JP2006019561A - 露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、露光熱による投影光学系の結像特性変動が許容値を越えないように制御し、生産性を著しく低下させることなく高解像度のパターンが容易に得られる投影露光装置及びそれを用いたデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 縮小投影レンズの露光熱状態を計量し、縮小投影レンズの結像特性が許容値を越えない範囲で、単位時間に占める照射時間の割合(照射率)を最速に制御する。また、非照射時間中に調整手段で結像特性を補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ICやLSIなどの半導体素子、液晶基板、薄膜磁気ヘッド等を製造するための投影露光装置に関するものであり、特に投影光学系の露光熱による結像特性変動が所定値を越えないように調整し、高解像な投影パターン像が得られるデバイス製造方法に関するものである。
従来、LSIあるいは超LSIなどの極微細パターンから形成される半導体素子の製造工程において、マスクに描かれた回路パターンを感光剤が塗布された基板上に縮小露光して焼付け形成する縮小投影露光装置が使用されている。半導体素子の実装密度の向上に伴い、パターンのより一層の微細化が要求され、レジストプロセスの発展と同時に露光装置の微細化への対応がなされてきた。
露光装置の解像力を向上させる手段として、露光波長をより短波長にかえていく方法と、縮小投影レンズの開口数(NA)を大きくしていく方法とがある。このように解像力を向上させると、縮小投影レンズの焦点深度が浅くなるため、縮小投影レンズの結像面(焦点面)にウエハ面を合致させるフォーカス精度向上が重要なテーマとなっている。
また、投影露光装置の重要な光学特性の一つに、複数工程に渡る各パターンを正確に重ね合わせるアライメント精度があり、このアライメント精度に影響を与える重要な要素に、縮小投影レンズの倍率誤差がある。超LSIに用いられるパターンの大きさは年々微細化の傾向を強め、それに伴ってアライメント精度の向上に対するニーズも強まっている。従って縮小投影レンズの倍率を所定の値に保つ必要性は極めて高くなってきている。
ところで縮小投影レンズは、露光エネルギーの一部を吸収し、これによって発生する熱に起因して縮小投影レンズの温度変化が生じ、縮小投影レンズの屈折率等の光学特性が変化することが知られている。従って、縮小投影レンズに長時間、露光光が照射され続けたりすると、縮小投影レンズの投影倍率が所定の縮小倍率(例えば1/4)に対して変化する量や、縮小投影レンズの結像面(焦点面)の位置が光軸方向に変化する量が、上述したフォーカス精度やアライメント精度にとって無視し得ない量が変化する可能性がある。このため、縮小投影レンズへの露光エネルギー照射状態による結像特性の経時的変動を補正する方法が提案されている。例えば、特公昭63−16725号公報で本出願人より提案されているように、縮小投影レンズの露光エネルギー状態によるピント変化量を、計測した露光光量、照射時間及び、非照射時間等を変数とするモデル式で演算し、演算結果にもとづいて縮小投影レンズのピント位置を補正する。前記モデル式には縮小投影レンズ固有のピント変化係数を持ち、この係数を実験で測定すれば、縮小投影レンズピント特性の差異を補うことができる。
光学特性(結像性能)の種類は多数に及び、必ずしも調整(補正)手段を構成できない場合があるが、この場合でも縮小投影レンズの光学特性を維持する必要がある。例えば、特開平8−88164号公報では投影光学系の結像性能を維持するため、投影光学系の環境変化や照明光吸収量の変化が所定の基準値に到達した場合に、警告の表示や露光動作を停止する方法を提案している。また、特開平9−326350号公報で本出願人より提案されているように、露光光の吸収による投影光学系の結像性能変化が予め設定した許容値を越えないように、投影露光の繰り返し時間間隔を適切に設定することによって結像性能を維持する方法も提案されている。
特公昭63−16725号公報 特開平8−88164号公報 特開平9−326350号公報
