、効率よく分散体液を含浸させることができる。なお、凹部の数は限定されず、面1cの面積に応じて、より多くの凹部が設けられてもよい。
<第8実施形態>
図18は、本開示の第8実施形態に係る固体電解コンデンサを示す側面図であり、x方向視で見たものである。図18においては、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11だけを示している。本実施形態の固体電解コンデンサA8は、多孔質焼結体1の面1cが正方形状であり、4つの凹部121〜124が形成されている点で、上述した実施形態と異なっている。
本実施形態において、凹部121〜124は、第7実施形態に係る固体電解コンデンサA7の凹部121〜124と同様に配置されている。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態によれば、多孔質焼結体1の面1cが正方形状である場合に、多孔質焼結体1の表面から離れた内部まで、効率よく分散体液を含浸させることができる。なお、凹部の数は限定されず、面1cの面積に応じて、より多くの凹部が設けられてもよい。
<第9実施形態>
図19は、本開示の第9実施形態に係る固体電解コンデンサを示す側面図であり、x方向視で見たものである。図19においては、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11だけを示している。本実施形態の固体電解コンデンサA9は、4つの凹部121〜124の配置が、上述した第8実施形態と異なっている。
本実施形態において、凹部122は、y方向において、y方向を向く面1bと陽極ワイヤ11とのほぼ中間の位置に配置され、凹部124は、y方向において、y方向の反対側を向く面1bと陽極ワイヤ11とのほぼ中間の位置に配置されている。すなわち、y方向において、2個の凹部122,124が、陽極ワイヤ11を挟んで互いに反対側に形成されている。また、凹部123は、z方向において、z方向を向く面1bと陽極ワイヤ11とのほぼ中間の位置に配置され、凹部121は、z方向において、z方向の反対側を向く面1bと陽極ワイヤ11とのほぼ中間の位置に配置されている。すなわち、z方向において、2個の凹部121,124が、陽極ワイヤ11を挟んで互いに反対側に形成されている。また、凹部122,124は、z方向において、面1cの中心に配置されている。すなわち、凹部122、陽極ワイヤ11および凹部124は、y方向に沿ってこの順で一列に並んでいる。また、凹部121,123は、y方向において、面1cの中心に配置されている。すなわち、凹部121、陽極ワイヤ11および凹部123は、z方向に沿ってこの順で一列に並んでいる。なお、凹部121〜124の配置位置は限定されない。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態によれば、多孔質焼結体1の面1cが正方形状である場合に、多孔質焼結体1の表面から離れた内部まで、効率よく分散体液を含浸させることができる。なお、凹部の数は限定されず、面1cの面積に応じて、より多くの凹部が設けられてもよい。
<第10実施形態>
図20は、本開示の第10実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図であり、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11だけを示している。本実施形態の固体電解コンデンサA10は、陽極ワイヤ11が突出する面1cとは反対側を向く面1aに凹部121,122が形成されている点で、上述した実施形態と異なっている。
本実施形態において、凹部121は、面1aに開口端121aを有し、面1aから凹むように形成される。凹部122は、面1aに開口端122aを有し、面1aから凹むように形成される。凹部121,122は、陽極ワイヤ11に平行に、x方向の反対側に延びる。なお、凹部121,122の配置位置は限定されない。
図21は、第10実施形態に係る多孔質体を形成するための金型8を示す概略斜視図である。当該金型8は、突出部831,832が、昇降ブロック83の下面83aではなく、固定ブロック84の内向きの底面84dに設けられている点で、第1実施形態に係る金型8と異なる。図21に示す金型8を用いて、空間部85に充填された微粉末91を加圧処理することで多孔質体93が加圧成形され、当該多孔質体93に焼結処理を施すことで多孔質焼結体1が形成される。当該多孔質焼結体1を用いて、面1aに凹部121,122が形成された固体電解コンデンサA10(図20参照)が製造される。
本実施形態においても、多孔質焼結体1は、凹部121,122を備える。多孔質焼結体1の表面から離れた内部まで分散体液が浸透しやすいので、多孔質焼結体1への分散体液の含浸を促進し、浸透不足を抑制できる。また、本実施形態によれば、凹部121,122は、内向きの底面84dに突出部831,832が設けられた固定ブロック84を用いて、多孔質体形成工程において形成される。したがって、固体電解コンデンサA10の製造工程を簡略化でき、歩留まりが向上する。
