JP3568324B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関わり、更に詳しくは、ベルト補強層を設けた空気入りラジアルタイヤにおいて、重量の増加を抑制しながら、良好な耐久性を確保し、かつ生産性を改善するようにした空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空気入りラジアルタイヤは、ベルト層のエッジ部に剛性の高い補強層を設けることにより、耐久性を高めることができることが知られている。剛性を高めることでベルトエッジ部の動きを拘束し、ベルトエッジ部とコートゴム又は補強層間の剥離現象(セパレーション)を軽減できるのである。従って、ある程度以上の厚みと幅を持たせる必要があった。
【0003】
更に、高速耐久性を要求されるタイヤのベルト補強層では、耐久性を高めるために、より剛性の高いナイロン繊維コード等の補強コードを配列する構成にする必要がある。そのため、肉厚もある程度厚くなるので、タイヤ重量が大きく増加し、近年のタイヤ軽量化の流れに逆行するという問題があった。
また、補強層を追加するため、その部材を取付ける工程が新たに必要になる。そのため、タイヤ成型時間が長くなり、生産性が悪くなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ベルト補強層を設けた空気入りラジアルタイヤにおいて、タイヤ重量の増加を抑え、かつ良好な耐久性を確保しながら、生産性の改善を図ることが可能な空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、トレッド部のカーカス層外周側に複数のベルト層を埋設した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記カーカス層に隣接する1番ベルト層の両エッジ部と該1番ベルト層の外周側に配置した2番ベルト層の両エッジ部との間にベルト補強層を配置すると共に、該ベルト補強層をヤング率が50〜500MPa の熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物から構成したことを特徴とする。
【0006】
このように耐久性を高めるのに効果的なベルト層の両エッジ部にベルト補強層を配設し、そのベルト補強層を構成する熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物のヤング率を上記のような範囲に設定して補強層の剛性を高めているので、ベルト層を効果的に補強して良好なタイヤ耐久性を得ることができる。
また、上記のように構成したベルト補強層は、その肉厚を従来の補強コードを有するベルト補強層よりも薄くして軽量にすることができるので、重量増加の抑制も可能になる。
【0007】
また、ベルト補強層をベルト層のエッジ部に配置することにより、グリーンタイヤ成型時において、予めベルト補強層を未加硫のベルト層に完全に重ね合わせた状態で、ベルト補強層に皺の発生等の不具合を生じることなく、ベルト層と共に貼り付けることができ、それによって、ベルト補強層を貼り付ける工程を別工程として設けることが不要であるため、タイヤ成型時間が短く、ベルト補強層を設けた空気入りラジアルタイヤの生産性改善ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示し、1はトレッド部、2はビード部、3はサイドウォール部である。左右のビード部2に連接してタイヤ径方向外側に左右のサイドウォール部3が延設され、この左右のサイドウォール部3間にタイヤ周方向に延在するトレッド部1が設けられている。
タイヤ内側にはカーカス層4が1層配設されている。左右のビード部2にはビートコア5がそれぞれ配置され、そのビートコア5の外周にはビードフィラー6が設けられている。カーカス層4の両端部4aがビードフィラー6を包み込むようにしてビートコア5の周りにタイヤ内側から外側に折り返されている。
【0009】
トレッド部1のカーカス層外周側には、補強コードを逆向きで互いに交差するように配列した2層のベルト層7が埋設されている。カーカス層4に隣接して最内側にベルト幅を最も広くした1番ベルト層7Aが配置され、その1番ベルト層7A上に、この1番ベルト層7Aよりもベルト幅を狭くした2番ベルト層7Bが設けられている。なお、CLはタイヤ赤道面である。
【0010】
本発明では、上述した構成の空気入りラジアルタイヤにおいて、1番ベルト層7Aの両エッジ部7a外周側に隣接してベルト補強層8が配設されている。このベルト補強層8は1番ベルト層7Aと2番ベルト層7Bとの間に介挿され、1番,2番ベルト層7A,7Bの両エッジ部7a,7bと平面視において重複するように設けられている。
【0011】
上記ベルト補強層8は、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物から構成され、そのヤング率は50〜500MPa になっている。なお、図中、FWはベルト補強層8の幅、BWは1番ベルト層7Aのベルト幅である。
このように耐久性を高めるのに効果的なベルト層7の両エッジ部にベルト補強層8を配置すると共に、そのベルト補強層8を構成する熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマー組成物のヤング率を上記の範囲にして剛性を高めているので、ベルト層を効果的に補強し、良好な耐久性の確保が可能になる。
【0012】
しかも、その肉厚を従来の補強コードを有するベルト補強層よりも薄くして軽量にすることができるので、重量の増加を抑えることができる。
また、一般に、耐張力層として作用するベルト層7は、そのエッジ部にベルト補強層8を配置することで、ベルト層7全体のエッジ部の補強が可能である。本発明では、ベルト補強層8を1番ベルト層7Aのエッジ部7aに位置させることにより、グリーンタイヤ成型時において、予め未加硫の1番ベルト層にベルト補強層を完全に重ねて貼り合わせた状態で、ベルト補強層に皺の発生等の不具合を招くことなく、1番ベルト層と共にベルト補強層をカーカス層に貼り付けることができる。その結果、別個にベルト補強層を貼り付ける工程を設ける必要がないので、タイヤ成型時間が長くなることがなく、ベルト補強層を設けた空気入りラジアルタイヤにおいて、生産性の改善が可能になる。
【0013】
上記ヤング率が50MPa よりも小さいと、ベルト補強層8の剛性が低くなりすぎて、良好な耐久性を得ることが難しく、逆に500MPa を超えると、ベルト補強層8の剛性が高くなりすぎるため、壊れ易くなり、タイヤ故障の原因となる。
【0014】
また、ベルト補強層8は図では1層配置した例を示したが、複数層設けるようにしてもよく、本発明では、少なくとも1層配置すればよい。そのトータルの肉厚としては、0.1〜1.0mmにすることができる。肉厚が0.1mm未満であると、ベルト補強層8としての剛性が低くなりすぎ、良好な耐久性を確保することができず、逆に1.0mmを超えると、重量の増加が顕著になる。
