JPH1035231A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH1035231A
JPH1035231A JP8193678A JP19367896A JPH1035231A JP H1035231 A JPH1035231 A JP H1035231A JP 8193678 A JP8193678 A JP 8193678A JP 19367896 A JP19367896 A JP 19367896A JP H1035231 A JPH1035231 A JP H1035231A
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健一郎 杉谷
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公良 日比野
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剛 川口
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Yokohama Rubber Co Ltd
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/02Carcasses
    • B60C9/14Carcasses built-up with sheets, webs, or films of homogeneous material, e.g. synthetics, sheet metal, rubber

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性を低下させることなく軽量化を可能に
した空気入りタイヤを提供すること。 【解決手段】 この空気入りタイヤは、左右一対のビー
ド部1、1間にカーカス層2を装架し、カーカス層2の
端部をビードコア3の廻りにビードフィラーを配置する
ことなくタイヤ内側から外側に折り返し、カーカス層2
の巻き上げ端部にタイヤ半径方向内側と外側とに跨がる
ように少なくともヤング率50〜500MPaの熱可塑
性樹脂からなる樹脂フィルム6を積層してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性を低下させ
ることなく軽量化を可能にした空気入りタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、タイヤ軽量化の要求を満たすもの
としてビードフィラーを小型化したり、又はフィラーレ
スとするビード部構造が提案されている。しかし、この
ようなビード部構造では、サイドトレッドの厚さを従来
通りとするかもしくは大きくしないと耐久性が低下する
ため、十分に軽量化を図れなかった。また、このビード
部構造において、スチールコード、ナイロンコードなど
の補強コードからなる補強層をサイド部に配置して耐久
性を確保することもなされているが、このように補強層
を配置すると配置した分だけ重量増となる問題があっ
た。したがって、ビード部の軽量化によるタイヤ軽量化
と耐久性とは二律背反の関係にあり、両立は困難であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐久
性を低下させることなく軽量化を可能にした空気入りタ
イヤを提供することである。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明は、左右一対のビ
ード部間にカーカス層を装架し、該カーカス層の端部を
ビードコアの廻りにビードフィラーを配置することなく
タイヤ内側から外側に折り返し、該カーカス層の巻き上
げ端部にタイヤ半径方向内側と外側とに跨がるように少
なくともヤング率50〜500MPaの熱可塑性樹脂か
らなる樹脂フィルムを積層したことを特徴とする。
【0005】このように従来のビードフィラーに代えて
ヤング率がゴムよりも大幅に高い50〜500MPaの
熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムをビード部に配置す
るために、ビード部のタイヤ幅方向剛性を高めると共
に、ビード部のリムへの座りをよくするというビードフ
ィラーの役割をこの樹脂フィルムが果たすことができ
る。また、ビードフィラーを省略した上に、この樹脂フ
ィルムはヤング率がゴムよりも大幅に高い熱可塑性樹脂
からなるためビード部全体を薄くでき、タイヤを軽量化
することが可能となる。
【0006】さらに、カーカス層の巻き上げ端部にタイ
ヤ半径方向内側と外側とに跨がるようにこの樹脂フィル
ムを配置するため、その巻き上げ端部に応力が集中する
のを防止できるから、その端部でのセパレーションの発
生を防ぎ、耐久性の向上が可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の空気入りタイヤは、図1
に示すように、左右一対のビード部1、1間にカーカス
層2が装架され、ビード部1におけるビードコア3の廻
りにカーカス層2の端部がタイヤ内側から外側に折り返
されて巻き上げられている。トレッド4におけるカーカ
ス層2の外側には、下側ベルト層5dとこの下側ベルト
層5dよりも幅の狭い上側ベルト層5uの2枚のベルト
層がタイヤ周方向にタイヤ1周に亘って配置されてい
る。
【0008】ビード部1では、ビードコア3のタイヤ径
方向外側に通常配置される断面三角形状の周辺ゴムより
も硬度の高いビードフィラーが配置されることなく、カ
ーカス層2の巻き上げ部2aが巻き上げられていないカ
ーカス層2に沿ってトレッド4方向に延びている。ま
た、ビード部1では、樹脂フィルム6がカーカス層2の
巻き上げ端末2bを覆うように配置されている。樹脂フ
ィルム6の配置は、図1に示すように巻き上げ端末2b
の外側でもよく、図2に示すように巻き上げ端末2bと
巻き上げられていないカーカス層2との間であってもよ
い。カーカス層の巻き上げ端部にタイヤ半径方向内側と
外側とに跨がるように、樹脂フィルム6が配置されてい
ればよいからである。
【0009】樹脂フィルム6は、一端がビードコア3の
近傍まで延びて、他端が下側ベルト層5dの近傍まで延
びていてもよい。また、カーカス層2の巻き上げ端末2
bの位置からビードコア方向の樹脂フィルム6の長さa
およびカーカス層2の巻き上げ端末2bの位置からトレ
ッド4方向の樹脂フィルム6の長さbは、それぞれ、a
≧10mm、b ≧10mmであるのが好ましい。樹脂フィルム6
