JP2001217177A - 露光装置及び露光方法 - Google Patents

露光装置及び露光方法

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JP2001217177A
JP2001217177A JP2000024286A JP2000024286A JP2001217177A JP 2001217177 A JP2001217177 A JP 2001217177A JP 2000024286 A JP2000024286 A JP 2000024286A JP 2000024286 A JP2000024286 A JP 2000024286A JP 2001217177 A JP2001217177 A JP 2001217177A
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Masami Yonekawa
雅見 米川
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投影露光の際、原版の温度上昇に対し、効果
的な冷却で、回路パターン投影像に発生する回転対称
(倍率、ディストーション)、及び回転非対称な誤差成
分をほぼゼロに保ち、かつスループットの低減を最小に
する。 【解決手段】 原版としてのレチクル6の任意の領域を
冷却する冷却ユニット73と、該レチクルの温度分布に
基づいて、該任意の領域毎に該冷却ユニット73の冷却
量を制御するための制御手段20と、レチクル6の温度
分布を計測するための温度分布計測ユニット71とを備
え、該温度分布計測ユニット71は、複数の温度センサ
の感温部を、原版相当の大きさでマトリックス状に配置
した1枚のプレートとして構成し、ショット毎、基板毎
等、適切なタイミングでレチクル6に所定時間接触させ
温度分布を計測することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC、LSI、等
の半導体素子を製造する際に、レチクル面上の電子回路
パターンを投影光学系を介して、ウエハ面上に順にステ
ップ&リピートする投影露光を行う露光装置(いわゆる
ステッパ)と、ウエハ面上に順にステップ&スキャンし
て投影露光する露光装置(いわゆるスキャナ)及びその
露光方法に関するもので、特に、投影露光の際、レチク
ルが露光光を吸収し温度が上昇しても、その発熱量を精
度よく検出し、効果的に冷却することで、レチクルの熱
変形によって発生する倍率変動、ディストーションをほ
ぼゼロに保つ機能を有する半導体製造用の露光装置及び
露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、IC、LSI、等の半導体集積回
路のパターンが微細化するのに伴い、投影露光装置に
は、解像度、重ね合わせ精度、スループットの更なる向
上が求められている。
【0003】現在、各LSIメーカの量産ラインでは、
生産性を向上させるために、クリティカルレイヤには高
解像度の露光装置を用い、ラフレイヤには解像度は低い
ものの高スループットの露光装置を用いる傾向が強くな
っている。このように、異なる装置でのミックスアンド
マッチ(Mix&Match)方式のプロセスに対応す
るためには、ウエハ内のショット配列のシフト、倍率、
回転誤差を抑えることはもちろんのこと、ショット内で
の倍率、ディストーション等の変動も極力抑えなければ
ならない。
【0004】特にショット内の変動に関しては、レチク
ルが照明光を吸収し、熱膨張することによって、倍率、
ディストーションが変動するといった問題が近年顕在化
してきた。レチクルは石英硝子を使っているため、硝子
自体の露光光(ArF193nm、KrF243nm、
i線、等)の吸収率は1%以下であり、また、その線膨
張係数も0.5ppm/℃と低いため、従来レチクルの
熱膨張はほとんど問題にならなかった。しかし、高スル
ープット化の要請から照明光の高エネルギ化が行われた
り、光学系のフレア防止のためレチクルの回路パターン
面が多層化されたりなどの理由により、例えばクロム等
の回路パターンが吸収する露光エネルギが多くなった。
その結果熱伝導のプロセスにより石英硝子の温度が上昇
し、熱膨張し、ショット内での倍率、ディストーション
が変動するという現象が確認されるようになった。今後
はさらに光源の短波長化が進むと考えられ、硝材自体の
吸収率の問題、あるいは、露光プロセスが大気雰囲気中
では困難になることにより、熱の大気中への拡散が期待
できなくなることから、より一層レチクルの発熱問題が
クローズアップされる可能性が高くなる。
【0005】第一の従来例は、このレチクル熱膨張の対
策として、レチクルの温度上昇を低減しようとするアイ
デアが提案されてきた。例えば、レチクルに空調された
気体を吹き付けることにより温度上昇を防ぐという方法
が従来から提案されている(特開平09−102450
号公報、特開平09−275070号公報、特開平10
−22196号公報、その他)。
【0006】第二の従来例として、レチクルが熱膨張し
ても、それを補正する方法が各種提案されてきた。例え
ば、レチクルの熱変形量を各種露光パラメータ(レチク
ル面照度、パターン存在率、等)に基づいて、差分法、
有限要素法、等の数値計算により見積もって、倍率、デ
ィストーション成分を投影光学系の補正手段を用いて補
正する方法(特開平4−192317号公報、その他)
が提案されている。
【0007】第三の対策として、レチクルを熱的定常状
態に保ったまま露光する方法(特開平05−32358
7号公報、特開平06−124871号公報、他)が提
案されている。これは、熱的にレチクルに入射するエネ
ルギと周囲に拡散するエネルギの収支バランスが取れた
状態では、レチクルに倍率変動やディストーションは発
生しないという原理に基づくものである。
【0008】
【発明を解決しようとしている課題】しかし、上記第一
から第三の従来技術は以下のように不十分な点があっ
た。第一の従来例では、基本的にエアの温度とレチクル
の温度を同一にし、レチクル面全体の温度を平坦なもの
にすることはできないこと、レチクルを強制空冷するこ
とにより、投影レンズエレメント、レチクルステージ、
等の温度分布が変わり悪影響を及ぼす可能性があるこ
と、ペリクルが装着されたレチクルでは効果が低いこと
などにより、それほど効果的ではない。
【0009】第二の従来例では、レチクルに発生した倍
率変動、ディストーションは投影レンズの倍率変動、デ
ィストーション補正機構を用いて補正するが、基本的に
この補正機構は、投影像の軸対称成分を補正するのみで
ある。しかし、レチクルの熱変形は、回路パターンの密
度分布に依存するため、それがレチクル面上で偏在して
いる場合は、局所的に変形、歪が生じ、投影レンズの補
正機構では補正しきれないという問題がある。
【0010】通常、ULSIのリソグラフィ工程では、
十数もの工程毎に異なったレチクルを用いている。従っ
て、それらの電子回路パターンには様々なものがあるた
め、レチクルに露光光が照射されて発熱した際、その温
度分布も様々な場合が考えられる。図22(A)から
(D)はそれを簡単に示したものである。図22(A)
は原版としてのレチクル6に形成されている回路パター
ンが均一に分布している場合を示しており、温度分布は
ほぼ同心円に近い分布をする。このような温度分布の場
合、レチクル6はほぼ等方的に膨張するため、従来の投
影レンズの倍率、ディストーション補正機能を用いるこ
とにより補正は可能である。しかし、図22(B)から
同図(D)に示すように、レチクル6の面に回路パター
ンが偏在している場合は、パターン密度の高い部分のみ
発熱し、温度分布がレチクル6の中心に対して、非対称
になる。
【0011】従って、変形、歪も局所的に生ずるため、
非軸対称成分の補正が不可能な投影レンズの補正機構で
は対応できなかった。また、レチクルは通常複数点のバ
キュームチャックにより固定されているが、レチクルと
各接触部との摩擦状態(摩擦係数)の違いにより、任意
