JP2012004157A - 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物体に対するパターンの転写のための走査露光中にマスクを温度調整する。
【解決手段】マスクを用いてステップ・アンド・スキャン方式の露光を行って、マスクに形成されたパターンを物体上に転写する際に、マスクの表面の温度分布の目標から定まるマスク上での平均熱伝達率分布の目標h(y)とマスクRの滞在確率分布P(Y)とから求まる熱伝達率分布H(Y)に従ってマスクを温度調整する。これにより、スループットを落とすことなくマスクを温度調整することが可能になる。
【選択図】図7

Description

本発明は、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法に係り、さらに詳しくは、半導体素子(集積回路)、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するためのリソグラフィ工程で用いられる露光装置及び露光方法、並びに該露光方法を利用するデバイス製造方法に関する。
半導体素子(集積回路)、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するためのリソグラフィ工程で用いられる投影露光装置では、集積回路の微細化に対応して高解像度を実現するため、その露光波長をより短波長側にシフトしてきた。現在、その波長はKrFエキシマレーザの248nm、又はこれより短波長の真空紫外域に属するArFエキシマレーザの193nmが主流となっている。
投影露光装置では、回路素子のレイヤ(層)間の位置合わせ(重ね合わせ)に関して、非常に高い精度が要求されるとともに、高いスループットが要求される。このため、露光光の照度は次第に大きくなる傾向にある。今や、積極的にパターン原版であるマスク(レチクル)の冷却を行わないと、マスクの熱膨張による変形により、要求される重ね合わせ精度を満たすことが困難になっている。
また、近年では、高解像度を得るため、高NA化及び低収差化が容易な小視野の投影光学系を用いて実質的に大きな露光フィールドを得ることができる走査型投影露光装置(例えばいわゆるスキャナなど)が主流となっている。
従来においても、例えば露光光の照射とレチクルの温度との関係を予め求めておき、露光光の照射回数が予め定めた閾値を超えたとき、その直後の露光停止時、例えばウエハ交換時などに停止状態にあるマスクを冷却する方法、例えば温度制御された空気(気体)を吹き付ける方法(例えば、特許文献1参照)などが提案されている。しかるに、スキャナにおいても、スループット向上の観点から、レチクルステージは高速化かつ高加速度化する傾向にあり、そのため、単位時間にレチクルに照射される露光エネルギ量は増大化している。このため、例えばウエハ交換時間などの限られた時間でレチクルを十分に冷却するには、温度差の大きい冷却装置で急激に冷却することが必要となるが、この場合雰囲気の温度変化が周辺の計測器などに対する外乱となる。一方、冷却装置をレチクルに合わせて移動させることは、レチクルステージの不要な大型化を招く。
特開2010−80855号公報
本発明の第1の態様によれば、パターンが形成されたマスクを照明光により照明しつつ、前記マスクと物体とを同期して走査方向に駆動して前記パターンを前記物体上に転写する露光装置であって、前記マスクを保持して前記所定方向に移動する移動体と;前記移動体上に保持された前記マスクに対向して配置された温調部材を有し、前記マスクを温度調整する温調装置と;前記パターンの転写時に、前記マスクの表面の温度分布に応じた熱伝達率分布に従って前記温調装置により前記マスクが温度調整されるように、前記温調装置を制御する制御装置と;を備える露光装置が、提供される。
本明細書において、温度調整は、通常の意味、すなわち冷却及び/又は加熱(加温)を意味する。
これによれば、スループットを低下させることなくマスクを適切に温度調整することが可能になる。
本発明の第2の態様によれば、パターンが形成されたマスクを照明光により照明しつつ、前記マスクと物体とを同期して走査方向に駆動して前記パターンを前記物体上に転写する露光方法であって、前記走査方向に移動する移動体上に保持された前記マスクに対向して配置された温調部材を用いて、前記パターンの転写時に、前記マスクの表面の温度分布に応じた熱伝達率分布に従って前記マスクを温度調整する露光方法が、提供される。
これによれば、スループットを低下させることなくマスクを適切に温度調整することが可能になる。
本発明の第3の態様によれば、本発明の露光方法を用いて物体上にパターンを転写することと;前記パターンが転写された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法が、提供される。
一実施形態の露光装置の構成を概略的に示す図である。 レチクルステージ装置を示す斜視図である。 図3(A)はレチクルステージの構成を一部破砕して示す平面図、図3(B)は図3(A)のB−B線に沿って断面したレチクルステージ装置の縦断面図である。 図1の露光装置のレチクルステージ装置近傍を示す縦断面図である。 レチクルエンコーダシステムの構成を説明するための図である。 図1の露光装置の制御系を中心的に構成する主制御装置の入出力関係を示すブロック図である。 図7(A)は固定空間上での熱伝達率分布を示す図、図7(B)はレチクルの滞在確率分布を示す図、図7(C)はレチクル上での平均熱伝達率分布を示す図である。 図8(A)は平均熱伝達率分布の目標の一例を示す図、図8(B)は目標から求められた熱伝達率分布を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8(B)に基づいて説明する。
図1には、一実施形態の露光装置100の構成が概略的に示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる)である。後述するように本実施形態では、投影光学系PLが設けられており、以下においては、この投影光学系PLの光軸AX方向をZ軸方向、これに直交する面内でレチクルRとウエハWとが相対走査される方向(図1における紙面内左右方向)をY軸方向、これらZ軸及びY軸に直交する方向(図1における紙面直交方向)をX軸方向として説明を行なう。
露光装置100は、照明ユニットIOP、レチクルRをY軸方向(走査方向)に所定のストロークで駆動するとともに、X軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微少駆動するレチクルステージ装置20、投影光学系PL、ウエハWをXY平面内でXY2次元方向に駆動するウエハステージWST、及びこれらの制御系、並びにレチクルステージ装置20及び投影光学系PLを保持するコラム34等を備えている。
照明ユニットIOPは、光源及び照明光学系を含み、その内部に配置された視野絞り(マスクキングブレード又はレチクルブラインドとも呼ばれる)により規定される矩形又は円弧状の照明領域に照明光(露光光)ILを照射し、回路パターンが形成されたレチクルRを均一な照度で照明する。照明ユニットIOPと同様の照明系は、例えば米国特許第5,534,970号明細書などに開示されている。ここでは、一例として照明光ILとして、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられるものとする。また、照明光学系内部に配置されたビームスプリッタにより照明光ILの一部が取り出され、インテグレータセンサとも呼ばれるパワーモニタからの照度信号が、主制御装置50に与えられている。