の厚さは、0.1 〜3.0mm であるのがよく、0.1 〜1.0mm
であるのが好ましい。
【0010】この樹脂フィルム6は複数枚配置してもよ
く、例えば、図1に示すように巻き上げ端末2bの外側
に配置すると共に図2に示すように巻き上げ端末2bと
巻き上げられていないカーカス層2との間に配置しても
よい。また、この樹脂フィルム6は、少なくともヤング
率50〜500MPaの熱可塑性樹脂からなる。ヤング
率が50MPa未満ではタイヤ幅方向剛性が低下してし
まう。ヤング率が500MPa超では、剛性が高くなり
すぎて、壊れ易くなり、耐久性が低下し、タイヤ故障の
原因となる。
【0011】この熱可塑性樹脂としては、ヤング率が5
0〜500MPaのものであればよく、例えば、ポリア
ミド系樹脂(例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン6
6(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11
(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610
(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン
6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/
610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMX
D6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共
重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/
PPS共重合体)、及びそれらのN−アルコキシアルキ
ル化物、例えば6−ナイロンのメトキシメチル化物、6
−610−ナイロンのメトキシメチル化物、612−ナ
イロンのメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂(例
えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフ
タレート(PE10)、PET/PEI共重合体、ポリ
アリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(P
BN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイ
ミド酸/ポリブチレートテレフタレート共重合体などの
芳香族ポリエステル)、ポリニトリル系樹脂(例えば、
ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチクリロニト
リル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、
メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニ
トリル/スチレン/ブタジエン共重合体)、ポリメタク
リレート系樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチル(P
MMA)、ポリメタクリル酸エチル)、ポリビニル系樹
脂(例えば、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PV
A)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVO
H)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニ
ル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、
塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビ
ニリデン/アクリロニトリル共重合体)、セルロース系
樹脂(例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロー
ス)、フッ素系樹脂(例えば、ポリフッ素化ビニリデン
(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロ
ルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチ
レン/エチレン共重合体)、イミド系樹脂(例えば、芳
香族ポリイミド(PI)などを挙げることができ、2種
以上であってもよい。
【0012】また、本発明で用いられる樹脂フィルム6
としては、上記の熱可塑性樹脂にエラストマーをブレン
ドしたフィルムでも良い。上記熱可塑性樹脂とブレンド
することができるエラストマー成分としては、熱可塑性
樹脂成分とブレンドした状態で組成物をなし、結果とし
てヤング率が50〜500MPaのフィルムとなるもの
であれば、その種類及び量は特に限定されない。
【0013】この熱可塑性樹脂とブレンドするエラスト
マーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物
(例えば、NR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、
BR(高ジスBR及び低シスBR)、NBR、水素化N
BR、水素化SBR)、オレフィン系ゴム(例えば、エ
チレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン
酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、II
R、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー
共重合体)、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、
含ハロゲンゴム(例えば、Br−IIR、CI−II
R、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化
物(Br−IPMS)、CR、ヒドリンゴム(CHR・
CHC)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、
塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポ
リエチレン(M−CM))、シリコンゴム(例えば、メ
チルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチ
ルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオウゴム(例え
ば、ポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えば、ビニ
リデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系
ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含
フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴ
ム)、熱可塑性エラストマー(例えば、スチレン系エラ
ストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラ
ストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラ
ストマー)などを挙げることができ、2種以上であって
もよい。
【0014】前記した熱可塑性樹脂とエラストマー成分
との相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶
化剤を添加するのが好ましい。系に相溶化剤を混合する
ことにより、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との界面
張力が低下し、その結果、分散層を形成しているゴムの
粒子が微細になることから両成分の特性はより有効に発
現されることになる。そのような相溶化剤としては一般
的に熱可塑性樹脂及びエラストマー成分の両方又は片方
の構造を有する共重合体、或いは熱可塑性樹脂又はエラ
ストマー成分と反応可能なエポキシ基、カルボニル基、
ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有
した共重合の構造をとるものとすることができる。これ
らは混合される熱可塑性樹脂とエラストマー成分の種類
によって選定すれば良いが、通常使用されるものにはス
チレン/エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEB
S)及びそのマレイン酸変性物、EPDM:EPDM/
スチレン又EPDM/アクリロニトリルグラフト共重合
体及びそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共
重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。
かかる相溶化剤の配合量には特に限定はないが、好まし
くはポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマー成分の
総和)100重量部に対して、0.5 〜10重量部が良い。
【0015】熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンド
する場合の熱可塑性樹脂(A)とエラストマー成分
(B)との組成比は、特に限定はなく、フィルムの厚
さ、耐空気透過性、柔軟性のバランスで適宜決めればよ
いが、好ましい範囲は重量比(A)/(B)で10/9
0〜90/10、更に好ましくは15/85〜90/1
0である。
【0016】本発明に係わるポリマー組成物(樹脂フィ
ルム6)は、上記必須ポリマー成分に加えて、本発明の
タイヤ用ポリマー組成物の必要特性を損なわない範囲で
前記した相溶化剤ポリマーなどの他のポリマーを混合す
ることができる。他ポリマーを混合する目的は、熱可塑
性樹脂とエラストマー成分との相溶性を改良するため、
材料のフィルム成型加工性を良くするため、耐熱性向上
のため、コストダウンのため等であり、これに用いられ
る材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリ
プロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、
SBS、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。ま
た、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン共重
合体、そのマレイン酸変性体、又はそのグリシジル基導
入体なども挙げることができる。本発明に係わるポリマ
ー組成物には、更に一般的にポリマー配合物に配合され
る充填剤(炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ
等)、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の補強
剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、顔料、染料、老化防止
剤等を上記空気透過係数及びヤング率の要件を損なわな
い限り任意に配合することもできる。
【0017】また、前記エラストマー成分は熱可塑性樹
脂との混合の際、動的に加硫することもできる。動的に
加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時
間)等は、添加するエラストマー成分の組成に応じて適
宜決定すればよく、特に限定されるものではない。加硫
剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いるこ
とができる。具体的には、イオン系加硫剤としては粉末
イオウ、沈降イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオ
ウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、ア
ルキルフェノールジサルファイド等を例示でき、例え
ば、0.5〜4phr 〔ゴム成分(ポリマー)100重量
部あたりの重量部〕程度用いることができる。
【0018】有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾ
イルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイ
ド、2,4−ビクロロベンゾイルパーオキサイド、2,
Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジ
チオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメー
ト、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等、チオ
ウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジ
エチルチオウレア等を挙げることができる。
【0019】また、加硫促進助剤としては、一般的なゴ
ム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華
(5phr 程度)、ステアリン酸やオレイン酸及びこれら
のZn塩(2〜4phr 程度)等が使用できる。熱可塑性
エラストマー組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂成
分とエラストマー成分(ゴムの場合は未加硫物)とを2
軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス
相)を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を分
散相(ドメイン)として分散させることによる。エラス
トマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加
し、エラストマー成分を動的に加硫させてもよい。ま
た、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合
剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加してもよい
が、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可
塑性樹脂とエラストマー成分の混練に使用する混練機と
しては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、
バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。な
かでも熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練およびエ
ラストマー成分の動的加硫には、2軸混練押出機を使用
するのが好ましい。更に、2種類以上の混練機を使用
し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度
は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよい。ま
た、混練時の剪断速度は1000〜7500 sec-1であ
るのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、
また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は1
5秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製され
たポリマー組成物は、次に押出し成形またはカレンダー
成形によってシート状のフィルムに形成される。フィル
ム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラ
ストマーをフィルム化する方法によればよい。
【0020】このようにして得られるフィルムは、熱可
塑性樹脂(A)のマトリックス中にエラストマー成分
(B)が分散相(ドメイン)として分散した構造をと
る。かかる状態の分散構造をとることにより、ゴム弾性
を保持できると共に熱可塑の加工が可能となり、かつベ
ルト補強層としてのフィルムに十分な柔軟性と連続相と
しての樹脂層の効果により十分な剛性を併せ付与するこ
とができると共に、エラストマー成分の多少によらず、
成形に際し、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を得るこ
とができるため、通常の樹脂用成形機、即ち押出し成
形、またはカレンダー成形によって、フィルム化するこ
とが可能となる。
【0021】これらフィルムと相対するゴム層との接着
は、通常のゴム系、フェノール樹脂系、アクリル共重合
体系、イソシアネート系等のポリマーと架橋剤を溶剤に
溶かした接着剤をフィルムに塗布し、加硫成形時の熱と
圧力により接着させる方法、または、スチレンブタジエ
ンスチレン共重合体(SBS)、エチレンエチルアクリ
レート(EEA)、スチレンエチレンブチレンブロック
共重合体(SEBS)等の接着用樹脂を熱可塑性フィル
ムと共に共押出、或いはラミネートして多層フィルムを
作製しておき、加硫時にゴム層と接着させる方法があ
る。溶剤系接着剤としては、例えば、フェノール樹脂系
(ケムロック220・ロード社)、塩化ゴム系(ケムロ
ック205、ケムロック234B)、イソシアネート系
(ケムロック402)等を例示することができる。
【0022】
【実施例】下記のタイヤ(本発明タイヤ1〜3、比較例
タイヤ1〜2、従来タイヤ1〜2)につき、下記により
ビード部重量、耐久性、およびタイヤ幅方向剛性を測定
した。この結果を表1に示す。本発明タイヤ1 タイヤサイズ175/70 R13 82S。図1に示すビード部構
造。樹脂フィルム6は、ヤング率50MPaの熱可塑性
エラストマーからなる。樹脂フィルム6の厚さ0.3m
m、幅60mm(a=30mm、b=30mm)。本実
施例の熱可塑性エラストマーは、予め、ナイロン11
(アトケム社・リルサンBMNO)とBr−IPMS
(エクソン社・Exxpro 89-4)とを50/50の比
率で2軸混練機で混合し、樹脂成分中に十分にエラスト
マー成分が分散した後、加硫剤として、亜鉛華、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸をエラストマー100重量部
に対して、それぞれ、0.4重量部、2重量部、1重量
部加え、動的加硫してペレット化することによって作製
した。
【0023】さらにこのペレットを通常の熱可塑性樹脂
のTダイ押出機にてフィルム化した。本発明タイヤ2 タイヤサイズ175/70 R13 82S。図1に示すビード部構
造。樹脂フィルム6は、ヤング率250MPaのナイロ
ン6、66共重合体(東レ・アミラン CM 6021)からな
る。樹脂フィルム6の厚さ0.3mm、幅60mm(a
=30mm、b=30mm)。