【0015】
上記実施形態では、ベルト補強層8を1番ベルト層7Aの両エッジ部7a外周側に配置したが、図2に示すように、両エッジ部7aの内周側に隣接させ、カーカス層4との間に配置するようにしてもよい。
また、図3に示すように、両エッジ部7aの外周側及び内周側にベルト補強層8をそれぞれ設け、1番ベルト層7Aのエッジxを被覆するように、外周側及び内周側のベルト補強層8をその端部で接続した断面コ字状に形成してもよい。エッジxを被覆せずに、図1,2に示すように配置したベルト補強層8をそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0016】
また、図4に示すように、ベルト補強層8を両エッジ部7aの外周側(2番ベルト層7Bの両エッジ部7b内周側)に配置すると共に2番ベルト層7Bの両エッジ部7b外周側にも配置するようにしてもよく、その場合、ベルト補強層8は2番ベルト層7Bのエッジzを被覆するようにその端部で接続した断面コ字状に形成するのがよい。
【0017】
上記ベルト補強層8は、押出成形によりシート状の薄いフィルムを継目なくした環状の構成にしてもよく、また、テープ状の薄いフィルムからなるストリップ材を連続して螺旋状に隙間なく巻き回して環状としてもよく、更に、シート状の薄いフィルムの先後端部を継ぎ合わせて構成することもできる。
本発明では、上記ベルト補強層8を構成する熱可塑性樹脂としては、ヤング率を50〜500MPa にすることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば、6−ナイロンのメトキシメチル化物、6−610−ナイロンのメトキシメチル化物、612−ナイロンのメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、酢酸ビニル、ポエビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を好ましく用いることができる。
【0018】
また、ベルト補強層8を構成する熱可塑性エラストマー組成物は、上述した熱可塑性樹脂の成分にエラストマー成分を混合して構成することができ、これもヤング率を50〜500MPa となるようにブレンドしたものであれば、その材料の種類や混合比等は特に限定されるものではない。
エラストマー成分としては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、NR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム(例えば、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレン等のイソモノオレフィンとパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR、CHC)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ボリアミド系エラストマー)等を好ましく使用することができる。
【0019】
前記した特定の熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分との相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させることができる。ブレンド系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との界面張力が低下し、その結果、分散層を形成しているゴム粒子径が微細になることから両成分の特性はより有効に発現されることになる。そのような相溶化剤としては、一般的に熱可塑性樹脂及びエラストマー成分の両方又は片方の構造を有する共重合体、或いは熱可塑性樹脂又はエラストマー成分と反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるものとすることができる。これらは混合される熱可塑性樹脂とエラストマー成分の種類によって選定すればよいが、通常使用されるものには、スチレン・エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)及びそのマレイン酸変性物、EPDM、EPM、EPDM/スチレン又はEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体及びそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相溶化剤の配合量には特に限定はないが、好ましくは、ポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマー成分との合計)100重量部に対して、0.5〜10重量部がよい。
【0020】
熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドする場合の特定の熱可塑性樹脂成分(A)とエラストマー成分(B)との組成比は、特に限定はなく、ヤング率、ベルト補強層の厚さにより適宜決めればよいが、好ましい範囲は(A)/(B)の重量比で90/10〜15/85である。
本発明に係るポリマー組成物には、上記必須ポリマー成分に加えて、本発明のタイヤ用ポリマー組成物の必要特性を損なわない範囲で前記した相溶化剤ポリマーなどの他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料のフィルム成型加工性をよくするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等を例示することができる。本発明に係るポリマー組成物には、更に一般的にポリマー配合物に配合される充填剤(炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ等)、カーボンブラック、ホワイトカーボン等の補強剤、軟化剤、可塑剤、加工助剤、顔料、染料、老化防止剤等を上記ヤング率の要件を損なわない限り任意に配合することもできる。
【0021】
また、前記エラストマー成分は熱可塑性樹脂との混合の際、動的に加硫することもできる。動的に加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)等は、添加するエラストマー成分の組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。
加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的には、イオン系加硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等を例示でき、例えば、0.5〜4phr 〔ゴム成分(ポリマー)100重量部あたりの重量部〕程度用いることができる。
