JP5572467B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、一対の環状ビードで両端が巻き返されたカーカス層と、カーカス層の外周側に配され、少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、ベルト層の外周側に配され、ベルト層を補強するベルト補強層と、を備えた空気入りタイヤに関する。
通常、空気入りタイヤは、トレッド部のカーカス層の外周側にベルト層を備え、たが効果による補強を行っている。かかるベルト層は、一般に、コードがタイヤ赤道線(周方向)に対して互いに逆向きに傾斜して交差するように積層された少なくとも2枚のベルトプライから構成されている。しかしながら、このような構成を備える空気入りタイヤでは、ベルト層の幅方向両端部分において、コード端部が高速走行時の遠心力による大きな歪み変形を繰り返し受けるため、エッジセパレーションが発生するという問題があった。
そこで、従来、周方向に沿って配列したコードを有するベルト補強層を、ベルト層全体を覆うようにベルト層の外周側に配することが行われている。これにより、ベルト層のコード端部の歪み変形を抑制して、高速耐久性の向上を図っている。しかしながら、かかる構成ではベルト層の断面2次モード(タイヤ走行時に、ベルト層のタイヤ赤道線近傍部分とショルダー端部分との振動の振幅が大きくなる状態)を抑制することができず、その結果、乗心地性が低下するという問題があった。
下記特許文献1では、操縦安定性と高速耐久性とを向上しつつ、軽量化を図ることを目的として、ベルト層の内周側に、周方向に沿って配列したコードを有するベルト補強層を配した空気入りタイヤが記載されている。しかしながら、かかる構成を備えるベルト補強層をベルト層の内周側に配した場合、ベルト層の歪が増幅し、高速耐久性が十分に向上しない場合がある。さらに、かかる構成では断面2次モードを抑制することができないため、乗心地性についても十分に向上しない場合がある
下記特許文献2では、操縦安定性と高速耐久性とを向上しつつ、軽量化を図ることを目的として、ベルト層の外周側に、ベルト層の少なくとも両端部を覆うようにベルト補強層を配し、該ベルト補強層を、ポリエチレンナフタレートのフィルムからなるテープをらせん状に巻回して形成した空気入りタイヤが記載されている。しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、かかる空気入りタイヤでは乗心地性の点でさらなる改良の余地があることが判明した。
特開平09−156313号公報 特許第4237510号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、軽量であって、高速耐久性および操縦安定性に優れるとともに、乗心地性が向上した空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討したところ、ベルト層外周側の幅方向中央部分および両端部分のみにベルト補強層を配し、ベルト層の断面2次モードを効果的に抑制することで、乗心地性を効果的に向上できることを見出した。また、ベルト層を構成するベルトプライの両端部分の動きを効果的に抑制し、ベルトプライの両端部分を含むタイヤのショルダー部分の剛性を高めることで、高速耐久性および操縦安定性を向上できることを見出した。本発明は、上記の検討の結果なされたものであり、下記の如き構成により上述の目的を達成するものである。
即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、一対の環状ビードで両端が巻き返されたカーカス層と、前記カーカス層の外周側に配され、少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、前記ベルト層の外周側に配され、前記ベルト層を補強するベルト補強層と、を備えた空気入りタイヤにおいて、前記ベルト補強層が、ポリエチレンナフタレート(以下、「PEN」ともいう)のフィルムを実質的に周方向に沿ってらせん状に巻回して形成されたものであって、タイヤ赤道線を含む幅方向中央部分に配されたセンターベルト補強層と、前記ベルトプライの両端部分をそれぞれ覆うように配された2枚のショルダーベルト補強層と、を有するものであり、前記センターベルト補強層と前記ショルダーベルト補強層とは、間隔を設けて配されたものであることを特徴とする。
