JP2011515404A - 乾癬を治療するための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットに結合することができる抗体を対象に投与することによって、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。

Description

関連出願
本願は、2008年3月18日に出願された米国仮特許出願61/069,840号、2008年9月8日に出願された米国仮特許出願61/095,275号及び2009年2月18日に出願された米国仮特許出願61/207,904号の利益を主張し、これらの各々の全内容は、参照により、本明細書に組み込まれる。
コンパクトディスクの提出
本願は、2009年3月10日に作製され、コンピュータ読み取り可能なフォーマット(CRF)でファイルされた、785kBのデータを含有するSequenceListing.txtという名前によって特定されるASCIIテキストファイルを参照によって組み込む。
乾癬は、最も一般的な自己免疫疾患の1つであると考えられるT細胞媒介性の炎症疾患であり、成人の約2%から3%が罹患しているが、世界での罹病率は広く変動する(Stern R.S.,et al.,J Investig Dermatol Symp Proc 2004, 9:136−39;Davidson A and Diamond B. N Engl J Med 2001, 345:340−50;Langley R.G.B., et al., Ann Rheum Dis 2005, 64(SupplII):ii18−23)。乾癬は、生活の質に対して多大な影響を有し(de Korte J, et al., J Investig Dermatol Symp Proc 2004, 9:140−7;Krueger G, et al., Arch Dermatol 2001, 137:280−4;Finlay AY及びColes EC, Br J Dermatol 1995, 132:236−44)、多数の心理学的及び精神社会学的な問題と関連する(Kimball AB, et al, Am J Clin Dermatol 2005, 6:383−92;Russo PA, et al, Australas J Dermatol 2004, 45:155−9)。多くの伝統的な乾癬治療は、有害な毒性効果を有しており、従って、長期的な使用は制限される(Lebwohl M. and Ali S., J Am Acad Dermatol 2001, 45:487−98;Lebwohl M. and AIi S., J Am Acad Dermatol 2001, 45:649−61)。さらに、多くの乾癬患者は伝統的な治療法に満足しておらず(Stern RS, et al, J Investig Dermatol Symp Proc 2004,9:136−39;Finlay AY及びOrtonne JP, J Cutan Med Surg 2004, 8:310−20)、従って、より安全且つ簡単に使用し、長期間にわたって処方することができる治療法に対する明瞭な要望が存在する。
インターロイキン−12(IL−12)及び関連するサイトカインIL−23は、共通のp40サブユニットを有するサイトカインのIL−12スーパーファミリーの一員である(Anderson EJR, et al.,Springer Semin Immunopathol 2006, 27:425−42)。両サイトカインは、乾癬中でのI型Tヘルパー細胞(Th1)免疫応答の発生に寄与するが、それぞれは、特有の役割を有している(Rosmarin D and Strober BE, J Drugs Dermatol 2005, 4:318−25;Hong K, et al., J Immunol 1999, 162:7480−91;Yawalkar N, et al., J Invest Dermatol 1998, 111:1053−57)。IL−12は、Th1細胞の分化及びその後のインターフェロン−γの分泌を主に刺激するのに対して、IL−23は、炎症促進性媒介物質であるIL−17を分泌するナイーブT細胞のエフェクターTヘルパー細胞(Th17)の分化を優先的に刺激する(Rosmarin D and Strober BE, J Drugs Dermatol 2005, 4:318−25;Harrington Le, et al., Nature Immunol 2005, 6:1123−32;Park H, et al.Nature Immunol 2005, 6:1132−41)。乾癬性皮膚病変中でのIL−12p40及びIL−23p40メッセンジャーRNAの過剰発現は、IL−12/23p40サブユニットタンパク質に対する中和抗体によるIL−12及びIL−23の阻害が乾癬の治療のための有効な治療的アプローチを提供し得ることを示唆する(Yawalkar N, et al., J Invest Dermatol 1998, 111:1053−57;Lee E, et al., J Exp Med 2004, 199:125−30;Shaker OG, et al., Clin Biochem 2006, 39:119−25;Piskin G, et al., J Immunol 2006, 176:1908−15)。乾癬を治療するためのこのような治療的アプローチは、本分野において明確に必要とされている。
Stern R.S.,他、J Investig Dermatol Symp Proc 2004, 9、pp.136−39 Davidson A and Diamond B. N Engl J Med 2001, 345、pp.340−50 Langley R.G.B., 他、 Ann Rheum Dis 2005, 64(SupplII)、pp.ii18−23 de Korte J, 他、 J Investig Dermatol Symp Proc 2004, 9、pp.140−7 Krueger G, 他、 Arch Dermatol 2001, 137、pp.280−4 Finlay AY及びColes EC, Br J Dermatol 1995, 132、pp.236−44 Kimball AB, et al, Am J Clin Dermatol 2005, 6、pp.383−92 Russo PA, et al, Australas J Dermatol 2004, 45、pp.155−9 Lebwohl M. and Ali S., J Am Acad Dermatol 2001, 45、pp.487−98 Lebwohl M. and AIi S., J Am Acad Dermatol 2001, 45、pp.649−61 Stern RS, et al, J Investig Dermatol Symp Proc 2004,9、pp.136−39 Finlay AY及びOrtonne JP, J Cutan Med Surg 2004, 8、pp.310−20 Anderson EJR, 他、Springer Semin Immunopathol 2006, 27、pp.425−42 Rosmarin D and Strober BE, J Drugs Dermatol 2005, 4、pp.318−25 Hong K, 他、 J Immunol 1999, 162、pp.7480−91 Yawalkar N, 他、 J Invest Dermatol 1998, 111、pp.1053−57 Rosmarin D and Strober BE, J Drugs Dermatol 2005, 4、pp.318−25 Harrington Le, 他、 Nature Immunol 2005, 6、pp.1123−32 Park H, et al.Nature Immunol 2005, 6、pp.1132−41 Yawalkar N, 他、 J Invest Dermatol 1998, 111、pp.1053−57 Lee E, 他、 J Exp Med 2004, 199、pp.125−30 Shaker OG, 他、 Clin Biochem 2006, 39、pp.119−25 Piskin G, 他、 J Immunol 2006, 176、pp.1908−15
本発明は、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23を結合する抗体又はその抗原結合部分を用いて、乾癬(例えば、慢性の乾癬)を治療するための方法及び組成物を提供する。
一態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与することを含み、前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後の第一の長期間にわたって少なくともPASI75応答を維持し、前記対象が抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後に応答の喪失を示し、及び前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の再投与後の第二の長期間にわたって少なくともPASI75応答を維持し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
一実施形態において、前記第一の長期間は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14週であり、好ましくは、12週である。
一実施形態において、抗体の投与は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14週間、好ましくは、12週間中断される。
一実施形態において、前記第二の長期間は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14週であり、好ましくは、12週である。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は隔週に投与される。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は毎週投与される。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、単回投薬で投与される。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、約100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210又は220mgの用量で投与される。
一実施形態において、乾癬は慢性の乾癬である。一実施形態において、乾癬は、尋常性乾癬、例えば、慢性の尋常性乾癬である。別の実施形態において、乾癬は、慢性の乾癬、例えば、慢性の尋常性乾癬である。さらに別の実施形態において、乾癬は、中度ないし重度の乾癬、例えば、中度ないし重度の尋常性乾癬、中度ないし重度の慢性乾癬又は中度ないし重度の慢性尋常性乾癬である。一実施形態において、対象は、少なくとも6ヶ月間、乾癬の臨床診断を有している。別の実施形態において、対象は、少なくとも2ヶ月間、安定な尋常性乾癬を有している。
別の態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープへ結合することができる抗体又はその抗原結合部分の単回投薬を対象に投与することを含み、抗体又はその抗原結合部分の投与後に、少なくとも約3日の半減期、約4日未満又は約4日に等しいTmax及び少なくとも約40%の生物学的利用可能性からなる群から選択される少なくとも1つの薬物速度論的特性が達成される、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
様々な実施形態において、少なくとも約2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日又は10日の半減期が達成される。
様々な実施形態において、約1日、2日、3日、4日、5日、6日又はそれ以上を下回る又はこれらに等しいTmaxが達成される。
様々な実施形態において、少なくとも約0.1%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又はそれ以上の生物学的利用可能性が達成される。
一実施形態において、抗体は静脈内注射を介して投与される。
一実施形態において、抗体は皮下注射を介して投与される。
一実施形態において、単回用量は、抗体又はその抗原結合部分の約0.1と約5.0mg/kgの間(例えば、約0.1から約1.0mg/kg、約0.1から約2.0mg/kg、約0.1から約3.0mg/kg、約0.1から約4.0mg/kg、約1.0から約2.0mg/kg、約1.0から約3.0mg/kg、約1.0から約4.0mg/kg又は約1.0から約5.0mg/kg)である。
別の態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与することを含み、前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後の第一の長期間にわたって少なくともPASI75応答を維持し、前記対象が抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後に応答の喪失を示し、及び前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の再投与後の第二の長期間にわたって少なくともPASI50応答を維持し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
一実施形態において、前記第一の長期間は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14週であり、好ましくは、12週である。
一実施形態において、抗体の投与は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14週間、好ましくは、12週間で中断される。
一実施形態において、前記第二の長期間は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14週であり、好ましくは、12週である。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は隔週に投与される。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は毎週投与される。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、単回投薬で投与される。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、約100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg又は200mgの用量で投与される。
一実施形態において、乾癬は慢性の乾癬である。
別の態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与することを含み、前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後の第一の長期間にわたって少なくともPASI75応答を維持し、前記対象が抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後に応答の喪失を示し、及び前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の再投与後の第二の長期間にわたって無の又は最小限のPGAスコアを維持し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
一実施形態において、前記第一の長期間は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14週であり、好ましくは、12週である。
一実施形態において、抗体の投与は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14週間、好ましくは、12週間中断される。
一実施形態において、前記第二の長期間は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14週であり、好ましくは、12週である。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は隔週に投与される。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は毎週投与される。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、単回投薬で投与される。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、約100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg又は200mgの用量で投与される。
一実施形態において、乾癬は慢性の乾癬である。
さらに別の態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分の単回投薬を対象に投与することを含み、約0.15と約150μg/mLの間(例えば、約0.2と約140μg/mLの間、約0.5と約125μg/mLの間、約1.0と約100μg/mLの間、約10と約90μg/mLの間、約25と約75μg/mLの間、約35と約60μg/mLの間及び約40と約150μg/mLの間の最大血清濃度(Cmax)及び約80と約13,000μg×時間/mLの間(例えば、約100と約12,000μg×時間/mLの間、約150と約10,000×時間/mLの間、約200と約8,000×時間/mLの間、約400と約6,000μg×時間/mLの間、約800と約4,000μg×時間/mLの間、約1,000と約2,000μg×時間/mLの間、約145と約13,000μg×時間/mLの間及び約80と約5,000μg×時間/mLの間)の血清濃度−時間曲線下面積(AUC)からなる群から選択される少なくとも1つの薬物速度論的特性が、抗体又はその抗原結合部分の投与後に達成される、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
一実施形態において、抗体は静脈内注射を介して投与される。
好ましい実施形態において、Cmaxは、約1と約150μg×時間/mLの間(例えば、約2と約125μg×時間/mL、約5と約100μg×時間/mL、約10と約80μg×時間/mL、約20と約60μg×時間/mL、約30と約50μg×時間/mL、約1と約20μg×時間/mL、約20と約300μg×時間/mL及び約140と約150μg×時間/mLの間)である。
好ましい実施形態において、AUCは、約145と約13,000μg×時間/mLの間(例えば、約200と約11,000μg×時間/mL、約500と約10,000μg×時間/mL、約1000と約5,000μg×時間/mL、約2000と約4,000μg×時間/mL、約145と約165μg×時間/mL、約500と約600μg×時間/mL、約2,000と約3,000μg×時間/mL及び約12,000と約13,000μg×時間/mLの間)である。
一実施形態において、抗体は皮下注射を介して投与される。
好ましい実施形態において、Cmaxは、約0.15と約20μg/mLの間(例えば、約0.25と約15μg/mL、約0.5と約13μg/mL、約1と約10μg/mL、約2と約8μg/mL、約0.15と約0.3μg/mL、約0.5と約2μg/mL、約2と約4μg/mL及び約10と約15μg/mLの間)である。
好ましい実施形態において、AUCは、約80と約5,000μg×時間/mLの間(例えば、約200と3,000μg×時間/mLの間、約400と2,000μg×時間/mLの間、約500と1,500μg×時間/mLの間、約4,000と5,000μg×時間/mLの間、約80と90μg×時間/mLの間及び約200と300μg×時間/mLの間)である。
一実施形態において、単回用量は、抗体又はその抗原結合部分の約0.1と約5.0mg/kgの間(例えば、約0.1から約1.0mg/kg、約0.1から約2.0mg/kg、約0.1から約3.0mg/kg、約0.1から約4.0mg/kg、約1.0から約2.0mg/kg、約1.0から約3.0mg/kg、約1.0から約4.0mg/kg又は約1.0から約5.0mg/kg)である。
別の態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分の単回投薬を対象に投与することを含み、約30と約600mL/時間(例えば、約50と約500mL/時間の間、約75と約400mL/時間の間、約100と約300mL/時間の間、約150と約250mL/時間の間、約30と約40mL/時間の間、約40と約60mL/時間の間及び約500と約600mL/時間の間)のクリアランス(CL)及び約8と約11Lの間(例えば、約8と約10Lの間、約8と約9Lの間、約9と約10Lの間、約10と約11Lの間及び約8.5と9.5Lの間)の分布容積(Vz)からなる群から選択される少なくとも1つの薬物速度論的特性が抗体又はその抗原結合部分の静脈内投与後に達成される、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
関連する態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分の単回投薬を対象に投与することを含み、約90と約250mL/時間の間(例えば、約100と約225mL/時間の間、約125と約200mL/時間の間、約140と約180mL/時間の間、約90と約100mL/時間の間、約150と約200mL/時間の間及び約200と約250mL/時間の間)の見かけのクリアランス(CL/F)及び約23と約67Lの間(例えば、約25と約60Lの間、約30と約55Lの間、約35と約50Lの間、約40と約45Lの間及び約23と約35Lの間及び約60と約70Lの間)の見かけの分布容積(V/F)からなる群から選択される少なくとも1つの薬物速度論的特性が抗体又はその抗原結合部分の皮下投与後に達成される、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
一実施形態において、単回投薬は、抗体又はその抗原結合部分の約0.1と約5.0mg/kgの間(例えば、約0.1から約1.0mg/kg、約0.1から約2.0mg/kg、約0.1から約3.0mg/kg、約0.1から約4.0mg/kg、約1.0から約2.0mg/kg、約1.0から約3.0mg/kg、約1.0から約4.0mg/kg又は約1.0から約5.0mg/kg)である。
別の態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与することを含み、前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後にPASI75応答を示し、前記対象が抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後に応答の喪失を示し、及び前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の再投与後の約25日までに、少なくともPASI75応答を示し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
一実施形態において、対象は、抗体又はその抗原結合部分の再投与後の約50日までに、少なくともPASI75応答を示す。一実施形態において、対象は、抗体又はその抗原結合部分の再投与後の約60日までに、少なくともPASI75応答を示す。一実施形態において、対象は、抗体又はその抗原結合部分の再投与後の約30、35、40、45、50、60、65、70、75、80、85、90日又はそれ以上までに、少なくともPASI75応答を示す。
一実施形態において、抗体の最初の投与は、少なくとも約12週間である。
一実施形態において、抗体の投与は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10、11又は12週間中断される。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は隔週に投与される。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は毎週投与される。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、単回投薬で投与される。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、約100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg又は200mgの用量で投与される。
一実施形態において、乾癬は慢性の乾癬である。
さらに別の態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与することを含み、前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後にPASI75応答を示し、前記対象が抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後の約60日までに応答の喪失を示し、及び前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の再投与後にPASI75応答を達成し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
一実施形態において、対象は、抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後の約120日までに、応答の喪失を示す。一実施形態において、対象は、抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後の約180日までに、応答の喪失を示す。一実施形態において、対象は、抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後の約50、55、60、65、70、75、80、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200日又はそれ以上までに、応答の喪失を示す。
一実施形態において、抗体の最初の投与は、少なくとも約12週間である。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は隔週に投与される。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は毎週投与される。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、単回投薬で投与される。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、約100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg又は200mgの用量で投与される。
一実施形態において、乾癬は慢性の乾癬である。
別の態様において、本発明は、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23に対して誘導された抗体又はその抗原結合部分の隔週、毎週又は単回投薬を対象に投与することを含む、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。関連する態様において、本発明は、(i)慢性の乾癬に罹患している対象を選択する工程;及び(ii)IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を前記対象に投与する工程を含み、これにより、前記対象中の慢性の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
別の関連する態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与することを含み、前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後、長期間にわたって、少なくともPASI50応答、少なくともPASI75応答又は少なくともPSI90応答を維持し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与する工程を含み、前記対象が、抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後、長期間にわたって、無の又は最小限のPGA評点を維持し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与する工程を含み、前記対象が、抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後、約8週までに、改善されたPASIスコアを示し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法を提供する。一実施形態において、対象は、前記抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後、約7週、約6週、約5週、約4週、約3週、約2週又は約1週までに、改善されたPASIスコアを示す。
一実施形態において、抗体の投与の中断後の長期間は、少なくとも約12週である。一実施形態において、長期間は、少なくとも約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24週である。一実施形態において、抗体は、少なくとも約12週間投与される。
一実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、IL−12のサブユニットp40のエピトープに結合することができる。
別の実施形態において、前記抗体又はその抗原結合部分は、p40サブユニットがIL−12のp35サブユニットに結合されているときに、p40サブユニットのエピトープに結合することができる。さらに別の実施形態において、前記抗体又はその抗原結合部分は、p40サブユニットがp19サブユニットに結合されているときに、p40サブユニットのエピトープに結合することができる。一実施形態において、前記抗体又はその抗原結合部分は、p40サブユニットがIL−12のp35サブユニットに結合されているときに及びp40サブユニットがp19サブユニットに結合されているときに、p40サブユニットのエピトープに結合することができる。
一実施形態において、前記抗体又はその抗原結合部分は、Y61及びJ695からなる群から選択される抗体が結合するIL−12のp40サブユニットのエピトープに結合する。
別の実施形態において、抗体は第一のヘテロ二量体にさらに結合することができ、第二のヘテロ二量体に結合することもでき、前記第一のヘテロ二量体はIL−12のp40サブユニット及びIL−12のp35サブユニットを含み、並びに前記第二のヘテロ二量体はIL−12のp40サブユニット及びp19サブユニットを含む。
さらなる実施形態において、抗体は、第一のヘテロ二量体の活性を中和する。別の実施形態において、抗体は、第二のヘテロ二量体の活性を中和する。さらに別の実施形態において、抗体は、第一のヘテロ二量体及び第二のヘテロ二量体の活性を中和する。
さらなる実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、1×10−9M若しくはそれ以下のIC50でインビトロPHAアッセイにおいてフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害し、又は1×10−10M若しくはそれ以下のIC50でヒトIFNγ産生を阻害する。
一実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、表面プラズモン共鳴によって測定された場合に、1×10−10M若しくはそれ以下のK又は1×10−3−1若しくはそれ以下のkoff速度定数で、IL−12のp40サブユニットから解離する。
一実施形態において、本発明の方法において使用される単離された抗体又はその抗原結合部分は、キメラ抗体、ヒト化抗体又はヒト抗体である。
別の実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3及び配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する。
さらなる実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2を有する。
一実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1及び配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1を有する。
別の実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、p40サブユニットを含むインターロイキンに結合することができる。一実施形態において、インターロイキンはp40サブユニット及びp35サブユニットを含み、例えば、インターロイキンはIL−12である。別の実施形態において、インターロイキンは、p40サブユニット及びp19サブユニットを含む。さらに別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、インターロイキンの活性を中和する。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、p40サブユニットのエピトープに結合する。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、抗体又はその抗原結合部分及び医薬として許容される担体を含む医薬組成物中において対象に投与される。医薬組成物は、治療剤(例えば、ブデノシド、上皮成長因子、コルチコステロイド、シクロスポリン、スルファサラジン、アミノサリチラート、6−メルカプトプリン、アザチオプリン、メトロニダゾール、リポキシゲナーゼ阻害剤、メサラミン、オルサラジン、バルサラジド、抗酸化剤、トロンボキサン阻害剤、IL−1受容体アンタゴニスト、抗IL−1βモノクローナル抗体、抗IL−6モノクローナル抗体、成長因子、エラスターゼ阻害剤、ピリジニル−イミダゾール化合物、TNF、LT、IL−1、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−18、EMAP−II、GM−CSF、FGF及びPDGFの抗体又はアゴニスト、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD90の抗体又はこれらのリガンド、メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノラート・モフェチル、レフルノミド、NSAID、イブプロフェン、コルチコステロイド、プレドニソロン、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓剤、補体阻害剤、アドレナリン作動剤、IRAK、NIK、IKK、p38、MAPキナーゼ阻害剤、IL−1β変換酵素阻害剤、TNFα変換酵素阻害剤、T細胞シグナル伝達阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体、可溶性p55TNF受容体、可溶性p75TNF受容体、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R、抗炎症性サイトカイン、IL−4、IL−10、IL−11、IL−13及びTGFβ)などのさらなる因子も含み得る。
別の実施形態において、対象に投与される医薬組成物中の治療剤は、抗TNF抗体及びその抗体断片、TNFR−Ig構築物、TACE阻害剤、PDE4阻害剤、コルチコステロイド、ブデノシド、デキサメタゾン、スルファサラジン、5−アミノサリチル酸、オルサラジン、IL−1β変換酵素阻害剤、IL−1ra、チロシンキナーゼ阻害剤、6−メルカプトプリン及びIL−11からなる群から選択され得る。
別の実施形態において、治療剤は、コルチコステロイド、プレドニソロン、メチルプレドニソロン、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、メトトレキサート、4−アミノピリジン、チザニジン、インターフェロンβ1a、インターフェロン−β1b、コポリマー1、高圧酸素、静脈内免疫グロブリン、クラブリビン、TNF、LT、IL−1、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−18、EMAP−II、GM−CSF、FGF、PDGFの抗体又はアゴニスト、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80、CD86、CD90に対する抗体又はこれらのリガンド、メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノラート・モフェチル、レフルノミド、NSAID、イブプロフェン、コルチコステロイド、プレドニソロン、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓剤、補体阻害剤、アドレナリン作動剤、IRAK、NIK、IKK、p38又はMAPキナーゼ阻害剤、IL−1β変換酵素阻害剤、TACE阻害剤、T細胞シグナル伝達阻害剤、キナーゼ阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体、可溶性p55TNF受容体、可溶性p75TNF受容体、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R、sIL−13R、抗P7、p−セレクチン糖タンパク質リガンド(PSGL)、抗炎症性サイトカイン、IL−4、IL−10、IL−13及びTGFβからなる群から選択され得る。
一実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、表面プラズモン共鳴によって測定された場合に、1×10−10M又はそれ以下のK及び1×10−3−1又はそれ以下のkoff速度定数で、それぞれ、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23に結合し、並びにヒトIL−12及び/又はヒトIL−23から解離する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−4−1又はそれ以下のkoff速度定数で、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23から解離する。別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−5−1又はそれ以下のkoff速度定数で、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23から解離する。
別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、表面プラズモン共鳴によって測定された場合に、1×10−2−1又はそれ以下のkoff速度定数で、それぞれ、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23に結合し、並びにヒトIL−12及び/又はヒトIL−23から解離する。さらに別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−3−1又はそれ以下のkoff速度定数で、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23から解離する。さらに別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−4−1又はそれ以下のkoff速度定数で、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23から解離する。別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−5−1又はそれ以下のkoff速度定数で、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23から解離する。
さらに別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1.34×10−10M又はそれ以下のKで、それぞれ、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23に結合し、並びにヒトIL−12及び/又はヒトIL−23から解離する。さらに別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、9.74×10−11M又はそれ以下のkで、それぞれ、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23に結合し、並びにヒトIL−12及び/又はヒトIL−23から解離する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、組換え抗体又はその抗原結合部分である。
