JPWO2005007423A1 - 耐久性の改良された空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
空気透過係数が25×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHg以下でヤング率が1〜1000MPaの熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドのフィルムからなるインナーライナー層を用いた空気入りタイヤにおいて、最も幅の広いベルト層の両端の位置からそれぞれビード部方向へ、少なくとも20mmの範囲に、短繊維を配合した緩衝ゴム層を、インナーライナー層とカーカス層との間に、配設した空気入りタイヤの製造時の故障の問題を解決し、タイヤ質量増の問題を生ずることなく、インナーライナー層の耐久性を改良した空気入りタイヤ。
Description
本発明は空気入りタイヤに関し、更に詳しくは製造故障(スプレッドコード)を惹き起すことのない、耐久性の良好な軽量化空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤには、タイヤ製造時に、特にショルダー部において、カーカス層のコードがインナーライナー層側に突き出して、インナーライナー層を破損する故障(スプレッドコード)が発生するという問題がある。このようなインナーライナー層破損の対策として、インナーライナー層とカーカス層との間にタイゴム層を配置する方法が知られているが、これには質量増という問題があった。本発明に関連する先行技術として、例えば特開昭59−120501号公報にはタイゴム配合の一例が記載されている。
従って、本発明の目的は、前述のような、空気入りタイヤの製造時の故障の問題を解決し、タイヤ質量増の問題を生ずることなく、インナーライナー層の耐久性を改良した空気入りタイヤを提供することにある。
本発明に従えば、空気透過係数が25×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHg以下でヤング率が1〜1000MPaの熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドのフィルムからなるインナーライナー層を用いた空気入りタイヤにおいて、最も幅の広いベルト層の両端の位置からそれぞれビード部方向へ、少なくとも20mmの範囲に、短繊維を配合した緩衝ゴム層を、インナーライナー層とカーカス層との間に、配設した空気入りタイヤが提供される。
本発明に従えば、空気透過係数が25×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHg以下でヤング率が1〜1000MPaの熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドのフィルムからなるインナーライナー層を用いた空気入りタイヤにおいて、最も幅の広いベルト層の両端の位置からそれぞれビード部方向へ、少なくとも20mmの範囲に、短繊維を配合した緩衝ゴム層を、インナーライナー層とカーカス層との間に、配設した空気入りタイヤが提供される。
図1は本発明の空気入りタイヤの一例の子午線方向半断面説明図である。
図2は本発明の空気入りタイヤの短繊維を配合した緩衝ゴム層の配置を示す説明図である。
図3は本発明の空気入りタイヤの緩衝ゴム層配設部分の一例の拡大説明図である。
符号一覧表
1…トレッド
2…ベルト層
3…最も幅の広いベルト層のベルトエッジ
4…カーカス層
5…インナーライナー層
6…ビードフィラー
7…ビード
8…空気入りタイヤ
9…緩衝ゴム層
L…短繊維含有緩衝ゴム層の最小配設位置(20mm)
図2は本発明の空気入りタイヤの短繊維を配合した緩衝ゴム層の配置を示す説明図である。
図3は本発明の空気入りタイヤの緩衝ゴム層配設部分の一例の拡大説明図である。
符号一覧表
1…トレッド
2…ベルト層
3…最も幅の広いベルト層のベルトエッジ
4…カーカス層
5…インナーライナー層
6…ビードフィラー
7…ビード
8…空気入りタイヤ
9…緩衝ゴム層
L…短繊維含有緩衝ゴム層の最小配設位置(20mm)
本発明者らは、前記目的を達成すべく、研究を進めた結果、従来のタイゴムに相当する緩衝ゴム層に短繊維を配合して、カーカス層のコードのシュリンクを抑制することにより、緩衝ゴム層の薄ゲージ化(厚さを薄くすること)を図り、質量増を抑制しつつ、インナーライナー層の耐久性を確保し得ることを見出した。
空気入りタイヤの製造時にスプレッドコードが発生する領域はほとんどの場合が、タイヤショルダー部のカーカスラインの曲率半径Rが最小になる領域である。
従来のタイゴム層のゲージ(厚さ)は一般的には0.1〜1.4mmである。この厚さが0.1mm未満だと、スプレッドコードを抑制できず、逆に1.4mmを超えると、本来の目的である、軽量化効果が損なわれるので好ましくない。好ましいゲージは0.1mm以上0.5mm未満である。
本発明に従った緩衝ゴム層の配設領域は、少なくとも一層のベルト層のうちの最も幅の広いベルト層の両端(ベルト層エッジ)からそれぞれタイヤビード部の方向(外側)へ、少なくとも20mmの範囲であって、ここに配設されていれば、スプレッドコードは抑制でき、インナーライナー層の耐久性も向上させることができることを見出した。勿論、従来のタイゴム層と同様に、本発明の緩衝ゴム層は、軽量化に問題がなければ、一端のビード部から他端のビード部まで配設されていても特に問題はない。
本発明に従った緩衝ゴム層中に配合される短繊維の配合量は緩衝ゴム層のゴム100重量部に対し、好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは1〜20重量部である。この配合量が1重量部未満だと、スプレッドコードの抑制効果が十分でなく、耐久性の改良も十分でなくなるおそれがあり、逆に30重量部を超えると、加工性に問題が発生するおそれがあるので、好ましくない場合がある。
