JPS6339616B2 - - Google Patents

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JPS6339616B2
JPS6339616B2 JP1472980A JP1472980A JPS6339616B2 JP S6339616 B2 JPS6339616 B2 JP S6339616B2 JP 1472980 A JP1472980 A JP 1472980A JP 1472980 A JP1472980 A JP 1472980A JP S6339616 B2 JPS6339616 B2 JP S6339616B2
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JP
Japan
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mol
acid
polymerization
aromatic
formula
Prior art date
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Expired
Application number
JP1472980A
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English (en)
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JPS56112933A (en
Inventor
Toshihiko Aya
Koji Sasagawa
Akira Kadoi
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP1472980A priority Critical patent/JPS56112933A/ja
Publication of JPS56112933A publication Critical patent/JPS56112933A/ja
Publication of JPS6339616B2 publication Critical patent/JPS6339616B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な耐熱性熱可塑性重合体に関する
ものである。さらに詳しくは、とくに300〜400℃
の温度領域における良好な熱安定性および流動性
を兼備し、かつ射出成形可能な新規熱可塑性芳香
族ポリアミドイミド共重合体に関するものであ
る。 芳香族トリカルボン酸無水物またはその誘導体
と芳香族ジアミンまたはその誘導体を重縮合させ
ることにより、耐熱性のすぐれた芳香族ポリアミ
ドイミドが得られることはすでによく知られてい
る。 しかし、これまでに一般的に提案されてきた芳
香族ポリアミドイミド類は、溶融成形材料として
活用することを目的とした場合、溶融成形時の熱
安定性、溶融成形時の流動性および溶融成形体の
物性のトータルバランスの面で必らずしも満足さ
れるものではなかつた。 たとえば、無水トリメリツト酸クロリドと4,
4′―ジアミノジフエニルエーテルから合成される
一般式 で表わされるポリアミドイミド(たとえば特公昭
42−15637号公報記載)は耐熱性はすぐれている
が、流動開始温度と熱分解温度とが接近しすぎて
いるため実質的に溶融成形することができない。 また、無水トリメリツト酸と4,4′―ジアミノ
ジフエニルメタンまたはメタフエニレンジアミン
から合成される一般式 または
【式】で 表わされるポリアミドイミド(たとえば特公昭49
−4077号公報記載)は、耐熱特性が不満足な上
に、流動開始温度と熱分解温度が接近しすぎてい
るために溶融成形することはかなりむずかしく、
たとえ成形できたとしても機械的特性が著しく悪
い成形体しか得られない。 また、無水トリメリツト酸クロリドと4,4′―
〔スルホニルビス(p―フエニレンオキシ)〕ジア
ニリンとから合成される一般式 で表わされるポリアミドイミド(たとえば特開昭
49−129799記載)は、流動開始温度と熱分解温度
の差が50℃以上あつて、溶融成形時の熱安定性お
よび流動性がすぐれているため、良好な溶融成形
