JP2014204103A - 移動体装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

移動体装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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宏充 吉元
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Abstract

【課題】湿度変化によるスケールの位置ずれを防止する。
【解決手段】 テーブル本体29は、上面に設けられたピンVP上に塗布された有機系接着剤82を介して、スケールが形成された撥水板28b、28bを、接着する。そして撥水板28b、28b下方のピンVPが設けられた空間領域29b、29b内に、開口34、34からドライエアが供給されることで、空間領域29b、29b内の湿度が一定に保たれる。そのため、有機系接着剤82の湿度による体積変動が防止され、スケールの位置ずれを防止することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、移動体装置及び露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、特にエンコーダシステムによってその位置情報が計測される移動部材を備えた移動体装置、該移動体装置をマスクステージ装置及び/又は基板ステージ装置として備える露光装置、並びに該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、主として、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
この種の露光装置では、マスク(レチクル)に形成されたパターンが投影光学系を介してウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、ウエハと総称する)上に既に形成されたパターンに重ね合わせて転写される。ここで、特にスキャナでは、パターンの転写の際に、マスクを保持するマスクステージと、ウエハを保持するウエハステージとを互いに同期させて走査方向に駆動させるため、それぞれのステージの位置を正確に計測する必要がある。従来、ステージの位置は、干渉計システムを用いて計測されていたが、近年では、干渉計システムに比べて空気揺らぎに起因する計測値の短期安定性が良好なエンコーダシステムが用いられるようになってきた(例えば特許文献1等参照)。特許文献1に記載された液浸露光装置では、ウエハステージ上に設けられたグレーティング(スケール)に、ウエハステージの外部に配置されたエンコーダヘッドから計測ビームを照射し、その反射光を受光することによって、ウエハステージの位置を計測している。
従来の露光装置では、ステージ上に真空吸着によってスケールを固定することが比較的多く行われていたが、ステージの駆動中に何らかの要因により、スケールを真空吸着するためのバキューム圧が急激に低下した場合に、スケールが位置ずれし、ウエハ(又はレチクル)とスケールとの位置関係が予め求めておいた関係からずれてしまう事態が生じてしまう。このような場合、ウエハ(又はレチクル)の位置を目標位置に位置決めできないなどの不都合が生じるため、その位置関係の再計測を行わなければならず、スループットの低下、あるいは装置の立ち上げ時間の増加などの要因となっていた。
米国特許出願公開第2008/0088843号明細書
上述した不都合を改善するため、発明者らは、スケールの固定方法を真空吸着から接着剤による接着に変更すべく実験、研究等を行った。その結果、接着剤を用いてスケールをステージ上に固定した場合、時間の経過とともに、スケールの平坦度(凹凸)が変化することがあることがわかった。発明者らは、さらに、検討を重ねた結果、そのスケールの凹凸の変化の主要因は、接着剤が水分を吸収した膨張し、スケールの凹凸の変化をもたらすことにあることが、最近になって判明した。特に液浸露光装置では、ウエハステージ近傍の領域の湿度が高くなるため、ウエハステージにスケールを接着固定する場合に問題となる。
本発明は、上述した事情の下になされたもので、その第1の態様によれば、ベース部材と、該ベース部材に対して移動可能な移動部材と、前記ベース部材と前記移動部材のうちの一方の部材に設けられたヘッドを有し、前記移動部材と前記ベース部材のうちの他方の部材に設けられたスケールに前記ヘッドを介して計測ビームを照射して前記移動部材の位置情報を求めるエンコーダシステムと、を備え、前記スケールは、接着剤を用いて前記他方の部材に固定され、前記他方の部材の前記接着剤の周囲の第1空間内の気体の湿度が所定湿度に設定される移動体装置が、提供される。
これによれば、他方の部材の前記接着剤の周囲の第1空間(空隙)の気体の湿度が、前記接着剤の湿度より低く維持されるので、接着剤の内部の水分が周囲の気体に吸湿され、接着剤が水分を吸ってその体積が増加するのを防ぐことができ、ひいてはその接着剤の体積増加に起因するスケールの変形を抑制することが可能になる。
本発明の第2の態様によれば、マスクにエネルギビームを照射して前記マスクに形成されたパターンを基板上に生成する露光装置であって、前記マスクが載置される第1ステージ装置と、前記基板が載置される第2ステージ装置と、を備え、前記第1ステージ装置と前記第2ステージ装置との少なくとも一方が、上記移動体装置を含む露光装置が、提供される。
これによれば、第1ステージと第2ステージとの少なくとも一方が、上記移動体装置を含んでいるので、移動体装置を含んでいるステージの位置情報を前記エンコーダシステムにより精度良く安定して計測することができ、ひいては第1ステージと第2ステージとを用いてマスクに形成されたパターンを基板上に精度良く生成することが可能になる。
本発明の第3の態様によれば、上記露光装置を用いて、感応基板上にパターンを形成することと、前記パターンが形成された前記感応基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が、提供される。
第1の実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。 図2は、図1のウエハステージを示す平面図である。 図1のウエハテーブルの概略的な分解斜視図である。 図1の計測ステージを示す平面図である。 図1の露光装置が備える第1ないし第4エンコーダシステム、アライメント系、多点AF系等の配置を示す図である。 図5の第1ないし第4エンコーダシステムの具体的なヘッド配置を説明するための図である。 図3のテーブル本体を示す縦断面図かつウエハテーブルの内部空間の湿度調整方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る露光装置の制御系を中心的に構成する主制御装置の入出力関係を示すブロック図である。 図8の第1ないし第4エンコーダシステムの構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る露光装置におけるテーブル本体の縦断面図である。 第2の実施形態に係る露光装置の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置20の入出力関係を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る露光装置の変形例を説明するための図であって、該変形例に係る露光装置の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置の入出力関係を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る露光装置におけるテーブル本体の縦断面図である。 第3の実施形態に係る露光装置の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置の入出力関係を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る露光装置の変形例を説明するための図であって、該変形例に係る露光装置におけるテーブル本体の縦断面図である。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1〜図9に基づいて、説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置100の構成が概略的に示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。後述するように、本実施形態では、投影光学系PLが設けられており、以下においては、この投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向(Z方向)、これに直交する面内でレチクルRとウエハWとが相対走査される方向をY軸方向(Y方向)、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向(X方向)とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、図1に示されるように、ベース盤12上の+Y側端部近傍に配置された露光部200と、ベース盤12上の−Y側端部近傍に配置された計測部300と、ベース盤12上で独立してXY平面内で2次元移動するウエハステージWST及び計測ステージMSTと、これらの制御系等とを備えている。以下においては、説明の便宜上、露光部200、計測部300のそれぞれの場所を示す用語として、露光部、計測部と同一の符号を用いて、露光ステーション200、計測ステーション300と称するものとする。
ベース盤12は、床面上に防振機構(図示省略)によってほぼ水平に(XY平面に平行に)支持されている。ベース盤12は、平板状の外形を有する部材から成る。なお、図1において、露光ステーション200には、ウエハステージWSTが位置しており、ウエハステージWST(より詳細には後述するウエハテーブルWTB)上にウエハWが保持されている。また、露光ステーション200の近傍に計測ステージMSTが位置している。
露光部200は、照明系10、レチクルステージRST、投影ユニットPU及び局所液浸装置8等を備えている。