<第11実施形態>
図22は、本開示の第11実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図であり、多孔質焼結体1および陽極ワイヤ11だけを示している。本実施形態の固体電解コンデンサA11は、面1bに凹部121,122が形成されている点で、上述した実施形態と異なっている。
本実施形態において、凹部121は、y方向の反対側を向く面1bに開口端121aを有し、当該面1bから凹むように形成される。凹部121は、y方向側に延びる。凹部121は、陽極ワイヤ11のz方向の反対側に配置される。凹部122は、y方向を向く面1bに開口端122aを有し、当該面1bから凹むように形成される。凹部122は、y方向の反対側に延びる。凹部122は、陽極ワイヤ11のz方向側に配置される。なお、凹部121,122の配置位置は限定されない。
図23は、第11実施形態に係る多孔質体を形成するための金型8を示す概略斜視図である。当該金型8は、突出部831,832が、昇降ブロック83の下面83aではなく、1対の押圧ブロック81,82の互いに対向する内向きの側面81a,82aに設けられている点で、第1実施形態に係る金型8と異なる。具体的には、突出部831は押圧ブロック81の内向きの側面81aに設けられており、突出部832は押圧ブロック82の内向きの側面82aに設けられている。図23に示す金型8を用いて、空間部85に充填された微粉末91を加圧処理することで多孔質体93が加圧成形され、当該多孔質体93に焼結処理を施すことで多孔質焼結体1が形成される。当該多孔質焼結体1を用いて、面1bに凹部121,122が形成された固体電解コンデンサA11(図22参照)が製造される。
本実施形態においても、多孔質焼結体1は、凹部121,122を備える。多孔質焼結体1の表面から離れた内部まで分散体液が浸透しやすいので、多孔質焼結体1への分散体液の含浸を促進し、浸透不足を抑制できる。また、本実施形態によれば、凹部121,122は、内向きの側面81aに突出部831が設けられた押圧ブロック81と、内向きの側面82aに突出部832が設けられた押圧ブロック82とを用いて、多孔質体形成工程において形成される。したがって、固体電解コンデンサA11の製造工程を簡略化でき、歩留まりが向上する。
なお、凹部121,122が形成される面は限定されない。たとえば、凹部121,122は、同じ面1bに形成されてもよい。また、凹部121と凹部122とが、互いに直交する2個の面1bにそれぞれ形成されてもよい。また、一方の凹部が面1aに形成され他方の凹部が面1bに形成されてもよいし、一方の凹部が面1cに形成され他方の凹部が面1bに形成されてもよいし、一方の凹部が面1aに形成され他方の凹部が面1cに形成されてもよい。
本開示に係る固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係る固体電解コンデンサおよび固体電解コンデンサの製造方法の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
〔付記1〕
弁作用金属からなる多孔質焼結体と、
前記多孔質焼結体に一部が進入し、かつ、前記多孔質焼結体から突出する陽極ワイヤと、
前記多孔質焼結体上に形成された誘電体層と、
前記誘電体層上に形成された固体電解質層と、
を備え、
前記多孔質焼結体は、その表面に開口端を有し且つ当該表面から凹む凹部を備える、
ことを特徴とする固体電解コンデンサ。
〔付記2〕
前記多孔質焼結体の形状は直方体形状であり、
前記多孔質焼結体は、前記陽極ワイヤが突出する第1面を備える、
付記1に記載の固体電解コンデンサ。
〔付記3〕
前記凹部は、前記第1面から凹む、
付記2に記載の固体電解コンデンサ。
〔付記4〕
前記第1面の一辺に平行である第1方向において、2個の前記凹部が、前記陽極ワイヤを挟んで互いに反対側に形成されている、
付記3に記載の固体電解コンデンサ。
〔付記5〕
前記第1面の一辺に平行である第1方向において、4個の前記凹部が、前記陽極ワイヤを挟んで、2個ずつ互いに反対側に形成されており、
前記4個の凹部は、前記第1面上で前記第1方向に直交する第2方向において、前記陽極ワイヤを挟んで、2個ずつ互いに反対側に配置されている、
付記3に記載の固体電解コンデンサ。
〔付記6〕
前記第1面は正方形状である、
付記2ないし5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
〔付記7〕
前記多孔質焼結体は、前記第1面とは反対側を向く第2面を備え、
前記凹部は、前記第2面から凹む、
付記2に記載の固体電解コンデンサ。
〔付記8〕
前記多孔質焼結体は、前記第1面に直交する第3面を備え、
前記凹部は、前記第3面から凹む、
付記2に記載の固体電解コンデンサ。
〔付記9〕
