JP2011525363A - 延長されたインビボ半減期を有する第viii因子、フォン・ヴィレブランド因子又はそれらの複合体 - Google Patents

延長されたインビボ半減期を有する第viii因子、フォン・ヴィレブランド因子又はそれらの複合体 Download PDF

Info

Publication number
JP2011525363A
JP2011525363A JP2011515200A JP2011515200A JP2011525363A JP 2011525363 A JP2011525363 A JP 2011525363A JP 2011515200 A JP2011515200 A JP 2011515200A JP 2011515200 A JP2011515200 A JP 2011515200A JP 2011525363 A JP2011525363 A JP 2011525363A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
modified
fviii
vwf
complex
polypeptide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011515200A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011525363A5 (ja
JP5832285B2 (ja
Inventor
トーマス・ヴァイマー
シュテファン・シュルテ
フーベルト・メッツナー
ウルリッヒ・クロンタラー
ホルガー・リント
ヴィーガント・ラーング
Original Assignee
ツェー・エス・エル・ベーリング・ゲー・エム・ベー・ハー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ツェー・エス・エル・ベーリング・ゲー・エム・ベー・ハー filed Critical ツェー・エス・エル・ベーリング・ゲー・エム・ベー・ハー
Publication of JP2011525363A publication Critical patent/JP2011525363A/ja
Publication of JP2011525363A5 publication Critical patent/JP2011525363A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5832285B2 publication Critical patent/JP5832285B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K19/00Hybrid peptides, i.e. peptides covalently bound to nucleic acids, or non-covalently bound protein-protein complexes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/76Albumins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/36Blood coagulation or fibrinolysis factors
    • A61K38/37Factors VIII
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/04Antihaemorrhagics; Procoagulants; Haemostatic agents; Antifibrinolytic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/745Blood coagulation or fibrinolysis factors
    • C07K14/755Factors VIII, e.g. factor VIII C (AHF), factor VIII Ag (VWF)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/31Fusion polypeptide fusions, other than Fc, for prolonged plasma life, e.g. albumin

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

本発明は、凝固第VIII因子(FVIII)、及びフォン・ヴィレブランド因子(VWF)、及びそれらの複合体及びそれらの誘導体をコードする修飾核酸配列、このような核酸配列を含有する組換え発現ベクター、このような組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞、上記核酸配列によってコードされた組換えポリペプチド及び誘導体に関し、これらの組換えポリペプチド及び誘導体は、未修飾の野生型タンパク質と比較して延長されたインビボ半減期及び/又は改善されたインビボリカバリーと共に、生物学的活性を有する。本発明はまた、改善された発現収率をもたらす対応のFVIII配列に関する。本発明は、さらに、このような組換えタンパク質及びそれらの誘導体の製造方法に関する。本発明はまた、このような修飾核酸配列を含む、ヒト遺伝子治療における使用のための導入ベクターに関する。

