JP2012041198A - 高炉セメント用収縮低減剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の高炉セメント用収縮低減剤は、一般式(1)で表されるポリオキシエチレン化合物(A)を主成分とする。
R−O−(EO)m−H ・・・(1)
(一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、mはオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、mは80〜1000である。)
【選択図】なし
Description
一般式(1)で表されるポリオキシエチレン化合物(A)を主成分とする。
R−O−(EO)m−H ・・・(1)
(一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、mはオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、mは80〜1000である。)
≪モルタルの混練≫
所定量の収縮低減剤(A)を秤量して水で希釈したもの225g、高炉セメントB種(太平洋セメント(株)製)または普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)450g、セメント強さ試験用標準砂(JIS−R5201−1997附属書2の5.1.3に規定:セメント協会)1350gを、ホバート型モルタルミキサー(ホバート社製、型番:N−50)を用い、JIS−R5201−1997の方法に従い、モルタルの混練を行った。
なお、モルタル空気量が、収縮低減剤を添加しないモルタル(基準モルタル)の空気量±3vol%となるように、必要に応じて消泡剤(B)を使用して、モルタル空気量の調整を行なった。
モルタル空気量の測定は、500mlメスシリンダーを用い、JIS−A1174(まだ固まらないポリマーセメントモルタルの単位容積重量試験方法及び空気量の重量による試験方法(重量方法))に準拠して実施した。
耐凍結融解性の指標となるモルタルの気泡間隔係数の測定を、エアボイドアナライザー(AVA;商品名、ジャーマンインストゥルメンツ社製)を用いて行った。
まず、20℃に調温したAVA測定用溶液250mlと水約2000mlを測定した。次に、測定用カラムに充填した後、モルタル20mlを採取し、カラムの底部に注入した。注入後、モルタルを30秒間攪拌し、液中にモルタルの連行空気を十分に液中に放出させた。放出された気泡を経時測定することにより、気泡間隔係数の計算を行った。
気泡間隔係数の値が小さいほど、コンクリート中に連行された気泡が密に分散している(良質の気泡をコンクリート中に連行している)ことを示し、耐凍結融解性に優れていることを示す。
モルタルの混練を上記と同様に実施した。次に、収縮低減性評価用のモルタル供試体(4×4×16cm)の作成を、JIS−A1129に従って実施した。型枠には予めシリコングリースを塗布して止水すると共に容易に脱型できるようにした。また、供試体の両端にはゲージプラグを装着した。混練して得られたモルタルを流し込んだ型枠を容器に入れ、密閉し、20℃で保管し、初期養生を行った。1日後に脱型し、供試体に付着したシリコングリースを、たわしを用いて水で洗浄し、続いて、20℃の静水中で6日間養生(水中養生)した。JIS−A1129に従い、ダイヤルゲージ((株)西日本試験機製)を使用し、静水中で6日間養生した供試体の表面の水を紙タオルで拭き取った後、直ちに測長し、この時点の長さを基準とした。その後、温度20℃、湿度60%に設定した恒温恒湿室内に保存し、適時測長した。この際、長さ変化比は、下記式で示されるように、基準モルタルの収縮量に対する、各成分添加モルタルの収縮量の比とし、値が小さいほど、収縮を低減できることを示す。
長さ変化比
={(各成分添加モルタルの収縮量)/(基準モルタルの収縮量)}×100
≪コンクリート配合≫
以下に示すコンクリート配合割合により、練り混ぜ量が30Lとなるようにそれぞれの材料を計量し、パン型ミキサーを使用して材料の混錬を実施した。なお、セメントは高炉セメントB種(太平洋セメント(株)製)を使用した。細骨材には掛川産陸砂および君津産陸砂を重量比で掛川産陸砂/君津産陸砂=80/20で混合したもの、粗骨材には青梅硬質砂岩をそれぞれ使用した。
<コンクリート配合割合>
単位セメント量:301kg/m3
単位水量 :160kg/m3
単位細骨材量 :819kg/m3
単位粗骨材量 :1002kg/m3
(水セメント比(W/C):53%、細骨材率(s/a):46.0%)
