JP2001181231A - 有機酸チタンアルカリ金属塩およびその製法 - Google Patents
有機酸チタンアルカリ金属塩およびその製法Info
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Abstract
で、繊維加工、樹脂、塗料添加剤等に可燃防止のために
優れた効果を発揮するα−ヒドロキシカルボン酸及びナ
トリウム又はカリウム塩のチタン錯塩及びその製法を提
供すること。 【解決手段】 α―ヒドロキシカルボン酸の水溶液又は
有機溶剤の懸濁液にアルカリ金属を添加して中和するか
又は中和しない状態でテトラアルコキシチタン化合物又
はチタン酸のアルカリ金属塩を添加して反応することに
より生成する有機酸チタンアルカリ金属塩水和物で、
式:MnTiORm・xH2O(n:1〜6,m:2〜
6,x:0〜14までの実数)で表されるα―ヒドロキ
シカルボン酸、及びその製法である。
Description
樹脂、塗料添加物等に可燃防止、品質改良剤として用い
られる、α―ヒドロキシカルボン酸化合物及びそのナト
リウム塩、カリウム塩等の塩類の水溶液にチタン酸金属
塩又はテトラアルコキシチタン化合物を反応させて得ら
れるα―ヒドロキシカルボン酸及びその金属塩のチタン
錯塩に係り、特に水に易溶で安定なα―ヒドロキシカル
ボン酸及びそのナトリウム塩又はカリウム塩のチタン錯
塩及びその製法に関する。 【0002】 【従来の技術】チタン(4+)有機化合物の多くは有機溶
剤に可溶であるが、水中では加水分解を起こし、チタン
とアルコール等の有機化合物となるので水溶媒で使用す
ることは不可能であった。一方、繊維加工、塗料、イン
キ、接着剤、皮革柔軟剤等チタンの優位さを必要とする
需要が増加しているため、安全な水溶媒での使用が必要
となっている。そのために、有機化合物の内で特に分子
内にヒドロキシル基及びカルボキシル基を有するものと
の錯塩とすることが必要である(例えば、特開昭56−
46835号などの広報参照)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は、有機酸及
びそのアルカリ金属塩のチタン誘導体としてはクエン
酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸等のヒドロキシル基とカル
ボキシル基を有する有機酸があげられる。これらの殆ど
は水和物又は無水和物として存在する。特にα―ヒドロ
キシカルボン酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩等ア
ルカリ金属塩はチタン化合物となって水に対する溶解度
がよく、しかも溶液が安定であることを発見し、本発明
を完成するに至った。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は有機酸及びその
ナトリウム塩又はカリウム塩にチタン酸ナトリウム又は
カリウム塩又はテトラアルコキシチタン化合物を添加し
て加熱反応させた後、生成物を濃縮、乾燥するか、水に
溶解して精製ろ過後、濃縮,乾燥して目的物を得る。こ
の場合、添加する原料の割合によって生成物の構造が異
なり、従って分子式も違って来る。一般にチタン含量
(5〜15%)、結晶水3〜14水和物(水分10〜30
%)のものが多い。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明による有機酸チタンナトリ
ウム又はカリウム水和物は、前記のように、有機酸及び
そのナトリウム又はカリウム塩の溶液にチタン酸ナトリ
ウム又はカリウム、およびテトラアルコキシチタンを添
加して加熱反応するが、その際添加する各原料の割合に
よって生成する化合物の分子式、構造式が異なってく
る。一般にはα―ヒドロキシルカルボン酸をR,アルカ
リ金属をMとするとMnTiORm・xH2Oの分子式で表
現できる(n&mは整数、xは製造,乾燥等の条件によ
り異なる値を示す)。又このような分子式を有する化合
