JP2005511038A - 第viii因子c2ドメインのバリアント - Google Patents

第viii因子c2ドメインのバリアント Download PDF

Info

Publication number
JP2005511038A
JP2005511038A JP2003548768A JP2003548768A JP2005511038A JP 2005511038 A JP2005511038 A JP 2005511038A JP 2003548768 A JP2003548768 A JP 2003548768A JP 2003548768 A JP2003548768 A JP 2003548768A JP 2005511038 A JP2005511038 A JP 2005511038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
factor viii
amino acid
modified
human
substitution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003548768A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005511038A5 (ja
Inventor
エス. ローラー,ジョン
Original Assignee
エモリー ユニバーシテイ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エモリー ユニバーシテイ filed Critical エモリー ユニバーシテイ
Publication of JP2005511038A publication Critical patent/JP2005511038A/ja
Publication of JP2005511038A5 publication Critical patent/JP2005511038A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/745Blood coagulation or fibrinolysis factors
    • C07K14/755Factors VIII, e.g. factor VIII C (AHF), factor VIII Ag (VWF)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/04Antihaemorrhagics; Procoagulants; Haemostatic agents; Antifibrinolytic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

ヒト第VIII因子の特定のアミノ酸位は、第VIII因子で治療された後の血友病患者の阻害的抗体と相互作用する。アミノ酸配列が1以上の特異的な位置における置換によって変えられている第VIII因子が開示される。改変された第VIII因子は血友病患者が阻害的抗体の作用を避ける又は防ぐのに有用である。

