JP2011256351A - 脂環構造を有するポリアミド酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脂環構造を有するジカルボン酸ジエステルとジアミンとを4−(4,6−ジアルコキシー1,3,5−トリアジンー2−イル)−4−アルキルモルホリニウムハライド及び塩基の存在下に重縮合させる脂環構造を有するポリアミド酸エステルの製造方法、及び得られた脂環構造を有するポリアミド酸エステル及び/又はそれをイミド化したポリイミドを含む液晶配向剤。
【選択図】なし
Description
特許文献2:特開2000−273172号公報
特許文献3:特開平10−60109号公報
非特許文献2:Macromolecules Vol.22, No12, p4477-4483, 1989
非特許文献3:Polyimides and Other High-Temperature Polymers, pp.19-33(1991)
非特許文献4:Makromol.Chem., 194, 511(1993)
しかし、この方法の場合、目的物であるポリアミド酸エステルの生成とともに、反応系に存在する塩基が触媒となってポリアミド酸エステルのイミド化が同時に進行し、このイミド化が進行すると、得られるポリアミド酸エステルの溶解性が悪くなり、これを液晶配向剤などに使用する場合は、保存安定性などの問題を引き起こすことが見出された。
このイミド化率が極めて小さい脂環構造を有するポリアミド酸エステルは、これを液晶配向剤などに使用する場合、有機溶媒に対する溶解性が大きく、保存安定性に優れた液晶配向剤となる。
本発明は、上記の知見に基づくものであり、下記の要旨を有する。
(1)4−(4,6−ジアルコキシー1,3,5−トリアジンー2−イル)−4−アルキルモルホリニウムハライド及び塩基の存在下に、脂環構造を有するジカルボン酸ジエステルとジアミンとを重縮合させることを特徴とするポリアミド酸エステルの製造方法。
(2)前記ジカルボン酸ジエステルが、下記の式(1−1)及び/又は式(1−2)で表わされる化合物である上記(1)に記載の製造方法。
(3)前記ジアミンが、式(2):H2N−Y―NH2(Yは、2価の有機基である。)で表わされる上記(1)〜(2)のいずれかに記載の製造方法。
(4)前記塩基が、7〜11のpKaを有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)前記塩基が、トリアルキルアミン又はN-アルキルモルホリンである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)温度が−20〜80℃にて重縮合させる上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法において、さらに、ジカルボン酸を存在させ、ジカルボン酸ジエステルとジアミンとジカルボン酸とを重縮合させるポリアミド−ポリアミド酸エステルの製造方法。
(8)前記ジカルボン酸が、イソフタル酸又はテレフタル酸である上記(7)に記載の製造方法。
(9)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の製造方法で得られた、脂環構造を有するポリアミド酸エステル又はポリアミド−ポリアミド酸エステルをイミド化したポリイミド又はポリアミド−ポリイミド。
(10)上記(9)に記載の脂環構造を有するポリアミド酸エステル又はこれをイミド化したポリイミドを含む液晶配向剤。
本発明において、脂環構造を有するジエステルジカルボン酸を使用してジアミンとを重縮合させることにより、何故にイミド化率が極めて小
本発明により得られる脂環構造を有するポリアミド酸エステルはイミド化率が極めて小さいので、これを液晶配向剤に使用する場合、有機溶媒に対する溶解性が大きく、保存安定性に優れた液晶配向剤となる。
さらに、本発明によれば、ジカルボン酸を存在させることにより、ジエステルジカルボン酸とジアミンとジカルボン酸を重縮合させることによりポリアミド−ポリアミド酸エステルも製造することができる。
なお、本発明において、脂環構造を有するジエステルジカルボン酸を使用してジアミンとを重縮合させることにより、何故に、かかる重縮合過程において塩基を触媒とする上記イミド反応が抑制されるかについては必ずしも明らかではないが、脂環構造を有するジエステルジカルボン酸は、アミドの窒素原子とエステルのカルボニル基の炭素原子との距離が比較的長く、この両者の原子が関与するイミド化反応が進行しにくい構造を有するためと推定される。しかし、この推定は、本発明の解釈を制限するものではない。
本発明において、使用されるジエステルジカルボン酸は、脂環構造を有し、好ましくは下記の式(1−1)及び/又は式(1−2)で表される。
本発明において、使用されるジアミンは、好ましくは、下記の式(2)で表される。
H2N−Y―NH2・・・(2)
上記式中、Yは、2価の有機基である。具体的な構造の例としては、以下のY−1〜Y−98が挙げられるが、これらに限られるものではない。ジアミンの反応性、ポリマーの溶解性の観点から、Y-7、Y-8、Y-20、Y-21、Y-22、Y-28、Y-29、Y-30、Y-31、Y-40、Y-41、Y-43、Y-46、Y-48、Y-61、Y-64、Y-65、Y-66、Y-68、Y-72、Y-76、Y-79、Y-98が好ましい。
本発明において、ジカルボン酸を存在させて、ポリアミド−ポリアミド酸エステルを製造する場合に使用されるジカルボン酸は、好ましくは、以下の式(3)で表わされる。
HOOC−Z―COOH・・・(3)
上記式(3)中、Zは、2価の有機基である。
上記式(3)の具体的な構造は、マロン酸、蓚酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ムコン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライイン酸、セバシン酸およびスベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,1−シクロプロパンジカルボン酸、1,2−シクロプロパンジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、3,4−ジフェニル−1,2−シクロブタンジカルボン酸、2,4−ジフェニル−1,3−シクロブタンジカルボン酸、3,4−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,2−シクロブタンジカルボン酸、2,4−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,3−シクロブタンジカルボン酸、1−シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロブテン−3,4−ジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−(2−ノルボルネン)ジカルボン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボン酸、2,5−ジオキソ−1,4−ビシクロ[2.2.2]オクタンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、4,8−ジオキソー1,3−アダマンタンジカルボン酸、2,6−スピロ[3.3]ヘプタンジカルボン酸、1,3−アダマンタン二酢酸、カンファー酸ジハライド等の脂環式ジカルボン酸;