物は,大別して反応の溶媒に水と有機溶媒を使用するこ
とによっても異なる。一般に水の場合は生成物が水和物
となり,有機溶剤の場合は無水和物となって生成する事
が多い。又水和物でも加熱によって無水和物にすること
も出来る。 【0006】本発明に用いられた有機酸は前述のよう
に、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸等のヒドロキシ
ル基とカルボキシル基を有する有機化合物の総称であ
り、例えばクエン酸ではクエン酸、無水クエン酸、イソ
クエン酸、及びその無水物ラクトンも含み、又酒石酸で
はd−酒石酸、l−酒石酸、dl−酒石酸、メゾ酒石酸、も
含むまれる。同様に乳酸もL(+)−乳酸、D(−)−乳
酸、Dl−乳酸及びリンゴ酸に於いてもl−体、d−体
及びdl−体等天然物、化学合成物も含まれる。 【0007】本発明に於いては、α―ヒドロキシカルボ
ン酸及びその塩類の水溶液又は懸濁液(以下懸濁水溶液
(1)という)を攪拌しながら、チタン酸ナトリウム又
はカリウムを添加する方法及びテトラアルコキシチタン
を添加する方法に分けられるが、両者とも水溶液ないし
懸濁液(以下、懸濁水溶液(2)という)で反応を行うこ
とが出来る。 【0008】即ち、本発明に用いられるチタン塩類は塩
化物、硫酸塩、硝酸塩等を水酸化ナトリウムまたは炭酸
ナトリウム及び水酸化カリウムまたは炭酸カリウム等の
水溶液で強塩基性とすることによって製造することが出
来る。 【0009】詳述すると、チタン酸ナトリウム、カリウ
ム等のアルカリ金属塩は通常の製法により、四塩化チタ
ン、硫酸チタン等のチタン無機化合物の水溶液に水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等前述のアルカリ金属又は
その水溶液を添加して加水分解を行い懸濁水溶液を作
る。例えば、50部の四塩化チタンに200部以下の水
を加え溶解する。次工程での反応率を上げ、生成物の仕
上を良くするためには、液量を少なくすることが望まし
く、100部の水で反応することも出来る。又中和後の
液のpHを10以上のすることが好ましく、さらに好まし
くはpH13以上にすることが望ましい。このためには、
チタン1.0モルに対して好ましくはアルカリ金属4.
5モル以上、pH13以上に保つためには、5.5モル
以上使用することが望ましい。又反応速度が比較的遅く
常温(25±5℃)では数日を要することがあるが、反応
率をよくするためには低温で反応して、微粒子で活性な
粒子とすることが好ましく15℃以下で反応することが
望ましい。上記の方法で生成したチタン酸のアルカリ金
属塩は反応液のまゝ次工程で使用しても良いが、ろ過し
て使用しても良い。反応率を上げるためには、加水分解
で生成した塩類を除去することが望ましく、静置して上
澄液を除き、水を加えて洗浄するか、遠心分離、ろ過等
により精製することが出来る。このようにして得られた
懸濁状ペーストは、TiO2含量が、10〜15%のも
のであり、その上澄液はpH13以上である。 【0010】このようにして得られたTiO2の懸濁状
ペーストにα―ヒドロキシカルボン酸又はそのアルカリ
金属塩の水溶液または懸濁液を添加して反応する。添加
するα−ヒドロキシカルボン酸化合物の量は必要とする
チタンの含量に応じて決めてよい。例えば、クエン酸一
水和物500部、水300部の水溶液に195部のTi
O2(含量100%換算)の懸濁液を徐々に添加し、7
0℃で反応することによって得た溶液を濃縮し、ろ過、
乾燥して得られた粉末はTi含量は7.3%であり、そ
の5%水溶液のpHは7.5であった。 【0011】一方、テトラアルコキシチタン化合物は、
一般式はTi(OR)4:Rはアルキル基、アリル基等
であるが、主としてイソプロピル基、ブチル基を多く使
用する。製法は四塩化チタンとイソプロパノ−ル又は四
塩化チタンとn−ブタノールから合成する。これらの原
料は水分に接触すると分解して発煙を起こすことから、
窒素気流中等水分のない状態で使用することが望まし