レチクルステージ装置20は、照明ユニットIOPの下方に所定間隔を隔ててほぼ平行に配置されたレチクルステージ定盤RBS、該レチクルステージ定盤RBS上に配置されたレチクルステージRST、該レチクルステージRSTを取り囲む状態でレチクルステージ定盤RBS上に配置された枠状部材から成るカウンタマス18、及びレチクルステージRSTを駆動するレチクルステージ駆動系340(図6参照)等を備えている。
レチクルステージ定盤RBSは、図1に示されるように、コラム34の天板部32a上に複数(例えば3つ)の防振ユニット14を介して略水平に支持されている。レチクルステージ定盤RBS上に、レチクルステージRSTが配置され、レチクルステージRST上にレチクルRが保持されている。なお、レチクルステージ装置20の具体的な構成等については後にさらに詳述する。
投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向の共通の光軸を有する複数のレンズ(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。投影光学系PLは、例えば、両側テレセントリックで所定の投影倍率(例えば1/4あるいは1/5)を有する。このため、照明ユニットIOPからの照明光ILによって照明領域が照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のレチクルの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の投影像)が、投影光学系PLの第2面(像面)側に配置され、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の照明領域に共役な領域(露光領域)に形成される。
そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してレチクルを走査方向(Y軸方向)に相対移動するとともに、露光領域(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動することで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では、照明ユニットIOP及び投影光学系PLによって、ウエハW上にレチクルRのパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。投影光学系PLの鏡筒の高さ方向のほぼ中央に、フランジFLGが設けられている。
コラム34は、床面Fにその下端部が固定された複数(例えば3本)の脚部32b(図1における紙面奥側の脚部は不図示)と、複数の脚部32bにより床面F上方で支持された天板部32aとを含んでいる。天板部32aの中央部には、上下方向(Z軸方向)に貫通した開口34aが形成されている。
天板部32aの下面側に一端が固定された3つの吊り下げ支持機構137(ただし紙面奥側の吊り下げ支持機構は不図示)の他端がフランジFLGに接続され、これにより投影光学系PLが吊り下げ支持されている。3つの吊り下げ支持機構137のそれぞれは、柔構造の連結部材であるコイルばね136とワイヤ135とを含む。コイルばね136は、投影光学系PLの光軸(Z軸)に垂直な方向には振り子のように振動するため、投影光学系PLの光軸に垂直な方向の除振性能(床の振動が投影光学系PLに伝達するのを防止する性能)を有している。また、光軸に平行な方向に関しても、高い除振性能を有している。
また、コラム34の脚部32bのそれぞれのZ軸方向に関する中央部近傍には凸部134aが形成され、凸部134aのそれぞれと投影光学系PLのフランジFLGの外周部との間には、駆動系440が設けられている。駆動系440は、投影光学系PLを鏡筒の半径方向に駆動するボイスコイルモータと、投影光学系PLを光軸方向(Z軸方向)に駆動するボイスコイルモータとを含んでいる。駆動系440により投影光学系PLを6自由度方向に駆動できる構成となっている。
投影光学系PLのフランジFLGには、投影光学系PLの6自由度方向の加速度を検出するための加速度センサ234(図1では不図示、図6参照)が設けられており、加速度センサ234で検出される加速度情報に基づいて、主制御装置50(図1では不図示、図6参照)が、投影光学系PLがコラム34及び床面Fに対して静止した状態となるように駆動系440のボイスコイルモータの駆動を制御する。
投影光学系PLのフランジFLGの下面からは、リング状の計測マウント51が複数(ここでは例えば3本)の支持部材53(ただし、紙面奥側の支持部材は不図示)を介して吊り下げ支持されている。3本の支持部材53は、実際には、その両端部に支持部材53の長手方向以外の5自由度の変位が可能なフレクシャ部を有するリンク部材を含んで構成され、計測マウント51とフランジFLGとの間に応力がほとんど生じることなく計測マウント51を支持することができるようになっている。
計測マウント51には、ウエハ干渉計58や、アライメント系ALG(図1では不図示、図6参照)、不図示の多点焦点位置検出系などが保持されている。アライメント系としては、例えば米国特許第5,721,605号明細書などに開示される画像処理方式のFIA系を用いることができる。また、多点焦点位置検出系としては、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示される多点焦点位置検出系を用いることができる。
ウエハステージWSTは、投影光学系PLの下方に水平に配置されたステージ定盤BSの上面に、その底面に設けられたエアベアリングなどを介して浮上支持されている。
ここで、ステージ定盤BSは、直接的に床面F上に据え付けられており、その+Z側の面(上面)は、その平坦度が非常に高くなるように加工されており、ウエハステージWSTの移動基準面(ガイド面)とされている。
ウエハステージWSTは、ウエハホルダ125を介してウエハWを真空吸着等により保持し、主制御装置50により、ウエハステージ駆動系122(図1では不図示、図6参照)を介して、ステージ定盤BSの上面に沿ってXY平面内で自在に駆動されるようになっている。
次に、レチクルステージ装置20及びその近傍の構成部分について詳述する。
図2にはレチクルステージ装置20が斜視図にて示されている。レチクルステージ定盤RBSは、平面視(上方から見て)略長方形の板状部材から成り、その中央部には、照明光ILの通路となる開口RBSa(図1及び図3(B)等参照)が形成されている。開口RBSaは、前述した天板部32aの開口34aとZ軸方向に連通した状態となっている。また、レチクルステージ定盤RBSの上面の、中心から−X方向及び+X方向に等距離離れた位置には、凸状部分RBSb、RBSc(図3(B)参照)がY軸方向に延設されている。凸状部分RBSb,RBScの上面(+Z側の面)は、平坦度が非常に高くなるように加工され、レチクルステージRSTの移動の際のガイド面が形成されている。
また、レチクルステージ定盤RBSの上面の外周部近傍には、不図示ではあるが、所定間隔で複数のエアパッドが固定されている。これらの複数のエアパッド上にカウンタマス18が配置されている。これらの複数のエアパッドの一部、例えばレチクルステージ定盤RBSの4隅にあるエアパッドは、カウンタマス18の自重をレチクルステージ定盤RBSの上面(+Z側の面)上で非接触で支持している。残りのエアパッドは、真空吸引力と吹き出し圧力とのバランスの調整が可能であり、カウンタマス18の下面とレチクルステージ定盤RBSの上面との間を所定間隔に維持している。
レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間に設けられた図1に示される複数(ここでは例えば3つ)の防振ユニット14は、それぞれがエアダンパ又は油圧式のダンパ等の機械式のダンパを含んでいる。防振ユニット14により、エアダンパ又は油圧式のダンパによって比較的高周波の振動がレチクルステージRSTへ伝達するのを回避することができる。また、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間には、レチクルステージ定盤RBSにX軸方向の駆動力を作用させるXボイスコイルモータ66X、Y軸方向の駆動力を作用させるYボイスコイルモータ66Y、及びZ軸方向の駆動力を作用させるZボイスコイルモータ66Z(いずれも、図2では不図示、図6参照)が設けられている。
これらボイスコイルモータとしては、例えば、Xボイスコイルモータ66XとYボイスコイルモータ66Yの少なくとも一方を2つ、Zボイスコイルモータ66Zを3つ設けることとすることができる。すなわち、Xボイスコイルモータ66XとYボイスコイルモータ66Yの少なくとも一方を2つ設けることで、レチクルステージ定盤RBSをX軸方向及びY軸方向のみならず、Z軸回りの回転方向(θz方向)にも微小駆動することが可能であり、また、Zボイスコイルモータ66Zを3つ設けることで、レチクルステージ定盤RBSをZ軸方向のみならず、X軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向)にも微小移動することが可能である。従って、ボイスコイルモータ66X,66Y,66Zにより、レチクルステージ定盤RBSを6自由度方向に微小駆動することが可能である。なお、レチクルステージ定盤RBSの位置は、定盤干渉計240やZエンコーダ81(いずれも図6参照)により投影光学系PLを基準として計測される。
ここで、例えば3つのZボイスコイルモータ66Zは、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間の一直線上に無い3箇所に設けられている。この3つのZボイスコイルモータ66Zに加えて、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間に、変形抑制部材(例えばボイスコイルモータなど)を複数配置しても良い。このようにすると、Zボイスコイルモータ66Zのみにより、レチクルステージ定盤RBSをZ軸方向、θx方向、θy方向に移動させた場合に、Zボイスコイルモータ66Zの推力の作用点同士が離れていることに起因して撓みやねじれが発生するような場合でも、主制御装置50が、3つのZボイスコイルモータ66Zの発生推力に応じて、その複数の変形抑制部材の発生する推力を制御(推力分配)することで、レチクルステージ定盤RBSを、その変形が極力抑制された状態でZ、θx、θy方向に移動させることが可能となる。
レチクルステージRSTは、図2に示されるように、レチクルステージ本体22と、レチクルステージ本体22のX軸方向の両端部に固定された一対の可動子30A,30Bを備えている。
レチクルステージ本体22は、図3(A)に拡大して示されるように、平面視(上方から見て)矩形状の板状部22と、板状部22の±X端にそれぞれ固定されたY軸方向を長手方向とする直方体状のエアスライダ部22,22とを有している。ここで、板状部22のほぼ中央には、照明光ILの通路となる開口22a(図3(B)参照)が形成されている。
板状部22上面の開口22aのX軸方向の両側の部分には、レチクルRの裏面を吸着保持する一対のバキュームチャック95,96が配置されている。
また、板状部22上面の開口22aの−Y側の部分には、一対のストッパ(位置決め部材)93,94が、X軸方向に関して所定距離(レチクルRのX軸方向に関する幅より幾分短い距離)隔てて配置され、固定されている。これらのストッパ93,94は、レチクルRの−Y側の端面(側面)に当接してそのレチクルRを位置決めする。
また、板状部22上面の開口22aの+Y側の部分には、一対の回動アームから成るクランパ(押圧部材)91、92が取り付けられている。クランパ91、92は、それぞれストッパ93、94と組を成し、レチクルRをY軸方向の一側と他側から挟持するクランプ装置を、それぞれ構成する。
一方のクランパ91は、X軸方向を長手方向とし、その−X端を支点(回転中心)として回動可能に板状部22に取り付けられている。また、このクランパ91の−Y側の面の+X端部には、ストッパ93に対向してほぼ半球状の凸部が設けられている。そして、このクランパ91は、その凸部がレチクルRの+Y側の端面に圧接するように、不図示のゼンマイバネなどから成る付勢部材によって時計回りに常に付勢されている。他方のクランパ92は、左右対称ではあるが、クランパ91と同様に構成されている。
レチクルRは、開口22aを上方から塞ぐ状態で、板状部22(レチクルステージRST)上に載置されている。そして、レチクルRは、その−Y側の面がストッパ93,94に接触して位置決めされ、クランパ91,92により+Y側の面に所定の押圧力が加えられて固定される。レチクルRは、このようにしてクランパ91,92及びストッパ93,94によって固定された後、バキュームチャック95,96により、その下面のX軸方向両端部が吸着される。レチクルRをレチクルステージRST上からアンロードする場合には、吸着を解除した後、クランパ91,92を付勢力に抗して、レチクルRから離し、例えば上方から吸盤等でレチクルRの上面(パターン面と反対側の面)を吸着して持ち上げるなどすれば良い。なお、クランパ91,92を常時付勢する構成に換えて、アクチュエータ(例えばモータあるいはエアシリンダなど)により、クランパ91,92の半球状凸部が、レチクルRに当接する第1位置と、レチクルRから離間する第2位置とで切り替え可能な構成を採用しても良い。また、回動式に限らず、スライド式のクランパを用いることもできる。
その他、板状部22上には、各種計測部材が設けられている。例えば、板状部22の開口22aの±Y側には、X軸方向を長手方向とする矩形状の開口がそれぞれ形成されている。これらの開口を上方から塞ぐ状態で、空間像計測用基準マークが形成されたレチクルフィデューシャルマーク板(以下、「レチクルマーク板」と略述する)LF1,LF2が、レチクルRと並ぶように配置され、板状部22に固定されている。このレチクルマーク板LF1,LF2は、レチクルRと同材質のガラス素材、例えば合成石英やホタル石、フッ化リチウムその他のフッ化物結晶などから構成されている。レチクルマーク板の詳細については、例えば米国特許出願公開第2002/0041377号明細書等に開示されている。
本実施形態では、図3(B)から分かるように、レチクルRは、そのパターン面(下面)がレチクルステージ本体22(レチクルステージRST)の中立面(レチクルステージ本体22の重心を通るXY平面に平行な面)に略一致する状態で支持される。
エアスライダ部22,22は、図3(A)にエアスライダ部22について、その上面の一部を破砕して示されるように、その内部に強度を維持するための格子状のリブが設けられ、この格子状のリブによってその内部空間が区画された中空部材から成る。換言すれば、エアスライダ部22,22は、軽量化を図るべく、リブ部のみが残るように肉抜きされた直方体状の部材から成る。