などが挙げられる。
中でも、重合反応性ポリマーの溶解性の観点からして、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましい。
本発明では、上記脂環構造を有するジエステルジカルボン酸と上記ジアミンとを、4−(4,6−ジアルコキシー1,3,5−トリアジンー2−イル)−4−アルキルモルホリニウムハライド及び塩基の存在下において、重縮合反応させることによりポリアミド酸エステルが製造される。この場合、さらに、上記ジカルボン酸を存在させて重縮合反応させることにより、ポリアミド-ポリアミド酸エステルが製造される。
以下、本発明では、重縮合反応で製造される脂環構造を有するポリアミド酸エステル及びポリアミド-脂環構造を有するポリアミド酸エステルを総称して単にポリマーということがある。
かかる化合物の好ましい具体例は、4−(4,6−ジメトキシー1,3,5−トリアジンー2−イル)4−メチルモルホリニウムハライド、4−(4,6−ジエトキシー1,3,5−トリアジンー2−イル)4−エチルモルホリニウムハライドである。
上記4−(4,6−ジアルコキシー1,3,5−トリアジンー2−イル)4−アルキルルホリニウムハライドの使用量は、ジエステルジカルボン酸に対して過剰量で使用するのが好ましいため、ジエステルジカルボン酸に対して好ましくは、1.8倍モル〜4倍モル、より好ましくは2.2倍モル〜3.5倍モル、とりわけ好ましくは2.5倍モル〜3倍モルが好適である。
上記塩基の使用量は、少量であると分子量が上がりにくいため、ジエステルジカルボン酸に対して好ましくは、0.5モル〜3モル、より好ましくは0.7モル〜2モル、とりわけ好ましくは1.0モル〜1.5モルが好適である。
重縮合反応は、有機溶媒を使用して行うのが好ましい。有機溶媒としては、モノマーであるジエステルジカルボン酸、ジアミン及びジカルボン酸に対する溶解性の観点から、N−メチルー2−ピロリドン、γ―ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシドが好ましい。これらは1種または2種以上用いてもよい。
本発明において、重縮合反応液中におけるモノマーの濃度は、反応液の合計重量に対して2質量%〜15質量%が好ましく、より好ましくは3質量%〜12質量%であり、特に好ましくは4質量%〜10質量%である。
上記の貧溶媒は特に限定されず、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられるが、減圧乾燥などによって除去しやすいため、特に、メタノール、エタノールが好ましく用いられる。貧溶媒の使用量は、ポリマー含む溶液量に対して3倍重量〜12倍重量が好ましく、より好ましくは4倍重量〜10倍重量、とりわけ好ましくは5倍重量〜8倍重量である。
本実施例で使用した化合物の略号と構造を以下に示す。
DMT-MM:4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド
CBDE:2,4-ビス(メトキシカルボニル)シクロブタン-1,3-ジカルボン酸
BODE:3,6-ビス(メトキシカルボニル)オクタヒドロペンタレン-1,4-ジカルボン酸
PMDE:2,5-ビス(メトキシカルボニル)ベンゼン-1,4-ジカルボン酸
DDE:4,4’-ジアミノジフェニルエーテル
p-PDA:パラフェニレンジアミン
DA-3MG:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)プロパン
DA-5MG:1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ペンタン
DDM:4,4’-ジアミノジフェニルメタン
DA-4:1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
DA-4P:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
4APhA:2-(4-アミノフェニル)エチルアミン
BAPU:1,3-ビス(4-アミノフェネチル)ウレア
DADPA:4,4’-ジアミノジフェニルアミン
Me-DADPA:4,4’-ジアミノジフェニルメチルアミン
[粘度]
合成例において、ポリアミド酸エステル溶液の粘度はE型粘度計TVE−22H(東機産業株式会社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
[分子量]
また、ポリアミド酸エステルの分子量はGPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として数平均分子量(以下、Mnとも言う。)と重量平均分子量(以下、Mwとも言う。)を算出した。
GPC装置:(株)Shodex社製 (GPC−101)
カラム:Shodex社製 (KD803、KD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N-ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o-リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量(Mw) 約900,000、150,000、100,000、30,000)、及び、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp) 約12,000、4,000、1,000)。
測定は、ピークが重なるのを避けるため、900,000、100,000、12,000、1,000の4種類を混合したサンプル、および150,000、30,000、4,000の3種類を混合したサンプルの2サンプルを別々に測定。
