JP2012028531A - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスクステージを含むマスクステージ装置の全体を気密型の遮蔽容器で取り囲むことなく、マスクに照射される照明光の光路を含む空間内をクリーンな状態に維持する。
【解決手段】
照明ユニットIOPとレチクルRとの間の照明光の光路を含む第1空間181内が、ガス供給系から供給されるパージガス(例えばCDA)によりガスパージされている。また、第1空間は、レチクルステージRSTの移動を許容する構造になっている。このため、第1空間は完全な密閉空間とは成り得ず、所定のクリアランスを介して外部と連通しているが、その隙間を囲んで、その内部にパージガスが供給されるほぼ気密状態の第2空間183が存在するので、レチクルステージ装置20の全体を専用の大型の遮蔽容器で取り囲むことなく、外部から、第1空間に不純物を含むガスが侵入することが防止される。
【選択図】図5

Description

本発明は、露光装置及びデバイス製造方法に係り、さらに詳しくは、半導体素子(集積回路)、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するためのリソグラフィ工程で用いられる露光装置、及び該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
近年、半導体素子(集積回路)、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するためのリソグラフィ工程では、特に生産性の面から、形成すべきパターンを4〜5倍程度に比例拡大して形成したレチクル(と呼ばれるフォトマスク)のパターンを、投影光学系を介してウエハ等の被露光物体(以下、「ウエハ」と呼ぶ)上に縮小転写する投影露光装置が、主として用いられている。
この種の露光装置では、集積回路の微細化に対応して高解像度を実現するため、その露光波長をより短波長側にシフトしてきた。現在、その波長はKrFエキシマレーザの248nm、又はこれより短波長の真空紫外域に属するArFエキシマレーザの193nmが主流となっている。
しかるに、半導体デバイスのデザインルールが微細化するのに伴い、リソグラフィ工程におけるレチクルのヘイズ(曇り)欠陥が大きな問題となってきた。レチクルのヘイズは、レチクルの表面や雰囲気中に存在する酸と塩基の反応、あるいは有機不純物の光化学反応により、レチクル上にヘイズの種となる物質が形成され、水分の介在と紫外光の照射(露光のエネルギ)によってヘイズの種が凝集し、欠陥の原因となるサイズに成長すると言われている。
また、最近では、処理能力(スループット)を向上させる観点から、高NA化及び低収差化が容易な小視野ではあるが高NAの投影光学系を用いて実質的に大きな露光フィールドを得るために、露光中に、レチクルとウエハをその結像関係を維持したまま相対走査する走査型投影露光装置、例えばステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる)など)が主流となっている。
露光装置で、レチクル上のヘイズ形成を包括的に抑制する、効果的な対策を実現する方法として、例えば、特許文献1に開示されるように、レチクルを保持するレチクルステージ及びその駆動系(カウンタマスなどの振動減衰手段を含む)の全体を、大きな気密型の遮蔽容器(レチクルステージチャンバ)で覆い、その内部の全体をガスパージする方法が有効であると思われる。
しかしながら、このような遮蔽容器を採用すると、露光装置が大型化及び重量化し、半導体工場のクリーンルーム内における、露光装置1台あたりの設置面積(フットプリント)がより大きくなり、設備コスト(あるいはランニング・コスト)の増大により結果的に半導体素子の生産性が低下してしまう。また、レチクル近傍へのアクセスが困難となり、レチクルステージなどのメンテナンス時の作業性が低下してメンテナンスに要する時間が増大し、この点においても半導体素子の生産性が低下してしまう。
特に走査型投影露光装置は、露光中にレチクルを高速に走査する必要から大型のレチクルステージを含むレチクルステージ装置を備えており、このレチクルステージ装置の全体を覆う遮蔽容器(レチクルステージチャンバ)は一層大型化してしまう。
米国特許出願公開第2004/0057031号明細書
本発明の第1の態様によれば、パターンが形成されたマスクを照明光により照明しつつ、前記マスクと物体とを同期して走査方向に駆動して前記パターンを前記物体上に転写する露光装置であって、前記照明光を射出する照明系と;前記マスクを保持するとともに、前記マスクが前記照明系から射出される前記照明光の照射領域を横切るように、前記走査方向に移動する移動体と;前記照明系からの前記照明光の前記マスク上の照明領域を含み、前記移動体と該移動体が対向する部材との間に所定のクリアランスが形成され、前記移動体及び前記部材が外部との境界の一部を兼ねる第1空間と;前記第1空間の内部に第1のパージガスを供給する第1ガス供給系と;前記クリアランスを含む前記第1空間の少なくとも一部を取り囲み、その内部に第2のパージガスが供給される第2空間と;を備える露光装置が、提供される。
これによれば、照明光の照射により、有機不純物の光化学反応が生じ易く、マスク上にヘイズの種となる物質が形成され、水分の介在によりヘイズの種が凝集する現象が生じるおそれがある第1空間内が、第1ガス供給系から供給される第1のパージガスによりガスパージされている。また、第1空間は、移動体と該移動体が対向する部材との間に所定のクリアランスが形成され、移動体及びマスクが外部との境界の一部を兼ねている。すなわち、第1空間は、クリアランスを介して外部と連通しているが、そのクリアランスを含む第1空間の少なくとも一部を取り囲んで、その内部に第2のパージガスが供給される第2空間が存在するので、外部から、第1空間に不純物を含むガスが侵入することが防止される。これにより、マスクを保持して移動する移動体を含む移動体装置の全体を気密型の遮蔽容器で取り囲むことなく、照明系とマスクとの間の照明光の光路を含む第1空間内をクリーンな状態に維持することが可能となる。
本発明の第2の態様によれば、本発明の露光装置を用いて物体上にパターンを転写することと;前記パターンが転写された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法が、提供される。
一実施形態の露光装置の構成を概略的に示す図である。 図1のレチクルステージ装置の外観を示す斜視図である。 天板及び8本の支持脚を取り去った状態のレチクルステージ装置を示す斜視図である。 図4(A)はレチクルステージを示す平面図、図4(B)はレチクルステージ装置をY軸方向の中心点近傍でXZ平面にて断面した断面図である。 図1の露光装置のレチクルステージ装置近傍を示す縦断面図である。 レチクルエンコーダシステムの構成を説明するための図である。 図1の露光装置の制御系を中心的に構成する主制御装置の入出力関係を示すブロック図である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1には、一実施形態の露光装置100の構成が概略的に示されている。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる)である。後述するように本実施形態では、投影光学系PLが設けられており、以下においては、この投影光学系PLの光軸AX方向をZ軸方向、これに直交する平面内でレチクルとウエハとが相対走査される方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、照明ユニットIOP、レチクルRを保持してXY平面に平行な面内で移動するレチクルステージRSTを含むレチクルステージ装置20、投影光学系PL、ウエハWをXY2次元方向に駆動するウエハステージWST、及びこれらの制御系、並びにレチクルステージ装置20及び投影光学系PLを保持するコラム34等を備えている。