い。上掲の原料はいずれも単独で、又は,2種以上混合
して用いることが出来る。 【0012】本発明の反応に使用する溶剤は,水溶液の
場合は不純物の含有量の少ないイオン交換水を使用する
が、クロロホルム、四塩化炭素、トルエン、ベンゼン、
シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、石油留分等の有
機溶剤も使用することが出来る。この場合の反応は溶解
した溶液状態、分散した懸濁状態、両者の中間状態に分け
られるが、反応が完結した状態でろ過又は溶剤及び副生
したアルコールを蒸発等で分離すれば、反応生成物が固
体で容易に得ることが出来る。 【0013】本発明の反応成生物は反応系の仕込み割
合、反応溶剤、反応条件、乾燥条件により、異なった化
合物を得ることが出来る。例えば、水、α−ヒドロキシ
カルボン酸、苛性ソーダ、苛性カリウム、テトラアルコ
キシチタン化合物の量により、一般式MnTiORm・
xH2Oの内で Mnのアルカリ金属は1〜6原子,Rm
のα―ヒドロキシカルボン酸は2〜6分子の分子式をも
つことが可能である。又結晶水は反応溶剤、乾燥条件等
により異なるが、無水物から14水和物までが存在す
る。 【0014】尚、α−ヒドロキシカルボン酸及びその塩
類の水溶液ないし懸濁液(懸濁液(1))は、その全量
が水に溶解した状態であってもよく、一部が懸濁した状
態であってもよく、それらの状態が混在した状態であっ
てもよい。しかし、反応を円滑に進めるためには、α―ヒ
ドロキシカルボン酸及びその塩類が溶剤に完全に溶解し
た状態で反応する方がよい。そのため、45℃以上にす
ることがよく、好ましくは55℃の温度で完全に溶解す
る水の量が必要である。そのためには40℃に、好まし
くは30℃において溶解する水の量が必要である。例え
ばクエン酸(M.W=210.14)の場合は、210
部のクエン酸一水和物に80部の水を加え、50℃に加
熱することが必要である。 【0015】又、α―ヒドロキシカルボン酸の塩類に関
しては、塩類を水に溶解してもよく、α―ヒドロキシカ
ルボン酸を水に溶解した溶液にアルカル金属の水酸化物
又は炭酸塩を加えて中和してもよい。前述の懸濁水溶液
(1)場合にアルカリ金属を加えて中和し、塩類の水溶
液とする.例えば、クエン酸では、前者の場合、クエン
酸モノナトリウム(M.W=214.11)214部に水
を120部加えて70℃に加熱することが好ましいが、
より好ましくは加熱中の水の蒸発を減らして50℃で溶
解することが望ましい。後者の場合はクエン酸210部
に水80部を加えて懸濁水溶液(1)として、この溶液
に40部の水酸化ナトリウムを徐々に添加して反応し均
一な溶液とするが、発熱反応であるため、内温を70℃以
下にすることが好ましく、高温での分解を防ぐため、50
℃以下にすることがより好ましい。 【0016】次に反応溶剤が有機溶剤の場合は、α−ヒ
ドロキシカルボン酸及びテトラアルコキシチタンが溶剤
に溶ける場合は少なく、この場合は懸濁状態(以下懸濁
溶液(1)という)で反応する。従って溶液反応ではなく
反応速度は遅くなり、均一な反応物を得るためには使用
した溶剤の沸点で長時間反応することが必要である。し
かし反応系に含まれる水の総量が少ないため比較的簡単
に溶剤を除去することが可能で、そのため、高含量の反応
物が得られる。例えば、無水クエン酸(M.W=19
2.13)の場合192部の無水クエン酸に石油エーテ
ル542部を加えて懸濁溶液(1)を作り、攪拌しなが
らテトラアルコキシチタン(例えばテトライソプロポキ
シチタンの場合は284部)を添加する。50〜60℃
に加熱還流して、2時間攪拌する。反応物が十分均等に
なった事を確認してから、析出物を分離する。得られた
ケーキを温風で乾燥する。乾燥した粉末のチタン含量は
14.5%であった。 【0017】本発明で得られた化合物は、種々の分子結
晶水を持つ。それは前述の化学式MnTiORm・xH
2Oに於いてn,mの数によって異なり、又反応時の仕込
