JP2012153580A - 水硬性材料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、良好な作業性を有し、硬化時のブリージング水の発生が少なく、水硬性材料に対する優れた収縮低減機能により、硬化物のひび割れ発生を抑制し、該硬化物の耐久性を向上させることができる、水硬性材料組成物を提供する。
【解決手段】本発明の水硬性材料組成物は、一般式R−O−(EO)−H(式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、mはEOの平均付加モル数を表し、mは40〜1000である。)で表される収縮低減剤(A)と粘土鉱物(B)と水硬性材料(C)を含み、収縮低減剤(A)と水硬性材料(C)が重量比で(A)/(C)=0.005〜0.1であり、粘土鉱物(B)と水硬性材料(C)が重量比で(B)/(C)=0.003〜0.15であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、水硬性材料組成物に関する。より詳細には、作業性に優れた良好な流動性を有し、硬化時のブリージング水の発生が少なく、乾燥収縮が低減された硬化体を与える水硬性材料組成物に関する。
コンクリートは、セメントと骨材と水からなる代表的な水硬性材料組成物であり、硬化体は強度や耐久性に優れているので、土木・建築構造物を構築するためには欠かすことができない材料である。
コンクリートは、硬化した後に、外気温や湿度条件等により、内部に残った未反応水分の散逸を起こす。このため、乾燥収縮が進行し、硬化物中にひび割れが生じ、強度や耐久性が低下するという問題がある。土木・建築構造物の強度や耐久性が低下すると、安全性の低下や修復コストの増大など、重大な問題が生じる。
一方、近年、川砂等の良質な骨材の枯渇に伴い、クレーや有機質成分など無機又は有機物の微粒状夾雑物を含んだ品質の劣る骨材を使用せざるを得ない状況となってきている。
骨材中に多量の微粒状夾雑物が含まれていると、コンクリートの流動性が低下するため、所定のスランプを得る単位水量が増加する傾向にあり、それによりブリージング水が増加したり、単位水量を抑制するための減水剤の使用量が多くなるという問題がある。
また、上記の微粒状夾雑物を多く含む骨材を使用したコンクリートは、初期材齢での乾燥収縮が大きくなり、表面ひび割れが発生し易くなるといわれている。
最近、コンクリート硬化物の乾燥収縮を低減させる方法として、乾燥収縮低減剤が重要視されている。乾燥収縮低減剤として、炭素原子数1〜4のアルコールのアルキレンオキシド付加物(特許文献1参照)、2〜8価の多価アルコールのエチレンオキサイドとプロピレンオキシドとの共付加物(特許文献2参照)、低級アルキルアミンのアルキレンオキシド付加物(特許文献3参照)、オリゴマー領域のポリプロピレングリコール(特許文献4参照)、低分子アルコール類(特許文献5参照)、2−エチルヘキサノールのアルキレンオキシド付加物(特許文献6参照)が報告されている。
特公昭56−51148号公報 特公平1−53214号公報 特公平1−53215号公報 特開昭59−152253号公報 特公平6−6500号公報 特許第2825855号公報
本発明の目的は、良好な作業性を有し、硬化時のブリージング水の発生が少なく、水硬性材料に対する優れた収縮低減機能により、硬化物のひび割れ発生を抑制し、該硬化物の耐久性を向上させることができる、水硬性材料組成物を提供することにある。
本発明の水硬性材料組成物は、一般式(1)で表される収縮低減剤(A)と粘土鉱物(B)と水硬性材料(C)を含み、収縮低減剤(A)と水硬性材料(C)が重量比で、(A)/(C)=0.005〜0.1であり、粘土鉱物(B)と水硬性材料(C)が重量比で、(B)/(C)=0.003〜0.15であることを特徴とする。
R−O−(EO)−H (1)

(一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、mはEOの平均付加モル数を表し、mは40〜1000である。)
好ましい実施形態においては、上記収縮低減剤(A)が、重量平均分子量2000〜40000の範囲のポリエチレングリコールである。
好ましい実施形態においては、本発明の水硬性材料組成物は、減水剤(D)を含む。
好ましい実施形態においては、本発明の水硬性材料組成物は、消泡剤(E)を含む。
本発明によれば、良好な作業性を有し、硬化時のブリージング水の発生が少なく、水硬性材料に対する優れた収縮低減機能により、硬化物のひび割れ発生を抑制し、該硬化物の耐久性を向上させることができる、水硬性材料組成物を提供できる。
本発明の水硬性材料組成物は、一般式(1)で表される収縮低減剤(A)と粘土鉱物(B)と水硬性材料(C)を含む。
R−O−(EO)−H (1)

一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を表す。炭素原子数1〜4の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。Rは、好ましくは水素原子である。
一般式(1)中、EOはオキシエチレン基を表し、mはEOの平均付加モル数を表す。mは40〜1000であり、好ましくは80〜800であり、さらに好ましくは100〜500である。mが40未満の場合、ブリージング水の増加や収縮低減機能の低下の恐れがある。mが1000を超えると、水硬性材料組成物の流動性が損なわれる恐れがある。
