JP2012036385A - ポリシロキサン組成物及びパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)ポリシロキサン、並びに(B)窒素含有複素環構造と、極性基及びエステル基から選ばれる少なくとも一種とを有する化合物を含むことを特徴とするポリシロキサン組成物と、酸拡散制御剤を有するポリシロキサン組成物から得られるレジスト下層膜を用いたパターン形成方法を提供する。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、半導体素子等の高集積化に伴い、現像後のレジストパターンの剥離やレジストを被覆させる反射防止膜やその下層の有機材料や無機材料がレジスト現像液で溶解してしまう問題が生じている。また、レジストの微細化及び薄膜化に伴い、レジストと反射防止膜とのエッチング速度が似通っているため、反射防止膜下層の有機材料や無機材料を微細に加工できないという問題がある。さらには、レジストを酸素アッシングで除去する際、酸素アッシングで反射防止膜やその下層の有機材料や無機材料がダメージを受けてしまうという問題も有る。
(A)ポリシロキサン(以下、「ポリシロキサン(A)」ともいう)、並びに
(B)窒素含有複素環構造と、極性基及びエステル基から選ばれる少なくとも一種とを有する化合物(以下、「化合物(B)」ともいう)
を含むことを特徴とする。
化合物(B)は、極性基として、水酸基及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも一種を有する化合物であることが好ましい。
また、化合物(B)は、エステル基として、下記式(X)で表される基が窒素原子に結合した構造を有する化合物であることが好ましい。
さらに、化合物(B)は、下記式(X−1)で表される化合物であることが好ましい。
RaSiX4−a (1)
(一般式(1)中、Rは水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニル基、又はアリール基を示し、Xはハロゲン原子又は−OR1を示し、R1は1価の有機基を示し、aは1〜3の整数を示す。尚、R及びXは、それぞれ複数存在する場合は、相互に同一であっても異なっていてもよい。)
SiX4 (2)
(一般式(2)中、Xは前記一般式(1)の定義に同じ。)
さらに、本発明のポリシロキサン組成物は、ポリシロキサン(A)の含有量(SiO2換算)100重量部に対して、化合物(B)の含有量が0.1〜30重量部であることが好ましい。
本発明のポリシロキサン組成物は、レジスト下層膜用組成物として好適に用いられる。
(1)ポリシロキサンと酸拡散制御剤とを含有するポリシロキサン組成物を、被加工基板上に塗布してシリコン含有膜を形成する工程と、
(2)得られた前記シリコン含有膜上に、レジスト組成物を塗布してレジスト被膜を形成する工程と、
(3)得られた前記レジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して前記レジスト被膜を露光する工程と、
(4)露光した前記レジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する工程と、
(5)前記レジストパターンをマスクとして、前記シリコン含有膜及び前記被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のパターン形成方法に用いられるポリシロキサン組成物は、本発明のポリシロキサン組成物であることが好ましい。
<ポリシロキサン組成物>
本発明のポリシロキサン組成物は、ポリシロキサン(A)と、窒素含有複素環構造と、極性基及びエステル基から選ばれる少なくとも一種とを有する化合物(B)とを含有することを特徴とする。また、当該ポリシロキサン組成物は、通常、(C)溶媒を含有し、さらに(D)水を含有してもよい。本発明のポリシロキサン組成物は、その用途は特に限定されず、層間絶縁膜、保護膜、反射防止膜等の膜形成材料として用いることができるが、特に、レジスト下層膜用組成物として好適に用いられる。中でも、本発明のパターン形成方法におけるレジスト下層膜を形成するための組成物として、好適に用いることができる。
ポリシロキサン(A)は、構造が特に限定されるものではないが、好ましくは、前記一般式(1)で表される化合物(1)、及び前記一般式(2)で表される化合物(2)を加水分解縮合させて得られるものであり、化合物(1)及び化合物(2)は、それぞれ一種でも数種を混合して用いてもよい。
シアノアルキル基としては、シアノエチル基、シアノプロピル基等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
CH2=CH−(CH2)n−* (i)
〔一般式(i)中、nは0〜4の整数を示し、「*」は、結合手を示す。〕
前記一般式(i)におけるnは、0〜4の整数であり、好ましくは0又は1の整数、更に好ましくは0(ビニル基)である。
また、前記一般式(i)で表される基以外のアルケニル基としては、例えば、一般式(i)以外で表せるブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、メチルトリス(ジメチルシロキシ)シラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、メチルシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、エチルビストリス(トリメチルシロキシ)シラン、エチルジクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリアセトキシシラン、n−プロピルトリクロロシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、iso−