エアスライダ部22,22の底面のX軸方向の外側半部、すなわち図3(B)に示されるようにレチクルステージ定盤RBSの前述の凸状部分RBSc、RBSbに対向する部分には、表面絞り溝を有する給気溝と排気溝(いずれも不図示)とが、Y軸方向の全長に渡って形成されている。また、給気溝と排気溝とのそれぞれの少なくとも一部に対向してレチクルステージ定盤RBSの凸状部分RBSc、RBSbの上面に、給気口と排気口とがそれぞれ形成されている。このように、本実施形態では、いわゆる定盤給気タイプの差動排気型気体静圧軸受が用いられている。定盤給気タイプの差動排気型気体静圧軸受の詳細は、例えば米国特許第7,489,389号明細書などに詳細に開示されている。
本実施形態では、給気口を介して供給され表面絞り溝から凸状部分RBSa、RBSbの上面に噴き付けられる加圧気体の静圧と、レチクルステージRST全体の自重とのバランスにより、凸状部分RBSa、RBSbの上に数ミクロン程度のクリアランスを介して、レチクルステージRSTが非接触で浮上支持される。ここで、加圧気体としては、クリーンドライエア(CDA)、窒素、又はヘリウムなどの希ガスなどが用いられる。
一対の可動子30A、30Bのそれぞれは、図2に示されるように、エアスライダ部22の+X側の面、エアスライダ部22の−X側の面に固定されている。
可動子30A,30Bは、それぞれ所定の位置関係で配置された複数の磁石を内蔵する磁石ユニットによって構成されている。可動子30A,30Bのそれぞれは、図2に示されるように、一対の固定子40A、40Bに係合している。
固定子40A、40Bは、図2に示されるように、カウンタマス18内部のX軸方向の一側と他側にそれぞれ配置され、カウンタマス18に固定支持されている。
本実施形態では、固定子40Aとこれに係合する可動子30Aとにより、レチクルステージRSTをY軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、X軸方向にも微少駆動するムービングマグネット型の第1のXY駆動リニアモータが構成されている。同様に、固定子40Bとこれに係合する可動子30Bとにより、レチクルステージRSTをY軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、X軸方向にも微少駆動するムービングマグネット型の第2のXY駆動リニアモータが構成されている。そして、これら第1、第2のXY駆動リニアモータにより、レチクルステージRSTをY軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、X軸方向及びθz方向にも微少駆動するレチクルステージ駆動系340(図6参照)が構成されている。また、レチクルステージ駆動系340は、レチクルステージRSTの重心を含む中立面内でレチクルステージを駆動する。レチクルステージ駆動系340を構成する各コイルに供給される電流の大きさ及び方向が、主制御装置50によって制御される。
本実施形態では、図4に示されるように、照明ユニットIOPの下端(射出端)に位置する光透過窓部材(例えば、ガラス板又はレンズなど)を照明ユニットIOPのハウジングに固定するための環状の固定部材90の下方に、パージカバー80が設けられている。パージカバー80は、平面視でX軸方向に細長い矩形の筒状部82と、筒状部82の上端部に設けられたフランジ部82と、筒状部82の下端から+Y方向及び−Y方向にそれぞれ延設された一対のプレート部823、82とを有している。
フランジ部82は、その上面が、固定部材90の下面に固定されている。筒状部82は、照明ユニットIOPからの射出される照明光ILの照射領域を取り囲んでいる。筒状部82は、照明ユニットIOPからレチクルRに照射される照明光ILを妨げないようにY軸方向の両側壁がテーパ部となっている。筒状部82のX軸方向の長さは、レチクルステージRSTのエアスライダ部22,22の外縁間のX軸方向に関する距離より幾分長く設定されている。
プレート部82は、筒状部82の+Y側の下端から+Y側に向かって延びるXY平面に平行なプレート状の部分である。このプレート部823の下面に、板状の冷却部材(温調部材)110Aが固定されている。冷却部材110Aの下面は、レチクルステージRSTの上端面より僅かに高い位置に位置している。冷却部材110Aの下面には、レチクルステージRST上に保持されたレチクルRの上面に向けて冷却気体(温調気体)を噴出するための吹き出し口84、84が、筒状部82の近傍にY軸方向に所定間隔で設けられている。ここで、吹き出し口84,84はX軸方向に延びるラインスリットであり、レチクルRのX軸方向のほぼ全域に渡って冷却気体を噴出可能に構成されている。
プレート部82は、筒状部82の−Y側の下端から−Y側に向かって延びるXY平面に平行なプレート状の部分である。このプレート部82の下面に、板状の冷却部材(温調部材)110Bが固定されている。冷却部材110Bの下面は、冷却部材110Aの下面と同一面上に位置している。冷却部材110Aの下面には、レチクルステージRST上に保持されたレチクルRの上面に向けて冷却気体を噴出するための吹き出し口84、84が、それぞれ吹き出し口84、84と同様に構成され、対称の配置で設けられている。なお、吹き出し口84〜84を、ラインスリットではなく、X軸方向に所定間隔で配列された複数の開口部によって構成しても良い。
吹き出し口84〜84は、温調気体供給装置28(図6参照)にそれぞれ配管(不図示)を介して接続されている。温調気体供給装置28は、冷却気体の温調装置、供給ポンプ及び流量調整弁を有し、主制御装置50の指令に応じ、吹き出し口84〜84のそれぞれに独立に温度調整された気体(温調気体)を供給する。また、温調気体供給装置28は、それぞれの吹き出し口に供給する気体の流量も流量調整弁の開度を制御することで調整可能(制御可能)である。吹き出し口84〜84に供給される気体の温度及び流量は、それぞれ温度センサ(不図示)及び流量計(不図示)を介して温調気体供給装置28に内蔵されたコントローラに監視されている。温調気体供給装置28のコントローラは温調気体の温度と流量の監視結果に基づいて、後述するように吹き出し口84〜84のそれぞれに供給する気体、すなわち吹き出し口84〜84のそれぞれから吹き出される気体の温度及び流量を主制御装置50からの目標と一致するように制御する。本実施形態では、温調気体として、露光装置100の本体が収容された不図示のチャンバ内の温度、例えば22.5℃の近傍の所定の範囲内の温度(ここでは、22.5℃以下の温度)に調整された空気、例えばクリーンドライエア(CDA)が用いられる。
なお、吹き出し口84〜84の開口部を、開度が調整可能な構成として、その開口部の開度を制御することで、吹き出し口84〜84から吹き出される気体の流量を調整する構成を採用しても良い。
また、レチクルステージRSTの+Y側の端部には、その上端と先端とを覆う側面視L字状の端部カバー23が取り付けられている。同様に、レチクルステージRSTの−Y側の端部には、その上端と先端とを覆う側面視L字状の端部カバー23が取り付けられている。
この場合、端部カバー23は、エアスライダ部22,22の+Y側の端面及び上面の+Y端部を覆い、端部カバー23は、エアスライダ部22,22の−Y側の端面及び上面の−Y端部を覆う。このため、レチクルRの載置された空間は、前後左右の四方を、端部カバー23、23及びエアスライダ部22,22によって囲まれている。
本実施形態では、冷却部材110Aの下面と端部カバー23との間、及び冷却部材110Bの下面と端部カバー23との間には、それぞれ所定のクリアランス、例えば数μm〜数mm(最大でも3mm)のクリアランスが形成されている。
