JP2012030401A - 多層発泡基材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の多層発泡基材1は、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備えており、且つ樹脂発泡層12は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものであって、本多層発泡基材1には、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部における第2スキン層13には、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部2が形成されている。
【選択図】図1
Description
一方、スキン層2層の間に発泡樹脂層が挟まれた構造をとる基材においては、基材の両面側から真空引きを行う工法を用いることにより、基材の板厚を十分に確保することができ、断熱性の低下を防止できる。
特に、基材を確実に賦形するために意匠面となる側を先行して真空引きする際には、意匠面側からみて凸形状となる湾曲部では、真空引きにより意匠面側まで基材が一度伸ばされるため、その後の裏面側からの真空引きの際に裏面側のスキン層がより余りやすく、しわが発生しやすい。
このようなしわが発生すると、見栄えが劣るだけでなく、そのしわの部分が屈曲の起点となり、製品の剛性を低下させてしまうおそれがある。
[1]第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えており、且つ該樹脂発泡層は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものである多層発泡基材であって、
本多層発泡基材には、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となった曲面部が形成されており、
前記曲面部における前記第2スキン層には、前記真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部が形成されていることを特徴とする多層発泡基材。
[2]前記吸収部が波打ち形状である前記[1]に記載の多層発泡基材。
[3]前記第1スキン層側が意匠面側である前記[1]又は[2]に記載の多層発泡基材。
[4]第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えた基材を、前記第1スキン層を賦形する第1型と、前記第1型と対となり、前記第2スキン層を賦形する第2型とを備える型の間で両面から真空引きすることにより前記樹脂発泡層を拡厚する多層発泡基材の製造方法であって、
前記第2型には、前記多層発泡基材に、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、
前記曲面部形成部位には、前記多層発泡基材に、真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられていることを特徴とする多層発泡基材の製造方法。
[5]前記吸収部形成部位が波打ち形状である前記[4]に記載の多層発泡基材の製造方法。
また、吸収部が波打ち形状である場合には、剛性をより向上させることができると共に、見栄えに優れる。
更に、第1スキン層側を意匠面側とする場合には、吸収部が形成された第2スキン層側が裏面側となるため、より見栄えに優れたものとすることができる。
本発明の多層発泡基材の製造方法によると、第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられた型を用いているため、十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れる多層発泡基材を製造することができる。
また、吸収部形成部位が波打ち形状である場合には、得られる多層発泡基材の剛性をより向上させることができると共に、より見栄えに優れたものとすることができる。
本実施形態1.に係る多層発泡基材は、第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えており、且つ樹脂発泡層は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものであって、多層発泡基材には、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となった曲面部が形成されており、曲面部における第2スキン層には、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部が形成されていることを特徴とする。
尚、この多層発泡基材の用途等は特に問わないが、例えば、ドアトリム(図9に示すドアトリムアッパー等)、インストルメントパネル、ルーフトリム、デッキボード、パッケージトレイ等の車両用内装部品に用いることができる。
上記「第1スキン層」及び「第2スキン層」の材質としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性の合成樹脂を挙げることができる。
上記「樹脂発泡層」の材質としては、例えば、第1スキン層及び第2スキン層と同様の熱可塑性樹脂を採用することができる。この樹脂発泡層は、通常、それら熱可塑性樹脂に発泡剤を添加して発泡させたものである。更に、この樹脂発泡層は、両面からの真空引きにより拡厚されたものであることができる。
この吸収部の形状等は特に限定されないが、波打ち形状であることが好ましい。吸収部が波打ち形状である場合、真空成形により生じる第2スキン層のたるみが十分に吸収されており、剛性をより向上させることができると共に、見栄えに優れる。
この吸収部は1箇所にのみ形成されていてもよいし、2箇所以上に形成されていてもよい。特に、この吸収部は曲面部における曲率が最大となっている部位近傍に形成されていることが好ましい。
本実施形態2.に係る多層発泡基材の製造方法は、第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えた基材を、第1スキン層を賦形する第1型と、この第1型と対となり、第2スキン層を賦形する第2型とを備える型の間で両面から真空引きすることにより樹脂発泡層を拡厚するものであって、第2型には、多層発泡基材に、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、この曲面部形成部位には、多層発泡基材に、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられていることを特徴とする。
