JP2011506553A - 精製ピロカテコールの調製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の主題は、ピロカテコールの調製方法であって、これらを調製するための方法から生じる不純物が除去されている方法である。ピロカテコール、ジヒドロキシベンゾキノンおよびハイドロキノンの痕跡およびフェノール化合物を含む不純物少量を基本的に含有する粗製ピロカテコールから精製ピロカテコールを調製するための方法は、少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする:水中での粗製ピロカテコールの溶解、ピロカテコールの結晶化、精製ピロカテコールの分離および、場合により、精製ピロカテコールを乾燥させる工程。本発明の方法は他の工程を含むことができ、および、異なる工程の一続きを含むことができる、選択される実施形態に依存して、様々な純度の程度を有するピロカテコールを得ることができる。

Description

本発明は精製ピロカテコールの調製方法に関する。
本発明は、この調製方法から生じる不純物を含まないピロカテコールの提供に向けられる。
一実施形態によると、本発明は高純度のピロカテコールを得るための方法を提供する。
ピロカテコール(即ち、1,2−ジヒドロキシベンゼン)は、多くの適用分野において、エラストマー、オレフィン、ポリオレフィンもしくはポリウレタンにおける重合阻害剤もしくは酸化防止剤として、またはなめし剤として、広範に用いられる製品である。
この複雑な特性のため、ピロカテコールはキレート剤および防食剤としても用いられる。
これは、多くの合成における中間体、特に、香料、化粧品、医薬および殺虫剤のものとしても役立つ。
考慮中の市場に従い、異なる純度が要求される。
電子工学のような特定の適用分野では非常に高純度の製品が求められる。
従って、市場には、極めて純粋な製品に対する強い要求が存在する。
不純物少量の除去は困難であるため、このような製品を産業規模で得ることは容易ではない。
ピロカテコールは、基本的には、市場でフレークの形態で入手可能である。
認められるように、フレークの取り扱いは粉末よりも容易であるが、特定の用途では、改善された溶解特性のため、粉末形態のピロカテコールが好まれる。
従って、多様化した製品に対する要求が市場に存在する。
ピロカテコールを合成するための経路の1つは、特に均一または不均一酸触媒の存在下における、過酸化水素でのフェノールのヒドロキシル化からなる。
従って、FR 2 071 464におけるように、強プロトン酸、即ち、0.1未満、好ましくは−1未満の水中でのpKaを有する酸を用いることができる。
強プロトン酸の例として、とりわけ、硫酸、クロロ硫酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸またはフェノールスルホン酸のようなスルホン酸を挙げることができる。
プロトン酸触媒の他の例として、スルホン酸樹脂(sulfonic resins)、特に、様々な商品名で販売される樹脂を挙げることができる。とりわけ、以下の樹脂を挙げることができる:Temex 50、Amberlyst 15、Amberlyst 35、Amberlyst 36およびDowex 50W。
上述の樹脂は、スルホン基である官能基を坦持するポリスチレン主鎖から形成される。ポリスチレン主鎖は、活性化触媒、通常は有機過酸化物の影響下でのスチレンおよびジビニルベンゼンの重合によって得られ、この活性化触媒は架橋ポリスチレンを導き、これは次に濃硫酸またはクロロ硫酸で処理され、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーを導く。
Duolite Arc 9359の名称で販売される樹脂のような、芳香族核にメチレンスルホン基を坦持するフェノール−ホルムアルデヒドコポリマーである、スルホン酸樹脂を用いることもできる。
他の商業的に入手可能な樹脂も使用に適しており、スルホン基を坦持するペルフルオロ樹脂、特に、テトラフルオロエチレンおよびペルフルオロ[2−(フルオロスルホニルエトキシ)プロピル]ビニルエーテルのコポリマーであるNafionを挙げることができる。
ヒドロキシル化方法における使用に適する他の触媒として、鉄IIおよび洞II錯体(FR 2 121 000およびUSSR 1 502 559)並びにフェントン型のあらゆる他の触媒を挙げることができる。
他のピロカテコール調製法は不均一触媒を用いる。従って、チタンシリカライト(即ち、チタノシリカライト−1)もしくは鉄シリカライト型の酸性ゼオライト、TS−1型の酸性ゼオライト(FR 2 489 816)、MELチタンシリカライト型のゼオライト(EP 1 131 264)またはMFI型のチタノゼオシライト(titanozeosilite)(EP 1 123 159)を用いることができる。MCM−22ゼオライト(FR 2 856 681)を用いることもできる。
このようなヒドロキシル化反応の後、基本的にピロカテコールおよびハイドロキノン(即ち、1,4−ジヒドロキシベンゼン)を様々な割合で、一般には、約0.25から4.0のピロカテコール/ハイドロキノン質量比で含み、並びに非常に少量の様々な副生物、特に、一般には約0.5質量%から4.0質量%の含有率(これらのパーセンテージは形成されるハイドロキノンおよびピロカテコールの量に対して表される。)の、レゾルシノール(即ち、1,3−ジヒドロキシベンゼン)およびピロガロール(即ち、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン)をも含む混合物が得られる。
質量基準で、ピロカテコール20%から80%、ハイドロキノン80%から20%、レゾルシノール0.1%から2%およびピロガロール0.1%から2%を含む、様々な組成の混合物が得られる。
典型的には、質量基準で、ピロカテコール50%から80%、ハイドロキノン20%から50%、レゾルシノール0.1%から2%およびピロガロール0.1%から2%を含む混合物が得られる。
このタイプの組成混合物からピロカテコールを単離するのに、現在公知の方法は、前記混合物を蒸留し、蒸留ヘッドでピロカテコール(これはこの混合物の最も揮発性の化合物である。)を、並びに蒸留テールで不純物少量、特に、レゾルシノールおよびピロガロールと組み合わされたハイドロキノンを基本的に含む混合物を、得ることからなる。
収集された蒸留物は「粗製ピロカテコール」として公知である。
仏国特許出願公開第2 071 464号明細書 仏国特許出願公開第2 121 000号明細書 旧ソビエト連邦特許出願公開第 1 502 559号明細書 仏国特許出願公開第2 489 816号明細書 欧州特許出願公開第1 131 264号明細書 欧州特許出願公開第1 123 159号明細書 仏国特許出願公開第2 856 681号明細書
本発明は、粗製ピロカテコールから出発して所望の純度を有するピロカテコールを得ることを可能にする、産業規模で実施することができる方法を提示する。
従って、本発明の目的は、ピロカテコールの所望の純度を制御することができ、高純度の要求を満たす生成物を得ることができる、柔軟な方法を提示することである。
本発明の別の目的は、特に流動性の点で、改善された物理化学的特徴を有する結晶性粉末の形態にあるピロカテコールを提供することである。
本発明の別の目的は、極めて高い純度までの様々な純度を有し得る結晶性粉末の形態にあるピロカテコールを提供することである。
本発明の方法によると、および、異なる工程の流れを含み得る、選択された実施形態によると、得られる生成物の純度を調整することができる。
ピロカテコール、5質量%未満の含有率のジヒドロキシベンゾキノン、ハイドロキノンの痕跡およびフェノール化合物を含む不純物少量を基本的に含有する粗製ピロカテコールから精製ピロカテコールを調製するための方法であって、少なくとも以下の工程:
水中でのピロカテコールの濃度が40質量%から90質量%となるような量で用いられる、水中での粗製ピロカテコールの溶解、
0から20℃の温度への冷却によるピロカテコールの結晶化、
結晶化母液から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離するための固/液分離、
および、場合により、精製ピロカテコールを乾燥する工程、
を含むことを特徴とする方法が今や見出されており、これが本発明の主題を形成するものである。
本発明の方法は、一般には不純物5%未満(好ましくは、2.5質量%未満)を含有する、既に非常に清浄である粗製ピロカテコールから得て、99質量%を上回り、好ましくは、99質量%から99.995質量%であり得る極めて高い純度に到達し、および高く、90質量%を越え得る精製収率でこれを行うことを可能にする。
従って、本発明の方法は、所望の純度の達成に溶液状の結晶化溶媒として水を排他的に用いる、産業規模で実施することができる一実施形態によるピロカテコールの精製を提示し、これは、経済的および環境的観点から、有機溶媒の使用と比較するとき、特に有利である。
本発明の方法の異なる変種を模式的に表す図である。 本発明の方法の異なる変種を模式的に表す図である。 本発明の方法の異なる変種を模式的に表す図である。 本発明の方法の異なる変種を模式的に表す図である。 本発明の方法の異なる変種を模式的に表す図である。 本発明の方法の異なる変種を模式的に表す図である。 本発明の方法の異なる変種を模式的に表す図である。 本発明の方法の異なる変種を模式的に表す図である。 実施例7A(本発明)において説明される結晶性粉末の形態にあるピロカテコール結晶の形態を表す、デジタルカメラを用いて撮影された写真に相当する。 市販ピロカテコール(実施例7B)のフレーク型の形態を示す、デジタルカメラを用いて撮影された写真を表す。 実施例7Cにおいて説明される商業的に入手可能な固体形態の形態を表す、デジタルカメラを用いて撮影された写真に相当する。 本発明のピロカテコール(短破線曲線);フレークの形態にあるピロカテコール(実線曲線);および固体形態にある市販ピロカテコール(長破線曲線)のふるい分けによって得られる、粒子径分布を示すグラフである。