冷却部材110A、110BのX軸方向の長さは、筒状部82のX軸方向の長さと同程度又は僅かに短く設定されている。また、冷却部材110Aは、レチクルステージRSTのY軸方向に関する移動範囲内では、その位置にかかわらず、その下面が端部カバー23に対し少なくとも一部対向し得るように、そのY軸方向の長さが設定されている。同様に、冷却部材110Bは、レチクルステージRSTのY軸方向に関する移動範囲内では、その位置にかかわらず、その下面が端部カバー23に対し少なくとも一部対向し得るように、そのY軸方向の長さ及び設置位置が設定されている。
以上のようにして、本実施形態では、パージカバー80と、冷却部材110A,110Bと、端部カバー23、23と、エアスライダ部22,22と、レチクルRとによって、ほぼ気密状態の空間181が形成されている。この空間181内に、パージガスとして、例えば装置温度22.5℃に温度調整されたクリーンドライエア(CDA)が、不図示の供給口から供給され、不図示の排気口を介して外部に排気されている。すなわち、空間181の内部ガス(空気)が、CDAでパージされている。CDAは、レチクル(マスク)のヘイズ生成反応加速物質である水蒸気を含む割合が、通常の空気に比べて極端に小さい。空間181は、ほぼ気密状態のパージ室となっている。以下では、この空間を第1のパージ空間181と呼ぶ。
また、レチクルステージ定盤RBSと投影光学系PLとの間は、図3(B)に示されるように、非接触シールの一種であるラビリンスシールLBを介してシールされている。図3(B)に示されるラビリンスシールLBは、開口RBSaの周囲を取り囲む状態で、レチクルステージ定盤RBSと投影光学系PLとの間に取り付けられている。この場合、ラビリンスシールLBは、レチクルステージ定盤RBSの下面に開口RBSaの周囲を取り囲む状態でその上端が固定された環状の上部材と、該上部材に非接触で係合し、上面部材60を取り囲む状態でその下面が投影光学系PLの上面に固定された下側部材とを有している。上部材は、−Z方向から見て同心でかつ多重の突起部を有し、下部材は、上部材より僅かに外側に位置し、上部材に非接触で係合する+Z方向から見て同心でかつ多重の突起部を有する。ただし、2つの突起部は、レチクルステージ定盤RBSが微小駆動されても、互いに接触することなく、常時非接触で係合する。
このため、本実施形態では、図4に示されるように、レチクルR及びレチクル本体部22と、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaの内壁面と、投影光学系PLの上面と、ラビリンスシールLBとで区画されたほぼ気密状態の空間182が形成されている。この空間182の内部にレチクルステージ定盤RBSの開口RBSaの内壁面の一部に設けられた吹き出し口192(図3(B)参照)からCDAが供給され、不図示の排気口を介して外部に排気されている。すなわち、空間182の内部ガス(空気)が、CDAでパージされている。空間182は、ほぼ気密状態のパージ室となっている。以下では、この空間を第2のパージ空間182と呼ぶ。
エアスライダ部22,22の底面には、図3(B)に示されるように、それぞれ、グレーティングRG1,RG2がY軸方向のほぼ全長に渡って延接されている(図5参照)。グレーティングRG1,RG2のそれぞれの表面には、X軸方向及びY軸方向を周期方向とする2次元グレーティングが形成されている。
投影光学系PLの最上面には、図5に示されるような中央に矩形の開口PLaが形成された平面視六角形の上面部材60が、固定されている(図3(B)参照)。開口PLaは、レチクルRのパターン面を透過し、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaを透過した照明光ILの光路(通路)となる。上面部材60の上面のX軸方向の両端部(開口PLaの両側)に各3つのエンコーダヘッド72,73,74、及び77,78,79が固定されている。エンコーダヘッド72,77は開口PLaの+Y側の角部近傍に、エンコーダヘッド74,79は−Y側の角部近傍に、エンコーダヘッド73,78は開口PLaの中心(すなわち投影光学系PLの光軸)と同じY位置に、配置されている。
各3つのエンコーダヘッド72,73,74、及び77,78,79は、それぞれ、前述したグレーティングRG1,RG2に対向している。
本実施形態では、エンコーダヘッド72〜74,77〜79として、グレーティング(計測面)に平行な一方向(グレーティングの一周期方向)と、計測面に垂直な方向との二方向を計測方向とする2次元エンコーダヘッドが採用されている。この2次元エンコーダヘッドとしては、例えば米国特許7,561,280号明細書に開示されるヘッドを用いることができる。
ここで、4つのエンコーダヘッド72,74,77,79はY軸方向とZ軸方向とを計測方向とし、2つのエンコーダヘッド73,78はX軸方向とZ軸方向とを計測方向とする。
エンコーダヘッド72,73,74は、図3(B)に示されるように、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaを介して、レチクルステージRST(エアスライダ部22)の底面のグレーティングRG1に計測ビームを下方から照射し、グレーティングRG1にて発生する複数の回折光を受光して、それぞれの計測方向に関するグレーティングRG1(すなわちレチクルステージRSTのエアスライダ部22)の位置情報を求める(計測する)。これらのエンコーダヘッド72,73,74から第1エンコーダシステム71(図6参照)が構成され、その計測情報は主制御装置50(図6参照)に送られている
エンコーダヘッド77,78,79は、上述のエンコーダヘッド72,73,74と同様に、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaを介して、レチクルステージRST(エアスライダ部22)の底面のグレーティングRG2に計測ビームを下方から照射し、グレーティングRG2にて発生する複数の回折光を受光して、それぞれの計測方向に関するグレーティングRG2(すなわちレチクルステージRSTのエアスライダ部22)の位置情報を求める(計測する)。これらのエンコーダヘッド77,78,79から第2エンコーダシステム76(図6参照)が構成され、その計測情報は主制御装置50(図6参照)に送られる。
主制御装置50は、第1及び第2エンコーダシステム71,76(エンコーダヘッド72〜74,77〜79)の計測情報に基づいて、投影光学系PLの中心(光軸)を基準とするレチクルステージRSTの6自由度方向に関する位置情報を求める(算出する)。主制御装置50は、その結果に基づいて、前述のレチクルステージ駆動系340を介して、レチクルステージRSTを駆動(制御)する。なお、第1及び第2エンコーダシステム71,76を含んで、レチクルエンコーダシステム70が構成されている(図6参照)。
図6には、本実施形態の露光装置100の制御系を中心的に構成する主制御装置50の入出力関係が、ブロック図にて示されている。主制御装置50は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含み、装置全体を統括して制御する。
上述のようにして構成された露光装置100による露光動作の流れについて簡単に説明する。