の1点を基準に滑りながら膨張する。そのため、レチク
ルに発生するシフト、回転成分は全く予測不可能とな
り、適切なタイミングで、レチクルアライメントやベー
スライン計測が必要不可欠で、スループット上のネック
となる。加えて、レチクルは発熱したままなので、レチ
クルに近接している基準マーク、あるいはレチクルステ
ージに伝熱し、変形を生じさせ、レチクルアライメン
ト、べースライン計測自体が不正確になる可能性もあ
る。
【0012】第三の従来例では、レチクルをあらかじめ
上温させて、露光プロセスを開始するため、スループッ
ト的に不利である。また、一定温度にコントロールされ
ている照明系、投影レンズに挟まれたレチクルステージ
周辺の空間に、発熱しているレチクルを搬入することに
なるため、周辺部材への伝熱による悪影響が常に問題と
なる。
【0013】本発明は、以上の点に鑑み、投影露光の
際、レチクルが露光光を吸収し温度分布が生じても、そ
れを計測し、もしくはその温度分布を予想して、発熱部
のみを効果的に冷却することで、または投影露光の際、
レチクルが露光光を吸収し温度が上昇しても、その発熱
量を精度よく検出し、効果的に冷却することで、レチク
ルの回路パターン投影像に発生する回転対称(倍率、デ
ィストーション)、及び回転非対称な誤差成分をほぼゼ
ロに保ち、かつスループットの低減を最小にする機能を
有する半導体製造用の露光装置及び露光方法を提供する
ことを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、原版上の回路パターンを照明し、基板上
に投影露光する露光装置において、該原版の任意の領域
を冷却する冷却手段と、該原版の温度分布に基づいて、
該任意の領域毎に該冷却手段の冷却量を制御するための
制御手段とを備えたことを特徴とする。また、本発明
は、原版上の回路パターンを照明し、基板上に投影露光
する露光方法において、該原版の任意の領域を冷却手段
で冷却し、該原版の温度分布に基づいて、該任意の領域
毎に該冷却手段の冷却量を制御手段で制御することを特
徴としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するための手段と
して、本発明は、原版としてのレチクルの温度分布を非
接触で計測することが可能な温度分布計測手段、もしく
は温度分布を予測することが可能な温度分布予測手段
と、レチクルの温度分布に従って、発熱している部分の
みを冷却することが可能な冷却手段を有することを特徴
とすることができる。
【0016】前記温度分布計測手段は、温度センサの感
温部を、レチクル相当の大きさでマトリックス状に配置
し、適切なタイミングで発熱したレチクルに所定時間接
触させ、温度分布を計測することが可能となっている。
前記冷却手段は、空気、N2、He、などの不活性な冷
却気体を吹き付けることが可能な複数のノズルがレチク
ルの大きさ相当でマトリックス状に配置されており、冷
却気体のON/OFFと温度コントロールは個々のノズ
ル毎に可能となっていてもよい。
【0017】そして、前記温度分布計測手段によるレチ
クル温度分布計測結果を用いて、前記冷却プレートの冷
却個所、及び冷却熱量を演算し、冷却ノズルの選択、冷
却時間、あるいは冷却温度の指令を行う制御演算手段を
設けることができる。
【0018】また、この冷却プレートは、レチクルに接
触する際に、接触状態を良好に保つために、レチクルの
自重たわみ形状に沿う程度の剛性を有していることが望
ましい。また、これらレチクル温度分布計測手段とレチ
クル冷却手段の配置は、スキャナにおいては、レチクル
ステージの加減速区間の空間を利用し、レチクルを冷却
する際でも、スループットの低減を最小限にすることが
可能な構成になっていることが好ましい。
【0019】また、前記の温度分布計測手段は、赤外線
熱画像装置、等を用いて適切なタイミングでレチクル面
上の温度分布を瞬時に計測することが可能となってい
る。前記冷却手段は、ペルチェ素子、等の電子冷熱方法
を用いており、複数の素子をレチクルの露光領域相当の
大きさにマトリックス状に配置し、それらをプレートと
して構成し、各電極への電流ON/OFFで、プレート
上の任意の範囲を局所的にヒートポンプとして機能させ
ることが可能となっている。そして、前記温度分布計測
手段によるレチクル温度分布計測結果を用いて、前記冷
却プレートの冷却個所、及び冷却熱量を演算し、電極ア
ドレス選択、電流指令を行う制御演算手段を設けてい
る。この制御演算手段の結果に従って、前記冷却プレー
トの任意の領域がヒートポンプがONになっている状態
で、レチクルに冷却プレートを一定時間、直接接触させ
て吸熱することが望ましい。また、この冷却プレート
は、レチクルに接触する際に、接触状態を良好に保つた
めに、レチクルの自重たわみ形状に沿う程度の剛性を有
していることが好ましい。
【0020】さらに、この冷却プレートは電子冷熱方式
を用いておりプレート裏面は発熱するため、排熱手段が
設けられていることが望ましい。具体的には、発熱面に
冷却管を配置し、一定温度にコントロールされた冷媒を
流すことによって排熱する水冷方式、あるいは冷却プレ
ートの発熱面にフィンと、エアの流路を制限する空間を
設け、強制的に排気する空冷方式である。また、これら
レチクル温度分布計測手段とレチクル冷却手段の配置
は、スキャナにおいては、レチクルステージの加減速区
間の空間を利用し、レチクルを冷却する際でも、スルー
プットの低減を最小限にすることが可能な構成になって
いることが好ましい。
【0021】
【作用】本発明によれば、任意の配線パターンをもつレ
チクルが照明光を吸収し、レチクルが局所的に発熱して
も、前述のような手段を用いることにより、速やかに最
小のエネルギで発熱部分のみの熱を吸熱することが可能
になる。従って、レチクル発熱に伴う様々な弊害、例え
ば、パターン投影像の軸対称成分の変動はもとより、偏
膨張、偏収縮による非軸対称成分の変動をゼロにするこ
とが可能になりうる。また、基本的にレチクルは一定温
度に保たれるため、発熱によるシフト、回転成分もゼロ
に抑えることが可能になる。従って、定期的なレチクル
アライメントやベースライン計測が不要になり、スルー
プットの向上に寄与する。
【0022】さらに、レチクルステージ、投影レンズ、
等への伝熱による悪影響も避けることができる。
【0023】さらに、レチクルにペリクルが装着されて
いても、本発明は十分にその効果を発揮することができ
る。また、特にスキャン装置において、本発明のレチク
ル冷却システムを機能させても、スループットの低減は
最小限に留めることが可能となる。
【0024】
【実施例】(第一の実施例)以下、本発明の第一の実施
例について図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、
本実施例が適用される投影露光装置の概略構成につい
て、スキャナを例に挙げ、図1を用いて簡単に説明す
る。同図において、1は、光源及び照明光学系等から構
成される照明系、6は電子回路パターンが形成されてい
る原版としてのレチクルであり、不図示のレチクルアラ
イメントマークが描画されている。
【0025】9はレチクルステージであり、レチクル6
を支持すると共に、同図に示すy方向にスキャン動作を
可能にする。レチクルステージ9の位置は、レーザ干渉
計ミラー7とレーザ干渉計8とによって常にモニタされ
ている。5は、レチクル6のレチクルステージ9上での
位置合わせを行うレチクルアライメント系である。
【0026】71は、本実施例に係るレチクルの温度分
布を計測する手段であるレチクル温度分布計測ユニット
である。このレチクル温度分布計測ユニット71は、レ
チクルステージ9が、同図における+y方向のレチクル
ステージ加減速領域に移動した際、レチクル6に接触し
てレチクル温度分布を計測するためのレチクル温度分布
計測手段を構成する。72は温度分布計測ユニット71
をレチクル6に所定時間接触させて、レチクル温度を計
測した後、離す動作を繰り返す温度計測プレート駆動手
段である。73は本実施例に係るレチクル6を冷却する