Description

発明の分野
本発明は一般にそれらが由来するタンパク質又は別の第VIII因子製剤、例えばヒトの第VIII因子と比較して、免疫原性及び/又は抗原性を減少させるアミノ酸置換を持つ改変された哺乳動物第VIII因子に関する。
関連出願への相互参照
本出願は2001年11月30日に出願された米国の仮特許出願No.60/334,569に基づく優先権を主張する。
米国研究支援への謝辞
本発明の少なくとも一部は、National Institutes of Health の契約中のNo.FO1-HL46215の基金を使って行われた。従って米国政府は本発明の権利を持ちうる。
発明の背景
血液凝固は外傷部位の傷ついた血管の切れた壁面に血小板が接着するときから始まる。次に段階的に起こる酵素に制御された反応により、トロンビン(thrombin)酵素が可溶性フィブリノーゲン(fibrinogen)分子を不溶性フィブリン(fibrin)繊維へと変換し、フィブリンは血小板塞栓で血小板と結合する。段階的な反応のそれぞれの段階で、前駆体タンパク質はプロテアーゼへと変換され、プロテアーゼは系列の中で次の前駆体タンパク質を分解する。その多くのステップでコファクターが必要とされている。
第VIII因子はvon Willebrand factorに強固に及び非共有結合で結合し、不活性の前駆体として血液中を循環している。第VIII因子はトロンビン又は第Xa因子によりタンパク質分解を受け活性化され、第Xa因子は第VIII因子とvon Willebrand factorとを解離させ、段階的に凝固を促進する機構を活性化させる。この活性化の機構で第VIIIa因子タンパク質はコファクターであり、第IXa因子が第X因子を活性化させる反応に対する触媒効果を数桁のオーダーで増加させる。
第VIII因子を欠く又は第VIII因子に対する抗体を持つ人で第VIII因子を処置されていない人は、関節における炎症から早期の死といった重大な症状を起こす可能性がある制御できない体内の出血を被っている。重度の血友病患者は、その数は全米で約10000人に及び、ヒト第VIII因子を輸液する治療をうけており、ヒト第VIII因子は適切な頻度及び濃度で投与されれば血液の通常の凝固機能を回復することができる。通常の血漿に存在しA型血友病患者由来の血漿の凝固能欠如を回復させる物質というのが、古典的な第VIII因子の定義である。
第VIII因子の活性を阻害する抗体(阻害剤(inhibitors)や阻害的抗体(inhibitory antibodies))の産出は、血友病患者の取扱の際重大な合併症になる。治療を目的とした第VIII因子の輸液に対応し、A型血友病患者の約20%では自己抗体(autoantibodies)が産出している。以前に治療を受けていないA型血友病患者で阻害剤を産出するようになった人では、阻害剤は通常治療後一年以内に産出するようになる。さらに、第VIII因子を不活性化させる自己抗体が、個人において以前の通常の第VIII因子レベルでときおり産出する。第VIII因子(fVIII)に対する阻害的抗体(阻害剤)は第VIII因子の投与を受けたA型血友病患者においてアロ抗体(alloantibodies)として、又は血友病患者以外では自己抗体として産出する。[Hoyer, L.W. and D. Scandella (1994) Semin. Hematol. 31:1-5]。A1-A2-B-ap-A3-C1-C2 fVIII分子のうちにあるA2、ap-A3、及びC2ドメインをエピトープとする抗体が多くの阻害血漿における全ての抗凝血活性の原因である。[Prescott, R. et al.,(1997) Blood 89: 36633671; Barrow, R. T. et al., (2000) Blood 95: 557-561]。ヒト一本鎖fVIIIのSer2173-Tyr2332の残基で定義される18kDのC2ドメインは、fVIIIの通常の凝固促進機能に必須となるリン脂質膜結合領域を持っている。C2ドメイン特異的ヒトfVIII抗体はこの相互作用を阻害する。[Arai, M. et al., (1989) J. Clin. Invest. 83:1978-1984]。これと一致して、リン脂質はfVIIIをfVIII阻害剤による不活性化から守る。[Arai et al., supra; Barrowcliffe, T.W. et al., (1983) J. Lab. Clin. Med. 101:34-43]。C2ドメインはvon Willebrand factor(vWf)結合サイトの一部も持っている。[Saenko, E.l. et al.,(1994) J. Biol. Chem. 269:11601-11605; Saenko, E.L. and Scandella, D.(1997) J. Biol. Chem. 272:18007-18014]。いくつかの阻害剤ではこの相互作用を妨げるように働きうる。[Shima, M. et al., (1995) Br. J. Haematol. 91:714-721; Saenko, E.L. et al., (1996) J. Biol. Chem. 271:27424-27431; Gilles, J.G. et al., (1999)Thromb. Haemost. 82:40-45]。
A型血友病の患者は、阻害剤のタイターが十分に低い状態の場合、第VIII因子の投与量を上げる処置がされうる。しかしながら、阻害剤のタイターはとても高いことが多いので、第VIII因子の投与により打ち勝つことができない。別の戦略は、普通の止血の際、第IX因子複合製剤(例えばKONYNE(登録商標), Proplex(登録商標))や組換えヒト第VIIIa因子を用いて、第VIII因子の必要性をバイパスすることがある。さらに、ブタの第VIII因子は通常ヒトの第VIII因子と比べて阻害剤に対する反応性がかなり少ないので、部分的に精製したブタの第VIII因子製剤(HYATE:C(登録商標))が使われている。ヒト第VIII因子に対する阻害的抗体を産出する多くの患者は、ブタの第VIII因子でうまく治療されてきており、長い期間の治療にも耐えてきている。しかしながら、一回又は複数回の輸液の後で、ブタの第VIII因子に対する阻害剤が産出する可能性も有り、ブタの第VIII因子の投与は完全な解決法ではない。
A型血友病の治療に対して、純度を変えたヒト血漿由来第VIII因子製剤がいくつも商業的に使えるようになっている。これらの製剤は、多くのドナーのプールした血液であって、ウイルス対策のため熱処理、界面活性剤処理されているが、かなりの量の抗原タンパク質を含むもの由来の部分的に精製された第VIII因子;モノクローナル抗体で精製した第VIII因子でより低いレベルの抗原性不純物及びウイルス汚染を含むもの;及び臨床治験が行われている組換えヒト第VIII因子を含む。あいにく、ヒト第VIII因子は生理的な濃度及びpHで不安定であり、血液中ではとても低い濃度(0.2 μg/ml血漿)しか存在せず、及び血液凝固活性の特異性は低い。
血友病患者は出血及び血友病性変形関節症から身を守るため、第VIII因子を毎日置き換えることが必要となる。しかしながら、供給は不十分であり、単離及び精製の難しさ、免疫原性、及びウイルス汚染の危険性、例えばHIV、肝炎など、から治療で使う際に問題が起こる。組換えヒト第VIII因子、又は部分的に精製したブタの第VIII因子の使用は全ての問題を解決するには至らない。
通常に使用され、商業的に利用できる血漿由来第VIII因子に付随している問題が、よりよい第VIII因子製品の開発に対する意義ある関心を刺激する。適切な凝固活性をより少ない濃度で得るために高い比活性を持つ第VIII因子分子、あるpH及び生体内での濃度で安定な第VIII因子分子、免疫原性がより少ない第VIII因子分子、並びにヒト第VIII因子分子に対して既に抗体を産出している患者においても阻害されることがない第VIII因子分子へのニーズがある。
Lollarに対する米国特許6,180,371号は第VIII因子分子の抗原性を変化させるヒト第VIII因子のA2ドメインにおけるアミノ酸置換を記述する。Lollarに対する米国特許5,859,204号はヒト第VIII因子の484-509領域におけるサイト特異的アミノ酸置換を開示する。さらに特異的に‘204号の特許はヒトのタンパク質と関連させた485、487、488、489、492、495、501、又は508の位置のアミノ酸を置換を有する改変第VIII因子を示す。Lollar et al., に対する米国特許5,888,974号は、ヒト及びヒト以外の第VIII因子のサブユニット又はドメインを単離及び組換えで作ったハイブリッド凝血促進第VIII因子を開示する。Lollar et al., に対する米国特許5,744,446号は、A2ドメインにおいてアミノ酸置換を持っているハイブリッドの第VIII因子を記述する。Lollar et al.,に対する米国特許5,663,060号は、ヒト及びヒト以外の重鎖及び軽鎖の組合せを持っているハイブリッドの第VIII因子を記す。米国特許5,583,209号は‘060号特許におけるハイブリッド第VIII因子分子のコードする核酸を記す。米国特許5,364,771号は精製したヒト及びブタの重鎖及び軽鎖の組合せから作って精製したハイブリッド第VIII因子を記述する。さらにヒトのA2ドメインをブタのA2ドメインに置換したヒトの第VIII因子を公開する。
米国特許6,180,371、5,888,974、5,859,204、5,744,446、5,663,060、5,583,209、及び5,364,771号(これら全てを本願明細書に援用する。)は、置換を開示しない、また、ワイルドタイプの第VIII因子又はそれに対応する組換え第VIII因子と比較して抗原性又は免疫原性を減少させる第VIII因子C2ドメインにおける特定のアミノ酸置換を提案しない。
それゆえ、本発明の目的は、第VIII因子を欠いている又は第VIII因子のC2ドメインに対する抑制的抗体をもつ血友病患者を治療することができる改変した第VIII因子を提供することである。
本発明のさらなる目的は、血友病患者を治療する手法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、ある選んだpH及び生理的濃度で安定な第VIII因子を提供することである。
本発明の別の目的は、ヒト第VIII因子より血液凝固活性の優れた第VIII因子を提供することである。
発明の要約
本発明は一般的に組換え改変された第VIII因子に関する。本発明は、凝血活性を持つ単離、精製した組換え改変された第VIII因子分子を提供する。そこでは、組換え第VIII因子はC2ドメインにおけるアミノ酸置換を有しており、このアミノ酸置換は、通常のヒト第VIII因子又は別の第VIII因子で通常のヒト第VIII因子のC2ドメインを有するものと比較すると抗原性を減少させる。組換え改変された第VIII因子を作る方法と同様に本発明の組成物をコードするDNA配列も提供される。第VIII因子を使った治療が必要である患者を治療する方法も本発明の範囲になる。
本発明の態様の1つ目は、C2ドメインにアミノ酸置換を有する組換え哺乳動物第VIII因子を持っている組成物を提供する。組換え改変された第VIII因子のC2ドメインにおけるアミノ酸置換は、通常のヒト第VIII因子又は通常のヒト第VIII因子のC2ドメインを持つ第VIII因子に比べて、阻害的酵素の抗凝血活性を減少させる。本態様の組成物は、凝血活性及びC2ドメインに向けられた阻害的酵素に対する減少した結合性を持つ。
本態様の一の側面では、組成物は、C2ドメインの中のヒト第VIII因子のR2215、W2313、R2220、R2320、Y2195、F2196、及びF2290の位置に対応する位置におけるの少くとも1のアミノ酸置換を持つ組換え哺乳動物第VIII因子に関する。本態様の組成物は、シングルミュータント、ダブルミュータント、トリプルミュータント、又は別の複数のミュータントからなりうる。本発明のアミノ酸置換の例は、非制限的にR2215A、R2215K、W2313A、W2313F、R2220A、R2220K、R2320A、R2320K、Y2195H、Y2195A、F2196L、F2196A、F2290S、及びF2290Aを含んでおり、これらの全ては成熟型第VIII因子のアミノ末端のアラニンをアミノ酸番号1としたヒト第VIII因子のナンバリングシステムを参照している。組換えヒト又はブタの第VIII因子の両方についての置換が好ましい。好ましいアミノ酸置換は免疫原性を減らすものを含む。2220、2196、又は2215の位置における置換が好ましい。
本発明の二つ目の態様では、C2ドメインにおけるアミノ酸の置換がある組換え第VIII因子を持つ新規のハイブリッド第VIII因子組成物を提供する。本態様の新しい組成物は、C2ドメインにアミノ酸置換を有するハイブリッド第VIII因子を調製することによって作られる。第VIII因子のその他のドメインはさまざまな哺乳動物、例えばヒト、マウス、ブタ、ラット、及びイヌなど由来でありうる。本態様の新規組成物は、凝血活性や阻害的抗体に対する減少された結合性をもっている。本発明のアミノ酸置換の例は、非限定的にR2215A、R2215K、W2313A、W2313F、R2220A、R2220K、R2320A、R2320K、Y2195H、Y2195A、F2196L、F2196A、F2290S、及びF2290Aを含んでおり、これら全ては成熟型第VIII因子のアミノ末端のアラニンをアミノ酸番号1としたヒト第VIII因子のナンバリングシステムを参照する。組換えヒト又はブタの第VIII因子の両方における置換が好ましい。好ましいアミノ酸置換は、免疫反応性を減少させるものを含む。2220、2196、及び2215の位置における置換も好ましい。