まず、主制御装置50の管理の下、不図示のレチクルローダによって、レチクルステージRST上へのレチクルRのロード、及び不図示のウエハローダによって、ウエハステージWST上へのウエハWのロードが行なわれ、また、アライメント系ALG(図6参照)及びレチクルアライメント系(不図示)等を用いて、例えば米国特許第5,646,413号明細書などに開示される所定の手順に従ってレチクルアライメント、アライメント系ALGのベースライン計測等の準備作業が行なわれる。なお、レチクルアライメント系に代えて、ウエハステージWST上に設けられた不図示の空間像計測器を用いてレチクルアライメントを行っても良い。
その後、主制御装置50により、アライメント系ALGを用いて例えば米国特許第4,780,617号明細書などに開示されているEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等のウエハアライメントが実行され、ウエハアライメントの終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式と同様であるのでその説明は省略する。
また、主制御装置50は、露光動作中、レチクルステージ定盤RBSが所定の状態を維持するように、定盤干渉計240の計測結果に基づいて上述したXボイスコイルモータ66X,Yボイスコイルモータ66Yを制御するとともに、Zエンコーダ81の計測結果に基づいてZボイスコイルモータ66Zを制御してレチクルステージ定盤RBSのZ方向及びθx、θy方向に関する位置を調整することにより、間接的にレチクルRのZ方向及びθx、θy方向に関する位置を調整する。
この露光動作にあたって、主制御装置50の管理の下、ウエハステージWSTとレチクルステージRSTとがY軸方向に相対駆動されるが、その際には、主制御装置50は、レチクルエンコーダシステム70の計測結果に基づいて、レチクルステージ駆動系340を制御し、レチクルステージRSTを駆動する。このとき、レチクルステージRSTが、Y軸方向に関して移動可能な範囲のほぼ全域を往復移動するが、この移動によって、パージ空間182は勿論、パージ空間181においても、その気密状態が維持され、CDAパージが効果的に行われる。また、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作では、レチクルステージRSTがY軸方向に関して往復移動動作を繰り返すが、このとき、主制御装置50の指示に応じ温調気体供給装置28により、Y軸方向に離れて設けられた一対の冷却部材110A,110Bを介して、すなわち吹き出し口84〜84を介してレチクルステージRST上に保持されたレチクルRに温調気体(CDA)が吹き付けられて、効率良く、レチクルR及びレチクルステージRSTの温度調整(冷却)が行われる。
次に、本実施形態におけるレチクルRの温調方法及びその原理について説明する。図7(A)には、吹き出し口84〜84を介して温調気体(CDA)を吹き付けることによる固定空間(XY座標系)上での熱伝達率分布(冷却率分布)H(Y)の一例が示されている。前述の通り、吹き出し口84〜84はX軸方向に関してレチクルRの幅をカバーしているので、熱伝達率分布H(Y)はX位置に対して一様である。従って、ここでは、Y軸方向の熱伝達率分布H(Y)のみを考える。
熱伝達率分布H(Y)は、吹き出し口84〜84のそれぞれから温調気体(例えば22.5℃以下のCDA)が吹き出されることから、吹き出し口84〜84の近傍にて熱伝達率が高くなり、4つのピークをもつこととなる。それぞれのピークの強度及び広がりは、温調気体供給装置28(のコントローラ)により、それぞれ独立に温調気体の温度、流量が制御されることで、調整される。
レチクルステージRST上に保持されたレチクルRは、熱伝達率分布H(Y)の雰囲気中を移動することにより、その表面が温調気体(冷却気体)にさらされて温度調整(冷却)される。ここで、レチクルRの冷却速度(レチクル内の熱伝導速度)は、レチクルRの移動速度に比べてはるかに遅い。そこで、時間平均の熱伝達(冷却)効率ないしは平均熱伝達率分布を考える必要がある。
図7(B)には、レチクルRのY位置に関する存在確率分布(滞在確率分布)P(Y)が示されている。ここで、滞在確率分布P(Y)とは、全体座標系のある一点とレチクル上のある一点が一致している時間の分布を意味し、別の表現をすれば、Y位置を中心とする単位区間内にレチクルRが滞在する時間を意味する。滞在確率分布P(Y)は、本実施形態ではレチクルステージRSTの速度の絶対値の逆数により与えられる。ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作では、レチクルステージRSTがY軸方向に関して往復移動動作を繰り返すため、移動ストローク端では減速することにより滞在時間が長くなり、移動ストローク端以外では目標スキャン速度(一定速度)を維持するため滞在時間が短く一定になる。
吹き出し口84〜84を介して冷却気体(CDA)を吹き付けることによるレチクルR上での平均熱伝達率分布h(y)は、次のように、熱伝達率分布H(Y)と滞在確率分布P(Y)との畳み込み積分より求められる。
h(y)=∫dYH(Y)P(Y−y) …(1)
ここで、yはレチクルR上でのY軸方向の座標である。
図7(C)に、図7(A)の熱伝達率分布H(Y)と図7(B)の滞在確率分布P(Y)から求められる平均熱伝達率分布h(y)が示されている。式(1)から分かるように、熱伝達率分布H(Y)の高いY位置に、長時間滞在するレチクルRのy部分について、平均熱伝達率分布h(y)が高くなる。
本実施形態では、上述の熱伝達率分布H(Y)と平均熱伝達率分布h(y)との関係を利用して、レチクルRに形成されたデバイスパターンに応じて熱伝達率分布H(Y)を適切に定める。
デバイスパターンに応じて、レチクルR上での光透過率分布が一意に定まる。光透過率の低い部分は、照明光ILを強く吸収するため温度が高くなり、光透過率の高い部分は、照明光ILの吸収が弱いため温度は低くなる。そこで、光透過率分布に基づいてレチクルR上での温度分布の目標を定め、それに基づいてレチクルR上での平均熱伝達率分布h(y)の目標h(y)を定める。
目標h(y)はレチクルRに応じて一意に定まるので、前もってデータベースに格納されていることとする。また、滞在確率分布P(Y)も、露光処理の内容(レチクルステージRSTの駆動スケジュール)より定まるので、前もってデータベースに格納されていることとする。主制御装置50は、ロット処理に先立って、データベースからレチクルRに対応する目標h(y)と対応する滞在確率分布P(Y)を取得する。
図8(A)に、定められた平均熱伝達率分布の目標h(y)の一例が示されている。
主制御装置50は、目標h(y)と滞在確率分布P(Y)とを式(1)に代入し、逆畳み込み積分より、熱伝達率分布H(Y)を求める。図8(B)に、求められた熱伝達率分布H(Y)が示されている。熱伝達率分布H(Y)では、吹き出し口84に対応する熱伝達率が低く、吹き出し口84〜84のほぼ直下でのみ分布を有する。
温調気体供給装置28は、主制御装置50からの指示に応じ、求められた熱伝達率分布H(Y)を再現するように、吹き出し口84〜84のそれぞれに供給される(吹き出し口84〜84のそれぞれから吹き出される)気体(冷却気体)の温度と流量を制御する。具体的には、温調気体供給装置28は、吹き出し口84からの気体の噴出量を下げる又は温度を上げ、吹き出し口84〜84の開口をY軸方向に狭めることにより、熱伝達率分布H(Y)を再現する。
