JP2011521785A - 臭気および有害物質を吸着し、金属のボックス鋳造を対象とする被膜組成物 - Google Patents

臭気および有害物質を吸着し、金属のボックス鋳造を対象とする被膜組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、有害物質を吸収する材料からなる層が、鋳型のガス出口面の少なくとも数箇所上、特にその上部に配置される、金属鋳造用鋳型に関する。本発明は、被膜組成物、鋳型を製造する方法および金属鋳造のためのその使用にも関する。

Description

本発明は、金属鋳造用鋳型、被膜組成物および鋳型を製造する方法に関する。
鉄鋼業および非鉄金属業の大部分の製品は、初期成形のために鋳造プロセスを経る。その際、溶融液体材料、鉄金属または非鉄金属は、特定の材料特性を有する幾何学的に画定された物体に変換される。場合によっては、溶融物を入れるための非常に複雑な鋳型が、鋳物を成形するために最初に製造されなければならない。金属体を製造するための鋳型は、いわゆるコアおよび金型からなる。鋳型は、製造されるべき鋳物の凹型を実質的に形成し、ここでコアは、鋳物の内部にキャビティを形成する働きをする一方で、金型は、外側境界を形成する。同時に、異なる要件がコアおよび金型に課せられる。金型の場合、比較的大きな表面積が、溶銑作用により鋳造中に生じたガスを除去するために利用できる。コアの場合、ガスを除去し得るのに利用できる面積は通常ごくわずかである。したがって、ガス発生が非常に深刻である場合、コアからのガスが通過して液体金属に入り、そこで鋳造欠陥が形成されるという危険性がある。したがって、内部キャビティは、コールドボックスバインダー、すなわちポリウレタン系バインダーにより凝固したコアによりしばしば形成される一方で、鋳物の外面形状は、生砂型、フラン樹脂もしくはフェノール樹脂により結合した金型、または鋼塊型などのより費用のかからない金型により形成される。
鋳型は、耐火材料、例えば石英砂からなり、その粒子は、鋳型の十分な機械的強度を確保するために、鋳型の最終成形後に適切なバインダーにより結合する。したがって、適切なバインダーと反応する耐火性成形材料が、鋳型を製造するために使用される。成形材料およびバインダーから得た成形材料混合物は、それを適切な中空金型に注入し、そこで圧縮することができるように、注入可能な形態で存在することが好ましい。成形材料の粒子間での安定した結合が、バインダーにより生じるので、鋳型は必要な機械的安定性を得る。
有機バインダーと無機バインダーの両方が鋳型を製造するために使用でき、それは、冷間法または熱間法により硬化できる。これに関連して、成形材料混合物を加熱せずに実質的に室温で行うことができる方法は、冷間法と称される。硬化は、例えばガス触媒を硬化されるべき成形材料混合物に通すことによるか、または液体触媒を成形材料混合物に加えることにより誘発され得る化学反応により通常行われる。熱間法において、成形後、成形材料混合物を、例えばバインダー中に含まれる溶媒を放出するため、またはバインダーを架橋により硬化させる化学反応を開始するために、十分に高い温度まで加熱する。
現在、有機バインダー、例えばポリウレタンバインダー、フラン樹脂バインダーまたはエポキシアクリレートバインダーなどが、鋳型を製造するためにしばしば使用され、バインダーの硬化は、触媒を加えることにより行われる。
適切なバインダーの選択は、製造すべき鋳物の形状および大きさ、製造条件ならびに鋳物に用いられる材料により決定される。したがって、ポリウレタンバインダーは、速いサイクルタイム、したがって連続生産を可能にするので、大量に生産される小さい鋳物の製造でしばしば使用される。
成形材料混合物の硬化が、熱によりまたは触媒の後添加により行われる方法は、成形材料混合物の加工が、いかなる特定の時間制限の影響も受けないという利点を有する。成形材料混合物を、最初に大量に製造してもよく、次いでより長い時間間隔、通常は数時間内に加工する。成形材料混合物の硬化は、成形後にのみ行われ、急速な反応が求められている。鋳型は、硬化直後に成形型から除去できるので、短いサイクルタイムが実現できる。しかし、良好な強度の鋳型を得るために、成形材料混合物の硬化は、鋳型内で均一に行われなくてはならない。成形材料混合物の硬化が、触媒の後添加により行われる場合、鋳型は、成形後に触媒をガス導入する。この目的のため、ガス触媒を鋳型に通す。成形材料混合物は、触媒と接触した直後に硬化させ、したがって、成形型から非常に迅速に除去できる。鋳型の大きさの増加に伴って、鋳型の全箇所において成形材料混合物を硬化させるのに十分な量の触媒を供給することがより困難になる。ガス導入時間はより長くなるが、それにもかかわらず、ガス触媒が到達するのが非常に困難であるか、全く到達できない箇所が鋳型中に形成されるおそれがある。したがって、鋳型の大きさの増加に伴って、触媒量が実質的に増加する。
同様の問題が熱硬化法で生じる。この場合、鋳型を、全箇所で十分に高い温度まで加熱しなければならない。鋳型の大きさの増加に伴って、一方では、鋳型を、硬化のために一定の温度まで加熱しなければならない時間が長くなる。その時に初めて、鋳型が、その内部に必要な強度を有することを保証できる。他方で、鋳型の大きさが増加すると、硬化が、装置の面で非常に高価になる。
船のエンジンブロック、または大きな機械部品、例えば風力発電所のローターハブなどの大きな鋳物用の鋳型を製造する場合、ノーベークバインダーを通常使用する。ノーベーク法では、耐火性成形材料を触媒で最初に被覆する。次いで、バインダーを加えて、すでに触媒で被覆された耐火性成形材料の粒子上に混合により均一に散布する。次いで、成形材料混合物を、成形品に成形する。バインダーおよび触媒は、成形材料混合物に均一に散布されるので、硬化は、大きな成形品であっても大部分は均一に行われる。
鋳造中、硬化させたバインダーは、鋳型がその強度を失うように、液体金属の熱影響下および鋳造中に生じる還元雰囲気下で分解されるべきである。その結果、鋳型は、鋳物から容易に除去できる。鋳型に使用するコアは、コアを製造するために使用した砂が、鋳型のキャビティから容易に注ぎ出せるように、その強度を失うことは特に重要である。バインダーの分解により、多くのガス有害物質が放出され、それは例えば適切に設計された抽出装置を介して捕獲および除去されなければならない。有害物質は、一方では樹脂の分解により、他方では硬化のためまたはその特性の改質のためバインダーに加えられた成分の分解により形成される。したがって、例えば、ノーベーク法で触媒として使用した芳香族スルホン酸、特にp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびキシレンスルホン酸は分解され、二酸化硫黄に加えて、芳香族有害物質、例えば、ベンゼン、トルエンまたはキシレン(BTX)を放出する。また、これらの分解生成物の一部は、使用済み砂中に残り、再加工中に放出され得る。
その発癌効果により、非常に低いMAK値(MAK=最大作業場濃度)は、芳香物質に特に当てはまる。ベンゼンに関して、MAK値はわずか3.2mg/mであり、トルエンおよびキシレンに関しては相応に190mg/mおよび440mg/mである。これらの限界値の順守には、非常に高価な抽出系および抽出フィルターが必要となるので、これは、現在、鋳物工場で問題となっている。
鋳造中に生成されるガス混合物の組成は、非常に複雑であり、全く異なる化学特性を有し得る複数の化合物を含む。前記の芳香物質に加えて、例えば酸性物質、例えば硫黄化合物、または塩基性成分、例えばアミンなども排ガス中に存在し得る。ガス成分に加えて、鋳造中に生成される排ガスは、放出ガスに同伴されるダストも含有する。これらのダストは、通常非常に微細であり、したがって健康を害する恐れもある。
その健康を危険に曝す作用に加えて、鋳造中に放出されるガス物質は、その強い臭気による問題も引き起こす。ヒトの嗅覚は、一部の化合物に非常に敏感なので、非常に低い濃度でも、不快と感知される臭気を発生するのに十分である。通常、抽出系で鋳造中に放出される排ガスを完全に捕獲することはできないので、対応する作業場の悪臭公害は回避できない。
欧州特許第B−0177871号 欧州特許第1137500号
したがって、本発明の目的は、鋳造中により少量の不安を起こさせるガス物質を放出する鋳型を提供することであった。
この目的は、特許請求項1に記載の特徴を有する鋳型で実現される。有利な実施形態は、従属特許請求項の主題である。
本発明による鋳型において、有害物質を吸収する材料からなる層は、鋳型のガス出口面上に少なくとも数箇所で配置される。有害物質を吸収する材料からなる層は、以降「吸収体層」とも称される。
ガス出口面は、ガス成分を鋳造中に鋳型から排出できる鋳型の表面であることが理解される。ガス出口面は、鋳型の外面全体に対応し得る。したがって、鋳型の外面の一部のみを、ガス成分の放出のために使用することもできる。したがって、金属のボックス鋳造において、ボックスを鋳型の構造に使用し、それにより鋳型の底面および側面が覆われる。その場合に、これらの表面は、ガス成分の任意の放出に利用できないか、または非常に限られた程度でしか利用できない。この場合、実質的に、鋳型の上部しかガス成分の任意の放出に利用できない。
鋳型の外面は、鋳造中に生成される排ガスが、そこを通って鋳型から離れ得る表面として理解される。この外面は、鋳型を見たとき外側から見え、鋳造中に液体金属と接触しない。これと対照的に、内面は、例えば鋳型に囲まれた金型キャビティの表面として理解される。