照明ユニットIOPは、光源及び照明光学系を含み、その内部に配置された視野絞り(マスクキングブレード又はレチクルブラインドとも呼ばれる)により設定される矩形又は円弧状の照明領域に照明光(露光光)ILを照射し、回路パターンが形成されたレチクルRを均一な照度で照明する。照明ユニットIOPと同様の構成は、例えば米国特許第5,534,970号明細書などに開示されている。ここでは、一例として照明光ILとして、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられるものとする。
レチクルステージ装置20は、照明ユニットIOPの下方に所定間隔を隔ててほぼ水平に配置されたレチクルステージ定盤RBS、該レチクルステージ定盤RBS上に配置されたレチクルステージRST、該レチクルステージRSTを取り囲む状態でレチクルステージ定盤RBS上に配置された枠状部材から成るカウンタマス18、レチクルステージRSTを駆動するレチクルステージ駆動系340(図7参照)、及びカウンタマス18の上に所定のクリアランスを介して略水平に配置された天板(カバー部材)80等を備えている。
レチクルステージ定盤RBSは、図1に示されるように、コラム34の天板部32a上に複数(例えば3つ)の防振ユニット14(図1における紙面奥側の防振ユニットは不図示)を介して略水平に支持されている。レチクルステージ定盤RBS上に、レチクルステージRSTが配置され、レチクルステージRST上にレチクルRが保持されている。なお、レチクルステージ装置20の具体的な構成等については後にさらに詳述する。
投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向の共通の光軸を有する複数のレンズ(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。投影光学系PLは、例えば、両側テレセントリックで所定の投影倍率(例えば1/4あるいは1/5)を有する。このため、照明ユニットIOPからの照明光ILによって照明領域が照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の投影像)が、投影光学系PLの第2面(像面)側に配置され、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の照明領域に共役な領域(露光領域)に形成される。
そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動するとともに、露光領域(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動することで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では、照明ユニットIOP及び投影光学系PLによって、ウエハW上にレチクルRのパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。
投影光学系PLの鏡筒の高さ方向のほぼ中央には、フランジFLGが設けられている。
コラム34は、床面Fにその下端部が固定された複数(例えば3本)の脚部32b(図1における紙面奥側の脚部は不図示)と、3本の脚部32bにより略水平に支持された天板部32aとを含んでいる。天板部32aの中央部には、上下方向(Z軸方向)に貫通した開口34aが形成されている。開口34a内に投影光学系PLの上端部が挿入されている。
天板部32aの下面側に一端が固定された3つの吊り下げ支持機構137(ただし紙面奥側の吊り下げ支持機構は不図示)の他端がフランジFLGに接続され、これにより投影光学系PLが天板部32aに吊り下げ支持されている。3つの吊り下げ支持機構137のそれぞれは、柔構造の連結部材であるコイルばね136とワイヤ135とを含む。コイルばね136は、投影光学系PLの光軸(Z軸)に垂直な方向には振り子のように振動するため、投影光学系PLの光軸に垂直な方向の除振性能(床の振動が投影光学系PLに伝達するのを防止する性能)を有している。また、光軸に平行な方向に関しても、高い除振性能を有している。
また、コラム34の各脚部32bのZ軸方向に関する中央部近傍には凸部134aが内側に突設され、各凸部134aと投影光学系PLのフランジFLGの外周部との間には、駆動系440が設けられている。駆動系440は、投影光学系PLを鏡筒の半径方向に駆動するボイスコイルモータと、投影光学系PLを光軸方向(Z軸方向)に駆動するボイスコイルモータとを含んでいる。3本の脚部32bに設けられた3つの駆動系440により投影光学系PLを6自由度方向に変位させることができる。
投影光学系PLのフランジFLGには、投影光学系PLの6自由度方向の加速度を検出するための加速度センサ234(図1では不図示、図7参照)が設けられており、加速度センサ234で検出される加速度情報に基づいて、主制御装置50(図1では不図示、図7参照)が、投影光学系PLがコラム34及び床面Fに対して静止した状態となるように駆動系440のボイスコイルモータの駆動を制御する。
投影光学系PLのフランジFLGの下面からは、リング状の計測マウント51が複数(ここでは例えば3本)の支持部材53(ただし、紙面奥側の支持部材は不図示)を介して吊り下げ支持されている。3本の支持部材53は、実際には、その両端部に支持部材53の長手方向以外の5自由度方向の変位が可能なフレクシャ部を有するリンク部材を含んで構成され、計測マウント51とフランジFLGとの間に応力が殆ど生じることなく計測マウント51を支持することができるようになっている。
計測マウント51には、ウエハ干渉計58、ウエハアライメント系(以下、アライメント系と称する)ALG(図1では不図示、図7参照)、及び不図示の多点焦点位置検出系などが保持されている。アライメント系ALGとしては、例えば米国特許第5,721,605号明細書などに開示される画像処理方式のFIA系を用いることができる。また、多点焦点位置検出系としては、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示される多点焦点位置検出系を用いることができる。
ウエハステージWSTは、投影光学系PLの下方に水平に配置されたステージ定盤BSの上面に、その底面に設けられたエアベアリングなどを介して浮上支持されている。
ここで、ステージ定盤BSは、直接的に床面F上に据え付けられており、その+Z側の面(上面)は、その平坦度が非常に高くなるように加工されており、ウエハステージWSTの移動基準面(ガイド面)とされている。
ウエハステージWSTは、ウエハホルダ125を介してウエハWを真空吸着等により保持し、主制御装置50により、ウエハステージ駆動系122(図1では不図示、図7参照)を介して、ステージ定盤BSの上面に沿ってXY平面内で自在に駆動されるようになっている。
次に、レチクルステージ装置20及びその近傍の構成部分について詳述する。
図2には、レチクルステージ装置20の外観が斜視図にて示されている。カウンタマス18の上面と僅かな間隙を介してカウンタマス18の全面を覆う天板80が、コラム34の天板部32a上に、8本の支持脚80を介して略水平に支持されている。天板80のほぼ中央には、照明光ILの通路となる開口80aが形成されている。開口80aの周囲部分の天板80の上面に、後述するパージカバー82の下端が接続されている(図5参照)。天板80の−Y側の端部近傍には、図2に示されるように、レチクルRの搬出入口88aが形成されている。搬出入口88aは、スライド式の開閉部材(シャッタ)88によって開閉される。