本実施形態では、吹き出し口84〜84は、照明光ILの照明領域(光路)を除く滞在確率分布P(Y)の高い位置に配置されている。これにより、式(1)の関係から明らかなように、平均熱伝達率分布h(y)が高くなり、効率良くレチクルRを温度調整(冷却)することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の露光装置100によると、主制御装置50により、レチクルRに形成されたパターンをウエハ上に転写するためのレチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期移動中に、レチクルRの表面の温度分布に応じた熱伝達率分布に従って温調気体(冷却気体)によりレチクルRの冷却が行われるように、レチクルRに対向する吹き出し口84〜84のそれぞれから吹き出される温調気体の温度及び流量が個別に制御される。従って、スループットを低下させることなくレチクルを適切に冷却(温度調整)することが可能となり、結果的に要求される重ね合わせ精度を満たすことも可能になる。
なお、上記実施形態では、冷却部材110A、110Bとして冷却気体を吹付けてレチクルRを冷却するものを例示したが、冷却部材110A、110Bを、ペルチェ素子等を用いた近接冷却デバイスで構成しても良い。この場合、近接冷却デバイスは、その冷却面が、レチクルステージRST上のレチクルRと僅かな間隙を挟んでレチクルRの上面に対向するように配置される。この場合、温度又はレチクルRとの間隔の少なくとも一方が個別に制御可能な複数のペルチェ素子がアレー状に配列された近接冷却デバイスを用いることとしても良い。このようにすると、上述した熱伝達率分布H(Y)を容易に再現することができる上、冷却装置の温度制御の応答が早くなり、レチクルRの表面の温度分布をより所望の分布に近づくような細かな温度制御が可能になる。この他、上記実施形態の冷却気体を用いる冷却装置と近接冷却デバイスとを併用することも可能である。
また、温調気体の吹き出し口、冷却装置は、必要数設けることとし、さらにレチクルRの位置に応じて移動可能に構成することとしても良い。
なお、上記実施形態では、レチクルRの温度調整の一例としてレチクルRを冷却する場合について説明したが、これに限らず、レチクルRを加熱する、あるいはレチクルRを冷却するとともに加熱することとしても良い。例えば、レチクルRは、照明光ILの照射により熱変形するが、その変形は非等方的及び非均一的である。従って、レチクルRが均等的かつ全体的に均一に膨張するように、レチクルRの一部を局所的に加熱する、あるいはレチクルRの一部を冷却し、他の一部を加熱しても良い。一例として、温調装置として加熱、あるいは加熱及び冷却が可能な温調装置を用い、マスク(レチクル)の表面の温度分布に応じた熱伝達率分布に従って温調装置によりマスクが、上述のように温度調整されるように、制御装置が、温調装置を制御するようにすることができる。ここで、上記実施形態と同様に、気体(CDA等)を吹き付ける装置の場合、その気体の温度を装置内温度より高く設定することで、マスク(レチクル)の加熱(加温)も行うことができる。また、近接デバイスにより、マスク(レチクル)の温度調整を行う場合、例えば冷却、加熱など温度制御を自由に行える半導体素子であるペルチェモジュールを用いることができる。このペルチェモジュールに直流電流を流すことで、素子の両面に温度差が発生し、低温側で吸熱、高温側で発熱が起こり、ペルチェモジュールの低温側から高温側へと熱を押し上げる(すなわちヒートポンプの役目をする)。また、電流の極性を変えるだけでポンピングする熱の方向を変え、また与える電流の大きさを変えることで、ポンピングされる熱量の大きさを変えることができる。
また、上記実施形態では、温調気体とパージガスとが同一ガスである場合について説明したが、これに限らず、パージガスと温調気体とは異なる種類のガスであっても良い。
なお、上記実施形態において、レチクルRの温度を計測する、例えば放射温度計などを設け、該放射温度計で計測される温度に基づきレチクルRに与えられる熱量を予測し、その結果に基づいて平均熱伝達率分布の目標h(y)を定めることとしても良い。
また、上記実施形態では、第1のパージ空間181及び第2のパージ空間182が、ともにCDAでパージされる場合について説明したが、これに限らず、第1のパージ空間181と第2のパージ空間182とで用いるパージガスの種類を異ならせても良い。また、パージガスとしては、CDAのように水蒸気を含む割合が通常の空気に比べて小さいガスを用いても良いが、これに限らず、ヘイズ原因物質、例えば硫酸アンモニウム又は炭酸アンモニウム、炭化水素、カルボン酸、シアヌル酸、又は他の炭素を含有する分子などの分子状汚染物質を含まず、かつ照明光ILを殆ど吸収しない、窒素やヘリウムなどの希ガスを、パージガスとして用いても良い。
なお、上記実施形態では、レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報をレチクルエンコーダシステム70により求める(計測する)場合について例示したが、これに限らず、レチクルエンコーダシステム70に代えて、あるいはレチクルエンコーダシステム70とともに、干渉計システムを用いて計測しても良い。
なお、上述の実施形態の露光装置は、液体(水)を介さずにウエハWの露光を行うドライタイプの露光装置であったが、これに限らず、上記実施形態を、例えば国際公開第99/049504号、欧州特許出願公開第1,420,298号明細書、国際公開第2004/055803号、米国特許第6,952,253号明細書などに開示されているように、投影光学系とウエハとの間に照明光の光路を含む液浸空間を形成し、投影光学系及び液浸空間の液体を介して照明光でウエハを露光する露光装置に適用することもできる。また、例えば米国特許出願公開第2008/0088843号明細書などに開示される、液浸露光装置などにも、適用することができる。
また、上記実施形態では、露光装置が、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置であるものとしたが、これに限らず、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置、プロキシミティー方式の露光装置、又はミラープロジェクション・アライナーなどであっても良い。さらに、例えば米国特許第6,590,634号明細書、米国特許第5,969,441号明細書、米国特許第6,208,407号明細書などに開示されているように、複数のウエハステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも上記実施形態を適用できる。また、例えば国際公開第2005/074014号などに開示されているように、ウエハステージとは別に、計測部材(例えば、基準マーク、及び/又はセンサなど)を含む計測ステージを備える露光装置にも適用が可能である。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系は屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、照明光ILとしては、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に限らず、F2レーザ光(波長157nm)などの他の真空紫外光は勿論、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、あるいは超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(波長436nmのg線、波長365nmのi線等)を用いることも可能である。また、真空紫外光としては、例えば米国特許第7,023,610号明細書などに開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外域に波長変換した高調波を用いても良い。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書などに開示されているように、2つのレチクルパターンを投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記実施形態を適用することができる。