本発明のもう1つの態様は、本発明の新規の組成物をコードしている配列を含むDNA配列を提供する。さらに本発明のもう1つの態様は、本発明の新規組成物の製造方法を提供する。
本発明はまた、第VIII因子分子の免疫原性を減らす方法及びこの方法により作られた減少した免疫原性を有する組換え第VIII因子を提供する。特に、改変された組換え第VIII因子分子及びC2ドメインに対する置換を持ち、減少した免疫原性を有する分子の製造方法が記述される。
組換え改変された第VIII因子及びそのハイブリッド化されたバージョンの投与からなる第VIII因子を欠いている患者に対する医薬品の組成物及び治療方法が提供される。
発明の詳細な説明
本発明は一般的に組換え改変された第VIII因子に関する。本発明の組成物は、単離、精製され組換え改変された凝血活性を持つ第VIII因子分子を提供する。近年利用できるようになったX線構造により特定された第VIII因子のC2ドメインにおけるアミノ酸残基の変異が、通常のヒト第VIII因子及びヒト第VIII因子のC2ドメインを持つ第VIII因子に比べて、阻害抗体の結合を減少させるということが発見された。このように、本発明の組成物は、通常のヒト第VIII因子及びヒト第VIII因子のC2ドメインを持つ第VIII因子に比べ、抗原性を減らすアミノ酸置換をC2ドメインに持つ組換え第VIII因子を提供する。さらに、本発明は、ほかの利用できる第VIII因子製剤に比較し、抗原性を減少させるアミノ酸置換をC2ドメインに持つ組換え第VIII因子を提供する。本発明はまた、C2ドメインにおける免疫原性を減少させるようなアミノ酸置換を持つ組換え第VIII因子を提供する。本発明の関連する態様は、第VIII因子の処置が必要な患者に対し投与する方法、本発明の組成物である新規の組換え第VIII因子を作る方法、新規の組換え第VIII因子タンパク質をコードするDNA配列、及び新規の第VIII因子タンパク質を含む医薬品の組成物を提供する。
本発明はさらに、活性のある組換えハイブリッド第VIII因子分子又はその断片、こういったハイブリッド体をコードする核酸塩基配列、それらを調製又は単離する方法、並びにそれらに特性を与える方法を提供する。これらのハイブリッド体はヒト/動物、動物/動物、ブタ/ヒト、又はその他そういったハイブリッド第VIII因子分子でありえる。さらに、これらのハイブリッド体は、C2ドメインにおいて、別種の第VIII因子の対応するアミノ酸配列(又はアミノ酸)の代わりに置き換わったある種の第VIII因子における1以上のユニークなアミノ酸を含む少なくても一つの特異的なアミノ酸配列を持つ。また、これらのハイブリッド体は、C2ドメインにおいて、ヒト、動物、ブタ、又はハイブリッド第VIII因子の特定のアミノ酸配列に代わり置き換わった第VIII因子と同一である既知の配列を持たない1以上のアミノ酸を含む少なくとも一つの配列を持つ。組換えハイブリッド第VIII因子の成果は元の由来タンパク質と比較して、第VIII因子阻害的酵素に対する減少した免疫反応性を持つ又は免疫反応性がない。
本明細書中で用いられている「対応する」核酸又はアミノ酸或いは両者の配列は、第VIII因子分子又はその断片中のサイトに存在しており、それらは、核酸又はアミノ酸番号は一致しないこともありうるが、他の種における第VIII因子分子中のサイトと同じ構造及び/又は機能を持つ。別の第VIII因子配列に「対応する」DNA配列では実質的にそのような配列に一致し、及び、厳密な条件で命名されたSEQ ID NO.の配列とハイブリダイズする。別の第VIII因子に「対応する」DNA配列は、第VIII因子又はその断片の発現という結果になる配列を含み、遺伝暗号に冗長がなければ、命名されたSEQ ID NO. とハイブリダイズする。
本明細書中で用いられる「ユニークな」アミノ酸残基又は配列は、ある種の第VIII因子分子中のアミノ酸配列又は残基のことを指しており、その配列又は残基はある別種の第VIII因子分子における相同性のある残基又は配列と異なっている。
本明細書中で用いられる「比活性」はヒト第VIII因子を欠いている血漿の凝血欠陥を直す活性のことを指す。比活性は、全第VIII因子タンパク質ミリグラム中の凝血活性のユニットについて標準のアッセイで計測され、標準のアッセイでは、ヒト第VIII因子を欠いている血漿の凝固時間が通常のヒト第VIII因子の凝血時間と比較される。第VIII因子の活性の1ユニットは通常のヒト血漿の1ミリリッターに存在する活性である。このアッセイでは、凝血の形成にかかる時間が短いほど測定されている第VIII因子の活性は高くなる。ブタの第VIII因子はヒト第VIII因子のアッセイで凝血活性を持つ。
「発現」は、遺伝情報が産物を産出するために使われることによって起こる一連の過程のことを指す。ブタ第VIII因子のアミノ酸配列をコードするDNAは、哺乳動物の宿主細胞でブタの第VIII因子を産生するため「発現」されうる。与えられたDNA配列の発現が起こることが許される材料、遺伝的構造、宿主細胞、及び条件は、当該技術分野では周知であり、かつ、時間及び発現の量並びに発現されたタンパク質の細胞内外における位置に影響を与えるように操作しうる。例えば、ブタ第VIII因子をコードするDNAの5’末端にシグナルペプチドをコードしているDNAを含ませることにより(5’末端は通常タンパク質のNH2末端をコードする。)発現したタンパク質は、宿主細胞の内部から培養液へ出されるようになる。ブタ第VIII因子をコードするDNAと組み合わせてシグナルペプチドをコードするDNAを用意することは有利である。なぜなら、発現した第VIII因子は培養液へと出されるからであり、このことは精製過程を簡単にする。好ましいシグナルペプチドは哺乳動物の第VIII因子のシグナルペプチドである。
第VIII因子は、「ドメイン」配列NH2-A1-A2-B-A3-C1-C2-COOHを定義する内部のホモロジーを有する配列を持つおおよそ300kDaの単鎖タンパク質として合成される。第VIII因子分子では、本明細書中で使われている「ドメイン」は、内部のアミノ酸配列の同一性及びトロンビンによってタンパク質分解されるサイトによって定義される連続したアミノ酸配列である。別段の定めがない限り、配列がヒトアミノ酸配列と配列比較されたとき、第VIII因子のドメインは下記のアミノ酸残基を含む。A1ドメインの場合残基Ala1-Arg372; A2ドメインの場合残基Ser373-Arg740; Bドメインの場合残基Ser741-Arg1648; A3ドメインの場合残基Ser1690-Ile2032; C1ドメインの場合残基Arg2033-Asn2172;残基C2ドメインの場合Ser2173-Tyr2332である。A3-C1-C2配列はSer1690-Tyr2332残基を含む。残りの区域、Glu1649-Arg1689、は通常第VIII因子軽鎖活性ペプチドといわれている。第VIII因子はトロンビン又は第Xa因子によりタンパク質分解的に活性化され、トロンビン又は第Xa因子は第VIII因子をvon Willebrand因子から解離させ、第VIII因子は凝血活性を促進する機能を持つ第VIIIa因子を形成する。第VIIIa因子の生物的な機能は、第X因子に対する第IXa因子の酵素活性を数桁分の大きさで増加させることである。トロンビンにより活性化された第VIIIa因子は、血小板又は単球の表面上で第IXa因子及び第X因子と複合体を形成する160kDa A1/A2/A3-C1-C2ヘテロ三量体である。ここで用いられる「部分的なドメイン」は、ドメインの一部を形成する連続的なアミノ酸の配列である。
本明細書中で用いられるヒト又は動物第VIII因子の「サブユニット」は、このタンパク質の重鎖及び軽鎖のことである。第VIII因子重鎖は三つのドメイン、つまりA1、A2、及びBを含む。第VIII因子の軽鎖は三つのドメイン、つまりA3、C1、及びC2を含む。
本明細書中で用いられる「エピトープ」、「抗原性サイト」、及び「抗原性決定因子」という用語は同義で使われており、ヒト又は動物の第VIII因子又はその断片の一部として定義されており、その部位は抗体により特異的に認識される。それは数個のアミノ酸残基からなる可能性があり、そしてタンパク質の1次、2次、又は3次構造に依存しうる。
本明細書中で用いられる「免疫原性サイト」ヒト又は動物の第VIII因子又はその断片の領域として定義され、ヒトや動物において第VIII因子又は断片に対する抗体の生産を特異的に誘発し、イムノアッセイのようなお決まりのプロトコル、例えばELISA又は本明細書中で記述されているBethesdaアッセイ、により測定される。それは数個のアミノ酸残基を含む可能性があり、タンパク質の1次、2次、3次構造に依存しうる。いくつかの態様では、ハイブリッド又はハイブリッドと等価な第VIII因子又はその断片は、ヒト又はブタの第VIII因子より動物又はヒトにおいて免疫原性を待たないか又はより低い免疫原性を持つ。
本明細書中で用いられる「第VIII因子欠損症」は、欠陥のある第VIII因子の生産、第VIII因子の不適当な生産又は全く生産されないこと、或いは阻害剤による一部又は全体的な阻害によっておこる凝血活性の欠損症を含む。A型血友病は、X染色体連鎖遺伝子の欠損並びにそれがコードする第VIII因子タンパク質の欠如又は欠陥が原因となる第VIII因子欠損症のタイプである。
本明細書中で用いられている「診断のアッセイ」は、治療の選択を手助けするのを目的とし、テストサンプルに存在する特定の分子の量を検出又は/及び定量するために、抗原−抗体相互作用をいくつかの手法により利用するアッセイを含む。当業者に周知の多くのアッセイが存在する。本明細書中に使用されたように、ヒト、ブタ、又は改変されたブタ第VIII因子DNA又はその断片並びにそこから発現したタンパク質は、全部又は一部において、別の既知のイムノアッセイにおいて対応する試薬の変わりに使われ、それにより、改変されたアッセイは、第VIII因子に対する抗体を検出及び/又は定量するために使われうる。この試薬、第VIII因子DNA又はその断片或いはそれらから発現したタンパク質、の使用は、ヒト又は動物の第VIII因子に対する抗体を検出する既知のアッセイを改変することを可能にする。そういったアッセイは非限定的にELISA、免疫拡散法、及びイムノブロットなどを含む。こういったアッセイを行うための適切な方法は、当業者に知られている。ここで用いられている、第VIII因子又はそのタンパク質の少なくとも一つのエピトープを含むその断片は、診断用の試薬として使われうる。ヒト、ブタ、又は改変されたブタ第VIII因子或いはその断片が使われる他のアッセイの例は、Bethesdaアッセイ及び非凝血アッセイを含む。
「タンパク質、例えばブタ第VIII因子、をコードするDNA」という用語はポリデオキシ核酸を意味し、そのヌクレオチド配列は、既知の遺伝暗号の関係に従い、(宿主細胞に対し、)コーディング情報をタンパク質、例えばブタ第VIII因子、のアミノ酸配列に具現化する。
ヒト又は動物の第VIII因子或いは改変された第VIII因子をコードするDNAの「発現産物」は、適切な宿主細胞において前述のDNAの発現から得られた産物のことであり、前述のDNAによりコードされているタンパク質の転写前又は転写後修飾といった特徴を含み、非限定的に糖鎖修飾やタンパク質分解などその他を含んでいる。宿主細胞のタイプ及び別の要因によってそのような修飾が起こり、修飾が何かを変えてしまう可能性があること、そしてそのような修飾は、凝血を促進する活性をもつ産物のアイソフォーム分子をもたらす可能性があることは当該技術分野で周知である。Lind, P. et al. Eur. J. Biochem. 232:1927(1995),を本明細書中に援用する。
「発現ベクター」は、環状構造であることが多く、望ましい宿主細胞の中では自主的に複製する能力又は宿主細胞のゲノムへと組み込む能力を持ち、並びに正しい部位に正しい向きで組み込まれたコーディングDNAを発現することができるというあるよく知られた特徴を持つDNA成分である。そのような特徴は、コーディングDNAの転写開始を仕向けるために一以上のプロモーター配列及び別のDNA要素例えばエンハンサー、ポリアデニレーションサイト及びその他を非制限的に含んでもよく、その全ては当該技術分野で周知である。「発現ベクター」という用語は、ベクターがベクター配列中に挿入された発現されるDNAコーディング配列を持つことと、そのサイトに挿入されたコーディングDNA配列がどんなものでも発現することができるように、挿入が入る配列という観点でよくアレンジされている要求性の発現制御要素をベクターが持つことの両方を意味するために使われる。このように、例えば、プロモーターを欠いているベクターはコーディングDNAと結合したプロモーターが挿入されると発現ベクターになりえる。