一実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、中和抗体であり、例えば、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23の活性を中和する。一実施形態において、中和抗体又はその抗原結合部分は、1×10−9M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいて、フィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。一実施形態において、中和抗体又はその抗原結合部分は、1×10−10M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいて、フィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。さらに一実施形態において、中和抗体又はその抗原結合部分は、1×10−11M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいて、フィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。さらに実施形態において、中和抗体又はその抗原結合部分は、1×10−7M又はそれ以下のIC50で、インビトロフィトヘマグルチニン芽球増殖アッセイ(PHAアッセイ)において、フィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。さらに実施形態において、中和抗体又はその抗原結合部分は、1×10−8M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいて、フィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。一実施形態において、中和抗体又はその抗原結合部分は、1×10−10M又はそれ以下のIC50で、ヒトIFNγ産生を阻害する。さらに別の実施形態において、中和抗体又はその抗原結合部分は、1×10−11M又はそれ以下のIC50で、ヒトIFNγ産生を阻害する。さらなる実施形態において、中和抗体又はその抗原結合部分は、5×10−12M又はそれ以下のIC50で、ヒトIFNγ産生を阻害する。
一実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、
a)1×10−9M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいてフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害し、
b)配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有し、及び
c)配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する。
一実施形態において、抗体は、配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2をさらに有する。さらに別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1及び配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1をさらに有する。さらに別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−10M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいて、フィトヘマグルチニン芽球増殖をさらに阻害する。さらに別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−11M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいて、フィトヘマグルチニン芽球増殖をさらに阻害する。
一実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、配列番号31のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号32のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有する。
一実施形態において、本発明の方法において使用される単離された抗体又はその抗原結合部分は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA及びIgE定常領域からなる群から選択される重鎖定常領域を含む。一実施形態において、抗体重鎖定常領域は、IgG1である。別の実施形態において、抗体はFab断片、F(ab’)断片又は一本鎖Fv断片である。
一実施形態において、本発明の方法において使用される単離された抗体又はその抗原結合部分は、1×10−10M又はそれ以下のKで、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23から解離し、並びにヒトIL−12及び/又はヒトIL−23のp40サブユニット上のエピトープに結合する。
一実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、
a)表面プラズモン共鳴によって測定された場合に、1×10−3−1又はそれ以下のkoff速度定数で、ヒトIL−12から解離し、
b)配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有し、及び
c)配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する。
別の実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、1×10−4−1又はそれ以下のkoff速度定数で、ヒトIL−12から解離する。さらなる実施形態において、ヒト抗体又はその抗原結合部分は、1×10−5−1又はそれ以下のkoff速度定数で、ヒトIL−12から解離する。
一実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、ヒトIL−12に結合し、並びに
配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3ドメイン及び
配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3ドメイン
を含むヒト抗体又はその抗原結合部分である。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを有する軽鎖可変領域(LCVR)及び配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを有する重鎖可変領域(HCVR)を有する。別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR2ドメインをさらに有するLCVR及び配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR2をさらに含むHCVRを含む。さらに別の実施形態において、LCVRは配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR1ドメインをさらに有し、及びHCVRは配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR1ドメインを有する。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23を結合し、抗体J695(ABT−874とも称される。)又はその抗原結合部分である。
一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1.34×10−10M又はそれ以下のKで、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23に結合し、並びにヒトIL−12から解離し、並びにヒトIL−12及び/又はヒトIL−23を中和する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、9.74×10−11M又はそれ以下のKで、ヒトIL−12及び/又はヒトIL−23から解離する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−7M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいて、フィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−8M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいて、フィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−9M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいて、フィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−10M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいて、フィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−11M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいて、フィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−10M又はそれ以下のIC50で、ヒトIFNγ産生を阻害する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−11M又はそれ以下のIC50で、ヒトIFNγ産生を阻害する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、5×10−12M又はそれ以下のIC50で、ヒトIFNγ産生を阻害する。
一実施形態において、本発明の方法において使用される抗体又はその抗原結合部分は、1×10−9M又はそれ以下のIC50で、それぞれ、IL−12又はIL−23受容体結合アッセイ(RBA)において、IL−12及び/又はIL−23の、その受容体への結合を阻害する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−10M又はそれ以下のIC50で、それぞれ、IL−12又はIL−23受容体結合アッセイ(RBA)において、IL−12及び/又はIL−23の、その受容体への結合を阻害する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、1×10−11M又はそれ以下のIC50で、それぞれ、IL−12又はIL−23受容体結合アッセイ(RBA)において、IL−12及び/又はIL−23の、その受容体への結合を阻害する。
試験の患者の分配を示す。「eow」という語は、隔週投薬を表す。)。 試験の12週部分の間に、乾癬面積及び重度指数の少なくとも75%の改善(PASI75)を有する患者のパーセントを示す。8週までに、200mg×1のグループを除き、PASI75応答を有する患者のパーセントは、治療企図集団に対して観察されたデータの分散分析に基づくと、プラセボとの各比較に関して、各ABT−874処置群において統計的に有意に大きかった(p<0.001))。(「eow」という語は、隔週投薬を表す。)。 ベースラインからの乾癬面積及び重度指数(PASI)スコアの平均パーセント改善を示す。データは、治療企図集団に対して観察されたデータの分散分析に基づくと、全ての時点で(1週での100mg隔週を除く、p=0.023)、プラセボと比較した各ABT−874処置群に関して、p<0.001であることを示す。(「eow」という語は、隔週投薬を表す。)。 試験の24週の時点で、すなわち、抗体の投与の中断から12週後に、それぞれ、PASI50、PASI75及びPASI90応答を維持した患者のパーセントを示す。 試験の24週の時点で、すなわち、抗体の投与の中断から12週後に、それぞれ、PASI50、PASI75及びPASI90応答を維持した患者のパーセントを示す。 試験の24週の時点で、すなわち、抗体の投与の中断から12週後に、それぞれ、PASI50、PASI75及びPASI90応答を維持した患者のパーセントを示す。 試験の24週の期間の間に、PASI75応答を維持する患者のパーセントを示す。 4週から12週までの、ベースラインからのPASIスコアの平均パーセント改善を示す。 再治療後の4週から12週までの、ベースラインからのPASIスコアの平均パーセント改善を示す。 ABT−874の静脈内投薬に対する血清濃度・時間曲線を示す。 ABT−874の皮下投薬に対する血清濃度・時間曲線を示す。 再処理後に、PASI75応答を再達成する患者のパーセントを示す。 再治療の間に、全てのABT−874投薬群にわたってPASI75応答を達成する中央値時間を示す。 治療の最初の12週後における、PASI75応答の喪失までの中央値時間を示す。 再治療後に、0又は1のPGAスコアを達成する患者のパーセントを示す。 生殖系列配列Cos−3/JH3及びDpl18Lv1042と比較した、ヒトIL−12を結合する一連のヒト抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列並置を示す。アミノ酸位置を特定するために、Kabat番号が使用されている。Joe9野生型に関しては、完全な配列が示されている。他の抗体に関しては、Joe9野生型と異なるアミノ酸位置のみが示されている。 生殖系列配列Cos−3/JH3及びDpl18Lv1042と比較した、ヒトIL−12を結合する一連のヒト抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列並置を示す。アミノ酸位置を特定するために、Kabat番号が使用されている。Joe9野生型に関しては、完全な配列が示されている。他の抗体に関しては、Joe9野生型と異なるアミノ酸位置のみが示されている。 ヒトIL−12を結合する一連のヒト抗体の軽鎖可変領域アミノ酸配列並置を示す。アミノ酸位置を特定するために、Kabat番号が使用されている。Joe9野生型に関しては、完全な配列が示されている。他の抗体に関しては、Joe9野生型と異なるアミノ酸位置のみが示されている。 ヒトIL−12を結合する一連のヒト抗体の軽鎖可変領域アミノ酸配列並置を示す。アミノ酸位置を特定するために、Kabat番号が使用されている。Joe9野生型に関しては、完全な配列が示されている。他の抗体に関しては、Joe9野生型と異なるアミノ酸位置のみが示されている。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の重鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の軽鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の軽鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の軽鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の軽鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の軽鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の軽鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の軽鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の軽鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の軽鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の軽鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。 部位指定突然変異誘発によって変異されたY61抗体の軽鎖中のCDR位置及び各位置におけるそれぞれのアミノ酸置換を示している。図面の右側のグラフは、変異されていないY61(白抜きバー)と比較した、置換された抗体(黒塗りバー)に対するoff速度を示す。
本発明がさらに容易に理解され得るようにするために、まず、ある種の用語を定義する。
「活性増強アミノ酸残基」という用語は、抗体の活性を改善するアミノ酸残基を含む。活性増強アミノ酸残基は、接触、高頻度変異又は好ましい選択的突然変異誘発位置のアミノ酸残基を置換し得、さらに、2以上の活性増強アミノ酸残基は1つ又はそれ以上のCDR内に存在し得ることを理解すべきである。活性増強アミノ酸残基には、抗体の結合特異性/親和性、例えば、ヒトIL−12への抗ヒトIL−12抗体の結合を改善するアミノ酸残基が含まれる。活性増強アミノ酸残基は、抗体(例えば、ヒトIL−12を阻害するヒトIL−12抗体)の中和能を改善するアミノ酸残基も含むものとする。
「抗体」という用語は、4つのポリペプチド鎖(ジスルフィド結合によって相互に接続された2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖)から構成された免疫グロブリン分子を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書において、HCVR又はVHと略称される。)及び重鎖定常領域から構成される。重鎖定常領域は、3つのドメインCH1、CH2及びCH3から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書において、LCVR又はVLと略称される。)及び軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメインCLから構成される。VH及びVL領域は、より保存されている領域(フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。)が介在された超可変性の領域(相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。)へさらに細分され得る。各VH及びVLは、以下の順序、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で、アミノ酸末端からカルボキシ末端へ配置された3つのCDR及び4つのFRから構成される。一実施形態において、本発明の組成物及び方法において使用される抗体は、参照により、本明細書に組み込まれる米国特許第6,914,128号に記載されている抗体である。別の実施形態において、本発明の組成物及び方法において使用される抗体は、抗体ABT−874(J695とも称される。AbbottLaboratories)である。
抗体の「抗原結合部分」(又は、「抗体部分」)という用語は、抗原へ特異的に結合する能力を保持する抗体(例えば、hIL−12)の断片を含む。抗体の抗原結合機能は完全長抗体の断片によって発揮され得ることが示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語内に包含される結合断片の例には、(i)Fab断片(VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価断片);(ii)F(ab’)断片(ヒンジ領域において、ジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片;(iii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一アームのVL及びVHドメインからなるFv断片;(v)VHドメインからなるdAb断片(Ward et al,(1989)Nature341:544−546);並びに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が含まれる。さらに、Fv断片の2つのドメインVL及びVHは別個の遺伝子によってコードされるが、これらは、組換え法を用いて、VL及びVH領域が対を成して一価分子を形成する単一のタンパク質鎖(一本鎖Fv(scFv)として知られる。例えば、Bird et al.(1988)Science242:423−426及びHuston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:5879−5883参照)として、これらを作製することを可能にする合成リンカーによって連結することができる。このような一本鎖抗体も、抗体の「抗原結合部分」という用語内に包含されるものとする。ダイアボディなどの一本鎖抗体の他の形態も包含される。ダイアボディは、VH及びVLドメインが単一のポリペプチド鎖上に発現されている二価の二重特異的抗体であるが、同じ鎖上の2つのドメイン間での対合を可能にするには短すぎ、これにより、ドメインを別の鎖の相補的ドメインと強制的に対合させ、2つの抗原結合部位を作製するリンカーを使用する(例えば、Holliger, P., et al.(1993) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448;Poljak, R.J., et al.(1994) Structure 2:1121−1123参照)。さらに、抗体又はその抗原結合部分は、1つ又はそれ以上の他のタンパク質又はペプチドとの抗体又は抗体部分の共有又は非共有的会合によって形成されたより大きな免疫接着分子の一部であり得る。このような免疫接着分子の例には、四量体scFv分子を作製するためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov, S.M., et al.(1995) Human Antibodies and Hybridomas 6:93−101)及び二価の、ビオチン化されたscFv分子を作製するための、システイン残基、マーカーペプチド及びC末端ポリヒスチジンタグの使用(Kipriyanov,S.M., et al.(1994) Mol.Immunol. 31:1047−1058)が含まれる。Fab及びF(ab’)断片などの抗体部分は、それぞれ、完全な抗体のパパイン又はペプシン消化などの慣用技術を用いて、完全な抗体から調製することができる。さらに、抗体、抗体部分及び免疫接着分子は、本明細書に記載されているように、標準的な組換えDNA技術を用いて取得することができる。好ましい抗原結合部分は、完全なドメイン又は完全なドメインの対である。
「逆変異」という用語は、ヒト抗体の体細胞変異されたアミノ酸の一部又は全部が相同的な生殖系列抗体配列由来の対応する生殖系列残基と置換される過程を表す。本発明のヒト抗体の重鎖及び軽鎖配列は、最高の相同性を有する配列を同定するために、VBASEデータベース中の生殖系列配列と別々に並置される。本発明のヒト抗体中の差は、このような異なるアミノ酸をコードする所定のヌクレオチド位置を変異することによって、生殖系列の配列へ復帰される。逆変異のための候補としてこのように同定された各アミノ酸の役割は、抗原結合における直接的又は間接的な役割に関して調査されるべきであり、ヒト抗体の何らかの望ましい特徴に影響を及ぼすことが変異後に見出されたいずれのアミノ酸も、最終のヒト抗体中に含めるべきでない。一例として、選択的な突然変異誘発アプローチによって同定された活性増強アミノ酸は逆変異へ供されない。逆変異に供されるアミノ酸の数を最小限にするために、最も近い生殖系列配列と異なるが、第二の生殖系列配列中の対応するアミノ酸と同一であることが見出されたアミノ酸位置は、そのままにすることができるが、但し、前記第二の生殖系列配列は、問題のアミノ酸の両側で、少なくとも10、好ましくは12アミノ酸に関して、本発明のヒト抗体の配列と同一であり、及び同一線上にある。逆変異は、抗体の最適化の何れの段階においても行われ得る。好ましくは、逆変異は、選択的突然変異誘発アプローチの直前又は直後に行われる。より好ましくは、逆変異は、選択的突然変異誘発アプローチの直前に行われる。
本明細書において使用される「ヒトインターロイキン12」(本明細書において、hIL−12又はIL−12と略称される。)という用語には、マクロファージ及び樹状細胞によって主として分泌されるヒトサイトカインが含まれる。この用語は、何れもジスルフィド結合で一緒に連結された35kDサブユニット(p35)と40kDサブユニット(p40)を含むヘテロ二量体タンパク質を含む。このヘテロ二量体タンパク質は、「p70サブユニット」と称される。ヒトIL−12の構造は、例えば、「Kobayashi,et al.(1989)J.ExpMed.170:827−845;Seder,et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.90:10188−10192;Ling,et al.(1995)J.ExpMed.154:116−127;Podlaski,et al.(1992)Arch.Biochem.Biophys.294:230−237」にさらに記載されている。ヒトIL−12という用語は、標準的な組換え発現法によって調製することができる組換えヒトIL−12(rhIL−12)を含むものとする。
「Kabat付番」、「Kabat定義」及び「Kabat標識」という用語は、本明細書において、互換的に使用される。本分野において認知されているこれらの用語は、抗体又はその抗原結合部分の重鎖及び軽鎖可変領域中の他のアミノ酸残基に比べて、より可変的な(すなわち、超可変的な)アミノ酸残基に付番するシステムを表す(Kabat et al.(1971)Ann.NY Acad,Sci.190:382−391及びKabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication NO.91−3242)。重鎖可変領域の場合、超可変領域は、CDR1に対するアミノ酸位置31から35、CDR2に対するアミノ酸位置50から65及びCDR3に対するアミノ酸位置95から102にわたる。軽鎖可変領域の場合、超可変領域は、CDR1に対するアミノ酸位置24から34、CDR2に対するアミノ酸位置50から56及びCDR3に対するアミノ酸位置89から97にわたる。
本明細書において、Kabat付番は、本発明の抗体中に施されるアミノ酸修飾の位置を示すために使用される。例えば、Y61抗IL−12抗体は、重鎖CDR1の31位において、セリン(S)からグルタミン酸(E)へ変異されることができ(H31S→E)、又は軽鎖CDR3の94位において、グリシン(G)をチロシン(Y)へ変異させることができる(L94G→Y)。
「ヒト抗体」という用語は、Kabatら(Kabat,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91−3242参照。)によって記載されているように、ヒト生殖系列の免疫グロブリン配列に対応する可変及び定常領域を有する抗体を含む。本発明のヒト抗体は、例えば、CDR、特にCDR3中に、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでの無作為の若しくは部位特異的な突然変異誘発によって、又はインビボでの体細胞変異によって導入された変異)を含み得る。変異は、好ましくは、本明細書に記載されている「選択的突然変異誘発アプローチ」を用いて導入される。ヒト抗体は、アミノ酸残基、例えば、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていない活性増強アミノ酸残基で置換された少なくとも1つの位置を有することができる。ヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列の一部でないアミノ酸残基と置換された最大20の位置を有することができる。他の実施形態において、最大10個、最大5個、最大3個又は最大2個の位置が置換される。好ましい実施形態において、これらの置換は、以下に詳述されているようにCDR領域内にある。しかしながら、本明細書において使用される「ヒト抗体」という用語は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上に移植された抗体を含まないものとする。
「組換えヒト抗体」という用語には、宿主細胞中に形質移入された組換え発現ベクターを用いて発現された抗体(以下で、II節において、さらに記載されている。)、組換え、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリー(以下で、III節において、さらに記載されている。)から単離された抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子に対して遺伝子導入される動物(例えば、マウス)から単離された抗体(例えば、TaylorL.D.et al.(1992)Nucl.AcidsRes.20:6287−6295を参照。)など、組換え手段によって、調製され、発現され、作製され、若しくは単離されたヒト抗体、又はヒト免疫グロブリン遺伝子配列の、他のDNA配列へのスプライシングを伴う他の何れかの手段によって調製され、発現され、作製され、若しくは単離された抗体が含まれる。このような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変及び定常領域を有する(Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91−3242参照。)。しかしながら、ある種の実施形態において、このような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(又は、ヒトIg配列に対して遺伝子導入された動物が使用される場合には、インビボ体細胞突然変異誘発)に供され、従って、組換え抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VH及びVL配列に由来し、これらの配列に関連しつつも、インビボで、ヒト抗体生殖系列レパートリー内には、天然に存在しない場合があり得る配列である。しかしながら、ある種の実施形態において、このような組換え抗体は、選択的突然変異誘発アプローチ又は逆突然変異又は両者の結果である。
「単離された抗体」には、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない(例えば、hIL−12を特異的に結合する単離された抗体は、hIL−12以外の抗原を特異的に結合する抗体を実質的に含まない。)抗体が含まれる。hIL−12を特異的に結合する単離された抗体は、他の種から得られるIL−12分子を結合し得る(以下に、さらに詳しく論述されている。)。さらに、単離された抗体は、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まないことができる。
「中和抗体」(又は「hIL−12活性を中和した抗体」)には、hIL−12へのその結合が、hIL−12の生物活性の阻害をもたらす抗体が含まれる。hIL−12の生物活性のこの阻害は、フィトヘマグルチニン芽球増殖アッセイ(PHA)におけるヒトフィトヘマグルチニン芽球増殖の阻害又はヒトIL−12受容体結合アッセイにおける受容体結合の阻害など、hIL−12生物活性の1つ又はそれ以上の指標を測定することによって評価することができる(米国特許第6,914,128号の実施例3−インターフェロンγ誘導アッセイ参照)。hIL−12生物活性のこれらの指標は、本分野において公知の標準的な幾つかのインビトロ又はインビボアッセイの1つ又はそれ以上によって評価することができる(米国特許第6,914,128号の実施例3参照)。
「活性」という用語には、抗原に対する抗体(例えば、IL−12抗原に結合する抗hIL−12抗体)の結合特異性/親和性、及び/又は、抗体(例えば、hIL−12へのその結合がhIL−12の生物活性を阻害する抗hIL−12抗体)の中和能、例えば、PHA芽球増殖の阻害又はヒトIL−12受容体結合アッセイにおける受容体結合の阻害(米国特許第6,914,128号の実施例3参照)などの活性が含まれる。
「表面プラズモン共鳴」という用語には、例えば、BIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden and Piscataway,NJ)を用いて、バイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度の変化を検出することによって、リアルタイムな生物特異的相互作用の分析を可能とする光学現象が含まれる。さらなる記述に関しては、米国特許第6,914,128号の実施例5及び「Jonsson,U.,et al.(1993)Ann.Biol.Clin.51:19−26;Jonsson,U.,et al.(1991)Biotechniques11:620−627;Johnsson,B.,et al(1995)J.Mol.Recognit.8:125−131;及びJohnnson,B.,et al.(1991)Anal.Biochem.198:268−277」を参照されたい。
本明細書において使用される「Koff」という用語は、抗体/抗原複合体からの抗体の解離に対するoff速度定数を表すものとする。
本明細書において使用される「K」という用語は、特定の抗体抗原相互作用の解離定数を表すものとする。
「核酸分子」という用語は、DNA分子及びRNA分子を含む。核酸分子は、一本鎖又は二本鎖であり得るが、好ましくは二本鎖DNAである。
hIL−12を結合する抗体(「単離された抗体」を含む。)又は抗体部分(例えば、VH、VL、CDR3)をコードする核酸に対して本明細書で使用される「単離された核酸分子」という用語には、抗体又は抗体部分をコードするヌクレオチド配列がhIL−12以外の抗原を結合する抗体又は抗体部分をコードする他のヌクレオチド配列(この他の配列は、ヒトゲノムDNA中の核酸で、天然に隣接し得る。)を含まない核酸分子が含まれる。従って、例えば、抗IL−12抗体のVH領域をコードする本発明の単離された核酸は、IL−12以外の抗原を結合する他のVH領域をコードする他の配列を含有しない。「単離された核酸分子」という用語は、二価の、二重特異抗体(VH及びVL領域が、ダアイボディの配列以外の他の配列を含有しないダイアボディなど)をコードする配列も含むものとする。
「ベクター」という用語は、核酸分子に連結されている別の核酸を輸送することができる核酸分子を含む。ベクターの1つの種類は「プラスミド」であり、これは、その中にさらなるDNAセグメントを連結し得る環状二本鎖DNAループを表す。ベクターの別の種類はウイルスベクターであり、ウイルスベクターにおいて、追加のDNAセグメントはウイルスゲノム中に連結され得る。ある種のベクターは、当該ベクターがその中に導入された宿主細胞中で自律的複製を行うことができる(例えば、細菌の複製起点及びエピソーム哺乳動物ベクターを有する細菌ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞中への導入時に、宿主細胞のゲノム中に組み込まれることが可能であり、これにより、宿主ゲノムとともに複製される。さらに、ある種のベクターは、それらが作用可能に連結されている遺伝子の発現を誘導することが可能である。このようなベクターは、本明細書において、「組換え発現ベクター」(又は単に、「発現ベクター」)と称される。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしば、プラスミドの形態である。プラスミドは、最も一般的に使用されるベクターの形態であるので、本明細書において、「プラスミド」及び「ベクター」は互換的に使用され得る。しかしながら、本発明は、均等な機能を果たす、ウイルスベクターなどの(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス及びアデノ随伴ウイルス)発現ベクターのこのような他の形態を含むものとする。
「組換え宿主細胞」(又は単に、「宿主細胞」)という用語は、組換え発現ベクターがその中に導入されている細胞を含む。このような単語は、当該細胞を表すのみならず、このような細胞の子孫も表すことを理解すべきである。変異又は環境的な影響のために、後続の世代中にある種の修飾が生じ得るので、このような子孫は、実際には、親細胞と同一でないことがあり得るが、本明細書において使用される「宿主細胞」という用語の範囲に、なお含まれる。
本明細書において使用される「修飾する」という用語は、抗体又はその抗原結合部分中の1つ又はそれ以上のアミノ酸を変化させることを表すものとする。変化は、1つ又はそれ以上の位置においてアミノ酸を付加、置換又は欠失させることによって生成させることができる。変化は、PCR突然変異誘発などの公知の技術を用いて生成させることができる。
「接触位置」という用語には、26の公知の抗体抗原構造の1つにおいて抗原に接触するアミノ酸によって占められている、抗体の重鎖可変領域又は軽鎖可変領域のCDR1、CDR2又はCDR3中のアミノ酸位置が含まれる。抗体抗原複合体の26の公知の解明された構造の何れかの中のCDRアミノ酸が抗原と接触すれば、そのアミノ酸は、接触位置を占有すると考えることができる。接触位置は、非接触位置より、抗原に接触するアミノ酸によって占有される可能性がより高い。好ましくは、接触位置は、26の構造のうち3より多い構造中で(>11.5%)抗原に接触するアミノ酸を含有するCDR位置である。最も好ましくは、接触位置は、25の構造のうち8より多い構造中で(>32%)抗原に接触するアミノ酸を含有するCDR位置である。
「高頻度変異位置」という用語には、抗体のインビボ親和性成熟の間に、体細胞高頻度変異に対する高い頻度又は確率を有すると考えられている抗体の重鎖可変領域又は軽鎖可変領域のCDR1、CDR2又はCDR3領域中の位置を占めるアミノ酸残基が含まれる。「体細胞性高頻度変異に対する高い頻度又は確率」には、抗体のインビボ親和性成熟の間に、残基が体細胞性高頻度変異を受ける5から約40%の頻度又は確率が含まれる。この表記されている範囲内の全ての範囲、例えば5から約30%、例えば5から約15%、例えば15から約30%も、この範囲の一部であることが意図されることを理解すべきである。
「好ましい選択的突然変異誘発位置」という用語には、接触及び高頻度変異位置の両方であると考えることができる、重鎖可変領域又は軽鎖可変領域のCDR1、CDR2又はCDR3領域中の位置を占めるアミノ酸残基が含まれる。
「選択的突然変異誘発アプローチ」という用語には、少なくとも1つの好ましい選択的突然変異誘発位置、高頻度変異及び/又は接触位置のCDRアミノ酸を選択し、個別に変異させることによって、抗体の活性を改善する方法が含まれる。「選択的に変異された」ヒト抗体とは、選択的突然変異誘発アプローチを用いて選択された位置に変異を含有する抗体である。別の実施形態において、選択的突然変異誘発アプローチは、抗体の重鎖可変領域のCDR1、CDR2若しくはCDR3(以下、それぞれ、H1、H2及びH3)又は軽鎖可変領域のCDR1、CDR2又はCDR3(以下、それぞれ、L1、L2及びL3と称される。)中の選択された各アミノ酸残基を優先的に変異させる方法を提供することが意図される。アミノ酸残基は、好ましい選択的突然変異誘発位置、接触位置又は高頻度変異位置から選択され得る。各アミノ酸は、軽鎖又は重鎖可変領域中の位置に基づいて選択される。高頻度変異位置は接触位置でもあり得ることを理解すべきである。一実施形態において、選択的突然変異誘発アプローチは、「標的化されたアプローチ」である。「標的化されたアプローチ」という用語には、標的化された様式で、抗体の重鎖可変領域のCDR1、CDR2若しくはCDR3又は軽鎖可変領域のCDR1、CDR2若しくはCDR3中の選択された各アミノ酸残基を優先的に変異させる方法が含まれるものとする(例えば、「群ごとの標的化されたアプローチ」又は「CDRごとの標的化されたアプローチ」)。「群ごとの標的化されたアプローチ」では、群I(L3及びH3を含む。)、II(H2及びL1を含む。)及びIII(L2及びH1を含む。)を含む選択的変異に対して、特定の群中の各アミノ酸残基が標的とされる(群は、標的化が好ましい順序で列記されている。)。「CDRごとの標的化されたアプローチ」では、標的化が好ましい以下の順で、H3、L3、H2、L1、H1及びL2、特定のCDR中の各アミノ酸残基が選択的変異に対する標的とされる。選択されたアミノ酸残基は、例えば、少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ変異され、抗体の活性に対する変異の効果が測定される。活性は、抗体の結合特異性/親和性及び/又は抗体の中和能の変化として測定される。選択的突然変異誘発アプローチは、ファージディスプレイ、ヒトIgG生殖系列遺伝子を有するトランスジェニック動物、ヒトB細胞から単離されたヒト抗体を含むあらゆる源に由来するあらゆる抗体の最適化のために使用することができることを理解すべきである。好ましくは、選択的突然変異誘発アプローチは、ファージディスプレイ技術を用いてさらに最適化することができない抗体に対して使用される。ファージディスプレイ、ヒトIgG生殖系列遺伝子を有するトランスジェニック動物、ヒトB細胞から単離されたヒト抗体を含むあらゆる源に由来する抗体は、選択的突然変異誘発アプローチの前又は後に、逆変異へ供され得ることを理解すべきである。