Description

本発明は、凝固第VIII因子(FVIII)、及びフォン・ヴィレブランド因子(VWF)、及びそれらの複合体及びそれらの誘導体をコードする修飾核酸配列、このような核酸配列を含有する組換え発現ベクター、このような組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞、上記核酸配列によってコードされた組換えポリペプチド及び誘導体に関し、これらの組換えポリペプチド及び誘導体は、未修飾の野生型タンパク質と比較して延長されたインビボ半減期及び/又は改善されたインビボリカバリーと共に、生物学的活性を有する。本発明はまた、改善された発現収率をもたらす対応のFVIII配列に関する。本発明は、さらに、このような組換えタンパク質及びそれらの誘導体の製造方法に関する。本発明はまた、このような修飾核酸配列を含む、ヒト遺伝子治療における使用のための導入ベクターに関する。
血液凝固因子の欠乏によって引き起こされる種々の出血性障害が存在する。最も一般的な障害は、それぞれ血液凝固第VIII因子及び第IX因子の欠乏から生じる、血友病A及びBである。別の公知の出血性障害は、フォン・ヴィレブランド病である。
血漿中において、FVIIIは、VWFとの非共有結合複合体として大抵は存在し、その凝固機能は、第Xa因子への第X因子の第IXa因子依存変換を促進することである。FVIII及びVWFの複合体形成に起因して、FVIII及びVWF機能は同一分子の2つの機能であると長い間考えられてきた。70年代になって初めて、FVIII及びVWFが、生理学的条件下で複合体を形成する別個の分子であることが明らかになった。次いで80年代に、約0.2nmol/Lの解離定数が測定され(非特許文献1)、両方の分子のDNA配列が研究された。
古典的血友病又は血友病Aは、遺伝性出血性障害である。それは、血液凝固FVIIIのX染色体連鎖欠損から生じ、10000人当たり1〜2人の発病率で、ほぼ例外なく男性が罹患する。X染色体欠損は、自身は血友病患者でない女性キャリアによって伝えられる。血友病Aの臨床症状は、出血傾向の増加である。FVIII濃縮製剤での治療が導入される前は、重篤な血友病を有する人についての平均寿命は20歳未満であった。血漿からのFVIIIの濃縮製剤の使用は、血友病A患者についての状況をかなり改善し、平均寿命を大幅に延長し、多かれ少なかれ通常の生活を送る可能性を彼らの大部分に提供した。しかし、血漿由来の濃縮製剤及びそれらの使用にはある問題があり、これらのうちの最も深刻なものはウイルスの伝染であった。今までのところ、B型肝炎、非A非B型肝炎及びAIDSを引き起こすウイルスが、人々に深刻な打撃を与えた。それ以来、種々のウイルス不活性化法及び新しい高度に精製されたFVIII濃縮製剤が最近開発されており、これらは、血漿由来FVIIIについても非常に高い安全基準を確立した。
FVIIIについてのcDNAのクローニング(非特許文献2及び3)は、FVIIIを組換えによって発現させることを可能にし、いくつかの組換えFVIII製品が開発され、これらは、1992年〜2003年に監督機関によって認可された。アミノ酸Arg−740〜Glu−1649にあるFVIIIポリペプチド鎖の中央のBドメインは、完全な生物学的活性に必要ではないようであるという事実はまた、Bドメイン欠失FVIIIの開発をもたらした。
成熟FVIII分子は2332個のアミノ酸からなり、これらは、3つの相同Aドメイン、2つの相同Cドメイン及びBドメインへグループ化され得、これらは、A1−A2−B−A3−C1−C2の順序で配置されている。成熟ヒトFVIIIの完全なアミノ酸配列を、配列番号15に示す。血漿中へのその分泌の間、一本鎖FVIIIはB−A3境界とBドメイン内の種々の部位とで切断されるので、FVIIIは、一連の金属イオン結合ヘテロ二量体へ細胞内でプロセッシングされる。このプロセッシングは、90kDa〜200kDaの範囲の分子サイズを有する、A1、A2、及びBドメインの様々な部分からなる異種重鎖分子をもたらす。重鎖は、A3、C1及びC2ドメインからなる軽鎖へ金属イオンを介して結合されている(非特許文献4)。血漿中において、このヘテロ二量体FVIIIは、高親和性でフォン・ヴィレブランド因子(VWF)へ結合し、これは、早期異化からそれを保護する。VWFへ結合された非活性化FVIIIの半減期は、血漿中において約12時間である。
凝固FVIIIは、重鎖内のアミノ酸Arg372及びArg740並びに軽鎖内のArg1689でのFXa及びトロンビンによるタンパク質分解的切断によって活性化され、フォン・ヴィレブランド因子が放出され、活性化FVIIIヘテロ三量体が生成され、これは、Ca2+が存在する場合、FIXa及びFXと共にリン脂質表面上においてテナーゼ複合体を形成する。ヘテロ三量体は、A1ドメイン、50kDaフラグメント、A2ドメイン、43kDaフラグメント、及び軽鎖(A3−C1−C2)、73kDaフラグメントからなる。従って、FVIIIの活性形態(FVIIIa)は、二価金属イオン結合によってトロンビン切断A3−C1−C2軽鎖へ結合されたA1サブユニット、及びA1及びA3ドメインと比較的緩く結合された遊離A2サブユニットからなる。
過度の凝固を避けるために、FVIIIaは、活性化の直後に、不活性化されなければならない。Arg336及びArg562での切断による活性化プロテインC(APC)によるFVIIIaの不活性化は、主な律速段階であるとは考えられていない。それはむしろ、ヘテロ三量体からの非共有結合されたA2の解離であり、これは、トロンビン活性化後のFVIIIa不活性化における律速段階であると考えられている(非特許文献5及び6)。これは、血漿中におけるFVIIIaの短い半減期を説明する迅速なプロセスであり、これは、たったの2.1分である(非特許文献7)。
予防的処置を受ける重篤な血友病A患者において、約12〜14時間というFVIIIの短い血漿中半減期に起因して、FVIIIが週約3回静脈内(i.v.)投与されなければならない。各i.v.投与は、煩わしく、痛みを伴い、感染の危険性を伴い、何故ならば、特に、これは、患者自身によって又は血友病Aについて診断されている子供の親によって自宅で大抵は行われるためである。
従って、より少ない頻度で投与されなければならない、FVIIIを含有する薬学的組成物の製造を可能にする、増加した機能的半減期を有するFVIIIを作製することが、非常に望ましい。
非活性化FVIIIの半減期を延長するために、いくつかの試みが、細胞受容体とのその相互作用を低下させることによって(特許文献1及び2)、FVIIIへポリマーを共有結合させることによって(特許文献3、4及び5)、FVIIIの封入によって(特許文献6)、新しい金属結合部位の導入によって(特許文献7)、ペプチド結合(特許文献8及び9)又はジスルフィド結合(特許文献10)のいずれかによってA2ドメインをA3ドメインへ共有結合させることによって、又はA1ドメインをA2ドメインへ共有結合させることによって(特許文献11)行われた。
FVIII又はVWFの機能的半減期を増加させるための別のアプローチは、FVIIIのPEG化(特許文献12、13及び14)又はVWFのPEG化(特許文献15)によってであり、このペグ化VWFは、増加した半減期を有することによって、血漿中に存在するFVIIIの半減期も間接的に増加させる。
上述のアプローチはいずれも、認可されたFVIII医薬品をまだもたらしておらず、また、FVIII野生型配列へ突然変異を導入すること又は化学的修飾を導入することは、免疫原性のFVIII変異体を創り出すという理論上の危険性を少なくとも伴うので、延長された半減期を示す修飾された凝固第VIII因子分子を開発する継続した必要性が存在する。
可能性のある血栓形成性の危険性を考慮して、FVIIIの非活性化形態の半減期をFVIIIaのそれよりも延長することが、より望ましい。
VWFは、種々の形態のフォン・ヴィレブランド病(VWD)においては、失われているか、機能的に欠損している(functionally defect)か、又は低下した量でしか利用可能でなく、哺乳動物の血漿中に存在する多量体の接着性糖タンパク質であり、これは、多数の生理学的機能を有する。一次止血の間、VWFは、血小板表面上の特異的受容体とコラーゲンなどの細胞外基質の成分との間の媒介物質として作用する。さらに、VWFは、凝固促進FVIIIについての担体及び安定化タンパク質として役立つ。VWFは、2813アミノ酸前駆体分子として内皮細胞及び巨核球中において合成される。野生型VWFのアミノ酸配列及びcDNA配列は、非特許文献8に開示されている。前駆体ポリペプチドであるプレ−プロ−VWFは、22−残基シグナルペプチド、741−残基プロペプチド、及び成熟血漿VWF中において見られる2050−残基ポリペプチドからなる(非特許文献9)。小胞体(endoplasmatic reticulum)中でのシグナルペプチドの切断後、C末端ジスルフィド架橋が、VWFの2つの単量体間に形成される。分泌経路を通ってのさらなる輸送の間、12 N結合及び10 O結合糖類側鎖が付加される。さらに重要なことに、VWF二量体は、N末端ジスルフィド架橋によって多量体化され、741アミノ酸長のプロペプチドが、後期ゴルジ装置において酵素PACE/フリン(furin)によって切断除去される。プロペプチド並びにVWFの高分子量多量体(VWF−HMWM)は、内皮細胞のバイベル・パラーデ小体中に又は血小板のα−顆粒中に保存される。
いったん血漿中へ分泌されると、プロテアーゼADAMTS13は、VWFのA1ドメイン内でVWFを切断する。従って、血漿VWFは、500kDaの単一の二量体から、10,000kDaを超える分子量の20個超までの二量体からなる多量体までの範囲の多量体の全範囲からなる。VWF−HMWMは、これによって最も強い止血活性を有し、これは、リストセチン補因子活性(VWF:RCo)で測定され得る。VWF:RCo/VWF抗原の比率が高いほど、高分子量多量体の相対量は多くなる。
VWFの欠損は、フォン・ヴィレブランド病(VWD)の原因であり、これは、多かれ少なかれ顕著な出血表現型を特徴とする。3型VWDは、最も重篤な形態であり、ここでは、VWFは完全に失われており、1型VWDは、VWFの量的ロスに関連し、その表現型は非常に軽度であり得る。2型VWDは、VWFの質的欠損に関連し、3型VWDと同じぐらい重篤であり得る。2型VWDは、多くのサブ形態を有し、それらのうちのいくつかは、高分子量多量体のロス又は減少と関連している。2a型フォンVWDは、中間の多量体及び大きな多量体の両方のロスを特徴とする。2B型VWDは、最高分子量多量体のロスを特徴とする。
VWDは、ヒトにおいて最も頻繁な遺伝性出血性障害であり、血漿又は組換え起源のVWFを含有する濃縮製剤での補充療法によって治療され得る。VWFは、例えば特許文献16に記載されるように、ヒト血漿から作製され得る。特許文献17は、組換えVWFを単離するための方法を記載している。
血漿中において、FVIIIは、高親和性でフォンVWFへ結合し、これは、早期異化からそれを保護し、従って、一次止血におけるその役割に加えて、FVIIIの血漿中濃度を調節する非常に重要な役割を果たし、結果として、二次止血を制御するための中心的な因子でもある。VWFへ結合された非活性化FVIIIの半減期は、血漿中において約12〜14時間である。VWFが存在しないか又はほとんど存在しない3型フォン・ヴィレブランド病において、FVIIIの半減期はたったの約6時間であり、FVIIIの減少した濃度に起因してこのような患者において軽度から中程度の血友病Aの症状がもたらされる。FVIIIに対するVWFの安定化効果はまた、CHO細胞中におけるFVIIIの組換え発現を助けるために使用された(非特許文献10)。
今日まで、血友病A及びVWDの標準的な治療は、ヒトドナーの血漿由来のFVIII及びVWFの複合体を含む濃縮製剤の、又はFVIII及びVWF濃縮製剤の調製物の頻繁な静脈内注入、又はFVIIIの場合は組換えFVIIIに基づく薬学的調製物のそれを含む。これらの補充療法は、例えば、予防的処置を受ける重篤な血友病A患者において、一般的に有効である一方、FVIIIが、約12時間のFVIIIの短い血漿中半減期に起因して、週約3回静脈内(i.v.)投与されなければならない。例えば0.01 U/mlのFVIIIレベルの増加によって、非血友病患者におけるFVIII活性の1%のレベルを既に超え、重篤な血友病Aは、中程度の血友病Aへ変えられる。予防的な療法において、投薬レジメンは、FVIII活性のトラフレベルが非血友病患者におけるFVIII活性の2〜3%のレベル未満に下がらないように、設計される。各i.v.投与は、煩わしく、痛みを伴い、感染の危険性を伴う、何故ならば、特に、これは、患者自身によって又は血友病Aについて診断されている子供の親によって在宅治療で大抵は行われるためである。さらに、頻繁なi.v.注射は、瘢痕を必然的に形成させ、これは、将来の注入を妨げる。重篤な血友病における予防的処置は、小児がしばしば2歳未満である幼いときに開始されるので、FVIIIをこのような幼い患者の静脈中へ週3回注射することは、さらにより困難である。限られた期間の間、ポートシステムの移植が、選択肢を提供し得る。反復性感染が生じ得、ポートが運動の間不便を引き起こし得るという事実にもかかわらず、それらは、それでも、静脈内注射と比較して好都合であると典型的に考えられる。
ヒトの血液循環中におけるヒトVWFのインビボ半減期は、約12〜20時間である。例えば3型の、VWDの予防的処置において、VWFの機能的半減期を延長する方法を見出すことがまた、非常に望ましい。
VWFの機能的半減期を増加させるための別のアプローチは、PEG化(特許文献15)によってであり、このペグ化VWFは、増加した半減期を有することによって、血漿中に存在するFVIIIの半減期も間接的に増加させる。
しかし、治療用タンパク質へのPEG又は他の分子の化学的結合は、他のタンパク質での重要な相互作用部位の遮蔽に起因して比活性が低下するという危険性を常に伴い、化学的結合は、このようなタンパク質の製造において追加の工程を加え、最終収率が減少し、製造がより高価となる。ヒトの健康に対する長期的効果もまた公知ではなく、何故ならば、現在公知のPEG化治療用タンパク質は、フォン・ヴィレブランド病の予防において投与されるVWFについて又は血友病Aにおいて投与されるFVIIIについてそうであるように、一生に渡って投与される必要がないためである。
従って、化学修飾されていない長寿命のVWFを得ることが、非常に望ましい。
先行技術において、半減期増大ポリペプチドとしての、アルブミン(特許文献18)、α−フェトプロテイン(特許文献19)及び免疫グロブリン(特許文献20)への凝固因子の融合が記載された。これらは、ペプチドリンカーによって、好ましくはグリシン及びセリンからなるリンカーによって場合によっては連結されて、それぞれの治療用タンパク質部分のカルボキシ末端若しくはアミノ末端又は両末端へ結合されると教示された。
Balanceら(特許文献18)は、ヒト血清アルブミンへ融合された多数の様々な治療用ポリペプチドのN又はC末端融合ポリペプチドを記載した。それぞれのアルブミン融合タンパク質が実際に生物学的活性を保持しかつ改善された特性を有するかどうか、これらのポリペプチドうちのほとんどいずれについても実験データを開示することなく、可能性のある融合パートナーの長いリストが記載されている。治療用ポリペプチドの前記リストの中に、FVIII及びVWFも記載されている。
C末端融合は当業者によって真剣には考慮されておらず、何故ならば、FVIIIのアミノ酸2303〜2332のFVIIIのまさしくそのC末端部分でのFVIIIのC2ドメインは、FVIII機能に必須である血小板膜結合部位を含むためである。このため、この領域に、血友病Aをもたらす公知の多くのアミノ酸突然変異が存在する。従って、アルブミンのような比較的大きな異種ポリペプチドが、血小板結合を妨げることによってFVIII機能を妨げることなく、FVIIIのC末端部分へ融合され得ることは、驚くべきことであった。さらに、C2ドメインはまた、VWFについての結合部位を含む。この部位は、アミノ酸配列1649−1689と一緒に、VWFへのFVIIIの高親和性結合を担う。従って、当業者はまた、C末端アルブミン融合を有するFVIIIが、VWFへのその結合を保持することを予想しなかっただろう。
驚いたことに、Ballanceらによる予想とは対照的に、FVIIIのN末端へのアルブミン融合は、培養培地中へ分泌されないことがわかった。従って、上記に詳述した理由のために、今回、さらにより驚いたことに、そのC末端部分でアルブミンへ融合されたFVIIIは、培養培地中へ分泌され、活性化血小板の膜への結合及びVWFへの結合を含むその生物学的機能を保持していることがわかった。
本発明の修飾FVIIIは、野生型FVIIIと比較して約20%のインビボリカバリーの増加を示すことがわかったことはまた、驚くべきことであった。
当業者はまた、VWFのN末端又はC末端へヒトアルブミンを融合することを考慮しなかっただろう。N末端融合において、アルブミン部分は、プロペプチドプロセッシングの間に切断除去されるだろう。又は、プロペプチドが省かれる場合、多量体化は起こらないだろう。上記に詳述したように、VWFのC末端は、Schneppenheimら(非特許文献11及び12)、Baroncianiら(非特許文献13)、Enayatら(非特許文献14)及びTjernbergら(非特許文献15)によって示されるように、最初の二量体化及び分泌に必須である。従って、当業者は、ヒトアルブミンのような大きなタンパク質をVWFのC末端又はN末端へ融合することを考慮せず、何故ならば、当業者は、VWFの正常な二量体化又は多量体化が損なわれることを予想するためである。VWFのより高次の多量体が一次止血において最も活性なものであるので、当業者は、VWFの機能的半減期を延長する他の方法を探しただろう。
今回、驚いたことに、アルブミンなどの異種ポリペプチドをVWFのC末端部分へ融合することは、哺乳動物細胞からのVWFキメラタンパク質の発現及び分泌を可能にするだけでなく、顕著なVWF活性を保持しかつ高分子量多量体を形成する修飾VWF分子をもたらしもすることがわかった。さらに、このような修飾VWF分子は、延長されたインビボ半減期及び/又は改善されたインビボリカバリーを示す。
WO 03/093313A2 WO 02/060951A2 WO 94/15625 WO 97/11957 US 4970300 WO 99/55306 WO 97/03193 WO 97/40145 WO 03/087355 WO 02/103024A2 WO2006/108590 WO 2007/126808 WO 2006/053299 WO 2004/075923 WO 2006/071801 EP 05503991 EP 0784632 WO 01/79271 WO 2005/024044 WO 2004/101740
Leyte et al., Biochem J 1989, 257: 679-683 Wood et al. 1984. Nature 312:330-336 Vehar et al. 1984. Nature 312:337-342 Saenko et al. 2002. Vox Sang. 83:89-96 Fay et al. 1991. J. Biol. Chem. 266 8957 Fay & Smudzin 1992. J. Biol. Chem. 267:13246-50 Saenko et al. 2002. Vox Sang. 83:89-96 Collins et al. 1987, Proc Natl. Acad. Sci. USA 84:4393-4397 Fischer et al., FEBS Lett. 351: 345-348, 1994 Kaufman et al. 1989, Mol Cell Biol Schneppenheim R. et al. 1996. Defective dimerization of VWF subunits due to a Cys to Arg mutation in VWD type IID. Proc Natl Acad Sci USA 93:3581-3586 Schneppenheim R. et al. 2001. Expression and characterization of VWF dimerization defects in different types of VWD. Blood 97:2059-2066 Baronciani L.et al. 2000. Molecular characterization of a multiethnic group of 21 patients with VWD type 3. Thromb. Haemost 84:536-540 Enayat MS et al. 2001. Aberrant dimerization of VWF as the result of mutations in the carboxy-terminal region: identification of 3 mutations in members of 3 different families with type 2A (phenotype IID) VWD. Blood 98:674-680 Tjernberg et al. 2006. Homozygous C2362F VWF induces intracellular retention of mutant VWF resulting in autosomal recessive severe VWD. Br J Haematol. 133:409-418
発明の説明
本発明の目的は、増加したインビボ半減期を有する、修飾FVIII又は修飾VWF、並びに修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、及びまた修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体を提供することである。
用語「修飾FVIII」又は「修飾VWF」は、本発明の意味において、FVIII又はVWFの天然の対立遺伝子、変異体、欠失及び挿入も包含する、半減期増大ポリペプチドへ融合されているFVIII又はVWFポリペプチドを意味する。
本発明の別の目的は、改善されたインビボリカバリーを有する、修飾FVIII又は修飾VWF、並びに修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、及びまた修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体を提供することである。
本発明の別の目的は、この修飾FVIII又は修飾VWF、並びに修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、非修飾FVIIIと修飾VWFとの、及びまた修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体が、哺乳動物細胞によって発現され得、それらのそれぞれの生物学的活性を保持することである。
要約すると、驚いたことに、本発明の、修飾FVIII又は修飾VWF、並びに修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、及びまた修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体は、生物学的活性を保持し、インビボ半減期及びインビボリカバリーを増加させた。
FVIIIが修飾されており、A2ドメインが活性化後にA3ドメインへ単に非共有結合されているままである、本発明の実施態様のさらなる可能性のある利益は、FVIIIの非活性化形態の半減期のみが増加され、一方、FVIIIの活性化形態の半減期は、本質的に同一のもののままであることであり、このことは、FVIIIの活性化形態の安定化をもたらすFVIII変異体と比較して血栓形成性の危険性を低下させ得る。
本発明の、修飾FVIII又は修飾VWF、並びに修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、及びまた修飾FVIIIと修飾VWF分子との複合体は、半減期増加タンパク質(half−life enhancing protein)(HLEP)部分をFVIIIのC末端部分又はVWFのC末端部分へ融合することによって作製され得る。
HLEPは、本発明の意味において、アルブミン、アファミン(afamin)、α−フェトプロテイン及びビタミンD結合タンパク質を含む、アルブミンファミリーのメンバー、並びに免疫グロブリン定常領域の部分、並びに生理学的条件下でアルブミンファミリーのメンバー及び免疫グロブリン定常領域の部分へ結合することができるポリペプチドからなる群より選択される。最も好ましいHLEPは、ヒトアルブミンである。
従って、本発明は、修飾FVIII又は修飾VWF、並びに修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、又は修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体が、野生型FVIII又は野生型VWF又は野生型VWFと野生型FVIIIとの複合体の機能的半減期と比較して延長された機能的半減期を有することを特徴とする、修飾FVIII及び/又はVWFのC末端部分でHLEPへの融合を有する、修飾FVIII又は修飾VWF、並びに修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、及びまた修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体に関する。
本発明はまた、2個以上のHLEPへのC末端融合に関し、ここで、数回融合されるHLEPは、同一のHLEPであってもよく、又は異なるHLEPの組み合わせであってもよい。
本発明はまた、修飾FVIII又は修飾VWF、又は修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、又は修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体が、野生型FVIII又は野生型VWF又は野生型VWFと野生型FVIIIとの複合体のインビボリカバリーと比較して改善されたインビボリカバリーを有することを特徴とする、HLEPへの融合をC末端部分で有する修飾FVIIIに関する。
本発明別の実施態様は、修飾FVIIIが野生型FVIIIよりも高い収率で発酵培地中へ分泌されることを特徴とする、HLEPへの融合をC末端部分で有する修飾FVIIIポリペプチドであ
る。
本発明の別の局面は、修飾FVIII及び/又は修飾VWFをコードするポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドの組み合わせである。
本発明は、さらに、本明細書に記載のポリヌクレオチドを含むプラスミド若しくはベクター、本明細書に記載のポリヌクレオチド又はプラスミド若しくはベクターを含む宿主細胞に関する。
本発明の別の局面は、修飾FVIII又は修飾VWF、又は修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、又は修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体を製造する方法であって、
(a)修飾された凝固因子が発現されるような条件下で本発明の宿主細胞を培養する工程;及び
(b)場合により、宿主細胞から又は培養培地から修飾された凝固因子を回収する工程
を含む方法である。
本発明は、さらに、本明細書に記載の、修飾FVIII又は修飾VWF又は修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体又は非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体又は修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、ポリヌクレオチド、又はプラスミド若しくはベクターを含む、薬学的組成物に関する。