【0022】
また、有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ビクロロベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、1〜20phr 程度用いることができる。
【0023】
更に、フェノール樹脂系の加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が例示でき、例えば、1〜20phr 程度用いることができる。
その他として、亜鉛華(5phr 程度)、酸化マグネシウム(4phr 程度) 、リサージ(10〜20phr 程度) 、p−キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr 程度) 、メチレンジアニリン(0.2〜10phr 程度) が例示できる。
【0024】
また、必要に応じて、加硫促進剤を添加してもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般的な加硫促進剤を、例えば、0.5〜2phr 程度用いることができる。
具体的には、アルデヒド・アンモニア系加硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等、グアジニン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアジニン等、チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾール及びそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等、スルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアマイド(CBS)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェンアマイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾチアゾール等、チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラエチルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド(TMTM)、ジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド等、ジチオ酸塩系加硫促進剤としては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−ジエチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジチオカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバメート、Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等、チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウレア、ジエチルチオウレア等を挙げることができる。
【0025】
また、加硫促進助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華(5phr 程度)、ステアリン酸やオレイン酸及びこれらのZn塩(2〜4phr 程度)等が使用できる。
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス相)を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を分散相(ドメイン)として分散させることによる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマー成分を動的に加硫させてもよい。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。中でも熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練およびエラストマー成分の動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。更に、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよい。また、混練時の剪断速度は1000〜7500Sec −1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製されたポリマー組成物は、次に押出し成形またはカレンダー成形によってシート状のフィルムに形成される。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーをフィルム化する方法によればよい。
【0026】
このようにして得られるフィルムは、熱可塑性樹脂(A)のマトリクス中にエラストマー成分(B)が分散相(ドメイン)として分散した構造をとる。かかる状態の分散構造をとることにより、熱可塑の加工が可能となり、かつベルト補強層としてのフィルムに十分な柔軟性と連続相としての樹脂層の効果により十分な剛性を併せ付与することができると共に、エラストマー成分の多少によらず、成形に際し、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を得ることができるため、通常の樹脂用成形機、即ち押出し成形、またはカレンダー成形によって、フィルム化することが可能となる。
【0027】
これらフィルムと相対するゴム層との接着は、通常のゴム系、フェノール樹脂系、アクリル共重合体系、イソシアネート系等のポリマーと架橋剤を溶剤に溶かした接着剤をフィルムに塗布し、加硫成形時の熱と圧力により接着させる方法、または、スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)、エチレンエチルアクリレート(EEA)、スチレンエチレンブチレンブロック共重合体(SEBS)等の接着用樹脂を熱可塑性フィルムと共に共押出、或いはラミネートして多層フィルムを作製しておき、加硫時にゴム層と接着させる方法がある。溶剤系接着剤としては、例えば、フェノール樹脂系(ケムロック220・ロード社)、塩化ゴム系(ケムロック205、ケムロック234B)、イソシアネート系(ケムロック402)等を例示することができる。
【0028】
