JP2012056947A - チタン錯体及びそれを含む水系コーティング液 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、上記の課題を解決する水溶性チタン錯体を含む安定な水系コーティング液に関するものであり、製膜後の高温焼成により、ガラスを含むアモルファス基材にも適用可能な緻密な高活性光触媒膜を提供しようとするものである。
【解決手段】
本発明者らは、ケトン化合物及び有機カルボン酸イオンがチタンイオンに対して結合し、かつチタンイオンに対するケトンのモル比率が1以下である水溶性チタン化合物を含む水系コーティング液が安定に溶解した状態を維持し、さらに製膜後に高温焼成することで、高い光触媒活性を示す緻密な膜となることを見出した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水溶性チタン錯体及びそれを含む水系コーティング液に関する。
酸化チタンへの紫外線照射による水の光分解(ホンダ-フジシマ効果)及び超親水化現象の発見を契機として、光触媒による防汚及びセルフクリーニング技術が近年活発に研究されている。そして、これまでに外装用防汚コーティング液などが上市されて、新たな防汚技術として注目されている。
従来、光触媒材料としては、光触媒活性及び化学的安定性が極めて高く、比較的原料コストが安く、しかも資源的に豊富なアナターゼ型酸化チタンが最も代表的な材料として知られており、光触媒技術を搭載した商品に多く採用されている。このアナターゼ型酸化チタンを含む膜を形成する方法としては、主に、酸化チタンをコロイド分散させたコロイド分散液を基材にコーティングする方法(コロイド塗布法)や、チタンのアルコキシドや塩化物からなるモノマーを溶解した有機溶剤を基材に塗布した後に加熱して結晶化する方法(ゾル‐ゲル法)等が知られている。
また、特に洗浄行為が逐次的に行われる場所で用いられる光触媒膜には、良好な光触媒活性に加え、キズに対する耐摺動性や基材との密着性が求められる。しかし、実際には光触媒活性と耐摺動性や密着性との両立は非常に困難であることが知られており、種々の部材への光触媒膜の適用が制限されている。
例えば、前述のコロイド塗布法により作製される酸化チタン膜では、結晶成長やルチル型への結晶相転移を抑制するために、比較的低温(600℃以下)で焼き付けられることが多い。このようにして作製された酸化チタン膜は、比較的光触媒活性は高いものの、低温焼成膜であるために焼結が進まず、場合により多孔質構造になる傾向がある。よって、膜中の結晶粒子同士の接合が弱くなることで、耐摺動性が低下したり、基材との結合も不十分なことから、基材密着性の低下による膜の剥離が起こる恐れがある。
一方で、600℃以上の高温でコロイド塗布法により製膜した酸化チタン膜を焼き付けると、膜の緻密化が起こり、耐摺動性や基材との密着性が向上するものの、結晶成長による実効的な表面積の低下や、ルチルへの相転移が起こることで、実質的に光触媒活性が低下することが場合により懸念される。よって、コロイド塗布法における基材への焼き付け温度上昇による膜の緻密化は、耐摺動性や密着性の向上には一定の効果はあるものの、光触媒活性は低下するというジレンマを抱えていることが一般的に知られている。
以上のような観点から、コロイド塗布法に比べて、ゾル‐ゲル法により製膜される酸化チタン膜の方が、より低温で緻密化が可能なことから有利と考えられる。しかしながら、アルコキシドや塩化物等のチタンを含む前駆体化合物は、空気中の水分と反応しやすく容易に加水分解する。従って、通常これらのチタン前駆体は水溶液として用いることができず、有機溶剤をベースとしたコーティング液とされる。よって、従来のゾル‐ゲル法による製膜の課題として、有機溶剤による環境負荷が大きくなってしまうこと、溶剤の揮発による製膜条件のバラツキが生じ、均一なコーティングが困難になる恐れがあることなどが挙げられる。
一方、加水分解反応を抑制した水溶性チタン化合物として、チタンペルオキソクエン酸錯体やチタンペルオキソ乳酸錯体が知られている(例えば、特開2000−159786号(特許文献1))。しかし、これらの水溶性チタン錯体では、チタンイオン(Ti4+)1つに対して、嵩高い多座カルボン酸配位子が3〜4つ付加されているため、製膜後の焼成時に膜の収縮が大きくなり、クラックが入りやすく、膜の緻密化が難しいという課題が存在する。