本発明のさらに別の局面は、血液凝固障害の治療又は予防用の医薬の製造のための、本発明に従う、修飾FVIII又は修飾VWF又は修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体又は非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体又は修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、1つ又はそれ以上のポリヌクレオチド、又は1つ又はそれ以上のプラスミド若しくはベクター、又は宿主細胞の使用である。
野生型FVIII及びFVIII−C末端アルブミン融合ポリペプチドの抗原及び活性レベル。 100 U (FVIII:Ag)/kg FVIII野生型及びFVIII−FP 1656 VWFのi.v.注射後のVWF koマウス中におけるヒトFVIII:Ag薬物動態の比較(平均値;n=4/時点)。 wt rVWF(1570/1212)、C末端に連結されたアルブミンを含むrVWF−FP(1572/1212)を含有する細胞培養物上清の、又は、5:1の比でトランスフェクションされたwt rVWF(1570/1212)及びrVWF−FP(1572/1212)の混合物を含有する混合発現細胞培養物の、VWF:RCo/VWF:Ag比率。約0.8の値が各ケースにおいて得られ、これらは、単位定義に従うNHPの理論比率である1に近い。 HEK細胞中において発現された野生型rVWF(1570/1212)(B)及びこれもHEK細胞中において発現されたrVWF−FP(1572/1212)(A)のSDSアガロースゲル電気泳動。VWF又はアルブミン(HSA)に対する抗体を使用して、バンドを検出した。 ラット中における100 IU VWF:Agのi.v.注射後のヒトrWVF野生型及びrVWF−FP薬物動態の比較。(平均値、n=2〜3/時点)。
発明の詳細な説明
本発明は、FVIII及びフォンVWFを含む複合体、又はその個々のポリペプチド成分のうちの1つに関し、ここで、該複合体の少なくとも1つのポリペプチド成分は、その一次翻訳産物のC末端部分で半減期増大ポリペプチド(HLEP)のN末端部分へ融合されている。
本発明はまた、修飾FVIII又は修飾VWF又は修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体又は非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体又は修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体に関し、ここで、修飾FVIIIが、FVIIIの一次翻訳ポリペプチドのC末端部分でHLEPのN末端部分へ融合されているか、又は修飾VWFが、VWFの一次翻訳ポリペプチドのC末端部分でHLEPのN末端部分アシッド(N−terminal part acid)へ融合されている
好ましい実施態様において、本発明は、修飾FVIII又は修飾VWF又は修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体又は非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体又は修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体に関し、ここで、
a.修飾FVIIIが、野生型FVIIIの機能的半減期と比較して延長された機能的半減期を有するか、又は
b.修飾VWFが、野生型VWFの機能的半減期と比較して延長された機能的半減期を有するか、又は
c.修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体の機能的半減期と比較して延長された機能的半減期を有するか、又は
d.非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体の機能的半減期と比較して延長された機能的半減期を有するか、又は
e.修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体の機能的半減期と比較して延長された機能的半減期を有する。
本発明の好ましい実施態様は、上述の修飾ポリペプチド又は該修飾ポリペプチドを含む複合体又は該修飾ポリペプチドを含む複合体であり、ここで、修飾ポリペプチドが、対応の野生型ポリペプチドの機能的半減期と比較して少なくとも25%増加した機能的半減期を有するか、又は、該修飾ポリペプチドを含む複合体又は該修飾ポリペプチドを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体と比較して少なくとも25%増加した機能的半減期を有する。
本発明の別の実施態様は、修飾FVIII又は修飾VWF又は修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体又は非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体又は修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体であり、ここで、
a.修飾FVIIIが、野生型FVIIIの抗原半減期と比較して延長された抗原半減期を有するか、又は
b.修飾VWFが、野生型VWFの抗原半減期と比較して延長された抗原半減期を有するか、又は
c.修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体の抗原半減期と比較して延長された抗原半減期を有するか、又は
d.非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体の抗原半減期と比較して延長された抗原半減期を有するか、又は
e.修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体の抗原半減期と比較して延長された抗原半減期を有する。
本発明の好ましい実施態様は、上述の修飾ポリペプチド又は該修飾ポリペプチドを含む複合体又は該修飾ポリペプチドを含む複合体であり、ここで、修飾ポリペプチドが、対応の野生型ポリペプチドの抗原半減期と比較して少なくとも25%増加した抗原半減期を有するか、又は、該修飾ポリペプチドを含む複合体又は該修飾ポリペプチドを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体と比較して少なくとも25%増加した抗原半減期を有する。
本発明のさらに別の実施態様は、修飾FVIII又は修飾VWF又は修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体又は非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体又は修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体であり、ここで、
a.修飾FVIIIが、野生型FVIIIのインビボリカバリーと比較して増加したインビボリカバリーを有するか、又は
b.修飾VWFが、野生型VWFのインビボリカバリーと比較して増加したインビボリカバリーを有するか、又は
c.修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体のインビボリカバリーと比較して増加したインビボリカバリーを有するか、又は
d.非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体のインビボリカバリーと比較して増加したインビボリカバリーを有するか、又は
e.修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体のインビボリカバリーと比較して増加したインビボリカバリーを有する。
本発明の別の好ましい実施態様は、上述の修飾ポリペプチド又は該修飾ポリペプチドを含む複合体又は該修飾ポリペプチドを含む複合体であり、ここで、修飾ポリペプチドが、対応の野生型ポリペプチドのインビボリカバリーと比較して少なくとも10%増加したインビボリカバリーを有するか、又は、該修飾ポリペプチドを含む複合体又は該修飾ポリペプチドを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体と比較して少なくとも10%増加したインビボリカバリーを有する。
本発明の別の好ましい実施態様は、以下である:
a)上述の修飾ポリペプチド又は該修飾ポリペプチドを含む複合体又は該修飾ポリペプチドを含む複合体、ここで、該複合体の少なくとも1つのポリペプチド成分が、その一次翻訳産物のC末端アミノ酸でHLEPのN末端部分へ融合されている、又は
b)上述の修飾ポリペプチド又は該修飾ポリペプチドを含む複合体又は該修飾ポリペプチドを含む複合体、ここで、該複合体の少なくとも1つのポリペプチド成分が、その一次翻訳産物のC末端部分でHLEPのN末端アミノ酸へ融合されている、又は
c)上述の修飾ポリペプチド又は該修飾ポリペプチドを含む複合体又は該修飾ポリペプチドを含む複合体、ここで、該複合体の少なくとも1つのポリペプチド成分が、その一次翻訳産物のC末端アミノ酸でHLEPのN末端アミノ酸へ融合されている。
本発明の別の好ましい実施態様は、上述の修飾ポリペプチド又は該修飾ポリペプチドを含む複合体又は該修飾ポリペプチドを含む複合体であり、ここで、修飾ポリペプチドが、野生型ポリペプチドの生物学的活性の少なくとも10%を有するか、又は、該修飾ポリペプチドを含む複合体又は該修飾ポリペプチドを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体の生物学的活性の少なくとも10%を有する。
半減期増大ポリペプチドのN末端部分を、FVIIIの一次翻訳ポリペプチドのC末端部分へ、又はVWFの一次翻訳ポリペプチドのC末端部分へ融合する工程を含む、増加した機能的半減期を有する修飾FVIII又は修飾VWFを製造する方法、並びに、上述の方法によって製造された修飾FVIIIと野生型VWFとを混合する工程による、又は野生型FVIIIと上述の方法によって製造された修飾VWFとを混合する工程による、又は上述の方法によって製造された修飾FVIII及び修飾VWFを混合することによる、修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体又は非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体又は修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体を製造する方法もまた、本発明に含まれる。
出血性障害の治療における、好ましくは血友病A及び/又はフォン・ヴィレブランド病の治療における、同時の、別々の、又は逐次的な使用のための組み合わせ薬学的製剤の製造のための、
a.上述の方法によって製造された修飾FVIII及び野生型VWF、又は
b.野生型FVIII及び上述の方法によって製造された修飾VWF、又は
c.上述の方法によって製造された修飾FVIII及び上述の方法によって製造された修飾VWF
の使用も本発明に包含される。
本発明に従う「機能的半減期」は、いったん哺乳動物へ投与された後の、修飾FVIII又は修飾VWF又は修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体又は非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体又は修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体の生物学的活性の半減期であり、修飾FVIII又は修飾VWF又は修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体又は非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体又は修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体が投与された後に該哺乳動物から異なる時間間隔で採取された血液サンプル中においてインビトロで測定され得る。
句「融合する」又は「融合される」は、FVIIIのC末端部分への及び/又はVWFのC末端部分へのアミノ酸の付加を指す。「FVIIIのC末端アミノ酸への融合」又は「VWFのC末端アミノ酸への融合」を本明細書において指す場合、これは、成熟野生型FVIII cDNA配列のアミノ酸2332でのFVIIIのまさにC末端アミノ酸への、又は野生型成熟VWFのアミノ酸2050でのVWFのまさにC末端アミノ酸への、融合を意味する。成熟FVIII又は成熟VWFは、プロペプチドの切断後のそれぞれのポリペプチドを意味する。しかし、本発明はまた、本発明の意味において、「FVIIIのC末端部分への融合」又は「VWFのC末端部分への融合」を包含し、FVIII及び/又はVWFのC末端アミノ酸からnアミノ酸までの1つ又はそれ以上のアミノ酸位置が欠失されている、FVIII及び/又はVWF分子それぞれへの融合をも含み得る。数字nは、FVIII及び/又はVWFのアミノ酸の総数の5%以下、好ましくは1%以下であるべきである整数である。通常、nは、20、好ましくは15、より好ましくは10、さらにより好ましくは5以下(例えば、1、2、3、4又は5)である。
一実施態様において、修飾FVIIIは、以下の構造を有する:
N−FVIII−C−L1−H [式1]
式中、
Nは、FVIIIのN末端部分であり、
L1は、化学結合又はリンカー配列であり、
Hは、HLEPであり、
Cは、FVIIIのC末端部分である。
別の実施態様において、修飾VWFは、以下の構造を有する:
N−VWF−C−L1−H [式2]
式中、
Nは、VWFのN末端部分であり、
L1は、化学結合又はリンカー配列であり、
Hは、HLEPであり、
Cは、VWFのC末端部分である。
L1は、化学結合、又は1つ又はそれ以上のアミノ酸からなる、例えば、互いに等しいか又は異なり得る、1〜20、1〜15、1〜10、1〜5又は1〜3(例えば、1、2又は3)のアミノ酸からなる、リンカー配列であり得る。通常、リンカー配列は、野生型凝固因子の対応の位置には存在しない。L1中に存在する好適なアミノ酸の例としては、Gly及びSerが挙げられる。
好ましいHLEP配列は、下記に記載される。本発明によって同様に包含されるのは、それぞれのHLEPのまさにその「N末端アミノ酸」への融合、又は、HLEPの1つ又はそれ以上のアミノ酸のN末端欠失を含む、それぞれのHLEPの「N末端部分」への融合である。
本発明の、修飾FVIII又は修飾VWF、又は修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、又は非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、又は修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体は、2個以上のHLEP配列、例えば、2個又は3個のHLEP配列を含み得る。これらの多数のHLEP配列は、例えば連続的な繰り返しとして、縦に一列に並んでFVIIIのC末端部分へ及び/又はVWFのC末端部分へ融合され得る。
FVIIIは、種々の段階でタンパク質分解的にプロセッシングされ得る。例えば、上記に記載したように、血漿中へのその分泌の間に、一本鎖FVIIIは、B−A3境界とBドメイン内の種々の部位とで細胞内で切断される。重鎖は、ドメイン構造A3−C1−C2を有する軽鎖へ金属イオンを介して結合される。FVIIIは、重鎖内のアミノ酸Arg372及びArg740並びに軽鎖内のArg1689でのタンパク質分解的切断によって活性化され、A1ドメイン、A2ドメイン、及び軽鎖(A3−C1−C2)、73kDaフラグメントからなる活性化FVIIIヘテロ三量体が生成される。従って、FVIIIの活性形態(FVIIIa)は、二価金属イオン結合によってトロンビン切断A3−C1−C2軽鎖へ結合されたA1サブユニット、及びA1及びA3ドメインと比較的緩く結合された遊離A2サブユニットからなる。
従って、本発明はまた、一本鎖ポリペプチドとしては存在しないが、互いに非共有結合によって結合されているいくつかのポリペプチド(例えば、1又は2又は3個)からなる修飾FVIIIを包含する。
好ましくは、N−FVIII−Cは、FVIIIの全長配列を含む。FVIIIの生物学的活性が保持される限り、FVIIIのN末端、C末端又は内部欠失も包含される。欠失を含むFVIIIが野生型FVIIIの生物学的活性の少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも75%を保持する場合、本発明の意味において、生物学的活性は保持されている。FVIIIの生物学的活性は、下記に記載されるように、当業者によって測定され得る。
FVIIIの生物学的活性を測定するための好適なテストは、例えば、一段階又は二段階凝固アッセイ(Rizza et al. 1982. Coagulation assay of FVIII:C and FIXa in Bloom ed. The Hemophilias. NY Churchchill Livingston 1992)又は発色基質FVIII:Cアッセイ(S. Rosen, 1984. Scand J Haematol 33: 139-145, suppl.)である。これらの参考文献の内容は、参照によって本明細書に組み入れられる。
ヒト血液凝固FVIIIの成熟野生型形態のcDNA配列及びアミノ酸配列を、配列番号14及び配列番号15にそれぞれ示す。特定の配列のアミノ酸位置への参照は、FVIII野生型タンパク質中の該アミノ酸の位置を意味し、参照される配列中の他の位置での、突然変異、例えば、欠失、挿入及び/又は置換の存在を排除しない。例えば、配列番号15を参照しての「Glu2004」における突然変異は、修飾された相同体において、配列番号15の位置1〜2332での1つ又はそれ以上のアミノ酸が失われていることを排除しない。
用語「血液凝固第VIII因子」、「第VIII因子」及び「FVIII」は、本明細書において交換可能に使用される。「血液凝固第VIII因子」は、野生型血液凝固FVIII、並びに野生型血液凝固FVIIIの凝固促進活性を有する野生型血液凝固FVIIIの誘導体を含む。誘導体は、野生型FVIIIのアミノ酸配列と比較して、欠失、挿入及び/又は付加を有し得る。用語FVIIIは、FVIIIのタンパク質分解的にプロセッシングされた形態、例えば、重鎖及び軽鎖を含む活性化前の形態を含む。
用語「FVIII」は、野生型第VIII因子の生物学的活性の少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも75%を有する任意のFVIII変異体又は突然変異体を含む。
非限定的な例としては、FVIII分子は、APC切断を妨げるか又は減らすFVIII突然変異体(Amano 1998. Thromb. Haemost. 79:557-563)、A2ドメインをさらに安定させるFVIII突然変異体(WO 97/40145)、発現を増加させるFVIII突然変異体(Swaroop et al. 1997. JBC 272:24121-24124)、その免疫原性を低下するFVIII突然変異体(Lollar 1999. Thromb. Haemost. 82:505-508)、異なるように発現された重鎖及び軽鎖から再構成されたFVIII(Oh et al. 1999. Exp. Mol. Med. 31:95-100)、HSPG(ヘパラン硫酸プロテオグリカン)及び/又はLRP(低密度リポタンパク受容体関連タンパク質)のようなFVIIIの異化をもたらす受容体への結合を低下させるFVIII突然変異体(Ananyeva et al. 2001. TCM, 11:251-257)、ジスルフィド結合安定化FVIII変異体(Gale et al., 2006. J. Thromb. Hemost. 4:1315-1322)、改善された分泌特性を有するFVIII突然変異体(Miao et al., 2004. Blood 103:3412-3419)、増加された補因子特異的活性を有するFVIII突然変異体(Wakabayashi et al., 2005. Biochemistry 44:10298-304)、改善された生合成及び分泌、低下されたERシャペロン相互作用、改善されたER−ゴルジ輸送、増加された活性化又は不活性化に対する耐性、及び改善された半減期を有するFVIII突然変異体(Pipe 2004. Sem. Thromb. Hemost. 30:227-237によって要約される)を含む。これらのFVIII突然変異体及び変異体の全ては、参照によってそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
VWFは、様々な段階でタンパク質分解的にプロセッシングされ得る。例えば、上述したように、プロテアーゼADAMTS13は、VWFのA2ドメイン内でVWFを切断する。従って、本発明は、例えばADAMTS13によってタンパク質分解的に切断された修飾VWFも包含する。このような切断は、ADAMTS13によって切断されたVWFの少なくとも1個又は多くても2個の単量体をそれらの末端に含む、VWFの多量体鎖を生じさせる。
好ましくは、N−VWF−Cは、VWFの全長配列を含む。VWFの生物学的活性が保持される限り、VWFのN末端、C末端又は内部欠失も包含される。欠失を含むVWFが野生型VWFの生物学的活性の少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも75%を保持する場合、本発明の意味において、生物学的活性は保持されている。野生型VWFの生物学的活性は、リストセチン補因子活性(Federici AB et al. 2004. Haematologica 89:77-85)、血小板糖タンパク質複合体Ib−V−IXのGP IbαへのVWFの結合(Sucker et al. 2006. Clin Appl Thromb Hemost. 12:305-310)、又はコラーゲン結合アッセイ(Kallas & Talpsep. 2001. Annals of Hematology 80:466-471)についての方法を使用することによって、当業者によって測定され得る。
上記の定義内の「FVIII」及び/又は「VWF」はまた、個体ごとに存在し得、生じ得る、天然の対立遺伝子変異を含む。上記の定義内の「FVIII」及び/又は「VWF」は、FVIII及び又はVWFの変異体をさらに含む。このような変異体は、1つ又はそれ以上のアミノ酸残基が野生型配列と相違する。このような相違の例としては、保存的アミノ酸置換、即ち、類似の特徴を有するアミノ酸のグループ内での置換が挙げられ得る;例えば、(1)低分子アミノ酸、(2)酸性アミノ酸、(3)極性アミノ酸、(4)塩基性アミノ酸、(5)疎水性アミノ酸、及び(6)芳香族アミノ酸。このような保存的置換の例を下記の表に示す。
Figure 2011525363
1つ又はそれ以上のHLEPが、好ましくは、例えばVWF、血小板又はFIXへのFVIIIの結合能力を妨げないように、FVIIIのC末端部分へ融合され得る。
1つ又はそれ以上のHLEPが、好ましくは、例えばFVIII、血小板、ヘパリン又はコラーゲンへのVWFの結合能力に好ましくは妨げないように、VWFのC末端部分へ融合され得る。
いったんFVIIIがインビボでの凝固の間に内因的に活性化されると、今、活性化されたFVIIIの増加した機能的半減期を維持することはもはや望ましくない場合があり、何故ならば、これは、血栓性合併症をもたらし得るためであり、これは、FVIIaとしての野生型活性化凝固因子について既に該当し(Aledort 2004. J Thromb Haemost 2:1700-1708)、これは、活性化された因子が増加した機能的半減期を有する場合は、より関係があり得る。従って、本発明の別の目的は、インビボでの内因性活性化の後に又は補因子の利用能の後に、未修飾FVIIIのそれに匹敵する機能的半減期を有する、長寿命のFVIII分子を提供することである。これは、非限定的な例として、FVIIIのC末端部分とHLEPとの間に例えば凝固因子についての切断部位を導入することによって達成され得る。このようなFVIII−HLEP接続配列を用いることよって、本発明のFVIIIキメラタンパク質の活性化は、HLEP部分からのFVIIIaの付随した完全分離をもたらす。従って、一実施態様において、内因的に活性化された修飾FVIIIの機能的半減期は、活性化された野生型FVIIIのそれと実質的に同じである(例えば、±15%、好ましくは±10%)。
本発明のさらに別の実施態様において、しかし、切断を防止し、活性化された分子としてさえ増加した機能的半減期のような改善された特性を示す挿入タンパク質を生じさせるために、1つ又はそれ以上のタンパク質分解的切断部位、好ましくはArg740及び/又はArg372のトロンビン切断部位は、突然変異されるか又は欠失される。
本発明の別の実施態様において、本発明のFVIIIタンパク質は、2つの分離した鎖として発現され得る(下記を参照のこと)。
本発明に従う修飾FVIIIは、一本鎖ポリペプチドであり得、又はそれは、タンパク質分解的プロセッシングに起因して、非共有結合を介して結合されている2個又は3個のポリペプチド鎖から構成され得る。
本発明の別の実施態様において、PACE/フリン切断部位(Arg1648)の又はその付近の
アミノ酸が、PACE/フリンによる切断を防止するために突然変異又は欠失されている。これは、改善された半減期を有する一本鎖FVIII/HLEP融合分子を生じさせると考えられる。
本発明の一実施態様において、本発明の修飾FVIIIは、組込まれたHLEPを含まない対応のFVIII形態及び/又は野生型形態FVIIIと比較して増加された機能的半減期を示す。機能的半減期は、例えば、FVIIIノックアウトマウスのような、血友病Aの動物モデルにおいてインビボで測定され得、ここで、野生型FVIIIと比較してより長い持続性の止血効果が予想される。止血効果は、例えば尾の切断後の出血の停止までの時間を測定することによって、テストされ得る。
本発明の一実施態様における機能的半減期は、いったん哺乳動物へ投与された後の、FVIIIの生物学的活性の半減期であり、インビトロで測定される。本発明に従う修飾FVIIIの機能的半減期は、同一種においてテストした場合、修飾を欠いているFVIIIのそれよりも長い。機能的半減期は、FVIIIの野生型形態と比較して、少なくとも10%、好ましくは25%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも100%、好ましくは増加される。
HLEP修飾を含む修飾FVIIIの機能的半減期は、それぞれの修飾FVIII(及び比較のために野生型FVIII)をラット、ウサギ又は他の実験動物種へ静脈内投与又は皮下投与し、適用後に適切な間隔で採取された血液サンプル中における該修飾又は非修飾それぞれの凝固因子の生物学的活性の消失を追跡することによって、測定され得る。好適なテスト方法は、本明細書に記載の活性テストである。
本発明の別の実施態様に従う機能的半減期は、いったん哺乳動物へ投与された後の、VWFの生物学的活性の半減期であり、インビトロで測定される。本発明に従う修飾VWFの機能的半減期は、同一種においてテストした場合、修飾を欠いているVWFのそれよりも長い。機能的半減期は、修飾を欠いているVWF及び/又はVWFの野生型形態と比較して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%増加され、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも100%増加される。
HLEP修飾を含む修飾VWFの機能的半減期は、それぞれの修飾VWF(及び比較のために非修飾VWFのそれ)をラット、ウサギ又は他の実験動物種へ静脈内投与又は皮下投与し、適用後に適切な間隔で採取された血液サンプル中における該修飾又は非修飾それぞれのVWFの生物学的活性の消失を追跡することによって、測定され得る。好適なテスト方法は、本明細書に記載の活性テストである。
