JP2012017660A - 一軸偏心ねじポンプ - Google Patents

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和智 林元
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Abstract

【課題】分解組立性や清掃性・洗浄性を向上させつつも、ステータのスラスト方向の摩擦抵抗を抑制し得るステータ支承構造を備えた一軸偏心ねじポンプを提供する。
【解決手段】この一軸偏心ねじポンプは、駆動軸3に直結された雄ねじ状のロータ2と、ハウジング7内に軸受を介して回転可能に支承されるとともにその回転軸線L1がロータ2の回転軸線L2に対して偏心して配置される雌ねじ状の内面を有するステータ4とを備え、ロータ2が回転しつつステータ4の軸心に対して偏心運動を行うことによって流体を吸入側8から吐出側9へ圧送するようになっており、前記軸受は、食品衛生法に適合した樹脂で作られるとともに、ステータ4の両端を回転自在に支承する円筒形の自己潤滑樹脂製のラジアル軸受5,6と、3層構造のグリス密封式のスラスト軸受30,40とから構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、食品原料、化学原料、下水汚泥などの粘性液を定量圧送する一軸偏心ねじポンプに係り、特に、この種の一軸偏心ねじポンプのステータ支承構造に関する。
この種の一軸偏心ねじポンプとしては、雌ねじ状の内面をもつ固定されたステータに雄ねじ状のロータを内装し、そのロータを、自在継手を介して駆動軸に連結したものがある(例えば特許文献1の第1図参照)。この一軸偏心ねじポンプによれば、その駆動軸を回転させることにより、ステータの軸心に対してロータが回転しつつ偏心運動を行うことによって流体を吸入側から吐出側へ圧送することができる。
しかし、同文献記載の一軸偏心ねじポンプは、ステータが固定されており、ロータが大きな反力を受けながら回転するため、ステータ内面の直線状部分が磨耗し易く、性能が早期に低下する欠点があった。また、ロータの回転軸線がステータの軸線を中心として公転するため、駆動軸とロータとの間には自在継手を介在させる必要があり、構造が複雑になるばかりでなく、食品の圧送等に使用する場合、自在継手の分解組立に手間がかかるとともに内部の洗浄、清掃が困難であるといった間題があった。
そこで、これらの問題を解決するために、特許文献2に開示されるように、自在継手を介さずに、駆動軸に直結された雄ねじ状のロータと、軸受を介して回転可能に支承されるとともにその回転軸線がロータの回転軸線に対して偏心して配置される雌ねじ状の内面を有するステータとを備える一軸偏心ねじポンプが開発されてきた。
同文献記載の一軸偏心ねじポンプは、図5に類似例を示すように、ステータ104は、ゴム製のステータ内筒104aを有し、このステータ内筒104aの外周にはステータ外筒104bが装着されている。そして、このステータ104を、そのラジアル方向の荷重とスラスト方向の荷重の両方を支持するすべり軸受5,6で回転自在に支承すると共に、駆動軸3に固定した雄ねじ状のロータ2を、回転軸線L2がステータ104の軸線L1から所定距離Eだけ偏心するように構成している。
ここで、特許文献2記載の一軸偏心ねじポンプにおいて、この種の一軸偏心ねじポンプを食品の圧送等に使用する場合、例えば、食品衛生法適合の樹脂やセラミックスなどの材料で作られたすべり軸受5,6でステータ104を回転可能に支承すると共にステータ104の両端部にサニタリー性を有するシール部材16,18を装着するように構成する。
特開昭59−153992号公報 特開2009−293529号公報
しかしながら、特許文献2記載の一軸偏心ねじポンプでは、駆動軸とロータとの間に自在継手を介在させた従来の一軸偏心ねじポンプと比較して、分解組立性や清掃性・洗浄性においては大きく改善されるものの、ステータ104を支承するすべり軸受5,6が、ラジアル方向の荷重とスラスト方向の荷重の両方を支持する構成なので、セラミックス材料を用いた水中軸受とする場合には清水での潤滑が必要となるため、清水潤滑のための通路構造を要する等、ステータ部分の構造が複雑になるという問題がある。