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、iso−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、iso−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリクロロシラン、2−メチルプロピルトリメトキシシラン、2−メチルプロピルトリエトキシシラン、2−メチルプロピルトリ−n−プロポキシシラン、2−メチルプロピルトリ−iso−プロポキシシラン、2−メチルプロピルトリ−n−ブトキシシラン、2−メチルプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、2−メチルプロピルトリ−tert−ブトキシシラン、2−メチルプロピルトリフェノキシシラン、1−メチルプロピルトリメトキシシラン、1−メチルプロピルトリエトキシシラン、1−メチルプロピルトリ−n−プロポキシシラン、1−メチルプロピルトリ−iso−プロポキシシラン、1−メチルプロピルトリ−n−ブトキシシラン、1−メチルプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、1−メチルプロピルトリ−tert−ブトキシシラン、1−メチルプロピルトリフェノキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、tert−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、tert−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、tert−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、tert−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、tert−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、tert−ブチルトリフェノキシシラン、tert−ブチルトリクロロシラン、tert−ブチルジクロロシラン等のアルキルトリアルコキシシラン類;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリ−n−プロポキシシラン、アリルトリイソプロポキシシラン、アリルトリ−n−ブトキシシラン、アリルトリ−sec−ブトキシシラン、アリルトリ−tert−ブトキシシラン、アリルトリフェノキシシラン等のアルケニルトリアルコキシシラン類;
等が挙げられる。
これらのなかでも、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが、ドライエッチング耐性に優れた反転パターンが得られるため好ましい。
また、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。尚、これらのアルキル基における1又は2以上の水素原子は、フッ素原子等に置換されていてもよい。
シアノアルキル基としては、シアノエチル基、シアノプロピル基等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。尚、これらのアルキル基における1又は2以上の水素原子は、フッ素原子等に置換されていてもよい。
前記アルコキシル基としては、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
前記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、ベンジル基、フェネチル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基等が挙げられる。これらのなかでも、フェニル基が好ましい。
前記アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、3−ヘキセニル基等が挙げられる。
尚、R4が複数存在する場合(即ち、前記mが2〜20の整数である場合)、複数のR4は、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、炭素数2〜10のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。
また、mは、1〜20の整数であり、好ましくは5〜15、更に好ましくは5〜10である。
ポリシロキサン(A)の分子量は、サイズ排除クロマトグラフィによるポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは2,000〜30,000である。
なお、本明細書におけるポリシロキサン(A)の分子量は、東ソー社製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」2本、商品名「G3000HXL」1本、商品名「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
化合物(B)は、窒素含有複素環構造と、極性基及びエステル基から選ばれる少なくとも一種とを有する化合物である。
化合物(B)は、塩基性アミノ基を有する化合物、または酸の作用により塩基性アミノ基となる化合物であり、本発明のポリシロキサン組成物をレジスト下層膜用組成物に用いた場合、該組成物から得られる下層膜上でのレジストのリソグラフィー性能を向上させる効果を有する。この効果は、化合物(B)が下層膜に存在することにより、露光後のポスト・エクスポージャー・ベーク(PEB)時におけるレジスト膜中からの酸の下層膜中での拡散が抑えられるため、レジストのリソグラフィー性能をより向上させるに至ると考えられる。この効果は、従来のアミン化合物と比べて顕著なものである。これは、ひとつには、従来のアミン化合物に比べ極性基及びエステル基から選ばれる少なくとも一種を有する化合物を用いることで、下層膜ベーク時にアミン化合物の昇華が抑えられ、下層膜中に残存するため上記効果を十分に発揮すると考えられる。また、環状構造を有することで、下層膜組成物としての保存安定性向上に効果があると考えられる。