更に、酸化チタン膜が抱える別の課題として、アモルファスガラス層が表面に含まれる基材(例えば、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、釉薬処理した陶器等のセラミックス基材)に対して、酸化チタンを含む膜を焼き付ける際、400℃以上の温度で焼成した場合、基材のガラス層中の無機イオン成分(Na+、K+、Si4+等)が酸化チタン膜中に拡散してしまい、不純物相の生成や結晶成長の促進により、光触媒活性が顕著に低下することが知られている(「The Journal of Physical Chemistry」、2004年、108巻、8254〜8259ページ(非特許文献1))。
そのため、アモルファスガラス層が表面に含まれる基材に酸化チタン膜の焼き付けには、酸化チタン中への無機イオン成分の拡散を抑制するため、シリカ等の酸化物層からなるバリア層を基材と酸化チタン膜に挿入する等の方法が用いられる(特許2756474号(特許文献2))。
また、チタンのアセチルアセトン錯体としては、例えば特開昭60−81140号(特許文献3)に開示がある。
特開2000−159786号公報 特許2756474号 特開昭60−81140号公報
「The Journal of Physical Chemistry」、2004年、108巻、8254〜8259ページ
本発明者らは、今般、アセチルアセトンのようなジケトン構造を有する配位子がチタンイオンに対して1個配位したチタン錯体が、その水溶性に優れ、かつ水溶液中に安定して存在し得るとの知見を得た。さらに、このようなチタン錯体を含む水系組成物によれば、表面にアルカリイオンを含むアモルファスなガラス基材に対しても緻密な高活性光触媒膜が形成できるとの知見を得た。本発明はこれら知見に基づくものである。
従って、本発明は、水溶性でかつ水溶液中で安定なチタン錯体の提供をその目的としている。
また、本発明は、水溶性のチタン錯体を含んだ水系コーティング液、特に表面にアルカリイオンを含むアモルファスなガラス基材に対しても緻密な高活性光触媒膜が形成できるチタン錯体を含んだ水系コーティング液の提供をその目的としている。
そして、本発明によるチタン錯体は、チタンイオンに対する配位数が6であるチタン錯体であって、
下記一般式(1)で表され、二座配位子として機能する第1の配位子と、
−CO−CH−CO−Z (1)
(式中、ZおよびZは、独立して、アルキル基またはアルコキシ基である。)
カルボキシラートである第2の配位子と、
アルコキシドおよび水酸化物イオンからなる群から、独立してそれぞれ選択される第3の配位子および第4の配位子と、
Oである第5の配位子と
がチタンイオンに配位してなることを特徴とするものである。
また、本発明によるチタン錯体を含んでなる水系コーティング液は、上記本発明によるチタン錯体と、主溶媒としての水とを少なくとも含んでなるものである。
さらに、本発明によれば、酸化チタン被膜の製造方法が提供され、その方法は基材上に、上記のチタン錯体を含む水系コーティング液を塗布し、該基材を焼成して被膜を形成させる工程を含んでなる。
本発明の一つの態様によれば、上記の酸化チタン被膜の製造方法において、前記基材が、アモルファスガラス層を少なくともその表面に有し、該アモルファスガラス層にチタン錯体分散液が塗布される。
さらに本発明によれば、ガラス基材上に酸化チタンからなる被膜が直接形成されている部材であって、前記ガラス基材は少なくとも被膜が形成される表面近傍にアルカリイオンを含有してなるものであり、前記酸化チタンからなる被膜は、酸化チタンの一次粒子径が50nm以下であり、かつ、酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有し、かつ、緻密な被膜であることを特徴とする部材が提供される。
本発明によるチタン錯体は、水溶性でかつ水溶液中で安定である。また、本発明によるコーティング液によれば、ガラスを含むアモルファス基材にも適用可能な緻密な高活性光触媒膜を実現できる。