また、この軸受の材料に樹脂を用いた場合には、特にスラスト方向の摩擦抵抗が大きくなるため、軸受表面に食品用グリスを塗布して摩擦係数の低減を図る必要があるという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、駆動軸とロータとの間に自在継手を介在させた従来の一軸偏心ねじポンプと比べ、分解組立性や清掃性・洗浄性を向上させつつも、ステータのスラスト方向の摩擦抵抗を抑制し得るステータ支承構造を備えた一軸偏心ねじポンプを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、駆動軸に直結された雄ねじ状のロータと、ハウジング内に軸受を介して回転可能に支承されるとともにその回転軸線が前記ロータの回転軸線に対して偏心して配置される雌ねじ状の内面を有するステータとを備え、前記ロータが回転しつつ前記ステータの軸心に対して偏心運動を行うことによって流体を吸入側から吐出側へ圧送する一軸偏心ねじポンプであって、前記軸受は、食品衛生法に適合した樹脂で作られるとともに、前記ステータの両端を回転自在に支承する円筒形の自己潤滑樹脂製のラジアル軸受と、2層構造もしくは3層構造のグリス密封式のスラスト軸受とから構成されていることを特徴とする。
本発明に係る一軸偏心ねじポンプによれば、駆動軸に直結された雄ねじ状のロータと、軸受を介して回転可能に支承されるとともにその回転軸線がロータの回転軸線に対して偏心して配置される雌ねじ状の内面を有するステータとを備える一軸偏心ねじポンプとしているので、駆動軸とロータとの間に自在継手を介在させた従来の一軸偏心ねじポンプと比べて分解組立性や清掃性・洗浄性を向上させることができる。
そして、本発明に係る一軸偏心ねじポンプによれば、ステータを回転自在に支承する軸受を、ラジアル方向の荷重とスラスト方向の荷重を別個の軸受(つまり、ラジアル軸受とスラスト軸受)によって支持する構成なので、従来の一軸偏心ねじポンプと比べて分解組立性や清掃性・洗浄性を向上させつつも、ステータのスラスト方向の摩擦抵抗を抑制することができる。
特に、この軸受は、食品衛生法適合の樹脂で作られているので、食品の圧送等に使用する場合に好適であり、また、スラスト軸受は、2層構造もしくは3層構造のグリス密封式なので、スラスト方向の摩擦抵抗を抑制する上で好適である。なお、従来のラジアル方向の荷重とスラスト方向の荷重を同時に受ける一体形のすべり軸受(特許文献2参照)においては、スラスト軸受部の摩擦係数が0.2程度と大きく、軸受表面にグリスを塗布して摩擦係数を低減させる必要があったが、本発明に係る一軸偏心ねじポンプによれば、従来の一体形のすべり軸受を使用した場合に比べて、グリスを塗布すること無く、スラスト軸受部の摩擦係数を0.05以下に低滅させることができる。
ここで、本発明に係る一軸偏心ねじポンプにおいて、前記スラスト軸受は、密封されるグリスとして、増ちょう剤としてアルミニウム複合石鹸もしくはフッ素樹脂を用い、かつ、NSF(National Sanitary Foundation:国際衛生科学財団)H1に登録されたグリスを用いることは好ましい。このような構成であれば、食品の圧送等に使用する場合に、仮にグリスが食品と接触しても安全を確保できるとともに、このグリスは、耐水性を有したグリスなので、スラスト軸受が圧送液や洗浄水と接しても低い摩擦抵抗を持続できる。
また、本発明に係る一軸偏心ねじポンプにおいて、前記ステータは、その軸方向の両端部に、サニタリー性を有するシール部材が前記ハウジングとの間を密封するように装着されており、各シール部材の前記スラスト軸受の支持位置よりも端部側には、大気に連通するドレン口がそれぞれ設けられていることは好ましい。このような構成であれば、仮にステータ両端部に設けられたシール部材からの液洩れがハウジングとの間に発生した場合であっても、浸入した液をドレン口から外部に排出することができる。そのため、スラスト軸受への圧送液の浸入を防止することができる。
上述のように、本発明に係る一軸偏心ねじポンプによれば、駆動軸とロータとの間に自在継手を介在させた従来の一軸偏心ねじポンプと比べ、分解組立性や清掃性・洗浄性を向上させつつも、ステータのスラスト方向の摩擦抵抗を抑制することができる。
本発明に係る一軸偏心ねじポンプの一実施形態の側面図であり、同図では要部を軸線に沿った断面にて示している。 本発明に係る一軸偏心ねじポンプに用いる3層構造のスラスト軸受の断面図である。 本発明に係る一軸偏心ねじポンプに用いる2層構造のスラスト軸受の断面図である。 本発明に係る一軸偏心ねじポンプの変形例の側面図である。 従来の一軸偏心ねじポンプの側面図であり、同図では要部を軸線に沿った断面にて示している。