当該ポリシロキサン組成物における化合物(B)の含有量としては、形成されるレジストパターンのパターン形状をより良好にする観点から、ポリシロキサン(A)の100質量部に対して、通常、0.1質量部以上30質量部以下であり、1質量部以上30質量部以下が好ましく、1質量部以上10質量部以下がより好ましい。なお、[B]化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性基としては、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、オキセタニル基等が挙げられ、水酸基及びカルボキシル基が好ましく、水酸基が特に好ましい。
エステル基としては、アルキルエステル基、アリールエステル基、シクロアルキルエステル基等が挙げられるが、好ましくは、上記式(X)で表される基が挙げられる。上記式(X)を有する化合物(B)は、酸の作用により−CR1R2R3基が解離して塩基性アミノ基となる化合物であり、液状態での保存安定性に優れるという効果を有する。
上記式(X)中、R1、R2及びR3で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等が挙げられる。R1、R2及びR3で表される炭素数4〜12の1価の脂環式炭化水素基、並びにR1及びR2が互いに結合している炭素原子と共に形成する炭素数4〜12の2価の脂環式炭化水素基としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン等のシクロアルカン類;ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン等の有橋脂環族類に由来する基が挙げられる。
上記式(X−1)中、Aで示される炭素数1〜8の2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ヘキシレン基、n−オクチレン基等の2価の鎖状炭化水素基;上述したR1、R2及びR3で表される脂環式炭化水素基から水素原子を1つ除いた2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。nは1〜6の整数であり、好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
上記式(X−1)で表される化合物の特に好ましい具体例としては、例えば、下記式(X−1−1)〜(X−1−4)が挙げられる。
(C)溶媒としては、上記ポリシロキサン(A)、化合物(B)及び必要に応じて含有させる任意成分を溶解、分散できる溶媒であれば用いることができる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等の脂肪族エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香族エーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル系溶媒等が挙げられる。
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等の脂肪族ケトン系溶媒;
アセトフェノン、エチルフェニルケトン等の芳香族ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒等が挙げられる。
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒;
N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の環状アミド系溶媒等が挙げられる。
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のモノカルボン酸モノエステル系溶媒;
シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル系溶媒;
ジ酢酸エチレングリコール、ジ酢酸プロピレングリコール等の多価アルコールジエステル系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、酢酸メトキシトリグリコール等の多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
当該ポリシロキサン組成物は、水を含有しても良い。当該ポリシロキサン組成物は、水を含有すると、当該ポリシロキサン組成物からの成膜時の硬化が促進され、緻密な膜を得ることができる。当該ポリシロキサン組成物における水の含有量としては、(C)溶媒100質量部に対して0〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.2〜10質量部がさらに好ましい。水の含有量が高すぎると、当該ポリシロキサン組成物の保存安定性や、形成されるシリコン含有膜の均一性が低下する場合がある。
本発明のポリシロキサン組成物には、更に、β−ジケトンが含まれていてもよい。β−ジケトンを用いることにより、塗布性及び保存安定性の向上という効果が得られる。β−ジケトンとしては、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオン等の1種または2種以上である。
本発明において、膜形成用組成物中のβ−ジケトン含有量は、全溶剤の50重量%以下、好ましくは30重量%以下とすることが好ましい。
このような範囲でβ−ジケトンを添加すれば、一定の保存安定性が得られるとともに、組成物の塗膜均一性等の特性が低下するおそれが少ない。
