JP2012051479A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの軽量化を図りつつ、タイヤの耐久性、操縦安定性および乗心地性をバランス良く向上した空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】一対の環状のビードコア1aと、ビートコア1aの外周側に配されたビードフィラー1bと、ビードコア1aで端部側が幅方向内側から外側に巻き上げられたカーカス層4と、を備える空気入りタイヤにおいて、カーカス層4の巻上げ端の幅方向外側に配され、カーカス層4の巻き上げ端を少なくとも覆う外側補強層6outをさらに備えるものとする。外側補強層6outは、樹脂フィルムを実質的に周方向に沿って、らせん状に巻回することにより形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、一対の環状のビードコアと、ビートコアの外周側に配されたビードフィラーと、ビードコアで端部側が幅方向内側から外側に巻き上げられたカーカス層と、を備える空気入りタイヤに関する。
一般に、空気入りタイヤは、一対の環状のビードコアで端部側が幅方向内側から外側に巻き上げられ、少なくとも1層のカーカスプライからなるカーカス層を有する。このカーカス層のタイヤ径方向外側の巻き上げ端には、タイヤ走行時に応力が集中し、この部分を起点にゴム中にセパレーションが発生することで、タイヤの故障に繋がる場合がある。したがって、タイヤの耐久性を向上するために、カーカスプライの巻き上げ端近傍を補強する補強部材を配することが一般的に行われている。
例えば、下記特許文献1では、カーカス層の巻き上げ端の耐セパレーション性(耐久性)を向上することを目的として、タイヤのラジアル方向に対して80〜100°の範囲内の傾斜角度を有する有機繊維コードをゴム被覆してなる補強コード層により、カーカス層の巻き上げ端を覆う構成を備える空気入りタイヤが記載されている。しかしながら、かかる補強コード層では、カーカス層の巻き上げ端近傍を十分に補強することができず、耐セパレーション性の向上効果は十分ではない。
下記特許文献2では、耐久性向上を目的として、ビード補強層のタイヤ径方向外側端近傍に硬ゴムシートを配するか、あるいは2枚の硬ゴムシートで、ビード補強層のタイヤ径方向外側端を挟みこむ構成を備える空気入りタイヤが記載されている。しかしながら、硬ゴムシートによる補強は、タイヤ重量を増大させるため、タイヤの燃費性能などを考慮すると好ましくない。加えて、硬ゴムシートによる補強はタイヤ幅方向厚みの増大を招くため好ましくない。
下記特許文献3では、耐久性を低下することなくタイヤの軽量化を図ることを目的として、ビードコアの回りにビードフィラーを配さず、カーカス層のみを内側から外側に巻き上げるとともに、カーカス層の巻き上げ端を覆うように樹脂フィルムを配する空気入りタイヤが記載されている。しかしながら、ビードフィラーを配することなく、単に樹脂フィルムを配するのみでは、カーカス層の巻き上げ端を補強する効果が十分でなく、耐久性の悪化が懸念される。また、ビードフィラーを配することなく、単に樹脂フィルムを配するのみでは、タイヤ走行時の縦剛性が低下し、タイヤの操縦安定性が悪化する。
下記特許文献4では、耐久性向上を目的として、有機繊維コードをゴム被覆してなる有機繊維コード補強層でカーカスプライの巻き上げ端を包み込み、包み込んだ内側領域と外側領域とに高硬度ゴムと中硬度ゴムとをそれぞれ配した空気入りタイヤが記載されている。しかしながら、かかる空気入りタイヤでは、有機繊維コード補強層に加えて、高硬度ゴムと中硬度ゴムとを配するため、タイヤ走行時の縦剛性が高まりすぎて、乗心地性が悪化する。
上述のとおり、タイヤの軽量化を図りつつ、タイヤの耐久性、操縦安定性および乗心地性をバランス良く向上することは困難であるのが実情であった。
特開2001−47821号公報 特開2000−301919号公報 特開平10−35231号公報 特開平05−77616号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タイヤの軽量化を図りつつ、タイヤの耐久性、操縦安定性および乗心地性をバランス良く向上した空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、一対の環状のビードコアと、前記ビートコアの外周側に配されたビードフィラーと、前記ビードコアで端部側が幅方向内側から外側に巻き上げられたカーカス層と、を備える空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層の巻上げ端の幅方向外側に配され、前記カーカス層の巻き上げ端を少なくとも覆う外側補強層を備え、前記外側補強層が、樹脂フィルムを実質的に周方向に沿って、らせん状に巻回して形成されたものであることを特徴とする。