以下、本発明の第一の実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、この一軸偏心ねじポンプ1は、不図示のモータが収容されるブラケット11を有しており、このブラケット11には、モータの駆動軸3側の面11aにハウジング7が装着されている。このハウジング7は、吸込側(同図の右側)から順に、吸込部7a、本体部7bおよび吐出部7cを備えて構成されている。ハウジング7の吸込部7aには圧送流体の吸込口8が形成されており、また、吐出部7cには圧送流体の吐出口9が形成されている。そして、この一軸偏心ねじポンプ1は、このハウジング7内に、雄ねじ状のロータ2と、雌ねじ状の内面をもつステータ4とを備えている。
ロータ2は、先端側の螺旋部2aと、直線状の基端部2bとから構成されている。基端部2bは、自在継手(ユニバーサルジョイント)を用いることなくモータの駆動軸3に直結される。螺旋部2aは、回転軸線L2に対して偏心した長円形断面を有しており、この螺旋部2aが、雌ねじ状の内面を形成したステータ4に内装されている。そして、このステータ4の回転軸線L1に対して、上記ロータ2の回転軸線L2は、所定の偏心量Eだけ偏心するように配置されている。
ここで、このステータ4は、その両端が、食品衛生法に適合した樹脂で作られた軸受によって回転自在に支承されており、当該軸受は、すべり軸受としての、ステータ4の両端を回転自在に支承する円筒形をなす自己潤滑樹脂製のラジアル軸受5,6と、3層構造のグリス密封式のスラスト軸受30,40とから構成されている。
詳しくは、このステータ4は、軸方向の中央に配設されたゴム製のステータ内筒4aと、このステータ内筒4aの外周面にインロー嵌合して嵌め込まれて接着された円筒状をなす金属製のステータ外筒4bとからなる。なお、ステータ内筒4a内部に形成される螺旋部4eは、その雌ねじ状のピッチがロータ2の螺旋部2aの2倍である。
また、ステータ外筒4bには、その中央部に、スラスト軸受30,40との軸方向での当接面をつくる凸部4mが形成されている。なお、ステータ外筒4bの両端部4dとハウジング7との間(相互の軸直方向対向面間)には、サニタリー性を有する円環状のシール部材16,18が吸入側および吐出側それぞれに、ハウジング7との間を密封するように介装されている。
一方、ハウジング7を構成する吸込部7aおよび本体部7bの内周面には、凹の段部7nがそれぞれ形成されている。そして、ラジアル軸受5、6は、その内周面がステータ外筒4bに外嵌されるとともに、その外周面が凹の段部7nに内嵌されることでラジアル方向の荷重を受けるようになっている。これにより、ステータ4(ステータ外筒4b)の円筒部の両端部は、ラジアル軸受5、6を介して上記ハウジング7内に回転自在に支承される。なお、これらラジアル軸受5、6によっては、ステータ4の軸方向への移動は拘束されていない。
つまり、スラスト方向についてのステータ4の拘束は、上記軸受のうち、ラジアル軸受5、6とは別個のスラスト軸受30,40が受け持っている。特に、このスラスト軸受30,40は、3層構造のグリス密封式なので、スラスト方向の摩擦抵抗を抑制する上で好適である。なお、スラスト軸受30,40は、装着の向きが逆向きになる以外は、単体の構造自体は同じものを使用している。よって、以下の説明では、スラスト軸受30について詳しく説明し、スラスト軸受40については説明を省略する。
このスラスト軸受30は、図2に拡大図示するように、合成樹脂製の外方環状板38と、この外方環状板に内方から組み合わせられる合成樹脂製の内方環状板32と、これら外方及び内方環状板38,32間に配された合成樹脂製の円環樹脂板36とを備えて構成されている。
内方環状板32は、円環板状に延設された側面部32cと、この側面部32cの内周縁と連なって外方環状板38側に向けて内周縁に沿って立設された環状凸部32aと、側面部32cの外周縁と連なって外方環状板38側に向けて外周縁に沿って立設された係合爪部32dとを有し、環状凸部32aと係合爪部32dとによって形成される凹部が、環状凹部32bを形成している。