「活性増強アミノ酸残基」という用語は、抗体の活性を改善するアミノ酸残基を含む。活性増強アミノ酸残基は、好ましい選択的突然変異誘発位置、接触位置又は高頻度変異位置のアミノ酸残基を置換し得、さらに、2以上の活性増強アミノ酸残基が1つ又はそれ以上のCDR内に存在し得ることを理解すべきである。活性増強アミノ酸残基には、抗体の結合特異性/親和性、例えば、ヒトIL−12への抗ヒトIL−12抗体の結合を改善するアミノ酸残基が含まれる。活性増強アミノ酸残基は、抗体(例えば、ヒトIL−12を阻害するヒトIL−12抗体)の中和能を改善するアミノ酸残基も含むものとする。
「Cmax」という用語は、因子の投与後に、対象中に観察された因子の最大又はピーク血清又は血漿濃度を表す。
「Tmax」という用語は、Cmaxが生じた時を表す。
「生物学的利用可能性」又は「F%」という用語は、所定の剤形の投与後に、吸収され、全身循環に入る投薬の割合又はパーセントを表す。因子の投薬は、あらゆる経路を通じて、好ましくは、静脈内又は皮下注射を介して投与され得る。
本明細書において使用される「投薬」という用語は、治療目的を達成するための(例えば、関節リウマチの治療)、物質(例えば、抗IL−12、抗IL−23抗体)の投与を表す。
本明細書において使用される「隔週投薬治療計画」、「隔週投薬」及び「隔週投与」という用語は、治療目的を達成するために、物質(例えば、抗IL−12、抗IL−23抗体)を対象に投与することの時間経過を表し、時間経過は隔週(eow)である。隔週投薬治療計画は、毎週投薬治療計画を含まない。好ましくは、物質は、9から19日おき、より好ましくは、11から17日おき、さらに好ましくは、13から15日おき、最も好ましくは、14日おきに投与される。
「第二の因子と組み合わせた第一の因子」という用語におけるような「組み合わせ」という用語には、例えば、同じ医薬として許容される担体中に溶解若しくは相互混合され得る第一の因子と第二の因子の同時投与又は第一の因子に続く第二の因子の投与又は第二の因子に続く第一の因子の投与が含まれる。従って、本発明は、組み合わせ治療的処置の方法及び組み合わせ医薬組成物を含む。
「同時治療的処置」という用語におけるような「同時」という用語は、第二の因子の存在下である因子を投与することを含む。同時治療的処置法には、第一、第二、第三又はさらなる因子が同時投与される方法が含まれる。同時治療的処置法には、第二の因子又はさらなる因子の存在下で、第一又はさらなる因子が投与され、第二の因子又はさらなる因子は、例えば、予め投与され得る方法も含まれる。同時の治療的処置法は、異なる行為者によって、段階的に実施され得る。例えば、第一の因子(及びさらなる因子)が第二の因子(及びさらなる因子)の存在下での投与後である限り、ある行為者が第一の因子を対象に投与し、別の行為者が第二の因子を対象に投与することができ、投与する工程は、同時に、又はほぼ同時に、又は離れた時間で実施することができる。行為者及び対象は、同じ実体(例えば、ヒト)であり得る。
本明細書において使用される「組み合わせ療法」という用語は、2つ又はそれ以上の治療用物質(例えば、抗IL−12、抗IL−23抗体及び別の薬物)の投与を表す。他の薬物は、抗IL−12、抗IL−23抗体の投与と同時、投与前又は投与後に投与され得る。
本明細書において使用される「キット」という用語は、IL−12関連疾患を治療するために、それを用いて本発明の抗IL−12、抗IL−23抗体を投与するための成分を含むパッケージ化された製品を表す。キットは、好ましくは、キットの成分を保持する箱又は容器を含む。箱又は容器には、ラベル又は食品医薬品局によって承認されたプロトコールが添付される。箱又は容器は、プラスチック、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン又はプロピレン容器内に好ましくは含有される本発明の成分を保持する。容器は、蓋されたチューブ又は瓶であり得る。キットは、抗IL−12、抗IL−23抗体を投与するための指示書も含むことができる。
本発明の様々な態様が、以下の小節中に、さらに詳しく記載されている。
I.ヒトIL−12を結合するヒト抗体
本発明は、乾癬の治療のために、ヒトIL−12に結合するヒト抗体又はその抗原結合部分を使用する方法及び組成物を提供する。本発明は、IL−12及びIL−23の両方を結合する抗体を使用する方法及び組成物も含む。好ましくは、本発明において使用されるヒト抗体は、組換え、中和ヒト抗hIL−12抗体である。
一実施形態において、本発明において使用される抗体は、抗体ABT−874である(米国特許第6,914,128号を参照)。ABT−874は、インターロイキン12(IL−12)及びIL−23に対する完全ヒト抗体である。ABT−874は、乾癬(Ps)の治療における有効性が確認された標的であるIL−12及びIL−23の両方に共通するp40サブユニットへ大きな親和性で結合する。
ヒトIL−12へ結合する抗体は、米国特許第6,914,128号の実施例1に記載されているファージディスプレイ技術によるなど、例えば、hIL−12を用いて、1つ又はそれ以上のヒトV及びVcDNAライブラリーをスクリーニングすることによって選択することができる。ヒトV及びVcDNAライブラリーのスクリーニングは、まず、一連の抗IL−12抗体を同定し、さらなる開発のために、そのうちの1つの抗体(本明細書において、「Joe9」(又は「Joe9野生型」と称される。)を選択した。Joe9は、相対的に低い親和性のヒトIL−12抗体(例えば、約0.1秒−1のKoff)であるが、hIL−12を特異的に結合し、検出するのに有用である。Joe9抗体の親和性は、重鎖及び軽鎖CDRの突然変異誘発を実施し、「ミックス及びマッチされ」、さらに変異を受けた軽鎖及び重鎖可変領域の群を作製し、hIL−12に対して増加した親和性を有する多くのさらなる抗hIL−12抗体をもたらすことによって改善された(実施例1、米国特許第6,914,128号の表2(本明細書に添付されている添付書類Aの表2参照)及び米国特許第6,914,128号の図1AからDの配列並置参照(本明細書の図8AからD参照))。
これらの抗体のうち、本明細書においてY61と称されるヒト抗hIL−12抗体が、結合親和性の著しい改善を示した(例えば、約2×10−4−1のKoff)。Y61抗hIL−12抗体は、重鎖及び軽鎖CDR内の特異的アミノ酸残基を個別に変異させることによって、さらなる親和性成熟のために選択された。Y61のアミノ酸残基は、好ましい選択的突然変異誘発位置、接触及び/又は高頻度変異位置を占めるアミノ酸残基に基づいて、部位特異的変異(選択的突然変異誘発アプローチ)のために選択された。重鎖及び軽鎖CDR中の選択された位置での置換の要約が、米国特許第6,914,128号の図2Aから2H(本明細書の図9AからH)に示されている。本明細書においてJ695(ABT−874とも称される。)(Abbott Laboratories)と称される本発明の好ましい組換え中和抗体は、Y61の軽鎖CDR2の50位におけるGlyからTyrへの置換及びY61の軽鎖CDR3の94位におけるGlyからTyrへの置換から生じた。
Joe9野生型からJ695への系統上での、本発明において使用される抗IL−12抗体の群の重鎖及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列並置が、米国特許第6,914,128号の図1Aから1D(本明細書中の図8AからD)に示されている。これらの配列並置によって、Joe9らJ695への系統上に、hIL−12を結合する本発明の抗体の好ましい重鎖及び軽鎖可変領域に対するコンセンサス配列並びにCDR3、CDR2及びCDR1に対するコンセンサス配列の同定が可能となった。さらに、米国特許第6,914,128号の図2Aから2H(本明細書中の図9AからH)にまとめられているY61突然変異誘発分析によって、Y61からの修飾を有するが、優れたhIL−12結合特性をなお保持する配列を包含するY61からJ695への系統上に、hIL−12を結合する重鎖及び軽鎖可変領域に対するコンセンサス配列並びにhIL−12を結合するCDR3、CDR2及びCDR1に対するコンセンサス配列の同定が可能となった。添付の配列表中の配列識別子によって特定される本発明の好ましいCDR、VH及びVL配列(コンセンサス配列を含む。)が、以下に要約されている。
Figure 2011515404
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Joe9野生型の親和性成熟から産生された抗体は、K及びKoff速度を測定するために、表面プラズモン共鳴分析によって機能的に性質決定された。約0.1s−1から約1×10−5−1の範囲内のKoff速度、より好ましくは、約1×10−4−1から1×10−5−1又はそれ以下のKoffを有する一連の抗体が作製された。抗体は、米国特許第6,914,128号の実施例3に記載されているように、フィトヘマグルチニン(PHA)芽球増殖を阻害する能力に関しても、インビトロで性質決定された。約1×10−6Mから約1×10−11M、より好ましくは、約1×10−10Mから約1×10−11M又はそれ以下の範囲のIC50値を有する一連の抗体が作製された。
従って、一態様において、本発明は、ヒトIL−12に結合し、表面プラズモン共鳴によって測定された場合に、0.1s−1若しくはそれ以下のKoff速度定数でヒトIL−12から解離し、又は1×10−6M若しくはそれ以下のIC50でインビトロフィトヘマグルチニン芽球増殖アッセイ(PHAアッセイ)において、フィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分を使用するための方法及び組成物を提供する。好ましい実施形態において、単離されたヒトIL−12抗体又はその抗原結合部分は、1×10−2−1若しくはそれ以下のKoff速度定数でヒトIL−12から解離し、又はインビトロでのPHAアッセイにおいて、1×10−7M若しくはそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。さらに好ましい実施形態において、単離されたヒトIL−12抗体又はその抗原結合部分は、1×10−3−1若しくはそれ以下のKoff速度定数でヒトIL−12から解離し、又はインビトロでのPHAアッセイにおいて、1×10−8M若しくはそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。さらに好ましい実施形態において、単離されたヒトIL−12抗体又はその抗原結合部分は、1×10−4−1若しくはそれ以下のKoff速度定数でヒトIL−12から解離し、又はインビトロでのPHAアッセイにおいて、1×10−9M若しくはそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。さらに好ましい実施形態において、単離されたヒトIL−12抗体又はその抗原結合部分は、1×10−5−1若しくはそれ以下のKoff速度定数でヒトIL−12から解離し、又はインビトロでのPHAアッセイにおいて、1×10−10M若しくはそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。さらに好ましい実施形態において、単離されたヒトIL−12抗体又はその抗原結合部分は、1×10−5−1若しくはそれ以下のKoff速度定数でヒトIL−12から解離し、又はインビトロでのPHAアッセイにおいて、1×10−11M若しくはそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。
IL−12抗体の解離速度定数(Koff)は、表面プラズモン共鳴(米国特許第6,914,128号の実施例5参照)によって測定することができる。一般に、表面プラズモン共鳴分析は、BIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor, Piscataway, NJ)を用いて、表面プラズモン共鳴(SPR)により、リガンド(バイオセンサーマトリックス上に固定された組換えヒトIL−12)と分析物(溶液中の抗体)の間のリアルタイム結合相互作用を測定する。表面プラズモン分析は、分析物(バイオセンサーマトリックス上の抗体)を固定化し、リガンド(溶液中の組換えIL−12)を提示することによっても実施することができる。IL−12抗体又はその抗原結合部分の中和活性は、幾つかの適切なインビトロアッセイの1つ又はそれ以上を用いて評価することができる(米国特許第6,914,128号の実施例3参照)。
抗体重鎖及び軽鎖CDRは、抗原に対する抗体の結合特異性/親和性において重要な役割を果たしていることが本分野において周知である。従って、本発明は、Joe9の軽鎖及び重鎖CDRを有するヒト抗体並びに該抗体の結合特異性/親和性を改善するために修飾されたCDRを有する他の抗体を包含する。米国特許第6,914,128号の実施例1に示されているように、軽鎖及び重鎖CDRに対する一連の修飾は、ヒト抗hIL−12抗体の親和性成熟をもたらす。ヒトIL−12を結合するJoe9野生型からJ695にわたる一連のヒト抗体の重鎖及び軽鎖可変領域アミノ酸配列の並置が、米国特許第6,914,128号の図1Aから1D(本明細書の図8AからD)に示されている。抗体のCDRに対するコンセンサス配列モチーフは、配列の並置から決定することができる。例えば、Joe9からJ695への系統のVHCDR3に対するコンセンサスモチーフは、アミノ酸配列:(H/S)−G−S−(H/Y)−D−(N/T/Y)(配列番号1)を含み、これは、配列番号7に示されているコンセンサスHCVRの95位から102位までのアミノ酸を包含する。VLCDR3に対するコンセンサスモチーフは、配列番号8に示されているコンセンサスLCVRの89から97位までのアミノ酸を包含するアミノ酸配列:Q−(S/T)−Y−(D/E)−(S/R/K)−(S/G/Y)−(L/F/T/S)−(R/S/T/W/H)−(G/P)−(S/T/A/L)−(R/S/M/T/L−V/I/T/M/L)(配列番号2)を含む。
従って、別の態様において、本発明は、以下の特徴:
a)1×10−6M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいてフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害し、
b)配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有し、及び
c)配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する、
を有する単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分を含む方法及び組成物を提供する。
好ましい実施形態において、抗体は、アミノ酸配列:F−I−R−Y−D−G−S−N−K−Y−Y−A−D−S−V−K−G(配列番号3)(アミノ酸配列配列番号7を含むコンセンサスHCVRの50から65位までのアミノ酸を包含する。)を含むVHCDR2をさらに含み、及びアミノ酸配列(G/Y)−N−(D/S)−(Q/N)−R−P−S(配列番号4)(アミノ酸配列配列番号8を含むコンセンサスLCVRの50から56位までのアミノ酸を包含する。)を含むVLCDR2をさらに含む。
別の好ましい実施形態において、抗体は、アミノ酸配列:F−T−F−S−(S/E)−Y−G−M−H(配列番号5)(アミノ酸配列配列番号7を含むコンセンサスHCVRの27から35位までのアミノ酸を包含する。)を含むVHCDR1をさらに含み、及びアミノ酸配列(S/T)−G−(G/S)−(R/S)−S−N−I−(G/V)−(S/A)−(N/G/Y)−(T/D)−V−(K/H)(配列番号6)(アミノ酸配列配列番号8を含むコンセンサスLCVRの24から34位までのアミノ酸を包含する。)を含むVLCDR1をさらに含む。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明において使用される抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含むHCVR及び配列番号8のアミノ酸配列を含むLCVRを含む。
さらなるコンセンサスモチーフは、J695抗体をもたらしたY61に対して行われた変異分析に基づいて決定することができる(米国特許第6,914,128号の図2Aから2Hに要約されている。本明細書中の図9AからH)。米国特許第6,914,128号の図2Aから2H(本明細書中の図9AからH)に示されているグラフによって示されるように、Y61の重及び軽鎖CDRのある種の残基は、抗体のhIL−12結合特性を著しく損なわない置換に適していた。例えば、12の異なるアミノ酸残基でのCDRH1中の30位の各置換は、抗体のKoff速度を著しく低下させず、この位置が、様々な異なるアミノ酸残基での置換に適していることを示唆する。従って、変異分析に基づいて(すなわち、他のアミノ酸残基による置換に適したY61内の位置)、コンセンサスモチーフが決定された。重鎖及び軽鎖CDR3に対するコンセンサスモチーフが、それぞれ、配列番号9及び10に示されており、重鎖及び軽鎖CDR2に対するコンセンサスモチーフが、それぞれ、配列番号11及び12に示されており、並びに重鎖及び軽鎖CDR1に対するコンセンサスモチーフが、それぞれ、配列番号13及び14に示されている。VH及びVL領域に対するコンセンサスモチーフが、それぞれ、配列番号15及び16に示されている。
従って、一態様において、本発明は、以下の特徴、
a)1×10−9M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいてフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害し、
b)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有し、及び
c)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する、
を有する単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分を含む。
好ましい実施形態において、抗体は、配列番号11のアミノ酸配列を含むVHCDR2をさらに含み、及び配列番号12のアミノ酸配列を含むVLCDR2をさらに含む。
別の好ましい実施形態において、抗体は、配列番号13のアミノ酸配列を含むVHCDR1をさらに含み、及び配列番号14のアミノ酸配列を含むVLCDR1をさらに含む。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明において使用される抗体は、配列番号15のアミノ酸配列を含むHCVR及び配列番号16のアミノ酸配列を含むLCVRを含む。
本発明において使用される好ましい抗体であるヒト抗hIL−12抗体Y61は、(米国特許第6,914,128号の実施例1に記載されているように)CDR3のPCR突然変異誘発によるJoe9野生型の親和性成熟によって作製することができる。Y61は、表面プラズモン共鳴によって及びインビトロ中和アッセイによって測定された、改善された特異性/結合親和性を有していた。Y61の重鎖及び軽鎖CDR3が、それぞれ、配列番号17及び18に示されており、Y61の重鎖及び軽鎖CDR2が、それぞれ、配列番号19及び20に示されており、並びにY61の重鎖及び軽鎖CDR1が、それぞれ、配列番号21及び22に示されている。Y61のVHは配列番号23のアミノ酸配列を有しており、Y61のVLは配列番号24のアミノ酸配列を有している(これらの配列は、Joe9と並置されて、米国特許第6,914,128号の図1Aから1D(本明細書中の図8AからD)にも示されている。)。
従って、別の態様において、本発明は、
a)1×10−9M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいてフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害し、
b)配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有し、及び
c)配列番号18のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する、
単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分の使用を特徴とする。
好ましい実施形態において、本発明の方法及び組成物において使用される単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分は、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2を有する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法及び組成物において使用される単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分は、配列番号21のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1及び配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1を有する。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明の方法及び組成物において使用される単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号24のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある種の実施形態において、完全長抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA及びIgE定常領域などの重鎖定常領域及びKabat(Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH PublicationNo.91−3242)に記載されているその中のあらゆるアロタイプのバリアントを含む。好ましくは、抗体重鎖定常領域はIgG1重鎖定常領域である。あるいは、抗体部分は、Fab断片、F(ab’)断片又は一本鎖Fv断片であり得る。
Y61の各残基の修飾は、米国特許第6,914,128号の図2Aから2H(本明細書中の図9AからH)に示されている抗体群の作製をもたらした。各抗体の特異性/結合親和性は、表面プラズモン共鳴によって及び/又はインビトロ中和アッセイによって測定された。
従って、別の態様において、本発明は、
a)インビトロでのPHAアッセイにおいて、1×10−9M又はそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する、
b)配列番号404から配列番号469からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有する、及び
c)配列番号534から配列番号579からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する、
単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分を特徴とする。
好ましい実施形態において、本発明の方法及び組成物において使用される単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分は、配列番号335から配列番号403からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号506から配列番号533からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2を有する。
別の好ましい実施形態において、単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分は、配列番号288から配列番号334からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖CDR1及び配列番号470から配列番号505からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1を有する。
さらに別の好ましい実施形態において、単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分は、配列番号23のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号24のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
ある種の実施形態において、完全長抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA及びIgE定常領域などの重鎖定常領域及びKabat(Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91−3242)に記載されているその中のあらゆるアロタイプのバリアントを含む。好ましくは、抗体重鎖定常領域はIgG1重鎖定常領域である。あるいは、抗体部分は、Fab断片、F(ab’)断片又は一本鎖Fv断片であり得る。
本発明において使用され得る特に好ましい組換え中和抗体J695は、抗体Y61の接触及び高頻度変異アミノ酸残基の部位指定突然変異誘発によって作製された(米国特許第6,914,128号の実施例2及び以下のIII節参照)。J695は、軽鎖CDR2の50位のY61におけるGlyからTyrへの置換及び軽鎖CDR3の94位のGlyからTyrへの置換がY61と異なる。J695の重鎖及び軽鎖CDR3が、それぞれ、配列番号25及び26に示されており、J695の重鎖及び軽鎖CDR2が、それぞれ、配列番号27及び28に示されており、並びにJ695の重鎖及び軽鎖CDR1が、それぞれ、配列番号29及び30に示されている。J695のVHは配列番号31のアミノ酸配列を有しており、J695のVLは配列番号32のアミノ酸配列を有している(これらの配列は、Joe9と並置されて、米国特許第6,914,128号の図1Aから1D(本明細書中の図8AからD)にも示されている。)。
従って、別の態様において、本発明は、a)1×10−9M又はそれ以下のIC50で、インビトロPHAアッセイにおいてフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害し、b)配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3を有し、及びc)配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を有する、単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分を特徴とする。
好ましい実施形態において、本発明において使用される単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分は、配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2を有する。
別の好ましい実施形態において、本発明において使用される単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分は、配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1及び配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1を有する。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明において使用される単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分は、配列番号31のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び配列番号32のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を有する。
ある種の実施形態において、完全長抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA及びIgE定常領域などの重鎖定常領域及びKabat(Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91−3242)に記載されているその中のあらゆるアロタイプのバリアントを含む。好ましくは、抗体重鎖定常領域はIgG1重鎖定常領域である。あるいは、抗体部分は、Fab断片、F(ab’)断片又は一本鎖Fv断片であり得る。
本発明のさらなる抗IL−12抗体を提供するために、Joe9からJ695又は系統Y61からJ695への系列上の抗体のCDR3、CDR2及びCDR1に対する好ましいコンセンサス配列中にさらなる突然変異を施すことができる。PCR突然変異誘発などの標準的な分子生物学技術を使用し、軽鎖及び/又は重鎖CDR中の各接触又は高頻度変異アミノ酸残基を標的化した後、本明細書に記載されているように、修飾された抗体の速度論的及び機能的分析(例えば、米国特許第6,914,128号の実施例3に記載されている中和アッセイ及び米国特許第6,914,128号の実施例5に記載されているBIAcore分析によって)によって、このような修飾方法を実施することができる。
従って、別の態様において、本発明は、
a)インビトロでのPHAアッセイにおいて、1×10−6M又はそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害し、
b)配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号3のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号5のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1又は好ましい選択的突然変異誘発位置若しくは高頻度変異位置に1つ若しくはそれ以上のアミノ酸置換を有するこれらの変異体(前記変異体は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号3のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号5のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1を含む抗体より最大10倍高いkoff速度を有する。)を含み、並びに
c)配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3、配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2及び配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1又は好ましい選択的突然変異誘発位置若しくは高頻度変異位置に1つ若しくはそれ以上のアミノ酸置換を有するこれらの変異体(前記変異体は、配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3、配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2及び配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1を含む抗体より最大10倍高いKoff速度を有する。)を含む、
単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分の使用を特徴とする。
別の態様において、本発明は、
a)インビトロでのPHAアッセイにおいて、1×10−9M又はそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球の増殖阻害し、
b)配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号13のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1又は好ましい選択的突然変異誘発位置、接触位置若しくは高頻度変異位置に1つ若しくはそれ以上のアミノ酸置換を有するこれらの変異体(前記変異体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号13のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1を含む抗体より最大10倍高いkoff速度を有する。)を含み、並びに
c)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3、配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2及び配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1又は好ましい選択的突然変異誘発位置、接触位置若しくは高頻度変異位置に1つ若しくはそれ以上のアミノ酸置換を有するこれらの変異体(前記変異体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3、配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2及び配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1を含む抗体より最大10倍高いKoff速度を有する。)を含む、
単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分の使用を特徴とする。
当業者は、本発明のさらなる抗IL−12抗体を提供するために、抗体のCDR領域に対して、例えばY61中又はJ695中にさらなる変異を施し得ることも理解する。このような修飾の方法は、上に記載されているように、標準的な分子生物学技術を用いて実施することができる。修飾された抗体の機能的及び速度論的分析は、それぞれ、米国特許第6,914,128号の実施例3及び米国特許第6,914,128号の実施例5に記載されているように実施することができる。J695の同定をもたらしたY61の各残基の修飾は、米国特許第6,914,128号の図2Aから2H(本明細書中の図9AからH)に示されており、米国特許第6,914,128号の実施例2に記載されている。
従って、別の態様において、本発明は、
a)インビトロでのPHAアッセイにおいて、1×10−9M又はそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害し、
b)配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号21のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1又は好ましい選択的突然変異誘発位置若しくは高頻度変異位置に1つ若しくはそれ以上のアミノ酸置換を有するこれらの変異体(前記変異体は、配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号21のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1を含む抗体より最大10倍高いkoff速度を有する。)を含み、並びに
c)配列番号18のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2及び配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1又は好ましい選択的突然変異誘発位置若しくは高頻度変異位置に1つ若しくはそれ以上のアミノ酸置換を有するこれらの変異体(前記変異体は、配列番号18のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2及び配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1を含む抗体より最大10倍高いKoff速度を有する。)を含む、
単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分の使用を特徴とする。
別の態様において、本発明は、
a)インビトロでのPHAアッセイにおいて、1×10−9M又はそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害し、
b)配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1又は好ましい選択的突然変異誘発位置若しくは高頻度変異位置に1つ若しくはそれ以上のアミノ酸置換を有するこれらの変異体(前記変異体は、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2及び配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1を含む抗体より最大10倍高いkoff速度を有する。)を含み、並びに
c)配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3、配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2及び配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1又は好ましい選択的突然変異誘発位置若しくは高頻度変異位置に1つ若しくはそれ以上のアミノ酸置換を有するこれらの変異体(前記変異体は、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3、配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2及び配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1を含む抗体より最大10倍高いKoff速度を有する。)を含む、
単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分の使用を特徴とする。
さらに別の実施形態において、本発明は、ヒトIL−12並びにヒヒIL−12、マーモセットIL−12、チンパンジーIL−12、カニクイザルIL−12及びアカゲザルIL−12からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる霊長類IL−12の活性を中和するが、マウスIL−12の活性を中和しない単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分の使用を提供する。
II組換えヒト抗体の選択
本発明において使用され得る組換えヒト抗体は、ヒトリンパ球由来のmRNAから調製されたヒトVL及びVHcDNAを用いて調製された組換えコンビナトリアル抗体ライブラリー、好ましくはscFVファージディスプレイライブラリーのスクリーニングによって単離することができる。本発明の方法及び組成物において使用され得る抗体を同定するための方法は、参照により、本明細書に組み込まれる米国特許第6,914,128号に記載されている。このようなライブラリーを調製し、スクリーニングする方法は、本分野において公知である。ファージディスプレイライブラリーを作製するための市販のキット(例えば、Pharmacia Recombinant Phage Antibody System、カタログ番号27−9400−01;及びStratagene SurfZAPTMファージディスプレイキット、カタログ番号240612)に加えて、抗体ディスプレイライブラリーを作製及びスクリーニングする際に使用するのに特に適した方法及び試薬の例は、例えば、Kang他のPCT国際公開WO92/18619号;Winter他のPCT国際公開WO92/20791号;Breitling他のPCT国際公開WO93/01288号;McCafferty他のPCT国際公開WO92/01047号;Garrard他のPCT国際公開WO92/09690号;Fuchs et al.(1991)Bio/Technology 9:1370−1372;Hay et al.(1992)Hum Antibod Hybridomas3:81−85;Huse et al.(1989)Science246:1275−1281;McCafferty et al.,Nature(1990)348:552−554;Griffiths et al.(1993)EMBOJ12:725−734;Hawkins et al.(1992)JMolBiol226:889−896;Clackson et al.(1991)Nature352:624−628;Gram et al.(1992)PNAS89:3576−3580;Garrad et al.(1991)Bio/Technology9:1373−1377;Hoogenboom at al.(1999)NucAcidRes19:4133−4137;及びBarbas et al.(1991)PNAS88:7978−7982に見出すことができる。