上記空気入りタイヤでは、各々が間隔を設けてベルト層外周側に配され、PENのフィルムを実質的にタイヤ周方向に沿ってらせん状に巻回して形成されたセンターベルト補強層および2枚のショルダーベルト補強層により、ベルト層のセンター部分およびショルダー部分のみを効果的に締め付け、これらの部分のタイヤ周方向の張力および剛性を高めている。つまり、ベルト層においてタイヤ走行時に振動の振幅が大きいセンター部分およびショルダー部分のみを、ベルト層外周側に配されたベルト補強層によって補強することで、ベルト層の断面2次モードを抑制できるため、上記空気入りタイヤでは乗心地性が向上する。また、PENのフィルムでベルト補強層を形成するため、ベルト補強層の薄肉化が可能となり、タイヤの軽量化が可能となる。
また、ベルト層を構成する各ベルトプライの両端部分の動きをショルダーベルト補強層により効果的に抑制できるため、遠心力によるベルトプライの両端部のせり上がりや各ベルトプライ間のせん断歪を抑制できる。その結果、上記空気入りタイヤでは高速耐久性が向上する。
さらに、ショルダーベルト補強層により、ベルトプライの両端部分を含むタイヤのショルダー部分の剛性を高めることができる。その結果、上記空気入りタイヤでは操縦安定性が向上する。
上記空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層が、最内周側に配された第1ベルトプライと、前記第1ベルトプライの外周側に配され、前記第1ベルトプライよりも幅狭である第2ベルトプライとを有するものであり、前記ショルダーベルト補強層が、前記第2ベルトプライの幅方向最外側端よりも外側、かつ前記第1ベルトプライの幅方向最外側端よりも内側の位置にて最大厚みを有するものであって、前記第1ベルトプライと前記第2ベルトプライとの段差部分をなだらかに埋めるように形成されたものであることが好ましい。
タイヤ走行時においては、ベルト層を構成する各ベルトプライの中でも、最内周側に配された第1ベルトプライの両端部分にかかる歪が大きく、この部分から故障が発生することが多い。上記空気入りタイヤでは、ショルダーベルト補強層が、第2ベルトプライの幅方向最外側端よりも外側、かつ第1ベルトプライの幅方向最外側端よりも内側の位置の厚みが最大となるため、第1ベルトプライの両端部分の動きを効果的に抑制し、かかる部分での歪をより低減することができる。さらに、第1ベルトプライと第2ベルトプライとの段差部分をなだらかに埋めるように形成されているため、ベルト層の外周側に配されたタイヤ部材との密着性を高め、ベルト補強層と接するタイヤ部材とのセパレーションを防止することができる。これらの結果、特に高速耐久力が向上する。
上記空気入りタイヤにおいて、前記センターベルト補強層が、幅方向両端部分の厚みに比して幅方向中央部分の厚みを厚く形成されたものであることが好ましい。かかる構成によれば、ベルト層のセンター部分の中でも、特にタイヤ赤道線に近い幅方向中央部分での動きを効果的に抑制することができるため、ベルト層の断面2次モードをより効果的に抑制することができる。その結果、特に乗心地性が向上する。
上記空気入りタイヤにおいて、前記ベルト補強層を構成するポリエチレンナフタレートのフィルムの厚みが0.05〜0.5mmであり、幅が1〜10mmであることが好ましい。PENのフィルム厚みが0.05mm未満であると、PENの素材特性、特には強度やモジュラスが不十分となる場合があり、PENのフィルム厚みが0.5mmを超えると、ベルト補強層全体の薄肉化が十分にできなくなり、タイヤ重量が増大する場合がある。さらに、PENのフィルム厚みが厚すぎると、タイヤ走行中の発熱が大きくなり、フィルムと他のタイヤ部材を構成するゴムとの接着破壊が生じやすく、故障の原因となる場合がある。