少なくとも鋳型の上部は、少なくとも数箇所で有害物質を吸収する材料からなる層で被覆されることが好ましい。鋳型の上部は、鋳造中に上部に配置された鋳型の側面として理解される。鋳造中、放出ガスの主たる部分は、鋳型の上部を介してそこから離れる。有害物質を吸収する材料からなる層は、本発明による鋳型の上部に配置されるので、ガスはこの層を通る。この場合、ガスに含まれる有害物質は、吸収体層に吸収され、結果、かなりの割合の有害物質が、ガス流から除去される。本質的に、例えば排ガスを鋳型の側面から特に排出できるようにするために、鋳型の出口面の箇所に気密被膜を施すこともできよう。
有害物質の吸収は、吸収体層への有害物質の結合と、有害物質の無害な化合物への変換の両方を意味することが理解され、無害な化合物は、吸収体層に必ずしも結合する必要はなく、排ガス流に再放出され、鋳型を離れ得る。したがって、有害物質の吸収は、鋳造中に鋳型を離れるガス流からの有害物質の除去として一般に理解される。
有害物質は、鋳造中に放出されるガスに含まれ、環境および健康に悪影響を及ぼすか、または強い匂いを発する物質すべてと本質的に見なされる。特に、有害物質は、作業場における負荷に制限が適用される物質として見なされる。特に、有害物質は、MAKが、1g/m未満、好ましくは500mg/m未満である物質と見なされる。
有害物質を吸収する材料からなる層は、鋳型の上部全体を覆うことが好ましい。本質的に、鋳型の側壁も、有害物質を吸収する材料からなる層で覆うことができる。その形状により、当業者は、適切な箇所で有害物質を吸収する材料からなる層を鋳型に施すことができる。例えば、ボックス鋳型を使用する場合、側面がボックスにより密閉されるので、本発明による有害物質を吸収する材料からなる層を鋳型の側面上に施す必要は通常ない。
鋳型は、すでに公知の鋳型と同じ方法で最初に組み立てられるが、有害物質を吸収する材料からなる層は、少なくともガス出口面、すなわち外面の箇所上、特に好ましくは鋳型の上部にさらに配置され、この吸収体層は、鋳型の上部を部分的にまたは完全に覆う。
鋳型は、それ自体公知の方式で、バインダーで凝固される粒状耐火性成形材料からなる。鋳型は、金型およびコアからなるものであってよく、鋳物の形状に実質的に対応する金型キャビティを含む。
このような鋳型の製造用の通常のバインダーはすべて、本質的にバインダーとして使用でき、無機バインダーと有機バインダーの両方が使用できる。例示的な無機バインダーは、水ガラスである。例えば、ポリウレタンバインダー、フラン樹脂バインダーまたはエポキシアクリレートバインダーが有機バインダーとして使用でき、バインダーの硬化は、触媒を加えることにより行われる。しかし、他の方法により、例えば加熱により硬化される有機バインダーも使用できる。
鋳型は、フルフリルアルコール尿素樹脂、フェノールフルフリルアルコール樹脂またはフェノール樹脂で凝固されることが特に好ましい。
通常の耐火材料は、耐火材料として使用できる。耐火材料の例としては、石英砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミニウムシリケート砂およびクロム鉱砂またはそれらの混合物がある。
鋳型は、例えば液体金属と接触する金型キャビティの表面を表面仕上げ材で被覆することにより、通常の方式で前処理してもよい。通常の表面仕上げ材が使用できる。
有害物質を吸収する材料からなる層は、少なくともガス出口面の1つの箇所上、特に鋳型の上部に配置される。層は、それ自体任意の構造を最初は有することができる。したがって、層は、均一な構造を有することができる。しかし、層は、積層で構成されていてもよく、積層の個々の層は、異なる組成を有することができる。
吸収体層は、ガス透過性、すなわち多孔質であるべきである。多孔率は、放出ガスが、障害のない吸収体層を主として通過できるように、すなわち、鋳物のガスの含有に至り得る過剰な圧力が鋳型で形成されないように、十分に高くなくてはならない。ガス透過性Gdは、50超の値であることが好ましく、好ましくは100超、特に好ましくは200超である。
ガス透過性Gdにより、何cmの空気が、1分間で1cm水カラムの過剰圧力にて、ベース面積1cmおよび高さ1cmを有する試験片を平均して通過するのかが特定される。測定は、Georg Fischer AG、Schaffhausen、Switzerland製のPDU型透過性試験装置を用いて行われる。
ガス透過性は、以下の関係により定義される:
Figure 2011521785

(式中、
Qは、空気の流通量(2000cm)であり、
hは、試験片の高さであり、
Fは、試験片の断面積(19.63cm)であり、
pは、水カラム圧力であり、
tは、分を単位として空気2000cmの流通時間である)。
吸収体層は、鋳型の上部に大まかに施される粒状材料で構成されていてもよい。しかし、吸収体層は、鋳型の上部で結合する、すなわち固体連続層を形成することもできる。
吸収体層は、有害物質を吸収する材料として作用する単一の成分を含むことができる。しかし、層は、複数の成分を含むこともでき、一部またはすべての成分が有害物質を吸収する材料として作用する。有害物質を吸収する材料として作用する成分に加えて、層は、例えば、吸収体層のガス透過性を改善するバインダーまたは骨格材料を含むことができる。
有害物質を吸収する材料からなる層は、鋳型と有害物質を吸収する材料からなる層との間の明確な分離を決定できるように、鋳型と異なる組成を有することが好ましい。
有害物質を吸収する材料からなる層の厚さは、鋳造中に放出されるガスの量、ならびに放出ガスに含まれる有害物質の種類および量に依存している。小さい鋳型の場合、有害物質を吸収する材料からなる比較的薄い層でも十分であり得る一方で、非常に大きい鋳物用の鋳型の場合、有害物質を吸収する材料からなる層の厚さは非常に厚くてよく、最大数cmであってよい。
好ましい実施形態によれば、有害物質を吸収する材料からなる層は、少なくとも2.5mmの厚さを有する。さらなる実施形態によれば、層厚は、少なくとも0.5cmである。層厚が5cm未満である場合、鋳造中に放出されるガスを精製するのに通常十分である。しかし、より厚い層厚を使用することもできる。
有害物質の吸収は、それ自体恣意的に行うことができる。有害物質は、有害物質を吸収する材料により物理的に結合し得る。しかし、有害物質を吸収する材料の化学反応により有害物質を結合することもでき、これらは、例えば非揮発性化合物に変換される。最終的に、有害物質を、有害物質を吸収する層において無害物質、例えば二酸化炭素または水に分解することもでき、次いでそれは有害物質を吸収する材料からなる層から完全にまたは部分的に再放出され得る。
第1の実施形態によれば、有害物質を吸収する材料からなる層は、有害物質を物理的に吸着できる、少なくとも1種の物理的吸着体材料を含むことが規定される。本実施形態は、比較的非極性の有害物質、例えば芳香族炭化水素などを、鋳造中に放出されるガスから除去するのに特に適している。
高比表面積を有する化合物を物理的吸着体材料として使用することが好ましい。800m/g以上、好ましくは1000m/g超、特に好ましくは1100m/g超の比表面積を有する化合物を使用することが好ましい。比表面積は、DIN66131によるBET法により決定されることが好ましい。
このような物理的吸着体材料は、10〜2000g/lの範囲内で好ましくは選択される比較的低いバルク密度を有することが好ましい。バルク密度を決定する方法は、実施例に示されている。
物理的吸着体材料は、少なくとも300mg/g、好ましくは少なくとも500mg/g、特に好ましくは800mg/g超のヨウ素吸収能を有することが好ましい。物理的吸着体材料のヨウ素吸収能は、標準ASTMD1510に記載の方法により決定される。
有害物質を吸収する材料からなる層の十分なガス透過性を得るために、物理的吸着体材料の平均粒径(D50)は、100μm超、好ましくは150μm超になるように選択されることが好ましい。層を均一な構造にするために、物理的吸着体材料は、500μm未満の平均粒径(D50)を有することが好ましい。粒度分布は、例えばレーザー粒度分布計により決定できる。
物理的吸着体材料は、活性炭、微細分散したケイ酸、酸により溶解した粘土、灰、セルロース、例えばリンター、レーヨンステープル、ビスコースまたは同様の材料からなる群から選択されることが好ましい。物理的吸着体材料は、有害物質を吸収する材料からなる層において5〜50重量%の画分で存在することが好ましい。
さらなる実施形態によれば、有害物質を吸収する材料からなる層は、化学反応により有害物質を結合できる、少なくとも1種の化学的吸収体材料を含有する。鋳造中に放出されるガス流から有害物質を除去することにつながる化学反応の種類は、それ自体いかなる制限の対象でもない。化学反応は、酸性有害物質、例えば酸性硫黄化合物を中和するか、また塩に変換して、化学的吸収体材料により結合することを意味する例えば中和であってよい。しかし、化学反応は、有害物質を、例えば無害な化合物に例えば酸化および変換する、レドックス反応であってもよい。この目的のために、有害物質を吸収する材料からなる層は、例えば酸化剤もしくは還元剤、または有害物質の酸化もしくは還元を触媒する触媒を含有できる。しかし、有害物質を配位的に結合する、有害物質を吸収する材料からなる層に、化合物を供給することも可能である。適切な化合物は、例えば有害化合物を包含できるシクロデキストリンである。
化学的吸収体材料は、有害物質を吸収する材料からなる層で粒状形態で存在することが好ましい。化学的吸収体材料は、有害物質との反応により改質されるため、化学的吸収体材料の平均粒径は、物理的吸着体材料の平均粒径よりも小さくなるように選択されることが好ましい。化学的吸収体材料は、10μm超、好ましくは20μm超の平均粒径(D50)を有することが好ましい。本発明の一実施形態によれば、化学的吸収体材料の平均粒径は、100μm未満、好ましくは50μm未満になるように選択される。