図3には、天板80及び8本の支持脚80を取り去った状態のレチクルステージ装置が斜視図にて示されている。レチクルステージ定盤RBSは、平面視(上方から見て)略長方形の板状部材から成り、その中央部には、照明光ILの通路となる開口RBSa(図1及び図4(B)等参照)が形成されている。開口RBSaは、前述した天板部32aの開口34aとZ軸方向に連通した状態となっている。また、レチクルステージ定盤RBSの上面の、中心から−X方向及び+X方向に等距離離れた位置には、凸状部分RBSb、RBSc(図4(B)参照)がY軸方向に延設されている。凸状部分RBSb,RBScの上面(+Z側の面)は、平坦度が非常に高くなるように加工され、レチクルステージRSTの移動の際のガイド面が形成されている。
また、レチクルステージ定盤RBSの上面の外周部近傍には、不図示ではあるが、所定間隔で複数のエアパッドが固定されている。これらの複数のエアパッド上にカウンタマス18が配置されている。これらの複数のエアパッドの一部、例えばレチクルステージ定盤RBSの4隅にあるエアパッドは、カウンタマス18の自重をレチクルステージ定盤RBSの上面(+Z側の面)上で非接触で支持している。残りのエアパッドは、真空吸引力と吹き出し圧力とのバランスの調整が可能であり、カウンタマス18の下面とレチクルステージ定盤RBSの上面との間を所定間隔に維持している。
レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間に設けられた図1に示される複数(例えば3つ)の防振ユニット14は、それぞれがエアダンパ又は油圧式のダンパ等の機械式のダンパを含んでいる。この防振ユニット14により、エアダンパ又は油圧式のダンパによって比較的高周波の振動がレチクルステージRSTへ伝達するのを回避することができる。また、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間には、レチクルステージ定盤RBSにX軸方向の駆動力を作用させるXボイスコイルモータ66X、Y軸方向の駆動力を作用させるYボイスコイルモータ66Y、及びZ軸方向の駆動力を作用させるZボイスコイルモータ66Z(いずれも、図3では不図示、図7参照)が設けられている。
これらボイスコイルモータとしては、例えば、Xボイスコイルモータ66XとYボイスコイルモータ66Yの少なくとも一方を2つ、Zボイスコイルモータ66Zを3つ設けることとすることができる。すなわち、Xボイスコイルモータ66XとYボイスコイルモータ66Yとの少なくとも一方を2つ設けることで、レチクルステージ定盤RBSをX軸方向及びY軸方向のみならず、θz方向にも微小駆動することが可能であり、また、Zボイスコイルモータ66Zを3つ設けることで、レチクルステージ定盤RBSをZ軸方向のみならず、θx方向及びθy方向にも微小移動することが可能である。従って、ボイスコイルモータ66X,66Y,66Zにより、レチクルステージ定盤RBSを6自由度方向に微小駆動することが可能である。なお、レチクルステージ定盤RBSの位置は、定盤干渉計240及びZエンコーダ81(いずれも図7参照)により投影光学系PLを基準として計測される。
ここで、例えば3つのZボイスコイルモータ66Zは、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間の一直線上に無い3箇所に設けられている。この3つのZボイスコイルモータ66Zに加えて、レチクルステージ定盤RBSと天板部32aとの間に、変形抑制部材(例えばボイスコイルモータなど)を複数配置しても良い。このようにすると、Zボイスコイルモータ66Zのみにより、レチクルステージ定盤RBSをZ軸方向、θx方向、θy方向に駆動した(変位させた)場合に、Zボイスコイルモータ66Zの推力の作用点同士が離れていることに起因してレチクルステージ定盤RBSに撓みあるいはねじれが発生するような場合でも、主制御装置50が、3つのZボイスコイルモータ66Zの発生推力に応じて、その複数の変形抑制部材の発生する推力を制御(推力分配)することで、レチクルステージ定盤RBSを、その変形が極力抑制された状態でZ、θx、θy方向に駆動する(変位させる)ことが可能となる。
レチクルステージRSTは、図3に示されるように、レチクルステージ本体22と、レチクルステージ本体22のX軸方向の両端部に固定された一対の可動子30A,30Bとを備えている。
レチクルステージ本体22は、図4(A)に拡大して示されるように、平面視(上方から見て)矩形状の板状部22と、板状部22の±X端にそれぞれ固定されたY軸方向を長手方向とする直方体状のエアスライダ部22,22とを有している。ここで、板状部22のほぼ中央には、照明光ILの通路となる開口22a(図4(B)参照)が形成されている。
板状部22上面の開口22aのX軸方向の両側の部分には、レチクルRの裏面を吸着保持する一対のバキュームチャック95,96が配置されている。
また、板状部22上面の開口22aの−Y側の部分には、一対のストッパ(位置決め部材)93,94が、X軸方向に関して所定距離(レチクルRのX軸方向に関する幅より幾分短い距離)隔てて配置され、固定されている。これらのストッパ93,94は、レチクルRの−Y側の端面(側面)に当接してそのレチクルRを位置決めする。
また、板状部22上面の開口22aの+Y側の部分には、一対の回動アームから成るクランパ(押圧部材)91、92が取り付けられている。クランパ91、92は、それぞれストッパ93、94と組を成し、レチクルRをY軸方向の一側と他側から挟持するクランプ装置を、それぞれ構成する。
一方のクランパ91は、X軸方向を長手方向とし、その−X端を支点(回転中心)として回動可能に板状部22に取り付けられている。また、このクランパ91の−Y側の面の+X端部には、ストッパ93に対向してほぼ半球状の凸部が設けられている。そして、このクランパ91は、その凸部がレチクルRの+Y側の端面に圧接するように、不図示のゼンマイバネなどから成る付勢部材によって時計回りに常に付勢されている。他方のクランパ92は、左右対称ではあるが、クランパ91と同様に構成されている。
レチクルRは、開口22aを上方から塞ぐ状態で、板状部22(レチクルステージRST)上に載置されている。そして、レチクルRは、その−Y側の面がストッパ93,94に接触して位置決めされ、クランパ91,92により+Y側の面に所定の押圧力が加えられて固定される。レチクルRは、このようにしてクランパ91,92及びストッパ93,94によって固定された後、バキュームチャック95,96により、その下面のX軸方向両端部が吸着される。レチクルRをレチクルステージRST上からアンロードする場合には、吸着を解除した後、クランパ91,92を付勢力に抗して、レチクルRから離し、例えば上方から吸盤等でレチクルRの上面(パターン面と反対側の面)を吸着して持ち上げる。あるいは、レチクルRのパターン領域の外部をフック等で引っ掛けて持ち上げる。あるいは、レチクルRの下面のパターン領域の外部を複数本の上下動部材で下方から一旦持ち上げ、上下動部材から搬送アームに渡すなどしても良い。なお、クランパ91,92を常時付勢する構成に換えて、アクチュエータ(例えばモータあるいはエアシリンダなど)により、クランパ91,92の半球状凸部が、レチクルRに当接する第1位置と、レチクルRから離間する第2位置とで切り替え可能な構成を採用しても良い。また、回動式に限らず、スライド式のクランパを用いることもできる。