前記コロイド状シリカは、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒に分散した分散液であり、通常、平均粒径が5〜30nm、好ましくは10〜20nm、固形分濃度が10〜40質量%程度のものである。このような、コロイド状シリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾル、イソプロパノールシリカゾル;触媒化成工業(株)製、オスカル等が挙げられる。これらのコロイド状シリカは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記コロイド状アルミナとしては、例えば、日産化学工業(株)製のアルミナゾル520、同100、同200;川研ファインケミカル(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル10、同132等が挙げられる。これらのコロイド状アルミナは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、含フッ素界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記塩基発生剤としては、加熱処理又は露光処理を行うことによって塩基を発生する化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、トリフェニルスルホニウム化合物、トリフェニルメタノール;ベンジルカルバメート及びベンゾインカルバメート等の光活性なカルバメート;o−カルバモイルヒドロキシルアミド、o−カルバモイルオキシム、アロマティックスルホンアミド、アルファーラクタム及びN−(2−アリルエチニル)アミド等のアミド;オキシムエステル、α−アミノアセトフェノン、コバルト錯体等を挙げることができる。
本発明のポリシロキサン組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、ポリシロキサン(A)、化合物(B)及び必要に応じて前記他の添加剤を混合し、有機溶剤に溶解または分散して得られる。有機溶剤としては、公知の有機溶剤を用いることができ、加水分解性シラン化合物を加水分解および/または部分縮合する際に用いるものと同様な溶剤を使用することができる。
なお、本発明のポリシロキサン組成物の固形分濃度は、0.5重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜15重量%である。
本発明の組成物から得られるレジスト下層膜は、レジスト膜や他の下層膜(反射防止膜)との密着性が高く、裾引き等のないボトム形状に優れるレジストパターンが得られるという特徴を有する。そのため、多層レジストプロセスにおいて好適に用いることができる。また、多層レジストプロセスのなかでも、90nmよりも微細な領域(ArF、液侵露光でのArF、F2、EUV、ナノインプリント)での多層レジストプロセスを用いたパターン形成において、特に好適に用いることができる。
このレジスト下層膜は、前述の本発明のポリシロキサン組成物を用いることにより得ることができる。具体的には、例えば、レジスト被膜や他の下層膜(反射防止膜)等の表面に塗布することにより、レジスト下層膜形成用組成物の塗膜を形成し、この塗膜を加熱処理することにより、硬化させ、レジスト下層膜(シリコン含有膜)を形成することができる。
ポリシロキサン組成物を塗布する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ディップ法等を利用することができる。
また、形成される塗膜の加熱温度は、通常50〜450℃であり、加熱処理後の膜厚は、通常10〜200nmである。
本発明のパターン形成方法は、(1)(1)ポリシロキサンと酸拡散制御剤とを含有するポリシロキサン組成物を、被加工基板上に塗布してシリコン含有膜を形成する工程(以下、単に「工程(1)」という。)と、(2)得られた前記シリコン含有膜上に、レジスト組成物を塗布してレジスト被膜を形成する工程(以下、単に「工程(2)」という。)と、(3)得られた前記レジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して前記レジスト被膜を露光する工程(以下、単に「工程(3)」という。)と、(4)露光した前記レジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する工程(以下、単に「工程(4)」という。)と、(5)前記レジストパターンをマスク(エッチングマスク)として、前記シリコン含有膜及び前記被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する工程(以下、単に「工程(5)」という。)と、を備える。
本発明のパターン形成方法によれば、ドライエッチングプロセスにおいて、被加工基板にレジストパターンを再現性よく忠実に転写することができる。
前記工程(1)では、ポリシロキサンと酸拡散制御剤とを含有するポリシロキサン組成物を用いて、被加工基板上にシリコン含有膜を形成する。これにより、被加工基板上に下層膜が形成されたレジスト下層膜付き基板を得ることができる。
工程(1)で用いられるポリシロキサン組成物としては、本発明のポリシロキサン組成物が特に好ましく用いられるが、ポリシロキサン、酸拡散制御剤共に、その構造は特に限定されるものではない。
酸拡散制御剤としては、露光により生じた酸が、工程(1)において得られるシリコン含有膜中に拡散することを防ぐ働きを有する化合物であり、一般に、塩基性化合物が用いられる。特に好ましいものとしては上述した化合物(B)が挙げられるが、その他、化合物(B)以外のアミノ化合物、酸の作用により弱酸を生じて塩基性を喪失するオニウム塩等を用いてもよい。