生物学的活性の半減期についての代用マーカーとして、修飾又は野生型それぞれのFVIIIの抗原のレベル、又は修飾又は野生型それぞれのVWFの抗原のレベルもまた測定され得る。従って、修飾FVIII又は修飾VWF又は修飾VWF、又は修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、又は非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、又は修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体が、前記挿入を欠いているFVIII及び/又はVWF抗原の半減期と比較してFVIII及び/又はVWF抗原の延長された半減期を有することを特徴とする、FVIII及び/又はVWFのC末端部分でHLEPへの融合を有する修飾FVIII及び/又はVWF分子も、本発明によって包含される。本発明に従う「FVIII抗原の半減期」は、いったん哺乳動物へ投与された後の、FVIIIの抗原の半減期であり、インビトロで測定される。本発明に従う「VWF抗原の半減期」は、いったんそれが哺乳動物へ投与された後の、VWFの抗原の半減期であり、インビトロで測定される。抗原テスト方法は、当業者に公知であって市販されている(例えば、Dade Behring、Instrumentation Laboratory、Abbott Laboratories、Diagnostica Stago)酵素イムノアッセイフォーマットにおける特異抗体に基づいた。機能的半減期及び抗原半減期は、式t1/2=ln2/kに従って消失のβ相の時点を使用して計算され得、式中、kは、回帰線の傾きである。
別の実施態様において、内因的に活性化された修飾FVIIIの機能的半減期は、活性化された野生型FVIIIのそれと比較して延長される。増加は、15%を超え得、例えば、少なくとも20%又は少なくとも50%であり得る。また、このような機能的半減期値は、上記に機能的半減期について説明したように、測定及び計算され得る。内因的に活性化された修飾FVIII分子の増加された半減期は、非常に低いレベルのFVIIIしか利用可能でなく従って血栓形成性でない状況において、有利であり得る。このような状況は、例えば、しばしば低い発現率しか達成され得ない遺伝子治療処置の際に、生じ得る。従って、このような安定化されたFVIII分子は、高い又は生理学的用量でタンパク質として投与される場合のこのようなFVIII分子に関連する血栓形成性の危険性にもかかわらず、例えば、遺伝子治療において有利であり得る。
本発明の別の実施態様において、本発明の修飾FVIIIは、野生型FVIIIと比較して改善されたインビボリカバリーを示し、本発明の修飾VWFは、野生型VWFと比較して改善されたインビボリカバリーを示す。インビボリカバリーは、例えば、正常な動物において、又はFVIIIノックアウトマウスのような、血友病Aの動物モデルにおいて、又はVWFノックアウトマウスのような、VWDのモデルにおいて、インビボで測定され得、ここで、対応の野生型FVIII又は野生型VWFと比較して、本発明の修飾FVIII又はVWFの増加したパーセンテージが、i.v.投与の直後(5〜10分後)の循環中における抗原又は活性アッセイによって見出されることが予想される。
インビボリカバリーは、野生型形態FVIII又は野生型VWFと比較して、少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも40%、好ましくは増加される。
本発明のさらに別の実施態様において、免疫グロブリン定常領域又はその部分が、HLEPとして使用される。好ましくは、IgGの、より好ましくはIgG1の、CH2及びCH3ドメイン並びにヒンジ領域から構成されるFc領域又はそのフラグメント若しくは変異体が使用され、変異体は、新生児Fc受容体(FcRn)への結合を増強する突然変異を含む。
本発明の別の目的は、インビボでのタンパク質分解的プロセッシング後に、未修飾FVIIIのそれに匹敵する機能的半減期を有している、長寿命のFVIII分子を提供することである。これは、例えば活性化凝固因子と接触した際にタンパク質分解的切断をもたらす修飾FVIII中のある切断部位を維持することによって達成され得、これは、HLEPからFVIIIを分離する。従って、一実施態様において、タンパク質分解的にプロセッシングされた修飾FVIIIの機能的半減期は、修飾を欠いている非修飾VWFのそれと実質的に同じであり、及び/又はそれは、野生型VWFのそれと実質的に同じである(例えば、±15%、好ましくは±10%)。
本発明のさらに別の実施態様は、VWFへの減少された結合を有するか又はVWFに全く結合しない、FVIII分子のC末端部分で、HLEP、例えばアルブミンへ融合されている、修飾FVIIIポリペプチドである。
本発明の別の目的は、インビボでのタンパク質分解的プロセッシング後に、未修飾VWFのそれに匹敵する機能的特性を有している、長寿命のVWF分子を提供することである。これは、例えば活性化凝固因子と接触した際にタンパク質分解的切断をもたらす修飾VWF中のある切断部位(下記を参照のこと)を維持するか又は挿入することによって達成され得、これは、HLEPからVWFを分離する。従って、一実施態様において、タンパク質分解的にプロセッシングされた修飾VWFの機能的半減期は、修飾を欠いている非修飾VWFのそれと実質的に同じであり、及び/又はそれは、野生型VWFのそれと実質的に同じである(例えば、±15%、好ましくは±10%)。
本発明の別の好ましい実施態様は、非修飾並びに修飾VWF単量体を含むVWF多量体を生じさせる、野生型VWF及び本発明に従う修飾VWFの同時発現である。
リンカー配列
本発明によれば、治療用ポリペプチド部分は、ペプチドリンカーによってHLEP部分へカップリングされ得る。リンカーは、非免疫原性であるべきであり、切断可能でない又は切断可能なリンカーであり得る。
切断可能でないリンカーは、WO2007/090584において例証されるように、交互のグリシン及びセリン残基から構成され得る。
本発明の別の実施態様において、FVIII及び/又はVWF部分とアルブミン部分との間のペプチドリンカーは、ヒトタンパク質中において天然インタードメインリンカーとして役立つペプチド配列からなる。好ましくは、このようなペプチド配列は、それらの自然環境において、タンパク質表面付近に配置され、免疫系へ接近でき、その結果、この配列に対する自然寛容が仮定され得る。例はWO2007/090584に提供されている。
切断可能なリンカーは、プロテアーゼによる切断を可能にするに十分にフレキシブルであるべきである。好ましい実施態様において、リンカーの切断は、融合タンパク質が修飾FVIIIである場合、融合タンパク質内のFVIIIの活性化につれて比較的速く進行する。
切断可能なリンカーは、好ましくは、以下に由来する配列を含む:
a)治療用ポリペプチドの活性化の間にタンパク質分解的に切断されるタンパク質分解的切断部位を含む場合、投与される治療用ポリペプチド自体、
b)治療用ポリペプチドの関与によって活性化又は形成されるプロテアーゼによって切断される基質ポリペプチド、
c)凝固又はフィブリン溶解に関与するポリペプチド。
より好ましい実施態様において、リンカー領域は、FVIII及び/又はVWFの配列を含み、これは、発現される融合タンパク質の新抗原性の危険性を低下させる。さらに、治療用タンパク質が、タンパク質分解的に活性化される必要があるFVIIIである場合、ペプチドリンカー切断の動態は、チモーゲンの凝固関連活性化動態をより厳密に反映する。
好ましい実施態様において、治療用ポリペプチドはFVIIIチモーゲンであり、HLEPはアルブミンである。この場合、リンカー配列は、FVIIIの活性化領域の配列に由来するか、FX又はFVIIのようなFIXの任意の基質の切断領域に由来するか、又はその活性にFIXaが関与するプロテアーゼによって切断される任意の基質ポリペプチドの切断領域に由来する。
非常に好ましい実施態様において、リンカーペプチドは、FVIII自体に由来し、それぞれ配列番号15のアミノ酸位置372、740及び1689のトロンビン切断部位を含む配列を含んでなる。別の好ましい実施態様において、リンカーペプチドは、FX、FIX、FVII又はFXIに由来する。
リンカーペプチドは、好ましくは、凝固系のプロテアーゼ、例えばFIIa、FIXa、FXa、FXIa、FXIIa及びFVIIaによって切断可能である。
前記リンカー配列は、本発明の修飾VWFにおいても使用され得る。
治療用ポリペプチド、切断可能なリンカー及びHLEPの例示的な組み合わせとしては、WO2007/090584(例えば、表2及び図4)及びWO2007/144173(例えば、表3a及び3b)に列挙される構築物が挙げられるが、これらに限定されない。
半減期増大ポリペプチド(HLEP)
「半減期増大ポリペプチド」は、本明細書において使用される場合、アルブミン、アルブミンファミリーのメンバー、免疫グロブリンGの定常領域及びその領域のフラグメント、並びに、生理学的条件下で、アルブミン、アルブミンファミリーのメンバー及び免疫グロブリン定常領域の部分へ結合することができるポリペプチドからなる群より選択される。それは、本明細書に記載の全長半減期増加タンパク質(例えば、アルブミン、アルブミンファミリーのメンバー、又は免疫グロブリンGの定常領域)、又は、凝固因子の治療活性又は生物学的活性を安定させるか又は延長することができるその1つ又はそれ以上のフラグメントであり得る。このようなフラグメントは、HLEPフラグメントが野生型FVIII又は野生型VWFと比較して少なくとも25%の機能的半減期延長を提供する限り、10又はそれ以上のアミノ酸長のものであり得るか、又は、HLEP配列からの少なくとも約15個、少なくとも約20個、少なくとも約25個、少なくとも約30個、少なくとも約50個、少なくとも約100個、又はそれ以上の連続アミノ酸を含み得るか、又は、それぞれのHLEPの特定のドメインの部分若しくは全部を含み得る。
本発明の提案される凝固因子挿入構築物のHLEP部分は、通常のHLEPの変異体であり得る。用語「変異体」は、挿入、欠失及び置換を含み、これは保存的又は非保存的であり、ここで、このような変化は、修飾FVIII又は修飾VWFの生物学的活性を与える活性部位又は活性ドメインを実質的に変化させない。
特に、本発明の提案されるFVIII HLEP又はVWF HLEP融合構築物は、HLEP及びHLEPのフラグメントの、天然の多型変異体を含み得る。HLEPは、任意の脊椎動物、特に、任意の哺乳動物、例えば、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、又はブタに由来し得る。非哺乳動物HLEPとしては、ニワトリ(hen)及びサケが挙げられるが、これらに限定されない。
HLEPとしてのアルブミン
用語、「ヒト血清アルブミン」(HSA)及び「ヒトアルブミン」(HA)及び「アルブミン」(ALB)は、本出願において交換可能に使用される。用語「アルブミン」及び「血清アルブミン」は、より広く、ヒト血清アルブミン(並びにそのフラグメント及び変異体)並びに他の種由来のアルブミン(並びにそのフラグメント及び変異体)を包含する。
本明細書において使用される場合、「アルブミン」は、アルブミンポリペプチド若しくはアミノ酸配列、又は、アルブミンの1つ又はそれ以上の機能的活性(例えば、生物学的活性)を有する、アルブミンフラグメント若しくは変異体を総称して指す。特に、「アルブミン」は、ヒトアルブミン若しくはそのフラグメント、特に、本明細書において配列番号16に示されるヒトアルブミンの成熟形態、又は、他の脊椎動物由来のアルブミン若しくはそのフラグメント、又はこれらの分子若しくはそのフラグメントのアナログ若しくは変異体を指す。
特に、本発明の提案されるFVIII融合及び/又はVWF融合構築物は、ヒトアルブミン及びヒトアルブミンのフラグメントの、天然の多型変異体を含み得る。一般的に記載すると、アルブミンフラグメント又は変異体は、少なくとも10、好ましくは少なくとも40、最も好ましくは70を超えるアミノ酸長である。アルブミン変異体は、好ましくは、以下からなり得るか又は以下を含み得る:アルブミンの少なくとも1つのドメイン全体又は該ドメインのフラグメント、例えば、ドメイン1(配列番号16のアミノ酸1−194)、2(配列番号16のアミノ酸195−387)、3(配列番号16のアミノ酸388−585)、1+2(配列番号16の1−387)、2+3(配列番号16の195−585)又は1+3(配列番号16のアミノ酸1−194+配列番号16のアミノ酸388−585)。各ドメインは、2つの相同なサブドメイン、即ち、1−105、120−194、195−291、316−387、388−491及び512−585からそれ自体構成されており、フレキシブルなインターサブドメインリンカー領域は、残基Lys106〜Glu119、Glu292〜Val315及びGlu492〜Ala511を含む。
本発明の提案されるFVIII融合及び/又はVWF融合構築物のアルブミン部分は、HAの少なくとも1つのサブドメイン若しくはドメイン又はその保存的修飾物を含み得る。
HLEPとしてのアファミン、α−フェトプロテイン及びビタミンD結合タンパク質
アルブミンに加えて、アルブミンファミリーの別のメンバーであるα−フェトプロテインが、インビボでの結合された治療用ポリペプチドの半減期を増加させるために、特許請求された(WO 2005/024044)。進化的に関連する血清輸送タンパク質である、アルブミンファミリーのタンパク質は、アルブミン、α−フェトプロテイン(AFP;Beattie & Dugaiczyk 1982. Gene 20:415-422)、アファミン(AFM;Lichenstein et al. 1994. J. Biol. Chem. 269:18149-18154)及びビタミンD結合タンパク質(DBP;Cooke & David 1985. J. Clin. Invest. 76:2420-2424)からなる。それらの遺伝子は、ヒト、マウス及びラット中の同一の染色体領域へマッピングされる構造的及び機能的類似性を有する多重遺伝子クラスターを示す。アルブミンファミリーメンバーの構造類似性は、HLEPとしてのそれらの有用性を示唆している。従って、本発明の別の目的は、このようなアルブミンファミリーメンバー、それらのフラグメント及び変異体をHLEPとして使用することである。用語「変異体」は、所望の機能が依然として存在する限り、挿入、欠失及び置換を含み、これは保存的又は非保存的である。
アルブミンファミリーメンバーは、それぞれのタンパク質AFP、AFM及びDBPの全長を含み得、又は、治療活性を安定させるか又は延長することができるその1つ又はそれ以上のフラグメントを含み得る。このようなフラグメントは、HLEPフラグメントが少なくとも25%の半減期延長を提供する限り、10又はそれ以上のアミノ酸長のものであり得るか、又は、それぞれのタンパク質配列の約15、20、25、30、50個、又はそれ以上の連続アミノ酸を含み得るか、又は、それぞれのタンパク質の特定のドメインの部分又は全部を含み得る。本発明の挿入タンパク質のアルブミンファミリーメンバーは、AFP、AFM及びDBPの、天然の多型変異体を含み得る。
HLEPとしての免疫グロブリン
免疫グロブリンG(IgG)定常領域(Fc)は、治療用タンパク質の半減期を増加させることが当技術分野において公知である(Dumont JA et al. 2006. BioDrugs 20:151-160)。重鎖のIgG定常領域は、3つのドメイン(CH1〜CH3)及びヒンジ領域からなる。免疫グロブリン配列は、任意の哺乳動物、又はサブクラスIgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4それぞれに由来し得る。IgG及び抗原結合ドメインを有さないIgGフラグメントもまた、HLEPとして使用され得る。治療用ポリペプチド部分は、切断可能でさえあり得るペプチドリンカー又は抗体のヒンジ領域を好ましくは介して、IgG又はIgGフラグメントへ連結されている。いくつかの特許及び特許出願が、治療用タンパク質のインビボ半減期を増加させるための、免疫グロブリン定常領域への治療用タンパク質の融合を記載している。US 2004/0087778及びWO 2005/001025は、Fcドメイン又は免疫グロブリン定常領域の少なくとも部分と生物学的に活性なペプチドとの融合タンパク質を記載しており、これは、そうでなければインビボで迅速に排出される、ペプチドの半減期を増加させる。増強された生物学的活性、延長された循環半減期、及びより高い溶解性を達成した、Fc−IFN−β融合タンパク質が記載された(WO 2006/000448)。延長された血清中半減期及び増加されたインビボ効力を有するFc−EPOタンパク質が開示され(WO 2005/063808)、並びに、全てが半減期増加特性を有する、G−CSF(WO 2003/076567)、グルカゴン様ペプチド−1(WO 2005/000892)、凝固因子(WO 2004/101740)及びインターロイキン−10(US 6,403,077)とのFc融合が、開示された。
ポリヌクレオチド
本発明はさらに、修飾凝固因子、好ましくは、本出願に記載されるような修飾FVIII及び/又は修飾VWF変異体をコードするポリヌクレオチドに関する。用語「ポリヌクレオチド」は、未修飾RNA若しくはDNA又は修飾RNA若しくはDNAであり得る任意のポリリボヌクレオチド又はポリデオキシリボヌクレオチドを一般的に指す。ポリヌクレオチドは、一本鎖又は二本鎖DNA、一本鎖又は二本鎖RNAであり得る。本明細書において使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」はまた、1つ又はそれ以上の修飾塩基及び/又は通常でない塩基、例えばイノシンを含む、DNA又はRNAを含む。様々な修飾が、当業者に公知の多くの有用な目的に役立つDNA及びRNAに対してなされ得ることが認識される。用語「ポリヌクレオチド」は、それが本明細書において使用される場合、ポリヌクレオチドのこのような化学的に、酵素的に又は代謝的に修飾された形態、並びに、例えば単純細胞及び複雑細胞を含む、細胞及びウイルスに特有のDNA及びRNAの化学形態を包含する。
当業者は、遺伝暗号の縮重に起因して、所定のポリペプチドが、種々のポリヌクレオチドによってコードされ得ることを理解する。これらの「変異体」は、本発明によって包含される。
好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、単離されたポリヌクレオチドである。用語「単離された」ポリヌクレオチドは、他の核酸配列、例えばこれらに限定されないが、他の染色体及び染色体外DNA及びRNAを実質的に含まないポリヌクレオチドを指す。単離されたポリヌクレオチドは、宿主細胞から精製され得る。当業者に公知の従来の核酸精製方法が、単離されたポリヌクレオチドを得るために使用され得る。前記用語はまた、組換えポリヌクレオチド及び化学合成されたポリヌクレオチドを含む。
本発明はさらに、本発明の修飾FVIII及び/又は修飾VWFを共にコードするポリヌクレオチドのグループに関する。前記グループ内の第1ポリヌクレオチドは、修飾FVIII及び/又は修飾VWFのN末端部分をコードし得、第2ポリヌクレオチドは、修飾FVIII及び/又は修飾VWFのC末端部分をコードし得る。
本発明のさらに別の局面は、本発明に従うポリヌクレオチドを含むプラスミド又はベクターである。好ましくは、プラスミド又はベクターは発現ベクターである。特定の実施態様において、ベクターは、ヒト遺伝子治療における使用のための導入ベクターである。
本発明はまた、ポリヌクレオチドの上記のグループを含むプラスミド又はベクターのグループに関する。第1プラスミド又はベクターは、前記第1ポリヌクレオチドを含有し得、第2プラスミド又はベクターは、前記第2ポリヌクレオチドを含有し得る。例として、凝固第VIII因子を参照して、シグナルペプチド、A1及びA2ドメイン、Bドメイン配列の残り並びにHLEPのコード配列が、第1発現ベクター中へクローニングされ得、A3、C1及びC2のコード配列と適切なシグナルペプチド配列とが、第2発現ベクター中へクローニングされ得る。両方の発現ベクターが、好適な宿主細胞中へ同時トランスフェクションされ、これは、本発明のFVIII分子の軽鎖及び重鎖の発現、並びに機能的タンパク質の形成をもたらす。
あるいは、FVIIIシグナルペプチド、A1及びA2ドメインのコード配列が、第1発現ベクター中へクローニングされ、HLEP、FVIII A3、C1及びC2のコード配列と適切なシグナルペプチド配列とが、第2発現ベクター中へクローニングされる。両方の発現ベクターが、好適な宿主細胞中へ同時トランスフェクションされ、これは、本発明のFVIII分子の軽鎖及び重鎖の発現、並びに機能的タンパク質の形成をもたらす。
あるいは、両方のコード配列が、両方のFVIII鎖の発現を指示するための内部リボソームエントリー部位(IRES)エレメント及び1つのプロモーター又は2つの別個のプロモーター配列を使用して、1つの発現ベクター中へクローニングされる。
本発明のさらに別の局面は、本発明のポリヌクレオチド、プラスミド若しくはベクター、又は本明細書に記載のポリヌクレオチドのグループ又はプラスミド若しくはベクターのグループを含む、宿主細胞である。
本発明の宿主細胞は、修飾された凝固因子、好ましくは、修飾FVIII分子を製造する方法において使用され得、これは、本発明の部分である。方法は、以下を含む:
(a)所望の挿入タンパク質が発現されるような条件下で本発明の宿主細胞を培養する工程;及び
(b)場合により、宿主細胞から又は培養培地から所望の挿入タンパク質を回収する工程。
本発明の修飾FVIII及び/又は修飾VWFを≧80%純度まで、より好ましくは≧95%純度まで精製することが好ましく、特に好ましいのは、コンタミ高分子、特に他のタンパク質及び核酸に関して99.9%を超えて純粋であり、かつ感染因子及び発熱因子を含まない、薬学的に純粋な状態である。好ましくは、単離された又は精製された本発明の修飾FVIII及び/又は修飾VWFは、他の無関係なポリペプチドを実質的に含まない。
本発明の様々なプロダクトは、医薬として有用である。従って、本発明は、本明細書に記載の修飾FVIII及び/又は修飾VWF、本発明のポリヌクレオチド、又は本発明のプラスミド又はベクターを含む、薬学的組成物に関する。
本発明はまた、血友病A又はBなどの血液凝固障害に苦しむ個体を治療する方法に関する。方法は、有効量の本明細書に記載のFVIII及び/又は修飾VWF又は修飾VWF、又は修飾FVIIIと非修飾VWFとの複合体、又は非修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体、又は修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体を、該個体へ投与する工程を含む。別の実施態様において、方法は、有効量の本発明のポリヌクレオチド又は本発明のプラスミド若しくはベクターを個体へ投与する工程を含む。あるいは、方法は、有効量の本明細書に記載の本発明の宿主細胞を個体へ投与する工程を含み得る。
提案される突然変異体の発現
好適な宿主細胞中においての高レベルでの組換え突然変異タンパク質の産生は、当業者に公知の方法に従って様々な発現系中において増殖され得る組換え発現ベクター中における、好適な調節エレメントと共の、有効な転写単位への上述の修飾cDNAのアセンブリを必要とする。有効な転写調節エレメントは、それらの天然宿主として動物細胞を有するウイルスに由来し得るか、又は動物細胞の染色体DNAに由来し得る。好ましくは、シミアンウイルス40、アデノウイルス、BKポリオーマウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、又はラウス肉腫ウイルスの末端反復配列由来のプロモーター−エンハンサー組み合わせ、又は、β−アクチン又はGRP78のような動物細胞中において強力に構成的に転写される遺伝子を含むプロモーター−エンハンサー組み合わせが、使用され得る。cDNAから転写されるmRNAの安定な高レベルを達成するために、転写単位は、その3’近位部に、転写終結ポリアデニル化配列をコードするDNA領域を含むべきである。好ましくは、この配列は、シミアンウイルス40初期転写領域、ウサギβ−グロビン遺伝子、又はヒト組織プラスミノゲン活性化因子遺伝子に由来する。
次いで、cDNAは、修飾FVIII及び/又はVWFタンパク質の発現のための好適な宿主細胞株のゲノム中へ組込まれる。好ましくは、この細胞株は、正しい折り畳み、ジスルフィド結合形成、アスパラギン結合グリコシル化及び他の翻訳後修飾、並びに培養培地中への分泌を確実にするために、脊椎動物起源の動物細胞株であるべきである。他の翻訳後修飾の例は、新生ポリペプチド鎖のタンパク質分解的プロセッシング及びチロシン−O−硫酸化である。使用され得る細胞株の例は、サルCOS細胞、マウスL細胞、マウスC127細胞、ハムスターBHK−21細胞、ヒト胎児腎臓293細胞、及びハムスターCHO細胞である。
対応のcDNAをコードする組換え発現ベクターが、いくつかの異なる方法で、動物細胞株中へ導入され得る。例えば、組換え発現ベクターは、種々の動物ウイルスに基づくベクターから作製され得る。これらの例は、バキュロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、好ましくはウシパピローマウイルスに基づくベクターである。
対応するDNAをコードする転写単位はまた、組換えDNAをそれらのゲノムに組込んだ特定の細胞クローンの単離を容易にするために、これらの細胞において優性選択マーカーとして機能し得る別の組換え遺伝子と共に動物細胞に導入され得る。このタイプの優性選択マーカー遺伝子の例は、ジェネティシン(G418)に対する耐性を付与するTn5アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、ハイグロマイシンに対する耐性を付与するハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、及びピューロマイシンに対する耐性を付与するピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼである。このような選択マーカーをコードする組換え発現ベクターは、所望のタンパク質のcDNAをコードするベクターと同一のベクターにあり得、又はそれは、宿主細胞のゲノムへ同時に導入されて組込まれる別個のベクターにコードされ得、異なる転写単位間で堅い物理的結合がしばしば形成される。
所望のタンパク質のcDNAと共に使用され得る他のタイプの選択マーカー遺伝子は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dhfr)をコードする様々な転写単位に基づく。内因性dhfr活性を欠く細胞、好ましくはCHO細胞(DUKX−B11、DG−44)へのこのタイプの遺伝子の導入後、ヌクレオシドを欠く培地においてこれらが増殖することが可能になる。このような培地の例は、ヒポキサンチン、チミジン、及びグリシンを含まないHam F12である。これらのdhfr遺伝子は、同一のベクター上で連結されて又は異なるベクター上において、FVIII cDNA転写単位と共に上記タイプのCHO細胞中へ導入され得、これによって、組換えタンパク質を産生するdhfr陽性細胞株が作製され得る。
上記細胞株を細胞毒性のdhfr阻害剤であるメトトレキサートの存在下で増殖させると、メトトレキサートに耐性の新たな細胞株が出現する。これらの細胞株は、連結されたdhfr及び所望タンパク質の転写単位の数の増加に起因して、増加した率で組換えタンパク質を産生し得る。これらの細胞株を漸増濃度のメトトレキサート(1〜10000nM)下で増殖させると、所望のタンパク質を非常に高い率で産生する新規細胞株を得ることができる。