冷却ユニットであり、74は冷却ユニット73をレチク
ル6の近傍に位置させるための冷却プレート駆動手段で
ある。このように、本実施例に係る露光装置は、レチク
ル温度分布計測手段とレチクル冷却手段を装置内に配置
することで、露光終了後、直ちにレチクル温度分布計
測、及び冷却動作が可能になる。
【0027】13は投影レンズであり、12は周知の投
影レンズの結像性能変化を補正する為のレンズ駆動ユニ
ットである。10はTTL(Through The Lens)方式によ
りウエハアライメントを計測するためのプローブ光を折
り曲げるためのミラーであり、11はその計測系であ
る。
【0028】14、15は周知のフォーカス及びウエハ
チルト検出器であり、ウエハ16の表面に光ビームを照
射し(14)、その反射光を光電検出することにより
(15)、投影レンズ13のフォーカス位置とウエハ1
6の傾きを検出する。
【0029】17はx、y、θ方向に粗動、微動可能な
ウエハステージであり、そのxy位置はミラー18、レ
ーザ干渉計19によって常にモニタされている。通常、
レチクルステージ9とウエハステージ17のスキャン動
作は、投影レンズの縮小倍率を1/βとし、レチクルス
テージの走査速度をVr、ウエハステージの走査速度を
Vwとすると、両者の走査速度の間には、Vr/Vw=
βの関係が成立するように同期制御される。
【0030】以上、これらの主要ユニットを含め、露光
装置全体の動作制御は主制御装置20が司っている。
【0031】次に本実施例の説明に入る。前述したが、
図22(B)〜同図(D)に示すように、レチクル6上
で回路パターンが偏在している場合、パターン密度の高
い部分のみ発熱し、温度分布がレチクル6の中心に対し
て、非対称な形状になる。従って、変形、歪も局所的に
生ずるため、非軸対称成分の補正が不可能な投影レンズ
の補正機構では対応できなかった。
【0032】これを解決するため、本実施例では、レチ
クル6の温度分布を計測し、その結果に基づいて、レチ
クル発熱部のみを冷却する冷却システムが配設してあ
る。まず、本実施例に係るレチクル温度計測ユニット7
1の概念を図2を用いて説明する。同図において、21
はレチクル6の大きさに相当するプレートであり、この
プレート21はレチクル6の温度分布を短時間、かつ精
密に計測するため、レチクル6に対向する表面に複数の
温度センサS11〜S65が埋め込まれている。温度センサ
11〜S65はプレート21にマトリックス状に配置され
た接触式であり、本実施例では、6×5の30個の感温
素子を用いている。マトリックスの大きさは、露光装置
の最大露光エリアとほぼ同等である。実際にレチクル6
の温度分布を計測する際は、レチクル6と温度センサS
11〜S65を良好に接触させなければならない。接触が不
十分だとプレート21とレチクル6の間に大きな熱抵抗
が生じて、温度計測が良好に行われなくなる可能性があ
る。それを解消するための方法を図3に示す。
【0033】レチクル6は通常、図に示すように自重変
形しているが、そのたわみ量は、理想平面で支持された
場合のたわみ量と、バキューム吸着面の面精度に依存す
るたわみ量の和になっている。従って、温度分布計測プ
レートホルダー23に支持されているプレート21をレ
チクル6に接触させる際、そのたわみ形状に沿うよう
に、プレート21の剛性を適宜選択することにより、接
触状態を良好に保つことができるようになる。図3にお
いて、24はレチクルチャックであり、27はセンサリ
ード線である。
【0034】次に、前述の温度分布計測ユニット71に
よるレチクル温度分布計測結果から、レチクル発熱部の
みを冷却するレチクル冷却ユニット73を図4及び図5
を用いて説明する。
【0035】これらの図で、25はホルダ26によって
支持されているレチクル冷却プレートであり、冷却ノズ
ルN11〜N65がマトリックス状に配置されている。マト
リックスの大きさは、レチクル温度分布計測プレート2
1と同様に露光装置の最大露光エリアとほぼ同等であ
る。この冷却ノズルN11〜N65からは、それぞれ所定の
温度、流量に制御された冷却気体が噴出可能である。冷
却気体としては、空気、N2、He、等の不活性な気体
が考えられるが、より熱回収効率の高いHeガスが望ま
しい。本実施例では冷却ノズルの数と温度センサの数は
たまたま一致しているが、同じである理由は特になく、
レチクル6の温度分布が良好に計測でき、その結果に基
づいて、レチクル6を良好に冷却できれば、数はいくつ
であっても構わない。
【0036】実際にレチクル6を冷却する場合は、図5
に示すように、レチクル冷却プレートホルダー26をレ
チクル6に所定距離にて近接させ、レチクル温度分布計
測結果に従い、所定のノズルから冷却気体を噴き出すこ
とで、レチクル6の発熱部を冷却する。また、冷却気体
の吹き付けを、レチクルのクロム面(パターン面)側で
行えば、冷却効率は高くなる。
【0037】以上、本実施例に係るレチクル冷却ユニッ
ト73の構成を説明したが、次にレチクル冷却過程につ
いて説明する。
【0038】図6は露光が開始されて、しばらく時間が
経った時のレチクル6の温度分布を示す。レチクル6の
温度は、所望の像性能を得るために、何℃以下に管理し
なければならないという、閾値があらかじめプロセス毎
に算出されており、この温度をT=Tpとする。図6で
はT>Tpの領域はSである。このような温度分布をも
つレチクル6を温度分布計測ユニット71で計測する
と、Sの領域に相当する温度センサ、S24、S25
34、S35、S44、S45、S54、S55の温度がT>Tp
として計測される。
【0039】そして、この8つのセンサ領域を冷却する
ために、対応するレチクル冷却プレート25上のノズル
24、N25、N34、N35、N44、N45、N54、N55を動
作させて、レチクル6に冷却管22を通して送られる冷
却気体が吹き付けられる。
【0040】本実施例では、レチクル温度分布でT>T
pの温度領域の冷却過程は、一般的な温度均一物体の過
渡的冷却問題として単純化できる。一般的に、時間t=
0で、温度T=T0を初期条件とすると、物体の温度変
化は、
【0041】
【数1】 で表現することができる。Tは冷却する側の温度、τは
密度、比熱、熱抵抗、等に依存する時定数である。この
式に従えば本実施例で、冷却する領域に温度差があって
も、冷却気体の設定温度を一定値に設定し、冷却時間を
領域毎に設定することで、レチクル6の温度を目標温度
にすることが可能になることがわかる。この様子を図8
を用いて説明する。
【0042】同図で、T2、T3はレチクル6の対応す
る領域S内の温度変化を示しており、温度T20、T3
0はT2、T3の初期温度、T∞は冷却気体の温度であ
る。この図からも分かるように、目標温度Tpよりも低
い冷却気体(T∞<Tp)を、温度の高い領域S3では
長く吹き付け(t=t30)、それよりも低い領域S2
では短く吹き付けることで(t=t20)、レチクル発
熱部を目標温度以下にすることが可能となる。また、冷
却時間を領域毎に設定することに限られず、吹き付ける
冷却気体の温度や流量を領域毎に設定し、冷却量を領域
毎に設定してもよい。
【0043】次に、本実施例に係る露光装置を用いた場
合の露光シーケンスを図9を用いて説明する。露光シー
ケンスが開始されると(ステップ30)、レチクル6が
レチクルステージ9にロードされ、アライメントされる
(ステップ31)。次に、1枚目のウエハが搬送系によ
ってウエハステージ17にロードされ、アライメントさ
れる(ステップ32)。アライメントされたウエハ16
は、アライメント計測値に従って第一ショット位置に移
動し位置決めされ、投影レンズのフォーカス駆動が行わ
れる(ステップ33)。そして、レチクルステージ9と
ウエハステージ17が投影レンズの倍率比に従った速度
で、スキャン露光が行われる(ステップ34)。その
後、ウエハ内の全ショットの露光が終了するまで、以上
の動作が繰り返される(ステップ33〜35)。1枚目
のウエハが処理されたので、該ウエハが回収される(ス
テップ36)。
