JPH0873399A - 無水クエン酸トリマグネシウムおよびその製法 - Google Patents

無水クエン酸トリマグネシウムおよびその製法

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JPH0873399A JP21010494A JP21010494A JPH0873399A JP H0873399 A JPH0873399 A JP H0873399A JP 21010494 A JP21010494 A JP 21010494A JP 21010494 A JP21010494 A JP 21010494A JP H0873399 A JPH0873399 A JP H0873399A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水に対する溶解性が大きく、医薬品原料、工
業薬品原料、マグネシウム強化剤などに好適に使用する
ことができるとともに、多量の水を吸収するので、固結
防止剤、脱水剤、吸湿防止剤などに好適に使用すること
ができる無水クエン酸トリマグネシウムおよびその製法
を提供すること。 【構成】 クエン酸および/またはクエン酸塩の水溶液
ないし懸濁液に塩基性マグネシウムを添加してクエン酸
トリマグネシウムを生成させ、えられた前記クエン酸ト
リマグネシウムの水溶液を90℃以上に加熱し、析出し
た結晶を大気圧下または減圧下で160〜190℃で乾
燥させてえられ、25℃の水100gに対する溶解度が
10g以上である、式:C1210Mg3 14で表わされ
る無水クエン酸トリマグネシウムおよびその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無水クエン酸トリマグ
ネシウムおよびその製法に関する。さらに詳しくは、水
に対する溶解性が大きく、医薬品原料、工業薬品原料、
マグネシウム強化剤などに好適に使用することができる
とともに、多量の水を吸収し、固結防止剤、脱水剤、吸
湿防止剤などに好適に使用することができる無水クエン
酸トリマグネシウムおよびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】クエン酸やクエン酸塩を、これらの水溶
液中で塩基性マグネシウムと反応させると、クエン酸ト
リマグネシウムなどのマグネシウム塩が生成する。
【0003】しかしながら、前記クエン酸トリマグネシ
ウムは、3〜14分子の結晶水を有するため、25℃の
水100gに対する溶解度が2g以下であり、きわめて
小さいという欠点があった。
【0004】そこで、従来より、水に対する溶解性が大
きく、医薬品原料、工業薬品原料、マグネシウム強化剤
などとして好適に使用することができるとともに、多量
の水を吸収し、固結防止剤、脱水剤、吸湿防止剤などに
好適に使用しうるクエン酸のマグネシウム塩の開発が待
ち望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、水に対する溶解性が大
きく、医薬品原料、工業薬品原料、マグネシウム強化剤
などに好適に使用することができるとともに、多量の水
を吸収し、固結防止剤、脱水剤、吸湿防止剤などに好適
に使用することができる無水クエン酸トリマグネシウム
およびその製法を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、クエン酸およ
び/またはクエン酸塩の水溶液ないし懸濁液に塩基性マ
グネシウムを添加してクエン酸トリマグネシウムを生成
させ、えられた前記クエン酸トリマグネシウムの水溶液
を90℃以上に加熱し、析出した結晶を大気圧下または
減圧下で160〜190℃で乾燥させてえられ、25℃
の水100gに対する溶解度が10g以上である、式:
1210Mg3 14で表わされる無水クエン酸トリマグ
ネシウムおよびその製法に関する。
【0007】
【作用および実施例】本発明の無水クエン酸トリマグネ
シウムは、前記したように、クエン酸および/またはク
エン酸塩の水溶液ないし懸濁液に塩基性マグネシウムを