本明細書中では「免疫反応性を減少させる」アミノ酸は、抗体-抗原ペアの結合エネルギーにあまり寄与しない、できたら全く寄与しない、アミノ酸として定義される。非限定的に、例として、免疫反応性を減少させるとして知られているいくつかのアミノ酸はアラニン、メチオニン、ロイシン、セリン、及びグリシンを含む。与えられた抗体-抗原のペアにおける与えられた置換により達成される免疫反応性の減少は、タンパク質のコンフォメーション、エピト-プの接触性及びそのようなものに影響を与えるのならば、上記以外のアミノ酸置換によっても、起こりうるということが理解される。
阻害的抗体の結合を減少させる第VIII因子における変異の発見
アミノ酸残基2173−2332から成るfVIIIC2ドメインは、A型血友病又は獲得された血友病患者の多くの阻害的抗体にとって主要なサイト又は複数のサイトを含む。これらの抗体の阻害的行動は、fVIIIが凝血を促進するリン脂質膜に結合することを阻害するせいのようである。ヒトfVIIIC2ドメインのX線構造は、M2199/F2200及びL2251/L2252を含むループから成る推定上の疎水性リン脂質膜結合サイトを明らかにする。[Barrow, R.T., et al.(2001) Blood 97;169-174] これらのループは、それらが相同性のあるブタ、マウス又はイヌの残基により置換されたとき、観察された抗原性の低下から判断すると、阻害的抗C2抗体に結合する際に関与する。更なる抗原性を持つ残基の同定は、膜結合サイトあたりの7つの表面にさらされているサイトに変異を加えることで次の作成物を作って達成された。Y2195H、Y2195A、F2196L、F2196A、R2215K、R2215A、R2220K、R2220A、F2290S、F2290A、W2313F、W2313A、R2320K及びR2320Aである。変異体は仔ハムスター腎臓細胞で発現された。W2313A及びR2320Kは、低いレベルの発現しか産出せず、詳しく評価されなかった。これらの変異体のスクリーニングを促進するため、44人の患者の阻害剤血漿は、ブタのC2ドメインを対応するヒトドメインの位置に含むヒト/ブタ組換えfVIII分子、HP20、を使って、C2特異性を試験された。HP20に対する11の血漿の相互反応性は、Bドメインがない組換えブタfVIIIに対する相互反応性と比較して同じくらい又はほぼ同じくらいに低く、それらがC2特異的であることを示している。これらの血漿のうち、8つの血漿はBethesdaアッセイを使ってC2変異体に関して評価された。R2215、R2220、及びF2196における変異体は、W2313、R2320、F2290又はY2195における変異体ではそうではなかったのだが、2つの阻害剤血漿(DR及びJF)においては、ワイルドタイプfVIIIと比較してより低い抗原性を生じた。残りの6の阻害剤血漿は、どの変異体に対してもBethesdaタイターの減少は実証されず、それらはR2215、R2220、F2196、W2313、R2320、F2290又はY2195のアミノ酸を認識しないということを示している。
結論として、R2215、R2220、及びF2196の残基はfVIIIの阻害的抗体に対する結合に寄与する。膜結合ループの外のアミノ酸残基は抗体結合に寄与しうるということをこのデータは実証する。そのような残基における免疫反応性を減少させるアミノ酸の置換は第VIII因子のC2ドメイン特異的阻害的抗体による阻害を減少しうることをここで開示したデータは示す。膜結合ループの外側の残基における免疫反応性を減少させるアミノ酸置換で膜結合ループの中、例えば2199、2220、2251、及び2252、における類似の置換を持っているものは、あるC2ドメインに反応するある阻害的抗体による阻害をさらに減らすことが予期されうる。
HSQと名づけられたBドメインがないヒトfVIII[Lind, P.,K.et al.(1995)Eur. J.Biochem.232:19-27]において、以前に報告されたスプライシングバイオーバーラップ伸張突然変異誘発[Lubin, I.M..,et al.(1997)J. Biol. Chem. 272:30191-30195]により変異が作られた。次の変異体が、対応するヌクレオチドの変換を伴い、作られた。
R2215A AGG to GCC
R2215K AGG to AAG
W2313A TGG to GCC
W2313F TGG to TTC
R2220A AGA to GCC
R2220K AGA to AAG
R2320A AGG to GCC
R2320K AGG to AAG
Y2195H TAC to CAC
Y2195A TAC to GCC
F2196L TTT to CTG
F2196A TTT to GCC
F2290S TTC to TCT
F2290A TTC to GCT
方法の一般的な記述
米国特許5,364,771号は凝血活性を持つハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子分子の発見について記述し、そこでは、別の種の対応する第VIII因子分子の要素をヒト又はブタ第VIII因子分子の要素へと置換している。米国特許5,663,060号は凝血を促進するハイブリッドヒト/動物及びハイブリッド同等の第VIII因子を記述し、そこでは他の種の対応する第VIII因子分子要素をある種の第VIII因子の要素へと置換している。
Bドメインは阻害的エピト-プを持たず、第VIII因子の機能に既知の影響を与えないということを現在の情報が示しているので、いくつかの態様では、本明細書中で記述されている方法を用いて作った活性のあるハイブリッド又はハイブリッド同等の第VIII因子分子或いはその断片(”B(-)第VIII因子”)では、Bドメインは全て又は一部消去されている。
ヒト第VIII因子遺伝子は、以下で報告されたように、単離され、動物細胞において発現された。Toole,J.J. et al.(1984) Nature 312:342-347(Genetics Institute); Gitschier, J.et al.(1984) Nature 312:326-330(Genentech); Wood, W.I.et al.(1984) Nature 312:330-337(Genentech);Vehar,G.A. et al.(1984) Nature 312:337-342(Genentech); WO 87/04187; WO 88/08035;WO 88/03558;米国特許4,757,006号。そしてアミノ酸配列がcDNAから推定された。Capon et al.に対する米国特許4,965,199号は哺乳動物宿主細胞において第VIII因子を作る組換えDNAの方法及びヒト第VIII因子の精製を開示した。CHO(Chinese hamster ovary)細胞及びBHKC(baby hamster kidney cells)でのヒト第VIII因子の発現が報告された。ヒト第VIII因子は、Bドメインの一部又は全部を欠くように改変されてきており(米国特許4,868,112号)、そしてヒト第VIII因子Bドメインをヒト第V因子Bドメインへの置換が試みられた。(米国特許5,004,803号)
ブタ第VIII因子は血漿から単離されてきた[Fass, D.N.et al.(1982) Blood 59:594]。N末端軽鎖の配列部位に対応するブタ第VIII因子のアミノ酸配列の一部がセルロプラスミン(ceruloplasmin)及び血液凝固第V因子と相同配列を持つということはChurch et al.(1984) Proc.Natl.Acad.Sci. USA 81:6934.により記述された。Tool, J.J. et al. (1984) Nature 312:342-347は、ブタ第VIII因子のアミノ末端の4つアミノ酸断片の配列を記述したが、第VIII因子分子におけるその位置としてはその断片を特徴付けなかった。ブタ第VIII因子のBドメイン及びA2ドメインの一部のアミノ酸配列は、Toole,J.J. et al.(1986) Proc.Natl.Acad.Sci, USA 83:5939-5942により報告された。ブタ第VIII因子の完全なA2ドメインをコードするcDNA配列及び予想されるアミノ酸配列、並びにすべてのドメイン、サブユニット及び特定のアミノ酸配列の置換を持つハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子が「ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子」と名づけられた1994年11月15日に刊行された米国特許5,364,771号及び1993年10月14日に発行されたWO93/20093で開示された。ブタ第VIII因子A2ドメインをコードするcDNA配列は、成熟ヒト第VIII因子の373-740残基に対応する。さらに最近では、最初の198のアミノ酸を欠くブタ第VIII因子A1ドメインの一部及びブタ第VIII因子のA2ドメインの核酸及び対応するアミノ酸配列が1994年5月26日に公開されたWO94/11503により報告されている。完全なA1ドメイン、活性化ペプチド、A3、C1及びC2ドメインを含むブタ第VIII因子をコードする全体の核酸配列、並びにコードされたアミノ酸配列が最終的にLollarにより獲得され、1999年1月12日刊行の米国特許5,859,204号及び1997年12月31日に公開されたWO97/49725により開示された。そのどちらも本明細書中に援用する。
ブタ及びヒト第VIII因子の両者が二つのサブユニットタンパク質として血漿から単離された。重鎖及び軽鎖として知られているサブユニットは、お互いカルシウム又は他の2価金属イオンを必要とする非共有結合により一緒になっている。第VIII因子の重鎖は共有結合でリンクした3つのドメイン、つまりA1、A2、及びBを含む。第VIII因子の軽鎖もまたA3,C1及びC2と呼ばれる3つのドメインを含む。Bドメインは既知の生物学上の機能を持たず、分子タンパク質分解的又は組換えDNA技術の方法によって、第VIII因子の測りうるどんなパラメーターも変化させないで、取り除くことができるし、また部分的にも取り除くことができる。ヒト組換え第VIII因子は血漿由来第VIII因子と類似の構造及び機能を持つが、しかしながら、動物細胞で発現しない限り、糖鎖修飾されない。
ヒト及びブタの活性型第VIII因子(第VIIIa因子)は、A1とA2ドメインの間における重鎖の分解のため三つのサブユニットを持つ。この構造はA1/A2/A3-C1-C2と名づけられる。おそらくヒト第VIIIa因子のA2サブユニットの会合が弱いため、ヒト第VIIIa因子はブタ第VIIIa因子を安定化させる状況下で安定ではない。ヒト及びブタ第VIIIa因子のA2サブユニットの解離は第VIIIa因子分子の活性の減少と関連する。Yakhyaev, a. et al.(1997) Blood 90:Suppl.1, Abstract #126は、低密度リポプロテイン受容体関連タンパク質によるA2ドメインの結合を報告し、それは細胞のそのような結合によるA2の取り込みが第VIII因子の活性を減少させるように作用するということを提案する。
「B-ドメインレス第VIII因子」の発現はB-ドメインの一部を含むことによって高められる。「SQ」[lind,P. et al.(1995)supra]と名づけられたBドメインのそういった部位を含むものは、都合のよい発現になると報告された。「SQ」作成物はヒトBドメインN末端の5つのアミノ酸及びBドメインC末端の9つのアミノ酸を除いた全てのヒトBドメインを欠いている。POL1212作成物は、ブタ第VIII因子であって多くのBドメインを欠いているがA2とapドメイン間の24のリンカーアミノ酸をコードするブタ第VIII因子をコードするcDNAを指す。このことは2000年の3月10日に提出されたUSSN 09/523,656で開示されており、本明細書中に援用する。
精製され改変された第VIII因子又はその断片は、精製された組換えヒト第VIII因子を標準物質として用いて、免疫反応性や血液凝固活性を通常の方法、例えば血漿を使わない第VIII因子アッセイ、1段階の凝固アッセイ、及び酵素をリンクした免疫吸着アッセイ、でアッセイされうる。
熟練の開業医の好み及び判断に基づいて、プラスミド及び真核生物ウイルスベクターの両者を含む別のベクターも、真核細胞における組換え遺伝子構築物を発現するために使われうる。[例えばSambrook et al."Molecular Cloning" Cold spring Harbor Laboratory Press, NY, NYのchapter16参照] 細菌、酵母、及び昆虫細胞のシステムを含む別のベクター及び発現システムも使われうるが、糖鎖修飾の違い又は欠如のために好ましくない。
組換え第VIII因子タンパク質は、培養及び組換え哺乳動物タンパク質発現において通常に用いるさまざまな細胞で発現しうる。特に、多くのげっ歯類の細胞系列は、大きなタンパク質の発現にはとくに使いやすい宿主であると認められてきている。American Type Culture Collection、Rockville、MDから利用できる好ましい細胞系列は、日常的な方法及び培地で培養できるbaby hamster kidney cells及びChainese hamster ovary(CHO)cellsを含む。