【0044】次に、レチクルステージ9を本発明の温度
分布計測ユニット71の下に位置させ、そのプレート2
1をレチクル6と接触させることで、露光エネルギが照
射されたレチクル6の温度分布計測を行う(ステップ3
7)。本実施例では、このステップ37の動作間隔は、
ウエハ1枚毎に行われるとしているが、プロセスによっ
て任意に設定でき、レチクル6の回路パターン密度が高
く、露光エネルギが大きい場合などは、ショット単位に
行われる。逆に、回路パターン密度が低く、露光エネル
ギが小さい場合は、ウエハ5枚、あるいは10枚毎でも
良い。本実施例では、常にレチクル6の温度をモニタす
る意味で、ウエハ1枚毎に行われるとする。その結果か
ら、レチクル6の最高温度Tmaxがプロセス毎に設定
される設定温度Tpよりも大きいか小さいかの判別を行
う(ステップ38)。このプロセス設定温度Tpは、ラ
フレイヤでは、高めに設定して、レチクル冷却動作の回
数を減らしスループットを上げることが考えられるし、
逆に最先端の精度が要求されるクリティカルレイヤで
は、Tpを低く設定し、レチクル6の膨張を未然に防ぐ
ことも考えられる。現時点では、露光エネルギの蓄積は
わずかであるため、そのまま露光動作が継続されるとし
て(ステップ39)、2枚目のウエハの処理を開始す
る。
【0045】以上のようなループ(ステップ32〜3
9)を繰り返すと、レチクルの温度は次第に上昇してく
る。ウエハN枚目の処理が終了し、レチクルの温度分布
計測の結果、最高温度Tmaxがプロセス設定温度Tp
よりも高くなった場合、レチクルステージ9を本実施例
に係るレチクル冷却ユニット73の下に位置させ、冷却
動作シーケンスに移る(ステップ41)。
【0046】この冷却動作では、まず、ステップ42
で、ステップ37において計測されたレチクル温度分布
計測の結果から、温度分布の離散化を行う。これは、レ
チクル冷却プレート25の冷却ノズルがマトリックス状
に有限個の個数で配置せざるを得ないためで、当然のこ
とながらノズルの数が増えれば、より滑らかな実際に近
い温度分布を冷却することが可能になる。この演算によ
り、レチクル6の表面が温度により数個程度の領域に離
散化される。この結果から、各温度領域に対応する各ノ
ズルの冷却設定時間が前記(1)式に基づいて算出設定
される(ステップ43)。次に、冷却プレート25を冷
却プレート駆動手段74によって、レチクル6の近傍に
位置させ(ステップ44)、各ノズルに一定温度にコン
トロールされた冷却気体を供給する(ステップ45)。
(1)式で定まる設定時間または冷却温度や流量で、レ
チクル6を冷却した後(ステップ46)、冷却プレート
25をレチクル6から離す(ステップ47)。この状態
で、レチクル6の各発熱領域が目標温度Tpまで冷却さ
れ、レチクル6の温度分布はほぼ平坦なものになってい
るため、レチクル冷却動作は終了し(ステップ48)、
メインのシーケンスに戻る。
【0047】そして、露光動作を続けるとして(ステッ
プ39)、N+1枚目の露光動作に移る。このように、
レチクル6の温度分布を常にモニタし、その時点での最
高温度Tmaxがあらかじめ設定してあるプロセス設定
温度Tpより大きくなるたびに、レチクル冷却動作が行
われ、処理すべき全ウエハが露光を完了すると、本シー
ケンスは完了となる。
【0048】以上が本発明の第一の実施例の説明であ
る。本実施例では、スキャナを対象にして説明したが、
ステッパの場合は、レチクル温度分布計測ユニット、レ
チクルステージ、レチクル冷却ユニット、等の配置が異
なる程度で、本発明は、ステッパの場合にも当然のこと
ながら適用可能である。
【0049】また、レチクル冷却プレート25の変形例
としては、冷却ノズルの数と配置に関したものが挙げら
れる。上記実施例では、冷却プレート25のノズルの数
を6×5のマトリックス状に配置した例を説明したが、
この数はこれに限定されるものではない。例えば、レチ
クル6の回路パターン密度分布が、それほど偏在してい
ない場合は、ノズル径を大きくし、3×3程度のマトリ
ックス状に配置することができるため、構成が簡単にな
り、各ノズルの冷却設定時間算出、等の演算手段が簡単
なものになる。逆に、レチクル6の回路パターン密度分
布が偏在して、かつ極端な温度分布が生じる場合は、ノ
ズル径を小さくして個数を増やすこと(例えば7×7、
あるいは9×9程度)で、レチクル温度分布の離散化誤
差が低減できるため、さらに精度の高いレチクル冷却を
可能にする。
【0050】また、レチクル冷却プレートは、マトリッ
クス状のものに限られず、冷却プレートのノズルを軸上
に配列し、この軸と直交方向にレチクルを走査させなが
ら、各ノズルの冷却量を制御してもよい。これによりレ
チクル冷却プレート25の大きさ、形状を簡略化するこ
とができる。
【0051】(第二の実施例)次に本発明の第二の実施
例について説明する。本実施例が適用される露光装置の
概略構成は図1に示したのと同様である。第一の実施例
では、図9に示したレチクル冷却シーケンス(ステップ
41〜48)のように、冷却プレート25によりレチク
ル6を冷却すると、レチクル6は所定の目標温度に冷却
されているとして、そのままメインシーケンスに戻って
いた。すなわちオープンループによる冷却シーケンスで
ある。しかし、温度分布計測プレート21とレチクル6
の接触状態が、何らかの理由、例えば微少なごみを挟み
込んだために、熱抵抗が大きくなり、温度分布計測が必
要な精度で得られない場合も考えられる。あるいは、逆
に、レチクル6を冷やし過ぎてしまう可能性も否定でき
ない。これに対処するため、本実施例では、レチクル冷
却動作終了後、もう一度レチクル6の温度分布計測を行
い、その結果を判定するという、クローズドループを組
むことで、温度分布計測の結果が必要な精度で得られな
い場合も考えられるというこの懸念点を解消する。
【0052】この実施例が適用されるスキャナの露光シ
ーケンスについて、図10を用いて説明する。ステップ
30〜47のシーケンスに関しては、図9に示した第一
の実施例で詳細に説明したのと同様であるため、重複説
明を省略し、ステップ50から説明する。
【0053】一連のレチクル冷却動作が終了し、この
時、何らかの理由で、レチクル6の発熱領域が目標温度
まで冷却されていない場合、あるいは逆に冷却され過ぎ
る場合も考えられるため、再び、レチクル温度分布計測
を行う(ステップ49)。そして、レチクル温度T’
が、温度目標値Taに対し、あらかじめ設定した温度ト
レランスTp±Ttolに入ったかどうかを判定する
(ステップ50)。入っている場合は、レチクル冷却動
作を終了して(ステップ48)、メインシーケンスにお
けるステップ39に戻る。レチクル6の温度がトレラン
ス内に入らない場合は、ステップ49の計測結果を用い
て、再びステップ42のレチクル温度分布の離散化に戻
り、再び同じステップ(ステップ43〜50)を繰り返
す。このループを複数回繰り返すことで、確実にレチク
ル6の温度分布はほぼ平坦なものになっているため、レ
チクル冷却動作は終了し(ステップ48)、メインのシ
ーケンスに戻る。
【0054】このように、本実施例では、レチクル冷却
動作終了後、もう一度レチクル6の温度分布計測を行
い、その結果を判定するという、クローズドループを組
むことで、様々な不確定現象に対しても、確実に本発明
の効果を発揮することが可能になる。
【0055】(第三の実施例)次に本発明の第三の実施
例について説明する。第三の実施例が適用される露光装
置の概略構成は図1に示したのと同様である。前述した
実施例では、レチクル温度分布計測ユニット71は、プ
レート21に接触式の温度計をマトリックス状に配置
し、それをレチクル6に直接接触させて計測するもので
あった。しかし、レチクル6が吸収するエネルギと、周
辺雰囲気に熱伝達、輻射、等で散逸するエネルギをあら
かじめ見積ることができれば、演算や露光履歴からレチ
クル温度分布が予測可能となる。例えば、レチクル吸収
エネルギを決める各パラメータと、レチクル6のスキャ
ンスピードを何通りか振って、実験、あるいは数値計算