粗骨材および使用する半量の細骨材をミキサーに投入し5秒間空練り後、回転を止め、セメントおよび残りの細骨材を投入し、さらに5秒間空練りを行った後、再び回転を止めて、所定量の収縮低減剤(A)、消泡剤(B)、AE剤(C)、および減水剤としてポゾリス70を含む練り水を加え、90秒間混錬した後、ミキサーからフレッシュコンクリートを取り出した。なお、材料の練り混ぜの際には、フレッシュコンクリートのスランプ値が8±2cm、空気量が5±1vol%となるように、消泡剤(B)、AE剤(C)、およびポゾリス70の添加量を調整した。スランプ値は、JIS−A−1101−1998に準拠して測定し、空気量は、JIS−A−1128−1998に準拠して測定した。
得られたフレッシュコンクリートを、ゲージピン付の供試体型枠(10×10×40cm)に入れ、2日間、20℃にて封緘養生後、脱型し、さらに5日間、20℃の静水中で水中養生した後、収縮低減性の評価を行った。
収縮低減性の評価は、JIS−A1129−3(モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法、第3部:ダイヤルゲージ方法)に準拠して実施した。
静水中で5日間養生した供試体の表面の水を紙タオルで拭き取った後、直ちに測長し、この時点の長さを基準とした。その後、温度20℃、湿度60%に設定した恒温恒湿室内に保存し、適時測長した。この際、長さ変化比は、下記式で示されるように、基準コンクリートの収縮量に対する、各成分添加コンクリートの収縮量の比とし、値が小さいほど、収縮を低減できることを示す。
長さ変化比
={(各成分添加コンクリートの収縮量)/(基準コンクリートの収縮量)}×100
得られたフレッシュコンクリートを10×10×40cmの供試体型枠に入れ、2日間20℃にて封緘養生後脱型し、さらに5日間20℃の静水中で水中養生した後、耐凍結融解性の評価を実施した。
耐凍結融解性の評価は、JIS−A−1148−2001中のA法に従い、30サイクルごとにJIS−A−1127−2001に従い一次共鳴振動数および供試体重量を測定することにより実施した。
この際、30サイクルごとの耐凍結融解性は、下記式(2)で示されるように、凍結融解サイクル開始前(0サイクル)の一次共鳴振動数に対する、各サイクル終了時点の一次共鳴振動数から相対動弾性係数を算出して評価を実施した。凍結融解サイクルは最大300サイクルとし、300サイクル以前に相対動弾性係数が60%以下となった時点で評価を終了した。また、最終的な耐凍結融解性については、下記式(3)で示す耐久性指数を算出することにより評価を実施した。これらの値はいずれも100に近いほど良好な耐凍結融解性を有することを示す。
相対動弾性係数(%)=(fn 2/f0 2)×100 ・・・(2)
fn:凍結融解nサイクル後の一次共鳴振動(Hz)
f0:凍結融解0サイクル後の一次共鳴振動(Hz)
耐久性指数=(P×N)/300 ・・・(3)
P:凍結融解Nサイクル時の相対動弾性係数(%)
N:相対動弾性係数が60%以下となった凍結融解サイクル数、または300サイクルのいずれか小さい方
得られたフレッシュコンクリートを圧縮強度評価用の供試体型枠(直径10cm、高さ20cm)に入れ、密閉して20℃で保管し、初期養生を行った。1日後に脱型し、20℃で水中養生を行い、材齢7日時点および28日時点で圧縮強度の測定をJIS−A−1108に準拠して実施した。この際、圧縮強度比は、下記式で示されるように、収縮低減剤を使用しないコンクリート(基準コンクリート)の圧縮強度に対する、収縮低減剤添加コンクリートの圧縮強度の比とし、値が大きいほど、圧縮強度の低下が抑制されることを示す。
圧縮強度比
={(収縮低減剤添加コンクリートの圧縮強度)/(基準コンクリートの圧縮強度)}×100
[前段付加反応]
温度計、撹拌機、窒素およびエチレンオキサイド導入管を備えたステンレス製高圧反応容器に、重量平均分子量400のポリエチレングリコール(PEG400)を200g、および、48%水酸化ナトリウム水溶液を0.2g仕込んだ。反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で昇温して加熱攪拌した。加熱攪拌下、微量の窒素を流通させながら、反応容器内を減圧し、内温を120℃まで上げ、内圧50mmHgで1時間脱水を行なった。1時間脱水後、窒素で加圧し、内温を150℃まで上げ、安全圧下(反応容器内の窒素分圧の方がエチレンオキサイド分圧より常に高くなるような条件)で内温を150±5℃に維持しながらエチレンオキサイド200gを添加することにより、重量平均分子量800のポリエチレングリコール(PEG800)を得た。
[後段付加反応]