収縮低減剤(A)は、ポリエチレングリコールであることが好ましい。収縮低減剤(A)がポリエチレングリコールの場合、その重量平均分子量は、好ましくは2000〜40000の範囲であり、より好ましくは3000〜30000の範囲であり、さらに好ましくは4000〜20000の範囲である。
本発明における収縮低減剤(A)の製造方法については、任意の適切な製造方法を採用し得る。例えば、アルコールや、低分子量ポリエチレングリコール、若しくは水の存在下、アルカリ成分(例えば、水酸化ナトリウム)を触媒として、エチレンオキサイドを付加反応させる方法が挙げられる。
本発明の水硬性材料組成物において、粘土鉱物とは粘土を構成する鉱物で、層状珪酸塩鉱物が主成分となっており、具体例としては、モンモリロナイト、カオリナイト、スメクタイト 、セリサイト等がある。
本発明における粘土鉱物(B)としては、上記鉱物であれば特に限定されないが、例えば、モンモリロナイト、カオリナイト等が挙げられる。
本発明の水硬性材料組成物において、水硬性材料とは水と反応して硬化する物質であり、代表的な水硬性材料としてはセメントがある。
本発明における水硬性材料(C)としては特に限定されないが、例えば、普通、低熱、中庸熱、早強、超早強、耐硫酸塩等のポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、エコセメント、シリカヒュームセメント等が挙げられる。
本発明における収縮低減剤(A)と水硬性材料(C)の重量比は、(A)/(C)=0.005〜0.1であり、好ましくは、(A)/(C)=0.01〜0.08であり、さらに好ましくは、(A)/(C)=0.01〜0.05である。(A)/(C)が0.005未満であると、十分な収縮低減性を発揮できない恐れがあり、(A)/(C)が0.1を越えると、水硬性材料組成物の硬化不良や、硬化体の強度低下が起きる恐れがある。
本発明における粘土鉱物(B)と水硬性材料(C)の重量比は、(B)/(C)=0.003〜0.15であり、好ましくは、(B)/(C)=0.005〜0.1であり、さらに好ましくは、(B)/(C)=0.01〜0.05である。(B)/(C)が0.003未満であると、ブリージング水が多くなる恐れがあり、(B)/(C)が0.15を越えると、乾燥収縮が増大する恐れがある。
本発明の水硬性材料組成物は、減水剤(D)を含むことが好ましい。減水剤(D)は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の水硬性材料組成物に用いられる減水剤(D)としては、任意の適切な減水剤を採用し得る。例えば、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系等のスルホン酸系減水剤;ポリオール誘導体;ポリオキシアルキレン基とアニオン性基とを有する重合体、好ましくは、ポリオキシアルキレン基とカルボキシル基とを有する重合体(ポリカルボン酸系減水剤)、あるいはポリオキシアルキレン基とリン酸基とを有する重合体などが挙げられる。ポリオキシアルキレン基とカルボキシル基とを有する重合体(ポリカルボン酸系減水剤)としては、例えば、(メタ)アリルアルコール、3−メチル3−ブテン−1−オール等の特定の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを付加したアルケニルエーテル系単量体及び(メタ)アクリル酸やマレイン酸等の不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体から得られる共重合体またはその塩(特開平10−236858号公報、特開2001−220417号公報参照);(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体を含む単量体から得られる共重合体(特公昭59−18338号公報、特開平7−223852号公報参照)などが挙げられる。ポリオキシアルキレン基とリン酸基とを有する重合体としては、例えば、ポリオキシアルキレン基を有する特定の単量体とリン酸モノエステル系単量体とリン酸ジエステル系単量体とを含む単量体から得られる共重合体(特開2006−052381号公報参照)などが挙げられる。これらの中でも、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリカルボン酸系減水剤が特に好ましい。
本発明の水硬性材料組成物に含まれ得る減水剤(D)の含有割合は、水硬性材料(C)の重量に対して、固形分換算で、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1〜5.0重量%である。
本発明の水硬性材料組成物は、消泡剤(E)を含むことが好ましい。消泡剤(E)は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の水硬性材料組成物に用いられる消泡剤(E)としては、任意の適切な消泡剤を採用し得る。例えば、鉱油系消泡剤、油脂系消泡剤、脂肪酸系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、オキシアルキレン系消泡剤、アルコール系消泡剤、アミド系消泡剤、リン酸エステル系消泡剤、金属石鹸系消泡剤、シリコーン系消泡剤などが挙げられる。これらの中でも、オキシアルキレン系消泡剤が好ましい。