照明系10は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源と、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、及びレチクルブラインド等(いずれも不図示)を有する照明光学系と、を含む。照明系10は、レチクルブラインド(マスキングシステムとも呼ばれる)で設定(制限)されたレチクルR上のスリット状の照明領域IARを、照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとして、一例として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。
レチクルステージRST上には、そのパターン面(図1における下面)に回路パターンなどが形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系11(図1では不図示、図8参照)によって、XY平面内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(図1における紙面内左右方向であるY軸方向)に所定の走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)13によって、レチクルステージRSTに固定された移動鏡15(実際には、Y軸方向に直交する反射面を有するY移動鏡(あるいは、レトロリフレクタ)とX軸方向に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられている)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計13の計測値は、主制御装置20(図1では不図示、図8参照)に送られる。
投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置されている。投影ユニットPUは、不図示の支持部材によって水平に支持されたメインフレームBDによってその外周部に設けられたフランジ部FLGを介して支持されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、鏡筒40内に保持された投影光学系PLと、を含む。投影光学系PLとしては、例えば、Z軸と平行な光軸AXに沿って配列される複数の光学素子(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで、所定の投影倍率(例えば1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する。このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PL(投影ユニットPU)を介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、投影光学系PLの第2面(像面)側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な領域(以下、露光領域とも呼ぶ)IAに形成される。そして、レチクルステージRSTとウエハステージWST(より正しくは、ウエハWを保持する後述する微動ステージWFS)との同期駆動によって、照明領域IAR(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動させることで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。すなわち、本実施形態では照明系10、及び投影光学系PLによってウエハW上にレチクルRのパターンが生成され、照明光ILによるウエハW上の感応層(レジスト層)の露光によってウエハW上にそのパターンが形成される。
局所液浸装置8は、露光装置100が、液浸方式の露光を行うことに対応して設けられている。局所液浸装置8は、液体供給装置5、液体回収装置6(いずれも図1では不図示、図8参照)、及びノズルユニット32等を含む。ノズルユニット32は、図1に示されるように、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子、ここではレンズ(以下、「先端レンズ」ともいう)191を保持する鏡筒40の下端部周囲を取り囲むように不図示の支持部材を介して、メインフレームBDに吊り下げ支持されている。また、ノズルユニット32は、液体Lqの供給口及び回収口と、ウエハWが対向して配置され、かつ回収口が設けられる下面と、液体供給管31A及び液体回収管31Bとそれぞれ接続される供給流路及び回収流路とを備えている。液体供給管31Aは、不図示の供給配管を介して液体供給装置5(図8参照)に接続され、液体回収管31Bは不図示の回収配管を介して液体回収装置6(図8参照)に接続されている。本実施形態では、主制御装置20が液体供給装置5(図8参照)を制御して、液体供給管31A及びノズルユニット32を介して先端レンズ191とウエハWとの間に液体を供給するとともに、液体回収装置6(図8参照)を制御して、ノズルユニット32及び液体回収管31Bを介して先端レンズ191とウエハWとの間から液体を回収する。従って、先端レンズ191とウエハWとの間には、一定量の液体Lq(図1参照)が常に入れ替わって保持され、それにより液浸領域14(図5参照)が形成される。なお、投影ユニットPUの下方に後述する計測ステージMSTが位置する場合にも、同様に先端レンズ191と計測テーブルとの間に液浸領域14を形成することができる。
本実施形態では、上記の液体として、ArFエキシマレーザ光(波長193nmの光)が透過する純水(以下、特に必要な場合を除いて、単に「水」と略記する)を用いるものとする。なお、ArFエキシマレーザ光に対する水の屈折率nは、ほぼ1.44であり、水の中では、照明光ILの波長は、193nm×1/n=約134nmに短波長化される。
計測部300は、メインフレームBDに設けられたアライメント装置99と、メインフレームBDに設けられた多点焦点位置検出系(以下、多点AF系と称する)90(図1では不図示、図8参照)と、を有する。
アライメント装置99は、図5に示される5つのアライメント系AL1、AL21〜AL24を含む。詳述すると、図5及び図6に示されるように、投影ユニットPUの中心(投影光学系PLの光軸AX、本実施形態では前述の露光領域IAの中心とも一致)を通りかつY軸と平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LV上で、光軸AXから−Y側に所定距離隔てた位置に、検出中心が位置する状態でプライマリアライメント系AL1が配置されている。プライマリアライメント系AL1を挟んで、X軸方向の一側と他側には、基準軸LVに関してほぼ対称に検出中心が配置されるセカンダリアライメント系AL21,AL22と、AL23,AL24とがそれぞれ設けられている。すなわち、5つのアライメント系AL1,AL21〜AL24はその検出中心がX軸方向に沿って配置されている。
各セカンダリアライメント系AL2n(n=1〜4)は、駆動機構60n(n=1〜4、図5及び図6では不図示、図8参照)によって、その一部の構成部材を駆動することで、その検出領域(又は検出中心)の位置を独立にX軸方向及びY軸方向に関して調整可能である。従って、プライマリアライメント系AL1及びセカンダリアライメント系AL21,AL22,AL23,AL24はX軸方向及びY軸方向に関してその検出領域の相対位置が調整可能となっている。
5つのアライメント系AL1、AL21〜AL24のそれぞれとしては、例えば、ウエハ上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標(各アライメント系内に設けられた指標板上の指標パターン)の像とを撮像素子(CCD等)を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系が用いられている。5つのアライメント系AL1、AL21〜AL24からの撮像信号は、主制御装置20に供給されるようになっている(図8参照)。なお、アライメント装置99の詳細構成は、例えば米国特許出願公開第2009/0233234号明細書に開示されている。
多点AF系90としては、図5及び図6に示されるように、送光系90a及び受光系90bから成る斜入射方式の多点AF系が設けられている。多点AF系90と同様の構成は、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示されている。本実施形態では、一例として、送光系90aと受光系90bとは、プライマリアライメント系AL1の検出中心を通るX軸に平行な直線(基準軸)LAの+Y側に同一距離離れた位置に、基準軸LVに関して対称に配置されている。送光系90aと受光系90bとのX軸方向の間隔は、後述するウエハテーブルWTB上に設けられた一対のスケール39、39(図2参照)の間隔より広く設定されている。
ウエハステージWSTは、図1に示されるように、粗動ステージWCSと、粗動ステージWCSに非接触状態で支持され、粗動ステージWCSに対して相対移動可能な微動ステージWFSとを有している。ウエハステージWST(粗動ステージWCS)は、粗動ステージ駆動系51A(図8参照)により、X軸及びY軸方向に所定ストロークで駆動されるとともにθz方向に微小駆動される。また、微動ステージWFSは、微動ステージ駆動系52A(図8参照)によって粗動ステージWCSに対して6自由度方向(X軸、Y軸、Z軸、θx、θy及びθzの各方向)に駆動される。
ウエハステージWST(粗動ステージWCS)のXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、干渉計システムから成るウエハステージ位置計測系16A(図1及び図8参照)によって計測される。微動ステージWFSの位置情報は、後述するエンコーダシステム150(図8参照)によって計測される。
また、計測ステージMSTのXY平面内の位置情報は、干渉計システムから成る計測ステージ位置計測系16B(図1及び図8参照)によって計測される。
ウエハステージ位置計測系16A、計測ステージ位置計測系16B、及びエンコーダシステム150の計測値(位置情報)は、それぞれ粗動ステージWCS、計測ステージMST、並びに微動ステージWFSの位置制御のため、主制御装置20に供給される(図8参照)。
ここで、上記各種計測系を含めて、ステージ系の構成等について詳述する。まず、ウエハステージWSTについて説明する。