性を示すが、ジアミン成分のフレキシビリテイが
高すぎるために、成形体の物性(特に曲げ特性)
が必らずしも満足すべきレベルまで到達しない。 以上の、これまでに知られているポリアミドイ
ミドの欠点を改善する試みとして異種2成分ジア
ミンとトリメリツト酸クロリドを共重合する提案
がなされた(たとえば米国特許第3748304号、特
開昭47−8093号公報など)。しかし、この提案の
中で具体的に示された2成分ジアミンの組合せは
【式】系の5種類であ り、これらの中で熱安定性のよくない
【式】または
【式】を含んで いる系から得られるポリアミドイミドは、その含
量に応じた熱安定性の低下がみられるため溶融成
形材料としては必らずしも満足できないものであ
る。また、
【式】を含んで いる系は、
【式】の重合活 性が本質的に低いため、重合体の生産性の面で大
きな障害がみられるため、いずれにしても上記提
案の共重合体は、実用上必らずしも満足できるも
のではない。 そこで本発明者らは、300〜400℃の温度領域に
おいて良好な熱安定性および流動性を兼ね備える
ことにより良好な溶融成形性を有し、かつ成形体
の物性バランスのすぐれた芳香族ポリアミドイミ
ドを得ることを目的として鋭意検討を行なつた結
果、異なつた特定の芳香族ジアミン2成分をこれ
まで知られていなかつた組成で組合わせることに
より目的とする特性を有する新規熱可塑性芳香族
ポリアミドイミド共重合体が得られることを見出
し本発明に到達した。 すなわち本発明で提供する新規熱可塑性ポリア
ミドイミド共重合体は、芳香族トリカルボン酸ま
たはその誘導体と、アリールエーテル結合を有す
る芳香族ジアミンおよびアリールエーテル結合を
有し、かつベンゼン核を4核以上有する特定の芳
香族ジアミンの混合物との重縮合によつて得られ
るもので、下記の構造単位A〜Cからなり、N―
メチルピロリドン溶媒中、重合体濃度0.5重量%、
30℃で測定した対数粘度が0.3〜0.65である、構
造単位AとB、AとCのポリアミドイミド単位が
ランダムに配列したことを特徴とするものであ
る。 (ここで式中のZは3官能基のうちの2官能基
が隣接炭素に結合されている3官能性芳香族基、
R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素数1
〜4のアルキル基、ハロゲン基またはニトロ基、
Xは―SO2―基、
【式】基または
【式】 aは0または1、bは0または1〜4、cは1〜
25の整数を示す。) 本発明のポリアミドイミド共重合体は主として から構成される。 A単位中のZは、3官能基のうちの2官能基が
隣接炭素に結合されている3官能性芳香族基であ
り、たとえば、
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】などがあげられる。 B単位の具体例としてはたとえば
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】などおよび これらの側鎖含有誘導体などがあげられる。 C単位の具体例としてはたとえば などおよびこれらの側鎖含有誘導体などがあげら
れる。 本発明のポリアミドイミド共重合体はA単位50
モル%に対してB単位15〜48モル%、好ましくは
25〜45モル%およびC単位35〜2モル%、好まし
くは25〜5モル%で構成される。B単位の量が
(B+C)単位の中で48モル%を越えると、ポリ
アミドイミド共重合体の溶融時の流動性が著しく
低下して、実質的に溶融成形がむずかしくなるの
で好ましくない。また、B単位の量が(B+C)
単位の中で15モル%より少なくなると、ポリアミ
ドイミド重合体の成形品の曲げ特性が大巾に低下
するため好ましくない。 なお上記A単位の中のイミド結合がその閉環前
駆体としてのアミド酸結合の状態にとどまつてい
る場合のA′単位 がA単位の一部(たとえば50モル%以下、好まし
くは30モル%以下)として存在する場合も本発明
の範緯に含まれる。 本発明のポリアミドイミド共重合体は、これま
でに提案された数多くの一般的製造法のいずれを
利用しても製造可能であるが、それらの中で実用
性の高い代表例として次の3法を挙げることがで
きる。 (1) イソシアネート法:芳香族トリカルボン酸無
水物および/または芳香族トリカルボン酸無水