一方の外方環状板38は、内周面38aがステータ外筒4bの挿通孔とされる円筒部38cと、この円筒部38cの端部外周縁に沿って径方向外側に延設された円環板状の側面部38fと、この側面部38fの外周縁に沿って形成されて内方環状板32側に向けて立設された係合鍔部38dとを備えている。そして、係合鍔部38dと円筒部38cとによって形成される凹部が、内方環状板32との協働によって円環樹脂板36を収容するための環状凹部38bを形成している。なお、円筒部38cと環状凸部32aとはインロー嵌合する寸法になっている。
そして、外方環状板38の環状凹部38bと内方環状板32の環状凹部32bとを対向させてできる空隙部分に、円環樹脂板36が摺動自在に配され、係合鍔部38d内周面の係合部38gを外方環状板38の係合爪部32d外周面の係合部32gに弾性装着させて組合わされる。これにより、内方および外方環状板32,38間には外周側の弾性装着構造と内周側のインロー嵌合により、内部の円環樹脂板36の軸受摺動面への外部からの塵埃等の異物の侵入を防止するように密封される。ここで、この円環樹脂板36の両面には、グリースなどの潤滑剤が塗布される。本実施形態では、スラスト軸受30,40内に密封されるグリスとして、増ちょう剤としてアルミニウム複合石鹸もしくはフッ素樹脂を用い、かつ、NSF(National Sanitary Foundation:国際衛生科学財団)H1に登録されたグリスを用いている。
このスラスト軸受30および同一の構造のスラスト軸受40は、図1に示すように一軸偏心ねじポンプに組込まれる。
すなわち、スラスト軸受30は、外方環状板38の内周面38aの挿通孔にステータ外筒4bが必要な軸受隙間を保持させて挿通され、さらに、外方環状板38の側面部38fの面をステータ外筒4bの凸部側面4uに当接させるとともに、内方環状板32の側面部32cの面をハウジング7の凹部端面7tに当接させてハウジング7とステータ4との間に配置される。なお、スラスト軸受40についても、軸方向の装着向きが逆になる点以外は、スラスト軸受30同様に装着される。
次に、この一軸偏心ねじポンプのステータ支承構造の作用・効果について説明する。
この一軸偏心ねじポンプ1は、駆動軸3に直結された雄ねじ状のロータ2と、ラジアル軸受5、6、およびスラスト軸受30,40を介して回転可能に支承されるとともにその回転軸線L1がロータ2の回転軸線L2に対して偏心して配置される雌ねじ状の内面を有するステータ4とを備え、ロータ2が回転しつつステータ4の軸心に対して偏心運動を行うことによって流体を吸入側から吐出側へ圧送する構成なので、モータの駆動軸3によってロータ2を回転させると、ロータ2はその回転軸線L2を中心として回転し、ロータ2の螺旋部2aの動きに伴ってステータ4もその回転軸線L1を中心としてロータ2の回転と同期して従動回転することにより、圧送流体を吸込口8から吐出口9へ圧送することができる。
そのため、自在継手を用いない構成とすることができるので、構造が簡単であり、特に食品の圧送においては、自在継手のデッドスペースの洗浄の問題も解消され、駆動軸とロータとの間に自在継手を介在させた従来の一軸偏心ねじポンプと比べて分解組立性や清掃性・洗浄性を向上させることができる。
そして、この一軸偏心ねじポンプによれば、ステータ4を回転自在に支承する軸受を、上述したラジアル軸受5、6、およびスラスト軸受30,40によって支承する構成としたので、ラジアル方向の荷重とスラスト方向の荷重を別個の軸受によって支持することができる。
これにより、この一軸偏心ねじポンプに、一軸偏心ねじポンプの構造に起因するラジアル荷重が作用したときは、ステータ外筒4bの両端部のラジアル軸受5,6のみがラジアル荷重を支承する。このとき、スラスト軸受30,40内においては、各合成樹脂同志の摺動によってラジアル方向の移動が円滑に許容される。他方、スラスト荷重が作用したときは、スラスト軸受30,40のみがこれを支承する。このとき、ラジアル軸受5,6においては、ラジアル方向の移動が円滑に許容される。そのため、従来の一軸偏心ねじポンプと比べて分解組立性や清掃性・洗浄性を向上させつつも、スラスト方向の摩擦抵抗を抑制することができるのである。
特に、この一軸偏心ねじポンプによれば、ラジアル軸受5,6、およびスラスト軸受30,40が食品衛生法適合の樹脂で作られており、スラスト軸受30,40は、上述したような、3層構造のグリス密封式なので、スラスト方向の摩擦抵抗を抑制する上で好適である。なお、上述した、従来のラジアル方向の荷重とスラスト方向の荷重を同時に受ける一体形の軸受においては、スラスト軸受部の摩擦係数が0.2程度と大きく、軸受表面にグリスを塗布して摩擦係数を低減させる必要があったが、本実施形態の一軸偏心ねじポンプによれば、従来の一体形の自己潤滑樹脂軸受を使用した場合に比べて、グリスを塗布しなくとも、スラスト軸受30,40の摩擦係数を0.05以下に低滅させることができる。