を行うことにより、各ケースでのレチクル温度分布を求
め、それをテーブル化しておく。そして実際の露光の際
は、このテーブルを用いることにより、演算だけでもし
くは露光履歴からレチクル温度分布の予測が可能とな
る。そして、このようなレチクル温度分布予測手段を装
置本体に設けることにより、レチクル温度分布計測手段
が省略でき、簡略化された装置が実現する。
【0056】また、本実施例では、温度分布のついたレ
チクル6に対し、温度の高い領域は冷却時間を長くし、
それと比較して低い領域では冷却時間を短くするという
ように、冷却時間をコントロールして温度分布を制御し
ている。しかし、当然のことながらノズルから噴き出す
冷却気体の温度や流量等に基づく冷却量をノズル毎に制
御することが可能であれば、この方法でも良い。
【0057】また、レチクル冷却プレート25の変形例
としては、冷却ノズルの数と配置に関したものが挙げら
れる。第一の実施例では、冷却プレート25のノズルの
数を6×5のマトリックス状に配置した例を説明した
が、この数はこれに限定されるものではない。例えば、
レチクル6の回路パターン密度分布が、それほど偏在し
ていない場合は、ノズル径を大きくし、3×3程度のマ
トリックス状に配置することができるため、構成が簡単
になり、各ノズルの冷却設定時間算出、等の演算手段が
簡単なものになる。逆に、レチクル6の回路パターン密
度分布が偏在して、かつ極端な温度分布が生じる場合
は、ノズル径を小さくして個数を増やすこと(例えば7
×7、あるいは9×9程度)で、レチクル温度分布の離
散化誤差が低減できるため、さらに精度の高いレチクル
冷却を可能にする。
【0058】また、レチクル冷却プレートは、マトリッ
クス状のものに限られず、冷却プレートのノズルを軸上
に配列し、この軸と直交方向にレチクルを走査させなが
ら、各ノズルの冷却量を制御してもよい。これによりレ
チクル冷却プレート25の大きさ、形状を簡略化するこ
とができる。
【0059】(第四の実施例)以下、本発明の第四の実
施例について図を用いて説明する。本実施例が適用され
る投影露光装置の概略構成について、スキャナを例に挙
げ、図11を用いて説明する。図11は図1と同一部分
に同一符号をつけて示しているので、それら同一部分に
ついての重複説明を省略する。
【0060】同図において、80は、本実施例に係るレ
チクルの温度分布を計測する赤外線熱画像計測器(サー
モグラフィ)である。この赤外線熱画像計測器80は、
レチクルステージ9が、同図における+y方向のレチク
ルステージ加減速領域に移動した際、非接触でレチクル
温度分布を計測する。75は本実施例に係るレチクル6
を冷却する冷却ユニットであり、74は冷却ユニット7
5をレチクル6に所定時間接触させた後、離す動作を繰
り返す冷却プレート駆動手段である。両者はレチクル冷
却手段として、赤外線熱画像計測器80の近傍に配置さ
れている。このように両手段を装置内に配置すること
で、露光終了後、直ちにレチクル温度分布計測、及び冷
却動作が可能になる。
【0061】本実施例は、レチクル6の温度分布を非接
触で計測し、その結果に基づいて、レチクル発熱部のみ
を冷却する冷却システムが配設されている。本実施例に
係るレチクル冷却ユニット75の概念を図12を用いて
説明する。同図において、81はレチクル6の大きさに
相当する冷却プレートであり、レチクル6からの熱を効
果的に吸熱するため、熱伝導率の高い薄板、あるいは薄
いフィルム状のシートからなっている。M11〜M65は冷
却プレート81にマトリックス状に配置されたぺルチェ
素子、等の電子冷熱素子であり、本実施例では、6×5
の30個の素子を用いている。マトリックスの大きさ
は、露光装置の最大露光エリアとほぼ同等である。ぺル
チェ素子M11〜M65は、レチクル6と接触する側が吸熱
した場合、反対側が発熱するため、発熱側の熱を効果的
に奪ってやる必要がある。
【0062】図14及び図15はこれを説明するための
図である。同図において、82は冷却管であり、発熱側
に所定温度にコントロールされた冷媒が該冷却管82を
通って流れ、発生した熱を速やかに回収することができ
るようになっている。このような構成にすることによ
り、本冷却プレート81はヒートポンプとして作用させ
ることができる。また、同図で、A1-5,1 〜A6,1-5
それぞれの素子(M11〜M65)のアドレス電極で、この
電極に対し所定の電流をON/OFFすることで、マト
リックス上の任意の素子の温度を任意に設定することが
可能になる。また、本実施例は、発熱したレチクル6に
直接冷却プレート81を接触させて、温度を下げるた
め、冷却プレート81とレチクル6の接触が良好に行わ
れていないと、冷却プレート81とレチクル6の間に大
きな熱抵抗が生じて、冷却が良好に行われなくなる可能
性がある。それを解消するための方法について図15を
参照しながら説明する。レチクル6は、通常、レチクル
チャック84にバキューム吸着されており、図13に示
すように、自重変形しているが、そのたわみ量は、理想
平面で支持された場合のたわみ量と、バキューム吸着面
の面精度に依存するたわみ量の和になっている。従っ
て、冷却プレートホルダ83に支持されている冷却プレ
ート81をレチクル6に接触させる際、そのたわみ形状
に沿うように、冷却プレート81の剛性を選択すること
により、冷却プレート81はレチクル6との接触状態を
良好に保つことができるようになる。従って、前述もし
たが、冷却プレート81は熱伝導率の高い薄板状の金属
の他、冷却が効果的に行われるのであれば、他にどんな
材料であっても構わない。
【0063】以上、本実施例に係るレチクル冷却ユニッ
ト75の構成を説明したが、次にレチクル6に冷却プレ
ート81を接触させた際の冷却過程について説明する。
図16は露光が開始されて、しばらく時間が経った時の
レチクル6の温度分布を示す。本来温度分布は連続的な
ものであるが、ここでは最も高い領域S1の温度をT1
0とし、以下、低くなるにつれ、領域S2の温度をT2
0,領域S3の温度をT30と離散的に考える。そし
て、この3つの領域に対応するレチクル冷却プレート8
1上のぺルチェ素子をそれぞれ機能させるため、本実施
例では、図17に示すように、領域S1を冷却する素子
はM34、M35、M44、M45で、領域S2を冷却する素子
はM24、M25、M54、M55で、領域S3を冷却する素子
はM 14、M15、M64、M65となる。
【0064】本実施例では、レチクル6の温度分布を離
散的に考え、領域内は均一な温度と仮定して、その領域
毎に個々のぺルチェ素子で冷却するため、各温度領域毎
の冷却過程は、一般的な温度均一物体の過渡的冷却問題
として単純化できる。一般的に、時間t=0で、温度T
=T0を初期条件とすると、物体の温度変化は、第一の
実施例と同様の前記(1)式で表現することができる。
この式に従えば、本実施例で、ぺルチェ素子の設定温度
を個別に設定することにより、各領域毎に温度差があっ
ても一定時間内で、レチクル6の温度を目標温度にする
ことが可能になることがわかる。この様子を図18を用
いて説明する。同図で、T1、T2、T3はレチクル6
の各領域S1、S2、S3の温度変化を示しており、温
度T10、T20、T30は各領域毎の初期温度、T1
p、T2p、T3pはそれらの領域を冷却するぺルチェ
素子の温度である。この図からも分かるように、発熱部
の各領域S1、S2、S3は、一定時間(t=ta)レ
チクル冷却プレート81を接触させるだけで、各領域一
律に目標温度まで冷却することが可能になる。ちなみに
tbは各領域が熱的に定常状態に達したときの時間であ
る。本実施例に係るペルチェ素子による冷却は、第一、
第二および第三の実施例において説明した露光装置およ
び露光方法にも適用することができる。
【0065】(第五の実施例)次に、第四の実施例に係
る投影露光装置に第五の実施例を適用した場合の露光シ
ーケンスを図19を用いて説明する。露光シーケンスが
開始されて(ステップ30)から1枚目のウエハが処理
され、ウエハが回収される(ステップ36)までは第一
の実施例と同じなので説明を省略し、その後のステップ