物/芳香族ジアミン(2/1モル比)から合成
されるイミノジカルボン酸と芳香族ジイソシア
ネートを反応させる方法(たとえば特公昭44−
19274号公報、特公昭45−2397号公報、特公昭
50−33120号公報など)。 (2) 酸ハライド法:芳香族トリカルボン酸無水物
ハライドと芳香族ジアミンを反応させる方法、
すなわち本質的に等モル量の芳香族トリカルボ
ン酸無水物ハライドと芳香族ジアミンを有機極
性溶媒中で、反応させて得られたポリマーを捕
集剤の存在下または不存在下に処理してハロゲ
ン化水素を除去処理する方法(たとえば特公昭
42−15637号公報など)。 (3) 直接重合法:芳香族トリカルボン酸またはそ
の誘導体(酸ハライド誘導体を除く)と芳香族
ジアミンを脱水触媒の存在下に直接反応させる
方法(たとえば特公昭49−4077号公報)。 上記3法の中でもとくに直接重合法は、予め単
量体構造中の一官能基を活性化する工程(たとえ
ば酸クロリド誘導体またはイソシアネート誘導体
の合成工程)が省略できるため、工程的に最も有
利な方法である。ついで、原料の芳香族トリカル
ボン酸無水物ハライドの典型的な例である無水ト
リメリツト酸クロリドが比較的ポピユラーに利用
できるため、酸クロリド法が有利である。 本発明の製造方法として最も推奨される直接重
合法を具体的に説明すると次のようである。すな
わち、脱水触媒の存在下に2個のカルボキシル基
が隣接炭素原子に結合している芳香族トリカルボ
ン酸および/またはその誘導体(ただし酸クロリ
ド誘導体を除く)と芳香族ジアミン類とを極性溶
媒中で加熱反応させて芳香族ポリアミドイミドを
製造するに際し、芳香族ジアミンとして下記一般
式()で表わされる芳香族ジアミンの一種また
は二種以上30〜96モル%および下記一般式()
で表わされる芳香族ジアミンの一種または二種以
上70〜4モル%からなる混合物を使用することを
特徴とする熱可塑性芳香族ポリアミドイミド共重
合体の製造方法。 (ただし式中のR1は炭素数1〜4のアルキル
基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン
基またはニトロ基、Xは―SO2―基、
【式】
【式】aは0または1、bは 0または1〜4、cは1〜25の整数を示す。) ここで使用される脱水触媒とは、通常の脱水縮
合反応に用いられる触媒類であり、たとえば3価
または5価の有機ないし無機のリン化合物、一酸
化鉛、ホウ酸、無水ホウ酸などがあげられる。 ここでいう3価または5価のリン化合物とは一
般式
【式】または
【式】または これらの分子内または分子間縮合物として表示さ
れるものであり、式中X1,X2,X3,X4,X5
X6,X7およびX8はR1―、R1O―、R1S―、
【式】およびアジド基から選択される官能基 である(ここでR1およびR2は水素、C1〜C15のア
ルキル基、C6〜C20のシクロアルキル基、C6〜C20
の芳香族基、O,SまたはNを少なくとも1個含
有する5または6員環の複素環基から選択された
基を示す)。その具体例としては次のようなリン
化合物をあげることができる。すなわちトリフエ
ニルホスフアイト、トリクレジルホスフアイト、
トリシクロヘキシルホスフアイト、ジメチル―m
―クロロフエニルホスフアイト、オキシエチルジ
ピリジルホスフアイト、ジエチルハイドロジエン
ホスフアイト、O―メチル―S,S′―ジフエニル
ジチオホスフアイト、O,O′―ジフエニル―N,
N′―ジメチルアミドフオスフアイト、N,N′,
N″―ヘキサメチルホスホラストリアミド、O,
O′―ジ―n―ブチルイソシアナートホスフアイ
ト、テトラブチルピロホスフアイト、フエニルホ
スフオナス酸、シクロヘキシルホスフオナス酸、
ジ―n―ブチルホスフイナス酸、S―メチルジフ
エニルチオホスフイナイト、N,N′―ジメチル
ジフエニルホスフイナスアミド、フエニルホスフ
エナイト、O―アセチル―ジエチルホスフオナイ
ト、ジエチルホスフイナスアジド、1,2―ビス
(ジエトキシホスフイノキシ)エタン、2―メチ
ル―1,2―オキサホスホラン、トリフエニルホ
スフエート、トリ―n―ブチルホスフエート、エ
チルフエニルハイドロジエンホスフエート、ジフ
エニルピリジルホスフエート、リン酸、エチレン
フエニルホスフエート、ピロリン酸、テトラポリ