上記空気入りタイヤでは、樹脂フィルムを実質的に周方向に沿って、らせん状に巻回して形成された外側補強層により、カーカス層の巻き上げ端が覆われるため、カーカス層の巻き上げ端近傍を基点としたセパレーションを防止することができる。その結果、タイヤの耐久性を向上することができる。また、ビードフィラーと外側補強層とにより、適度に縦剛性を高めることができるため、操縦安定性と乗心地性とをバランス良く向上することができる。また、高強度かつ薄い樹脂フィルムで外側補強層を形成するため、外側補強層の厚みを薄肉化することが可能となり、タイヤの軽量化を図ることができる。
上記空気入りタイヤにおいて、前記外側補強層を構成する前記樹脂フィルムが、ポリエチレンナフタレート(以下、「PEN」ともいう)のフィルムであることが好ましい。PENは優れた引張弾性率(モジュラス)、高強度、および熱安定性を備える。したがって、PENのフィルムで外側補強層を形成することにより、高速走行時の高発熱下においてもカーカス層の巻き上げ端近傍を基点としたセパレーションを確実に防止することができる。加えて、PENフィルムは薄くて軽いにもかかわらず、優れたモジュラスおよび高強度を有するため、外側補強層のさらなる薄肉化およびタイヤの軽量化が可能となる。
上記空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層の巻き上げ端近傍における前記外側補強層の厚みが、前記外側補強層の他の部分の厚みよりも大であることが好ましい。かかる構成によれば、カーカス層の巻き上げ端近傍における外側補強層の強度が高まることから、カーカス層の巻き上げ端近傍を基点としたセパレーションをより確実に防止することができる。ここで、本発明において、「カーカス層の巻き上げ端近傍」とは、カーカス層の巻き上げ端のタイヤ径方向位置から、タイヤ径方向外側および内側の15mm以内の領域を意味する。
上記空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層の巻き上げ端の幅方向内側かつ前記ビードフィラーの幅方向外側に配され、前記カーカス層の巻き上げ端を少なくとも覆う内側補強層を備え、前記内側補強層が、実質的に周方向に延びる複数の樹脂フィルムを含むことが好ましい。かかる構成によれば、外側補強層によりカーカス層の巻き上げ端を幅方向外側から覆いつつ、内側補強層によりカーカス層の巻き上げ端を幅方向内側から覆うため、カーカス層の巻き上げ端近傍を基点としたセパレーションをさらに確実に防止することができる。
ただし、内側補強層の厚みを大とすると、タイヤ走行時の縦剛性が高まりすぎて、乗心地性の悪化が懸念される。したがって、タイヤの耐セパレーション性(耐久性)を向上しつつ、乗心地性の悪化を防止するためには、前記カーカス層の巻き上げ端近傍における前記外側補強層の厚みが、前記内側補強層の厚みよりも大であることが好ましい。
上記空気入りタイヤにおいて、前記内側補強層に含まれる複数の前記樹脂フィルム同士が、互いに間隔を空けて配されたものであることが好ましい。上述のとおり、耐セパレーション性を高めるためには、カーカス層の巻き上げ端近傍での補強効果を高めることが有用であるが、補強効果を高めすぎると、タイヤ走行時の縦剛性が高まりすぎて、乗心地性が悪化することが懸念される。しかしながら、内側補強層に含まれる複数の前記樹脂フィルム同士が、互いに間隔を空けて配されたものであると、内側補強層の補強効果を維持しつつ、タイヤ走行時の縦剛性を適度に下げることができるため、タイヤの耐久性および操縦安定性と、乗心地性と、をバランス良く向上することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、前記内側補強層を構成する前記樹脂フィルムが、ポリエチレンナフタレートのフィルムであることが好ましい。引張弾性率(モジュラス)、高強度、および熱安定性に優れたPENフィルムを含む内側補強層により、内側補強層の軽量化を図りつつ、カーカス層の巻き上げ端近傍を基点としたセパレーションを確実に防止することができる。
上記空気入りタイヤにおいて、前記内側補強層を構成する前記樹脂フィルムが、樹脂フィルムをゴム被覆してなるゴム被覆樹脂フィルムであることが好ましい。予め樹脂フィルムが間隔を空けた状態でゴム被覆されたゴム被覆樹脂フィルムは、内側補強層と接するカーカス層や他の部材とのゴム接着性がより高まる。このため、カーカス層の巻き上げ端のセパレーションをさらに確実に防止することができる。また、ゴム被覆樹脂フィルム内では、樹脂フィルムが間隔を空けた状態で配されているため、タイヤ走行時の縦剛性の上昇を適度に緩和することができる。その結果、タイヤの乗心地性を向上することができる。