撹拌子を入れた500mL四つ口フラスコにCBDE 11.5g(44.2mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン278gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン2.38g(23.5mmol)、およびDDE 9.41g(47.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)39.0g(141mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン49.8gを加え、室温で4時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は17.8mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液のうちの128gをメタノール(768g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=10,900、Mw=27,000であった。
合成例1の反応溶液を更に20時間攪拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は18.6mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液のうちの128gをメタノール(768g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=11,400、Mw=27,300であった。
合成例2の反応溶液を更に18時間攪拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は18.5mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(768g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=12,500、Mw=27,900であった。
撹拌子を入れた100mL四つ口フラスコにCBDE 2.94g(11.3mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン56.2gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン2.43g(24.0mmol)、およびp-PDA 1.30g(12.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)8.63g(31.2mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン10.1gを加え、室温で4時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は33.5mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(449g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=11,300、Mw=32,000であった。
撹拌子を入れた200mL四つ口フラスコにCBDE 4.75g(18.2mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン127gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン0.96g(9.50mmol)、およびDA-3MG 4.91g(19.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)18.9g(68.4mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン22.8gを加え、室温で7時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は21.9mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(1075g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。
撹拌子を入れた100mL四つ口フラスコにCBDE 2.47g(9.50mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン70.9gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン2.02g(20.0mmol)、およびDA-5MG 2.86g(10.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)7.19g(26.0mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン12.7gを加え、室温で18時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は28.3mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(589g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=17,800、Mw=40,900であった。
撹拌子を入れた200mL四つ口フラスコにCBDE 6.31g(24.3mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン150gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン1.26g(12.5mmol)、およびDDM 4.96g(25.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)20.8g(75.0mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン26.8gを加え、室温で16時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は24.2mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(1259g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=20,400、Mw=48,500であった。
撹拌子を入れた100mL四つ口フラスコにCBDE 2.45g(9.40mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン71.3gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン2.02g(20.0mmol)、およびDA-4 2.92g(10.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)7.19g(26.0mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン12.8gを加え、室温で6時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は21.6mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(543g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=14,400、Mw=37,900であった。
