JP2012028530A - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レチクルを温度調整する。
【解決手段】温度調整装置アッセンブリ86を、ブロック86に設けられた気体静圧軸受86を用いてレチクルRとの間に所定のクリアランスを介して、レチクルR上に非接触浮上させ、温度調整装置86aをレチクルRの表面に近接させる。これにより、温度調整装置86aとの接触によるレチクルRの損傷を回避しつつ、レチクルRを温度調整することが可能となる。また、温度調整装置86aは、レチクルRの全面に対向可能な温度調整面を有しているので、レチクルRの全面を一度に温度調整することが可能になる。
【選択図】図13

Description

本発明は、露光装置及びデバイス製造方法に係り、さらに詳しくは、半導体素子(集積回路)、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するためのリソグラフィ工程で用いられる露光装置、及び該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
半導体素子(集積回路)、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するためのリソグラフィ工程で用いられる投影露光装置では、集積回路の微細化に対応して高解像度を実現するため、その露光波長をより短波長側にシフトしてきた。現在、その波長はKrFエキシマレーザの248nm、又はこれより短波長の真空紫外域に属するArFエキシマレーザの193nmが主流となっている。
投影露光装置では、回路素子のレイヤ(層)間の位置合わせ(重ね合わせ)に関して、非常に高い精度が要求されるとともに、高いスループットが要求される。このため、露光光の照度は次第に大きくなる傾向にある。今や、積極的にパターン原版であるマスク(レチクル)の冷却を行わないと、マスクの熱膨張による変形により、要求される重ね合わせ精度を満たすことが困難になっている。
また、近年では、高解像度を得るため、高NA化及び低収差化が容易な小視野の投影光学系を用いて実質的に大きな露光フィールドを得ることができる走査型投影露光装置(例えばいわゆるスキャナなど)が主流となっている。
従来においても、例えば温度制御された空気(気体)をマスクに吹き付けて冷却する方法(例えば、特許文献1参照)などが提案されている。しかるに、スキャナにおいても、スループット向上の観点から、マスクステージは高速化かつ高加速度化する傾向にあり、そのため、単位時間にマスクに照射される露光エネルギ量は増大化している。このため、マスクに照射される露光エネルギ量が大きくなるほど、マスクを十分に冷却するには、装置内の空調の目標温度との温度差がより大きい空気(気体)を吹き付けることが必要になるが、この場合雰囲気の温度変化が周辺の計測器などに対する外乱となる。
特開2010−80855号公報
本発明の第1の態様によれば、パターンが形成されたマスクと物体とを同期駆動しつつ前記マスクを介して照明光を前記物体に照射することにより、前記パターンを前記物体上に転写する露光装置であって、前記マスクを保持して前記同期駆動時の移動方向である所定平面内の少なくとも一軸方向に移動する移動体と;前記マスクの全面に対向可能な温度調整面を有し、前記マスクが第1位置に位置したとき、前記所定平面と交差する方向に離間した第2位置から移動して前記温度調整面が前記マスクの一面に所定のクリアランスを介して対向する位置まで前記マスクに接近する温度調整装置と;を備える露光装置が、提供される。
これによれば、マスクが第1位置に位置したとき、温度調整装置は、所定平面と交差する方向に離間した第2位置から移動して前記温度調整面が前記マスクの一面に所定のクリアランスを介して対向する位置まで前記マスクに接近する。また、温度調整装置は、マスクの全面に対向可能な温度調整面を有しているので、上記の接近状態(接触することなく)で、マスクの全面を一度に温度調整することが可能になる。
本発明の第2の態様によれば、本発明の露光装置を用いて物体上にパターンを転写することと;前記パターンが転写された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法が、提供される。
一実施形態の露光装置の構成を概略的に示す図である。 図1のレチクルステージ装置の外観を示す斜視図である。 天板及び8本の支持脚を取り去った状態のレチクルステージ装置を示す斜視図である。 図4(A)はレチクルステージを示す平面図、図4(B)はレチクルステージ装置をXZ平面にて断面した断面図である。 図1の露光装置のレチクルステージ装置近傍を示す縦断面図である。 温度調整装置アッセンブリの構成を説明するための図である。 図6の温度調整装置の一例を説明するための図である。 レチクルエンコーダシステムの構成を説明するための図である。 図1の露光装置の制御系を中心的に構成する主制御装置の入出力関係を示すブロック図である。 図10(A)及び図10(B)は、レチクルの交換方法を説明するための図(その1、その2)である。 図11(A)及び図11(B)は、レチクルの交換方法を説明するための図(その3、その4)である。 図12(A)及び図12(B)は、温度調整装置を用いたレチクルの温度調整方法を説明するための図(その1、その2)である。 図13(A)及び図13(B)は、温度調整装置を用いたレチクルの温度調整方法を説明するための図(その3、その4)である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図13(B)に基づいて説明する。
図1には、一実施形態の露光装置100の構成が概略的に示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる)である。後述するように本実施形態では、投影光学系PLが設けられており、以下においては、この投影光学系PLの光軸AX方向をZ軸方向、これに直交する平面内でレチクルとウエハとが相対走査される方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、照明ユニットIOP、レチクルRを保持してXY平面に平行な面内で移動するレチクルステージRSTを含むレチクルステージ装置20、投影光学系PL、ウエハWをXY2次元方向に駆動するウエハステージWST、及びこれらの制御系、並びにレチクルステージ装置20及び投影光学系PLを保持するコラム34等を備えている。
照明ユニットIOPは、光源及び照明光学系を含み、その内部に配置された視野絞り(マスクキングブレード又はレチクルブラインドとも呼ばれる)により設定される矩形又は円弧状の照明領域に照明光(露光光)ILを照射し、回路パターンが形成されたレチクルRを均一な照度で照明する。照明ユニットIOPと同様の構成は、例えば米国特許第5,534,970号明細書などに開示されている。ここでは、一例として照明光ILとして、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられるものとする。
レチクルステージ装置20は、照明ユニットIOPの下方に所定間隔を隔ててほぼ水平に配置されたレチクルステージ定盤RBS、該レチクルステージ定盤RBS上に配置されたレチクルステージRST、該レチクルステージRSTを取り囲む状態でレチクルステージ定盤RBS上に配置された枠状部材から成るカウンタマス18、レチクルステージRSTを駆動するレチクルステージ駆動系340(図9参照)、及びカウンタマス18の上に所定のクリアランスを介して略水平に配置された天板(カバー部材)80等を備えている。
レチクルステージ定盤RBSは、図1に示されるように、コラム34の天板部32a上に複数(例えば3つ)の防振ユニット14(図1における紙面奥側の防振ユニットは不図示)を介して略水平に支持されている。レチクルステージ定盤RBS上に、レチクルステージRSTが配置され、レチクルステージRST上にレチクルRが保持されている。なお、レチクルステージ装置20の具体的な構成等については後にさらに詳述する。