所望のタンパク質を産生する上記細胞株は、懸濁培養物又は様々な固体支持体のいずれにおいても大規模に増殖され得る。これらの支持体の例は、デキストラン若しくはコラーゲンマトリクスに基づくマイクロキャリア、又は中空繊維若しくは様々なセラミック材料の形態の固体支持体である。細胞懸濁培養又はマイクロキャリア下で増殖させる場合、上記細胞株の培養は、浴培養として又は長期間にわたって条件培地を連続的に生成する灌流培養のいずれかとして行うことができる。従って、本発明によれば、上記細胞株は、所望の組換え突然変異タンパク質の製造のための工業的プロセスの開発に十分適している。
精製及び処方
上記タイプの分泌細胞の培地に蓄積する組換え修飾FVIII及び/又は組換え修飾VWFタンパク質は、所望のタンパク質と細胞培養培地中の他の物質との間の、サイズ、電荷、疎水性、溶解性、特異的親和性等の差を利用する方法を含む、様々な生化学的方法及びクロマトグラフィー法によって、濃縮及び精製され得る。
このような精製の例は、固体支持体上に固定されている、例えばHLEP、好ましくはヒトアルブミンに対する、又はそれぞれの凝固因子に対する、モノクローナル抗体への組換え突然変異タンパク質の吸着である。支持体への修飾FVIII及び/又は修飾VWFの吸着、洗浄及び脱着後に、タンパク質は、上記特性に基づく様々なクロマトグラフィー技術によってさらに精製され得る。精製工程の順序は、例えば、該工程の能力若しくは選択性、支持体の安定性、又は他の局面に応じて、選択される。好ましい精製工程は、例えば、イオン交換クロマトグラフィー工程、免疫アフィニティークロマトグラフィー工程、アフィニティークロマトグラフィー工程、疎水性相互作用クロマトグラフィー工程、色素クロマトグラフィー工程、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー工程、マルチモードクロマトグラフィー工程、及びサイズ排除クロマトグラフィー工程であるが、これらに限定されない。
ウイルス汚染の理論上の危険性を最小限にするために、ウイルスの有効な不活性化又は除去を可能にする追加の工程が、プロセスに含まれ得る。このような工程は、例えば、液体又は固体状態での熱処理、溶媒及び/又は界面活性剤での処理、可視スペクトル又はUVスペクトルでの照射、ガンマ線照射、又はナノ濾過である。
本発明の修飾ポリヌクレオチド(例えば、DNA)はまた、ヒト遺伝子治療における使用のための導入ベクター中へ組込まれ得る。
本明細書に記載の様々な実施態様は、互いに組み合わせられ得る。本発明は、その下記の実施例においてより詳細にさらに説明される。本発明の特定の実施態様のこの説明は、添付の図面と併せてなされる。
本発明に記載される修飾FVIII及び/又は修飾VWFは、治療用途の薬学的調製物に処方され得る。精製されたタンパク質は、薬学的調製物を提供するために場合により薬学的賦形剤が添加され得る従来の生理学的に適合する緩衝水溶液に溶解され得る。
このような薬学的担体及び賦形剤並びに好適な薬学的製剤は、当該分野で周知である(例えば、“Pharmaceutical Formulation Development of Peptides and Proteins”, Frokjaer et al., Taylor & Francis (2000) 又は“Handbook of Pharmaceutical Excipients”, 3rd edition, Kibbe et al., Pharmaceutical Press (2000)を参照のこと)。特に、本発明のポリペプチド変異体を含む薬学的組成物は、凍結乾燥形態又は安定な液体形態で処方され得る。ポリペプチド変異体は、当技術分野で公知の様々な手順により凍結乾燥され得る。凍結乾燥製剤は、1つ又はそれ以上の薬学的に許容される希釈剤、例えば注射用滅菌水又は滅菌生理食塩水の添加によって使用前に再構成される。
組成物の製剤は、任意の薬学的に好適な投与手段によって個体へ送達される。様々な送達システムが公知であり、任意の従来の経路によって組成物を投与するために使用され得る。好ましくは、本発明の組成物は全身投与される。全身使用のために、本発明の挿入タンパク質は、従来方法に従う非経口的(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、脳内、肺内、鼻腔内、若しくは経皮的)又は経腸的(例えば、経口、経膣、又は直腸)送達用に処方される。最も好ましい投与経路は静脈内投与及び皮下投与である。製剤は、連続的に注入により又はボーラス注射により投与され得る。一部の製剤は徐放系を包含する。
本発明の挿入タンパク質は、治療有効量で患者へ投与され、治療有効量は、許容できない有害な副作用を生じさせる用量に達することなく、処置される状態又は適応症の重症度又は拡散を減らすかまたはこれを予防する、所望の効果を生じさせるに十分である量を意味する。正確な用量は、多くの因子、例えば、適応症、製剤、投与様式に依存し、個々の適応症についての前臨床及び臨床試験において決定されなければならない。
本発明の薬学的組成物は、単独で又は他の治療剤と組み合わせて投与され得る。これらの薬剤は、同一の医薬品の一部として組み入れられ得る。このような薬剤の一例は、修飾FVIIIと非修飾VWFとの組み合わせ、又は非修飾FVIIIと修飾VWFとの組み合わせ、又は修飾FVIIIと修飾VWFとの組み合わせである。
実施例1:C末端アルブミン融合を有するFVIII分子用の発現ベクターの作製
その多重クローニング部位に全長FVIII cDNA配列を含むpIRESpuro3(BD Biosciences)に基づく発現プラスミド(pF8−FL)を、Bドメイン欠失FVIIIを作出するために先ず使用した。そのために、オリゴヌクレオチドF8−1及びF8−2(配列番号1及び2)を、テンプレートとしてpF8−FLを使用して標準プロトコル(QuickChange XL部位特異的突然変異誘発キット、Stratagene, La Jolla, CA, USA)に従う部位特異的突然変異誘発実験において使用し、Bドメインを欠失させた。第2工程において、アミノ酸配列RRGRをコードする配列を、A2ドメインのR740とa3ドメインのR1648とを連結するために導入した。これを、プライマーF8−3及びF8−4(配列番号3及び4)を使用しての別のラウンドの部位特異的突然変異誘発において行った。得られたプラスミドをpF8−457と命名した。FVIIIアルブミン融合構築物を段階的に作製した。先ず、PinAI切断部位をVIII 3’末端に導入した。そのために、テンプレートとしてpF8−457を使用し、PCRプライマーWe2827及びWe2828(配列番号5及び6)を使用して、PCRフラグメントを作製し、これを、続いて(subsquently)ゲル精製し、制限エンドヌクレアーゼBspE1及びNotIによって切断し、BspE1及びNotIによって予め消化したpF8−457にライゲーションした。得られたプラスミド(pF8−1433)を、次いで酵素PinAI及びNotIで切断し、プライマーWe 2829及びWe 2830(配列番号7及び8)を使用してヒトアルブミンcDNA含有プラスミドに対するPCRによって得られ続いて酵素PinAI及びNotIで消化したフラグメントを挿入した。得られた発現プラスミド(pF8−1434)は、Bドメイン欠失FVIIIについてのコード配列、続いてリンカー(アミノ酸配列ThrGlyをコードする)を挿入するためのPinAI部位、及びヒトアルブミンについてのコード配列を含んだ。pF8−1434によってコードされるアミノ酸配列を、配列番号9として示す。
次いで、FVIII部分とアルブミン部分とを分離するリンカー配列を、上述の新たに作出したPinAI部位中に容易に挿入することができた。2つのリンカー配列の挿入を以下に説明する。さらに、pF8−1434に基づいて、TGリンカーを、完成において欠失させることができ、FVIIIのC末端又はアルブミンのN末端への欠失でさえ、部位特異的突然変異誘発を使用して行われ得る。
FVIIIトロンビン切断部位由来の切断可能なリンカーの挿入:先ず、位置372でトロンビン切断部位をコードする配列を含むPCRフラグメントを、プライマーWe2979及びWe2980(配列番号10及び11)並びにテンプレートとしてpF8−457を使用することによって、PCRによって作製した。このフラグメントを、精製し、PinAIで消化し、PinAI消化したpF8−1434中にライゲーションした。配列決定によって、フラグメントの正しい方向の挿入を確認し、得られたプラスミドをpF8−1563と命名した。
フレキシブルなグリシン/セリンリンカーの挿入:31アミノ酸グリシン/セリンリンカーのコード配列を含むPCRフラグメントを、プライマーWe2991及びWe2992(配列番号12及び13)を使用して、WO2007/090584に記載されるpFVII−937からPCRによって増幅した。次いで、このフラグメントを、精製し、制限エンドヌクレアーゼPinAIによって消化し、PinAI消化したpF8−1434中にライゲーションした。配列決定によって、フラグメントの正しい方向の挿入を確認し、得られたプラスミドをpF8−1568と命名した。
上述のプラスミド及びプロトコルを使用し、当業者に公知の分子生物学技術を(そして例えば、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel FM et al. (eds.) John Wiley & Sons, Inc.; http://www.currentprotocols.com/WileyCDA/に記載されるように)適用することによって、アルブミンを別のHLEPによって置き換えるために、又は記載のPinAI部位中に任意の他のリンカーを挿入するために、当業者は他の構築物を作製し得る。pIRESneo3(Invitrogen)及びpEE12.4(Lonza)のような適したベクター中へのFVIII/アルブミンcDNAの導入によって、CHO細胞で発現させ、それぞれのFVIIIアルブミン融合タンパク質を発現するクローンを選択することが可能になった。
実施例2:FVIII及びVWFタンパク質のトランスフェクション及び発現
発現プラスミドを大腸菌TOP10(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)において増殖させ、標準プロトコル(Qiagen, Hilden, Germany)を使用して精製した。HEK−293(Invitrogen)細胞に、リポフェクトアミン2000試薬(Invitrogen)を使用してトランスフェクションし、これを、4μg/mlピューロマイシン及び場合により0.5 IU/ml VWFの存在下で無血清培地(Invitrogen 293 Express)で増殖させた。CHO細胞(CHO−S、Invitrogen;CHOK1SV、Lonza)に、リポフェクトアミン2000試薬(Invitrogen)を使用してトランスフェクションし、これを、500−1000μg/mlジェネティシン(CHO−Sのみ)の存在下で無血清培地(CHO−SについてはInvitrogen CD CHO、6mMグルタミン、CHOK1SVについてはCD−CHO)で増殖させた。FVIII発現の、場合により0.5 IU/ml VWFを添加した。vWF発現について、WO2007/144173に記載されるようなPACE/フリンをコードする発現プラスミド(pFu−797)を、共トランスフェクションした(cotransfected)。別の実験において、VWF野生型及びC末端でアルブミンに融合したVWFをコードする2つのプラスミドを、pFu−797と共に共トランスフェクションし、野生型VWF単量体及びアルブミン融合VWF単量体を有するVWF多量体を得た(図3を参照のこと)。トランスフェクションされた細胞集団を、Tフラスコを通してローラーボトル又は小規模発酵槽に広げ、ここから、上清を精製のために採取した。
表2に、実施例1に記載の構築物のHEK−293発現データを掲載する。
Figure 2011525363
実施例3:FVIIIアルブミン融合タンパク質の増大した発現率
図1は、無血清細胞培養物中のFVIIIアルブミン融合タンパク質の発現研究の結果を要約する。HEK−293細胞に、それぞれ、pF8−1434(FVIII C末端アルブミン融合)及びpF8−457(FVIII野生型)を三つ組で(in triplicate)トランスフェクションし、等しい細胞数でT80フラスコ内に播種し、安定化するVWFの非存在下で増殖させた。次いで、培養上清を、96、120及び144時間後に採取し、FVIII活性についてテストした。
その結果、細胞培養でFVIII分子の一体化部分として存在する場合のアルブミン部分の発現増強効果が実証された。従って、野生型FVIIIと比較して、融合タンパク質の場合に、生産性が明らかに改善された(図1)。
実施例4:FVIIIタンパク質の精製
FVIII分子を含有する発現上清に、十分な量の免疫アフィニティー樹脂を添加し、ほぼ完全にFVIII活性を結合させた。支持体として使用したSephacryl S1000樹脂に適切な抗FVIII MAbを共有結合させることによって、免疫アフィニティー樹脂を調製した。樹脂の洗浄後、それをクロマトグラフィーカラムに充填し、再び洗浄した。250mM CaCl2及び50%エチレングリコールを含有する緩衝液を使用して、溶離を行った。
FVIII:C活性を含む免疫アフィニティークロマトグラフィー(IAC)フラクションをプールし、フォーミュレーション緩衝液(添加剤:塩化ナトリウム、スクロース、ヒスチジン、塩化カルシウム、及びTween 80)に対して透析し、濃縮した。サンプルを、凍結状態で保存したか、又は適切な凍結乾燥サイクルを使用して凍結乾燥した。
あるいは、FVIII含有細胞培養上清を、先ずイオン交換クロマトグラフィーによって続いて免疫アフィニティークロマトグラフィー(IAC)を使用するさらなる精製によって、濃縮/精製する。この場合、イオン交換クロマトグラフィーの溶離液を、上述の樹脂を使用するIACカラム上にロードする。
実施例5:FVIII活性及び抗原の分析
インビトロでのFVIII:Cの活性測定のために、凝固アッセイ(例えば、Dade Behring, Germanyによって配送されたPathromtin SL試薬及びFVIII欠乏血漿)又は発色アッセイ(例えば、Haemochromによって配送されたCoamatic FVIII:Cアッセイ)を使用した。製造業者の指示に従って、アッセイを行った。
そのパフォーマンスが当業者に公知であるELISAによって、FVIII抗原(FVIII:Ag)を測定した。簡単に記載すると、マイクロプレートを、周囲温度で2時間、1ウェル当たり100μLの捕捉抗体(ヒツジ抗ヒトFVIII IgG、Cedarlane CL20035K−C、緩衝液A[Sigma C3041]に1:200希釈)と共にインキュベートした。プレートを緩衝液B(Sigma P3563)で3回洗浄した後、サンプル希釈緩衝液(Cedarlane)中のテストサンプルの連続希釈物及びサンプル希釈緩衝液中のFVIII調製物(CSL Behring;200−2mU/mL)の連続希釈物を(1ウェル当たりの体積:100μL)、周囲温度で2時間インキュベートした。緩衝液Bでの3回の洗浄工程後、検出抗体(ヒツジ抗ヒトFVIII IgG、Cedarlane CL20035K−D、ペルオキシダーゼ標識化)の緩衝液B中の1:2希釈物100μLを、各ウェルへ添加し、周囲温度でさらに1時間インキュベートした。緩衝液Bでの3回の洗浄工程後、1ウェル当たり基質溶液100μL(1:10 (v/v) TMB OUVF:TMB緩衝液OUVG、Dade Behring)を添加し、暗所にて周囲温度で30分間インキュベートした。停止液100μL(Dade Behring, OSFA)を添加することによって、450nm波長で適したマイクロプレートリーダーでの読み取りのためのサンプルを調製した。次いで、テストサンプルの濃度を、参照としてFVIII調製物を用いての標準曲線を使用して計算した。
実施例6:単回i.v.注射後のVWF koマウスにおけるFVIII−FPの薬物動態の評価
FVIII野生型(DNA 457)及びC末端FVIII−FP(DNA 1656)の薬物動態を比較するために、両方のFVIII変異体をマウスに静脈内投与した。VWF koマウス株(Denis C. et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1998, Vol 95, 9524-9529)を選択し、何故ならば、他の機能の中で、VWFは、FVIIIについての担体及び安定化タンパク質として機能し、それによって、例えばプロテアーゼによる、早期分解から、及び循環からの早期排出から、FVIIIを保護するためである。VWFへの結合の減少をもたらすC末端領域における突然変異によって引き起こされる血友病Aの症例によって例証されるように、未修飾FVIIIにとって、VWFとの乱されていない相互作用が必須である。しかし、修飾FVIIIの場合は、このような結合は、改善された薬物動態を検査又は達成するために、不必要でさえあり得る。従って、両方のプロダクトを、2つの群のマウスへボーラスで100 U (FVIII:Ag)/kgの用量でi.v.注射した(表3)。テスト物質の投与後5分から開始して最大24時間まで、適切な間隔で、血液を眼窩後からサンプリングした。1血液サンプル/マウスを採取し、血漿に処理し、分析まで−20℃にて凍結状態で保存した。ヒトFVIIIについて特異的なELISAアッセイを使用することによって、又はヒトアルブミン及びFVIIIそれぞれに特異的な混合ELISAによって、ヒトFVIII:Ag濃度を定量した。プールした各時点についての、サンプルの平均血漿中濃度を、薬物動態パラメータの計算のために使用した。半減期を、式t1/2=ln2/kに従って消失のβ相の時点を使用して計算し、式中、kは、回帰線の傾きである。結果を図2に示す。驚いたことに、FVIII−FP 1656(t1/2=3.06時間、5〜960分の間)は、FVIII野生型(t1/2=0.8時間、5〜240分の間)と比較して、約3〜4倍長いターミナル(terminal)半減期を有した。さらに、FVIII−FP 1656のリカバリーは、野生型FVIIIと比較して約20%増加した(表4)。
Figure 2011525363
Figure 2011525363
実施例7:VWF野生型及びVWFアルブミン融合タンパク質についての発現ベクターの作製
その多重クローニング部位に全長VWF cDNA配列を含む発現プラスミドを、先ず作製した。そのために、VWF cDNAを含むプラスミド(市販される、例えば、ATCC, No. 67122由来のpMT2−VWF)から、当業者に公知の標準条件下で(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel FM et al. (eds.) John Wiley & Sons, Inc.;http://www.currentprotocols.com/WileyCDA/に記載されるように)プライマーセットVWF+及びVWF−(配列番号17及び18)を使用する、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、VWFのコード配列を増幅した。得られたPCRフラグメントを、制限エンドヌクレアーゼEcoRIで消化し、EcoRIによって線状化されている発現ベクターpIRESpuro3(BD Biosciences, Franklin Lakes, NJ, USA)中にライゲーションした。CMVプロモーターの下流にVWFの野生型cDNAを含む得られた発現プラスミドを、pVWF−1570と命名した。
31アミノ酸グリシン/セリンリンカーのコード配列及びヒトアルブミンcDNAを含むPCRフラグメントを、プライマーWe2994及びWe1335(配列番号19及び20)を使用してWO2007/090584に記載されるpFVII−937から増幅した。次いで、このPCRフラグメントを、制限エンドヌクレアーゼNotIによって消化し、NotI消化したpVWF−1570中にライゲーションした。VWF wt、リンカー配列及びヒトアルブミンのコード配列を含む得られたプラスミドを、pVWF−1574と命名した。
融合タンパク質の発現を行なうために、VWF及びリンカー配列の間で、いくつかの塩基を欠失させなければならなかった。これを、オリゴヌクレオチドWe2995及びWe2996(配列番号21及び22)を使用して標準プロトコル(QuickChange XL部位特異的突然変異誘発キット、Stratagene, La Jolla, CA, USA)に従って部位特異的突然変異誘発によって行った。pVWF−1572と命名した得られた発現プラスミドは、31アミノ酸グリシン/セリンリンカー及びヒトアルブミンのそれと共にインフレームでVWFのコード配列を含んだ。発現したrVWF−FPのアミノ酸配列を配列番号25として記載する。ヒトVWFプレプロタンパク質のアミノ酸配列を配列番号24として記載する。
上述のプラスミド及びプロトコルを使用し、当業者に公知の(例えば、同書のCurrent Protocols in Molecular Biologyに記載されるような)分子生物学技術を適用することによって、アルブミン配列を別のHLEPによって又はリンカー配列を別のリンカー配列によって置き換えるために、当業者は、他の構築物を作製し得る。
実施例8:VWF及びVWFアルブミン融合タンパク質の精製
VWF野生型(rVWF wt)又はVWFアルブミン融合タンパク質(rVWF−FP)を含有する細胞培養上清を、0.2μmフィルターを通して滅菌濾過し、平衡緩衝液(EB;10mM Tris−HCl、10mM CaCl2、pH 7.0)に対して透析した。次いで、この物質を、EBで平衡化したHeparin Fractogelカラムに適用した。カラムをEBで洗浄し、VWFタンパク質を、EB中500mM NaClで溶離した。溶離ピークを濃縮し、FB緩衝液(3g/L塩化ナトリウム、20g/Lグリシン、5.5g/Lクエン酸三ナトリウム二水和物、pH 7.0)に対して透析した。最後に、物質を滅菌濾過し、アリコートで凍結した。必要に応じて、アニオン及び/又はカチオン交換クロマトグラフィー、HIC及びSECを含む、さらなる精製工程を適用した。
実施例9:VWF活性及び抗原の分析
製造業者によって説明されるように、VWF:Agの免疫比濁測定(OPAB03、Siemens Healthcare Diagnostics, Marburg, Germany)によって、及びコラーゲン結合(Technozym VWF:CBA ELISA、Ref. 5450301、及びキャリブレーターセット5450310及びコントロールセット5450312、Technoclone, Vienna, Austria)について、サンプルを分析した。
VWF:RCo試験を、製造業者の説明に従って、Siemens Healthcare Diagnostics, Marburg, GermanyのBC VWF試薬を使用して行った。International Concentrate Standardを一次標準調製品として使用し、毎日の使用のためにインハウス標準調製品を較正した。
テストした種々の構築物についてこのパラメータを比較するために、VWF:RCoアッセイ及びVWF:Agアッセイの比率を計算する。図3に示されるように、VWF:RCo/VWF:Ag比率は、wt rVWF及びC末端rVWF−アルブミン融合タンパク質と同等であった。
薬物動態分析のために、そのパフォーマンスが当業者に公知であるELISAによって、VWF抗原を測定した。簡単に記載すると、マイクロプレートを、周囲温度で一晩、緩衝液A([Sigma C3041, Sigma−Aldrich, Munich, Germany]に1:2000希釈)で希釈した、1ウェル当たり100μLの捕捉抗体(ウサギ抗ヒトVWF−IgG、Dako A0082[Dako, Hamburg, Germany])と共にインキュベートした。プレートを緩衝液B(Sigma P3563)で3回洗浄した後、各ウェルを、周囲温度で1.5時間、200μL緩衝液C(Sigma P3688)と共にインキュベートした(ブロッキング)。緩衝液Bでの別の3回の洗浄工程後、緩衝液B中のテストサンプルの連続希釈物、及び緩衝液B中の標準ヒト血漿(ORKL21;20−0.2 mU/mL;Siemens Healthcare Diagnostics, Marburg, Germany)の連続希釈物を(1ウェル当たりの体積:100μL)、周囲温度で1.5時間インキュベートした。緩衝液Bでの3回の洗浄工程後、検出抗体(ウサギ抗ヒトVWF−IgG、Dako P0226、ペルオキシダーゼ標識化)の緩衝液B中の1:16000希釈物100μLを、各ウェルに添加し、周囲温度で1時間インキュベートした。緩衝液Bでの3回の洗浄工程後、1ウェル当たり基質溶液100μL(OUVF、Siemens Healthcare Diagnostics)を添加し、暗所にて周囲温度で30分間インキュベートした。希釈されていない停止液100μL(OSFA、Siemens Healthcare Diagnostics)を添加することによって、450nm波長での適したマイクロプレートリーダーでの読み取りのためのサンプルを調製した。次いで、テストサンプルの濃度を、参照としてFVIII調製物を用いての標準曲線を使用して計算した。次いで、テストサンプルの濃度を、参照として標準ヒト血漿を用いての標準曲線を使用して計算した。
実施例10:VWF及びVWFアルブミン融合タンパク質の多量体分析
僅かな改変を備えた、最近記載されたような(Tatewaki et al.,. Thromb. Res. 52: 23-32 (1988)、及びMetzner et al., Haemophilia 4 (Suppl. 3): 25-32 (1998))SDSアガロースゲル電気泳動によって、VWF多量体分析を行った。簡単に記載すると、ランニング緩衝液中において平衡化した後、レディー・トゥー・ユース1%アガロースミニゲル(BioRad)を使用し、できる限り方法を標準化した。同等の量のVWF抗原を、SDSアガロースゲル上での電気泳動に付した。ウエスタンブロッティング後、VWFタンパク質バンドを、抗VWF抗体(DAKO、製品番号0854)又は抗アルブミン抗体、続いてアルカリホスファターゼ標識抗IgG抗体(SIGMA、製品番号1305)を使用して検出し、呈色反応をデンシトメトリーによって定量した。
野生型rVWF(1570/797)及びrVWF−FP(1572/797)を使用し、ウエスタンブロッティング、及び抗アルブミン抗体又は抗VWF抗体を使用しての検出によって、rVWF−FPが、抗アルブミン抗体及び抗VWF抗体の両方によって検出される規則的な多量体分布を形成することを実証することができた(図4)。これによって、多量体VWFのいずれのサブユニットもアルブミンを含有するが、規則的なVWF多量体パターンを形成することが確認される。アルブミン部分は、VWF分子のN末端二量体化もC末端多量体化も明らかに阻害しない。
実施例11:単回i.v.注射後のラット中におけるVWF及びVWFアルブミン融合タンパク質の薬物動態の評価
rVWF−FP及びrVWF wtを、合計4匹のCDラットの各々に静脈内投与した。用量は、4mL/kgの注射体積で、100 U (VWF:Ag)/kg体重であった。交互のサンプリングスキームを使用して、テスト物質の投与後5分から開始して、適切な間隔で、血液サンプルを眼窩後から採取し、2匹の動物/時点からのサンプルを得た(サブセット番号1についてt=0、5、30、90分、4時間、1日、サブセット番号2について0、15分、1、2、8時間及び2日)。定量しようとする血漿中濃度に対する血液サンプリングの可能性のある効果を最小限にするように、スキームを設計した。血液を血漿に処理し、分析まで極低温での凍結状態で保存した。続いて、血漿中のVWF:Ag濃度を、実施例9に記載したようにELISAによって定量した。平均血漿中濃度を、薬物動態パラメータの計算のために使用した。半減期を、式t1/2=ln2/k(式中、kは、回帰線の傾きである)に従って消失のβ相の時点を使用して計算した。
結果を図5に記載する(n=2/時点;平均値)。ターミナル半減期は、rVWF−FPについて32.4分、rVWF wtについて2.6分であると計算された。rVWF wtについての16.1%と比較して、rVWF−FPについては42.1%であり、リカバリーもまた改善された。