本発明に従った緩衝ゴム層は、前述の如く、ベースとなるゴム中に短繊維を分散させてなる。かかるゴムとしては特に限定されるものではないが、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、各種天然ゴム(NR)、各種ポリイソプレンゴム(IR)、各種エポキシ化天然ゴム(ENR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(高シスBR及び低シスBR)、各種ニトリルゴム(NBR)、各種水素化NBR、水素化SBR〕、その他の各種エラストマー、例えば各種オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、各種マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、各種ブチルゴム(IIR)、各種イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体〕、各種含ハロゲン系ゴム〔例えば、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、各種塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、各種イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、各種クロロスルホン化ポリエチレン(CMS)、各種塩素化ポリエチレン(CM)、各種マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、各種熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー〕等を挙げることができる。これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができ、これらのうち、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体ゴムから選ばれた少なくとも1種類を使用することが好ましい。
本発明に係る緩衝ゴム層に分散させる短繊維についても特に限定はないが、例えば少なくとも2種類のポリマーが相溶することなく繊維横断面で海島構造を形成し、機械的剪断力によって海成分と島成分とが少なくとも部分的にバラバラに分離してフィブリル化可能な特性を持っていることが、ゴムへの分散性、補強効果が大きいことから、好ましい。前記短繊維を構成するポリマーとしては、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリブタジエン、芳香族ポリアミド、レーヨン、ポリアリレート、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール、ポリパラフェニレンベンズビスチアゾールなどを好ましい例示としてあげることができる。使用する短繊維の寸法にも通常通りで特に限定はないが、好ましくは0.01〜10μm(径)×0.1〜5mm(長さ)であるのが好ましい。
本発明に従った空気入りタイヤのインナーライナー層を構成するフィルムは、空気透過率が25×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHg以下、好ましくは5×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHg以下である。このフィルムの厚さは、成型加工性の面から0.02mm以上が好ましく、軽量化の点からは1.1mm以下が好ましく、更に好ましくは0.05〜0.2mmである。フィルムの空気透過率が25×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHgを超えると空気入りタイヤの軽量化上好ましくない。またヤング率は低過ぎるとタイヤ成型時にシワや伸びなどの発生によって成型加工性が低下し、逆に高過ぎると耐久性に問題が生じるので好ましくない。
前記熱可塑性樹脂は空気透過防止作用を有する任意の材料とすることができる。そのような熱可塑性樹脂としては、例えば以下のような熱可塑性樹脂及びこれらの又はこれらとエラストマーなどとの任意のポリマー混合物を挙げることができる。
ポリアミド系樹脂(例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体)、及びそれらのN−アルコキシアルキル化物例えば、6−ナイロンのメトキシメチル化物、6−610−ナイロンのメトキシメチル化物、612−ナイロンのメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂(例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレートテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル)、ポリニトリル系樹脂(例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体)、ポリメタクリレート系樹脂(例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル)、ポリビニル系樹脂(例えば酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体)、セルロース系樹脂(例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、フッ素系樹脂(例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体)、イミド系樹脂(例えば芳香族ポリイミド(PI))などを挙げることができる。
前記熱可塑性樹脂とブレンドすることができるエラストマーとしては、ブレンドとして上記空気透過係数及びヤング率を有するものであれば、特に限定されないが、例えば以下のようなものを挙げることができる。
ジエン系ゴム及びその水添物(例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR)、オレフィン系ゴム(例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー)、含ハロゲンゴム(例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、CR、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM))、シリコンゴム(例えばメチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などを挙げることができる。