投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向の共通の光軸を有する複数のレンズ(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。投影光学系PLは、例えば、両側テレセントリックで所定の投影倍率(例えば1/4あるいは1/5)を有する。このため、照明ユニットIOPからの照明光ILによって照明領域が照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の投影像)が、投影光学系PLの第2面(像面)側に配置され、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の照明領域に共役な領域(露光領域)に形成される。
そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動するとともに、露光領域(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動することで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では、照明ユニットIOP及び投影光学系PLによって、ウエハW上にレチクルRのパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。
投影光学系PLの鏡筒の高さ方向のほぼ中央には、フランジFLGが設けられている。
コラム34は、床面Fにその下端部が固定された複数(例えば3本)の脚部32b(図1における紙面奥側の脚部は不図示)と、3本の脚部32bにより略水平に支持された天板部32aとを含んでいる。天板部32aの中央部には、上下方向(Z軸方向)に貫通した開口34aが形成されている。開口34a内に投影光学系PLの上端部が挿入されている。
天板部32aの下面側に一端が固定された3つの吊り下げ支持機構137(ただし紙面奥側の吊り下げ支持機構は不図示)の他端がフランジFLGに接続され、これにより投影光学系PLが天板部32aに吊り下げ支持されている。3つの吊り下げ支持機構137のそれぞれは、柔構造の連結部材であるコイルばね136とワイヤ135とを含む。コイルばね136は、投影光学系PLの光軸(Z軸)に垂直な方向には振り子のように振動するため、投影光学系PLの光軸に垂直な方向の除振性能(床の振動が投影光学系PLに伝達するのを防止する性能)を有している。また、光軸に平行な方向に関しても、高い除振性能を有している。
また、コラム34の各脚部32bのZ軸方向に関する中央部近傍には凸部134aが内側に突設され、各凸部134aと投影光学系PLのフランジFLGの外周部との間には、駆動系440が設けられている。駆動系440は、投影光学系PLを鏡筒の半径方向に駆動するボイスコイルモータと、投影光学系PLを光軸方向(Z軸方向)に駆動するボイスコイルモータとを含んでいる。3本の脚部32bに設けられた3つの駆動系440により投影光学系PLを6自由度方向に変位させることができる。
投影光学系PLのフランジFLGには、投影光学系PLの6自由度方向の加速度を検出するための加速度センサ234(図1では不図示、図9参照)が設けられており、加速度センサ234で検出される加速度情報に基づいて、主制御装置50(図1では不図示、図9参照)が、投影光学系PLがコラム34及び床面Fに対して静止した状態となるように駆動系440のボイスコイルモータの駆動を制御する。
投影光学系PLのフランジFLGの下面からは、リング状の計測マウント51が複数(ここでは例えば3本)の支持部材53(ただし、紙面奥側の支持部材は不図示)を介して吊り下げ支持されている。3本の支持部材53は、実際には、その両端部に支持部材53の長手方向以外の5自由度方向の変位が可能なフレクシャ部を有するリンク部材を含んで構成され、計測マウント51とフランジFLGとの間に応力が殆ど生じることなく計測マウント51を支持することができるようになっている。
計測マウント51には、ウエハ干渉計58、ウエハアライメント系(以下、アライメント系と称する)ALG(図1では不図示、図9参照)、及び不図示の多点焦点位置検出系などが保持されている。アライメント系ALGとしては、例えば米国特許第5,721,605号明細書などに開示される画像処理方式のFIA系を用いることができる。また、多点焦点位置検出系としては、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示される多点焦点位置検出系を用いることができる。
ウエハステージWSTは、投影光学系PLの下方に水平に配置されたステージ定盤BSの上面に、その底面に設けられたエアベアリングなどを介して浮上支持されている。
ここで、ステージ定盤BSは、直接的に床面F上に据え付けられており、その+Z側の面(上面)は、その平坦度が非常に高くなるように加工されており、ウエハステージWSTの移動基準面(ガイド面)とされている。
ウエハステージWSTは、ウエハホルダ125を介してウエハWを真空吸着等により保持し、主制御装置50により、ウエハステージ駆動系122(図1では不図示、図9参照)を介して、ステージ定盤BSの上面に沿ってXY平面内で自在に駆動されるようになっている。
次に、レチクルステージ装置20及びその近傍の構成部分について詳述する。
図2には、レチクルステージ装置20の外観が斜視図にて示されている。カウンタマス18の上面と僅かな間隙を介してカウンタマス18の全面を覆う天板80が、コラム34の天板部32a上に、8本の支持脚80を介して略水平に支持されている。天板80のほぼ中央には、照明光ILの通路となる開口80aが形成されている。開口80aの周囲部分の天板80の上面に、後述するパージカバー82の下端が接続されている(図5参照)。天板80の−Y側の端部近傍には、図2に示されるように、レチクルRの搬出入口88aが形成されている。搬出入口88aは、スライド式の開閉部材(シャッタ)88によって開閉される。また、シャッタ88の上方には、後述する温度調整装置86aが配置されている(図1参照)。
図3には、天板80及び8本の支持脚80を取り去った状態のレチクルステージ装置が斜視図にて示されている。レチクルステージ定盤RBSは、平面視(上方から見て)略長方形の板状部材から成り、その中央部には、照明光ILの通路となる開口RBSa(図1及び図4(B)等参照)が形成されている。開口RBSaは、前述した天板部32aの開口34aとZ軸方向に連通した状態となっている。また、レチクルステージ定盤RBSの上面の、中心から−X方向及び+X方向に等距離離れた位置には、凸状部分RBSb、RBSc(図4(B)参照)がY軸方向に延設されている。凸状部分RBSb,RBScの上面(+Z側の面)は、平坦度が非常に高くなるように加工され、レチクルステージRSTの移動の際のガイド面が形成されている。
また、レチクルステージ定盤RBSの上面の外周部近傍には、不図示ではあるが、所定間隔で複数のエアパッドが固定されている。これらの複数のエアパッド上にカウンタマス18が配置されている。これらの複数のエアパッドの一部、例えばレチクルステージ定盤RBSの4隅にあるエアパッドは、カウンタマス18の自重をレチクルステージ定盤RBSの上面(+Z側の面)上で非接触で支持している。残りのエアパッドは、真空吸引力と吹き出し圧力とのバランスの調整が可能であり、カウンタマス18の下面とレチクルステージ定盤RBSの上面との間を所定間隔に維持している。
レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間に設けられた図1に示される複数(ここでは例えば3つ)の防振ユニット14は、それぞれがエアダンパ又は油圧式のダンパ等の機械式のダンパを含んでいる。この防振ユニット14により、エアダンパ又は油圧式のダンパによって比較的高周波の振動がレチクルステージRSTへ伝達するのを回避することができる。また、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間には、レチクルステージ定盤RBSにX軸方向の駆動力を作用させるXボイスコイルモータ66X、Y軸方向の駆動力を作用させるYボイスコイルモータ66Y、及びZ軸方向の駆動力を作用させるZボイスコイルモータ66Z(いずれも、図3では不図示、図9参照)が設けられている。
これらボイスコイルモータとしては、例えば、Xボイスコイルモータ66XとYボイスコイルモータ66Yの少なくとも一方を2つ、Zボイスコイルモータ66Zを3つ設けることとすることができる。すなわち、Xボイスコイルモータ66XとYボイスコイルモータ66Yの少なくとも一方を2つ設けることで、レチクルステージ定盤RBSをX軸方向及びY軸方向のみならず、θz方向にも微小駆動することが可能であり、また、Zボイスコイルモータ66Zを3つ設けることで、レチクルステージ定盤RBSをZ軸方向のみならず、θx方向及びθy方向にも微小移動することが可能である。従って、ボイスコイルモータ66X,66Y,66Zにより、レチクルステージ定盤RBSを6自由度方向に微小駆動することが可能である。なお、レチクルステージ定盤RBSの位置は、定盤干渉計240及びZエンコーダ81(いずれも図9参照)により投影光学系PLを基準として計測される。
ここで、例えば3つのZボイスコイルモータ66Zは、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間の一直線上に無い3箇所に設けられている。この3つのZボイスコイルモータ66Zに加えて、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間に、変形抑制部材(例えばボイスコイルモータなど)を複数配置しても良い。このようにすると、Zボイスコイルモータ66Zのみにより、レチクルステージ定盤RBSをZ軸方向、θx方向、θy方向に駆動した(変位させた)場合に、Zボイスコイルモータ66Zの推力の作用点同士が離れていることに起因してレチクルステージ定盤RBSに撓みあるいはねじれが発生するような場合でも、主制御装置50が、3つのZボイスコイルモータ66Zの発生推力に応じて、その複数の変形抑制部材の発生する推力を制御(推力分配)することで、レチクルステージ定盤RBSを、その変形が極力抑制された状態でZ、θx、θy方向に駆動する(変位させる)ことが可能となる。
レチクルステージRSTは、図3に示されるように、レチクルステージ本体22と、レチクルステージ本体22のX軸方向の両端部に固定された一対の可動子30A,30Bとを備えている。
レチクルステージ本体22は、図4(A)に拡大して示されるように、平面視(上方から見て)矩形状の板状部22と、板状部22の±X端にそれぞれ固定されたY軸方向を長手方向とする直方体状のエアスライダ部22,22とを有している。ここで、板状部22のほぼ中央には、照明光ILの通路となる開口22a(図4(B)参照)が形成されている。
板状部22上面の開口22aのX軸方向の両側の部分には、レチクルRの裏面を吸着保持する一対のバキュームチャック95,96が配置されている。
また、板状部22上面の開口22aの−Y側の部分には、一対のストッパ(位置決め部材)93,94が、X軸方向に関して所定距離(レチクルRのX軸方向に関する幅より幾分短い距離)隔てて配置され、固定されている。これらのストッパ93,94は、レチクルRの−Y側の端面(側面)に当接してそのレチクルRを位置決めする。
また、板状部22上面の開口22aの+Y側の部分には、一対の回動アームから成るクランパ(押圧部材)91、92が取り付けられている。クランパ91、92は、それぞれストッパ93、94と組を成し、レチクルRをY軸方向の一側と他側から挟持するクランプ装置を、それぞれ構成する。
一方のクランパ91は、X軸方向を長手方向とし、その−X端を支点(回転中心)として回動可能に板状部22に取り付けられている。また、このクランパ91の−Y側の面の+X端部には、ストッパ93に対向してほぼ半球状の凸部が設けられている。そして、このクランパ91は、その凸部がレチクルRの+Y側の端面に圧接するように、不図示のゼンマイバネなどから成る付勢部材によって時計回りに常に付勢されている。他方のクランパ92は、左右対称ではあるが、クランパ91と同様に構成されている。
レチクルRは、開口22aを上方から塞ぐ状態で、板状部22(レチクルステージRST)上に載置されている。そして、レチクルRは、その−Y側の面がストッパ93,94に接触して位置決めされ、クランパ91,92により+Y側の面に所定の押圧力が加えられて固定される。レチクルRは、このようにしてクランパ91,92及びストッパ93,94によって固定された後、バキュームチャック95,96により、その下面のX軸方向両端部が吸着される。レチクルRをレチクルステージRST上からアンロードする場合には、吸着を解除した後、クランパ91,92を付勢力に抗して、レチクルRから離し、例えば上方から吸盤等でレチクルRの上面(パターン面と反対側の面)を吸着して持ち上げる。あるいは、レチクルRのパターン領域の外部をフック等で引っ掛けて持ち上げる。あるいは、レチクルRの下面のパターン領域の外部を複数本の上下動部材で下方から一旦持ち上げ、上下動部材から搬送アームに渡すなどしても良い。なお、クランパ91,92を常時付勢する構成に換えて、アクチュエータ(例えばモータあるいはエアシリンダなど)により、クランパ91,92の半球状凸部が、レチクルRに当接する第1位置と、レチクルRから離間する第2位置とで切り替え可能な構成を採用しても良い。また、回動式に限らず、スライド式のクランパを用いることもできる。
その他、板状部22上には、各種計測部材が設けられている。例えば、板状部22の開口22aの±Y側には、X軸方向を長手方向とする矩形状の開口がそれぞれ形成されている。これらの開口を上方から塞ぐ状態で、空間像計測用基準マークが形成されたレチクルフィデューシャルマーク板(以下、「レチクルマーク板」と略述する)LF1,LF2が、レチクルRと並ぶように配置され、板状部22に固定されている。このレチクルマーク板LF1,LF2は、レチクルRと同材質のガラス素材、例えば合成石英やホタル石、フッ化リチウムその他のフッ化物結晶などから構成されている。レチクルマーク板の詳細については、例えば米国特許出願公開第2002/0041377号明細書等に開示されている。
本実施形態では、図4(B)から分かるように、レチクルRは、そのパターン面(下面)がレチクルステージ本体22(レチクルステージRST)の中立面(レチクルステージ本体22の重心を通るXY平面に平行な面)に略一致する状態で支持される。
エアスライダ部22,22は、図4(A)にエアスライダ部22について、その上面の一部を破砕して示されるように、その内部に強度を維持するための格子状のリブが設けられ、この格子状のリブによってその内部空間が区画された中空部材から成る。換言すれば、エアスライダ部22,22は、軽量化を図るべく、リブ部のみが残るように肉抜きされた直方体状の部材から成る。
エアスライダ部22,22の底面のX軸方向の外側半部、すなわち図4(B)に示されるようにレチクルステージ定盤RBSの前述の凸状部分RBSc、RBSbに対向する部分には、表面絞り溝を有する給気溝と排気溝(いずれも不図示)とが、Y軸方向の全長に渡って形成されている。また、給気溝と排気溝とのそれぞれの少なくとも一部に対向してレチクルステージ定盤RBSの凸状部分RBSc、RBSbの上面に、給気口と排気口とがそれぞれ形成されている。このように、本実施形態では、いわゆる定盤給気タイプの差動排気型気体静圧軸受が用いられている。定盤給気タイプの差動排気型気体静圧軸受の詳細は、例えば米国特許第7,489,389号明細書などに詳細に開示されている。