この方法において使用される抗体ライブラリーは、好ましくは、ヒトVL及びVHcDNAから調製されたscFvライブラリーである。scFV抗体ライブラリーは、IL−12に対して結合活性を有するヒト重鎖及び軽鎖配列を選択するための抗原として組換えヒトIL−12を用いて好ましくスクリーニングされる。IL−12のp35サブユニット又はp70ヘテロ二量体に対して特異的な抗体を選択するために、過剰の遊離p40サブユニットの存在下で、スクリーニングアッセイを行った。サブユニットの選好性は、米国特許第6,914,128号の実施例1に記載されているようなmicro−Friguet滴定によって測定することができる。
最初のヒトVL及びVHセグメントが選択されたら、好ましいVL/VH対の組み合わせを選択するために、選択されたVL及びVHセグメントの異なる対をIL−12結合についてスクリーニングする「ミックス&マッチ」実験が行われる(米国特許第6,914,128号の実施例1参照)。さらに、hIL−12結合に対する親和性をさらに向上させ、及び/又はhIL−12結合に対するoff速度定数を低下させるために、天然の免疫応答の間に抗体の親和性成熟のために必要とされるインビボ体細胞変異プロセスと類似のプロセスにおいて、好ましくはVH及び/又はVLのCDR3領域内で、好ましいVL/VH対のVL及びVHセグメントを無作為に変異させることが可能である。このインビトロ親和性成熟は、それぞれ、VHCDR3又はVLCDR3に対して相補的なPCRプライマーを用いてVH及びVL領域を増幅することによって達成することが可能であり、得られるPCR産物が、VH及び/又はVLCDR3領域中にランダムな変異が導入されたVH及びVLセグメントをコードするように、前記プライマーは、ある位置において、4つのヌクレオチド塩基のランダムな混合物で「スパイク」されている。これらの無作為に変異されたVH及びVLセグメントは、hIL−12への結合に関して再選択し、再スクリーニングすることが可能であり、IL−12結合に対して高い親和性と低いoff速度を示す配列を選択することが可能である。米国特許第6,914,128号の添付書類Aの表2(本明細書の添付書類Aの表2参照)は、ディスプレイされた抗体が、インビトロ親和性成熟の結果として生じた結合特異性/親和性を変化させたことを示している。
組換え免疫グロブリンディスプレイライブラリーから得られた本発明の抗hIL−12抗体の選択、単離及びスクリーニングに続いて、選択された抗体をコードする核酸を、ファージ粒子から(例えば、ファージゲノムから)回収し、標準的な組換えDNA技術によって、他の発現ベクター中にサブクローニングすることが可能である。所望であれば、本発明の他の抗体形態を作製するために、核酸にさらに操作(例えば、さらなる定常領域などの、さらなる免疫グロブリンドメインをコードする核酸への連結)を施すことが可能である。コンビナトリアルライブラリーのスクリーニングによって単離された組換えヒト抗体を発現させるために、以下の第IV節でさらに詳しく記載されているように、組換え発現ベクター中に、抗体をコードするDNAをクローニングし、哺乳動物宿主細胞中に導入される。
ファージディスプレイ技術によってヒトIL−12結合抗体を選択する方法及びCDR領域の無作為又は部位指定突然変異誘発による選択された抗体の親和性成熟は、米国特許第6,914,128号の実施例1にさらに詳しく記載されている。
米国特許第6,914,128号の実施例1に記載されているように、ヒトVL及びVHcDNAライブラリーのスクリーニングによって、一連の抗IL−12抗体が同定され、このうち、Joe9抗体をさらなる開発のために選択した。Joe9の重鎖可変領域をVBASEデータベースから選択された重鎖生殖系列配列と比較することによって、Joe9はCOS−3生殖系列配列と類似していることが明らかとなった。COS−3は、生殖系列配列のV3ファミリーに属する。
3ファミリーは、ヌクレオチド配列の相同性に基づいて7つのファミリーV1−V7にグループ分けされるヒトVH生殖系列レパートリーの一部である(Tomlinson et al.(1992)J.Mol.Biol.,227,776−798及びCook et al.(1995)Immunology Today, 16, 237−242)。V3ファミリーは、一員の数を最も多く含み、生殖系列のレパートリーに最大の寄与をしている。与えられた全てのヒトV3生殖系列抗体配列に関して、V3ファミリー全体内のアミノ酸配列の同一性は高い(例えば、Tomlinson et al.(1992)J.Mol.Biol., 227, 776−798及びCook et al.(1995)Immunology Today, 16, 237−242参照。)。V3ファミリーの2つの何れかの生殖系列VH配列間のアミノ酸配列の同一性の範囲は、約100VH残基のうち69から98残基を変動する(すなわち、何れかの2つの生殖系列VH配列間で69から98%アミノ酸配列の相同性)。生殖系列配列の多くの対に対して、少なくとも80又はそれ以上の同一のアミノ酸残基が存在する(すなわち、少なくとも80%のアミノ酸配列の相同性)。V3ファミリーの一員間のアミノ酸配列の相同性の高い程度は、VH鎖のCDR及びフレームワーク領域中の中心部位に存在するある種のアミノ酸残基の存在をもたらす。これらのアミノ酸残基は、CDRに対して構造的な特徴を付与する。
CDR及びフレームワーク領域中のある位置を占める中心的アミノ酸残基に基づいて、抗体構造の研究は、CDRの立体構造が標準的CDR構造のファミリーへグループ分けできることを示している。その結果、同一の中心的アミノ酸残基を有する標準的構造を有する異なる抗体中に類似の局所的CDR立体構造が存在する(Chothia et al.(1987)J.Mol.Biol., 196, 901−917及びChothia et al.(1989)Nature, 342, 877−883)。V3ファミリー内に、CDR1及びCDR2標準構造に対する中心的部位にアミノ酸残基の同一性の保存が存在する(Chothia et al.(1992)J.Mol.Biol,227,799−817)。
COS−3生殖系列VH遺伝子はV3ファミリーの一員であり、3−30(DP−49)生殖系列VH対立遺伝子のバリアントである。COS−3は、5つ位置において、Joe9VHアミノ酸配列と異なるに過ぎない。Joe9VHとCOS−3間の及びJoe9VHと他のV3ファミリーの一員間のアミノ酸配列相同性の高い程度も、CDR構造の相同性の高い程度を付与する(Chothia et al(1992)J.Mol.Biol,227,799−817;Chothia et al(1987)J.Mol.Biol.,196,901−917及びChothia et al(1989)Nature,342,877−883)。
当業者は、Joe9に対するアミノ酸配列及び標準構造の高い類似性に基づいて、他のV3ファミリーの一員も、ヒトIL−12に結合する抗体を作製するためにも使用できることを理解する。これは、例えば、鎖シャッフリング技術(Winter et al.(1994)Annual Rev.Immunol., 12, 433−55)によって適切なVLを選択することにより、又はげっ歯類若しくは他のヒト抗体由来のCDR(本発明の抗体に由来するCDRを含む。)をV3ファミリーのフレームワーク上に移植することによって実施することができる。
ヒトVλ生殖系列レパートリーは、ヌクレオチド配列相同性に基づいて、10のファミリーへグループ分けされている(Williams et al.(1996)J.Mol.Biol.,264,220−232)。Joe9の軽鎖可変領域をVBASEデータベースから選択された軽鎖生殖系列の配列と比較することによって、Joe9はDPL8λ生殖系列と類似することが明らかとなった。Joe9VLは、4つのフレームワーク位置において、DPL8配列と異なるに過ぎず、他のVλ1ファミリーの一員のフレームワーク配列と極めて相同的である。Joe9に対する高いアミノ酸配相同性及び標準構造の類似性に基づいて、他のVλ1ファミリーの一員も、ヒトIL−12に結合する抗体を作製するために使用され得る。これは、例えば、鎖シャッフリング技術(Winter et al.上記)によって適切なVHを選択することにより、又はげっ歯類若しくは他のヒト抗体由来のCDR(本発明の抗体に由来するCDRを含む。)をVλ1ファミリーのフレームワーク上に移植することによって実施することができる。
本発明の方法は、生殖系列配列のV3ファミリーの一員に由来する重鎖可変領域と及び生殖系列配列のVλ1ファミリーの一員に由来する軽鎖可変領域とを含む、hIL−12に結合する組換え抗体を含むものとする。さらに、当業者は、V3ファミリー重鎖配列の何れの一員も、Vλ1ファミリー軽鎖配列の何れの一員と組み合わせ得ることを理解する。
当業者は、生殖系列のアミノ酸配列の変化をもたらすDNA配列多型が集団(例えば、ヒト集団)内に存在し得ることも理解する。このような生殖系列配列中の遺伝的多型は、天然の対立遺伝子変動に起因して、集団内の個体間に存在し得る。このような天然の対立遺伝子の変動は、典型的には、遺伝子のヌクレオチド配列の1から5%の変動をもたらす。天然の対立遺伝子の変動の結果である生殖系列配列中のこのようなヌクレオチドの変動及びその結果生じる一切のあらゆるアミノ酸多型が本発明の範囲に含まれるものとする。
従って、一態様において、本発明は、以下の特徴:
a)ヒトIL−12に結合し、表面プラズモン共鳴によって測定された場合に0.1s−1若しくはそれ以下のKoff速度定数でヒトIL−12から解離し、又はインビトロでのフィトヘマグルチニン芽球増殖アッセイ(PHAアッセイ)において、1×10−6M又はそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。
b)V3生殖系列ファミリーの一員から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(該重鎖可変領域は、接触又は高頻度変異位置に活性増強アミノ酸残基での変異を有する。)を有する。
c)Vλ1生殖系列ファミリーの一員から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(該軽鎖可変領域は、好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に活性増強アミノ酸残基での変異を有する。)を有する。
を有する単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分を特徴とする。
好ましい実施形態において、単離されたヒト抗体又は抗原結合は重鎖CDR3中に変異を有する。別の好ましい実施形態において、単離されたヒト抗体又は抗原結合は軽鎖CDR3中に変異を有する。別の好ましい実施形態において、単離されたヒト抗体又は抗原結合は重鎖CDR2中に変異を有する。別の好ましい実施形態において、単離されたヒト抗体又は抗原結合は軽鎖CDR2中に変異を有する。別の好ましい実施形態において、単離されたヒト抗体又は抗原結合は重鎖CDR1中に変異を有する。別の好ましい実施形態において、単離されたヒト抗体又は抗原結合は軽鎖CDR1中に変異を有する。
当業者は、V3生殖系列ファミリーの一員間の又は軽鎖Vλ1生殖系列ファミリーの一員間の高いアミノ酸配列類似性に基づいて、生殖系列配列に対する変異はヒトIL−12に結合するさらなる抗体を与え得ることを理解する。米国特許第6,914,128号の表1(本明細書に添付された添付書類Aの表1参照)は、V3ファミリーの一員の生殖系列配列を示しており、ファミリーの一員内での著しい配列相同性を示している。米国特許第6,914,128号の表1(本明細書に添付された添付書類Aの表1参照)には、Vλ1ファミリーの一員に対する生殖系列配列も示されている。Joe9の重鎖及び軽鎖配列が、比較として挙げられている。V3又はVλ1ファミリーメンバーの生殖系列配列に対する変異は、例えば、本発明の抗体中で施されたのと同じアミノ酸位置において施され得る(例えば、Joe9中の変異)。PCR突然変異誘発などの標準的な分子生物学技術を使用し、生殖系列配列中の各アミノ酸残基を標的化した後、本明細書に記載されている修飾された抗体の速度論的及び機能的分析(例えば、米国特許第6,914,128号の実施例3に記載されている中和アッセイ及び米国特許第6,914,128号の実施例5に記載されているBIAcore分析によって)によって、修飾を実施することができる。
従って、一態様において、本発明は、以下の特徴:
a)配列番号595から667からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(該重鎖可変領域は、好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に活性増強アミノ酸残基での変異を有する。)を有する。
b)配列番号669から675からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(該軽鎖可変領域は、好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に活性増強アミノ酸残基での変異を有する。)を有する。
を有する単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分の使用を特徴とする。
当業者は、Joe9とCOS−3重鎖生殖系列配列の間及びJoe9とDPL8λ生殖系列配列の間の高いアミノ酸配列類似性に基づいて、これらの生殖系列配列のCDR領域に対する他の変異はヒトIL−12に結合するさらなる抗体を与え得ることを理解する。このような修飾の方法は、上に記載されているように、標準的な分子生物学技術を用いて実施することができる。
従って、一態様において、本発明は、以下の特徴:
a)ヒトIL−12に結合し、表面プラズモン共鳴によって測定された場合に0.1s−1若しくはそれ以下のKoff速度定数でヒトIL−12から解離し、又はインビトロでのフィトヘマグルチニン芽球増殖アッセイ(PHAアッセイ)において、1×10−6M若しくはそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。
b)COS−3生殖系列アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(該重鎖可変領域は、好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に活性増強アミノ酸残基での変異を有する。)を有する。
c)DPL8生殖系列アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(該軽鎖可変領域は、好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に活性増強アミノ酸残基での変異を有する。)を有する。
を有する単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分の使用を特徴とする。
軽鎖及び重鎖可変領域中のCDR及びフレームワーク領域中の中心的部位を占めるある種のアミノ酸残基のために、構造的な特徴がこれらの領域に付与される。特に、CDR2及びCDR1領域は、標準的な構造上の分類に供せられる。ファミリーの一員間にはアミノ酸配列相同性の高い程度が存在するので、これらの標準的な特徴は、ファミリーの一員間に存在する。これらの標準的構造を付与するアミノ酸残基での修飾はIL−12へ結合するさらなる抗体を産生することが、当業者に理解される。修飾は、上に記載されているように、標準的な分子生物学技術を用いて実施することができる。
従って、別の態様において、本発明は、以下の特徴:
a)ヒトIL−12に結合し、表面プラズモン共鳴によって測定された場合に0.1s−1又はそれ以下のkoff速度定数でヒトIL−12から解離し、又はインビトロでのフィトヘマグルチニン芽球増殖アッセイ(PHAアッセイ)において、1×10−6M又はそれ以下のIC50でフィトヘマグルチニン芽球増殖を阻害する。
b)V3生殖系列ファミリーの一員から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(前記重鎖可変領域は、他のV3生殖系列ファミリーの一員から得られるCDR2と構造的に類似するCDR2及び他のV3生殖系列ファミリーの一員から得られるCDR1と構造的に類似するCDR1を含み、並びに前記重鎖可変領域は、好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に活性増強アミノ酸残基による変異を有する。)を有する。
c)Vλ1生殖系列ファミリーの一員から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(前記軽鎖可変領域は、他のVλ1生殖系列ファミリーの一員から得られるCDR2と構造的に類似するCDR2及び他のVλ1生殖系列ファミリーの一員から得られるCDR1と構造的に類似するCDR1を含み、並びに前記軽鎖可変領域は、好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に活性増強アミノ酸残基での変異を有する。)を有する。
を有する単離されたヒト抗体又はその抗原結合部分の使用を特徴とする。
本発明において使用される組換えヒト抗体は、VBASEデータベースから選択されるヒト生殖系列免疫グロブリン配列に対して相同的である可変及び定常領域を有する。(例えば、無作為突然変異誘発又はPCR突然変異誘発による)組換えヒト抗体に対する変異は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸をもたらす。また、ヒトドナーに由来した組換え抗体のライブラリーは、B細胞の発達中に起こる体細胞変異の正常な過程のために、それらの対応する生殖系列配列と異なる抗体配列を含有する。PCR増幅によって得られた「生殖系列」配列が、真の生殖系列配置から得られるフレームワーク領域中にアミノ酸の差(すなわち、真の生殖系列配列と比較した、増幅された配列の差)をコードする場合には、これらのアミノ酸の差を変化させて真の生殖系列配列に戻すこと(すなわち、生殖系列配置へのフレームワーク残基の「逆変異」)が望ましいことがあり得ることに注目すべきである。従って、本発明は、逆変異工程を場合によって含み得る。これを実施するために、最も近い生殖系列配列と異なる変異された免疫グロブリンフレームワーク配列中のアミノ酸残基を同定するために、まず、(VBASEデータベース中に例として見出されるような)生殖系列によってコードされる重鎖及び軽鎖のアミノ酸を変異された免疫グロブリン重鎖及び軽鎖フレームワークアミノ酸配列と比較する。次いで、何れのヌクレオチド変化を施すべきかを決定するために遺伝子コードを用いて、変異された免疫グロブリン配列の適切なヌクレオチドを生殖系列配列に対応させるために逆変異させる。変異された免疫グロブリンフレームワーク配列の突然変異誘発は、PCRによって媒介される突然変異誘発(PCR産物が変異を含有するように、変異されたヌクレオチドがPCRプライマー中に取り込まれている。)又は部位特異的突然変異誘発などの標準的な方法によって実施される。逆変異のための候補として同定された各アミノ酸の役割は、抗原結合における直接的又は間接的な役割に関して調べるべきであり、ヒト抗体の何らかの望ましい特徴に影響を及ぼすことが変異後に見出されたいずれのアミノ酸も、最終のヒト抗体中に含めるべきでない。一例として、選択的な突然変異導入アプローチによって同定された活性増強アミノ酸は逆変異へ供されない。突然変異誘発から生じた抗体の特徴を決定するためのアッセイには、ELISA、競合的ELISA、インビトロ及びインビボ中和アッセイ及び/又は(例えば、米国特許第6,914,128号の実施例3参照)様々な源(ヒト、霊長類及び/又は他の種を含む。)由来の組織切片を用いた免疫組織化学が含まれ得る。
逆変異に供されるアミノ酸の数を最小限にするために、最も近い生殖系列配列と異なるが、第二の生殖系列配列中の対応するアミノ酸と同一であることが見出されたアミノ酸位置は、そのままにすることができるが、但し、前記第二の生殖系列配列は、問題のアミノ酸の両側で、少なくとも10、好ましくは12アミノ酸に関して、本発明のヒト抗体の配列と同一であり、及び同一線上にある。これにより、本発明のヒト抗体で処理された対象中の専門の抗原提示細胞によって免疫系に提示されるあらゆるペプチドエピトープが外来でなく、自己抗原(すなわち、第二の生殖系列配列によってコードされる免疫グロブリン)と同一であることが確保される。逆変異は、抗体の最適化の何れの段階においても行われ得る。好ましくは、逆変異は、選択的突然変異誘発アプローチの直前又は直後に行われる。より好ましくは、逆変異は、選択的突然変異誘発アプローチの直前に行われる。
III.好ましい選択的突然変異誘発位置、接触及び/又は高頻度変異位置への修飾
典型的には、改善された親和性を有する抗体の選択は、上記第II節及び本明細書中に組み込まれる米国特許第6,914,128号に記載されているように、ファージディスプレイ法を用いて実施することができる。これは、CDR残基の組み合わせを無作為に変異させること、及び異なる配列の抗体を含有する大規模なライブラリーを作製することによって達成することができる。しかしながら、これらの選択法が機能するために、抗体−抗原反応は、長時間にわたって、抗原に対してより高い親和性の抗体の優先的結合を可能にするために平衡状態となる傾向がなければならない。親和性のあるレベル(すなわち、抗体Y61のレベル)が達成された時点で、選択された抗IL−12抗体の親和性を改善するために、ファージディスプレイ法が使用された場合、(おそらく、抗原とファージ粒子間のさらなる非特異的相互作用のために)平衡状態を確立することができる選択条件を決定することはできない。従って、ファージディスプレイ法によって、さらに高い親和性を有する抗体を選択することはできない。従って、少なくともある種の抗体又は抗原に対しては、高度に改善された結合特異性/親和性を有する抗体を選択する能力において、ファージディスプレイ法には限界がある。従って、この限界を克服するために、抗体のファージディスプレイ親和性成熟を必要としない選択的突然変異誘発アプローチと名づけられた方法が確立され、本発明によって提供される。この選択的突然変異誘発アプローチは、ファージディスプレイ系を用いた限界を克服するために開発されたが、この方法は、ファージディスプレイ系とともに使用することもできることに注意すべきである。さらに、選択的突然変異誘発アプローチは、あらゆる抗体の活性を改善するために使用することができる。
抗体の活性(例えば、親和性又は中和活性)を向上させるために、理想的には、重鎖及び軽鎖の両方中のあらゆるCDR位置を他のあらゆる可能なアミノ酸残基に変異することが望まれる。しかしながら、抗体内には、平均して、70のCDR位置が存在するので、このようなアプローチには、多大な時間と労力が必要である。従って、本発明の方法は、重鎖及び/又は軽鎖CDR内のある選択された残基のみを変異させることによって、抗体の活性を改善することを可能にする。さらに、本発明の方法は、抗体の他の望ましい特性に影響を与えずに、抗体の活性を改善することを可能にする。
一次配列又は可変領域内でのそれらの位置に基づいて、抗体可変領域の何れのアミノ酸残基が抗原と接触しているかを決定することは正確に予想できない。それにも関わらず、異なる特異性を有する抗体由来の配列の並置がKabat他によって実施されることにより、抗体間で著しく異なる可変領域内の局所的領域としてCDRが同定された(Kabat et al.(1971)Ann.NY Acad., Sci.190:382−393,,Kabat, E.A., et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S.Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242)。構造的研究は、抗原結合表面がCDR中に存在するアミノ酸残基によって形成されることを示した。CDR外の他のアミノ酸残基は、構造的役割を果たし、又は抗原結合に直接関与することも知られている。従って、各抗原抗体対に対して、CDR内及びCDR外のアミノ酸残基が重要であり得る。
Tomlison他による配列並置研究によって、重鎖及び軽鎖CDR1及びCDR2の中に並びに体細胞変異が頻繁に生じる部位であるκ鎖CDR3の一部に多数の位置が同定された。(Tomlison et al(1996)J.Mol.Biol.256:813−817)。特に、位置H31、H31B、H33、H33B、H52B、H56、H58、L30、L31、L31A、L50、L53、L91、L92、L93及びL94が、体細胞変異が頻繁に生じる部位として同定された。しかしながら、この分析は、重要な重鎖CDR3領域及び抗体結合部位の中心に位置することが知られており、抗原との重要な相互作用を与える可能性を秘める軽鎖CDR3の区域を除外している。さらに、Tomlison他は、体細胞の多様性単独では、抗原結合における特定のアミノ酸の役割を必ずしも予測せず、抗原に接触する保存されたアミノ酸残基及び抗原と接触しない多岐にわたるアミノ酸残基を示唆しないことを提唱している。この結論は、抗体親和性に対する体細胞変異の役割に関する変異研究によってさらに裏付けられている(Sharon,(1990),PNAS,87:4814−7)。高親和性抗p−アゾフェニルアルソン酸(Ars)抗体中の19個の体細胞変異がそれらの対応する生殖系列残基と同時に置き換えられ、活性が200倍低下した抗Ars抗体の生殖系列バージョンが得られた。19の体細胞変異のうち僅か3つを回復させることによって抗Ars抗体の完全な親和性を回復することができ、抗原結合活性に寄与していない多くの体細胞変異が許容され得ることを示している。
この結果は、1つには、抗体の多様性そのものによって説明することができる。未成熟B細胞は、多数の自己又は非自己抗原を認識する低親和性抗体を当初産生し得る。さらに、抗体は、親和性成熟の過程において、自己反応性を引き起こし得る配列変動を受ける場合があり得る。このような低親和性抗体の高頻度変異は自己反応性を喪失させる役割を果たし(「負の選択」)、外来抗原に対する親和性を増加させ得る。従って、多数の抗体の一次及び構造的データの分析は、(1)望ましくない抗原に対する親和性を減少させるプロセスと比較した、親和性成熟プロセスにおける体細胞高頻度変異部位の役割又は(2)あるアミノ酸が、特異的な抗原抗体対の特性にどのように寄与するかを予測する方法を与えない。
抗原認識における特定のアミノ酸残基の役割を明らかにするための他の試みは、抗原抗体複合体の多数の結晶構造を分析することによって為された(MacCallum et al.(1996)J.Mol.Biol.262:732−745)。CDR内及びCDR外に位置する位置の潜在的な役割が示された。分析された26の構造のうち10を超える構造において、抗原結合に関与するCDR中の位置には、重鎖中のH31、H33、H50、H52、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98及びH100並びに軽鎖中のL30A、L32、L91、L92、L93、L94、L96が含まれた。しかしながら、著者は、これら及び他の構造的データを用いた抗原接触の予測は、接触位置を過大に又は過小に予測し得、異なる戦略を異なる抗原に対して適用しなければならないかもしれないという推測に至った。
Pini他は、抗体親和性を素早く増加させるために、大規模なファージディスプレイライブラリー中の抗体CDR配列中の複数の残基を無作為化することについて記載している(Pini et al.(1998)J.Biol Chem.273:21769−21776)。しかしながら、Pini他によって論述されている高親和性抗体は、合計8つの位置に変異を有しており、必要とされるアミノ酸の最小に対して、可能な多数の組み合わせを調べなければならないために、抗体の親和性を改善するために何れの変化が絶対に必要とされるかという還元的(reductionary)分析は非実用的なものとなる。
さらに、複数残基の無作為化は、抗体の他の所望される特性を必ずしも保持し得ない。抗体の望ましい特性又は特徴は本分野において認知されており、例えば、例えば他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持及びヒト生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体配列の保持、中和能の改善が含まれる。他の望ましい特性又は特徴には、種の交叉反応性を保持する能力、エピトープ特異性を保持する能力及び哺乳動物細胞中のタンパク質の高い発現レベルを保持する能力が含まれる。望ましい特性又は特徴は、ELISA、競合的ELISA、インビトロ及びインビボ中和アッセイ(例えば、米国特許第6,914,128号の実施例3参照)、必要に応じてヒト、霊長類又は他の源などの異なる源から得られた組織切片を用いた免疫組織化学及び一過性発現又は安定な発現を用いた哺乳動物細胞中での発現研究などの(但し、これらに限定されない。)本分野で認知された技術を用いて観察又は測定することができる。
さらに、Pini他の方法は、親和性を改善するために実際に必要とされる最少数より多い変化を導入する可能性があり、ヒト対象中の抗ヒト抗体(HAMA)形成の引き金を引く抗体をもたらし得る。さらに、他の箇所で論述されているように、ここに示されているファージディスプレイ又はその他の関連する方法(リボソームディスプレイなど)は、抗体と抗原間のある親和性に到達すると適切に機能しなくなる場合があり得、他のファージ又はリボソーム成分及び抗原との相互作用などのさらなる相互作用のために、平衡に到達するために必要な条件が合理的な時間枠内に確立されない場合があり得る。
当業者は、上に論述されている参考文献の教示から抗体の多様性の起源に関する興味深い科学的情報を収集し得る。しかしながら、本発明は、抗体の他の適切な特徴又は望ましい特徴を保持しつつ、特異的な抗原抗体対の抗体親和性を増加させる方法を提供する。抗原結合など、複数の異なる特徴を特異的抗体に対して付与することの望ましさを考えると、これは特に重要である。
出発抗体が保持される必要がある望ましい特性又は特徴を有する場合には、選択的突然変異誘発アプローチは、抗体の活性を改善しながら、これらの望ましい特性を保持するための最良の戦略であり得る。例えば、Y61の突然変異誘発において、目的は、所望の特性を保持しながら、hIL−12に対する親和性を増加させること及び抗体の中和能を改善することであった。Y61の所望される特性には、(1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、(2)優れたエピトープ特異性の保持(すなわち、好ましくはp70(p40/p35)ヘテロ二量体におけるp40エピトープを認識することにより、遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制する。)、及び(3)それぞれの生殖系列免疫グロブリン配列に可能な限り近い重鎖及び軽鎖アミノ酸配列を有する抗体の作製が含まれた。
一実施形態において、本発明の方法は、親和性及び/又は中和能を改善しながら、抗体の望ましい特性又は特徴を保持するための戦略として、選択的突然変異誘発アプローチを提供する。「選択的突然変異誘発アプローチ」という用語は上に定義されているとおりであり、選択されたアミノ酸残基を個別に変異させる方法を含む。まず好ましい選択的突然変異誘発位置から、次いで接触位置から、次いで高頻度変異位置から、変異されるべきアミノ酸残基を選択し得る。選択された各位置は、少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ変異させることが可能であり、抗体の所望の特性及び抗体活性の改善の両者に対する変異の効果が測定される。
選択的突然変異誘発アプローチは、
1)好ましい選択的突然変異誘発位置、2)接触位置、3)高頻度変異位置の順序で候補位置を選択する工程、抗体の重鎖及び軽鎖可変領域内の位置の配置に基づいて前記位置に順位を付ける工程(CDR3はCDR2より好ましく、CDR2はCDR1より好ましい)、
順位の順に、候補の好ましい選択的突然変異誘発位置、高頻度変異及び/又は接触位置を、他の全ての可能なアミノ酸残基へと個別に変異させ、活性増強アミノ酸残基を決定するために、抗体の活性に対して各変異が及ぼす影響を分析する工程、
必要であれば、各活性増強アミノ酸残基の段階的な組み合わせを作製し、及び抗体の活性に対する様々な組み合わせの効果を分析する工程;活性増強アミノ酸残基を有する変異抗体を選択し、アミノ酸置換の免疫原性の可能性に関して、アミノ酸置換の位置と種類に基づいて変異抗体を順位付けする工程を含む。生殖系列データベース中に記載されている可変領域配列とほぼ同じアミノ酸配列を含む変異抗体又は他のヒト抗体と同等のアミノ酸配列を有する変異抗体に対して最も高い順位が与えられる。生殖系列配列又は別のヒト抗体の配列の何れかにおいて稀に遭遇されるアミノ酸置換を含有する変異抗体には、より低い順位が与えられる。生殖系列配列又は別のヒト抗体の配列中で遭遇されないアミノ酸置換を有する変異抗体には、最も低い順位が与えられる。上述されているように、CDR3中に配置された少なくとも1つの活性増強アミノ酸残基を含む変異抗体は、CDR2中に配置されたものより好ましく、CDR2中に配置されたものは、CDR1中に配置されたものより好ましい。重鎖可変領域のCDRは、軽鎖可変領域のCDRより好ましい。
変異抗体は、例えば対応する親抗体と比較したときの活性の改善に関して研究することもできる。変異抗体の活性の改善は、例えば、中和アッセイ又は表面プラズモン共鳴分析による結合特異性/親和性によって測定することができる(米国特許第6,914,128号の実施例3参照)。好ましくは、活性の改善は、親抗体より少なくとも2から20倍高くなり得る。活性の改善は、親抗体より少なくとも「X1」から「X2」倍高くなり得、「X1」及び「X2」は2と20の間の整数(2から20を含む。)であり、表記範囲内の範囲(例えば、2から15、例えば、5から10)を含む。
活性増強アミノ酸残基を有する変異抗体は、少なくとも1つの他の望ましい特性が変異後に保持されているかどうかを測定するために研究することもできる。例えば、抗hIL−12抗体を用いて、(1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、(2)エピトープ認識の保持(すなわち、好ましくはp70(p40/p35)ヘテロ二量体におけるp40エピトープを認識することにより、遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制する。)、及び(3)それぞれの生殖系列免疫グロブリン配列に可能な限り近い重鎖及び軽鎖アミノ酸配列を有する抗体の作製及び生殖系列配列からの差の数に基づく、何れがヒト免疫応答を惹起する可能性が最も低いかという測定に関して検査される。望ましい特性又は特徴の保持が起こったかどうかを決定するために、2以上の活性増強アミノ酸残基(例えば、少なくとも2つ又は少なくとも3つの活性増強アミノ酸残基)を有する抗体に対する同じ観察を行うことができる。
Y61の突然変異誘発における「選択的突然変異誘発アプローチ」の使用の例が以下に記載されている。各変異H31S−>E、L50−>Y又はL94G−>Yは、それぞれ、抗体の中和活性を改善した。しかしながら、組み合わせクローンを検査すると、組み合わせクローンH31S−>E+L50−>Y+L94G−>Yの活性は、L50−>Y+L94G−>Y(J695)より優れていなかった。従って、CDR1の31位の生殖系列アミノ酸残基SerからGluへの変更は、Y61に対してJ695の活性を改善させるのに不要であった。従って、選択的突然変異誘発アプローチは、最終活性に寄与する変化の最少数を特定し、これにより、最終抗体の免疫原性の可能性を低下させ、抗体の他の所望の特性を保持する。
選択された突然変異誘発アプローチによって作製されたVH及びVLをコードする単離されたDNAは、第IV節に記載されているように、完全長抗体鎖遺伝子、Fab断片遺伝子、scFV遺伝子へ転化され得る。第IV節に詳しく記載されているように、様々な宿主細胞中に、選択された突然変異誘発アプローチによって作製されたVH及びVL領域の発現のために、重鎖及び軽鎖をコードする発現ベクターを形質移入することができる。好ましい宿主細胞には、原核宿主細胞、例えば、イー・コリ(E.coli)又は真核宿主細胞、例えば、酵母細胞、例えば、S.セレビサエ(S.cerevisae)が含まれる。最も好ましい真核宿主細胞は哺乳動物宿主細胞であり、第IV節に詳しく記載されている。
選択的突然変異誘発アプローチは、他の手段による抗体の事前の親和性成熟なしに、改善された活性を有する抗体を作製する方法を提供する。選択的突然変異誘発アプローチは、逆転移に供された、改善された親和性を有する抗体を作製する方法を提供する。選択的突然変異誘発アプローチは、親和性成熟された抗体の活性を改善させる方法も提供する。
当業者は、本分野で公知の標準的な抗体操作技術において、選択的突然変異誘発アプローチを使用できることを認識する。例には、CDR移植抗体、キメラ抗体、scFV断片、完全長抗体のFab断片及び他の源(例えば、トランスジェニックマウス)から得られたヒト抗体が含まれるが、これらに限定されない。
抗体の迅速な大規模変異分析には、リボソームディスプレイ技術を用いたインビトロ転写及び翻訳が含まれる(例えば、Hanes et al,(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.94:4937−4942;Dall Acqua et al.,(1998)Curr.Opin.Struc.Biol.8:443−450;He et al.,(1997)Nucleic Acid Res.25:5132−5134及びKawasakiに対して付与された米国特許第5,643,768号及び米国特許第5,658,754号参照)。選択的突然変異誘発アプローチは、リボソームディスプレイ技術を用いて選択することができる、改善された活性を有する抗体を作製する方法も提供する。
本発明の方法において、抗体又はその抗原結合部分は、HCVR及び/又はLCVRのCDR中の各位置を変化させることによってさらに修飾される。これらの修飾はファージディスプレイされた抗体中に施すことができるが、細菌、酵母又は哺乳動物細胞発現系などの宿主系の他の種類中で発現される抗体を用いて実施できる点で、この方法は有利である。修飾のために選択されたCDR内の各位置は、接触及び/又は高頻度変異位置である位置を基礎とする。
本明細書中に定義されている好ましい接触位置及び高頻度変異位置は米国特許第6,914,128号の表3(米国特許第6,914,128号の添付書類A及び本明細書に添付されている添付書類Aの表3参照)中に示されており、本発明の方法に従うそれらの修飾は、米国特許第6,914,128号の実施例2に詳しく記載されている。好ましい接触位置は、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96からなる群から選択される。好ましい高頻度変異位置は、H30、H31、H31B、H32、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L53及びL93からなる群から選択される。より好ましいアミノ酸残基(「好ましい選択的突然変異誘発位置」と称される。)は接触及び高頻度変異位置の両方であり、H30、H31、H31B、H32、H33、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L50、L91、L92、L93、L94からなる群から選択される。特に好ましい接触位置は、L50及びL94からなる群から選択される。好ましい活性増強アミノ酸残基は、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96からなる群から選択される位置に位置するアミノ酸残基を置換する。より好ましい活性増強アミノ酸残基は、位置H30、H31、H31B、H32、H33、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L50、L91、L92、L93、L94に位置するアミノ酸残基を置換する。特に、好ましい活性増強アミノ酸残基は、L50及びL94からなる群から選択される位置に位置するアミノ酸残基を置換する。
一般に、本発明の方法は、目的の親抗体又はその抗原結合部分の重鎖又は軽鎖のCDR内の特定の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触及び/又は高頻度変異位置を選択すること、(例えば、修飾された抗体の「ミニライブラリー」を作製するために、変異原性オリゴヌクレオチドを用いた遺伝学的手段により)その各位置を無作為に変異させること、又は活性増強アミノ酸残基を同定するために、特異的な所望のアミノ酸に対する位置を変異させ、発現させること及び(例えば、非ファージディスプレイ宿主系中で)修飾された抗体を精製すること、(例えば、BIAcore分析によってkoff速度を測定することによって)抗原に対する修飾された抗体の活性を測定すること、必要に応じて、他のCDR位置に対してこれらの工程を反復すること、並びに改善された活性を有することが示された各変異を組み合わせること、並びにこの組み合わせが、親抗体よりさらにより大きな活性(例えば、親和性又は中和能)を有する抗体又はその抗原結合部分を生成するかどうかを検査することを含む。