その他、板状部22上には、各種計測部材が設けられている。例えば、板状部22の開口22aの±Y側には、X軸方向を長手方向とする矩形状の開口がそれぞれ形成されている。これらの開口を上方から塞ぐ状態で、空間像計測用基準マークが形成されたレチクルフィデューシャルマーク板(以下、「レチクルマーク板」と略述する)LF1,LF2が、レチクルRと並ぶように配置され、板状部22に固定されている。このレチクルマーク板LF1,LF2は、レチクルRと同材質のガラス素材、例えば合成石英やホタル石、フッ化リチウムその他のフッ化物結晶などから構成されている。レチクルマーク板の詳細については、例えば米国特許出願公開第2002/0041377号明細書等に開示されている。
本実施形態では、図4(B)から分かるように、レチクルRは、そのパターン面(下面)がレチクルステージ本体22(レチクルステージRST)の中立面(レチクルステージ本体22の重心を通るXY平面に平行な面)に略一致する状態で支持される。
エアスライダ部22,22は、図4(A)にエアスライダ部22について、その上面の一部を破砕して示されるように、その内部に強度を維持するための格子状のリブが設けられ、この格子状のリブによってその内部空間が区画された中空部材から成る。換言すれば、エアスライダ部22,22は、軽量化を図るべく、リブ部のみが残るように肉抜きされた直方体状の部材から成る。
エアスライダ部22,22の底面のX軸方向の外側半部、すなわち図4(B)に示されるようにレチクルステージ定盤RBSの前述の凸状部分RBSc、RBSbに対向する部分には、表面絞り溝を有する給気溝と排気溝(いずれも不図示)とが、Y軸方向の全長に渡って形成されている。また、給気溝と排気溝とのそれぞれの少なくとも一部に対向してレチクルステージ定盤RBSの凸状部分RBSc、RBSbの上面に、給気口と排気口とがそれぞれ形成されている。このように、本実施形態では、いわゆる定盤給気タイプの差動排気型気体静圧軸受が用いられている。定盤給気タイプの差動排気型気体静圧軸受の詳細は、例えば米国特許第7,489,389号明細書などに詳細に開示されている。
本実施形態では、給気口を介して供給され表面絞り溝から凸状部分RBSc、RBSbの上面に噴き付けられる加圧気体の静圧と、レチクルステージRST全体の自重とのバランスにより、凸状部分RBSc、RBSbの上に数ミクロン程度のクリアランスを介して、レチクルステージRSTが非接触で浮上支持される。ここで、加圧気体としては、クリーンドライエア(CDA)、窒素、又はヘリウムなどの希ガスなどが用いられる。
一対の可動子30A、30Bのそれぞれは、図4(B)に示されるように、エアスライダ部22の+X側の面、エアスライダ部22の−X側の面に固定されている。
可動子30A,30Bは、それぞれ所定の位置関係で配置された複数の磁石を内蔵する磁石ユニットによって構成されている。可動子30A,30Bのそれぞれは、図3及び図4(B)に示されるように、一対の固定子40A、40Bに係合している。
固定子40A、40Bは、図3及び図4(B)に示されるように、カウンタマス18内部のX軸方向の一側と他側にそれぞれ配置され、カウンタマス18に固定支持されている。
本実施形態では、固定子40Aとこれに係合する可動子30Aとにより、レチクルステージRSTをY軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、X軸方向にも微少駆動するムービングマグネット型の第1のXY駆動リニアモータが構成されている。同様に、固定子40Bとこれに係合する可動子30Bとにより、レチクルステージRSTをY軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、X軸方向にも微少駆動するムービングマグネット型の第2のXY駆動リニアモータが構成されている。そして、これら第1、第2のXY駆動リニアモータにより、レチクルステージRSTをY軸方向に所定ストロークで駆動するとともに、X軸方向及びθz方向にも微少駆動するレチクルステージ駆動系340(図7参照)が構成されている。また、レチクルステージ駆動系340は、レチクルステージRSTの重心を含む中立面内でレチクルステージを駆動する。レチクルステージ駆動系340を構成する第1、第2のXY駆動リニアモータの固定子40A、40Bの各コイルに供給される電流の大きさ及び方向が、主制御装置50によって制御される。
本実施形態では、図5に示されるように、照明ユニットIOPの下端(射出端)に位置する光透過窓部材(例えば、ガラス板又はレンズなど)を照明ユニットIOPのハウジングに固定するための環状の固定部材90と天板80との間に、パージカバー82が設けられている。パージカバー82は、平面視でX軸方向に細長い矩形の筒状部82と、筒状部82の上端部及び下端部にそれぞれ設けられたフランジ部82,82とを有している。
フランジ部82は、その上面が、固定部材90の下面に固定されている。筒状部82は、照明ユニットIOPからの射出される照明光ILの照射領域を取り囲んでいる。筒状部82は、照明ユニットIOPからレチクルRに照射される照明光ILを妨げないようにY軸方向の両側壁がテーパ部となっている。筒状部82のX軸方向の長さは、レチクルステージRSTのエアスライダ部22,22の外縁間のX軸方向に関する距離より幾分長く設定されている。フランジ部82は、その下面が、開口80aを取り囲んで天板80の上面に固定されている。
また、レチクルステージRSTの+Y側の端部には、図5に示されるように、その上端と先端とを覆う側面視L字状の端部カバー23が取り付けられている。同様に、レチクルステージRSTの−Y側の端部には、その上端と先端とを覆う側面視L字状の端部カバー23が取り付けられている。
この場合、端部カバー23は、エアスライダ部22,22の+Y側の端面及び上面の+Y端部(エアスライダ部22,22間の空間を含む)を覆い、端部カバー23は、エアスライダ部22,22の−Y側の端面及び上面の−Y端部(エアスライダ部22,22間の空間を含む)を覆う。このため、レチクルRの載置された空間は、前後左右の四方を、端部カバー23、23及びエアスライダ部22,22によって囲まれている。
また、エアスライダ部22,22の上面は、図4(B)に示されるように、それぞれ、天板80の下面の固定された後述する一対の突出部87c,87bの下面と僅かな間隙を挟んで対向している。
一対の突出部87b,87cは、天板80の下面に、開口80aを挟んでX側方向の一側と他側に、それぞれY軸方向に延設されている。(図4(B)及び図5参照)。突出部87b,87cは、開口80aの中心からX軸方向に関して当距離の位置に配置されている。天板80の下面には、開口80aを挟んでY軸方向の一側と他側に、一対の突出部87c,87bにそれぞれ挟まれる状態で、後述する温度調整装置86,86が、固定されている(図5参照)。温度調整装置86,86は、それぞれの下面がレチクルステージRST上に保持されたレチクルRの上面と対向し得る。
温度調整装置86,86の下面とレチクルRの上面及びエアスライダ部22,22(端部カバー23,23)との間には、それぞれ所定のクリアランス、例えば数μm〜数mm(最大でも3mm)のクリアランスが形成されている。これにより、本実施形態では、レチクルRの上面側に、そのレチクルRの上面、端部カバー23、23、エアスライダ部22,22、突出部87b,87c、温度調整装置86,86、天板80、及びパージカバー82、並びに照明ユニットIOPの下端(射出端)に位置する光透過窓部材によって区画されたほぼ気密状態の空間181(図4(B)又は図5参照)が形成されている。
