<物品販売装置の筐体構造>
図1は、物品を販売する物品販売装置の斜視図である。物品販売装置1は、物品販売機能とゲーム機能とを備える。つまり、物品販売装置1は、顧客により物品が購入されるとゲームを実行するゲーム機能付きの物品販売装置である。ゲーム機能に着目すれば、物品販売装置1は、ゲーム装置とも呼ぶことができる。ここでは、販売対象の物品をゲームカードと仮定するが本発明は他の物品(人形、ミニカーなどの玩具)が販売対象である場合にも適用できる。
展示部2は、販売中のカードのサンプルを展示する部分である。表示装置3は、カードの販売に関するガイダンスやゲーム画面を表示する装置である。例えば、ゲーム機能で実行されるゲームが、種類の異なる複数のゲームキャラクタ(S人、N人、U人)が対戦して勝ち負けを競うゲームであると仮定する。ゲームプレイヤーである顧客は自己のカードをカード販売装置1が備えるゲーム機能に提示することで、対戦相手(CPUまたは他の顧客)と対戦できるものとする。さらに、ゲーム内では、複数のゲームキャラクタによってチームを編成して、相手チームと対戦するものとする。また、各カードの第1面(表面)には、ゲームキャラクタの図柄が描画されており、第2面(裏面)にはゲームキャラクタ(ゲームカード)を識別するためのコンピュータが読み取り可能なコードが描画されているものとする。この場合、カードの販売戦略として、シリーズ第1弾ではS人に関する図柄のカードを販売し、シリーズ第2弾ではN人に関する図柄のカードを販売し、シリーズ第3弾ではU人に関する図柄のカードを販売する戦略を採用してもよい。あるシリーズの継続期間は、例えば、1ヶ月などである。展示部2には、現在において販売中のカードのサンプルが展示されることになる。これにより、顧客は、どのようなカードが販売されているのかを目視で確認できるようになる利点がある。カードは、例えば、紙や樹脂などを素材としている。以下では、このカードをゲームカードと呼ぶことにする。1枚以上のゲームカードを操作盤面に配置することで、対戦ゲームにおける防御フォーメーションや攻撃フォーメーションをCPUに対して指示することができる。
ICカードリーダライタ装置4は、顧客に貸与または販売されるICカードから情報を読み取ったり、情報を書き込んだりするための装置である。例えば、各ICカードには、顧客が選択したゲームキャラクタの画像(アバター)と、ゲーム機能で使用されるゲームパラメータ(経験値など)とが記憶されている。
音声出力装置5は、カードの販売に関するガイダンスやゲームに関連した音声および効果音などを出力する装置である。
コードリーダ部6は、操作部材に設けられたコードを読み取る読み取り手段や操作盤面に対する操作部材の位置を検知する位置検知手段として機能する。例えば、コードリーダ部6は、操作部材であるゲームカードの裏面に印刷されたコードを読み取るとともに、ゲームカードが置かれた位置を認識する装置である。コードリーダ部6は、1枚以上のカードを載置する透光性を有する天板と、ゲームカードに設けられたコードを読み取る読み取り部とを備えている。この天板は、操作者によって1つ以上の操作部材であるゲームカードが載置される操作盤面としても機能する。
表示装置3は、このコードに対応したゲームキャラクタの画像を表示する表示部として機能する。なお、コードは、磁気情報であってもよい。また、コードは電磁波(赤外線)や光によって通信されてもよい。このように、コードリーダ部6は、磁気情報の読み書き装置、電磁波(赤外線)や光の通信装置であってもよい。ゲームカードは、磁気カードや非接触型のICカードであってもよい。本発明において、各ゲームキャラクタの画像の表示位置は、操作盤面上における対応する各ゲームカードの配置位置と連動する。
操作部7は、ゲームカードの購入に関する顧客の選択指示やゲームの実行に関する顧客の指示を入力する入力装置である。コイン投入口8は、ゲームカードの対価である購入代金を投入するための投入口である。カード排出部9は、複数のゲームカード(物品)を収納するカード収納部(物品収納部)から、購入されたゲームカードを排出するための排出口を備えている。
図2は、ゲームカードを縦向きに展示した展示部2の正面図である。展示部2には、ゲームカードのサンプルを保持するホルダー部として機能するカードホルダー10が取り付けられる取り付け部として機能する複数のホルダー受部11が設けられている。ホルダー受部11は、例えば、展示部2を構成する板状部材に孔を穿孔することで形成される。なお、図2においては、ゲームカードを縦向きに展示できるよう、カードホルダー10も縦向きに固定されている。ゲームカードは略長方形の形状をしているため、4辺のうち2辺が長手であり、残りの2辺が短手となっている。
図3は、ゲームカードを横向きに展示した展示部2の正面図である。本発明では、カードホルダー10を縦向きと横向きの何れであっても展示部2に取り付けられるため、ゲームカードに描画される図柄の向きについての制限が緩和される。
図4は、縦向きのゲームカードと横向きのゲームカードとを混在して展示した展示部2の正面図である。本発明では、縦向きのゲームカードと横向きのゲームカードとを混在して展示できることも利点の一つである。
図5は、展示部2が備える複数の孔(ホルダー受部11)の間隔を説明するための図である。図5に示した展示部2には、カードホルダー10を固定するための孔状のホルダー受部11aないし11iが設けられている。なお、ホルダー受部11aないし11iに共通の事項を説明するときはサフィックスであるaないしiを省略し、単にホルダー受部11と称すことにする。
本発明では、複数のゲームカードをそれぞれ縦向きに展示したときの間隔が等間隔となり、複数のゲームカードをそれぞれ横向きに展示したときの間隔も等間隔となるようにホルダー受部11aないし11iの間隔を決定している。また、縦向きのカードと横向きのカードとが混在して配置される場合であっても、各カードができる限り均等配置になるように、ホルダー受部11aないし11iの間隔を工夫している。本発明の間隔でもってホルダー受部11aないし11iを配置することで、図4が示すように、縦向きのゲームカードと横向きのゲームカードとが混在しても見栄えが低下しにくいようになっている。
図5において、展示部2の左側辺からホルダー受部11aまでの距離a1は、展示部2の右側辺からホルダー受部11iまでの距離a10と等しい。また、距離a1およびa10は、カードホルダー10の側辺が展示部2の側辺と接しない程度の距離に設定されている。ホルダー受部11aないし11iの横方向の幅はd1となっている。
図2や図3から明らかなように、ホルダー受部11aないし11iのうちのいくつかは、カードホルダー10(ホルダー部)の向きが展示部2に対して第1方向(縦方向)となるようにホルダー部が取り付け部に取り付けられる際に使用される第1孔部と、ホルダー部の向きが展示部2に対して第1方向と90°異なる第2方向(横方向)となるようにホルダー部が取り付け部に取り付けられる際に使用される第2孔部である。図2、図5によれば、第1孔部は、ホルダー受部11a、11b、11d、11e、11f、11hおよび11iである。図3、図5によれば、第2孔部は、ホルダー受部11a、11c、11e、11gおよび11iである。これらから明らかなように、ホルダー受部11a、11eおよび11iは、ホルダー部を縦向きに取り付ける際にも横向きに取り付ける際にも使用される共用孔部である。
図5によれば、ホルダー受部11a、11b間の距離はa2であり、ホルダー受部11b、11c間の距離はa3であり、ホルダー受部11c、11d間の距離はa4であり、ホルダー受部11d、11e間の距離はa5であり、ホルダー受部11e、11f間の距離はa6であり、ホルダー受部11f、11g間の距離はa7であり、ホルダー受部11g、11h間の距離はa8であり、ホルダー受部11h、11i間の距離はa9である。展示部2におけるカードホルダーの配置は、美感の観点から、左右対称である。よって、a1=a10、a2=a9、a3=a8、a4=a7、a5=a6となっている。
全てのカードホルダー10が縦向き配置される際に使用されるホルダー受部間の間隔はa2に等しい。つまり、a2=a5=a6=a9が成立するだけでなく、a3+d1+a4=a7+d1+a8=a2が成立する。この間隔を第1間隔D1と呼ぶことにする(D1=a2)。