本発明による水系コーティング液によって得られた酸化チタン膜表面の電子顕微鏡写真(倍率 30,000倍)である。この写真より、膜表面には、目立ったクラックがなく、非常に平滑な表面を有することが分かる。 本発明による水系コーティング液によって得られた酸化チタン膜表面の電子顕微鏡写真(倍率 150,000倍)である。この写真より、30nm程度の一次粒子が非常に緻密にパッキングされていることが分かる。 本発明による水系コーティング液によって得られた酸化チタン膜表面の電子顕微鏡写真(倍率 150,000倍)である。この写真より、30nm程度の一次粒子が非常に緻密にパッキングされていることが分かる。 本発明による水系コーティング液によって得られたサンプルNo.1の酸化チタン膜のX線回折測定結果である。この結果から、酸化チタン膜は、アナターゼの単相膜からなることが分かる。 本発明による水系コーティング液によって得られたサンプルNo.3〜6の酸化チタン膜のX線回折測定結果である。この結果から、酸化チタン膜は、アナターゼの単相膜からなることが分かる。 実施例1で作成したコーティング液から得られた酸化チタンの赤外吸収スペクトルである。
チタン錯体
本発明によるチタン錯体は、チタンイオンに対する配位数が6であるチタン錯体であって、5つの配位子がチタンイオンに配位してなることを特徴する。そして、その第1の配位子は、下記一般式(1)で表され、二座配位子として機能するものである。
−CO−CH−CO−Z (1)
(式中、ZおよびZは、独立して、アルキル基またはアルコキシ基であり、好ましくはC1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基である。)
本発明の好ましい態様によれば、この第1の配位子はより好ましくはアセチルアセトナトまたはアセト酢酸エチルである。
本発明によるチタン錯体の第2の配位子はカルボキシラートであり、好ましくは式R−COO(式中、RはC1−4アルキル基である)で表わされる基であるか、または炭素数1〜6のヒドロキシ酸またはジカルボン酸の共役塩基である。第2の配位子の好ましい具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、およびクエン酸から選ばれるカルボン酸の共役塩基であり、焼成後の膜中に残さが少ないことから最も好ましくは酢酸の共役塩基である酢酸イオンである。
本発明によるチタン錯体の第3の配位子および第4の配位子は、アルコキシドおよび水酸化物イオンからなる群から、独立してそれぞれ選択されるものであり、好ましくは式R−O(式中、RはC1−6アルキル基である)で表わされるアルコキシドであり、最も好ましくはイソプロポキシ基である。
本発明によるチタン錯体は水溶性であり、かつ水中で安定して存在する。以下の理論に拘束されることを意図するものではないが、その理由は、以下のように考えられる。通常6配位構造が安定なチタンイオンでは、2つの空の軌道に配位した水分子が、チタンイオンに求核攻撃することで加水分解反応が進み、やがて不溶性のアモルファス凝集体を形成して沈殿するに至る。しかし、本発明によるチタン錯体では、式(1)で表わされるジケトン化合物及び有機カルボン酸イオン(カルボキシラート)がチタンイオンに結合することで配位数が増加し、水の求核攻撃に対して安定性が高くなることで、安定に水溶液で存在可能となると考えられる。
さらに、本発明によるチタン錯体によれば、緻密な高活性酸化チタン膜を製造できるとの利点が得られる。従来知られた水溶性チタン錯体は、チタンイオン(Ti4+)への水分子による求核攻撃を防ぐために、嵩高い多価カルボン酸を配位子として複数導入していることから、チタンイオン1個あたりの分子サイズが大きくなるため、例えば、基板上に製膜して酸化チタンに結晶化する際、チタンイオン間の距離が長くなる。一方、本発明のチタン錯体では、低分子量の配位子がチタンイオンと結合しているのみであるので、チタンイオン1個あたりの分子サイズが小さい。そのため、製膜・結晶化の際に基板上に製膜して酸化チタンに結晶化する際、本発明によるチタン錯体を用いることで、従来知られた水溶性チタン錯体に比較して、チタンイオン間の距離が短くなり、より密にチタンイオンが存在できる。その結果、緻密な酸化チタン膜の作製が可能になると考えられる。緻密な酸化チタン膜は、光触媒活性、さらには膜の耐摺動性、基材との密着性の観点から極めて有利である。
