JP2014020258A - 一軸偏心ねじポンプ - Google Patents

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和智 林元
Jun Taneichi
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Abstract

【課題】吐出圧力が高くラジアル荷重が大きい場合であっても、無潤滑でステータをスムーズに回転させることができ、長期の使用で摩耗した場合でも、食品への摩耗粉の混入が防止または抑制され、仮に摩耗した場合であっても、食品圧送の用途でも安心して使用することができるステータ回転型の一軸偏心ねじポンプを提供する。
【解決手段】この一軸偏心ねじポンプ1は、ステータ4にかかるラジアル荷重およびスラスト荷重を受けてステータを回転自在に支承する軸受に、ステンレス製の内輪34、外輪38およびボール36、並びに樹脂製の保持器32で構成された玉軸受30,30を用い、この玉軸受30,30は、内輪34、外輪38およびボール36の少なくとも一つの部材に、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、食料原料、化学原料、下水汚泥などの粘性液(輸送物)を定量圧送する一軸偏心ねじポンプに関する。
従来、この種の一軸偏心ねじポンプとして、例えば図3に示す構造のものが知られている。この一軸偏心ねじポンプ100は、雌ねじ状の内面をもつ固定されたステータ112に雄ねじ状のロータ103が内装されている。ロータ103は、自在継手(ユニバーサルジョイント)106を介して駆動軸102に連結され、駆動軸102は、カップリング104を介してモータ101のシャフト101aに連結されている。この一軸偏心ねじポンプ100によれば、駆動軸102をモータ101で回転させることにより、ステータ112の軸心に対してロータ103が回転しつつ偏心運動を行うことによって粘性液を吸入側113から吸込み部115を介して吐出側114へ圧送することができる。
しかし、この一軸偏心ねじポンプ100は、ステータ112が固定されているので、ロータ103が大きな反力を受けながら回転する。そのため、ステータ112内面の直線状部分が磨耗し易く、性能が早期に低下する欠点がある。また、ロータ103の回転軸線がステータ112の軸線を中心として公転することから、駆動軸102とロータ103との間に自在継手106を介在させる必要がある。そのため、ポンプの構造が複雑になるばかりでなく、吸込み部115における粘性液の流入を阻害するとともに、食品の圧送等に使用する場合、自在継手の分解組立に手間がかかるとともに内部の洗浄、清掃が困難であるといった間題があった。
これらの問題を解決するために、例えば特許文献1に示される、ステータ回転型の一軸偏心ねじポンプが提案されている。例えば図4に示すように、この一軸偏心ねじポンプ200は、ステータ212を回転可能に支承するとともに、ロータ203を駆動軸202の先端部に一体に設けている。駆動軸202に固定されたロータ203は、その回転軸線L2がステータ212の回転軸線L1から所定距離(E)だけ偏心するように構成され、ステータ212が、ロータ203の1/2の回転速度で同一方向に回転するようになっている。
同文献記載の技術では、食品衛生法適合の樹脂やセラミックスなどの材料で作られた軸受105,106でステータ212を回転可能に支承するとともに、ステータ212の両端部にサニタリー性を有する軸シール107,108を装着している。特許文献1に示される一軸偏心ねじポンプ200によれば、ロータ203の回転にともないステータ212がロータ203の1/2の回転速度で同一方向に回転するので、上述のような自在継手の介在を不要として簡素な構造とすることができる。そのため、吸込み部215における粘性液の流入を阻害することもなく、分解組立性や清掃性・洗浄性において大きく改善される。
しかし、特許文献1に示される一軸偏心ねじポンプ200のように、ステータ212を支承する軸受105,106に対し、その軸受材料にセラミックスを用いた場合、清水での潤滑が必要である。また、軸受材料に樹脂を用いた場合であっても、特にスラスト方向の摩擦抵抗が大きくなることから、軸受表面に食品用グリスを塗布して摩擦係数の低減を図る必要がある。