同様に、全てのカードホルダー10が横向き配置される際に使用されるホルダー受部間の間隔はa2+d1+a3に等しい。よって、a2+d1+a3=a4+d1+a5=a6+d1+a7=a8+d1+a9が成り立つ。この間隔を第2間隔D2と呼ぶことにする(D2=a2+d1+a3)。そして、第1間隔D1と第2間隔D2との比は、カードホルダー10の第1面(ゲームカード載置面)またはゲームカードのサンプルの横縦比(短手方向の長さDSと長手方向の長さDLとの比)に概ね一致している(図7)。例えば、ゲームカードのサンプルの横縦比が2:3であれば、第1間隔D1と第2間隔D2との比も2:3となる。
図6は、ホルダー部が備える軸が嵌合するホルダー受部の拡大図である。この例では、ホルダー受部11は、3つの開口部から構成されている。第1開口部20は、横の長さがd1であり、縦の長さがd2である矩形形状の開口部である。第1開口部20の形状は、カードホルダー10の本体30の裏面から延びた軸31の端部に結合されたヘッド部32の形状と相似となっている。第2開口部21の形状は、略逆台形状であり、逆台形部分の高さはd3である。第3開口部22は、横の長さがd5であり、縦の長さがd4である矩形形状の開口部である。第3開口部22の形状は、カードホルダー10の本体30の裏面から延びた軸31の断面形状と相似となっている。なお、ホルダー受部11の縦方向における長さはd0である。ホルダー受部11の嵌合面P1を構成する複数の辺のうち鉛直方向で最も下側に位置する底辺Ea1の形状は、カードホルダー10を横向きにも縦向きにも取り付けられるようにする上で重要である。なお、展示部2をカード販売装置1の筐体に取り付け、カード販売装置1を水平面に設置した状態で、底辺Ea1は、複数の辺のうち鉛直方向で最も下側に位置する辺となる。
図7は、カードホルダー10の上面図である。カードホルダー10の上面形状は略長方形の形状である。カードホルダー10のカード載置面(上面もしくは第1面と呼んでもよい)には、カードを支持するための2つ以上の支持部が設けられる。第1支持部25は、第1面の長手方向に沿って設けられ、カードのサンプルの長手方向に沿った縁である第1端部を支持する。とりわけ、第1支持部25は、カードのサンプルを横向きに展示する際に、サンプルが重力を受けてカードホルダー10から落下することを防止している。
第2支持部26は、第1面の短手方向に沿って設けられ、サンプルの短手方向に沿った縁である第2端部を支持する。とりわけ、第2支持部26は、カードのサンプルを縦向きに展示する際に、サンプルが重力を受けてカードホルダー10から落下することを防止している。
なお、図7においては、オプションとして、第1面の長手方向に沿って設けられ、カードのサンプルの長手方向に沿った第3端部を支持する第3支持部27が設けられている。また、図には示していないが、第1面の短手方向に沿って設けられ、サンプルの短手方向に沿った第4端部を支持する第4支持部が設けられてもよい。
図8は、カードホルダー10のA−A’方向における断面図である。カードホルダー10は、本体30を主要部としている。本体30のカード載置面S1はサンプルが載置される第1面である。このカード載置面S1には第1支持部25および第3支持部27が設けられており、これらの支持部の断面形状はL字形状となっている。つまり、第1支持部25および第3支持部27には、カードを挟み込んで支持するための支持溝33が設けられている。本体30の裏面S2側には軸31とヘッド部32が設けられている。つまり、軸31の一端には本体30の裏面(第2面)が結合しており、軸31の他端には軸の断面形状の面積よりも大きな面積の断面形状を有するヘッド部32が結合している。第1面の裏側に位置する第2面から軸が突出している。
図9は、カードホルダー10のB−B’方向における断面図である。図9において、第2支持部26の断面形状は逆L字形状である。つまり、第2支持部26にもカードを支持するための支持溝が形成されている。なお、第1支持部と第3支持部の何れか一方がL字形状であれば、第2支持部26の断面形状は単純なI字形状であってもよい。この場合、第2支持部は、支持溝を有しないことになる。よって、第2支持部の成形が簡略化される利点がある。なお、第4支持部を採用する場合は、第1支持部と第3支持部が支持溝を有し、第2支持部と第4支持部とが支持溝を有さなくてもよい。反対に、第1支持部と第3支持部が支持溝を有さず、第2支持部と第4支持部とが支持溝を有してもよい。
図8と図9から明らかなように、本体30の裏面または表面と平行な面で軸31とヘッド部32とを切断したときの断面形状(図10)はそれぞれ矩形となる。つまり、軸31の一辺の長さはb1であり他の辺の長さはc1である。b1=c1であれば、軸31の断面形状は正方形となる。ヘッド部32の一辺の長さはb0であり他の辺の長さはc0である。b0=c0であれば、ヘッド部32の断面形状は正方形となる。
図10は、カードホルダー10と、そのカード載置面に載置したカードのサンプルとを示す図である。ゲームカード35のサンプルが備える4つの辺のうち3つの辺が上述した支持部の支持溝によって支持される。
図11は、ホルダー受部11とそこに挿入されたヘッド部32を示した図である。ホルダー受部11の第1開口部20の面積は、ヘッド部32の断面形状の面積よりも大きな面積であることがわかる。また、第2開口部22の面積は、ヘッド部32の断面形状の面積よりも小さいことがわかる。図11に示した矢印の方向は略鉛直方向であるため、カードホルダー10を矢印方向にスライドさせることで、軸31が第2開口部22に嵌合する。
図12は、軸31が第2開口部22に嵌合した状態を示した図である。この図から、第2開口部22の面積は、軸31の断面形状の面積よりも大きな面積であることがわかる。軸31の断面形状に対応してホルダー受部11の形状を決定することで、カードホルダー10を縦向きでも横向きでもホルダー受部11に安定的に固定することができる。とりわけ、ゲーム機能を備えたカード販売装置1、顧客がゲームを楽しんでいる際にカード販売装置1の筐体に対して振動を加えることがある。よって、このような振動が加えられても、カードホルダー10が脱落しないよう、ホルダー受部11にしっかりと保持されなければならない。
図13、図14は、図11および図12に対応した横断面図である。ホルダー受部11を単純な打ち抜き孔とせずに、ヘッド部32の端面と係合する底部40をホルダー受部11が備えてもよい。底部40を設けることで、ホルダー受部11のヘッド部32が底部40の上を滑りながら、第1開口部20から第2開口部22へ移動する。よって、底部40は、ヘッド部32が円滑に移動するためのガイドとして機能する。つまり、カードホルダー10のホルダー受部11への取り付けと取り外しが容易となる。
図15は、カードホルダー10の軸31の断面形状と、ホルダー受部11の第2開口部22の形状と組み合わせについてのバリエーションを示した図である。本発明によれば、ホルダー受部11の嵌合面P1を構成する複数の辺のうち鉛直方向で最も下側に位置する底辺Ea1に対して当接する、カードホルダー10の軸31の断面形状を構成する辺であって、カードホルダー10を横向きに取り付ける際に底辺Ea1に当接する辺Eb1の形状と、カードホルダー10を縦向きに取り付ける際に底辺に当接する辺の形状Eb2とが、底辺Ea1の形状に対して略相似である。
例えば、図15(a)によれば、左から順番に、カードホルダー10を縦向けにした状態での軸31の断面形状、カードホルダー10を横向けにした状態での軸31の断面形状、および、ホルダー受部11の第2開口部22の形状が示されている。これらの断面形状が本体30の第2面と平行な面で軸31を切断して得られる軸31の断面形状であることはいうまでもない。本発明では、カードホルダー10を縦向きにも横向きにも取り付けられる必要があるため、カードホルダー10の軸31の断面形状と、ホルダー受部11の第2開口部22の形状にはある条件を満たすことが要求される。なお、軸31の断面形状は、ゲームカードのサンプルの載置面と平行な方向で軸31を切断したときの形状である。