Yasuji Fujitaらは、論文[Nippon Kagaku Kaishi,1974,No.1,p.127−131]において、サフロール、イソサフロールまたは3,4−メチレンジオキシケイ皮酸と塩酸アニリンとの反応を記述し、これは様々な生成物:ピロカテコール、メチレンジオキシベンゼン、p−トルイジン、p−プロピルアニリン、p−エチルアニリン、o−プロピルアニリン、2−メチル−2,3−ジヒドロインドールの形成につながる。この反応は数グラムの規模で行われ、前記論文においては、ピロカテコールを水から再結晶化することが述べられている。
従って、この論文は、考慮中の反応に関連する極めて特有の組成を有する反応媒体を用いて、ピロカテコールを水で抽出できることを開示する。しかしながら、不純物の含有率が低く、この不純物が前記論文に挙げられる化合物とは異なる性質のものであり、および異なる割合にある、ピロカテコールの精製方法は提示されていない。
水のみを用いてピロカテコールを産業規模で精製し、非常に高いものであり得る純度を達成できることは、前記論文からは決して推論することはできない。
水中で行われるピロカテコールの精製方法は、ピロカテコールが、20℃で31.2g/溶液100gおよび100℃で98.2g/溶液100g[Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry]のように、非常に高い水溶性のものであるため、これまで記述されてはいない。
通常、当業者は、精製しようとする生成物が結晶化終了温度で難溶性である溶媒中の溶液において結晶化を行うことによって生成物を精製し、通常、芳香族炭化水素、ベンゼンまたはトルエンがピロカテコールを再結晶化する溶媒として推奨される。
当業者の通常の実務に反して、出願人は、様々な実施形態による、産業規模で実施することが可能である、水中で実施されるピロカテコールの精製方法を提示する。
プロセスパラメータ、特に、濃度および結晶化終了温度を制御することにより、本発明の方法は、非常に純粋なピロカテコールを、好ましくは90質量%を上回る、非常に良好な精製収率で得ることを可能にする。
従って、本発明によると、この純度が本発明の実施形態のタイプに従って多かれ少なかれ改善されるピロカテコールが得られる。
本発明の方法の工程に従って処理される粗製ピロカテコールPCの組成は非常に広い範囲内で変化し得るが、本発明の方法は、基本的にピロカテコールを少なくとも97.5質量%(好ましくは、少なくとも99%)の割合で含有し、および2.5質量%未満(好ましくは、1%未満)の不純物少量を含む、粗製ピロカテコールに最も特別に有利であることがわかる。主な不純物はジヒドロキシベンゾキノンであり、ハイドロキノンおよびフェノール化合物の痕跡が存在する。
様々な不純物の濃度を指針として示す。
ジヒドロキシベンゾキノンの質量と不純物の合計の質量との比は、一般には、0.5から0.8の範囲である。
フェノール化合物の質量と不純物の合計の質量との比は、通常、0.18から0.4の範囲である。
ハイドロキノンの質量と不純物の合計の質量との比は0.02から0.10の範囲である。
本発明の方法は、ピロカテコールを97.5質量%から99.9質量%の割合で含み、粗製ピロカテコールの総質量に対して約0.1質量%から2.5質量%、特に、1質量%から2質量%の不純物の含有率を含む、粗製ピロカテコールの処理に特に有利である。
しかしながら、本発明は、2.5%不純物を越えて5質量%までであり得る、より不純物に富む粗製ピロカテコールにも適用することができる。
特定の実施形態の1つによると、本発明の方法に従って処理される粗製ピロカテコールPCは、上に挙げられるタイプの酸触媒の存在下でフェノールを過酸化水素でヒドロキシル化した後、ヘッドで粗製ピロカテコールを回収するために蒸留することから誘導される反応混合物から得られ、または得ることができる。
本発明の方法における使用に特に適する粗製ピロカテコールPCは、粗製ピロカテコールの総量に対する質量基準で、以下を含む:
ピロカテコール97.5%から99.9%、
ハイドロキノン0.003%から0.07%、
フェノール化合物0.02%から0.5%、
ジヒドロキシベンゾキノン0.07%から1.5%。
本発明において、「ピロカテコール」という用語は103℃±1℃の融点を有する1,2−ジヒドロキシベンゼン(CAS RN 120−80−9)を意味し、「ハイドロキノン」は172℃±1℃の融点を有する1,4−ジヒドロキシベンゼン(CAS RN 123−31−9)、ジヒドロキシベンゾキノン(CAS RN 615−94−1)、40.9±1℃の融点を有するフェノール(CAS RN 108−95−2)を意味する。融点は、特に、「Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry (2004),7th edition,Wiley VCH (electronic version)」に示される。
本発明の方法に従って処理される粗製ピロカテコールPCの正確な性質に関わりなく、本発明の方法の工程は以下に概述される条件下で有利に行われる。
本発明の方法の理解を容易にするため、本発明の方法の異なる変種を模式的に表す図1から8を以下に示すが、これは本発明の範囲を限定することはない。
図1
本発明の方法によると、水中でのピロカテコールの溶解を最初に行い、結晶化、固/液分離および乾燥がこれに続く。
より具体的には、この方法は以下の工程を含む:
水中での粗製ピロカテコールの溶解、
ピロカテコールの結晶化、
結晶化母液(F)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離するための固/液分離、
水(F)の除去でのピロカテコールの乾燥。
後者の工程は場合によるものであるが、一般には、ピロカテコールは乾燥形態にある固体である。
ピロカテコールおよび水は撹拌反応器に導入し、反応器の温度は熱交換器を用いて、またはこれが備えるジャケット内に熱交換流体を循環させることによって制御することができる。
本発明における使用に適する熱交換流体として、水またはカルボン酸の重エステル(例えば、オクチルフタレート)、ジフェニルエーテルおよび/またはベンジルエーテルのような芳香族エーテル、ビフェニル、ターフェニル、場合により部分的に水素化される他のポリフェニル、パラフィン系および/またはナフテン系油、石油蒸留残滓などを特に挙げることができる。
ピロカテコールの溶解を実施するのに導入される水の量は、水中のピロカテコールの濃度が40質量%から90質量%、好ましくは、50質量%から70質量%であるようにされる。
有利には、脱塩または蒸留水が本発明の方法において用いられる。
溶解操作は、好ましくは、40℃から100℃の範囲の温度で行う。
様々なパラメータが調整可能であり、選択される温度が高いほどこれに比例して濃度を高くすることができる。
以下の工程において、ピロカテコールの結晶化は、溶解温度から0から20℃、好ましくは、0から10℃の低温に冷却することによって行う。
結晶化は、内部交換器および/またはジャケット内での熱交換流体の循環を伴う(結晶化ベースン(crystallizing basins)として公知の)撹拌反応器のような、従来用いられる装置において行う。冷却は、減圧下(15mbarから250mbar)での、場合により凝縮物を再循環させながらの、溶媒(水)の部分的蒸発によって行うこともできる。
この操作は一般には120から600分間持続し、結晶化の様式、結晶化ベースンのサイズおよび供給チャージまたは供給流に依存する。
連続様式によると、反応器の作業体積と供給流の産出体積との比として表される滞留時間は、一般には、30分から6時間、好ましくは、2から4時間の範囲である。
撹拌は消散出力によって規定され、この出力は、好ましくは、0.4から1.2キロワット/反応器体積mである。
得られるピロカテコール結晶の質量に対する表示で、好ましくは2%未満の含有率で結晶化種を導入することにより、得られる生成物の粒径を制御することも可能である。好ましい含有率は0.5質量%から1質量%である。結晶化種としては、先行する製造に由来する適切な粒径の結晶性ピロカテコール少量を用いることができる。
結晶サイズおよび分布は、特に、以下のパラメータを変化させることによって制御する:粗製ピロカテコールの初期濃度、冷却温度プロフィール、種付け、撹拌出力および結晶化ベースン内での滞留時間。
操作の最後に、ピロカテコール結晶の懸濁液が得られる。
次に、結晶性生成物の分離を標準固/液分離技術に従って、好ましくは、濾過、遠心または排出によって行う。
分離は、一般には、結晶化終了温度で行うが、異なる温度を選択することもできる。
基本的に、用いられる分離技術に依存して水3%から20%、好ましくは、3%から10%を含む、湿潤精製ピロカテコールである固体および、その上、水、通常は約25質量%未満、好ましくは10質量%以上の含有率のピロカテコールを含む、結晶化母液(F)から形成される水相が回収される。
含水率は、Karl Fischerの一般法(ISO標準760−1978)に従い、Metrohm 758型の機械で決定する。
溶解および結晶化操作は連続またはバッチ様式で行うことができることに注意すべきである。
連続式の実施形態によると、異なっていてもよいが予め規定された区域で選択される温度を有する、直列または並列の反応容器および撹拌結晶化ベースンのカスケードが提供され得る。
前述のように、回収されたピロカテコールは乾燥操作に処することができる。
乾燥温度は50℃から100℃、好ましくは、50℃から70℃で有利に選択される。
乾燥は、当業者に公知の通常の技術に従い、大気圧もしくは減圧下での接触乾燥機、空気もしくは低酸素空気(例えば、空気乾燥機)または、不活性気体の再循環の可能性と共に、不活性気体、好ましくは、窒素を用いる対流式乾燥機のような、従来用いられる装置において行う。ピロカテコールは、不活性気体の再循環の可能性と共に、空気、低酸素空気または窒素中での流動床技術に従って乾燥させることもできる。
乾燥は、特に、乾燥機をRetsch流動床で用いて行う。
乾燥後、水および乾燥生成物、即ち、ピロカテコールPCで基本的に形成され、この化学的特徴が以下のようなものである流れ(F)が得られる:
ピロカテコール含有率が99.8%以上、
ハイドロキノン含有率が10ppm未満、
ジヒドロキシベンゾキノン含有率が40ppm未満、
フェノール化合物の含有率が40ppm未満。
有機不純物の含有率は高速液体クロマトグラフィーによって決定する。これらは乾燥生成物に対して表される。