本実施形態では、給気口を介して供給され表面絞り溝から凸状部分RBSc、RBSbの上面に噴き付けられる加圧気体の静圧と、レチクルステージRST全体の自重とのバランスにより、凸状部分RBSc、RBSbの上に数ミクロン程度のクリアランスを介して、レチクルステージRSTが非接触で浮上支持される。ここで、加圧気体としては、クリーンドライエア(CDA)、窒素、又はヘリウムなどの希ガスなどが用いられる。
一対の可動子30A、30Bのそれぞれは、図4(A)及び図4(B)に示されるように、エアスライダ部22の+X側の面、エアスライダ部22の−X側の面に固定されている。
可動子30A,30Bは、それぞれ所定の位置関係で配置された複数の磁石を内蔵する磁石ユニットによって構成されている。可動子30A,30Bのそれぞれは、図3及び図4(B)に示されるように、一対の固定子40A、40Bに係合している。
固定子40A、40Bは、図3及び図4(B)に示されるように、カウンタマス18内部のX軸方向の一側と他側にそれぞれ配置され、カウンタマス18に固定支持されている。
本実施形態では、固定子40Aとこれに係合する可動子30Aとにより、レチクルステージRSTをY軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、X軸方向にも微少駆動するムービングマグネット型の第1のXY駆動リニアモータが構成されている。同様に、固定子40Bとこれに係合する可動子30Bとにより、レチクルステージRSTをY軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、X軸方向にも微少駆動するムービングマグネット型の第2のXY駆動リニアモータが構成されている。そして、これら第1、第2のXY駆動リニアモータにより、レチクルステージRSTをY軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、X軸方向及びθz方向にも微少駆動するレチクルステージ駆動系340(図9参照)が構成されている。また、レチクルステージ駆動系340は、レチクルステージRSTの重心を含む中立面内でレチクルステージを駆動する。レチクルステージ駆動系340を構成する第1、第2のXY駆動リニアモータの固定子40A、40Bの各コイルに供給される電流の大きさ及び方向が、主制御装置50によって制御される。
本実施形態では、図5に示されるように、照明ユニットIOPの下端(射出端)に位置する光透過窓部材(例えば、ガラス板又はレンズなど)を照明ユニットIOPのハウジングに固定するための環状の固定部材90と天板80との間に、パージカバー82が設けられている。パージカバー82は、平面視でX軸方向に細長い矩形の筒状部82と、筒状部82の上端部及び下端部にそれぞれ設けられたフランジ部82,82とを有している。
フランジ部82は、その上面が、固定部材90の下面に固定されている。筒状部82は、照明ユニットIOPからの射出される照明光ILの照射領域を取り囲んでいる。筒状部82は、照明ユニットIOPからレチクルRに照射される照明光ILを妨げないようにY軸方向の両側壁がテーパ部となっている。筒状部82のX軸方向の長さは、レチクルステージRSTのエアスライダ部22,22の外縁間のX軸方向に関する距離より幾分長く設定されている。フランジ部82は、その下面が、開口80aを取り囲んで天板80の上面に固定されている。
また、レチクルステージRSTの+Y側の端部には、図4(A)、及び図5に示されるように、その上端と先端とを覆う側面視L字状の端部カバー23が取り付けられている。同様に、レチクルステージRSTの−Y側の端部には、その上端と先端とを覆う側面視L字状の端部カバー23が取り付けられている。
この場合、端部カバー23は、エアスライダ部22,22の+Y側の端面及び上面の+Y端部(エアスライダ部22,22間の空間を含む)を覆い、端部カバー23は、エアスライダ部22,22の−Y側の端面及び上面の−Y端部(エアスライダ部22,22間の空間を含む)を覆う。このため、レチクルRの載置された空間は、前後左右の四方を、端部カバー23、23及びエアスライダ部22,22によって囲まれている。
また、エアスライダ部22,22の上面(端部カバー23,23の上面)は、それぞれ天板80の下面と所定のクリアランス、例えば数μm〜数mm(最大でも3mm)のクリアランスを介して対向している。これにより、本実施形態では、レチクルRの上面側に、そのレチクルRの上面、端部カバー23、23、エアスライダ部22,22、天板80及びパージカバー82、並びに照明ユニットIOPの下端(射出端)に位置する光透過窓部材によって区画されたほぼ気密状態の空間181(図5参照)が形成されている。
天板80の開口80aのY軸方向の一側と他側の内壁面に、それぞれ、空間181内にパージガスを供給するための供給口84と空間181内の気体を排気するための排気口84が設けられている(図5参照)。これらの供給口84及び排気口84は、一例としてX軸方向に延びるラインスリット状に形成されている。パージガスとしては、例えばクリーンドライエア(CDA)が用いられる。すなわち、空間181の内部ガス(空気)が、CDAでパージされている。CDAは、レチクル(マスク)のヘイズ生成反応加速物質である水蒸気を含む割合が、通常の空気に比べて極端に小さい。空間181は、ほぼ気密状態のパージ室となっている。以下では、この空間を第1のパージ空間181と呼ぶ。
また、レチクルステージ定盤RBSと投影光学系PLとの間は、図4(B)及び図5に示されるように、非接触シールの一種であるラビリンスシールLBを介してシールされている。ラビリンスシールLBは、開口RBSaの周囲を取り囲む状態で、レチクルステージ定盤RBSと投影光学系PLとの間に取り付けられている。この場合、ラビリンスシールLBは、レチクルステージ定盤RBSの下面に開口RBSaの周囲を取り囲む状態でその上端が固定された環状の上部材と、該上部材に非接触で係合し、上面部材60を取り囲む状態でその下面が投影光学系PLの上面に固定された下部材とを有している。上部材は、−Z方向から見て同心でかつ多重の突起部を有し、下部材は、上部材より僅かに外側に位置し、上部材に非接触で係合する+Z方向から見て同心でかつ多重の突起部を有する。ただし、2つの突起部は、レチクルステージ定盤RBSが微小駆動されても、互いに接触することなく、常時非接触で係合する。
このため、本実施形態では、図4(B)に示されるように、レチクルR及びレチクルステージ本体22と、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaの内壁面と、投影光学系PLの上面と、ラビリンスシールLBとで区画されたほぼ気密状態の空間182が形成されている。この空間182の内部にレチクルステージ定盤RBSの開口RBSaの内壁面の一部に設けられた吹き出し口192からCDAが供給され、不図示の排気口を介して外部に排気されている。すなわち、空間182の内部ガス(空気)が、CDAでパージされている。空間182は、ほぼ気密状態のパージ室となっている。以下では、この空間を第2のパージ空間182と呼ぶ。
さらに、本実施形態では、図5等に示されるように、レチクルステージRSTの周囲は、照明光ILの照射領域の近傍を除いて、カウンタマス18、天板80、及びレチクルステージ定盤RBSにより囲まれ、ほぼ気密状態の空間183が形成されている。天板80の下面のY軸方向の一側及び他側の端部近傍には、それぞれ、供給口84、排気口84が設けられている(図5参照)。供給口84、排気口84は、一例としてX軸方向に延びるラインスリット状に形成されている。供給口84から空間183内にパージガス(クリーンドライエア(CDA))が供給され、空間183内の気体が排気口84から外部に排気されている。すなわち、空間183の内部ガス(空気)が、CDAでパージされている。空間183は、ほぼ気密状態のパージ室となっている。以下では、この空間を第3のパージ空間183と呼ぶ。