37’から説明する。
【0066】レチクルステージ9を赤外線熱画像計測器
80、等の非接触の温度分布計測手段の下に位置させ、
露光エネルギが照射されたレチクル6の温度分布計測を
行う(ステップ37’)。本実施例では、このステップ
37’の動作間隔は、ウエハ1枚毎に行われるとしてい
るが、プロセスによって任意に設定でき、レチクル6の
回路パターン密度が高く、露光エネルギが大きい場合な
どは、ショット単位に行われる。逆に、回路パターン密
度が低く、露光エネルギが小さい場合は、ウエハ5枚、
あるいは10枚毎でも良い。本実施例では、常にレチク
ル6の温度をモニタする意味で、ウエハ1枚毎に行われ
るとする。その結果から、レチクル6の最高温度Tma
xがプロセス毎に設定される設定温度Tpよりも大きい
か小さいかの判別を行う(ステップ38)。このプロセ
ス設定温度Tpは、ラフレイヤでは、高めに設定して、
レチクル冷却動作の回数を減らしスループットを上げる
ことが考えられるし、逆に最先端の精度が要求されるク
リティカルレイヤでは、Tpを低く設定し、レチクル6
の膨張を未然に防ぐことも考えられる。現時点では、露
光エネルギの蓄積はわずかであるため、そのまま露光動
作が継続されるとして(ステップ39)、2枚目のウエ
ハの処理を開始する。
【0067】以上のようなループ(ステップ32〜39
を繰り返すと、レチクル6の温度は次第に上昇してく
る。ウエハN枚目の処理が終了し、レチクル6の温度分
布計測の結果、最高温度Tmaxがプロセス設定温度T
pよりも高くなった場合、レチクルステージ9を本実施
例のレチクル冷却ユニット75の冷却プレート81の下
に位置させ、冷却動作シーケンスに移る(ステップ5
1)。
【0068】この冷却動作では、まず、ステップ52
で、ステップ37’において計測されたレチクル温度分
布計測の結果から、温度分布の離散化を行う。これは、
前述したように、レチクル冷却プレート81のぺルチェ
素子がマトリックス状に有限個の素子として配置せざる
を得ないためで、当然のことながら素子の数が増えれ
ば、より滑らかな実際に近い温度分布になるように冷却
することが可能になる。この演算により、レチクル6の
表面が温度により数個程度の領域に離散化される。この
結果から、各温度領域に対応する各ぺルチェ素子の冷却
設定温度が前記(1)式に基づいて設定される(ステッ
プ53)。次に、ぺルチェ素子の冷却設定温度と素子に
流す電流値の関係は、予め分かっているため、各素子に
指令電流を供給する(ステップ54)。そして、設定温
度に保たれた冷却プレート81を冷却プレート駆動手段
74によって、レチクル6に接触させる(ステップ5
5)。(1)式で定まる一定時間Δt=ta、接触させ
吸熱した後(ステップ56)、冷却プレート81をレチ
クル6から引き離す(ステップ57)。この状態で、レ
チクル6の各発熱領域が目標温度Taまで冷却され、レ
チクル6の温度分布はほぼ平坦なものになっているた
め、レチクル冷却動作は終了し(ステップ58)、メイ
ンのシーケンスに戻る。
【0069】そして、露光動作を続けるとして(ステッ
プ39)、N+1枚目の露光動作に移る。このように、
レチクル6の温度分布を常にモニタし、その時点での最
高温度Tmaxがあらかじめ設定してあるプロセス設定
温度Tpより大きくなるたびに、レチクル冷却動作が行
われ、処理すべき全ウエハが露光を完了すると、本シー
ケンスは完了となる。
【0070】以上が本発明の第五の実施例の説明であ
る。本実施例では、スキャナを対象にして説明したが、
ステッパの場合は、レチクル温度分布計測ユニット、レ
チクルステージ、レチクル冷却ユニット、等の配置が異
なる程度で、本実施例は、当然のことながらステッパの
場合にも適用可能である。本実施例に係る赤外線熱画像
計測器80等の非接触の温度分布計測手段は、第一およ
び第二の実施例において説明した露光装置および露光方
法にも適用可能である。
【0071】(第六の実施例)次に本発明の第六の実施
例について説明する。本実施例が適用される露光装置の
概略構成は図11に示した第四の実施例と同様である。
また、第五の実施例では、図19に示したレチクル冷却
シーケンス(ステップ51〜58)のように、冷却プレ
ート81をレチクル6に一定時間接触させて、レチクル
6の温度を吸熱すると、レチクル6は所定の目標温度に
冷却されているとして、そのままメインシーケンスに戻
っていた。すなわちオープンループによる冷却シーケン
スである。しかし、冷却プレート81とレチクル6の接
触状態が、何らかの理由、例えば、微少なごみを挟み込
んだために、熱抵抗が大きくなり、所定の冷却効果が得
られない場合も考えられる。あるいは、逆に、レチクル
6を冷やし過ぎてしまう可能性も否定できない。これに
対処するため、本実施例では、レチクル冷却動作終了
後、もう一度レチクル6の温度分布計測を行い、その結
果を判定するという、クローズドループを組むことで、
この懸念点を解消する。
【0072】この実施例が適用されるスキャナの露光シ
ーケンスについて、図20を用いて説明する。
【0073】ステップ30〜39のメインシーケンスに
関しては、図19に示した第五の実施例において詳細に
説明しているため、重複説明を省略し、N枚目のウエハ
露光処理が終了した時点で、レチクル最高温度Tmax
がプロセス毎に設定される温度Tpよりも高い(Tma
x>Tp)として、ステップ51のレチクル冷却動作か
ら説明する。
【0074】まず、ステップ52で、ステップ37’に
おいて計測されたレチクル温度分布計測の結果から、温
度分布の離散化を行う。この演算で、レチクル表面が温
度により数個程度の領域に離散化される。この結果か
ら、各温度領域に対応する各ぺルチェ素子の冷却設定温
度が前記(1)式に基づいて設定される(ステップ5
3)。次に、ぺルチェ素子の冷却設定温度と素子に流す
電流値の関係は、予め分かっているため、各素子に指令
電流を供給する(ステップ54)。そして、設定温度に
保たれた冷却プレート81を冷却プレート駆動手段74
によって、レチクル6に接触させる(ステップ55)。
(1)式で定まる一定時間Δt=ta、接触させ(ステ
ップ56)、その後冷却プレート81をレチクル6から
引き離す( ステップ57)。この時、何らかの理由で、
レチクル6の発熱領域が目標温度まで冷却されていない
場合、あるいは逆に冷却されすぎる場合も考えられるた
め、再び、レチクル温度分布計測を行う(ステップ5
9)。そして、レチクル温度T’が、温度目標値Taに
対し、予め設定した温度トレランスTa±Ttolに入
ったかどうかを判定する(ステップ60)。入っている
場合は、レチクル冷却動作を終了して(ステップ5
8)、メインシーケンスに戻る。レチクル温度がトレラ
ンス内に入らない場合は、ステップ59の計測結果を用
いて、再びステップ52のレチクル温度分布の離散化に
戻り、再び同じステップ(ステップ53〜60)を繰り
返す。
【0075】このループを複数回繰り返すことで、確実
にレチクル6の温度分布はほぼ平坦なものになっている
ため、レチクル冷却動作は終了し(ステップ58)、メ
インのシーケンスに戻る。
【0076】このように、本実施例では、レチクル冷却
動作終了後、もう一度レチクル6の温度分布計測を行
い、その結果を判定するという、クローズドループを組
むことで、レチクル冷却プレート81とレチクル6の接
触状態が変化するという不確定な現象に対しても、確実
に本実施例の効果を発揮することが可能になる。
【0077】また、レチクル冷却プレート81の変形例
としては、ぺルチェ素子の数と配置に関したものが挙げ
られる。第四の実施例では、冷却プレート81のぺルチ
ェ素子の数を6×5のマトリックス状に配置した例を説
明したが、この数はこれに限定されるものではない。例
えば、レチクル6の回路パターン密度分布が、それほど
偏在していない場合は、一つの素子を大きくし、3×3
程度のマトリックス状に配置することができるため、構
成が簡単になり、各ぺルチェ素子の設定温度算出、等の
演算手段が簡単なものになる。逆に、レチクル6の回路