図1の実施形態によると、得られるピロカテコール含有率は、粗製ピロカテコールの純度が最低であるとき、約99.99%以下である。
従って、より高い純度を得ることもできる。
この実施形態によると、好ましくは50%から90%の、高濃度範囲内にある水中での粗製ピロカテコールの初期濃度および15℃以下、好ましくは、0℃から10℃の結晶化最終温度を選択することにより、90質量%以上の精製収率を得ることができる。
本発明の方法によると、得られるピロカテコール結晶は、フレークの場合よりも高い単位体積あたりの質量を有する。
結晶の見かけの単位体積あたりの質量ρnt(非詰め込み)は、好ましくは、少なくとも0.6g/cm、さらにより好ましくは、0.61から0.66g/cmである。
結晶の見かけの単位体積あたりの質量ρ(詰め込み)は、好ましくは、少なくとも0.65g/cm、より優先的には、0.66から0.75g/cmである。
単位体積あたりの質量は、「顔料および増量剤の一般試験法。詰め込まれた体積および詰め込み後の見かけの密度の決定(General methods of test for pigments and extenders.Determination of tamped volume and apparent density after tamping)」と題する1982年11月30日のDIN標準ISO 787−11に従って測定する。例えば、標準ISO 4788による標準化250ml検体を備える、Stampfvolumeter STAV 2003機またはあらゆる等価の機械を用いることができる。
測定は、0.25質量%から0.5質量%の結晶の残留含水率を有し、流動床において60℃で10分間乾燥させた後に得られる、乾燥ピロカテコールに対して行う。
圧縮性指数iも、詰め込みおよび非詰め込みの見かけの単位体積あたりの質量の測定から、式
=(ρ−ρnt)/ρ
に従って定義することができ、式中:
は圧縮性指数を表し、
ρはg/cmでの詰め込みの見かけの単位体積あたりの質量を表し、
ρntはg/cmでの非詰め込みの見かけの単位体積あたりの質量を表す。
本発明の方法によって得られるピロカテコールは、0.1未満、好ましくは、0.05から0.09の、非常に低い圧縮性指数iを有する。
結晶サイズに関しては、乾燥後、10から1000μmの範囲である。
中央径(d0.5)によって表される結晶サイズは200μmから500μmであり得るが、好ましくは、250μmから350μmである。
中央径(d0.5)は、粒子50質量%が中央径を上回るか、または下回る直径を有するように定義される。
サイズ分布の広がりは以下の変動係数(CV)によって表されることが指摘される:
CV=(d0.9−d0.1)/2d0.5
0.9:粒子90質量%が直径d0.9未満の直径を有する、
0.5:粒子50質量%が中央径を上回るか、または下回る直径を有する、
0.1:粒子10質量%が直径d0.1未満の直径を有する。
結晶の集合の変動係数は、有利には、0.9から1.1の範囲である。
粒子サイズ分析は、乾燥モード(乾燥粒子のScirocco分散)でのMalvern 2000レーザー粒度分布測定装置で行う。
測定は前述のものと同じ含水率を有するサンプルに対して行う。
粒子径を測定するための他の技術は、ステンレス鋼で製造される基準化標準ふるい(標準NFX 11−504/ISO 3310−2)を用い、RetschモデルAS200実験室ふるい分け機を1.5mmの振動横振幅(vibration lateral amplitude)で用いて行われるふるい分け技術にある。
粉末は、100μm、200μm、315μm、500μm、800μm、1000μm、2500μmおよび5000μmのメッシュサイズを有する直径200mmの8つのふるいを通してふるい分けする。
実験的に決定されたふるい分け時間は、帯電防止粉末が存在するときは300秒であり、これが存在しないときは450秒である。
シリカのようなタイプの耐電防止剤(AerosilまたはTixosil)を、一般には、0.01質量%の割合で添加することができる。
得られた粒子径の割合は重み付けされる。
以下の粒子径分布が得られる:
粒子10質量%が200から250μm未満の直径を有し、
粒子50質量%が300から500μmを下回るか、または上回る直径を有し、
粒子90質量%が750から800μm未満の直径を有し、
粒子100質量%が1000μm未満の直径を有する。
流動性に関しては、Dietmar Schulze RST−0.1.pc自動環状セルを用いて決定する。
用いられる標準はASTM D6773−02 Standard Shear Test Method For Bulk Solid Using The Schulze Ring Shear Testerである。
粉末は、得られる流動性指数ffが10を上回るときに優れた流動性を有する(自由流動性である。)と見なされ、4から10の指数で良好な流動性を有するものと見なされる。
指数が2から4であるときには生成物は凝集性であり、1から2の指数では非常に凝集性である。
1未満の指数については、生成物は流動性がないものと見なされる。
本発明によると、15を上回り、好ましくは20以上であり、さらにより好ましくは20から25の流動性指数を有するピロカテコールが得られる。
図2
本発明の方法によると、水中でのピロカテコールの溶解を最初に行い、蒸発での結晶化、固/液分離および乾燥がこれに続く。
より具体的には、この方法は以下の工程を含む:
水中での粗製ピロカテコールの溶解、
蒸発でのピロカテコールの結晶化および濃縮物の流れ(F)の産出、
結晶化母液(F)から形成される水相からの結晶性ピロカテコールの分離を可能にする固/液分離、
水(F)の除去でのピロカテコールの乾燥。
この実施形態は、結晶化工程の最中に行われる蒸発がピロカテコール濃度の調整および反応の熱バランスの管理を可能にすることを除いて、図1のものと同一である。
蒸発操作は、大気圧下または25mbarから1barの範囲の減圧下、25℃から100℃の範囲の温度で加熱することによって行うことができる。
蒸発は、バッチ様式における結晶化これ自体の前もしくは最中に、または連続様式による結晶化全体を通して、行うことができる。
結晶化は図1において説明される通りに行う。
乾燥の後、水および乾燥生成物、即ち、この物理化学的特徴がPCのものに類似する、ピロカテコールPCから基本的に形成される流れ(F)が得られる。
この実施形態によると、好ましくは50質量%から90質量%の、図1によって定義されるような水中での粗製ピロカテコールの濃度を選択することにより、90%以上の精製収率を得ることができる。これは濃縮操作によって得ることができる。同様に、低い結晶化最終温度が望ましい。
図3
図1において説明される方法の変種の1つによると、乾燥工程の前に行われる追加の洗浄工程を想定することができる。しかしながら、ピロカテコールの高い溶解性を考えると、洗浄水中での収率の損失のため、洗浄は推奨されるものではない。
洗浄は、3以下、好ましくは、0.5から1.0の、洗浄水の質量とピロカテコールの含水率を構成する母液の質量との比を表す、水最少量を用いて行う。
洗浄は同じ固/液分離装置で行うことができ;またはフィルター、排水器もしくは遠心で行うことができる。
洗浄は数ppm(5から10)改善された純度を有するピロカテコールPCを得ることを可能にする。
より具体的には、図3の方法は以下の工程を含む:
水中での粗製ピロカテコールの溶解、
ピロカテコールの結晶化。
結晶化母液(F)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離するための固/液分離、
分離されたピロカテコールを水で洗浄し、洗浄液(F)を収集、
洗浄されたピロカテコールの水(F)の除去での乾燥。
水中でのピロカテコールの溶解、結晶化および分離を上述のように行うが、次に、分離されたピロカテコールの洗浄を場合による乾燥の前に行う。
操作の最後に、水およびピロカテコールおよび10質量%から25質量%の範囲の含有率の不純物を主として含む洗浄液(F)を5から15℃の範囲の結晶化最終温度で収集する。
洗浄されたピロカテコールは前述のように乾燥操作に処し、PCおよび基本的に水から形成される流れ(F)を得る。
図1において定義される方法と同様に、水中での粗製ピロカテコールの濃度および結晶化最終温度を調整することにより、90%以上の精製収率を得ることができる。
図4
本発明の方法によると、水中でのピロカテコールの溶解を最初に行い、蒸発での結晶化、固/液分離、洗浄および乾燥がこれに続く。
より具体的には、この方法は以下の工程を含む:
水中での粗製ピロカテコールの溶解、
蒸発でのピロカテコールの結晶化および濃縮物の流れ(F)の産出、
結晶化母液(F10)によって形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
洗浄液(F11)を収集することを可能にする、分離されたピロカテコール水での洗浄、
水(F12)の除去での洗浄されたピロカテコールの乾燥。
この実施形態は、結晶化工程の最中に行われる蒸発がピロカテコール濃度の調整および反応の熱バランスの管理を可能にするという事実を除いて、図3のものと同一である。
蒸発操作は大気圧または減圧下での加熱によって行うことができる。
蒸発は、バッチ様式における結晶化これ自体の前もしくは最中、または連続様式による結晶化全体を通して行うことができる。
結晶化は図1において説明される通りに行う。
洗浄は図3において説明される通りに行う。
乾燥の後、水および乾燥生成物、即ち、この物理化学的特徴がPCのものに類似するピロカテコールPCから基本的に形成される、流れ(F12)が得られる。
図3において説明される方法と同様に、濃縮操作をも修正することにより、水中の粗製ピロカテコールの高濃度を得ることができる。
図5
本発明の方法によると、以下の工程を含む方法に従って異なる品質のピロカテコールPCが得られる:
水中での粗製ピロカテコールの溶解、
ピロカテコールの結晶化、
結晶化母液(F13)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離するための固/液分離、
水(F14)の除去でのピロカテコールの乾燥、
溶解または結晶化工程における、流れ(F13)の、前記流れの場合による濃縮後の、再循環、