本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図 図1のビード部を示す拡大図の一例 本発明に係る空気入りタイヤのビード部を示す拡大図の他の例 本発明に係る空気入りタイヤのビード部を示す拡大図の他の例 本発明に係る空気入りタイヤのビード部を示す拡大図の他の例 ゴム被覆PENフィルムからなる内側補強層の拡大図の一例
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図である。
図1に示す空気入りタイヤは、一対のビード部1と、ビード部1から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部2と、サイドウォール部2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド部3と、一対の環状のビードコア1aで端部側が幅方向内側から外側に巻き上げられたカーカス層4と、カーカス層4の外周側(タイヤ径方向外側)に配されたベルト層5と、を備える。ビード部1には、鋼線などの収束体をゴム被覆してなる環状のビードコア1aと、硬質ゴムからなるビードフィラー1bとが配設されている。
この実施形態では、トレッド部3には、タイヤ周方向に延びる主溝31、32が形成され、これらによって区画された陸部が形成されている。この陸部はリブであっても良く、あるいは主溝31、32とタイヤ幅方向に延びる横溝(図示省略)とにより区画されたブロックであっても良い。
ベルト層5は2枚のベルトプライで構成され、これらのベルトプライのたが効果により、カーカス層4を補強している。ベルトプライは、タイヤ周方向(タイヤ赤道線C)に対して19〜30°の角度で傾斜して延びる補強素子(コード)をゴム被覆して形成され、該コードが2枚のベルトプライ間で互いに逆向きに交差するように配される。コードの素材としては、スチールが例示される。
カーカス層4は、少なくとも1枚(本実施形態では1枚)のカーカスプライからなり、一対の環状のビードコア1aで端部側が幅方向内側から外側に巻き上げられて係止されている。本実施形態では、カーカス層4の巻き上げ端4Eが、ビードフィラー1bのタイヤ径方向外側端1bEoutよりも外側に配されている。ただし、本発明においては、カーカス層4の巻き上げ端4Eが、ビードフィラー1bのタイヤ径方向外側端1bEoutと同じ高さ位置に配されても良く、あるいはビードフィラー1bのタイヤ径方向外側端1bEoutよりも内側に配されても良い。
カーカス層4を構成するカーカスプライは、タイヤ赤道線Cに対して略90°の角度で延びるコードをゴム被覆して形成されている。カーカスプライには、ポリエステルやレーヨン、ナイロン、アラミドなどの有機繊維コードをゴム被覆して形成したものが好ましく採用される。
図2に拡大して示すとおり、本実施形態では、カーカス層4の巻き上げ端4Eをタイヤ幅方向外側から覆う外側補強層6outを備え、外側補強層6outが、PENフィルムを実質的に周方向に沿って、らせん状に巻回して形成されている。外側補強層6outは、カーカス層4の巻き上げ端4Eをタイヤ幅方向外側から少なくとも覆う構成を備えれば良く、本実施形態では、カーカス層4の巻き上げ端4Eよりも15mm外周側(タイヤ径方向外側)から、ビードフィラー1bのタイヤ径方向内側端と同じ程度の高さ位置まで延びる。なお本発明において、「実質的に周方向に沿って」とは、タイヤ周方向(タイヤ赤道線)に沿って延びる場合に加えて、タイヤ周方向(タイヤ赤道線C)に対して5°以内の角度で傾斜して延びる場合も含む。
PENは、エチレン−2,6−ナフタレートを85モル%以上、好ましくは90モル%以上含む重合体からなり、この重合体は公知の方法、例えば特開平5−163612号公報に記載の方法に従い合成することができる。
PENのフィルムは、例えば、PENの溶融樹脂を押出成形して得られる通常のフィルムキャスティング法により、または2軸延伸法などにより作成した所定厚みのシートフィルムを細幅に裁断して作成することもできる。PENのフィルムの厚みは0.05〜0.5mmであることが好ましく、0.05〜0.2mmであることがより好ましい。また、PENのフィルムの幅は、1〜10mmであることが好ましく、1.7〜2mmであることがより好ましい。
また、引張弾性率(モジュラス)は10〜200GPaの範囲にあることが好ましく、30〜100GPaであることがより好ましい。なお、引張弾性率とはJIS K7127 に規定されている方法に準じて室温で測定した値である。
上記テープ10のモジュラスが10GPa未満ではタイヤ周方向の張力、剛性が十分に得難く、耐久性や操縦安定性が満足できず、剛性を確保するには使用量が増加しタイヤ重量が増し、コストの上昇を招く場合がある。一方、200GPaを超えるとテープが剛直になりすぎてゴムとのモジュラス差に起因するセパレーションを生じやすくなる。