これに対し、例えば特許文献2に示される一軸偏心ねじポンプでは、図5に示す一軸偏心ねじポンプ300のように、ステータ212の両端を円筒形の自己潤滑樹脂製のラジアル軸受105,106と、2層構造もしくは3層構造のグリス密封式のスラスト軸受130,130で支承している。この一軸偏心ねじポンプ300によれば、ステータ212を回転自在に支承する軸受が、ラジアル方向の荷重とスラスト方向の荷重を別個の軸受(つまり、ラジアル軸受105,106とスラスト軸受130,130)によって支持する構成なので、分解組立性や清掃性・洗浄性を向上させつつ、ステータ212のスラスト方向の摩擦抵抗を抑制することができる。また、スラスト軸受130,130は、2層構造もしくは3層構造のグリス密封式なので、スラスト方向の摩擦抵抗を抑制(摩擦係数が0.05程度まで抑制)する上で好適である。
特開2009−293529号公報 特開2012−17660号公報
しかしながら、特許文献2に示される、一軸偏心ねじポンプ300では、スラスト軸受130,130は、自身のユニット内部に密封したグリスを定期的に交換する必要がある。また、ラジアル軸受105,106は、無潤滑で使用する場合、許容周速が1.7m/s以下と制限されるため、それ以上の周速で使用する場合や、吐出圧力が高くラジアル荷重が大きい場合には、軸受表面にグリスやオイルを塗布する必要があった。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、吐出圧力が高くラジアル荷重が大きい場合であっても、無潤滑でステータをスムーズに回転させることができ、長期の使用で摩耗した場合でも、食品への摩耗粉の混入が防止または抑制され、仮に摩耗した場合であっても、食品圧送の用途でも安心して使用することができるステータ回転型の一軸偏心ねじポンプを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る一軸偏心ねじポンプは、回転可能に支承されるステータと、駆動軸に固定されたロータとを備え、前記ロータの回転軸線が前記ステータの回転軸線から所定距離偏心するように構成された一軸偏心ねじポンプにおいて、前記ステータにかかるラジアル荷重およびスラスト荷重を受けて前記ステータを回転自在に支承する軸受に、ステンレス製の内輪、外輪および転動体、並びに樹脂製の保持器で構成された玉軸受を用い、該玉軸受は、前記内輪、外輪および転動体の少なくとも一つの部材に、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る一軸偏心ねじポンプによれば、ステータにかかるラジアル荷重およびスラスト荷重を受けてステータを回転自在に支承する軸受に、ステンレス製の内輪、外輪および転動体、並びに樹脂製の保持器で構成された玉軸受を用いており、この玉軸受は、内輪、外輪および転動体の少なくとも一つの部材に、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されているので、吐出圧力が高くラジアル荷重が大きい場合や、例えば1.7m/sを超える高周速であっても、無潤滑でステータをスムーズに回転させることができる。
特に、内輪、外輪および転動体の少なくとも一つの部材を、食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜で被覆することで、ダイヤモンドライクカーボン膜の摩擦係数が0.15以下と小さく、また、ビッカース硬度も1000〜3500HVと高硬度であることから、摺動面が長期の使用で摩耗した場合であっても、例えばセラミクスコーティングの場合のように被膜が剥離して、食品に混入することが防止または抑制される。また、仮に摩耗した場合であっても、摩耗粉が3μm以下の食品衛生法に適合した微細粉であることから、食品圧送の用途でも安心して使用することができる。なお、ダイヤモンドライクカーボン膜の厚さが1μm未満であると、摺動面が長期の使用で摩耗し易くなるし、また、3μmを超えると、剥離した摩耗粉が大きくなるので、食品圧送の用途で好ましくない。