添加してクエン酸トリマグネシウムを生成させ、えられ
た前記クエン酸トリマグネシウムの水溶液を90℃以上
に加熱し、析出した結晶を大気圧下または減圧下で16
0〜190℃で乾燥させてえられ、25℃の水100g
に対する溶解度が10g以上である、式:C1210Mg
3 14で表わされるものである。
【0008】本発明に用いられるクエン酸および/また
はクエン酸塩は、本発明の無水クエン酸トリマグネシウ
ムの出発原料である。
【0009】本明細書にいうクエン酸とは、クエン酸、
イソクエン酸のみならず、イソクエン酸の脱水物である
ラクトンをもいう。
【0010】前記クエン酸塩とは、クエン酸が1分子内
に有する3つのカルボキシル基のうち、少なくとも1つ
のカルボキシル基が塩となったものをいう。
【0011】前記塩の代表例としては、たとえばクエン
酸ナトリウム、クエン酸カリウムなどのクエン酸アルカ
リ金属塩;クエン酸カルシウムなどのクエン酸アルカリ
土類金属塩;クエン酸アンモニウム塩などがあげられ
る。前記クエン酸および/またはクエン酸塩は、単独で
または2種以上を混合して用いることができる。
【0012】本発明において、前記クエン酸および/ま
たはクエン酸塩は、水溶液ないし懸濁液の状態で用いら
れる。前記クエン酸および/またはクエン酸塩を水に添
加する際には、水の使用量は、あまりにも少ないばあい
には、前記クエン酸および/またはクエン酸塩の水に対
する溶解量が少なくなるので、前記クエン酸および/ま
たはクエン酸塩100部(重量部、以下同様)に対して
300部以上、好ましくは450部以上とすることが望
ましい。また、かかる水の使用量は、あまりにも多いば
あいには、前記塩基性マグネシウムを加えた際に、前記
クエン酸トリマグネシウムが速やかに生成しがたくなる
ため、前記クエン酸および/またはクエン酸塩100部
に対して1000部以下、好ましくは600部以下とす
ることが望ましい。また、前記水溶液ないし懸濁液(以
下、懸濁水溶液(I)という)は、前記クエン酸および
/またはクエン酸塩の全量が水に溶解した状態であって
もよく、前記クエン酸および/またはクエン酸塩が懸濁
した状態であってもよく、溶解した状態および懸濁した
状態が混在した状態であってもよいが、反応を充分に進
行させるためには、前記クエン酸および/またはクエン
酸塩の全量が水に溶解した状態であることが好ましい。
【0013】前記懸濁水溶液(I)を調製する際には、
該懸濁水溶液(I)の液温は、水に対する前記クエン酸
および/またはクエン酸塩の溶解度を向上させるため
に、15℃以上、好ましくは25℃以上とすることが望
ましい。なお、前記クエン酸塩を用いるばあいには、か
かるクエン酸塩から生じる陽イオンが、前記クエン酸お
よび/またはクエン酸塩と塩基性マグネシウムとの反応
を妨げるおそれがあるので、前記懸濁水溶液(I)をあ
らかじめ陽イオン交換樹脂で処理することによってかか
る陽イオンを除去しておくことが好ましい。
【0014】つぎに、前記懸濁水溶液(I)を撹拌しな
がら該懸濁水溶液(I)に塩基性マグネシウムを加える
ことにより、クエン酸および/またはクエン酸塩と塩基
性マグネシウムとの反応が進行してクエン酸トリマグネ
シウムが生成し、該クエン酸トリマグネシウムを含有し
た水溶液ないし懸濁液(以下、懸濁水溶液(II)とい
う)がえられる。
【0015】前記塩基性マグネシウムの具体例として
は、たとえば炭酸マグネシウム、軽質炭酸マグネシウム
や重質炭酸マグネシウムなどの塩基性炭酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウムなどがあげられ、これらは単独
でまたは2種以上を混合して用いることができる。これ
らのなかでは、水とのなじみがよいことから、重質炭酸
マグネシウムや水酸化マグネシウムを用いることが好ま
しい。また、前記塩基性マグネシウムの形態について
は、とくに限定がないが、水に溶解させやすいという観
点から、たとえば60メッシュパス以下の粒子径を有す
る粉末であることが好ましい。
【0016】前記塩基性マグネシウムの使用量は、前記
クエン酸トリマグネシウムの生成量を多くさせるために