チタン錯体の調製
従って、本発明に用いられる水溶性チタン錯体を調製する方法としては、チタン前駆体を原料として、逐次的に式(1)で表わされるジケトン化合物及びカルボキシラートをチタンイオンに結合させる方法が好適に用いられる。
具体的には、チタンアルコキシドまたは四塩化チタン等の前駆体化合物と、式(1)で表わされるジケトン化合物を混合し撹拌することで、チタン‐アセチルアセトン錯体を得て、このチタン‐アセチルアセトン錯体を、有機カルボン酸を含む水溶液に徐々に撹拌しながら添加することで、本発明によるチタン錯体を含む、安定な水溶液を得ることができる。反応は、0℃以上の温度、好ましくは室温付近の温度(約20℃)で行うことができるが、より好ましくは、ケトン化合物及び酢酸とチタンイオンとの結合形成を促進するために、40〜90℃の温度で加熱しながら撹拌することで、より安定なチタン錯体を含む水溶液を調製可能となる。このような方法で得られたチタン錯体の含む水溶液は、1年以上の室温での保管後も沈殿物の形成がなく、優れた安定性を有する。
コーティング液および酸化チタン被膜の製造
上記の様にして得た、本発明によるチタン錯体を含む水溶液は、そのまままたは他の成分を添加して、チタン被膜を製造するための水系コーティング液として用いることができる。本発明による水系コーティング液に含まれるチタン錯体の濃度は、好ましくは0.01M以上10M以下であり、より好ましくは0.1M以上1M以下である。とりわけこの濃度範囲において水系コーティング液は、沈殿の形成がなく、長期間室温で安定であるからである。本発明の水系コーティング剤は、汎用のコーティング方法を用いることで、種々の基材上での薄膜形成が加工であり、さらに膜形成後に焼成することで、高活性な光触媒膜とすることが可能となる。コーティング方法としては、特に限定されないが、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、フローコート法、バーコート法等のコーティング方法を用いることができる。また、基材との濡れ性を向上させるために、界面活性剤を添加することも可能である。さらに、基材としては、400℃以上の焼き付けが可能なものであれば、特に限定されないが、ガラス、石英、セラミックス、タイル、施釉タイル、陶器、磁器等を用いることができる。
本発明の水系コーティング剤による膜は、焼き付けを行う際の焼成を400℃以上900℃以下の広い温度域で行うことが可能であり、焼成により、強固な密着性による高い耐摺動性と、アナターゼ構造による優れた光触媒活性を両立可能となる。また本発明のコーティング剤を用いることで、ソーダライムガラスや施釉タイル等のアモルファスな表面構造をもった基材においても、800℃までの焼成温度において、アナターゼ構造を有する酸化チタン膜の結晶化が可能であり、優れた光触媒活性を発揮する。従来技術にあっては、アモルファスガラス層が表面に含まれる基材(例えば、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、釉薬処理した陶器等のセラミックス基材)に対して、酸化チタンを含む膜を焼き付ける際、400℃以上の温度で焼成した場合、基材のガラス層中の無機イオン成分(Na+、K+、Si4+等)が酸化チタン膜中に拡散してしまう。一方で、本発明の水系コーティング剤にあっては、基板上に水系コーティング剤を塗布し、基板上で乾燥させる段階で、水系コーティング剤に含まれるチタン錯体同士がアルコキシドの加水分解重合によって一部架橋し、緻密な組織構造の乾燥被膜を形成可能である。この緻密な組織構造の乾燥被膜を焼成すると、400℃程度まで昇温された時点ですでにアナターゼ型酸化チタンの緻密な膜が形成されており、焼成時に無機イオン成分が拡散するための主な経路である空孔や粒界がごく少ない状態になっている。よって、焼成時に、基板に含まれる無機イオン成分が膜内部への拡散することを抑えられることにより、焼成後に酸化チタン被膜に含まれる不純物が少ないことから、高い光触媒活性を発揮することができるものと考えられる。