ここで、本発明の一態様に係る一軸偏心ねじポンプにおいて、スラスト荷重を受けるステータ端面に、ステンレス製の軸側軌道盤、ハウジング側軌道盤および転動体、並びに樹脂製の保持器で構成されたスラスト玉軸受を用い、該スラスト玉軸受は、前記軸側軌道盤、ハウジング側軌道盤および転動体の少なくとも一つの部材に、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されていることは好ましい。また、本発明の一態様に係る一軸偏心ねじポンプにおいて、スラスト荷重を受けるステータ端面に、樹脂製の軸側軌道盤およびハウジング側軌道盤、並びにステンレス製またはセラミックス製の転動体で構成したされたスラスト玉軸受を用いていることは好ましい。
このような構成であれば、吐出圧力の能力をさらに高くして、より大きなスラスト荷重が発生した場合であっても、ステータをスムーズに回転させる上でより好適である。
上述のように、本発明によれば、吐出圧力が高くラジアル荷重が大きい場合であっても、無潤滑でステータをスムーズに回転させることができる。また、長期の使用で摩耗した場合でも、食品への摩耗粉の混入が防止または抑制され、仮に摩耗した場合であっても、食品圧送の用途でも安心して使用することができる。
本発明に係る一軸偏心ねじポンプの第一実施形態の側面図である。なお、同図では要部を軸線に沿った断面にて示している(以下同様)。 本発明に係る一軸偏心ねじポンプの第二実施形態の側面図である。 駆動軸とロータとの間に自在継手を用いた、従来の一軸偏心ねじポンプの側面図である。 従来のステータ回転型の一軸偏心ねじポンプの側面図である。 従来のステータ回転型の一軸偏心ねじポンプの側面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、この一軸偏心ねじポンプ1は、不図示のモータが収容されるブラケット11を有する。ブラケット11には、モータの駆動軸側の面11aにハウジング7が装着されている。ハウジング7は、吸込側(同図の右側)から順に、吸込部7a、本体部7bおよび吐出部7cを備えて構成されている。ハウジング7の吸込部7aには圧送流体の吸込口8が形成され、また、吐出部7cには圧送流体の吐出口9が形成されている。そして、この一軸偏心ねじポンプ1は、このハウジング7内に、雄ねじ状のロータ2と、雌ねじ状の内面をもつステータ4とを備えている。
ロータ2は、先端側の雄ねじ状の螺旋部2aと、直線状の基端部2bとから構成されている。基端部2bは、自在継手(ユニバーサルジョイント)を用いることなくモータの駆動軸に直結されている。螺旋部2aは自身の回転軸線L2に対して偏心した円形断面を有し、この螺旋部2aが、雌ねじ状の長円形断面を内面に形成したステータ4に内装されている。ロータ2の回転軸線L2は、ステータ4の回転軸線L1に対して、所定の偏心量Eだけ偏心するように配置されており、ロータ2が回転しつつステータ4の軸心に対して偏心運動を行うことによって流体を吸入側から吐出側へ圧送可能になっている。
ここで、上記ステータ4は、その両端が玉軸受30,30によって回転自在に支承されている。玉軸受30,30は、ステンレス製の内輪34、外輪38および転動体であるボール36、並びに樹脂製の保持器32で構成されている。内輪34、外輪38およびボール36の少なくとも一つの部材には、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されている。本実施形態では、内輪34、外輪38およびボール36に、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されている。
ステータ4は、ゴム製のステータ内筒4aと、このステータ内筒4aの外周面にインロー嵌合して嵌め込まれて接着された略円筒状をなす金属製のステータ外筒4bとからなる。ステータ内筒4a内部に形成される螺旋部4eは、その雌ねじ状のピッチがロータ2の螺旋部2aの2倍である。ステータ外筒4bは、食品衛生法に適合したステンレス製である。ステータ外筒4bは、外周面の中央部に、上記玉軸受30,30との軸方向での当接面をつくる凸部4mが環状に形成されている。また、ステータ外筒4b外周面は、凸部4mの両側が、玉軸受30,30に対する径方向の支承面4cとされている。各玉軸受30,30は、ステータ外筒4bの両端の支承面4cに対してそれぞれ配置され、各玉軸受30,30の内輪34の内周面に支承面4cが嵌め込まれている。また、ハウジング7を構成する本体部7bの内周面には、凹の段部21が形成されており、玉軸受30,30は、その外輪38の外周面が凹の段部21の径方向を向く面に内嵌されることでラジアル方向の荷重を受けるようになっている。