【0024】材料のフィルム化は、通常の熱可塑性樹脂
のTダイ押出成形によった。本発明タイヤ3 タイヤサイズ175/70 R13 82S。図1に示すビード部構
造。樹脂フィルム6は、ヤング率500MPaのナイロ
ン12(アトケム社・リルサンAMNO)樹脂からな
る。樹脂フィルム6の厚さ0.3mm、幅60mm(a
=30mm、b=30mm)。
【0025】材料のフィルム化は、同様に通常の熱可塑
性樹脂のTダイ押出成形によった。比較タイヤ1 タイヤサイズ175/70 R13 82S。図1に示すビード部構
造。樹脂フィルム6は、ヤング率40MPaの熱可塑性
エラストマーからなる。樹脂フィルム6の厚さ0.3m
m、幅60mm(a=30mm、b=30mm)。
【0026】本比較例の熱可塑性エラストマーは、本発
明タイヤ1で記載したナイロン11とBr−IPMSと
の比率を40/60としたもので、熱可塑性エラストマ
ーの製法、フィルム化法は本発明タイヤ1と全く同様に
行った。比較タイヤ2 タイヤサイズ175/70 R13 82S。図1に示すビード部構
造。樹脂フィルム6は、ヤング率600MPaのPBT
(ポリプラスチックス・ジュラネクス600 FP) からな
る。樹脂フィルム6の厚さ0.3mm、幅60mm(a
=30mm、b=30mm)。
【0027】フィルム成形は、同様に通常の熱可塑性樹
脂のTダイ押出成形によった。従来タイヤ1 タイヤサイズ175/70 R13 82S。ビードコアのタイヤ径方
向外側(図1における樹脂フィルム6の配置位置)に断
面三角形状のビードフィラーを配置(底辺6.5mm、
高さ25mmのビードフィラー)すると共に、そのビー
ドフィラーの外側に、厚さ1.05mm、幅50mm、
エンド数38のナイロン補強層を配置。
【0028】従来タイヤ2 タイヤサイズ175/70 R13 82S。ビードコアのタイヤ径方
向外側(図1における樹脂フィルム6の配置位置)に断
面三角形状のビードフィラーを配置(底辺6.5mm、
高さ40mmのビードフィラー)。ビード部重量の測定方法 :各試験タイヤの成型前の補強
層およびビードフィラーの重量を測定した。この結果を
従来タイヤ1を100とする指数で示す。数値の小さい
方が軽量である。
【0029】耐久性の測定方法:JIS D 4230
に準拠し、180kPa、81km/hの条件で走行
し、2754km時点でのビード部の状態を観察するこ
とによった。「合格」はタイヤ故障が発生せずに275
4kmを走行できたもの。「不合格」は2754kmに
満たずにタイヤ故障が発生したもので、故障発生時点の
走行距離を付記してある。
【0030】タイヤ幅方向剛性の測定方法:各試験タイ
ヤをJATMA標準リムに装着し、空気圧を200kP
aとし、負荷荷重3.43KNの際のタイヤ横方向たわ
み量を測定し、荷重−たわみ曲線より算出した。この結
果を従来タイヤ2を100とする指数で示す。数値の大
さい方が剛性が高い。
【0031】
【0032】表1から明らかなように、本発明範囲外の
ヤング率の50MPa未満、もしくは超500MPaの
樹脂からなる樹脂フィルムを用いた場合には、耐久性が
わるい(比較例1、2)。また、ビードフィラーを配置
した従来タイヤ2に比して、ビードフィラーを配置する
ことのない本発明タイヤ1〜3は、タイヤ幅方向剛性に
も優れている。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ビ
ード部に、ビードフィラーを配置することなしに、カー
カス層の巻き上げ端部に少なくともヤング率50〜50
0MPaの熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを積層し
たので、耐久性を低下させることなく軽量化が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一例の子午線方向半
断面図である。
【図2】本発明の空気入りタイヤのビード部構造の他の
一例を示す子午線方向断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部 2 カーカス層 3 ビードコア
4 トレッド 5d 下側ベルト層 5u 上側ベルト層 6 樹
脂フィルム
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/12 C08L 27/12 31/04 31/04 33/10 33/10 33/18 33/18 67/08 67/08 77/00 77/00 79/08 79/08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のビード部間にカーカス層を装
    架し、該カーカス層の端部をビードコアの廻りにビード
    フィラーを配置することなくタイヤ内側から外側に折り
    返し、該カーカス層の巻き上げ端部にタイヤ半径方向内
    側と外側とに跨がるように少なくともヤング率50〜5
    00MPaの熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを積層
    した空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記樹脂フィルムの厚さが0.1 〜3.0mm
    で、かつ前記カーカス層の巻き上げ端部の端末からタイ
    ヤ径方向内側への延長長さaおよび端末からタイヤ径方
    向内側への延長長さbがそれぞれa≧10mm、b ≧10mmで
    ある請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂、
    ポリエステル系樹脂、ポリニトリル系樹脂、ポリメタク
    リレート系樹脂、ポリビニル系樹脂、セルロース系樹
    脂、フッ素系樹脂及びイミド系樹脂の群から選ばれた少
    なくとも1種である請求項1又は2記載の空気入りタイ
    ヤ。
  4. 【請求項4】 前記樹脂フィルムがエラストマーを含有
    する請求項1、2、又は3記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記エラストマーがジエン系ゴム及びそ
    の水素添加物、オレフィン系ゴム、含ハロゲンゴム、含
    イオウゴム、フッ素ゴム及び熱可塑性エラストマーの群
    から選ばれた少なくとも1種である請求項4記載の空気
    入りタイヤ。
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