前記凹部は、前記陽極ワイヤに平行に延びる、
付記1ないし7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
〔付記10〕
前記凹部は、前記陽極ワイヤに対してねじれの位置の関係になるように延びる、
付記1ないし8のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
〔付記11〕
前記凹部の深さは、当該凹部が形成された面に直交する方向における前記多孔質焼結体の寸法の50〜75%である、
付記1ないし10のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
〔付記12〕
前記凹部の前記開口端の断面積は、前記凹部の形成面の面積の1%以下である、
付記1ないし11のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
〔付記13〕
前記凹部の前記開口端の断面積は、前記陽極ワイヤの断面積の25%以下である、
付記1ないし12のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
〔付記14〕
前記凹部の前記開口端の形状は円形状である、
付記1ないし13のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
〔付記15〕
前記凹部の前記開口端の直径は、1〜数10μmである、
付記14に記載の固体電解コンデンサ。
〔付記16〕
前記凹部の前記開口端の形状は四角形状である、
付記1ないし13のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
〔付記17〕
前記凹部の前記開口端の形状は十字形状である、
付記1ないし13のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
〔付記18〕
前記凹部は、前記開口端に平行な断面の面積が、前記開口端から内部に進むに従って小さくなる形状である、
付記1ないし17のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
〔付記19〕
前記多孔質焼結体を覆う封止樹脂をさらに備え、
前記封止樹脂は、前記凹部内に充填されている、
付記1ないし18のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
〔付記20〕
弁作用を有する金属の粉末を、下金型の上向きの底面と内向きの側面とによって囲まれた空間部内に充填する充填工程と、
金属製のワイヤとともに上金型を前記空間部の上方から降下させることで、前記ワイヤの一部を当該空間部に進入させるワイヤ配置工程と、
前記空間部内に充填された粉末を加圧成形することにより、多孔質体を形成する加圧工程と、
前記多孔質体に対して焼結処理を施すことで多孔質焼結体を形成する焼結工程と、
を備え、
前記上金型の下面には突出部が設けられており、
前記ワイヤ配置工程で前記突出部を前記空間部に進入させて、前記加圧工程で加圧成形を行うことで、前記多孔質体に凹部を形成する、
ことを特徴とする、固体電解コンデンサの製造方法。
A1〜A11:固体電解コンデンサ
1 :多孔質焼結体
1a,1b,1c:面
11 :陽極ワイヤ
121,122,123,124:凹部
121a,122a,123a,124a:開口端
15 :細孔
2 :誘電体層
3 :固体電解質層
31 :内部層
32 :外部層
4 :陰極層
41 :下地層
42 :上層
5 :封止樹脂
6 :陽極導通部材
6a :外部陽極端子
61 :中間部
62 :露出部
7 :陰極導通部材
7a :外部陰極端子
71 :導電性接合材
8 :金型
81,82:押圧ブロック
81a,82a:側面
83 :昇降ブロック
83a :下面
831,832:突出部
84 :固定ブロック
84a :溝部
84b,84c:側面
84d :底面
85 :空間部
91 :微粉末
92 :ワイヤ材料
92a :先端部分
93 :多孔質体

Claims (20)

  1. 弁作用金属からなる多孔質焼結体と、
    前記多孔質焼結体に一部が進入し、かつ、前記多孔質焼結体から突出する陽極ワイヤと、
    前記多孔質焼結体上に形成された誘電体層と、
    前記誘電体層上に形成された固体電解質層と、
    を備え、
    前記多孔質焼結体は、その表面に開口端を有し且つ当該表面から凹む凹部を備える、
    ことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記多孔質焼結体の形状は直方体形状であり、
    前記多孔質焼結体は、前記陽極ワイヤが突出する第1面を備える、
    請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記凹部は、前記第1面から凹む、