濃縮工程の出口でのパージ(P)または結晶化後のピロカテコールの分離から得られる水相(F13)によって形成される流れに対するパージ(P)。
本発明の方法のこの変種によると、前述の工程を反復し、流れ(F13)を、前記流れの場合による濃縮の後、分解または結晶化工程において再循環させる。
本発明の方法におけるピロカテコール含有率を制御するため、水流(F15)を蒸発させることによって流れ(F13)を濃縮することにより、これを調整することができる。
本発明の方法の特徴の1つによると、流れ(F13)の濃縮は、選択される流れにおけるピロカテコール濃度が10質量%から90質量%、好ましくは、10質量%から60質量%に増加するように行うことができる。
濃縮操作は、大気圧または減圧下で、70℃から100℃の温度で加熱することによって行うことができる。
ピロカテコール濃度は、流れが分解工程において再循環されるのか、または結晶化工程において再循環されるのかに従って調製される。
従って、水流(F15)はこの操作の間に除去する。
第1様式は、上述の温度範囲に留まりながら、減圧によって反応圧を低下させることからなる。この減圧は、ヘッドで水必要量を除去し、反応媒体中で標的ピロカテコール濃度に到達するように行う。
反応媒体を濃縮するための他の実施形態は、水の幾らかの量を蒸留し、反応媒体中で望ましいピロカテコール濃度を達成することからなる。
蒸留は大気圧、約100℃の温度で行うことができる。
蒸留は、200から750mm水銀のような大気圧より僅かに低い圧力および100℃未満の温度で行うこともできる。一般には、圧力は70℃から100℃の蒸留点を有するように選択される。
蒸留は大気圧より高い圧力で行うこともできる。
これらの操作は、蒸留カラムまたは標準エバポレーターのような標準装置において、大気圧、減圧下または大気圧より高い圧力で行う。
この濃縮流は、有利には、溶解工程または結晶化供給のいずれかに再循環される。
この再循環ループに存在する不純物を最少化するため、不純物を含む流れの1つを1回以上パージすることが好ましい。
パージは前記流れの一部を除去することからなる。これは、粗製ピロカテコールに対するピロカテコールの全体的な損失が優先的には0.5質量%から2質量%となるように決定される。
パージ(P)は濃縮区域の出口で行うことができる。これは、濃縮流を搬送するパイプに、濃縮操作の出口ではあるが再循環の前に配置される、弁によって行う。
結晶化後にピロカテコールの分離から導かれる水相(F13)によって形成される流れに対してパージ(P)を行うことも可能である。
濃縮領域の出口でパージを行うことが好ましい。
パージは連続またはバッチ様式で行うことができる。
パージの制御は、得られるピロカテコールの化学的純度を調整し、この方法の全体的な収率をも調整することを可能にする。
図5のスキームに従って規定される様々な操作の後にピロカテコールPCが得られ、この化学的純度は、濃縮工程後のパージ流(P)または母液を分離する工程後のパージ流(P)の除去によって調整される。
乾燥の後、水および乾燥生成物、即ち、ピロカテコールPCから基本的に形成される、流れ(F14)が得られ、ピロカテコールPCの化学的特徴は以下の通りである:
ピロカテコール含有率は99.8%以上であり、
ハイドロキノン含有率は100ppm以下であり、
ジヒドロキシベンゾキノン含有率は700ppm未満であり、
フェノール化合物の含有率は300ppm未満である。
図5の実施形態によると、得られるピロカテコール含有率は約99.8%以上である。
結晶の物理的特徴、詰め込みまたは非詰め込みの単位体積あたりの質量、結晶の分布、流動特性は図1に従って得られるピロカテコールのものと同等である。
図6
本発明の方法によると、PCと同量のピロカテコールPCが以下の工程を含む方法に従って得られる:
水中での粗製ピロカテコールの溶解、
蒸発でのピロカテコールの結晶化および濃縮物の流れ(F16)の産出、
結晶化母液(F17)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
水(F18)の除去でのピロカテコールの乾燥、
流れ(F17)の、前記流れの場合による濃縮の後の、溶解または結晶化工程における再循環、
濃縮工程の出口でのパージ(P)または結晶化の後のピロカテコールの分離から得られる水相(F17)によって形成される流れに対するパージ(P)。
この実施形態は、結晶化工程の最中に行われる蒸発がピロカテコール濃度の調整および反応の熱バランスの管理を可能にするという事実を除いて、図5のものと同一である。
ピロカテコール濃度を制御するため、水流(F19)を蒸発させることによって流れ(F17)を濃縮することにより、これを調整することができる。
蒸発操作は大気圧または減圧下で加熱することによって行うことができる。
蒸発は、バッチ様式における結晶化これ自体の前もしくは最中に、または連続様式における結晶化全体を通して、行うことができる。
結晶化は図1において説明される通りに行う。
乾燥の後、水および乾燥生成物、即ち、この物理化学的特徴がPCのものに類似するピロカテコールPCから基本的に形成される、流れ(F18)が得られる。
図7
本発明の方法によると、異なる品質のピロカテコールPCが以下の工程を含む方法に従って得られる:
水中での粗製ピロカテコールの溶解、
ピロカテコールの結晶化、
結晶化母液(F20)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
洗浄液(F21)を収集することを可能にする、分離されたピロカテコールの水での洗浄、
水(F22)の除去でのピロカテコールの乾燥、
流れ(F20)の、前記流れの場合による濃縮の後の、溶解または結晶化工程における再循環、
濃縮工程の出口でのパージ(P)または結晶化後のピロカテコールの分離から得られる水相(F20)によって形成される流れに対するパージ(P)。
ピロカテコール含有率を制御するため、水流(F23)を蒸発させることによって流れ(F20)を濃縮することにより、これを調整することができる。
本発明の方法の変種の1つによると、濃縮操作に先立ち、洗浄液(F21)を結晶化母液(F20)と混合することができる。
結晶の物理的特徴は図1に従って得られるピロカテコールのものと同等である。
得られる純度は、結晶化液、場合により、洗浄液の循環の程度に従い、およびパージの程度に従い、修正することができる。
図8
本発明の方法によると、異なる品質のピロカテコールPCが以下の工程を含む方法に従って得られる:
水中での粗製ピロカテコールの溶解、
蒸発でのピロカテコールの結晶化および濃縮物の流れ(F24)の産出、
結晶化母液(F25)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
洗浄液(F26)を収集することを可能にする、分離されたピロカテコールの水での洗浄、
水(F27)の除去でのピロカテコールの乾燥、
流れ(F25)の、前記流れの場合による濃縮の後の、溶解または結晶化工程における再循環、
濃縮工程の出口でのパージ(P)または結晶化の後のピロカテコールの分離から得られる水相(F25)によって形成される流れに対するパージ(P)。
ピロカテコール含有率を制御するため、水流(F28)を蒸発させることによって流れ(F25)を濃縮することにより、これを調整することができる。
本発明の方法の変種の1つによると、濃縮操作に先立ち、洗浄液(F26)を結晶化母液(F25)と混合することができる。
結晶の物理化学的特徴は図1に従って得られるピロカテコールのものと同等である。
得られる純度は、結晶化母液、場合により、洗浄液の再循環の程度に従い、およびパージの程度に従い、修正することができる。
本発明の方法によると、酸触媒の存在下での過酸化水素でのフェノールのヒドロキシル化から導かれる反応混合物から、この反応混合物からのピロカテコールの蒸留によって得られる、または得ることができるピロカテコールを、標的対象の機能として選択される工程の系列を用いて精製することができる。
有利には、前述の様々な操作、溶解、結晶化、分離、洗浄/分離、乾燥、濃縮およびパージを伴う流れの再循環などは、不活性気体、好ましくは、窒素の雰囲気下で行う。
本発明が、本発明によって規定される系列に挿入される追加工程、特に、固体の通常の処理、特に、得られる生成物の白さを改善するカーボンブラック(または活性炭)での処理の追加を排除するものではないことに注意すべきである。
例えば、図1から8のスキームによると、結晶化操作の前および溶解操作の後に、ピロカテコールの質量に対して0.02%から0.50%の割合でカーボンブラックまたは活性炭所定量を添加することにより、この処理を行うことができる。
この処理は撹拌反応器内で行う。
その後には、有利には洗浄操作が続く、カーボンブラックを除去するための、結晶化工程の前に行われる固/液分離、好ましくは、濾過が続く。
カーボンブラックでの処理の別の実施形態は固定床技術を用いることである。
従って、溶解操作から得られる流れを、好ましくは顆粒の形態にある、カーボンブラックの固定床まで搬送する。
カーボンブラック顆粒はカラム内に配置し、一般には、ピロカテコールを含有する流れをこの固定床を通して逆流方向に通過させる。
この技術は分離工程を省くことを可能にする。
従って、本発明の方法は、ピロカテコールを99%から99.995%、好ましくは、99.5%から99.99%の範囲の異なる純度の程度で得ることを可能にするため、特に有利である。
本発明の方法によって達成される純度の下限は、ハイドロキノンについては10ppm未満、ジヒドロキシベンゾキノンについては40ppm未満、およびフェノール化合物については40ppm未満である。
最後に、本発明の方法が、結晶化母液および洗浄液の再循環を伴う変種の場合には精製収率が90%、好ましくは、95%以上に到達し得るため、経済的観点から有利であることを指摘しなければならない。
図5から8の方法の場合におけるパージ並びに図1から4の方法の場合における結晶化および洗浄母液を別に処理することにより、この値を上回る収率を得ることができる。この処理は、特に結晶化により、これらの様々な流れに含有されるピロカテコールを回収することからなる。
固体形態にあるピロカテコールに対する、本文に示される様々な重量パーセンテージは、一定重量まで乾燥させた後に得られる乾燥生成物に対して表されることが指摘される。