本発明の水系コーティング剤による製膜と焼成を行った膜は、微粒子構造でありながらも緻密化を実現可能であり、好ましくは、50nm以下の一次粒子径の微粒子からなる。例えば、800℃・1時間で、施釉タイル上に焼き付けた場合でも、50nm以下の非常に小さい一次粒子径の微粒子からなる緻密なアナターゼ膜となる。これが、前記の強固な密着性による高い耐摺動性と優れた光触媒活性を両立可能である原因となる。
また本発明の水系コーティング剤による製膜と焼成を行った膜の膜厚は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)等の高分子バインダーを添加することで、クラックの発生なしに膜厚を増加させることが可能である。よって、膜厚は特に限定されないが、好ましくは、5nm以上10μm以下である。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
水溶性チタン錯体を含む水系コーティング液の作製
20mLサンプル瓶に、アセチルアセトン(和光純薬製)0.02mol(2.003g)を添加し、室温で撹拌しながら、チタンテトライソプロポキシド(和光純薬製)0.02mol(5.684g)を約5分かけて約0.2gずつ添加した。添加後、5分間撹拌を行うことで、チタン‐アセチルアセトン錯体を含む黄色溶液を作製した。このチタン‐アセチルアセトン黄色溶液を、0.32mol/Lの酢酸水溶液50mLに、室温で攪拌しながら、約0.2mLずつ、約5分かけて添加した。添加後、室温で約1時間攪拌を行い、更に60℃で約1時間撹拌を行うことで、水溶性チタン錯体を含む黄色透明な水系コーティング液を作製した。この水系コーティング液は、室温で1年間静置した後も、凝集することなく安定な性状を維持していた。
水系コーティング液による酸化チタン膜の作製
前記のように作製した水溶性チタン錯体を含む水系コーティング液を用いて、施釉タイル(6cm×4cm×1cm厚)を基板として、スピンコート法による製膜を行った。作製条件としては、水系コーティング液を約1mL分取して、基板に展開し、5000rpmで10秒間スピンすることで水溶性チタン錯体の製膜を行った。室温で約1時間、更に60℃で1時間乾燥した後、800℃で1時間焼成することで、酸化チタン膜を作製した。こうして得られた酸化チタン膜をサンプルNo.1とした。
水溶性チタン錯体の赤外吸収スペクトルによる構造特定
実施例1で作成したコーティング液から得られる酸化チタンの構造特定を以下の通り行った。すなわち、実施例1で作成したコーティング液10gを室温で15時間乾燥させ、60度で1時間さらに乾燥させた。その後乳鉢で粉砕してチタン錯体を粉末として回収した。この粉末のFT−IRスペクトル(Varian製、“660/610−IR”)を測定した。その結果は、図6に示される通りであった。1022及び1290cm−1に、=C−O(C−O−C伸縮振動)に帰属されるピークが観測され、1533cm−1に、C=O(C−O伸縮振動)に帰属されるピークが観測された。これは、チタンに錯化したアセチルアセトンのケト‐エノール構造にそれぞれ対応すると考えられる。さらに、1384cm−1にはC−H伸縮振動に帰属されるピークが強く観測されている。アセチルアセトンのみのスペクトルでは、このピークは前述の2つのピークに比べて、同等の強度で観測されることが分かっており、他のC−Hを持つ分子がチタン錯体に含まれることが推測され、イソプロポキシ基あるいは酢酸に含まれるメチル基が結合していることが考えられた。さらに、1630と3292cm−1に、OH基に由来するピークが観測されていることから、錯体分子内の一部がOHで置換されていることも示唆された。
実施例2および3
実施例1と同様の水系コーティング液を用い、基板をホウケイ酸ガラスであるパイレックス(登録商標)基板(5cm×5cm×1mm厚)または石英基板(5cm×5cm×1mm厚)に変え、さらに焼成条件を下記の表1に記載の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン膜を得た。こうして得られた酸化チタン膜をサンプルNo.2および3とした。
実施例4〜6