パターン密度分布が偏在して、かつ極端な温度分布が生
じる場合は、素子を小さくして個数を増やすこと(例え
ば7×7、あるいは9×9程度)で、レチクル温度分布
の離散化誤差が低減できるため、さらに精度の高いレチ
クル冷却を可能にすることも考えられる。
【0078】(第七の実施例)さらに、本発明の第七の
実施例としては、レチクル冷却プレート81に発生する
熱の排熱手段に関するものがある。第四の実施例では、
ぺルチェ素子の発熱側に冷却管82を配置し、所定の温
度にコントロールされた冷媒を流す、という排熱手段を
とっていた。露光装置が大気雰囲気中で動作する場合
は、空気との対流効果を期待できるため、この排熱手段
を簡略化することが可能になる。図21はこれを説明す
るための図であって、90はぺルチェ素子発熱面に設け
た放熱用フィンであり、91はエアの流路を制限して、
放熱効果を高めるためのカバーである。このような構成
によって、第七の実施例では、ぺルチェ素子とカバー9
1のエアを強制的に吸引することで、ぺルチェ素子の発
熱を他の部材に影響させること無く、冷却することが可
能になる。
【0079】
【デバイス生産方法の実施例】次に上記説明した露光装
置または露光方法を利用したデバイスの生産方法の実施
例を説明する。図23は微小デバイス(ICやLSI等
の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッ
ド、マイクロマシン等)の製造のフローを示す。ステッ
プ1(回路設計)ではデバイスのパターン設計を行う。
ステップ2(マスク製作)では設計したパターンを形成
したマスクを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製
造)ではシリコンやガラス等の材料を用いてウエハを製
造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ば
れ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフ
ィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次の
ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4
によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する
工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディ
ング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を
含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された
半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検
査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成
し、これが出荷(ステップ7)される。
【0080】図24は上記ウエハプロセスの詳細なフロ
ーを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸
化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶
縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ
上に電極を蒸着により形成する。ステップ14(イオン
打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15
(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステ
ップ16(露光)では上記説明した露光装置によってマ
スクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ
17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ
18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分
を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチ
ングが済んで不要となったレジストを取り除く。これら
のステップを繰り返し行うことにより、ウエハ上に多重
に回路パターンが形成される。
【0081】本実施例の生産方法を用いれば、従来は製
造が難しかった高集積度のデバイスを低コストに製造す
ることができる。
【0082】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
任意の回路パターンをもつレチクル等の原版が露光光を
吸収し、該原版が局所的に発熱しても、速やかに最小の
エネルギで発熱部分のみの熱を吸熱し、原版表面の温度
分布を平坦なものにすることが可能になる。このことに
より、レチクル等の原版発熱に伴う様々な弊害、例え
ば、パターン投影像の軸対称成分の変動はもとより、偏
膨張、偏収縮による非軸対称成分の変動をゼロにするこ
とが可能になりうる。また、基本的に原版は一定温度に
保たれるため、発熱によるシフト、回転成分もゼロに抑
えることが可能になるため、定期的なレチクルアライメ
ントやベースライン計測が不要になり、スループットの
向上に寄与する。また、レチクルステージ、投影レン
ズ、等への伝熱による悪影響も避けることができる。
【0083】さらに、レチクル等原版の回路パターン側
にペリクルが装着されていても、本発明は直接冷却プレ
ートを該原版に接触させるという思想なので、十分にそ
の効果を発揮することができる。また、特にスキャン装
置において、本発明の主要ユニットはレチクルステージ
の加減速領域に配置できるので、レチクル冷却システム
を機能させても、スループットの低減は最小限に留める
ことが可能となっている。また、特にスキャン装置にお
いて、本発明の主要ユニットはレチクルステージの加減
速領域に配置できるので、レチクル冷却システムを機能
させても、スループットの低減は最小限に留めることが
可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施例に係る露光装置の概略
構成図である。
【図2】 本発明の第一の実施例に係るレチクル温度分
布計測プレートへの温度センサの配列図である。
【図3】 図2の側面図である。
【図4】 本発明の第一の実施例に係るレチクル冷却プ
レートへの冷却ノズルの配列図である。
【図5】 図4の側面図である。
【図6】 本発明の第一の実施例に係るレチクルの回路
パターンとそれに対応する温度分布とを表した図であ
る。
【図7】 図6のレチクルの温度分布と、それに対応す
る冷却プレート上の冷却ノズルを表した図である。
【図8】 本発明の第一の実施例に係るレチクルの各領
域の温度変化を表すプロファイルである。
【図9】 本発明の第一の実施例の露光シーケンスであ
る。
【図10】 本発明の第二の実施例の露光シーケンスで
ある。
【図11】 本発明の第四の実施例に係る露光装置の概
略構成図である。
【図12】 本発明の第四の実施例に係るレチクル冷却
プレートへのぺルチェ素子の配列図である。
【図13】 本発明の第四の実施例に係るレチクルとレ
チクル冷却プレートの撓み剛性を表した図である。
【図14】 図12のレチクル冷却プレートに冷却管と
アドレス電極を設けた図である。
【図15】 図14の断面図である。
【図16】 本発明の第四の実施例に係るレチクルの回
路パターンの位置とそれに対応する温度分布とを表した
図である。
【図17】 図16のレチクルの温度分布と、それに対
応する冷却プレート上のぺルチェ素子を表した図であ
る。
【図18】 本発明の第四の実施例に係るレチクルの離
散化された各領域の温度変化を表すプロファイルであ
る。