図15(a)によれば、軸31の断面形状は正方形である。正方形の四隅は面取りされてアールがつけられていてもよい。カードホルダー10を縦向きにも横向きにも取り付け可能とするには、軸31の断面形状を構成する90°異なる2つの辺Eb1、Eb2の形状が、ホルダー受部11の第2開口部22の底辺Ea1(軸31の断面形状の辺と当接する辺)の形状と相似形状であればよい。なお、辺Eb1は本体30の第2面の長手方向と平行であり、辺Eb2は本体30の第2面の短手方向と平行である。つまり、ある条件は、第2面と平行な面で軸を切断して得られる軸の断面形状のうち、第2面の長手方向と平行な方向における第1形状と、第2面の短手方向と平行な方向における第2形状とが共通した形状であり、ホルダー受部として機能する孔部の形状のうち軸の第1形状の部分または軸の第2形状の部分と嵌合する部分の形状が、第1形状および第2形状と略相似の形状となっていることである。
図15(a)に示した軸31の断面形状は正方形であるため、90°異なる2つの辺はともに直線的な形状である。もちろん、第2開口部22の底辺も直線的な形状である。よって、これらは相互に相似となっている。このように、カードホルダー10を縦向きにも横向きにも取り付けるための条件は、軸31の断面形状を構成する2つの辺であって法線方向が90°異なる2つの辺の形状が、ホルダー受部11の第2開口部22の底辺の形状と相似であることである。
図15(b)によれば、軸31の断面形状として正八角形が示されている。正八角形を構成する8つの辺のうち、法線方向が90°異なっている2つの辺の形状は、第2開口部22の底辺に対して相似である。よって、カードホルダー10を縦向きにも横向きにも取り付けるための条件を満たしている。
図15(c)によれば、軸31の断面形状として直角二等辺三角形が示されている。図から明らかなように、直角二等辺三角形もカードホルダー10を縦向きにも横向きにも取り付けるための条件を満たしている。
図15(d)によれば、軸31の断面形状として台形が示されている。図から明らかなように、法線方向が90°異なる2つの辺が、第2開口部22の底辺に対して相似である。よって、この台形もカードホルダー10を縦向きにも横向きにも取り付けるための条件を満たしている。
図15(e)によれば、軸31の断面形状として正方形を45°オフセットした図形が示されている。この場合は、第2開口部22の底辺の形状を軸31の断面形状の形状に合わせて変更する必要がある。この図から、カードホルダー10を縦向きにも横向きにも取り付けるための条件は、軸31の断面形状を構成する2つの縁の一方が、軸31のを所定の回転位置から90°回転させたときに、他方の縁と重なることである。つまり、条件を一般化すると、方向が90°異なる2つの辺(縁)の形状が、第2開口部22の底辺(底縁)の形状に対して相似であることが条件となる。
図15(f)によれば、軸31の断面形状として十字形が示されている。図から明らかなように、方向が90°異なる2つの辺(縁)の形状が、第2開口部22の底辺(底縁)の形状に対して相似であることが条件となる。
図15(f)によれば、軸31の断面形状として十字形が示されている。図から明らかなように、方向が90°異なる2つの辺(縁)の形状が、第2開口部22の底辺(底縁)の形状に対して相似であることが条件となる。なお、図15(f)第2開口部22の底辺の形状を単純な直線としているが、十字形状の下半分と相似の形状としてもよい。この場合、カードホルダー10のホルダー受部11に対するガタツキを抑えやすくなろう。
図15(g)によれば、軸31の断面形状として、曲線を採用した略十字形が示されている。方向が90°異なる2つの辺(縁)の形状が、第2開口部22の底辺(底縁)の形状に対して相似であるため、カードホルダー10を縦向きにも横向きにも取り付けることができる。
図15(h)によれば、軸31の断面形状として、四菱字形が示されている。方向が90°異なる2つの辺(縁)の形状が、第2開口部22の底辺(底縁)の形状に対して相似であるため、カードホルダー10を縦向きにも横向きにも取り付けることができる。
このように、軸31の断面形状を構成する複数の辺(縁)のうち異なる2つの辺(縁)の形状が、第2開口部22の底辺(底縁)の形状に対して相似であれば、カードホルダー10を縦向きにも横向きにも取り付けることができる。なお、この条件を満たした2つの辺(縁)以外の残りの辺(縁)はどのような形状であってもよい。ただし、残りの辺(縁)に課される条件としては、軸31を第2開口部22に収容することを阻害しない形状であることである。
図16は、ホルダー受部11、軸31およびヘッド部32の変形例を示す図である。(a)は、軸31およびヘッド部32を角柱として一体成型し、ホルダー受部11を、角柱を収容できるようなボックスとした変形例を示している。角柱の断面形状(斜線部)と、それに対応するボックスの断面形状は相似である。つまり、角柱の断面形状を構成する、方向が90°異なる2つの辺(縁)の形状が、第2開口部22の底辺(底縁)に相当するボックスの断面形状に対して相似であるため、カードホルダー10を縦向きにも横向きにも取り付けることができる。
(b)は、ラッチ機構51を示している。ラッチ機構は、展示部2の平板に対して固定される固定部と、固定部に取り付けられた弾性体(板バネなど)を備えている。カードホルダー10のヘッド部32は、展示部2の平板と平行な面内で回転することができるが、ラッチ機構51によって縦向きまた横向きに強制される。これにより、カードホルダー10をホルダー受部11から取り外さなくても、カードホルダー10の向きを変更できる。
<カード販売装置の制御フロー>
図17は、カード販売装置の制御ユニットを示した図である。CPU61は、ROM62に記憶された各種プログラムとデータを読み出してゲーム機能とカード販売機能とを実現する。ROM62は不揮発性の記憶装置(リードオンリーメモリや、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなど)である。RAM63は、ワークエリアなどとして機能する揮発性の記憶装置(DRAMなど)である。
コイン検知部64は、コイン投入口8からコインが投入されたかどうかを検知するユニットであり、コインの投入を検知すると検知信号をCPU61に送出する。なお、コインは硬貨であってもよいし、硬貨と引き換えで貸与される遊戯用コインであってもよい。コイン検知部64は、Edy、WAON、Suica、PASMO、nanacoなどの電子マネーカード(電子ウォレット)からゲームカードの購入代金(対価)を徴収するICカードリーダライタ装置であってもよい。また、コイン検知部64は、クレジットカードからゲームカードの購入代金(対価)を徴収するICカードリーダライタ装置であってもよい。このように、コイン検知部64は、対価の支払いを検知する支払い検知部として機能する。
カード排出装置65は、CPU61が送信する排出命令を受信すると、不図示のカード収納部からカード排出部9へカードを1枚排出する。カード排出装置65は、対価の支払いが検知されると、カード収納部に収納されているカードを排出する排出部として機能する。
表示装置3は、CPU61からの表示命令にしたがって各種の画像や情報を表示する。ICカードリーダライタ装置4は、挿入されたICカードから読み出した情報をCPU61に転送したり、CPU61からのライト命令にしたがって情報をICカードへ書き込んだりする装置である。音声出力装置5は、CPU61からの出力命令にしたがって効果音や音声メッセージなどを出力する。音声出力装置5は、音声回路とスピーカを備えている。コードリーダ部6は、コードリーダ部6が備える透光性を有したカード配置フィールド面上に載置されたゲームカードの裏面に描画されたコードを読み取って復号するとともに、カード配置フィールド面上のどこにゲームカードが載置されているか認識して座標データを生成し、復号したデータと座標データをCPU61に送出する装置である。カード配置フィールド面は、上述した天板かつ操作盤面に相当する。操作部7は、複数のボタンスイッチを備え、各ボタンが押されているかいないかを示すボタン操作信号をCPU61に送出する。
[メインフロー]