鉱油系消泡剤としては、例えば、灯油、流動パラフィン等が挙げられる。油脂系消泡剤としては、例えば、動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。脂肪酸系消泡剤としては、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。脂肪酸エステル系消泡剤としては、例えば、グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等が挙げられる。オキシアルキレン系消泡剤としては、例えば、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数8以上の高級アルコールや炭素数12〜14の2級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール,3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド等が挙げられる。アルコール系消泡剤としては、例えば、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等が挙げられる。アミド系消泡剤としては、例えば、アクリレートポリアミン等が挙げられる。リン酸エステル系消泡剤としては、例えば、リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等が挙げられる。金属石鹸系消泡剤としては、例えば、アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等が挙げられる。シリコーン系消泡剤としては、例えば、ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等が挙げられる。
本発明の水硬性材料組成物に含まれ得る消泡剤(E)の含有割合は、目的に応じて、任意の適切な割合を採用し得るが、水硬性材料(C)の重量に対して、固形分換算で、下限値として、好ましくは0.000001重量%であり、より好ましくは0.00001重量%であり、上限値として、好ましくは10重量%であり、より好ましくは5重量%である。
本発明の水硬性材料組成物は、好ましくはさらにAE剤(空気連行剤)を含む。本発明の水硬性材料組成物に用いられるAE剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明の水硬性材料組成物に用いられるAE剤としては、例えば、樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩(ABSと略称されることがある)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩(LASと略称されることがある)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート、ベタイン、イミダゾリンベタイン等が挙げられる。これらの中でも、樹脂石鹸、ABS、LAS、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩が特に好ましい。
本発明の水硬性材料組成物に含まれ得るAE剤の量は、目的に応じて、任意の適切な量を採用し得るが、水硬性材料(C)の重量に対して、固形分換算で、下限値として、好ましくは0.000001重量%であり、より好ましくは0.00001重量%であり、上限値として、好ましくは10重量%であり、より好ましくは5重量%である。
本発明の水硬性材料組成物は、収縮低減剤(A)、粘土鉱物(B)、水硬性材料(C)以外に、代表的には、細骨材、粗骨材及び水を含むものや、粗骨材を含まずに細骨材と水を含むものなどがあり、前者はコンクリートと称され、後者はモルタルと称されることがある。
細骨材としては、例えば、川砂、山砂、海砂、砕砂、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材が挙げられる。
粗骨材としては、例えば、川砂利、砕石、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材が挙げられる。
水としては、例えば、JIS A 5308付属書9に示される上水道水、上水道水以外の水(河川水、湖沼水、井戸水など)、回収水が挙げられる。
本発明の水硬性材料組成物は、任意の適切な粉体を含んでいてもよい。このような粉体としては、例えば、シリカヒューム、フライアッシュ、石灰石微粉末、高炉スラグ微粉末、膨張性無機化合物微粉末、その他の鉱物質微粉末等が挙げられる。
本発明の水硬性材料組成物は、本発明の作用効果を奏する限り、任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤として例えば、水溶性高分子物質、高分子エマルジョン、遅延剤、早強剤、促進剤、界面活性剤、防水剤、硬化促進剤、凝結遅延剤、防錆剤、ひび割れ低減剤、膨張材、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、他の乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、着色剤、防カビ剤等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水硬性材料組成物の製造方法、運搬方法、打設方法、養生方法、管理方法などについては、任意の適切な方法を採用し得る。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。なお、特に明記しない限り、実施例における部及び%は重量基準である。