好ましい実施形態によれば、化学的吸収体材料は、塩基性材料であることが規定される。塩基性材料は、水と接触したときにアルカリ反応を起こす材料または化合物として理解される。塩基性材料と接触したとき、水のpHは8超、好ましくは9超に上昇する。pHの測定は、例えば水1L当たり塩基性材料10gを含有する試料上でガラス電極を用いて行うことができる。本実施形態は、鋳造中に放出されるガスから酸性有害物質を除去するのに適している。このような酸性有害物質は、例えば鋳型のバインダーが硫黄含有化合物を含有する場合に生成される。このような硫黄含有化合物は、例えばフランまたはフェノール樹脂のノーベーク法で使用するようなスルホン酸である。
塩基性材料は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物および炭酸塩から選択されることが好ましい。これらの塩基性材料は、容易かつ安価に入手でき、大きな問題なしに加工できる。炭酸塩と炭酸水素塩の両方を使用できる。炭酸カルシウムおよび/または酸化カルシウムもしくは水酸化カルシウムを、塩基性材料として使用することが特に好ましい。
少なくとも1種の化学的吸収体材料は、有害物質を吸収する材料からなる層にだけ存在し得るか、または物理的吸着体材料に加えて存在し得る。化学的吸収体材料と物理的吸着体材料との組合せを使用することが好ましい。
化学的吸収体材料は、有害物質を吸収する材料からなる層で10〜20重量%の画分で存在することが好ましい。
物理的吸着体材料または化学的吸収体材料に加えて、さらなる物質が、有害物質を吸収する材料からなる層に含まれていてもよい。この場合、金属鋳造用の表面仕上げ材で一般に使用されるような物質を使用することが好ましい。
一実施形態によれば、有害物質を吸収する材料からなる層は、少なくとも50μmの平均粒径(D50)を有する少なくとも1種の耐火材料を含有する。
金属鋳造で通常の耐火材料は、耐火材料として使用できる。適切な耐火材料の例としては、石英、酸化アルミニウム、アルミニウムシリケート、例えばパイロフィライト、カイアナイト、アンダルサイトまたはシャモット、ジルコン砂、オリビン、タルク、マイカ、グラファイト、コーク、長石がある。耐火材料は、粉末形態で調製される。粒径は、安定な構造が吸収体層で形成され、層が十分に高い多孔度を得て、それにより鋳造中に生成されるガスが、過剰な逆圧を形成することなく層を通過できるように選択される。耐火材料は、100〜500μmの範囲、特に好ましくは120〜200μmの範囲の平均粒径を有することが適切である。
有害物質を吸収する材料からなる層における耐火材料の画分は、好ましくは30〜60重量%の範囲、好ましくは40〜50重量%の範囲となるように選択される。
さらに、例えば、バインダーも層に存在できる。通常のバインダーは、例えば粘土、特にベントナイトなどのバインダーとして使用できる。しかし、他のバインダー、例えばキエセルゾルも存在できる。本質的に、表面仕上げ材で使用するバインダーはすべて存在できる。同時に、無機バインダーと有機バインダーの両方が使用できる。
有害物質を吸収する材料からなる層は、残留水分を示すことも好ましい。その結果、例えば極性有害物質、例えばアミンを、層で保持できる。さらに、鋳造中に放出されるガスは、有害物質を吸収する材料からなる層を通過するとき冷却されるので、有害物質の一部分が層に付着する。有害物質を吸収する材料からなる層は、0〜60重量%、好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%の範囲の含水量を有することが好ましい。含水量は、鋳造前の有害物質を吸収する材料からなる層の組成に関係している。
さらなる実施形態によれば、有害物質を吸収する材料からなる層は、多孔質支持骨格を含む。その場合に、吸収体材料および吸収体層のさらなる成分は、多孔質支持骨格に付着する。多孔質支持骨格の重量は、これらの成分の画分の計算には含まれない。
本質的に、吸収体層のさらなる成分を受け入れるために十分に硬い骨格を提供し、鋳造中に生成されるガスが層を通過できるように十分に高い多孔度を提供する任意の材料は、多孔質支持骨格として使用できる。例えば、開孔固体発泡体または好ましくは繊維もしくはフリースが、多孔質支持骨格として使用できる。このような繊維またはフリースが製造され得る元となる適切な材料は、例えばミネラルウール、ガラスウール、またはペルフルオロ化炭化水素製の繊維などの合成繊維製のマットがある。
多孔質支持骨格は、鋳型の上部にマットの形態で配置されることが好ましく、マットの厚さは、0.5〜5cmの範囲、好ましくは1〜4.5cmの範囲となるように選択されることが好ましい。
吸収体材料の量、および多孔質支持骨格が被覆される元となる、有害物質を吸収する材料からなる層のさらなる成分は、乾燥物質として計算し、かつ多孔質支持骨格を含む、有害物質を吸収する材料からなる層の重量に関連して0〜10g/cm、好ましくは0.01〜1.0g/cmの範囲となるように選択されることが好ましい。
本発明による鋳型は、鋳造中に生成され、鋳型から排出する有害物質を、他のガス成分および固形成分とともに吸収または吸着する吸収体層により特徴付けられる。本発明のさらなる主題は、このような吸収体層を製造できる、有害物質を吸収する被膜組成物である。
金属鋳造用鋳型を被覆する本発明による有害物質を吸収する被膜組成物は、本発明によれば、有害物質を吸収する少なくとも1種の材料を含有する。
有害物質を吸収するこのような被膜組成物、特に物理的吸着体材料および化学的吸収体材料の成分はすでに、本発明による鋳型の説明で詳細にある程度説明されている。関連部分について言及する。
本発明による被膜組成物は、鋳型の製造ですでに使用したような表面仕上げ材とその組成が本質的に類似しているが、有害物質を吸収する少なくとも1種の材料がさらに存在する。
被膜組成物は、被膜組成物のさらなる成分を懸濁または溶解できるキャリア液を含むことが好ましい。このキャリア液は、金属鋳造で通常の条件下で完全に蒸発できるように適切に選択される。したがって、キャリア液は、約130℃未満、好ましくは110℃未満の通常の圧力での沸点を好ましくは有するべきである。水を、キャリア液として使用することが好ましい。しかし、アルコールも、例えばエタノールもしくはイソプロパノールなどのキャリア液、またはこれらのキャリア液の混合物として使用できる。
被膜組成物は、懸濁液またはペーストの形態で調製されることが好ましい。したがって、被膜組成物の固形分は、20〜60重量%の範囲、好ましくは30〜50重量%の範囲で選択されることが好ましい。その場合に、被膜組成物は、例えば鋳型の表面上に塗布またはスプレーするなどの通常の方法により施すことができる。
好ましい実施形態によれば、上記の物理的吸着体材料が被膜組成物中に存在する場合、その画分は、すぐに使用できる被膜組成物に対して2.5〜25重量%、好ましくは4〜15重量%の範囲で選択されることが好ましい。
好ましい実施形態によれば、上記の化学的吸収体材料が被膜組成物中に存在する場合、その画分は、すぐに使用できる被膜組成物に対して3〜15重量%、好ましくは5〜10重量%の範囲で選択されることが好ましい。
好ましい実施形態によれば、上記の耐火材料が被膜組成物中に存在する場合、その画分は、すぐに使用できる被膜組成物に対して10〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の範囲で選択されることが好ましい。
被膜組成物の固形成分の任意の沈降を防ぐと同時に、鋳型に均一に施すために、被膜組成物の粘度は、1000〜3000mPas、特に好ましくは1200〜2000mPasの範囲で選択されることが好ましい。
少なくとも1種の粉末状耐火材料をキャリア液に懸濁させることが好ましい。すでに言及した耐火材料は、耐火材料として使用できる。適切な耐火材料の例としては、石英、酸化アルミニウム、アルミニウムシリケート、例えばパイロフィライト、カイアナイト、アンダルサイトまたはシャモット、ジルコン砂、オリビン、タルク、マイカ、グラファイト、コーク、長石がある。耐火材料は、粉末形態で調製される。粒径は、安定な構造が、吸収体層で形成され、被膜化合物をガス出口面上、好ましくは鋳型の上部に、スプレー装置により容易に散布できるように選択される。耐火材料は、50〜600μmの範囲、特に好ましくは100〜500μmの範囲の平均粒径を有することが適切である。1200℃超の融点を有する材料が、耐火材料として特に適している。
好ましい実施形態によれば、本発明による被膜組成物は、さらなる成分として少なくとも1種のバインダーを含む。バインダーは、表面、特に鋳型の表面に被膜を良好に固定できる。さらに、バインダーは被膜の機械的安定性を増加させるので、より低い腐食が、機械的負荷下または層を流れるガスの作用下で観察される。通常のバインダー、例えば粘土、特にベントナイトが、バインダーとして使用できる。バインダーの他の例としては、デンプン、デキストリン、ペプチド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリスチレンおよび/またはポリビニルアセテート−ポリアクリレート分散液がある。水性系で使用でき、硬化後に空気中水分の作用下で再軟化しないバインダー系が一般に好ましい。