粗動ステージWCSは、上面及びY軸方向の両側面が開口した高さの低い直方体形状を有している。粗動ステージWCSの底面にはXY二次元方向を行方向、列方向としてマトリックス状に配置された複数の永久磁石から成る磁石ユニットが設けられている。ベース盤12の内部には、図1に示されるように、XY二次元方向を行方向、列方向としてマトリックス状に配置された複数のコイル17を含む、コイルユニットが収容されている。
粗動ステージWCSに設けられた磁石ユニットは、ベース盤12のコイルユニットと共に、例えば米国特許第5,196,745号明細書などに開示される電磁力(ローレンツ力)駆動方式の平面モータから成る粗動ステージ駆動系51A(図8参照)を構成している。コイルユニットを構成する各コイル17に供給される電流の大きさ及び方向は、主制御装置20(図8参照)によって制御される。
粗動ステージWCSの底面には、上記磁石ユニットの周囲に複数のエアベアリング(不図示)が固定されている。粗動ステージWCSは、複数のエアベアリングによって、ベース盤12の上方に所定の隙間(クリアランス、ギャップ)、例えば数μm程度の隙間を介して浮上支持され、粗動ステージ駆動系51Aによって、X軸方向、Y軸方向及びθz方向に駆動される。
なお、粗動ステージ駆動系51Aとしては、電磁力(ローレンツ力)駆動方式の平面モータに限らず、例えば可変磁気抵抗駆動方式の平面モータを用いることもできる。この他、粗動ステージ駆動系51Aを、磁気浮上型の平面モータによって構成し、該平面モータによって粗動ステージWCSを6自由度方向に駆動できるようにしても良い。この場合、粗動スライダ部91の底面にエアベアリングを設けなくても良くなる。
粗動ステージWCSには、微動ステージWFSを駆動するための複数のコイルから成る一対のコイルユニット(不図示)がX軸方向の両側壁に設けられている。各コイルユニットを構成する各コイルに供給される電流の大きさ及び方向は、主制御装置20によって制御される。
微動ステージWFSは、板状部材から成る本体部81、本体部81の上面に一体的に固定された板状部材から成るウエハテーブルWTBと、を備えている。本体部81は、ウエハテーブルWTBと熱膨張率が同じ又は同程度の素材で形成されることが望ましく、その素材は低熱膨張率であることが望ましい。
微動ステージWFSには、粗動ステージWCSに設けられた一対のコイルユニットのそれぞれに対応して、コイルユニットの上下に非接触で対向する各一対の磁石ユニット(不図示)が、設けられている。本実施形態では、上記一対のコイルユニットと、上記二対の磁石ユニットと、を含んで、例えば米国特許出願公開第2010/0073652号明細書及び米国特許出願公開第2010/0073653号明細書と同様に、微動ステージWFSを粗動ステージWCSに対して非接触状態で浮上支持するとともに、非接触で6自由度方向へ駆動する微動ステージ駆動系52A(図8参照)が構成されている。
なお、粗動ステージ駆動系51A(図8参照)として、磁気浮上型の平面モータを用いる場合、該平面モータによって粗動ステージWCSと一体で微動ステージWFSを、Z軸、θx及びθyの各方向に微小駆動可能となるので、微動ステージ駆動系52Aは、X軸、Y軸及びθzの各方向、すなわちXY平面内の3自由度方向に微動ステージWFSを駆動可能な構成にしても良い。
ウエハテーブルWTBの上面の中央には、ウエハWを真空吸着等によって保持するウエハホルダWH(図3参照)が設けられている。ウエハホルダWHとしては、円環状の凸部(リム部)の内部の領域に所定間隔で配置された多数のピンHPを有するバキュームチャックが用いられている。ウエハホルダWHとしては、例えば国際公開第2003/052804号に開示される構成のものを用いることができる。本実施形態では、ウエハホルダWHのベース部に設けられた給排気口が、不図示の給排気管を介して真空ポンプ及び給気装置等を有する給排気装置110(図8参照)に接続されているものとする。ウエハホルダWHは、ウエハテーブルWTBと一体に形成されていても良いし、ウエハテーブルWTBに対して、例えば静電チャック機構あるいはクランプ機構等を介して、又は接着等により固定されていても良い。ここで、図示は省略されているが、微動ステージWFSの本体部81には、ウエハホルダWHに設けられた孔を介して上下動可能な上下動ピンが設けられている。この上下動ピンは、上面がウエハホルダWHの上面の上方に位置する第1位置とウエハホルダWHの上面の下方に位置する第2位置との間で上下方向に移動可能である。
ウエハテーブルWTBの上面のウエハホルダWH(ウエハの載置領域)の外側には、図2に示されるように、ウエハホルダよりも一回り大きな円形の開口が中央に形成され、かつ矩形状の外形(輪郭)を有するプレート(撥液板)28が設けられている。プレート28は、低熱膨張率の材料、例えばガラス又はセラミックス(例えばショット社のゼロデュア(商品名)、AlあるいはTiCなど)から成り、その表面には、液体Lqに対する撥液化処理が施されている。具体的には、例えばフッ素樹脂材料、ポリ四フッ化エチレン(テフロン(登録商標))等のフッ素系樹脂材料、アクリル系樹脂材料あるいはシリコン系樹脂材料などにより撥液膜が形成されている。なお、プレート28は、その表面の全部(あるいは一部)がウエハWの表面と同一面となるようにウエハテーブルWTBの上面に固定されている。
プレート28は、ウエハテーブルWTBのX軸方向の中央に位置し、その中央に上述の円形の開口が形成された矩形の外形(輪郭)を有する第1撥液領域28aと、該第1撥液領域28aをX軸方向に挟んでウエハテーブルWTBの+X側端部、−X側端部に位置し、第1撥液領域28aよりも幾分+Y方向に突出した長方形の一対の第2撥液領域28bと、第1撥液領域28aの+Y側に位置し、かつ一対の第2撥液領域28bの突出部間に配置されたX軸方向に延びる帯状の第3撥液領域28cとを有する。なお、本実施形態では、前述の如く液体Lqとして水を用いるので、以下では第1撥液領域28a、第2撥液領域28b、及び第3撥液領域28cをそれぞれ第1撥水板28a、第2撥水板28b及び第3撥水板28cとも呼ぶ。
一対の第2撥水板28bには、それぞれ、後述するエンコーダシステム150のためのスケール39,39が形成されている。詳述すると、スケール39,39はそれぞれ、例えばY軸方向を周期方向とする回折格子とX軸方向を周期方向とする回折格子とが組み合わされた(同一領域に形成された)、反射型の二次元回折格子によって構成されている。二次元回折格子の格子線のピッチは、Y軸方向及びX軸方向のいずれの方向についても、例えば1μmと設定されている。なお、図2では、図示の便宜のため、格子のピッチは、実際のピッチよりも大きく図示されている。その他の図においても同様である。また、以下では、便宜上、+X側に配置された第2撥水板28bを第2撥水板28b、−X側に配置された第2撥水板28bを第2撥水板28bと称する。
なお、回折格子を保護するために、撥水性を備えた低熱膨張率のガラス板でカバーすることも有効である。ここで、ガラス板としては、厚さがウエハと同程度、例えば厚さ1mmのものを用いることができ、そのガラス板の表面がウエハ面と同じ高さ(面位置)になるよう、ウエハテーブルWTB上面に設置される。
なお、各第2撥水板28bのスケールの端付近には、後述するエンコーダヘッドとスケール間の相対位置を決めるための、不図示の位置出しパターンがそれぞれ設けられている。この位置出しパターンは例えば反射率の異なる格子線から構成され、この位置出しパターン上をエンコーダヘッドが走査すると、エンコーダの出力信号の強度が変化する。そこで、予め閾値を定めておき、出力信号の強度がその閾値を超える位置を検出する。この検出された位置を基準に、エンコーダヘッドとスケール間の相対位置を設定する。
また、上述の如く、本実施形態では、微動ステージWFSがウエハテーブルWTBを備えているので、以下の説明では、ウエハテーブルWTBを含む微動ステージWFSを、ウエハテーブルWTBとも表記する。
第3撥液領域28cは、X軸方向に関して第1撥水板28aとほぼ同じ長さを有するX軸方向に延びる板状部材から成るフィデューシャルプレート(以下、FDプレートと略記する)によって構成されている。従って、以下では、FDプレートを、第3撥水板と同一の符号を用いて、FDプレート28cと表記する。FDプレート28cは、プレート28の一部を構成しており、ここでは、前述した低熱膨張率の材料から成るが、これに限らず、例えば石英などから作られても良い。
FDプレート28cの中央部には、X軸方向に長い長円状の計測プレート30が埋め込まれている。計測プレート30は、ArFエキシマレーザ光に対して透明な素材から成る。この計測プレート30には、中央に基準マークFMが設けられ、該基準マークFMを挟むように一対の空間像計測スリットパターン(スリット状の計測用パターン)SLが、設けられている。そして、各空間像計測スリットパターンSLに対応して、それらを透過する照明光ILを、ウエハステージWST外部(後述する計測ステージMSTに設けられる受光系)に導く送光系(不図示)が設けられている。
FDプレート28cのY軸方向中央部には、X軸方向に延設されたオートフォーカス用反射面(以下、AF用反射面と称する)22が形成されている。AF用反射面22は、多点AF系90のキャリブレーションを行う際に使用される。AF用反射面22のX軸方向長さは、ほぼウエハWの直径と同一となっている。AF用反射面22の中心部に、前述の計測プレート30に対応する長円形の開口が形成されている。
AF用反射面22のY軸方向中央部には、計測プレート30を挟んでX軸方向に離間した一対のFIAマーク群23が形成されている。一対のFIAマーク群23は、X軸方向に関して、中央部を除き、AF用反射面22のほぼ全長に渡って形成されている。一対のFIAマーク群23のそれぞれには、セカンダリアライメント系のベースラインチェック(Sec−BCHK)の際に使用する反射型回折格子が形成されている。各反射型回折格子は、X軸方向を周期方向とする所定ピッチ、例えば1μmの回折格子(X回折格子)と、該X回折格子と直交する少なくとも1本のライン(格子線)から成る。各反射型回折格子としては、一例として十字をX軸方向に所定間隔で連続的に並べたような格子が用いられる。なお、図2では、AF用反射面22として、FIAマーク群23と比べてY軸方向の幅がかなり広いものが用いられているが、これに限らず、AF用反射面22は、少なくともFIAマーク群23と同じ幅だけあれば良い。