なお、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものではなく、ガラスプレート、セラミック基板、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
また、上記実施形態の露光装置は、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
本発明の露光装置は、物体上にパターンを転写するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの製造に適している。
28…温調気体供給装置、50…主制御装置、84〜84…吹き出し口、100…露光装置、110A,110B…冷却部材、R…レチクル、W…ウエハ、RST…レチクルステージ、IOP…照明ユニット、IL…照明光、PL…投影光学系。

Claims (23)

  1. パターンが形成されたマスクを照明光により照明しつつ、前記マスクと物体とを同期して走査方向に駆動して前記パターンを前記物体上に転写する露光装置であって、
    前記マスクを保持して前記所定方向に移動する移動体と;
    前記移動体上に保持された前記マスクに対向して配置された温調部材を有し、前記マスクを温度調整する温調装置と;
    前記パターンの転写時に、前記マスクの表面の温度分布に応じた熱伝達率分布に従って前記温調装置により前記マスクが温度調整されるように、前記温調装置を制御する制御装置と;を備える露光装置。
  2. 前記マスクの表面の温度分布に応じた熱伝達率分布は、前記マスクの表面の温度分布の目標と前記マスクの滞在確率分布とから定められる請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記マスクの表面の温度分布は、前記熱伝達率分布と前記滞在確率分布との畳み込み積分から得られる前記マスクの表面上での平均熱伝達率分布より定まり、
    前記熱伝達率分布は、前記マスクの表面の温度分布の目標から定まる前記平均熱伝達率分布と前記滞在確率分布との逆畳み込み積分から求められる請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記マスクの表面の温度分布の目標は、前記マスクの光透過率分布に基づいて定められる請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記マスクの滞在確率分布は、前記温調部材に対する前記移動体の相対速度の逆数により定められる請求項2〜4のいずれか一項に記載の露光装置。
  6. 前記温調部材は、前記照明光の照射領域を除く、前記移動体の前記走査方向の移動ストローク内に配置される請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 前記温調部材は、前記走査方向に関して前記照明領域の一側と他側にそれぞれ少なくとも各1つ配置される請求項6に記載の露光装置。
  8. 前記温調部材は、前記マスクの滞在確率の高い位置に配置される請求項6又は7に記載の露光装置。
  9. 前記温調装置は、前記温調部材に前記走査方向関して離れて配置された複数の吹き出し口から温調気体を吹き出し、
    前記制御装置は、前記熱伝達率分布に応じて前記温調気体の温度と吹き出し量との少なくとも一方を調整する請求項1〜8のいずれか一項に記載の露光装置。
  10. 前記吹き出し口は、前記マスクの前記走査方向と垂直な方向の全域に渡って配置される請求項9に記載の露光装置。
  11. 前記移動体の前記走査方向の移動ストローク内の照明領域を含む部分にはパージ空間が形成され、
    前記温調気体として、前記マスクのヘイズを抑制するため前記パージ空間内に供給されるパージガスと同一種類のガスが用いられる請求項9又は10に記載の露光装置。
  12. 前記温調部材は、前記マスクに対向して2次元配列された複数のペルチェ素子を含み、
    前記制御装置は、前記熱伝達率分布に応じて前記複数のペルチェ素子の温度及び前記マスクとの間隔の少なくとも一方を調整する請求項1〜8のいずれか一項に記載の露光装置。
  13. パターンが形成されたマスクを照明光により照明しつつ、前記マスクと物体とを同期して走査方向に駆動して前記パターンを前記物体上に転写する露光方法であって、
    前記走査方向に移動する移動体上に保持された前記マスクに対向して配置された温調部材を用いて、前記パターンの転写時に、前記マスクの表面の温度分布に応じた熱伝達率分布に従って前記マスクを温度調整する露光方法。
  14. 前記マスクの表面の温度分布に応じた熱伝達率分布は、前記マスクの表面の温度分布の目標と前記マスクの滞在確率分布とから定められる請求項13に記載の露光方法。
  15. 前記マスクの表面の温度分布は、前記熱伝達率分布と前記滞在確率分布との畳み込み積分から得られる前記マスクの表面上での平均熱伝達率分布より定まり、
    前記熱伝達率分布は、前記マスクの表面の温度分布の目標から定まる前記平均熱伝達率分布と前記滞在確率分布との逆畳み込み積分から求められる請求項14に記載の露光方法。
  16. 前記マスクの表面の温度分布の目標は、前記マスクの光透過率分布に基づいて定められる請求項15に記載の露光方法。
  17. 前記マスクの滞在確率分布は、前記温調部材に対する前記移動体の相対速度の逆数により定められる請求項14〜16のいずれか一項に記載の露光方法。
  18. 前記温調部材は、前記照明光の照射領域を除く、前記移動体の前記走査方向の移動ストローク内に配置される請求項13〜17のいずれか一項に記載の露光方法。
  19. 前記温調部材は、前記走査方向に関して前記照明領域の一側と他側にそれぞれ少なくとも各1つ配置される請求項18に記載の露光方法。
  20. 前記温調部材は、前記マスクの滞在確率の高い位置に配置される請求項18又は19に記載の露光方法。
  21. 前記熱伝達率分布に従って、前記温調部材に前記走査方向関して離れて配置された複数の吹き出し口のそれぞれから吹き出される温調気体の温度と噴出量の少なくとも一方を調整する請求項13〜20のいずれか一項に記載の露光方法。
  22. 前記温調気体として、前記移動体の前記走査方向の移動ストローク内の照明領域を含むパージ空間内に前記マスクのヘイズを抑制するために供給されるパージガスと同一種類のガスが用いられる請求項18〜20のいずれか一項に記載の露光方法。
  23. 請求項13〜22のいずれか一項に記載の露光方法を用いて物体上にパターンを転写することと;
    前記パターンが転写された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法。
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