本発明の方法は、これ自体の物理化学的特徴を有するピロカテコールの生成を導く。
従って、これは、従来技術では達成できない改善された流動特性を有する、結晶形態にあるピロカテコールを得ることを可能にする。
ピロカテコール結晶はサイズおよび形状が均一である。粒子のサイズ分布はガウス型である。
この流動性指数は15を上回り、好ましくは20以上であり、さらにより好ましくは20から25である。
さらに、この圧縮性指数は非常に低く、0.1未満、好ましくは、0.05から0.09である。これは、得られる粉末が詰め込み制約の下で低い体積変動を有するようなものであるということになり、これは長期保存の最中の利点である。
本発明の方法は、図1から8において説明される様々な様式に従って90%以上の非常に良好な収率で精製ピロカテコールを得ることを可能にする。
これらの実施形態に従う良好な収率を得るには、ピロカテコールの結晶化の最中にピロカテコールの高い濃度を有することが重要である。
これをなすため、粗製ピロカテコールの高い初期濃度、好ましくは50質量%から90質量%、より優先的には50質量%から70質量%を選択することができる。
水中でのピロカテコールの溶解によって得られる流れ、または再循環される母液および/もしくは洗浄液の流れに関して、濃縮の程度の低い流れの場合、結晶化の最中の高いピロカテコール濃度を得るため、水の蒸発による濃縮操作が必要である:この濃度は、有利には50%から90%、好ましくは50%から70%である。
従って、図2および4は結晶化の最中の濃縮操作に言及し、図5、6、7および8は母液および、場合により、洗浄液に対する濃縮操作を示す。
図6および8は、結晶化の最中の、並びに、その上、母液および、場合により、洗浄液に対する濃縮操作の両者に言及する。
さらに、好ましくは0℃から15℃、より優先的には0℃から10℃の、より低い結晶化終了温度を選択することにより、収率を改善することができる。
本発明の実施の例を非制限的な実例として以下に示す。
実施例1から8は、それぞれ、図1から8を参照する。
実施例9は図1を参照し、実施例10は図2を参照する。
精製収率は、無水生成物として表される、得られるピロカテコールと結晶化工程において用いられるピロカテコールとの、質量%として表される重量比であるものと定義される。
実施例
室温の脱塩水1250gおよび質量%組成が:ピロカテコール99.843%、ジヒドロキシベンゾキノン0.112%、ハイドロキノン0.0055%、フェノール化合物0.0385%である粗製ピロカテコール1250gを2.5リットルの作業体積を有するジャケット装着撹拌結晶化ベースンにそれぞれ入れ、4つの対向パドルを90°で備え、濃縮器が取り付けられた、軸方向出力および可変速度を有する3パドル撹拌ローターで撹拌し、窒素の下、55℃のジャケット温度で維持する。
ピロカテコールの完全溶解は約30分間撹拌することによって達成される;50℃での媒体の温度の維持を10分間行う。
次に、50℃から26℃への15分にわたる急速冷却を行う。
精製ピロカテコールの結晶(125から160ミクロンのふるい切り捨て)2gで種付けすることで、結晶化を26℃で開始させる。
次いで、4時間にわたる26℃から15℃への一定速度での徐冷を行う。
続いて、結晶性ピロカテコールの懸濁液を、窒素の下、15℃の温度で維持された平坦フィルターで濾過し、カール・フィッシャー法による測定で3.1%の含水率を有する湿潤ピロカテコール760.4gおよび母液(F)1741.6gを得る。
母液(F)の溶液は次の処理のために保存する。
湿潤ピロカテコールは、オーブン内、減圧下(100mbar)および窒素流の下、90℃で6時間、水(F)23.6gを除去することで乾燥させる。
ピロカテコールPC 736.8gが単離され、この質量組成は、高速液体クロマトグラフィーによる決定で、および無水生成物に対して表して、以下の通りである:
ピロカテコール含有率:99.992%
ジヒドロキシベンゾキノン含有率:37ppm
ハイドロキノン含有率:<10ppm
フェノール化合物の含有率:32ppm。
結晶化収率は59%である。
ピロカテコールPCの物理的特徴は以下の通りである:
直径d0.1:48μm
中央径d0.5:288μm
直径d0.9:624μm
CV=(d0.9−d0.1)/2d0.5:1.0
単位体積あたりのバルク質量:0.664g/cm
単位体積あたりの詰め込み質量:0.699g/cm
圧縮性指数:0.05
流動性指数ffc.inst.:20。
室温の脱塩水1250gおよび質量%組成が:ピロカテコール99.843%、ジヒドロキシベンゾキノン0.112%、ハイドロキノン0.0055%、フェノール化合物0.0385%である粗製ピロカテコール1250gを2.5リットルの作業体積を有するジャケット装着撹拌結晶化ベースンにそれぞれ入れ、4つの対向パドルを90°で備え、濃縮器が取り付けられた、軸方向出力および可変速度を有する3パドル撹拌ローターで撹拌し、窒素の下、55℃のジャケット温度で維持する。
ピロカテコールの完全溶解は約30分間撹拌することによって達成される;約50℃での媒体の温度の維持を10分間行う。
次に、結晶化ベースンを140mbarから35mbarの可変減圧下に置くことにより、50℃から27℃への60分にわたる急速冷却を行う。
混合物中に55重量%のピロカテコール濃度を有する水蒸気(F)230.9gの濃縮物画分を引き出す。
ピロカテコール結晶が27℃で現れる。この実施例においては種付けは用いない。結晶化ベースンを、窒素の覆いの下、大気圧に戻す。
次いで、4時間にわたる27℃から15℃への一定速度での徐冷を行う。
続いて、結晶性ピロカテコールの懸濁液を、15℃の温度で維持された平坦フィルターで、窒素の下で濾過し、カール・フィッシャー法による測定で3.0%の含水率を有する湿潤ピロカテコール811.2gおよび母液(F)1457.9gを得る。
母液(F)の溶液は次の処理のために保存する。
湿潤ピロカテコールは、オーブン内、減圧下(100mbar)および窒素流の下、90℃で6時間、水(F)24.3gを除去することで乾燥させる。
ピロカテコールPC 786.9gが単離され、この質量組成は、高速液体クロマトグラフィーによる決定で、および無水生成物に対して表して、以下の通りである:
ピロカテコール含有率:99.993%
ジヒドロキシベンゾキノン含有率:35ppm
ハイドロキノン含有率:<10ppm
フェノール化合物の含有率:30ppm
結晶化収率は63%である。
ピロカテコールPCの物理的特徴は以下の通りである:
直径d0.1:50μm
中央径d0.5:295μm
直径d0.9:650μm
CV=(d0.9−d0.1)/2d0.5:1.02
単位体積あたりのバルク質量:0.660g/cm
単位体積あたりの詰め込み質量:0.702g/cm
圧縮性指数:0.06
流動性指数ffc.inst.:23
室温の脱塩水1102.5gおよび質量%組成が:ピロカテコール99.50%、ジヒドロキシベンゾキノン0.360%、ハイドロキノン0.017%、フェノール化合物0.123%である粗製ピロカテコール1347.5gを2.5リットルの作業体積を有するジャケット装着撹拌結晶化ベースンにそれぞれ入れ、4つの対向パドルを90°で備え、濃縮器が取り付けられた、軸方向出力および可変速度を有する3パドル撹拌ローターで撹拌し、窒素の下、55℃のジャケット温度で維持する。
ピロカテコールの完全溶解は約30分間撹拌することによって達成される;50℃での媒体の温度の維持を10分間行う。
次に、50℃から32℃までの15分にわたる急速冷却を行う。
次いで、4時間にわたる32℃から5℃までの一定速度での徐冷を行う(壁面冷却)
ピロカテコールの結晶化は、31℃、過飽和で自発的に始まる。
続いて、結晶性ピロカテコールの懸濁液を、5℃の温度で維持される平坦フィルターで、窒素の下で濾過し、カール・フィッシャー法による測定で2.5%の含水率を有する湿潤ピロカテコール1248.8gおよび母液(F)1201.0gを得る。
母液(F)の溶液は次の処理のための保存する。
湿潤ピロカテコールケークは、フィルター上、5℃で、脱塩水93.7gを用いて洗浄する(洗浄水kg/湿潤ケークを満たす母液kgとして表して、3/1の洗浄割合)。
濾過の後、洗浄液(F)の等価濾液が回収される。
洗浄した湿潤ピロカテコールを、オーブン内、減圧下(100mbar)および窒素流の下、90℃で6時間、水(F)30.4gを除去することで乾燥させる。
ピロカテコールPC 1218.6gが単離され、この質量組成は、高速液体クロマトグラフィーによる決定で、無水生成物に対して表して、以下の通りである:
ピロカテコール含有率:99.996%
ジヒドロキシベンゾキノン含有率:25ppm
ハイドロキノン含有率:<2ppm
フェノール化合物の含有率:10ppm
結晶化収率は91%である。
ピロカテコールPCの物理的特徴は以下の通りである:
直径d0.1:45μm
中央径d0.5:285μm
直径d0.9:600μm
CV=(d0.9−d0.1)/2d0.5:0.97
単位体積あたりのバルク質量:0.670g/cm
単位体積あたりの詰め込み質量:0.705g/cm
圧縮性指数:0.05
流動性指数ffc.inst.:25
室温の脱塩水1250gおよび質量%組成が:ピロカテコール98.50%、ジヒドロキシベンゾキノン1.078%、ハイドロキノン0.052%、フェノール化合物0.370%である溶融粗製ピロカテコール1250gを2.5リットルの作業体積を有するジャケット装着撹拌結晶化ベースンにそれぞれ入れ、4つの90°対向パドルを備え、濃縮器が取り付けられた、軸方向出力および可変速度を有する3パドル撹拌ローターで撹拌し、窒素の下、95℃のジャケット温度で維持する。
ピロカテコールの完全溶解は約10分間撹拌することで達成される;約95℃での媒体の温度の維持を10分間行う。
結晶化ベースンを1010mbarから750mbarの可変減圧下に置き、95℃での沸騰を維持することにより、447.9gの水蒸気(F)の濃縮物の画分を除去することで混合物中のピロカテコール濃度を60重量%にする。
次に、蒸発による冷却(濃縮物の完全再循環を伴う)および壁面冷却を組み合わせることにより、95℃から39℃までの60分にわたる急速冷却を行う。
結晶化ベースンを、窒素の覆いの下、39℃の温度で、大気圧に戻す。