FDプレート28cのAF用反射面22は、一対のFIAマーク群23の格子面を含み、第1撥水板28a(及びスケール39,39)と共に、ほぼ面一な面を形成している。なお、計測プレート30は、照明光ILは透過させるが、多点AF系90の送光系90aからの計測光は照明光ILと波長が異なり、しかも入射角が80度〜85度程度であることから、大部分反射する。
上述のように構成されたFDプレート28cは、一対のスケール39、39の二次元回折格子で定まる後述する第2エンコーダシステム80Bの座標系と、アライメント系AL1、AL2〜AL2との関係、及び第2エンコーダシステム80Bの座標系と、多点AF系90との関係をキャリブレーションするのに用いられる。前者のキャリブレーションは、セカンダリアライメント系のベースラインチェックとも呼ばれ、後者のキャリブレーションは、フォーカスキャリブレーション前半の処理に伴う多点AF系90のセンサ間オフセットの計測処理とも呼ぶことができる。なお、上記キャリブレーションについての詳細説明は省略する。
図3には、ウエハテーブルWTBの概略的な分解斜視図が示されている。図3に示されるように、ウエハテーブルWTBは、テーブル本体29、及びテーブル本体29上面に支持されているプレート28(すなわち、第1撥水板28a、一対の第2撥水板28b、2b及びFDプレート(第3撥水板)28c)等を備えている。なお、図3では、図示の便宜上、FDプレート28cは、簡略化して図示されている。
テーブル本体29の上面には、図3に示されるように、前述したウエハホルダWHの円環状の凸部(リム部)を取り囲む円環状の凸部とその外側の矩形の凸部とで囲まれた領域29aと、領域29aの+X側、−X側及び+Y側に位置する3つの細長い長方形領域29b1、29b、29cとが、設けられている。領域29b1と領域29b2は、領域29aの+X側と−X側にそれぞれ位置し、かつ領域29aよりも幾分+Y側に突出した状態で配置されている。また、領域29cは、領域29aの+Y側で、領域29b1と領域29b2との突出部に挟まれる位置に配置されている。領域29b1、29b、29cは、四方を矩形枠状の凸部で囲まれている。ウエハテーブルWTB上面の上記各凸部の上端面は、ウエハホルダWHのリム部とほぼ同一高さに設定されている。
テーブル本体29の4つの領域29a、29b1、29b、29cのそれぞれには、ウエハホルダWHと同様に、多数のピン(ピン状の凸部)VPが所定間隔で設けられている。なお、ピンHP及びピンVPは、実際には図7に示されるように段付き形状であるが、図3では図示の便宜上から円錐台状(円錐の頂部を切り取った形状)で示されている。
テーブル本体29の領域29aには、不図示の真空排気管を介して真空ポンプ43A(図8参照)に連通する不図示の開口が形成されている。また、テーブル本体29の領域29cには、不図示の真空排気管を介して真空ポンプ43B(図8参照)に連通する不図示の開口が形成されている。
テーブル本体29の領域29b1、29b2には、図3に示されるように、それぞれの中央に開口34、34が形成されている(図7参照)。それぞれの開口34、34には、後述する湿度調整装置120(図8参照)に一端が接続された不図示の供給配管の他端がそれぞれ接続されている。
また、第2撥水板28b1,28b2,及びFDプレート28cそれぞれの下面(−Z側の面)の長手方向の両端部近傍及び、第1撥水板28aの四隅部には、それぞれ円筒形状の位置決めピンPCが突設されている。これらの位置決めピンPCに対応して、テーブル本体29の領域29a、29b1,29b2及び29cには、位置決めピンPCよりわずかに大きな直径の円形凹部PHが、位置決めピンPCに対応する位置にそれぞれ形成されている。
これまでの説明及び図3からもわかるように、第1撥水板28aは、テーブル本体29の領域29aを閉塞し、領域29aの外周部を区画する凸部の上面にその外周縁が、周囲全体に渡って一部掛る状態で、テーブル本体29に固定される。また、第2撥水板28b1、28b及びFDプレート28cは、テーブル本体29の領域29b1、29b、29cをそれぞれ閉塞し、かつそれぞれの外周縁のうち、少なくとも第1撥水板28aに隣接する側の辺が、領域29aの外周部を区画する凸部の上面に掛る状態で、テーブル本体29に固定される。以下では、各撥水板及びFDプレート28cと、テーブル本体29の領域29a、29b1、29b、29cそれぞれの内部底面及び外周部の凸部とによって区画される(形成される)空間領域を、対応する領域29a、29b1、29b、29cと同じ符号を用いて空間領域29a、29b1、29b、29cとも称する。この取り付け後の状態では、第1撥水板28a、第2撥水板28b1、28b及び第3撥水板(FDプレート28c)のそれぞれは、隣接する各撥水板との間に、所定の隙間(クリアランス、ギャップ)を形成して、且つ全体として、ウエハテーブルWTBの上面となる、見かけ上一体のほぼ同一面を形成する(図2参照)。また、第1撥水板28aは、ウエハホルダWH上に載置されるウエハWとの間にも、所定の隙間(クリアランス、ギャップ)を形成し、且つ全体としてほぼ同一面を形成する。ここで、所定の隙間(クリアランス、ギャップ)は、前述の液体Lqが浸入しない程度で、且つ各撥水板を個別に設置可能な程度の間隙(例えば0.1mm〜0.3mm)に設定されている。
ここで、第1撥水板28a及びFDプレート28cは、真空吸引によってテーブル本体29上面に固定されるのに対して、第2撥水板28b,28bは、有機系接着剤82(図7参照)を介してテーブル本体29上面に固定されている。
第1撥水板28a及びFDプレート28cは、位置決めピンPCがそれぞれ対応する円形凹部PHに挿入され、所定の位置に位置決めされた状態で、主制御装置20によって真空ポンプ43A、43B(図8参照)が駆動されることで、空間領域29a、29c内部の気体が外部に排気され、空間領域29a、29c内が負圧になって、第1撥水板28a及びFDプレート28cが、真空吸引され、多数のピンVPに吸着されて、テーブル本体29に対して固定される。
これに対し、第2撥水板28b,28bは、図7に示されるように、ピンVP上面に有機系接着剤82が塗布された状態で、位置決めピンPCがそれぞれ対応する円形凹部PHに挿入され、第2撥水板28b,28bが所定の位置に位置決めされた状態で、有機系接着剤82により第2撥水板28b,28bがテーブル本体29に接着され、有機系接着剤82が固化又は硬化することで、第2撥水板28b,28bがテーブル本体29に固定されている。ここで、有機系接着剤82は、ピンVPの段部に塗布されており、その上面が、少なくともピンVP最上面よりも幾分高くなるように塗布されている。なお、有機系接着剤82は、ピンVPの段部に限らず、最上面部に塗布されても良い。
次に、計測ステージMSTについて説明する。計測ステージMSTは、図1及び図4からわかるように、平面視で(+Z方向から見て)X軸方向を長手方向とする長方形板状のステージ本体92と、該ステージ本体92上に搭載された長方形板状の計測テーブルMTBとを備えている。計測テーブルMTBは、本実施形態では、計測ステージ駆動系51Bによって、ステージ本体92と一体でXY平面内の3自由度方向に駆動される。ただし、これに限らず、計測テーブルMTBを、駆動系により、ステージ本体92に対して、例えば6自由度方向(又はXY平面内の3自由度方向)に微小駆動可能な構成を採用しても良い。
ステージ本体92の底面には、不図示ではあるが、ベース盤12のコイルユニット(コイル17)と共に、電磁力(ローレンツ力)駆動方式の平面モータから成る計測ステージ駆動系51B(図8参照)を構成する、複数の永久磁石から成る磁石ユニットが設けられている。ステージ本体92の底面には、上記磁石ユニットの周囲に複数のエアベアリング(不図示)が固定されている。計測ステージMSTは、前述のエアベアリングによって、ベース盤12の上方に所定の隙間(ギャップ、クリアランス)、例えば数μm程度の隙間を介して浮上支持され、計測ステージ駆動系51Bによって、X軸方向及びY軸方向に駆動される。なお、粗動ステージ駆動系51Aと計測ステージ駆動系51Bとは、コイルユニットを共通とするが、本実施形態では、説明の便宜上から、粗動ステージ駆動系51Aと計測ステージ駆動系51Bとを別々に観念している。実際問題としても、コイルユニットの異なるコイル17が、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとの駆動にそれぞれ用いられるので、このように観念しても問題はない。
計測テーブルMTBには、各種計測用部材が設けられている。この計測用部材としては、例えば、図4に示されるように、照度むらセンサ95、空間像計測器96、波面収差計測器97、照度モニタ98などが設けられている。また、計測テーブルMTBには、前述の一対の送光系(不図示)に対向する配置で、一対の受光系(不図示)が設けられている。本実施形態では、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとがY軸方向に関して所定距離以内に近接した状態(接触状態を含む)において、ウエハステージWST上の計測プレート30の各空間像計測スリットパターンSLを透過した照明光ILを各送光系(不図示)で案内し、計測ステージMST内の各受光系(不図示)の受光素子で受光する、空間像計測装置45(図8参照)が構成される。計測テーブルMTBの上面は、撥液膜(撥水膜)で覆われている。
なお、計測ステージ駆動系51Bを、磁気浮上型の平面モータで構成する場合には、例えば計測ステージを6自由度方向に可動な単体のステージにしても良い。
また、計測テーブルMTBは、粗動ステージWCSに支持されているウエハテーブルWTB(微動ステージWFS)に+Y側から例えば300μm程度以下の距離まで近接又は接触可能であり、その近接又は接触状態では、ウエハテーブルWTBの上面とともに、見かけ上一体のフルフラットな面を形成する(例えば図16参照)。計測テーブルMTB(計測ステージMST)は、主制御装置20により、計測ステージ駆動系51Bを介して駆動され、ウエハテーブルWTBとの間で液浸領域(液体Lq)の受け渡しを行う。
また、計測テーブルMTBの+Y端面、−X端面には、干渉計用の反射面19a,19bが形成されている。