さらなる実施形態によれば、本発明による被膜組成物は、キエセルゾルをバインダーとして含有する。この場合のバインダーの画分は、被膜組成物の重量に対して0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%の範囲となるように選択されることが好ましい。キエセルゾルは、水ガラスを中和することにより製造されることが好ましい。この場合に得られる非晶質ケイ酸は、10〜1000m/gの範囲、特に好ましくは、30〜300m/gの範囲の比表面積を有することが好ましい。
本発明による被膜組成物は、少なくとも1種の補正剤をさらに含むことができる。補正剤は被膜組成物の粘度を増加させるので、被膜組成物の固形成分が、懸濁液に沈まないか、またはわずかな程度しか沈まない。有機材料と無機材料の両方、またはこれらの材料の混合物は、粘度を増加させるために使用できる。適切な無機補正剤は、例えば強膨潤性デンプンである。2層シリケートと3層シリケートの両方を、高膨潤性のシート状シリケート、例えばアタパルジャイト、サーペンタイン、カオリン、スメクタイト、例えばサポナイト、モントモリロナイト、バイデライトおよびノントロナイト、バーミキュライト、イライト、ヘクトライトおよびマイカなどとして使用できる。被膜組成物は塗付後もはや流出しないので、ヘクトライトは、鋳型上での吸収体層の形成を促進するチキソトロピー特性を被膜組成物に与える。
可能な有機補正手段は、例えば膨潤性ポリマー、例えばカルボキシメチル、メチル、エチル、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、粘質物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ペクチン、ゼラチン、寒天、ポリペプチドならびにアルギネートである。
本発明による被膜組成物は、保存料、消泡剤、架橋剤および分散剤など、通常層中にさらなる成分を含有できる。
例えば、セルロースエーテル、アルギネート、粘質物および/またはペクチンは、懸濁剤として使用できる。適切な架橋剤および分散剤の例としては、イオン性テンサイドおよび非イオン性テンサイド、好ましくは非イオン性テンサイドがある。
すぐに使用できる被膜組成物におけるこれらのさらなる成分の画分は、1重量%未満となるように選択されることが好ましい。
好ましい実施形態によれば、被膜組成物は、多孔質支持骨格に施される形態で調製される。適切な支持材料はすでに上にさらに記載されている。多孔質支持骨格に施される被膜組成物は、被膜組成物をすでに含有している適切なマットを調製することにより調製できる。その場合、被膜組成物を、覆われるべき鋳型のガス出口面、例えば鋳型の上部の寸法に従って形成されるように切断し、その上に置く。この実施形態において、被膜組成物は、依然として湿った状態で調製されることが好ましい。被膜組成物の含水量は、被膜組成物に対して5〜30重量%の範囲、好ましくは10〜20重量%の範囲で選択されることが好ましい。
本発明のさらなる主題は、上に記載したような鋳型を製造する方法に関する。
本発明による方法において、
−少なくとも1種の耐火性成形材料および少なくとも1種のバインダーを含む成形材料混合物を調製し、
−該成形材料混合物を、鋳型に成形し、
−鋳型のガス出口面を、少なくとも数箇所で有害物質を吸収する材料からなる層で覆う。
最初に、鋳型を、それ自体公知の方式で成形材料混合物から調製する。成形材料混合物を製造するために、耐火性成形材料をバインダーと混合し、次いで鋳型または鋳型の一部分に形成する。
本質的に、鋳造業の成形品の製造で通常の耐火材料はすべて、耐火材料として使用できる。適切な耐火性成形材料の例としては、石英砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミニウムシリケート砂およびクロム鉱砂またはそれらの混合物がある。石英砂を使用することが好ましい。耐火性成形材料は、成形材料混合物から製造される成形品が、十分に高い多孔度を有し、鋳造プロセス中に揮発性化合物を排出できるように十分な粒径を有するべきである。耐火性成形材料の好ましくは少なくとも70重量%、特に好ましくは少なくとも80重量%が、<290μmの粒径を有する。耐火材料の平均粒径は、好ましくは100〜350μmの間であるべきである。粒径は、例えば篩分析により決定できる。耐火性成形材料は、バインダーまたは液体触媒を、例えばミキサー内で耐火性成形材料の粒子に効率的に施すことができるように注入可能な形態で存在すべきである。
一実施形態によれば、再生使用済み砂は、耐火性成形材料として使用できる。より大きい集合体を使用済み砂から除去して、使用済み砂を場合により粒子に分ける。機械的処理または熱処理の後、ダストを使用済み砂から除去し、次いでこれを再使用してもよい。再使用する前に、再生使用済み砂の酸バランスを調査することが好ましい。特に、熱再生中、副産物、例えば砂中に含まれる炭酸塩は、対応する酸化物に変換され得、次いでアルカリ方式で反応させる。酸による触媒作用下で硬化されるバインダーを使用する場合、この場合に触媒として加えられる酸は、再生使用済み砂のアルカリ成分により中和できる。同様に、使用済み砂の機械的再生中、酸は、使用済み砂中に残ることができ、その他の点では、成形材料混合物の加工時間を短縮できるので、これはバインダーを製造する際に考慮されねばならない。
耐火性成形材料は乾燥しているべきである。耐火性成形材料は、好ましくは1重量%未満の水を含有すべきである。熱の作用によるバインダーの早期硬化を防ぐために、耐火性成形材料は温かすぎるべきではない。耐火性成形材料は20〜35℃の範囲の温度を好ましくは有するべきである。場合により、耐火性成形材料を冷却または加熱してもよい。
本質的に、金属鋳造用鋳型を製造するのに通常のバインダーはすべて、バインダーとして使用できる。無機バインダーと有機バインダーの両方が使用できる。例えば、水ガラスは、熱的に、または二酸化炭素を導入することにより硬化される無機バインダーとして使用できる。有機バインダーの例としては、ポリウレタンノーベークバインダーおよびポリウレタンコールドボックスバインダー、フラン樹脂もしくはフェノール樹脂系のバインダー、またはエポキシアクリレートバインダーがある。
ポリウレタン系バインダーは、一般に2つの成分からなり、第1の成分はフェノール樹脂を含有し、第2の成分はポリイソシアネートを含有する。これらの2つの成分を、耐火性成形材料と混合し、成形材料混合物を、ラミング、吹き付け、シューティングまたは別の方法により金型に入れ、圧縮し、次いで硬化させる。触媒を成形材料混合物に導入する方法に応じて、「ポリウレタンノーベーク法」と「ポリウレタンコールドボックス法」とが区別される。
ノーベーク法において、液体触媒、一般に液体第3級アミンは、金型に入れて硬化させる前に成形材料混合物に導入される。成形材料混合物を製造するために、フェノール樹脂、ポリイソシアネートおよび硬化触媒を耐火性成形材料と混合する。その場合、例えば耐火性成形材料をバインダーの1つの成分で最初に被覆し、次いで他の成分を加えることにより進行してもよい。硬化触媒が成分の1つに加えられる。すぐに調製できる成形材料混合物は、成形材料混合物を十分に長い時間塑性的に変形させ、成形品に加工できるように十分な長さの加工時間を有していなければならない。この目的のために、重合は、成形材料混合物の硬化が、供給容器または供給ライン内ですでに起こらないように、相応にゆっくり行われなくてはならない。他方で、硬化は、鋳型製造中に十分に高いスループットを実現するために遅すぎてはならない。加工時間は、例えば成形材料混合物の硬化を遅延させる遅延剤を加えることにより影響され得る。適切な遅延剤は、例えばオキシ塩化リンである。
コールドボックス法において、成形材料混合物を、触媒なしで鋳型に最初に入れる。次いで、ガス第3級アミンを、成形材料混合物に通し、場合により不活性キャリアガスと混合してもよい。ガス触媒と接触したとき、バインダーは、非常に急速に結合するので、高いスループットが鋳型の製造で実現される。
ポリウレタン系のバインダー系は、ポリオール成分およびポリイソシアネート成分を含有しており、それ自体公知の成分がここでは使用できる。
バインダー系のポリイソシアネート成分は、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネートまたは芳香族イソシアネートを含むことができる。ポリイソシアネートは、1分子当たり少なくとも2つのイソシアネート基、好ましくは2〜5つのイソシアネート基を含有することが好ましい。所望の特性に応じて、イソシアネートの混合物も使用できる。使用するイソシアネートは、モノマー、オリゴマーおよびポリマーの混合物からなるものであってよく、したがって以降ポリイソシアネートと称される。
本質的に、鋳造業の成形材料混合物用のポリウレタンバインダーで通常の任意のポリイソシアネートが、ポリイソシアネートとして使用できる。適切なポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、例えば4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよびそれらのジメチル誘導体を含む。適切な芳香族ポリイソシアネートの例としては、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートおよびそれらのメチル誘導体、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートおよびポリメチレン−ポリフェニルポリイソシアネートがある。