【図19】 本発明の第五の実施例の露光シーケンスで
ある。
【図20】 本発明の第六の実施例の露光シーケンスで
ある。
【図21】 本発明の第七の実施例に係る放熱フィン、
排気用カバーを取り付けたレチクル冷却プレートの断面
図である。
【図22】 レチクル温度分布を模式的に表した図であ
る。
【図23】 本発明に係る露光装置を利用した微小デバ
イスの製造方法の流れを示す図である。
【図24】 図23におけるウエハプロセスの詳細な流
れを示す図である。
【符号の説明】
1:照明系、5:レチクルアライメント系、6:レチク
ル、9:レチクルステージ、16:ウエハ、17:ウエ
ハステージ、20:主制御装置、21:温度センサを配
置するためのプレート、22:冷却管、25:冷却ノズ
ルを配置するためのプレート(冷却プレート)、71:
レチクル温度分布計測ユニット、72:レチクル温度分
布計測プレート駆動手段、73:レチクル冷却ユニッ
ト、74:レチクル冷却プレート駆動手段、S11
65:温度センサ、N11〜N65:冷却ノズル、S1〜S
3:レチクル温度分布に従って離散化された各領域、8
0:赤外線熱画像計測器、81:電子冷熱素子を配置す
るためのプレート(冷却プレート)、82:電子冷熱素
子の放熱側に配置する冷却管、M11〜M65:電子冷熱素
子、A1-5,1 〜A6,1-5 :各電子冷熱素子のアドレス電
極、T1〜T3:S1〜S3領域の予測される温度変
化。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原版上の回路パターンを照明し、基板上
    に投影露光する露光装置において、該原版の任意の領域
    を冷却する冷却手段と、該原版の温度分布に基づいて、
    該任意の領域毎に該冷却手段の冷却量を制御するための
    制御手段とを備えたことを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 前記原版の温度分布を計測するための温
    度分布計測手段を備えることを特徴とする請求項1に記
    載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記原版の温度分布を予測するための温
    度分布予測手段を備えることを特徴とする請求項1に記
    載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記原版温度分布計測手段は、複数の温
    度センサの感温部を、前記原版相当の大きさでマトリッ
    クス状に配置したものを1枚のプレートとして構成し、
    ショット毎、基板毎等、適切なタイミングで前記原版に
    所定時間接触させて温度分布を計測することが可能であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記原版温度分布予測手段は、前記原版
    が吸収する露光エネルギと、周辺雰囲気に散逸する散逸
    エネルギとをパラメータにしてあらかじめ求めておいた
    原版温度分布テーブルを用いることにより、原版温度分
    布が予測可能であることを特徴とする請求項3に記載の
    露光装置。
  6. 【請求項6】 前記冷却手段は、空気、N2、He、等
    の不活性な冷却気体を吹き付けることのできる複数個の
    ノズルを、前記原版相当の大きさでマトリックス状に配
    置し、各々独立に制御可能で、各ノズルの冷却気体温度
    が一定のときには、各冷却時間を制御し、各ノズルの冷
    却時間が一定のときには、各冷却温度を制御することを
    特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段には、前記原版の温度分布
    計測結果から、温度により前記原版上を複数領域に離散
    化し、それに対応するように、前記冷却手段の冷却個
    所、及び冷却温度を演算し、前記冷却ノズルの選択、冷
    却時間、あるいは冷却温度の指令を行う冷却制御手段を
    設けていることを特徴とする請求項1に記載の露光装
    置。
  8. 【請求項8】 前記原版温度分布計測手段は、前記原版
    に接触する際に、該原版の自重たわみ形状に沿う程度の
    剛性を有していることを特徴とする請求項2に記載の露
    光装置。
  9. 【請求項9】 前記原版温度分布計測手段と、前記冷却
    手段は、原版ステージの加減速区間の空間に配置されて
    いることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  10. 【請求項10】 前記原版と前記冷却手段を一定時間、
    直接接触させることで、前記原版の温度分布を平坦なも
    のにすることが可能であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の露光装置。
  11. 【請求項11】 前記の原版温度分布計測手段は、赤外
    線熱画像計測器、等の非接触式温度計を用いて、ショッ
    ト毎、基板毎、等適切なタイミングで前記原版上の温度
    分布を計測することが可能であることを特徴とする請求
    項2に記載の露光装置。
  12. 【請求項12】 前記冷却手段は、ぺルチェ素子等の電
    子冷熱素子複数個を、前記原版の露光領域相当の大きさ
    にマトリックス状に配置したものを1枚のプレートとし
    て構成し、前記電子冷熱素子の、所定の電極へ所定の電
    流を供給することで、前記プレート上の所定の範囲を所
    定の温度に保ち、ヒートポンプとして機能させることが
    可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の露光装置。
  13. 【請求項13】 前記冷却手段は、原版接触面と反対側
    の発熱面に冷却管を配置し、所定温度の冷媒を流すこと
    によって排熱する水冷手段、あるいは前記発熱面に放熱
    フィンを設け、該放熱フィン周囲にエアの流路を制限す
    る手段を設け強制的に排気する空冷手段を設けているこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の露光装
    置。
  14. 【請求項14】 前記制御手段には、前記原版の温度分
    布計測結果から、温度により前記原版上を複数領域に離
    散化し、それに対応するように、前記原版冷却手段の冷
    却個所、及び冷却温度を演算し、アドレス電極の選択、
    電流指令を行う冷却制御手段を設けていることを特徴と
    する請求項1または2に記載の露光装置。
  15. 【請求項15】 前記冷却手段は、前記原版に接触する
    際に、該原版の自重たわみ形状に沿う程度の剛性を有し
    ていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記
    載の露光装置。
  16. 【請求項16】 原版上の回路パターンを照明し、基板
    上に投影露光する露光方法において、該原版の任意の領
    域を冷却手段で冷却し、該原版の温度分布に基づいて、
    該任意の領域毎に該冷却手段の冷却量を制御手段で制御
    することを特徴とする露光方法。
  17. 【請求項17】 前記原版の温度分布を温度分布計測手
    段で計測することを特徴とする請求項16に記載の露光
    方法。
  18. 【請求項18】 前記原版の温度分布を温度分布予測手
    段で予測することを特徴とする請求項16に記載の露光
    方法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜請求項18のいずれかに記
    載の露光装置または露光方法を用いて半導体デバイスを
    製造することを特徴とするデバイス製造方法。
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