JP2006280093A - モータ用転がり軸受装置及びこれを用いた電動ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 モータを小型化させることができるモータ用転がり軸受装置及びこれを用いた電動ポンプを提供する。
【解決手段】
本発明の電動ポンプ１０は、モータハウジング２１の底部２１ａの一部をモータハウジング２１の内方側に折り返すことによってモータハウジング２１の底部内面２１ｃ側に突設された環状突起４２と、この環状突起４２の内周側に設けられてロータ軸２２を支持する転がり軸受部４１と、を有するモータ用転がり軸受装置４０を備えている。
【選択図】 図１

Description

本発明は、自動車等の車両の潤滑油や燃料を圧送するための電動ポンプ等のロータ軸を支持するモータ用転がり軸受装置及びこれを用いた電動ポンプに関する。
従来、自動車など車両の潤滑油や、燃料等を圧送するためのポンプには、トロコイドポンプ等の内接ギヤポンプをモータで回転駆動する電動ポンプが使用されている。このような電動ポンプに用いられているモータは、プレス成形によるモータハウジングに収容された状態で、ポンプ部と一体に構成されている。前記モータハウジングの内部に収容されてポンプ部を駆動するロータ軸は、モータハウジング底面から軸方向外方に突出して形成された軸受取付部に嵌合された軸受等によって、その一端部が支持されている（例えば特許文献１参照）。
特開２０００−２８２９９６号公報（第２頁、図１）
上記のような電動ポンプは、自動車等の車両に搭載されるため、省エネルギー化の観点から、軽量小型化の要請が高いものであった。
しかし、上記従来例のように、軸受取付部がモータハウジング底面から軸方向外側に突出して形成されていると、当該モータの全長が長くなったり、前記突出によって形成される段差によって当該モータの底面に制御装置等を一体にして取り付けることが困難となる等、電動ポンプの小型化を阻害する要因となっていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、モータを小型化することができるモータ用転がり軸受装置、及び、これを用いることで小型化できる電動ポンプを提供することを目的とする。
本発明のモータ用転がり軸受装置は、プレス成形されたモータハウジングの底部の一部を前記モータハウジングの内方側に折り込むことによって前記モータハウジングの底部内面側に突設された環状突起と、前記環状突起の内周側に設けられてロータ軸を支持する転がり軸受部と、を有することを特徴としている。
上記のように構成されたモータ用転がり軸受装置によれば、モータハウジングの底部の一部を内方側に折り返すことによって環状突起を形成したので、転がり軸受部をモータハウジングの底部よりモータハウジング内方側に配置することができる。
また、上記のように転がり軸受部をモータハウジングの底部よりモータハウジング内方側に配置することができるので、上記従来例のような、モータハウジングの底部外面における軸受取付部の突出に伴う段差を無くすことができ、当該モータ用転がり軸受装置が組み込まれるモータの制御装置等を、モータハウジングの底面に一体に取り付けることが容易となる。
上記モータ用転がり軸受装置において、前記転がり軸受部は、針状ころ軸受を構成していることが好ましい。
この場合、転がり軸受部が小型化できるので、当該モータ用転がり軸受装置としても小型化でき、前記モータの設計の自由度を高めることができる。
また、上記モータ用転がり軸受装置において、前記転がり軸受部は、前記環状突起の内周面を固定軌道面として、この固定軌道面と前記ロータ軸の外周面との間で転動自在とすべく前記固定軌道面に沿って配置された複数の転動体を備えていることが好ましい。
この場合、環状突起及びロータ軸は、それぞれ転がり軸受部の固定輪及び回転輪を兼ねて構成されるので、その構造を簡略化できる。従って、当該モータ用転がり軸受装置の製造コストを低減することができるとともに、転がり軸受部をよりコンパクトにでき、当該モータ用転がり軸受装置をより小型化できる。
また、本発明は、プレス成形されたモータハウジングと、その底部に配置されてロータ軸を支持するモータ用転がり軸受装置と、を有するモータ部と、前記モータ部によって駆動されるポンプ部と、を備えた電動ポンプにおいて、前記モータ用転がり軸受装置は、前記モータハウジングの底部の一部を前記モータハウジングの内方側に折り込むことによって前記モータハウジングの底部内面側に突設された環状突起と、前記環状突起の内周側に設けられて前記ロータ軸を支持する転がり軸受部と、を有することを特徴としている。