また、PENのフィルムは、ゴムとの接着性を向上するために、通常のタイヤコード用接着処理に用いられる、例えばレゾルシンーホルマリンーゴムラテックス(RFL)を主成分とする処理剤、またはエポキシ系接着剤を含む処理剤を用いて表面処理することが好ましい。
PENのフィルムを実質的にタイヤ周方向に沿ってらせん状に巻回する方法としては、カーカス層4の幅方向外側の側面に対して、隣接するフィルム同士を重ねつつ幅方向にずらしながら、らせん状にフィルムを巻回する方法、あるいは隣接するフィルム同士を、所定間隔を置きつつずらしながら、らせん状にフィルムを巻回する方法などがある。これらの方法では、フィルムをらせん状に巻回する際の重なり代の設定などを調整することで、外側補強層6outの厚みやタイヤ幅方向断面形状を任意の形状に設定可能である。
本実施形態では、カーカス層4の巻き上げ端4E近傍における外側補強層6outの厚みが、外側補強層6outの他の部分の厚みよりも大としている。外側補強層6outの厚みが大である部分(カーカス層4の巻き上げ端4E近傍部分)は、隣接するPENフィルム同士の重なり代を大きくしつつらせん状にPENフィルムを巻回(密巻き)することにより形成されている。これにより、カーカス4層の巻き上げ端4E近傍にて、外側補強層6outの補強効果がさらに高まることから、カーカス層4の巻き上げ端4E近傍を基点としたセパレーションをより確実に防止することができる。
外側補強層6outの、カーカス層4の巻き上げ端4E近傍以外の他の部分については、本実施形態では隣接するPENフィルム同士を詰めてらせん状に巻回する(重なり代が0、間隔も0とする)ことにより形成している。これにより、タイヤ走行時の縦剛性を適度に下げることができるため、耐久性に加えて、乗心地性の向上も可能となる。なお、本発明では、隣接するPENフィルム同士の重なり代を小さくしつつらせん状に巻回(疎巻き)する、あるいは隣接するPENフィルム同士を、所定間隔を置きつつずらしながら、らせん状に巻回することによっても、外側補強層6outを形成することができる。
図2に拡大して示すとおり、本実施形態では、外側補強層6outに加えて、カーカス層4の巻き上げ端4Eの幅方向内側かつビードフィラー1bの幅方向外側に配され、カーカス層4の巻き上げ端4Eを覆う内側補強層6inをさらに備える。内側補強層6inによりカーカス層4の巻き上げ端4Eを幅方向内側から覆うため、カーカス層4の巻き上げ端4E近傍を基点としたセパレーションをさらに確実に防止することができる。
本実施形態では、隣接するPENフィルム同士を詰めてらせん状に巻回する(重なり代が0、間隔も0とする)ことにより内側補強層6inを形成し、カーカス層4の巻き上げ端4E近傍における外側補強層6outの厚みが、内側補強層6inの厚みよりも大としている。この場合、内側補強層6inの補強効果を維持しつつ、タイヤ走行時の縦剛性を適度に下げることができるため、タイヤの耐久性および操縦安定性と、乗心地性と、をバランス良く向上することができる。
本発明の空気入りタイヤは、外側補強層および/または内側補強層を上記の如く構成すること以外は、通常の空気入りタイヤと同等であり、従来公知の材料、形状、構造、製法などが何れも本発明に採用することができる。
[他の実施形態]
前述の実施形態では、外側補強層6outおよび内側補強層6inを構成する樹脂フィルムとして、PENフィルムを使用した例を示した。しかしながら、本発明においては、PENフィルム以外の他の樹脂フィルム、例えばナイロン66などのポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂;ポリビニルアルコール(PVA)などのポリビニル系樹脂なども使用可能である。
前述の実施形態では、外側補強層6outに加えて、内側補強層6inをさらに備える例を示したが、図3に拡大して示すとおり、外側補強層6outのみを備えるものであっても良い。この実施形態では、外側補強層6outは、隣接するPENフィルム同士を詰めてらせん状に巻回する(重なり代が0、間隔も0とする)ことにより形成され、カーカス層4の巻き上げ端4Eよりもタイヤ径方向外側位置から、ビードフィラー1bのタイヤ径方向外側端1bEout近傍の高さ位置まで延びる。外側補強層6outのみを備え、内側補強層6inを備えない場合、耐久性および操縦安定性の向上効果がやや小さくなるが、乗心地性が特に向上する。