従って、一実施形態において、本発明は、
a)親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)相補性決定領域(CDR)内の、1)好ましい選択的突然変異誘発位置、2)接触位置又は3)高頻度変異位置を順に変異のために選択することにより、選択された好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を特定すること;
c)前記選択された好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異させ、これにより変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製すること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価すること;
e)少なくとも1つの他の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に対して、工程a)からd)を場合によって反復すること;
f)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性を有することが示された各変異を親抗体又はその抗原結合部分中で組み合わせること;並びに
g)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、親抗体又はその抗原結合部分に対して組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性を評価すること、を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。好ましくは、選択された一又は複数の抗体は、上記親抗体の少なくとも1つの望ましい特徴又は特性を喪失せずに又は保持しながら、改善された活性を有する。望ましい特徴又は特性は、本分野で認知された技術を用いて、当業者によって測定又は観察され得る。
好ましい接触位置は、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96からなる群から選択される。好ましい高頻度変異位置は、H30、H31、H31B、H32、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L53及びL93からなる群から選択される。より好ましい、好ましい選択的突然変異誘発位置は、H30、H31、H31B、H32、H33、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L50、L91、L92、L93及びL94からなる群から選択される。特に好ましい接触位置は、L50及びL94からなる群から選択される。
別の実施形態において、本発明は、
a)親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)相補性決定領域(CDR)内の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を変異のために選択すること;
c)これにより、変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製ために、前記選択された好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異すること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)少なくとも1つの他の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に対して、工程a)からd)を場合によって反復すること;
f)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性を有することが示された2つの各活性増強アミノ酸残基を親抗体又はその抗原結合部分中で組み合わせること;並びに
g)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、親抗体又はその抗原結合部分と比べて、2つの活性増強アミノ酸残基を有する組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性を評価すること、
を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
好ましい接触位置は、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96からなる群から選択される。好ましい高頻度変異位置は、H30、H31、H31B、H32、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L53及びL93からなる群から選択される。より好ましい、好ましい選択的突然変異誘発位置は、H30、H31、H31B、H32、H33、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L50、L91、L92、L93及びL94からなる群から選択される。特に好ましい接触位置は、L50及びL94からなる群から選択される。
別の実施形態において、本発明は、
a)親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)相補性決定領域(CDR)内の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を変異のために選択すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異すること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)少なくとも1つの他の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に対して、工程a)からd)を場合によって反復すること;
f)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性を有することが示された3つの各活性増強アミノ酸残基を親抗体又はその抗原結合部分中で組み合わせること;並びに
g)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、親抗体又はその抗原結合部分と比べて、2つの活性増強アミノ酸残基を有する組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性を評価すること、
を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
好ましくは、活性増強アミノ酸残基は、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96からなる群から選択される位置に位置するアミノ酸残基を置換する。
各選択された位置の突然変異誘発に続いて、各クローン中の選択された位置の中に何れのアミノ酸残基が導入されたかを特定するために、変異されたクローンの配列を決定することができる。統計学的に10から15の特有の抗体を与えるはずであるクローンの少数(例えば、約24)を配列決定のために選択することができるのに対して、選択された位置に全ての可能な置換を有する抗体が確実に同定されるようにするために、より多数のクローン(例えば、60超)を配列決定することができる。
一実施形態において、まず、重鎖及び/又は軽鎖のCDR3領域内の接触及び/又は高頻度変異位置が、突然変異誘発のために選択される。しかしながら、ファージディスプレイ選択を介したCDR3領域の無作為突然変異誘発によって、インビトロで既に親和性成熟されている抗体に関しては、好ましくは、まず、重鎖及び/又は軽鎖のCDR1又はCDR2内の接触及び/又は高頻度変異位置を選択することが好ましい場合があり得る。
より好ましい実施形態において、まず、重鎖及び/又は軽鎖のCDR3領域内の好ましい選択的突然変異誘発位置が、突然変異誘発のために選択される。しかしながら、ファージディスプレイ選択を介したCDR3領域の無作為突然変異誘発によって、インビトロで既に親和性成熟されている抗体に関しては、まず、重鎖及び/又は軽鎖のCDR1又はCDR2内の好ましい選択的突然変異誘発位置を選択することが好ましい場合があり得る。
別の好ましい実施形態において、選択的突然変異誘発アプローチによる選択された抗体の最適化は、以下のようにして、順次に行われる。まず、H30、H31、H31B、H32、H33、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L50、L91、L92、L93、L94からなる群から選択される好ましい選択的突然変異誘発位置を、それぞれ、少なくとも2つの他のアミノ酸(好ましくは、5から14の他のアミノ酸)へ変異し、増加した親和性、中和能に関して(及び、おそらくは、他の箇所に論述されている少なくとも1つの他の保持された特徴又は特性に関しても)、得られた抗体を性質決定する。単一の好ましい選択的突然変異誘発位置の変異が、親和性又は中和能を全く又は十分に増加させず、及び好ましい選択的突然変異誘発位置中のアミノ酸を置換する複数の活性増強アミノ酸の組み合わせさえ、目標活性(親和性及び/又は中和能を含む。)を満たす組み合わせ抗体をもたらさない場合には、H35、H50、H53、H54、H95、H96、H97、H98、L30A及びL96からなる群から得られる選択的突然変異誘発のために、さらなるアミノ酸残基が選択され、それぞれ、少なくとも2つの他のアミノ酸(好ましくは、5から14の他のアミノ酸)へ変異され、増加した親和性、中和能に関して(及び、おそらくは、他の箇所に論述されている少なくとも1つの他の保持された特徴又は特性に関しても)、得られた抗体を性質決定する。
H35、H50、H53、H54、H95、H96、H97、H98、L30A及びL96からなる群から選択される単一のアミノ酸残基の変異が、活性(親和性及び/又は中和能を含む。)を全く又は十分に増加させず、及びこれらの位置中のアミノ酸を置換する複数の活性増強アミノ酸の組み合わせさえ、目標とされる活性(親和性及び/又は標的中和能を含む。)を満たす組み合わせ抗体をもたらさない場合には、H33B、H52B及びL31Aからなる群から、選択的突然変異誘発のために、さらなるアミノ酸残基が選択され、それぞれ、少なくとも2つの他のアミノ酸(好ましくは、5から14の他のアミノ酸)へ変異され、増加した親和性、中和能に関して(及び、おそらくは、他の箇所に論述されている少なくとも1つの他の保持された特徴又は特性に関しても)、得られた抗体を性質決定する。
順次行われる選択的突然変異誘発アプローチは、所望の活性(親和性及び中和能を含む。)を有する抗体が同定された時点で直ちに、上に概説されている工程の何れにおいても終了し得ることを理解すべきである。予め選択された位置の突然変異誘発が活性増強アミノ酸残基を同定したが、組み合わせ抗体が、活性(親和性及び/又は中和能を含む。)に対する目標の組をなお満たさない場合、及び/又は同定された活性増強アミノ酸が他の望ましい特徴にも影響を及ぼし、従って、許容できない場合には、残りのCDR残基が突然変異誘発に供せられ得る(IV節参照)。
本発明の方法は、所定の目標活性(例えば、所定の親和性及び/又は中和能及び/又は所望の特性若しくは特徴)に到達するために、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善するために使用することができる。
従って、本発明は、
a)親抗体、その抗原結合部分を提供すること;
b)H30、H31、H31B、H32、H33、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L50、L91、L92、L93、L94からなる群から選択される好ましい選択的突然変異誘発位置を選択すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の第一の群を作製するために、選択された好ましい選択的突然変異誘発位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異すること;
d)単一の選択的突然変異誘発位置の変異が所定の目標活性又は部分的目標活性を有する抗体又はその抗原結合部分を与えるかどうかを決定するために、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記第一の群の活性を評価すること;
e)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性を有することが示された各変異を、段階的な様式で、親抗体又はその抗原結合部分中に組み合わせること;
f)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分が所定の目標活性又は部分的目標活性を有するかどうかを決定するために、組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性を評価すること;
g)工程d)又はf)が所定の目標活性を有する抗体若しくはその抗原結合部分をもたらさず、又は部分活性を有するに過ぎない抗体をもたらした場合には、変異された抗体又はその抗原結合部分の第二の群を作製するために、H35、H50、H53、H54、H95、H96、H97、H98、L30A及びL96からなる群から選択されるさらなるアミノ酸残基を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ変異させること、
h)H35、H50、H53、H54、H95、H96、H97、H98、L30A及びL96からなる群から選択される単一のアミノ酸残基の変異が所定の目標活性又は部分活性を有する抗体又はその抗原結合部分をもたらすかどうかを決定するために、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記第二の群の活性を評価すること;
i)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性を有することが示された工程g)の各変異を、段階的な様式で、親抗体又はその抗原結合部分中に組み合わせること;
j)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分が所定の目標活性又は部分的目標活性を有するかどうかを決定するために、組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性を評価すること;
k)工程h)又はj)が所定の目標活性を有する抗体若しくはその抗原結合部分をもたらさず、又は部分活性を有するに過ぎない抗体をもたらした場合には、変異された抗体又はその抗原結合部分の第三の群を作製するために、H33B、H52B及びL31Aからなる群から選択されるさらなるアミノ酸残基を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ変異させること;
l)H33B、H52B及びL31Aからなる群から選択される単一のアミノ酸残基の変異が所定の目標活性又は部分活性を有する抗体又はその抗原結合部分をもたらすかどうかを決定するために、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記第三の群の活性を評価すること;
m)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性を有することが示された工程k)の各変異を、段階的な様式で、親抗体又はその抗原結合部分中に組み合わせること;
n)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分が所定の目標活性を有するかどうかを決定するために、組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性を評価し、これにより、所定の目標活性を有する抗体又はその抗原結合部分を与えること、を含む、所定の目標活性を達成するために、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
PCRアセンブリー、Kunkel(dut−ung−)及びチオリン酸(Amersham Sculptor kit)オリゴヌクレオチド指定突然変異誘発を含む多数の突然変異誘発法を使用することができる。
変異された抗体を発現させるために、細菌、酵母、バキュロウイルス及び哺乳動物の発現系(及びファージディスプレイ発現系)を含む、多様な宿主発現系を使用することができる。適切な細菌性発現ベクターの例は、pUC119(Sfi)である。他の抗体発現系が本分野において公知であり、及び/又は以下のIV節に記載されている。
本発明の方法によって作製された、修飾された抗体又はその抗原結合部分は、選択のために、ファージディスプレイ法に依存することなく同定することができる。従って、本発明の方法は、ファージディスプレイ系中での選択によって得られるが、ファージディスプレイ系中での突然変異誘発によって、その活性をさらに改善することができない組換え親抗体又はその抗原結合部分の活性を改善するのに特に有利である。
従って、別の実施形態において、本発明は、
a)ファージディスプレイ系における選択によって取得されたが、前記ファージディスプレイ系中での突然変異誘発によって、その活性をさらに改善することができない組換え親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)変異のために相補性決定領域(CDR)内の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を選択することにより、選択された接触又は高頻度変異位置を特定すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異させ、及び非ファージディスプレイ系中で前記パネルを発現させること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価すること;
e)少なくとも1つの他の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に対して、工程b)からd)を場合によって反復すること;
f)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性を有することが示された各変異を親抗体又はその抗原結合部分中に組み合わせること;並びに
g)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、親抗体又はその抗原結合部分に対して組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性を評価すること、
を含む、抗体又はその抗原結合部分の親和性を改善する方法を提供する。
好ましい接触位置は、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96からなる群から選択される。好ましい高頻度変異位置は、H30、H31、H31B、H32、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L53及びL93からなる群から選択される。より好ましい、好ましい選択的突然変異誘発位置は、H30、H31、H31B、H32、H33、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L50、L91、L92、L93及びL94からなる群から選択される。特に好ましい接触位置は、L50及びL94からなる群から選択される。
利用可能な方法を用いて、上に論述されている抗体の他の特性又は特徴を保持しながら、増加された結合親和性及び中和能を有する抗体を誘導することは不可能であり、又は極めて手間がかかる。しかしながら、本発明の方法は、このような抗体を容易に同定することができる。本発明の方法に供される抗体は、あらゆる採取源に由来し得る。
従って、別の実施形態において、本発明は、
a)組換え親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)変異のために相補性決定領域(CDR)内の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を選択することにより、選択された好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を特定すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異させ、及び適切な発現系中で前記パネルを発現させること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性及び少なくとも1つの保持された特性又は特徴を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、少なくとも1つの他の特性又は特徴に関して(前記特性又は特徴は、前記抗体中に保持される必要がある特性又は特徴である。)、親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群を評価すること、
を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
好ましい実施形態において、接触位置はH30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96からなる群から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
別の好ましい実施形態において、高頻度変異位置は、H30、H31、H31B、H32、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L53及びL93からなる群から選択され、並びに他の特徴は、1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
より好ましい実施形態において、選択的突然変異誘発のための残基はH30、H31、H31B、H32、H33、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L50、L91、L92、L93、L94からなる群から得られる好ましい選択的突然変異誘発位置から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
より好ましい実施形態において、接触位置はL50及びL94からなる群から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
従って、特異的な抗原に対する抗体の親和性が改善されるべきであるが、ファージディスプレイ(又はリボソームディスプレイを含む関連する系)法がもはや適用可能でなく、他の望ましい特性又は特徴が保持されるべき場合には、本発明の方法を使用することができる。従って、別の実施形態において、本発明は、
a)ファージディスプレイ系における選択によって取得されたが、前記ファージディスプレイ系中での突然変異誘発によって、その活性をさらに改善することができない組換え親抗体又はその抗原結合部分を準備すること;
b)変異のために相補性決定領域(CDR)内の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を選択することにより、選択された好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を特定すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異させ、及び非ファージディスプレイ系中で前記パネルを発現させること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性及び少なくとも1つの保持された特性又は特徴を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、少なくとも1つの他の特性又は特徴(該特性又は特徴は保持される必要がある特性又は特徴である。)に関して、親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群を評価すること、
f)少なくとも1つの他の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に対して、工程a)からe)を場合によって反復すること;
g)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性及び少なくとも1つの保持された特性又は特徴を有することが示された少なくとも2つの各活性増強アミノ酸残基を親抗体又はその抗原結合部分中で組み合わせること;並びに
h)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性及び少なくとも1つの保持された他の特性又は特徴を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、親抗体又はその抗原結合部分に対して組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性を評価すること、を含む、本発明は、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
好ましい実施形態において、接触位置はH30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96からなる群から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
別の好ましい実施形態において、高頻度変異位置は、H30、H31、H31B、H32、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L53及びL93からなる群から選択され、並びに他の特徴は、1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
より好ましい実施形態において、選択的突然変異誘発のための残基はH30、H31、H31B、H32、H33、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L50、L91、L92、L93、L94からなる群から得られる好ましい選択的突然変異誘発位置から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
より好ましい実施形態において、接触位置はL50及びL94からなる群から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
別の実施形態において、本発明は、
a)ファージディスプレイ系における選択によって取得されたが、前記ファージディスプレイ系中での突然変異誘発によって、その活性をさらに改善することができない組換え親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)変異のために相補性決定領域(CDR)内の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を選択することにより、選択された接触又は高頻度変異位置を特定すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異させ、及び非ファージディスプレイ系中で前記パネルを発現させること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性及び少なくとも1つの保持された特性又は特徴を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、少なくとも1つの他の特性又は特徴(該特性又は特徴は保持される必要がある特性又は特徴である。)に関して、親抗体又はその抗原結合部分に対して変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群を評価すること、
を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
好ましい実施形態において、接触位置はH30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96からなる群から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
別の好ましい実施形態において、高頻度変異位置は、H30、H31、H31B、H32、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L53及びL93からなる群から選択され、並びに他の特徴は、1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
より好ましい実施形態において、選択的突然変異誘発のための残基はH30、H31、H31B、H32、H33、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L50、L91、L92、L93、L94からなる群から得られる好ましい選択的突然変異誘発位置から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
より好ましい実施形態において、接触位置はL50及びL94からなる群から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
別の実施形態において、本発明は、
a)ファージディスプレイ系における選択によって取得されたが、前記ファージディスプレイ系中での突然変異誘発によって、その活性をさらに改善することができない組換え親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)変異のために相補性決定領域(CDR)内の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を選択することにより、選択された接触又は高頻度変異位置を特定すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異させ、及び非ファージディスプレイ系中で前記パネルを発現させること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性及び少なくとも1つの保持された特徴を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、少なくとも1つの他の特性又は特徴(該特性又は特徴は保持される必要がある特性又は特徴である。)に関して、親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群を評価すること;
f)少なくとも1つの他の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に対して、工程a)からe)を場合によって反復すること;
g)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性及び少なくとも1つの保持された他の特徴を有することが示された少なくとも2つの各活性増強アミノ酸残基を親抗体又はその抗原結合部分中で組み合わせること;並びに
h)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、改善された活性及び少なくとも1つの保持された特性又は特徴を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、親抗体又はその抗原結合部分に対して組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性を評価すること、
を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
好ましい実施形態において、接触位置はH30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96からなる群から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
別の好ましい実施形態において、高頻度変異位置は、H30、H31、H31B、H32、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L53及びL93からなる群から選択され、並びに他の特徴は、1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
より好ましい実施形態において、選択的突然変異誘発のための残基はH30、H31、H31B、H32、H33、H52、H56、H58、L30、L31、L32、L50、L91、L92、L93、L94からなる群から得られる好ましい選択的突然変異誘発位置から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
より好ましい実施形態において、接触位置はL50及びL94からなる群から選択され、並びに他の特徴は1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
IV.他のCDR残基の修飾
最終的には、ある抗体−抗原結合対中の全てのCDR残基は、何らかの手段によって、活性増強アミノ酸残基として必要とされることが同定され、及び/又は抗原への結合のために、及び/又は抗体の他の望ましい特性若しくは特徴を保持するために直接若しくは間接に必要とされることが同定される。このようなCDR残基は、「好ましい選択的突然変異誘発位置」と称される。特別な状況では、抗体及び抗原の同時結晶化並びに分子モデル化などの他の手段によっても、好ましい選択的突然変異誘発残基を同定することができることに注意すべきである。
上述されている好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に対して的を絞って活性増強アミノ酸を同定する好ましい試みが枯渇した場合、又はさらなる改良が必要とされる場合には、残りのCDR残基を、以下に記載されているように修飾し得る。上に論述されている実施形態に従って、何れかの1つ又はそれ以上の接触又は高頻度修飾位置において抗体は既に修飾され得るが、さらなる改善が必要な場合があり得ることを理解すべきである。従って、別の実施形態において、本発明は、
a)親抗体又はその抗体結合部分を提供すること;
b)変異のために、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96以外の相補性決定領域(CDR)内のアミノ酸残基を選択すること;
c)変異された抗体又は変異された抗体の群又はこれらの抗原結合部分を作製するために、前記選択された位置を、例えば少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異すること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又は変異された抗体の群又はこれらの抗原結合部分の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、少なくとも1つの他の特性又は特徴の変化に関して、親抗体又はその抗原結合部分に対して変異された抗体又は変異された抗体の群又はこれらの抗原結合部分を評価すること、
を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
好ましくは、他の特徴又は特性は、1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
単一の残基の突然変異誘発が十分でない場合には、他の残基を含めることが可能である。従って、別の実施形態において、本発明は、
a)親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)変異のために、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96以外の相補性決定領域(CDR)内のアミノ酸残基を選択すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異すること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)b)の下で選択された位置でなく、並びにH30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96の位置でもない少なくとも1つの他のCDR位置に対して、工程b)からd)を反復すること;
f)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性を有することが示された少なくとも2つの各活性増強アミノ酸残基を親抗体又はその抗原結合部分中で組み合わせること;並びに
g)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、親抗体又はその抗原結合部分と比べて、2つの活性増強アミノ酸残基を有する組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性を評価すること;
を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
上述されている接触又は高頻度変異位置に的を絞って活性増強アミノ酸を同定するための好ましい試みが枯渇し、又はさらなる改良が必要とされ、及び突然変異誘発及びファージディスプレイ(又は関連するリボソームディスプレイ)法によって、問題の抗体をさらに最適化することができない場合には、以下に記載されているように、残りのCDR残基を修飾し得る。上に論述されている実施形態に従って、何れかの1つ又はそれ以上の好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度修飾位置において抗体は既に修飾され得るが、さらなる改善が必要な場合があり得ることを理解すべきである。
従って、別の実施形態において、本発明は、
a)ファージディスプレイ系における選択によって取得されたが、前記ファージディスプレイ系中での突然変異誘発によって、その活性をさらに改善することができない組換え親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)変異のために、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94以外の相補性決定領域(CDR)内のアミノ酸残基を選択すること;並びに
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された接触又は高頻度変異位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異させ、及び非ファージディスプレイ系中で前記群を発現させること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、少なくとも1つの他の特性又は特徴の変化に関して、親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群を評価すること、
を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
好ましくは、他の特徴又は特性は、1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
抗体の親和性を増加させるのに、単一の突然変異誘発が十分でない場合には、他の残基を突然変異誘発の中に含め得る。従って、別の実施形態において、本発明は、
a)ファージディスプレイ系における選択によって取得されたが、前記ファージディスプレイ系中での突然変異誘発によって、その活性をさらに改善することができない親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)変異のために、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96以外の相補性決定領域(CDR)内のアミノ酸残基を選択すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異させ、及び非ファージディスプレイ系中で発現させること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)b)の下で選択された位置でなく、並びにH30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94の位置でもない少なくとも1つの他の位置に対して、工程b)からd)を反復すること;
g)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性を有することが示された少なくとも2つの各活性増強アミノ酸残基を親抗体又はその抗原結合部分中で組み合わせること;並びに
h)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、親抗体又はその抗原結合部分と比べて、2つの活性増強アミノ酸残基を有する組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性及び他の特性又は特徴を評価すること、