は、前記クエン酸および/またはクエン酸塩1モルに対
して1.5モル以上、好ましくは1.51モル以上、さ
らに好ましくは1.52モル以上であることが望まし
く、また、化学量論量に対して過剰量の前記塩基性マグ
ネシウムを前記懸濁水溶液(II)中に沈殿させないよう
にするためには、前記クエン酸および/またはクエン酸
塩1モルに対して1.6モル以下、好ましくは1.55
モル以下、さらに好ましくは1.53モル以下であるこ
とが望ましい。前記塩基性マグネシウムは、前記懸濁水
溶液(I)に少しずつ添加することが好ましい。前記使
用量の範囲内で塩基性マグネシウムを使用したばあいに
は、前記懸濁水溶液(II)のpHは4.5〜6.0とな
る。
【0017】前記クエン酸および/またはクエン酸塩と
前記塩基性マグネシウムとの反応が充分に進行すると、
前記懸濁水溶液(II)の濁りがなくなり、澄明な水溶液
(以下、水溶液(I)という)となる。このとき、前記
懸濁水溶液(II)の液温は、反応を速やかに進行させる
ためには、20℃以上、好ましくは25℃以上とするこ
とが望ましく、また結晶を析出させないようにするため
に40℃以下、好ましくは30℃以下とすることが望ま
しい。なお、かかる結晶が析出したばあいには、かかる
結晶は、後述するクエン酸トリマグネシウムとは異なる
ばあいがあるので、濾過によって除去し、該クエン酸ト
リマグネシウムの結晶と混じり合わないようにすること
が好ましい。
【0018】つぎに、えられた水溶液(I)を、撹拌し
ながら、90℃〜該水溶液(I)の沸点の範囲内で加熱
することにより、クエン酸トリマグネシウムの結晶を析
出させる。
【0019】さらに、前記クエン酸トリマグネシウムの
結晶を濾取し、大気圧下または減圧下で乾燥させること
により、本発明の無水クエン酸トリマグネシウムをうる
ことができる。このときの乾燥温度は、あまりにも低い
ばあいには、本発明の目的とする無水クエン酸トリマグ
ネシウムがえられなくなるので、減圧下では160℃以
上、好ましくは165℃以上とすることが好ましく、ま
た大気圧下では180℃以上とすることが好ましい。ま
た前記乾燥温度は、あまりにも高いばあいには、かかる
結晶が分解するため、190℃以下、なかんづく185
℃以下とすることが好ましい。
【0020】かくしてえられた本発明の無水クエン酸ト
リマグネシウムは、式:C1210Mg3 14で表わされ
る白色の非晶質粉末であり、25℃の水100gに対す
る溶解度が10g以上(この際のpH7〜8)であると
ともに水に対する溶解性が大きく、マグネシウム含量1
6.2重量%を有するものである。
【0021】つぎに、本発明の無水クエン酸トリマグネ
シウムおよびその製法を実施例にもとづいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもの
ではない。
【0022】実施例1 クエン酸一水和物22部(重量部、以下同様)を水10
0部に溶解させ、クエン酸水溶液をえた。かかるクエン
酸水溶液の液温を30〜40℃に保ちながら撹拌を続
け、重質炭酸マグネシウム15部を少しずつ添加した。
重質炭酸マグネシウムを溶解させたあとの水溶液(I)
のpHは5.4であった。
【0023】えられた水溶液(I)を撹拌しながら、結
晶を析出させるために100〜該水溶液(I)の沸点で
3〜4時間程度加熱した。加熱後の水溶液(I)を観察
したところ、充分に結晶が析出し、成長していることが
確認された。つぎに、前記水溶液(I)を室温まで放冷
した。
【0024】析出した結晶を濾取し、水100部を用い
て洗浄した。かかる結晶を大気圧下、180℃で6時間
乾燥させ、白色結晶を22部(収率93%)えた。
【0025】えられた白色結晶の赤外吸収スペクトル
を、ニコレー社製、フーリエ変換赤外分光光度計FT−
IR5DXCを用い、分解能4cm-1、積算回数10回
の条件で測定した。その結果を図1に示す。
【0026】前記白色結晶中のマグネシウム含量は、1
重量%塩酸酸性水溶液を用い、(株)島津製作所製、原
子吸光光度計A4−6400および酸化二チッ素−アセ
チレン混合ガスフレームを用いて、分析線波長285.