≪水硬性材料組成物の評価≫
各実施例及び各比較例で得られた水硬性材料組成物(モルタル)のフレッシュ物性として、空気量及びフロー値を以下の方法により測定した。
空気量:500mlメスシリンダーを用い、JIS A1174(まだ固まらないポリマーセメントモルタルの単位容積質量試験方法及び空気量の質量による試験方法)に準拠して測定した。
フロー値:JIS R 5201−1997に記載の方法に準拠して、15打でのフロー値を測定した。
水硬性材料組成物(モルタル)のブリージング水量は、JIS A 1123(コンクリートモルタルのブリージング試験方法)に準じて測定した。
水硬性材料組成物(モルタル)の収縮低減性能は、以下の手順により、長さ変化比を測定することで評価した。
まず、収縮低減性能を評価する為のモルタル供試体(4×4×16cm)の作成をJIS A1129に従って実施した。すなわち、型枠には予めシリコングリースを塗布して止水すると共に容易に脱型できるようにし、供試体の両端にはゲージプラグを装着した。各実施例及び各比較例で得られたモルタルを流し込んだ型枠を密封容器中に20℃で保管し、初期養生を行った。1日後に脱型し、供試体に付着したシリコングリースを束子で擦りながら水で洗浄した後、20℃の静水中で6日間養生した。
次いで、JIS A1129に従って、ダイヤルゲージ((株)西日本試験機製)を使用して、長さ変化比を求めた。すなわち、静水中で6日間養生した供試体表面の水を紙タオルでふき取った後、直ちに測長して、この時点の長さを基準とした。その後、温度20℃、湿度60%に設定した恒温恒湿室内に保存し、適時測長した。この際、長さ変化比は、次の式で示されるように、収縮低減剤などを含まない基準モルタルの収縮量に対する、各実施例及び各比較例で得られたモルタルの収縮量の比とし、値が小さいほど収縮低減性能に優れていることを示す。
長さ変化比
={(各実施例及び各比較例で得られたモルタルの収縮量)/(基準モルタルの収縮量)}×100
≪製造例1≫:収縮低減剤の合成
温度計、撹拌機、窒素及びエチレンオキサイド導入管を備えたステンレス製高圧反応容器に、重量平均分子量400のポリエチレングリコール(PEG400)を200g及び48%水酸化ナトリウム水溶液を0.2g仕込んだ。反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で昇温して加熱攪拌した。加熱攪拌下に微量の窒素を流通させながら、反応容器内を減圧し、内温を120℃まで上げて内圧50mmHgで1時間脱水を行った。1時間脱水後、窒素で加圧し、内温を150℃まで上げて、安全圧下(反応容器内の窒素分圧の方がエチレンオキサイド分圧より常に高くなるような条件)で、内温を150±5℃に維持しながらエチレンオキサイド200gを添加することにより、重量平均分子量800のポリエチレングリコール(PEG800)を得た。
温度計、撹拌機、窒素及びエチレンオキサイド導入管を備えたステンレス製高圧反応容器に、得られたPEG800を150g及び48%水酸化ナトリウム水溶液0.42gを仕込んだ。反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で昇温して加熱攪拌した。加熱攪拌下に微量の窒素を流通させながら、反応容器内を減圧し、内圧50mmHgで1時間脱水を行った。1時間脱水後、窒素で加圧し、内温を150℃まで上げて、安全圧下(反応容器内の窒素分圧の方がエチレンオキサイド分圧より常に高くなるような条件)で、内温を150±5℃に維持しながらエチレンオキサイド225gを添加することにより、重量平均分子量2000のポリエチレングリコール(PEG2000)からなる収縮低減剤を得た。
≪製造例2≫:収縮低減剤の合成
温度計、撹拌機、窒素及びエチレンオキサイド導入管を備えたステンレス製高圧反応容器に、重量平均分子量400のポリエチレングリコール(PEG400)を200g及び48%水酸化ナトリウム水溶液を0.2g仕込んだ。反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で昇温して加熱攪拌した。加熱攪拌下に微量の窒素を流通させながら、反応容器内を減圧し、内温を120℃まで上げて内圧50mmHgで1時間脱水を行った。1時間脱水後、窒素で加圧し、内温を150℃まで上げて、安全圧下(反応容器内の窒素分圧の方がエチレンオキサイド分圧より常に高くなるような条件)で、内温を150±5℃に維持しながらエチレンオキサイド200gを添加することにより、重量平均分子量800のポリエチレングリコール(PEG800)を得た。
温度計、撹拌機、窒素及びエチレンオキサイド導入管を備えたステンレス製高圧反応容器に、得られたPEG800を150g及び48%水酸化ナトリウム水溶液0.42gを仕込んだ。反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で昇温して加熱攪拌した。加熱攪拌下に微量の窒素を流通させながら、反応容器内を減圧し、内圧50mmHgで1時間脱水を行った。1時間脱水後、窒素で加圧し、内温を150℃まで上げて、安全圧下(反応容器内の窒素分圧の方がエチレンオキサイド分圧より常に高くなるような条件)で、内温を150±5℃に維持しながらエチレンオキサイド700gを添加することにより、重量平均分子量4500のポリエチレングリコール(PEG4500)からなる収縮低減剤を得た。
≪製造例3≫:減水剤の合成