天板80の開口80aのY軸方向の一側と他側の内壁面に、それぞれ、空間181内にパージガスを供給するための供給口84と空間181内の気体を排気するための排気口84が設けられている(図5参照)。これらの供給口84及び排気口84は、一例としてX軸方向に延びるラインスリット状に形成されている。供給口84は、不図示のガス供給管を介して図7に示されるパージガス供給装置101に接続されている。パージガス供給装置101は、パージガスとして、例えばクリーンドライエア(CDA)を、供給口84を介して空間181内に供給する。排気口84は、不図示のガス排出管を介して図7に示される排気装置102に接続されている。排気装置102は、真空ポンプを有し、排気口84を介して、強制的に空間181内の気体(不純物を含む空気)を排気する。空間181からの排気ガスを、ケミカルフィルタ、HEPAフィルタ等を介して、露光装置100の外部に排気する、あるいはパージガス供給装置101に戻してCDAを循環使用することも可能である。
いずれにしても、本実施形態では、空間181の内部ガス(空気)が、CDAでパージされている。CDAは、レチクル(マスク)のヘイズ生成反応加速物質である水蒸気を含む割合が、通常の空気に比べて極端に小さい。空間181は、ほぼ気密状態のパージ室となっている。以下では、この空間を第1のパージ空間181と呼ぶ。
本実施形態では、第1のパージ空間181内部がCDAパージされているので、第1のパージ空間181内部はクリーンな状態に維持される。従って、レチクルRで反射又は散乱した照明光ILが周囲のレチクルステージ装置20の構造物に照射されて発生する脱ガス、及び有機不純物の光化学反応により生じるヘイズ原因物質などが第1のパージ空間181の内部に滞留することがない。
さらに、本実施形態では、図4(B)、図5等に示されるように、レチクルステージRSTの周囲は、照明光ILの照射領域の近傍を除いて、カウンタマス18、天板80、及びレチクルステージ定盤RBSにより囲まれ、ほぼ気密状態の空間183が形成されている。天板80の下面のY軸方向の一側及び他側の端部近傍には、それぞれ、供給口84、排気口84が設けられている(図5参照)。供給口84、排気口84は、一例としてX軸方向に延びるラインスリット状に形成されている。供給口84は、不図示のガス供給管を介して図7に示されるパージガス供給装置101に接続されている。パージガス供給装置101は、パージガス、すなわちクリーンドライエア(CDA)を、供給口84を介して空間181内に供給する。排気口84は、不図示のガス排出管を介して図7に示される排気装置102に接続されている。すなわち、空間183の内部ガス(空気)が、CDAでパージされている。空間183は、ほぼ気密状態のパージ室となっている。以下では、この空間を第2のパージ空間183と呼ぶ。
第1のパージ空間181は、レチクルステージ装置20の構造上の僅かな隙間を介して外部と連通し得るが、独立に気密空間とされている第2のパージ空間183によってその隙間を含む部分が囲まれている、すなわち2重にパージされていることにより、外部からの不純物ガスの浸入が防止されている。
さらに、レチクルステージ定盤RBSと投影光学系PLとの間は、図4(B)及び図5に示されるように、非接触シールの一種であるラビリンスシールLBを介してシールされている。ラビリンスシールLBは、開口RBSaの周囲を取り囲む状態で、レチクルステージ定盤RBSと投影光学系PLとの間に取り付けられている。この場合、ラビリンスシールLBは、レチクルステージ定盤RBSの下面に開口RBSaの周囲を取り囲む状態でその上端が固定された環状の上部材と、該上部材に非接触で係合し、上面部材60を取り囲む状態でその下面が投影光学系PLの上面に固定された下部材とを有している。上部材は、−Z方向から見て同心でかつ多重の突起部を有し、下部材は、上部材より僅かに外側に位置し、上部材に非接触で係合する+Z方向から見て同心でかつ多重の突起部を有する。ただし、2つの突起部は、レチクルステージ定盤RBSが微小駆動されても、互いに接触することなく、常時非接触で係合する。
このため、本実施形態では、図4(B)に示されるように、レチクルR及びレチクルステージ本体部22と、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaの内壁面と、投影光学系PLの上面と、ラビリンスシールLBとで区画されたほぼ気密状態の空間182が形成されている。レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaの内壁面の一部には、前述のパージガス供給装置101に不図示の配管を介して接続された吹き出し口192が設けられている。また、例えば開口RBSaの内壁面には、前述の排気装置102に不図示の配管を介して接続された排気口(不図示)が設けられている。空間182の内部には、吹き出し口192からCDAが供給され、排気口(不図示)を介して外部に排気されている。すなわち、空間182の内部ガス(空気)が、CDAでパージされている。空間182は、ほぼ気密状態のパージ室となっている。以下では、この空間を第3のパージ空間182と呼ぶ。
本実施形態では、第1、第2及び第3のパージ空間181、183、182のそれぞれに、パージガスの供給口と排気口とが設けられ、しかも、第1、第2のパージ空間181,183では、供給口及び排気口が、それぞれ、各空間内部のY軸方向(走査方向)の一端近傍、他端近傍に配置されている。このため、パージガスが、例えば、供給口84から供給され、第1のパージ空間181内を流れ、排気口84から排気される。同様に、供給口84からパージガスが供給され、第2のパージ空間183内を第1のXY駆動リニアモータ(可動子30Aと固定子40A)及び第2のXY駆動リニアモータ(可動子30Bと固定子40B)の間隙を介してほぼ層流状態で流れ、排気口84から排気される。
また、第1のパージ空間181の排気口84から排気される排気量は、供給口84から供給される供給量よりも少なく設定されている。このため、第1パージ空間181に供給されたパージガスの一部は、第1のパージ空間181から第2のパージ空間183へ流出し、第2のパージ空間183の排気口から排気される。換言すれば、本実施形態のレチクルステージ装置20には、第1のパージ空間181から第2のパージ空間183へ、一方向(ワン・パス)のパージガスの流れが形成されている。なお、第2のパージ空間183の供給口84からの供給量と排気口84からの排気量は、第2のパージ空間183がその外側空間に対して陽圧になるように設定されている。
天板80の下面には、前述の如く、開口80aの+Y及び−Y側に、突出部87b,87cに挟まれた状態で、それぞれ温度調整装置86,86が固定されている(図5参照)。温度調整装置86,86は、それぞれの下面(温度調整面)がレチクルステージRST上に保持されたレチクルRの上面と僅かな間隙を挟んで対向する。
温度調整装置86,86は、図5に示されるように、全体として厚さの薄い直方体状の形状を有し、X軸方向の幅は、レチクルRのX軸方向の長さ(幅)より長い。温度調整装置86,86のY軸方向の長さは、レチクルRのパターン面のY軸方向の長さより長く、停止しているレチクルRのパターン面の全域に対向可能な長さであることが望ましいが、少なくとも、露光時におけるレチクルRの往復移動を通して、レチクルRのパターン面の全域が温度調整装置86,86に対向する長さであるものとする。
温度調整装置86,86の設置位置は、レチクルステージRSTの往復移動端の近傍の位置に定められている。すなわち、レチクルステージRSTの速度がゼロとなり、レチクルRと温度調整装置86又は温度調整装置86とが対向する時間が最も長くなる位置に、温度調整装置86,86による温度調整領域が設定されている。これにより、走査露光と並行して、レチクルRを効率良く温度調整することが可能となる。