原則として、従来のポリイソシアネートはすべて、フェノール樹脂と反応し、架橋ポリマー構造を形成するが、芳香族ポリイソシアネート、特に好ましくはポリメチレン−ポリフェニルポリイソシアネート、例えばジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートの市販の混合物、イソマーおよびそれらのより高級ホモログなどを使用することが好ましい。
ポリイソシアネートは、物質中で使用してもよく、また不活性溶媒または反応性溶媒に溶解させてもよい。この場合、反応性溶媒は、バインダーの設定中にバインダーの骨格に組み込まれるように反応性基を有する溶媒として理解される。ポリイソシアネートは、溶液の粘度がより低いため、耐火性成形材料の粒子をバインダーの薄膜でより効率的に被覆できるように希釈形態で使用されることが好ましい。
有機溶媒中のポリイソシアネートまたはそれらの溶液を、ポリオール成分の硬化を行うのに十分な濃度、通常ポリオール成分の重量に対して10〜500重量%の範囲で使用する。同じ塩基に対して好ましくは20〜300重量%で使用する。液体ポリイソシアネートは非希釈形態で使用できるが、固体ポリイソシアネートまたは粘性ポリイソシアネートは有機溶媒に分解させる。イソシアネート成分の最大80重量%、好ましくは最大60重量%、特に好ましくは最大40重量%は、溶媒からなるものであってよい。
イソシアネート基の数が、ポリオール成分の遊離ヒドロキシル基の数に対して80から120%になるような量で、ポリイソシアネートを使用することが好ましい。
本質的に、ポリウレタンバインダーで使用するポリオールはすべて、ポリオール成分として使用できる。ポリオール成分は、硬化中バインダーを架橋し、それにより硬化した成形品の強度を良好にするために、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基と反応し得る少なくとも2つのヒドロキシル基を含有する。
液相中で、最大約180℃の温度にて、触媒量の金属の存在下で、フェノールをアルデヒド、好ましくはホルムアルデヒドと縮合させることにより得られたフェノール樹脂をポリオールとして使用することが好ましい。このようなフェノール樹脂を製造する方法は、それ自体知られている。
耐火性成形材料上にバインダーを均一に散布できるように、ポリオール成分を液体形態で使用するか、または有機溶媒に溶解させることが好ましい。イソシアネート成分と水との反応は、望ましくない副反応であるため、ポリオール成分を、無水形態で使用することが好ましい。非水性または無水とは、この文脈において、好ましくは5重量%未満、好ましくは2重量%未満のポリオール成分の含水量を意味することが意図される。
「フェノール樹脂」とは、フェノール、フェノール誘導体、ビスフェノールおよび高級フェノール縮合生成物とアルデヒドとの反応生成物として理解される。フェノール樹脂の組成は、特異的に選択された出発物質、出発物質の比率および反応条件に依存する。したがって、例えば、触媒の種類、時間および反応温度は、溶媒および他の物質の存在と同じ方法で重要な役割を果たす。
フェノール樹脂は、異なる化合物の混合物として通常存在し、異なる比率で付加生成物、縮合生成物ならびに非変換出発物質、例えばフェノール、ビスフェノールおよび/またはアルデヒドを含有できる。
「付加生成物」とは、有機成分が、あらかじめ置換されていないフェノールまたは縮合生成物で少なくとも1つの水素を置換している反応生成物として理解される。「縮合生成物」とは、2つ以上のフェノール環を有する反応生成物として理解される。
フェノールとアルデヒドとの縮合反応により、フェノール樹脂が生じ、析出物の量比に応じて、反応条件および使用する触媒が、2つの生成物分類、すなわちノボラックとレゾールとに分けられる。
ノボラックは、約500〜5000g/molの範囲の分子量を有する、可溶性、可融性、非自己硬化性および貯蔵安定性のオリゴマーである。ノボラックは、酸性触媒の存在下で1:>1のモル比でのアルデヒドとフェノールとの縮合中に蓄積する。ノボラックは、フェニル核がメチレン架橋を介して結合する、メチロール基を含まないフェノール樹脂である。ノボラックは、硬化剤、例えばホルムアルデヒド供与剤、好ましくはヘキサメチレンテトラアミンの添加後に、高温にて架橋により硬化できる。
レゾールは、メチレンおよびメチレンエーテル架橋を介して結合するヒドロキシメチルフェノールの混合物であり、恐らく触媒、例えば塩基性触媒の存在下で1:<1のモル比でのアルデヒドとフェノールとの反応により得ることができる。レゾールは、≦10000g/molのモル重量Mを有する。
ポリオール成分として特に適したフェノール樹脂は、「o−o」または「高−オルト」ノボラック樹脂またはベンジルエーテル樹脂の名称で知られている。これらは、適切な触媒を用いた弱酸性媒体中でのフェノールとアルデヒドとの縮合により得ることができる。
ベンジルエーテル樹脂の製造に適した触媒は、Mn、Zn、Cd、Mg、Co、Ni、Fe、Pb、CaおよびBaなどの金属の二価イオンの塩である。亜鉛アセテートを使用することが好ましい。使用する量は決定的ではない。金属触媒の通常量は、フェノールおよびアルデヒドの総量に対して0.02〜0.3重量%、好ましくは0.02〜0.15重量%である。
従来使用されているフェノールはすべて、フェノール樹脂の製造に適している。非置換フェノールに加えて、置換フェノールまたはそれらの混合物も使用できる。フェノール化合物は、重合を可能にするために両方のオルト位または一方のオルト位、およびパラ位で置換されていない。残りの環炭素原子は置換されていてもよい。置換基の選択は、特に制限されないが、但し、置換基がフェノールまたはアルデヒドの重合に悪影響を与えないこととする。置換フェノールの例としては、アルキル置換フェノール、アルコキシ置換フェノールおよびアリールオキシ置換フェノールがある。
前記置換基は、例えば1〜26個、好ましくは1〜15個の炭素原子を有する。適切なフェノールの例としては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシロール、3,4−キシロール、3,4,5−トリメチルフェノール、3−エチルフェノール、3,5−ジエチルフェノール、p−ブチルフェノール、3,5−ジブチルフェノール、p−アミルフェノール、シクロヘキシルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、3,5−ジシクロヘキシルフェノール、p−クロチルフェノール、p−フェニルフェノール、3,5−ジメトキシフェノールおよびp−フェノキシフェノールがある。
フェノール自体が特に好ましい。高度に縮合されたフェノール、例えばビスフェノールAも適している。1超のフェノールヒドロキシル基を有する多価フェノールも適している。好ましい多価フェノールは、2つまたは4つのフェノールヒドロキシル基を有する。適切な多価フェノールの特殊な例としては、ピロカテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フルオログリシン、2,5−ジメチルレゾルシン、4,5−ジメチルレゾルシン、5−メチルレゾルシンまたは5−エチルレゾルシンがある。
異なる一価および多価、ならびに/または置換および/もしくは縮合フェノール成分の混合物も、ポリオール成分を製造するために使用できる。
一実施形態において、一般式I:
Figure 2011521785

を有するフェノールを、フェノール樹脂成分を製造するために使用する(式中、A、BおよびCは、水素原子、例えば1〜26個、好ましくは1〜15個の炭素原子を有することができる分岐または非分岐のアルキル基、例えば1〜26個、好ましくは1〜15個の炭素原子を有することができる分岐または非分岐のアルコキシ基、例えば1〜26個、好ましくは1〜15個の炭素原子を有することができる分岐または非分岐のアルケノキシ基、アリール基もしくはアルキルアリール基、例えばビスフェニルなどから互いに独立に選択される)。
次式:
R−CHO
を有するアルデヒドは、フェノール樹脂成分の製造に適している(式中、Rは、水素原子、または好ましくは1〜8個、特に好ましくは1〜3個の炭素原子を有する炭素原子基である)。特殊な例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、フルフリルアルデヒドおよびベンズアルデヒドがある。ホルムアルデヒドを、パラホルムアルデヒドまたはトリオキサンとしてその水性形態で使用することが特に好ましい。
フェノール樹脂を得るために、フェノール成分のモル数に対して少なくとも同等のモル数のアルデヒドが使用されるべきである。アルデヒドとフェノールとのモル比は、好ましくは1:1.0〜2.5:1、特に好ましくは1.1:1〜2.2:1、とりわけ好ましくは1.2:1〜2.0:1である。
フェノール樹脂成分は、当業者に公知の方法で製造される。この場合、フェノールとアルデヒドとを、実質的に無水条件下で、二価金属イオンの存在下で、好ましくは130℃未満の温度で反応させる。生成された水を蒸留除去する。この目的のために、適切なエントレーナー、例えばトルエンまたはキシレンを反応混合物に加えてもよく、または蒸留が減圧にて行われる。