一方、PENのフィルム幅が1mm未満であると、タイヤ周方向に沿ってPENのフィルムをらせん状に巻回する際、フィルムの取り扱い性が悪く、しかもフィルムをらせん状に巻回する工数も増加するため、ベルト補強層の生産効率が悪くなる場合がある。また、PENのフィルム幅が10mmを超えると、ベルト補強層を任意の形状に形成し難くなり、特に曲率変化の大きいベルトプライの両端部分で密着性が悪くなり、タイヤ内に隙間(ボイド)が生じる場合がある。
本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図 図1のショルダー部分の拡大図 図1のセンター部分の拡大図 図1のセンター部分の拡大図の他の例
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線断面図である。
図1に示す空気入りタイヤは、一対のビード部1と、ビード部1から各々タイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部2と、サイドウォール部2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド部3と、一対の環状ビード1aで両端が巻き返されたカーカス層4と、カーカス層4の外周側(タイヤ径方向外側)に配されたベルト層5と、ベルト層5の外周側に配され、ベルト層5を補強するベルト補強層6と、を備える。ビード部1には、鋼線などの収束体をゴム被覆してなる環状のビード1aと、硬質ゴムからなるビードフィラー1bとが配設されている。
この実施形態では、トレッド部3には、タイヤ周方向に延びる主溝31、32が形成され、これらによって区画された陸部が形成されている。この陸部はリブであっても良く、あるいは主溝31、32とタイヤ幅方向に延びる横溝(図示省略)とにより区画されたブロックであっても良い。
カーカス層4は、少なくとも1枚(本実施形態では2枚)のカーカスプライからなり、ビード部1の間に架け渡されるようにして配されている。カーカスプライは、タイヤ赤道線Cに対して略90°の角度で延びるコードをゴム被覆して形成され、その端部が環状ビードで巻き返された状態で係止されている。カーカスプライには、ポリエステルやレーヨン、ナイロン、アラミドなどの有機繊維コードをゴム被覆して形成したものが好ましく採用される。
ベルト層5は、最内周側に配された第1ベルトプライ5aと、第1ベルトプライ5aの外周側に配され、第1ベルトプライ5aよりも幅狭である第2ベルトプライ5bと、の2枚のベルトプライで構成され、これらのベルトプライ5a、5bのたが効果により、カーカス層4を補強している。ベルトプライ5a、5bは、タイヤ周方向(タイヤ赤道線C)に対して19〜30°の角度で傾斜して延びる補強素子(コード)をゴム被覆して形成され、該コードがベルトプライ5a、5b間で互いに逆向きに交差するように配される。コードの素材としては、スチールが例示される。
ベルト補強層6は、タイヤ赤道線Cを含む幅方向中央部分に配されたセンターベルト補強層6inと、ベルトプライ5a、5bの両端部分をそれぞれ覆うように配された2枚のショルダーベルト補強層6outと、により構成され、センターベルト補強層6inとショルダーベルト補強層6outとは、間隔を設けて配されている。センターベルト補強層6inおよびショルダーベルト補強層6outは、PENのフィルムを実質的に周方向に沿ってらせん状に巻回することにより形成されている。なお本発明において、「実質的に周方向に沿って」とは、タイヤ周方向(タイヤ赤道線)に沿って延びる場合に加えて、タイヤ周方向(タイヤ赤道線C)に対して5°以内の角度で傾斜して延びる場合も含む。
PENは、エチレン−2,6−ナフタレートを85モル%以上、好ましくは90モル%以上含む重合体からなり、この重合体は公知の方法、例えば特開平5−163612号公報に記載の方法に従い合成することができる。
PENのフィルムは、例えば、PENの溶融樹脂を押出成形して得られる通常のフィルムキャスティング法により、または2軸延伸法などにより作成した所定厚みのシートフィルムを細幅に裁断して作成することもできる。PENのフィルムの厚みは0.05〜0.5mmであることが好ましく、0.05〜0.2mmであることがより好ましい。また、PENのフィルムの幅は、1〜10mmであることが好ましく、1.7〜2mmであることがより好ましい。