また、上記凸部4mの側面4uと、この側面4uに対向するハウジング7側の凹の段部21の側面7tとにより、玉軸受30,30の軸方向での支承部が形成される。つまり、各玉軸受30,30は、側面4uと側面7tとの対向面間に位置するよう介装され、内輪34の内側面が側面4uに支承されるとともに外輪38の外側面が側面7tに支承される。これにより、玉軸受30,30は、ステータ4にかかるラジアル荷重およびスラスト荷重を受けてステータ4を上記ハウジング7内に回転自在に支承している。
なお、ステータ外筒4bの両端部4dとハウジング7との間(相互の軸直方向対向面間)には、サニタリー性を有する円環状のシール部材17,18が吸入側および吐出側それぞれに、ハウジング7との間を密封するように介装されている。
次に、この一軸偏心ねじポンプ1、およびそのステータ4の支承構造の作用・効果について説明する。
この一軸偏心ねじポンプ1は、駆動軸に直結された雄ねじ状のロータ2と雌ねじ状の内面を有するステータ4とを備え、ステータ4が玉軸受30,30を介して回転可能に支承されるとともに、回転軸線L1がロータ2の回転軸線L2に対して偏心して配置され、ロータ2が回転しつつステータ4の軸心に対して偏心運動を行うことによって流体を吸入側から吐出側へ圧送する構成なので、モータの駆動軸によってロータ2を回転させると、ロータ2はその回転軸線L2を中心として回転し、ロータ2の螺旋部2aの動きに伴ってステータ4もその回転軸線L1を中心としてロータ2の回転と同期して従動回転することにより、圧送流体を吸込口8から吐出口9へ圧送することができる。
そのため、自在継手を用いない構成とすることができ、構造が簡単である。特に圧送流体として食品を圧送する場合においては、自在継手のデッドスペースの洗浄の問題も解消されるので、駆動軸とロータとの間に自在継手を介在させた従来の一軸偏心ねじポンプと比べて分解組立性や清掃性・洗浄性を向上させることができる。
そして、この一軸偏心ねじポンプ1によれば、ステータ4を回転自在に支承する軸受を、上述した玉軸受30,30によってラジアル方向の荷重とスラスト方向の荷重を支承する構成としたので、各軸受30,30によってラジアル方向の荷重とスラスト方向の荷重を同時に支持することができる。そのため、分解組立性や清掃性・洗浄性を向上させつつも、摩擦抵抗を抑制することができる。
そして、この一軸偏心ねじポンプ1によれば、玉軸受30,30に、ステンレス製の内輪34、外輪38および転動体であるボール36、並びに樹脂製の保持器32で構成された玉軸受を用いており、この玉軸受30は、内輪34、外輪38およびボール36に、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されているので、吐出圧力が高くラジアル荷重が大きい場合や、1.7m/sを超える高周速であっても、無潤滑でステータ4をスムーズに回転させることができる。
特に、玉軸受30の内輪34、外輪38およびボール36の少なくとも一つの部材を、食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜で被覆することで、ダイヤモンドライクカーボン膜の摩擦係数が0.15以下と小さく、また、ビッカース硬度も1000〜3500HVと高硬度であることから、長期の使用で摩耗した場合でも、膜厚を1μm以上とすることで、摺動面が長期の使用で摩耗した場合であっても例えばセラミクスコーティングの場合のように被膜が剥離して、食品に混入することが防止または抑制される。また、仮に摩耗した場合であっても、摩耗粉が3μm以下の食品衛生法に適合した微細粉であることから、食品圧送の用途でも安心して使用することができる。
なお、本発明に係る一軸偏心ねじポンプは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
例えば、上記実施形態では、ステータ4を回転自在に支承する軸受を、玉軸受30,30のみによって支承する例で説明したが、これに限らず、例えば図2に第二実施形態を示すように、玉軸受30,30に加えて、スラスト荷重を受けるステータ端面に、更にスラスト玉軸受を用いてもよい。