を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
好ましくは、他の特徴又は特性は、1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
記載されている好ましい選択的突然変異誘発位置、接触又は高頻度変異位置に対して的を絞った活性増強アミノ酸を同定するための好ましい試みが枯渇する場合があり得、又はさらなる改良が必要とされる場合があり得、抗体の他の特性又は特徴を保持することが重要である。
従って、別の実施形態において、本発明は、
a)親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)変異のために、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96以外の相補性決定領域(CDR)内のアミノ酸残基を選択すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異すること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性及び保持された他の特性又は特徴を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、少なくとも1つの他の特性又は特徴の変化に関して、親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群を評価すること;
を含む、他の特徴に影響を与えずに、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
好ましくは、他の特徴又は特性は、1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
単一の残基の突然変異誘発が十分でなければ、他の残基を含めることができる。従って、別の実施形態において、本発明は、
a)親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)変異のために、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96以外の相補性決定領域(CDR)内のアミノ酸残基を選択すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異すること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)少なくとも1つの他の特徴又は特性の変化に関して、親抗体又はその抗原部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群を評価すること;
e)b)の下で選択された位置でなく、並びにH30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96の位置でもない少なくとも1つの他のCDR位置に対して、工程b)からe)を反復すること;
f)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性を有し及び少なくとも1つの他の特性又は特徴に影響を与えないことが示された少なくとも2つの各活性増強アミノ酸残基を親抗体又はその抗原結合部分中で組み合わせること;並びに
g)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性及び少なくとも1つの保持された他の特性又は特徴を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、親抗体又はその抗原結合部分と比べて、2つの活性増強アミノ酸残基を有する組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性及び少なくとも1つの他の特性又は特徴の保持を評価すること;
を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
好ましい選択的突然変異誘発位置、接触及び高頻度変異残基の突然変異誘発が抗体の親和性を十分に増加させず、突然変異誘発及びファージディスプレイ法(又は関連するリボソームディスプレイ法)が、もはや有用ではない場合があり得、抗体の少なくとも1つの他の特徴又は特性を保持すべきである。
従って、別の実施形態において、本発明は、
a)ファージディスプレイ系における選択によって取得されたが、前記ファージディスプレイ系中での突然変異誘発によって、その活性をさらに改善することができない親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)変異のために、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96以外の相補性決定領域(CDR)内のアミノ酸残基を選択すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異させ、及び非ファージディスプレイ系中で発現させること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、少なくとも1つの他の特性又は特徴の変化に関して、親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群を評価すること;
を含む、抗体又はその抗原結合部分の親和性を改善する方法を提供する。
好ましくは、他の特徴又は特性は、1)他のタンパク質又はヒト組織との非交叉反応性の保持、2)エピトープ認識の保持(すなわち、p40エピトープ、好ましくはp70(遊離の可溶性p40からの結合妨害を抑制するp40/p35ヘテロ二量体)におけるp40エピトープを認識する。)及び/又は3)生殖系列免疫グロブリン配列に近い抗体を産生することから選択される。
単一の残基の突然変異誘発が十分でなければ、他の残基を含めることができる。従って、別の実施形態において、本発明は、
a)ファージディスプレイ系における選択によって取得されたが、前記ファージディスプレイ系中での突然変異誘発によって、その活性をさらに改善することができない親抗体又はその抗原結合部分を提供すること;
b)変異のために、H30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96以外の相補性決定領域(CDR)内のアミノ酸残基を選択すること;
c)変異された抗体又はその抗原結合部分の群を作製するために、前記選択された位置を少なくとも2つの他のアミノ酸残基へ個別に変異させ、及び非ファージディスプレイ系中で発現させること;
d)親抗体又はその抗原結合部分と比べて、変異された抗体又はその抗原結合部分の前記群の活性及び少なくとも1つの他の特性又は特徴の保持を評価することにより、活性増強アミノ酸残基を同定すること;
e)b)の下で選択された位置でなく、並びにH30、H31、H31B、H32、H33、H35、H50、H52、H52A、H53、H54、H56、H58、H95、H96、H97、H98、H101、L30、L31、L32、L34、L50、L52、L53、L55、L91、L92、L93、L94及びL96の位置でもない少なくとも1つの他のCDR位置に対して、工程b)からd)を反復すること;
f)組み合わせ抗体又はその抗原結合部分を形成するために、改善された活性を有し及び少なくとも1つの他の特性又は特徴に影響を与えないことが示された少なくとも2つの各活性増強アミノ酸残基を親抗体又はその抗原結合部分中で組み合わせること;並びに
g)親抗体又はその抗原結合部分と比べて改善された活性及び少なくとも1つの他の保持された特徴又は特性を有する抗体又はその抗原結合部分が得られるまで、親抗体又はその抗原結合部分に対して2つの活性増強アミノ酸残基を有する組み合わせ抗体又はその抗原結合部分の活性及び少なくとも1つの特性又は特徴の保持を評価すること、
を含む、抗体又はその抗原結合部分の活性を改善する方法を提供する。
V.抗体の発現
本発明の抗体又は抗体部分は、宿主細胞中での、免疫グロブリン軽鎖及び重鎖遺伝子の組換え発現によって調製することが可能である。抗体を組換え的に発現させるために、軽鎖及び重鎖が宿主細胞中で発現されるように、及び好ましくは、宿主細胞がその中で培養されている培地(抗体は、この培地から回収することが可能である。)中に分泌されるように、抗体の免疫グロブリン軽鎖及び重鎖をコードするDNA断片を担持する1つ又はそれ以上の組換え発現ベクターで、宿主細胞が形質移入される。抗体重鎖及び軽鎖遺伝子を取得し、これらの遺伝子を組換え発現ベクター中に組み込み、ベクターを宿主細胞中に導入するために、「Sambrook,Fritsch and Maniatis(eds),Molecular Cloning;A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor, N.Y.,(1989), Ausubel F.M. et al.(eds.)Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates,(1989)及びBossらによる米国特許第4,816,397号」に記載されているものなどの標準的な組換えDNA法が使用される。
Joe9wt又はJoe9wt関連抗体の重鎖可変領域をコードするDNA断片を得るために、第II節に記載されているように、ヒトIL−12に対して特異的な抗体をヒトライブラリーからスクリーニングし、変異する。Joe9wt又はJoe9wt関連VH及びVLセグメントをコードするDNA断片が得られたら、これらの配列の突然変異誘発は、PCR部位指定突然変異誘発(PCR産物が変異を含有するように、変異されたヌクレオチドがPCRプライマー中に取り込まれるPCR媒介突然変異誘発)又は他の部位指定突然変異誘発法などの標準的な方法によって実施される。例えば、可変領域遺伝子を完全長抗体鎖遺伝子、Fab断片遺伝子又はscFv遺伝子へ転化するために、標準的な組換えDNA技術によって、望ましい活性及び結合特異性/親和性のレベルを示したヒトIL−12抗体、例えばJ695をさらに操作した。これらの操作では、VL又はVHをコードするDNA断片は、抗体定常領域又は柔軟なリンカーなど、別のタンパク質をコードする別のDNA断片へ作用可能に連結されている。本明細書において使用される「作用可能に連結された」という用語は、2つのDNA断片によってコードされたアミノ酸配列が翻訳領域内に保たれるように、2つのDNA断片が連結されていることを意味するものとする。
VH領域をコードする単離されたDNAは、VHをコードするDNAを、重鎖定常領域(CH1、CH2及びCH3)をコードする別のDNA分子へ作用可能に連結することによって、完全長重鎖遺伝子へと転化することが可能である。ヒト重鎖定常領域遺伝子の配列は、本分野において公知であり(例えば、Kabat, E.A., et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S.Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242を参照)、これらの領域を包含するDNA断片は、標準的なPCR増幅によって取得することが可能である。重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgM若しくはIgD定常領域又はKabat(Kabat, E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S.Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242)に記載されているようなその中のあらゆるアロタイプバリアントであり得るが、最も好ましいのは、IgG1又はIgG4定常領域である。Fab断片重鎖遺伝子の場合、VHをコードするDNAは、重鎖CH1定常領域のみをコードする別のDNA分子へ作用可能に連結することが可能である。
VL領域をコードする単離されたDNAは、VLをコードするDNAを、軽鎖定常領域CLをコードする別のDNA分子へ作用可能に連結することによって、完全長軽鎖遺伝子(及びFab軽鎖遺伝子)へ転化することが可能である。ヒト軽鎖定常領域遺伝子の配列は、本分野において公知であり(例えば、Kabat, E.A., et al.,(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S.Department of Health and Human Services, NIH Publication No.91−3242を参照)、これらの領域を包含するDNA断片は、標準的なPCR増幅によって取得することが可能である。軽鎖定常領域は、κ又はλ定常領域であり得るが、最も好ましいのは、λ定常領域である。
scFv遺伝子を作製するために、VH及びVL配列が連続する一本鎖タンパク質として発現され、VL及びVH領域が柔軟なリンカーによって連結され得るように、VH及びVLをコードするDNA断片は、柔軟なリンカーをコードする(例えば、アミノ酸配列(Gly−Ser)をコードする)別の断片へ、作用可能に連結される(例えば、Bird et al.(1988)Science242:423−426;Huston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:5879−5883;McCafferty et al, Nature(1990)348:552−554参照)。
本発明の抗体又は抗体部分を発現させるために、遺伝子が転写調節配列及び翻訳調節配列へ作用可能に連結されるように、部分又は完全長軽鎖及び重鎖をコードするDNA(上述のように得られる。)は発現ベクター中に挿入される。本明細書において、「作用可能に連結された」という用語は、ベクター内の転写及び翻訳調節配列が、抗体遺伝子の転写及び翻訳を制御するという所期の機能を果たすように、抗体遺伝子がベクター中に連結されていることを意味するものとする。発現ベクター及び発現調節配列は、使用される発現宿主細胞と適合的であるように選択される。抗体軽鎖遺伝子及び抗体重鎖遺伝子は、別個のベクター中に挿入することが可能であり、又はより典型的には、両遺伝子は同一の発現ベクター中に挿入される。抗体遺伝子は、標準的な方法(例えば、抗体遺伝子断片及びベクター上の相補的制限部位の連結、又は制限部位が存在しなければ、平滑末端連結)によって発現ベクター中に挿入される。J695又はJ695関連軽鎖又は重鎖配列の挿入の前に、発現ベクターは、既に、抗体定常領域配列を担持し得る。例えば、J695又はJ695関連VH及びVL配列を完全長抗体遺伝子へと転化するための1つのアプローチは、VHセグメントがベクター内のCHセグメントへ作用可能に連結され、及びVLセグメントがベクター内のCLセグメントへ作用可能に連結されるように、それぞれ、既に重鎖定常領域及び軽鎖定常領域をコードする発現ベクター中にそれらを挿入することである。これに加えて又はこれに代えて、組換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗体鎖の分泌を促進するシグナルペプチドをコードすることが可能である。シグナルペプチドが、抗体鎖遺伝子のアミノ末端へ、翻訳領域内において連結されるように、抗体鎖遺伝子はベクター中にクローニングすることが可能である。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチド又は異種のシグナルペプチド(すなわち、非免疫グロブリンタンパク質由来のシグナルペプチド)とすることが可能である。
抗体鎖遺伝子に加えて、本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞中の抗体鎖遺伝子の発現を調節する制御配列を担持する。「制御配列」という用語は、プロモーター、エンハンサー及び抗体鎖遺伝子の転写又は翻訳を調節する他の発現調節要素(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むものとする。このような制御配列は、例えば、「Goeddel, Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA(1990)」に記載されている。制御配列の選択など、発現ベクターの設計は、形質転換されるべき宿主細胞の選択、所望されるタンパク質の発現レベルなどの要因に依存し得ることが、当業者によって理解される。哺乳動物の宿主細胞発現のために好ましい制御配列には、サイトメガロウイルス(CMV)(CMVプロモーター/エンハンサーなど)、サルウイルス40(SV40)(SV40プロモーター/エンハンサーなど)、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP))及びポリオーマに由来するプロモーター及び/又はエンハンサーなど、哺乳動物細胞中でタンパク質発現の高いレベルを誘導するウイルス要素が含まれる。ウイルス制御要素及びその配列のさらなる記述については、例えば、Stinskiによる米国特許第5,168,062号、Bellらによる米国特許4,510,245号及びSchaffnerらによる米国特許第4,968,615号、Bujardらによる米国特許第5,464,758号及びBujardらによる米国特許第5,654,168号を参照されたい。
抗体鎖遺伝子及び制御配列に加えて、本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞中でのベクターの複製を制御する配列(例えば、複製起点)及び選択可能なマーカー遺伝子など、さらなる配列を担持し得る。選択可能なマーカー遺伝子は、その中にベクターが導入された宿主細胞の選択を容易にする(例えば、全てAxel他による米国特許第4,399,216号、米国特許第4,634,665号及び米国特許第5,179,017号を参照されたい。)。例えば、典型的には、選択可能なマーカー遺伝子は、その中にベクターが導入されている宿主細胞に対して、G418、ハイグロマイシン又はメトトレキサートなどの薬物に対する耐性を付与する。好ましい選択可能なマーカー遺伝子には、(メトトレキサート選択/増幅とともに、dhfr宿主細胞中で使用するための)ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子及びneo遺伝子(G418選択用)が含まれる。
軽鎖及び重鎖を発現させるために、重鎖及び軽鎖をコードする発現ベクターは、標準的な技術によって、宿主細胞中に形質移入される。「形質移入」という用語の様々な形態は、原核又は真核宿主細胞中への外来DNAの導入のために一般に使用される多様な技術、例えば、電気穿孔、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラン形質移入などを包含するものとする。原核又は真核宿主細胞の何れの中でも、本発明の抗体を発現することは理論的に可能であるが、真核細胞、特に、哺乳動物細胞は、原核細胞に比べて、適切に折りたたまれ、免疫学的に活性な抗体を組み立てて、分泌する傾向がより大きいので、真核細胞、最も好ましくは哺乳動物宿主細胞中での抗体の発現が最も好ましい。本発明の組換え抗体を発現するための好ましい哺乳動物宿主細胞には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(Urlaub and Chasin,(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA77:4216−4220に記載されており、例えば、R.J.Kaufman and P.A.Sharp(1982)Mol.Biol.159:601−621に記載されているようにDHFR選択可能マーカーとともに使用されるdhfrCHO細胞を含む。)、NS0骨髄腫細胞、COS細胞及びSP2細胞が含まれる。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターが哺乳動物宿主細胞中に導入されると、宿主細胞中で抗体の発現を可能とするのに十分な期間にわたって、又は、より好ましくは、宿主細胞がその中で増殖されている培地中への抗体の分泌を可能とするのに十分な期間にわたって、宿主細胞を培養することによって抗体が産生される。>抗体は、標準的なタンパク質精製方法を用いて、培地から回収することが可能である。
Fab断片又はscFv分子など、完全な状態の抗体の部分を作製するために、宿主細胞を使用することも可能である。上記手技に対する改変は、本発明の範囲に属することが理解される。例えば、本発明の抗体の軽鎖又は重鎖の何れか(但し、両鎖ではない。)をコードするDNAで宿主細胞を形質移入することが望ましい場合があり得る。hIL−12への結合に必要でない軽鎖及び重鎖の一方又は両方をコードするDNAの一部又は全部を除去するために、組換えDNA技術も使用し得る。このような末端切断されたDNA分子から発現された分子も、本発明の抗体によって包含される。さらに、1つの重鎖及び1つの軽鎖が本発明の抗体であり、他の重鎖及び軽鎖が、hIL−12以外の抗原に対して特異的である二機能性抗体は、標準的な化学架橋法によって、本発明の抗体を第二の抗体へ架橋することによって作製し得る。
本発明の抗体又はその抗原結合部分の組換え発現用の好ましいシステムでは、リン酸カルシウムによって媒介された形質移入によって、抗体重鎖及び抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターが、dhfrCHO細胞中に導入される。組換え発現ベクター内で、抗体重鎖及び軽鎖遺伝子は、遺伝子の転写の高いレベルを誘導するために、各々、(CMVエンハンサー/AdMLPプロモーター制御要素又はSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター制御要素などの、例えば、SV40,CMV、アデノウイルスなどに由来する)エンハンサー/プロモーター制御要素へ作用可能に連結されている。組換え発現ベクターは、メトトレキサート選択/増幅を用いて、ベクターで形質移入されたCHO細胞の選択を可能とするDHFR遺伝子も担持する。選択された形質転換体宿主細胞は、抗体重鎖及び軽鎖の発現を可能とするために培養され、完全な状態の抗体が培地から回収される。組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞を形質移入し、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、培地から抗体を回収するために、標準的な分子生物学的技術が使用される。本発明の抗体又はその抗原結合部分は、ヒト免疫グロブリン遺伝子が遺伝子導入された動物(例えば、マウス)中で発現させることができる(例えば、Taylor,L.D.et al.(1992)Nucl.Acids Res.20:6287−6295参照)。本発明の抗体又はその抗原結合部分を発現するトランスジェニック植物を作製するために、植物細胞を修飾することも可能である。
前記に照らして、本発明の別の態様は、本発明の抗体及び抗体部分の組換え発現のために使用することができる核酸、ベクター及び宿主細胞組成物に関する。好ましくは、本発明は、J695のCDR又はJ695の完全な重鎖及び/又は軽鎖可変領域をコードする単離された核酸を特徴とする。従って、一実施形態において、本発明は、配列番号25のアミノ酸配列を含むJ695重鎖CDR3をコードする抗体重鎖可変領域をコードする単離された核酸を特徴とする。好ましくは、抗体重鎖可変領域をコードする核酸は、配列番号27のアミノ酸配列を含むJ695重鎖CDR2をさらにコードする。より好ましくは、抗体重鎖可変領域をコードする核酸は、配列番号29のアミノ酸配列を含むJ695重鎖CDR1をさらにコードする。さらにより好ましくは、単離された核酸は配列番号31のアミノ酸配列(J695の完全なVH領域)を含む抗体重鎖可変領域をコードする。
別の実施形態において、本発明は、配列番号26のアミノ酸配列を含むJ695軽鎖CDR3をコードする抗体軽鎖可変領域をコードする単離された核酸を特徴とする。好ましくは、抗体軽鎖可変領域をコードする核酸は、配列番号28のアミノ酸配列を含むJ695軽鎖CDR2をさらにコードする。さらに好ましくは、抗体軽鎖可変領域をコードする核酸は、配列番号30のアミノ酸配列を含むJ695軽鎖CDR1をさらにコードする。さらにより好ましくは、単離された核酸は配列番号32のアミノ酸配列(J695の完全なVL領域)を含む抗体軽鎖可変領域をコードする。
本発明は、抗体重鎖と抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターも提供する。例えば、一実施形態において、本発明は、
a)配列番号31のアミノ酸を含む可変領域を有する抗体重鎖及び
b)配列番号32のアミノ酸配列を含む可変領域を有する抗体軽鎖
をコードする組換え発現ベクターを提供する。
本発明は、本発明の組換え発現ベクターの1つ又はそれ以上がその中に導入されている宿主細胞も提供する。好ましくは、宿主細胞は哺乳動物宿主細胞であり、より好ましくは、宿主細胞は、CHO細胞、NS0細胞又はCOS細胞である。さらに、本発明は、本発明の組換えヒト抗体が合成されるまで、適切な培地中で、本発明の宿主細胞を培養することによって、本発明の組換えヒト抗体を合成する方法を提供する。この方法は、培地から組換えヒト抗体を単離することをさらに含むことが可能である。
VI.医薬組成物及び医薬の投与
本発明の抗体及び抗体部分は、対象に投与するのに適した医薬組成物中に取り込ませることが可能である。典型的には、医薬組成物は、本発明の抗体又は抗体部分と及び医薬として許容される担体とを含む。本明細書において使用される「医薬として許容される担体」には、生理的に適合性がある、全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などが含まれる。医薬として許容される担体の例には、水、生理的食塩水、リン酸緩衝化された生理的食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどの1つ又はそれ以上及びこれらの組み合わせが含まれる。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖、マニトール、ソルビトールなどの多価アルコール又は塩化ナトリウムを含むことが好ましい。医薬として許容される担体は、抗体又は抗体部分の保存寿命又は有効性を増大させる、湿潤剤又は乳化剤、防腐剤又は緩衝剤などの補助物質の微量をさらに含み得る。
本発明の抗体及び抗体部分は、非経口投与に適した医薬組成物中に取り込ませることが可能である。好ましくは、抗体又は抗体部分は、0.1から250mg/mLの抗体を含有する注射可能溶液として調製される。注射可能溶液は、フリント又は琥珀色容器、アンプル又は予め充填された注射器中の液体又は凍結乾燥された剤形から構成され得る。緩衝液は、L−ヒスチジン(1から50mM)、最適には5から10mM、pH5.0から7.0(最適にはpH6.0)であり得る。他の適切な緩衝液には、コハク酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム又はリン酸カリウムが含まれるが、これらに限定されない。0から300mMの濃度に(最適には、液体剤形に対して150mM)の溶液の毒性(toxicity)を修飾するために、塩化ナトリウムを使用することが可能である。凍結保護剤、原則として0から10%(最適には、0.5から1.0%)のショ糖を、凍結乾燥された剤形に対して含めることができる。他の適切な凍結保護剤には、トレハロース及びラクトースが含まれる。凍結乾燥された剤形に対して、充填剤、原則として、1から10%のマニトール(最適には、2から4%)を含めることが可能である。液体及び凍結乾燥された両剤形中で、安定化剤、原則として1から50mMのL−メチオニン(最適には、5から10mM)を使用することが可能である。他の適切な充填剤には、グリシンアルギニンが含まれ、0から0.05%のポリソルベート−80(最適には、0.005から0.01%)として含めることが可能である。さらなる界面活性剤には、ポリソルベート20及びBRIJ界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。
好ましい実施形態において、医薬組成物は、約100mgから200mgの用量で抗体を含む。
本発明の組成物は、様々な形態であり得る。これらには、例えば、液体溶液(例えば、注射可能及び注入可能な溶液)、分散液又は懸濁液、錠剤、丸薬、粉末、リポソーム及び坐剤などの液体、半固体及び固体剤形が含まれる。好ましい形態は、予定される投与の様式及び治療用途に依存する。典型的な好ましい組成物は、他の抗体を用いたヒトの受動免疫のために使用される組成物と同様の組成物など、注射可能溶液又は注入可能溶液の形態である。投与の好ましい様式は、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。好ましい実施形態において、抗体は、皮下注射によって投与される。
治療組成物は、典型的には、製造及び保存の条件下で、無菌及び安定でなければならない。組成物は、溶液、ミクロエマルジョン、分散液、リポソーム又は高薬物濃度に適したその他の秩序化された構造として製剤化することが可能である。無菌注射可能溶液は、上に列記されている成分の1つ又は組み合わせを加えた適切な溶媒中に、必要な量で活性化合物(すなわち、抗体又はその抗体部分)を取り込ませ、必要に応じて、その後、ろ過された滅菌によって調製することが可能である。一般に、分散液は、塩基性分散溶媒及び上に列記されたものから得られる必要なその他の成分を含有する無菌ビヒクル中に活性化合物を取り込ませることによって調製される。無菌注射可能溶液の調製のための無菌凍結乾燥粉末の場合には、調製の好ましい方法は、予め滅菌ろ過されたその溶液から、あらゆる追加の所望される成分を加えた活性成分の粉末を与える真空乾燥及び噴霧乾燥である。溶液の適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングを使用することによって、分散液の場合に必要な粒径を維持することによって、及び界面活性剤を使用することによって維持することができる。注射可能組成物の延長された吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩及びゼラチンを組成物中に含めることによって実現することができる。
多くの治療用途において、好ましい投与経路/様式は皮下注射、静脈内注射又は注入であるが、本発明の抗体及び抗体部分は、本分野で公知の様々な方法によって投与することが可能である。当業者によって理解されるように、投与の経路及び/又は様式は、所望される結果に応じて変動する。ある種の実施形態において、活性化合物は、インプラント、経皮パッチ及び微小封入された送達系を含む徐放製剤など、迅速な放出に対して化合物を保護する担体とともに調製され得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸などの生物分解可能な生体適合性ポリマーを使用することが可能である。このような製剤の多くの調製方法には、特許が付与されており、又は、一般に当業者に公知である。例えば、「Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R.Robinson,ed.,MarcelDekker,Inc.,New York,1978」を参照されたい。
ある種の実施形態において、本発明の抗体又は抗体部分は、例えば、不活性希釈剤又は同化可能な食用担体とともに、経口投与され得る。また、化合物(及び、所望であれば、その他の成分)は、硬若しくは軟殻ゼラチンカプセル中に封入され、錠剤へと圧縮され、又は対象の食事中に直接取り込ませ得る。経口治療的投与の場合、化合物は、賦形剤とともに取り込ませることができ、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウェハースなどの形態で使用し得る。非経口投与以外によって本発明の化合物を投与するために、その不活化を妨げるための物質で化合物を被覆し、又はその不活化を妨げるための物質とともに化合物を同時投与することが必要であり得る。
補助的活性化合物も、組成物中に取り込ませることが可能である。ある実施形態において、本発明の抗体又は抗体部分は、IL−12活性が有害である疾患を治療するのに有用である、1つ又はそれ以上のさらなる治療剤とともに共製剤化され、及び/又は同時投与される。例えば、本発明の抗hIL−12抗体又は抗体部分は、他の錠剤を結合する1つ又はそれ以上のさらなる抗体(例えば、他のサイトカインを結合する抗体又は細胞表面分子を結合する抗体)とともに共製剤化され、及び/又は同時投与され得る。さらに、本発明の1つ又はそれ以上の抗体は、先述の治療剤の2つ又はそれ以上と組み合わせて使用され得る。このような組み合わせ療法は、投与される治療剤のより低い投薬量を有利に使用し得るので、様々な単独療法に伴って生じ得る毒性又は合併症が回避される。組み合わせ療法の一部として本発明の抗体が使用される場合、抗体のみが対象に投与される場合と比べて、抗体のより低用量が望ましい場合があり得ることが当業者に理解される(例えば、組み合わせ療法の使用を通じて、相乗的な治療効果が達成され得、次いで、所望の治療効果を達成するために抗体のより低用量の使用を可能とする。)。
インターロイキン12は、免疫及び炎症性要素を伴う様々な疾患と関連する病変において重要な役割を果たしている。これらの疾病には、関節リウマチ、骨関節炎、若年性慢性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、全身性紅斑性狼瘡、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、インシュリン依存性糖尿病、甲状腺炎、喘息、アレルギー性疾患、乾癬、皮膚炎、強皮症、アトピー性皮膚炎、移植片対宿主病、臓器移植拒絶、臓器移植に伴う急性又は慢性免疫疾患、サルコイドーシス、アテローム性動脈硬化症、播種性血管内凝固、川崎病、バセドウ病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、ウェゲナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェーライン紫斑病、腎臓の顕微鏡的脈管炎、慢性活動性肝炎、ぶどう膜炎、敗血性ショック、毒物ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、感染性疾患、寄生虫症、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、アルツハイマー病、発作、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、悪性腫瘍、心不全、心筋梗塞、アジソン病、孤発性多内分泌腺機能低下症候群I型及び多内分泌腺機能低下症候群II型、シュミット症候群、成人(急性)呼吸窮迫症候群、脱毛症、円形脱毛症、血清反応陰性関節症、関節症、ライター病、乾癬性関節症、潰瘍性大腸炎性関節症、腸疾患性滑膜炎、クラミジア、エルシニア及びサルモネラ関連関節症、脊椎関節症(spondyloarthopathy)、アテローム性疾患/アテローム性動脈硬化症、アトピー性アレルギー、自己免疫性水疱症、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫性溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳炎/ロイヤルフリー病、慢性粘膜皮膚カンジダ症、巨細胞動脈炎、原発性硬化性肝炎、突発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全症候群、後天性免疫不全症関連疾患、C型肝炎、一般的な可変免疫不全症(common varied immunodeficiency)(一般的な可変低ガンマグロブリン血症)、拡張型心筋症、女性不妊、卵巣障害、早発閉経、線維性肺疾患、突発性線維化性肺炎、炎症後間質性肺疾患、間質性肺炎、結合組織病関連間質性肺疾患、混合性結合組織病関連肺疾患、全身性硬化症関連間質性肺疾患、関節リウマチ関連間質性肺疾患、全身性紅斑性狼瘡関連肺疾患、皮膚筋炎/多発性筋炎関連肺疾患、シェーグレン病関連肺疾患、強直性脊椎炎関連肺疾患、脈管性びまん性肺疾患、ヘモシデリン沈着症関連肺疾患、薬物誘導性間質性肺疾患、放射線線維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤性肺疾患、感染後間質性肺疾患、通風性関節炎、自己免疫性肝炎、1型自己免疫性肝炎(古典的自己免疫性又はルポイド肝炎)、2型自己免疫性肝炎(抗LKM抗体肝炎)、自己免疫媒介性低血糖、黒色表皮腫を伴うB型インシュリン抵抗性、副甲状腺機能低下症、臓器移植に関連する急性免疫疾患、臓器移植に関連する慢性免疫疾患、骨関節炎、原発性硬化性胆管炎、突発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、特定不能な腎疾患、糸球体腎炎、腎臓の顕微鏡的脈管炎(vasulitis)、ライム病、円板状エリテマトーデス、突発性又は特定不能な男性不妊、精子自己免疫、多発性硬化症(全てのサブタイプ)、インシュリン依存性糖尿病、交感性眼炎、結合組織病に続発する肺高血圧症、グッドパスチャー症候群、結節性多発性動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ性脊椎炎、スティル病、全身性硬化症、高安病/動脈炎、自己免疫性血小板減少症、突発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺機能亢進症、甲状腺腫性自己免疫性甲状腺機能低下症(橋本病)、萎縮性自己免疫甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性脈管炎及び白斑が含まれるが、これらに限定されない。本発明のヒト抗体及び抗体部分は、リウマチ性脊椎炎、アレルギー、自己免疫性糖尿病、自己免疫性ブドウ膜炎など、自己免疫疾患、特に、炎症を伴う自己免疫疾患を治療するために使用することができる。
好ましくは、本発明の抗体又はその抗原結合部分は、第VII節により詳しく記載されているように、関節リウマチ、クローン病、多発性硬化症、インシュリン依存性糖尿病及び乾癬を治療するために使用される。
本発明のヒト抗体又は抗体部分は、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療において有用な1つ又はそれ以上のさらなる治療剤とともに投与することもできる。
本発明の抗体又はその抗原結合部分は、このような疾病を治療するために、単独で又は組み合わせて使用することができる。本発明のIL−12抗体又はその抗原結合部分は、単独で、又は追加の因子、例えば治療剤と組み合わせて使用することが可能であり、前記追加の因子は、その意図される目的に対して、当業者によって選択されることを理解すべきである。例えば、追加の因子は、本発明の抗体によって治療されている疾病又は症状を治療するのに有用であると本分野で認識されている治療剤であり得る。追加の因子は、治療用組成物に有益な属性を付与する因子、例えば、組成物に粘性をもたらす因子とすることも可能である。
本発明に含まれるべき組み合わせは、それらの意図される目的に対して有用な組み合わせであることをさらに理解すべきである。以下に記されている因子は、例示を目的とするものであって、限定を意図するものではない。本発明の一部である組み合わせは、本発明の抗体及び以下のリストから選択される少なくとも1つの追加の因子であり得る。当該組み合わせにおいて、形成された組成物がその意図される機能を発揮することが可能であれば、組み合わせは、2以上の追加の因子、例えば、2又は3個の追加の因子を含むこともできる。さらに、IL−12抗体と組み合わせて使用される本明細書中に記載されている追加の因子は、これらが治療のために原因とされる疾患に限定されない。
好ましい組み合わせは、NSAIDとも称される非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンのような薬物が含まれる。)である。他の好ましい組み合わせは、プレドニソロンなどのコルチコステロイドである。ステロイド使用の周知の副作用は、本発明の抗IL−12抗体と組み合わせて患者を治療するときに必要とされるステロイド用量を徐々に減らすことによって、低減することが可能であり、又は除去することさえ可能である。本発明の抗体又は抗体部分とともに組み合わせることが可能な関節リウマチに対する治療剤の非限定的な例には、以下のもの:サイトカイン抑制性抗炎症薬(CSAID);他のヒトサイトカイン又は成長因子(例えば、TNF(アダリムマブ/HUMIRAを含む。)、LT、IL−1、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−18、EMAP−II、GM−CSF、FGF及びPDGF)に対する抗体又はこれらのアンタゴニストが含まれる。本発明の抗体又はその抗原結合部分は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD90又はCD154を含むこれらのリガンド(gp39又はCD40L)などの細胞表面分子に対する抗体と組み合わせることが可能である。