また、引張弾性率(モジュラス)は10〜200GPaの範囲にあることが好ましく、30〜100GPaであることがより好ましい。なお、引張弾性率とはJIS K7127 に規定されている方法に準じて室温で測定した値である。
上記テープ10のモジュラスが10GPa未満ではタイヤ周方向の張力、剛性が十分に得難く、高速耐久性や操縦安定性が満足できず、剛性を確保するには使用量が増加しタイヤ重量が増し、コストの上昇を招く場合がある。一方、200GPaを超えるとテープが剛直になりすぎてゴムとのモジュラス差に起因するセパレーションを生じやすくなる。
また、PENのフィルムは、ゴムとの接着性を向上するために、通常のタイヤコード用接着処理に用いられる、例えばレゾルシンーホルマリンーゴムラテックス(RFL)を主成分とする処理剤、またはエポキシ系接着剤を含む処理剤を用いて表面処理することが好ましい。
さらにPENのフィルムは、少なくとも片面、好ましくは両面がゴム被覆されていることが好ましい。特に、この被覆ゴムはRFLなどの処理剤を介してPENのフィルムとの接着性を良好にする接着系ゴム配合を使用することで、より高度な耐久性の向上を図ることができるようになる。
PENのフィルムを実質的にタイヤ周方向に沿ってらせん状に巻回する方法としては、ベルト層5の外周側面に対して、隣接するフィルム同士を重ねつつ幅方向にずらしながら、らせん状にフィルムを巻回する方法、あるいは隣接するフィルム同士を、所定間隔を置きつつずらしながら、らせん状にフィルムを巻回する方法などがある。これらの方法では、フィルムをらせん状に巻回する際の重なり代の設定などを調整することで、ベルト補強層6(センターベルト補強層6in、ショルダーベルト補強層6out)のタイヤ幅方向断面形状を任意の形状に設定可能である。
図2に拡大して示すとおり、ショルダーベルト補強層6outは、第2ベルトプライ5bの幅方向最外側端Bよりも内側から、第1ベルトプライ5aの幅方向最外側端Aよりも外側まで延在しているため、第1ベルトプライ5aおよび第2ベルトプライ5bの両端部分の動きを効果的に抑制し、タイヤショルダー部の剛性を高めることができる。ショルダーベルト補強層6outの幅Woutは、第1ベルトプライ5aの幅Wの半幅W/2の5〜50%であることが好ましい。
この実施形態では、ショルダーベルト補強層6outが、第2ベルトプライ5bの幅方向最外側端Bよりも外側、かつ第1ベルトプライ5aの幅方向最外側端Aよりも内側の位置Xにて最大厚みαを有し、第1ベルトプライ5aと第2ベルトプライ5bとの段差部分Pをなだらかに埋めるように形成されている。このようなショルダーベルト補強層6outを形成する方法としては、たとえば第2ベルトプライ5bの幅方向最外側端Bよりも内側、あるいは第1ベルトプライ5aの幅方向最外側端Aよりも外側では、隣接するフィルム同士の重なり代を小さくしつつらせん状にフィルムを巻回し(疎巻き)、第1ベルトプライ5aと第2ベルトプライ5bとの段差部分Pでは、隣接するフィルム同士の重なり代を大きくしつつらせん状にフィルムを巻回する(密巻き)方法がある。
図3に拡大して示すとおり、センターベルト補強層6inは、タイヤ赤道線Cを含む幅方向中央部分に配されている。この実施形態では、トレッド部3の幅方向中央部分に、タイヤ赤道Cを挟んでタイヤ周方向に延びる2本の主溝31が形成されている。この場合、タイヤ走行時に主溝31近傍でのベルト層5の振動の振幅が大きくなる傾向があるため、センターベルト補強層6inの幅方向最外側端Dが主溝31よりも外側まで位置するように、センターベルト補強層6inを配することが好ましい。この実施形態では、センターベルト補強層6inの厚みを、幅方向で均一に設定し、その最大厚みβが、ショルダーベルト補強層6outの最大厚みαよりも薄く設定されている。この場合、幅方向両外側のショルダー部分をセンター部分よりも強く補強することにより、断面2次モードをさらに抑制することができる。なお、センターベルト補強層6inの幅Woutは、第1ベルトプライ5aの幅Wの50%以内であることが好ましい。