このレジスト下層膜は、レジストパターン形成において、シリコン含有膜及び/又はレジスト被膜が有する機能を更に補ったり、これらが有していない機能を得るために、必要とされる所定の機能(例えば、反射防止機能、塗布膜平坦性、CF4等のフッ素系ガスに対する高エッチング耐性)が付与されたりした膜のことである。
シリル化処理剤としては、例えばアリロキシトリメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、ビス(トリメチルシリル)尿素、トリメチルクロロシラン、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、トリメチルシリルアジド、トリメチルシリルシアナニド、N−(トリメチルシリル)イミダゾール、3−トリメチルシリル−2−オキサゾリジノン、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート、ヘキサメチルジシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシラン、ノナメチルトリシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、トリメチルヨードシランなどを挙げることが出来る。
シリコン含有膜のメチルシリル化は、上記シリル化剤をシリコン含有膜上にディップコートやスピンコートすることや、シリル化剤の蒸気雰囲気にシリコン含有膜を曝すことによって行うことが出来、さらにはメチルシリル化の後、塗膜を50〜300℃に加熱しても良い。
この露光に用いられる放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等が挙げられる。
また、塗膜を加熱する際の温度は、特に限定されないが、90〜550℃であることが好ましく、より好ましくは90〜450℃、更に好ましくは90〜300℃である。
前記工程(2)では、レジスト組成物を用いて、工程(1)にて得られたシリコン含有膜上にレジスト被膜を形成する。
この工程(2)にて用いられるレジスト組成物としては、例えば、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂を有する化学増幅型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからなるポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤を含有するネガ型レジスト組成物等を好適例として挙げることができる。また、当該レジストパターンの形成には、微細パターンを形成する手法であるダブルパターニング法、ダブルエクスポージャー法等を適宜用いてもよい。また、特開2008−292975号公報に記載されているような、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂を有するレジスト組成物を、有機溶剤で現像してネガ型パターンを形成する方法を用いてもよく、該方法とダブルエクスポージャー法とを組み合わせて用いてもよい。
また、レジスト組成物としては、孔径0.2μm程度のフィルターを用いてろ過したものを好適に用いることができる。尚、本発明のパターン形成方法においては、このようなレジスト組成物として、市販品のレジスト組成物をそのまま使用することもできる。
プレベークする際の温度は、使用するレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、30〜200℃であることが好ましく、より好ましくは50〜150℃である。
前記工程(3)では、工程(2)において得られたレジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射してレジスト被膜を露光する。
また、露光する方法についても特に制限はなく、従来公知のパターン形成において行われる方法に準じて行うことができる。
前記工程(4)では、工程(3)において露光したレジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する。
エーテル系溶剤としては、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
アミド系溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
前記工程(5)では、工程(4)にて形成したレジストパターンをマスク(エッチングマスク)として、シリコン含有膜及び被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する。尚、他のレジスト下層膜が形成された被加工基板を用いた場合には、シリコン含有膜及び被加工基板と共に該レジスト下層膜もドライエッチングする。
また、ドライエッチング時のソースガスとしては、被エッチ膜の元素組成にもよるが、O2、CO、CO2等の酸素原子を含むガス、He、N2、Ar等の不活性ガス、Cl2、BCl4等の塩素系ガス、H2、NH3のガス等を使用することができる。尚、これらのガスは混合して用いることもできる。
<固形分の含有割合の決定>
シロキサン樹脂溶液0.5gを30分間250℃で焼成することで、樹脂溶液0.5gに対する固形分の重量を測定し、シロキサン樹脂溶液の固形分の含有割合を決定した。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
東ソー社製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」2本、商品名「G3000HXL」1本、商品名「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
後述の各合成例においては、下記構造の単量体を用いて、重合体の合成を行った。
化合物(M−1);テトラメトキシシラン
化合物(M−2);フェニルトリメトキシシラン