第1のパージ空間181は、独立に気密空間とされている第3のパージ空間183(及び第2のパージ空間182)に囲まれている、すなわち2重にパージされていることにより、外部からの不純物ガスの浸入が防止されている。
本実施形態では、第1〜第3のパージ空間181〜183のそれぞれに、パージガスの供給口と排気口とが設けられ、しかも、第1、第3のパージ空間181,183では、供給口及び排気口が、それぞれ、各空間内部のY軸方向(走査方向)の一端近傍、他端近傍に配置されている。このため、パージガスが、例えば、供給口84から供給され、第1のパージ空間181内を流れ、排気口84から排気される。同様に、供給口84からパージガスが供給され、第3のパージ空間183内を第1のXY駆動リニアモータ(可動子30Aと固定子40A)及び第2のXY駆動リニアモータ(可動子30Bと固定子40B)の間隙を介して流れ、排気口84から排気される。
さらに、天板80に設けられたシャッタ88の上方には、図1及び図6に示されるように、温度調整装置アッセンブリ86が配置されている。温度調整装置アッセンブリ86は、図6に示されるように、レチクルRを温度調整するための直方体状の温度調整装置86aと、温度調整装置86aのX軸方向の一側と他側の面にそれぞれ固定された一対(2つ)のブロック86と、温度調整装置86aの−Y側の面に2つ、+Y側の面に1つ固定された合計3つのギャップセンサ190(+Y側の面に固定されたギャップセンサは不図示)とを備えている。
温度調整装置86aは、図7に示されるように、全体として厚さの薄い直方体状の形状を有し、X軸方向の長さ(幅)及びY軸方向の長さは、それぞれ、レチクルRのパターン領域のX軸方向の長さ(幅)及び長さより長い。従って、温度調整装置86aは、レチクルRのパターン面とは反対側からパターン領域の全域に一度に対向可能である。
温度調整装置86aは、図7に示されるように、XY方向に2次元配列された複数のペルチェ素子300から成るペルチェアレイによって構成されている。温度調整装置86aは、図9に示されるように、温調コントローラ28に接続されている。温調コントローラ28は、不図示の温度センサからのモニタ信号に基づいて、温度調整装置86a(ペルチェアレイ)を構成する各ペルチェ素子に供給される電流量を調整することにより、各ペルチェ素子の温度(温度調整状態)を、調整する。温調コントローラ28は、主制御装置50に接続されている。ここで、温度調整装置86a(ペルチェアレイ)を構成する各ペルチェ素子300を、アクチュエータ(ボイスコイルモータ又は駆動素子)により、Z軸方向(各ペルチェ素子のPN接合面に直交する方向)に駆動可能に構成しても良く、この場合には、各ペルチェ素子の温度のみならず、各ペルチェ素子とレチクルR上面との間隔(クリアランス)を制御することで各ペルチェ素子によるレチクルRの温度調整状態を調整することができ、温度調整装置86aによるレチクルRの温度調整率分布を調整することもできる。これにより、温度調整装置86aの温度制御の応答が速くなるだけでなく、レチクルRの表面の温度分布が一様になるように適切な温度制御が可能になる。なお、温度調整装置を底面が開いたハウジングの内部に収納し、そのハウジングに上述のブロックを固定しても良い。
また、ギャップセンサ190は、レチクルRの上面(パターン面とは反対側の面)との離間距離を計測する。本実施形態では、上述の説明から明らかなように、ギャップセンサ190は、同一直線上にない異なる3箇所に配置されている。ここで、ギャップセンサ190として、静電容量センサ、光学式センサ等を用いることができる。3つのギャップセンサ190により温度調整装置傾斜計測系86e(図9参照)が構成され、3つのギャップセンサ190の計測結果からレチクルRの上面のXY平面に対する傾斜(θx、θy)が計測される。なお、レチクルRの上面のXY平面に対する傾斜(θx、θy)を快速する際には、温度調整装置アッセンブリ86は、温度調整装置86aの温度調整面が、XY平面に平行になるように初期設定される。
2つのブロック86の底面は、温度調整装置86aの底面(温度調整面)と同一面又は僅かに−Z側の面上に位置する。2つのブロック86の底面には、少なくとも各2つの気体静圧軸受86が設けられている。各気体静圧軸受86からは、加圧気体、例えばCDAが噴出される。これにより、後述するように、ブロック86の底面とレチクルRの±X縁部との間に加圧気体の層が形成され、該加圧気体の静圧により温度調整装置アッセンブリ86がレチクルR上に浮上支持される。なお、温度調整装置アッセンブリ86を用いてレチクルRを温度調整する際には、気体静圧軸受86は作動状態に設定される。また、気体静圧軸受86は、必要に応じて、2つのブロック86に対して各3以上設けても良い。
上述のようにして構成された温度調整装置アッセンブリ86は、温度調整装置搬送系86d(図6では一部のみ図示、図9参照)により搬送される。温度調整装置搬送系86dは、図6に示されるように2つのブロック86それぞれの上部に形成された窪み部に係合するフック部(鈎状の先端部)を有する各2つ、合計4つの支持部材86を、有する。4つの支持部材86のそれぞれは、温度調整装置アッセンブリ86のX軸方向の一側と他側のブロック86の窪み部のY軸方向の一端部と他端部にそれぞれ係合している。すなわち、4つの支持部材86により温度調整装置アッセンブリ86が4点で吊り下げ支持されている。ここで、4つの支持部材86のそれぞれは、X軸方向の一側又は他側のブロック86にXY平面内の3自由度方向の剛性が他の3自由度方向に比べて格段に高い不図示の板バネで拘束されている。温度調整装置搬送系86dは、4つの支持部材86を個別に上下方向に駆動するボイスコイルモータ等の駆動機構(不図示)を有している。従って、温度調整装置搬送系86dは、4つの支持部材86を個別に上下方向に駆動することで、温度調整装置アッセンブリ86をZ軸方向に所定ストロークで直線駆動することができるとともに、θx方向及びθy方向にも微小駆動することができる。温度調整装置搬送系86dは、主制御装置50に接続されている。
エアスライダ部22,22の底面には、図4(B)に示されるように、それぞれ、グレーティングRG1,RG2がY軸方向のほぼ全長に渡って延接されている(図8参照)。グレーティングRG1,RG2のそれぞれの表面には、X軸方向及びY軸方向を周期方向とする2次元グレーティングが形成されている。
投影光学系PLの最上面には、図8に示されるような中央に矩形の開口PLaが形成された平面視六角形の上面部材60が、固定されている(図4(B)参照)。開口PLaは、レチクルRのパターン面を透過し、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaを透過した照明光ILの光路(通路)となる。上面部材60の上面のX軸方向の両端部(開口PLaの両側)に各3つのエンコーダヘッド72,73,74、及び77,78,79が固定されている。エンコーダヘッド72,77は開口PLaの+Y側の角部近傍に、エンコーダヘッド74,79は−Y側の角部近傍に、エンコーダヘッド73,78は開口PLaの中心(すなわち投影光学系PLの光軸)と同じY位置に、配置されている。
各3つのエンコーダヘッド72,73,74、及び77,78,79は、それぞれ、前述したグレーティングRG1,RG2に対向している。
本実施形態では、エンコーダヘッド72〜74,77〜79として、グレーティング(計測面)に平行な一方向(グレーティングの一周期方向)と、計測面に垂直な方向との二方向を計測方向とする2次元エンコーダヘッドが採用されている。かかるヘッドの一例は、例えば米国特許第7,561,280号明細書などに開示されている。
ここで、4つのエンコーダヘッド72,74,77,79はY軸方向とZ軸方向とを計測方向とし、2つのエンコーダヘッド73,78はX軸方向とZ軸方向とを計測方向とする。