露光装置の微細化回路パターンへの対応は、多種に及ぶ縮小投影レンズの光学特性(結像性能)を高精度に補正する必要が生じている。しかしながら、多種光学特性を高精度に補正するハードウエアの搭載は大変難しくなっている。この場合、露光熱による光学特性の変化が許容値を越えた場合に露光動作を休止或は停止させる従来技術では、著しく生産性(スループット)を低下させてしまう。
本発明は前記の従来技術における問題点に鑑み、生産性を著しく低下させることなく露光熱による投影光学系の結像特性変動が許容値を越えないように制御し、高解像度のパターンが容易に得られる投影露光装置及びそれを用いたデバイスの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明によれば、マスク上に形成された所定のパターンを、投影光学系を介して前記マスクと共役位置にある感光基板上に転写する露光方法において、該投影光学系への照射間隔(休止時間)を露光実績に応じて変化させることを特徴としている。
(1−1)本発明の投影露光装置は、投影光学系の露光熱による光学特性変化の許容値を入力する入力手段と、該投影光学系に単位時間に照射することができる時間を示す照射率を演算する演算手段と、該照射率に応じて露光光の照射間隔を制御する制御手段とを有することを特徴としている。
(1−2)本発明の構成(1−1)における露光方法は、露光開始に際して前記許容値を越えない目標照射率と、該目標照射率に応じた感光基板への照射間隔を演算し、前記照射間隔を保ちながら感光基板の露光処理を始める(第1工程)。感光基板の露光処理を進める際、定期的に投影光学系の実績照射率を計量し、第1工程で求めた目標照射率を補正し、照射間隔を調整する第2工程とを有することを特徴としている。
(2−1)本発明の投影露光装置は、投影光学系の露光熱による光学特性変化の許容値を入力する入力手段と、該投影光学系に単位時間に照射することができる時間を示す照射率を演算する演算手段と、該照射率に応じて露光光の照射間隔(休止時間)を制御する制御手段と、投影光学系の複数の光学特性変化を補正する調整手段とを有することを特徴としている。
(2−2)本発明の構成(2−1)における露光方法は、前記許容値を越えない単位時間に照射可能な目標照射率を求め、該目標照射率に応じた感光基板への照射間隔を演算し、前記照射間隔を保ちながら感光基板の露光処理を始める(第1工程)。感光基板の露光処理を進める際、定期的に投影光学系の実績照射率を計量し、第1工程で求めた目標照射率を補正し、照射間隔を調整する第2工程とを有し、前記照射間隔中(休止時間中)において、前記許容値以外の光学特性変化を前記調整手段により補正する第3工程とを有することを特徴としている。
多種光学特性を補正するハードウエアが搭載されない場合でも、露光熱による光学特性の変化が許容値を越えた場合に、著しく生産性(スループット)を低下さることなく休止時間を最速で制御できる。多種光学特性の全て補正するハードウエアが搭載されない場合でも、休止時間の制御と調整手段を併用させることで、高解像度のパターンを得ることが出来る。
図1は本発明の実施例に係わるステップ・アンド・スキャン型露光装置の概略構成を示す。同図において、101は例えばKrF等のガスが封入され、レーザー光を発光させるパルスレーザー光源である。この光源は遠紫外領域の波長248nmの光を発光する。また、レーザー光源には、共振器を構成するフロントミラー、露光波長を狭帯化するための回折格子、プリズム等からなる狭帯化モジュール、波長の安定性、スペクトル幅をモニタするための分光器やディテクタ等からなるモニタモジュール、及びシャッター等が設けられている。レーザー光源のガス交換動作、あるいは波長安定化のための制御、放電印加電圧の制御等は、レーザー制御装置102により制御される。本実施例の形態では、レーザー制御装置102のみによる単独制御は行わず、インタフェースケーブルで接続した露光装置全体の主制御装置103からの命令で制御できるようにしてある。
