JP5754179B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に関する。
電子機器の高密度実装化、高周波化に伴って電子部品の一つである固体電解コンデンサは小型化と等価直列抵抗(以下ESRと示すことがある)低減の両立が求められている。
従来の固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜、固体電解質、および陰極層が表面に形成された弁作用金属基体が複数積み重ねられた積層体から構成されている。このような固体電解コンデンサは、例えば特許文献1に開示されている。
一方、固体電解質、陰極層は未形成で誘電体酸化皮膜のみ形成された弁作用金属基体が複数積み重ねられた積層体を作製し、積層体作製後に、積層体を構成する弁作用金属基体間の隙間および積層体の外表面を被覆するように固体電解質を形成する製造方法により、積層体を構成する弁作用金属基体間の隙間に陰極層を有さない固体電解コンデンサを製造することができる。このような固体電解コンデンサは、例えば特許文献2に開示されている。
特開2004−87893号公報 特許第4458470号公報
特許文献1の固体電解コンデンサは、積層体を構成する弁作用金属基体間に陰極層が形成されているため、小型化の妨げになるという問題があった。
また、特許文献2の固体電解コンデンサは、積層体を構成する弁作用金属基体間の隙間に陰極層を有さないため小型化が可能である。しかし、弁作用金属基体間の隙間には陰極層に比べて、導電率が十分高く無い固体電解質しか有していないため、弁作用金属基体間の隙間の導電率が不十分となり、固体電解コンデンサのESRが大きくなるという問題があった。
そこで本発明は、小型化やESR低減が可能な固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、互いに対向する第1の主面、第2の主面、およびそれらを連接する側面を有し、陽極引出部と陰極層形成部を有する弁作用金属基体を準備し、前記弁作用金属基体の複数を積み重ね、陽極引出部および/または陰極層形成部にて互いに接合する積層体形成工程であって、前記積層体形成工程は、前記積層体を構成する少なくとも1つ以上の弁作用金属基体の、第1の主面および/または第2の主面に、少なくとも陰極層形成領域を含み少なくとも一端が前記弁作用金属基体の陰極層形成部における側面に露出するように凹部を形成する凹部形成工程と、前記積層体を構成する弁作用金属基体の少なくとも陰極層形成部における第1の主面、第2の主面、および側面に誘電体酸化皮膜を形成する誘電体皮膜形成工程とを含み、前記弁作用金属基体の陰極層形成部における誘電体酸化皮膜を被覆するように、かつ前記弁作用金属基体にて挟まれた凹部を被覆するように固体電解質を形成する固体電解質形成工程と、前記固体電解質形成工程の後に、前記弁作用金属基体の陰極層形成部における、前記弁作用金属基体にて挟まれた凹部に導電体を配置する導電体配置工程を有することを特徴としている。
本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法では、積層体を形成した後に、積層体を構成する弁作用金属基体に対し、固体電解質の形成および導電体の配置を一括して行うことができ、製造工程を効率化できる。
また、本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、前記固体電解質形成工程は、前記積層体形成工程の後に実行されることを特徴としている。
本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、固体電解質形成工程を、積層体形成工程の後に実行することで、積層体を形成した後に、積層体を構成する弁作用金属基体に対し、固体電解質の形成および導電体の配置を一括して行うことができ、製造工程を効率化できる。
本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサを示す斜視図、平面図、分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法で、図2の続きを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法で、図3の続きを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法で、図6の続きを示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサ及びその製造方法について説明する。ここで、図1(A)は、固体電解コンデンサ11の外観を示す斜視図であり、図1(B)は、固体電解コンデンサ11の外観を示す平面図であり、図1(C)は、固体電解コンデンサ11の分解斜視図である。また、図2(A)は、図1(B)の線X−Xに沿う断面図であり、図2(B)は、図1(B)の線Y−Yに沿う断面図であり、図2(C)は、図1(B)の線Z−Zに沿う断面図である。