実施例1と同様の水系コーティング液10gに、1wt%PVA水溶液を1g添加して、水系コーティング液を得た。得られた水系コーティング液は均一で安定していた。この水系コーティング液を用いて、基板を実施例3と同様の石英基板に、焼成条件を下記の表1に記載の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン膜を得た。こうして得られた酸化チタン膜をサンプルNo.4〜6とした。
実施例7および8
実施例1の水系コーティング液において、酸(酢酸)または錯化剤(アセチルアセトンを、プロピオン酸(和光純薬製)またはアセト酢酸エチル(和光純薬製)に変えた以外は実施例1と同様にして、水系コーティング液を得た。得られた水系コーティング液は均一で安定していた。この水系コーティング液を用いて、基板を実施例3と同様の石英基板に、焼成条件を下記の表1に記載の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン膜を得た。こうして得られた酸化チタン膜をサンプルNo.7および8とした。
酸化チタン膜の膜特性評価
走査型電子顕微鏡(日立製作所製、“S−800”)により、サンプルNo.1の酸化チタン膜表面の構造観察を行った。低倍率での電子顕微鏡写真を図1に示す。この膜表面には、目立ったクラックがなく、非常に平滑な表面を有することが分かる。また高倍率での観察写真を図2に示すが、30nm程度の一次粒子が非常に緻密にパッキングされていることが分かる。また、図3はサンプルNo.3の膜の電子顕微鏡写真であり、この写真から、900℃で5時間焼成した膜は約30nmの微粒子からなる緻密膜であることが分かった。また、X線回折測定(XRD:パナリティカル製、“X−pert Pro”)により、膜の結晶構造を調べた。その結果は図4に示されるとおりであり、図4に示す結果から、サンプルNo.1の酸化チタン膜は、アナターゼの単相膜からなることが明らかとなった。また、図5はサンプルNo.3〜6のXRD結果を示し、この結果からこれらサンプルもすべてアナターゼの単相膜からなることが明らかとなった。XRDの結果として、サンプルNo.1〜6はすべてアナターゼの単相膜であった。
酸化チタン膜の光誘起親水性評価
サンプルNo.1の酸化チタン膜表面に紫外線を照射することで、水接触角が低下する光誘起親水性の評価を行った。光源としては、ブラックライト(東芝ライテック製)を用い、紫外線照度を1mW/cmとした。初期の水接触角は、35.3°であったが、紫外線照射8時間後には、13.3°まで低下し、親水化反応が起こることを確認した。
比較例1
20mLサンプル瓶に、アセチルアセトン(和光純薬製)0.02mol(2.003g)を添加し、室温で撹拌しながら、チタンテトライソプロポキシド(和光純薬製)0.02mol(5.684g)を約5分かけて約0.2gずつ添加した。添加後、5分間撹拌を行うことで、チタン‐アセチルアセトン錯体を含む黄色溶液を作製した。このチタン‐アセチルアセトン黄色溶液を、蒸留水50mLに、室温で攪拌しながら、約0.2mLずつ、約5分かけて添加した。添加後、室温で約1時間攪拌を行ったが、加水分解反応が進行したため、黄白色の沈殿がすぐに生成し、コーティング液としては不適な性状となった。このコーティング液を用いて、基板を実施例3と同様の石英基板に、焼成条件を下記の表1に記載の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン膜の調製を試みたが、製膜は出来なかった。
比較例2 チタンテトライソプロポキシド(和光純薬製)0.02mol(5.684g)を、蒸留水50mLに、室温で攪拌しながら、約0.2mLずつ、約5分かけて添加した。添加後、室温で約1時間攪拌を行ったが、加水分解反応が進行したため、黄白色の沈殿がすぐに生成し、コーティング液としては不適な性状となった。このコーティング液を用いて、基板を実施例3と同様の石英基板に、焼成条件を下記の表1に記載の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン膜の調製を試みたが、製膜は出来なかった。
比較例3 酢酸水溶液のかわりに、0.32mol/Lの硝酸水溶液を用いた以外は、実施例1と同様のプロセスでコーティング液を作製したが、室温で撹拌中に、加水分解反応が進行したため、黄白色の沈殿がすぐに生成し、コーティング液としては不適な性状となった。このコーティング液を用いて、基板を実施例3と同様の石英基板に、焼成条件を下記の表1に記載の通りに変えた以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン膜の調製を試みたが、製膜は出来なかった。