治療剤の好ましい組み合わせは、異なる点で、自己免疫及びこれに続く炎症カスケードを妨害し得る。好ましい例には、キメラヒト化又はヒトTNF抗体、D2E7、(1996年2月9日に出願された米国出願番号08/599,226号)、cA2(RemicadeTM)、CDP571、抗TNF抗体断片(例えば、CDP870)及び可溶性p55又はp75TNF受容体、これらの誘導体、p75TNFRIgG(EnbrelTM)又はp55TNFRIgG(Lenercept)、可溶性IL−13受容体(sIL−13)及びTNFα変換酵素(TACE)阻害剤などのようなTNFアンタゴニストが含まれる。同様にIL−1阻害剤(Vx740又はIL−1RAなどのインターロイキン−1変換酵素阻害剤)は、同じ理由のために有効であり得る。他の好ましい組み合わせには、インターロイキン11、抗P7s及びp−セレクチン糖タンパク質リガンド(PSGL)が含まれる。さらに別の好ましい組み合わせは、IL−12機能と平行して、IL−12機能に依存して、又はIL−12と協調して作用し得る自己免疫応答の他の中心的プレーヤーである。特に好ましいのは、IL−18抗体又は可溶性IL−18受容体又はIL−18結合タンパク質などのIL−18アンタゴニストである。IL−12及びIL−18は、重複しているが、異なる機能を有しており、両者に対するアンタゴニストの組み合わせは、最も有効であり得ることが示されている。さらに別の好ましい組み合わせは、非枯渇抗CD4阻害剤である。さらに別の好ましい組み合わせには、抗体、可溶性受容体又は拮抗性リガンドを含む、共同刺激経路CD80(B7.1)又はCD86(B7.2)のアンタゴニストが含まれる。
本発明の抗IL−12抗体又はその抗原結合部分は、メトトレキサート、6−MP、アザチオプリン、スルファサラジン、メサラジン、オルサラジン、クロロキニン/ヒドロキシクロロキン、ペニシラミン、アウロチオマラート(筋肉内及び経口)、アザチオプリン、コルヒチン(cochicine)、コルチコステロイド(経口、吸入及び局所注射)、β−2アドレナリン受容体アゴニスト(サルブタモール、テルブタリン、サルメテラール)、キサンチン(テオフィリン、アミノフィリン)、クロモグリカート、ネドクロミル、ケトチフェン、イプラトロピウム及びオキシトロピウム、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノラート・モフェチル、レフルノミド、NSAID、例えば、イブプロフェン、プレドニゾロンなどのコルチコステロイド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓薬、補体阻害剤、アドレナリン系薬物、TNFα又はIL−1などの炎症促進性サイトカインによるシグナル伝達を妨害する因子(例えば、IRAK、NIK、IKK、p38又はMAPキナーゼ阻害剤)、IL−1β変換酵素阻害剤(例えば、Vx740)、抗P7、p−セレクチン糖タンパク質リガンド(PSGL)、TNFα変換酵素(TACE)阻害剤、キナーゼ阻害剤などのT細胞シグナル伝達阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体及びその誘導体(例えば、可溶性p55又はp75TNF受容体及び誘導体p75TNFRIgG(EnbrelTM)及びp55TNFRIgG(Lenercept)、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R、可溶性IL−13受容体(sIL−13))並びに炎症抑制性サイトカイン(例えば、IL−4、IL−10、IL−11、IL−13及びTGFβ)などの因子とも組み合わされ得る。好ましい組み合わせには、メトトレキサート又はレフルノミドが含まれ、中度又は重度の関節リウマチの症例では、シクロスポリンが含まれる。
抗IL−12抗体又は抗体部分とともに組み合わせることが可能な炎症性腸疾患に対する治療剤の非限定的な例には、以下のもの:ブデノシド;上皮成長因子;コルチコステロイド;シクロスポリン;スルファサラジン;アミノサリチラート;6−メルカプトプリン;アザチオプリン;メトロニダゾール;リポキシゲナーゼ阻害剤;メサラミン;オルサラジン;バルサラジド;抗酸化剤;トロンボキサン阻害剤;IL−1受容体アンタゴニスト;抗IL−1βモノクローナル抗体;抗IL−6モノクローナル抗体;成長因子;エラスターゼ阻害剤;ピリジニル−イミダゾール化合物;他のヒトサイトカイン又は成長因子(例えば、TNF(アダリムマブ/HUMIRAを含む。)、LT、IL−1、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−18、EMAP−II、GM−CSF、FGF及びPDGF)が含まれる。本発明の抗体又はその抗原結合部分は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD90又はこれらのリガンドなどの細胞表面分子に対する抗体と組み合わせることが可能である。本発明の抗体又はその抗原結合部分は、メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノラート・モフェチル、レフルノミド、NSAID、例えば、イブプロフェン、プレドニゾロンなどのコルチコステロイド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓剤薬、補体阻害剤、アドレナリン系薬物、TNFα又はIL−1などの炎症促進性サイトカインによるシグナル伝達を妨害する因子(例えば、IRAK、NIK、IKK、p38又はMAPキナーゼ阻害剤)、IL−1β変換酵素阻害剤(例えば、Vx740)、抗P7、p−セレクチン糖タンパク質リガンド(PSGL)、TNFα変換酵素阻害剤、キナーゼ阻害剤などのT細胞シグナル伝達阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体及びその誘導体(例えば、可溶性p55又はp75TNF受容体、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R、可溶性IL−13受容体(sIL−13))及び炎症抑制性サイトカイン(例えば、IL−4、IL−10、IL−11、IL−13及びTGFβ)などの因子とも組み合わされ得る。
抗体又は抗原結合部分を組み合わせることが可能な、クローン病に対する治療剤の好ましい例には、以下のもの:TNFアンタゴニスト、例えば、抗TNF抗体、D2E7(アダリムマブ/HUMIRA)、cA2(RemicadeTM)、CDP571、抗TNF抗体断片(例えば、CDP780)、TNFR−Ig構築物(p75TNFRIgG(EnbrelTM)及びp55TNFRIgG(Lenercept))、抗p7、p−セレクチン糖タンパク質リガンド(PSGL)、可溶性IL−13受容体(sIL−13)及びPDE4阻害剤が含まれる。本発明の抗体又はその抗原結合部分は、コルチコステロイド、例えば、ブデノシド及びデキサメタゾンと組み合わせることが可能である。抗体は、スルファサラジン、5−アミノサリチル酸及びオルサラジンなどの因子と、並びにIL−1などの炎症促進性サイトカインの合成又は作用を妨害する因子(例えば、IL−1β変換酵素阻害剤(例えば、Vx740)及びIL−1raとも組み合わされ得る。抗体又はその抗原結合部分は、T細胞シグナル伝達阻害剤、例えば、チロシンキナーゼ阻害剤6−メルカプトプリンとともに使用され得る。抗体又はその抗原結合部分は、IL−11と組み合わせることが可能である。
抗体又は抗体部分と組み合わせることが可能な、多発性硬化症のための治療剤の非限定的な例には、以下のもの:コルチコステロイド;プレドニゾロン;メチルプレドニゾロン;アザチオプリン;シクロホスファミド;シクロスポリン;メトトレキサート;4−アミノピリジン;チザニジン;インターフェロン−β1a(Avonex;Biogen);インターフェロン−β1b(Betaseron;Chiron/Berlex);コポリマー1(Cop−1;Copaxone;Teva Pharmaceutical Industries,Inc.);高圧酸素;静脈内免疫グロブリン;クラブリビン;他のヒトサイトカイン又は成長因子(例えば、TNF、LT、IL−1、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−18、EMAP−II、GM−CSF、FGF及びPDGF)に対する抗体又はこれらのアンタゴニストが含まれる。本発明の抗体又はその抗原結合部分は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80、CD86、CD90又はこれらのリガンドなどの細胞表面分子に対する抗体と組み合わせることが可能である。本発明の抗体又はその抗原結合部分は、メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノラート・モフェチル、レフルノミド、NSAID、例えば、イブプロフェン、プレドニゾロンなどのコルチコステロイド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓薬、補体阻害剤、アドレナリン系薬物、TNFα又はIL−1などの炎症促進性サイトカインによるシグナル伝達を妨害する因子(例えば、IRAK、NIK、IKK、p38又はMAPキナーゼ阻害剤)、IL−1β変換酵素阻害剤(例えば、Vx740)、抗P7、p−セレクチン糖タンパク質リガンド(PSGL)、TACE阻害剤、キナーゼ阻害剤などのT細胞シグナル伝達阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体及びその誘導体(例えば、可溶性p55又はp75TNF受容体、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R、可溶性IL−13受容体(sIL−13))及び炎症抑制性サイトカイン(例えば、IL−4、IL−10、IL−13及びTGFβ)などの因子とも組み合わされ得る。
抗体又はその抗原結合部分を組み合わせることが可能な、多発性硬化症のための治療剤の好ましい例には、インターフェロン−β、例えば、IFNβ1a及びIFN1b;コパキソン、コルチコステロイド、IL−1阻害剤、TNF阻害剤並びにCD40リガンド及びCD80に対する抗体が含まれる。
抗体、抗体部分は、皮膚症状を治療するための他の因子と組み合わせて使用され得る。例えば、本発明の抗体、抗体部分又は他のIL−12阻害剤は、PUVA治療と組み合わされる。PUVAは、多くの異なる皮膚症状を治療するために使用される、ソラーレン(P)と長波長紫外線照射(UVA)の組み合わせである。本発明の抗体、抗体部分又は他のIL−12阻害剤は、ピメクロリムスと組み合わせることもできる。別の実施形態において、本発明の抗体は、乾癬を治療するために使用され、抗体は、タクロリムスと組み合わせて投与される。さらなる実施形態において、タクロリムスとIL−12阻害剤は、メトトレキサート及び/又はシクロスポリンと組み合わせて投与される。さらに別の実施形態において、本発明のIL−12阻害剤は、乾癬を治療するためのエキシマレーザー治療とともに投与される。
本発明の医薬組成物は、本発明の抗体又は抗体部分の「治療的有効量」又は「予防的有効量」が含まれ得る。「治療的有効量」は、所望の治療的結果を達成するために必要な投薬量で、及び所望の治療的結果を達成するために必要な期間にわたって有効な量を表す。抗体又は抗体部分の治療的有効量は、病状、年齢、性別及び個体の体重並びに抗体又は抗体部分が、個体内で所望の応答を惹起する能力などの因子に従って変動し得る。治療的有効量は、治療的に有益な効果が抗体又は抗体部分のあらゆる毒性効果又は有害効果を上回る量でもある。「予防的有効量」は、所望の予防的結果を達成するために必要な投薬量で、及び所望の予防的結果を達成するために必要な期間にわたって有効な量を表す。疾病のより初期段階の前に又は疾病のより初期段階において、予防的投薬が対象に使用されるので、通例、予防的有効量は、治療的有効量を下回る。
投薬計画は、最適な所望の応答(例えば、治療的応答又は予防的応答)を与えるように調整され得る。例えば、単一のボーラスを投与することができ、複数の分割された用量を経時的に投与することができ、又は、治療状況の緊急性によって示されるように、用量を比例的に減少若しくは増加させ得る。投与の容易さ及び投薬量の均一性のために、投薬単位形態で非経口組成物を製剤化することが特に有利である。本明細書において使用される投薬単位形態は、治療されるべき哺乳動物対象に対する統一された投薬として適した、物理的に分離された単位を表し、各単位は、必要とされる医薬担体とともに、所望される治療効果を生じるように計算された活性化合物の所定量を含有する。本発明の投薬単位形態に対する規格は、(a)活性化合物の特有の特徴及び達成されるべき具体的な治療効果又は予防効果並びに(b)個体における過敏症の治療用のこのような活性化合物を配合する分野に固有の制約によって規定され、これらに直接依存する。
一実施形態において、IL−12抗体又はその抗原結合部分は、例えば、約50から300mgの範囲の隔週投薬量、約100mgから約200mgの範囲の投薬量及び約125から約175mgの投薬量など、隔週投薬計画で投与される。あるいは、IL−12抗体は、例えば、約200mg用量の投薬、約100mgの投薬など、一回投薬として投与され得る。別の実施形態において、IL−12抗体は、例えば、約50から300mgの範囲の用量、約100mgから約200mgの範囲の用量及び約125から約175mgの用量など、毎週投薬計画で投与される。明記されている範囲内の用量、例えば、85mg、97mgなども本明細書中に含まれることを銘記すべきである。
別の実施形態において、ヒトIL−12抗体又はその抗原結合部分は、IL−12活性が有害である疾患(例えば、乾癬)を有する対象に、治療をもたらす単回用量として投与される。IL−12抗体又はその抗原結合部分に対する応答は、対象中で長期間にわたって維持され得る。応答の維持は、治療されている疾患に従ってモニターされ得る。例えば、乾癬を治療するためのIL−12抗体又はその抗原結合部分を用いた応答の維持は、対象の経時的なPASI75によって決定され得る。乾癬を治療するための応答の維持は、対象の経時的なPASI50応答又はPASI90応答によっても決定され得る。あるいは、対象が経時的に「無」又は「最小」のPGAスコア(例えば、0又は1のPGAスコア)を達成することによって、乾癬を治療するための応答の維持を決定され得る。
緩和されるべき症状の種類及び重度に応じて、投薬量の値が変動し得ることに注意すべきである。何れの具体的な対象に対しても、個別の要求に従って、及び組成物の投与を行い又は監督している者の専門的判断に従って、特異的投薬計画を経時的に調整すべきこと、及び、本明細書に記載されている投薬量の範囲は典型的なものに過ぎず、特許請求の範囲に記載されている組成物の範囲又は実施を限定することを意図したものではないことをさらに理解すべきである。
VII.本発明の使用
本発明は、IL−12活性が有害である疾患に罹患している対象中のIL−12活性を阻害するための方法を提供する。一実施形態において、本発明は、IL−12抗体又はその抗原結合部分の単回用量を投与することを含む、乾癬を治療する方法を提供する。
IL−12は、多岐にわたる疾患の病態生理への関与が推測されている(Windhagen et al.,(1995)J.Exp.Med.182:1985−1996;Morita et al.(1998)Arthritis and Rheumatism.41:306−314;Bucht et al,(1996)Clin.Exp.Immunol.103:347−367;Fais et al.(1994)J.Interferon Res.14:235−238;Parronchi et al.,(1997)Am.J.Path.150:823−832;Monteleone et al.,(1997)Gastroenterology.112:1169−1178及びBerrebi et al.,(1998)Am.J.Path152:667−672;Parronchi et al(1997)Am.J.Path.150:823−832)。本発明は、このような疾患に罹患している対象中のIL−12活性が阻害されるように、本発明の抗体又は抗体部分を前記対象に投与することを含む、このような疾患に罹患している対象中のIL−12活性を阻害するための方法を提供する。好ましくは、IL−12はヒトIL−12であり、及び対象はヒト対象である。あるいは、対象は、本発明の抗体が交叉反応するIL−12を発現している哺乳動物であり得る。さらなる主題は、(例えば、hIL−12の投与によって、又はhIL−12導入遺伝子の発現によって)hIL−12がその中に導入された哺乳動物であり得る。本発明の抗体は、治療目的のために、ヒト対象へ投与することができる(以下で、さらに論述されている。)。さらに、本発明の抗体は、獣医学的目的のために、又はヒト疾病の動物モデルとして、前記抗体と交叉反応するIL−12を発現しているヒト以外の哺乳動物へ投与することができる。後者に関して、このような動物モデルは、本発明の抗体の治療効果(例えば、投薬量の検査及び投与の時間経過)を評価するために有用であり得る。
本明細書において、「IL−12活性が有害である疾患」という用語には、当該疾患に罹患している対象中にIL−12が存在することが示されており、又はIL−12の存在が当該疾患の病態生理の原因であることが疑われており、若しくは当該疾患の悪化に寄与する要因であることが疑われている疾病及びその他の疾患を含むものとする。従って、IL−12活性が有害である疾患は、IL−12活性の阻害が疾患の症候及び/又は進行を緩和すると予想される疾患である。このような疾患は、例えば、当該疾患に罹患している対象の生物学的流体中のIL−12の濃度の増加(例えば、対象の血清、血漿、滑液などの中のIL−12の濃度の増加)によって証明され得、IL−12の濃度の増加は、例えば、上述されているような抗IL−12抗体を用いて検出することができる。IL−12活性が有害である疾患の多数の例が存在する。一実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、本明細書に記載されている疾病又は疾患を治療するための治療法において使用することができる。別の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分は、本明細書に記載されている疾病又は疾患を治療するための医薬を製造するために使用することができる。幾つかの非限定的な具体的疾患の治療における本発明の抗体及び抗体部分の使用が、以下でさらに論述されている。
A.関節リウマチ:
インターロイキン−12は、関節リウマチなどの炎症性疾患において役割を果たしていると推測されている。関節リウマチ患者から得られた滑液中に誘導性IL−12p40メッセージが検出されており、関節リウマチを有する患者から得られた滑液中にIL−12が存在することが示されている(例えば、Morita et al,(1998)Arthritis and Rheumatism41:306−314参照)。関節リウマチ滑膜の下内層中に、IL−12陽性細胞が存在することが見出されている。本発明のヒト抗体及び抗体部分は、例えば、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、ライム関節炎、リウマチ性脊椎炎、骨関節炎及び通風性関節炎を治療するために使用することができる。典型的には、抗体又は抗体部分は全身的に投与されるが、ある種の疾患に関しては、抗体又は抗体部分の局所投与が有益であり得る。本発明の抗体又は抗体部分は、自己免疫疾患の治療において有用な1つ又はそれ以上のさらなる治療剤とともに投与することもできる。
関節リウマチに対するコラーゲン誘導性関節炎(CIA)マウスモデルにおいて、関節炎の前に、抗IL−12mAb(ラット抗マウスIL−12モノクローナル抗体C17.15)でマウスを処理すると、疾病の開始が大幅に抑制され、疾病の発生及び重度が低下された。関節炎の発生後早期に抗IL−12mAbで処理することによって、重度が低減されたが、疾病の発症後、抗IL−12mAbでマウスをより遅く処理すると、疾病の重度に対して最小限の効果を有した。
B.クローン病
インターロイキン−12は、炎症性腸疾患であるクローン病においても役割を果たしている。IFN−γ及びIL−12の増加した発現が、クローン病を有する患者の腸粘膜中で起こる(例えば、Fais et al,(1994)J.Interferon Res.14:235−238;Parronchi et al.,(1997)Amer.J.Pathol.150:823−832;Monteleone et al,(1997)Gastroenterology112:1169−1178;Berrebi et al,(1998)Amer.J.Pathol.152:667−672参照)。抗IL−12抗体は、大腸炎のマウスモデル(例えば、TNBS誘導性大腸炎IL−2ノックアウトマウス及び最近では、IL−10ノックアウトマウス)において、疾病を抑制することが示された。従って、本発明の抗体及び抗体部分は、炎症性腸疾患の治療において使用することができる。
C.多発性硬化症
インターロイキン−12は、多発性硬化症の中心的媒介物質であると推測されている。誘導性IL−12p40メッセージ又はIL−12自体の発現が、多発性硬化症を有する患者の病変中に示され得る(Windhagen et al,(1995)J.Exp.Med.182:1985−1996,Drulovic et al,(1997)J.Neurol.Sci.147:145−150)。多発性硬化症を有する慢性の進行性患者は、IL−12の上昇した循環レベルを有する。多発性硬化症を有する患者から得たT細胞及び抗原提示細胞(APC)を用いた研究によって、Th1型免疫応答をもたらす進行性多発性硬化症の基礎として、自己永続的な一連の免疫相互作用が明らかとなった。T細胞からのIFN−γの増加した分泌は、APCによる増加したIL−12産生をもたらし、増加したIL−12産生は、Th1型免疫活性化及び疾病の慢性状態に至るサイクルを永続化した(Balashov et al,(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.94:599−603)。多発性硬化症におけるIL−12の役割は、多発性硬化症のマウス及びラット実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)モデルを用いて調べられてきた。マウスでの多発性硬化症の再発性寛解型EAEモデルにおいて、抗IL−12mAbでの前処理は麻痺を遅延させ、臨床スコアを低下させた。麻痺のピーク時又はその後の寛解期の間における抗IL−12mAbでの処理は、臨床スコアを低下させた。従って、本発明の抗体又はその抗原結合部分は、ヒト中の多発性硬化症を伴う症候を緩和させる役割を果たし得る。
D.インシュリン依存性糖尿病
インターロイキン−12は、インシュリン依存性糖尿病(IDDM)の重要な媒介物質として推測されてきた。IL−12の投与によって、NODマウス中にIDDMが誘導され、抗IL−12抗体はIDDMの養子免疫伝達モデルにおいて保護的であった。初期発症IDDM患者は、幾つかの残存する膵島細胞機能が維持されている所謂「ハネムーン期間」をしばしば経験する。これらの残存する膵島細胞はインシュリンを産生し、投与されたインシュリンより良好に血中グルコースレベルを制御する。これらの初期発症患者の抗IL−12抗体での処理は、膵島細胞のさらなる破壊を抑制し、これにより、インシュリンの体内源を維持し得る。
E.乾癬
インターロイキン−12(IL−12)及び関連するサイトカインIL−23は、乾癬における中心的媒介物質として推測されている。乾癬は、TH1型サイトカイン発現プロファイルを伴う急性及び慢性の皮膚病変を伴う。(Hamid et al.(1996)J.Allergy Clin.Immunol.1:225−231;Turka et al.(1995)Mol.Med.1:690−699)。IL−12及びIL−23は何れも、乾癬におけるI型Tヘルパー細胞(Th1)免疫応答の発達に寄与する。さらに、IL−12p40及びIL−23p40メッセンジャーRNAは、乾癬の皮膚病変中で過剰発現される。従って、本発明の抗体又はその抗原結合部分は、乾癬などの慢性的皮膚疾患を緩和させる役割を果たし得る。
一実施形態において、本発明は、乾癬を治療するための方法を提供する。乾癬に対する治療は、局所的コルチコステロイド、ビタミンD類縁体及び局所若しくは経口レチノイド又はこれらの組み合わせをしばしば含む。一実施形態において、IL−12及び/又はIL−23抗体は、これらの一般的な治療の1つと組み合わせて又はこれらの一般的な治療の1つの存在下で投与される。乾癬治療のためにIL−12及び/又はIL−23抗体と組み合わせることができる追加の治療剤が、以下にさらに詳しく記載されている。
乾癬の診断は、通常、皮膚の外観に基づく。さらに、他の皮膚疾患を除外するために、皮膚の生検又は皮膚片の掻き取り及び培養が必要とされ得る。関節痛が存在し、持続する場合には、乾癬性関節炎をチェックするために、X線を使用し得る。
対象中の乾癬の改善は、対象の乾癬面積及び重度指数スコア(PASI)によってモニターすることができる。PASIを測定するための方法は、「Fredriksson and Pettersson (1978) Dermatologica 157:238」及び「Marks et al.(1989) Arch Dermatol 125:235」に記載されている。簡潔に述べると、指数は、5点の等級(0=症候なし、1=軽度、2=中度、3=顕著、4=極めて顕著)を用いて、紅斑、硬結及び落屑に関する、頭部、上肢、体幹及び下肢などの4つの解剖学的部位の評価に基づく。ある解剖学的部位中の病変の程度に基づいて、罹患領域には、数値が割り振られる(0=0、1=<10%、2=10から29%、3=30から49%、4=50から69%、5=70から89%、6=90から100%)。次いで、PASIスコアを計算する。PASIスコアが取り得る範囲は0.0から72.0であり、最高のスコアは最も激しい程度の完全な紅斑性皮膚に相当する。
本発明の一実施形態において、IL−12及び/又はIL−23抗体は、慢性尋常性乾癬、滴状乾癬、反転型乾癬(inverse psoriasis)、膿疱性乾癬、尋常性天疱瘡、乾癬性紅皮症、炎症性腸疾患(IBD)を伴う乾癬及び関節リウマチ(RA)を伴う乾癬などの乾癬の治療のために使用される。別の実施形態において、J695/ABT−874などのIL−12及び/又はIL−23抗体は、PsAと組み合わせて、乾癬を有する対象を治療するために使用される。本発明の治療法に含められる乾癬の具体的な種類は、以下に詳しく記載されている。
a.慢性尋常性乾癬
慢性尋常性乾癬(plaque psoriasis)(「psoriasis vulgaris」とも称される。)は、乾癬の最も一般的な形態である。慢性尋常性乾癬は、硬貨の大きさからずっと大きいサイズにわたる、皮膚の隆起した紅斑によって特徴付けられる。慢性尋常性乾癬において、斑は単一又は複数であり得、数ミリメートルから数センチメートルのサイズを変動し得る。通常、斑は、落屑性表面を有する赤であり、穏やかに引っ掻いたときに光を反射して、「銀色」効果を引き起こす。慢性尋常性乾癬から得られる(しばしば、対称性である)病変は、全身に発生するが、膝、肘、腰仙部領域、頭皮及び爪などの伸展性表面に好発する。時々、慢性尋常性乾癬は、陰茎、外陰部及び屈曲部にも発生し得るが、落屑は、通常存在しない。慢性尋常性乾癬を有する患者の診断は、上に記載されている臨床的な特徴を通常基礎とする。特に、慢性尋常性乾癬中の病変の分布、色及び典型的な銀色の落屑は、慢性尋常性乾癬の特徴である。
b.滴状乾癬
滴状乾癬は、特徴的な水滴形状のうろこ状斑を有する乾癬の形態を表す。感染症、特に、連鎖球菌性咽喉炎の後に、滴状乾癬の紅斑が通常発生する。滴状乾癬の診断は、皮膚の外観及び最近の咽喉痛の病歴がしばしば存在するという事実に通常基づく。
c.反転型乾癬
反転型乾癬は、患者が、尋常性感染に伴う落屑とは異なり、赤く炎症した皮膚の滑らかで、通常湿性の領域を有する乾癬の形態である。反転型乾癬は、間擦性乾癬(intertiginous psoriasis)又は湾曲性乾癬(flexural psoriasis)とも称される。反転型乾癬は、腋窩、鼠蹊部、乳房の下並びに性器及び臀部周囲のその他の皮膚の襞に多く発生し、発症部位の故に、摩擦及び発汗は罹患部位に刺激を与え得る。
d.膿疱性乾癬
膿疱性乾癬(掌蹠乾癬(palmar plantar psoriasis)とも称される。)は、サイズ及び位置が変動するが、手と足にしばしば発生する膿疱を引き起こす乾癬の形態である。水疱は限局し、又は身体の広範囲に広がり得る。膿疱性乾癬は、圧痛性及び有痛性であり得、発熱を引き起こし得る。
e.他の乾癬疾患
IL−12及び/又はIL−23抗体で治療することができる乾癬性疾患の他の例には、乾癬性紅皮症、尋常性、IBDを伴う乾癬及び関節リウマチを含む関節炎を伴う乾癬が含まれる。
以下の実施例によって、本発明がさらに例示されるが、いかなる意味においても、以下の実施例を限定的なものと解釈してはならない。本願を通じて引用されている、引用された全ての参考文献(参考文献、発行された特許及び公開された特許出願を含む。)の内容は、参照により、本明細書へ明示的に組み込まれる。本明細書に添付されている全ての表の内容(本明細書に添付されている添付書類A及び米国特許第6,914,128号の添付書類A参照)及び米国特許第6,914,128号の全内容が参照により本明細書に組み込まれることをさらに理解すべきである。
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実施例
中度ないし重度の尋常性乾癬の治療における、完全ヒトIL−12/IL−23モノクローナル抗体ABT−874の効力
ABT−874は、インターロイキン−12(IL−12)及びIL−23に対する完全ヒト抗体である。ABT−874は、ともに乾癬(Ps)の治療における有効性が確認された標的であるIL−12及びIL−23の両方に共通するp40サブユニットへ高い親和性で結合する。
以下の研究の目的は、中度ないし重度の尋常性乾癬を有する患者の治療におけるABT−874の皮下注射の効力を評価することであった。
ベースラインにおいて10%以上の体表面積(BSA)を冒す乾癬及び12以上の乾癬面積及び重度指数(PASI)スコアを有する成人患者が、この12週の二重盲検プラセボ対照化試験への参加資格を有した。患者を6つの治療群の1つに無作為に割り振った。1)100mgABT−874、隔週(eow)12週間、2)第0週目に1回200mgABT−874を投薬、3)毎週4週間、200mgのABT−874、4)200mgABT−874を隔週12週間、5)200mgABT−874を毎週12週間又は6)プラセボ。一次的評価項目は、12週目でのPASI75以上の応答であった。他の有効性評価には、PASI50及び医師の全体的評価(PGA)が含まれた。一次的評価項目に合致した患者は、36週の盲検化された/再治療相に入り、応答の喪失までの時間に関してモニターされた。
各治療群30人、合計180人の患者が研究に参加した。ベースラインの特徴は、治療群間で類似しており、中度ないし重度の乾癬を示していた。(男性の%を除き、全て平均値):年齢46歳、男性74%、乾癬の期間21年、PASI19及び25%のBSAが罹患。12週目に、PASI75以上を達成している患者のパーセントは、プラセボと比べて、5つの各ABT−874治療群中の患者に関して、統計的に有意に大きかった(それぞれ、93%、63%、90%、93%、90%対3%、p<0.001、ITT)。さらに、PASI50以上を達成している患者のパーセントは、プラセボと比べて、5つの各ABT−874治療群中の患者に関して、統計的に有意に大きかった(100%、77%、97%、97%及び100%対17%、p<0.001)。12週におけるPASIの平均%減少(改善)は、ABT−874治療群において、それぞれ、90%、70%、92%、92%及び90%であり、プラセボに対して26%であった。同様に、無/最小限のPGAを有する患者のパーセントは、ABT−874治療群において、それぞれ、83%、50%、73%、87%及び87%であり、プラセボに関して3%であった。
結論として、ABT−874は、中度ないし重度の尋常性乾癬の治療において、プラセボより有意に効果的であった。
中度ないし重度の尋常性乾癬の治療における、完全ヒトIL−12/IL−23モノクローナル抗体ABT−874の安全性及び有効性
ABT−874は、インターロイキン12(IL−12)及びIL−23に対する完全ヒト抗体である。ABT−874は、乾癬(Ps)の治療における有効性が確認された標的であるIL−12及びIL−23の両方に共通するp40サブユニットへ高い親和性で結合する。この第II相の研究の目的は、中度ないし重度の尋常性乾癬の治療におけるABT−874の皮下注射の有効性及び安全性を評価することであった。
10%以上の体表面積(BSA)のを冒す乾癬及び12以上のPASIスコアを有する成人が、この12週の二重盲検プラセボ対照化試験への参加資格を有した。患者を6つの治療群の1つに無作為に割り振った。1)100mgABT−874、隔週(eow)12週間、2)第0週目に1回200mgABT−874を投薬、3)毎週4週間、200mgのABT−874、4)200mgABT−874を隔週で12週間、5)200mgABT−874を毎週12週間又は6)プラセボ。一次的評価項目は、12週目でのPASI75以上の応答であった。一次的評価項目に合致した患者は、36週の盲検化された/再治療相に入り、応答の喪失までの時間に関してモニターされた。54週を通じて、全ての患者を安全性に関して評価した。
180人の患者(各治療群30人)が参加した。ベースラインの特徴は、治療群間で類似していた。(男性の%を除き平均値が表記されている。):年齢46歳、男性74%、乾癬の期間21年、PASI=19及び25%のBSAが罹患。12週目に、PASI75以上を有する患者のパーセントは、プラセボと比べて、5つの各ABT−874治療群で統計的に有意に大きかった(それぞれ、93%、63%、90%、93%、90%対3%、p<0.001、ITT)。12週のDB相の間、ABT−874群に対する感染性の有害効果は23から43%の範囲であり、プラセボ群に対する感染性の有害効果は23%であり、最も一般的なのは、鼻咽頭炎であった(ABT−874に関して7から17%、プラセボに関して3%)。治療群間には、統計的に有意な差は存在しなかった。重大な感染性の有害効果は報告されず、死亡も発生しなかった。
結論として、ABT−874は、中度ないし重度の尋常性乾癬の治療において、プラセボより有意に効果的であり、好ましい安全性特性を有するように見受けられる。
中度ないし重度の尋常性乾癬の治療における、完全ヒトIL−12/IL−23モノクローナル抗体ABT−874による応答の維持
12週の第II相無作為化対照試験及び36週の追跡期間において、ABT−874の有効性及び安全性を評価した。以下の実施例の目的は、中度ないし重度の尋常性乾癬の治療において、ABT−874の皮下注射のこの第II相試験の2番目の12週の間に治療を中断した後における応答の維持を分析することであった。
10%以上の体表面積(BSA)を冒す乾癬及び12以上のPASIスコアを有する成人が、この12週の二重盲検プラセボ対照化試験への参加資格を有した。患者を6つの治療群の1つに無作為に割り振った。
1)100mgABT−874、隔週(eow)12週間、
2)第0週目に1回200mgABT−874を投薬、
3)200mgのABT−874、毎週4週間、
4)200mgABT−874、隔週12週間、
5)200mgABT−874を毎週12週間又は
6)プラセボ。
一次的評価項目は、12週目でのPASI75以上の応答であった。一次的評価項目に合致した患者は、36週の盲検化された/再治療相に入った。試験薬を用いた治療を中断し、応答の喪失までの時間(PASIスコアの減少、PASI50未満になるまでの36週の追跡期間中の何れかの時間)に関して、患者をモニターした。24週を通じて、PASI応答の維持を評価した。
合計180人の患者(各治療群30人)が参加した。ベースラインの特徴は、治療群間で類似していた。(男性の%を除き平均値が表記されている。):年齢46歳、男性74%、乾癬の期間21年、PASI=19及び25%のBSAが罹患。
12週目に、PASI75以上を有する患者のパーセントは、プラセボに比べて、5つの各ABT−874治療群において統計的に有意に高かった(表1)。24週目に、能動処置群におけるPASI75応答者の相当なパーセントが、少なくともPASI50応答を維持していた。
Figure 2011515404
結論として、ABT−874は、中度ないし重度の尋常性乾癬の治療において、プラセボより有意に効果的であった。PASI75応答者の相当なパーセントは、能動的治療の中断後、24週の時点でこれらの応答を維持していた。
中度ないし重度の慢性尋常性乾癬の治療における、完全ヒトIL−12/IL−23モノクローナル抗体ABT−874の安全性及び有効性
以下の実施例の目的は、臨床的に安定な中度ないし重度の慢性尋常性乾癬を有する患者の治療において、プラセボと比較したヒトIL−12/23モノクローナル抗体(ABT−874)の広範囲の用量の有効性及び安全性を示すことであった。
I.材料と方法
A.研究デザイン:以下の研究は、米国(16ヶ所)及びカナダ(8ヶ所)内の24の施設で行われた12週の複数施設、無作為化二重盲検第II相プラセボ対照化試験であった。ABT−874(Abbott Laboratories, Abbott Park, IL)は、IL−12/23p40サブユニットタンパク質に対して高い親和性を有する遺伝子操作された相補性決定領域を有するヒトモノクローナル抗体である。6つの治療の1つを与えるために、1:1:1:1:1:1の比で患者を無作為に割り振った。ABT−874の200mg、0週目に1回投薬(200mg×1);12週間、隔週でABT−874の100mg(100mg隔週);最初の4週間毎週、ABT−874の200mg;12週間、隔週でABT−874の200mg(200mg隔週);12週間毎週、ABT−874の200mg(200mg毎週)又はプラセボ。12週後に、乾癬面積及び重度指数応答の少なくとも75%の低下(PASI75)を達成した全ての患者が、36週の盲検化された観察/再治療相を続けた。
B.患者:患者は、18歳以上であり、少なくとも6ヶ月間の乾癬の臨床診断(患者の問診及び研究者による身体検査を通じた診断の確認によって決定)、被験者の問診によって決定されたところにより、スクリーニング前の少なくとも2ヶ月間及びベースライン訪問時に安定な尋常性乾癬、ベースライン訪問時に10%以上の体表面積(BSA)が関与することによって定義される中度ないし重度の尋常性乾癬、ベースライン訪問時に12以上のPASIスコア並びにベースライン訪問時に少なくとも中度の疾病の医師の全般的評価(PGA)を有していた。
全身性又は生物学的抗IL−12療法への以前の曝露;非尋常性乾癬;ベースライン訪問時より前に、以下の療法を中断できないこと;少なくとも2週間前に、局所的な乾癬療法;少なくとも2週間前に、紫外線B光の光療法、少なくとも4週間前に、ソラーレン−紫外光光療法、少なくとも4週間前に全身的治療及び少なくとも12週間前に生物学的療法を受け;研究の間に、経口又は注射可能コルチコステロイドの摂取が必要であり(安定な医学的症状に対する吸入コルチコステロイドは、許容された。);スクリーニングの前の10年内に入院を必要とする喘息の増悪;感染症又は重度の感染症に対する危険因子;首尾よく治療された基底細胞癌腫(扁平上皮細胞癌の既往歴を有する患者は除外した。)又は子宮頸部上皮内癌以外の悪性腫瘍の既往歴;又は免疫グロブリンG含有因子(例えば、静脈内γグロブリン、融合タンパク質又はモノクローナル抗体)に対する大規模な免疫反応(例えば、血清病又はアナフィラキシー様反応)の既往歴を有していた場合には、患者は不適格であった。
患者は、研究の間、掌、足の裏、顔、乳房下領域及び鼠蹊部に対して、コルチコステロイド、無刺激性の(β又はα−ヒドロキシ酸を含まない)皮膚軟化剤又はクラスVI若しくはVIIの弱作用性局所コルチコステロイドを含有しない薬用シャンプーを用いた治療を継続することを許可された。これらの局所的な乾癬療法の適用は、研究訪問の24時間以内に行われるべきでなかった。ABT−874の投薬前の1ヶ月以内、研究の間、又は研究薬の最後の用量が投与された後の1ヶ月間、生ウイルス因子を用いたワクチン接種は許容されなかった。
以下の臨床的に重要な異常な検査結果の何れかが発生した場合には、患者を研究から直ちに離脱させた。正常の上限の5倍超のアスパラギン酸トランスアミナーゼ又はアラニントランスアミナーゼ、正常の上限の3倍超の血清総ビリルビン、正常の上限の3倍超の血清クレアチン;正常の上限の5倍超のクレアチンホスホキナーゼ;8g/dL未満のヘモグロビン;2×10/L未満の白血球細胞数又は75×10/L未満の血小板数。
C.有効性の評価:一次的有効性評価は、12週の時点でPASI75応答(ベースラインスコアと比較したPASIスコアの少なくとも75%の低下と定義)を達成する患者のパーセントであった。PASIは、(紅斑、硬化及び落屑の観点での)乾癬性病変の重度及びBSA関与の程度の指標である。PASIスコアは、0(乾癬なし)から72(重度の疾病)までの範囲である(Fredriksson T, Pettersson U. Dermatologica 1978; 157:238−44)。他の有効性指標には、1、2、4及び8週の時点で少なくともPASI75を達成した患者のパーセント;1、2、4、8及び12週の時点で少なくともPASI50又はPASI90を達成した患者のパーセント;並びに12週及び1、2、4及び8週の時点で、無の又は最小限のPGAを達成した患者のパーセントが含まれた。PGAは、0(疾病なし又は無)から5(極めて重度)にわたる6点の尺度で疾病の重度を測定する(Ko H−S. Clinical trial design in psoriasis.Presented at:49th Meeting of the Dermatologic and Ophthalmologic Advisory Committee; March 20, 1998; Bethesda, MD)。