温度計、撹拌機、窒素およびエチレンオキサイド導入管を備えたステンレス製高圧反応容器に、PEG800を150g、および、48%水酸化ナトリウム水溶液0.42gを仕込んだ。反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で昇温して加熱攪拌した。加熱攪拌下、微量の窒素を流通させながら、反応容器内を減圧し、内温を120℃まで上げ、内圧50mmHgで1時間脱水を行なった。1時間脱水後、窒素で加圧し、内温を150℃まで上げ、安全圧下(反応容器内の窒素分圧の方がエチレンオキサイド分圧より常に高くなるような条件)で内温を150±5℃に維持しながらエチレンオキシド700gを添加することにより、重量平均分子量4500のポリエチレングリコール(PEG−1)を得た。
製造例1で製造したPEG−1を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
製造例1で製造したPEG−1を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
市販のPEG6000(重量平均分子量6000のポリエチレングリコール)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
市販のPEG10000(重量平均分子量10000のポリエチレングリコール)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
市販のPEG20000(重量平均分子量20000のポリエチレングリコール)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
セメント種として普通ポルトランドセメントを用い、製造例1で製造したPEG−1を収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
市販のPEG1000(重量平均分子量1000のポリエチレングリコール)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
市販のPPG(ポリプロピレングリコールオリゴマー)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用いて、表1に示すようにモルタル評価を行った。
結果を表1に示した。
製造例1で製造したPEG−1を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
製造例1で製造したPEG−1を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
市販のPEG10000を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
市販のPEG20000を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
市販のPEG1000を高炉セメントの収縮低減剤として用い、消泡剤としてLG−299(アデカ社製)を用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
メタノールのエチレンオキシド、プロピレンオキシド低モル付加体(CH3(EO)m(PO)nH)(m+n=6)を高炉セメントの収縮低減剤として用い、AE剤としてYES−25(アデカ社製)を用い、減水剤としてポゾリスNo.70(BASF社製)を用い、表2に示すようにコンクリート配合を行い、コンクリート評価を行った。
結果を表3に示した。
Claims (6)
- 一般式(1)で表されるポリオキシエチレン化合物(A)を主成分とする、高炉セメント用収縮低減剤。
R−O−(EO)m−H ・・・(1)
(一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、mはオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、mは80〜1000である。) - 前記ポリオキシエチレン化合物(A)が、重量平均分子量4000〜20000の範囲のポリエチレングリコールである、請求項1に記載の高炉セメント用収縮低減剤。
- 消泡剤(B)を含む、請求項1または2に記載の高炉セメント用収縮低減剤。
- 前記消泡剤(B)が、オキシアルキレン系消泡剤である、請求項3に記載の高炉セメント用収縮低減剤。
- AE剤(C)を含む、請求項1から4までのいずれかに記載の高炉セメント用収縮低減剤。
- 前記AE剤(C)が、樹脂石鹸、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩、からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の高炉セメント用収縮低減剤。
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