成形材料混合物のバインダーについて、フェノール成分をアルデヒドと反応させ、好ましくはベンジルエーテル樹脂を得る。第1級または第2級の脂肪族アルコールとの反応により、一段階法または二段階法(欧州特許第B−0177871号および欧州特許第1137500号)でアルコキシ改質フェノール樹脂を得ることもできる。一段階法では、フェノール、アルデヒドおよびアルコールを適切な触媒の存在下で反応させる。二段階法では、非改質樹脂を最初に製造し、次いでこれをアルコールと反応させる。アルコキシ改質フェノール樹脂を使用する場合、モル比について本質的に制限はないが、アルコール成分は、ヒドロキシメチル基の25%未満がエーテル化されるように、0.25未満のアルコール:フェノールのモル比で使用されることが好ましい。適切なアルコールは、ヒドロキシ基および1〜10個の炭素原子を有する第1級および第2級の脂肪族アルコールである。適切な第1級および第2級のアルコールは、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノールおよびn−ヘキサノールである。メタノールおよびn−ブタノールが特に好ましい。
フェノール樹脂は、ポリイソシアネート成分との架橋が可能であるように選択されることが好ましい。分子中に少なくとも2つのヒドロキシ基を有する分子を含むフェノール樹脂は、ネットワーク構造に特に適している。バインダー系のフェノール樹脂成分またはイソシアネート成分を、1種の有機溶媒または有機溶媒の組合せ中の溶液として使用することが好ましい。溶媒は、バインダーの成分を十分に低い粘度の状態で保つのに必要とされ得る。これは、耐火性成形材料の均一な架橋およびその注入性を得るためにとりわけ不可欠である。
本質的に、鋳造技術のためにこのようなバインダー系で従来使用されている溶媒はすべて、ポリウレタン系バインダー系のポリイソシアネート成分またはポリオール成分の溶媒として使用できる。例えば、酸素に富む極性有機溶媒が、溶媒として適している。ジカルボン酸エステル、グリコールエーテルエステル、グリコールジエステル、グリコールジエーテル、環状ケトン、環状エステルまたは環状炭酸塩が特に適している。ジカルボン酸エステル、環状ケトンおよび環状炭酸塩を使用することが好ましい。ジカルボン酸エステルは、式ROOC−R−COOR(式中、基Rは、いずれの場合も互いに独立に1〜12個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を構成し、Rは、アルキレン基、すなわち1〜12個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する二価アルキル基である。Rは、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を含むこともできる)を有する。例としては、4〜10個の炭素原子を有するカルボン酸ジメチルエステルがあり、それは、例えばInvista International S.a.r.l.、Geneva、CHから「二塩基エステル」(DBE)の名称で入手できる。グリコールエーテルエステルは、式R−O−R−OOCR(式中、基Rは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは、エチレン基、プロピレン基またはオリゴマー酸化エチレンまたはオリゴマー酸化プロピレンであり、Rは、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)を有する化合物である。グリコールエーテルアセテート、例えばブチルグリコールアセテートが好ましい。したがって、グリコールジエステルは、一般式RCOO−ROOCR(式中、基RおよびRは、前記のように定義され、基Rは、各々互いに独立に選択される)を有する。グリコールジアセテート、例えば、プロピレングリコールジアセテートなどが好ましい。グリコールジエーテルは、式R−O−R−O−R(式中、基RおよびRは、前記のように定義され、基Rは、各々互いに独立に選択される)により特徴付けることができる。適切なグリコールジエーテルは、例えばジプロピレングリコールジメチルエーテルである。4〜5個の炭素原子を有する環状ケトン、環状エステルおよび環状炭酸塩も適している。例えば、適切な環状炭酸塩は炭酸プロピレンである。アルキル基およびアルキレン基は、各々分岐または非分岐であってよい。
溶媒は、成形材料混合物から製造した成形品の製造および施用中に蒸発し、したがって、例えば鋳造中に悪臭公害または発煙に至る恐れがあるので、バインダー系における溶媒の画分が、高すぎないように選択されることが好ましい。バインダー系の溶媒の画分は、好ましくは50重量%未満、特に好ましくは40重量%未満、特に好ましくは35重量%未満である。
成形品を製造するために、上に記載したようにバインダーを耐火性成形材料と最初に混合し、成形材料混合物を形成する。成形品がPUノーベーク法で製造される場合、適切な触媒は、成形材料混合物にすでに加えられていてもよい。この目的のために、液体アミンを成形材料混合物に加えることが好ましい。これらのアミンは、4〜11のpK値を有することが好ましい。適切な触媒の例としては、アルキル基が1〜4個の炭素原子を含む4−アルキルピリジン、イソキノリン、アリールピリジン、例えばフェニルピリジン、ピリジン、アクリリン、2−メトキシピリジン、ピリダジン、3−クロロピリジン、キノリン、n−メチルイミダゾール、4,4’−ジピリジン、フェニルプロピルピリジン、1−メチルベンズイミダゾール、1,4−チアジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリベンジルアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンおよびトリエタノールアミンがある。触媒は、不活性溶媒、例えば2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールジイソブチレートまたは脂肪酸エステルで場合により希釈できる。追加される触媒の量は、ポリオール成分の重量に対して0.1〜15重量%の範囲で選択される。
次いで、成形材料混合物を通常の方式で金型に導入し、そこで圧縮する。次いで、成形材料混合物を硬化させ、成形品を得る。硬化中、成形品は、好ましくはその外部形状を保持すべきである。
硬化が、PUコールドボックス法により行われるものである場合、ガス触媒を成形した成形材料混合物に通す。コールドボックス法の分野で通常の触媒を触媒として使用できる。アミン、特に好ましくはジメチルエチルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、トリエチルアミンおよびトリメチルアミンを触媒として、そのガス形態でまたはエアロゾルとして使用することが特に好ましい。
さらに好ましい実施形態によれば、フラン樹脂またはフェノール樹脂をバインダーとして使用し、成形材料混合物を、強酸による触媒作用下でフランノーベーク法に従って硬化させる。
フラン樹脂およびフェノール樹脂は、鋳造中非常に良好な分解特性を示す。液体金属の熱作用下で、フラン樹脂またはフェノール樹脂は分解し、鋳型の強度は失われる。したがって、鋳造後、コアは、恐らく鋳物の予備振とう後に非常に効率的にキャビティから注ぎ出すことができる。
「フランノーベークバインダー」において第1の成分として含まれる反応性フラン樹脂は、必須成分としてフルフリルアルコールを含む。フルフリルアルコールは、酸触媒作用下でそれ自体と反応し、ポリマーを形成することができる。一般に、純粋なフルフリルアルコールは、フランノーベークバインダーを製造するために使用されないが、さらなる化合物をフルフリルアルコールに加えて、それを樹脂中で重合できる。このような化合物の例としては、アルデヒド、例えばホルムアルデヒドまたはフルフラル、ケトン、例えばアセトン、フェノール、尿素またはポリオール例えば糖アルコールまたはエチレングリコールがある。樹脂の特性、例えばその弾性に影響を与えるさらなる成分を、樹脂に加えてもよい。例えば、メラミンを加えて、遊離ホルムアルデヒドを結合することができる。
フランノーベークバインダーは、酸性条件下で、例えば尿素、ホルムアルデヒドおよびフルフリルアルコールからフルフリル含有予備縮合物を最初に製造することにより通常構成される。反応条件は、フルフリルアルコールがわずかに重合するだけで済むように選択される。次いで、これらの予備重合物をフルフリルアルコールで希釈する。レゾールも、フランノーベークバインダーを製造するために使用できる。レゾールは、フェノールとホルムアルデヒドとの混合物の重合により製造される。その場合に、これらのレゾールはフルフリルアルコールで希釈される。
フランノーベークバインダーの第2の成分は、酸により形成される。この酸は、一方では耐火性成形材料に含まれるアルカリ成分を中和し、他方では反応性フラン樹脂の架橋を触媒する。
通常、芳香族スルホン酸、およびいくつかの特別な場合はリン酸または硫酸を酸として使用する。リン酸は、高濃度、すなわち75%超の濃度で使用される。しかし、これは、比較的高い画分の尿素を有するフラン樹脂の触媒硬化にのみ適している。これらの樹脂の窒素含有量は、2.0重量%超である。硫酸を、フラン樹脂の硬化用の開始剤としての比較的強酸として弱酸に加えてもよい。しかし、鋳造中、硫酸化合物に特有の臭気が広がる。さらに、硫黄が、鋳造材料に吸収され、その特性に影響を及ぼす危険性がある。通常、芳香族スルホン酸を、触媒として使用する。その良好な有用性およびその高い酸強度により、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸を主として使用する。