パルスレーザー光源101より射出したビームは、照明光学系104のビーム整形光学系(不図示)を介して所定のビーム形状に整形された後、オプティカルインテグレータ(不図示)に入射され、後述するマスク109を均一な照度分布で照明するために多数の2次光源を形成する。照明光学系104の開口絞り105の開口部の形状はほぼ円形であり、照明系制御装置108によってその開口部の直径、ひいては照明光学系の開口数(NA)を所望の値に設定できるようになっている。この場合、後述する縮小投影レンズ110開口数に対する照明光学系開口数の比の値がコヒーレンスファクタ(σ値)であるため、照明系制御装置108は照明系の開口絞り105を制御することで、σ値を設定できることになる。照明光学系104の光路上にはハーフミラー106が配置され、マスク109を照明する露光光の一部がこのハーフミラーにより反射され取り出される。ハーフミラー106の反射光の光路上には紫外光用のフォトセンサ107が配置され、前記露光光の強度(露光エネルギー)に対応した出力を発生する。フォトセンサ107の出力は、パルスレーザー光源101のパルス発光毎に積分を行う積分回路(不図示)によって1パルスあたりの露光エネルギーに変換され、照明系制御装置108を介して露光装置本体を制御する主制御装置103に入力されている。
レチクル(またはマスク)109には焼き付けを行う半導体素子の回路パターンが形成されており、照明光学系104より照射される。可変ブラインド(不図示)は、光軸に直交方向の面に遮光板を配置し、マスク109の回路パターン面の照射領域を任意に設定可能にしている。図2にマスク109を照明している状態を示す。マスク109の回路パターン202の一部をスリット状光束203によってスリット照明されており、図1に示す投影レンズ110によってフォトレジストが塗布されたウエハ115上に回路パターン202の一部を縮小倍率β(βは例えば1/4)で縮小露光する。この時、図1に示す矢印のように、マスク109及びウエハ115を投影レンズ110とスリット状光束203に対し、投影レンズ110の縮小比率βと同じ速度比率で互いに逆方向にスキャンさせながら、パルスレーザー光源101からのパルス発光による多パルス露光を繰り返すことにより、マスク109全面の回路パターン202をウエハ115上の1チップ領域または複数チップ領域に転写する。
投影レンズ110の瞳面(レチクルに対するフーリエ変換面)上には、開口部がほぼ円形である投影レンズの開口絞り111が配置され、モータ等の駆動手段112によって開口部の直径を制御することで、所望の値に設定できる。また、113のフィールドレンズ駆動装置は、投影レンズ110中のレンズ系の一部を構成しているフィールドを、空気圧や圧電素子などを利用して投影レンズの光軸上に移動させるものであり、投影レンズの諸収差の悪化を防止しつつ、投影倍率や歪曲誤差を良好にしている。
ウエハステージ116は3次元方向に移動可能であり、投影レンズ110の光軸方向(Z方向)及び、この方向に直交する面内(X−Y面)を移動できる。ウエハステージに固定された移動鏡117との間の距離をレーザー干渉計118で計測することでウエハステージ116のX−Y面位置が検出される。露光装置の主制御装置103の制御下にあるステージ制御装置120は、レーザー干渉計118によりウエハステージ116の位置を検出し、モータ等の駆動手段119を制御することで、ウエハステージを所定のX−Y面位置へ移動させる。また、121及び122はフォーカス面検出手段であり、投光光学系121はウエハ上のフォトレジストを感光させない非露光光から成る複数個の光束を投光し、ウエハ115上に各々集光されて反射される。ウエハで反射された光束は、検出光学系122に入射される。図示は略したが、検出光学系122内には各反射光束に対応させて複数個の位置検出用の受光素子が配置されており、各位置検出用受光素子の受光面とウエハ上での各光束の反射点が結像光学系によりほぼ共役となるように構成されている。投影レンズ110の光軸方向におけるウエハ面の位置ずれは、検出光学系122内の位置検出用受光素子上の入射光束位置ずれとして計測される。
本実施例ではマスク109とウエハ115を所定の関係となるように位置決めした後、主制御装置103からの同期信号に基づいてレーザー制御装置102、ウエハステージ制御装置120および、マスクステージ制御装置126はマスク203全面の回路パターン202をウエハ115のチップ領域へ転写するスキャン露光を行う。その後、ウエハ115をウエハステージ116により所定量X−Y平面内に駆動させ、ウエハ115の他の領域を順次同じように投影露光するようにした、所謂ステップ・アンド・スキャン方式を採用している。
一般に投影露光を繰り返し行うと投影レンズ110が露光光を吸収し、結像特性が変化する(以下、「露光収差」と称す)。本発明は、LSIなどの微細回路パターンを製造する際に、露光収差が許容値を越えない装置制御方法の考案である。具体的な制御方法の説明の前に、本実施例に関わる露光収差を定量化するモデル式について説明する。図3の上図は、露光収差の一例であるフォーカス変動の経時変化を示し、横軸は時間t、縦軸は投影レンズのフォーカス変動量ΔFである。図3の下図は、上図と同時間軸における露光エネルギー照射時間を示し、縦軸Eは露光エネルギーである。投影レンズの初期のフォーカスをF0として、時間t0からレーザー光源101より投影レンズに露光が開始されると、時間とともにフォーカスが変動し、時間t1で一定のフォーカスFsに安定する。その後、引き続き露光光を投影レンズに照射しても、投影レンズに吸収されて熱となるエネルギーと、投影レンズより放出される熱エネルギーが平衡状態に達し、フォーカスはFsから変化しない。そして、時間t2で露光を停止すると、フォーカスは時間と共に元の状態に戻り、時間t3では初期のフォーカスF0になる。
ここでフォーカス変動飽和値Fsは、投影レンズに照射される露光エネルギー量によって比例的に変化することから、式1のように表せる。
(式1)
Fs=Fc×E×A×T×D
Fc:実験等で求めた比例定数
E:露光像面照度
A:マスク109上パターンの露光領域の大きさ(以下、パターンサイズ)
T:パターンサイズに対する光透過部の割合(以下、パターン透過率)
D:単位時間中の投影レンズに照射している時間の割合(以下、照射率)
また、時間t0からt1までの立ち上り時の時定数TS1と、時間t2からt3まで立ち下り時の時定数TS2とは、投影レンズに照射される露光エネルギー量によらず一定である。これら時定数TS1とTS2は、投影レンズの熱伝達特性上の時定数と等価であり、投影レンズ固有の値を示す。すなわち、立ち上り時、立ち下りとも、指数関数の特性と類似した変動を示す。立ち上り時の特性は式2で近似される。
(式2)
ΔF=Fs×(1−exp(−t/TS1))
TS1:実験等で求めた投影レンズの立ち上り時定数
立ち下り時の特性は式3で近似される。
(式3)
ΔF=Fs×exp(−t/TS2)
TS2:実験等で求めた投影レンズの立下り時定数
本実施例のステップ・アンド・スキャンの露光方式では、ステップ・アンド・スキャン露光毎に、フォトセンサ107で計測した露光エネルギーから露光像面照度Eを求め、式1のモデル式により露光収差飽和値Fsを計算する。次に、ステップ・アンド・スキャン露光動作中に投影レンズ110へ照射している照射時間tを式2へ代入して立ち上がり特性を求め、照射時間以外である非照射時間tを式3へ代入して立下り特性を計算し、露光収差量ΔFを定量化している。
しかし、投影レンズの開口数に対する照明光学系の開口数の比であるコヒーレンスファクタ(σ値)を変化させた場合、投影レンズの瞳面に生成されるエネルギー密度分布が変化し、時定数TS1,TS2のみならず、フォーカス(あるいは倍率)変化飽和値の比例係数Fcも変化する。本実施例の露光収差モデルでは、露光収差量を定量化する係数である時定数TS1、TS2及び、フォーカス変化飽和値の露光エネルギー比例係数Fcを、コヒーレンスファクタ(σ値)に応じて正確に予め求めておき、σ値に応じて係数を変えることで露光収差量の予測精度を向上させている。
次に本発明の具体的な制御方法について説明する。本発明は、ステップ・アンド・スキャン露光中に投影レンズへの単位時間あたりの露光エネルギー照射量を減らすことで、露光収差が許容値を越えた状態でウエハ露光することを防止する。本発明では、投影レンズを特別なハードウエアを用いて冷却するのではなく、露光間に休止時間Td(Delay Time)を設けることで式1の照射率Dを調整し、単位時間あたりの露光エネルギー照射量を制御している。しかし、休止時間による生産性(スループット)の低下を最小限に抑える為にウエハ1枚単位で照射率を計量し、投影レンズの熱状態に応じた最速の休止時間で制御することを特徴としている。
(第一の実施例)