前述の実施形態では、隣接するPENフィルム同士を詰めてらせん状に巻回する(重なり代が0、間隔も0とする)ことにより内側補強層6inを形成した例を示した。しかしながら、本発明においては、図4および図5に拡大して示すとおり、PENフィルムが間隔を空けた状態でゴム被覆されたゴム被覆PENフィルムにより、内側補強層6inを形成しても良い。図6にゴム被覆PENフィルムからなる内側補強層6inを拡大して示す。図6中、7はPENフィルム、8は被覆ゴムを示す。図4では、外側補強層6outのタイヤ径方向内側端を、ビードフィラー1bのタイヤ径方向外側端1bEout近傍に配し、内側補強層6inのタイヤ径方向内側端を、ビードフィラー1bのタイヤ径方向外側端1bEout近傍に配した例を示す。また、図5では、外側補強層6outのタイヤ径方向内側端を、ビードフィラー1bのタイヤ径方向外側端1bEout近傍に配し、内側補強層6inのタイヤ径方向内側端を、ビードフィラー1bのタイヤ径方向内側端1bEin近傍に配した例を示す。
予めPENフィルムが間隔を空けた状態でゴム被覆されたゴム被覆PENフィルムは、内側補強層6inと接するカーカス層4や他の部材とのゴム接着性がより高まる。このため、カーカス層4の巻き上げ端4Eのセパレーションをさらに確実に防止することができる。また、ゴム被覆PENフィルム内では、PENフィルムが間隔を空けた状態で配されているため、タイヤ走行時の縦剛性の上昇を適度に緩和することができる。その結果、タイヤの乗心地性を向上することができる。なお、耐久性および操縦安定性と、乗心地性と、をバランス良く向上するためには、PENフィルムの幅Wに対して、隣接するPENフィルム同士の間隔Dを、0.5W≦D≦5Wとすることが好ましい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。実施例などにおける評価項目は下記のようにして測定を行った。
(1)高速耐久性
欧州経済委員会規則第30の付則7で荷重/速度性能試験手順として定められた速度記号Wのタイヤについての条件に準拠してテストを行なった。走行速度は10分毎に10km/hずつ増分させ、タイヤが故障するまでドラム試験機にて高速走行させた。比較例1の結果を100として指数で評価し、当該指数が大きいほど高速耐久性に優れていることを示す。
(2)操縦安定性
4名のパネラーが、テストコースにおける発進、旋回、制動について総合的に官能評価した。比較例1の結果を100として指数で評価し、当該指数が大きいほど操縦安定性に優れていることを示す。
(3)乗心地性
4名のパネラーが、テストコースにおける乗心地性について総合的に官能評価した。比較例1の結果を100として指数で評価し、当該指数が大きいほど乗心地性に優れていることを示す。
実施例1
図2に示す外側補強層6out(PENフィルムを実質的に周方向に沿って、らせん状に巻回して形成されたものであり、カーカス層4の巻き上げ端4E近傍での厚みが0.5mm、カーカス層4の巻き上げ端4E近傍以外の他の部分での厚みが0.2mm)および内側補強層6in(隣接するPENフィルム同士を詰めてらせん状に巻回する(重なり代が0、間隔も0とする)ことにより形成されたものであり、厚みが0.2mm)を備えた空気入りタイヤを実施例1とした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
実施例2
図3に示す外側補強層6out(PENフィルムを実質的に周方向に沿って、らせん状に巻回して形成されたものであり、厚みは0.5mmで各部位とも略一定)を備えた空気入りタイヤを実施例2とした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
実施例3
図4に示す外側補強層6out(PENフィルムを実質的に周方向に沿って、らせん状に巻回して形成されたものであり、厚みは0.5mmで各部位とも略一定)および内側補強層6in(PENフィルムが間隔を空けた状態でゴム被覆されたゴム被覆PENフィルム(図6に示すゴム被覆PENフィルム)により形成されたものであり、厚みは0.3mmで各部位とも略一定、PENフィルムの幅Wに対する、隣接するPENフィルム同士の間隔DはD=W)を備えた空気入りタイヤを実施例3とした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
実施例4
図5に示す外側補強層6out(PENフィルムを実質的に周方向に沿って、らせん状に巻回して形成されたものであり、厚みは0.5mmで各部位とも略一定)および内側補強層6in(PENフィルムが間隔を空けた状態でゴム被覆されたゴム被覆PENフィルム(図6に示すゴム被覆PENフィルム)により形成されたものであり、厚みは0.3mmで各部位とも略一定、PENフィルムの幅Wに対する、隣接するPENフィルム同士の間隔DはD=W)を備えた空気入りタイヤを実施例4とした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
比較例1(従来例)