み原料の割合、反応系の溶剤の種類、量、反応温度等が種
々の要因となる。又α−ヒドロキシカルボン酸とその塩
類、その割合、によっても異なるが、生成物に対して0
〜30%の巾で(即ち0〜14水和物)化合物を得るこ
とが出来る。これらの化合物は水に対する溶解度は各々
異なる。即ち、水和物の数が多いほど水に対する溶解度
が大きくなるが、目的のチタン含量が低くなる。従って
使用目的によってそれに適した生成物の錯塩に作ること
が出来る。この場合は仕込み割合を調整しなければなら
ない。又これらの水和物は加熱(減圧にするとより効果
的である。)によって変化し無水物に近づいて行くが、
水に対する溶解度は小さくる。 【0018】本発明では、α−ヒドロキシカルボン酸と
チタン酸塩及びα―ヒドロキシカルボン酸又はそのアル
カリ金属塩とテトラアルコキシチタン化合物から水に易
溶性のチタン錯塩を造ることが主目的である。更に使用
目的に合った化合物、主としてチタン含量、結晶水の
数、アルカリ原子の数等の選定によりそれらの条件に適
した化合物を製造することが出来る。 【0019】次に、本発明のα―ヒドロキシカルボン酸
及びそのナトリウム又はカリウム塩類のチタン錯塩及び
その製法を、下記の実施例に基づいて更に詳しく説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。 【0020】 【実施例】実施例1.クエン酸一水和物210gにイオ
ン交換精製水80gを加えて攪拌し、溶解させた。溶解
吸熱により7℃まで低下した。これに50%苛性ソーダ
液80gを滴下して中和した。発熱反応でありクエン酸
の分解を防ぐために、外部より冷却して、内部温度が5
0℃を超えないようにした。生成したクエン酸のモノナ
トリウム塩は溶液であったが、室温に長時間放置すると
結晶が析出した。この溶液を50℃±10℃に保ち、テ
トライソプロポキシチタン95gを滴下した。反応は滴
下中に進行し、イソプロピルアルコールと水が副生し
て、反応系から分離してくる。滴下が終わってから、温
度を50±5℃に保って30分間攪拌して反応が終わ
る。反応容器を減圧にしてイソプロピルアルコールと水
を除去する。水に易溶性の白色の粉末365gを得た。 【0021】得られた粉末の水分は、平沼産業(株)社製
AQV−5S,水分自動測定装置(RdHLaborcheikalien
GmbH & Co.KG社製水分測定用 カールフイッシャー試
薬ハイドラナール・コンポジット5)にて測定すると2
1.0重量%であった。又チタン含量は原子吸光光度計
(日本ジャーレルアッシュ株式会社製、AAS−890、波
長 3643nm,アセチレンーNOガス、高温バーナ)に
て5.5重量%であった。5%水溶液のpHは3.5で
あり、クエン酸モノナトリウムの含量は68.9%であ
った(N−NaOHによる中和滴定による)。このことか
ら、前述の一般式MnTiORmに於いてn,mの数はn
=3,m=3で分子式は[Na3TiO(Citrate)3 ?1
1H2O]となる。又この粉末5gを水に溶解して100m
lとして24時間、25℃に静置したが沈殿は生じなか
った。 【0022】得られた粉末のX線解析を、以下の条件に
よって測定した。その結果を図1に示す。 ・機 種 :デスクトップX線解析装置MiniFlex
[理学電機株式会社] ・ターゲット :銅 ・電圧及び電流:30KV,15mA ・走査速度 :20/min 又得られた粉末の2%水溶液のHPLCを以下の条件に
従って測定した。その結果を図2に示す。 ・機 種 :LC−10システム HPLC(島津製作所株式会社) カラム STR-ODS-2カ゛ート゛カラム付き(信和化学工業株式会社) ・分析条件 :移動相 100mM 過塩素酸ソーダ 5mM リン酸水素ナトリウム 5mM リン酸 流 量 0.8ml/min カラム温度 40℃ 試 料 濃度 2w/w% 量 5μl 【0023】実施例2.実施例1に準じてクエン酸一水
和物210gに水80gを加えて攪拌し、これに苛性ソ
ーダ13.4gを加えて中和した。溶液のpHは1.8