Claims (29)

  1. 第VIII因子(FVIII)及びフォン・ヴィレブランド因子(VWF)を含む複合体の少なくとも1つのポリペプチド成分又はその個々の成分のうちの少なくとも1つが、その一次翻訳産物のC末端部分で半減期増大ポリペプチド(HLEP)のN末端部分に融合される、上記複合体、又はその個々のポリペプチド成分のうちの1つ。
  2. 修飾FVIIIが、FVIIIの一次翻訳ポリペプチドのC末端部分でHLEPのN末端部分に融合されるか、又は修飾VWFが、VWFの一次翻訳ポリペプチドのC末端部分でHLEPのN末端部分アシッドに融合される、修飾FVIII、又は修飾VWF(modified von VWF)、又は修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体、又は非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体、又は修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体。
  3. a.修飾FVIIIが、野生型FVIIIの機能的半減期と比較して延長された機能的半減期を有するか、又は
    b.修飾VWFが、野生型VWFの機能的半減期と比較して延長された機能的半減期を有するか、又は
    c.修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体の機能的半減期と比較して延長された機能的半減期を有するか、又は
    d.非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体の機能的半減期と比較して延長された機能的半減期を有するか、又は
    e.修飾FVIIIと修飾VWFとの複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体の機能的半減期と比較して延長された機能的半減期を有する、
    請求項1又は2に記載の修飾FVIII、又は修飾VWF、又は修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体、又は非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体、又は修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体。
  4. 前記一つの修飾ポリペプチドが、対応の野生型ポリペプチドの機能的半減期と比較して少なくとも25%増加した機能的半減期を有するか、又は一つの該修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体と比較して少なくとも25%増加した機能的半減期を有する、請求項3に記載の修飾ポリペプチド、又は一つの該修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体。
  5. a.修飾FVIIIが、野生型FVIIIの抗原半減期と比較して延長された抗原半減期を有するか、又は
    b.修飾VWFが、野生型VWFの抗原半減期と比較して延長された抗原半減期を有するか、又は
    c.修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体の抗原半減期と比較して延長された抗原半減期を有するか、又は
    d.非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体の抗原半減期と比較して延長された抗原半減期を有するか、又は
    e.修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体の抗原半減期と比較して延長された抗原半減期を有する、
    請求項1又は2に記載の修飾FVIII、又は修飾VWF、又は修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体、又は非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体、又は修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体。
  6. 前記一つの修飾ポリペプチドが、対応の野生型ポリペプチドの抗原半減期と比較して少なくとも25%増加した抗原半減期を有するか、又は一つの該修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体と比較して少なくとも25%増加した抗原半減期を有する、請求項5に記載の修飾ポリペプチド、又は一つの該修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体。
  7. a.修飾FVIIIが、野生型FVIIIのインビボリカバリーと比較して増加したインビボリカバリーを有するか、又は
    b.修飾VWFが、野生型VWFのインビボリカバリーと比較して増加したインビボリカバリーを有するか、又は
    c.修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体のインビボリカバリーと比較して増加したインビボリカバリーを有するか、又は
    d.非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体のインビボリカバリーと比較して増加したインビボリカバリーを有するか、又は
    e.修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFを含む対応の複合体のインビボリカバリーと比較して増加したインビボリカバリーを有する、
    請求項1又は2に記載の修飾FVIII、又は修飾VWF、又は修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体、又は非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体、又は修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体。
  8. 前記一つの修飾ポリペプチドが、対応の野生型ポリペプチドのインビボリカバリーと比較して少なくとも10%増加したインビボリカバリーを有するか、又は該一つの修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体と比較して少なくとも10%増加したインビボリカバリーを有する、請求項7に記載の修飾ポリペプチド、又は一つの該修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体。
  9. 複合体の少なくとも1つのポリペプチド成分が、その一次翻訳産物のC末端アミノ酸でHLEPのN末端部分に融合されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の修飾ポリペプチド、又は該一つの修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体。
  10. 複合体の少なくとも1つのポリペプチド成分が、その一次翻訳産物のC末端部分でHLEPのN末端アミノ酸に融合される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の修飾ポリペプチド、又は該一つの修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体。
  11. 複合体の少なくとも1つのポリペプチド成分が、その一次翻訳産物のC末端アミノ酸でHLEPのN末端アミノ酸に融合されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の修飾ポリペプチド、又は該一つの修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体。
  12. 修飾ポリペプチドが、野生型ポリペプチドの生物学的活性の少なくとも10%を有するか、又は該一つの修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体が、野生型FVIII及び野生型VWFの対応の複合体の生物学的活性の少なくとも10%を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の修飾ポリペプチド、又は該一つの修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体。
  13. HLEPが、アルブミンファミリータンパク質及び免疫グロブリンの定常領域からなる群より選択される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の修飾ポリペプチド、又は該一つの修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体。
  14. HLEPがアルブミン又はそのフラグメントである、請求項13に記載の修飾ポリペプチド、又は該一つの修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体。
  15. 組換え修飾FVIIIが野生型FVIIIよりも高い収率で哺乳動物細胞から分泌される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組換え修飾FVIII。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のポリペプチド又は該一つの修飾ポリペプチドを含む複合体若しくは複数の該修飾ポリペプチドを含む複合体をコードする、一つのポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドのグループ。
  17. プラスミド、又はベクターのグループが請求項16に記載のポリヌクレオチドのグループを含む、請求項16に記載の一つのポリヌクレオチドを含むプラスミド若しくはベクター、又はプラスミド若しくはベクターのグループ。
  18. 一つ若しくは複数のプラスミド又は一つ若しくは複数のベクターが一つ若しくは複数の発現ベクターである、請求項17に記載のプラスミド若しくはベクター、又はプラスミド若しくはベクターのグループ。
  19. ヒト遺伝子治療における使用のための導入ベクターである、請求項17に記載のベクター、又はベクターのグループ。
  20. 請求項16に記載のポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドのグループ、又は請求項17〜19のいずれか1項に記載のプラスミド若しくはベクター又はプラスミド若しくはベクターのグループを含む、宿主細胞。
  21. (a)修飾VWFが発現されるような条件下で請求項20に記載の宿主細胞を培養する工程;及び
    (b)場合により、宿主細胞から又は培養培地から修飾VWFを回収する工程
    を含む、修飾VWFの製造方法。
  22. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のポリペプチド又は該修飾ポリペプチドを含む複合体、請求項16に記載のポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドのグループ、又は請求項17〜19のいずれか1項に記載のプラスミド若しくはベクター又はプラスミド若しくはベクターのグループを含む、薬学的組成物。
  23. 血液凝固障害の治療又は予防用の医薬の製造のための、請求項1〜15のいずれか1項に記載のポリペプチド又は該修飾ポリペプチドを含む複合体、請求項16に記載のポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドのグループ、又は請求項17〜19のいずれか1項に記載のプラスミド若しくはベクター又はプラスミド若しくはベクターのグループ、又は請求項20に記載の宿主細胞の使用。
  24. 血液凝固障害が血友病Aである、請求項23に記載の使用。
  25. 血液凝固障害がフォン・ヴィレブランド病である、請求項23に記載の使用。
  26. 治療がヒト遺伝子治療を含む、請求項23〜25のいずれか1項に記載の使用。
  27. 半減期増大ポリペプチドのN末端部分を、FVIIIの一次翻訳ポリペプチドのC末端部分に、又はVWFの一次翻訳ポリペプチドのC末端部分に融合する工程を含む、増大した機能的半減期を有する修飾FVIII又は修飾VWFを製造する方法。
  28. 請求項27に記載の方法によって製造された修飾FVIIIと野生型VWFとを混合する工程による、又は野生型FVIIIと請求項27に記載の方法によって製造された修飾VWFとを混合する工程による、又は請求項27に記載の方法によって製造された修飾FVIII及び修飾VWFを混合することによる、修飾FVIII及び非修飾VWFを含む複合体、又は非修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体、又は修飾FVIII及び修飾VWFを含む複合体を調製する方法。
  29. 出血性障害の治療における、好ましくは血友病A及び/又はフォン・ヴィレブランド病の治療における、同時の、別々の又は逐次的な使用のための組み合わせ薬学的製剤の製造のための、
    a.請求項27に記載の方法によって製造された修飾FVIII及び野生型VWF、又は
    b.野生型FVIII及び請求項27に記載の方法によって製造された修飾VWF、又は
    c.請求項27に記載の方法によって製造された修飾FVIII及び請求項27に記載の方法によって製造された修飾VWF
    の使用。
JP2011515200A 2008-06-24 2009-06-24 延長されたインビボ半減期を有する第viii因子、フォン・ヴィレブランド因子又はそれらの複合体 Expired - Fee Related JP5832285B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP08011429 2008-06-24
EP08011429.1 2008-06-24
PCT/EP2009/004549 WO2009156137A1 (en) 2008-06-24 2009-06-24 Factor viii, von willebrand factor or complexes thereof with prolonged in vivo half-life