酸触媒硬化性ノーベークバインダーの第2の群としてフェノール樹脂は、反応樹脂成分、すなわち過剰量のホルムアルデヒドで製造したフェノール樹脂としてレゾールを含有する。フラン樹脂と比較して、フェノール樹脂は、有意に低い反応性を示し、触媒として強スルホン酸を必要とする。フェノール樹脂は、比較的高い粘度を有し、それは、樹脂の長期貯蔵中に増加する。特に、20℃未満の温度で粘度が強く増加するので、バインダーを砂粒子の表面に均一に施すことができるように、砂を加熱する必要がある。フェノールノーベークバインダーを、耐火性成形材料に施した後、成形材料混合物から製造した鋳型の強度の低下に至り得る早期硬化による、成形材料混合物の品質の任意の低下を回避するために、成形材料混合物は、できるだけすぐに加工されるべきである。フェノールノーベークバインダーを使用する場合、成形材料混合物の流動性は通常低い。したがって、鋳型を製造する際、高強度の鋳型にするために成形材料混合物を慎重に圧縮する必要がある。
成形材料混合物の製造および加工は、15〜35℃の範囲の温度で行われるべきである。温度が低すぎる場合、成形材料混合物は、フェノールノーベーク樹脂の粘度が高いため加工が困難になる。35℃超の温度では、加工時間は、バインダーの早期硬化により短くなる。
鋳造後、フェノールノーベークバインダー系の成形材料混合物を再加工してもよく、この場合、機械的方法もしくは熱的方法、または機械的/熱的方法を合わせた方法をここでは使用できる。
その場合、酸は、注入可能な耐火材料に施され、酸被覆耐火性成形材料が得られる。酸は、通常の方法、例えば酸を耐火性成形材料にスプレーすることにより、耐火性成形材料に施される。酸の量は、バインダーの重量に対して、かつ純粋な酸として計算して、すなわち使用した任意の溶媒を無視して5〜45重量%の範囲、特に好ましくは20〜30重量%の範囲となるように選択されることが好ましい。酸が、液体形態ですでに存在しておらず、薄膜の形態で耐火性成形材料の粒子上に散布するのに十分に低い粘度を有する場合、酸を適切な溶媒に溶解させる。溶媒の例としては、水もしくはアルコール、または水とアルコールとの混合物がある。しかし、特に水を使用する場合、溶液は、バインダーまたは成形材料混合物中に同伴される水の量をできるだけ低く抑えるために、できるだけ高濃度になるように製造される。耐火性成形材料と酸との混合物は、粒子上に酸を確実に均一に散布するために十分に均一化される。
次いで、酸硬化性バインダーを酸被覆耐火性成形材料に施す。バインダーの量は、耐火性成形材料に対して、かつ樹脂成分として計算して0.25〜5重量%の範囲、特に好ましくは1〜3重量%の範囲で選択されることが好ましい。本質的に、酸で硬化可能なバインダー、特に鋳造業で成形材料混合物を製造するのにすでに一般的な酸硬化性バインダーはすべて、酸硬化性バインダーとして使用できる。架橋可能樹脂に加えて、バインダーは、他の通常の成分、例えば粘度を調節するための溶媒、または架橋可能樹脂の一部に代わる増量剤も含有できる。
バインダーを、酸被覆耐火性成形材料に施し、混合物を移動させることにより、薄膜の形態で耐火性成形材料の粒子上に散布する。
バインダーおよび酸の量は、一方では鋳型の十分な強度、他方では成形材料混合物の十分な加工時間が実現されるように選択される。例えば、5〜45分の範囲の加工時間が適している。
次いで、バインダーで被覆した耐火性成形材料を通常の方法で成形品に成形する。この目的のために、成形材料混合物を、適切な金型に導入して、そこで圧縮することができる。次いで、このようにして得られた成形品を硬化させる。
本質的に、フランノーベークバインダー系ですでに使用されているフラン樹脂はすべて、フランノーベークバインダーとして使用できる。
市販のフランノーベークバインダーで使用するフラン樹脂は、通常予備縮合物またはフルフリルアルコールと他のモノマーもしくは予備縮合物との混合物である。フランノーベークバインダーに含有される予備縮合物は、それ自体公知の方式で製造される。
好ましい実施形態によれば、フルフリルアルコールを、尿素および/もしくはホルムアルデヒドまたは尿素/ホルムアルデヒド予備縮合物との組合せで使用する。ホルムアルデヒドは、モノマー形態で、例えばホルマリン溶液の形態で、またそのポリマー、例えばトリオキサンもしくはパラホルムアルデヒドの形態で使用できる。ホルムアルデヒドに加えてまたはその代わりに、他のアルデヒドまたはさらにケトンも使用できる。適切なアルデヒドは、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サルチルアルデヒド、シンナムアルデヒド、グリオキサルおよびこれらのアルデヒドの混合物である。ホルムアルデヒドが好ましく、これをパラホルムアルデヒドの形態で使用することが好ましい。
十分に高い反応性を有するケトンはすべて、ケトン成分として使用できる。ケトンの例としては、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトンおよびアセトンがあり、アセトンを使用することが好ましい。
前記アルデヒドおよびケトンは、単一の化合物として、また互いの混合物で使用できる。
アルデヒド、特にホルムアルデヒドまたはケトンとフルフリルアルコールとのモル比は、さらなる範囲内で選択できる。1molのアルデヒドに対して好ましくは0.4〜4molのフルフリルアルコール、好ましくは0.5〜2molのフルフリルアルコールがフラン樹脂の製造で使用できる。
予備縮合物を製造するために、フルフリルアルコール、ホルムアルデヒドおよび尿素を、4.5超のpHに調整した後、沸騰するまで加熱してもよく、水は反応混合物から連続的に蒸留除去される。反応時間は、数時間、例えば2時間であってよい。これらの反応条件下でフルフリルアルコールの重合はほぼ起こらない。しかし、フルフリルアルコールは、樹脂にホルムアルデヒドおよび尿素とともに縮合される。
代替法によれば、フルフリルアルコール、ホルムアルデヒドおよび尿素を、加熱下で4.5を有意に下回るpH、例えばpH2.0で反応させ、縮合中に形成される水を減圧にて蒸留除去してもよい。反応生成物は、比較的高い粘度を有し、所望の粘度に調節されるまでフルフリルアルコールで希釈し、バインダーを製造する。
これらの製造法の混合形態も使用できる。
フェノールを予備縮合物に導入してもよい。この目的のために、フェノールを、アルカリ条件下でホルムアルデヒドと最初に反応させて、レゾール樹脂を形成してもよい。次いで、このレゾールを、フルフリルアルコールまたはフラン基含有樹脂と反応または混合できる。このようなフラン基含有樹脂は、例えば上に記載の方法により得ることができる。高級フェノール、例えばレゾルシン、クレゾールまたはビスフェノールAも、予備縮合物を製造するために使用できる。バインダー中のフェノールまたは高級フェノールの画分は、最大45重量%、好ましくは最大20重量%、特に好ましくは最大10重量%の範囲で選択されることが好ましい。フェノールまたは高級フェノールの画分は、一実施形態によれば2重量%超、さらなる実施形態によれば4重量%超になるように選択できる。
さらに、アルデヒドとケトンとの縮合物を使用し、次いでそれをフルフリルアルコールと混合してバインダーを製造することもできる。このような縮合物は、アルカリ条件下でのアルデヒドとケトンとの反応により製造できる。特にパラホルムアルデヒドの形態のホルムアルデヒドを、アルデヒドとして使用することが好ましい。アセトンをケトンとして使用することが好ましい。しかし、他のアルデヒドまたはケトンも使用できる。アルデヒドとケトンとの相対モル比は、7:1〜1:1、好ましくは1.2:1〜3.0:1の範囲で選択されることが好ましい。縮合は、アルカリ条件下で、8〜11.5、好ましくは9〜11の範囲のpH値で行われることが好ましい。適切な塩基は、例えば炭酸ナトリウムである。
フランノーベークバインダーに含まれるフルフリルアルコールの量は、一方ではコストの理由から画分をできるだけ低く抑える意図により決定される。他方では、鋳型の強度の改善は、高い画分のフルフリルアルコールにより実現される。しかし、バインダー中のフルフリルアルコールの画分が非常に高い場合、非常に脆弱な鋳型となり、加工が困難である。バインダー中のフルフリルアルコールの画分は、30〜95重量%、好ましくは50〜90重量%、特に好ましくは60〜85重量%の範囲となるように選択されることが好ましい。バインダー中の尿素および/またはホルムアルデヒドの画分は、2〜70重量%、好ましくは5〜45重量%、特に好ましくは15〜30重量%の範囲となるように選択されることが好ましい。画分は、バインダーに含まれるこれらの化合物の非結合画分とまた樹脂に結合した画分の両方を含む。
さらなる添加剤、例えばエチレングリコールまたは同様の脂肪族ポリオール、例えば糖アルコール、例えばソルビトールを、フラン樹脂に加えてもよく、それは増量剤となり、一部のフルフリルアルコールに代わる。好ましくない場合、このような増量剤を加えすぎると、鋳型の強度の低下および反応性の低下に至る恐れがある。したがって、バインダー中のこれらの増量剤の画分は、25重量%未満、好ましくは15重量%未満、特に好ましくは10重量%未満になるように選択されることが好ましいであろう。鋳型の強度への過剰な影響を受ける必要なしにコスト削減を実現するために、一実施形態によれば、増量剤の画分が5重量%未満になるように選択される。
フランノーベークバインダーは水も含有できる。しかし、水は、成形材料混合物の硬化を遅らせ、水は、硬化中反応生成物として形成されるので、水の画分は、できるだけ低く抑えることが好ましい。バインダー中の水の画分は、好ましくは20重量%未満、好ましくは15重量%未満である。経済面から、バインダー中で5重量%超の水量が、許容され得る。