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に、イオン交換水を14.66質量部、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキシドを平均50モル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル単量体(IPN50)を49.37質量部仕込み、攪拌下反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、2%過酸化水素水溶液2.39質量部を添加し、アクリル酸3.15質量部及びイオン交換水0.79質量部からなる水溶液を3.0時間、並びに3−メルカプトプロピオン酸0.13質量部、L−アスコルビン酸0.06質量部及びイオン交換水15.91質量部からなる水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて60℃に温度を維持した後、冷却して重合反応を終了させ、48%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調整し、重量平均分子量が37700の共重合体(1)の水溶液を得た。
≪実施例及び比較例で用いる各種成分≫
実施例及び比較例で用いる収縮低減剤(A)、粘土鉱物(B)、水硬性材料(C)、減水剤(D)及び消泡剤(E)を表1に示す。


Figure 2012153580


≪実施例1〜8、比較例1〜3≫
(水硬性材料組成物(モルタル)の混練り調製)
普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)450g及びセメント強さ試験用標準砂(JIS R5201−1997附属書2の5.1.3に規定;セメント協会)1350gに、表2に示した所定量の粘土鉱物と、表2に示した所定量の収縮低減剤及び減水剤を秤量して水で希釈したもの225gとを投入し、ホバート型モルタルミキサー(ホバート社製の型番N−50)を用い、JIS R5201−1997の方法に従ってモルタルの混練を行った。
また、モルタル空気量が収縮低減剤を添加しないモルタル(基準モルタル)の空気量±3vol%となるように、必要に応じて消泡剤を使用してモルタル空気量の調整を行った。使用した消泡剤の種類およびその添加量は、表2に示した通りであった。
製造例1で合成したPEG2000、製造例2で合成したPEG4500、市販のPEG10000、及び、PEG20000からなる収縮低減剤と、市販のモンモリロナイトからなる粘土鉱物とを、表2で示した重量比となるように配合して、本発明の水硬性材料組成物(モルタル)を調製した。
また、収縮低減剤として市販のPEG600を用いたり、モンモリロナイトの重量比を表2で示した通りに増減した比較用の水硬性材料組成物(モルタル)を調製した。
各実施例及び比較例におけるモルタル配合は、表2に示した通りである。
Figure 2012153580


(水硬性材料組成物(モルタル)の評価)
各実施例及び各比較例で得られた水硬性材料組成物(モルタル)について、それらのフレッシュ物性(空気量及びフロー値)、ブリージング水量及び収縮低減性能の評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2012153580


表3より、本発明の水硬性材料組成物(モルタル)は、特定のPEG系収縮低減剤、及び、粘土鉱物が本発明において規定された所定量配合されているので、フロー値が大きく流動性が良好であり、ブリージング水量も少なく、長さ変化比が小さくなっており、収縮低減性能に優れることが判る。
一方、重量平均分子量が本発明において規定された範囲から外れたPEG系収縮低減剤を使用した比較例1で得られたモルタルでは、ブリージング水量が多く、長さ変化比も大きくなっている。また、粘土鉱物の配合量が本発明で規定された範囲より少ない比較例2で得られたモルタルでは、ブリージング水量が多くなったり、粘土鉱物の配合量が本発明で規定された範囲より多い比較例3で得られたモルタルでは、モルタルの流動性が極端に低下して混練が不可能であった。
本発明によれば、良好な作業性を有し、硬化時のブリージング水の発生が少なく、水硬性材料に対する優れた収縮低減機能により、硬化物のひび割れ発生を抑制し、該硬化物を使用した土木・建築構造物の耐久性を向上させることができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される収縮低減剤(A)と粘土鉱物(B)と水硬性材料(C)を含む水硬性材料組成物であって、収縮低減剤(A)と水硬性材料(C)が重量比で、(A)/(C)=0.005〜0.1であり、粘土鉱物(B)と水硬性材料(C)が重量比で、(B)/(C)=0.003〜0.15であることを特徴とする水硬性材料組成物。

    R−O−(EO)−H (1)

    (一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、mはEOの平均付加モル数を表し、mは40〜1000である。)
  2. 前記収縮低減剤(A)が、重量平均分子量2000〜40000の範囲のポリエチレングリコールである、請求項1に記載の水硬性材料組成物。
  3. 減水剤(D)を含む請求項1または2に記載の水硬性材料組成物。
  4. 消泡剤(E)を含む請求項1から3のいずれかに記載の水硬性材料組成物。
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