徐壁面冷却を、一定速度で、39℃から1℃まで、4時間にわたって継続する。
ピロカテコール結晶は37℃で現れる。この実施例においては種付けは用いない。
次いで、結晶性ピロカテコールの懸濁液を、窒素の下、1℃の温度に維持された平坦フィルターで濾過し、カール・フィッシャー法による測定で4.0%の含水率を有する湿潤ピロカテコール1187.6gおよび母液(F10)864.5gを得る。
母液(F10)の溶液は次の処理のために保存する。
湿潤ピロカテコールケークは、フィルター上で、1℃の脱塩水142.5gで洗浄する(洗浄水kg/湿潤ケークを満たす母液kgとして表して、3/1の洗浄割合)。
濾過の後、洗浄液(F11)の等価濾液が回収される。
湿潤ピロカテコールを、Pt 100Ω 0℃温度プローブおよび相対湿度センサ(Testo 365)を備える流動床(Retsch TG 100モデル)(流動化気体は窒素である。)において、60℃の温度で10から15分間、水(F12)46.1gを除去することで乾燥させる。
乾燥の開始時、機械式撹拌で流動化しようとする層(高さ約40mm)の乾燥の開始を手助けする。
生成物温度が60℃で安定化し、流動床から排出される乾燥気体の絶対含水率が流動床に導入される乾燥気体のものと等しくなるとき、乾燥を停止させる。
ピロカテコールPC 1141.5gが単離され、この質量組成は、高速液体クロマトグラフィーによる決定で、無水乾燥物に対して表して、以下の通りである:
ピロカテコール含有率:99.979%
ジヒドロキシベンゾキノン含有率:150ppm
ハイドロキノン含有率:<10ppm
フェノール化合物の含有率:50ppm
結晶化収率は93%である。
ピロカテコールPCの物理的特徴は以下の通りである:
直径d0.1:65μm
中央径d0.5:295μm
直径d0.9:675μm
CV=(d0.9−d0.1)/2d0.5:1.03
単位体積あたりのバルク質量:0.670g/cm
単位体積あたりの詰め込み質量:0.707g/cm
圧縮性指数:0.05
流動性指数ffc.inst.:21
実施例1におけるタイプの試験の一続きを行う:(i)=1から10の試験N(i)
試験N(0)の母液(F13)を90%で試験N(1)の結晶化ベースン供給に再循環させ、以下の試験についても同様である。
各々の試験のチャージの残部は、結晶化しようとする媒体中の60質量%のピロカテコール濃度を維持する粗製ピロカテコールのチャージおよび残部、または蒸発(F15)による水の除去である。結晶化装置の総チャージは2500gに維持する。
この試験N(1)からN(10)の系列は、母液の部分的再循環を伴う連続結晶化方法の平衡の偽定常(pseudostationary)状態の達成を模倣する。
試験N(10)の条件を以下に説明する。
脱塩水および室温の試験N(9)から再循環された母液並びに、60重量%のピロカテコール濃度を得るための、この質量%組成が:ピロカテコール99.843%、ジヒドロキシベンゾキノン0.112%、ハイドロキノン0.0055%、フェノール化合物0.0385%である粗製ピロカテコールの残部から形成される、構成要素2500gの総チャージを作業体積2.5リットルを有するジャケット装着撹拌結晶化ベースンに導入し、4つの90°対向パドルを備え、濃縮器が取り付けられた、軸方向出力および可変速度を有する3パドル撹拌ローターで撹拌し、窒素の下、55℃のジャケット温度で維持する。
存在するピロカテコールに対する、結晶化しようとする混合物中の不純物の全含有率は1.5質量%であり、対応するピロカテコール純度は98.5質量%である。
ピロカテコールの完全溶解は約30分間の撹拌で達成される;50℃での媒体の温度の維持を10分間行う。
次に、50℃から39℃までの15分にわたる急速冷却を行う。
精製ピロカテコールの結晶(125から160ミクロンのふるい分け切り捨て)2gでの種付けで結晶化が38℃で始まる。
次いで、5時間にわたる39℃から5℃までの一定速度での徐冷を行う。
結晶性ピロカテコールの懸濁液を、撹拌しながら、5℃の温度に維持された平坦フィルターで濾過し、カール・フィッシャー法による測定で4.9%の含水率を有する湿潤ピロカテコール1393.7gおよび母液(F13)1108.3gを得る。
母液(F13)の溶液は次の処理のために保存する。
湿潤ピロカテコールは、オーブン内、減圧下(100mbar)および窒素流の下、90℃で6時間、水(F14)56.7gを除去することで乾燥させる。
ピロカテコールPC 1337.1gが単離され、この質量組成は、高速液体クロマトグラフィーによる測定で、無水生成物に対して表して、以下の通りである:
ピロカテコール含有率:99.892%
ジヒドロキシベンゾキノン含有率:695ppm
ハイドロキノン含有率:<100ppm
フェノール化合物の含有率:285ppm
結晶化収率は89%である。
ピロカテコールPCの物理的特徴は以下の通りである:
直径d0.1:56μm
中央径d0.5;329μm
直径d0.9:738μm
CV=(d0.9−d0.1)/2d0.5:1.04
単位体積あたりのバルク質量:0.647g/cm
単位体積あたりの詰め込み質量:0.703g/cm
圧縮性指数:0.08
流動性指数ffc.inst.:23
実施例5のタイプの試験の一続き:(i)=1から10の試験N(i)を行う。
試験N(0)からの母液(F17)を試験N(1)の結晶化ベースン供給に90%再循環し、以下の試験についても同様である。
各々の試験のチャージの残部は、結晶化しようとする媒体中の50質量%のピロカテコール濃度を維持する、粗製ピロカテコールチャージおよび残部、並びに/または蒸発(F19)による水の除去である。
結晶化装置の総チャージは2500gに維持する。
この試験N(1)からN(10)の系列は、母液の部分的再循環を伴う連続結晶化方法の平衡の偽定常状態の達成を模倣する。
試験N(10)の条件を以下に説明する。
脱塩水および室温の試験N(9)から再循環された母液並びに、40重量%のピロカテコール濃度を得るための、この質量%組成が:ピロカテコール99.843%、ジヒドロキシベンゾキノン0.112%、ハイドロキノン0.0055%、フェノール化合物0.0385%である粗製ピロカテコールの残部から形成される、構成要素2500gの総チャージを作業体積2.5リットルを有するジャケット装着撹拌結晶化ベースンに導入し、4つの90°対向パドルを備え、濃縮器が取り付けられた、軸方向出力および可変速度を有する3パドル撹拌ローターで撹拌し、窒素の下、55℃のジャケット温度で維持する。
存在するピロカテコールに対する、結晶化しようとする混合物中の不純物の全含有率は2.2質量%であり、対応するピロカテコール純度は97.8質量%である。
ピロカテコールの完全溶解は約30分間撹拌することで達成される;50℃での媒体の温度の維持を10分間行う。
結晶化ベースンを1010mbarから750mbarの可変減圧下に置き、95℃での沸騰を維持することにより、500gの水蒸気の濃縮物の画分(F16)を除去することで混合物中のピロカテコール含有率を50質量%にする。
次に、蒸発による冷却(濃縮物の完全再循環を伴う)および壁面冷却を組み合わせることにより、95℃から40℃までの60分にわたる急速冷却を行う。
窒素の覆いの下、40℃の温度で、結晶化ベースンを大気圧に戻す。
一定速度で、40℃から10℃まで、3時間にわたって徐壁面冷却を継続する。
ピロカテコール結晶が31℃で現れる。この実施例においては種付けは用いない。
ピロカテコール懸濁液の濾過に先立ち、10℃での温度の維持を30分行う。
次いで、結晶性ピロカテコールの懸濁液を、窒素の下、10℃の温度で維持された平坦フィルターで濾過し、カール・フィッシャー法による測定で3.1%の含水率を有する湿潤ピロカテコール688.0gおよび母液(F17)1312gを得る。
母液(F17)の溶液は次の処理のために保存する。
湿潤ピロカテコールを、オーブン内、減圧下(100mbar)および窒素流の下、90℃で4時間、水(F18)を除去することで乾燥させる。
ピロカテコールPC 672.4gが単離され、この質量組成は、高速液体クロマトグラフィーによる決定で、無水生成物に対して表して、以下の通りである:
ピロカテコール含有率:99.94%
ジヒドロキシベンゾキノン含有率;380ppm
ハイドロキノン含有率:<65ppm
フェノール化合物の含有率:155ppm
結晶化収率は67%である。
ピロカテコールPCの物理的特徴は以下の通りである:
直径d0.1:57μm
中央径d0.5:328μm
直径d0.9:732μm
CV=(d0.9−d0.1)/2d0.5:1.03
単位体積あたりのバルク質量:0.610g/cm
単位体積あたりの詰め込み質量:0.670g/cm
圧縮性指数:0.08
流動性指数ffc.inst.:20
この実施例は、ピロカテコール結晶の追加水洗を伴う、実施例5の変種である。
実施例1のタイプの試験の一続きを行う:(i)=1から10の試験N(i)
試験N(0)からの母液(F20)および洗浄液(F21)を試験N(1)の結晶化ベースン供給に90%再循環し、以下の試験についても同様である。
各々の試験のチャージの残部は、結晶化しようとする媒体中の60質量%のピロカテコール濃度を維持する、粗製ピロカテコールチャージおよび残部、または蒸発(F23)による水の除去である。
結晶化装置の総チャージは2500gに維持する。
この試験N(1)からN(10)の系列は、母液の部分的再循環を伴う連続結晶化方法の平衡の偽定常状態の達成を模倣する。
試験N(10)の条件を以下に説明する。
脱塩水並びに室温の試験N(9)から再循環された母液および洗浄液並びに、60質量%のピロカテコール濃度を得るための、この質量%組成が:ピロカテコール99.843%、ジヒドロキシベンゾキノン0.112%、ハイドロキノン0.0055%、フェノール化合物0.0385%である粗製ピロカテコールの残部から形成される構成要素2500gの総チャージを、2.5リットルの作業体積を有するジャケット装着撹拌結晶化ベースンに導入し、4つの90°対向パドルを備え、濃縮器が取り付けられた、軸方向出力および可変速度を有する3パドル撹拌ローターで撹拌し、窒素の下、55℃のジャケット温度で維持する。
存在するピロカテコールに対する、結晶化しようとする混合物中の不純物の全含有率は1.5質量%であり、対応するピロカテコール純度は98.5質量%である。