前記した特定の熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させるのが好ましい。系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との界面張力が低下し、その結果、分散層を形成しているゴム粒子径が微細になることから両成分の特性はより有効に発現されることになる。そのような相溶化剤としては一般的に熱可塑性樹脂及びエラストマー成分の両方又は片方の構造を有する共重合体、或いは熱可塑性樹脂又はエラストマー成分を反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるものとすることができる。これらは混合される熱可塑性樹脂とエラストマー成分の種類によって選定すれば良いが、通常使用されるものにはスチレン/エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)及びそのマレイン酸変性物、EPDM、EPDM/スチレン又はEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体及びそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相溶化剤の配合量には特に限定はないが、好ましくはポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマー成分の総和)100重量部に対して、0.5〜10重量部が良い。
熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドする場合の特定の熱可塑性樹脂(A)とエラストマー成分(B)との組成比には特に限定はなく、フィルムの厚さ、耐空気透過性及び柔軟性のバランスを考慮して適宜決めればよいが、好ましい範囲は重量比(A)/(B)で10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜85/15である。
また、上記必須ポリマー成分に加えて、本発明のタイヤ用ポリマー組成物の必要特性を損なわない範囲で前記した相溶化剤ポリマーなどの他のポリマーを混合することができる。かかる他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料のフィルム成型加工性を良くするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、SEBS、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン共重合体、そのマレイン酸変性体、又はそのグリシジル基導入体なども挙げることができる。本発明に係るポリマー組成物には、更にポリマー配合物に一般的に配合される任意の充填剤、カーボン、石英粉体、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタンなどを上記空気透過係数及びヤング率の要件を損わない限り任意的に配合することもできる。
また、前記エラストマー成分は熱可塑性樹脂との混合の際、動的に加硫することもできる。ここで「動的加硫」とは熱可塑性樹脂とエラストマーを混合すると同時に、エラストマー成分を架橋反応させることをいい、例えば特開2002−12003号公報などに詳しく記載されている。動的に加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)等は、添加するエラストマー成分の組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的には、イオン系加硫剤としては粉末イオウ、沈降イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等を例示でき、例えば、0.5〜4PHR〔ゴム成分(ポリマー)100重量部当りの重量部〕程度用いることができる。
また、有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ピクロロベンゾイルパーオキサイドなどがあげられ、加硫促進剤としては、2,Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート、チオウレア系等があげられる。
また、加硫促進助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華(5PHR程度)、ステアリン酸やオレイン酸及びこれらのZn塩(2〜4PHR程度)等が使用できる。熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス相)を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を分散相(ドメイン)として分散させることによる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマー成分を動的に加硫させてもよい。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。なかでも熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練及びエラストマー成分の動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。更に、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよい。また、混練時の剪断速度は1000〜75000sec−1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製されたポリマー組成物は、次に押出し成形またはカレンダー成形によってシート状のフィルムに形成される。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーをフィルム化する方法にすればよい。
このようにして得られるフィルムは、熱可塑性樹脂(A)のマトリクス中にエラストマー成分(B)が分散相(ドメイン)として分散した構造をとる。かかる状態の分散構造をとることにより、熱可塑の加工が可能となり、かつベルト層補強層としてのフィルムに十分な柔軟性と連続相としての樹脂層の効果により十分な剛性を併せ付与することができると共に、エラストマー成分の多少によらず、成形に際し、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を得ることができるため、通常の樹脂用成形機、即ち押出し成形又はカレンダー成形によってフィルム化することが可能となる。