リン酸、トリメタリン酸、エチルメタリン酸、ト
リフエニルチオノホスフエート、フエニルホスフ
オン酸、O,O′―ジフエニル―P―シクロヘキ
シルホスフオネート、ジフエニルホスフイン酸、
トリフエニルホスフインオキシド、五酸化リン、
メタリン酸、リン酸二水素アンモニウム、p―ベ
ンゾイルホスフオン酸、O―アセチルジフエニル
ホスフエート、1,2―ビス(ジメチルチオホス
フオリル)エタン、ビス(ジメトキシホスフオリ
ル)スルフイド、2―オキソ―2―フエニル―
1,3,2―ジチアホスホラン、1―フエニルホ
スフオリン―3―オキシド、P―ジエチルトリメ
チルシリルホスフエートなどである。これらの中
で亜リン酸、フエニルホスフオナス酸のようなホ
スフオナス酸類、リン酸、ピロリン酸、フエニル
ホスフオン酸のようなホスフオン酸類、およびこ
れらのアルキル(C1〜C8)またはアリル(たと
えばフエニル、クレジルなど)エステル類およ
び/またはジアルキル(C1〜C7)、ジアリル、ま
たはアルキルアリルアミド類が特に有用である。 本発明の直接重合法において用いられる芳香族
トリカルボン酸は、芳香核に3つのカルボキシル
基が結合され、かつ3つのカルボキシル基の内2
つは隣接炭素に結合しているものである。もちろ
んこの芳香族はヘテロ環の導入されたものでもよ
く、また芳香核同志がアルキレン、酸素、カルボ
ニル基などと結合されていてもよい。さらに芳香
核にたとえばアルコキシ、アリルオキシ、アルキ
ルアミノ、ハロゲンなどの縮合反応に関与しない
置換基が導入されていてもよい。例えば、この化
合物としてトリメリツト酸、3,3′,4′―ベンゾ
フエノントリカルボン酸、2,3′,4′―ジフエニ
ルトリカルボン酸、2,3,6―ピリジントリカ
ルボン酸、3,4,4′―ベンツアニリドトリカル
ボン酸、1,3,4―ナフタリントリカルボン
酸、2′―メトキシ―3,4,4′―ジフエニルエー
テルトリカルボン酸、2′―クロロベンツアニリド
―3,4,4′―トリカルボン酸などをあげること
ができる。また上記芳香族トリカルボン酸の誘導
体(ただし酸クロリド誘導体を除く)、たとえば
酸無水物、エステル、アミド、イミドカルボン
酸、アンモニウム塩もまた本発明の酸性分として
有用である。これらの例としてはトリメリツト酸
無水物、1,3―ジカルボキシ―4―カルベトキ
シベンゼン、1,4―ジカルボキシ―3―N,N
―ジメチルカルバモイルベンゼン、1,4―ジカ
ルボメトメキシ―3―カルボキシベンゼン、1,
4―ジカルボキシ―3―カルボフエノキシベンゼ
ン、2,6―ジカルボキシ―3―カルボメトキシ
ピリジン、1,5―ジカルボメトキシ―6―カル
ボキシナフタレン、1,6―ジカルボキシ―5―
カルバモイルナフタリン、上記芳香族トリカルボ
ン酸類とアンモニア、ジメチルアミン、トリエチ
ルアミンまたはメチルシクロヘキルアミンなどか
らなるアンモニウム塩類、トリメリツト酸無水
物/芳香族ジアミン(主として本発明の構成成分
として推奨されるもの)系の1/1モル比または
2/1モル比付加体などのイミドカルボン酸類な
どがあげられる。これらの中で特にトリメリツト
酸およびトリメリツト酸無水物が経済的に安価で
あり、しかも高い反応性を有しているために有用
である。 本発明の直接重合法に用いられる極性有機溶媒
は本発明の重合体を溶解する能力を有する溶媒類
のいずれでもよいが、中でもN置換ラクタム類
(置換基はC1〜C8の脂肪族またはC6〜C8のの芳香
族基である)およびフエノール類が実用的であ
る。これらの具体例としては、N―メチルピロリ
ドン、N―エチルピロリドン、N―ブチルピロリ
ドン、N―エチルピペリドン、N―フエニルピペ
リドン、N―エチルカプロラクタム、N―フエニ
ル―γ―バレロラクタム、N,N′―エチレンジ
ピロリドン、p―フエニレンジピロリドン、フエ
ノール、クレゾール、キシレノール、クロロフエ
ノール、クアイアコール、p―フエニルフエノー
ルおよびα(β―)ナフトールなどがあげられる。
これらの中で、N―メチルピロリドンが最も好ま
しい。 本発明の直接重合法で用いられる上記一般式
()の芳香族ジアミン(以後、芳香族ジアミン
()と略称する)の具体例としては、4,4′―
ジアミノジフエニルエーテル、3,3′―ジアミノ
ジフエニルエーテル、3,4′―ジアミノジフエニ