固体電解コンデンサ11は、図1(C)に示すように、第1の主面12、第2の主面13、およびそれらを連接する側面14を有し、図1(B)、(C)に示すように絶縁層4により離間された陽極引出部2および陰極層形成部3を有している弁作用金属基体1と、4枚の弁作用金属基体が積み重ねられた積層体9を有している。
弁作用金属基体1は、例えば箔状、平板状の形態であり、材質としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム及びこれらの合金が挙げられる。また、幅及び厚さは、製造する固体電解コンデンサ11のサイズや静電容量によって適宜選択される。
絶縁層4の構成材料は、例えばポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、低分子量ポリイミドや、それらの誘導体や前駆体等の絶縁性樹脂が挙げられる。特に低分子量ポリイミド、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂及びそれらの前駆体が好ましい。
また、図1(B)、(C)に示すように弁作用金属基体1の第1の主面12には、弁作用金属基体1の長手方向の両端面に相当する二つの側面14に端部が露出するように凹部5が形成されている。
ここで、凹部5とは弁作用金属基体1の主面に対して窪んでおり、後述する導電体8を配置しうる領域を指す。
また、図2(A)、(B)、(C)に示すように弁作用金属基体1の第1の主面12、第2の主面13、および側面14には、弁作用金属基体の酸化物からなる誘電体酸化皮膜6が形成されている。
また、図2(A)、(B)に示すように、4枚の弁作用金属基体1は、陽極引出部2および陰極層形成部3にて、接合部10を介して電気的に接合されている。(図1(C)では接合部10の表記を省略している)。
また、図2(A)、(C)に示すように弁作用金属基体1の陰極層形成部3における誘電体酸化皮膜6の外表面を被覆するように固体電解質7が形成されている。具体的には、固体電解質7は、陰極層形成部3における弁作用金属基体1間の隙間、凹部5、および積層体9の外表面を被覆するように形成されている。
固体電解質7の材質は、例えば、チオフェン化合物、多環状スルフィド化合物、ピロール化合物、フラン化合物、アニリン化合物等を繰り返し単位として含む導電性高分子が挙げられる。
また、図1(B)、(C)、図2(A)、(C)に示すように、弁作用金属基体1の第1の主面12における陰極層形成部3に形成された凹部5には、導電体8が充填されている。
また、図1(A)、図2(A)、(C)に示すように、導電体8は、弁作用金属基体1の第1の主面12における陰極層形成部3に形成された凹部5に配置されるとともに、積層体9の外表面に形成された固体電解質7を被覆するように形成されている。
導電体8とは、固体電解質7に対し導電率が高いものであり、例えば銀、銅、ニッケルを含有するペースト皮膜、金属めっき皮膜が挙げられる。
以上のような構造の固体電解コンデンサ11では、陰極層に蓄積された電荷が、固体電解質7より導電率が高い導電体8を媒体として放出されるため、ESRを低減することができる。
また、導電体8は、弁作用金属基体1に形成された凹部5に形成されており、弁作用金属基体1の第1の主面12から実質的に突出しておらず、この場合には、固体電解コンデンサ11の小型化の妨げとなることが無い。
次に固体電解コンデンサ11の製造方法の一例を説明する。図3〜図5は、本発明に係る固体電解コンデンサ11の製造方法を示す斜視図である。また、図6〜図7は、本発明に係る固体電解コンデンサ11の製造方法を示す断面図である。図6(A)、(B)、(C)は、それぞれ図3(C)の線A−A、図4(A)の線B−B、図4(B)の線C1−C1およびC2−C2に沿う断面図である。また、図7(A)、(B)、(C)は、それぞれ図4(C)の線D−D、図5(A)の線E−E、図5(C)の線F−Fに沿う断面図である。以下では、図3〜図5に基づいて説明し、適宜図6〜図7を参照する。
まず、図3(A)に示すように、互いに対向する第1の主面12、第2の主面13、およびそれらを連接する側面14を有する箔状の弁作用金属基体1を準備する。
そして、弁作用金属基体1の長辺の一端から任意の長さの領域であって陽極端子となる領域を陽極引出部2、他端から任意の長さの領域であって容量形成部となる領域を陰極層形成部3と定義した。なお、陽極引出部2および陰極層形成部3の大きさは、固体電解コンデンサの所望の静電容量に応じて適宜設定すれば良い。
ここで、弁作用金属基体1の陰極層形成部3における表面は粗面化しておくことが好ましい。このようにすることで、固体電解コンデンサ11の静電容量をより大きくすることができる。