図18は、ゲームカード販売処理を示すフローチャートである。S1801で、CPU61は、コインが投入されたかどうかを判定する。例えば、CPU61は、コイン検知部64からコインを検知したことを示すコイン検知信号を受信したかどうかを判定する。コインの投入を検知すると、S1802に進む。
S1802で、CPU61は、表示装置3にメニューを表示する。メニューはゲームカードの購入だけを実行するか、または、ゲームカードの購入とともにゲームをプレイするかを顧客(ゲームカードの購入者)に問い合せるためのメニューである。
S1803で、CPU61は、顧客がゲームをプレイすることを望んでいるかどうかを判定する。例えば、CPU61は、操作部7から入力された信号が、ゲームカードの購入だけを実行することを顧客が選択したことを示す選択信号か、または、ゲームカードの購入とともにゲームをプレイすることを顧客が選択したことを示す選択信号かを判断する。顧客がゲームをプレイしないことを選択したときは、ステップS1820に進む。
S1820で、CPU61は、ゲームカードを1枚排出することを示す排出命令をカード排出装置65へ送信する。カード排出装置65は、排出命令を受信すると、ゲームカードを一枚排出する。
S1821で、CPU61は、表示装置3にコイン投入ガイダンスを表示する。コイン投入ガイダンスには、例えば、顧客が追加でコインを投入するとさらにもう一枚のゲームカードを購入できることを示すメッセージが含まれている。
S1822で、CPU61は、コインが投入されたかどうかを判定する。コインが投入されたときは、S1820に戻る。一方、追加購入をしないことを示す明示的な信号が操作部7からCPU61へ入力されたり、一定時間が経過してもコインの投入を検知できなかったりしたときは、CPU61が、本フローチャートに係るゲームカードの販売処理を終了する。
一方、S1803で、顧客がゲームをプレイすることを選択したときは、ステップS1804に進む。なお、本発明のゲームは、複数のゲームキャラクタが味方チームと敵チームに分かれて対戦する対戦型のゲームであって、味方チームに所属するすべてのゲームキャラクタの体力を示す体力パラメータの総和がゼロになると味方チームを敗戦とし、敵チームに所属するすべてのゲームキャラクタの体力を示す体力パラメータの総和がゼロになると味方チームを勝利とCPU61が判定する対戦型のゲームである。
S1804で、CPU61は、表示装置3にICカード挿入ガイダンスを表示する。ICカード投入ガイダンスには、例えば、顧客に対してICカードをICカードリーダライタ装置4へ挿入するよう促すためのメッセージが含まれている。ICカードには、各ICカードを識別するための固有の識別情報と、顧客が選択したアバター(マイゲームキャラクタ)を示すアバター情報と、ゲームを実行することで獲得したゲームパラメータなどが書き込まれる。例えば、ゲームの内容が、コードリーダ部6に載置された複数のゲームカードに対応した複数のゲームキャラクタと、CPU61が用意した複数のゲームキャラクタとが対戦し、対戦結果に応じて顧客側のゲームキャラクタの経験値が上昇し、次回以降のゲームに経験値が反映されるものと仮定する。マイゲームキャラクタは、顧客によって選択される。
S1805で、CPU61は、ICカードがICカードリーダライタ装置4に挿入されると、ICカードリーダライタ装置4を通じてICカードから上述した各種の情報を読み出す。各種の情報には、アバター情報の一部として、例えば、マイゲームキャラクタが登録済みであるか否かを示す情報が含まれている。
S1806で、CPU61は、読み出したアバター情報に基づいてICカードにマイゲームキャラクタが登録されているかどうかを判定する。マイゲームキャラクタが登録されていれば、S1808に進む。マイゲームキャラクタが登録されていなければ、S1807に進む。
S1807で、CPU61は、マイゲームキャラクタの作成処理を実行する。CPU61は、表示装置3にマイゲームキャラクタの候補となる複数のゲームキャラクタを表示する。さらに、CPU61は、表示装置3に、そのうちのどれをマイゲームキャラクタとして選択するかを問い合せるためのメッセージを表示する。操作部7から何れか1つを選択したことを示す選択信号が入力されると、CPU61は、選択信号に対応したゲームキャラクタを示す識別情報を、ICカードリーダライタ装置4を通じてICカードへ書き込む。さらに、CPU61は、マイゲームキャラクタに付与する名前を操作部7から入力するよう顧客に促すメッセージを表示装置3に表示する。CPU61は、操作部7を通じて入力された名前を、ICカードリーダライタ装置4を通じてICカードへ書き込む。
S1807で、CPU61は、ゲームカードを1枚排出することを示す排出命令をカード排出装置65へ送信する。カード排出装置65は、排出命令を受信すると、ゲームカードを一枚排出する。
S1809で、CPU61は、表示装置3にコイン投入ガイダンスを表示する。コイン投入ガイダンスには、例えば、顧客が追加でコインを投入するとさらにもう一枚のゲームカードを購入できることを示すメッセージが含まれている。
S1810で、S1801と同様の判定手法を用いて、CPU61は、コインが投入されたかどうかを判定する。コインが投入されたときは、S1808に戻る。一方、追加購入をしないことを示す明示的な信号が操作部7からCPU61へ入力されたり、一定時間が経過してもコインの投入を検知できなかったりしたときは、S1811に進む。なお、CPU61は、投入されたコインの枚数をカウントしてRAM63に保持しておくものとする。コインの投入枚数には、上限枚数が設定されていてもよい。コインの投入枚数は排出されたゲームカードの枚数と相関がある。よって、コインの投入枚数をカウントする代わりに、排出したゲームカードの枚数をカウントしてもよい。このように、CPU61は、支払い検知部が検知した対価の総額または排出部が排出したカードの枚数をカウントするカウント部として機能する。
S1811で、CPU61は、パラメータパワーアップ処理を実行する。例えば、CPU61は、RAM63に保持されているコインの投入枚数に応じてゲームを有利にすすめられるようゲームパラメータを変更する。例えば、ゲームに登場しうるゲームキャラクタがN体(例:10体)存在し、そのうち味方側のグループに参加可能なゲームキャラクタの最大数がM体(例:5体)だと仮定する。つまり、顧客は、M枚の手持のゲームカードをコードリーダ部6の操作盤面上に同時に載置できるものとする。この仮定の下、CPU61は、ゲームに登場する複数のゲームキャラクタのうちから所定の選択規則にしたがって選択した1つ以上のゲームキャラクタに関連付けられているゲームパラメータを制御する。例えば、CPU61は、N体のうち少なくとも1体をランダムで選択し、選択したゲームキャラクタのゲームパラメータのうち少なくとも1つのパラメータを購入枚数に応じて上昇させる。つまり、CPU61は、ゲームに登場するゲームキャラクタに関連付けられた複数のゲームパラメータのうちから所定の選択規則にしたがって選択した1つ以上のゲームパラメータを制御する。どのゲームパラメータを選択するかを決定するための選択規則もランダムであってよい。ゲームパラメータやゲームキャラクタには識別番号が振られており、乱数関数によって取得された番号と一致する識別番号を付与されているゲームパラメータやゲームキャラクタをCPU61が選択する。なお、本発明は選択規則によって制限される発明ではないため、どのような選択規則が採用されてもよい。例えば、CPU61は表示装置3に複数のゲームキャラクタや複数のゲームパラメータを表示し、顧客にパワーアップの対象を選択させてもよい。CPU61は、操作部7を通じて入力された顧客の選択指示に対応したゲームキャラクタやゲームパラメータについてパワーアップを実行する。あるいは、顧客がコードリーダ部6に載置したゲームカードを検知し、検知したゲームカードに対応するゲームキャラクタのゲームパラメータをCPU61が増加させる。このようにすれば、顧客は自己が所有しているゲームカードのゲームキャラクタをパワーアップの対象として選択しやすくなる利点がある。
CPU61は、選択したゲームキャラクタの画像と、どのゲームパラメータがどれだけ上昇したかを示すメッセージを表示装置3に表示してもよい。なお、購入枚数に応じたゲームパラメータのパワーアップは、今回のゲームに限ったものに過ぎない。CPU61は、ICカードから読み取ったゲームパラメータに対してパワーアップ分の値を加算するが、ゲーム終了時にICカードに書き込まれるゲームパラメータにはパワーアップ分の値を加算しないものとする。つまり、ゲームを実行するたびにその際の購入枚数に応じてパワーアップボーナスの値が変動することになる。ただし、経験値パラメータについてはゲームの勝敗に応じて値をCPU61が増加して、ICカードに書き込む。
このように、CPU61は、カウント部がカウントしたカウント値が多ければ多いほどゲーム機能が使用するゲームパラメータを顧客にとってより有利な値に制御するゲームパラメータ制御部として機能する。また、CPU61は、購入枚数に応じたパワーアップを今回限りのものとするために、ゲームが終了すると、ゲームパラメータの制御結果を破棄してもよい。なお、CPU61は、カウント値が1枚のカードの対価に相当する値であるときはゲームパラメータの制御を実行せず、カウント値が2枚以上のカードの対価に相当する値であるときはゲームパラメータの制御を実行してもよい。つまり、CPU61は、購入枚数が1枚のときはパワーアップを実行せず、購入枚数が2枚以上であればパワーアップを実行する。これにより、より多くのゲームカードを購入してもらいやすくなろう。このように本発明によれば、商品を購入することで付与される利益を今回のゲームプレイにおいて顧客が利用できるようになる。また、商品の購入数に応じてパラメータが増加するための、商品の販売促進に寄与すると考えられる。とりわけ、1枚だけの購入の際はインセンティブを付与せず、2枚目以降からインセンティブを付与すれば、一人の顧客が2枚以上購入する確率が上昇し、売上も数倍に増えることが期待される。
なお、ゲームに参加するゲームキャラクタは顧客がどのゲームカードをコードリーダ部6の天板(操作盤面)に配置するかによって決定される。そのため、パワーアップの対象となったゲームキャラクタに対応したゲームカードを顧客が所有していない場合や、そのゲームカードを天板(操作盤面)に配置しない場合もあろう。上述したように各ゲームカードの裏面には識別情報をコード化したコードが印刷されている。よって、CPU61は、読み取り部によって取得されたコードがゲームパラメータの制御の対象となったゲームキャラクタを示すコードかどうかを判定し、読み取り部によって取得されたコードがゲームパラメータの制御の対象となったゲームキャラクタを示すコードであれば、ゲームキャラクタに関連付けられたゲームパラメータの値を増加するようにしてもよい。
S1812で、CPU61は、ゲーム処理を実行する。ゲーム処理の詳細については後述する。
S1813で、CPU61は、ゲームの結果に対応して更新したゲームパラメータを、ICカードリーダライタ装置4を通じてICカードへ書き込む。
S1814で、CPU61は、ICカードを排出するための排出命令をICカードリーダライタ装置4へ送信する。ICカードリーダライタ装置4は、排出命令を受信すると、ICカードを排出する。
[ゲーム処理のフロー]
図19は、ゲーム処理を示したフローチャートである。本フローチャートは、S1812に対応している。
図20は、ゲームカード配置フィールドと表示画面の一例を示した図である。図20に示すように、ゲームカード配置フィールドは、コードリーダ部6の天板上に設けられている。この天板は透光性を有している。図20によれば、コードリーダ部6の天板上に形成されたゲームカード配置フィールドには5枚のカードが配置されている。ゲームカード配置フィールドは、トップ領域72a、ミドル領域72b、ボトム領域72cといった3つの領域から構成されている。顧客は、CPU61がゲームを実行している最中にゲームカード配置フィールドのどこにゲームカードを配置するかによって、ゲームの戦略を立案することになる。トップ領域72aおよびミドル領域72bは、フィールドにおいて前方の領域であり、攻撃ゾーンである。一方、ボトム領域72cは、フィールドにおいて後方の領域であり、支援ゾーンである。なお、この領域の概念は、ゲームカード配置フィールドだけでなく、ゲームフィールド70においても適用される概念である。つまり、ゲームカード配置フィールドの各領域は、ゲームフィールド70の各領域に対応している。
ゲームキャラクタは、複数のゲームパラメータを有している。体力パラメータは、相手から攻撃を受けると減少するパラメータである。本ゲームでは、味方チームに属しているすべてのゲームキャラクタの体力がゼロになるか、相手チームに属しているすべてのゲームキャラクタの体力がゼロになると、CPU61は、ゲームを終了する。攻撃力パラメータは、一回の攻撃によって相手に与えるダメージ(体力パラメータの減少率)を決定するパラメータである。防御力パラメータは、一回の防御によって相手から攻撃によるダメージを相殺(削減)するパラメータである。攻撃力パラメータと防御力パラメータは、経験値パラメータに連動して上昇する。なお、経験値パラメータは、ICカードに記憶されており、ゲームをするたびにCPU61によって増加されるパラメータである。気力パラメータは、攻撃の成功確率や攻撃力の高い攻撃パターンを繰り出す確率に相当するパラメータである。気力パラメータは、ゲームキャラクタに対応したゲームカードがトップ領域72aに配置されている場合、CPU61によって、時間の経過とともに第1レベルずつ減少する。ゲームキャラクタに対応したゲームカードがミドル領域72bに配置されている場合、CPU61は、時間の経過とともに第2レベルずつ気力パラメータを減少させる。ここで、第1レベルは、第2レベルよりも大きい値である。つまり、ゲームカードを前方に配置すればそのゲームキャラクタの攻撃力は高まるものの、それと引き換えに気力パラメータが減少する。CPU61は、気力パラメータがゼロになってしまったゲームキャラクタを攻撃順番から除外し、攻撃できないようにする。ただし、ゲームキャラクタのゲームカードがボトム領域72cに移動されたことを検知すると、CPU61は、そのゲームキャラクタの気力パラメータを増加させる。つまり、ボトム領域72cは、回復エリアとして機能する。このように、CPU61は、トップ領域72a、ミドル領域72b、ボトム領域72cといった3つの領域のどこにゲームカードが配置されたかによってゲームキャラクタを攻撃に参加させるのか気力の回復に当たらせるのかを決定する。つまり、CPU61は、フィールドの画像が表示されている間に操作者によって操作された操作部材の位置に基づいて各ゲームキャラクタのゲームにおける行動を決定する行動決定手段として機能する。
S1901で、CPU61は、1枚以上のゲームカードをゲームカード配置フィールドに配置するよう顧客に促すためのメッセージを表示装置3に表示する。
S1902で、CPU61は、ゲームカードの読み取り処理を実行する。例えば、コードリーダ部6は、ゲームカード配置フィールドに配置されたゲームカードの背面に形成されているコードを、天板を介して読み取る。コードリーダ部6は、CCD撮像素子またはC−MOS撮像素子などの画像読取装置と、コードの画像を画像読取装置へ結像するための結像光学系を備えている。コードリーダ部6は、ゲームフィールド上における各ゲームカードの位置とコードとを示す画像データをCPU61に転送する。コードリーダ部6自体が画像を解析してコードを復号したり、ゲームカードの位置を算出したりしてもよいが、ここでは、CPU61が復号と算出を実行するものとする。
S1903で、CPU61は、コードリーダ部6から受信した画像データを解析し、ゲームキャラクタの識別情報を特定する。画像データには、ゲームキャラクタの識別情報を示すメロンコードなどの2次元コードが印刷されている。よって、CPU61は、このコードを復号することで、ゲームキャラクタの識別情報を取得できる。
S1904で、CPU61は、コードリーダ部6から受信した画像データを解析し、ゲームカード配置フィールド上における各ゲームカードの位置を特定する。画像データは、ゲームカード配置フィールドを下側から撮像して得られた画像データである。そこで、CPU61は、画像データにおける2次元コードの座標を取得して、取得した座標をゲームキャラクタの位置として決定する。
S1905で、CPU61は、各ゲームカードに対応したゲームキャラクタの画像を表示装置3に表示する。ROM62には、複数のゲームキャラクタのそれぞれに対応した画像データと識別情報とが対応付けて記憶されている。CPU61は、コードから復号したゲームキャラクタの識別情報に対応した画像データを読み出し、ゲームカード配置フィールド上における各ゲームカードの配置位置(配置座標)に対応した表示画面上の表示位置(表示座標)に画像データを表示する。このように、表示装置3は、操作盤面に対応したフィールドの画像を表示するとともに、位置検知手段により検知された操作部材の位置に対応した表示座標にコードに対応したゲームキャラクタの画像を表示する表示手段として機能する。
図20によれば、コードリーダ部6の天板上に形成されたゲームカード配置フィールドには5枚のカードが配置されている。5枚のうち1枚はマイゲームキャラクタに対応したゲームカードである。本実施形態では、ICカードとマイゲームキャラクタを呼び出すためのゲームカードとはセットで販売ないしは貸与されるものとする。つまり、ICカードに記憶されているICカードの識別情報と、ゲームカードの裏面に印刷されているコード化された識別情報は同一または関連付けられた情報である。ゲームカードの裏面に印刷されているコード化された情報は、ICカードに記憶されているマイゲームキャラクタを呼び出すことをCPU61に指示するためのコードであってもよい。
図20によれば、トップ領域72aの左と中央には、ゲームカード35aと、ゲームカード35bが配置されている。よって、CPU61は、ゲームカード35aに対応した各ゲームキャラクタ71aをゲームフィールド70の上段の左に表示している。また、CPU61は、ゲームカード35bに対応した各ゲームキャラクタ71bをゲームフィールド70の上段の中央に表示している。図20から明らかなように、ゲームカード配置フィールドとゲームフィールド70も対応している。つまり、ROM62には、ゲームカード配置フィールドにおけるカード配置座標のデータをゲームフィールド70における表示座標のデータに変換するためのテーブルが記憶されている。CPU61は、このテーブルを用いてゲームカードの配置座標をゲームキャラクタの表示座標に変換する。ミドル領域72bの右には、ゲームカード35cが配置されている。よって、CPU61は、ゲームフィールド70の中段の右にゲームキャラクタ71cを表示している。ボトム領域72cの左と右には、ゲームカード35d、35eがそれぞれ配置されている。よって、CPU61は、ゲームフィールド70の下段の左にゲームキャラクタ71dを表示し、下段の右にゲームキャラクタ71eを表示している。CPU61は、ゲーム中にも各ゲームカードの位置を検知し、検知した位置に応じて各ゲームキャラクタの表示座標を変更する。
CPU61は、操作盤面に配置された操作部材に対応したゲームキャラクタを味方チームに所属させるために、ゲームキャラクタの識別情報を味方チームの識別情報と関連付ける。図20によれば、ゲームカード35aないし35eから読み出されたコードが味方チームを表す識別情報と関連付けてRAMに記憶される。
S1906で、CPU61は、ゲームにおいて顧客の味方チームが対戦することになるコンピュータ側のチーム(敵チーム)を構成するゲームキャラクタを決定する。例えば、CPU61は、ゲームカード配置フィールドに配置されたゲームカードの枚数と同数のゲームキャラクタを乱数によって選択する。なお、選択されたゲームキャラクタのゲームパラメータは、ICカードから読み取った顧客の経験値パラメータに応じて決定する。ROM62には、経験値パラメータと、ゲームキャラクタのゲームパラメータとが関連付けられて記憶されているものとする。このように、味方チームのゲームパラメータも相手チームのゲームパラメータも顧客の経験値パラメータに対応して決定されるため、両者は戦力的に拮抗したチーム編成となる。
S1907で、CPU61は、選択した相手ゲームキャラクタの画像データをROM62から読み出して表示装置3に表示する。CPU61は、対戦相手のゲームキャラクタの画像データとともに、各ゲームキャラクタのゲームパラメータを表示装置3に表示してもよい。
S1908で、CPU61は、対戦処理を実行する。対戦処理の詳細については後述する。
S1909で、CPU61は、ゲームが終了したことを示すメッセージや画像を表示装置3に表示する。CPU61は、今回のゲームによって獲得した経験値を表示装置3に表示してもよい。また、ゲームパラメータのひとつである友情パラメータの値も表示してもよい。友情パラメータは、マイゲームキャラクタと、他のゲームキャラクタとの関係を示すパラメータであり、一緒にチームを組んで戦うごとにCPU61によって増加されるパラメータである。つまり、CPU61は、ゲームが終了すると、味方チームに参加したゲームカードの識別情報と、その友情パラメータとを関連付けてICカードに書き込む。CPU61は、友情パラメータが所定値を超えると、攻撃力の高い攻撃方法を選択する確率を一次的に上昇させてもよい。
[対戦処理]
図21は、対戦処理を示すフローチャートである。対戦処理にはいくつかの特徴がある。1つめの特徴は、攻撃ゾーン(トップ領域72aおよびミドル領域72b)に第1のゲームキャラクタが位置し、その後方、かつ、支援ゾーン(ボトム領域72c)に第2のゲームキャラクタが位置している場合、第1のゲームキャラクタの攻撃力を増大させることである。これにより、あたかも第2のゲームキャラクタが第1のゲームキャラクタの攻撃を支援しているような演出を実現できる。なお、攻撃ターンから防御ターンに移行したときにこの条件が満たされている場合、第1のゲームキャラクタの防御力を増大させてもよい。
2つ目の特徴は、ゲームカードがゲームカード配置フィールドの前方に位置していればいるほどそのゲームカードに対応したゲームキャラクタの攻撃力が増大することである。なお、防御ターンにおいては、ゲームカードがゲームカード配置フィールドの後方に位置していればいるほどそのゲームカードに対応したゲームキャラクタの防御力が増大してもよい。
3つめの特徴は、各ゲームキャラクタの行動を決定する際にはゲームフィールド70を表示装置3に表示し、攻撃や防御の際にはゲームフィールドを消去し、実際に攻撃を行うゲームキャラクタと防御するゲームキャラクタとを表示するように表示画面を切り替えることである。
S2101で、CPU61は、味方チームの攻撃ターンにおいて攻撃を実行するゲームキャラクタを決定する。例えば、味方チームがi体のゲームキャラクタから構成されている場合、乱数によって1体のゲームキャラクタを選択する。なお、ゲームフィールドにおいてトップ領域72aに表示されているゲームキャラクタから順番にCPU61がゲームキャラクタを選択してもよい。同一の領域に複数のゲームキャラクタが表示されている場合は、より左側に表示されているゲームキャラクタを先に選択してもよい。一方で、CPU61は、相手チームにおいて攻撃対象となるゲームキャラクタも乱数を用いて一体のゲームキャラクタを選択する。
S2102で、CPU61は、ゲームフィールド70の表示を消去し、味方チームから選択したゲームキャラクタと、相手チームから選択したゲームキャラクタとをクローズアップ表示する。このように、CPU61は、ゲームにおいて攻撃のシーン又は防御のシーンを表示する際には、フィールドの画像を消去してから攻撃のシーン又は防御のシーンの画像に表示を切り替える表示制御手段として機能する。
図22は、戦闘表示の一例を示す図である。戦闘表示においては、味方チームから選択したゲームキャラクタ71bと、相手チームから選択したゲームキャラクタ73とがクローズアップして表示装置3に表示される。
S2103で、CPU61は、選択したゲームキャラクタの表示座標または対応するゲームカードの配置座標に基づいて、味方チームから選択したゲームキャラクタがトップ領域72aに表示されているかどうかを判定する。つまり、CPU61は、操作部材の位置が操作盤面における操作者から遠い側の端部から所定の位置までの範囲にあれば、操作部材が前方の領域に配置されていると認識する。ゲームキャラクタがトップ領域72aに表示されていれば、S2104に進む。
S2104で、CPU61は、選択したゲームキャラクタのゲームパラメータのうち攻撃力パラメータを所定値a1だけ増加させる。記憶装置であるROM62は、複数のゲームキャラクタのそれぞれについて、ゲームパラメータとして、体力パラメータと、相手チームに攻撃を加えたときに相手チームに対するダメージを示す攻撃力パラメータとを記憶している。ゲームの実行中において各ゲームパラメータはROM62から読み出されて、RAM63に保持される。そして、CPU61は、味方チームに所属するゲームキャラクタの攻撃力パラメータを、ゲームキャラクタに対応した操作部材が操作盤面においてより前方に配置されるほど、より高い値に制御する。このように、CPU61は、操作盤面に対する操作部材の位置に応じてゲームキャラクタに関連付けられたゲームパラメータを制御するゲームパラメータ制御手段として機能する。
S2105で、CPU61は、選択したゲームキャラクタのゲームパラメータのうち気力パラメータを所定値a1だけ削減する。このように、CPU61は、操作盤面において前方の領域に配置されている操作部材に対応したゲームキャラクタのゲームパラメータのうち気力を示す気力パラメータの値を時間の経過にしたがって削減してゆく。よって、攻撃力パラメータの増加量と、気力パラメータの削減量とはトレードオフの関係にあり、ゲームの戦略を練る上で顧客に考える楽しみを付与できる。
S2106で、CPU61は、選択したゲームキャラクタの後方であって、かつ、ボトム領域72cに他のゲームキャラクタが存在するかどうかを判定する。この判定は、複数の操作部材が操作盤面に配置されたことで対応する複数のゲームキャラクタの画像が表示手段に表示されている場合に実行される。また、この判定は、各ゲームキャラクタの表示座標を比較するか、対応するゲームカードの配置座標を比較することで、実行できる。図22に示したように、ゲームキャラクタ71aの後方のボトム領域72cには他のゲームキャラクタ71dが存在する。よって、CPU61は、ゲームキャラクタ71aには後方支援キャラクタが存在すると判定する。同様に、CPU61は、ゲームキャラクタ71cには後方支援キャラクタが存在すると判定する。一方、図22に示したように、ゲームキャラクタ71bの後方のボトム領域72cには他のゲームキャラクタが存在しない。よって、CPU61は、ゲームキャラクタ71bには後方支援キャラクタが存在しないと判定する。後方支援キャラクタが存在すれば、S2107に進み、存在しなければ、S2107をスキップしてS2108に進む。
S2107で、CPU61は、攻撃力パラメータを所定値a3だけ増加させる。このように、CPU61は、複数のゲームキャラクタのうち、第1ゲームキャラクタの画像の表示座標がフィールドにおいて前方に配置されていることを示し、かつ、第2ゲームキャラクタの画像の表示座標がフィールドにおいて後方(もしくは後方かつ真後ろ)に配置されていることを示していると判定すると、ゲームにおいて、第1ゲームキャラクタのゲームパラメータを操作者(顧客)にとって有利となる値に変更する。なお、a1とa3は、同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。CPU61は、攻撃力パラメータを増加させる際に、後方のゲームキャラクタが前方のゲームキャラクタを支援していることを表した画像を表示してもよい。
図23は、支援演出の一例を示す図である。相対的に前方に位置するゲームキャラクタ71aは、相対的に後方に位置するゲームキャラクタ71によって支援されていることを示す画像74をCPU61は表示装置3に表示している。
S2108で、CPU61は、攻撃処理を実行する。攻撃処理では、CPU61が攻撃側のゲームキャラクタの攻撃力パラメータatkと、防御側のゲームキャラクタの防御力パラメータdefとの差分をダメージ値として決定する。ダメージ値には所定の係数が乗算されてもよい。CPU61は、防御側のゲームキャラクタの体力パラメータからダメージ値を減算する。
S2109で、CPU61は、味方チームが勝利したか否かを判定する。CPU61は、味方チームの総和と敵チームの総和とのうちどちらが先にゼロになったかどうかを判定することで、勝敗を判定する手段として機能する。また、CPU61は、敵チームに所属するすべてのゲームキャラクタの体力パラメータの総和を算出する手段として機能する。さらに、CPU61は、相手チームを構成するすべてのゲームキャラクタの体力パラメータの総和がゼロになったかどうかを判定する。総和がゼロであれば、CPU61は、味方チームが勝利したと判定する。勝利した場合、S2112に進み、まだ、勝利していない場合、S2110に進む。
S2110で、CPU61は、相手チームからの攻撃に対する防御処理を実行する。防御処理の詳細については後述する。防御処理が終了すると、S2111に進む。
S2111で、CPU61は、味方チームが敗戦したかどうかを判定する。CPU61は、味方チームに所属するすべてのゲームキャラクタの体力パラメータの総和を算出する手段として機能する。例えば、CPU61は、味方チームを構成するすべてのゲームキャラクタの体力パラメータを加算して算出した総和がゼロになったかどうかを判定する。総和がゼロであれば、CPU61は、味方チームが敗戦したと判定する。敗戦した場合、S2112に進み、まだ、敗戦していない場合、S2101に戻る。S2101で、CPU61は、ゲームフィールド70と各ゲームキャラクタを表示し、次の攻撃を実行するゲームキャラクタを選択する。これ以降の処理は、既に説明したとおりである。
一方、S2103で、選択したゲームキャラクタがトップ領域72aに存在しないと判定すると、S2120に進む。
S2120で、CPU61は、選択したゲームキャラクタの表示座標または対応するゲームカードの配置座標に基づいて、選択したゲームキャラクタがミドル領域72bに存在するか否かを判定する。CPU61は、操作部材の位置が操作盤面における操作者から遠い側の端部から所定の位置までの範囲にあれば、操作部材が前方の領域に配置されていると認識する。選択したゲームキャラクタがミドル領域72bに存在すれば、S2121に進む。
S2121で、CPU61は、選択したゲームキャラクタの攻撃力パラメータを所定値a2だけ増加させる。ここで、a2はa1よりも小さい値である。よって、本実施形態では、ゲームフィールドにおいてより前方に位置しているゲームキャラクタほど、攻撃力パラメータが上昇することになる。このように、CPU61は、操作盤面に対する操作部材の位置に応じてゲームキャラクタに関連付けられたゲームパラメータを制御するゲームパラメータ制御手段として機能する。
S2122で、CPU61は、選択したゲームキャラクタの気力パラメータを所定値a2だけ削減する。つまり、CPU61は、操作盤面において前方の領域に配置されている操作部材に対応したゲームキャラクタのゲームパラメータのうち気力を示す気力パラメータの値を時間の経過にしたがって削減してゆく。a2はa1よりも小さい値であるため、ミドル領域72bに存在するゲームキャラクタの気力パラメータの減少率は、トップ領域72aに存在するゲームキャラクタの気力パラメータの減少率よりも小さくなる。その後、S2106に進む。
一方で、S2120で、選択したゲームキャラクタがミドル領域72bに存在しないと判定すると、S2130に進む。つまり、この場合は、選択したゲームキャラクタがボトム領域72cに存在していると判定される。よって、CPU61は、操作部材の位置が操作盤面における操作者に近い側の端部から所定の位置までの範囲にあれば、操作部材が後方の領域に配置されていると認識する。
S2130で、CPU61は、選択したゲームキャラクタの気力パラメータを所定値c1だけ増加させる。つまり、ボトム領域72cにゲームカードを配置されたゲームキャラクタの気力はc1ずつ回復することになる。このように、CPU61は、操作盤面において後方の領域に配置されている操作部材に対応したゲームキャラクタの気力パラメータの値を、操作部材が後方の領域に配置されている間、時間の経過にしたがって回復する手段として機能する。その後、S2110に進む。