最初に、第一の実施例を図6のフローに従って具体的に説明する。予めマスク回路パターンをウエハへ露光する際の露光量、照明条件を設定するプロセス情報と、ウエハへ露光するチップ領域の大きさ、露光チップ数を設定するウエハレイアウト情報及び、露光ウエハ枚数をウエハ製造情報として入力機器のコンソール(不図示)から登録する。露光動作を開始するとステップS201では、設定されているウエハ製造情報を主制御装置103へ転送する。
次にステップS202で露光負荷を計測する。露光開始に際しプロセス情報の照明条件に基づいて、ウエハステージ上に設けられたフォトディテクタ(不図示)で1露光(1スキャン)あたりの露光像面照度Erと照射時間Trを計測する。
ステップS203では露光収差発生量を推定する。飽和収差量を示すモデル式(1)に、前ステップS202で計測した露光像面照度をE、プロセス情報の照明条件に応じた係数をFc、ウエハレイアウト情報に応じた露光領域をA、予め計測してあるパターン透過率T,照射率であるDを1(連続照射)として代入し、露光収差発生量(飽和収差量)Fsを計算する。
ステップS204では前ステップで推定した露光収差発生量Fsから休止が必要か否かを判断する。これは、不必要な休止によるスループットの低下を防ぐ目的である。最初に照射率D=1で照射し続けた場合の許容収差Fthへ達するまでの照射時間Tthを式2から求める。前ステップS203で計算した飽和収差量をFs、プロセス情報の照明条件に応じた時定数をTS1、露光収差の許容値であるFthをΔFとして式2へ代入し照射時間Tthを得る。このTthをステップS202で実測した1露光当たりの照射時間Trで割ると、許容収差Fthへ達する露光チップ数Nthがわかる。ここで、露光収差発生量Fsが許容収差Fthを越え且つ、ウエハ製造情報で設定された総露光チップ数が許容チップ数Nthを越える露光チップ数が設定されている場合に休止必要と判定しステップS205へ、それ以外の場合は休止必要なしと判定してS207へ進み休止時間Td=0とする。休止必要なしと判定した場合、図示して無いが以後の照射率制御は一切行わない通常のステップ・アンド・スキャン露光を実施する。
ステップS205では単位時間あたりに許容できる露光エネルギー量を目標照射率として求める。式1より飽和収差量Fsは照射率Dに比例することから、例えば許容値Fthが飽和収差量Fsの1/2に設定された場合は、目標照射率を1/2に設定する。これは、単位時間あたりの照射時間(heat)と非照射時間(cool)が1:1となるように、休止時間Tdを使って非照射時間の割合を制御するものである。図4の上図に示す曲線C0は照射率が1の経時変化を示し、曲線C1は照射率を1/2一定に制御した時の経時変化を示している。図4の下図は曲線C1の照射時間を示している。曲線C1は照射率を1/2一定に保つことでロット生産が終わるまで許容収差を越えないことがわかる。本実施例では、この目標照射率D(target)を一定に制御するために、ステップ・アンド・スキャン露光間に休止時間Tdを設けている。
ステップS206ではウエハ1枚目の初期休止時間Td(1)を計算する。ステップS202で計測した1スキャン露光の照射時間Trから、最初に単位ウエハあたりの所要heat時間を式4にて求める。
(式4)
heat時間=1スキャン照射時間×ウエハチップ数
次に、式5へ目標照射率D(target)を代入し、単位ウエハあたりの所要cool時間を求める。
(式5)
D(target)=heat時間/(cool時間+heat時間)
最後に式6から単位ウエハのスキャン露光間の休止時間Td(1)を求める。式6のステップ時間は、設定されたチップレイアウト情報から求まる移動距離とウエハステージのステップ速度から計算する。ウエハ搬送時間、アライメント時間は設計値を使う。
(式6)
cool時間=(ステップ時間+Td(1))×ショット数
+ウエハ搬送時間+アライメント時間
ステップS208で必要に応じてマスクを、ステップS209で露光対象の1枚目のウエハを各々のステージへ搬送する。ステージ搬送後にマスク及びウエハのアライメントを実行しマスクとウエハの位置決めを完了する。
ステップS210でウエハのIndex Timeの計測を開始する。ここでIndex Timeとはウエハ1枚の加工に要した実績時間である。Index Time計測するのは、次ウエハの休止時間Tdを補正する目的である。
次に1枚目のウエハはステップS212へ進み、最初のチップ露光開始位置へウエハステージを所定量X−Y平面内にステップ駆動させ露光開始準備を完了する。