これらフィルムと相対するゴム層との接着は、通常のゴム系、フェノール樹脂系、アクリル共重合体系、イソシアネート系等のポリマーと架橋剤を溶剤に溶かした接着剤をフィルムに塗布し、加硫成形時の熱と圧力により接着させる方法、または、スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)、エチレンエチルアクリレート(EEA)、スチレンエチレンブチレンブロック共重合体(SEBS)等の接着用樹脂を熱可塑性フィルムと共に共押出、或いはラミネートして多層フィルムを作製しておき、加硫時にゴム層と接着させる方法がある。溶剤系接着剤としては、例えばフェノール樹脂系(ケムロック220・ロード社)、塩化ゴム系(ケムロック205・ケムロック234B)、イソシアネート系(ケムロック402)等を例示することができる。
本発明に係る空気入りタイヤの一例の子午線方向概略半断面説明図である図1に示すように、空気透過係数が25×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHg以下でヤング率が1〜1,000MPaの熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むポリマー組成物のフィルムのインナーライナー層5をカーカス層4の全内周面を実質的におおうように配置する。なお、1はトレッド、2はベルト層、3はベルト層エッジ、6はビードフィラー、7はビードを示す。
本発明に従えば、図2及び図3に模式的に示すように、カーカス層4とインナーライナー層5との間に、ベルト層2のうちの最も幅の広いベルト層の両端(エッジ3)からそれぞれビード部方向へ少なくとも20mmの範囲まで(図2のL参照)の領域に短繊維を配合した緩衝ゴム層9を配設する。この緩衝ゴム層9は図3ではL=20mmの領域にのみ配設した例を示してあるが、これは最も少ない領域に緩衝ゴム層9を設けた例で、実用に際してはこの部分を含む領域であれば特にその幅には制限はなく実質的に内側全面(即ち、一方のビード部7から他方のビード部7までのほぼ全領域)に設けてもよい。この緩衝ゴム層の厚さ(ゲージ)は0.1〜0.7mmが好ましく、0.1〜0.5mmが更に好ましい。
本発明に従った空気入りタイヤは、従来のタイゴム層を具備する空気入りタイヤの製造方法において、タイゴム層に代えて短繊維を配合した緩衝ゴム層を用いることを除けば従来通りの方法で製造することができる。
本発明に係る緩衝ゴム層を構成するゴム組成物には、更に、前記ゴム及び短繊維に加えて、補強剤、通常の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑化剤、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は、一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
空気入りタイヤの製造時にスプレッドコードが発生する領域はほとんどの場合が、タイヤショルダー部のカーカスラインの曲率半径Rが最小になる領域である。
従来のタイゴム層のゲージ(厚さ)は一般的には0.1〜1.4mmである。この厚さが0.1mm未満だと、スプレッドコードを抑制できず、逆に1.4mmを超えると、本来の目的である、軽量化効果が損なわれるので好ましくない。好ましいゲージは0.1mm以上0.5mm未満である。
本発明に従った緩衝ゴム層の配設領域は、少なくとも一層のベルト層のうちの最も幅の広いベルト層の両端(ベルト層エッジ)からそれぞれタイヤビード部の方向(外側)へ、少なくとも20mmの範囲であって、ここに配設されていれば、スプレッドコードは抑制でき、インナーライナー層の耐久性も向上させることができることを見出した。勿論、従来のタイゴム層と同様に、本発明の緩衝ゴム層は、軽量化に問題がなければ、一端のビード部から他端のビード部まで配設されていても特に問題はない。
本発明に従った緩衝ゴム層中に配合される短繊維の配合量は緩衝ゴム層のゴム100重量部に対し、好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは1〜20重量部である。この配合量が1重量部未満だと、スプレッドコードの抑制効果が十分でなく、耐久性の改良も十分でなくなるおそれがあり、逆に30重量部を超えると、加工性に問題が発生するおそれがあるので、好ましくない場合がある。
本発明に従った緩衝ゴム層は、前述の如く、ベースとなるゴム中に短繊維を分散させてなる。かかるゴムとしては特に限定されるものではないが、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、各種天然ゴム(NR)、各種ポリイソプレンゴム(IR)、各種エポキシ化天然ゴム(ENR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(高シスBR及び低シスBR)、各種ニトリルゴム(NBR)、各種水素化NBR、水素化SBR〕、その他の各種エラストマー、例えば各種オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、各種マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、各種ブチルゴム(IIR)、各種イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体〕、各種含ハロゲン系ゴム〔例えば、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、各種塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、各種イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、各種クロロスルホン化ポリエチレン(CMS)、各種塩素化ポリエチレン(CM)、各種マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、各種熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー〕等を挙げることができる。これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができ、これらのうち、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体ゴムから選ばれた少なくとも1種類を使用することが好ましい。