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011525363A true JP2011525363A (ja) 2011-09-22
JP2011525363A5 JP2011525363A5 (ja) 2012-07-26
JP5832285B2 JP5832285B2 (ja) 2015-12-16

Family

ID=40042814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011515200A Expired - Fee Related JP5832285B2 (ja) 2008-06-24 2009-06-24 延長されたインビボ半減期を有する第viii因子、フォン・ヴィレブランド因子又はそれらの複合体

Country Status (13)

Country Link
US (2) US8575104B2 (ja)
EP (2) EP2865760B1 (ja)
JP (1) JP5832285B2 (ja)
KR (2) KR101648734B1 (ja)
CN (2) CN103739712B (ja)
AU (1) AU2009262476C1 (ja)
CA (1) CA2728012C (ja)
DK (2) DK2291523T3 (ja)
ES (2) ES2531464T3 (ja)
HK (1) HK1151068A1 (ja)
PL (1) PL2291523T3 (ja)
RU (1) RU2528855C2 (ja)
WO (1) WO2009156137A1 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6263355A (ja) * 1985-09-13 1987-03-20 Hitachi Ltd バツテリバツクアツプramのチエツク方法
JP2013510581A (ja) * 2009-11-13 2013-03-28 グリフオルス・セラピユーテイクス・インコーポレーテツド フォンウィルブランド因子(vWF)含有調製品並びにこれに関連する方法、キット及び使用
JP2015507929A (ja) * 2012-02-14 2015-03-16 ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 第Xa因子阻害剤に対する組み換え拮抗剤を製作するためのプロセス
JP2015527882A (ja) * 2012-07-11 2015-09-24 アムニクス オペレーティング インコーポレイテッド XTENおよびvonWillebrand因子タンパク質を有する第VIII因子の複合体、および、その使用
JP2016518378A (ja) * 2013-04-22 2016-06-23 シーエスエル、リミテッド 複合体
JP2016523919A (ja) * 2013-06-28 2016-08-12 バイオジェン・エムエイ・インコーポレイテッドBiogen MA Inc. Xtenを有するトロンビン切断可能リンカー及びその使用
JP2017519992A (ja) * 2014-06-20 2017-07-20 ルース, ウルリヒLOOS, Ulrich Tsh受容体に対する自己抗体の検出
JP2017521070A (ja) * 2014-07-02 2017-08-03 シーエスエル、リミテッド 改変フォンウィルブランド因子
JP2019504621A (ja) * 2016-01-07 2019-02-21 ツェー・エス・エル・ベーリング・レングナウ・アクチエンゲゼルシャフト 突然変異フォン・ヴィレブランド因子
JP2019507587A (ja) * 2016-01-07 2019-03-22 ツェー・エス・エル・ベーリング・レングナウ・アクチエンゲゼルシャフト 変異切断型フォンウィルブランド因子
JP2019519220A (ja) * 2016-05-20 2019-07-11 オクタファルマ アクチェン ゲゼルシャフト Siglec依存的免疫応答をモジュレートするポリペプチド
JP2020531516A (ja) * 2017-08-23 2020-11-05 ツェー・エス・エル・ベーリング・ゲー・エム・ベー・ハー フォン・ウィルブランド因子のウイルスろ過の方法
US11192936B2 (en) 2014-01-10 2021-12-07 Bioverativ Therapeutics Inc. Factor VIII chimeric proteins and uses thereof
US12030925B2 (en) 2019-05-17 2024-07-09 Bioverativ Therapeutics Inc. Methods of treating hemophilia A