であった。これに94.7gのイソプロポキシチタンを
加えて50±5℃で30分間攪拌した。反応終了後減圧
で水、イソプロピルアルコールを分離して白色の水に良
く溶解する粉末を得た。分析の結果[NaTiO(Citr
ate)3]構造式と判断できた。 【 0024 】 実施例3.クエン酸一水和物505gにイ
オン交換水303gを加えて加熱、攪拌して溶解した。
この溶液を70℃に保ちながらチタン酸ナトリウム(T
iO2 13.7%、Na換算含量 3.4%、pH
14.0)1400gを加えた。総液量2000mlと
して70℃で48時間攪拌した。溶液のpH=2.35
となった。この反応液を数日間静置して未反応物を沈降
させた。上澄液から遠心沈降器で反応液を分離した。分
離した溶液を減圧で加熱濃縮し、70℃で送風乾燥して
350gのクエン酸チタンナトリウムを得た。この実施
例3により得た粉末も、実施例1と同じく5%の濃度で
水に溶かし、24時間静置したが、沈殿は生じなかっ
た。又その溶液のpHは3であった。この粉末の水分は
実施例1と同じ方法で測定して16.4%であった。又
チタン含量は7.32%(原子吸光々度法により)であ
り、クエン酸モノナトリウムの含量は80.5%であ
り、ナトリウム含量は7.6%であった。このことから
n=2.5,m=2.5で分子式は[Na2.5TiO(C
itrate)2.55H2O]となる。また得られた粉末の2%
水溶液をHPLCで分析した結果を図3に示す。 【0025】実施例4.クエン酸一水和物35g、無水
クエン酸32gを石油エーテル180gに加えて攪拌し
懸濁液(1)とする。これにテトライソプロポキシチタ
ン71gを添加した。懸濁乳化された状態で30分間攪
拌し、更に60〜80℃で2時間還流攪拌した。反応が
進みテトラプロポキシチタンが認められなくなった後反
応液を冷却し、析出物とアルコールを含む溶剤を分離す
る。析出物を100℃で乾燥し、57gのクエン酸チタ
ンを得た。チタン含量は14.5%であった。5%の水
溶液で24時間静置したが析出物は認められなかった。 【0026】 【発明の効果】以上詳述したように、チタン(4+)有
機化合物の多くは有機溶剤に可溶であるが水に対して
は、溶解性が小さいか又は加水分解を起こして、チタン
とアルコール等の有機化合物となるため水溶媒での使用
は困難であった。しかし水を溶媒とした工業的使用を満
足させるために、クエン酸チタンナトリウムで代表され
る、α−ヒドロキシカルボン酸化合物のチタン錯塩が水
によく溶解することからこれら一連の化合物の開発を行
った。これらの化合物は様々な分子式を持つことが出来
る。その化合物は添加する原料、即ち 有機酸、アルカ
リ金属、チタン化合物の量比、反応溶剤の種類、反応条
件、乾燥条件等によって変わる。この化合物分子式は一
般式をMnTiORmxH2Oで、Mnはアルカリ金属で1
〜6原子、Rmはヒドロキシカルボン酸で2〜6分子、
xは0〜14の値で表すことが出来る。しかし水に対す
る溶解性は無水物よりも水和物の方が良く10〜12の
値が好ましく、又チタン(4+)1原子に対して例えば
ナトリウム金属で3原子、ヒドロキシカルボン酸も3分
子のものが良い。この様にして得られたα―ヒドロキシ
カルボン酸チタンアルカリ金属化合物は水に対する溶解
性が高く、しかも溶解した状態で安定である。従って各
種の繊維加工、樹脂、塗料、接着剤、皮革柔軟剤等での
水溶剤で加工を行うことが可能であり、技術的、経済
性、作業性に優れた化合物である。 【0027】又、本発明、製法によれば、α―ヒドロキ
シカルボン酸又はそのアルカリ金属塩を使用することに
より、これまで達し得なかった水に対する溶解性を良く
することが出来た。又その製法から見ても、収率が良
く、品質も安定したものが得られ、加えて、使用目的に
合った溶解度、チタン含量化合物等容易に作ることが可
能である。
である。
例である。
例である。
Claims (4)
- 【請求項1】 α―ヒドロキシカルボン酸化合物(例え