上記のように構成された電動ポンプによれば、前記モータハウジングの底部の一部を内方側に折り返すことによって環状突起を形成したので、転がり軸受部をモータハウジングの底部よりモータハウジング内方側に配置することができる。よって、モータ部の軸方向寸法を小さくでき、このモータ部を小型化できる。
以上のように、本発明のモータ用転がり軸受装置によれば、転がり軸受部をモータハウジングの底部よりモータハウジング内方側に配置できるので、このモータ用転がり軸受装置が取り付けられるモータの軸方向寸法を小さくでき、当該モータを小型化することができる。
また、本発明の電動ポンプによれば、上記のモータ用転がり軸受装置を用いることで前記モータ部を小型化できるので、当該電動ポンプを小型化することができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図１は、本発明の第一の実施形態である電動ポンプの構成を示す断面図である。この電動ポンプ１０は、比較的低い吐出圧力しか要求されない自動車などのトランスミッション内の潤滑油を圧送するためのポンプとして用いられるものであり、モータ部２０とポンプ部３０とを備えている。
モータ部２０は、プレス成形により金属製の薄板を有底筒状に形成された金属製のモータハウジング２１と、その内部にモータ部２０の出力軸として回転可能に配置されてポンプ部３０を駆動するロータ軸２２と、このロータ軸２２に一体回転可能に固定された回転子２３と、この回転子２３に対してわずかな隙間を空けて対向するようにモータハウジング２１の内周面に固定された固定子２４と、モータハウジング２１の底部２１ａに配置されロータ軸２２の一端を支持しているモータ用転がり軸受装置４０と、を備えている。
モータ用転がり軸受装置４０は、モータハウジング２１の底部２１ａに形成された環状突起４２と、この環状突起４２の内周側に設けられた転がり軸受部４１と、を有している。
環状突起４２は、モータハウジング２１の底部２１ａの中央部に対して軸方向へ深絞り加工を複数回組み合わせることで、内方側に向けて折り込まれさらに外方側へ折り返すように形成されている。これによって、環状突起４２は、モータハウジング２１の底部外面２１ｂをほぼ平面状に維持しつつ、モータハウジング２１の底部２１ａの一部を内方側に折り込むようにして、底部内面２１ｃ側に突設されている。この環状突起４２の内周側には、ロータ軸２２の一端側を支持している転がり軸受部４１が設けられている。
転がり軸受部４１は、環状突起４２の内周面４２ａに内嵌固定されている外輪４１ａと、ロータ軸２２の一端側の外周面２２ａに外嵌されている内輪４１ｂと、これら内外輪４１ａ、４１ｂの間に転動自在に配置された玉４１ｃと、を備えており、玉軸受を構成している。
このようなモータ用転がり軸受装置４０は、モータハウジング２１に対してロータ軸２２の一端側を回転可能に支持している。なお、ロータ軸２２の他端側は、モータハウジング２１の開口をシール部材２５によって密封状態で閉塞するように取り付けられたポンプ部３０に連結されつつ、ポンプ部３０に取り付けられた転がり軸受２６によって支持されている。
ポンプ部３０は、内部にトロコイドポンプ等の内接ギヤポンプ３１が収容されたロータハウジング３２を有しており、ロータハウジング３２は、モータハウジング２１に直接取り付けられたロータハウジング本体３３と、このロータハウジング本体３３にシール部材３３ａによって密封しつつボルト部材３４ａで連結されている蓋部３４と、により構成されている。
ロータハウジング本体３３は、蓋部３４との接合面３３ｂ側に、ロータハウジング本体３３の厚さ方向（ロータ軸２２の軸方向）に凹んで形成された凹部３３ｃを有しており、この凹部３３ｃに内接ギヤポンプ３１を収容している。
。さらに凹部３３ｃの底面３３ｄの中央には、モータ部２０側へ向かってロータハウジング本体３３の厚さ方向（ロータ軸２２の軸方向）に貫通する貫通孔３３ｅが形成されている。この貫通孔３３ｅには、内接ギヤポンプ３１に連結されたロータ軸２２が挿通されており、貫通孔３３ｅのモータ部２０側の端面には、主軸２２とロータハウジング本体３３との間をシールするためのシール部材３３ｆが取り付けられている。
内接ギヤポンプ３１は、ロータ軸２２が一体回転可能に連結されたインナーロータ３１ａと、このインナーロータ３１ａの外周側に配置されているアウターロータ３１ｂとを有しており、モータ部２０によってインナーロータ３１ａが回転駆動されることによって、ポンプ作用が生じる。なお、インナーロータ３１ａとアウターロータ３１ｂとの間には図示しない吸入口から潤滑油が吸入され、図示しない吐出口から潤滑油が吐出される。
このように構成された本実施形態において、モータ用転がり軸受装置４０は、転がり軸受部４１が固定される環状突起４２を、モータハウジング２１の底部２１ａの一部を内方側に折り返すことによって形成したので、転がり軸受部４１をモータハウジング２１の底部２１ａよりモータハウジング内方側に配置することができる。従って、モータ部２０の軸方向寸法を小さくすることができ、モータ部２０を小型化することができる。