ピロカテコールの完全溶解は約30分間撹拌することで達成される;50℃での媒体の温度の維持を10分間行う。
次に、50℃から39℃までの15分にわたる急速冷却を行う。
精製ピロカテコールの結晶(125から160ミクロンのふるい分け切り捨て)2gでの種付けで、38.2℃で結晶化が始まる。
次いで、5時間にわたる39℃から5℃までの一定速度での徐冷を行う。
続いて、結晶性ピロカテコールの懸濁液を、撹拌しながら、5℃の温度に維持された平坦フィルターで濾過し、カール・フィッシャー法による測定で4.0%の含水率を有する湿潤ピロカテコール1380.7gおよび母液(F20)1121.3gを得る。
母液(F20)の溶液は次の処理のために保存する。
湿潤ピロカテコールケークは、フィルター上、5℃で、脱塩水165.4gで洗浄する(洗浄水kg/湿潤ケークを満たす母液kgとして表して、3/1の洗浄割合)。
濾過の後、洗浄液(F21)の等価濾液が回収される。
母液の部分的パージ(P)の後、母液(F20)および洗浄液(F21)を一緒に混合し、次の再循環のため、濃縮物(F23)の流れの蒸発によって濃縮する。
湿潤ピロカテコールは、オーブン内、減圧下(100mbar)および窒素流の下、90℃で6時間、水(F22)52.8gを除去することで乾燥させる。
ピロカテコールPC 1327.9gが単離され、この質量組成は、高速液体クロマトグラフィーによる決定で、無水生成物に対して表して、以下の通りである:
ピロカテコール含有率:99.9795%
ジヒドロキシベンゾキノン含有率:140ppm
ハイドロキノン含有率:<10ppm
フェノール化合物の含有率:55ppm
結晶化収率は89%である。
ピロカテコールPCの物理的特徴は以下の通りである:
レーザー粒度測定
直径d0.1:55μm
中央径d0.5:350μm
直径d0.9:725μm
CV=(d0.9−d0.1)/2d0.5:0.96
単位体積あたりのバルク質量:0.670g/cm
単位体積あたりの詰め込み質量:0.705g/cm
圧縮性指数:0.05
流動性指数ffc.inst.:23
比較のため、ピロカテコール結晶PCのサンプル、粗製ピロカテコールのサンプル(フレーク)および市販形態に対するふるい分けによって行った粒子径分析の結果並びに、その上、他の特性を示す。
Figure 2011506553
図9は、実施例7A(本発明)において説明される結晶性粉末の形態にあるピロカテコール結晶の形態を表す、デジタルカメラを用いて撮影された写真に相当する。
図11は、実施例7Cにおいて説明される商業的に入手可能な固体形態の形態を表す、デジタルカメラを用いて撮影された写真に相当する。
図10は、市販ピロカテコール(実施例7B)のフレーク型の形態を示す、デジタルカメラを用いて撮影された写真を表す。
図12は、本発明のピロカテコール(短破線曲線);フレークの形態にあるピロカテコール(実線曲線);および固体形態にある市販ピロカテコール(長破線曲線)のふるい分けによって得られる、粒子径分布を示すグラフである。
本発明のピロカテコールの粒子径分布が他の2つのピロカテコールのものとは異なることに注意すべきである。
この実施例は、ピロカテコール結晶の水での追加洗浄を伴う、実施例6の変種である。
実施例1のタイプの試験の一続きを行う:(i)=1から10の試験N(i)
試験N(0)の母液(F25)および洗浄液(F26)を試験N(1)の結晶化ベースン供給に90%再循環し、以下の試験についても同様である。
各々の試験のチャージの残部は、結晶化しようとする媒体中の50質量%のピロカテコール濃度を維持する、粗製ピロカテコールチャージおよび残部、または蒸発(F28)による水の除去である。
結晶化装置の総チャージは2500gに維持する。
この試験N(1)からN(10)の系列は、母液の部分的再循環を伴う連続結晶化方法の平衡の偽定常状態の達成を模倣する。
試験N(10)の条件を以下に説明する。
脱塩水並びに室温の試験N(9)から再循環された母液および洗浄液並びに、50質量%のピロカテコール濃度を得るための、この質量%組成が:ピロカテコール99.843%、ジヒドロキシベンゾキノン0.112%、ハイドロキノン0.0055%、フェノール化合物0.0385%である粗製ピロカテコールの残部から形成される構成要素2500gの総チャージを、2.5リットルの作業体積を有するジャケット装着撹拌結晶化ベースンに導入し、4つの90°対向パドルを備え、濃縮器が取り付けられた、軸方向出力および可変速度を有する3パドル撹拌ローターで撹拌し、窒素の下、55℃のジャケット温度で維持する。
存在するピロカテコールに対する、結晶化しようとする混合物中の不純物の全含有率は1.5質量%であり、対応するピロカテコール純度は98.5質量%である。
ピロカテコールの完全溶解は約30分間撹拌することで達成される;50℃での媒体の温度の維持を10分間行う。
結晶化ベースンを1010mbarから750mbarの可変減圧下に置き、95℃での沸騰を維持することにより、500gの水蒸気(F24)の濃縮物の画分を引き出すことで混合物中のピロカテコール濃度を50質量%にする。
次に、蒸発による冷却(濃縮物の完全再循環を伴う)および壁面冷却を組み合わせることにより、95℃から40℃までの60分にわたる急速冷却を行う。
窒素の覆いの下、40℃の温度で、結晶化ベースンを大気圧に戻す。
徐壁面冷却を、一定速度で、40℃から10℃まで、3時間にわたって継続する。ピロカテコール結晶は31℃で現れる。この実施例においては種付けは用いない。
ピロカテコール懸濁液の濾過に先立ち、10℃での温度の維持を30分間行う。
続いて、結晶性ピロカテコールの懸濁液を、窒素の下、10℃の温度に維持された平坦フィルターで濾過し、カール・フィッシャー法による測定で3.5%の含水率を有する湿潤ピロカテコール690.8gおよび母液(F25)1309.2gを得る。
母液(F25)の溶液は次の処理のために保存する。
湿潤ピロカテコールケークは、フィルター上、10℃で、脱塩水72.5gで洗浄する(洗浄水kg/湿潤ケークを満たす母液kgとして表して、3/1の洗浄割合)。
濾過の後、洗浄液(F26)の等価濾液が回収される。
母液の部分的パージ(P)の後、母液(F25)および洗浄液(F26)を一緒に混合し、次の再循環のため、濃縮物(F28)の流れの蒸発によって濃縮する。
湿潤ピロカテコールは、オーブン内、減圧下(100mbar)および窒素流の下、90℃で6時間、水(F22)22.6gを除去することで乾燥させる。
ピロカテコール PC 668.2gが単離され、この質量組成は、高速液体クロマトグラフィーによる決定で、無水生成物に対して表して、以下の通りである:
ピロカテコール含有率:99.9897%
ジヒドロキシベンゾキノン含有率:74ppm
ハイドロキノン含有率:<10ppm
フェノール化合物の含有率:20ppm
結晶化収率は67%である。
ピロカテコールPCの物理的特徴は以下の通りである:
レーザー粒度測定
直径d0.1:55μm
中央径d0.5:345μm
直径d0.9:735μm
CV=(d0.9−d0.1)/2d0.5:0.99
単位体積あたりのバルク質量:0.675g/cm
単位体積あたりの詰め込み質量:0.707g/cm
圧縮性指数:0.05
流動性指数ffc.inst.:23
この実施例は、図1に従い、粗製ピロカテコールの純度、水中での粗製ピロカテコールの濃度および結晶化最終温度に関して異なる条件で実施例1を再現することによって行い、これらの条件は得られる純度および収率と共に下記表において指定される。
Figure 2011506553
この実施例は、図2に従い、以下に指定される条件の下で実施例2を再現することによって行う。
99.84%の純度および50質量%の水中での初期濃度を有する粗製ピロカテコール溶液を開始時に用いる。
濃縮操作は、結晶化ベースン内で、ピロカテコール濃度が65質量%に等しくなるように行う。
条件および結果は下記表において指定される:
Figure 2011506553
添付の請求の範囲によって定義される本発明が上記説明において示される特定の実施形態に限定されず、本発明の範囲または精神のいずれからも逸脱しないこれらの変種を包含することは、明瞭に理解されるはずである。

Claims (36)

  1. ピロカテコール、5質量%未満の含有率のジヒドロキシベンゾキノン、ハイドロキノンの痕跡およびフェノール化合物を含む不純物少量を基本的に含有する粗製ピロカテコールから精製ピロカテコールを調製するための方法であって、少なくとも以下の工程:
    水中でのピロカテコールの濃度が40質量%から90質量%となるような量で用いられる、水中での粗製ピロカテコールの溶解、
    0から20℃の温度への冷却によるピロカテコールの結晶化、
    結晶化母液から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
    および、場合により、精製ピロカテコールを乾燥する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 以下の工程:
    水中での粗製ピロカテコールの溶解、
    ピロカテコールの結晶化、
    結晶化母液(F)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
    水(F)の除去でのピロカテコールの乾燥、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 以下の工程:
    水中での粗製ピロカテコールの溶解、
    蒸発でのピロカテコールの結晶化および濃縮物の流れ(F)の産出、
    結晶化母液(F)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
    水(F)の除去でのピロカテコールの乾燥、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 以下の工程:
    水中での粗製ピロカテコールの溶解、
    ピロカテコールの結晶化、
    結晶化母液(F)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
    洗浄液(F)を収集することを可能にする、分離されたピロカテコールの水での洗浄、