撹拌子を入れた100mL四つ口フラスコにCBDE 2.01g(7.70mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン57.3gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン1.62g(16.0mmol)、およびDA-4P 2.34g(8.00mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)5.76g(20.8mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン10.3gを加え、室温で39時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は23.1mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(397g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=23,400、Mw=56,400であった。
撹拌子を入れた200mL四つ口フラスコにCBDE 6.63g(25.5mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン132gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン1.32g(13.0mmol)、および4APhA 3.54g(26.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)25.9g(93.6mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン23.7gを加え、室温で7時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は15.0mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(1351g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。
撹拌子を入れた200mL四つ口フラスコにCBDE 4.89g(18.8mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン142gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン1.01g(10.0mmol)、DA-5MG 4.01g(14.0mmol)、およびBAPU 1.79g(6.00mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)19.9g(72.0mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン25.5gを加え、室温で4時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は26.2mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(1195g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=13,000、Mw=37,100であった。
撹拌子を入れた300mL四つ口フラスコにCBDE 8.47g(32.6mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン205gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン1.77g(17.5mmol)、およびDADPA 6.97g(35.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)34.9g(126mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン36.8gを加え、室温で20時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は30.8mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(1764g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=14,800、Mw=35,300であった。
撹拌子を入れた500mL四つ口フラスコにCBDE 15.0g(57.6mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン359gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン12.1g(120mmol)、Me-DADPA 6.40g(30.0mmol)、DADPA 3.59g(18.0mmol)およびDDM 2.38g(12.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)43.2g(156mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン64.4gを加え、室温で8時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は21.2mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(2530g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=16,100、Mw=37,600であった。
撹拌子を入れた100mL四つ口フラスコにBODE 3.11g(9.90mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン75.7gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン0.51g(5.00mmol)、およびDA-3MG 2.58g(10.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)8.30g(30.0mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン13.6gを加え、室温で24時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は7.6mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(622g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=5,700、Mw=10,000であった。