温度調整装置86,86は、本実施形態では、XY方向に2次元配列された複数のペルチェ素子から成るペルチェアレイによってそれぞれ構成されている。温度調整装置86,86は、図7に示されるように、温調コントローラ28に接続されている。温調コントローラ28は、不図示の温度センサからのモニタ信号に基づいて、温度調整装置86,86(ペルチェアレイ)を構成する各ペルチェ素子に供給される電流量を調整することにより、各ペルチェ素子の温度(温度調整状態)を、調整する。温調コントローラ28は、主制御装置50に接続されている。ここで、温度調整装置86,86(ペルチェアレイ)を構成する各ペルチェ素子を、アクチュエータ(ボイスコイルモータ又は駆動素子)により、Z軸方向(各ペルチェ素子のPN接合面に直交する方向)に駆動可能に構成しても良く、この場合には、各ペルチェ素子の温度のみならず、各ペルチェ素子とレチクルR上面との間隔(クリアランス)を制御することで各ペルチェ素子によるレチクルRの温度調整状態を調整することができ、温度調整装置86,86によるレチクルRの温度調整率分布を調整することもできる。これにより、温度調整装置86,86の温度制御の応答が速くなるだけでなく、レチクルRの表面の温度分布が一様になるように適切な温度制御が可能になる。
エアスライダ部22,22の底面には、図4(B)に示されるように、それぞれ、グレーティングRG1,RG2がY軸方向のほぼ全長に渡って延接されている(図6参照)。グレーティングRG1,RG2のそれぞれの表面には、X軸方向及びY軸方向を周期方向とする2次元グレーティングが形成されている。
投影光学系PLの最上面には、図6に示されるような中央に矩形の開口PLaが形成された平面視六角形の上面部材60が、固定されている(図4(B)参照)。開口PLaは、レチクルRのパターン面を透過し、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaを透過した照明光ILの光路(通路)となる。上面部材60の上面のX軸方向の両端部(開口PLaの両側)に各3つのエンコーダヘッド72,73,74、及び77,78,79が固定されている。エンコーダヘッド72,77は開口PLaの+Y側の角部近傍に、エンコーダヘッド74,79は−Y側の角部近傍に、エンコーダヘッド73,78は開口PLaの中心(すなわち投影光学系PLの光軸)と同じY位置に、配置されている。
各3つのエンコーダヘッド72,73,74、及び77,78,79は、それぞれ、前述したグレーティングRG1,RG2に対向している。
本実施形態では、エンコーダヘッド72〜74,77〜79として、グレーティング(計測面)に平行な一方向(グレーティングの一周期方向)と、計測面に垂直な方向との二方向を計測方向とする2次元エンコーダヘッドが採用されている。かかるヘッドの一例は、例えば米国特許第7,561,280号明細書などに開示されている。
ここで、4つのエンコーダヘッド72,74,77,79はY軸方向とZ軸方向とを計測方向とし、2つのエンコーダヘッド73,78はX軸方向とZ軸方向とを計測方向とする。
エンコーダヘッド72,73,74は、図4(B)に示されるように、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaを介して、レチクルステージRST(エアスライダ部22)の底面のグレーティングRG1に計測ビームを下方から照射し、グレーティングRG1にて発生する複数の回折光を受光して、それぞれの計測方向に関するグレーティングRG1(すなわちレチクルステージRSTのエアスライダ部22)の位置情報を求める(計測する)。これらのエンコーダヘッド72,73,74から第1エンコーダシステム71(図7参照)が構成され、その計測情報は主制御装置50(図7参照)に送られている。
エンコーダヘッド77,78,79は、上述のエンコーダヘッド72,73,74と同様に、レチクルステージ定盤RBSの開口RBSaを介して、レチクルステージRST(エアスライダ部22)の底面のグレーティングRG2に計測ビームを下方から照射し、グレーティングRG2にて発生する複数の回折光を受光して、それぞれの計測方向に関するグレーティングRG2(すなわちレチクルステージRSTのエアスライダ部22)の位置情報を求める(計測する)。これらのエンコーダヘッド77,78,79から第2エンコーダシステム76(図7参照)が構成され、その計測情報は主制御装置50(図7参照)に送られる
主制御装置50は、第1及び第2エンコーダシステム71,76(エンコーダヘッド72〜74,77〜79)の計測情報に基づいて、投影光学系PLの中心(光軸)を基準とするレチクルステージRSTの6自由度方向に関する位置情報を求める(算出する)。主制御装置50は、その結果に基づいて、前述のレチクルステージ駆動系340を介して、レチクルステージRSTを駆動(制御)する。なお、第1及び第2エンコーダシステム71,76を含んで、レチクルエンコーダシステム70が構成されている(図7参照)。
なお、レチクルエンコーダシステム70と独立に、レチクルステージRSTの位置情報を計測するレチクル干渉計システム(不図示)が設けられている。レチクル干渉計システム(不図示)は、レチクルエンコーダシステム70の計測範囲外にレチクルステージRSTが移動する際、あるいはレチクルエンコーダシステム70のバックアップ用などとして補助的に使用される。
図7には、本実施形態の露光装置100の制御系を中心的に構成する主制御装置50の入出力関係が、ブロック図にて示されている。主制御装置50は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含み、装置全体を統括して制御する。
上述のようにして構成された露光装置100による露光動作の流れについて簡単に説明する。
まず、主制御装置50の管理の下、レチクルローダ(不図示)によって、レチクルRがレチクルステージRST上へロードされる。すなわち、レチクルRを例えば吸着保持したレチクルローダが、例えばCDAでパージされている搬送路内を通って、レチクル交換位置の上方の位置に向かって移動する。そして、レチクルRがレチクル交換位置の真上まで来ると、天板80に設けられたシャッタ88が開き、搬出入口88aが開放され、レチクルローダにより、搬出入口88aを介して、第2のパージ空間183内部のレチクル交換位置で待機しているレチクルステージRST上へ、レチクルRがロードされる。この後、レチクルローダが搬出入口88aの外部に退避すると、シャッタ88が閉じ、第2のパージ空間183がほぼ気密状態となり、その内部のCDAによるパージが開始される。
次に、主制御装置50により、レチクルアライメント系(不図示)及びアライメント系ALG(図7参照)等を用いて、例えば米国特許第5,646,413号明細書などに開示される所定の手順に従ってレチクルアライメント、アライメント系ALGのベースライン計測等が行われる。これと前後して、不図示のウエハローダによってウエハステージWST上へのウエハWのロードが行われる。この後、主制御装置50により、例えば米国特許第4,780,617号明細書などに開示されているEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等のウエハアライメントが実行され、ウエハアライメントの終了後、通常のスキャナと同様のステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