ここで、ウエハテーブルWTB(微動ステージWFS)の位置情報の計測に用いられるエンコーダシステム150について説明する。エンコーダシステム150は、図8に示されるように、第1、第2、第3及び第4エンコーダシステム80A、80B、80C及び80Dを含む。第1エンコーダシステム80Aは、露光ステーション200にある粗動ステージWCSに移動可能に保持されるウエハテーブルWTBの位置情報の計測に用いられる。第2エンコーダシステム80Bは、計測ステーション300にある粗動ステージWCSに移動可能に保持されるウエハテーブルWTBの位置情報の計測に用いられる。第3エンコーダシステム80Cは、後述するフォーカスマッピング時に、必要に応じて、ウエハテーブルWTBのY軸、Z軸、θy、及びθzの各方向の位置を計測するのに用いられる。第4エンコーダシステム80Dは、露光ステーション200と計測ステーション300との間、すなわち第1エンコーダシステム80A及び第2エンコーダシステム80Bの計測範囲の間におけるウエハテーブルWTBの位置情報を計測するのに用いられる。
まず、第1エンコーダシステム80Aの構成等について説明する。
露光装置100では、図5に示されるように、投影ユニットPU(ノズルユニット32)の+X側、−X側に、一対のヘッド部62A、62Cが、それぞれ配置されている。ヘッド部62A,62Cは、後述するように、それぞれ複数のヘッドを含み、これらのヘッドが、支持部材を介して、メインフレームBD(図5では不図示、図1等参照)に吊り下げ状態で固定されている。
ヘッド部62A、62Cは、図5に示されるように、各4つの4軸ヘッド651〜654,641〜644を備えている。4軸ヘッド651〜654の筐体の内部には、図6に示されるように、X軸及びZ軸方向を計測方向とするXZヘッド65X1〜65X4と、Y軸及びZ軸方向を計測方向とするYZヘッド65Y1〜65Y4とが収容されている。同様に、4軸ヘッド641〜644の筐体の内部には、XZヘッド64X1〜64X4と、YZヘッド64Y1〜64Y4とが収容されている。XZヘッド65X1〜65X4及び64X1〜64X4、並びにYZヘッド65Y1〜65Y及び64Y1〜64Yのそれぞれとしては、例えば米国特許第7,561,280号明細書に開示される変位計測センサヘッドと同様の構成のエンコーダヘッドを用いることができる。
XZヘッド65X1〜65X4,64X1〜64X4(より正確には、XZヘッド65X1〜65X4,64X1〜64X4が発する計測ビームのスケール391、392上の照射点)は、投影光学系PLの光軸AX(本実施形態では前述の露光領域IAの中心とも一致)を通りかつX軸と平行な直線(以下、基準軸と呼ぶ)LH上に、所定間隔WDで配置されている。また、YZヘッド65Y1〜65Y4,64Y1〜64Y4(より正確には、YZヘッド65Y1〜65Y4,64Y1〜64Y4が発する計測ビームのスケール391、392上の照射点)は、基準軸LHに平行であり且つ基準軸LHから−Y側に所定距離離間する直線LH上に、対応するXZヘッド65X1〜65X4,64X1〜64X4と同じX位置に、配置されている。以下では、必要に応じて、XZヘッド65X1〜65X4,64X1〜64X4、及びYZヘッド65Y1〜65Y4,64Y1〜64Y4を、それぞれ、XZヘッド65X,64X、及びYZヘッド65Y,64Yとも表記する。
ヘッド部62A,62Cは、それぞれスケール391,392を用いて、ウエハテーブルWTBのX軸方向の位置(X位置)及びZ軸方向の位置(Z位置)を計測する多眼(ここでは4眼)のXZリニアエンコーダ、及びY軸方向の位置(Y位置)及びZ位置を計測する多眼(ここでは4眼)のYZリニアエンコーダを構成する。以下では、便宜上、これらのエンコーダを、XZヘッド65X、64X、YZヘッド65Y、64Yとそれぞれ同一の符号を用いて、XZリニアエンコーダ65X、64X、及びYZリニアエンコーダ65Y、65Yと表記する。
本実施形態では、XZリニアエンコーダ65XとYZリニアエンコーダ65Yとによって、ウエハテーブルWTBのX軸、Y軸、Z軸、及びθxの各方向に関する位置情報を計測する多眼(ここでは4眼)の4軸エンコーダ65が構成される(図9参照)。同様に、XZリニアエンコーダ64XとYZリニアエンコーダ64Yとによって、ウエハテーブルWTBのX軸、Y軸、Z軸、及びθxの各方向に関する位置情報を計測する多眼(ここでは4眼)の4軸エンコーダ64が構成されている(図9参照)。
ここで、ヘッド部62A,62Cがそれぞれ備える4つのXZヘッド65X,64X(より正確には、XZヘッド65X,64Xが発する計測ビームのスケール39、39上の照射点)及び4つのYZヘッド65Y,64Y(より正確には、YZヘッド65Y,64Yが発する計測ビームのスケール上の照射点)のX軸方向の間隔WDは、スケール391,392のX軸方向の幅より狭く設定されている。従って、露光の際などには、それぞれ4つのXZヘッド65X,64X,YZヘッド65Y,64Yのうち、少なくとも各1つのヘッドが、常に、対応するスケール391,392に対向する(計測ビームを照射する)。ここで、スケールの幅とは、回折格子(又はこの形成領域)の幅、より正確にはヘッドによる位置計測が可能な範囲を指す。
従って、4軸エンコーダ65と4軸エンコーダ64とによって、ウエハステージWSTが露光ステーション200にある場合、粗動ステージWCSに支持されたウエハテーブルWTBの6自由度方向の位置情報を計測する第1エンコーダシステム80Aが構成される。
第1エンコーダシステム80Aを構成する、各エンコーダの計測値は、主制御装置20に供給される(図8、図9等参照)。
また、図示は省略されているが、主制御装置20は、ウエハステージWSTをX軸方向に駆動する際、ウエハテーブルWTBの位置情報を計測するXZヘッド65X、64X及びYZヘッド65Y、64Yを、隣のXZヘッド65X、64X及びYZヘッド65Y、64Yに順次切り換える。すなわち、このXZヘッド及びYZヘッドの切り換え(つなぎ)を円滑に行うために、前述の如く、ヘッド部62A,62Cに含まれる隣接するXZヘッド及びYZヘッドの間隔WDが、スケール391,392のX軸方向の幅よりも狭く設定されている。
次に、第2エンコーダシステム80Bの構成等について説明する。
露光装置100では、図5に示されるように、ヘッド部62C、62Aそれぞれの−Y側でかつアライメント系AL1、AL21〜AL24とほぼ同一のY位置に、ヘッド部62E、62Fが、それぞれ配置されている。ヘッド部62E,62Fは、後述するように、それぞれ複数のヘッドを含み、これらのヘッドが、支持部材を介して、メインフレームBDに吊り下げ状態で固定されている。
ヘッド部62F、62Eは、図5に示されるように、各4つの4軸ヘッド681〜68,671〜67を備えている。4軸ヘッド681〜68の筐体の内部には、図6に示されるように、前述の4軸ヘッド651〜654等と同様に、XZヘッド68X1〜68Xと、YZヘッド68Y1〜68Y3とが収容されている。同様に、4軸ヘッド671〜67の筐体の内部には、XZヘッド67X1〜67Xと、YZヘッド67Y1〜67Yとが収容されている。XZヘッド68X1〜68X、及び67X1〜67X、並びにYZヘッド68Y1〜68Y3及び67Y1〜67Yのそれぞれとしては、例えば米国特許第7,561,280号明細書に開示される変位計測センサヘッドと同様の構成のエンコーダヘッドを用いることができる。
XZヘッド67X1〜67X3,68X〜68X(より正確には、XZヘッド67X1〜67X3,68X〜68Xが発する計測ビームのスケール392、391上の照射点)は、前述の基準軸LAに沿って、XZヘッド64X〜64X、65X〜65Xのそれぞれとほぼ同じX位置に、配置されている。
YZヘッド67Y1〜67Y3,68Y〜68Y(より正確には、YZヘッド67Y1〜67Y3,68Y〜68Yが発する計測ビームのスケール392、391上の照射点)は、基準軸LAに平行であり且つ基準軸LAから−Y側に離間する直線LA上に、対応するXZヘッド67X1〜67X3,68X〜68Xと同じX位置に、配置されている。
また、残りのXZヘッド67X、68X、及びYZヘッド67Y、68Yは、XZヘッド64X、65Xのそれぞれとほぼ同じX位置で、セカンダリアライメント系AL2、AL2それぞれの検出中心の−Y側に、基準軸LA及び直線LAから同じ距離だけ−Y方向にずれて配置されている。以下では、必要に応じて、XZヘッド68X1〜68X,67X1〜67X、及びYZヘッド68Y1〜68Y,67Y1〜67Yを、それぞれ、XZヘッド68X,67X、及びYZヘッド68Y,67Yとも表記する。
ヘッド部62F、62Eは、それぞれスケール391,392を用いて、ウエハテーブルWTBのX位置及びZ位置を計測する多眼(ここでは4眼)のXZリニアエンコーダ、及びY位置及びZ位置を計測する多眼(ここでは4眼)のYZリニアエンコーダを構成する。以下では、便宜上、これらのエンコーダを、XZヘッド68X、67X、YZヘッド68Y、67Yとそれぞれ同一の符号を用いて、XZリニアエンコーダ68X、67X、及びYZリニアエンコーダ68Y、67Yと表記する(図9参照)。
本実施形態では、XZリニアエンコーダ68XとYZリニアエンコーダ68Yとによって、ウエハテーブルWTBのX軸、Y軸、Z軸及びθxの各方向に関する位置情報を計測する多眼(ここでは4眼)の4軸エンコーダ68が構成される(図9参照)。同様に、XZリニアエンコーダ67XとYZリニアエンコーダ67Yとによって、ウエハテーブルWTBのX軸、Y軸、Z軸及びθxの各方向に関する位置情報を計測する多眼(ここでは4眼)の4軸エンコーダ67が構成される(図9参照)。
ここで、前述と同様の理由により、アライメント計測の際などには、それぞれ4つのXZヘッド68X,67X,YZヘッド68Y,67Yのうち、少なくとも各1つのヘッドが、常に、対応するスケール391,392に対向する(計測ビームを照射する)。従って、4軸エンコーダ68と4軸エンコーダ67とによって、ウエハステージWSTが計測ステーション300にある場合、粗動ステージWCSに支持された微動ステージWFSの6自由度方向の位置情報を計測する第2エンコーダシステム80Bが構成される。
第2エンコーダシステム80Bを構成する、各エンコーダの計測値は、主制御装置20に供給される(図8、図9等参照)。なお、図5において、符号LPは、ウエハテーブルWTB上へのウエハのロードが行われるローディングポジションを示し、符号UPは、ウエハテーブルWTBからウエハがアンロードされるアンローディングポジションを示す。アンローディングポジションUPは、ローディングポジションLPと同じ位置に設定しても良い。
