JP2012023943A - 回転機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノルム設定部31では、要求トルクTrと電気角速度ωとに基づき基本ノルムVn1を設定する。補正量算出部32では、d軸電流のフィードバック操作量として補正量ΔVnを算出する。補正部33では、基本ノルムVn1を補正量ΔVnによって補正することでノルムVnを算出する。位相設定部34では、q軸電流のフィードバック操作量として位相δを設定する。操作信号生成部35では、ノルムVnと位相δとに基づきインバータの操作信号を生成する。
【選択図】 図2
Description
以下、本発明にかかる回転機の制御装置を車載主機としての回転機の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
「電流フィードバック制御部20の処理」
モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwは、2相変換部40において、回転2相座標系の実電流であるd軸上の実電流idとq軸上の実電流iqとに変換される。詳しくは、2相変換部40の出力のq軸成分は、ローパスフィルタ22にて高周波成分がカットされ、また、2相変換部40の出力するd軸成分は、ローパスフィルタ23にて高周波成分がカットされる。一方、指令電流設定部21は、要求トルクTrに基づき、回転2相座標系の電流の指令値であるd軸上の指令電流idrおよびq軸上の指令電流iqrを設定する。ここでは、最小の電流で最大のトルクとなる最小電流最大トルク制御を実現可能なように指令電流idr,iqrが設定されている。フィードバック制御部24は、d軸上の実電流idを指令電流idrにフィードバック制御するための操作量としてのd軸上の指令電圧vdrを算出する。一方、フィードバック制御部25は、q軸上の実電流iqを指令電流iqrにフィードバック制御するための操作量としてのq軸上の指令電圧vqrを算出する。詳しくは、フィードバック制御部24,25では、比例要素の出力と積分要素の出力とを加算することで上記算出を行う。
「過変調制御部30の処理」
ノルム設定部31では、要求トルクTrおよび電気角速度ωとインバータIVの出力電圧ベクトルの基本ノルムVn1との関係を記憶したマップを用い、要求トルクTrおよび電気角速度ωを入力として基本ノルムVn1を設定する。ここで、ベクトルのノルムは、ベクトルの各成分の2乗の和の平方根によって定義される。なお、ここでの基本ノルムVn1は、指令電流idr,iqrと同一の要求事項を満たすように設計されている。すなわち、最小電流最大トルク制御を実現可能なように設計されている。
「電流フィードバック制御部20による制御と過変調制御部30による制御との切り替え」
図3に、本実施形態にかかる上記切替処理の手順を示す。この処理は、制御装置14によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
「過変調制御部30のノルム補正」
先の図2に示したように、本実施形態では、d軸電流のフィードバック制御によってノルムVn1を補正する。これは、基本ノルムVn1が最小電流最大トルク制御を実現する上で適切な値からずれる場合に、これを補償するためのものである。すなわち、ノルムが最小電流最大トルク制御を実現するうえで適切な値よりも大きく設定される場合、図4(a)に示すように、実際の電流ベクトルIが最小電流最大トルク制御を実現する上で適切な電流(図中、2点鎖線にて示す指令電流ベクトルの終点の軌跡)とはならない。ここで、図の波線は、インバータIVの出力電圧ベクトルノルムによって実現可能な電流ベクトルIのノルムである。図4(a)に示す現象は、位相設定部34によってq軸電流のフィードバック制御がなされることでq軸電流が指令電流iqrとなったとしても、与えられたノルムでこれを満たすd軸電流が指令電流idrから離間するものである。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
Vq=R・iqr+ωLd・idr+ωφ …(c2)
ここで、抵抗R,d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqおよび電機子鎖交磁束定数φを用いた。なお、基本ノルムVn1は、上記の式(c1)、(c2)から算出される電圧ベクトル(Vd,Vq)のノルムである。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
そこで本実施形態では、図7に示すように、トルクフィードバック制御を行なう機能を搭載する。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<第6の実施形態>
以下、第6の実施形態について、先の第5の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<第7の実施形態>
以下、第7の実施形態について、先の第5の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<第8の実施形態>
以下、第8の実施形態について、先の第5の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<第9の実施形態>
以下、第9の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「補正手段について」
補正手段を構成するフィードバック制御器としては、比例積分制御器に限らず、例えば比例積分微分制御器や積分制御器等であってもよい。
「位相設定手段について」
位相設定手段としては、トルクフィードバック制御とq軸電流フィードバック制御とのいずれか一方の操作量として位相を設定するものに限らず、これら双方の操作量として位相を設定するものであってもよい。
「切替手段について」
切替手段による切り替え処理のための入力パラメータとしては、指令電流idr,iqrの振幅に限らない。例えば実電流id,iqの振幅であってもよい。また、指令電流idr,iqrが、最小電流最大トルク制御にように振幅に応じて位相を変えるものであるなら、指令電流や実電流の位相を用いてもよい。さらに、要求トルクTrや実際のトルク(推定トルクTe)等であってもよい。なお、これらいずれか1つを用いるものに限らず、これらのうちのいくつかを用いてもよい。
「ゲイン変更手段について」
ゲイン変更のためのパラメータとしての電流の振幅Iaとしては、指令電流idr,iqrの振幅に限らず、実電流id,iqの振幅であってもよい。また、ゲイン変更のためのパラメータとしては、指令電流idr,iqrの絶対値や実電流id,iqの絶対値であってもよい。また、トルクと電流とが正の相関を有することに鑑み、要求トルクTrや実際のトルク(推定トルクTe)を用いてもよい。
「基本ノルム設定手段について」
基本ノルム設定手段としては、要求トルクと回転速度とによって基本ノルムVn1を一義的に定めるものに限らない。例えば、要求トルクと回転速度と温度とによって基本ノルムVn1を一義的に定めるものであってもよい。これにより、モータジェネレータ10の特性を定める各パラメータ(q軸インダクタンスLq,d軸インダクタンスLd,抵抗R,電機子鎖交磁束定数φ)が温度に応じて変動する場合であっても、都度のパラメータにとって適切なノルムを設定することができる。