また、この基材からなる多層発泡基材は、第1スキン層側の面を意匠面とすることができる。この場合、吸収部が形成される第2スキン層側が裏面側となるため、得られる多層発泡基材の見栄えをより向上させることができる。
上記「樹脂発泡層」の材質としては、例えば、第1スキン層及び第2スキン層と同様の熱可塑性樹脂を採用することができる。この樹脂発泡層は、通常、それら熱可塑性樹脂に発泡剤を添加して発泡させたシート状である。
具体的には、例えば、図3に示すように、第1スキン層を賦形する第1型51と、この第1型51と対となり、第2スキン層を賦形する第2型52とを備えており、吸収部を形成するための吸収部形成部位53が第2型52に形成された両面真空成形型を用いることができる。
また、この吸収部形成部位は、第2型における曲面部形成部位に形成されていればよく、曲面部形成部位における曲率が最大となっている部位近傍に形成されていることが好ましい。
[1−1]多層発泡基材
図1に示すように、本実施例1に係る多層発泡基材1は、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備えており、且つ樹脂発泡層12は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものである。
また、多層発泡基材1には、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部における第2スキン層13には、真空成形により生じる第2スキン層13のたるみを吸収させた突形状の吸収部2が形成されている。
尚、この多層発泡基材1においては、第1スキン層11側が意匠面側となっており、吸収部2が形成された第2スキン層13側が裏面側となっている。
本実施例1に係る多層発泡基材1の製造方法を図5〜図8を用いて説明する。
(1)型の構成
本実施例1の多層発泡基材の製造に用いた両面真空成形型の構成を以下に示す。
図3に示すように、型5は、用いられる基材の第1スキン層を賦形する第1型(意匠面側成形型)51と、この第1型51と対となり、基材の第2スキン層を賦形する第2型(裏面側成形型)52と、両面側から真空引き可能な真空引き手段(図示せず)と、を備える。
第1型51には、多層発泡基材に、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられている。また、第1型51は、この第1型51側から真空引き可能に構成されており、複数の真空孔(図示せず)を備える。
第2型52には、多層発泡基材に、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、この曲面部形成部位において、波打ち形状の吸収部形成部位53を備える。また、第2型52は、この第2型52側から真空引き可能に構成されており、複数の真空孔(図示せず)を備える。
まず、図5に示すように、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備える基材10を、第1スキン層11側が第1型51側となるように型5にセットし、端部が押し潰された状態となるように型締めする。尚、基材10においては、第1スキン層11側が意匠面側である。また、型締めの際、基材10の両端は型5の外側において支持部(図示せず)により挟持されている。
次いで、図6に示すように、型5にセットされた基材10を、意匠面側となる第1スキン層11側(即ち、第1型51側)から真空引きを行う。
その後、第1スキン層11側からの真空引きを継続した状態で、図7及び図8に示すように、第2スキン層13側(即ち、第2型52側)から真空引きを行い、樹脂発泡層12を拡厚するとともに、吸収部2(図1参照)を形成する。
このようにして、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備えており、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部における第2スキン層13には、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収させた突形状(波打ち形状)の吸収部2が形成された多層発泡基材1が得られる。
実施例1に係る多層発泡基材1は、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部において、真空成形により生じる第2スキン層13のたるみを吸収させた波打ち形状の吸収部2が形成されている。そのため、剛性に優れていると共に、良好な見栄えを備えている。
また、この多層発泡基材1は、第1スキン層11側が意匠面側となっており、吸収部2が形成された第2スキン層13側が裏面側となっているため、非常に見栄えに優れたものとなっている。
Claims (5)
- 第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えており、且つ該樹脂発泡層は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものである多層発泡基材であって、
本多層発泡基材には、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となった曲面部が形成されており、
前記曲面部における前記第2スキン層には、前記真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部が形成されていることを特徴とする多層発泡基材。 - 前記吸収部が波打ち形状である請求項1に記載の多層発泡基材。
- 前記第1スキン層側が意匠面側である請求項1又は2に記載の多層発泡基材。
- 第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えた基材を、前記第1スキン層を賦形する第1型と、前記第1型と対となり、前記第2スキン層を賦形する第2型とを備える型の間で両面から真空引きすることにより前記樹脂発泡層を拡厚する多層発泡基材の製造方法であって、
前記第2型には、前記多層発泡基材に、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、
前記曲面部形成部位には、前記多層発泡基材に、真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられていることを特徴とする多層発泡基材の製造方法。 - 前記吸収部形成部位が波打ち形状である請求項4に記載の多層発泡基材の製造方法。
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