    洗浄されたピロカテコールの水(F)の除去での乾燥、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 以下の工程:
    水中での粗製ピロカテコールの溶解、
    蒸発でのピロカテコールの結晶化および濃縮物の流れ(F)の産出、
    結晶化母液(F10)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
    洗浄液(F11)を収集することを可能にする、分離されたピロカテコール水での洗浄、
    水(F12)の除去での洗浄されたピロカテコールの乾燥、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 以下の工程:
    水中での粗製ピロカテコールの溶解、
    ピロカテコールの結晶化、
    結晶化母液(F13)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
    水(F14)の除去でのピロカテコールの乾燥、
    溶解または結晶化工程における、流れ(F13)の、前記流れの場合による濃縮後の、再循環、
    濃縮工程の出口でのパージ(P)または結晶化後のピロカテコールの分離から得られる水相(F13)によって形成される流れに対するパージ(P)、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 以下の工程:
    水中での粗製ピロカテコールの溶解、
    蒸発でのピロカテコールの結晶化および濃縮物の流れ(F16)の産出、
    結晶化母液(F17)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
    水(F18)の除去でのピロカテコールの乾燥、
    流れ(F17)の、前記流れの場合による濃縮の後の、溶解または結晶化工程への再循環、
    濃縮工程の出口でのパージ(P)または結晶化の後のピロカテコールの分離から得られる水相(F17)によって形成される流れに対するパージ(P)、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 以下の工程:
    水中での粗製ピロカテコールの溶解、
    ピロカテコールの結晶化、
    結晶化母液(F20)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
    洗浄液(F21)を収集することを可能にする、分離されたピロカテコールの水での洗浄、
    水(F22)の除去でのピロカテコールの乾燥、
    流れ(F20)の、前記流れの場合による濃縮の後の、溶解または結晶化工程への再循環、
    濃縮工程の出口でのパージ(P)または結晶化後のピロカテコールの分離から得られる水相(F20)によって形成される流れに対するパージ(P)、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 濃縮に先立って流れ(F21)を流れ(F20)と混合することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 以下の工程:
    水中での粗製ピロカテコールの溶解、
    蒸発でのピロカテコールの結晶化および濃縮物の流れ(F24)の産出、
    結晶化母液(F25)から形成される水相から結晶性ピロカテコールを分離することを可能にする固/液分離、
    洗浄液(F26)を収集することを可能にする、分離されたピロカテコールの水での洗浄、
    水(F27)の除去でのピロカテコールの乾燥、
    流れ(F25)の、前記流れの場合による濃縮の後の、溶解または結晶化工程への再循環、
    濃縮工程の出口でのパージ(P)または結晶化の後のピロカテコールの分離から得られる水相(F25)によって形成される流れに対するパージ(P)、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  11. 濃縮に先立って流れ(F26)を流れ(F25)と混合することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 水中でのピロカテコールの濃度が50質量%から90質量%、より優先的には、50質量%から70質量%となるような水の量を導入することによって溶解を行うことを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の方法。
  13. 溶解操作を40℃から100℃の範囲の温度で行うことを特徴とする、請求項1から12のうちの1工程に記載の方法。
  14. 溶解温度から0から10℃のより低い温度まで冷却することによってピロカテコールの結晶化を行うことを特徴とする、請求項1から13の一項に記載の方法。
  15. 結晶化種を、得ようとするピロカテコール結晶の質量に対して、2質量%未満、好ましくは、0.5質量%から1質量%の含有率で導入することを特徴とする、請求項1から14の一項に記載の方法。
  16. 乾燥温度が50℃から100℃、好ましくは、50℃から70℃で選択されることを特徴とする、請求項1から15の一項に記載の方法。
  17. 結晶化の前または最中に行われる蒸発操作を、大気圧または25mbarから1barの範囲の減圧下で、25℃から100℃の範囲の温度で加熱することによって行うことを特徴とする、請求項3、5、7および10の一項に記載の方法。
  18. 水での洗浄操作を、3以下、好ましくは、0.5から1.0の、洗浄水の質量とピロカテコールの含水率を構成する母液の質量との比を表す水の最少量を用いて行うことを特徴とする、請求項4、5、8および10の一項に記載の方法。
  19. 再循環流の濃縮を、この流れにおけるピロカテコール濃度が10質量%から90質量%、好ましくは、10%から60%に増加するように行うことを特徴とする、請求項6から11の一項に記載の方法。
  20. 大気圧または減圧下で、70℃から100℃の温度で加熱することによって濃縮を行うことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 結晶化の工程に先立ってカーボンブラックまたは活性炭での処理を行い、並びに、場合により、処理後にこれらを分離することを特徴とする、請求項1から20の一項に記載の方法。
  22. 様々な操作を不活性気体の雰囲気下、好ましくは、窒素の下で行うことを特徴とする、請求項1から21の一項に記載の方法。
  23. 処理された粗製ピロカテコールPCが、粗製ピロカテコールの総質量に対して、0.1質量%から2.5質量%、好ましくは、1質量%から2質量%の不純物含有率を有することを特徴とする、請求項1から22の一項に記載の方法。
  24. 処理された粗製ピロカテコールPCが、ジヒドロキシベンゾキノンの質量と不純物の合計の質量との比が0.5から0.8の範囲であるような比でジヒドロキシベンゾキノンを含有することを特徴とする、請求項1から23の一項に記載の方法。
  25. 処理された粗製ピロカテコールPCが、フェノール化合物の質量と不純物の合計の質量との比が0.18から0.4の範囲であるような比でフェノール化合物を含有することを特徴とする、請求項1から24の一項に記載の方法。
  26. 処理された粗製ピロカテコールPCが、ハイドロキノンの質量と不純物の合計の質量との比が0.2から0.10の範囲であるような比でハイドロキノンを含有することを特徴とする、請求項1から25の一項に記載の方法。
  27. 処理された粗製ピロカテコールPCが、粗製ピロカテコールの総量に対して質量基準で:
    ピロカテコール97.5%から99.9%、
    ハイドロキノン0.003%から0.07%、
    フェノール化合物0.02%から0.5%、
    ヒドロキシベンゾキノン0.07%から1.5%、
    を含むことを特徴とする、請求項1から26の一項に記載の方法。
  28. 処理されたピロカテコールPCが、ピロカテコールを蒸留ヘッドで、並びに不純物、特に、レゾルシノールおよびピロガロール少量と組み合わされたハイドロキノンを基本的に含有する混合物を蒸留テールで得ることを可能にする、酸触媒の存在下での過酸化水素でのフェノールのヒドロキシル化から得られる反応混合物とこれに続く前記混合物の蒸留より得られ、または得ることができることを特徴とする、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 99%から99.995%、好ましくは、99.5%から99.99%の純度を有するピロカテコールが得られることを特徴とする、請求項1から28の一項に記載の方法。
  30. ハイドロキノン10ppm未満、ジヒドロキシベンゾキノン40ppmおよびフェノール化合物40ppmの含有率を有するピロカテコールが得られることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
  31. 15を上回り、好ましくは20以上、さらにより好ましくは20から25の流動性指数を有することを特徴とするピロカテコール。
  32. 少なくとも0.6g/cm、好ましくは、0.61から0.66g/cmの、結晶の単位体積あたりの見かけの質量ρnt(非詰め込み)を有することを特徴とする、請求項31に記載のピロカテコール。
  33. 少なくとも0.65g/cm、好ましくは、0.66から0.75g/cmの、結晶の単位体積あたりの見かけの質量ρ(詰め込み)を有することを特徴とする、請求項31に記載のピロカテコール。
  34. 0.1未満、好ましくは、0.05から0.09の圧縮性指数を有することを特徴とする、請求項31に記載のピロカテコール。
  35. 200μmから500μm、好ましくは、250μmから350μmの、中央径(d0.5)によって表される結晶サイズを有することを特徴とする、請求項31に記載のピロカテコール。
  36. 0.9から1.1の結晶集合の変動係数を有することを特徴とする、請求項31に記載のピロカテコール。
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