また、この一軸偏心ねじポンプによれば、グリス密封式のスラスト軸受30,40は、密封されるグリスとして、増ちょう剤としてアルミニウム複合石鹸もしくはフッ素樹脂を用い、かつ、NSF(National Sanitary Foundation:国際衛生科学財団)H1に登録されたグリスを用いているので、仮にグリスが食品と接触した場合であっても安全を確保できる。そして、このグリスは耐水性を有するものなので、圧送液や洗浄水とスラスト軸受ユニットが接しても低い摩擦抵抗を持続できる。
以上説明したように、この一軸偏心ねじポンプのステータ支承構造によれば、駆動軸とロータとの間に自在継手を介在させた従来の一軸偏心ねじポンプと比べて、分解組立性や清掃性・洗浄性を向上させつつも、ステータ4のスラスト方向の摩擦抵抗を抑制することができる。
なお、本発明に係る一軸偏心ねじポンプは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
例えば、上記実施形態では、スラスト軸受30,40が、3層構造のグリス密封式の例で説明したが、これに限らず、本発明に係る一軸偏心ねじポンプのステータ支承構造に採用するスラスト軸受としては、図3に変形例を示すように、2層構造のものを用いてもよい。
つまり、同図に示す例では、内方環状板34が、上記実施形態の円環樹脂板36と内方環状板32とが一体構造とされ、これにより2層構造になっている。このような構成であっても、スラスト方向の摩擦抵抗を抑制することができる。
また、図4に変形例を示すように、本発明に係る一軸偏心ねじポンプにおいて、ステータ両端とハウジング7との間を密封するように装着したシール部材16,18を有する構成において、各シール部材16,18のスラスト軸受30,40の支持位置よりも端部側に、大気に連通するドレン口20,20をそれぞれ設ける構成とすることができる。このような構成であれば、仮にステータ4の両端部に設けられたシール部材16,18から液洩れが発生した場合でも、スラスト軸受30,40への圧送液の浸入を防止することができる。
1 一軸偏心ねじポンプ
2 ロータ
3 駆動軸
4 ステータ
5 自己潤滑軸受(ラジアル軸受)
6 自己潤滑軸受(ラジアル軸受)
7 ハウジング
8 吸込口
9 吐出口
11 ベースブラケット
16 (吐出側の)シール部材
18 (吸入側の)シール部材
20 ドレン口
30 スラスト軸受
32、34 内方環状板
36 円環樹脂板
38 外方環状板
40 スラスト軸受

Claims (3)

  1. 駆動軸に直結された雄ねじ状のロータと、ハウジング内に軸受を介して回転可能に支承されるとともにその回転軸線が前記ロータの回転軸線に対して偏心して配置される雌ねじ状の内面を有するステータとを備え、前記ロータが回転しつつ前記ステータの軸心に対して偏心運動を行うことによって流体を吸入側から吐出側へ圧送する一軸偏心ねじポンプであって、
    前記軸受は、食品衛生法に適合した樹脂で作られるとともに、前記ステータの両端を回転自在に支承する円筒形の自己潤滑樹脂製のラジアル軸受と、2層構造もしくは3層構造のグリス密封式のスラスト軸受とから構成されていることを特徴とする一軸偏心ねじポンプ。
  2. 前記スラスト軸受は、密封されるグリスとして、増ちょう剤としてアルミニウム複合石鹸もしくはフッ素樹脂を用い、かつ、NSF(National Sanitary Foundation:国際衛生科学財団)H1に登録されたグリスを用いていることを特徴とする請求項1に記載の一軸偏心ねじポンプ。
  3. 前記ステータは、その軸方向の両端部に、サニタリー性を有するシール部材が前記ハウジングとの間を密封するように装着されており、各シール部材の前記スラスト軸受の支持位置よりも端部側には、大気に連通するドレン口がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の一軸偏心ねじポンプ。
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