撹拌子を入れた500mL四つ口フラスコにPMDE 12.5g(44.2mmol)を取り、N-メチル-2-ピロリドン291gを加え、撹拌して溶解させた。続いて、トリエチルアミン2.38g(23.5mmol)、およびDDE 9.41g(47.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。この溶液を撹拌しながらDMT-MM(15±2重量%水和物)39.0g(141mmol)を添加し、更にN-メチル-2-ピロリドン52.1gを加え、室温で4時間撹拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は24.0mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液のうちの137gをメタノール(822g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=13,000、Mw=31,600であった。
比較合成例1の反応溶液を更に20時間攪拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は23.8mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液のうちの137gをメタノール(822g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=13,000、Mw=32,100であった。
比較合成例2の反応溶液を更に18時間攪拌してポリアミド酸エステルの溶液を得た。このポリアミド酸エステル溶液の温度25℃における粘度は26.7mPa・sであった。
このポリアミド酸エステル溶液をメタノール(822g)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄した後に温度100℃で減圧乾燥し、ポリアミド酸エステル粉末を得た。このポリアミド酸エステルの分子量はMn=13,500、Mw=32,000であった。
ポリアミド酸エステルのイミド化率は、1H-NMR(核磁気共鳴)の測定結果より算出した。
1H-NMR装置:Varian社製 400MHz
測定溶媒:重DMSO(ジメチルスルホキシド)
両側がイミド化していないベンゼン環プロトン:8.09ppm
片側がイミド化しているベンゼン環プロトン:8.25ppm
両側がイミド化しているベンゼン環プロトン:8.39ppm
また、比較合成例1〜3について、10.66ppmのアミド結合プロトンピークがイミド化反応の進行と共に一部低磁場シフトしていくことを確認した。一方、合成例1〜14については、9-11ppm付近のアミド結合プロトンピークが低磁場側に全くシフトしていないことから、イミド化率は0%であると判断した。以下に、合成例1〜14および比較合成例1〜3の重合反応条件およびイミド化率を示す。
合成例6で得られたポリアミド酸エステル粉末2.28gを撹拌子の入った50mL三角フラスコに分取し、N−メチル−2−ピロリドン20.6gを加え、マグネチックスターラーで室温6時間撹拌して溶解させた。続いて、N−メチル−2−ピロリドン2.12g、ブチルセロソルブ10.7gを加え、室温2時間撹拌して本発明の液晶配向剤を得た。
この液晶配向剤を1.0μmのフィルターで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートし、温度80℃のホットプレート上で5分間の乾燥、温度220℃で20分間の焼成を経て膜厚100nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜をレーヨン布でラビング(ロール径120mm、回転数1000rpm、移動速度30mm/sec、押し込み長0.3mm)し、純水中にて1分間超音波照射をして洗浄を行い、エアーブローにて水滴を除去した後、80℃で15分間乾燥して液晶配向膜付き基板を得た。このような液晶配向膜付き基板を2枚用意し、一方の基板の液晶配向膜面に6μmの球状スペーサーを散布した後、2枚の基板のラビング方向が逆平行になるように組み合わせ、液晶注入口を残して周囲をシールし、セルギャップが6μmの空セルを作製した。この空セルに液晶(MLC−2041、メルク株式会社製)を常温で真空注入し、注入口を封止してアンチパラレル液晶セルとした。この液晶セルの配向状態を偏光顕微鏡にて観察したところ、欠陥のない均一な配向をしていることが確認された。
特に、得られたポリアミド酸エステルはイミド化が抑制され、イミド化率が極めて小さいので溶解度が大きい保存安定性が優れた液晶配向剤となる。
Claims (10)
- 4−(4,6−ジアルコキシー1,3,5−トリアジンー2−イル)−4−アルキルモルホリニウムハライド及び塩基の存在下に、脂環構造を有するジカルボン酸ジエステルとジアミンとを重縮合させることを特徴とするポリアミド酸エステルの製造方法。
- 前記ジアミンが、式(2):H2N−Y―NH2(Yは、2価の有機基である。)で表わされる請求項1〜2のいずれかに記載の製造方法。
- 前記塩基が、7〜11のpKaを有する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記塩基が、トリアルキルアミン又はN-アルキルモルホリンである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 温度が−20〜80℃にて重縮合させる請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法において、ジカルボン酸を存在させ、ジカルボン酸ジエステルとジアミンとジカルボン酸とを重縮合させるポリアミド−ポリアミド酸エステルの製造方法。
- 前記ジカルボン酸が、イソフタル酸又はテレフタル酸である請求項7に記載の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法で得られた、脂環構造を有するポリアミド酸エステル又はポリアミド−ポリアミド酸エステルをイミド化したポリイミド又はポリアミド−ポリイミド。
- 請求項9に記載の脂環構造を有するポリアミド酸エステル又はこれをイミド化したポリイミドを含む液晶配向剤。
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