ブタの第VIII因子のより強い凝血活性の根拠は、ブタA2サブユニットのブタ第VIIIa因子からの解離と比較して、ヒトA2サブユニットがヒト第VIIIa因子からより早く自発的に解離することにあると思われる。A2サブユニットの解離が活性の減少を導く。[Lollar,P. et al.(1990)J. Biol. Chem. 265:1688-1692; Lollar, P.et al.(1992)J.Biol.Chem. 267:23652-23657;Fay, P.J. et al.(1992)J.Biol.Chem. 267:13246-13250]
減少した免疫反応性を持つ第VIII因子
第VIII因子の凝血活性を阻害する抗体(「阻害剤」又は「阻害的抗体」)と免疫反応するエピトープは、第VIII因子の既知の構造と機能の関係に基づいて特徴付けられてきた。おそらく阻害剤は、第VIII因子ドメイン構造に会合する巨大分子の相互作用を乱すこと、或いはvon Willebrand因子、トロンビン、第Xa因子、第IXa因子、又は第X因子との相互作用を乱すことにより作用しうる。しかしながら、ヒト第VIII因子に対する最も抑制性の高い抗体は、第VIII因子の40kDaのA2ドメイン又は20kDaのC2ドメインに位置するエピトープに結合することで作用し、Fulcher et al.(1985)Proc. Natl. Acad. Sci USA 82:7728-7732;及びScandella et al.(1988)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:6152-6156で記述されるように、これらのドメインと会合する特定の機能を破壊する。Scandella et al.(1993)Blood 82:1767-1775によると、A2及びC2エピトープに加えて、第VIII因子の軽鎖のA3又はC1ドメインの中に3つ目のエピトープがある可能性がある。この推定された3つ目のエピトープの重要性は未知であるが、第VIII因子のエピトープ反応性のうち主要でない機能を説明すると思われる。
Lollar et al.(1994)J. Clin. Invest 93:2497-2504で示されたように、抗A2抗体は第X因子の活性化を妨げる。Ware et al.(1992)Blood Coagul.Fibrinolysis 3:703-716によって記述された欠失突然変異誘発による以前のマッピングの研究は、40kDaであるA2ドメインのうちNH2末端の20kDa中にA2エピトープを位置付けた。Scandella et al.(1992)Throm. Haemostas.67:665-671に記述され、米国特許5,859,204号に実証されているように、競合免疫放射線アッセイは、A2阻害剤は普通のエピトープ又は狭くクラスターされたエピトープのどちらでも認識するということを示した。
改変された第VIII因子分子は、ヒトにおいて臨床治験で、減少した抗原性及び/又は免疫原性を試験されうる。治験の一つのタイプは、第VIII因子が阻害的抗体に対して免疫反応性を持つかということを決定するためにデザインされており、第VIII因子は治療用のヒト第VIII因子の凝血活性を阻害する抗体を持つ第VIII因子欠乏症のおおよそ25人の患者に対して、好んで静脈輸液により投与される。動物又は改変された動物第VIII因子の投与量は、5から50Units/kg体重の間であり、好ましくは10-50Units/kg体重であり、最も好ましいのは40Units/kg体重である。それぞれの投与のおよそ1時間後に、血液サンプルから第VIII因子の回復度が1段階の凝血アッセイにおいて測られた。投与後おおよそ5時間後からもサンプルが取られ、回復度が測られた。サンプルからの第VIII因子のトータルの回復度及び消失の割合は、抗体のタイター及び阻害的活性を予想可能にする。抗体のタイターが高い場合は、第VIII因子の回復度は通常測ることができない。回復度の結果は、血漿由来ヒト第VIII因子、組換えヒト第VIII因子、血漿由来ブタ第VIII因子、及び別の通常使われている治療用形状の第VIII因子又は第VIII因子のサブユニットを処置された患者の回復度の結果と比較される。
治療上重要なエピトープの特定の後に、組換え第VIII因子分子が阻害剤血漿に関してin vitroで広くテストされたとき、血漿由来ブタ第VIII因子と比較して少ない又は同等の相互反応性を持つ組換え第VIII因子分子が発現されうる。更なるエピトープ領域における突然変異誘発が相互反応性を減らすために行われうる。減少された相互反応性は、望ましいが、ブタタンパク質の汚染又は感染性の病原体、例えばウイルスやプリオン、による副作用を生じる可能性のある現存の血漿由来ブタ第VIII因子の濃縮物より優位性を持ちうる製品を生産するためには必要がない。組換えブタ又は改変されたブタ第VIII因子分子は外来のブタタンパク質を含まないだろう。
診断アッセイ
第VIII因子cDNA及び/又はそれらから発現したタンパク質は、一部又は全部で、例えば第VIII因子欠乏症のヒト患者血清及び体液のサンプルを含んでいる基質の中で、ヒト又は動物第VIII因子又は改変された動物第VIII因子に対する阻害的抗体を検出する診断試薬としてアッセイに使われうる。これらの抗体アッセイは例えばELISAアッセイ、イムノブロット、ラヂオイムノアッセイ、イムノデフュージョンアッセイ、及び第VIII因子の生物的活性のアッセイ(例えば凝固アッセイによる)といったアッセイを含む。こういった試薬を準備する技術及びそれらを使う方法は当業者にとって周知である。例えば、患者の血清サンプルにおいて阻害的抗体を検出するためのイムノアッセイは、検出できる複合体がサンプル中で阻害的抗体と形成されうるように、テストサンプルは十分な量の第VIII因子と反応させることを含みうる。
核酸及びアミノ酸プローブは、改変された第VIII因子cDNA或いはタンパク質分子又はその断片の配列に基づいて調製することができる。いくつかの態様では、それらは商業的に利用できる色素或いは酵素、蛍光、化学発光、又は放射線標識を用いてラベルされる。例えば、アミノ酸プローブは、人、動物、又はハイブリッドヒト/動物第VIII因子に対する阻害剤の存在が疑われる血清又はほかの体液を選別することに使われうる。阻害剤の水準は患者で定量され、健康なコントロールと比較され、そして、例えば第VIII因子欠乏症を有する患者が動物又は改変された動物第VIII因子で治療することができるかを決定するために使われうる。cDNAプローブは、例えばDNAライブラリーをスクリーニングする研究目的で使われうる。
組換え第VIII因子の調製
組換え第VIII因子は真核生物タンパク質発現システムを用いて生産されうる。通常、真核細胞系列は、必要とする遺伝子を欠いており、その細胞が欠いている遺伝子及び発現させたい組換えDNAを含むベクターが形質転換される。形質転換は例えばエレクトロポレーション又はウイルスデリバリーといった技術により達成されうる。タンパク質を生産するために選ばれた細胞系列は、着目のタンパク質への適合性、着目のタンパク質を継続して発現する能力、着目のタンパク質の精製を促進する培養液での成長能力、及び当業者に周知の別の要因により選択される。そのような技術の例は欧州特許出願0 302 968 A2号及び米国特許5,149,637号で開示されており、そのどちらも本願明細書中に援用する。
組換え第VIII因子分子の試験
組換え第VIII因子分子は、人において臨床試験の少なくとも二つのタイプで減少した抗原性及び/又は免疫原性がテストされうる。臨床試験の一つ目のタイプでは、組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子が阻害的抗体に対し免疫反応を起こすかどうかを決定するためにデザインされている。そこでは、組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子は、好ましくは静脈輸液により第VIII因子欠乏症患者であって治療用のヒト又はブタ第VIII因子の凝血活性を阻害する第VIII因子に対する抗体を持つおよそ25人の患者に投与される。組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子の投与量は5から50Units/kg体重の間の範囲であり、10-50Units/kg体重が好ましく、及び40Units/kg体重が最も好ましい。それぞれの投与のおよそ1時間後に、血液サンプルから第VIII因子の回復度が1段階の凝血活性において測られた。投与後おおよそ5時間後からもサンプルが取られ、回復度が測られた。サンプルからの第VIII因子のトータルの回復度及び消失の割合は、抗体のタイター及び阻害的活性を予想可能にする。抗体のタイターが高い場合は、第VIII因子の回復度は通常測ることができない。回復度の結果は、血漿由来ヒト第VIII因子、組換えヒト第VIII因子、ブタ第VIII因子、及び別の通常使われている治療用形状の第VIII因子又は第VIII因子のサブユニットを処置された患者の回復度の結果と比較される。
臨床試験の2つ目のタイプでは、組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子に免疫原性があるのかどうか、つまり患者が阻害的抗体を産出するかどうかを決定するためにデザインされ、前の段落で記述したように、組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子が、以前治療を受けておらず、第VIII因子に対する抗体を産出していないおよそ100人の血友病患者に投与される。6ヶ月から1年の間およそ2週間おきに治療がされる。この期間における1から3ヶ月の間隔をおいて血液サンプルが取られ、Bethesdaアッセイ又は他の抗体アッセイが阻害的抗体の存在を検定するために行われる。それぞれの輸液の後に、上記のようにそれぞれの投与ごとに回復アッセイも行われうる。結果は、血漿由来ヒト第VIII因子、組換えヒト第VIII因子、ブタ第VIII因子、並びに別の通常使われる治療用形状の第VIII因子又は第VIII因子サブユニットを受けた血友病患者と比較される。
医薬品の組成物
組換え又は組換えハイブリッド(又は改変された)第VIII因子を含む医薬品組成物は、単独で或いは適切な医薬品の安定混合物、運搬媒体、及び/又は担体媒体の複合体で、Remington's Pharmaceutical ScienceにてE.W.Martinによって記述されたように、既知の方法に従って調製される。
好ましい態様では、静脈輸液の好ましい担体又は運搬媒体は生理食塩水又はリン酸緩衝溶液である。
更に別の好ましい態様では、適切な安定混合物、運搬媒体、及び担体媒体は、非限定的に、他のヒト又は動物のタンパク質、例えばアルブミンを含む。
リン脂質小胞又はリポソーム懸濁液は、医薬品的に受け入れられている担体又は運搬媒体として好ましい。これらは当業者に周知の方法によって準備され、例えばホスファチジルセリン/ホスファチジルコリン又はリン脂質の別の組成物或いは界面活性剤を含む。第VIII因子は負に帯電されたリン脂質膜に結合するので、界面活性剤は一緒になって負電荷を表面に分散させる。リポソームは適切な脂質(例えばステロイルホスファチジルエタノールアミン、ステロイルホスファチジルコリン、アラキドイルホスファチジルコリンコレステロール)を無機溶液に溶かし、それを次に蒸発させ、乾燥した膜の薄いフィルムを容器の表面に残すという方法により調製される。次にハイブリッド第VIII因子の水溶性溶液がその容器に入れられる。容器は膜物質が容器の側面から離れ、膜凝集体が分散するように手で回し、これによってリポソーマル懸濁液を形成する。
組換え又は組換えハイブリッド(又は改変された)第VIII因子は、ビタミンK依存凝血因子、組織因子、及び第VIII因子結合サイトを含むvon Willebrand因子(vWf)又はvWfの断片、並びに多糖類例えばスクロースを含む別の適した安定化混合物、運搬媒体、及び/又は担体媒体と混ぜることができうる。
組換え又は組換えハイブリッド(又は改変された)第VIII因子は、運搬手段、例えばレトロウイルスベクターを使ってヒト第VIII因子が導入されたのと同じやり方で、遺伝子セラピーにより導入されうる。この手法は第VIII因子cDNAをヒト細胞へ取り込ませることからなっており、ヒト細胞は次に直接第VIII因子欠乏症の患者に移植され、又は、第VIII因子は透過できるが、細胞は透過できない移植可能の装置に配置され、それが次に移植される。好ましい方法はレトロウイルス仲介遺伝子導入であろう。この手法によると、外来遺伝子(例えば第VIII因子cDNA)は改変されたレトロウイルスのゲノムへとクローン化される。この遺伝子は、遺伝子が細胞により発現される場所において宿主細胞のゲノムへとウイルス性の仕組みにより挿入される。このレトロウイルスベクターはウイルスを生産しないように改変されており、ウイルスのホストに対する感染を防いでいる。このタイプのセラピーの一般的な原理は当業者に知られており、文献に総説されてきている。[Kohn,D.B. et al.(1989)Transfusion 29:812-820]