化合物(M−3);オキセタニルトリメトキシシラン
化合物(M−4);メチルトリメトキシシラン
化合物(M−5);4−トリルトリメトキシシラン
化合物(M−6);テトラエトキシシラン
シュウ酸1.28gを水12.85gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。その後、テトラメトキシシラン〔前記式(M−1)〕25.05g、フェニルトリメトキシシラン〔前記式(M−2)〕3.63g、及びプロピレングリコールモノエチルエーテル57.19gを入れたフラスコに、冷却管と、調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去して樹脂溶液97.3gを得た。この樹脂溶液中における固形分をポリシロキサン(A−1)とする。
得られた樹脂溶液中の固形分の含有割合は18.0%であった。また、得られたポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は2000であった。
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.92gを水8.75gに加熱溶解させて、テトラアンモニウムヒドロキシド水溶液を調製した。その後、調製したテトラアンモニウムヒドロキシド水溶液11.67g、水4.53g、及びメタノール20gを入れたフラスコに、冷却管と、テトラメトキシシラン〔前記式(M−1)〕10.65g、フェニルトリメトキシシラン〔前記式(M−2)〕1.98g、メチルトリメトキシシラン〔前記式(M−4)〕2.72g、及びメタノール20gを入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて50℃に加熱した後、モノマーのメタノール溶液をゆっくり滴下し、50℃で2時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷した。
その後、無水マレイン酸4.39gを、水16.14g、及びメタノール16.14gに溶解させて別途調製したマレイン酸メタノール溶液36.67gに対し、上述のように放冷した反応液を滴下し、30分間攪拌した。次いで、4−メチル−2−ペンテノン50gを添加してからエバポレーターにセットし、反応溶媒及び反応により生成したメタノールを除去して4−メチル−2−ペンテノン樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液を分液ロートへ移してから、水80gを添加して1回目の水洗を行い、水40gを添加して2回目の水洗を行った。その後、分液ロートよりフラスコへ移した4−メチル−2−ペンテノン樹脂溶液に、プロピレングリコール−1−エチルエーテル50gを添加してからエバポレーターにセットし、4−メチル−2−ペンテノンを除去して樹脂溶液51gを得た。この樹脂溶液中における固形分をポリシロキサン(A−2)とする。
得られた樹脂溶液中の固形分の含有割合は18.0%であった。また、得られたポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)は4000であった。
<ポリシロキサン(A−3)〜(A−7)>
表1に示す各単量体を、表1に示す配合量で用いた以外は、合成例1と同様の手法にて、ポリシロキサン(A−3)〜(A−7)を合成した。
<ポリシロキサン(A−8)>
表1に示す各単量体を、表1に示す配合量で用いた以外は、合成例2と同様の手法にて、ポリシロキサン(A−8)を合成した。
得られた樹脂溶液の固形分の含有割合と、得られたポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)を、合成例1、2と共に表1にまとめて示す。
前述の各合成例で得られたポリシロキサン(A)[ポリシロキサン(A−1)〜(A−8)]、化合物(B)[化合物(B−1)〜(B−6)]及び有機溶媒(C)[有機溶媒(C−1)〜(C−3)]、水(D)を用いて、下記のように、実施例1〜19及び比較例1〜4のポリシロキサン組成物を調製した。用いた化合物(B)及び有機溶媒(C)は下記のとおりである。
(C−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(C−2):プロピレングリコールモノエチルエーテル
(C−3):プロピレングリコールモノプロピルエーテル
表2に示すように、合成例1で得られたポリシロキサン(A−1)9.70部、化合物(B−1)0.05部、有機溶媒(C−1)68.74部、及び有機溶媒(C−2)21.51部に溶解させた後、この溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、実施例1のポリシロキサン組成物を得た。
<実施例2〜18及び比較例1〜4>
表2に示す割合で各成分を用いる以外は実施例1と同じ要領にて、実施例2〜18及び比較例1〜4のポリシロキサン組成物を調製した。
シリコンウェハー上に、実施例及び比較例で得られた組成物を、スピンコート法により塗布した。(スピンコートには、商品名「CLEAN TRACK ACT12(東京エレクトロン(株)製)」を使用した。以下、特に記載のないものについては同じ。)得られた塗膜に対して220℃のホットプレートで1分間PBを行い、レジスト下層膜を形成した。得られたレジスト下層膜の膜厚を膜厚測定装置(商品名「M−2000D」、J.A.Woollam社製)で測定したところ30nmであった。得られたレジスト下層膜について、以下に示す方法でレジスト下層膜の評価を行った。
(基板反射率)
各シリコン含有膜、下層膜形成用組成物(商品名「NFC HM8006」、JSR(株)製)、レジスト材料それぞれの屈折率パラメーター(n)及び消衰係数(k)を高速分光エリプソメーター「M−2000」(J.A.Woollam社製)により測定し、この測定値を元にシュミレーションソフト「プロリス」(KLA−Tencor社製)を用いて、NA1.3、Dipole条件下におけるレジスト材料/各シリコン含有膜/下層膜形成用組成膜を積層させた膜の基板反射率を求めた。反射率が1%以下は「○」、1%を超える場合を「×」とした。