次に、第3エンコーダシステム80Cの構成等について説明する。
第3エンコーダシステム80Cは、図5に示されるように、基準軸LVに関して対称に配置された一対の4軸ヘッド66、66を含む。一対の4軸ヘッド66、66は、それぞれ4軸ヘッド68の+Y側の位置、4軸ヘッド67の+Y側の位置に配置され、支持部材を介して、メインフレームBDに吊り下げ状態で固定されている。一対の4軸ヘッド66、66のそれぞれは、図6に示されるように、前述の4軸ヘッド64、65、67、68と同様に、Y軸方向に沿ってそれぞれの検出点が配置されたXZヘッド66X及びYZヘッド66YとXZヘッド66X及びYZヘッド66Yとを含む。一対の4軸ヘッド66、66のそれぞれが有するXZヘッド66X、66Xの検出点のY位置がAFビームの検出中心のY位置(直線LA上)に一致している。また、XZヘッド66Xの検出点のX位置は、XZヘッド67Xの検出点より幾分+X側に位置し、XZヘッド66Xの検出点のX位置は、XZヘッド68Xの検出点より幾分−X側に位置している。一対の4軸ヘッド66、66は、それぞれスケール39、39を用いて、ウエハテーブルWTBのX軸、Y軸、Z軸、及びθxの各方向の位置情報を計測する一対の4軸エンコーダを構成する。以下では、便宜上、これらのエンコーダを、4軸ヘッド66、66と同じ符号を用いて、4軸エンコーダ66、66と表記する。この一対の4軸エンコーダ66、66によって、第3エンコーダシステム80Cが構成される。
第3エンコーダシステム80Cを構成する各エンコーダの計測値は、主制御装置20に供給される(図8、図9等参照)。
ただし、フォーカスマッピング時には、ウエハステージWSTは、計測ステーション300にあり、フォーカスマッピングと並行してアライメント系AL1、AL2〜AL2を用いてウエハW上のアライメントマークを計測するウエハアライメント計測が行われている。フォーカスマッピングは、大略、次のようにして行われる。すなわち、基準軸LVに、ウエハテーブルWTBの中心(ウエハWの中心にほぼ一致)を通るY軸に平行な直線(センターライン)が一致した状態で、主制御装置20は、ウエハステージWSTが+Y方向へ進行している間に、2つの4軸ヘッド66、66のそれぞれで計測されるウエハテーブルWTB表面(プレート28表面)のX軸方向両端部(一対の第2撥水板28b)のY軸及びZ軸方向に関する位置情報と、多点AF系90で検出される複数の検出点におけるウエハW表面のZ軸方向に関する位置情報(面位置情報)とを、所定のサンプリング間隔で取り込み、その取り込んだ各情報を相互に対応付けて不図示のメモリに逐次格納する。そして、多点AF系90の検出ビームがウエハWに掛からなくなると、主制御装置20は、上記のサンプリングを終了し、多点AF系90の各検出点についての面位置情報を、同時に取り込んだ2つの4軸ヘッド66、66それぞれで計測されたZ軸方向に関する位置情報を基準とするデータに換算する。
アライメント計測が終了するまでの間は、微動ステージWFS(ウエハテーブルWTB)の6自由度方向の位置は、主制御装置20によって、第2エンコーダシステム80Bの計測値に基づいて、サーボ制御され、第3エンコーダシステム80Cの計測値は、主としてフォーカスマッピングの計測データとして用いられる。そして、ウエハアライメント計測終了後、第2エンコーダシステム80Bの計測範囲からウエハテーブルWTBが外れてからフォーカスマッピングが終了するまでの間は、主制御装置20によって、第3エンコーダシステム80Cの計測値に基づいて、ウエハテーブルWTBの駆動(位置のサーボ制御)が行われるようになっている。
本実施形態では、ウエハステージWSTが、フォーカスマッピングの終了位置から露光位置(投影光学系PL直下近傍)まで移動する際に、その移動中のウエハテーブルWTBの6自由度方向の位置は、第4エンコーダシステム80D(図8参照)によって計測される。
第4エンコーダシステム80Dは、図5に示されるように、Y軸方向に関してヘッド部62Aとヘッド部62Fとの中間の位置に、X軸方向及びY軸方向にずれて配置された一対の3次元ヘッド79、79を含む。一対の3次元ヘッド79、79は、支持部材を介して、メインフレームBDに吊り下げ状態で固定されている。一対の3次元ヘッド79、79のそれぞれは、図6に示されるように、Y軸方向に並んで配置されたXZヘッド79X及びYヘッド79YとXZヘッド79X及びYヘッド79Yとを含む。Yヘッド79Y、79Yは、Y軸方向を計測方向とする1次元ヘッドである。この場合、XZヘッド79X、79XのX位置は、それぞれXZヘッド68X、66Xと同じ位置に設定されている。Yヘッド79Y、79Yのそれぞれとしては、例えば米国特許出願公開第2008/0088843号明細書などに開示される回折干渉型のエンコーダヘッドを用いることができる。
一対の3次元ヘッド79、79は、ともにスケール39を用いて、ウエハテーブルWTBのX軸,Y軸及びZ軸方向の位置情報を計測する一対の3次元エンコーダ79、79(図8、図9参照)を構成する。この一対の3次元エンコーダ79、79の計測値は、主制御装置20に供給される。一対の3次元エンコーダ79、79は、ウエハテーブルWTBのX軸方向の中心位置が基準軸LVに一致しているとき、同一のスケール39を用いて、ウエハテーブルWTBの6自由度方向の位置を計測可能である。一対の3次元エンコーダによって、第4エンコーダシステム80Dが構成されている。
湿度調整装置120(図8参照)は、前述の如く、不図示の供給配管を介して、領域29b、29bにそれぞれ形成された開口34、34に接続されている。湿度調整装置120は、主制御装置20の指令に応じ、図7に示されるように、ウエハテーブルWTB内部の前述の空間領域29b、29b内に大気圧(空間領域29b、29b内の空気の圧力)よりも幾分高い圧力(例えば数kPa、例えば1kPa程度高い圧力)のクリーンドライエア(CDA)、すなわち僅かに加圧されたクリーンドライエア(以下、ドライエアと略記する)を、不図示の供給配管を介して単位時間当たり微小流量連続して供給する。湿度調整装置120が供給するドライエアの流量等は、主制御装置20によって管理され、ドライエアによって、撥水板28b、28b及びその上面に形成されたスケール39,39が変形しないように制御されている。
湿度調整装置120によって空間領域29b、29b内に供給されたドライエアは、図7中に黒矢印で示されるように、複数のピンVPの間を通って、領域29b、29bを区画する凸部CPと、撥水板28b、28bの下面との間の例えば数μm程度、例えば3μmの隙間(ギャップ、クリアランス)を介してウエハテーブルWTBの外部空間に排出される。主制御装置20は、湿度調整装置120を介して、露光装置100が作動している間、常時ドライエアを空間領域29b、29b内に供給する。このため、スケール39,39が形成された撥水板28b、28bと、テーブル本体29の領域29b、29b内に設けられたピンVPと、を接着する有機系接着剤82の近傍の空間(すなわち空間領域29b、29b)内が常に乾燥した一定の湿度に保たれる。
図8には、露光装置100の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置20の入出力関係を示すブロック図が示されている。主制御装置20は、ワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等を含み、露光装置100の構成各部を統括制御する。図9には、図8のエンコーダシステム150の具体的構成の一例が示されている。
上述のようにして構成された本実施形態の露光装置100では、基本的には、米国特許出願公開第2008/0088843号明細書の実施形態中に開示されている露光装置とほぼ同様の手順に従って、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとを用いた一連の処理動作が行われ、ウエハW上に所定のパターンが形成される。処理の詳細説明は、省略するが、この一連の処理動作中、前述の如く、主制御装置20により、湿度調整装置120を介してウエハテーブルWTBの空間領域29b、29b内に常時ドライエアが供給され、スケール39,39が形成された撥水板28b、28bとテーブル本体29の領域29b、29bに設けられたピンVPと、を接着する有機系接着剤82の近傍の空間内が常に乾燥した一定の湿度に保たれる。このため、有機系接着剤82が吸水して膨張することによりスケール39,39を変形させることがなくなる。従って、スケール39,39の平坦度が維持され、主制御装置20により、そのスケール39,39を用いて、エンコーダシステム150の第1ないし第4エンコーダシステム80Dを用いて、ウエハテーブルWTBの位置情報の計測が高精度に行われ、その計測結果に基づいて、ウエハテーブルWTBの位置が高精度に制御される。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る露光装置100によると、露光装置100の稼働中、主制御装置20により、湿度調整装置120を介して、テーブル本体29の空間領域29b、29bの空間内に常時ドライエアが供給され、これにより有機系接着剤82の膨張変形に起因するスケール39,39の変形を防止又は効果的に抑制することができ、スケール39,39の平坦度を維持して、エンコーダシステム150の第1ないし第4エンコーダシステム80A〜80DのそれぞれによってウエハテーブルWTBの位置情報の計測を精度良く行うことができる。すなわち、第2エンコーダシステム80BによってウエハテーブルWTBの位置情報が計測されるウエハアライメント計測時、第3エンコーダシステム80CによってウエハテーブルWTBの位置情報が計測されるフォーカスマッピング時、第4エンコーダシステム80DによってウエハテーブルWTBの位置情報が計測される計測ステーション300と露光ステーション200との間のウエハステージWSTの移動時、並びに第1エンコーダシステム80AによってウエハテーブルWTBの位置情報が計測されるウエハWの露光時のいずれのときにおいても、ウエハテーブルWTBの位置情報の計測を精度良く行うことができ、その計測結果に基づいてウエハテーブルWTB(ウエハW)の位置制御を高精度に行うことが可能になる。従って、本実施形態に係る露光装置100によると、露光精度(重ね合わせ精度を含む)を向上させることが可能になる。