組換え又は組換えハイブリッド(又は改変された)第VIII因子は、ハイブリッド分子の半減期間及び有効期間を増やすために、vWfと結合した状態で保管することができる。更に、第VIII因子の凍結乾燥は、vWfが存在している中で、活性のある分子の収量を改善することができる。商業的な供給者が使用している現在のヒト及び動物第VIII因子の保存方法は、ハイブリッド又は改変された第VIII因子の保存に利用できうる。こういった手法は、(1)部分的に精製された状態(さらなる精製がされていない第VIII因子の「濃縮物」として)での第VIII因子の凍結乾燥(2)Zimmerman法による第VIII因子の免疫結合性精製及び第VIII因子を安定化するアルブミン存在下における凍結乾燥(3)アルブミン存在下での組換え第VIII因子凍結乾燥を含む。
さらに、ハイブリッド第VIII因子は、4℃ 0.6M NaCl, 20mM MES, 5mM CaCl2 pH6.0中で 不確定に安定であり、かつこのバッファー中で凍らして保存することができ、活性の最小限のロスで解凍することができる。
処置の方法
組換え及び組換えハイブリッド(又は改変された)第VIII因子は、阻害的抗体を持つ及び持たない血友病患者並びに阻害的抗体を産出するようになったため起こる後天性第VIII因子欠乏症の患者において、第VIII因子の欠乏症のための制御できない出血(例えば、関節内、頭蓋内、又は胃腸系の出血)を治療するために使われる。活性のある物質が好んで静脈から投与される。
さらに、組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子は、そのハイブリッドを生産するように遺伝的に操作された細胞の移植により、又は上記のような細胞を含んでいる装置を移植することにより投与されうる。
好ましい態様では、組換え又は組換えハイブリッド(又は改変された)第VIII因子の医薬品組成物は、ヒト又は動物第VIII因子の投与に使われたのと同じ手法に従って、単独で或いは安定剤、運搬媒体、及び/又は担体と合わせて、患者へ静脈輸液される。
組換え又は組換えハイブリッド(又は改変された)第VIII因子組成物は、治療が必要である患者に投与しなくてはならず、その投薬量は、第VIII因子欠乏症の重傷度によって変わるだろう。一般的には、投薬量のレベルは、各患者の出血発症の重症度及び持続期間と調和して、頻度、期間、及びユニットで調節される。したがって、ハイブリッド第VIII因子は、基本的な凝固アッセイで測ったとき、出血を止めるのに治療上効果的な量のハイブリッドを十分に患者に運ぶため、医薬品的に許容される量の担体、運搬媒体、又は安定剤の中に含まれる。
第VIII因子は、通常の血漿中に存在する物質であり、A型血友病患者由来の血漿において凝固の欠陥を直す物質と古典的には定義されている。精製された及び部分的に精製された第VIII因子形態のin vitroにおける凝血活性は、ヒト患者への第VIII因子の輸液投与量を計算するために使われ、かつ患者の血漿から回復させる活性の及びin vivoにおける出血症を直すことの信頼できる指標となる。Lusher,J.M.et al.328 New Engl. J. Med. 328:453-459; Pittman, D.D. et al.(1992) Blood 79:389-397;及びBrinkhous et al.(1985) Proc. Natl. Acad. Sci. 82:8752-8755によれば、in vitroにおける新規第VIII因子分子の基本的なアッセイとイヌ又はヒト患者における輸液モデルでの第VIII因子の振る舞いとの間に矛盾は報告されていない。
通常、組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子の投与を通して患者で達成される望ましい血漿の第VIII因子のレベルは通常の30−100%の範囲である。好ましい組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子の投与方法では、組成物は5から50Units/kg体重の間の好ましい濃度で静脈から与えられ、より好ましいのは10−50Units/kg体重であり、最も好ましいのは20-40Units/kg体重であり、間隔の頻度は8〜24時間の範囲(重度に発症した血友病患者では)であり治療の期間は1日〜10日の範囲又は出血症状が解決するまでである。例えば,Roberts,H.R.及びM.R.Jones,'Hemophilia and Related Conditions- Congenital Deficiencies of Prothrombin (Factor II Factor V, and Factors VII to XII)"Ch. 153, 1453-1474, 1460, in Hematology,Williams, W.J., et al.ed.(1990)を参照。ヒト第VIII因子より高い比活性或いは減少した抗体反応性又は免疫原性のため、抗体を持つ患者はより多くの組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子を必要とすることもあるし、また患者はより少ない組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子を必要とすることもある。ヒト又はブタ第VIII因子を処置した際と同様に、輸液される組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子の量が1段階の第VIII因子凝血アッセイにより定義され、かつ、選ばれた実例では、in vivoにおける回復度が輸液の後に患者の血漿中の第VIII因子を計測することより決定される。どの特定の被験者に対する特定の投薬量の投与計画は、個人の必要量及び組成物の投与を管理又は監督する人の専門的な判断に従って何回も調整されるべきであるということ、及び本明細書中設定した濃度の幅は見本であり、請求された組成物の範囲又は実行の限定を意図するものではないということは理解されるべきである。
治療は、要求されたように、組成物の一回の静脈内投与或いは延長された期限にわたる定期的又は継続的投与という形式をとる。代わりに、組換え又は組換えハイブリッド第VIII因子は、リポソームを使い、1からいくつかの用量で、間隔を変えて皮下又は経口で投与されうる。
第VIII因子は、ヒト第VIII因子に対する抗体を産出する血友病における第VIII因子欠乏症による制御不能出血を治療するためにも使われうる。この場合、ヒト又は動物第VIII因子単独の凝血活性より凝血活性が優れている必要性はない。凝血活性が患者の血漿中の抗体によって中和されなければ、ヒト第VIII因子の凝血活性より劣っている(つまり、3000units/mgより少ない)活性でも有効であろう。
一般的に上で述べられた、組換え又は組換えハイブリッド(又は改変)第VIII因子分子並びにその分離、性質決定、製造、及び使用の方法は、次の非限定的な例を参照することでさらに理解することができるだろう。
実施例
材料−クエン酸添加のA型血友病血漿及び通常ヒト血漿(FACT)はGeorge King Biomedical, Inc.(Overland Park, KS)から購入した。ヘパリン−セファロース(Heparin-Sepharose)はSigma Chemical Co.(St. Louis, MO)から購入した。ウシ胎児血清(FBS)、ジェネティシン(genetisin)、ペニシリン(penicillin)、ストレプトマイシン(streptomycin)、DMEM/F12 medium及びAIM-V mediumはLife Technologies, Inc.(Gaithersburg, MD)から購入した。HP20,ヒトA1,A2,ap-A3及びC1ドメイン(並びにブタC2ドメイン)を含むB-ドメイン欠いているハイブリッドヒト/ブタfVIII分子は以前記述したように[Healy,J.F.,(1998)Supr)]準備した。
プラスミドDNAはQiagen Plasmid Maxi Kit(Qiagen, Inc., Valencia, CA)を用いて精製した。PCR反応はHybrid OmniGene thermocyclerを使いpfu DNA polymeraseを用いて行った。PCR生成物はゲル精製を行い、エタノール沈殿を行い、及びT4 DNA Ligase(Rapid DNA Ligation Kit, Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)を用いてプラスミドに結合した。インサートを含むプラスミドはE.coli Epicurean XL-Blue cellsに形質転換された。全てのPCRにより作られたfVIIIDNA配列は、Applied Biosystems (Foster City, CA)373a自動DNAシーケンサー及びPRISOM dye terminator kitを用いたジデオキシシーケンシング(dideoxy sequencing)により確認された。
実施例1:fVIII変異体cDNAの作成
トランスフェクトされた細胞系列は、10%ウシ胎児血清、50U/mlペニシリン、及び50μg/mlストレプトマイシンを含むダルベッコが改変したイーグル培養液−F12で維持された。ReNeoの変異体cDNAは、BHK細胞に安定してトランスフェクトされ、ジェネティシン耐性で選別され、発現のため血清抜きAIM-V培養液に移され、以前記述されたように[Healey,J.F. et al.(1998)supra]、ヘパリン-セファロースクロマトグラフィーにより部分的に精製された。
実施例2:fVIII及びfVIII阻害剤アッセイ
組換えfVIIIタンパク質の活性は、1段階の凝血アッセイ[Bowie, E.J.W. and Owen, C.A.(1984) In Disorders of Hemostasis, O.D. Ratnoff and C.D. Forbes, editors. Grune &Stratton, Inc., Oralndo, FL 43-72]により測られた。fVIIIの1ユニットはクエン酸添加された通常ヒト血漿の1mlの活性として定義される。fVIII阻害剤のタイターはBethesdaアッセイ[Kasper, C.K. et al.(1975) Thromb. Diath. Haemorrh 34:869-872]を次の様に改変したもので測られた。組換えfVIIIは、A型血友病血漿へ終濃度0.8-1.2units/mlとなるように加えられ、さまざまな濃度の阻害剤と37℃で2時間インキュベートされる。Bethesdaユニットを定義する50%阻害点を決定するために、少なくとも35%から65%の範囲にまたがる残留する活性を作る阻害剤の希釈溶液が作られた。いくつかのケースでは、複製した希釈溶液が作られ、そのケースでは平均が使われた。それぞれのBethesdaタイターを決定するために10の希釈溶液の平均が作られた。このデータはMarquardtアルゴリズム(SigmaPlot5.0, SPSS,Inc.)を用いた非線形回帰により次式へと適合させた。
% 残留する活性=m(logx-logx50)+50
式中では適合したパラメーターx50は50%の阻害を作る相互希釈度であり、適合したパラメーターmは半対数の線の傾きであり、独立変数xは阻害剤のサンプルの相互希釈度である。
Bethesdaタイターはx50 -1に相当する。Bethesdaタイターの標準誤差の概算は、Bethesdaタイターに変数係数X50を掛けることによって計算することができる。fVIII分子のBethesdaタイターはStudentのt検定により比較される。部分的に精製された調製中のfVIIIの質量濃度は、以前記述されたように[Lubin, I.M. et al.(1994) 269:8639-8641]、ESH4を捕獲抗体として及びビオチン化されたESH8を検出抗体として用いたサンドウィッチELISAによって決定される。サンプルは4回アッセイされた。
例3:C2変異体に対するC2特異的血漿のBethesdaタイター
DR、EE、EEE、JF、LK、NF、JM及びWCと名づけられたfVIII阻害剤血漿はC2変異体Y2195H、Y2195A、F2196L、F2196A、R2215K、R2215A、R2220K、R2220A、F2290S、F2290A、W2313F及びR2320Aに対してテストされ、HSQと比較された。表1を参照のこと。抗原性の減少はDR及びJF血漿で見られたが、ほかの6つの血漿では見られなかった。DRは、R2215、R2220及びF2196を強く認識し、一方、JFはR2215を強く認識する。
Figure 2005511038
ヒト、ブタ、及びマウスの第VIII因子のアミノ酸配列を並べた配列比較を提供する。 ヒト、ブタ、及びマウスの第VIII因子のアミノ酸配列を並べた配列比較を提供する。 ヒト、ブタ、及びマウスの第VIII因子のアミノ酸配列を並べた配列比較を提供する。 ヒト、ブタ、及びマウスの第VIII因子のアミノ酸配列を並べた配列比較を提供する。 ヒト、ブタ、及びマウスの第VIII因子のアミノ酸配列を並べた配列比較を提供する。 ヒト、ブタ、及びマウスの第VIII因子のアミノ酸配列を並べた配列比較を提供する。 ヒト、ブタ、及びマウスの第VIII因子のアミノ酸配列を並べた配列比較を提供する。 ヒト、ブタ、及びマウスの第VIII因子のアミノ酸配列を並べた配列比較を提供する。
【配列表】
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038
Figure 2005511038