Families Citing this family (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101648734B1 (ko) 2008-06-24 2016-08-18 체에스엘 베링 게엠베하 연장된 생체내 반감기를 갖는 인자 viii, 폰 빌레브란트 인자 또는 이들의 복합체
AU2010290077C1 (en) 2009-08-24 2015-12-03 Bioverativ Therapeutics Inc. Coagulation factor IX compositions and methods of making and using same
CN102770449B (zh) 2010-02-16 2016-02-24 诺沃—诺迪斯克有限公司 具有降低的vwf结合的因子viii分子
EP2536752B1 (en) * 2010-02-16 2015-04-08 Novo Nordisk A/S Modified recombinant Factor VIII
US9493543B2 (en) 2010-02-16 2016-11-15 Novo Nordisk A/S Factor VIII fusion protein
US8772462B2 (en) 2010-05-26 2014-07-08 Baxter International Inc. Removal of serine proteases by treatment with finely divided silicon dioxide
AU2010202125B1 (en) 2010-05-26 2010-09-02 Takeda Pharmaceutical Company Limited A method to produce an immunoglobulin preparation with improved yield
KR20190041032A (ko) * 2011-06-10 2019-04-19 박스알타 인코퍼레이티드 재조합 vwf의 투여에 의한 응고 질환의 치료
BR112014017165B1 (pt) * 2012-01-12 2023-05-02 Bioverativ Therapeutics Inc Proteína quimérica compreendendo uma proteína de fator viii, composição farmacêutica, e seus usos
EP2814502B1 (en) 2012-02-15 2017-09-13 CSL Behring GmbH Von willebrand factor variants having improved factor viii binding affinity
ES2771208T3 (es) 2012-02-15 2020-07-06 Bioverativ Therapeutics Inc Composiciones de factor VIII y métodos de preparación y uso de las mismas
EP3549953A1 (en) 2012-02-15 2019-10-09 Bioverativ Therapeutics Inc. Recombinant factor viii proteins
EP2841451A1 (en) 2012-04-24 2015-03-04 Novo Nordisk A/S Compounds suitable for treatment of haemophilia
WO2014210546A1 (en) 2013-06-27 2014-12-31 University Of Washington Through Its Center For Commercialization Biocompatible polymeric system for targeted treatment of thrombotic and hemostatic disorders
EP3013359A4 (en) * 2013-06-28 2017-01-25 Biogen MA Inc. Thrombin cleavable linker
WO2015023891A2 (en) 2013-08-14 2015-02-19 Biogen Idec Ma Inc. Factor viii-xten fusions and uses thereof
AU2014346343B2 (en) 2013-11-08 2018-05-10 Csl Ltd. New method to concentrate von Willebrand factor or complexes thereof
WO2015188224A1 (en) 2014-06-13 2015-12-17 Csl Limited Improved production of recombinant von willebrand factor in a bioreactor
US10626164B2 (en) 2014-07-25 2020-04-21 Csl Limited Purification of VWF
US11155601B2 (en) 2015-03-06 2021-10-26 CSL Behring Lengnau AG Modified von Willebrand factor having improved half-life
JP6573989B2 (ja) 2015-05-22 2019-09-11 ツェー・エス・エル・ベーリング・レングナウ・アクチエンゲゼルシャフト 血友病を処置するための切断型フォン・ヴィルブランド因子ポリペプチド
EP3298036B1 (en) 2015-05-22 2022-04-06 CSL Behring Lengnau AG Methods for preparing modified von willebrand factor
EA201890423A1 (ru) 2015-08-03 2018-07-31 Биовератив Терапьютикс Инк. Слитые белки фактора ix, способы их получения и применения
WO2017112895A1 (en) * 2015-12-23 2017-06-29 Haplomics, Inc. F8 gene repair
CN109790529A (zh) * 2016-06-24 2019-05-21 财团法人牧岩生命科学研究所 包含FVIII和vWF因子的嵌合蛋白及其用途
JP2020504082A (ja) 2016-11-11 2020-02-06 ツェー・エス・エル・ベーリング・レングナウ・アクチエンゲゼルシャフト 血液凝固障害の処置又は予防における血管外投与のための切断型フォン・ヴィルブランド因子ポリペプチド
DK3538133T3 (da) 2016-11-11 2021-04-19 CSL Behring Lengnau AG Trunkeret von willebrand faktor polypeptider til behandling af hæmofili
JP2020530436A (ja) 2017-06-22 2020-10-22 ツェー・エス・エル・ベーリング・レングナウ・アクチエンゲゼルシャフト トランケート型vwfによるfviiiの免疫原性の調節
KR20200037251A (ko) * 2017-07-07 2020-04-08 박스알타 인코퍼레이티드 재조합 vwf의 투여에 의해 대기 수술을 받은 중증 폰 빌레브란트 병을 가지고 있는 환자의 치료
JP7307047B2 (ja) 2017-07-07 2023-07-11 武田薬品工業株式会社 組換えvwfの投与による重度のフォンヴィレブランド病を患う患者における消化管出血の治療
JP2021523878A (ja) 2018-05-18 2021-09-09 バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド 血友病aを処置する方法
CA3123045A1 (en) * 2018-12-23 2020-07-02 Csl Behring L.L.C. Donor t-cells with kill switch
CN111592591B (zh) * 2020-06-17 2021-12-14 博雅生物制药集团股份有限公司 一种人血管性血友病因子/人凝血因子ⅷ复合物的制备方法及产物和应用
CN117720671B (zh) * 2024-01-30 2024-06-14 南通大学 具有自组装性能的重复结构单元重组蛋白ⅠAⅠB-ⅠAⅠBrQTY及应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000506869A (ja) * 1996-03-15 2000-06-06 イムノ・アクチエンゲゼルシャフト 安定な因子viii/▲下v▼wf複合体
JP2003530839A (ja) * 2000-04-12 2003-10-21 プリンシピア ファーマスーティカル コーポレイション アルブミン融合タンパク質
WO2004101740A2 (en) * 2003-05-06 2004-11-25 Syntonix Pharmaceuticals, Inc. Clotting factor-fc chimeric proteins to treat hemophilia

Family Cites Families (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4970300A (en) * 1985-02-01 1990-11-13 New York University Modified factor VIII
FR2673632A1 (fr) 1991-03-08 1992-09-11 Lille Transfusion Sanguine Procede de preparation de concentre de facteur von willebrand humain de tres haute purete, approprie a un usage therapeutique.
FR2686899B1 (fr) * 1992-01-31 1995-09-01 Rhone Poulenc Rorer Sa Nouveaux polypeptides biologiquement actifs, leur preparation et compositions pharmaceutiques les contenant.
US5364771A (en) * 1992-04-07 1994-11-15 Emory University Hybrid human/porcine factor VIII
WO1994015625A1 (en) 1993-01-15 1994-07-21 Enzon, Inc. Factor viii - polymeric conjugates
DE4435485C1 (de) 1994-10-04 1996-03-21 Immuno Ag Verfahren zur Gewinnung von hochreinem von Willebrand-Faktor
CA2205572A1 (en) 1994-12-12 1996-06-20 Beth Israel Hospital Association Chimeric cytokines and uses thereof
AU6455896A (en) 1995-07-11 1997-02-10 Chiron Corporation Novel factor viii:c polypeptide analogs with altered metal-binding properties
SE9503380D0 (sv) 1995-09-29 1995-09-29 Pharmacia Ab Protein derivatives
GB9526733D0 (en) 1995-12-30 1996-02-28 Delta Biotechnology Ltd Fusion proteins
US20040092442A1 (en) 1996-04-24 2004-05-13 University Of Michigan Inactivation resistant factor VIII
WO1997040145A1 (en) 1996-04-24 1997-10-30 The Regents Of The University Of Michigan Inactivation resistant factor viii
US6103077A (en) * 1998-01-02 2000-08-15 De Nora S.P.A. Structures and methods of manufacture for gas diffusion electrodes and electrode components
PT1079805E (pt) 1998-04-27 2005-03-31 Opperbas Holding Bv Composicao farmaceutica compreendendo factor viii e lipossomas neutros
US6660843B1 (en) 1998-10-23 2003-12-09 Amgen Inc. Modified peptides as therapeutic agents
EP1148063A1 (de) 2000-04-18 2001-10-24 Octapharma AG Haemostatisch aktives vWF enthaltendes Präparat und Verfahren zu seiner Herstellung
JP2005518181A (ja) 2001-01-12 2005-06-23 ジ・アメリカン・ナショナル・レッド・クロス 第viii因子のヘパラン硫酸プロテオグリカン仲介性クリアランスを低下させるための方法および組成物
ES2331909T3 (es) 2001-06-14 2010-01-20 The Scripps Research Institute Factor viii estabilizado con enlaces disulfuro modificados geneticamente.
WO2003076567A2 (en) 2002-03-05 2003-09-18 Eli Lilly And Company Heterologous g-csf fusion proteins
WO2003093313A2 (en) 2002-04-29 2003-11-13 Baxter International Inc. Antagonists of factor viii interaction with low-density lipoprotein receptor-related protein
KR20110079741A (ko) * 2002-12-09 2011-07-07 아브락시스 바이오사이언스, 엘엘씨 약리학적 물질의 조성물 및 그 전달방법
EP1444986A1 (en) * 2003-02-07 2004-08-11 Aventis Behring GmbH Pharmaceutical preparation for the improved treatment of blood-clotting disorders
CN1767857A (zh) 2003-02-26 2006-05-03 尼克塔治疗亚拉巴马公司 聚合物-因子ⅷ部分共轭物
TWI353991B (en) 2003-05-06 2011-12-11 Syntonix Pharmaceuticals Inc Immunoglobulin chimeric monomer-dimer hybrids
CN1802386B (zh) 2003-06-12 2010-12-15 伊莱利利公司 Glp-1类似物融合蛋白质
EP1502921A1 (en) 2003-07-29 2005-02-02 ZLB Behring GmbH Recombinant mutated human factor VIII (FVIII) with improved stability
CA2537273A1 (en) * 2003-09-05 2005-03-17 Gtc Biotherapeutics, Inc. Method for the production of fusion proteins in transgenic mammal milk
DK1699821T3 (da) 2003-12-31 2012-07-16 Merck Patent Gmbh Fc-ERYTHROPOIETIN-FUSIONSPROTEIN MED FORBEDREDE FARMAKOKINETIKKER
US7670595B2 (en) 2004-06-28 2010-03-02 Merck Patent Gmbh Fc-interferon-beta fusion proteins
WO2006053299A2 (en) 2004-11-12 2006-05-18 Bayer Healthcare Llc Site-directed modification of fviii
ES2434035T3 (es) * 2004-12-27 2013-12-13 Baxter International Inc. Conjugados de polímero-factor von Willebrand
CA2604299A1 (en) 2005-04-14 2006-10-19 Csl Behring Gmbh Modified coagulation factor viii with enhanced stability and its derivates
EP1958648A4 (en) * 2005-10-28 2009-12-30 Dnavec Corp THERAPEUTIC PROCESS FOR BLOOD CLEANING DISORDER
EP1816201A1 (en) 2006-02-06 2007-08-08 CSL Behring GmbH Modified coagulation factor VIIa with extended half-life
CA2647314A1 (en) 2006-03-31 2007-11-08 Baxter International Inc. Pegylated factor viii
EP1867660A1 (en) * 2006-06-14 2007-12-19 CSL Behring GmbH Proteolytically cleavable fusion protein comprising a blood coagulation factor
PL3896090T3 (pl) 2006-06-14 2022-05-02 Csl Behring Gmbh Rozszczepialne proteolitycznie białko fuzyjne zawierające czynnik krzepnięcia krwi
KR101648734B1 (ko) 2008-06-24 2016-08-18 체에스엘 베링 게엠베하 연장된 생체내 반감기를 갖는 인자 viii, 폰 빌레브란트 인자 또는 이들의 복합체
US9402754B2 (en) * 2010-05-18 2016-08-02 Abbott Cardiovascular Systems, Inc. Expandable endoprostheses, systems, and methods for treating a bifurcated lumen
BR112014017165B1 (pt) 2012-01-12 2023-05-02 Bioverativ Therapeutics Inc Proteína quimérica compreendendo uma proteína de fator viii, composição farmacêutica, e seus usos
EP2841451A1 (en) 2012-04-24 2015-03-04 Novo Nordisk A/S Compounds suitable for treatment of haemophilia

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000506869A (ja) * 1996-03-15 2000-06-06 イムノ・アクチエンゲゼルシャフト 安定な因子viii/▲下v▼wf複合体
JP2003530839A (ja) * 2000-04-12 2003-10-21 プリンシピア ファーマスーティカル コーポレイション アルブミン融合タンパク質
WO2004101740A2 (en) * 2003-05-06 2004-11-25 Syntonix Pharmaceuticals, Inc. Clotting factor-fc chimeric proteins to treat hemophilia

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6263355A (ja) * 1985-09-13 1987-03-20 Hitachi Ltd バツテリバツクアツプramのチエツク方法
JP2013510581A (ja) * 2009-11-13 2013-03-28 グリフオルス・セラピユーテイクス・インコーポレーテツド フォンウィルブランド因子(vWF)含有調製品並びにこれに関連する方法、キット及び使用
JP2015507929A (ja) * 2012-02-14 2015-03-16 ポートラ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 第Xa因子阻害剤に対する組み換え拮抗剤を製作するためのプロセス
JP2015527882A (ja) * 2012-07-11 2015-09-24 アムニクス オペレーティング インコーポレイテッド XTENおよびvonWillebrand因子タンパク質を有する第VIII因子の複合体、および、その使用
JP7022165B2 (ja) 2012-07-11 2022-02-17 バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド XTENおよびvon Willebrand因子タンパク質を有する第VIII因子の複合体、および、その使用
JP2022000471A (ja) * 2012-07-11 2022-01-04 バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド XTENおよびvon Willebrand因子タンパク質を有する第VIII因子の複合体、および、その使用
JP2020078352A (ja) * 2012-07-11 2020-05-28 バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド XTENおよびvon Willebrand因子タンパク質を有する第VIII因子の複合体、および、その使用
JP2016518378A (ja) * 2013-04-22 2016-06-23 シーエスエル、リミテッド 複合体
JP2016523919A (ja) * 2013-06-28 2016-08-12 バイオジェン・エムエイ・インコーポレイテッドBiogen MA Inc. Xtenを有するトロンビン切断可能リンカー及びその使用
JP2021072853A (ja) * 2013-06-28 2021-05-13 バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド Xtenを有するトロンビン切断可能リンカー及びその使用
JP7297837B2 (ja) 2013-06-28 2023-06-26 バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド Xtenを有するトロンビン切断可能リンカー及びその使用
JP2019010124A (ja) * 2013-06-28 2019-01-24 バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド Xtenを有するトロンビン切断可能リンカー及びその使用
JP7005800B2 (ja) 2013-06-28 2022-02-10 バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド Xtenを有するトロンビン切断可能リンカー及びその使用
JP2022000053A (ja) * 2013-06-28 2022-01-04 バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド Xtenを有するトロンビン切断可能リンカー及びその使用
US11192936B2 (en) 2014-01-10 2021-12-07 Bioverativ Therapeutics Inc. Factor VIII chimeric proteins and uses thereof
JP2017519992A (ja) * 2014-06-20 2017-07-20 ルース, ウルリヒLOOS, Ulrich Tsh受容体に対する自己抗体の検出
JP2017521070A (ja) * 2014-07-02 2017-08-03 シーエスエル、リミテッド 改変フォンウィルブランド因子
JP2019507587A (ja) * 2016-01-07 2019-03-22 ツェー・エス・エル・ベーリング・レングナウ・アクチエンゲゼルシャフト 変異切断型フォンウィルブランド因子
JP2019504621A (ja) * 2016-01-07 2019-02-21 ツェー・エス・エル・ベーリング・レングナウ・アクチエンゲゼルシャフト 突然変異フォン・ヴィレブランド因子
JP2019522962A (ja) * 2016-05-20 2019-08-22 オクタファルマ アクチェン ゲゼルシャフト 改善された薬物動態を有する、グリコシル化vwf融合タンパク質
JP2019519220A (ja) * 2016-05-20 2019-07-11 オクタファルマ アクチェン ゲゼルシャフト Siglec依存的免疫応答をモジュレートするポリペプチド
JP7311970B2 (ja) 2016-05-20 2023-07-20 オクタファルマ アクチェン ゲゼルシャフト Siglec依存的免疫応答をモジュレートするポリペプチド
JP2020531516A (ja) * 2017-08-23 2020-11-05 ツェー・エス・エル・ベーリング・ゲー・エム・ベー・ハー フォン・ウィルブランド因子のウイルスろ過の方法
US12030925B2 (en) 2019-05-17 2024-07-09 Bioverativ Therapeutics Inc. Methods of treating hemophilia A

Also Published As

Publication number Publication date
CN103739712B (zh) 2016-10-05
KR20140090703A (ko) 2014-07-17
KR101648734B1 (ko) 2016-08-18
ES2654336T3 (es) 2018-02-13
CA2728012A1 (en) 2009-12-30
US8575104B2 (en) 2013-11-05
RU2528855C2 (ru) 2014-09-20
ES2531464T3 (es) 2015-03-16
EP2291523A1 (en) 2011-03-09
US20140072561A1 (en) 2014-03-13
JP5832285B2 (ja) 2015-12-16
KR20110044978A (ko) 2011-05-03
US20110183907A1 (en) 2011-07-28
US9290561B2 (en) 2016-03-22
DK2865760T3 (en) 2018-01-15
HK1151068A1 (en) 2012-01-20
EP2865760B1 (en) 2017-10-11
EP2291523B1 (en) 2014-12-17
CN103739712A (zh) 2014-04-23
AU2009262476B2 (en) 2014-06-26
RU2011102366A (ru) 2012-07-27
CN102076855A (zh) 2011-05-25
AU2009262476A1 (en) 2009-12-30
CA2728012C (en) 2017-10-31
WO2009156137A1 (en) 2009-12-30
KR101507718B1 (ko) 2015-04-10
DK2291523T3 (en) 2015-03-23
EP2865760A1 (en) 2015-04-29
AU2009262476C1 (en) 2016-06-02
PL2291523T3 (pl) 2015-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5832285B2 (ja) 延長されたインビボ半減期を有する第viii因子、フォン・ヴィレブランド因子又はそれらの複合体
US9458223B2 (en) Von willebrand factor variants having improved factor VIII binding affinity
US8754194B2 (en) Modified coagulation factors with prolonged in vivo half-life
US20180092966A1 (en) Covalent complex of von willebrand factor and factor viii, compositions, and uses relating thereto
EP1935430A1 (en) Modified coagulation factors with prolonged in vivo half-life
AU2013202564B2 (en) Factor VIII, von Willebrand factor or complexes thereof with prolonged in vivo half-life

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120608

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20141209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150409

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20150526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151027

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5832285

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees