JP2000506869A - 安定な因子viii/▲下v▼wf複合体 - Google Patents

安定な因子viii/▲下v▼wf複合体

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Abstract

(57)【要約】 高分子vWF多量体をとくに含有し、低分子vWF分子とvWF蛋白分解産物を含まない安定な因子VIII/vWF複合体、ならびにその複合体の製造法が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 安定な因子VIII/vWF複合体 本発明は、安定なウイルスセーフ(ウイルスに関して安全な)因子VIII複合体 、具体的には構造上の完全性が高い高分子vWF多量体を含み、かつ、低分子vWF分 子とvWF蛋白分解産物を含まないものに関する。また本発明は、安定な因子VIII 複合体の回収および生産法ならびにその医薬製剤に関する。 血液の凝固は、いくつかの成分(具体的にはフィブリノゲン、因子II、因子V 、因子VII、因子VIII、因子IX、因子X、因子XIおよび因子XII)の連続的相互作 用を含む複雑な過程である。これらの成分の一つが失われるか、その機能が阻害 されると、出血する傾向が増大し、患者によっては生命が危険にさらされること になる。 フォン・ウィルブランド因子(vWF)は、因子VIIIと複合体を形成して血漿中 を循環している。因子VIIIは血液の凝固を促進し、因子VIIIと複合体を形成して いるvWFは因子VIIIを安定化し、それを蛋白分解から保護している。またvWFは、 血小板凝集に関するその機能により、血液凝固に直接的にも干渉する。vWFは、 種々の哺乳類細胞中で生成した後、循環系に放出される糖タンパク質である。分 子量約220kDのポリペプチド鎖から出発して、数個の硫黄結合の形成により、 550kDの分子量を持つvWF二量体が細胞内で生成する。そのvWF二量体の結合によ り、さらに分子量が最大2000万ダルトンまで増大したvWFのポリマーが生成する 。したがって血漿中では、vWFは1×106〜20×106ダルトンの分子量を持つ一連の 多量体型として存在する。血液の凝固には、特にこの高分子vWF多量体が本質的 に重要だと考えられる。 凝固因子VIIIの運搬体としての機能の他に、vWFは、血管壁と血小板の間に架 橋を形成する機能と、血小板凝集機能をも持つている。血小板凝集の基礎は、表 面受容体(糖タンパク質Ib、IIb/IIIa)に対するvWFの結合によって与えられる 。GP Ibへの結合に関与するvWF内の結合部位は、ジスルフィドループCys(509)− Cys(695)に位置する。血小板凝集は、糖タンパク質Ibに対するvWFの結合によっ て始まることが知られている。活性化シグナルにつづいて、糖タンパク質IIb/II Ia複合体へのvWFの結合と凝集が起こる。これら表面受容体に対するvWFの 結合は、血小板凝集にとって必要条件であり、vWF分子がいくつかの血小板を結 合することにより凝集が起こる。このように、vWF-血小板結合は、血小板凝集の 原因分子を構成する。 血友病では、一定の血漿凝固因子の欠乏により、血液凝固が妨害される。血友 病Aの出血傾向は、因子VIIIの欠乏、もしくは因子VIIIの必須成分であるvWFの欠 乏に基づいている。血友病Aの治療は、主として、不足している凝固因子を(例 えば因子VIII、因子VIII複合体またはvWFの注入により)濃縮因子で補充するこ とによって行われている。 vWF症候群はvWFの過少生産または過剰生産に起因するいくつかの病像を持つ。 例えばvWFの過剰生産は血栓症傾向の増大につながる。また、vWFの供給不足は高 分子型vWFの欠乏または減少によって起こり、それは血小板凝集の阻害による出 血時間の延長として顕在化する。vWFは機能的因子VIIIの必須成分であるから、v WFの欠乏は表現型血友病Aをも引き起こしうる。これらの例では、因子VIIIの半 減期が著しく減少するので、血液凝固カスケードにおけるその機能が損なわれる 。したがってフォン・ウィルブランド病(vWD)患者は、しばしば因子VIII欠乏 症を示す。このような患者の場合、因子VIII活性の減少は、X染色体遺伝子の欠 損の結果ではなくて、血漿中のvWFの定量的定性的変化の間接的結果である。血 友病AとvWFは、通常、vWF抗原を測定するか、リストセチン補因子活性を測定す ることによって区別することができる。vWF抗原含量とリストセチン補因子活性 は、どちらも血友病A患者では正常であるが、vWD患者ではほとんどの場合、低下 している。 従来のフォン・ウィルブランド症候群治療法は血漿から回収したvWFによるも のであり、vWD患者を精製vWFまたは因子VIII/vWF複合体で治療するという提案も いくつかなされている。 因子VIIIは血漿中に極めて微量にしか存在せず、しかも極めて不安定であって 、因子VIIIとvWFの会合は特定の条件下で可逆的であるため、因子VIIIまたは因 子VIII複合体を血漿または寒冷沈降物から精製することは、さらに困難である。 因子VIIIは精製と濃縮によって血漿から回収されるが、vWFと因子VIIIが精製中 に分離するので、精製法によっては因子VIII活性の不安定化と損失が起こりうる 。 したがってその最終製品は、精製によって除去できなかったフィブリノゲン、フ ィブロネクチン、ビタミンK依存性タンパク質などの夾雑タンパク質を含むと共 に安定な因子VIII錯体と不安定な因子VIIIの混合物になることが多い。精製複合 体は不安定なので、アルブミンやアミノ酸などの安定化剤が混合される。しかし 夾雑タンパク質および/または安定化剤が精製品中に存在することにより、因子V III複合体の比活性が減少した。 EP 0 468 181には、因子VIIIをヒト血漿から、イオン交換クロマトグラフィー (酸性pH下に高イオン強度で因子VIIIを溶離し、溶出液をヘパリン、アルブミン 、PEGなどの安定化剤と、抗プロテアーゼとしてのリジンまたはヒスチジンの存 在下に集める)によって精製する方法が記述されている。しかし、アルブミンを 添加すると、比活性は300〜1200U/mgタンパク質から18〜24U/mgタンパク質まで 低下する。 Madarasら(Haemostasis 7:321-331(1978))には、因子VIIIをヘパリン-セフ ァロースで精製し、NaCl濃度を上昇させて溶離する方法が記述されている。しか しそのようにして得られる因子VIIIは低い活性しか持たなかった。 US 5,252,709には、因子VIII,vWF、フィブロネクチンおよびフィブリノゲンを ヒト血漿から分離する方法であって、まず因子VIII、vWFおよびフィブロネクチ ンをDEAE型イオン交換体に結合し、次に塩濃度を上昇させることにより、そのイ オン交換体から別々に溶離させる方法を記述している。 Zimmermanら(US4,361,509)は、因子VIII/vWF複合体をモノクローナル抗vWF 抗体に結合させ、CaCl2イオンを使って、その複合体から因子VIIIを解離させる という、因子VIIIの精製法を記述している。次に、このようにして得た因子VIII を、さらなるクロマトグラフィー処置により、純粋な形で回収するのであるが、 それはヒトアルブミンの添加によって安定化する必要がある。 組換え細胞内で因子VIIIを発現させることにより(Woodら(1984),Nature 312:330-337)、因子VIIIを遺伝子操作によって生産することも可能になったが 、組換え因子VIIIは、vWFを添加するか同時発現させなければ、商業的に有用な 収量で得ることはできなかった。しかし医薬製剤を生産するには、精製過程でvW Fを因子VIIIから残存量が無視できる程度にまで分離し、精製組換え因子VIIIを ア ルブミンで安定化する(Griffithら(1991),Ann.Hematol.63:166-171)。 血友病A患者、そしてフォン・ウィルブランド症候群患者の治療に使用するに は、vWFと複合体を形成した精製因子VIIIが望ましい(Berntorp(1994),Haemosta sis24:289-297)。とくに、vWFを含まない製剤やvWFを少量しか含まない製剤の 場合、出血時間の延長と短い因子VIII:C半減期が生体内で観察されることは、繰 り返し強調されてきた。因子VIII除去速度を低下させ、また、内因性因子VIIIの 遊離を促進することによって、因子VIIIの血漿濃度を維持するには、生体内での vWFの正常化が重要である(Lethagenら(1991),Ann.Hematol.65:253-259)。 DE 3 504 385には、イオン交換クロマトグラフィー(硫酸基を介して因子VIII 複合体を結合し、クエン酸緩衝液、塩化カルシウムおよびNaCl勾配で溶離する) を行なって因子VIII/vVVF複合体を精製することが記述されている。この例では 、因子VIII複合体を0.5M NaClの濃度で担体から溶離する。 EP 0 416983には、塩化バリウムと水酸化ナトリウムの組み合せで沈降を行な った後、DEAE-Fractogelでの陰イオン交換クロマトグラフィーを行なうことによ り、ヒト血漿から因子VIII/vWF複合体を回収する方法が記述されている。 EP 0 411 810では、寒冷沈降物からの因子VIII/vWF複合体の精製が、ヘパリン アフィニティークロマトグラフィーと、塩化カルシウムによる当該複合体の溶離 によっておこなれている。この方法をさらに発展させたものは、WO 93/22337に 記述されている。フィブリノゲンやフィブロネクチンなどの夾雑タンパク質を除 去するために、CaCl2による溶出の後、グリシン/NaCl沈殿が行われている。 因子VIII/vWF複合体の精製法として、フィブリノゲンなどの夾雑タンパク質を 高濃度のアミノ酸(具体的にはグリシン)で沈降させて、溶液中に残った因子VI II/vWF複合体をカルシウムとアミノ酸を含有する緩衝液を添加することによって 解離し、次に因子VIIIとvWFを陰イオン交換クロマトグラフィーでそれぞれ個別 に回収することも提案されている(WO 82/04395)。 US 5,356,878には、夾雑タンパク質(フィブリノゲン、ビタミンK依存性因子 、またはフィブロネクチン)をAl(OH)3とPEGによる沈降によって分離し、因子VI II複合体に、グリシンとNaClの存在下で化学的なウイルス非働化処置を施し、次 い で非因子VIII複合体特異タンパク質をゲルろ過によって除去するという、因子VI II複合体の調製が記述されている。 Hornseyら(Thromb.Haemost.57:102-105(1987))は、免疫アフィニティーク ロマトグラフィーを利用して因子VIII/vWFを精製し、45U因子VIII/mgタンパク質 および60Uリスドセチン活性/mgタンパク質の比活性を達成した。しかし、その最 終製品には、4%のフィブリノゲン、2%のフィブロネクチンおよび担体から脱離 したマウス抗体が混入している。 Mejanら(Throlnb.Haemost.59:364-371(1988))は、免疫アフィニティーク ロマトグラフィーにより因子VIII/vWF複合体を血漿から直接精製することを提案 している。その精製複合体はヒト血清アルブミンで安定化された後、凍結乾燥さ れた。しかし、記述されている溶離条件では、抗体の一部のカラムからの遊離が 観察され、溶出物がモノクローナル抗体で汚染されることになったため、その抗 体を除去するために第2の精製処置が必要であった。Mejanらは、彼らの方法によ り、それぞれ20U/mgタンパク質の比因子VIII:C活性と比リストセチン活性を持ち 、vWF多量体のすべてを含有する、因子VIII/vVVF複合体の約1400倍濃縮物を得た 。その複合体を10mg/mlアルブミンで安定化すると、−20℃で3〜4ケ月の安定性 が観察された。しかし、この複合体中の成分はどちらも不安定であるため、この 複合体の精製でとくに困難な点はタンパク質の会合を維持することにあることが 、繰り返し強調されている。 Harrisonら(Thromb.Res.50:295-304(1988))は、硫酸デキストラン-アガロ ースでのクロマトグラフィーによる因子VIII/vWF複合体の精製について記述して いる。 EP 0 600 480には、陰イオン交換クロマトグラフィーによる因子VIII/vWF複合 体の精製が記述されており、ここでは因子VIII/vWF複合体含有溶出液がヘパリン とアルブミンで安定化され、任意にリジンとヒスチジンを抗プロテアーゼとして 添加してもよいとされている。 市販の因子VIII/vWF製剤の一部は、高分子vWF多量体(vWF/EMW)を含まないか 、わずかにしか含まず、とくに注入時間に依存して、生体内で高分子vWF多量体 の減少を示す(Lethagenら(1992),Ann.Hematol.65:253-259)。 先行文献に記述されている因子VIII製剤はそのほとんどが全vWF多量体パター ンを含有するが、HMW-vWFとLMW-vWFの割合にはばらつきがあり、vWF多量体(と くにvWF/HMW)の蛋白分解を表わすいわゆるトリプレット構造を示す(scottら(1 993),Sem.Thromb.Hemost.19:37-47,Baillodら(1992),Thromb.Res.66:74 5-755,Mannucciら(1992),Blood 79:3130-3137)。これらの製剤の安定性は、 それによって制限されている。 ウイルス非働化前に、あるいは貯蔵安定型製剤が得られるように製剤を安定化 するには、アルブミンなどの安定化剤の添加が必要であることは、繰り返し強調 されている。 さらに、ヒト血漿からのタンパク質精製によって得られた濃縮因子VIIIもしく は哺乳動物由来の生体物質と接触した濃縮因子VIIIはすべて、ウイルスなどの微 生物病原体または分子病原体を含有する危険を潜在的に持っている。したがって 安全な製剤を製造するには、病原生物の非働化も常に必要である。効果的な非働 化法は、因子VIII複合体の生物活性の損失にもつながりやすい。例えばPalmerら (Thromb.Haemost.63:392-402(1990))は、ウイルスが効果的に失活するよう な熱処理を行なう場合は、安定化剤の存在下でも、17%〜30%の活性損失を見込ま なければならないことを発見した。 無傷の多量体構造を示す濃縮因子VIII/vWFは、またvWFの主作用(すなわち血 小板凝集)を行い、血小板レセプター糖タンパク質IbおよびIIb/IIIaに対して低 分子vWF多量体(LMW-vWF)よりも高い親和性を持つので、これが出血時間に対し て好都合な作用を持つことは、繰り返し強調されている(Mannucciら(1987),Am eric.J.Hematology 25:55-f55)。しかし、濃縮因子VIIIの製造工程で(とく にHMW-vWFの)分解が起こるという問題がある。 したがって、十分な因子VIII:Cの比活性とvWF活性を持つ因子VIII複合体であ って、安定性が向上しており、非因子VIII/vWF複合体特異安定化剤を添加しなく ても長期間にわって安定なものが必要とされている。 したがって本発明の目的は、安定性が向上した因子VIII/vWF複合体を提供する ことである。 本発明では、高分子vWF多量体をとくに含有し、低分子vWF分子とvWF蛋白分解 産物を含まない因子VIII/vWF複合体を提供することによって、この目的を達成す る。 比血小板凝集は、リストセチン補因子活性とvWF抗原含量の比を反映する。し たがって、高い比血小板凝集活性はその多量体の比活性を表わす。本発明では、 血漿性vWF(p-vWF)と組換えvWF(r-vWF)または因子VIII/vWF複合体のいずれに ついても、vWFの多量体化度が高ければ、低分子多量体と比較して比血小板凝集 (RistoCoF/vWF:ag)がかなり高くなることを示すことができた。 低分子p-vWF(p-vVVF/LMW)と低分子r-vWF(r-vWF/LMW)は極めて低い血小板 凝集しか示さない。 この状況は、vWF鎖が短いために数個の血小板との間に安定な結合が起こらな いという事実によって、より明瞭に説明することができる。これに対して、高分 子(長い)vWF多量体は、数個の血小板を安定に結合することができる。 高分子p-vWF(p-vWF/HMW)と高分子r-vWF(r-vWF/HMW)はどちらも濃度依存的 に血小板に結合し、低分子vWF多量体より高い比血小板凝集活性を示すことが明 らかになった。 したがって本発明の安定な因子VIII/vWF複合体は、少なくとも50U/mgv WF:Ag の比vWF血小板凝集活性を持つ。 血漿中では、複合体中の因子VIII/vWFは約1:50のモル比で存在する。蛋白分解 (とくにプロテインCによる蛋白分解)に対して十分な保護を与えるためには、 血漿中でこの比率が必要であることがわかっている(vlotら(1995),Blood85:31 50-3157)。 本発明のさらなる側面として、本発明の因子VIII/vWF複合体は、そのvWFに対 する因子VIIIのモル比が0.01〜100である。これは、その複合体の因子VIII分子 とvWF分子の比がそれぞれ1:100〜100:1であることを意味する。因子VIIIとvWFの モル比は好ましくは1:30〜1:70の範囲にあり、また1:50であることがより好まし く、複合体中のvWF/HMWの割合が高いので、蛋白分解からの保護に関して最適な 比率が得られる。 さらに本発明は、ダブレット構造の高分子血漿vWF多量体を含有する安定な因 子VIII/vWF複合体を提供する。 本発明では、ダブレット構造を示すvWF多量体分子からなる因子VIII複合体が 、血漿または寒冷沈降物からクロマトグラフィーによって精製されることがわか った。血漿または寒冷沈降物から精製されたvWFや因子VIII/vWF複合体は、トリ プレット構造のvWF多量体を持つものしか知られていなかったので、これは驚く べきことである。これらのトリプレット構造はvWF多量体の蛋白分解によって生 成し、そのvWF多量体の不安定性を表わしている。Palmerら(Thromb.Haemost. 63:392-402(1990))は、ヘパリン添加血漿からの濃縮因子VIIIの製造とその後の ウイルス非働化において、通常のトリプレットパターンが変化して、最低の分子 量を持つトリプレットバンドの強度が著しく増大することを記述している。この ことは、vWF多量体の蛋白分解が増大したことを示している。これに対して本発 明では、このvWF分解産物を全く含まず、より高い分子量を持つ最初のトリプレ ットの2バンドを実質的に含有する因子VIII/vWFが得られる。 本発明のさらなる態様として、シングレット構造を示す高分子組換えvWF多量 体を含有する安定な因子VIII/vWF複合体が提供される。多量体分析により、組換 えvWFのvWF多量体はシングレット構造のみを持ち、構造上の完全性が高く、vWF 蛋白分解産物を全く含まないことがわかった。したがって、構造上の完全性が高 い高分子組換えvWF分子を含有する本発明の因子VIII複合体は、極めて安定であ り、低分子vWF多量体とvWF分解産物を含まない。 本発明の安定な因子VIII/vWF複合体は、好ましくは血漿タンパク質(具体的に は血漿プロテアーゼ)を含まず、フィブリノゲンとフィブロネクチンを含まない 。血漿プロテアーゼと血漿タンパク質(とくにプロテインC、因子IIa、因子IXa などの活性型血漿タンパク質)はvWFまたは因子VIIIを蛋白分解的に分解するが 、本発明複合体は血漿タンパク質を含まないので、複合体中のタンパク質の安定 性と完全性が高くなっている。 本発明の複合体は蛋白分解に対する耐性が増大しているので、室温で例えば少 なくとも48時間、好ましくは少なくとも6日間は安定であり、凍結乾燥すると4℃ または室温で2年以上安定である。 本発明の因子VIII/vWF複合体は十分に安定であるので、ウイルスセーフ複合体 として提供できる。ウイルスに関する安全性は、ウイルスを非働化するため、ま たはウイルスを枯渇させるための複合体処理操作によって確保される。 ウイルスの非働化には、溶液状態または固体(好ましくは凍結乾燥)状態での 熱処理がとりわけ適しており、この熱処理は脂質被覆型ウイルスと非脂質被覆型 ウイルスの両方を確実に非働化することができる。本発明の複合体は、例えばEP 0 159 311に従って固体湿潤状態で熱処理される。その他のウイルス非働化法と しては、例えばEP 0 519 90、WO 94/13329、DE 44 34 538およびEP 0 131 740に 記載の界面活性剤またはカオトロピック物質による処理も挙げられる。 本発明のさらなる態様として、構造上の完全性が高い高分子vWF多量体をとく に含有する安定なウイルスセーフ濃縮因子VIII複合体が提供される。高分子vWF 多量体は、好ましくはシングレットまたはダブレット構造を持ち、低分子vWF多 量体とvWFの蛋白分解産物を含まない。驚くべきことに、本発明の濃縮因子VIII 複合体は、例えば上述のようなウイルス非働化処理を行なっても、そのタンパク 質(とくに複合体中の高分子vWF多量体)の安定性はわずかな悪影響しか受けな いほどに安定であり、したがってその因子VIII複合体または濃縮因子VIII複合体 中の因子VIII:Cの比活性とvWF-リストセチン活性は、ウイルス非働化処置で多く ても10%しか低下しないことが明らかになった。これまでに知られている濃縮因 子VIII複合体の場合は、ウイルス非働化過程で20〜30%の活性損失を見込んでお く必要があった。本発明の因子VIII/vWF複合体は、新生抗原試験において、ウイ ルス非働化処置後もその抗原構造に何の変化も示さなかった。このことは、この 複合体中のタンパク質の安定性を裏付けている。高分子vWF多量体の高い安定性 ゆえに、本発明の濃縮因子VIII複合体では、少なくとも50U/mg vWF:Agの高い比 血小板凝集活性も保証される。 一態様として、本発明の安定なウイルスセーフ濃縮因子VIII複合体は、vWFに 対する因子VIIIのモル比が0.01〜100(好ましくは0.05〜1)の因子VIIIとvWFを 含有する。具体的には、この濃縮因子VIII複合体は、血漿タンパク質(とくに血 漿プロテアーゼ)を含まず、微生物学的病原体および分子生物学的病原体を含ま ない。 精製タンパク質の安定性を向上させるには、通常はアルブミンなどの安定化剤 を添加する。しかしそのようにすると、その異種タンパク質の添加によって精製 タンパク質の比活性が低下してしまう。vWFは因子VIII複合体の天然成分である 。血漿または組換え細胞培養から得た精製因子VIII画分に高分子vWF多量体 (vWF/HMVV)を添加すると、因子VIIIの安定性が増大することがわかった。同様に 、vWF/HMWを精製因子VIII複合体に添加することによって、その複合体の安定性 を向上させうることもわかった。したがって一般に使用されている安定化剤の添 加を省くことができる。例外として、(とくにvWF/HMWの)完全な構造が保たれ るように、回収中に任意にプロテアーゼ阻害剤を添加してもよい。 さらに本発明によれば、本発明の安定な因子VIII/vWF複合体または本発明のウ イルスセーフ安定な濃縮因子VIII複合体を含有する医薬組成物を提供することも できる。 一態様として、本医薬組成物は生理学的に許容できる担体または緩衝剤を含有 する。本発明の医薬製剤の製造は一般的な方法で行なうことができ、例えば、そ れ自体はよく知られているように、塩類と任意にアミノ酸とを使用して、界面活 性剤の存在下に行なってもよい。本複合体は上述のように安定性が高いので、一 般に使用されている安定化剤やプロテアーゼ阻害剤を医薬組成物中に使用しなく てもかまわない。 本発明の安定な因子VIII/vWF複合体は、高純度品として得ることが好ましく、 これはクロマトグラフィー精製法によって得られる。具体的には、イオン交換ク ロマトグラフィーおよび/またはアフィニティークロマトグラフィーによってク ロマトグラフィー精製を行なう。これには、i.a.陰イオン交換用材料、例えばDE AE、TMAE、QAE、Qまたはアミノアルキル基などのリガンドを持つ合成担体材料ま たは炭水化物系担体を使用でき、アフィニティークロマトグラフィーには、vWF に対して特異的親和性を持つ固定化物質を担持した担体を使用することができる 。好適なアフィニティー材料は、例えばヘパリンを含有する。 したがって本発明のさらなる態様として、安定な因子VIII/vWF複合体の回収法 を提供する。この方法では、タンパク質溶液中の因子VIII/vWF複合体を低塩濃度 でアフィニティー担体(好ましくはヘパリンアフィニティー担体)に結合させ、 高塩濃度で安定な因子VIII/vWF複合体を回収する。好ましくは、複合体を150mM 以下の塩濃度で固定化ヘパリンに結合させ、200mM以上300mM以下の塩濃度で溶離 する。本発明のとくに好ましい態様では、CaCl3を含まない緩衝液系で因子 VIII/vWF複合体の回収を行なう。この方法により、低分子vWF分子を含む因子 VIII/vWF複合体と高分子vWF分子を含む因子VIII/vWF複合体とを互いに選択的に 分離することができ、高分子vWF分子をとくに含む因子VIII/vWF複合体を、より 高い塩濃度で回収することができる。溶出には可溶性一価および二価塩類を使用 できる。好ましくはNaClを使用する。カルシウム塩は溶出には適してない。 好ましくは、ヘパリンアフィニティークロマトグラフィーカラムで本発明の方 法を行なう。ヘパリンを結合できる担体ならどの担体でもアフィニティークロマ トグラフィーに使用できる。例えばAFヘパリントヨパール(AH-Heparin ングリコール、メタクリレートおよびジメチルアクリレートに基づく合成親水性 ポリマー)(Merck社)、ヘパリンセファロースファストフロー(Heparin する)(Pharmacia社)などは、有効であることがわかっている。 本発明の方法では、緩衝液系として、緩衝剤(具体的にはトリス/塩酸、リン 酸緩衝液またはクエン酸緩衝液)と任意に塩とからなる緩衝溶液であって、安定 化剤、アミノ酸、その他の添加物を含有しないものを使用する。 アフィニティークロマトグラフィーは、6.0〜8.5の範囲のpH(好ましくはpH7. 4)で行なうことが好ましい。 本発明の方法では、因子VIII/vWF複合体を含むタンパク質溶液、例えば血漿画 分、寒冷沈降物、形質転換細胞から得た無細胞培養上清などを使用する。この溶 液は、クロマトグラフィー法の濃縮タンパク質画分であってもよい。 本発明の因子VIII/vWF複合体回収法に従えば、高分子vWF多量体を多量に含む 因子VIII/vWF複合体を効率的かつ簡単な方法で得ることができる。したがってこ の方法により、生理学的にとりわけ活性な因子VIII/vWF複合体を高純度かつ良好 な収率で調製することができる。このようにして得られる因子VIII/vWF複合体は 、とくに、少なくとも50U/mg因子VIII:Agの因子VIII:Cの比活性と、少なくとも 50U/mg vWFの比vWF血小板凝集活性を特徴とし、とくに低分子vWF多量体とvWF分 解産物を含まない。 本発明のさらなる態様として、安定な因子VIII/vWFの回収法であって、不純物 を含むタンパク質溶液を陰イオン交換体に結合させ、夾雑血漿タンパク質を200m M以下の塩濃度でカルシウム塩の存在下に選択的に溶離する方法が提供される。 次に、因子VIII/vWF複合体を、その陰イオン交換体から200mM以上400mM以下の塩 濃度で得る。高分子vWF多量体を多量に含む因子VIII/vWF複合体が回収される。 本発明のこの方法を実施するには、例えば血漿画分、寒冷沈降物、または形質 転換細胞から得られる細胞を含まない培養上清を、因子VIII/vWF複合体を含有す る不純タンパク質溶液として使用することができる。 カルシウム塩によって除去される夾雑タンパク質は、具体的には血漿タンパク 質、なかでもビタミンK依存性因子、例えば因子II、因子IX、プロテインC、プロ テインS、血漿プロテアーゼ、プラスミノゲン、フィブロネクチン、フィブリノ ゲンなどである。非特異タンパク質の除去は、具体的には溶離剤中のカルシウム 塩として1mM〜15mM(好ましくは10mM)のCaCl2を使用することによって達成され る。 本発明では、ビタミンK依存性タンパク質、フィブリノゲンまたはフィブロネ クチンの分離にこれまで使用されてきた水酸化アルミニウム処理法が、これらの タンパク質を完全に除去するには十分でないことが明らかになった。しかし塩化 カルシウム存在下での溶出により、これらのタンパク質は実質的に除去されて、 血漿タンパク質を含まない因子VIII/vWF複合体の回収が保証された。 陰イオン交換クロマトグラフィーは、好ましくは6.0〜8.5のpH範囲(好ましく はpH7.4)で行われる。 陰イオン交換クロマトグラフィーに際して、陰イオン交換体に結合した因子VI II/vWF複合体の溶出は、塩濃度を上昇させることによって行うことがこのましい 。 陰イオン交換体としては、好ましくは4級アミノ型、具体的には触手構造を持 つフラクトゲル、具体的にはEMD-TMAEフラクトゲルを使用する。 好ましくは、200mM以下の塩濃度で因子VIII/vWF複合体を陰イオン交換体に結 合させ、270mM以上(好ましくは350mM以上)の塩濃度でvWF/HMWを多量に含む因 子VIII/vWF複合体を溶出させる。塩類としては、可溶性一価または二価塩類を使 用することができ、NaClが好ましい。 好ましくは、陰イオン交換クロマトグラフィーで精製した因子VIII複合体を、 (好ましくは固定化ヘパリンでの)アフィニティークロマトグラフィーにより、 緩衝物質と塩(任意)からなる緩衝溶液中で、さらにクロマトグラフィー的に精 製する。 本発明方法の一態様として、まず寒冷沈降物から回収した因子VIII/vWF複合体 含有画分を陰イオン交換体に結合させ、付随するタンパク質(具体的には血漿タ ンパク質)を分離した後、高分子vWF多量体を多量に含む因子VIII/vWF複合体を 濃縮物として溶出する。さらなる精製処置として、その因子VIII/vWF複合体含有 溶出液を、ヘパリンが共有結合したアフィニティー担体と接触させ、複合体をそ の担体に結合させる。異種物質と異種タンパク質を適当な溶離液で除去した後、 緩衝液系中の一価または二価塩(好ましくはNaCl)を使って、因子VIII複合体を 溶出する。 さらなる一態様として、組換え細胞から得られた因子VIII/vWF複合体を用いて この方法を行なう。これには、因子VIIIとvWFを同時発現させる細胞から得られ る無細胞培養上清、もしくは因子VIIIとvWFで別々に形質転換した細胞を同時培 養して得られる無細胞培養上清を使用することができる。 本発明の高純度安定な因子VIII複合体回収法により、抗体、血漿タンパク質、 微生物学的病原体および分子生物学的病原体を含まず、生理学的に活性な高純度 因子VIII/vWF錯体を、簡単かつ効率的な方法で得ることができる。 本発明によれば、血漿または組換え細胞から得られる因子VIII/vWF複合体は、 とくに高分子vWF多量体を含有し、低分子vWF分子とvWF分解産物を含まない。因 子VIII/vWF複合体を血漿または寒冷沈降物から回収する場合、そのvWF/HMWはと くに、高い安定性を持つダブレット構造からなる。組換え細胞から得られる因子 VIII/vWF複合体は、シングレット構造、高い安定性および高い構造上の完全性を 持つ高分子vWF分子を含有する。 したがって本発明によれば、所定のクロマトグラフィー処置を使って、他の凝 固因子とその他の血漿プロテアーゼを含まないFVIII/vWFを得ることができる。 このことは、とりわけ製剤の純度と安定性に対して好都合な影響を持つ。したが てって、本発明によって得られる因子VIII/vWF複合体は、とりわけ純粋な形態で 存在する。その複合体の純度は好ましくは少なくとも90%、とくに好ましくは95% である。 高分子vWF多量体の含量が高く、しかも低分子多量体、vWF分解産物、異種タン パク質(例えば血漿タンパク質など)を含まないため、得られた因子VIII/vWF複 合体がとりわけ安定であるという事実ゆえに、精製品に安定化剤を加える必要は 必ずしもない。したがって、医薬組成物を製剤する場合などに純品の比活性が低 下することがなく、また異種タンパク質の添加によって不純物や感染性粒子が製 品中に混入する可能性がなくなる。 本発明のさらなる態様として、安定な因子VIII/vWF複合体の製造法が提供され る。この方法では、クロマトグラフィー法で精製された因子VIIIまたは因子VIII 複合体にvWF分子の精製高分子画分を添加することにより、vWF/HMWに対する因子 VIIIのモル比が0.01(1因子VIII:100vWFに相当)〜100(100因子VIII:1vWFに 相当)、好ましくは0.03(1:30)〜0.07(1:70)、とくに好ましくは0.05(1:50 )である因子VIII/vWF複合体を得る。 クロマトグラフィー法で精製された因子VIIIまたは因子VIII複合体は、血漿画 分、寒冷沈降物、または形質転換細胞の無細胞細胞培養上清から得ることができ る。 この安定な複合体製造法に使用するvWF分子の高分子画分は、血漿、血漿画分 、寒冷沈降物、または形質転換細胞の無細胞培養上清から得ることができる。vW Fの精製高分子画分は、好ましくは少なくとも50U/mg vWF:Ag、とくに好ましくは 少なくとも80U/mg vWF:Agの比血小板凝集活性を含有する。 安定な因子VIII複合体を調製するには、因子VIIIまたは因子VIII/vWF複合体を 含有する精製画分をvWF分子の精製高分子画分と望ましいモル比で混合する。そ のためには、vWF、因子VIII、因子VIII活性および比vWF活性の含量を個々の画分 について決定し、それぞれ望ましい量のvWF/HMWを加えることによって、望まし い混合比を調節する。好ましくは、因子VIIIとvWFのモル比が1:100〜100:1(好 ましくは1:50)の因子VIII/vWF複合体が生成するように混合を行なう。 また本発明に従って、比因子VIII:C活性と比vWF-血小板凝集活性の比が一定の 値を示す因子VIII/vWF複合体を調製してもよい。比活性の比が1:1である複合体 はとくに好ましい。望ましい混合比を得る方法は、当業者に周知である。 本発明によって提供される安定なウイルスセーフ因子VIII複合体と濃縮因子VI II複合体は、血友病Aの治療にも、フォン・ウィルブランド症候群の治療にも使 用できる。本発明の因子VIII複合体製剤は高分子vWF分子を多量に含むので、II 型vWDの治療にとりわけ適している。 また本発明の複合体は、高分子vWF多量体の割合が高いため、極めて良好な薬 物動態をも持つ。というのは、vWF/HWMは生体外でも生体内でも、より高い比血 小板凝集と安定性を持ち、生体外および生体内で因子VIIIを安定化するからであ る。複合体中のvWF多量体の安定性と構造上の完全性は、そのvWF多量体の半減期 を向上させ、またとくに因子VIIIの半減期を向上させるので、本発明医薬製剤の 投与間隔を減らすこともできる。したがって、濃縮因子VIIIの頻繁な投与などに よって起こる、血友病A患者における因子VIIIに対する阻害抗体の発生が防止さ れる。 以下、実施例と図面を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら に限定されるものではない。 図1は、陰イオン交換クロマトグラフィー前後の各画分のvWF多量体パターンを SDS-PAGEで分析した図である。 図2は、陰イオン交換クロマトグラフィーの前後と塩化カルシウム溶出による 因子II除去後の各画分で因子IIを検出した図である。 図3は、陰イオン交換クロマトグラフィーの前後と塩化カルシウム溶出による プロテインS除去後の各画分でプロテインSを検出した図である。 図4は、陰イオン交換クロマトグラフィーの前後と塩化カルシウム溶出による 因子IX除去後の各画分で因子IXを検出した図である。 図5は、陰イオン交換クロマトグラフィーと、それに先立って行なったリジン- セファロースクロマトグラフィーによるプラスミノーゲン除去の前後の各画分で 、プラスミノゲンを検出した図である。 図6は、ヘパリンアフィニティークロマトグラフィー前後の各画分のvWF単量体 パターンをSDS-PAGEで分析した図である。 図7は、ヘパリンアフィニティークロマトグラフィー前後のp-vWFとr-vWFの多 量体分析を示す。 図8は、血小板に対するr-vWF/HMWとp-vWF/HMWの結合を比較し、vWFの添加量と vWFの血小板結合量をグラフに表わしたものである。 図9は、血小板に対するp-vWF/HMWとr-VWF/HMWの結合および多量体分析を示す 。 実施例1: 陰イオン交換クロマトグラフィーによる因子VIII/vWF複合体の精製 寒冷沈降物10gを70mlの酢酸ナトリウム(pH7.0)、160mM NaClおよび50U/mlヘ パリンに30℃で10分間溶解し、さらに完全に溶解するまで室温で30分間インキュ ベートした。その溶液を15℃に冷却し、未溶解成分が除去されるまで遠心分離し 、その上清を水酸化アルミニウムゲルで処理した。その溶液をフラクトゲルEMD TMAE陰イオン交換体に結合させ、異種タンパク質を除去するために、その陰イオ ン交換体を180mM NaClと200mM NaClで洗浄した。次にvWFとFVIIIを複合体として 、400mM NaClで溶出した。出発物質と各画分の因子VIII:C活性とvWF:RistoCoF活 性を測定した。これを表1に要約する。 表1:水酸化アルミニウム上清と陰イオン交換クロマトグラフィーの画分の因子VI II:C活性とvWF:RistoCoF活性 陰イオン交換クロマトグラフィーにより、vWF:RistoCoF活性が増大した因子 VIII/vWF複合体を得ることができた。vWFポリマーパターンを調べるために、陰 イオン交換クロマトグラフィーの各画分をSDS-PAGEで分析した(Laemmli(1970), Nature 227:680-685)(図1B)。精製因子VIII/vWF複合体中のvWFのポリマーパ ターンは、寒冷沈降物と同じバンドパターン(つまり同じvWFポリマー組成)を 示した。したがってこの精製法は、複合体中の高分子vWF多量体の蛋白分解につ ながらなかった。 実施例2: ビタミンK依存性タンパク質の除去と高純度因子VIII/VWF複合体の回収 プロテアーゼと他の凝固因子を含まないFVIII/vWF複合体の回収を目的として 、アッセイを行なった。実施例1に記述したように、溶解した寒冷沈降物を水酸 化アルミニウムで処理した後、陰イオン交換クロマトグラフィーを使って精製し た。非因子VIII/vWF複合体特異タンパク質を除去するため、180mM NaClによる溶 出中に10mM CaCl2を加えた。出発物質と各画分の因子VIII:C活性とvWF:RistoCoF 活性を測定した。それを表2に要約する。 表2:出発物質と陰イオン交換クロマトグラフィーの各画分の因子VIII:C活性とv WF:RistoCoF活性 各画分をそのvWF多量体パターンについてSDS-PAGEで分析した(図1A)。 この多量体分析から、400mM溶出液が高分子vWF多量体を含有することと、寒冷 沈降物から出発した場合、(とくに高分子vWF多量体の)損失が起こらないこと は明らかである。CaCl2イオンを添加すると、低分子vWFが分離され、高分子vWF 分子の比率がより高い因子VIII複合体が得られる(図1A)。したがって、この精 製法によって高分子vWF多量体の蛋白分解が避けられ、CaCl2イオンの添加によっ て例えば二量体や四量体などといった低分子vWF分子を選択的に除去することが できるので、高分子vWF多量体を多量に含む因子VIII複合体が回収されることが 立証された。 陰イオン交換クロマトグラフィーの前と途中に、因子VIII/vWF複合体を含有す る各精製段階をビタミンK依存性タンパク質の存在について分析した。そのため に、各精製段階と各画分をSDS-PAGEで分離し、タンパク質を膜に転写し、ウェス タンブロット分析法によってビタミンK依存性タンパク質を検出した。 a. 各精製段階における因子IIの検出 各画分中の因子IIを検出するために、因子IIに対する一次抗体としてポリクロ ーナル血清を使用し(Assera Faktor II,Stago社)、アルカリホスファターゼ 結合ポリクローナルヤギ抗ウサギIgG HRP複合体(Bio-Rad社)を二次抗体にして 、発色試験により検出を行なった。 図2から、寒冷沈降物が因子IIを含有することは明らかである。先に水酸化ア ルミニウム沈降を行なったにもかかわらず、これは陰イオン交換体から400mM NaClで(FVIII/vWFと共に)不純物として溶出する(レーンE)。しかし、10mM CaCl2を使って因子IIを選択的に溶出し(レーンF)、その後の400mM NaClでの溶 出により、因子IIを含まないvWF/FVIIIを回収することができる(レーンG)。 b. 各精製段階におけるプロテインSの検出 各精製段階でプロテインSを検出するために、ポリクローナルウサギ抗プロテ インS血清(Assera Protein S,Stago社)を一次抗体として使用し、ヤギ抗ウサ ギIgG HRP複合体(Bio-Rad社)を二次抗体にして、発色試験により検出を行なっ た。 図3は、陰イオン交換クロマトグラフィーの前後と塩化カルシウム溶出による プロテインS除去後の各精製段階でのプロテインの検出を表わす。 図3から、水酸化アルミニウム沈降を先に行なったにもかかわらず、寒冷沈降 物からのプロテインSが400mM NaClで(FVIII/vWFと共に)陰イオン交換体から不 純物として溶出することがわかる(レーンE)。しかし、10mM CaCl2を使用して プロテインSを選択的に溶出し(レーンF)、その後の400mM NaClでの溶出により 、プロテインSを含まないFVIII/vWFを回収することができる(レーンG)。 c. 各精製段階における因子IXの検出 各精製段階で因子IXを検出するために、ポリクローナルウサギ抗因子IX血清 (Assera Faktor IX,Stago社)を一次抗体として使用し、ヤギ抗ウサギIgG HRP 複合体(Bio-Rad社)を二次抗体にして、発色試験により検出を行なった。 図4は、陰イオン交換クロマトグラフィーと塩化カルシウムによる因子IXの選 択的除去の前後の各精製段階における因子IXの検出を示す。 図4から、水酸化アルミニウム沈降を先に行なったにもかかわらず、因子IXが4 00mM NaClで(因子VIII複合体と共に)夾雑物として陰イオン交換体から溶出す ることがわかる。しかし、10mM CaCl2を添加すると、因子IXは選択的に溶離し (レーンD)、その後の400mM NaClでの溶出により、因子IXを含まないFVIII/vWF が回収される(レーンE)。 実施例3: 血漿プロテアーゼの除去と高純度因子VIII/vWF複合体の回収 プロテアーゼと他の凝固因子類を含まないvWF/FVIII製剤の回収を目的として 、アッセイを行なった。プロテアーゼプラスミノゲンは、寒冷沈降物の実質的夾 雑物を構成する。これはFVIII/vWF溶出液(400mM溶出液)中にも認められる。 プラスミノゲンを除去するために、上述のように寒冷沈降物を溶解し、水酸化 アルミニウムゲルで処理した。次に、そのAlu上清をリジン−セファロースゲル を通して濾過し、そこから直接、陰イオン交換体(フラクトゲルEMD TMAE)にの せた。上記と同様に400mM NaClで、陰イオン交換体からFIII/vWFを溶出した。陰 イオン交換クロマトグラフィー前後の溶出液を、ウェスタンブロットによりプラ スミノゲンについて分析した(図5)。そのために、SDS-PAGEを用いるゲル電気 泳動でタンパク質を分離して、それらを膜にブロッティングし、ポリクローナル ウサギ抗プラスミノゲン血清(Stago社)を一次抗体にして、発色試験によりプ ラスミノゲンを検出した。 リジン−セファロースでの濾過によってプロテアーゼプラスミノゲンがvWF/FV IIIから選択的に分離されることは、その結果から明らかである。 実施例4:(現時点で出願人はこの実施例を発明を実施するための最良の形態 とみなしている) FVIII/vWF複合体のヘパリンアフィニティークロマトグラフィー このヘパリンアフィニティークロマトグラフィーには、フラクトゲルAF EMD- ヘパリンを使用した。実施例2に従って陰イオン交換クロマトグラフィーで精製 したFVIII/vWF(400mM溶出液)を出発物質とした。FVIII/vWFをアフィニティー クロマトグラフィーで精製するために、400mM NaClフラクトゲル溶出液27mlを 81mlのトリス-塩酸緩衝液(pH7.4)で4倍に希釈し、それをヘパリンアフィニテ ィーカラムにのせた。そのカラムをまず100mM NaClで洗浄した後、非特異的に結 合したタンパク質を除去するために160mM NaClで洗浄した。次に、そのヘパリン カラムを300mM NaClで溶出することにより、因子VIII/vWF複合体を得た。出発物 質と、陰イオン交換クロマトグラフィーおよびヘパリンアフィニティークロマト グラフィーの各画分の因子VIII:C活性とvWF:RistoCoF活性ならびにvWF:Ag含量を 測定した。それらを表4Aと4Bに要約する。 表4A:出発物質と陰イオン交換クロマトグラフィー前後の各画分の因子VIII:C活 性とvWF:RistoCoF活性表4B:出発物質とヘパリンアフィニティークロマトグラフィー前後の各画分の因 子VIII:C活性とvWF:RistoCoF活性 ヘパリンアフィニティークロマトグラフィーの溶出液をvWFポリマー組成につ いて分析した(図6)。 図6から、vWFの高分子部分が300mM NaCl画分中に得られることはあきらかであ る。またこの画分は、最も高い因子VIII:C活性とvWFリストセチン補因子活性を 持つ(表4B)。 これらの結果を総合すると、陰イオン交換クロマトグラフィーとヘパリンアフ ィニティークロマトグラフィーを組み合せることにより、vWF、FVIIIならびにそ れらの複合体を、寒冷沈降物から単離、精製できることがはっきりとわかる。と くに、ヘパリンアフィニティークロマトグラフィーを利用することにより、寒冷 沈降物に由来する低分子vWF多量体とvWFの分解産物を分離することができる。 実施例5 精製したvWFまたはvWF複合体の比リストセチン補因子活性の測定 ヒト寒冷沈降物と組換えCHO細胞の発酵上清から、それぞれ血漿vWF(r-vWF) と組換えvWF(r-vWF)を、クロマトグラフィー法によって単離し、実施例2に従 って精製した。ヘパリンアフィニティークロマトグラフィーと種々の塩濃度での 溶出により、種々の重合度を持つvWFの画分を(実施例4に従って)単離した。p- vWFとr-vWFのいずれについても一般に、低分子量vWF(vWF/LMW)を含む画分は 120mM NaClで得られ、中分子量型(vWF/MMW)は230mM NaCl、高分子量型(vWF/H MW)は300mM NaClでそれぞれ得られた。これらの画分を、そのvWF:Ag含 ン補因子活性(vWF試薬,Behringwerke社)、多量体構造(SDS-PAGEを使用)、 および血小板結合について調べた。 図7は、血漿vWFと組換えvWFのvWFポリマー分析を示している。 寒冷沈降物中の血漿vWFの精製前には、vWFの二量体、四量体または多量体がト リプレット構造で存在することがとくに目を引く。これらのトリプレット構造は vWF多量体の分解産物であり、血漿中に存在するプロテアーゼによるものである 。とくにvWF MMW画分とvWF HMW画分の場合、精製後には、ダブレット構造の多量 体しか認められない。このように、これらのクロマトグラフィー法では、プロテ アーゼと低分子vWF分解産物の除去により、血漿中に存在するvWF分子とは異なる 組成と構造を持つvWF多量体が得られる。 血漿vWF多量体と比べると、組換えvWFは、vWF多量体中に唯一シングレッドバ ンドが存在することをはっきりと示した。文献からわかっている血漿vWFのvWFト リプレット構造と比べて、組換えvWF多量体分子は構造上の完全性が高く、蛋白 分解産物を含有しない。 表5と表6に、p-vWFとr-vWFの比リストセチン補因子活性(RistoCoF/vWF:Ag) を示す。 表5:様々なp-vWF画分の比リストセチン補因子活性 表6:様々なr-vWF画分の比リストセチン補因子活性 実施例6: p-vWFと-r-vWFの血小板への結合 さらなる試験として、血小板に対するp-vWFとr-vWFの結合を調べた。p-vWF/HM Wとr-vWF/HMWをそれぞれ一定濃度の血小板およびリストセチンと共に保温した。 次に、血小板を遠心分離によって分離し(血小板沈渣、結合型vWF)、上清(非 結合型vWF)を得た。出発物質中および上清中のvWF:Agと、血小板に結合したvWF の量を決定した。対照として、リストセチンなしで同じ保温を行なった。これら の場合は、vWF血小板結合が生じなかった。図8に示す保温製剤中のvWF濃度と血 小板に結合したvWFの比率は、p-vWF/HMWとr-vWF/HMWの結合挙動を直接比較した ものである。保温後に、上清(非結合型vWF)と血小板沈渣中のvWF(結合型vWF )の両方をその多量体組成について調べた。その多量体分析の結果を図9に合わ せて示す。 実施例7: 精製因子VIII/vWF複合体の安定性の測定 陰イオン交換クロマトグラフィーまたはヘパリンアフィニティークロマトグラ フィーを使って得た画分を、そのvWF多量体の安定性および因子VIII活性につい て試験した。そのために、各精製段階で得た画分を−20℃、4℃および室温で60 日まで保存し、0、1、3、5、10、15、20、30および60日後に、各試料をvWF多量 体分析、因子VIII:CおよびvWFリストセチン補因子活性測定にかけたところ、陰 イオン交換クロマトグラフィーの溶出液とヘパリンアフィニティークロマトグラ フィーの溶出液のなかで、血漿プロテアーゼをリジン−セファロースで選択的に 除去し、またはビタミンK依存性因子を塩化カルシウム溶出で選択的に除去して おいたものが、最も高い安定性を示した。これらの試料では30日後でさえvWF多 量体パターンが変化しなかったが、リジン−セファロースクロマトグラフィーか 塩化カルシウム溶出をそれぞれ行なっていない試料では、時間の経過に応じてvW F蛋白分解産物の発生が認められた。したがって、高分子vWF多量体の安定性を維 持するには、出発物質中に存在する血漿タンパク質の除去がとくに必要である。 というのは、これらは貯蔵安定性に著しい影響を及ぼしたり、貯蔵安定性を著し く低下させるからである。 実施例8: 精製抗分子vWF多量体の添加による精製因子VIII複合体の安定性の向上 クロマトグラフィーによる精製処置で得た種々の因子VIII含有画分または因子 VIII/vWF複合体含有画分に、様々な量の精製p-vWF/HMWまたは精製r-vWF/HMWを加 え、その混合物を4℃および室温で最大40日間保温し、そのvWF多量体組成と因子 VIII:C活性およびvWF-リストセチン補因子活性を、0、1、5、10、20、25、30、3 5および40日後に決定した。vWF多量体の安定性と比リストセチン補因子活性は、 先のクロマトグラフィーで血漿タンパク質(とくに血漿プロテアーゼ)を除去し ておいた溶出液で最も高かった。各因子VIII含有画分、各因子VIII/vWF含有画分 または寒冷沈降物からの出発物質のそれぞれ(具体的には実施例7で低い安定性 を持った画分)に、vWF/HMW含有画分を添加することにより、安定性を改善する ことができた。高分子vWF多量体の添加量に応じて、蛋白分解産物の発生と、因 子VIIIの比活性およびvWF活性の減少を、時間的に遅らせることができた。 実施例9: 精製因子VIII/vWF複合体と高分子vWF多量体添加後の精製因子VIII/vWF複合体 のウイルス非働化と、因子VIII:C活性およびvWF-RistoCoF活性の測定 クロマトグラフィーによる精製処置で得た各画分と、精製高分子vWF多量体ま たはアルブミンを添加した画分に、ウイルス非働化処置を施した。そのために、 試料を60℃で10時間加熱した後、80℃でさらに1時間保温した。次に、vWF多量体 分析と因子VIII:Cの活性および比vWF血小板凝集活性の測定を行なった。ヘパリ ンアフィニティークロマトグラフィー後に高分子vWF多量体の比率がとくに高く て、低分子vWF分解産物を一切含まず、比リストセチン補因子活性も高い試料は とくに、因子VIIIおよびvWFの活性損失が最も少ないことがわかった。さらに一 定量の精製高分子vWF多量体を添加した試料でも、非働化処置後の活性損失は最 大10%だった。アルブミンを添加した試料では、この安定化剤の添加によって比 活性が減少し、非働化処置後にはさらに減少した。このことから、vWF/HMWの存 在だけで、あるいは高分子vWF多量体の添加により、因子VIII/vWF複合体中のタ ンパク質の安定性を、比活性の実質的な減少を伴うことなくかなり増大させうる ことが立証できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61P 7/04 A61K 37/465 (72)発明者 アイブル,ヨハン オーストリア、アー―1180ヴィーン、グス タフ―チェルマークガッセ2番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 高分子vWF多量体をとくに含有し、低分子vWF分子とvWF蛋白分解産物を含 まない安定な因子VIII/vWF複合体。 2. 少なくとも50U/mg vWF:Agの比血小板凝集活性を示すことを特徴とする請 求項1の安定な因子VIII/vWF複合体。 3. vWFに対する因子VIIIのモル比が0.01〜100であることを特徴とする請求項 1または2の安定な因子VIII/vWF複合体。 4. vWFに対する因子VIIIのモル比が0.05〜1であることを特徴とする請求項3 の安定な因子VIII/vWF複合体。 5. ダブレット構造を持つ高分子血漿vWF多量体を含有することを特徴とする 請求項1〜4のいずれかの安定な因子VIII/vWF複合体。 6. シングレット構造を持つ高分子組換えvWF多量体を含有することを特徴と する請求項1〜5のいずれかの安定な因子VIII/vWF複合体。 7. その高分子vWF分子が高い構造上の完全性を持つことを特徴とする請求項1 〜6のいずれかの安定な因子VIII/vWF複合体。 8. 血漿タンパク質、とくに血漿プロテアーゼを含まず、かつ、フィブリノー ゲンとフィブロネクチンを含まないことを特徴とする請求項1〜7のいずれかの安 定な因子VIII/vWF複合体。 9. 溶液状態で貯蔵安定性を示すことを特徴とする請求項1〜8のいずれかの安 定な因子VIII/vVVF複合体。 10. ウイルスを失活または枯渇させるための処理を受けていることを特徴と する請求項1〜9のいずれかの安定な因子VIII/vWF複合体。 11. 構造上の完全性が高い高分子vWF多量体をとくに含有し、そのvWF多量体 がシングレットまたはダブレット構造からなり、かつ、vWFの蛋白分解産物を含 まない、安定なウイルスセーフ濃縮因子VIII/vWF複合体。 12. 少なくとも50U/mg vWF:Agの比血小板凝集活性を持つことを特徴とする請 求項11の安定なウイルスセーフ濃縮因子VIII/vWF複合体。 13. vWFに対する因子VIIIのモル比が0.01〜100であることを特徴とする請求 項11または12の安定なウイルスセーフ濃縮因子VIII/vWF複合体。 14. vWFに対する因子VIIIのモル比が0.05〜1であることを特徴とする請求項1 3の安定なウイルスセーフ濃縮因子VIII/vWF複合体。 15. 血漿タンパク質、とくに血漿プロテアーゼを含まず、かつ、微生物学的 および分子生物学的病原体を含まないことを特徴とする請求項11〜14のいずれか の安定なウイルスセーフ濃縮因子VIII/vWF複合体。 16. 請求項1〜15のいずれかの安定な因子VIII/WF複合体を含有する医薬組成 物。 17. 生理学的に許容できる担体を含有することを特徴とする請求項16の医薬 組成物。 18. 血友病Aおよび/または種々の形態のフォン・ウィルブランド症候群を治 療するための請求項1〜15のいずれかの安定な因子VIII/vWF複合体の使用。 19. タンパク質溶液から因子VIII/vWFをヘパリンアフィニティー担体に結合 させ、因子VIII/vWF複合体を200mM以上300mM以下の塩濃度で回収することを特徴 とする安定な因子VIII/vWF複合体の回収法。 20. 因子VIII/vWF複合体を含有する血漿画分または寒冷沈降物を該タンパク 質溶液として使用することを特徴とする請求項19の方法。 21. 細胞を含まず、因子VIII/vWF複合体を含有する形質転換細胞の培養上清 を該タンパク質溶液として使用することを特徴とする請求項19の方法。 22. 濃縮タンパク質画分を該タンパク質溶液として使用することを特徴とす る請求項19の方法。 23. ヘパリンアフィニティー担体として、ヘパリンが結合した担体(好まし くはAF-ヘパリントヨパール(Tosohass社)、ヘパリンEMD-フラクトゲルまたは ヘパリン−セファロースファストフロー)を使用することを特徴とする請求項19 〜22のいずれかの方法。 24. アフィニティークロマトグラフィー用の緩衝液系として、緩衝剤(好ま しくはトリス/塩酸緩衝液、リン酸緩衝液またはクエン酸緩衝液)と任意に塩と からなる緩衝液を使用することを特徴とする請求項19〜23のいずれかの方法。 25. アフィニティークロマトグラフィーを6.0〜8.5のpH域(好ましくはpH7.4 )で行なうことを特徴とする請求項19〜24のいずれかの方法。 26. 塩としてNaClを使用することを特徴とする請求項19〜25のいずれかの方 法。 27. 因子VIII:Cの比活性が少なくとも50U/mgタンパク質であり、かつ、比血 小板凝集活性が少なくとも50U/mgvWFである因子VIII/vWF複合体が得られること を特徴とする請求項19〜26のいずれかの方法。 28. 高分子vWF多量体をとくに含有し、低分子vWF多量体とvWF蛋白分解産物を 含まない因子VIII/vWF複合体含有画分が得られることを特徴とする請求項19〜27 のいずれかの方法。 29. 夾雑物を含むタンパク質溶液中の因子VIII/vWF複合体を陰イオン交換体 に結合させる安定な因子VIII/vWF複合体の回収法であって、夾雑血漿タンパク質 を200mM以下の塩濃度でCaCl2を用いて選択的に溶出した後、200mM以上400mM以下 の塩濃度で因子VIII/vWF複合体をその陰イオン交換体から得ることを特徴とする 方法。 30. 夾雑タンパク質が血漿タンパク質であることを特徴とする請求項29の方 法。 31. その血漿タンパク質がとくにビタミンK依存性因子、血漿プロテアーゼ、 フィブロネクチンまたはフィブリノゲンであることを特徴とする請求項30の方法 。 32. CaCl2を溶離液中1mM〜15mM(好ましくは10mM)の濃度で使用することを 特徴とする請求項29〜31のいずれかの方法。 33. 溶出を6.0〜8.5のpH域(好ましくはpH7.4)で行なうことを特徴とする請 求項29〜32のいずれかの方法。 34. 塩としてNaClを使用することを特徴とする請求項29〜33のいずれかの方 法。 35. 高分子vWF多量体をとくに含有し、かつ、低分子vWF分子とvWF分解産物を 含まない因子VIII/vVVF複合体が得られることを特徴とする請求項29〜34のいず れかの方法。 36. 回収された因子VIII/vWF複合体を含有する画分をさらなるクロマトグラ フィー処置(好ましくはアフィニティークロマトグラフィー)にかけることを特 徴とする請求項29〜35のいずれかの方法。 37. そのアフィニティークロマトグラフィーとして請求項19〜27のいずれか のヘパリンクロマトグラフィーを使用することを特徴とする請求項36の方法。 38. vWF分子の精製高分子画分をクロマトグラフィー法で精製された因子VIII または因子VIII/vWF複合体に混合することにより、vWFに対する因子VIIIのモル 比が0.01〜100(好ましくは0.05〜1)の因子VIII/vWF複合体を得ることを特徴と する安定な因子VIII/vWF複合体の生産法。 39. 該精製因子VIIIまたは因子VIII/vWF複合体が血漿画分から回収されるこ とを特徴とする請求項38の方法。 40. 該精製因子VIIIまたは因子VIII/vWF複合体が細胞を含まない形質転換細 胞の細胞培養上清から回収されることを特徴とする請求項38の方法。 41. 該vWF分子の精製高分子画分が血漿vWFからなることを特徴とする請求項3 8の方法。 42. 該vWF分子の精製高分子画分が組換えvWFからなることを特徴とする請求 項38の方法。 43. 少なくとも50U/mgvWF:Agの比血小板凝集活性を持つvWF分子の高分子画分 が回収されることを特徴とする請求項38〜42のいずれかの方法。
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