JP4710963B2 - 回転機の制御装置及び制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換回路を操作することで回転機のトルクを制御する回転機の制御装置及び制御システムに関する。
この種の制御装置としては、3相電動機の各相に流れる電流を指令値にフィードバック制御すべく、各相に印加すべき電圧の指令値(指令電圧)を算出し、算出される指令電圧とキャリアとの大小に基づきインバータのスイッチング素子を操作するPWM制御を行うものも実用化されている。これにより、3相電動機の各相に印加される電圧を指令電圧とすることができ、ひいては各相に流れる電流を所望に制御することができる。
ただし、3相電動機の高回転速度領域においては、指令電圧が上昇し、その振幅がインバータの入力電圧の「1/2」以上となることで、インバータの実際の出力電圧を指令電圧とすることができなくなる。ここで、3相電動機の高回転速度領域においては、インバータのスイッチング素子のオン・オフ周期と3相電動機の電気角の回転周期とを略一致させるいわゆる矩形波制御を行うことも実用化されている。ただし、矩形波制御の電圧利用率は、上記PWM制御における指令電圧の振幅がインバータの入力電圧の「1/2」の値となる時点での電圧利用率と比較して不連続的に大きいものとなっている。
そこで従来、例えば下記特許文献1に見られるように、3相電動機の指令電圧の振幅がインバータの入力電圧の「1/2」以上となる場合、電流フィードバック制御のためのdq軸上での指令電圧に基づき算出される位相と、ROMに格納されたパルスパターンとに基づき、インバータを操作することも提案されている。換言すれば、指令電圧のベクトルノルムが所定以上となる場合に、ROMに格納されたパルスパターンによりインバータを操作する。これにより、電圧利用率を、矩形波制御の電圧利用率へと上昇させていくことができる。
特開平9−47100号公報
ところで、上記ROMに格納されたパルスパターンを設計するに際して用いた電動機のモデルと、実際の電動機のモデルとの間には個体差や経年変化等に起因するずれが生じ得る。このため、例えば、最大トルク制御を行うように上記パルスパターンを設計したとしても、電動機のトルクを制御するに際して実際には最大トルク制御がなされないおそれがある。したがって、上記パルスパターンによる制御とPWM制御とがともに最大トルク制御を行う場合であっても、上記パルスパターンによるインバータの出力電圧と、PWM制御によるインバータの出力電圧との間にはずれが生じ得る。このため、上記パルスパターンによる制御とPWM制御との間の切替に伴ってインバータの出力変動が生じるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、回転機のトルクを制御すべく電力変換回路の出力電圧の位相を操作する場合であれ、その制御性を高く維持することのできる回転機の制御装置及び制御システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、回転機のトルクを制御すべく電力変換回路の出力電圧の位相を操作する電圧位相操作手段を備える回転機の制御装置において、前記電圧位相操作手段は、前記回転機の実際のトルクを目標値にフィードバック制御するための操作量として前記出力電圧の位相を操作する位相操作手段、前記目標値と前記回転機の回転速度とを入力として、前記回転機を流れる電流を前記目標値とするための指令電流に開ループ制御すべく前記電力変換回路の出力電圧のベクトルノルムを設定する開ループ制御手段、前記回転機を流れる電流を前記指令電流にフィードバック制御するための操作量としての前記ベクトルノルムの補正量によって前記開ループ制御手段により設定される前記ベクトルノルムを補正する補正手段、及び該補正手段によって補正されたベクトルノルムとなるように前記電力変換回路を操作するノルム操作手段を備えることを特徴とする。
開ループ制御手段によって設定されるパラメータに基づき電力変換回路の出力電圧を操作する場合、回転機を実際に流れる電流が指令電流からずれるおそれがある。この点、上記発明では、補正手段を備えることで、上記ずれが生じた場合にこれをフィードバック補正することができる。このため、開ループ制御手段の設計に際して本来意図した制御を実現することができる。
なお、ベクトルのノルムとは、ベクトルの各成分の2乗の和の平方根、すなわち長さのことである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記補正手段は、前記回転機のトルクが正の場合、前記回転機を流れる電流の位相が前記回転機に対する指令電流の位相よりも大きいときに前記ベクトルノルム大きくなるように補正し、前記回転機を流れる電流の位相が前記回転機に対する指令電流の位相よりも小さいときに前記ベクトルノルム小さくなるように補正することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記補正手段は、前記回転機のトルクが負の場合、前記回転機を流れる電流の位相が前記回転機に対する指令電流の位相よりも小さいときに前記ベクトルノルム大きくなるように補正し、前記回転機を流れる電流の位相が前記回転機に対する指令電流の位相よりも大きいときに前記ベクトルノルム小さくなるように補正することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記補正手段は、前記開ループ制御手段によって設定されるベクトルノルムを補正するための補正量算出手段として、前記回転機を流れる電流の位相と前記回転機に対する指令電流の位相との差を入力とする積分要素を備えることを特徴とする。
開ループ制御手段の設計に際して想定した回転機の特性と、実際の回転機の特性とにずれが生じる場合、開ループ制御手段の設定するパラメータによるトルク制御によって、定常的な誤差が生じることとなる。一方、積分要素は、定常的な誤差を学習するうえで優れたものである。上記発明では、この点に鑑み積分要素を用いることで、補正量を好適に算出することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記補正手段は、前記開ループ制御手段によって設定されるベクトルノルムを補正するための補正量算出手段を備え、該補正量算出手段は、前記電圧位相操作手段による前記回転機のトルクの制御が定常状態にあることを条件に前記補正量を算出することを特徴とする。
開ループ制御手段の設計に際して想定した回転機の特性と、実際の回転機の特性とにずれが生じる場合、開ループ制御手段の設定するパラメータによるトルク制御によって、定常的な誤差が生じることとなる。ただし、制御の過渡時においては、上記ずれに起因した誤差以外に制御の応答遅れ等に起因する誤差も生じるため、これら制御誤差から上記ずれに起因する部分を抽出することは困難となる。この点、上記発明では、制御が定常状態にあることを条件に補正量を算出することで、上記ずれに起因した補正量を高精度に算出することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記補正手段は、前記開ループ制御手段によって設定されるベクトルノルムを補正するための補正量算出手段と、算出された補正量を記憶する記憶手段とを備え、該記憶手段に記憶された補正量に基づき前記補正を行うことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記補正手段は、前記開ループ制御手段によって設定されるベクトルノルムを補正するための補正量算出手段と、算出された補正量を記憶する記憶手段とを備え、該記憶手段に記憶された補正量に基づき前記補正を行うことを特徴とする。