Claims (67)

  1. 2215、2313、2220、2320、2195、2196及び2290位から成る群から選ばれる1以上の位置において、ヒト第VIII因子に対応するC2ドメイン内にアミノ酸置換を含む改変された第VIII因子。
  2. Bドメインを欠いている、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  3. 2215位のアルギニンがアラニン又はリジンで置換されている、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  4. 2220位のアルギニンがアラニン又はリジンで置換されている、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  5. 2313位のトリプトファンがフェニルアラニンで置換されている、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  6. 2320位のアルギニンがアラニンで置換されている、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  7. 2290位のフェニルアラニンがアラニン又はセリンで置換されている、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  8. 2195位のチロシンがヒスチジン又はアラニンで置換されている、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  9. 2196位のフェニルアラニンがロイシン又はアラニンで置換されている、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  10. 2215、2313、2220、2320、2195、2196及び2290位から成る群から選ばれる1以上の位置に対応するC2ドメイン内にアミノ酸置換を含む改変されたヒト第VIII因子。
  11. Bドメインを欠いている、請求項10に記載の改変されたヒト第VIII因子。
  12. 2215位に前記アミノ酸置換が存在する、請求項10又は11に記載の改変されたヒト第VIII因子。
  13. 2220位に前記アミノ酸置換が存在する、請求項10又は11に記載の改変されたヒト第VIII因子。
  14. 2196位に前記アミノ酸置換が存在する、請求項10又は11に記載の改変されたヒト第VIII因子。
  15. 2215位のアルギニンがアラニン又はリジンで置換されている、請求項12に記載の改変されたヒト第VIII因子。
  16. 2220位のアルギニンがアラニン又はリジンで置換されている、請求項13に記載の改変されたヒト第VIII因子。
  17. 2196位のフェニルアラニンがアラニン又はロイシンで置換されている、請求項14に記載の改変されたヒト第VIII因子。
  18. 対応するヒトタンパク質と比較して減少された抗原性を有する、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  19. 対応するヒトタンパク質と比較して減少された免疫原性を有する、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  20. 対応するヒトタンパク質と比較して減少された免疫原性及び減少された抗原性を有する、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  21. 約2000ユニット/ミリグラムより大きな比活性を有する、請求項1に記載の改変された第VIII因子。
  22. 約3000ユニット/ミリグラムより大きな比活性を有する、請求項21に記載の改変された第VIII因子。
  23. 約5000ユニット/ミリグラムより大きな比活性を有する、請求項22に記載の改変された第VIII因子。
  24. 約10000ユニット/ミリグラムより大きな比活性を有する、請求項23に記載の改変された第VIII因子。
  25. シングルミュータントである、請求項1又は10に記載の改変された第VIII因子。
  26. ダブルミュータントである、請求項1又は10に記載の改変された第VIII因子。
  27. トリプルミュータントである、請求項1又は10に記載の改変された第VIII因子。
  28. 4重ミュータントである、請求項1又は10に記載の改変された第VIII因子。
  29. ヒト第VIII因子と比較して、少なくとも1のC2特異的阻害的抗体に対するより低い抗原性を有する、請求項1又は10に記載の改変された第VIII因子。
  30. ヒト第VIII因子又は組換えヒト第VIII因子と比較して、少なくても1の阻害的抗体製剤に対して増加した又は減少したBethesdaタイターを持つ、請求項1又は10に記載の改変された第VIII因子。
  31. 対応するヒト第VIII因子アミノ酸を非ヒト第VIII因子アミノ酸に変える少なくても1のアミノ酸置換を含む改変された第VIII因子。
  32. 前記の少なくとも1の非ヒト第VIII因子アミノ酸置換は、非ヒト哺乳動物に由来する、請求項31に記載の改変された第VIII因子。
  33. 前記の非ヒト哺乳動物はブタ、イヌ又はげっ歯類である、請求項32に記載の改変された第VIII因子。
  34. 元の第VIII因子分子又は別の第VIII因子製剤と比較して、凝血活性及び減少された抗原性を有する、請求項32に記載の改変された第VIII因子。
  35. 前記のアミノ酸置換がアラニンでない、請求項32に記載の改変された第VIII因子。
  36. 元の第VIII因子分子又は別の第VIII因子分子と比較して、減少された免疫原性を有する、請求項32に記載の改変された第VIII因子。
  37. 阻害的抗体への反応性が減少し、かつ凝血促進活性が保持されるよう第VIII因子を改変する方法であって、2215、2313、2220、2320、2195、2196及び2290位から成る群から選ばれる1以上の位置において、ヒト第VIII因子に対応するC2ドメイン内の天然のアミノ酸を、免疫反応性を減少させるアミノ酸に置き換えることを含む方法。
  38. 前記置換がアミノ酸2215位に存在する、請求項37に記載の方法。
  39. 前記置換がアミノ酸2313位に存在する、請求項37に記載の方法。
  40. 前記置換がアミノ酸2220位に存在する、請求項37に記載の方法。
  41. 前記置換がアミノ酸2320位に存在する、請求項37に記載の方法。
  42. 前記置換がアミノ酸2195位に存在する、請求項37に記載の方法。
  43. 前記置換がアミノ酸2196位に存在する、請求項37に記載の方法。
  44. 前記の改変された第VIII因子がシングルミュータントである、請求項37に記載の方法。
  45. 前記の改変された第VIII因子がダブルミュータントである、請求項37に記載の方法。
  46. 前記の改変された第VIII因子がトリプルミュータントである、請求項37に記載の方法。
  47. 前記の改変された第VIII因子が4重のミュータントである、請求項37に記載の方法。
  48. 抗原性が減らされかつ凝血促進活性が保持されるよう第VIII因子を改変する方法であって、2215、2313、2220、2320、2195、2196及び2290位から成る群から選ばれる1以上の位置において、ヒト第VIII因子に対応するC2ドメイン内の天然のアミノ酸を、免疫反応性を減少させるアミノ酸に置き換えることを含む方法。
  49. 前記置換がアミノ酸2215位に存在する、請求項48に記載の方法。
  50. 前記置換がアミノ酸2213位に存在する、請求項48に記載の方法。
  51. 前記置換がアミノ酸2220位に存在する、請求項48に記載の方法。
  52. 前記置換がアミノ酸2320位に存在する、請求項48に記載の方法。
  53. 前記置換がアミノ酸2195位に存在する、請求項48に記載の方法。
  54. 前記置換がアミノ酸2196位に存在する、請求項48に記載の方法。
  55. 前記置換がアミノ酸2290位に存在する、請求項48に記載の方法。
  56. 前記の改変された第VIII因子がシングルミュータントである、請求項48に記載の方法。
  57. 前記の改変された第VIII因子がダブルミュータントである、請求項48に記載の方法。
  58. 前記の改変された第VIII因子がトリプルミュータントである、請求項48に記載の方法。
  59. 前記の改変された第VIII因子が4重ミュータントである、請求項48に記載の方法。
  60. 2215、2313、2220、2320、2195、2196及び2290位から成る群から選ばれる1以上の位置において、ヒト第VIII因子対応するC2ドメイン内にアミノ酸置換を含む改変された第VIII因子をコードする単離された核酸分子。
  61. 2215、2313、2220、2320、2195、2196及び2290位から成る群から選ばれる1以上の位置に対応するC2ドメイン内にアミノ酸置換を含む改変されたヒト第VIII因子をコードする単離された核酸分子。
  62. 請求項60又は61に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  63. 前記の第VIII因子がBドメインを欠いている、請求項60又は61に記載の核酸分子。
  64. 前記の第VIII因子が2220位におけるアミノ酸置換を含む、請求項60又は61に記載の核酸分子。
  65. 前記の第VIII因子が2215位におけるアミノ酸置換を含む、請求項60又は61に記載の核酸分子。
  66. 前記の第VIII因子が2196位におけるアミノ酸置換を含む、請求項60又は61に記載の核酸分子。
  67. 請求項62に記載の発現ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞。
JP2003548768A 2001-11-30 2002-11-27 第viii因子c2ドメインのバリアント Pending JP2005511038A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US33456901P 2001-11-30 2001-11-30
PCT/US2002/037884 WO2003047507A2 (en) 2001-11-30 2002-11-27 Factor viii c2 domain variants