    請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記第1面の一辺に平行である第1方向において、2個の前記凹部が、前記陽極ワイヤを挟んで互いに反対側に形成されている、
    請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記第1面の一辺に平行である第1方向において、4個の前記凹部が、前記陽極ワイヤを挟んで、2個ずつ互いに反対側に形成されており、
    前記4個の凹部は、前記第1面上で前記第1方向に直交する第2方向において、前記陽極ワイヤを挟んで、2個ずつ互いに反対側に配置されている、
    請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記第1面は正方形状である、
    請求項2ないし5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  7. 前記多孔質焼結体は、前記第1面とは反対側を向く第2面を備え、
    前記凹部は、前記第2面から凹む、
    請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 前記多孔質焼結体は、前記第1面に直交する第3面を備え、
    前記凹部は、前記第3面から凹む、
    請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  9. 前記凹部は、前記陽極ワイヤに平行に延びる、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  10. 前記凹部は、前記陽極ワイヤに対してねじれの位置の関係になるように延びる、
    請求項1ないし8のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  11. 前記凹部の深さは、当該凹部が形成された面に直交する方向における前記多孔質焼結体の寸法の50〜75%である、
    請求項1ないし10のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  12. 前記凹部の前記開口端の断面積は、前記凹部の形成面の面積の1%以下である、
    請求項1ないし11のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  13. 前記凹部の前記開口端の断面積は、前記陽極ワイヤの断面積の25%以下である、
    請求項1ないし12のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  14. 前記凹部の前記開口端の形状は円形状である、
    請求項1ないし13のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  15. 前記凹部の前記開口端の直径は、1〜数10μmである、
    請求項14に記載の固体電解コンデンサ。
  16. 前記凹部の前記開口端の形状は四角形状である、
    請求項1ないし13のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  17. 前記凹部の前記開口端の形状は十字形状である、
    請求項1ないし13のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  18. 前記凹部は、前記開口端に平行な断面の面積が、前記開口端から内部に進むに従って小さくなる形状である、
    請求項1ないし17のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  19. 前記多孔質焼結体を覆う封止樹脂をさらに備え、
    前記封止樹脂は、前記凹部内に充填されている、
    請求項1ないし18のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  20. 弁作用を有する金属の粉末を、下金型の上向きの底面と内向きの側面とによって囲まれた空間部内に充填する充填工程と、
    金属製のワイヤとともに上金型を前記空間部の上方から降下させることで、前記ワイヤの一部を当該空間部に進入させるワイヤ配置工程と、
    前記空間部内に充填された粉末を加圧成形することにより、多孔質体を形成する加圧工程と、
    前記多孔質体に対して焼結処理を施すことで多孔質焼結体を形成する焼結工程と、
    を備え、
    前記上金型の下面には突出部が設けられており、
    前記ワイヤ配置工程で前記突出部を前記空間部に進入させて、前記加圧工程で加圧成形を行うことで、前記多孔質体に凹部を形成する、
    ことを特徴とする、固体電解コンデンサの製造方法。
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