上記発明では、記憶手段を備えることで、開ループ制御手段による制御の開始直後からこれを補正することができる。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記記憶手段は、前記補正量算出手段によって算出された補正量を、前記回転機の運転状態を示すパラメータによって分割された領域毎に記憶するものであり、前記補正手段は、前記回転機の運転状態を示すパラメータを入力とし、該入力されたパラメータに該当する領域に記憶された補正量に基づき前記補正を行うことを特徴とする。
開ループ制御手段の設計に際して想定した回転機の特性と、実際の回転機の特性とにずれが生じる場合、開ループ制御手段の設定するパラメータによるトルク制御によって、定常的な誤差が生じることとなる。ただし、この誤差は、回転機の運転状態に応じて変化しえる。このため、回転機の運転状態が変化すると、補正量として適切な値も変化しえる。上記発明では、この点に鑑み記憶手段を備えることで、一旦ある運転状態において算出された補正量を、次回同一の運転状態となる際に生かすことができ、ひいては補正量として適切な値を迅速に取得することができる。
請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載の発明において、前記記憶手段は、前記電圧位相操作手段による前記回転機のトルクの制御が定常状態にあることを条件に前記補正量を記憶することを特徴とする。
開ループ制御手段の設計に際して想定した回転機の特性と、実際の回転機の特性とにずれが生じる場合、開ループ制御手段の設定するパラメータによるトルク制御によって、定常的な誤差が生じることとなる。ただし、制御の過渡時においては、上記ずれに起因した誤差以外に制御の応答遅れ等に起因する誤差も生じるため、これら制御誤差から上記ずれに起因する部分を抽出することは困難となる。このため、制御の過渡時において補正量が算出される場合、この補正量は上記ずれに起因する誤差を補償する量を高精度に表現したものとならないおそれがある。この点、上記発明では、制御が定常状態にあることを条件に補正量を記憶することで、上記ずれに起因した補正量として精度の高い値を記憶することができる。
請求項10記載の発明は、請求項7〜9のいずれか1項に記載の発明において、前記記憶手段は、前記回転機の実際のトルクと目標値との差が所定以下であるとの条件、前記回転機の回転変動が所定以下であるとの条件、及び前記トルクの目標値の変動量が所定以下であるとの条件の少なくとも1つが成立することを条件に前記補正量を記憶することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の発明において、前記回転機を流れる電流を前記指令電流にフィードバック制御する電流フィードバック制御手段と、前記電流フィードバック制御手段による前記電力変換回路の操作と前記電圧位相操作手段による前記電力変換回路の操作との切り替えを行う切替手段とを更に備えることを特徴とする。
上記発明は、開ループ制御手段がトルクを目標値に制御するうえで設定する指令電流と同一の指令電流に、回転機を実際に流れる電流が電流フィードバック制御手段によりフィードバック制御される。一方、回転機の電流の振幅と位相とから回転機に印加される電圧の振幅と位相とが定まる。したがって、上記発明では、電流フィードバック制御手段と電圧位相操作手段とは、回転機のトルクを目標値に制御するに際し、電力変換回路の出力電圧を同一とすることができる。このため、これらの間での制御の切替に際して電力変換回路の出力変動を好適に抑制することができる。
請求項1記載の発明は、請求項1〜1のいずれか1項に記載の回転機の制御装置と、前記電力変換回路とを備える回転機の制御システムである。
上記発明では、請求項1〜1のいずれか1項に記載の回転機の制御装置を備えることで、制御性を高く維持することのできるシステムを実現している。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる回転機の制御装置をハイブリッド車の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるモータジェネレータの制御システムの全体構成を示す。モータジェネレータ10は、3相の永久磁石同期モータである。また、モータジェネレータ10は、突極性を有する回転機(突極機)である。詳しくは、モータジェネレータ10は、埋め込み磁石同期モータ(IPMSM)である。
モータジェネレータ10は、インバータIV及び昇圧コンバータCVを介して高圧バッテリ12に接続されている。ここで、昇圧コンバータCVは、高圧バッテリ12の電圧(例えば「288V」)を所定の電圧(例えば「666V」)を上限として昇圧するものである。一方、インバータIVは、スイッチング素子Sup,Sunの直列接続体と、スイッチング素子Svp,Svnの直列接続体と、スイッチング素子Swp,Swnの直列接続体とを備えており、これら各直列接続体の接続点がモータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。これらスイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnとして、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、ダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnが逆並列に接続されている。
本実施形態では、モータジェネレータ10やインバータIVの状態を検出する検出手段として、以下のものを備えている。まずモータジェネレータ10の回転角度θ(電気角)を検出する回転角度センサ15を備えている。また、モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwを検出する電流センサ16,17,18を備えている。更に、インバータIVの入力電圧(電源電圧VDC)を検出する電圧センサ19を備えている。
上記各種センサの検出値は、インターフェース13を介して低圧システムを構成する制御装置14に取り込まれる。制御装置14では、これら各種センサの検出値に基づき、インバータIVやコンバータCVを操作する操作信号を生成して出力する。ここで、インバータIVのスイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnを操作する信号が、操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwnである。また、昇圧コンバータCVの2つのスイッチング素子を操作する信号が、操作信号gup,gcnである。
図2に、上記インバータIVの操作信号の生成に関する処理のブロック図を示す。
図示されるように、本実施形態では、電流フィードバック制御部20及びトルクフィードバック制御部30を備えている。以下では、「電流フィードバック制御部20の処理」、「トルクフィードバック制御部30の処理」、「電流フィードバック制御部20の設計」、「トルクフィードバック制御部30の設計」について順に説明した後、本実施形態の要部となる「トルクフィードバック制御部30による電流位相フィードバック制御」について説明し、最後に「電流フィードバック制御部20の処理とトルクフィードバック制御部30の処理との切り替え処理」について説明する。
<電流フィードバック制御部20の処理>
モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwは、2相変換部40において、回転2相座標系の実電流であるd軸上の実電流idとq軸上の実電流iqとに変換される。詳しくは、2相変換部40の出力のq軸成分は、ローパスフィルタ23にて高周波成分がカットされ、また、2相変換部40の出力するd軸成分は、ローパスフィルタ24にて高周波成分がカットされる。一方、指令電流設定部22は、要求トルクTdに基づき、回転2相座標系の電流の指令値であるd軸上の指令電流idc及びq軸上の指令電流iqcを設定する。フィードバック制御部25は、d軸上の実電流idを指令電流idcにフィードバック制御するための操作量としてのd軸上の指令電圧vdcを算出する。一方、フィードバック制御部26は、q軸上の実電流iqを指令電流iqcにフィードバック制御するための操作量としてのq軸上の指令電圧vqcを算出する。詳しくは、フィードバック制御部25,26では、比例積分制御を用いて上記算出を行う。
3相変換部28では、回転2相座標系の指令電圧vdc、vqcを、3相の指令電圧vuc,vvc,vwcに変換する。PWM信号生成部29では、3相の指令電圧vuc,vvc,vwcと、電源電圧VDCとに基づき、PWM処理によって、操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwnを生成する。本実施形態では、特に、3相の指令電圧vuc,vvc,vwcを2相変調して且つ電源電圧VDCにて規格化した信号と三角波形状のキャリアとの大小比較に基づき操作信号を生成する。
<トルクフィードバック制御部30の処理>
トルク推定器42では、回転2相座標系の実電流id,iqに基づき、モータジェネレータ10のトルクの推定値である推定トルクTeを算出する。一方、偏差算出部32では、推定トルクTeに対する要求トルクTdの差を算出する。位相設定部34は、偏差算出部32の出力の比例積分演算に基づき、インバータIVの出力電圧の回転2相座標系での位相δを設定する。ここでは、要求トルクTdに対して推定トルクTeが不足する場合に位相δを進角させて且つ、要求トルクTdに対して推定トルクTeが過剰となる場合に、位相δを遅角させるようにする。
ノルム設定部36では、モータジェネレータ10の電気角速度ωと、要求トルクTdとに基づき、回転2相座標系におけるインバータIVの出力電圧ベクトルのノルムVnを設定する。ここで、ベクトルのノルムは、ベクトルの各成分の2乗の和の平方根によって定義される。詳しくは、ノルム設定部36は、要求トルクTd及び電気角速度ωに基づき、ノルムVn1を算出するノルム算出部36aを備えている。また、ノルム設定部36は、実電流id,iqの位相を、上記指令電流設定部22の出力する指令電流idc,iqcの位相にフィードバック制御するための操作量として、ノルム算出部36aの算出するノルムVn1を補正する補正量Vncorを出力するノルム補正部36bを備えている。そして、加算器36cでは、ノルム算出部36aにて算出されたノルムVn1にノルム補正部36bにて算出された補正量Vncorを加算することで、最終的なノルムVnを算出し、出力する。
一方、操作信号生成部38では、上記位相設定部34の設定する位相δと、ノルム設定部36の設定するノルムVnと、電源電圧VDCと、回転角度θとに基づき、操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwnを生成する。詳しくは、操作信号生成部38は、電圧利用率毎に、電気角の1回転周期分の操作信号波形をマップデータとして記憶している。ここで、記憶されている操作信号波形はいずれも、図2に例示されるように、高電位側のスイッチング素子Sup,Svp,Swpがオン状態とされる期間と低電位側のスイッチング素子Sun,Svn,Swnがオン状態とされる期間とが半々となる波形となっている。これは、インバータIVの出力電圧を電気角の1回転周期で均衡の取れたものとするための設定である。更に、操作信号波形はいずれも、図2中にそのうちの1つの波形を例示するように、電気角の1回転周期の中央(180°)に対して対称性を有するものとなっている。詳しくは、中央に対して等距離にある一対のタイミングの論理値が逆となるものとなっている。ここで、論理「H」が、高電位側のスイッチング素子Sup,Svp,Swpのオン状態に対応し、論理「L」が低電位側のスイッチング素子Sun,Svn,Swnのオン状態に対応する。これは、インバータIVの出力電圧を正弦波形状の電圧に極力近似させるための設定である。
操作信号生成部38では、電源電圧VDCとノルムVnとに基づき、電圧利用率を算出し、これに応じて、該当する操作信号波形を選択する。ここで、上記電圧利用率の上限は、矩形波制御時の電圧利用率である「0.78」とされている。このため、電圧利用率が最大値「0.78」となる場合には、操作信号波形として、矩形波制御時の波形である電気角の1回転周期に高電位側のスイッチング素子Sup,Svp,Swpがオン状態とされる期間と低電位側のスイッチング素子Sun,Svn,Swnがオン状態とされる期間とが1回ずつ生じる波形(1パルス波形)が選択される。一方、電圧利用率の下限は、電流フィードバック制御部20によって設定される指令電圧vuc,vvc,vwcに応じた3つの線間電圧をインバータIVの入力電圧によって実現することのできる上限値である「0.71」に設定されている。すなわち、2相変調された信号をインバータIVの入力電圧によって実現することのできる上限値に設定されている。
こうして操作信号波形が選択されると、操作信号生成部38では、この波形の出力タイミングを上記位相設定部34の設定する位相δに基づき設定することで、操作信号を生成する。
<電流フィードバック制御部20の設計>
図3に、指令電流設定部22の詳細を示す。本実施形態では、最大トルク制御を実現するように指令電流idc,iqcを設定する。ここで、最大トルク制御とは、最小の電流で最大のトルクを実現する制御であり、ここでいう最大トルクとは、力行制御時には正の最大トルク、回生制御時には、負であって絶対値が最大のトルクを意味する。以下、これについて詳述する。
モータジェネレータ10のトルクTは、電機子巻線鎖交磁束数Φ、q軸インダクタンスLq,d軸インダクタンスLd、抵抗R、及び極対数Pを用いて、下記の式(c1)にて表現される。
Figure 0004710963
ここで、図示されるように、指令電流idc,iqcを、その振幅I及び位相βを用いて(−Isinβ、Icosβ)と表現すると、以下の式(c2)を得る。なお、ここで位相βは、q軸正方向を基準とし、反時計回りに正方向を定義したものである。
Figure 0004710963
上記の式(c2)において、最大トルク制御の条件、すなわちトルクTの位相βによる偏微分がゼロであるとの条件を課すことで、位相βは、以下の式(c3)となる。
Figure 0004710963
上記の式(c3)は、位相βが電流振幅Iの関数であることを意味する。したがって、上記の式(c2)により、トルクTを電流振幅Iのみの関数s(I)にて表現することが可能である。一方、上記の式(c3)は、電流振幅Iが位相βによって表現できることをも意味する。このため、上記の式(c2)により、トルクTを位相βのみの関数u(β)によって表現することができる。そして、これら関数s(I)及び関数u(I)の逆関数の値を算出することで、要求トルクTdを入力として、最大トルク制御を実現するための指令電流idc,iqcを出力させることができる。
<トルクフィードバック制御部30の設計>
先の図2に示したように、トルクフィードバック制御部30では、要求トルクTd及び電気角速度ωに基づき、ノルムVnを設定した。これにより、要求トルクTdが与えられた場合に、比較的自由にノルムVnを設定することができる。このため、例えばノルムVnを極力小さくすることで、電圧利用率を抑制することができる。そしてこの場合には、操作信号生成部38の生成する操作信号波形として、よりパルス数の多い波形を選択することなどができ、ひいてはインバータIVの出力電圧を正弦波形状の電圧により近づけることができる。このため、インバータIVの出力電圧の高調波歪を低減することができ、ひいては高調波電流を抑制することが可能となる。
以下、本実施形態にかかるノルム算出部36aによるノルムVn1の設定について説明する。図4に、本実施形態において、モータジェネレータ10の力行時にノルムVn1に課せられる基本的な制約を示す。図示されるように、本実施形態では、ノルムVn1を、境界線BL1〜BL4によって囲われる領域内とするとの制約が課せられている。ここで、境界線BL4は、電圧利用率が「0.78」であること示すものである。これは、矩形波制御の電圧利用率が実現可能な電圧利用率の最大値であることに対応している。以下では、境界線BL1〜BL3のそれぞれに対応する条件の導出に先立って、モータジェネレータ10のトルクTと電流ベクトル(id,iq)とを、ノルムVn1、位相δ及び電気角速度ωによって表現する式を導出する。
ここで、電圧方程式は、以下の式(c4)となる。
Figure 0004710963
上記の式(c4)から、下記の式(c5)を得る。
Figure 0004710963
上記の式(c5)を上記の式(c1)に代入することで、下記の式(c6)を得る。
Figure 0004710963
ここで、図4に示す境界線BL1に対応する条件である「トルクTの位相δによる偏微分が正となるとの条件」は、上記の式(c6)に基づき、下記の式(c7a)及び(c7b)によって表現される。この条件は、要求トルクTdに対して推定トルクTeが不足する場合に、位相δを進角させることによってその不足を低減させて且つ、要求トルクTdに対して推定トルクTeが過剰である場合に、位相δを遅角させることによってその過剰分を低減させることを可能とするための条件である。
Figure 0004710963
なお、本実施形態では、位相δは、力行時には、「0≦δ<π/2」、回生時には、「π/2<δ≦3π/2」となるように制御設計をするとの前提を設けているため、位相δが「3π/2」以上となる条件を削除した。また、境界線BL2に対応する条件である「d軸電流がゼロ以下であるとの条件」は、下記の式(c8)等よって表現される。
Figure 0004710963
また、境界線BL3に対応する条件である「q軸電流が力行時においてはゼロ以上である旨の条件」は、下記の式(c9)によって表現される。
Figure 0004710963
なお、回生時においては、q軸電流がゼロ以下であるとの条件を課す。
本実施形態では、先の図4に例示するような許容領域内において、ノルムVn1を設定する。このノルムVn1は、位相δと電気角速度ωを設定しても一義的には定まらない。このため、ノルムVn1の設定に際してはある程度の自由度があることとなるため、ノルムVn1を自由に設計することができる。ここで、インバータIVの出力電圧の高調波歪を抑制する観点からは、ノルムVn1を極力低減することが望ましい。ノルムVn1を最小とするためには、トルクTのノルムVn1による偏微分係数がゼロとなるとの条件を課すことが要求される。ただし、この場合、上記モデルを用いる場合には、位相δとノルムVn1との間に1対1の対応関係を持たせることができないことが発明者らによって見出されている。
そこで、本実施形態では、最小の電流で最大のトルクを実現する最大トルク制御を行うことができるようにノルムVn1を設定する。これによっても、要求トルクTdを実現するうえでノルムVn1を極力低減することができる。
図5に、本実施形態にかかるノルム算出部36aの詳細を示す。
図示されるように、本実施形態では、最大トルク制御を実行すべく下記の式(c10)にて表現される条件を課す。
Figure 0004710963
この式は、例えば「埋込磁石同期モータの設計と制御:武田洋次ら オーム社」の23ページに記載されている。上記の式(c10)から、上記の式(c5)によって電流ベクトル(id,iq)を消去することで、ノルムVn1を、電気角速度ωと位相δとの関数とすることができる。特に、トルクフィードバック制御を行う領域は電気角速度ωが大きい領域のため、抵抗Rを無視することで、以下の式(c11)とすることができる。
Figure 0004710963
上記の式(c11)では、ノルムVn1が、位相δ及び電気角速度ωの関数とされている。以下では、これに基づき、ノルムVn1を、要求トルクTdと電気角速度ωとによって表現することを考える。上記の式(c6)において、抵抗Rが小さいとする近似を行うことで、下記の式(c12)を得る。
Figure 0004710963
上記の式(c12)における関数fは、位相δを独立変数として、電気角速度ωによって規格化されたノルムVn1(速度規格化ノルム)を従属変数とするものである。ここで、ノルムVn1が、電気角速度ωに依存しない関数fと電気角速度ωとの積として定義できるのは、上記の式(c11)を根拠としている。すなわち、抵抗Rが無視できるとの近似を前提としている。上記の式(c12)によれば、位相δを独立変数として且つトルクTを従属変数とする関数gを定義することができる。このため、関数gの逆関数を用いることで、上記関数fの独立変数を位相δからトルクTに変換することができる。これにより、トルクTを独立変数として且つ速度規格化ノルム(Vn1/ω)を従属変数とする関数hを定義することができる。
図5に示されるように、ノルム算出部36aは、要求トルクTdを独立変数として且つ速度規格化ノルム(Vn1/ω)を従属変数とするマップ50と、マップ50の出力に電気角速度ωを乗算する乗算器52とを備えている。この乗算器52の出力が、ノルム算出部36aの出力するノルムVn1である。
上記マップ50は、位相δと速度規格化ノルムとの関係を示す関数f、及び位相δと要求トルクTdとの関係を示す関数gを数値計算によって算出することで算出されたものである。これにより、要求トルクTdとノルムVn1との関係を、ノルムVn1が先の図4に示した領域内となるようにして、予めマップ化しておくことが可能となる。そしてこれにより、要求トルクTdと電気角速度ωが与えられた際に、最小の電流にてモータジェネレータ10を駆動することができる。
なお、本明細書において、「マップ」とは、離散的な入力値のそれぞれに対して出力値が1つ定義された写像のことである。
<トルクフィードバック制御部30による電流位相フィードバック制御>
上記ノルム算出部36aによって算出されるノルムVn1によれば、モータジェネレータ10を流れる電流は、最大トルク制御を実現するための電流に開ループ制御される。換言すれば、先の図2に示した指令電流設定部22の設定する指令電流idc,iqcに開ループ制御される。ただし、開ループ制御による指令電流idc,iqcの制御性、すなわち、最大トルク制御への制御性は、ノルム算出部36aの設計において用いたモデルと実際のモータジェネレータとの特性の差等に依存することとなる。ここで、モータジェネレータ10の特性は、個体差を有するものであることに加えて、温度等に依存して変化しえるものであるため、上記開ループ制御によっては最大トルク制御を行う上で制御誤差が生じるおそれがある。
そこで本実施形態では、先の図2に示したノルム補正部36bを備えて、モータジェネレータ10を流れる実電流id,iqの位相βを、指令電流idc,iqcの位相βcにフィードバック制御すべくノルムVn1を補正する。このように、トルクフィードバック制御がなされている状況下、電流の位相をフィードバック制御することで、実電流id,iqを指令電流idc,iqcに制御することができる。これは、上記の式(c1)に電流id,iqを(−Isinβ、Icosβ)を代入した式において、トルクTと位相βとが定まることで、電流振幅Iが一義的に定まることによる。
図6に、ノルム補正部36bに関する処理のブロック図を示す。
指令電流位相算出部B10は、指令電流idc,iqcについてのq軸の正方向を基準とする位相βcを算出する。これは、d軸の指令電流idcに「−1」を乗算した値をq軸の指令電流iqcにて除算したものの逆正接関数によって算出することができる。一方、実電流位相算出部B12は、実電流id,iqについてのq軸の正方向を基準とする位相βを算出する。これは、d軸の実電流idに「−1」を乗算した値をq軸の実電流iqにて除算したものの逆正接関数によって算出することができる。偏差算出部B14は、実電流の位相βに対する指令電流の位相βcの差を算出する。また、操作方向設定部B16は、要求トルクTdを入力とし、偏差算出部B14の出力の符号を維持するか反転させるかする処理を行う。詳しくは、要求トルクTdがゼロ以上である場合には符号を維持し、要求トルクTdが負である場合には符号を反転させる。これは以下の理由による。
上記の式(c4)において、抵抗Rを無視すると、実電流(id,iq)を(−Isinβ、Icosβ)に書き換えたものを、位相βにて微分することで以下の式(c13)を得る。
Figure 0004710963
上記の式(c13)にて表現されるベクトルと電圧ベクトル(−Vsinδ、Vcosδ)との内積をとると下記の式(c14)を得る。
Figure 0004710963
上記の式(c14)は、位相βを変化させた際の電圧ベクトルの変化方向を表現するものである。すなわち、上記の式(c14)が正であるなら、位相βを増加(進角)させることで電圧ベクトルのノルムが増加し、負であるなら、位相βを増加させることで電圧ベクトルのノルムが減少する。
ここで、トルクが正の場合、電圧ベクトルの位相δは、「0≦δ≦π/2」の範囲にある一方、電流ベクトルの位相βは、「0≦β≦π/4」の範囲にある。このため、上記の式(c14)は常時負となる。これに対し、トルクが負の場合、電圧ベクトルの位相δは、「−π/2≦δ<0」の範囲にある一方、電流ベクトルの位相βは、「−π/4≦β<0」の範囲にある。このため、上記の式(c14)は常時正となる。このため、トルクが正の場合には、指令電流の位相βcよりも実電流の位相βが大きい(進んでいる)場合には、電圧ベクトルのノルムを伸張させ、指令電流の位相βcよりも実電流の位相βが小さい(遅れている)場合には、電圧ベクトルのノルムを短縮させることでこれらの差を縮めることができる。また、トルクが負の場合には、指令電流の位相βcよりも実電流の位相βが大きい場合には、電圧ベクトルのノルムを短縮させ、指令電流の位相βcよりも実電流の位相βが小さい場合には、電圧ベクトルのノルムを伸張させることでこれらの差を縮めることができる。
操作方向設定部B16は、上記の点に鑑み、操作方向を設定する。
操作方向設定部B16の出力は、積分器B18に取り込まれる。積分器B18は、正の積分ゲインを有して、入力信号の積分演算を行う。この積分器B18の出力が補正量Vncorである。
<電流フィードバック制御部20の処理とトルクフィードバック制御部30の処理との切り替え処理>
本実施形態では、電圧利用率が小さい領域では電流フィードバック制御を行い、電圧利用率が大きい領域ではトルクフィードバック制御を行う。これは、電圧利用率によって、要求トルクTdに対する実際のトルクの応答性が高い制御器が相違することに鑑みたものである。図7に、トルクフィードバック制御部30による制御と電流フィードバック制御部20による制御との切替処理の手順を示す。この処理は、先の図2に示す切替制御部46によりセレクタ44が操作されることで実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、トルクフィードバック制御モードであるか否かを判断する。そして、ステップS10において肯定判断される場合、ステップS12において、ノルム設定部36の設定するノルムVnが閾値Vthよりも大きいか否かを判断する。この処理は、電流フィードバック制御モードへの切替条件の成立の有無を判断するためのものである。ここで、閾値Vthは、上記指令電圧vuc,vvc,vwcが2相変調された信号をインバータIVによって実現できる上限値に対応する電圧利用率(「0.71」)となるノルムに設定されている。そして、ステップS12において否定判断される場合、ステップS14において、電流フィードバック制御モードに切り替える。
一方、上記ステップS10において否定判断される場合、ステップS16において、電流フィードバック制御部20による指令電圧vdc,vqcのノルムが閾値Vth以下であるか否かを判断する。この処理は、電流フィードバック制御部20による制御の制御性が低下する状況であるか否かを判断するためのものである。そして、ステップS16において否定判断される場合、ステップS18において、トルクフィードバック制御モードに切り替える。
なお、上記ステップS14,S18の処理が完了する場合や、ステップS12、S16において肯定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図8に、上記切り替え直後における初期値の設定処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。この一連の処理では、トルクフィードバック制御部の処理への切り替え時である場合(ステップS20:YES)、ステップS22において、トルクフィードバック制御部30による位相δの初期値を与える。ここで、位相設定部34の設定する位相δの初期値δ0が、切り替え直前(現在)の電流フィードバック制御部20の回転2相座標系の指令電圧vdc、vqcに基づき、「δ0=arctan(−vdc/vqc)」と設定される。なお、この際、積分器B18については、これを初期化する。
一方、電流フィードバック制御部20による制御への切替時である場合(ステップS24:YES)、ステップS26において、指令電圧vdc、vqcの初期値を与える。ここでは、電流フィードバック制御部20の指令電圧vdc、vqcの初期値が、切り替え直前のトルクフィードバック制御部30によるインバータIVの出力電圧ベクトルとなるように設定する。換言すれば、指令電圧vdc、vqcの初期値を、ベクトル(−Vn・sinδ、Vn・cosδ)とする。詳しくは、フィードバック制御部25,26のそれぞれの積分項の初期値を、ベクトル(−Vn・sinδ、Vn・cosδ)とする。
なお、上記ステップS22,S26の処理が完了する場合や、ステップS24において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
こうした処理によれば、トルクフィードバック制御部30による制御から電流フィードバック制御部20による制御への切替時において、インバータIVの出力変動を好適に抑制することができる。すなわち、上述したように、トルクと電流の位相βが定まることで電流の振幅Iが一義的に定まる一方、電流の位相βと振幅Iとが定まることで、上記の式(c4)から電圧の振幅及び位相が定まる。このため、トルクフィードバック制御部30によるトルクのフィードバック制御時において、ノルム補正部36bによって電流の位相がフィードバック制御されることで、モータジェネレータ10を流れる電流を指令電流設定部22によって設定される指令電流idc,iqcに制御することができ、また、インバータIVの出力電圧を、電流フィードバック制御部20による制御のものと同一とすることができる。このため、トルクフィードバック制御部30による制御から電流フィードバック制御部20による制御へと切り替える際、インバータIVの出力電圧の変化を好適に抑制することができる。このため、インバータIVの入力端子間に接続されて切り替えに際し過渡的な電流の変動を吸収するためのコンデンサ(先の図1)の容量を小さくしても、過渡的な電流の影響が生じない。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)モータジェネレータ10の実電流id,iqの位相βを指令電流idc,iqcの位相βcにフィードバック制御するための操作量によってノルム算出部36aの設定するノルムVn1を補正した。これにより、ノルム算出部36aの設計に際して前提としたモータジェネレータ10のモデルと実際とに相違が生じる場合であっても、本来意図した制御を実現することができる。
(2)モータジェネレータ10のトルクが正の場合、実電流の位相βが指令電流の位相βcよりも大きいときにベクトルノルムVnが大きくなるようにノルムVn1を補正し、モータジェネレータ10のトルクが負の場合、実電流の位相βが指令電流の位相βcよりも小さいときにノルムVnが大きくなるようにノルムVn1を補正した。これにより、実電流の位相βを指令電流の位相βcに適切にフィードバック制御することができる。
(3)実電流の位相βと指令電流の位相βcとの差を入力とする積分器B18によって、補正量Vncorを算出した。このように、モデルの定常的な誤差を学習するうえで優れた制御器である積分器B18を用いることで、補正量Vncorを好適に算出することができる。
(4)電流フィードバック制御部B0による制御と、トルクフィードバック制御部30による制御とを切り替えることでこれらの制御を併用した。ここで、トルクフィードバック制御部30にノルム補正部36bを備えることで、トルクフィードバック制御部30による制御から電流フィードバック制御部20による制御への切替に際し、インバータIVの出力変動を好適に抑制することができる。
(5)ノルム設定部36では、要求トルクTdと電気角速度ωとを入力としてノルムVnを設定した。これにより、ベクトルのノルムを、要求トルクと回転速度とに基づき、自由に設計することができる。このため、例えば電流フィードバック制御を行う場合と比較して、操作信号波形の設計の自由度も向上し、ひいては回転機の制御性を高く維持することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記第1の実施形態では、トルクフィードバック制御部B30による制御から電流フィードバック制御部20による制御への切替時におけるインバータIVの出力変動を抑制することができるものの、電流フィードバック制御部20による制御からトルクフィードバック制御部30による制御への切替時には上記出力変動が生じるおそれがある。これは、トルクフィードバック制御部30への切替直後においては、積分器B18が初期化されており、補正量Vncorがゼロとなっていることによる。そこで、本実施形態では、トルクフィードバック制御部30による制御への切替直後においても、適切な補正量VncorにてノルムVn1を補正することができるように、以下の構成とする。
図9に、本実施形態にかかるノルム補正部36bに関する処理のブロック図を示す。なお、図9において、先の図6に示した処理に対応する処理については便宜上同一の符号を付している。
本実施形態では、補正量記憶部B24を備え、上記積分器B18に相当する補正量算出部B18aの出力(学習値VnL)を記憶する。詳しくは、補正量記憶部B24は、モータジェネレータ10の運転状態毎に、上記学習値VnLを各別の領域に記憶する。本実施形態では、運転状態の領域分割を、要求トルクと電気角速度とによって行うことで、学習値VnLを記憶する領域を複数に分割された2次元領域とする。
また、本実施形態では、要求トルクTd及び電気角速度ωを離間化する離散化処理部B20を備える。離散化処理部B20では、要求トルクTdを、単位トルクTunitにて除算した整数部分を離散化トルクTddとして出力するとともに、電気角速度ωを、単位速度ωunitにて除算した整数部分を離散化速度ωdとして出力する。補正量記憶部B24では、学習値VnLを記憶する上記領域を、この離散化処理部B20の出力に対応させて設定している。そして、記憶(学習)が許可される場合、補正量算出部B18aから出力される学習値VnLを、離散化処理部B20から出力される離散化トルクTdd及び離散化速度ωdに対応する領域に書き込む。また、学習の許可、不許可にかかわらず、トルクフィードバック制御部B30による制御時においては、離散化処理部B20から出力される離散化トルクTdd及び離散化速度ωdに対応する領域に記憶された学習値VnLを、補正量Vncorとして出力することで、上記ノルム算出部36aの出力するノルムVn1を補正する。
学習指令部B22は、トルクフィードバック制御モードであるか電流フィードバック制御モードであるかを示すモード信号や、偏差算出部32の出力するトルク誤差Δ、離散化トルクTdd、離散化速度ωdを入力として、学習を行うか否かを指令する。
図10に、学習指令部B22の処理手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、トルクフィードバック制御時において、以下の条件(ア)〜(ウ)の論理積条件が成立するか否かを判断する。
(ア)トルク誤差Δの絶対値が単位トルクTunitよりも小さいとの条件:この条件は、トルクフィードバック制御部30による制御が定常状態となっているか否かを判断するためのものである。推定トルクTeと要求トルクTdとが乖離している場合には、実電流の位相βを指令電流の位相βcに制御したところで、モータジェネレータ10を流れる電流は最大トルク制御を実現するものとはならないと考えられるため、こうした条件を設定する。
(イ)離散化速度ωdについての前回値ωd(n−1)と今回値ωd(n)との差の絶対値がゼロであるとの条件:この条件も、トルクフィードバック制御部30による制御が定常状態となっているか否かを判断するためのものである。回転速度が変化すると、ノルム算出部36aの算出するノルムVn1も変化するため、補正量として適切な値を算出するのが困難となると考えられるため、こうした条件を設定する。
(ウ)離散化トルクTddについての前回値Tdd(n−1)と今回値Tdd(n)との差の絶対値がゼロであるとの条件:この条件も、トルクフィードバック制御部30による制御が定常状態となっているか否かを判断するためのものである。要求トルクTdが変化すると、ノルム算出部36aの算出するノルムVn1も変化するため、補正量として適切な値を算出するのが困難となると考えられるため、こうした条件を設定する。
上記ステップS30において、上記条件が成立すると判断される場合、ステップS32において、学習指令を出す。すなわち、学習指令信号Enを「1」とする。これに対し、ステップS30において上記条件が成立しないと判断される場合、ステップS34において、学習を禁止する。換言すれば、学習指令信号Enを「0」とする。
なお、上記ステップS32,S34の処理が完了する場合、この一連の処理を一旦終了する。
図11に、上記補正量算出部B18aの処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS40において、学習指令があるか否かを判断する。そして、学習指令があると判断される場合、ステップS42において、実電流の位相βと指令電流の位相βcとの差に基づく積分演算を学習値VnLとして算出する。この積分演算は、先の第1の実施形態と同様、要求トルクTdの符号に応じて積分演算器の入力パラメータの符号を適宜反転させることで行われる。これに対し、ステップS40において否定判断される場合、ステップS44に移行する。ステップS44においては、積分器を停止させ、その値を、補正量記憶部B24の出力する補正量Vncorに設定する。これは、上記ステップS40において肯定判断される場合に、学習値VnLを適切な値に迅速に収束させるための設定である。
なお、上記ステップS42,S44の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図12に、上記補正量記憶部B24の処理の手順を示す。この処理は、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS50において、学習指令があるか否かを判断する。そして学習指令があると判断される場合、ステップS52において、離散化トルクTddと離散化速度ωdにて指定されるレジスタに、現在の学習値VnLを書き込む。一方、上記ステップS50において否定判断される場合や、ステップS52の処理が完了する場合には、ステップS54において、離散化トルクTddと離散化速度ωdにて指定されるレジスタに格納されている値を補正量Vncorとして出力する。
なお、上記ステップS54の処理が完了する場合、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記各効果に加えて更に以下の効果が得られるようになる。
(6)補正量算出部B18aにて算出された学習値VnLをモータジェネレータ10の運転状態毎に記憶する補正量記憶部B24を備えた。これにより、補正量Vncorとして適切な値を迅速に取得することができる。
(7)トルクフィードバック制御部B30による制御が定常状態にあることを条件に学習値VnLを学習した。これにより、学習値VnLから、制御の過渡時における応答遅れ等に起因する誤差の影響を好適に排除することができ、ひいては、ノルム算出部36aの設計における前提と実際とのずれを高精度に学習することができる。
(8)モータジェネレータ10の実際のトルクと要求トルクTdとの差が所定以下であるとの条件、モータジェネレータ10の回転変動が所定以下であるとの条件、及び要求トルクTdの変動量が所定以下であるとの条件の論理積条件が成立することを条件に学習値VnLを学習した。これにより、トルクフィードバック制御部B30による制御が定常状態にある場合に、学習値VnLを学習することができる。
(9)学習が禁止される場合、停止されている積分器の保持する値を、現在の補正量Vncorにて逐次更新した。これにより、学習が許可されることで積分器の値を迅速に適切な値に収束させることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1の実施形態では、ノルム補正部36bによってノルム算出部36aの算出するノルムVnを常時補正したがこれに限らない。例えば上記第2の実施形態のように、トルクフィードバック制御部30による制御が定常状態にあることを条件としてもよい。
・上記第1の実施形態においては、トルクフィードバック制御部30による制御への切替に際して、位相δの初期値を電流フィードバック制御部20の指令電圧の位相に基づき設定する一方、ノルムVnの初期値については、電流フィードバック制御部20による制御の履歴を参照しなかったがこれに限らない。例えば、切り替え直前において電流フィードバック制御部20によって設定される指令電圧のベクトルノルムからノルム算出部36aの算出するノルムへと徐々に変化させる変化手段を備えるようにしてもよい。
・上記第2の実施形態では、学習指令が出されると、補正量算出部B18aにおいて学習値VnLが算出される都度、補正量記憶部B24の値がこの値に書き換えられるようにしたがこれに限らない。例えば、補正量算出部B18aにおいて学習値VnLが算出される都度、この学習値VnLと、補正量記憶部B24内に記憶された対応する値との加重平均処理を施し、その値を新たに記憶するようにしてもよい。
・上記第2の実施形態では、補正量記憶部B24に記憶された学習値VnLを補正量Vncorとして用いたがこれに限らない。例えば、補正量算出部B18aに代えて、先の第1の実施形態の積分器B18を備えて且つ、積分器B18の出力値と、補正量記憶部B24に記憶された値(積分器B18の過去の出力値)との加重平均処理を施した値を補正量Vncorとしてもよい。この場合、積分器において常時学習値VnLが算出されるようにしても補正量Vncorの値が適切な値となるように、重み係数を適合するとよい。また、この際、積分器に代えて、比例積分演算器や、比例積分微分演算器を用いてもよい。
・上記第2の実施形態では、補正量記憶部B24において、学習値VnLを記憶するための領域を区分するパラメータとして、要求トルクTd及び電気角速度ωを用いたがこれに限らない。例えば、推定トルクTe及び電気角速度ωであってもよい。また例えば、指令電流idc,iqc及び回転速度であってもよい。更に例えば、これらに温度を含めてもよい。加えて、要求トルクTdのみ、又は電気角速度ωのみであってもよい。更に、トルクや回転速度にかかわらず、温度によって区分される領域毎に補正量を記憶してもよい。更に、補正量を記憶する単一の領域を備えるのみであっても、補正量が適切な値に収束するまでの時間を短縮することが可能となるとも考えられる。
・トルクフィードバック制御部30による制御が定常状態にあるとの条件は、トルク誤差Δの絶対値が所定以下であるとの条件と、回転速度の変動量が所定以下であるとの条件と、要求トルクTdの変化量が所定以下であるとの条件との論理積条件に限らない。例えば、これら3つの条件のうちの2つ又は1つが成立するとの条件としてもよい。また例えば、位相設定部34の積分器の値の変動量が所定以下であるとの条件や、位相設定部34の出力する位相δの変動量が所定以下との条件等であってもよい。
・上記各実施形態では、積分器B18や補正量算出部B18aに入力されるパラメータの符号を、要求トルクTdの符号に応じて反転させたがこれに限らず、例えば推定トルクTeの符号に応じて反転させてもよい。また、積分器B18や補正量算出部B18aの入力パラメータの符号を反転させる代わりに、積分ゲインの符号を反転させるなどしてもよい。
・上記各実施形態では、最大トルク制御を行うようにしてトルクフィードバック制御部30を設計したがこれに限らない。例えば最大効率制御や「id=0」制御等を行うように設計してもよい。この場合であっても、電流フィードバック制御部20が同様に最大効率制御や「id=0」制御等を行うものであるなら、トルクフィードバック制御部30による制御と電流フィードバック制御部20による制御との切替に際してインバータIVの出力変動を抑制することができる。もっとも、電流フィードバック制御部20が同様の制御を行わない場合であっても、補正量VncorにてノルムVn1を補正することは、トルクフィードバック制御部30に、制御設計で意図したとおりの制御を行わせるうえで有効である。
・上記各実施形態では、ノルム補正部36bにおいて、実電流id,iqの位相を指令電流idc,iqcの位相にフィードバック制御するための操作量を算出したが、これに限らず、実電流id,iqの振幅を指令電流idc,iqcの振幅にフィードバック制御するための操作量を算出してもよい。この場合であっても、上記の式(c2)により、位相βが一義的に定まるため、インバータIVの出力電圧を電流フィードバック制御部20によるものと同一とすることができる。
・上記各実施形態では、電流フィードバック制御部20において、フィードバック制御部25,26の出力を直接指令電圧vdc、vqcとしたが、これに限らない。例えば、フィードバック制御部25,26の出力に、非干渉項をフィードフォワード項として加えることで、指令電圧vdc、vqcを算出してもよい。ただし、この場合、電流フィードバック制御部20による制御への切替に際し、フィードバック制御部25,26の積分項の初期値を、上記各実施形態において算出される値から非干渉項によって加えられる値を予測してこれを減算した値とすることが望ましい。
・突極機としては、IPMSMに限らない。例えば、同期リラクタンスモータ(SynRM)であってもよい。
・回転機としては、突極機に限らず、非突極機であってもよい。この際、位相δ及びノルムVn1によってトルクを表現したモデルについて、ノルムVn1によるトルクTの偏微分係数がゼロとなる条件を満たすノルムVn1と、位相δとが1対1に対応する関係を有するなら、この条件を満たすノルムVn1に基づき操作信号を生成してもよい。
・回転機としては、ハイブリッド車に搭載されるものに限らず、例えば電気自動車に搭載されるものであってもよい。更に、回転機としては、車両の駆動系を構成するものにも限らない。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるインバータの操作信号の生成に関する処理を示すブロック図。 同実施形態にかかる指令電流設定部の処理の詳細を示す図。 同実施形態にかかる電圧ベクトルノルムの設定手法を示す図。 同実施形態にかかるノルム算出部の処理の詳細を示す図。 同実施形態にかかるノルム補正部に関する処理を示すブロック図。 同実施形態にかかる電流フィードバック制御とトルクフィードバック制御との切替処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる電流フィードバック制御とトルクフィードバック制御との切替処理の手順を示す流れ図。 第2の実施形態にかかるノルム補正部に関する処理を示すブロック図。 同実施形態にかかる学習指令部の処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる補正量算出部の処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる補正量記憶部の処理手順を示す流れ図。
符号の説明
10…モータジェネレータ、12…高圧バッテリ、14…制御装置(電力変換回路の制御装置の一実施形態)、20…電流フィードバック制御部、30…トルクフィードバック制御部、34…位相設定部、36…ノルム設定部、36a…ノルム算出部(開ループ制御手段の一実施形態)、36b…ノルム補正部(補正量算出手段の一実施形態)、IV…インバータ、CV…コンバータ。

Claims (12)

  1. 回転機のトルクを制御すべく電力変換回路の出力電圧の位相を操作する電圧位相操作手段を備える回転機の制御装置において、
    前記電圧位相操作手段は、
    前記回転機の実際のトルクを目標値にフィードバック制御するための操作量として前記出力電圧の位相を操作する位相操作手段、
    前記目標値と前記回転機の回転速度とを入力として、前記回転機を流れる電流を前記目標値とするための指令電流に開ループ制御すべく前記電力変換回路の出力電圧のベクトルノルムを設定する開ループ制御手段、
    前記回転機を流れる電流を前記指令電流にフィードバック制御するための操作量としての前記ベクトルノルムの補正量によって前記開ループ制御手段により設定される前記ベクトルノルムを補正する補正手段、
    及び該補正手段によって補正されたベクトルノルムとなるように前記電力変換回路を操作するノルム操作手段を備えることを特徴とする回転機の制御装置。
  2. 前記補正手段は、前記回転機のトルクが正の場合、前記回転機を流れる電流の位相が前記回転機に対する指令電流の位相よりも大きいときに前記ベクトルノルム大きくなるように補正し、前記回転機を流れる電流の位相が前記回転機に対する指令電流の位相よりも小さいときに前記ベクトルノルム小さくなるように補正することを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  3. 前記補正手段は、前記回転機のトルクが負の場合、前記回転機を流れる電流の位相が前記回転機に対する指令電流の位相よりも小さいときに前記ベクトルノルム大きくなるように補正し、前記回転機を流れる電流の位相が前記回転機に対する指令電流の位相よりも大きいときに前記ベクトルノルム小さくなるように補正することを特徴とする請求項1又は2記載の回転機の制御装置。
  4. 前記補正手段は、前記開ループ制御手段によって設定されるベクトルノルムを補正するための補正量算出手段として、前記回転機を流れる電流の位相と前記回転機に対する指令電流の位相との差を入力とする積分要素を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  5. 前記補正手段は、前記開ループ制御手段によって設定されるベクトルノルムを補正するための補正量算出手段を備え、
    該補正量算出手段は、前記電圧位相操作手段による前記回転機のトルクの制御が定常状態にあることを条件に前記補正量を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  6. 前記補正手段は、前記開ループ制御手段によって設定されるベクトルノルムを補正するための補正量算出手段を備え、
    該補正量算出手段は、前記回転機の実際のトルクと前記目標値との差が所定以下であるとの条件、前記回転機の回転変動が所定以下であるとの条件、及び前記トルクの目標値の変動量が所定以下であるとの条件の少なくとも1つが成立することを条件に前記補正量を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  7. 前記補正手段は、前記開ループ制御手段によって設定されるベクトルノルムを補正するための補正量算出手段と、算出された補正量を記憶する記憶手段とを備え、該記憶手段に記憶された補正量に基づき前記補正を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  8. 前記記憶手段は、前記補正量算出手段によって算出された補正量を、前記回転機の運転状態を示すパラメータによって分割された領域毎に記憶するものであり、
    前記補正手段は、前記回転機の運転状態を示すパラメータを入力とし、該入力されたパラメータに該当する領域に記憶された補正量に基づき前記補正を行うことを特徴とする請求項7記載の回転機の制御装置。
  9. 前記記憶手段は、前記電圧位相操作手段による前記回転機のトルクの制御が定常状態にあることを条件に前記補正量を記憶することを特徴とする請求項7又は8記載の回転機の制御装置。
  10. 前記記憶手段は、前記回転機の実際のトルクと目標値との差が所定以下であるとの条件、前記回転機の回転変動が所定以下であるとの条件、及び前記トルクの目標値の変動量が所定以下であるとの条件の少なくとも1つが成立することを条件に前記補正量を記憶することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  11. 前記回転機を流れる電流を前記指令電流にフィードバック制御する電流フィードバック制御手段と、
    前記電流フィードバック制御手段による前記電力変換回路の操作と前記電圧位相操作手段による前記電力変換回路の操作との切り替えを行う切替手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  12. 請求項1〜1のいずれか1項に記載の回転機の制御装置と、
    前記電力変換回路とを備える回転機の制御システム。
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