この実施形態では、ベルト補強層6(センターベルト補強層6in、ショルダーベルト補強層6out)の外周側に、ベルト層5およびベルト補強層6全体を覆うように、さらに第2ベルト補強層7を配している。第2ベルト補強層7は、実質的に周方向に配列したポリエチレンテレフタレート(PET)やナイロンなどの有機繊維コードをゴムで被覆したものであり、ベルト層5全体を締め付けることにより、タイヤ周方向の張力および剛性を高め、タイヤの高速耐久性および操縦安定性をさらに高めている。上述したとおり、ショルダーベルト補強層6outが、第1ベルトプライ5aと第2ベルトプライ5bとの段差部分Pをなだらかに埋めるように形成された場合、ショルダー部分にてショルダーベルト補強層6outと第2ベルト補強層7との密着性が高まるため、高速耐久力が特に向上する。
本発明の空気入りタイヤは、ベルト補強層6(センターベルト補強層6in、ショルダーベルト補強層6out)を上記の如く構成すること以外は、通常の空気入りタイヤと同等であり、従来公知の材料、形状、構造、製法などが何れも本発明に採用することができる。
[他の実施形態]
前述の実施形態では、センターベルト補強層6inの厚みを、幅方向で均一に設定した例を示した。しかしながら本発明においては、図4に示すとおり、センターベルト補強層6inが、幅方向両端部分(図4では、Dより外側部分)の厚みに比して幅方向中央部分の厚みを厚く形成してもよい。かかる構成によれば、ベルト層5のセンター部分の中でも、特にタイヤ赤道線Cに近い幅方向中央部分での動きを効果的に抑制することができるため、ベルト層5の断面2次モードをより効果的に抑制することができる。その結果、特に乗心地性が向上する。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。実施例などにおける評価項目は下記のようにして測定を行った。
(1)高速耐久性
欧州経済委員会規則第30の付則7で荷重/速度性能試験手順として定められた速度記号Wのタイヤについての条件に準拠してテストを行なった。走行速度は10分毎に10km/hずつ増分させ、タイヤが故障するまでドラム試験機にて高速走行させた。比較例1の結果を100として指数で評価し、当該指数が大きいほど高速耐久性に優れていることを示す。
(2)操縦安定性
4名のパネラーが、テストコースにおける発進、旋回、制動について総合的に官能評価した。比較例1の結果を100として指数で評価し、当該指数が大きいほど操縦安定性に優れていることを示す。
(3)乗心地性
4名のパネラーが、テストコースにおける乗心地性について総合的に官能評価した。比較例1の結果を100として指数で評価し、当該指数が大きいほど乗心地性に優れていることを示す。
実施例1
図1〜図3に示すベルト補強層6(センターベルト補強層6in、ショルダーベルト補強層6out)、第2ベルト補強層7、およびベルト層5を備える空気入りタイヤ(第1ベルトプライ5aおよび第2ベルトプライ5bは、スチールコードがタイヤ周方向(タイヤ赤道線C)に対して24°の角度で互いに逆向きに交差するように配され、ベルト層5(第1ベルトプライ5a)の最大幅W=190mm、センターベルト補強層6inの幅Win=50mm、ショルダーベルト補強層6outの幅Wout=30mm、センターベルト補強層6inの最大厚みβ=1.0mm、ショルダーベルト補強層6outの最大厚みα=1.8mm)を実施例1とした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
実施例2
図3に示すセンターベルト補強層6inを、図4に示すセンターベルト補強層6in(最大厚みβ=1.5mm、外側部分の厚みγ=0.8mm)に変更した以外は、実施例1と同じ構成を備える空気入りタイヤを実施例2とした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
比較例1
図1〜図3に示すベルト補強層6(センターベルト補強層6in、ショルダーベルト補強層6out)を備えないこと以外は、実施例1と同じ構成を備える空気入りタイヤを比較例1とした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
比較例2