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態に係る露光装置について、図10及び図11に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態に係る露光装置と同一又は同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。本第2の実施形態に係る露光装置は、ウエハテーブルWTBの空間領域29b(又は29b)内の気体の湿度調整に関連する構成部分が、前述の第1の実施形態に係る露光装置と一部相違するが、その他の部分の構成は、同様になっている。以下では、相違点を中心として説明する。
前述した第1の実施形態では、湿度調整装置120から供給されたドライエアが、領域29b(又は29b)を区画する凸部(シール部)CPと、撥水板28b(又は28b)の下面との間の隙間から外部空間に排出されるようになっていたが、本第2の実施形態では、図10に示されるように、テーブル本体29の領域29b(又は29b)の内部底面の周囲部に、開口34(又は34)とは別に空間領域29b(又は29b)内部の気体を排出するための排気孔55が形成されている。排気孔55は、例えば領域29b(又は29b)の長手方向(Y軸方向)の両端部近傍の内部底面に各1つ形成され、それぞれ不図示の真空排気配管を介して、前述の真空ポンプ43B又は43Aとは別の真空ポンプ43C(図11参照)に接続されている。図11は、本第2の実施形態に係る露光装置の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置20の入出力関係を示すブロック図である。真空ポンプ43Cは、大気圧より−1KPa程度の負圧を生じさせる低真空ポンプである。
図10に戻り、排気孔55から幾分長手方向内側の位置に凸部CPとほぼ同じ高さの別の凸部56が領域29b(又は29b)の長手方向に直交する方向(X軸方向)に延設されている。本第2の実施形態では、空間領域29b(又は29b)の凸部56よりも長手方向外側の領域では、真空ポンプ43Cによって真空排気、すなわち撥水板28b(又は28b)の真空吸着が行われるので、その凸部56よりも領域29b(又は29b)の長手方向外側に設けられた複数のピンVPには、有機系接着剤82が塗布されていない。また、本第2の実施形態では、撥水板28b(又は28b)の長手方向の中央部分と周辺部分との間の部分が、空間領域29b(又は29b)内部の気体の圧力差に起因して変形するおそれがある。そこで、この撥水板28b(又は28b)の変形が、エンコーダシステム150による位置計測の誤差要因とならないように、スケール39(又は39)は、撥水板28b(又は28b)の長手方向に関して凸部56よりも内側に関してのみ形成されている。ただし、これに限定されるものではなく、スケール39(又は39)は、撥水板28b(又は28b)の長手方向の全長に渡って形成されていても良い。
また、本第2の実施形態では、液浸領域の液体Lqが真空吸引され、領域29b(又は29b)を区画する凸部(シール部)CPと撥水板28b(又は28b)の下面との間の隙間から空間領域29b(又は29b)内に浸入するのを防止するため、凸部CPの上面、及び撥水板28b(又は28b)の下面の少なくとも一方に、撥液膜を形成するなど撥液加処理を施すことが望ましい。
上述のようにして構成された本第2の実施形態に係る露光装置によると、前述の第1の実施形態に係る露光装置100と同等の効果を得られる他、領域29b(又は29b)の長手方向に関し凸部56よりも外側に排気孔55が形成されているので、空間領域29b(又は29b)の凸部56よりも内側の空間内への外部からの気体(例えば湿った空気)の流入を確実に防止することができる。そのため、空間領域29b(又は29b)の凸部56よりも内側の空間に対応する撥水板28b(又は28b)の領域に形成されたスケール39,39の変形(有機系接着剤82の吸水による膨張に起因する)をより効果的に防止することができる。
《第2の実施形態の変形例》
なお、上記第2の実施形態において、図12に示されるように、真空ポンプ43Cを、湿度調整装置120の一部に設け、ドライエアを空間領域29b(又は29b)内に循環供給することとしても良い。また、上記第1の実施形態において、排気用開口をテーブル本体29の領域29b(又は29b)の一部に設け、該排気用開口に真空排気管を介して図12の真空ポンプ43Cを接続して、ドライエアを空間領域29b(又は29b)内に循環供給することとしても良い。
なお、上記第1及び第2の各実施形態では、湿度調整装置120からドライエアが供給される開口は、領域29b、29b内に1つずつ形成されていたが、これに限らず、領域29b、29bそれぞれに複数(例えば2つ)形成されていても良い。
また、上記各実施形態では、露光装置の稼働中、湿度調整装置120から空間領域29b、29b内に常にドライエアが供給されるものとしたが、これに限らず、例えば液浸領域14がウエハWと先端レンズ191との間に形成されている場合のみ湿度調整装置120から空間領域29b、29b内にドライエアを供給する等、予め設定した時間だけドライエアを供給するようにしても良い。あるいは、湿度調整装置120は、空間領域29b、29b内にドライエアを充填することとしても良い。
《第3の実施形態》
次に、第3の実施形態に係る露光装置について、図13及び図14に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態に係る露光装置と同一又は同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。本第3の実施形態に係る露光装置は、ウエハテーブルWTBの空間領域29b(又は29b)内の気体の湿度調整に関連する構成部分が、前述の第1の実施形態に係る露光装置と一部相違するが、その他の部分の構成は、同様になっている。以下では、相違点を中心として説明する。
本第3の実施形態に係る露光装置では、図13に示されるように、開口34、34に代えて、テーブル本体29の領域29b、29b内に複数のピンVPと干渉しない位置に複数の貫通孔46が形成され、その複数の貫通孔46それぞれに吸湿部材48が挿入され、固定されている。吸湿部材48としては、例えばゼオライト、セピオライト、コレマナイト、セラミック炭などの内部に水分を溜め込む性質(吸湿性)を有する多孔質材料がその素材として用いられている。これらの吸着材は、前述の第2撥水板28b,28bを固定するための有機系接着剤よりも高い吸水率を有する吸湿性の部材から選ばれる。
本第3の実施形態では、図13に示されるように、本体部81のテーブル本体29の下方の部分に空間81aが形成されており、図14に示される湿度調整システム130により、空間81aにドライエアが充填されている。図14は、本第3の実施形態に係る露光装置の制御系を中心的に構成し、構成各部を統括制御する主制御装置20の入出力関係を示すブロック図である。
この場合、空間領域29b、29bには、ドライエアは、供給は勿論、充填もされていない。このため、吸湿部材48は、その下面側から放湿、すなわちその内部に吸湿した水分を空間81a内に放出する。このように、本変形例では、吸湿部材48により、その上面側から空間領域29b、29b内の水分の吸湿が行われ、その下面から吸湿した水分が空間81a内に放湿される。
あるいは、湿度調整システム130内部に設けられた不図示のヒータ等を介して暖められたドライエア(又は空気)を、空間81a内に充填するなどして、吸湿部材48からの放湿を促しても良い。
上述のようにして構成された本第3の実施形態に係る露光装置では、上記各実施形態で得られる効果に加えて、スケール39,39が形成されている撥水板28b、28bに直接ドライエアが当たることがないので、ドライエアの風圧等によるスケール39,39の変形を防止することができる。
《第3の実施形態の変形例》
上記第3の実施形態では、領域29b、29bに形成された複数の貫通孔46内に吸湿部材48を取り付けることで、空間領域29b、29b内の湿度を調節していたが、これに限らず、図15に示される変形例のように、テーブル本体29の少なくとも領域29b、29b部分及びこれらの領域に設けられる多数のピンVPを、前述のゼオライト、セピオライト、コレマナイト、セラミック炭などの吸湿性を有する多孔質材料で形成しても良い。本変形例では、テーブル本体29上面から、空間領域29b、29b内の水分の吸湿が行われ、テーブル本体29の下方の空間81aに湿度調整システム130からドライエア、または暖められた空気が供給、ないしは充填されることで、テーブル本体29下面からの放湿が行われている。
上述のようにして構成された本変形例に係る露光装置では、上述の第3の実施形態に係る露光装置で得られる効果に加えて、領域29b、29b(テーブル本体29)に複数の貫通孔46を形成する必要がないので、加工が容易になると共に、スケール39,39が形成されている撥水板28b、28bを支持するテーブル本体の剛性が向上する。
なお、上記第3の実施形態又はその変形例において、前述の湿度調整装置120により、前述と同様にして空間領域29b、29b内にドライエアを常時供給、循環供給、あるいは充填しても良い。これらの場合、空間81a内には、湿度調整装置120から空間領域29b、29b内に供給等されるドライエアより蒸気圧の低いドライエアを、湿度調整システム130によって充填する、あるいは湿度調整システム130内部に設けられた不図示のヒータ等を介して暖められたドライエア(又は空気)を充填することで、吸湿部材48からの放湿を促しても良い。要は、湿度調整システム130は、空間81a内の気体を、空間領域29b、29b内の気体に比べて低い蒸気圧及び/又は高温に設定すれば良い。
なお、構成が相互に矛盾しない限りにおいて、上で説明した第1、第2及び第3の各実施形態、第2実施形態の変形例、及び第3実施形態の変形例を任意に組み合わせて採用しても良い。
なお、上で説明した第1、第2及び第3の各実施形態、第2実施形態の変形例、及び第3実施形態の変形例(以下、各実施形態と略称する)では、ウエハステージWSTが、露光ステーション200に位置するときの他、計測ステーション300に位置するとき、及び露光ステーション200と計測ステーション300との間に位置するときのいずれのときにも、エンコーダシステム150によって、ウエハテーブルWTBの位置情報が計測されていた。しかし、これに限らず、ウエハステージWSTが、露光ステーション200に位置しないときには、ウエハテーブルWTBの位置情報を、干渉計システム、その他の計測システムによって計測する構成を採用しても良い。