エンコーダヘッド72,73,74は、図4(B)に示されるように、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaを介して、レチクルステージRST(エアスライダ部22)の底面のグレーティングRG1に計測ビームを下方から照射し、グレーティングRG1にて発生する複数の回折光を受光して、それぞれの計測方向に関するグレーティングRG1(すなわちレチクルステージRSTのエアスライダ部22)の位置情報を求める(計測する)。これらのエンコーダヘッド72,73,74から第1エンコーダシステム71(図9参照)が構成され、その計測情報は主制御装置50(図9参照)に送られている。
エンコーダヘッド77,78,79は、上述のエンコーダヘッド72,73,74と同様に、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaを介して、レチクルステージRST(エアスライダ部22)の底面のグレーティングRG2に計測ビームを下方から照射し、グレーティングRG2にて発生する複数の回折光を受光して、それぞれの計測方向に関するグレーティングRG2(すなわちレチクルステージRSTのエアスライダ部22)の位置情報を求める(計測する)。これらのエンコーダヘッド77,78,79から第2エンコーダシステム76(図9参照)が構成され、その計測情報は主制御装置50(図9参照)に送られる
主制御装置50は、第1及び第2エンコーダシステム71,76(エンコーダヘッド72〜74,77〜79)の計測情報に基づいて、投影光学系PLの中心(光軸)を基準とするレチクルステージRSTの6自由度方向に関する位置情報を求める(算出する)。主制御装置50は、その結果に基づいて、前述のレチクルステージ駆動系340を介して、レチクルステージRSTを駆動(制御)する。なお、第1及び第2エンコーダシステム71,76を含んで、レチクルエンコーダシステム70が構成されている(図9参照)。
なお、レチクルエンコーダシステム70と独立に、レチクルステージRSTの位置情報を計測するレチクル干渉計システム(不図示)が設けられている。レチクル干渉計システム(不図示)は、レチクルエンコーダシステム70の計測範囲外にレチクルステージRSTが移動する際、あるいはレチクルエンコーダシステム70のバックアップ用などとして補助的に使用される。
図9には、本実施形態の露光装置100の制御系を中心的に構成する主制御装置50の入出力関係が、ブロック図にて示されている。主制御装置50は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含み、装置全体を統括して制御する。
次に、上述のようにして構成された露光装置100による動作の流れについて簡単に説明する。
まず、主制御装置50の管理の下、次のようにして、レチクルステージRST上のレチクルRの交換が行われる。このレチクルRの交換時には、温度調整装置アッセンブリ86はシャッタ88の上方で、レチクル交換動作の邪魔にならない位置(待機位置)に退避している。
まず、図10(A)中に黒塗り矢印で示されるように、レチクルステージRSTが、−Y方向に移動し、シャッタ88の下方にレチクルRが位置決めされる。ここで、レチクルステージRSTの位置計測は、レチクル干渉計(不図示)を用いて行われる。位置決め後、バキュームチャック95,96によるレチクルRの吸着及びクランパ91,92によるレチクルRの固定が解除される。上記のレチクルステージRSTの移動と並行して、図10(A)中に白抜き矢印で示されるように、レチクル搬送系140が、+Y方向に移動してレチクル交換位置の上方で停止している。次いで、天板80に設けられたシャッタ88が開き、搬出入口88aが開放されると、図10(B)中に白抜き矢印で示されるように、レチクル搬送系140の全体が所定量下方に移動した後、レチクル搬送系140が備える複数の上下動部材44が、駆動系46によって下降駆動され、レチクルステージRST上のレチクルRが、複数の上下動部材44の先端部の吸盤部により吸着される。レチクルRを吸着した複数の上下動部材44が、図10(B)中に黒塗り矢印で示されるように、駆動系46によって上方に駆動されることで、レチクルRが搬出入口88aを介してレチクルステージ装置20外に搬出される。搬出後、レチクル搬送系140は、レチクルRを例えばレチクルアンロード部材(不図示)に渡す。
次いで、レチクル搬送系140は、次に使用するレチクルRを、例えばレチクルロード部材から受け取る。そして、レチクルRを保持したレチクル搬送系140が、図11(A)中の白抜き矢印で示さるように+Y方向に移動してレチクルRをレチクル交換位置の上方まで搬送する。次いで、レチクル搬送系140の全体が所定量下方に移動した後、上下動部材44が、図11(A)中に黒塗り矢印で示されるように、駆動系46によって下降駆動されることで、レチクルRが複数の上下動部材44からレチクルステージRST上へ載置され(図11(B)参照)、載置後、上下動部材44によるレチクルRの吸着が解除される。そして、上下動部材44が駆動系46によって上方に駆動され、上下動部材44が搬出入口88aを介してレチクルステージ装置20外に出る。これにより、レチクルステージRST上へレチクルRがロードされる。その後、シャッタ88が閉じ、第3のパージ空間183がほぼ気密状態となり、その内部のCDAによるパージが開始されるとともに、レチクル搬送系140は、所定の位置に退避する。
レチクルステージRST上では、レチクルRのロード後、クランパ91,92によりレチクルRが固定され、バキュームチャック95,96によりレチクルRが吸着保持される。これにより、レチクルRの交換が終了する。
レチクルRの交換後、主制御装置50により、レチクルステージRSTが+Y方向に駆動される。これにより、レチクルエンコーダシステム70によるレチクルステージRSTの位置計測が再開される。
次に、主制御装置50により、レチクルアライメント系(不図示)及びアライメント系ALG(図9参照)等を用いて、例えば米国特許第5,646,413号明細書などに開示される所定の手順に従ってレチクルアライメント系、アライメント系ALGのベースライン計測等が行われる。これと前後して、不図示のウエハローダによってウエハステージWST上へのウエハWのロードが行われる。この後、主制御装置50により、例えば米国特許第4,780,617号明細書などに開示されているEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等のウエハアライメントが実行され、ウエハアライメントの終了後、通常のスキャナと同様のステップ・アンド・スキャン方式でウエハステージWST上のウエハWに露光動作が行なわれる。
主制御装置50は、露光動作中、レチクルステージ定盤RBSが所定の状態を維持するように、定盤干渉計240の計測結果に基づいて上述したXボイスコイルモータ66X,Yボイスコイルモータ66Yを制御するとともに、Zエンコーダ81の計測結果に基づいてZボイスコイルモータ66Zを制御してレチクルステージ定盤RBSのZ軸方向及びθx、θy方向に関する位置を調整することにより、間接的にレチクルRのZ軸方向及びθx、θy方向に関する位置を調整する。
また、露光動作にあたって、主制御装置50の管理の下、ウエハステージWSTとレチクルステージRSTとがY軸方向に相対駆動されるが、その際には、主制御装置50は、レチクルエンコーダシステム70の計測結果に基づいて、レチクルステージ駆動系340を制御し、レチクルステージRSTを駆動する。このとき、レチクルステージRSTが、Y軸方向に関して所定の範囲内で往復移動するが、この移動中も、パージ空間181〜183において、その気密状態が維持され、CDAパージが効果的に行われる。
そして、ウエハWの露光が終了すると、その露光が終了したウエハWを新しいウエハに交換するが、その際に、つぎのようにして、主制御装置50により温度調整装置アッセンブリ86を用いてレチクルRが温度調整される。