また、主制御装置50は、露光動作中、レチクルステージ定盤RBSが所定の状態を維持するように、定盤干渉計240の計測結果に基づいて上述したXボイスコイルモータ66X,Yボイスコイルモータ66Yを制御するとともに、Zエンコーダ81の計測結果に基づいてZボイスコイルモータ66Zを制御してレチクルステージ定盤RBSのZ方向及びθx、θy方向に関する位置を調整することにより、間接的にレチクルRのZ方向及びθx、θy方向に関する位置を調整する。
また、露光動作にあたって、主制御装置50の管理の下、ウエハステージWSTとレチクルステージRSTとがY軸方向に相対駆動されるが、その際には、主制御装置50は、レチクルエンコーダシステム70の計測結果に基づいて、レチクルステージ駆動系340を制御し、レチクルステージRSTを駆動する。このとき、レチクルステージRSTが、Y軸方向に関して所定の範囲内で往復移動するが、この移動中も、パージ空間181〜183において、その気密状態が維持され、CDAパージが効果的に行われる。
また、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作では、露光と並行して、Y軸方向に関して往復移動動作を繰り返すレチクルステージRST上のレチクルRの温度調整が温度調整装置86,86により、効率良く行われる。
以上説明したように、本実施形態の露光装置100によると、照明ユニットIOPとレチクルステージRST上のレチクルRとの間の照明光ILの光路を含む第1のパージ空間181の内部が、パージガス供給装置101から供給口84を介して供給されるCDAによりガスパージされている。このため、レチクルRで反射又は散乱した照明光ILが周囲のレチクルステージ装置20の構造物に照射されて発生する脱ガス、及び有機不純物の光化学反応により生じるヘイズ原因物質などが第1のパージ空間181の内部に滞留することがない。従って、レチクルのヘイズ現象の発生を効果的に防止することができる。また、第1のパージ空間181は、レチクルステージRST及びレチクルが外部との境界の一部を兼ね、レチクルステージRSTの移動を許容する構造になっている。このため、第1のパージ空間181は完全な密閉空間とは成り得ず、隙間を介して外部と連通しているが、その隙間を囲んで、その内部がCDAでガスパージされている第2のパージ空間183が存在し、かつ第1のパージ空間181から第2のパージ空間183へ、一方向のパージガスの流れを形成しているので、外部から第1のパージ空間181に不純物を含むガスが侵入することが防止される。従って、レチクルステージRSTを含む移動体装置の全体を気密型の遮蔽容器で取り囲むことなく、照明ユニットIOPとレチクルRとの間の照明光ILの光路を含む第1のパージ空間181内をクリーンな状態に維持することが可能となる。
また、パージガスとしてCDAが用いられているので、レチクルRのヘイズを効果的に防止することができ、レチクルR上に成長したヘイズがウエハに転写されることにより生ずるパターン欠陥等の発生を未然に防止することが可能になる。また、これらの欠陥を防ぐために、レチクルの検査を頻繁に行う必要がないので、結果的に生産性の低下の防止、ひいては生産性の向上を図ることが可能になる。
なお、上記実施形態では、第1、第2及び第3のパージ空間181,183及び182が設けられていたが、第3のパージ空間182はパージ空間でなくても良く、ほぼ気密状態の密閉空間でも良い。また、上記実施形態では、第1、第2及び第3のパージ空間181,183及び182のそれぞれに、供給口、排気口の両者が設けられ、3つの空間181,183及び182が個別にCDAパージされている場合について説明した。しかし、これに限らず、第1のパージ空間181にのみ供給口84が設けられていても良い。また、かかる場合には、供給口84から第1のパージ空間181にパージガスが供給されると、第2のパージ空間183、第3のパージ空間182との間隙を介して第1のパージ空間181内部をパージしたガスが第2のパージ空間183、第3のパージ空間182に流れ、それらのパージ空間を介して外部に排気され得るからである。また、第2のパージ空間183にのみ排気口84が設けられていても良い。かかる場合には、第1のパージ空間181内部をパージしたガスを第2のパージ空間183の内部を介して排気口84から外部に強制的に排気することができる。
また、上記実施形態では、温度調整装置86,86としてペルチェ素子アレイを用いる場合について説明したが、これに限らず温度調整装置として温調空気をレチクルに噴きつけるタイプの温度調整装置を用いても良い。この場合も、温度調整装置が、第1のパージ空間の外部との境界の一部を兼ねていることが望ましい。
なお、上記実施形態では、レチクルステージRSTが板状部22と、該板状部22のX軸方向の両端部に固定され、Y軸方向の長さが板状部22より長い一対のエアスライダ部22,22とを有していることに鑑みて、端部カバー23、23を用いて板状部22の+Y端と−Y端とを囲む場合について説明した。しかし、これに限らず、レチクルステージRSTが前後左右の四方の側壁で、レチクルRを囲むような構造であれば、端部カバーは必ずしも設ける必要がない。要は、一対の天板80に固定された部材がレチクルステージの上面に所定のクリアランスを介して対向することで、レチクルRの上方かつ照明系ユニットの下方に、ほぼ気密状態の空間を形成できれば良い。
また、上記実施形態では、第1、第2及び第3のパージ空間181、183及び182が、ともにCDAでパージされる場合について説明したが、これに限らず、それぞれのパージ空間181〜183で用いるパージガスの種類を異ならせても良い。この場合、異なる種類のパージガスを供給する3種類のパージガス供給装置を、パージ空間181〜183のそれぞれの供給口に配管を介して接続すれば良い。ただし、排気系は、パージ空間181〜183のそれぞれで個別に設けても良いし、同一の真空排気系により3つの空間の内部ガスを排気しても良い。また、パージガスとしては、CDAのように水蒸気を含む割合が通常の空気に比べて小さいガスを用いても良いが、これに限らず、ヘイズ原因物質、例えば硫酸アンモニウム又は炭酸アンモニウム、炭化水素、カルボン酸、シアヌル酸、又は他の炭素を含有する分子などの分子状汚染物質を含まず、かつ照明光ILを殆ど吸収しない、窒素やヘリウムなどの希ガスを、パージガスとして用いても良い。
なお、上述の実施形態では、露光装置が、液体(水)を介さずにウエハWの露光を行うドライタイプの露光装置である場合について説明したが、これに限らず、例えば国際公開第99/49504号、欧州特許出願公開第1,420,298号明細書、国際公開第2004/055803号、米国特許第6,952,253号明細書などに開示されているように、投影光学系とウエハとの間に照明光の光路を含む液浸空間を形成し、投影光学系及び液浸空間の液体を介して照明光でウエハを露光する露光装置であっても良い。また、例えば米国特許出願公開第2008/0088843号明細書などに開示される、液浸露光装置などにも、上記実施形態を適用することができる。