2nmにて原子吸光法により測定した結果、16.2重
量%であった。
【0027】さらに、前記白色結晶中の含水量は、測定
機器として平沼産業(株)製、平沼水分気化付属装置E
V−6および平沼水分自動測定装置AQV−5S、また
カールフィッシャー試薬としてリーデルーデ ヘアーエ
ン社製、登録商標ハイドラナール コンポジット5およ
びメタノールを用いてカールフィッシャー法により測定
した結果、0.6重量%であった。
【0028】また前記白色結晶のX線回折スペクトル
を、以下の条件にしたがって測定した。その結果を図2
に示す。
【0029】 測定装置 :(株)リガク製、RINT2500V 対陰極 :Cu フィルター:Ni 電 圧 :50kV 電 流 :300mA 走査範囲 :4〜70゜ 走査速度:4゜/min つぎに、25℃の水100gに対する前記白色結晶の溶
解度を調べたところ、24gであった。また、このとき
にえられた水溶液のpHは7.7であった。
【0030】実施例2 クエン酸一水和物23部を水100部に溶解させ、クエ
ン酸水溶液をえた。かかるクエン酸水溶液の液温を30
〜40℃に保ちながら撹拌を続け、水酸化マグネシウム
10部を少しずつ添加した。水酸化マグネシウムを溶解
させたあとの水溶液のpHは5.6であった。
【0031】えられた水溶液(I)の撹拌を続け、結晶
を析出させるために100〜該水溶液(I)の沸点で3
〜4時間程度加熱した。加熱後の水溶液(I)を観察し
たところ、充分に結晶が析出し、成長していることが確
認された。つぎに、前記水溶液(I)を室温まで放冷し
た。
【0032】析出した結晶を濾取し、水100部を用い
て洗浄した。かかる結晶を減圧乾燥器中において、16
0℃で6時間乾燥させ、白色結晶を23部(収率93
%)えた。
【0033】えられた白色結晶の赤外吸収スペクトルを
実施例1と同様にして測定したところ、実施例1と同様
の結果がえられた。
【0034】前記白色結晶中のマグネシウム含量を実施
例1と同様にして測定した結果、15.7重量%であっ
た。
【0035】さらに前記白色結晶中の含水量を実施例1
と同様にして測定した結果、1.1重量%であった。
【0036】また、前記白色結晶のX線回折スペクトル
を実施例1と同様にして測定したところ、実施例1と同
様の結果がえられた。
【0037】つぎに、25℃の水100gに対する前記
白色結晶の溶解度を調べたところ、24gであった。ま
た、このときにえられた水溶液のpHは7.7であっ
た。
【0038】実施例1または2でえられた白色結晶の2
5℃の水に対する溶解性とえられた水溶液の外観の経時
変化を、濃度の異なる水溶液を調製して、以下の評価基
準にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0039】A:濁りが認められない。
【0040】B:濁りが認められる。
【0041】C:結晶が析出する。
【0042】
【表1】
【0043】比較例1 実施例1において、180℃で乾燥させる操作を行なわ
なかったほかは、実施例1と同様にして白色結晶を35
部(収率94%)えた。
【0044】えられた白色結晶の赤外吸収スペクトルを
実施例1と同様にして測定した。その結果を図3に示
す。
【0045】前記白色結晶中のマグネシウム含量を実施
例1と同様にして測定した結果、10.4重量%であっ
た。
【0046】さらに、前記白色結晶中の含水量を実施例
1と同様にして測定した結果、36重量%であった。
【0047】また、前記白色結晶のX線回折スペクトル
を実施例1と同様にして測定した。その結果を図4に示
す。
【0048】つぎに、25℃の水100gに対する前記
白色結晶の溶解度を調べたところ、1.6gであった。
また、このときにえられた水溶液のpHは6.6であっ
た。
【0049】比較例2 実施例2において、160℃で減圧乾燥させる操作を行
なわなかったほかは、実施例2と同様にして白色結晶を
36部(収率97%)えた。
【0050】えられた白色結晶の赤外吸収スペクトルを
実施例1と同様にして測定したところ、比較例1と同様
の結果がえられた。
【0051】前記白色結晶中のマグネシウム含量を実施
例1と同様にして測定した結果、11.5重量%であっ
た。
【0052】さらに、前記白色結晶中の含水量を実施例
1と同様にして測定した結果、28重量%であった。