本発明に係る緩衝ゴム層に分散させる短繊維についても特に限定はないが、例えば少なくとも2種類のポリマーが相溶することなく繊維横断面で海島構造を形成し、機械的剪断力によって海成分と島成分とが少なくとも部分的にバラバラに分離してフィブリル化可能な特性を持っていることが、ゴムへの分散性、補強効果が大きいことから、好ましい。前記短繊維を構成するポリマーとしては、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリブタジエン、芳香族ポリアミド、レーヨン、ポリアリレート、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール、ポリパラフェニレンベンズビスチアゾールなどを好ましい例示としてあげることができる。使用する短繊維の寸法にも通常通りで特に限定はないが、好ましくは0.01〜10μm(径)×0.1〜5mm(長さ)であるのが好ましい。
本発明に従った空気入りタイヤのインナーライナー層を構成するフィルムは、空気透過率が25×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHg以下、好ましくは5×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHg以下である。このフィルムの厚さは、成型加工性の面から0.02mm以上が好ましく、軽量化の点からは1.1mm以下が好ましく、更に好ましくは0.05〜0.2mmである。フィルムの空気透過率が25×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHgを超えると空気入りタイヤの軽量化上好ましくない。またヤング率は低過ぎるとタイヤ成型時にシワや伸びなどの発生によって成型加工性が低下し、逆に高過ぎると耐久性に問題が生じるので好ましくない。
前記熱可塑性樹脂は空気透過防止作用を有する任意の材料とすることができる。そのような熱可塑性樹脂としては、例えば以下のような熱可塑性樹脂及びこれらの又はこれらとエラストマーなどとの任意のポリマー混合物を挙げることができる。
ポリアミド系樹脂(例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体)、及びそれらのN−アルコキシアルキル化物例えば、6−ナイロンのメトキシメチル化物、6−610−ナイロンのメトキシメチル化物、612−ナイロンのメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂(例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレートテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル)、ポリニトリル系樹脂(例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体)、ポリメタクリレート系樹脂(例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル)、ポリビニル系樹脂(例えば酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体)、セルロース系樹脂(例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、フッ素系樹脂(例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体)、イミド系樹脂(例えば芳香族ポリイミド(PI))などを挙げることができる。
前記熱可塑性樹脂とブレンドすることができるエラストマーとしては、ブレンドとして上記空気透過係数及びヤング率を有するものであれば、特に限定されないが、例えば以下のようなものを挙げることができる。
ジエン系ゴム及びその水添物(例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR)、オレフィン系ゴム(例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー)、含ハロゲンゴム(例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、CR、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM))、シリコンゴム(例えばメチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などを挙げることができる。
前記した特定の熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性が異なる場合は、第3成分として適当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させるのが好ましい。系に相溶化剤を混合することにより、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との界面張力が低下し、その結果、分散層を形成しているゴム粒子径が微細になることから両成分の特性はより有効に発現されることになる。そのような相溶化剤としては一般的に熱可塑性樹脂及びエラストマー成分の両方又は片方の構造を有する共重合体、或いは熱可塑性樹脂又はエラストマー成分を反応可能なエポキシ基、カルボニル基、ハロゲン基、アミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の構造をとるものとすることができる。これらは混合される熱可塑性樹脂とエラストマー成分の種類によって選定すれば良いが、通常使用されるものにはスチレン/エチレン・ブチレンブロック共重合体(SEBS)及びそのマレイン酸変性物、EPDM、EPDM/スチレン又はEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体及びそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。かかる相溶化剤の配合量には特に限定はないが、好ましくはポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマー成分の総和)100重量部に対して、0.5〜10重量部が良い。
熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドする場合の特定の熱可塑性樹脂(A)とエラストマー成分(B)との組成比には特に限定はなく、フィルムの厚さ、耐空気透過性及び柔軟性のバランスを考慮して適宜決めればよいが、好ましい範囲は重量比(A)/(B)で10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜85/15である。