Claims (14)

  1. チタンイオンに対する配位数が6であるチタン錯体であって、
    下記一般式(1)で表され、二座配位子として機能する第1の配位子と、
    −CO−CH−CO−Z (1)
    (式中、ZおよびZは、独立して、アルキル基またはアルコキシ基である。)
    カルボキシラートである第2の配位子と、
    アルコキシドおよび水酸化物イオンからなる群から、独立してそれぞれ選択される第3の配位子および第4の配位子と、
    Oである第5の配位子と
    がチタンイオンに配位してなることを特徴とする、チタン錯体。
  2. 前記ZおよびZが、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基である、請求項1に記載のチタン錯体。
  3. 前記第2の配位子であるカルボキシラートが、式R−COO(式中、RはC1−4アルキル基である)で表わされる基であるか、または炭素数1〜6のヒドロキシ酸またはジカルボン酸の共役塩基である、請求項1または2に記載のチタン錯体。
  4. 前記第3または第4の配位子であるアルコキシドが、式R−O(式中、RはC1−6アルキル基である)で表わされる基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のチタン錯体。
  5. 前記第1の配位子が、アセチルアセトナトまたはアセト酢酸エチルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のチタン錯体。
  6. 前記第2の配位子が、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、およびクエン酸から選ばれるカルボン酸の共役塩基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のチタン錯体。
  7. 前記第2の配位子が、酢酸の共役塩基である酢酸イオンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のチタン錯体。
  8. 前記第3の配位子および第4の配位子が、イソプロポキシ基である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のチタン錯体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のチタン錯体と、主溶媒としての水とを少なくとも含んでなる、チタン錯体水溶液。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のチタン錯体の製造方法であって、
    チタン前駆体と、一般式(1)で表される化合物とを混合し、チタン‐アセチルアセトン錯体を得て、この溶液とカルボン酸イオンを含む水溶液とを混合することを少なくとも含んでなる、製造方法。
  11. 前記チタン前駆体が、チタンアルコキシドまたは四塩化チタンである、請求項10に記載の製造方法。
  12. 酸化チタン被膜の製造方法であって、
    基材上に、請求項9に記載のチタン錯体分散液を塗布し、
    該基材を焼成して被膜を形成させる工程を含んでなる、製造方法。
  13. 前記基材が、アモルファスガラス層を少なくともその表面に有し、該アモルファスガラス層にチタン錯体分散液が塗布される、請求項12に記載の製造方法。
  14. ガラス基材上に酸化チタンからなる被膜が直接形成されている部材であって、
    前記ガラス基材は少なくとも被膜が形成される表面近傍にアルカリイオンを含有してなるものであり、
    前記酸化チタンからなる被膜は、酸化チタンの一次粒子径が50nm以下であり、かつ、酸化チタンがアナターゼ型の結晶構造を有し、かつ、緻密な被膜であることを特徴とする、部材。
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