また、上記各実施形態では、エンコーダシステム150で用いられるスケール39,39が、ウエハテーブルWTB上の撥水板28b、28bに形成され、それに対向するメインフレームBDにエンコーダシステム150の各エンコーダヘッドが配置されていたが、これに限らず、ウエハテーブルWTB上にエンコーダシステムの複数のヘッドを設け、これに対向してスケールが設けられたプレート部材(スケール板)をメインフレームBD側に設けても良い。この場合も、プレート部材にスケール(格子部材)を固定する場合に上記実施形態のスケール39,39と同様の有機系接着剤82を用いた固定方法(取付け方法)を採用することができる。かかる場合において、上記各実施形態で採用された、有機系接着剤82周囲の空間の湿度を調節する湿度調整装置120(及び湿度調整システム130)等を併せて採用することにより、これら湿度調整装置120(及び湿度調整システム130)によってスケール板の内部空間(すなわちスケールが有機系接着剤82を介して接着される複数のピンが設けられた空間領域)の湿度が上記各実施形態と同様に調整される。
また、上記各実施形態では、レチクルステージRSTの位置情報は、レチクル干渉計13によって計測されているものとしたが、これに限らず、ウエハステージWSTと同様にスケールとヘッドとで構成されるエンコーダシステムによって計測されても良い。レチクルステージRSTの位置情報をエンコーダシステムによって計測する場合、エンコーダシステム150の各エンコーダシステム80A〜80Dと同様にレチクルステージRST上に設けられたスケールに対向してレチクルステージRSTの外部(上方でも下方でも良い)に設けられた複数のヘッドを有するエンコーダシステム、あるいはレチクルステージRST上に設けられた複数のヘッドを有し、該ヘッドからレチクルステージRSTの外部(上方でも下方でも良い)に設けられたスケール板上のスケールに計測ビームを照射するエンコーダシステムが用いられる。これらの場合も、上記各実施形態で採用された、有機系接着剤82周囲の空間の湿度を調節する湿度調整装置120(及び湿度調整システム130)等を併せて採用することにより、これら湿度調整装置120(及び湿度調整システム130)によってレチクルステージRST又はスケール板の内部空間(すなわちスケールが有機系接着剤82を介して接着される複数のピンが設けられた空間領域)の湿度を上記各実施形態と同様に調整することができる。
また、上記各実施形態では、撥水板28b、28bのみが有機系接着剤82によってテーブル本体29と接着固定されていたが、これに限らず、FDプレート28c及び撥水板28aも、前述の真空吸着に代えて、あるいは加えて有機系接着剤82によってテーブル本体29と接着固定されていても良い。
また、上記各実施形態では、露光装置が、液浸露光装置である場合について説明したが、これに限らず、液体を使用しないドライ露光装置にも、上記各実施形態は好適に適用することができる。
また、照明光ILは、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に限らず、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記各実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を用いるEUV露光装置にも上記実施形態を適用することができる。その他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、上記実施形態は適用できる。
また、上記各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク(レチクル)を用いたが、このレチクルに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いても良い。
また、例えば国際公開第2001/035168号に開示されているように、干渉縞をウエハW上に形成することによって、ウエハW上にライン・アンド・スペースパターンを形成する露光装置(リソグラフィシステム)にも上記各実施形態を適用することができる。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを、投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記各実施形態を適用することができる。
なお、上記各実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものでなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど他の物体でも良い。
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記各実施形態を適用できる。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した各実施形態に係る露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記各実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
以上説明したように、本発明の移動体装置は、移動部材の位置を計測しその位置を制御するのに適している。また、本発明の露光装置は、物体を露光して該物体上にパターンを形成するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの製造などに適している。
20…主制御装置、28b、28b…撥水板、29…テーブル本体、34、34…開口、39、39…スケール、46…貫通孔、48…吸湿部材、51A…粗動ステージ駆動系、55…排気孔、150…エンコーダシステム、82…有機系接着剤、100…露光装置、120…湿度調整装置、65X,64X…XZヘッド、65Y,64Y…YZヘッド、IL…照明光、PL…投影光学系、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、WTB…ウエハテーブル。

Claims (17)

  1. ベース部材と、
    該ベース部材に対して移動可能な移動部材と、
    前記ベース部材と前記移動部材のうちの一方の部材に設けられたヘッドを有し、前記移動部材と前記ベース部材のうちの他方の部材に設けられたスケールに前記ヘッドを介して計測ビームを照射して前記移動部材の位置情報を求めるエンコーダシステムと、を備え、
    前記スケールは、接着剤を用いて前記他方の部材に固定され、前記他方の部材の前記接着剤の周囲の第1空間内の気体の湿度が所定湿度に設定される移動体装置。
  2. 前記他方の部材には、それぞれの先端部が前記スケールに向けて突出した複数の凸部が所定間隔で配置され、前記複数の凸部の少なくとも一部の先端部に前記接着剤が塗られている請求項1に記載の移動体装置。
  3. 前記他方の部材の一部であって前記スケールと対向する対向部分には、前記複数の凸部に干渉しない位置に前記第1空間と、該第1空間とは異なる第2空間とを貫通する複数の貫通孔が形成され、前記接着剤より高い吸水率を有する吸湿性部材が前記各貫通孔に設けられている請求項2に記載の移動体装置。
  4. 前記複数の凸部及び前記対向部分は、前記接着剤より高い吸水率を有する吸湿性部材によって形成されている請求項2に記載の移動体装置。
  5. 前記吸湿性部材は、ゼオライト、セピオライト、コレマナイト及びセラミック炭のいずれかから成る請求項3又は4に記載の移動体装置。
  6. 前記第2空間は、前記対向部分において前記スケールとは反対側に設けられ、該第2空間内の気体の湿度を調整する湿度調整システムをさらに備える請求項3〜5のいずれか一項に記載の移動体装置。
  7. 前記湿度調整システムは、前記第2空間内にドライエアを充填する請求項6に記載の移動体装置。
  8. 前記湿度調整システムは、前記第2空間内の気体を、前記第1空間内の気体に比べて低い蒸気圧及び/又は高温に設定する請求項6又は7に記載の移動体装置。
  9. 前記第1空間内の気体の湿度を調整する湿度調整装置をさらに備える請求項1〜8のいずれか一項に記載の移動体装置。
  10. 前記湿度調整装置は、前記第1空間内にドライエアを充填する請求項9に記載の移動体装置。
  11. 前記湿度調整装置は、前記第1空間内にドライエアを常時供給する請求項9に記載の移動体装置。
  12. 前記湿度調整装置は、前記第1空間内にドライエアを循環供給する請求項9に記載の移動体装置。
  13. 前記対向部分には、前記第1空間とその外部とを連通する供給口と回収口とが設けられ、
    前記湿度調整装置は、前記供給口を介して前記第1空間内に前記ドライエアを給する供給装置と、前記回収口を介して前記第1空間内の気体を回収する真空排気を利用した回収装置とを有する請求項9に記載の移動体装置。
  14. 前記回収口は、前記対向部分の周辺部に設けられ、前記供給口は、前記対向部分の中央部に設けられ、前記スケールは、前記周辺部を除く領域に配置されている請求項13に記載の移動体装置。
  15. マスクにエネルギビームを照射して前記マスクに形成されたパターンを基板上に生成する露光装置であって、
    前記マスクが載置される第1ステージ装置と、
    前記基板が載置される第2ステージ装置と、を備え、
    前記第1ステージ装置と前記第2ステージ装置との少なくとも一方が、請求項1〜14のいずれか一項に記載の移動体装置を含む露光装置。
  16. 前記第2ステージ装置が、前記移動部材に前記スケールが設けられた前記移動体装置を含み、
    前記パターンの像を前記基板上に投影する投影光学系と、
    前記投影光学系の直下に液体を供給して前記基板が載置された前記移動部材と前記投影光学系との間に液浸領域を形成する液浸装置と、をさらに備える請求項15に記載の露光装置。
  17. 請求項15又は16に記載の露光装置を用いて、感応基板上にパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された前記感応基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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