次に、図3(B)に示すように、弁作用金属基体1の第1の主面12に、弁作用金属基体1の長手方向の両端面に相当する二つの側面14に露出し、弁作用金属基体1の長辺と略平行になるように凹部5を形成する。
凹部5は、プレス、スクライブ、レーザー加工などによって形成することができ、幅0.5〜2.5mm、深さ10〜25μmであることが好ましい。
次に、図3(C)に示すように、弁作用金属基体1の第1の主面12、第2の主面13、および側面14の表面に誘電体酸化皮膜6を形成する(図6(A)参照)。
誘電体酸化皮膜6の形成方法は、例えば弁作用金属基体1を、リン酸、ホウ酸、アジピン酸等の電解液に浸漬し通電する陽極酸化法が挙げられる。
次に、図4(A)に示すように、弁作用金属基体1の第1の主面12、第2の主面13、および側面14に、陽極引出部2および陰極層形成部3を区分するための、帯状の絶縁層4を形成する(図6(B)参照)。
絶縁層4の形成方法は、例えば弁作用金属基体1の第1の主面12および第2の主面に、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、低分子量ポリイミドや、それらの誘導体や前駆体等の絶縁性樹脂を、弁作用金属基体1の第1の主面12、第2の主面13、および側面14に帯状に塗布した後に硬化させることが挙げられる。
次に、図4(B)に示すように、弁作用金属基体1を4枚積み重ね、弁作用金属基体1の陽極引出部2および陰極層形成部3の所定の領域にて、接合部10によって互いに接合することにより積層体9を形成する(図6(C)参照)。なお、図4(B)における、線C1に沿う断面図とC2に沿う断面図は同じ態様となる。また、図4(B)では接合部10の表記を省略している。
弁作用金属基体1同士の接合は、例えば、所定の領域にて抵抗溶接やレーザー溶接を行い、弁作用金属基体1を溶融させる。これにより、隣接する弁作用金属基体1に由来する溶融金属同士が直接接触し、表面張力などにより一体化し、その後、溶融金属が一体化した状態で固化させることによって行うことができる。
次に、積層体9を構成する弁作用金属基体1の陰極層形成領域3を、チオフェン化合物、多環状スルフィド化合物、ピロール化合物、フラン化合物、アニリン化合物等のモノマー溶液に浸漬した後に、酸化剤とドーパントの混合溶液に浸漬する操作を繰り返す。この操作によって、図4(C)に示すように、積層体9を構成する弁作用金属基体1における陰極層形成部3における誘電体酸化皮膜6の表面を被覆(すなわち、陰極層形成部3における弁作用金属基体1間の隙間および凹部5を充填し、積層体9の外表面を被覆)するように半硬化状態の固体電解質7Hが形成される。(図7(A)参照)。
ここで、弁作用金属基体1間の隙間は、表面が粗面化されている弁作用金属基体を用いている場合、単に弁作用金属基体1同士を重ね合わせるだけで、自然に形成される。
次に、図5(A)に示すように、凹部5に、後述する導電体8を配置する領域を確保するために、凹部5に充填されている半硬化状態の固体電解質7Hの一部を除去する(図7(B)参照)。ここで、凹部5に充填されている半硬化状態の固体電解質7Hは、後述する固体電解質7が、凹部5において、凹部5の容積に対し20〜70%の体積となるように除去することが好ましい。
半硬化状態の固体電解質7Hの一部を除去する方法として、例えば、弁作用金属基体1の陰極層形成部3側の側面14に露出している凹部5の端部から、流体(洗浄液、不活性気体等)14を注入し、半硬化状態の固体電解質7Hを押し出すことが挙げられる。このとき、絶縁層4の形成厚みが、陰極層形成部3に残留させる半硬化状態の固体電解質7Hの厚み以下となるように形成されていれば、流体に押し出される半硬化状態の固体電解質7Hは、弁作用金属基体1の陽極引出部側の側面14に露出している凹部5の端部より、積層体9の外部へ排出することができる。
また、弁作用金属基体1の陽極引出部に半硬化状態の固体電解質7Hが残留しないように、半硬化状態の固体電解質7Hの一部を除去した後に、弁作用金属基体1の陽極引出部を洗浄することが好ましい。
次に、半硬化状態の固体電解質7Hを乾燥して、図5(B)に示すように固体電解質7を形成する。
次に、図5(C)に示すように、導電体8を、凹部5に配置するとともに積層体9の外表面に形成された固体電解質7を被覆するように形成する(図7(C)参照)。導電体8の凹部5への配置および積層体9の外表面への形成は、積層体9における固体電解質11が形成されている領域を、銀、銅、ニッケル等を含有するペースト溶液に浸漬することにより、ペースト溶液を凹部5へ浸透させるとともに積層体外部に塗布し、その後、ペースト溶液を乾燥することによって行える。
以上のように、積層体を形成した後に、積層体を構成する弁作用金属基体に対し、固体電解質の形成および導電体の配置を一括して行うことにより、製造工程を効率化できる。