また、上記必須ポリマー成分に加えて、本発明のタイヤ用ポリマー組成物の必要特性を損なわない範囲で前記した相溶化剤ポリマーなどの他のポリマーを混合することができる。かかる他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料のフィルム成型加工性を良くするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、SEBS、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン共重合体、そのマレイン酸変性体、又はそのグリシジル基導入体なども挙げることができる。本発明に係るポリマー組成物には、更にポリマー配合物に一般的に配合される任意の充填剤、カーボン、石英粉体、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタンなどを上記空気透過係数及びヤング率の要件を損わない限り任意的に配合することもできる。
また、前記エラストマー成分は熱可塑性樹脂との混合の際、動的に加硫することもできる。ここで「動的加硫」とは熱可塑性樹脂とエラストマーを混合すると同時に、エラストマー成分を架橋反応させることをいい、例えば特開2002−12003号公報などに詳しく記載されている。動的に加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)等は、添加するエラストマー成分の組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。加硫剤としては、一般的なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的には、イオン系加硫剤としては粉末イオウ、沈降イオウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等を例示でき、例えば、0.5〜4PHR〔ゴム成分(ポリマー)100重量部当りの重量部〕程度用いることができる。
また、有機過酸化物系の加硫剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ピクロロベンゾイルパーオキサイドなどがあげられ、加硫促進剤としては、2,Te−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジメチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカーバメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート、チオウレア系等があげられる。
また、加硫促進助剤としては、一般的なゴム用助剤を併せて用いることができ、例えば、亜鉛華(5PHR程度)、ステアリン酸やオレイン酸及びこれらのZn塩(2〜4PHR程度)等が使用できる。熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス相)を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を分散相(ドメイン)として分散させることによる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマー成分を動的に加硫させてもよい。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加してもよいが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が使用できる。なかでも熱可塑性樹脂とエラストマー成分の混練及びエラストマー成分の動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好ましい。更に、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であればよい。また、混練時の剪断速度は1000〜75000sec−1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製されたポリマー組成物は、次に押出し成形またはカレンダー成形によってシート状のフィルムに形成される。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーをフィルム化する方法にすればよい。
このようにして得られるフィルムは、熱可塑性樹脂(A)のマトリクス中にエラストマー成分(B)が分散相(ドメイン)として分散した構造をとる。かかる状態の分散構造をとることにより、熱可塑の加工が可能となり、かつベルト層補強層としてのフィルムに十分な柔軟性と連続相としての樹脂層の効果により十分な剛性を併せ付与することができると共に、エラストマー成分の多少によらず、成形に際し、熱可塑性樹脂と同等の成形加工性を得ることができるため、通常の樹脂用成形機、即ち押出し成形又はカレンダー成形によってフィルム化することが可能となる。
これらフィルムと相対するゴム層との接着は、通常のゴム系、フェノール樹脂系、アクリル共重合体系、イソシアネート系等のポリマーと架橋剤を溶剤に溶かした接着剤をフィルムに塗布し、加硫成形時の熱と圧力により接着させる方法、または、スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)、エチレンエチルアクリレート(EEA)、スチレンエチレンブチレンブロック共重合体(SEBS)等の接着用樹脂を熱可塑性フィルムと共に共押出、或いはラミネートして多層フィルムを作製しておき、加硫時にゴム層と接着させる方法がある。溶剤系接着剤としては、例えばフェノール樹脂系(ケムロック220・ロード社)、塩化ゴム系(ケムロック205・ケムロック234B)、イソシアネート系(ケムロック402)等を例示することができる。
本発明に係る空気入りタイヤの一例の子午線方向概略半断面説明図である図1に示すように、空気透過係数が25×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHg以下でヤング率が1〜1,000MPaの熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドを含むポリマー組成物のフィルムのインナーライナー層5をカーカス層4の全内周面を実質的におおうように配置する。なお、1はトレッド、2はベルト層、3はベルト層エッジ、6はビードフィラー、7はビードを示す。