また、上記のように転がり軸受部４１をモータハウジング２１の底部２１ａよりモータハウジング内方側に配置することができるので、従来例のようなモータハウジングの底部外面における軸受取付部の突出に伴う段差を無くすことができ、モータ部２０の制御装置等をモータハウジング２１の底面外面２１ｂに一体に取り付けることが容易となる。
また、電動ポンプ１０は、上述したように、モータ用転がり軸受装置４０を用いることによってモータ部２０を小型化することができるので、当該電動ポンプ１０全体として小型化することができる。
図２は、本発明の第二の実施形態である電動ポンプの構成を示す断面図である。本実施形態と第一の実施形態との主な相違点は、モータ用転がり軸受装置４０の転がり軸受部４１として、玉軸受単体としての内外輪を省略しかつ転動体に針状ころを用いた点である。その他の点については、第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
図中、転がり軸受部４１は、環状突起４２の内周面４２ａを固定軌道面とするとともに、ロータ軸２２の一端側の外周面２２ａを回転軌道面とし、内周面４２ａと外周面２２ａとの間に転動自在に配置された複数の転動体としての針状ころ４５と、この針状ころ４５を周方向に一定間隔に保持している保持器４６と、を含んだ針状ころ軸受を構成している。
このように構成された本実施形態のモータ用転がり軸受装置４０において、転がり軸受部４１は、針状ころ軸受とすることで主として径方向に小型化できる。さらに、環状突起４２及びロータ軸２２は、それぞれ転がり軸受部４１における固定輪及び回転輪を兼ねて構成されているので、例えば、第一の実施形態のように転がり軸受部に通常の内外輪を有する転がり軸受を用いた場合と比較して、部品点数を減らすことができ、その構造を簡略化できる。従って、当該モータ用転がり軸受装置４０を小型化することができ、モータ部２０の設計の自由度を高めることができる。
また、本実施形態のモータ用転がり軸受装置４０によれば、上述したように部品点数を減らし、その構造を簡略化できるので、当該モータ用転がり軸受装置４０の製造コストの上昇を抑えることができる。
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、転がり軸受部４１として玉軸受と針状ころ軸受とを用いた場合を示したが、例えば、円筒ころ軸受等、他の形式の転がり軸受を構成することもできる。
また、上記実施形態のモータ用転がり軸受装置では、内接ギヤポンプとモータとを一体に構成した電動ポンプのモータ部に適用した場合を示したが、例えば、他の一般産業用装置等に用いられているモータにも適用することができる。
本発明の第一の実施形態である電動ポンプの構成を示す断面図である。 本発明の第二の実施形態である電動ポンプの構成を示す断面図である。
符号の説明
１０ 電動ポンプ
２０ モータ部
２１ モータハウジング
２１ａ 底部
２１ｃ 底部内面
２２ ロータ軸
２２ａ 外周面
３０ ポンプ部
４０ モータ用転がり軸受装置
４１ 転がり軸受部
４２ 環状突起
４２ａ 内周面
４５ 針状ころ（転動体）

Claims (4)

  1. プレス成形されたモータハウジングの底部の一部を前記モータハウジングの内方側に折り込むことによって前記モータハウジングの底部内面側に突設された環状突起と、前記環状突起の内周側に設けられてロータ軸を支持する転がり軸受部と、を有することを特徴とするモータ用転がり軸受装置。
  2. 前記転がり軸受部は、針状ころ軸受を構成している請求項１に記載のモータ用転がり軸受装置。
  3. 前記転がり軸受部は、前記環状突起の内周面を固定軌道面として、この固定軌道面と前記ロータ軸の外周面との間で転動自在とすべく前記固定軌道面に沿って配置された複数の転動体を備えている請求項１又は２に記載のモータ用転がり軸受装置。
  4. プレス成形されたモータハウジングと、その底部に配置されてロータ軸を支持するモータ用転がり軸受装置と、を有するモータ部と、
    前記モータ部によって駆動されるポンプ部と、を備えた電動ポンプにおいて、
    前記モータ用転がり軸受装置は、前記モータハウジングの底部の一部を前記モータハウジングの内方側に折り込むことによって前記モータハウジングの底部内面側に突設された環状突起と、前記環状突起の内周側に設けられて前記ロータ軸を支持する転がり軸受部と、を有することを特徴とする電動ポンプ。
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