D:安全性の評価:研究を通じて、有害な現象、研究データ及びバイタルサインを評価した。感染症、悪性疾患及び免疫反応の徴候に関して、患者を詳しくモニターした。治療−緊急の有害な現象は、0週と最後の非喪失(nonmissing)研究薬物投薬から45日後又は最初の再治療投薬(36週の試験へ継続した患者の場合)から1日前のうち早い方との間に行った現象として定義した。
E.統計学的解析:標本のサイズは、nQueryAdvisor(R)4.0(Statistical Solutions, Saugus, MA)を用いて計算した。プラセボ群の患者の15%が12週目にPASI75応答を達成すると仮定して、研究の設計者は、0.05両側有意差水準で90%の検出力を有するFisherの正確確率検定を用いて、処理群からの少なくとも45%の差を検出するのに、各投薬群内の26の標本サイズが十分であることを確定した。研究は、約180人の患者(各群中に30人の患者)が参加するように設計された。
治療企図(Intention−to−treat)集団は、0週に無作為化され、研究薬の少なくとも1回の注射を与えられた全ての患者を含んだ。有効性分析のために、この集団を使用した。全ての検定は、α=0.05で行った。全ての有効性分析に対して、非応答者のデータ補完を使用した。何れかの訪問時にPASI又はPGAスコアを喪失しているあらゆる患者は、その訪問時における非応答者と考えた。喪失したデータの影響を評価するために、最終観察繰越法を用いて、12週データの感度解析を完全にした。多重性を調整するために、12週でのPASI75応答の一次解析は、以下の逐次的順序を用いて行った。200mg毎週対プラセボ、200mg隔週対プラセボ、100mg隔週対プラセボ、200mg×4対プラセボ及び200mg×1対プラセボ。ベースラインPASIスコアと処置群を因子として用い、分散分析を使用して、PASIスコアの平均パーセント変化に関する各ABT−874処置群とプラセボ群の間の治療差を評価した。研究薬の少なくとも1回の注射を受けた全ての患者を含む安全性集団を用いて、安全性解析を行った。
II.結果
A.患者:合計180人の患者が参加し、6つの治療群のうちの1つに無作為に振り分けた(図1)。患者の大半(プラセボ処置された患者の76.7%及びABT−874治療群の全患者の98%)は、研究の12週部分を完了した。
人口学的特徴及び疾病の活性に関して、患者は、治療群にわたって十分に釣り合いを取らせた(表1)。患者は、主に、男性(74.4%)及び白人(92.2%)であった。平均BSA関与は25%であり、平均PASIスコアは18.8であった。
B.有効性:12週目でのPASI75応答の一次的評価項目を達成する患者のパーセントは、プラセボ(3.3%、30人のうち1人)と比べて、ABT−874治療群の全て(200mg×1:63.3%、30人のうち19人;100mg隔週:93.3%、30人のうち28人;200mg×4:90.0%、30人のうち27人;200mg隔週:93.3%、30人のうち28人:200mg毎週:90.0%、30人のうち27人)で、統計学的に有意に大きかった(p<0.001)。この試験の相対的に短い期間に関して、全てのABT−874治療群中のPASI75応答は、200mg×1治療群を除き、同様であった(図2)。
人口統計学的要素(性別、年齢、人種及び体重)、ベースライン疾病特性(乾癬性関節炎の既往歴、BSA及びPASIスコア)及び研究治療を受けている12ヶ月内の乾癬に対するベースライン治療(全身生物学的及び非生物学的、局所的及び光治療)による亜群解析は、様々な亜群内のABT−874処理された患者が12週におけるPASI75応答の高いレベルを一貫して達成することを示した。
より高いABT−874投薬量群のほぼ100%が、12週までに少なくともPASI50応答を達成した(200mg×1:76.7%、30人のうち23人;100mg隔週:100.0%、30人のうち30人;200mg×4:96.7%、30人のうち29人;200mg隔週:96.7%、30人のうち29人;200mg毎週:100.0%、30人のうち30人;プラセボ:16.7%、30人のうち5人;プラセボとの各比較に関してp<0.001)。以下のように、プラセボと比較した場合、12週において少なくともPASI90応答を達成する患者のパーセントは、ABT−874治療群の1つ(200mg×1)を除く全てで統計学的に有意に高かった(p<0.001)。200mg×1:16.7%、30人のうち5人;100mg隔週:53.3%、30人のうち16人;200mg×4:63.3%、30人のうち19人;200mg隔週:76.6%、30人のうち23人;200mg毎週:53.3%、30人のうち16人;及びプラセボ:0%、30人のうち0人。さらに、12週までに、全てのABT−874治療群中の有意に多くの(p<0.001)患者が、以下のように、プラセボ群内の患者と比べて、無又は最小限のPGA評点を達成した。プラセボ3.3%、30人のうち1人に対して、200mg×1:50.0%、30人のうち15人;100mg隔週:83.3%、30人のうち25人;200mg×4:73.3%、30人のうち22人;200mg隔週:86.7%、30人のうち26人;200mg毎週:86.7%、30人のうち26人。
12週でPASI100応答の一次的評価項目を達成する患者のパーセントは、プラセボ(0%、30人のうち0人)と比べて、以下のABT−874治療群(200mg隔週:46.7%、30人のうち14人;200mg毎週:36.7%、30人のうち11人)において統計学的に有意に大きかった(p<0.001)。
ABT−874に対する応答は、迅速であった。全てのABT−874治療群に対して、ベースラインからのPASIスコアの平均パーセント改善は時間が経過するとともに増加し(図3)、それぞれの時点で、プラセボと比較して、各ABT−874治療群に対して統計学的に有意に大きかった(p<0.001、1週での100mg隔週群を除く(p=0.023)。)
C.安全性:ABT−874治療は、一般に、良好に耐容された(表2)。ABT−874で治療された1人の患者(0.7%)が、局所的な皮膚の変色のために研究を中断した。プラセボで治療された2人の患者(6.7%)が研究を中断した(1人は乾癬性関節症のため、及び1人は卵巣癌のため)。2人(1.1%)の患者が、深刻な有害現象(AE)を経験した。1人のプラセボ処理された患者は37日目に卵巣癌と診断され、1人のABT−874処理された患者(200mg×1)は10日目に肋軟骨炎と診断された。心筋梗塞又は脳梗塞を経験した患者は存在せず、死亡例も存在しなかった。
ABT−874の何れかの用量を与えた患者は、少なくとも研究薬と関連する可能性がある有害現象を経験する可能性がプラセボを与えた患者より有意に高かった(ABT−874:36.0%、150人のうち54人;プラセボ:10.0%、30人のうち3人;表2)(p=0.033)。これらの有害現象の多くは注射部位と関連していた(注射部位の反応、紅斑、掻痒又は炎症)。
有害現象の多くは穏やかであった(ABT−874処理された患者の46.0%「150人のうち69人」に穏やかな有害現象が起こり、プラセボ処理された患者の30.0%「30人のうち9人」)。最も一般的な有害現象は、ABT−874の何れかの用量で処理された患者の16.7%(150人のうち25人)に起こった注射部位反応であった(プラセボ処理された患者には注射部位反応は報告されなかった;p=0.028;表3)。プラセボ処理された患者と比べた、ABT−874処理患者中での他の有害現象の発生率の間には統計学的に有意な差は存在しなかった。次に最も頻繁に報告された有害現象は、鼻咽頭炎及び上部気道感染であった。
全ての患者の32.8%(180人のうち59人)によって、感染性の有害現象が報告された(プラセボ:23.3%、30人のうち7人;全てのABT−874処理された患者:34.7%、150人のうち52人)。全てのABT−874治療群に対して報告された最も一般的な感染性の有害現象は、鼻咽頭炎(12.0%、150人のうち18人)、上部気道感染(10.7%、150人のうち16人)並びに気管支炎及びウイルス感染(何れも2.7%、150人のうち4人)であった。深刻な感染性の有害現象は報告されなかった。
2人の患者が、研究の間に悪性腫瘍を報告した。1人のプラセボ処理された患者が卵巣癌と診断され、129日の時点で進行中であった。1人のABT−874処理された患者(200mg×4)は、非悪性黒色腫皮膚癌(扁平上皮細胞癌)と診断され、133日に除去された。この患者に対する医学的な既往歴には、2005年3月における両性皮膚増殖の除去が含まれた。
プラセボと比べて、臨床的に重要な血液学、化学(血中グルコース濃度を含む。)又はバイタルサインの変化は存在しなかった。
Figure 2011515404
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III.結論
本実施例に記載されている第II相、複数施設無作為化二重盲検プラセボ対照化試験は、中度ないし重度の慢性尋常性乾癬の治療における統計学的に及び臨床的に有意なABT−874の有効性を示した。ABT−874200mg×1治療群を除き、全てのABT−874治療群中の患者の90%又はそれ以上が、プラセボ処理された患者の3.3%と比べて、12週までに、PASI75又はそれ以上を達成した。研究薬を1回だけ投薬された群(200mg×1)でさえ、患者の過半数(63.3%)は、12週までに、少なくともPASI75を達成した。さらに、ABT−874で処理された患者のほぼ100%が、12週までにPASI50又はそれ以上に達し、これは、臨床的に有意な改善であると考えられる(Carlin CS, Feldman SR, Krueger JG, Menter A, Krueger GG.J Am Acad Dermatol 2004; 50:859−66)。PASI90及び無又は最小限のPGAなどの他の二次的評価項目に対する結果は、一次的有効性分析と合致しており、一次的有効性分析を支持した。
ABT−874に対する応答は、迅速であった。プラセボ及びABT−874処理された患者間での統計学的に有意な分離は、PASIスコアの平均パーセント改善に関して、早くも1週目に起こった。ABT−874200mg×1及び200mg×4投薬群内の患者に対してさえ、試験の12週期間にわたって改善が維持された。
ABT−874は良好に耐容され、多くの有害現象は穏やかであった。ABT−874処理された患者は研究薬と少なくとも関連する可能性がある有害現象を経験する可能性が有意に高かったが、これらの多くは注射部位に関連する有害現象であった(注射部位反応、紅斑、掻痒又は炎症)であった。ABT−874の増加した用量と有害現象の増大した発生率との間には、明白な関連は存在しなかった。注目すべきことに、心筋梗塞又は脳梗塞は存在しなかった。
抗IL−12/23抗体を与えた患者に関して、免疫関連現象は特に興味深い。最も頻繁に報告された感染性の有害現象は、鼻咽頭炎、上部気道感染、気管支炎及びウイルス性感染であった。この試験の実施期間にわたって、深刻な感染性の有害現象は報告されなかった。研究の間に診断された2つの悪性腫瘍のうち、プラセボ処理された患者中に卵巣癌が診断され、良性皮膚増殖の既往歴を有するABT874処理患者中に非悪性黒色腫皮膚癌が診断された。
要約すると、ABT−874は、中度ないし重度の慢性尋常性乾癬を有する患者の治療に対して、統計学的に及び臨床的に有意な有用性を示し、良好に耐容された。
中度ないし重度の尋常性乾癬の治療における、完全ヒトIL−12/−23モノクローナル抗体ABT−874による応答の維持
12週の第II相無作為化対照試験及び36週の追跡相において、ABT−874の有効性及び安全性を評価した。以下の実施例の目的は、中度ないし重度の尋常性乾癬の治療において、ABT−874の皮下注射のこの第II相試験の2番目の12週の間に治療を中断した後における応答の維持を分析することであった。
体表面積(BSA)の10%以上を冒す乾癬及び12以上のPASIスコアを有する成人が、この12週の二重盲検プラセボ対照試験への参加資格を有した。患者を6つの治療群の1つに無作為に割り振った。
1)100mgABT−874、隔週(eow)12週間、
2)第0週目に1回200mgABT−874投薬、
3)毎週4週間、200mgABT−874、
4)隔週で12週間、200mgABT−874
5)毎週12週間、200mgABT−874又は
6)プラセボ。
一次的評価項目は、12週目でのPASI75以上の応答であった。一次的評価項目に合致した患者は、36週の盲検化された/再治療相に入った。研究薬を用いた治療を中断し、36週の追跡期間の間の様々な時点で、PASI50、PASI75及びPASI90応答などのPASIスコアに関して患者をモニターした。24週を通じて、PASI応答の維持を評価した。
合計180人の患者(各治療群30人)が参加した。ベースラインの特徴は、治療群間で類似していた。(男性の%を除き、全て平均値で表されている。):年齢46歳、男性74%、乾癬の期間21年、PASI=19及び25%のBSAが罹患。
12週目に、PASI75以上の患者のパーセントは、プラセボに比べて、5つの各ABT−874治療群において統計的に有意に高かった(表4)。24週目に、能動治療群におけるPASI75応答者の相当なパーセントが、少なくともPASI50以上のPASIスコアを維持していた。さらに、能動治療群中のPASI75応答者の相当なパーセントは、少なくともPASI75以上のPASIスコア及びPASI90以上のPASIスコアも維持していた(表4及び図4AからC)。24週の期間にわたって、PASI75応答を維持する患者のパーセントが、図4Dに図示されている。
Figure 2011515404
結論として、ABT−874は、中度ないし重度の尋常性乾癬の治療において、プラセボより有意に効果的であった。PASI75応答者の相当なパーセントが、能動治療の中断後、24週の時点で、PASI50以上、PASI75以上及びPASI90以上の応答を維持していた。
中度ないし重度の尋常性乾癬の治療における、完全ヒトIL−12/−23モノクローナル抗体ABT−874による再治療応答の維持
12週の初期治療相及び初期治療に対して応答した患者の36週再治療相を含む48週の第II相無作為化対照化試験において、ABT−874の有効性及び安全性を評価した。最初の12週の有効性の結果及び応答の維持の結果は、上記実施例に記載されている。以下の実施例の目的は、中度ないし重度の尋常性乾癬の治療において、ABT−874の皮下注射のこの第II相研究の初期応答を失った患者での36週再治療/追跡相の間の再治療の応答を調べることであった。以下の実施例のさらなる目的は、48週を通じて、中度ないし重度の尋常性乾癬の治療におけるABT−874の皮下注射の安全性を調べることであった。
ベースラインにおいて、人口学的要素及び臨床的特徴は治療群にわたって類似していた(下表5に要約されている。)
Figure 2011515404
10%以上の体表面積を冒す乾癬、及び12以上の乾癬面積及び重度指数(PASI)スコアを有する成人を、6つの治療群の1つに無作為に割り当てた。1)0週目に、200mg用量のABT−874を1回;2)隔週に12週間ABT−874の100mg;3)毎週4週間ABT−874の200mg;4)隔週に12週間ABT−874の200mg;5)毎週12週間ABT−874の200mg又は6)プラセボ。一次的評価項目は、12週目でのPASI75以上の応答であった。一次的評価項目に合致した患者は、36週の再治療相に進んだ。研究薬を用いた治療を中断し、12から36週の間に応答を失った(PASI50以下)患者は、最初の12週の間に割り当てられたのと同じ投薬治療計画を用いた再治療を受けた。再治療は、12週間継続した。処置に関わらず、研究の持続期間全体にわたって、又は中断まで、全ての患者をモニターした。
最初に参加した180人のうち、130人(プラセボ1人)が再治療相に進み、58人(全てABT−874)が再治療を受けた。12週の時点でPASI75以上を達成し、次いで、再治療から12週後に再び、PASI75以上を達成した患者のパーセントは、各群について以下のとおりであった。それぞれ、1回の200mg投薬、63%対55%;100mg隔週、93%対94%、200mg毎週4週間、90%対69%;200mg隔週、93%対75%;及び200mg毎週、90%対83%。再治療を受けた合計58人の患者のうち、76%が、再治療後12週の時点でPASI75以上を達成した。
再治療を受けた患者に対する経時的なPASIスコアの改善が、図5AからBに図示されている。具体的には、図5Aは、PASI応答者における、4週から12週までのPASIスコアのベースラインからの平均パーセント改善を示しており、図5Bは、PASI75応答者における、再治療後の4週から12週までのPASIスコアのベースラインからの平均パーセント完全を示している。
再治療から12週後の時点でPASI50以上を達成した患者のパーセントは、各群に対して以下のとおりであった。1回200mg投薬、82%;100mg隔週、100%;200mg毎週4週、77%;200mg隔週、83%及び200mg毎週、100%。再治療を受けた合計58人の患者のうち、88%が、再治療から12週後の時点でPASI50以上を達成した。
再治療後の12週の時点で「無」又は「最小限」のPGAを達成した患者のパーセントは、各群に対して以下のとおりであった。1回200mg投薬、36%;100mg隔週、75%;200mg毎週4週、62%;200mg隔週、67%及び200mg毎週、83%。再治療を受けた合計58人の患者のうち、64%が、再治療から12週後の時点で、「無」又は「最小限」のPGAを達成した。
48週を通じて、少なくとも1つの治療群中に5%以上発生する有害現象(AE)は、降順で、鼻咽頭炎、注射部位反応、上部気道感染、頭痛、高血圧及び関節痛であった。48週を通じた治療によって発生した有害現象の概要が、下表6中に示されている。何れかの治療群中に5%以上の発生率を有する治療によって発生した有害効果の概要は、下表7に示されている。
Figure 2011515404
Figure 2011515404
前記データは、ABT−874が中度から重度の乾癬の治療において極めて効果的であることを示す。応答が喪失し、再治療すると、患者の過半数はPASI75応答を再度達成することができた。さらに、ABT−874は、長期間、好ましい安全性特性を有するように見受けられる。
正常な健康なボランティアにおける完全ヒトIL−12/−23モノクローナル抗体ABT−874の薬物速度論
無作為化された二重盲検プラセボ対照化用量変動研究において、ABT−874のある範囲の用量の耐容性、安全性及び薬物速度論(PK)を評価した。以下の実施例の目的は、健康なボランティアにおけるABT−874の静脈内(IV)及び皮下(SC)注射の薬物速度論を調査することであった。
主な導入基準は、(i)18歳から45歳の間の健康な男性ボランティア、(ii)スクリーニング検査の調査の何れにおいても、臨床的に関連する異常がない(身体検査、バイタルサイン、心電図、生化学、血液学、尿検査、血清学)及び(iii)試験に参加する前の12ヶ月以内に胸部x線が正常であった。主な除外基準は、(i)1日に10本より多い煙草を吸う;(ii)1日あたりアルコール30g超を飲む;(iii)陽性の尿薬物スクリーニング、(iv)特に、ミコバクテリウム・チュバキュロシスなどの細胞内細菌性病原体による慢性の感染症及び(v)以前の2年以内に入院又は静脈内抗生物質を必要とする大きな感染症であった。
若い(18から45歳)健康な男性ボランティアは、2期間クロスオーバー(2×2Latinスクウェア)デザインで、0.1、0.3、1.0又は5.0mg/kgABT−874の2つの等用量(静脈内1回及び皮下1回を8週間隔で投与)を与えた。ABT−874濃度を測定するための血液試料は、最初の投薬前(0)及び投薬から0.5、1、1.5、2、4、8、12、24、48、72、120、168、336、504及び672時間後に集めた。酵素結合免疫吸着検定法によって、ABT−874の血清濃度を測定した。
ABT−874血清濃度を個別に表で表し、統計学的な特徴(幾何平均及び幾何標準偏差を含む。)によって記載し、静脈内及び皮下処置並びに各処置群に対して、個別並びに平均、中央値及び幾何平均濃度対時間曲線として表した。ノンコンパートメント法を用いて、以下のPKパラメータを推測した。
・Cmax 最大血清濃度(μg/mL)
・Tmaxmaxに到達するまでの時間(時間)
・AUC 血清濃度−時間曲線下面積(μg×時間/mL)
・t1/2 半減期(時間)
・CL クリアランス(mL/時間)(静脈内投与に関して)
・V 分布の容積(mL)(静脈内投与に関して)
・CL/F 見かけのCL(mL/時間)(皮下投与に関して)
・V/F 見かけのV(mL)(皮下投与に関して)
合計64人の患者を無作為化した。各投薬群に対して、12人にABT−874を与え、4人にプラセボを与えた。ABT−874は、静脈内投与後に双指数関数的速度論に従うように見受けられ、投与から約7日後に終末相に入った。0.1、0.3、1.0及び3.0mg静脈内投薬に対する平均+標準偏差終末半減期は、それぞれ、81.2±55.6、147±73.2、208±79.2及び196±55.4時間であった。0.1、0.3、1.0及び3.0mg皮下投薬に対する平均±標準偏差終末半減期は、それぞれ、221±103、161±92.6、210±90.9及び208±79.2時間であった。静脈内投与に対する平均終末半減期は、81.2±55.6時間から208±79.2時間の範囲であった。皮下投与に対する平均終末半減期は、161±92.6時間から221±+103時間の範囲であった。総合平均終末半減期は、8から9日であった。
ABT−874の薬物速度論(薬物の最大濃度[Cmax]又は曲線下面積[AUC])は、静脈内及び皮下投与の両者の後に、用量に比例して増加した。静脈内及び皮下投薬に対する血清濃度−時間曲線が、それぞれ、図6A及び6Bに示されている。分布の容積は、静脈内投与後には約8から10L、皮下投与後には24から67Lの範囲であった。皮下投与後、Cmaxに到達するまでの時間は約3から4日であった。皮下投与後の生物学的利用性は、評価された用量に対して42%と62%の間の範囲であった。各用量での静脈内又は皮下投与後の薬物速度論的パラメータ(Cmax(μg/mLでの最大血清濃度)、AUC(μg×時間/mLでの血清濃度−時間曲線下面積)、tmax(時間でのCmaxに到達するまでの時間)、t1/2(時間での半減期)、CL(mL/時間でのクリアランス)及びV(分布の容積(mL)を含む。)が、下表8に示されている。
Figure 2011515404
先述のデータは、0.1と5.0mg/kgの間の単回用量で静脈内及び皮下投与されたABT−874は、若い健康な男性個体によって良好に耐容されたことを示す。8から9日の半減期を有するABT−874の薬物速度論的特性は、IgG抗体に対して予想されたとおりである。
中度ないし重度の尋常性乾癬の治療における、完全ヒトIL−12/−23モノクローナル抗体ABT−874による再治療応答の維持
12週の初期治療相及び初期治療に対して応答した患者の36週再治療相を含む48週の第II相無作為化対照化試験において、ABT−874の有効性及び安全性を評価した。最初の12週の有効性の結果及び応答の維持の結果は、上記実施例1から5に記載されている。以下の実施例の目的は、中度ないし重度の尋常性乾癬の治療において、ABT−874の皮下注射のこの第II相研究の初期応答を失った患者での36週再治療/追跡相の間における再治療応答を調べることであった。以下の実施例のさらなる目的は、48週を通じて、中度ないし重度の尋常性乾癬の治療におけるABT−874の皮下注射の安全性を調べることであった。
試験への主な参加基準は、以下のとおりであった。(i)スクリーニングの前に、少なくとも6ヶ月間乾癬の臨床的診断及び少なくとも2ヶ月間安定な尋常性乾癬を有する成人、並びに(ii)ベースライン訪問時に中度ないし重度の尋常性乾癬(10%以上の体表面積の関与、12以上の乾癬面積及び重度指数[PASI]スコア及び少なくとも中度疾病の医師の全体的評価[PGA])。
試験に対する第一の除外基準は、以前に全身的又は生物学的抗IL−12治療に曝露されていたことであった。第二の除外基準は、ベースライン訪問前に以下の治療を中断できないことであった。局所的乾癬治療、2週以前;紫外(UV)−B光光療法、2週以前;ソラーレンUV光光療法、4週以前;全身療法、4週以前;及び生物学的療法、12週以前。
ベースラインにおいて、人口学的要素及び臨床的特徴は処置群にわたって類似していた(上記実施例6の表5に要約されている。)
10%以上の体表面積を冒し、及び12以上の乾癬面積及び重度指数(PASI)スコアの乾癬を有する成人を、6つの治療群の1つに無作為に割り当てた。1)0週目に、200mg用量のABT−874を1回;2)隔週に12週間ABT−874の100mg;3)毎週4週間ABT−874の200mg;4)隔週に12週間ABT−874の200mg;5)毎週12週間ABT−874の200mg又は6)プラセボ。一次的評価項目は、12週目でのPASI75以上の応答であった。一次的評価項目に合致した患者は、36週の再治療相に進んだ。研究薬を用いた治療を中断し、12から36週の間に応答を失った(PASI50以下)患者は、最初の12週の間に割り当てられたのと同じ投薬治療計画を用いた再治療を受けた。再治療は、12週間継続した。処置に関わらず、研究の持続期間全体にわたって、又は中断まで、全ての患者をモニターした。
成果の測定には、以下のものが含まれた。(i)PASI75を達成している患者のパーセント;(i)再治療後にPASI75応答を達成するまでの時間の中央値;(iii)PASI75応答を失うまでの時間の中央値、(iii)再治療後の「無」又は「最小限」のPGAスコアを有する患者のパーセント。
統計学的解析は、以下のように実施した。治療企図(ITT)分析は、無作為化された処置群によって行った。ABT−874での再治療後に得られたPASI評価に関しては、再治療の最初の投薬からの日数に従って、研究訪問に評価を割り当てた。PASI応答(あり/なし)を達成している患者の割合は、由来する研究訪問に従って表されている。全ての統計学的検定は、0.05の有意値を用いた両側検定であった。
最初に参加した180人の患者(治療群当り30人の患者)のうち、130人(プラセボ1人)が再治療相に進み、58人(全てABT−874)が再治療を受けた。12週の時点でPASI75以上を達成し、次いで、再治療から12週後に再び、PASI75以上を達成した患者のパーセントは、各群について以下のとおりであった。それぞれ、1回の200mg投薬、63%対55%;100mg隔週、93%対94%、200mg毎週4週間、90%対69%;200mg隔週、93%対75%;及び200mg毎週、90%対83%。再治療を受けた合計58人の患者のうち、76%が、再治療後12週の時点でPASI75以上を達成した。患者の過半数は、PASI75応答を再度達成することができた(図7A)。
全てのABT−874投薬群にわたって、再治療相の間にPASI75を達成する時間の中央値(日)が、図7Bに図示されている。再治療の間にPASI75以上を達成する時間の中央値は、各群に対して以下のとおりであった。それぞれ、1回の200mg投薬、60日と65日の間;100mg隔週、55と60日の間;200mg毎週4週間、55日と60日の間;200mg隔週、25と35日の間;及び200mg毎週、55日と60日の間。
治療の最初の12週後にPASI75を失う時間の中央値(日)が、図7Cに図示されている。治療の最初の12週後にPASI75を失う時間の中央値は、各群に対して以下のとおりであった。それぞれ、1回の200mg投薬、55日と60日の間;100mg隔週、110と120日の間;200mg毎週4週間、110日と120日の間;200mg隔週、160と180日の間;及び200mg毎週、180日と190日の間。
再治療から12週後の時点で「無」又は「最小限」のPGA(例えば、0又は1のPGA)を達成した患者のパーセントが、図7Dに図示されている。再治療の間に0又は1のPGAを達成した患者のパーセントは、各群に対して以下のとおりであった。それぞれ、200mg用量1回、35%と40%の間;100mg隔週、70%と80%の間;200mg毎週4週間、60%と65%の間;200mg隔週、60%と70%の間;及び200mg毎週、80%と90%の間。再治療を受けた全患者のうち、60と65%の間が、再治療後に、0又は1のPGAを達成した。
48週を通じて、少なくとも1つの処置群中に5%を以上発生する有害な現象(AE)は、降順で、鼻咽頭炎、注射部位反応、上部気道感染、頭痛、高血圧及び関節痛であった。48週を通じた治療によって発生した有害現象の概要は、上記実施例6の表6中に示されている。何れかの処置群中に5%以上の発生率を有する治療によって発生した有害効果の概要は、上記実施例6の表7に示されている。
前記データは、ABT−874が中度から重度の乾癬の治療において極めて効果的であることを示す。応答の喪失及び再治療に際して、患者の過半数はPASI75応答を再度達成することができた。さらに、ABT−874は、長期間、好ましい安全性特性を有するように見受けられる。
均等物
当業者は、定型的な実験操作のみを用いて、本明細書中に記載されている本発明の具体的な実施形態に対する多くの均等物を認識し、又は確認することができる。このような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されるものとする。

Claims (69)

  1. IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与することを含み、前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後の第一の長期間にわたって少なくともPASI75応答を維持し、前記対象が抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後に応答の喪失を示し、及び前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の再投与後の第二の長期間にわたって少なくともPASI75応答を維持し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法。
  2. 第一の長期間が少なくとも約12週である、請求項1に記載の方法。
  3. 抗体の投与が少なくとも約12週間中断される、請求項1に記載の方法。
  4. 第二の長期間が少なくとも約12週である、請求項1に記載の方法。
  5. 抗体又はその抗原結合部分が隔週に投与される、請求項1に記載の方法。
  6. 抗体又はその抗原結合部分が毎週投与される、請求項1に記載の方法。
  7. 抗体又はその抗原結合部分が単回投薬で投与される、請求項1に記載の方法。
  8. 抗体又はその抗原結合部分が約200mgの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  9. 抗体又はその抗原結合部分が約100mgの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  10. 乾癬が慢性の乾癬である、請求項1に記載の方法。
  11. IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープへ結合することができる抗体又はその抗原結合部分の単回投薬を対象に投与することを含み、抗体又はその抗原結合部分の投与後に、少なくとも約3日の半減期、約4日未満又は約4日に等しいTmax及び少なくとも約40%の生物学的利用可能性からなる群から選択される少なくとも1つの薬物速度論的特徴が達成される、対象中の乾癬を治療する方法。
  12. 少なくとも約8日の半減期が達成される、請求項11に記載の方法。
  13. 約3日未満又は約3日に等しいTmaxが達成される、請求項11に記載の方法。
  14. 少なくとも約60%の生物学的利用可能性が達成される、請求項11に記載の方法。
  15. 抗体が静脈内注射を介して投与される、請求項11に記載の方法。
  16. 抗体が皮下注射を介して投与される、請求項11に記載の方法。
  17. 単回投薬が抗体又はその抗原結合部分の約0.1と約5.0mg/kgの間である、請求項11に記載の方法。
  18. IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与することを含み、前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後の第一の長期間にわたって少なくともPASI75応答を維持し、前記対象が抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後に応答の喪失を示し、及び前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の再投与後の第二の長期間にわたって少なくともPASI50応答を維持し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法。
  19. 第一の長期間が少なくとも約12週である、請求項18に記載の方法。
  20. 抗体の投与が少なくとも約12週間中断される、請求項18に記載の方法。
  21. 第二の長期間が少なくとも約12週である、請求項18に記載の方法。
  22. 抗体又はその抗原結合部分が隔週に投与される、請求項18に記載の方法。
  23. 抗体又はその抗原結合部分が毎週投与される、請求項18に記載の方法。
  24. 抗体又はその抗原結合部分が単回投薬で投与される、請求項18に記載の方法。
  25. 抗体又はその抗原結合部分が約200mgの用量で投与される、請求項18に記載の方法。
  26. 抗体又はその抗原結合部分が約100mgの用量で投与される、請求項18に記載の方法。
  27. 乾癬が慢性の乾癬である、請求項18に記載の方法。
  28. IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与することを含み、前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後の第一の長期間にわたって少なくともPASI75応答を維持し、前記対象が抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後に応答の喪失を示し、及び前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の再投与後の第二の長期間にわたって無の又は最小限のPGAスコアを維持し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法。
  29. 第一の長期間が少なくとも約12週である、請求項28に記載の方法。
  30. 抗体の投与が少なくとも約12週間中断される、請求項28に記載の方法。
  31. 第二の長期間が少なくとも約12週である、請求項28に記載の方法。
  32. 抗体又はその抗原結合部分が隔週に投与される、請求項28に記載の方法。
  33. 抗体又はその抗原結合部分が毎週投与される、請求項28に記載の方法。
  34. 抗体又はその抗原結合部分が単回投薬で投与される、請求項28に記載の方法。
  35. 抗体又はその抗原結合部分が約200mgの用量で投与される、請求項28に記載の方法。
  36. 抗体又はその抗原結合部分が約100mgの用量で投与される、請求項28に記載の方法。
  37. 乾癬が慢性の乾癬である、請求項28に記載の方法。
  38. IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープへ結合することができる抗体又はその抗原結合部分の単回投薬を対象に投与することを含み、抗体又はその抗原結合部分の投与後に、約0.15と約150μg/mLの間の最大血清濃度(Cmax)及び約80と約13,000μg×時間/mLの間の血清濃度時間曲線下面積(AUC)からなる群から選択される少なくとも1つの薬物速度論的特徴が達成される、対象中の乾癬を治療する方法。
  39. 抗体が静脈内注射を介して投与される、請求項38に記載の方法。
  40. maxが約1と約150μg/mLの間である、請求項39に記載の方法。
  41. AUCが約145と約13,000μg×時間/mLの間である、請求項39に記載の方法。
  42. 抗体が皮下注射を介して投与される、請求項38に記載の方法。
  43. maxが約0.15と約20μg/mLの間である、請求項42に記載の方法。
  44. AUCが約80と約5,000μg×時間/mLの間である、請求項42に記載の方法。
  45. 単回投薬が抗体又はその抗原結合部分の約0.1と約5.0mg/kgの間である、請求項38に記載の方法。
  46. IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分の単回投薬を対象に投与することを含み、約30と約600mL/時間の間のクリアランス(CL)及び約8と約11Lの間の分布容積(Vz)からなる群から選択される少なくとも1つの薬物速度論的特徴が抗体又はその抗原結合部分の静脈内投与後に達成される、対象中の乾癬を治療する方法。
  47. IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分の単回投薬を対象に投与することを含み、約90と約250mL/時間の間の見かけのクリアランス(CL/F)及び約23と約67Lの間の見かけの分布容積(V/F)からなる群から選択される少なくとも1つの薬物速度論的特徴が抗体又はその抗原結合部分の皮下投与後に達成される、対象中の乾癬を治療する方法。
  48. 単回投薬が抗体又はその抗原結合部分の約0.1と約5.0mg/kgの間である、請求項46又は47に記載の方法。
  49. IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与することを含み、前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後にPASI75応答を示し、前記対象が抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後に応答の喪失を示し、及び前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の再投与後の約25日までに、少なくともPASI75応答を示し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法。
  50. 対象が、抗体又はその抗原結合部分の再投与後の約50日までに、少なくともPASI75応答を示す、請求項49に記載の方法。
  51. 対象が、抗体又はその抗原結合部分の再投与後の約60日までに、少なくともPASI75応答を示す、請求項49に記載の方法。
  52. 抗体の最初の投与が少なくとも約12週間である、請求項49に記載の方法。
  53. 抗体の投与が少なくとも約8週間中断される、請求項49に記載の方法。
  54. 抗体又はその抗原結合部分が隔週に投与される、請求項49に記載の方法。
  55. 抗体又はその抗原結合部分が毎週投与される、請求項49に記載の方法。
  56. 抗体又はその抗原結合部分が単回投薬で投与される、請求項49に記載の方法。
  57. 抗体又はその抗原結合部分が約200mgの用量で投与される、請求項49に記載の方法。
  58. 抗体又はその抗原結合部分が約100mgの用量で投与される、請求項49に記載の方法。
  59. 乾癬が慢性の乾癬である、請求項49に記載の方法。
  60. IL−12及び/又はIL−23のp40サブユニットのエピトープに結合することができる抗体又はその抗原結合部分を対象に投与することを含み、前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の最初の投与後にPASI75応答を示し、前記対象が抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後、約60日までに応答の喪失を示し、及び前記対象が前記抗体又はその抗原結合部分の再投与後にPASI75応答を達成し、これにより、前記対象中の乾癬を治療する、対象中の乾癬を治療する方法。
  61. 対象が、抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後の約120日までに、応答の喪失を示す、請求項60に記載の方法。
  62. 対象が、抗体又はその抗原結合部分の投与の中断後の約180日までに、応答の喪失を示す、請求項60に記載の方法。
  63. 抗体の最初の投与が少なくとも約12週間である、請求項60に記載の方法。
  64. 抗体又はその抗原結合部分が隔週に投与される、請求項60に記載の方法。
  65. 抗体又はその抗原結合部分が毎週投与される、請求項60に記載の方法。
  66. 抗体又はその抗原結合部分が単回投薬で投与される、請求項60に記載の方法。
  67. 抗体又はその抗原結合部分が約200mgの用量で投与される、請求項60に記載の方法。
  68. 抗体又はその抗原結合部分が約100mgの用量で投与される、請求項60に記載の方法。
  69. 乾癬が慢性の乾癬である、請求項60に記載の方法。
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