本発明に従えば、図2及び図3に模式的に示すように、カーカス層4とインナーライナー層5との間に、ベルト層2のうちの最も幅の広いベルト層の両端(エッジ3)からそれぞれビード部方向へ少なくとも20mmの範囲まで(図2のL参照)の領域に短繊維を配合した緩衝ゴム層9を配設する。この緩衝ゴム層9は図3ではL=20mmの領域にのみ配設した例を示してあるが、これは最も少ない領域に緩衝ゴム層9を設けた例で、実用に際してはこの部分を含む領域であれば特にその幅には制限はなく実質的に内側全面(即ち、一方のビード部7から他方のビード部7までのほぼ全領域)に設けてもよい。この緩衝ゴム層の厚さ(ゲージ)は0.1〜0.7mmが好ましく、0.1〜0.5mmが更に好ましい。
本発明に従った空気入りタイヤは、従来のタイゴム層を具備する空気入りタイヤの製造方法において、タイゴム層に代えて短繊維を配合した緩衝ゴム層を用いることを除けば従来通りの方法で製造することができる。
本発明に係る緩衝ゴム層を構成するゴム組成物には、更に、前記ゴム及び短繊維に加えて、補強剤、通常の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑化剤、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は、一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
[比較例1〜3及び実施例1〜3]
サンプルの調製
表Iに示す配合(重量部)に従って、1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分及び短繊維を5分間混合した後、8インチのオープンロールにて、加硫促進剤、硫黄を混合し、シート状に加工し、これを緩衝ゴム層としてタイヤに配置してタイヤを作製した。
これらの実験における耐久試験は以下の方法で行なった。結果は表Iに示す。
試験タイヤ
実施例1〜3及び比較例1〜3では下記材料からなるフィルムをインナーライナー層とした195/65R15の空気入りタイヤを製造した。
熱可塑性樹脂成分:ナイロン11(アトフィナ)33部(重量部、以下同じ)、ナイロン666(宇部興産 5033B)22部、エラストマー成分:マスターバッチ45部(変性ブチルゴム:イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体の臭素化物、エクソンケミカル製エクソンEXXPRO 89−4 100部、亜鉛華:亜鉛華3号、正同化学製 0.5部、ステアリン酸:ビーズステアリン酸、日本油脂製 2部、ステアリン酸亜鉛:1部)
フィルムの形成は、予め熱可塑性成分とエラストマー成分を2軸混練機で混練し、樹脂成分中にエラストマー成分を分散させ、その後水冷してペレット状の熱可塑性エラストマーを作製し、さらに、このペレットを通常のTダイ押出成形によってフィルムを成型することによった。また、概フィルム材料と隣接部材間の接着材としては、フィルムに予めケムロック234B(ロード・ファーイースト社)を塗布しておいた。
一方、標準例1では下記材料からなるブチルゴムフィルムをインナーライナー層とした。
臭素化ブチルゴム(バイエル製Bayer Bromobutyl X2)80部、天然ゴム(RSS#3)20部、FEF級カーボンブラック(新日化カーボン製 HTC#100)60部、ステアリン酸(日本油脂製ビーズステアリン酸)1部、アロマオイル(昭和シェル石油製エキストラクト4号S)10部、酸化亜鉛(正同化学製亜鉛華#3)3部、硫黄(フレクシス製クリステックスHSOT20)0.5部、加硫促進剤(大内新興化学製ノクセラーDM)1部
なお、標準例1を含めて緩衝ゴム層はタイヤ内側の実質的全面(即ち、一方のビードトウ部から他方のビードトウ部までの実質上全領域)に設けた(但し、比較例1は除く)。
試験方法
ロードテストにて、1年間で5万km走行後、インナーライナー層の損傷をチェックした。損傷があれば×、少しあるが実用上問題なければ△、損傷がなければ○として評価した。
表I脚注
*1:TSR−20
*2:新日化カーボン(株)製 HTC#100
*3:昭和シェル石油(株)製 エキストラクト4号S
*4:大内新興化学(株)製 ノクラック224
*5:フレクシス(株)製 クリステックスHSOT20
*6:大内新興化学(株)製 ノクセラーNS−F
*7:PVA短繊維(平均長2000μm、平均径4μm)
表Iの結果から明きらかなように、比較例1は緩衝ゴム層がないと、インナーライナー層を損傷してしまう。
実施例1〜3はゲージ0.1mm以上の短繊維入り緩衝ゴム層を配置すれば、インナーライナー層を損傷しないことを示す。比較例2は緩衝ゴム層ゲージが1.4mmを越えると、現行のタイヤの質量よりも更に重くなってしまうことを示す。比較例3は短繊維が入っていない緩衝ゴムを用いた場合で、短繊維が入っている場合に比べ、カーカス層のコードのインナーライナー層側へのくい込みが大きく、結果として耐久性が低下した。
[比較例4〜6及び実施例4〜5]
サンプルの調製
表IIに示す配合(重量部)に従って、1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分及び短繊維を5分間混合した後、オープンロールにて、加硫促進剤、硫黄を混合し、これをシート状に加工し、これを緩衝ゴム層としてタイヤに配置してタイヤを作製し、評価を行なった。
結果は表IIに示す。
比較例4及び5並びに実施例4の結果から緩衝ゴム層が必要な最小限の領域は、ベルト層エッジから、少なくともその外側20mmの範囲内であることがわかり、そして実施例5のように緩衝ゴム層が全面に配設されていても問題はない。
[比較例7〜8及び実施例6〜7]
サンプルの調製
表IIIに示す配合(重量部)に従って、1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分及び短繊維を5分間混合した後、8インチのオープンロールにて、加硫促進剤及び硫黄を混合し、これをシート状に加工、更に緩衝ゴムとしてタイヤに配置して、実験タイヤを作製、評価を実施した。
結果は表IIIに示す。
緩衝ゴム層の配設位置はすべて一方のビード部端部より他方のビード部端部までの実質的全面に配設した。
比較例7のように短繊維がないと、スプレッドコードにより、インナーライナー層の耐久性が低下し、実施例6及び7のように、短繊維の配合量がゴム100重量部に対し1重量部以上であれば、インナーライナー層の耐久性が確保できる。しかし比較例8のように、短繊維の配合量がゴム100重量部に対し30重量部を越えると加工性に問題が生じている。