なお、本発明では、上記実施形態において、2層のベルト層7を配置した例を示したが、それに限定されず、ベルト層を3層以上設けた複数のベルト層を配置するものであっても好適に用いることができる。
【0029】
【実施例】
タイヤサイズを165SR13で共通にし、ベルト補強層を1番ベルト層の両エッジ部外周側に積層した図1に示す構成の本発明タイヤと、図1に示す構成の空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト補強層を設けていない従来タイヤ1と、ベルト補強層にナイロン補強層を使用し、それを2番ベルト層のエッジ部外周側に配置した従来タイヤ2とをそれぞれ作製した。
【0030】
本発明タイヤにおけるベルト補強層は、表1に示す熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とを用いた熱可塑性エラストマー組成物から構成した。熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分の配合割合を表2に示す。なお、表2におけるエラストマー成分は、表3に示す架橋助剤を含めた割合である。ベルト補強層に用いられるフィルムは以下のようにして作製した。
【0031】
ゴム用バンバリーミキサーで表1に示すエラストマー成分と表3に示す架橋助剤を混合し、ゴム用ロールで約3mmの厚さにシート出しして、該シートをゴム用ベレタイザーでペレット化し、後述の2軸混練押出機での混練に供した。熱可塑性エラストマー組成物の混練は、2軸混練押出機の第1の投入口よりナイロン6.66のペレットを投入し溶融混練せしめた後、第2の投入口より架橋助剤を混合したエラストマー成分を投入し、ナイロン6.66の熱可塑性樹脂中にエラストマー成分が微細に分散した状態になったあとで、第3の投入口より表1のエラストマー成分100重量部に対して表3に示す割合で加えられる動的加硫系成分及び架橋助剤を表2に示す配合割合で引き続き投入せしめ、混練中にエラストマー成分を架橋せしめエラストマー成分の分散を固定せしめた。
【0032】
しかる後、2軸混練押出機の先端より得られた熱可塑性エラストマー組成物をストランド状に押し出し、水で冷却した後に樹脂用ペレタイザーでペレット化した。次いで先端にT形ダイスを装着した40mmの一軸の樹脂用押出機を使用して、この様にして得られたペレットを押出機に投入し溶融せしめて先端のT形ダイスより幅400mm、厚さ0.3mmのシートを成形し供試のフィルムを得た。このフィルムのヤング率は250MPa である。
【0033】
本発明タイヤ及び従来タイヤ2のベルト補強層は、1番ベルト層の両エッジからそれぞれベルト幅BWの22%となるように配置し、185℃×10分間加圧加硫してタイヤを作製した。
これら各試験タイヤを以下に示す測定条件により、耐久性、タイヤベルト部重量、及びタイヤ成型時間の評価試験を行ったところ、表4に示す結果を得た。
耐久性
各試験タイヤをリムサイズ13×4.50Bのリムに装着し、空気圧190kPa 、速度81km/hの条件で、室内ドラム試験を行い、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。その値が大きい程、耐久性が優れている。
タイヤベルト部重量
各試験タイヤのベルト層とベルト補強層の合計重量を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。その値が大きい程、タイヤベルト部重量が大きいことを示す。
タイヤ成型時間
各試験タイヤを成型するのに要した時間を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。その値が小さい程、生産性が優れている。
【0034】
【表1】
Figure 0003568324
【0035】
【表2】
Figure 0003568324
【0036】
【表3】
Figure 0003568324
【0037】
【表4】
Figure 0003568324
【0038】
表4から明らかなように、本発明タイヤは、ベルト補強層を設けたタイヤにおいて、タイヤベルト部重量の増加を抑えながら、良好な耐久性を確保することができ、更にタイヤ成型時間が短く、生産性を改善することができるのが判る。なお、耐久性は110以上であれば、優秀な耐久性のレベル確保していると判断される。
【0039】
【発明の効果】
上述したように本発明は、1番ベルト層と2番ベルト層の両エッジ部との間にベルト補強層を配置すると共に、該ベルト補強層をヤング率が50〜500MPa の熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物から構成したので、ベルト補強層を設けた空気入りラジアルタイヤにおいて、タイヤ重量の増加を抑えながら、良好な耐久性を確保し、かつ生産性の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図である。
【図2】本発明の空気入りラジアルタイヤの他の例を示す要部断面図である。
【図3】本発明の空気入りラジアルタイヤの更に他の例を示す要部断面図である。
【図4】本発明の空気入りラジアルタイヤの更に他の例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 ビード部
3 サイドウォール部 4 カーカス層
7 ベルト層 7A 1番ベルト層
7a エッジ部 7B 2番ベルト層
7b エッジ部 8 ベルト補強層
x 1番ベルト層のエッジ z 2番ベルト層のエッジ

Claims (4)

  1. トレッド部のカーカス層外周側に複数のベルト層を埋設した空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記カーカス層に隣接する1番ベルト層の両エッジ部と該1番ベルト層の外周側に配置した2番ベルト層の両エッジ部との間にベルト補強層を配置すると共に、該ベルト補強層をヤング率が50〜500MPa の熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物から構成した空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ベルト補強層を1番ベルト層の両エッジを被覆するように断面コ字状に配置した請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記ベルト補強層を2番ベルト層の両エッジを被覆するように断面コ字状に配置した請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記ベルト補強層の肉厚を0.1〜1.0 mm にした請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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