ステップS213ではS206で計算した休止時間Td(1)に基づいてスキャン露光開始を遅らせた後、ステップS214でウエハ露光を行う。露光中には投影レンズへ照射した照射時間(heat時間)と露光エネルギーをフォトセンサ107で計測している。露光終了後にステップS215へ進み照射時間(heat時間)を積算する。ウエハの全チップの露光が完了するまでS212からS216のステップ・アンド・スキャン露光と休止時間Td制御を繰り返し実施する。
全チップの露光が終了すると、ステップS217へ進み露光済みウエハをステージから回収した後、ステップS209へ戻り2枚目のウエハをステージへ搬送する。
ステップS210でウエハ1枚目のIndex Time実測を終了し、2枚目のIndex Time実測を開始する。
2枚目以降のウエハはステップS218へ進み、本発明の特徴である投影レンズの露光実績から次のウエハの休止時間を最適化(最速化)する例について説明する。図5の上図の破線で示す曲線C1はS205で求めた目標Dutyで露光した場合の予測経時変化を示し、実線で示す曲線C2は実露光収差の変化を示している。ここでは一般的な例であるウエハ1枚目を露光終了した時点(t1)において、ウエハ1枚目の実績露光収差C2が予測露光収差C1より小さくなる場合について説明する。ステップS206では露光装置の動作時間(単位ウエハ処理時間)は設計値を基に式6で計算して得たが、ウエハ1枚目の実測Index Timeの方が長く、投影レンズの熱状態が予測より冷却された為である。この誤差は例えば、ユニットの経時変化に伴う速度低下やアライメント処理中の計測リトライ動作等の様々な要因が考えられる。この状態で引き続きウエハ2枚目も同じ休止時間Tdを使ってDelayさせると、更に実露光収差との誤差が大きくなる事が予測され、この誤差が積み重なることで著しく生産性(スループット)を低下させてしまう。
そこでステップS218では、前ウエハまでの照射時間(heat時間)とウエハIndex Timeの基づき実績照射率:D(real)を計算し、次ウエハの休止時間Td(n)を式7で再計算する。
(式7)
Td(n−1)/Td(n)=D(real)/D(target)
D(target):目標Duty
D(real):前ウエハの実績Duty
Td(n−1):前ウエハの休止時間平均
この結果、図5の時間t1でウエハ2枚目の休止時間Td(2)はウエハ1枚目の休止時間Td(1)より短くなる。実績露光収差C2はTd(1)で制御していた時に対して単位時間あたりの露光エネルギーが大きい為に収差変化量が大きくなり、目標曲線C1へ近づいていく。
次に、ウエハ2枚目の全チップの露光が完了するまでS212からS216のステップ・アンド・スキャン露光と休止時間Td制御を繰り返し実施する。以降、ウエハ1枚単位で照射率を計量して次ウエハの休止時間Tdへフィードバックしながら露光処理を繰り返す。
(第二の実施例)
第二の実施例は、第一の実施例で露光間休止している間に他の収差を調整手段で補正する例である。第二の実施例で用いる調整手段は、図1に示した投影レンズ110中のレンズ系の一部を構成しているフィールドを、空気圧や圧電素子などを利用して投影レンズの光軸上に移動させるフィールドレンズ駆動装置113を用い、倍率と歪曲を補正する。また、露光間休止により発生量を抑える収差は球面収差として例示する。
具体的に図7のフローに従って説明する。ステップS301からステップS311までは第一の実施例と同様に、実測した露光負荷から球面収差の飽和量Fsを計算し、許容球面収差Fthを越えない目標照射率から初期休止時間Td(1)を計算する。次に、マスク及び1枚目のウエハを各ステージへ搬送し、アライメントした後にIndex時間の計測を開始する。
ステップS312、S313も第一の実施例と同様にチップ露光開始位置へウエハステージをステップ駆動させ、計算した休止時間Td(1)に基づいて露光開始を遅らせる。第二の実施例では、このステップと並行してステップS314、S315へ進む。これは、露光休止中に投影レンズの他の露光収差である倍率及びディスト−ションを補正する目的で、調整手段を駆動するものである。S314では先に説明した露光収差モデル式1〜3により倍率、ディスト−ションの現在収差を計算し、S315では計算した収差量に基づいて投影レンズ中の複数のフィールドレンズを駆動装置により補正し、露光する前に倍率及びディスト−ション収差量をキャンセルさせる。S313の所要時間の露光休止及び、S315のフィールドレンズ駆動が終了した後、ステップS316へ進みスキャン露光を実施する。