同図に示す例では、玉軸受30,30のうち、吸込口8側の玉軸受30と吸込部7aの端面間に、スラストワッシャ41を介してスラスト玉軸受40を更に装着している点が上述の第一実施形態と異なる。スラストワッシャ41は、玉軸受30側の面に段部が形成されることで玉軸受30とは内輪34の端面にのみ当接している。スラスト玉軸受40は、ステンレス製の軸側軌道盤44、ハウジング側軌道盤48および転動体であるボール46、並びに樹脂製の保持器42で構成されている。そして、吸込部7aの端面には、凹の段部7uが形成され、この段部7uにハウジング側軌道盤48の側面が当接されるとともにスラストワッシャ41の吸込口8側を向く面に軸側軌道盤44の側面が当接され、これにより、ステータ端面のスラスト荷重を受けている。
ここで、このスラスト玉軸受40は、軸側軌道盤44、ハウジング側軌道盤48およびボール46の少なくとも一つの部材に、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されている。本実施形態のスラスト玉軸受40は、軸側軌道盤44、ハウジング側軌道盤48およびボール46に、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されている。
したがって、この第二実施形態に示す一軸偏心ねじポンプ1によれば、吐出圧力の能力をさらに高くして、より大きなスラスト荷重が発生した場合であっても、ステータをスムーズに回転させることができる。
なお、第二実施形態の一軸偏心ねじポンプ1では、スラスト玉軸受40が、軸側軌道盤44、ハウジング側軌道盤48およびボール46の少なくとも一つの部材に、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されている例で説明したが、本発明はこれに限らず、スラスト玉軸受40として、樹脂製の軸側軌道盤およびハウジング側軌道盤、並びにステンレス製またはセラミックス製の転動体で構成したスラスト玉軸受を用いてもよい。このような構成であっても、吐出圧力の能力をさらに高くして、より大きなスラスト荷重が発生した場合であっても、ステータをスムーズに回転させることができる。
1 一軸偏心ねじポンプ
2 ロータ
4 ステータ
4a ステータ内筒
4b ステータ外筒
7 ハウジング
8 吸込口
9 吐出口
11 ベースブラケット
17、18 シール部材
30 玉軸受
32 保持器
34 内輪
36 ボール(転動体)
38 外輪
40 スラスト玉軸受
42 保持器
44 ハウジング側軌道盤
46 ボール(転動体)
48 ハウジング側軌道盤

Claims (3)

  1. 回転可能に支承されるステータと、駆動軸に固定されたロータとを備え、前記ロータの回転軸線が前記ステータの回転軸線から所定距離偏心するように構成された一軸偏心ねじポンプにおいて、
    前記ステータにかかるラジアル荷重およびスラスト荷重を受けて前記ステータを回転自在に支承する軸受に、ステンレス製の内輪、外輪および転動体、並びに樹脂製の保持器で構成された玉軸受を用い、該玉軸受は、前記内輪、外輪および転動体の少なくとも一つの部材に、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されていることを特徴とする一軸偏心ねじポンプ。
  2. スラスト荷重を受けるステータ端面に、ステンレス製の軸側軌道盤、ハウジング側軌道盤および転動体、並びに樹脂製の保持器で構成されたスラスト玉軸受を用い、該スラスト玉軸受は、前記軸側軌道盤、ハウジング側軌道盤および転動体の少なくとも一つの部材に、イオンプレーティング法によって成膜される食品衛生法に適合した1〜3μmのダイヤモンドライクカーボン膜が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の一軸偏心ねじポンプ。
  3. スラスト荷重を受けるステータ端面に、樹脂製の軸側軌道盤およびハウジング側軌道盤、並びにステンレス製またはセラミックス製の転動体で構成したされたスラスト玉軸受を用いていることを特徴とする請求項1に記載の一軸偏心ねじポンプ。
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