本発明による方法において、レゾールを、フェノール樹脂として使用する。レゾールは、メチレンおよびメチレンエーテル架橋を介して結合するヒドロキシメチルフェノールの混合物であり、1:<1のモル比で、恐らく触媒、例えば塩基性触媒の存在下でのアルデヒドとフェノールとの反応により得ることができる。レゾールは、<10000g/molのモル重量Mを有する。
従来使用されているフェノールはすべて、フェノール樹脂を製造するのに適しており、フェノールが特に好ましい。特にパラホルムアルデヒドの形態のホルムアルデヒドをアルデヒド成分として使用することが好ましい。別のフェノールおよびアルデヒドは、ポリウレタンバインダーに関連してすでに説明されている。関連部分について言及する。
バインダーは、さらに通常の添加剤、例えば接着促進剤としてシランを含有できる。適切なシランは、例えばアミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、ヒドロキシシランおよびウレイドシラン例えばγ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4)−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランがある。
このようなシランを使用する場合、0.1〜3重量%、好ましくは0.1〜1重量%の画分でバインダーに加えられるであろう。
バインダーは、他の通常の成分、例えば活性化剤または軟化剤なども含有できる。
耐火性成形材料、バインダーおよび恐らく触媒に加えて、成形材料混合物は、他の通常の成分も含有できる。他の成分の例としては、酸化鉄、粉砕亜麻繊維、木粉顆粒、粉砕チャコールまたは粉砕粘土がある。
その場合に、成形材料混合物を、鋳型または鋳型の一部を形成するために通常の方法で成形し、場合により硬化させる。鋳型が恐らく組み立てられ、鋳型に生じた金型キャビティが表面仕上げ剤で被覆された後、有害物質を吸収する材料からなる層を、少なくとも数箇所で、ガス出口面、特に好ましくは鋳型の上部に施す。この場合、このような被膜組成物を施すための通常の方法はすべてそれ自体使用できる。被膜を、刷毛で鋳型の上部に施すか、または適切な装置によりスプレーすることができる。同様に、被膜を鋳型の上部に注入してもよく、過剰な被膜組成物を流出させることができる。
次いで、被膜組成物を場合により乾燥させてもよい。しかし、層は、0〜60重量%、好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%の範囲の含水量を依然として有することが好ましい。
好ましい実施形態によれば、多孔質支持骨格の層は、鋳型の上部に最初に施される。すでに説明したように、このような多孔質支持骨格は、例えば固体発泡体、繊維またはフリースから形成できる。適切な材料は、上にさらに詳細にすでに記載されている。多孔質支持骨格の厚さは、0.5〜5cmの範囲で選択されることが好ましい。次いで、被膜組成物を上に記載した鋳型の上部に配置された多孔質支持骨格に施し、多孔質支持骨格に被膜組成物を含浸させる。次いで、層を場合により乾燥させてもよい。
あるいは、多孔質支持材料を、被膜組成物で最初に被覆してもよく、次いで、被覆した多孔質支持材料を、少なくとも数箇所で鋳型のガス出口面に施してもよい。
本発明のさらなる主題は、本発明によれば、金属鋳造、特に鉄鋼鋳造用の上に記載した吸収体層を含む、上に記載した鋳型の使用に関する。
本発明について、実施例を参照しながら以下に詳細に説明する。
バルク重量の決定
1000mlの印で切断したメスシリンダーを秤量する。次いで、バルクコーンがメスシリンダーの末端より上に形成されるように、試験されるべき試料を、粉末漏斗により単回操作でメスシリンダーに注入する。バルクコーンを、メスシリンダーの開口部の上を通るルーラーの補助により擦り取り、充填したメスシリンダーを再秤量する。差異は、バルク重量に対応している。
H32石英砂(Quartzwerke Frechen、DE)100重量部を硬化剤0.4重量部とミキサーで混合した。混合物を1分間撹拌し、硬化剤を均一に散布した。次いで、フラン樹脂1.0重量部を加え、混合物をもう少し撹拌した。上部が開いており、基部を有する管状鋳型を、得られた成形材料混合物から試験片として製造した。鋳型は、内径5cm、壁厚5cm、高さ30cmを有していた。試験した成形材料混合物の組成を表1に要約する。
Figure 2011521785
さらに、水を最初に供給し、次いで粘土を加え、15分間高せん断撹拌機を用いて可溶化することにより、被膜組成物を表2に記載の成分から調製した。次いで、吸収成分、顔料および色素を、均一な混合物が得られるまでさらに15分間撹拌した。
Figure 2011521785
試験片の側面を、刷毛により被膜組成物で被覆し、厚さ2.5mmの層にした。試験片の上部を、ガス不透過性表面仕上げ剤(Keratop(登録商標)V107G,ASK Chemicals、Hilden DE)で密閉した。次いで、試験片を、室温で最大30分間乾燥させた。
次いで、液体鉄4.3kgを、試験片に注入した(鋳造温度1400℃)。試験片と鉄との重量比は、約1:1であった。
鋳造前後の被膜組成物の硫黄含有量を、赤外線分光法により決定した。
鋳造前後の被膜組成物のベンゼン含有量を、DIN EN14662−2に従ってガスクロマトグラフィーにより定量的および定性的に決定した。決定した値を表3に要約する。
Figure 2011521785
被膜組成物は、鋳造後に硫黄およびベンゼンの含有量が有意に増加したことを示した。
実際条件下で、鋳鉄工場で比較測定を行った。この目的のために、約250kgの重量を有する鋳物を製造した(鋳造温度約1400℃)。成形材料混合物と鉄との重量比は約4:1であった。鋳型を製造するために使用した成形材料混合物の組成を表4に要約する。
Figure 2011521785
いずれの場合にも、非被覆鋳型を有する鋳物(系1)、および上部が上に記載されているように製造した被膜組成物の厚さ2.5mmの層で被覆された鋳型を有する鋳物(系2)を製造した。
鋳造中に生成された排ガスを、排ガスフードを介して捕獲した。画定された部分流を、除去プローブにより排ガス流から抽出し、部分流に含まれる物質を、DIN EN14662−2による方法を参照にして活性炭上に吸着させた。吸着した物質(ベンゼン、トルエンおよびキシレン)の定性的および定量的分析を、ガスクロマトグラフィーにより行った。
二酸化硫黄含有量を決定するために、部分流を排ガスから除去し、真空装置を用いてPE袋に抽出した。二酸化硫黄の濃度を、質量分析法により決定した。
ガス試料は、臭気強度について訓練を受けたプロバンドによりさらに試験された。
排ガス中で決定した値を表5に要約する。
Figure 2011521785
排ガス中の悪臭公害および有害物質の有意な減少は、被膜組成物により実現できる。

Claims (16)

  1. 有害物質を吸収する材料の層を、鋳型のガス出口面の少なくとも数箇所上に配置する、金属鋳造用鋳型。
  2. 有害物質を吸収する材料の前記層が、少なくとも2.5mmの厚さを有する、請求項1に記載の鋳型。
  3. 有害物質を吸収する材料の前記層が、有害物質を物理的に吸着できる少なくとも1種の物理的吸着体材料を含む、請求項1または2に記載の鋳型。
  4. 前記物理的吸着体材料が、少なくとも800m/gの比表面積を有する、請求項3に記載の鋳型。
  5. 前記物理的吸着体材料が、活性炭、シリカゲル、酸により溶解した粘土、灰、セルロース、レーヨンステープルから選択される、請求項3または4に記載の鋳型。
  6. 有害物質を吸収する材料の前記層が、化学反応により有害物質を結合または分解できる、少なくとも1種の化学的吸収体材料を含有する、前記請求項のいずれか一項に記載の鋳型。
  7. 前記化学的吸収体材料が塩基性材料である、請求項6に記載の鋳型。
  8. 前記塩基性材料が、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物および炭酸塩から選択される、請求項7に記載の鋳型。
  9. 前記有害物質を吸収する材料の層が、少なくとも100μmの平均粒径を有する、少なくとも1種の耐火材料を含有する、前記請求項のいずれか一項に記載の鋳型。
  10. 前記有害物質を吸収する材料の層が、多孔質支持骨格を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の鋳型。
  11. 有害物質を吸収する少なくとも1種の材料を含有する、金属鋳造用鋳型の被覆用の有害物質を吸収する被膜組成物。
  12. 多孔質支持骨格に施される、請求項11に記載の有害物質を吸収する被膜組成物。
  13. 少なくとも1種の耐火性成形材料および少なくとも1種のバインダーを含む成形材料混合物を調製し、
    前記成形材料混合物を、鋳型に成形し、
    前記鋳型のガス出口面を、有害物質を吸収する材料の層で少なくとも数箇所で覆う、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の鋳型を製造する方法。
  14. 前記有害物質を吸収する材料の層が、多孔質支持骨格を鋳型のガス出口面の少なくとも数箇所に施すことにより得られ、前記多孔質支持骨格が、請求項11に記載の被膜組成物で被覆される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1種のバインダーが有機バインダーである、請求項13または14に記載の方法。
  16. 金属の前記鋳造のための請求項1から10のいずれか一項に記載の鋳型の使用。
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