なお、導電体8は固体電解コンデンサ11の陰極として機能するため、弁作用金属基体1の陽極引出部2には形成されないようにする必要がある。
以上の工程で、固体電解コンデンサ11が作製される。
なお、以上の工程を経た後に弁作用金属基体1の陽極引出部に形成された誘電体酸化皮膜を除去した後に陽極外部端子を接続し、積層体9の外表面に形成された導電体8に陰極外部端子を接続し、その後、陽極外部端子および陰極外部端子の一部が露出した状態で、積層体9をエポキシ樹脂等の絶縁樹脂で封入しても良い。
なお、上記実施形態に示した固体電解コンデンサ及びその製造方法は一例であって、これ以外にも本発明の範囲内であれば種々の変形を行うことは差し支えない。
弁作用金属基体の第1の主面には複数の凹部が形成されていても良く、また、第1の主面および第2の主面の双方に形成されていても良い。
弁作用金属基体の剛性を妨げない範囲で、凹部の形成数および陰極層形成部の側面における露出部の面積を多くすることにより、積層体に占める導電体の形成量および導電体の引出部が多くなり、ESRを更に低減することができる。
また、弁作用金属基体の第1の主面や第2の主面における凹部の形成位置は、一端が弁作用金属基体の陰極層形成部における側面に露出している限り特に限定されず、上記実施形態に示すような、弁作用金属基体の長辺と略平行な位置関係に限定されるものではない。
また、弁作用金属基体の主面から投影した凹部の形状は、上記実施形態のように矩形であるものに限定されず、曲線部を含むような形状であっても良い。
また、凹部の断面形状は、導電体を配置しうる形状であれば特に限定されない。
また、積層体を構成する弁作用金属基体の全てに凹部が形成されている必要はなく、凹部が形成されている弁作用金属基体および凹部が形成されていない弁作用金属基体を併用して積層体を作製してもよい。
また、積層体を構成する弁作用金属基体の枚数や凹部が形成されている弁作用金属基体および凹部が形成されていない弁作用金属基体の構成比率は、固体電解コンデンサに求められる特性に応じて適宜設定することができる。
積層体を作製する際の、弁作用金属基体同士の接合位置、接合数は特に上記実施形態の接合形態に限定されるものではなく、例えば陽極引出部と陰極層形成部の一方のみに設けるようにしても良い。
また、誘電体酸化皮膜の形成は、積層体を形成した後に行っても良い。このようにすることで、弁作用金属基体同士を接合する際に、誘電体酸化皮膜を介さないため、弁作用金属基体間をより安定して接合することができる。
また、固体電解質の形成は、電解重合や導電性高分子化合物の溶解液を塗布する方法により行っても良い。電解重合で固体電解質の形成を行う場合には、凹部
における固体電解質が所望の体積まで形成した段階で形成を停止することができるため、上記実施形態で示した、凹部における半硬化状態の固体電解質の一部を除去する操作を省略することができる。
次に本発明に係る実施例を示す。この実施例は、上記発明の実施形態に沿ったものであり、適宜図1〜図7を参照して説明する。
幅3.5mm、長さ13mm、厚さ110μmのアルミニウム箔を4枚準備した。そして、アルミニウム箔の長辺の一端から6.2mmの領域を陽極引出部と定義し、他端から6mmの領域を陰極層形成部と定義した。
次に、このアルミニウム箔の一方主面から見て、短辺を2等分する線分を中心として幅1mm、深さ20μmの凹部を、端部がアルミニウム箔の長手方向の両端面に相当する側面に露出するように、レーザー加工によって形成した(図2(B)参照)。
次に、アルミニウム箔をアジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬し、アルミニウム箔を正極側、アジピン酸アンモニウム溶液中に設置した対極を負極とし、3.5Vの電圧を印加することによって、アルミニウム箔の表面に酸化アルミニウム皮膜を形成した。
次に、アルミニウム箔の陰極層形成部おける短辺から6.4mmの位置を中心として、ポリイミド樹脂を、幅0.8mmにて、アルミニウム箔の両主面、凹部内、および側面に塗布した。そして、180℃で1時間乾燥させることによってポリイミド樹脂硬化体からなる絶縁層を形成した。(図3(A)参照)。
次に、凹部、酸化アルミニウム皮膜、および絶縁層が形成されたアルミニウム箔を4枚積み重ねて積層体を作製した。
そして、アルミニウム箔の主面からみて、陽極引出部および陰極層形成部の長辺を2等分する線分上において、長辺から0.5mmおよび3.0mmの位置を抵抗溶接により接合することによって積層体を作製した。
次に、積層体を構成するアルミニウム箔における陰極層形成部を、3,4−エチレンジオキシチオフェンを含むイソプロパノール溶液に浸漬した後に、過硫酸アンモニウムとアントラキノン2スルホン酸ナトリウムの混合溶液に浸漬する操作を20回繰り返す。この操作によって、積層体を構成するアルミニウム箔における陰極層形成部に半硬化状態のポリエチレンジオキシチオフェンが形成される。
次に、凹部を充填するように形成された半硬化状態のポリエチレンジオキシチオフェンに対しエアーを噴射し、後述するポリエチレンジオキシチオフェンが凹部の容積に対し20%残留するように除去した。
次に、半硬化状態のポリエチレンジオキシチオフェンが塗布された積層体をオーブン中にて乾燥することにより重合反応を進行させ、ポリエチレンジオキシチオフェンを形成した。
次に、積層体におけるポリエチレンジオキシチオフェンが形成された領域を、銅ペースト溶液に浸漬し、乾燥することによって、銅ペースト皮膜を、凹部に配置するとともに積層体の外表面を被覆するように銅ペースト皮膜を形成した。
次に、アルミニウム箔の陽極引出部に陽極リードフレームを、積層体の外表面に形成された銅ペースト皮膜に陰極リードフレームを接続した。その後、リードフレームの一部が露出し、外形寸法7.3×4.3×1.9mmとなるようにエポキシ樹脂で封止することによって固体電解コンデンサを作製した。この固体電解コンデンサの体積、静電容量、体積容量効率、ESRを測定した結果を表1に示す。
(比較例1)
凹部が形成されていないアルミニウム箔を用いて、積層体を構成するアルミニウム箔間に銅ペースト皮膜を設けないようにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で固体電解コンデンサを作製した。この固体電解コンデンサの体積、静電容量、体積容量効率、ESRを測定した結果を表1に示す。
(比較例2)
凹部が形成されていないアルミニウム箔を準備して、アルミニウム箔の表面に酸化アルミニウム皮膜を形成した。そして、アルミニウム箔の陰極層形成部に、ポリエチレンジオキシチオフェン、カーボン含有層、銀含有層を形成した後に、4枚のアルミニウム箔の陽極引出部同士を接合して積層体を作製した。
次に、アルミニウム箔の陽極引出部およびアルミニウム箔の陰極層形成部に形成された銀含有層にリードフレームを接続し、その後、リードフレームの一部が露出し、外形寸法7.3×4.3×1.9mmとなるようにエポキシ樹脂で封止することによって固体電解コンデンサを作製した。
なお、アルミニウム箔の陰極層形成部へのカーボン含有層および銀含有層の形成は、酸化アルミニウム皮膜およびポリエチレンジオキシチオフェンが形成されたアルミニウム箔を、カーボンペースト溶液、銀ペースト溶液の順に浸漬して乾燥することによって行った。また、これら以外の構成は、実施例1と同様とした。
この固体電解コンデンサの体積、静電容量、体積容量効率、ESRを測定した結果を表1に示す。
Figure 0005754179
表1に示すように、本発明に係る実施例の固体電解コンデンサは、比較例1の固体電解コンデンサに対し、ESRを低減することができ、比較例2の固体電解コンデンサに対し体積容量効率を向上すなわち小型化することができた。
1 弁作用金属基体
2 陽極引出部
3 陰極層形成部
4 絶縁層
5 凹部
6 誘電体酸化皮膜
7 固体電解質
7H 半硬化状態の固体電解質
8 導電体
9 積層体
10 接合部
11 固体電解コンデンサ
12 第1の主面
13 第2の主面
14 側面

Claims (2)

  1. 互いに対向する第1の主面、第2の主面、およびそれらを連接する側面を有し、陽極引出部と陰極層形成部を有する弁作用金属基体を準備し、
    前記弁作用金属基体の複数を積み重ね、陽極引出部および/または陰極層形成部にて互いに接合する積層体形成工程であって、
    前記積層体形成工程は、前記積層体を構成する少なくとも1つ以上の弁作用金属基体の、第1の主面および/または第2の主面に、少なくとも陰極層形成領域を含み少なくとも一端が前記弁作用金属基体の陰極層形成部における側面に露出するように凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記積層体を構成する弁作用金属基体の少なくとも陰極層形成部における第1の主面、第2の主面、および側面に誘電体酸化皮膜を形成する誘電体皮膜形成工程とを含み、
    記弁作用金属基体の陰極層形成部における誘電体酸化皮膜を被覆するように、かつ前記弁作用金属基体にて挟まれた凹部を被覆するように固体電解質を形成する固体電解質形成工程と、
    前記固体電解質形成工程の後に、前記弁作用金属基体の陰極層形成部における、前記弁作用金属基体にて挟まれた凹部に導電体を配置する導電体配置工程を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記固体電解質形成工程は、前記積層体形成工程の後に実行されることを特徴とする、請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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