外側補強層6outを、タイヤのラジアル方向に対して80〜100°の範囲内の傾斜角度を有するスチールコードをゴム被覆してなる補強コード層に変更したこと以外は、実施例2と同じ構成を備えた空気入りタイヤを比較例1とした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
比較例2
外側補強層6outを、タイヤのラジアル方向に対して80〜100°の範囲内の傾斜角度を有するPENコードをゴム被覆してなる補強コード層に変更したこと以外は、実施例2と同じ構成を備えた空気入りタイヤを比較例2とした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
比較例3
外側補強層6outおよび内側補強層6inを、タイヤのラジアル方向に対して80〜100°の範囲内の傾斜角度を有するPENコードをゴム被覆してなる補強コード層に変更したこと以外は、実施例3と同じ構成を備えた空気入りタイヤを比較例3とした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
Figure 2012051479
表1の結果から、比較例1(従来例)に比べて、実施例1〜4の空気入りタイヤでは、タイヤの耐久性、操縦安定性および乗心地性がバランス良く向上していることがわかる。特に、実施例1では、カーカス層4の巻き上げ端4E近傍における外側補強層6outの厚みが、外側補強層6outの他の部分および内側補強層6inよりも大であることから、乗心地性を維持しつつ、耐久性および操縦安定性がさらに向上している。また、実施例2では、内側補強層を配していないことから、耐久性および操縦安定性を維持しつつ、乗心地性が特に向上している。さらに、実施例3および実施例4では、耐久性、操縦安定性および乗心地性が特にバランス良く向上している。
一方、PENフィルムで構成された外側補強層および内側補強層に代えて、PENコードをゴム被覆してなる補強コード層を備える空気入りタイヤ(比較例2,3)では、操縦安定性が悪化した。
1:ビード部
1a:環状のビードコア
1b:ビードフィラー
2:サイドウォール部
3:トレッド部
4:カーカス層
4E:カーカス層の巻き上げ端
5:ベルト層
6out:外側補強層
6in:内側補強層

Claims (8)

  1. 一対の環状のビードコアと、前記ビートコアの外周側に配されたビードフィラーと、前記ビードコアで端部側が幅方向内側から外側に巻き上げられたカーカス層と、を備える空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカス層の巻上げ端の幅方向外側に配され、前記カーカス層の巻き上げ端を少なくとも覆う外側補強層を備え、
    前記外側補強層が、樹脂フィルムを実質的に周方向に沿って、らせん状に巻回して形成されたものであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記外側補強層を構成する前記樹脂フィルムが、ポリエチレンナフタレートのフィルムである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカス層の巻き上げ端近傍における前記外側補強層の厚みが、前記外側補強層の他の部分の厚みよりも大である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カーカス層の巻き上げ端の幅方向内側かつ前記ビードフィラーの幅方向外側に配され、前記カーカス層の巻き上げ端を少なくとも覆う内側補強層を備え、
    前記内側補強層が、実質的に周方向に延びる複数の樹脂フィルムを含む請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーカス層の巻き上げ端近傍における前記外側補強層の厚みが、前記内側補強層の厚みよりも大である請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記内側補強層に含まれる複数の前記樹脂フィルム同士が、互いに間隔を空けて配されたものである請求項4または5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記内側補強層を構成する前記樹脂フィルムが、ポリエチレンナフタレートのフィルムである請求項4〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記内側補強層を構成する前記樹脂フィルムが、樹脂フィルムをゴム被覆してなるゴム被覆樹脂フィルムである請求項4〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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