ば、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸等)の水溶液又
は懸濁液にチタン酸ナトリウム又はカリウムを添加して
反応させ、生成したα―ヒドロキシカルボン酸のナトリ
ウム又はカリウム塩のチタン錯塩を含む水溶液をろ過、
加熱、濃縮することにより生成する、水に易溶性のα―
ヒドロキシカルボン酸及びナトリウム又はカリウム塩の
チタン錯塩。 - 【請求項2】 α―ヒドロキシカルボン酸化合物(例え
ば、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸等)の水溶液又
は懸濁液にチタン酸ナトリウム又はカリウムを添加して
反応させ、生成したα―ヒドロキシカルボン酸のナトリ
ウム又はカリウム塩のチタン錯塩を含む水溶液をろ過、
加熱、濃縮することにより生成する、水に易溶性のα―
ヒドロキシカルボン酸及びナトリウム又はカリウム塩の
チタン錯塩の製法。 - 【請求項3】 α―ヒドロキシカルボン酸化合物(例え
ば、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸等)及びそのナ
トリウム塩又はカリウム塩の水溶液又は懸濁液(有機溶
剤も含む)にテトラアルコキシチタン化合物を添加して
反応することにより生成する、水に易溶性のα―ヒドロ
キシカルボン酸及びそのナトリウム塩又はカリウム塩の
チタン錯塩。 - 【請求項4】α―ヒドロキシカルボン酸化合物(例え
ば、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸等)及びそのナ
トリウム塩又はカリウム塩の水溶液又は懸濁液(有機溶
剤も含む)にテトラアルコキシチタン化合物を添加して
反応することにより生成する、水に易溶性のα―ヒドロ
キシカルボン酸及びそのナトリウム塩又はカリウム塩の
チタン錯塩の製法。
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---|---|---|---|
JP36635599A JP4392922B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | α―ヒドロキシカルボン酸チタンアルカリ金属塩の製法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003082883A1 (fr) * | 2002-04-01 | 2003-10-09 | Daiso Co., Ltd. | Sels de titane, procede de preparation correspondant et procede de preparation d'epoxydes a partir de ces sels de titane |
JP2012056947A (ja) * | 2010-08-09 | 2012-03-22 | Toto Ltd | チタン錯体及びそれを含む水系コーティング液 |
WO2019138989A1 (ja) * | 2018-01-12 | 2019-07-18 | 日本化学工業株式会社 | チタンキレート化合物の製造方法 |
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1999
- 1999-12-24 JP JP36635599A patent/JP4392922B2/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2019138989A1 (ja) * | 2018-01-12 | 2019-07-18 | 日本化学工業株式会社 | チタンキレート化合物の製造方法 |
JPWO2019138989A1 (ja) * | 2018-01-12 | 2020-12-24 | 日本化学工業株式会社 | チタンキレート化合物の製造方法 |
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