「電流FB制御と過変調制御との実施領域について」
例えば電流FB制御において2相変調処理を行わない場合等には、変調率が「1」よりも大きい場合に過変調制御を行なうようにしてもよい。なお、電流FB制御から過変調制御への切替条件と過変調制御から電流FB制御への切替条件とを相違させることでヒステリシスを設けてもよい。
「指令電流idr,iqrの設定について」
指令電流idr,iqrとしては、最小電流最大トルク制御を実現可能なように設定されるものに限らない。例えば最大効率制御を実現可能なように設定されるもの等であってもよい。ただし、この場合、基本ノルムVn1についても最大効率制御を実現可能なように設定されることが望ましい。
(そのほか)
・上記第5の実施形態では、変調率の利用領域の上限を矩形波制御時の変調率としたが、これに限らない。ただし、変調率の利用領域を矩形波制御時のものよりも小さくする場合には、補正量算出部32の積分制御器の増加処理を禁止する変調率についても利用領域の上限値とすべく変更することが望ましい。
Claims (14)
- 回転機の端子に直流電源の正極および負極のそれぞれを電気的に接続するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御する回転機の制御装置において、
前記回転機を流れるq軸電流およびd軸電流のいずれか一方と前記回転機のトルクとの少なくとも一方をフィードバック制御するための操作量として前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの位相を設定する位相設定手段と、
前記回転機のトルクに関するパラメータおよび前記回転機の回転速度を入力として前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの基本ノルムを設定する基本ノルム設定手段と、
前記q軸電流およびd軸電流のいずれか他方をフィードバック制御するための操作量として前記基本ノルムの補正量を算出し、該補正量によって前記基本ノルムを補正する補正手段と、
前記位相設定手段および前記補正手段の出力に基づき、前記電力変換回路を操作する操作手段とを備えることを特徴とする回転機の制御装置。 - 前記回転機のトルクに関するパラメータが前記回転機に対する要求トルクであることを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
- 前記基本ノルム設定手段は、前記要求トルクに基づき前記回転機を流れる電流を算出する手段と、該電流を入力として、前記回転機を流れる電流と前記回転機の端子電圧との関係を定めるモデル式を用いて前記基本ノルムを算出する手段とを備えることを特徴とする請求項2記載の回転機の制御装置。
- 前記基本ノルム設定手段は、前記要求トルクおよび前記回転速度と前記基本ノルムとの関係が定められたマップを備えることを特徴とする請求項2記載の回転機の制御装置。
- 前記回転機は、突極機であり、
前記位相設定手段は、前記電力変換回路の出力電圧の変調率が矩形波制御における値未満の領域においては、前記回転機を流れるq軸電流のフィードバック操作量を前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの位相とするものであって且つ、前記変調率が前記矩形波制御における値となる領域においては、前記回転機のトルクのフィードバック操作量を前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの位相とするものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。 - 前記回転機は、非突極機であり、
前記位相設定手段は、前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの位相を、前記回転機を流れるq軸電流のフィードバック操作量とするものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。 - 前記位相設定手段は、前記回転機のトルクをフィードバック制御するための操作量として前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの位相を設定するものであり、
前記補正手段は、前記d軸電流をフィードバック制御するための操作量として前記基本ノルムの補正量を算出し、該補正量によって前記基本ノルムを補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。 - 前記補正手段は、d軸の実際の電流と指令値との差を入力とする積分制御器を備え、該積分制御器の出力に基づき前記補正量を算出することを特徴とする請求項7記載の回転機の制御装置。
- 前記補正手段の入力となるd軸の実際の電流は、該電流の検出値から高次高調波を除去するフィルタ処理が施されたものであることを特徴とする請求項8記載の回転機の制御装置。
- 前記補正手段の入力となるd軸の実際の電流は、該電流の検出値についての前記回転機の電気角の1周期の整数倍の期間にわたる平均値であることを特徴とする請求項8記載の回転機の制御装置。
- 前記補正手段は、前記d軸電流をフィードバック制御すべく前記基本ノルムを補正する第1補正手段に加えて、前記回転機を流れる電流の位相をフィードバック制御すべく前記基本ノルムを補正する手段、前記回転機を流れる電流の振幅をフィードバック制御すべく前記基本ノルムを補正する手段、およびq軸電流をフィードバック制御すべく前記基本ノルムを補正する手段のいずれかからなる第2補正手段を備え、
前記回転機を流れる電流の振幅が小さい場合に前記第1補正手段による制御を採用し、前記振幅が大きい場合に前記第2補正手段による制御を採用する切替手段をさらに備えることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。 - 前記切替手段は、前記回転機を流れる実際の電流の振幅値、前記回転機を流れる実際の電流の位相、前記回転機を流れる電流の指令値の振幅値、前記回転機を流れる電流の指令値の位相、前記回転機の実際のトルク、および前記回転機に対する要求トルクの少なくとも1つを入力として前記第1補正手段による制御および前記第2補正手段による制御を切り替えることを特徴とする請求項11記載の回転機の制御装置。
- 前記補正手段のフィードバックゲインを、前記回転機の電気角速度、前記回転機のトルク、および前記回転機を流れる電流の少なくとも1つが大きくなるほど大きくするゲイン変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
- 前記操作手段は、前記電力変換回路の出力電圧の変調率が規定値以上となることで、前記位相設定手段および前記補正手段の出力に基づき前記電力変換回路を操作することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
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