また、上記実施形態では、露光装置が、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置である場合について説明したが、これに限らず、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置、プロキシミティー方式の露光装置、又はミラープロジェクション・アライナーなどにも上記実施形態は適用することができる。さらに、例えば米国特許第6,590,634号明細書、米国特許第5,969,441号明細書、米国特許第6,208,407号明細書などに開示されているように、複数のウエハステージを備えたマルチステージ型の露光装置にも上記実施形態を適用できる。また、例えば国際公開第2005/074014号などに開示されているように、ウエハステージとは別に、計測部材(例えば、基準マーク、及び/又はセンサなど)を含む計測ステージを備える露光装置にも上記実施形態は適用が可能である。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系は屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、照明光ILとしては、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に限らず、F2レーザ光(波長157nm)などの他の真空紫外光は勿論、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、あるいは超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(波長436nmのg線、波長365nmのi線等)を用いることも可能である。また、真空紫外光としては、例えば米国特許第7,023,610号明細書などに開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外域に波長変換した高調波を用いても良い。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書などに開示されているように、2つのレチクルパターンを投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記実施形態を適用することができる。
なお、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものではなく、ガラスプレート、セラミック基板、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。
また、上記実施形態の露光装置は、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
本発明の露光装置は、被露光物体上にパターンを転写するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの製造に適している。
23,23…端部カバー、80…カバー板、84…供給口、84…排気口、84…供給口、84…排気口、86,86…温度調整装置、87b,87c…突出部、88…シャッタ、100…露光装置、101…パージガス供給装置、102…排気装置、181…第1のパージ空間、182…第3のパージ空間、183…第2のパージ空間、R…レチクル、W…ウエハ、RBS…レチクルステージ定盤、RST…レチクルステージ、IOP…照明ユニット、IL…照明光、PL…投影光学系。

Claims (16)

  1. パターンが形成されたマスクを照明光により照明しつつ、前記マスクと物体とを同期して走査方向に駆動して前記パターンを前記物体上に転写する露光装置であって、
    前記照明光を射出する照明系と;
    前記マスクを保持するとともに、前記マスクが前記照明系から射出される前記照明光の照射領域を横切るように、前記走査方向に移動する移動体と;
    前記照明系からの前記照明光の前記マスク上の照明領域を含み、前記移動体と該移動体が対向する部材との間に所定のクリアランスが形成され、前記移動体及び前記部材が外部との境界の一部を兼ねる第1空間と;前記第1空間の内部に第1のパージガスを供給する第1ガス供給系と;
    前記クリアランスを含む前記第1空間の少なくとも一部を取り囲み、その内部に第2のパージガスが供給される第2空間と;を備える露光装置。
  2. 前記移動体の前記走査方向の移動にともなって、前記第1空間は変化し、
    前記第1空間の外部との境界の一部を成す一境界面が、前記移動体及び該移動体に保持される前記マスクに前記クリアランスを介して対向する1又は2以上の部材によって構成される請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記一境界面を構成する前記1又は2以上の部材は、前記移動体に保持される前記マスクに対向して、前記マスクを温度調整する少なくとも1つの温度調整装置を含む請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記第1空間の前記照明系側に配置され、前記照明光の通路を除いてカバーするカバー部材をさらに備え、
    前記カバー部材が、前記第2空間の外部との境界の一部を兼ねる請求項1〜3のいずれか一項に記載の露光装置。
  5. 前記カバー部材には、前記マスクを前記第2空間内に搬出入するための搬出入口が形成され、
    該搬出入口を開閉するシャッタ部材をさらに備える請求項4に記載の露光装置。
  6. 前記移動体を支持するとともに前記移動体を案内するガイド面が形成された支持部材をさらに備え、
    前記支持部材が、前記第2空間及び前記第1空間の外部との境界の一部を兼ねる請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 前記支持部材に支持され、前記移動体を駆動する駆動系の一部が設けられ、前記移動体の駆動力の反力を受けて移動するカウンタマス部材をさらに備え、
    前記カウンタマス部材が、前記第2空間の外部との境界の一部を兼ねる請求項6に記載の露光装置。
  8. 前記マスクを介した前記照明光を前記物体上に投射する投影光学系と;
    前記マスクと前記投影光学系との間の前記照明光の光路を含み、その内部に第3のパージガスが供給される第3空間とをさらに備え、
    前記支持部材が、前記第3空間と前記第2空間との境界の一部を兼ねる請求項6又は7に記載の露光装置。
  9. 前記第1空間の内部のガスを外部に排気する第1排気系をさらに備える請求項1〜8のいずれか一項に記載の露光装置。
  10. 前記第1ガス供給系は、前記第1空間の外部との境界の一部を構成する境界部材の前記マスク上の照明領域の近傍に位置する供給口から、前記第1空間に前記第1のパージガスを供給し、
    前記第1排気系は、前記境界部材上で前記照明光の光路を挟んで前記供給口と対向する排気口から前記第1空間内のガスを強制排気する請求項9に記載の露光装置。
  11. 前記第2空間内のガスを排気する第2排気系をさらに備える請求項1〜10のいずれか一項に記載の露光装置。
  12. 前記第2空間に前記第2のパージガスを供給する第2ガス供給系をさらに備える請求項11に記載の露光装置。
  13. 前記第2ガス供給系は、前記走査方向の一側から前記第2空間に前記第2のパージガスを供給し、
    前記第2排気系は、前記走査方向の他側から前記第2空間内のガスを排気する請求項12に記載の露光装置。
  14. 前記第1のパージガスと前記第2のパージガスとして、同一種類のガスが用いられる請求項1〜13のいずれか一項に記載の露光装置。
  15. 前記第1のパージガス及び前記第2のパージガスの少なくとも一方は、クリーンドライエアである請求項1〜14のいずれか一項に記載の露光装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の露光装置を用いて物体上に前記パターンを転写することと;
    前記パターンが転写された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法。
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