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005511038A true JP2005511038A (ja) 2005-04-28
JP2005511038A5 JP2005511038A5 (ja) 2005-12-22

Family

ID=23307813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003548768A Pending JP2005511038A (ja) 2001-11-30 2002-11-27 第viii因子c2ドメインのバリアント

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20040249134A1 (ja)
EP (1) EP1456235A4 (ja)
JP (1) JP2005511038A (ja)
CN (1) CN1630666A (ja)
AU (1) AU2002364509A1 (ja)
CA (1) CA2462966A1 (ja)
MX (1) MXPA04005079A (ja)
WO (1) WO2003047507A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013541521A (ja) * 2010-09-15 2013-11-14 ノヴォ ノルディスク アー/エス 細胞取込みが低下した第viii因子変異体

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6458563B1 (en) * 1996-06-26 2002-10-01 Emory University Modified factor VIII
US7560107B2 (en) * 1996-06-26 2009-07-14 Emory University Modified factor VIII
US7709224B2 (en) 2003-06-03 2010-05-04 Biosante Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for enhanced expression of recombinant polypeptides from a single vector using a peptide cleavage site
US7485291B2 (en) 2003-06-03 2009-02-03 Cell Genesys, Inc. Compositions and methods for generating multiple polypeptides from a single vector using a virus derived peptide cleavage site, and uses thereof
WO2005046583A2 (en) * 2003-10-30 2005-05-26 Emory University Modified fviii having reduced immunogenicity through mutagenesis of a2 and c2 epitopes
EP1750733B1 (en) * 2004-05-03 2013-12-11 Emory University METHOD OF ADMINISTERING PORCINE B-DOMAINLESS fVIII
MY185597A (en) * 2005-09-20 2021-05-24 Avantor Performance Mat Inc Vegetarian protein a preparation and methods thereof
FR2913020B1 (fr) 2007-02-23 2012-11-23 Biomethodes Nouveaux facteurs viii pour le traitement des hemophiles de type a
IT1394522B1 (it) 2009-01-09 2012-07-05 Invatec Technology Ct Gmbh Dispositivo medicale con rilascio di farmaco
WO2011060371A2 (en) * 2009-11-13 2011-05-19 Puget Sound Blood Center Factor viii t cell epitope variants having reduced immunogenicity
HUE029454T2 (en) 2009-11-13 2017-03-28 Grifols Therapeutics Inc Von Willebrand Factor (VWF) -containing preparations and related procedures, kits and applications
AU2011323236B2 (en) 2010-11-05 2017-03-30 Takeda Pharmaceutical Company Limited A new variant of antihemophilic factor VIII having increased specific activity
US20170051041A1 (en) * 2014-02-19 2017-02-23 Kathleen Pratt Factor viii b cell epitope variants having reduced immunogenicity
EP3114138B1 (en) 2014-03-05 2021-11-17 Pfizer Inc. Improved muteins of clotting factor viii

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4757006A (en) * 1983-10-28 1988-07-12 Genetics Institute, Inc. Human factor VIII:C gene and recombinant methods for production
US4965199A (en) * 1984-04-20 1990-10-23 Genentech, Inc. Preparation of functional human factor VIII in mammalian cells using methotrexate based selection
CA1341174C (en) * 1985-04-12 2001-01-30 John J. Toole Jr. Procoagulant proteins derived from factor viii: c
US5004803A (en) * 1988-11-14 1991-04-02 Genetics Institute, Inc. Production of procoagulant proteins
US5744446A (en) * 1992-04-07 1998-04-28 Emory University Hybrid human/animal factor VIII
US5663060A (en) * 1992-04-07 1997-09-02 Emory University Hybrid human/animal factor VIII
US6376463B1 (en) * 1992-04-07 2002-04-23 Emory University Modified factor VIII
US5859204A (en) * 1992-04-07 1999-01-12 Emory University Modified factor VIII
US6180371B1 (en) * 1996-06-26 2001-01-30 Emory University Modified factor VIII
US5364771A (en) * 1992-04-07 1994-11-15 Emory University Hybrid human/porcine factor VIII
US5888974A (en) * 1992-04-07 1999-03-30 Emory University Hybrid human/animal factor VIII
US6458563B1 (en) * 1996-06-26 2002-10-01 Emory University Modified factor VIII
CN1205221C (zh) * 2000-09-19 2005-06-08 埃默里大学 修饰的凝血因子ⅷ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013541521A (ja) * 2010-09-15 2013-11-14 ノヴォ ノルディスク アー/エス 細胞取込みが低下した第viii因子変異体
JP2016180002A (ja) * 2010-09-15 2016-10-13 ノヴォ ノルディスク アー/エス 細胞取込みが低下した第viii因子変異体

Also Published As

Publication number Publication date
MXPA04005079A (es) 2004-08-19
WO2003047507A3 (en) 2003-07-17
EP1456235A4 (en) 2005-08-17
AU2002364509A1 (en) 2003-06-17
CA2462966A1 (en) 2003-06-12
WO2003047507A2 (en) 2003-06-12
CN1630666A (zh) 2005-06-22
EP1456235A2 (en) 2004-09-15
US20040249134A1 (en) 2004-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6770744B2 (en) Modified factor VIII
JP4044337B2 (ja) 修飾された第viii因子
EP0749444B1 (en) Hybrid human/animal factor viii
US5744446A (en) Hybrid human/animal factor VIII
US5859204A (en) Modified factor VIII
US6838437B2 (en) Inactivation resistant factor VIII
US20050123997A1 (en) Modified fVIII having reduced immunogenicity through mutagenesis of A2 and C2 epitopes
JP2005500831A (ja) 操作されたジスルフィド結合を有する安定化蛋白質
US8183344B2 (en) Inactivation resistant factor VIII
US20040092442A1 (en) Inactivation resistant factor VIII
WO1999046274A1 (en) Modified factor viii
JP2005511038A (ja) 第viii因子c2ドメインのバリアント
US5888974A (en) Hybrid human/animal factor VIII
US20030148953A1 (en) Inactivation resistant factor VIII

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080916

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090310