JP2012062030A - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート表皮41、クッション材42およびシート底板を有するシート40と、シート下方に位置する収納ボックス5と、シート40を車体フレームに対し回動可能に軸支するヒンジ機構15と、シート40の前方下に配されるフロアトンネル部と、を備え、フロアトンネル部の上方かつシート40の前方に跨ぎ空間3が形成される鞍乗型車両である。そして、収納ボックス5の上方に、シート底板30とは別体のリッド部材20が設けられ、ヒンジ機構15の回動軸15aを中心に回動するシート側ヒンジ部材10がリッド部材20の前部に連結され、シート底板30がリッド部材20の後部に連結されている。
【選択図】図3
Description
このような状況下において、特に、シート底板が収納ボックスのリッド部材を兼ねるような構造の場合、シート底板に設けられるクッション部材であるウレタンの厚みによって跨ぎ空間を狭くしてしまうという問題があった。
したがって、シート底板上に形成されるウレタンによる膨らみが跨ぎ空間を狭くして跨ぎ性を悪くしてしまうという課題があった。
また、リッド部材は、シート底板とは別部材としてその形状や構造の自由度が増すことで、薄くて剛性の高い素材や形状にて構成できるので、跨ぎ空間の確保がし易くなる。さらに、ヒンジ機構、リッド部材およびシート底板が一体に繋がっているので、シート開閉により収納ボックスの開閉が容易にできる。
なお、図面は符号の向きに見るものとし、また、図中に示す、Fr,Rr,U,D,R,Lは実施形態における車両の前方向,後方向,上方向,下方向,右方向,左方向を示すものである。
図1は本発明に係る一実施形態における低床式鞍乗型車両の左側面図である。
低床式鞍乗型車両としての低床式鞍乗型二輪車1は、ヘッドパイプ51の下端側から後方にかつ若干下方に向かって車体中央まで延びたメインチューブ52と、ヘッドパイプ51の上端側から斜め下方かつ後方に延びてメインチューブ52に繋げられた上部補強チューブ53aと、メインチューブ52の前方よりのところから斜め下方かつ後方へ延びるダウンチューブ54と、ダウンチューブ54とメインチューブ52との間を斜めに繋げた下方補強チューブ53bと、メインチューブ52の後端から車両後方へかつ若干上方に延びるシートレール55と、メインチューブ52およびシートレール55に連結されて車体上下方向に延びてピボットシャフト61やサブフレーム56等を保持するピボットプレート57と、等から車体フレーム50が構成されている。
なお、乗員は、シート40に着座し、足をステップフロア67,67に載せ、ハンドル49を握ることで、乗車姿勢を保つ。
本実施形態においては、車体フレーム50のメインチューブ52には、シート40がヒンジ機構15を介して接続されている。すなわち、図3及び図13に示すように、ヒンジ機構15は、シート40と一体的に回動するシート側ヒンジ部材10がリッド部材20の前部21f(図4参照)に連結されている。また、リッド部材20の後部21b(図4参照)にシート底板30が連結されている。
本実施形態におけるシート側ヒンジ部材10は、図10〜図12に示すように、取付けブラケット16aに対応して回動軸15aに貫通される軸穴13を備えた連結基部11と、連結基部11から略90度で屈曲して車両後方に延びる連結アーム部12を備えた構成である。そして、連結アーム部12には、後述するリッド部材20のビス穴24(図5および図6参照)と対応するビス穴14を備える湾曲部12aを有している。
なお、連結基部11にはダンパを取付けるダンパ用ブラケット11aが設けられ、連結基部11と湾曲部12aの間に設けられた左右一対のセンタカバー用ブラケット部12cは、後述するセンタカバー10aを取付ける取付け部分である。
そして、シート40は、図3及び図7に示すように、剛性を維持するためのシート底板30の上にクッション材42が設けられており、このクッション材42を包み込むように表面を覆うシート表皮41が設けられた構成である。
本実施形態においては、収納ボックス5の上方には、前掲のようにシート40が位置するが、実際に収納ボックス5の開口部5aに対応するのは、シート底板30とは別体として構成されたリッド部材20が開口部5aを覆うように配置される。
本実施形態のリッド部材20は、図4は車両取付け状態の向きにおいて左側面から見た側面図であり、図5は図4のA方向(車両前方方向)から見た正面図、図6は図4のB方向(車両下方方向)から見た底面図である。リッド部材20は、これらの図から判るように、その全体形状が半球形状の湾曲面部21を有しており、この湾曲面部21の下端に若干外側に広がるように張出した鍔部22を有する。
なお、リッド部材20は、その素材としては、例えば合成樹脂にて形成することができる。
また、鍔部22は、その下側に図6に示す溝部28(図14および図15参照)が全周にわたって形成されている。なお、図4〜図6には図示されてないが、この溝部28にシール部材8が設けられる。このシール材8の取付け状態は、図15に示すように、溝部28から若干はみ出した状態にされて、閉じ状態において変形可能に取付けられている。
なお、リッド部材20は、略半球形状に構成されていることは、収納ボックス5の閉状態において、上方側からの押圧力に対して強い構造である。また、収納ボックス5は半球状に膨らんでいるので、収納容積を大きくできる。
シート40は、そのシート底板30が、図7に示すように、その車体前方側に略半球形状の半球面部31を有し、半球面部31の後方側が若干反り上がるようなリブ部32を有した構成となっている。シート底板30は合成樹脂にて構成され、比較的軽量となっている。
半球面部31の構造は、車体前方寄りの中央部分が大きく切り欠かれた曲面切り欠き部33(図8参照)が設けられた構造となっている。すなわち、この曲面切り欠き部33が設けられていることによって、半球面部31の車体前方寄りのところでその左右に前左右部31R,31Lが形成される。
前掲のリブ構造については、例えば、シート長手方向に沿った長い縦リブ34aが複数形成され、この縦リブ34aの間において縦リブ34aを繋ぐように多数の横リブ34bが形成されている。
本実施形態におけるシート側ヒンジ部材10は、リッド部材20との接続において、図14に示すように締結部材70によって連結されている。すなわち、シート側ヒンジ部材10の連結アーム部12の湾曲部12aに設けられたビス穴14(図11および図12参照)と、リッド部材20のビス穴24(図5および図6参照)とをボルト71が貫通してナット72に螺合して締結されている。これにより、シート側ヒンジ部材10によってリッド部材20がしっかりと支持されている。
そして、湾曲面部21の内側から、ワッシャ84を介して雄ねじ81がねじ込まれている。したがって、リッド部材20とシート底板30とは直接接触しておらず、弾性部83が間に介在した状態で弾性的に固定されている。
本実施形態においては、シート40は後方側の内側に、シート40の閉じ状態を維持する図示しないロック手段が設けられている。したがって、シート40が閉じられた状態では、リッド部材20がシール部材8を潰すようにして収納ボックス5の縁部5bに当接する。また、リッド部材20がシート底板30とは別体の部材にて構成され且つ半球形状に構成されているので、高い剛性を有しており、縁部5bへの当接は確実に行われ、収納ボックス5のシール性が確保される。
また、乗車時において、乗員が着座しているシート40の中央部分より後方部分は、前掲のように、弾性締結部材80を介しているので、車体からの振動の伝達が抑えられ、乗り心地性が良い。
先ず、シート40の閉じ状態を維持していたロックを外すとともに、該シート40を車体上方に開くように操作する。これにより、シート40は、ヒンジ機構15の回動軸15aを支点にしてシート40全体が回動する。
この閉じ操作のときも、シート回動時の剛性が確保されているので、シート閉じ操作は良好に行われる。
また、上記実施形態においては、弾性締結部材80の弾性部83に弾性部材としてのゴムを用いた構成としてが、これに限るものではなく、コイルばね等の弾性部材でもよい。
また、上記実施形態においては、シート側ヒンジ部材10とリッド部材20とは、ボルト用いた締結部材70としたが、これに限らず、リベット等の部材を用いた固定構造でもよい。
3 跨ぎ部
5 収納ボックス
6 燃料タンク
10 シート側ヒンジ部材
15 ヒンジ機構
20 リッド部材
30 シート底板
40 シート
41 シート表皮
42 クッション材
50 車体フレーム
67 ステップフロア
68aフロアトンネル部
70 締結部材
80 弾性締結部材
Claims (6)
- 車体フレーム(50)と、
シート表皮(41)、クッション材(42)およびシート底板(30)を有するシート(40)と、
前記シート(40)の下方に位置する収納ボックス(5)と、
前記シート(40)を前記車体フレーム(50)に対し回動可能に軸支するヒンジ機構(15)と、
乗員が足を乗せるステップフロア(67)と、
前記シート(40)の前方下に配されるフロアトンネル部(68a)と、を備え、
前記フロアトンネル部(68a)の上方かつ前記シート(40)の前方に跨ぎ部(3)が形成される鞍乗型車両(1)において、
前記収納ボックス(5)の上方に、前記シート底板(30)とは別体のリッド部材(20)が設けられ、前記ヒンジ機構(15)の回動軸(15a)を中心に回動するシート側ヒンジ部材(10)が前記リッド部材(20)の前部(21f)に連結され、前記シート底板(30)が前記リッド部材(20)の後部(21b)に連結されていることを特徴とする鞍乗型車両(1)。 - 前記リッド部材(20)は、前記収納ボックス(5)に対して車体上方に膨らむ状態で被さる略半球形状に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両(1)。
- 前記リッド部材(20)は、前記収納ボックス(5)の開口部(5a)全体を覆うとともに該開口部(5a)の縁部(5b)の全周に接するシール部材(8)を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両(1)。
- 前記シート底板(30)は、その車体前方側に略半球形状の半球面部(31)が設けられ、且つ前記半球面部(31)には車体前方寄りの中央部分が切り欠かれた曲面切り欠き部(33)が設けられて前左右部(31R,31L)が形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両(1)。
- 前記シート底板(30)は、前記半球面部(31)が平面視で前記リッド部材(20)と重なる部分が滑らかな曲面で構成され、前記リッド部材(20)よりも車体後方側に位置する後方部分がその厚み方向に凹凸状のリブ部(32)を有して構成されていることを特徴とする請求項4に記載の鞍乗型車両(1)。
- 前記シート側ヒンジ部材(10)と前記リッド部材(20)とは締結部材(70)によって直接的に連結され、前記シート底板(30)と前記リッド部材(20)とは弾性締結部材(80)を介して弾性的に連結されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の鞍乗型車両(1)。
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