ウエハステージWST上のウエハWの露光が終了すると、主制御装置50は、図12(A)中に黒塗り矢印で示されるように、レチクルステージRSTを−Y方向に駆動し、シャッタ88の下方のレチクル交換位置にレチクルRを位置決めする。
位置決め後、主制御装置50は、図13(A)中に黒塗り矢印に示されるように、シャッタ88を開ける。これにより、第3のパージ空間183が搬出入口88aを介してレチクルステージ装置20外と連通する。シャッタ88を開けると、主制御装置50は、温度調整装置アッセンブリ86のブロック86に設けられた気体静圧軸受86を作動し、図13(A)及び図13(B)に示されるように、温度調整装置搬送系86d(図9参照)の複数の支持部材86を用いて、温度調整装置アッセンブリ86を−Z方向(白抜き矢印の方向)に搬送(駆動)する。この時、主制御装置50は、温度調整装置傾斜計測系86e(図9参照)の計測結果に基づいて、レチクルRの表面に対して温度調整装置86aの表面が平行になるように、温度調整装置アッセンブリ86の傾斜を調整する。
温度調整装置アッセンブリ86は、図13(B)及び図12(B)に示されるように、搬出入口88aを介してレチクルステージ装置20内に入り、温度調整装置86aが、その下方にて待機するレチクルステージRST上のレチクルRに近接する。ここで、気体静圧軸受86が作動しているため、温度調整装置アッセンブリ86のブロック86とレチクルRの縁部との間に加圧気体の層が形成され、同時に支持部材86の鈎状の先端部とブロック86の窪み部との係合が外れ、温度調整装置アッセンブリ86がその加圧気体の静圧によりレチクルR上に所定のクリアランスを介して非接触で支持される。
本実施形態では、温度調整装置86aの表面とレチクルRの表面とのクリアランスが20μm程度になるように、すなわち気体静圧軸受86の軸受面とレチクル上面とのクリアランスが20μm程度になったときに、気体静圧軸受86から噴出されそのクリアランス内に存在する加圧気体の静圧による上向きの力と温度調整装置アッセンブリ86の自重による下向きの力とが釣り合うように予め気体静圧軸受86のサイズ、加圧気体の圧力などの調整が行われている。この場合において、気体静圧軸受86として、真空予圧型などの予圧力の調整が可能なタイプの機体静圧軸受を用いる場合には、予圧力の調整によってクリアランスを目標サイズに設定することとしても良い。この場合、シャッタ88が開放中は、気体静圧軸受86は常時作動状態にあるため、温度調整装置アッセンブリ86はレチクルRに接触することがなく、温度調整装置アッセンブリ86との接触によりレチクルRが損傷することはない。
主制御装置50は、ウエハステージWST上に次の露光対象のウエハがロードされるまで、図13(B)及び図12(B)に示されるように、温度調整装置86aの表面(温度調整面)をレチクルRの表面に近接させてレチクルRを温度調整する。
ここで、温度調整装置アッセンブリ86の大きさは搬出入口88aと同程度であり、レチクルR上に非接触浮上している状態(レチクルRの温度調整中の状態)では、温度調整装置アッセンブリ86は上部が搬出入口88aを介してレチクルステージ装置20外に露出している。すなわち、レチクルRの温度調整中は、温度調整装置アッセンブリ86により、搬出入口88aがほぼ閉塞されているため、レチクルRの温度調整中に、搬出入口88aを介して外部の空気がレチクルステージ装置20内に浸入することが効果的に抑制されている。
ウエハのロード(さらにウエハアライメント等の露光前処理)が終了すると、主制御装置50は、レチクルRの温度調整を終了する。主制御装置50は、温度調整装置搬送系86d(図9参照)を制御して、支持部材86を+Z方向に駆動する。これにより、複数の支持部材86それぞれの鈎状の先端部がブロック86の窪み部と係合し、温度調整装置アッセンブリ86が複数の支持部材86のよって吊り下げ支持され、+Z方向に搬送される。温度調整装置アッセンブリ86が、搬出入口88aを介してレチクルステージ装置20外に退避すると、シャッタ88が閉じ、第3のパージ空間183が再び気密状態になる。最後に、気体静圧軸受86を停止して、レチクルRの温度調整の一連の動作が終了する。
本実施形態の露光装置100では、温度調整装置アッセンブリ86をレチクルステージ装置20外(シャッタ88の真上)に配置したことにより、レチクルRの交換位置と温度調整位置とは同じ位置に定められている。
以上説明したように、本実施形態の露光装置100によると、レチクルRがレチクル交換位置に位置したとき、温度調整装置86a(温度調整装置アッセンブリ86)は、XY平面と直交するZ軸方向に離間した前述の待機位置(又はその近傍の位置)から−Z方向に移動して温度調整面がレチクルRの上面に所定のクリアランスを介して対向する位置までレチクルRに接近する。また、温度調整装置86aは、レチクルRの全面(パターン領域の全面)に対向可能な大きさの温度調整面を有しているので、上記の接近状態(接触することなく)で、レチクルRの全面(パターン領域の全面)を一度に温度調整することが可能になる。これにより、レチクルRを十分に温度調整(例えば、冷却)することが可能になる。特に、ウエハ交換の度にレチクルRの交換を行えば、レチクルRの熱膨張が、露光精度に与える影響を十分に小さくすることができる。
従って、温度調整装置86aとの接触によるレチクルRの損傷を事前に回避することができるとともに、レチクルRを十分に温度調整することができるで、その温度調整されたレチクルRのパターンを精度良くウエハ上に転写することができる。
なお、上記実施形態では、前述の温度調整装置86a(温度調整装置アッセンブリ86)の待機位置(又はその近傍の位置)が、レチクル交換位置の真上に位置する場合について説明したが、これに限らず、温度調整装置86a(温度調整装置アッセンブリ86)の待機位置を、レチクル交換位置の斜め上方に設定しても良い。
また、上記実施形態では、レチクルRの上面の同一直線上にない少なくとも3点でレチクルRの上面とのギャップを計測することで、レチクルRの上面のZ軸、θx、及びθy方向の位置情報を求めたが、ギャップセンサによらず、他のセンサでレチクルRの上面のZ軸、θx、及びθy方向の位置情報を直接的に計測しても良い。あるいは、レチクルRを保持するレチクルステージRSTのZ軸、θx、及びθy方向の位置情報を、エンコーダ又は干渉計等で計測することで、レチクルRの上面のZ軸、θx、及びθy方向の位置情報を間接的に求めても良い。あるいは、レチクルRの上面と温度調整装置86aの表面とがほぼ平行に予め調整されている場合には、レチクルRの上面のZ軸、θx、及びθy方向の位置情報を直接的・間接的に求めることなく、温度調整装置86aをレチクルR上に載置しても良い。この場合、温度調整装置アッセンブリ86にギャップセンサを設ける必要はない。
なお、上記実施形態において、気体静圧軸受86に代えて、例えば回転ローラ等を、ブロック86に設けることとしても良い。温度調整装置86aがレチクルステージRST上のレチクルRに限界距離より接近すると、回転ローラがレチクルR(レチクルステージRST)の上面に接触して、温度調整装置アッセンブリ86がレチクルR(又はレチクルステージRST)上に接触支持される。これにより、温度調整装置86aとレチクルステージRST上のレチクルRとの間に限界距離より大きい離間距離が保たれ、温度調整装置86aのレチクルRへの接触が回避される。
また、上記実施形態では、パージ空間181〜183が、ともにCDAでパージされる場合について説明したが、これに限らず、それぞれのパージ空間181〜183で用いるパージガスの種類を異ならせても良い。また、パージガスとしては、CDAのように水蒸気を含む割合が通常の空気に比べて小さいガスを用いても良いが、これに限らず、ヘイズ原因物質、例えば硫酸アンモニウム又は炭酸アンモニウム、炭化水素、カルボン酸、シアヌル酸、又は他の炭素を含有する分子などの分子状汚染物質を含まず、かつ照明光ILを殆ど吸収しない、窒素やヘリウムなどの希ガスを、パージガスとして用いても良い。