図1〜図3に示すベルト補強層6(センターベルト補強層6in、ショルダーベルト補強層6out)を備えず、代わりに第1ベルトプライ5aと第2ベルトプライ5bとの間に、3500dtexのPEN繊維コードからなる補強素子を配列したベルト補強層をセンター部分およびショルダー部分に配すること(ただし、センター部分のベルト補強層およびショルダー部分の2枚のベルト補強層の幅は、図1〜図3に示すセンターベルト補強層6inおよびショルダーベルト補強層6outと同じに設定)以外は、実施例1と同じ構成を備える空気入りタイヤを比較例2とした。上記評価項目の測定結果を表1に示す。
Figure 0005572467
表1の結果から、比較例1の空気入りタイヤに比べて、実施例1および2の空気入りタイヤでは、高速耐久性および操縦安定性に優れるとともに、乗心地性が向上していることがわかる。特に、センターベルト補強層6inが、幅方向両端部分の厚みに比して幅方向中央部分の厚みを厚く形成された実施例2では、乗心地性が特に向上していることがわかる。一方、比較例2の空気入りタイヤは、実施例の空気入りタイヤに比べて乗心地性および高速耐久性が悪化した。
1:ビード部
1a:環状のビード
1b:ビードフィラー
2:サイドウォール部
3:トレッド部
31,32:主溝
4:カーカス層
5:ベルト層
5a:第1ベルトプライ
5b:第2ベルトプライ
6:ベルト補強層
6in:センターベルト補強層
6out:ショルダーベルト補強層
7:第2ベルト補強層

Claims (4)

  1. 一対の環状ビードで両端が巻き返されたカーカス層と、前記カーカス層の外周側に配され、少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、前記ベルト層の外周側に配され、前記ベルト層を補強するベルト補強層と、を備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルト補強層が、ポリエチレンナフタレートのフィルムを実質的に周方向に沿ってらせん状に巻回して形成されたものであって、タイヤ赤道線を含む幅方向中央部分に配されたセンターベルト補強層と、前記ベルトプライの両端部分をそれぞれ覆うように配された2枚のショルダーベルト補強層と、を有するものであり、
    前記センターベルト補強層と前記ショルダーベルト補強層とは、間隔を設けて配されたものであり、
    前記ベルト層が、最内周側に配された第1ベルトプライと、前記第1ベルトプライの外周側に配され、前記第1ベルトプライよりも幅狭である第2ベルトプライとを有するものであり、
    前記ショルダーベルト補強層が、前記第2ベルトプライの幅方向最外側端よりも外側、かつ前記第1ベルトプライの幅方向最外側端よりも内側の位置にて最大厚みを有するものであって、前記第1ベルトプライと前記第2ベルトプライとの段差部分をなだらかに埋めるように形成されたものであることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記センターベルト補強層が、幅方向両端部分の厚みに比して幅方向中央部分の厚みを厚く形成されたものである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト補強層を構成するポリエチレンナフタレートのフィルムの厚みが0.05〜0.5mmであり、幅が1〜10mmである請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ショルダーベルト補強層が、前記第2ベルトプライの幅方向最外側端よりも内側、あるいは前記第1ベルトプライの幅方向最外側端よりも外側では、隣接するフィルム同士の重なり代を小さくしつつらせん状にフィルムを巻回し(疎巻き)、前記第1ベルトプライと前記第2ベルトプライとの段差部分では、隣接するフィルム同士の重なり代を大きくしつつらせん状にフィルムを巻回する(密巻き)ことにより、前記第1ベルトプライと前記第2ベルトプライとの段差部分をなだらかに埋めるように形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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