(レジスト残り評価)
レジスト下層膜上にレジストをスピンコートにより塗布し、ホットプレート上にて、100℃で60秒間PBを行い、膜厚100nmのフォトレジスト膜を形成した。次いでArF露光装置(商品名「S306C」、NIKON社製)を使用し、全面露光した。2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(以下、「TMAH水溶液」ともいう)で1分間現像した後、露光後の基板上の膜(レジスト下層膜+レジスト膜残り)の膜厚を測定した。膜厚の測定には、膜厚測定装置(商品名「M−2000D」、J.A.Woollam社製)を使用した(以下、同じ)。露光前のレジスト下層膜の膜厚と上記膜厚との差を求め、レジスト残りを評価した。この差が5nm未満であればレジスト密着性は非常に良好であり、5〜10nmであれば使用可能な範囲、10nmを超えると不良である。
(耐アルカリ性評価)
レジスト下層膜付きシリコンウェハーをTMAH水溶液に1分間浸漬し、処理前後の膜厚を測定した。処理前後での膜厚差が1nm以下の場合、「良好」と判断した。
(酸素アッシング耐性)
レジスト下層膜を、アッシング装置(商品名「NA1300」、ULVAC社製)を用いて、100Wで120秒間O2処理し、処理前後の膜厚差を測定した。両者の差が5nm未満の場合は酸素アッシング耐性は非常に良好であり、5〜8nmの範囲内である場合は使用可能な範囲、8nmを超える場合は不良であると評価できる。
12インチシリコンウェハ上に、下層反射防止膜(商品名「HM8006」、JSR(株)製)をスピンコートした後、PB(250℃、60秒)を行うことにより膜厚100nmの塗膜を形成した。該塗膜上に、実施例又は比較例で調製した組成物をスピンコートし、PB(220℃、60秒)した後、冷却(23℃、60秒)することにより膜厚30nmのレジスト下層膜を形成した。次いで、レジスト組成物(商品名「ARF AR2772JN」、JSR(株)製)を該レジスト下層膜上にスピンコートし、PB(100℃、60秒)した後、冷却(23℃、30秒)することにより膜厚100nmのレジスト層を形成した。更に、形成したレジスト膜上に上層膜形成組成物を、商品名「Lithius Pro−i(東京エレクトロン(株)製)」を使用してスピンコートし、PB(90℃、60秒)を行うことにより膜厚90nmの上層膜を形成した。
Claims (13)
- (A)ポリシロキサン、並びに
(B)窒素含有複素環構造と、極性基及びエステル基から選ばれる少なくとも一種とを有する化合物
を含むことを特徴とする、ポリシロキサン組成物。 - (B)化合物が、極性基として、水酸基及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも一種を有する化合物である、請求項1に記載のポリシロキサン組成物。
- (B)化合物が、極性基及びエステル基を有する化合物である、請求項1乃至3に記載のポリシロキサン組成物。
- (A)ポリシロキサンが、下記一般式(1)で表される化合物、及び下記一般式(2)で表される化合物を加水分解縮合させて得られるポリシロキサンを含む、請求項1乃至3に記載のポリシロキサン組成物。
RaSiX4−a (1)
〔一般式(1)中、Rは水素原子、フッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基、シアノ基、シアノアルキル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニル基、又はアリール基を示し、Xはハロゲン原子又は−OR1を示し、R1は1価の有機基を示し、aは1〜3の整数を示す。尚、R及びXは、それぞれ複数存在する場合は、相互に同一であっても異なっていてもよい。〕
SiX4 (2)
〔一般式(2)中、Xは前記一般式(1)の定義に同じ。〕 - (A)ポリシロキサンが、一般式(1)及び(2)におけるXが−OR1を示す化合物を加水分解縮合させて得られるポリシロキサンを含む、請求項6に記載のポリシロキサン組成物。
- (A)ポリシロキサンの含有量(SiO2換算)100重量部に対して、(B)化合物の含有量が0.1〜30重量部である、請求項1に記載のポリシロキサン組成物。
- さらに、水を含有することを特徴とする請求項1乃至8に記載のポリシロキサン組成物。
- レジスト下層膜用組成物である、請求項1乃至8に記載のポリシロキサン組成物。
- (1)ポリシロキサンと酸拡散制御剤とを含有するポリシロキサン組成物を、被加工基板上に塗布してシリコン含有膜を形成する工程と、
(2)得られた前記シリコン含有膜上に、レジスト組成物を塗布してレジスト被膜を形成する工程と、
(3)得られた前記レジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して前記レジスト被膜を露光する工程と、
(4)露光した前記レジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する工程と、
(5)前記レジストパターンをマスクとして、前記シリコン含有膜及び前記被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する工程と、を備えることを特徴とするパターン形成方法。 - 酸拡散制御剤として、窒素含有化合物を含有するポリシロキサン組成物を用いる、請求項10に記載のパターン形成方法。
- ポリシロキサン組成物として、請求項1に記載のポリシロキサン組成物を用いる、請求項10乃至11に記載のパターン形成方法。
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