以降は第一の実施例と同様に、ステップS317では照射時間(heat時間)を積算した後、ウエハ毎に実績照射率を計算し、次ウエハの休止時間Td(n)を補正しながら露光処理を繰り返す。図7のフローには不図示であるが、再計算する休止時間Td(n)が極めて短い場合は、フィールドレンズによる補正駆動を実施しなくてもよい。
第一及び第二の実施例では説明の便宜上、投影レンズの収差許容値は予め設定されている例示であったが、回路パターンの要求するフォーカス精度、アライメント精度に応じて適宜許容値を設定する方が生産性は高い。従って、ウエハ製造プロセスレシピであるジョブデータに許容値をパラメータとして設け、露光開始に際して主制御装置へロードする方法を採ることも出来る。
本発明の一実施例に係わる露光装置の概略構成。 図1の実施例の部分説明図。 本発明の一実施例に係わる投影レンズの結像特性の照射変動特性を示す。 本発明の一実施例に係わる。 本発明の一実施例に係わる。 本発明の実施例1に係わるフローチャート。 本発明の実施例2に係わるフローチャート。
符号の説明
101 パルスレーザー光源
102 レーザー制御装置
103 露光装置の主制御装置
104 照明光学系
105 照明系開口絞り
106 ハーフミラー
107 フォトセンサ
108 照明系制御装置
109 マスク(レチクル)
110 投影レンズ
111 投影レンズ開口絞り
112 投影レンズ開口絞り駆動手段
113 フィールドレンズ駆動手段
114 投影レンズ制御装置
115 ウエハ
116 ウエハステージ
117 移動鏡
118 レーザー干渉計
119 ウエハステージ制御手段
120 ウエハステージ制御装置
122 フォーカス面検出手段
123 マスクステージ
124 移動鏡
125 レーザー干渉計
126 マスクステージ制御装置
201 マスク(レチクル)
202 回路パターン
203 スリット状光束

Claims (4)

  1. マスク上に形成された所定のパターンを、投影光学系を介して前記マスクと共役位置にある感光基板上に転写する露光方法において、前記投影光学系の露光熱による光学特性変化の許容値を入力する入力手段と、前記投影光学系に単位時間に照射可能な時間を示す照射率を演算する演算手段と、前記照射率に応じて露光光の照射間隔を制御する制御手段とを有し、露光開始に際して前記許容値を越えない目標照射率を求め、前記目標照射率に応じて照射間隔を制御しながら前記感光基板を露光処理する第1工程と、定期的に計量する前記投影光学系の実績照射率に従い前記目標照射率を補正した後、補正した目標照射率に応じて照射間隔を制御しながら前記感光基板を露光処理する第2工程とを含むことを特徴とする露光方法。
  2. マスク上に形成された所定のパターンを、投影光学系を介して前記マスクと共役位置にある感光基板上に転写する露光方法において、前記投影光学系の露光熱による光学特性変化の許容値を入力する入力手段と、前記投影光学系に単位時間に照射可能な時間を示す照射率を演算する演算手段と、前記照射率に応じて露光光の照射間隔を制御する制御手段と、前記投影光学系の複数の光学特性変化を補正する調整手段とを有し、露光開始に際して前記許容値を越えない目標照射率を求め、前記目標照射率に応じて照射間隔を制御しながら前記感光基板を露光処理する第1工程と、定期的に計量する前記投影光学系の実績照射率に従い前期目標照射率を補正した後、補正した目標照射率に応じて照射間隔を制御しながら前記感光基板を露光処理する第2工程と、前記照射間隔制御中に前記許容値以外の光学特性を前記調整手段により補正する第3工程とを含むことを特徴とする露光方法。
  3. 前記光学特性変化の許容値は、感光基板製造プロセスデータとして任意に設定できることを特徴とする請求項1又は2に記載の露光方法。
  4. 前記実績照射率を計量する第2工程は、前記感光基板交換毎に実施することを特徴とする請求項1又は2に記載の露光方法。
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