図24は、防御処理の一例を示すフローチャートである。この防御処理は、S2110に対応している。
S2401で、CPU61は、味方チームの防御ターンにおいて防御を実行するゲームキャラクタを表示する。この際の表示画面は図22に示したとおりである。また、CPU61は、相手チームにおける攻撃実行キャラクタを決定する。相手チームがi体のゲームキャラクタから構成されている場合、乱数によって1体のゲームキャラクタを選択する。
S2402で、CPU61は、味方チームから選択したゲームキャラクタがトップ領域72aに表示されているかどうかをゲームキャラクタの表示座標に基づいて判定する。ゲームキャラクタがトップ領域72aに表示されていれば、S2403に進む。
S2403で、CPU61は、選択したゲームキャラクタのゲームパラメータのうち気力パラメータを所定値a1だけ削減する。
S2404で、CPU61は、選択したゲームキャラクタの後方であって、かつ、ボトム領域72cに他のゲームキャラクタが存在するかどうかを表示座標に基づいて判定する。この判定は、S2106と同様の判定処理である。後方支援キャラクタが存在すれば、S2405に進み、存在しなければ、S2405をスキップしてS2406に進む。
S2405で、CPU61は、防御力パラメータを所定値b1だけ増加させる。CPU61は、防御力パラメータを増加させる際に、後方のゲームキャラクタが前方のゲームキャラクタを支援していることを表した画像を表示してもよい(図23)。
S2406で、CPU61は、防御演算と防御表示を実行する。防御処理では、CPU61が攻撃側のゲームキャラクタの攻撃力パラメータatkと、防御側のゲームキャラクタの防御力パラメータdefとの差分をダメージ値として決定する。ダメージ値には所定の係数が乗算されてもよい。CPU61は、防御側のゲームキャラクタの体力パラメータからダメージ値を減算する。その後、図21に示したS2111に進む。
一方、S2402で、選択したゲームキャラクタがトップ領域72aに存在しないと判定すると、S2410に進む。
S2410で、CPU61は、選択したゲームキャラクタがミドル領域72bに存在するか否かを判定する。選択したゲームキャラクタがミドル領域72bに存在すれば、S2411に進む。
S2121で、CPU61は、選択したゲームキャラクタの防御力パラメータを所定値b2だけ増加させる。上述したように、トップ領域72aに位置しているゲームキャラクタについては防御力パラメータを増加させてはいない。つまり、より後方に位置するゲームキャラクタほど、防御力が増加することになる。
S2412で、CPU61は、選択したゲームキャラクタの気力パラメータを所定値a2だけ削減する。a2はa1よりも小さい値であるため、ミドル領域72bに存在するゲームキャラクタの気力パラメータの減少率は、トップ領域72aに存在するゲームキャラクタの気力パラメータの減少率よりも小さくなる。その後、S2404に進む。
一方で、S2410で、選択したゲームキャラクタがミドル領域72bに存在しないと判定すると、S2420に進む。
S2420で、CPU61は、選択したゲームキャラクタの防御力パラメータを所定値b3だけ増加させる。ここで、b3は、b2よりも大きな値である。つまり、ボトム領域72cに存在するゲームキャラクタの防御力パラメータの増加率は、ミドル領域72bに存在するゲームキャラクタの防御力パラメータの増加率よりも多くなる。
S2421で、CPU61は、選択したゲームキャラクタの気力パラメータを所定値c1だけ増加させる。つまり、ボトム領域72cにゲームカードを配置されたゲームキャラクタの気力はc1ずつ回復することになる。その後、S2406に進む。
本発明によれば、顧客によって操作盤面に配置された操作部材から読み出されたコードに対応するゲームキャラクタが、操作部材の位置に応じて表示されるとともに、その位置に応じてゲームパラメータを制御するようにした。つまり、操作盤面に対する操作部材の位置に応じてゲームキャラクタのゲームパラメータを制御できるようになる。
とりわけ、本発明では、ゲームカードを顧客に販売してそれをゲームの操作部材として利用し、表示装置にはゲームカードに対応したゲームキャラクタを表示するようにした。よって、本発明では、単にディスプレイ装置に表示されるバーチャルのカードでは提供不可能な、顧客の収集の喜びを提供できる。ゲームカード自体が操作部材であるため、顧客は、ゲームカードを手に取って直接動かすことができる利点もある。さらに、本発明では、顧客が配置したリアルのカードの位置に応じて、ゲームキャラクタゲームパラメータを制御することもできる。
さらに本発明では、操作盤面上で対戦ゲームにおける前衛と後衛とを実現できるため、対戦の臨場感を体感しやすくなっている。とりわけ、操作盤面において操作部材の位置が前方であればあるほど、攻撃力が増すため、攻撃フォーメーションを感覚的に顧客が立案しやすくなろう。また、前衛となるゲームキャラクタの後方に後衛となるゲームキャラクタが存在する場合、前衛となるゲームキャラクタのゲームパラメータを増加させることで、後衛による前衛の支援をゲームの戦略に組み込むことができる。とくに、前衛の真後ろに後衛が配置されているときに支援を実行すれば、より、ゲームキャラクタ間の支援関係を顧客が体感しやすくなろう。
気力パラメータを導入することで、ゲームキャラクタの気力が充実しているときに前方に配置しなければ効果的な攻撃がしにくくなるため、対戦ゲームにおける戦略性を多様にすることができる。
さらに、各ゲームキャラクタの配置を決定する際にはゲームフィールド70とともに各ゲームキャラクタを表示し、攻撃や防御のシーンではゲームフィールドを消去して対戦するゲームキャラクタをクローズアップ表示する。これにより、対戦するゲームキャラクタが明確となるだけでなく、表示画面がダイナミックに変化するためのゲームの攻撃や防御のシーンを演出しやすくなる。
<シリーズの表示>
ゲームカードの販売戦略として、シリーズ化が考えられる。例えば、シリーズ第1弾では、基本的な形態のゲームキャラクタ(例:成長前)を図案化したゲームカードを販売し、第2弾では別の形態のゲームキャラクタ(例:成長後)を図案化したゲームカードを販売するが如くである。また、各シリーズの継続期間は、8月1日から8月31日までといったように指定されて、宣伝される。よって、次のシリーズの期間に突入したにもかかわらず、前のシリーズのゲームカードが排出されれば、顧客を失望するかもしれない。そこで、物品販売装置のオーナーは現在販売しているカードがどのシリーズのものかに留意する必要がある。つまり、できるだけ簡単な方法で現在のシリーズを把握できれば、オーナーにとって非常に便利であろう。
CPU61は、物品の販売処理を実行しておらず、かつ、ゲームも実行していないときに、ゲームカードがゲームカード配置フィールドに載置されると、そのゲームカードのコードをコードリーダ部6によって読み取らせる。ROM62には、シリーズ管理テーブルが保持されている。シリーズ管理テーブルには、各シリーズに属する識別情報が予め登録されている。つまり、ROM62は、操作部材のコードと、操作部材が何シリーズ目に販売を開始されたシリーズであるかを示すシリーズ情報とを対応付けて記憶した記憶装置として機能する。よって、CPU61は、コードリーダ部6を通じて取得したゲームカードの識別情報に対応するシリーズを示す情報シリーズ管理テーブルから取得する。CPU61は、シリーズを示す情報を表示装置3に表示する。このように、CPU61は、ゲームが実行されていないときに、読み取り手段によって操作部材のコードが読み取られると、コードに対応するシリーズ情報を記憶装置から読み出して表示手段に表示させるシリーズ情報表示制御手段として機能する。
図25は、シリーズ情報の表事例を示す図である。ゲームカード配置フィールドにはゲームカード35aが配置されている。ゲームカード35aの裏面に印刷されているコードは、シリーズ第1弾のカードであることを示す識別情報が含まれている。よって、CPU61は、シリーズ第1弾であることを示すシリーズ情報75を表示装置3に表示する。これにより、物品販売装置のオーナーは、現在のシリーズを確認しながら、ゲームカードを物品販売装置へ補充することが可能となる。