なお、上述の実施形態では、露光装置が、液体(水)を介さずにウエハWの露光を行うドライタイプの露光装置である場合について説明したが、これに限らず、例えば国際公開第99/49504号、欧州特許出願公開第1,420,298号明細書、国際公開第2004/055803号、米国特許第6,952,253号明細書などに開示されているように、投影光学系とウエハとの間に照明光の光路を含む液浸空間を形成し、投影光学系及び液浸空間の液体を介して照明光でウエハを露光する露光装置であっても良い。また、例えば米国特許出願公開第2008/0088843号明細書などに開示される、液浸露光装置などにも、上記実施形態を適用することができる。
また、上記実施形態では、露光装置が、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置である場合について説明したが、これに限らず、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置、プロキシミティー方式の露光装置、又はミラープロジェクション・アライナーなどにも上記実施形態は適用することができる。さらに、例えば米国特許第6,590,634号明細書、米国特許第5,969,441号明細書、米国特許第6,208,407号明細書などに開示されているように、複数のウエハステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも上記実施形態を適用できる。また、例えば国際公開第2005/074014号などに開示されているように、ウエハステージとは別に、計測部材(例えば、基準マーク、及び/又はセンサなど)を含む計測ステージを備える露光装置にも上記実施形態は適用が可能である。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系は屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、照明光ILとしては、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に限らず、F2レーザ光(波長157nm)などの他の真空紫外光は勿論、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、あるいは超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(波長436nmのg線、波長365nmのi線等)を用いることも可能である。また、真空紫外光としては、例えば米国特許第7,023,610号明細書などに開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外域に波長変換した高調波を用いても良い。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書などに開示されているように、2つのレチクルパターンを投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記実施形態を適用することができる。
なお、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものではなく、ガラスプレート、セラミック基板、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
また、上記実施形態の露光装置は、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
本発明の露光装置は、被露光物体上にパターンを転写するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの製造に適している。
86…温度調整装置アッセンブリ、86a…温度調整装置、86d…温度調整装置搬送系、86e…温度調整装置傾斜計測系、88…シャッタ、100…露光装置、181…第1のパージ空間、182…第2のパージ空間、R…レチクル、W…ウエハ、RBS…レチクルステージ定盤、RST…レチクルステージ、IOP…照明ユニット、IL…照明光、PL…投影光学系。

Claims (13)

  1. パターンが形成されたマスクと物体とを同期駆動しつつ前記マスクを介して照明光を前記物体に照射することにより、前記パターンを前記物体上に転写する露光装置であって、
    前記マスクを保持して前記同期駆動時の移動方向である所定平面内の少なくとも一軸方向に移動する移動体と;
    前記マスクの全面に対向可能な温度調整面を有し、前記マスクが第1位置に位置したとき、前記所定平面と交差する方向に離間した第2位置から移動して前記温度調整面が前記マスクの一面に所定のクリアランスを介して対向する位置まで前記マスクに接近する温度調整装置と;を備える露光装置。
  2. 前記マスクの前記一面側の前記移動体の一面に対向して前記温度調整装置に設けられ、前記温度調整装置が前記マスクに接近する際に、前記移動体の前記一面に当接して、前記温度調整面と前記マスクとの間に前記クリアランスを形成する当接部材を、さらに備える請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記移動体及び前記温度調整装置の一方に設けられ、前記温度調整装置が前記マスクに接近する際に、加圧気体の静圧により前記温度調整面と前記マスクとの間に前記クリアランスを形成する気体静圧軸受を、さらに備える請求項1に記載の露光装置。
  4. 前記気体静圧軸受は前記温度調整装置に設けられ、前記マスクの前記一面に対して加圧気体を噴射する請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記気体静圧軸受は、少なくとも前記マスクの温度調整の開始から終了の間、常時作動する請求項3又は4に記載の露光装置。
  6. 前記温度調整装置は、前記温度調整面と前記マスクの前記一面とを前記クリアランスを介して近接させる前に、前記温度調整面の傾斜角を前記マスクの前記一面に対して調整する調整装置を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 前記マスクの前記一面及び前記温度調整面の少なくとも一方の傾斜を直接的又は間接的に計測する計測系をさらに備え、
    前記調整装置は、前記計測系で計測された情報に基づいて、前記マスクの前記一面と前記温度調整面との傾斜角を調整する請求項6に記載の露光装置。
  8. 前記マスクの温度調整の終了後、前記温度調整装置を前記第2位置に退避させる請求項1〜7のいずれか一項に記載の露光装置。
  9. 前記第1位置は、前記移動体に保持された前記マスクの交換が行われる位置である請求項1〜8のいずれか一項に記載の露光装置。
  10. 前記移動体上に保持された前記マスクを交換する際に、前記温度調整装置を前記第2位置に退避させる請求項9に記載の露光装置。
  11. 前記パターンの転写が終了した前記物体を交換する際に、前記温度調整装置を用いて前記マスクを温度調整する請求項1〜10のいずれか一項に記載の露光装置。
  12. 前記温度調整装置は、それぞれの一端面が前記温度調整面を構成するように配列された複数のペルチェ素子を有し、該複数のペルチェ素子のそれぞれの電流量と前記マスクとの相対距離の少なくとも一方を制御して、前記マスクの前記所定平面内の温度調整率分布を調整する請求項1〜11のいずれか一項に記載の露光装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の露光装置を用いて物体上にパターンを転写することと;
    前記パターンが転写された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法。
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