[比較例1〜3及び実施例1〜3]
サンプルの調製
表Iに示す配合(重量部)に従って、1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分及び短繊維を5分間混合した後、8インチのオープンロールにて、加硫促進剤、硫黄を混合し、シート状に加工し、これを緩衝ゴム層としてタイヤに配置してタイヤを作製した。
これらの実験における耐久試験は以下の方法で行なった。結果は表Iに示す。
試験タイヤ
実施例1〜3及び比較例1〜3では下記材料からなるフィルムをインナーライナー層とした195/65R15の空気入りタイヤを製造した。
熱可塑性樹脂成分:ナイロン11(アトフィナ)33部(重量部、以下同じ)、ナイロン666(宇部興産 5033B)22部、エラストマー成分:マスターバッチ45部(変性ブチルゴム:イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体の臭素化物、エクソンケミカル製エクソンEXXPRO 89−4 100部、亜鉛華:亜鉛華3号、正同化学製 0.5部、ステアリン酸:ビーズステアリン酸、日本油脂製 2部、ステアリン酸亜鉛:1部)
フィルムの形成は、予め熱可塑性成分とエラストマー成分を2軸混練機で混練し、樹脂成分中にエラストマー成分を分散させ、その後水冷してペレット状の熱可塑性エラストマーを作製し、さらに、このペレットを通常のTダイ押出成形によってフィルムを成型することによった。また、概フィルム材料と隣接部材間の接着材としては、フィルムに予めケムロック234B(ロード・ファーイースト社)を塗布しておいた。
一方、標準例1では下記材料からなるブチルゴムフィルムをインナーライナー層とした。
臭素化ブチルゴム(バイエル製Bayer Bromobutyl X2)80部、天然ゴム(RSS#3)20部、FEF級カーボンブラック(新日化カーボン製 HTC#100)60部、ステアリン酸(日本油脂製ビーズステアリン酸)1部、アロマオイル(昭和シェル石油製エキストラクト4号S)10部、酸化亜鉛(正同化学製亜鉛華#3)3部、硫黄(フレクシス製クリステックスHSOT20)0.5部、加硫促進剤(大内新興化学製ノクセラーDM)1部
なお、標準例1を含めて緩衝ゴム層はタイヤ内側の実質的全面(即ち、一方のビードトウ部から他方のビードトウ部までの実質上全領域)に設けた(但し、比較例1は除く)。
試験方法
ロードテストにて、1年間で5万km走行後、インナーライナー層の損傷をチェックした。損傷があれば×、少しあるが実用上問題なければ△、損傷がなければ○として評価した。
表I脚注
*1:TSR−20
*2:新日化カーボン(株)製 HTC#100
*3:昭和シェル石油(株)製 エキストラクト4号S
*4:大内新興化学(株)製 ノクラック224
*5:フレクシス(株)製 クリステックスHSOT20
*6:大内新興化学(株)製 ノクセラーNS−F
*7:PVA短繊維(平均長2000μm、平均径4μm)
表Iの結果から明きらかなように、比較例1は緩衝ゴム層がないと、インナーライナー層を損傷してしまう。
実施例1〜3はゲージ0.1mm以上の短繊維入り緩衝ゴム層を配置すれば、インナーライナー層を損傷しないことを示す。比較例2は緩衝ゴム層ゲージが1.4mmを越えると、現行のタイヤの質量よりも更に重くなってしまうことを示す。比較例3は短繊維が入っていない緩衝ゴムを用いた場合で、短繊維が入っている場合に比べ、カーカス層のコードのインナーライナー層側へのくい込みが大きく、結果として耐久性が低下した。
[比較例4〜6及び実施例4〜5]
サンプルの調製
表IIに示す配合(重量部)に従って、1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分及び短繊維を5分間混合した後、オープンロールにて、加硫促進剤、硫黄を混合し、これをシート状に加工し、これを緩衝ゴム層としてタイヤに配置してタイヤを作製し、評価を行なった。
結果は表IIに示す。
比較例4及び5並びに実施例4の結果から緩衝ゴム層が必要な最小限の領域は、ベルト層エッジから、少なくともその外側20mmの範囲内であることがわかり、そして実施例5のように緩衝ゴム層が全面に配設されていても問題はない。
[比較例7〜8及び実施例6〜7]
サンプルの調製
表IIIに示す配合(重量部)に従って、1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分及び短繊維を5分間混合した後、8インチのオープンロールにて、加硫促進剤及び硫黄を混合し、これをシート状に加工、更に緩衝ゴムとしてタイヤに配置して、実験タイヤを作製、評価を実施した。
結果は表IIIに示す。
緩衝ゴム層の配設位置はすべて一方のビード部端部より他方のビード部端部までの実質的全面に配設した。
比較例7のように短繊維がないと、スプレッドコードにより、インナーライナー層の耐久性が低下し、実施例6及び7のように、短繊維の配合量がゴム100重量部に対し1重量部以上であれば、インナーライナー層の耐久性が確保できる。しかし比較例8のように、短繊維の配合量がゴム100重量部に対し30重量部を越えると加工性に問題が生じている。
ゴムに短繊維を配合したゴム層をインナーライナー層とカーカス層との間で両側のベルト層エッジからその外側20mm以上までの領域に配することにより、重量増を抑えながら、スプレッドコードを抑制すると共にインナーライナー層の耐久性を確保することができる。
Claims (3)
- 空気透過係数が25×10−12cc・cm/cm2・sec・cmHg以下でヤング率が1〜1000MPaの熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとのブレンドのフィルムからなるインナーライナー層を用いた空気入りタイヤにおいて、最も幅の広いベルト層の両端の位置からそれぞれビード部方向へ、少なくとも20mmの範囲に、短繊維を配合した緩衝ゴム層を、インナーライナー層とカーカス層との間に、配設した空気入りタイヤ。
- 前記短繊維の配合量が前記緩衝ゴム層のゴム100重量部に対し1〜30重量部である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記緩衝ゴム層の厚さが0.1〜0.7mmである請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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