【0053】また、前記白色結晶のX線回折スペクトル
を実施例1と同様にして測定したところ、比較例1と同
様の結果がえられた。
【0054】つぎに、25℃の水100gに対する前記
白色結晶の溶解度を調べたところ、1.8gであった。
また、このときにえられた水溶液のpHは6.8であっ
た。
【0055】実施例1〜2および比較例1〜2の結果か
ら明らかなように、実施例1〜2でえられた無水クエン
酸トリマグネシウムは、25℃の水100gに対する溶
解度が24gであり、比較例1〜2でえられたクエン酸
トリマグネシウムの25℃の水100gに対する溶解度
が1.6gおよび1.8gであることと比較して、溶解
度が格段に大きいものであることがわかる。
【0056】また、表1から明らかなように、実施例1
〜2でえられた無水クエン酸トリマグネシウムは、25
℃の水を用いて40重量%以上の水溶液とすることがで
き、非常に水に対する溶解性が大きいものであることが
わかる。
【0057】
【発明の効果】本発明の無水クエン酸トリマグネシウム
は、水に対する溶解性が大きく、通便剤などの医薬品原
料、工業薬品原料、マグネシウム強化剤などに好適に使
用することができる。また、かかる無水クエン酸トリマ
グネシウムは、マグネシウム含量が多く、粉末であるこ
とから、たとえば製剤化するばあいには、使用量が少な
くても充分なマグネシウムが含有され、また錠剤とする
ばあいに、かかる錠剤を小さくすることができるととも
に、賦型剤などを用いる必要がないので安全性が高い。
【0058】さらに、本発明の無水クエン酸トリマグネ
シウムは多量の水を吸収するので、固結防止剤、脱水
剤、吸湿防止剤などにも好適に使用することができ、た
とえばセメントや食塩などの、水分によって固結しやす
い物質に吸湿剤として用いたばあいには、前記固結しや
すい物質の固結を効果的に防止することができるという
すぐれた効果を奏する。
【0059】また、本発明の無水クエン酸トリマグネシ
ウムの製法によれば、水に対する溶解性が大きく、純度
の高い前記無水クエン酸トリマグネシウムを高収率で容
易にうることができるので、経済的であるというすぐれ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1でえられた無水クエン酸トリマグネシ
ウムの赤外吸収スペクトルである。
【図2】実施例1でえられた無水クエン酸トリマグネシ
ウムのX線回折スペクトルである。
【図3】比較例1でえられたクエン酸トリマグネシウム
の赤外吸収スペクトルである。
【図4】比較例1でえられたクエン酸トリマグネシウム
のX線回折スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 31/19 9455−4C 33/06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クエン酸および/またはクエン酸塩の水
    溶液ないし懸濁液に塩基性マグネシウムを添加してクエ
    ン酸トリマグネシウムを生成させ、えられた前記クエン
    酸トリマグネシウムの水溶液を90℃以上に加熱し、析
    出した結晶を大気圧下または減圧下で160〜190℃
    で乾燥させてえられ、25℃の水100gに対する溶解
    度が10g以上である、式:C1210Mg3 14で表わ
    される無水クエン酸トリマグネシウム。
  2. 【請求項2】 クエン酸および/またはクエン酸塩の水
    溶液ないし懸濁液に塩基性マグネシウムを添加してクエ
    ン酸トリマグネシウムを生成させ、えられた前記クエン
    酸トリマグネシウムの水溶液を90℃以上に加熱し、析
    出した結晶を大気圧下または減圧下で160〜190℃
    で乾燥させることを特徴とする、25℃の水100gに
    対する溶解度が10g以上である、式:C1210Mg3
    14で表わされる無水クエン酸トリマグネシウムの製
    法。
JP21010494A 1994-09-02 1994-09-02 無水クエン酸トリマグネシウムおよびその製法 Expired - Lifetime JP3574185B2 (ja)

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