JP5585397B2 - 回転機の制御装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明にかかる回転機の制御装置を車載主機としての回転機の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
「電流フィードバック制御部20の処理」
モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwは、2相変換部40において、回転2相座標系の実電流であるd軸上の実電流idとq軸上の実電流iqとに変換される。詳しくは、2相変換部40の出力のq軸成分は、ローパスフィルタ22にて高周波成分がカットされ、また、2相変換部40の出力するd軸成分は、ローパスフィルタ23にて高周波成分がカットされる。一方、指令電流設定部21は、要求トルクTrに基づき、回転2相座標系の電流の指令値であるd軸上の指令電流idrおよびq軸上の指令電流iqrを設定する。ここでは、最小の電流で最大のトルクとなる最小電流最大トルク制御を実現可能なように指令電流idr,iqrが設定されている。
「過変調制御部30の処理」
トルク推定部31では、モータジェネレータ10を流れるq軸電流およびd軸電流(ローパスフィルタ22,23の出力)に基づき、推定トルクTeを算出する。そして、位相設定部32では、推定トルクTeを要求トルクTrにフィードバック制御するための操作量として位相δを算出する。この位相δは、推定トルクTeと要求トルクTrとの差を入力とする比例制御器と積分制御器との各出力の和として算出されるものである。
「電流フィードバック制御部20による制御と過変調制御部30による制御との切り替え」
図3に、本実施形態にかかる上記切替処理の手順を示す。この処理は、制御装置14によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
「過変調制御部30のノルム補正」
先の図2に示したように、本実施形態では、モータジェネレータ10を流れる電流の位相のフィードバック制御によってノルムVn1を補正する。これは、基本ノルムVn1が最小電流最大トルク制御を実現する上で適切な値からずれる場合に、これを補償するためのものである。すなわち、ノルムが最小電流最大トルク制御を実現するうえで適切な値よりも大きく設定される場合、図4(a)に示すように、実際の電流ベクトルIが最小電流最大トルク制御を実現する上で適切な電流(図中、2点鎖線にて示す指令電流ベクトルの終点の軌跡)とはならない。ここで、図の波線は、インバータIVの出力電圧ベクトルノルムによって実現可能な電流ベクトルIのノルムである。図4(a)に示す現象は、位相設定部32によってトルクフィードバック制御がなされることで推定トルクTeが要求トルクTrとなったとしても、与えられたノルムでこれを満たす電流の位相が指令電流idr,iqrの位相から離間するものである。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
補正手段としては、d軸電流をフィードバック制御するための操作量、q軸電流をフィードバック制御するための操作量、電流の振幅をフィードバック制御するための操作量、および電流の位相をフィードバック制御するための操作量のいずれかを補正量とするものに限らない。例えばこれら4つの操作量のうちの2つ以上の和を補正量とするものであってもよい。
初期化手段としては、積分制御器を初期化するものに限らない。例えば補正手段が2重積分制御器を備える場合にはこれをも初期化するというように、過去の履歴に伴って出力が定まる制御器を初期化することが望ましい。
位相設定手段としては、トルクフィードバック制御の操作量として位相を設定するものに限らず、q軸電流フィードバック制御の操作量として位相を設定するものであってもよい。また、トルクフィードバック制御とq軸電流フィードバック制御とのいずれか一方の操作量として位相を設定するものに限らず、これら双方の操作量として位相を設定するものであってもよい。
基本ノルム設定手段としては、要求トルクと回転速度と基本ノルムVn1との関係を定めたマップを備えるものに限らず、要求トルクに応じた指令電流idr,iqrと回転速度とからモデル式にて基本ノルムVn1を算出するものであってもよい。
例えば電流FB制御において2相変調処理を行わない場合等には、変調率が「1」よりも大きい場合に過変調制御を行なうようにしてもよい。なお、電流FB制御から過変調制御への切替条件と過変調制御から電流FB制御への切替条件とを相違させることでヒステリシスを設けてもよい。
「指令電流idr,iqrの設定について」
指令電流idr,iqrとしては、最小電流最大トルク制御を実現可能なように設定されるものに限らない。例えば最大効率制御を実現可能なように設定されるもの等であってもよい。ただし、この場合、基本ノルムVn1についても最大効率制御を実現可能なように設定されることが望ましい。
・同期機としては、IPMSMに限らず、例えば表面磁石同期機(SPMSM)や、巻線界磁式同期機等であってもよい。
Claims (8)
- 回転機の端子に直流電源の正極および負極のそれぞれを電気的に接続するスイッチング素子を備える電力変換回路を操作することで前記回転機の制御量を制御する回転機の制御装置において、
前記回転機を流れるq軸電流およびd軸電流のいずれか一方と前記回転機のトルクとの少なくとも一方をフィードバック制御するための操作量として前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの位相を設定する位相設定手段と、
前記回転機のトルクに関するパラメータおよび前記回転機の回転速度を入力として前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの基本ノルムを設定する基本ノルム設定手段と、
前記位相設定手段とは別のパラメータを制御量とするフィードバック制御手段であって且つ前記回転機を流れる電流をフィードバック制御するための操作量として前記基本ノルムの補正量を算出し、該補正量によって前記基本ノルムを補正する補正手段と、
前記位相設定手段および前記補正手段の出力に基づき、前記電力変換回路を操作する操作手段と、
前記回転機を流れる前記q軸電流及び前記d軸電流を成分とする電流ベクトルのノルムとして定義される振幅が小さい場合に前記補正手段による補正量をゼロとする初期化手段とを備えることを特徴とする回転機の制御装置。 - 前記補正手段は、積分制御器を備えて構成され、
前記初期化手段は、前記積分制御器の出力をゼロとするものであることを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。 - 前記補正手段は、前記回転機を流れる電流の位相をフィードバック制御することを特徴とする請求項1または2記載の回転機の制御装置。
- 前記補正手段は、前記回転機を流れる電流の振幅をフィードバック制御することを特徴とする請求項1または2記載の回転機の制御装置。
- 前記補正手段は、前記回転機を流れるq軸電流をフィードバック制御することを特徴とする請求項1または2記載の回転機の制御装置。
- 前記補正手段は、前記回転機を流れるd軸電流をフィードバック制御することを特徴とする請求項1または2記載の回転機の制御装置。
- 前記初期化手段は、前記回転機を流れる実際の電流、前記回転機を流れる電流の指令値、前記回転機の実際のトルク、および前記回転機に対する要求トルクの少なくとも1つを入力として前記補正量をゼロとする処理を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
- 前記位相設定手段は、前記回転機のトルクをフィードバック制御するものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
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