ルエーテル、パラ―ビス(4―アミノフエノキ
シ)ベンゼン、メタ―ビス(4―アミノフエノキ
シ)ベンゼン、メタ―ビス(3―アミノフエノキ
シ)ベンゼンなどがあげられる。 また本発明の直接重合法で用いられる上記一般
式()の芳香族ジアミン(以後、芳香族ジアミ
ン()と略称する)の具体例を構造式で示すと
次のようなものがあげられる。 (4,4′―スルホニルビス(p―フエニレンオ
キシ)ジアニリン) (3,3′―スルホニルビス(p―フエニレンオ
キシ)ジアニリン) (2,2′―スルホニルビス(p―フエニレンオ
キシ)ジアニリン) (4,4′―カルボニルビス(p―フエニレンオ
キシ)ジアニリン) (3,3′―カルボニルビス(p―フエニレンオ
キシ)ジアニリン) (4,4′―プロピルビス(p―フエニレンオキ
シ)ジアニリン) 本発明のポリアミドイミド共重合体の直接重合
は上記の芳香族トリカルボン酸と芳香族ジアミン
(上記芳香族ジアミン()/芳香族ジアミン
()の30〜96モル%/70〜4モル%混合物)と
をほぼ当モル関係(数モル%のずれは許容し得
る)に仕込み、極性有機溶媒を添加して均一系を
形成させながら脱水触媒の存在下に加熱すること
によつて実施される。この重合を実施するにあた
つては、低濃度重合も可能であるが、重合反応初
期〜前半における重合系の反応物濃度を50〜90重
量%、好ましくは55〜80重量%の高濃度に維持す
ることが重合初期〜前半における実用的重合速度
を確保するために好ましい。本発明のポリアミド
イミド共重合系においてはかかる高濃度の重合系
であつても、不溶解性の中間生成物を生ずること
がなく、初期〜中期の重合反応を安定に実施する
ことができる。さらにまた最終的に可溶性かつ可
融性の高重合度ポリアミドイミド共重合体を得る
ためには重合反応の進行とともに極性有機溶媒を
外部より追添加して重合系を次第に希釈していく
ことが必要である。この希釈操作は、通常、重合
系の粘度を比較的一定に保ちながら最終的濃度が
15〜50重量%好ましくは20〜40重量%になるまで
継続される。この希釈溶媒の添加は少量づつ連続
的または継続的に行なうことが実用的である。 この溶媒希釈操作の作用機構は必らずしも明ら
かではないが、重合反応を初期の高濃度のまま、
特に希釈操作を行なわずに、強行継続すると最終
的に3次元架橋によるゲル化現象が起こることか
ら、溶媒希釈による重合系のモル濃度低下が、望
ましくない3次元結合(芳香族トリカルボン酸に
関与したトリアミド結合)単位の数を減少させる
効果を有していることは確かのようである。いず
れにしても、この溶媒希釈操作は本発明のポリア
ミドイミド共重合体の直接重合を実用的に実施す
るための重要な要素になつている。 本発明のポリアミドイミド共重合体を得るため
に、上記芳香族ジアミン()30〜96モル%、好
ましくは50〜90モル%に対して芳香族ジアミン成
分()が70〜4モル%好ましくは50〜10モル%
混合使用される。芳香族ジアミン()がジアミ
ン成分全体の96モル%を越えると、直接重合の高
濃度重合条件下においては反応途中で溶解性の異
常に悪い中間生成物が発生して析出し、高重合度
重合体を得るまで重合を継続することがむずかし
くなる。また、直接重合法における低濃度、たと
えば反応系の反応物濃度30重量%の一定濃度重合
を実施すると芳香族ジアミン()が96モル%を
越える系についても、20〜50hrという比較的長い
重合時間をかければ、一応実用的重合度を有する
ポリアミドイミド重合体が得られるが、この系か
ら構成される重合体は、溶融時の流動性が著しく
低いために実質的に溶融成形がむずかしく、本発
明の目的を達成することができない。 また、芳香族ジアミン()の共重合割合いが
30モル%より少なくなると生成するポリアミドイ
ミド共重合体の成形品の曲げ特性が大巾に低下す
るため好ましくない。 本発明のポリアミドイミド共重合体の直接重合
法を実施するにあたつて添加される脱水触媒の量
は通常、ジアミン成分の量の0.1〜15モル%、好
ましくは0.5〜10モル%である。触媒量が0.1モル
%より少ないと実用的重合速度が得られない。ま
た、触媒量が15モル%より多くなると解重合の傾
向が現われて重合度が低下し、実用的重合度を有
する重合体が得られなくなることがあるので好ま
しくない。この脱水触媒の重合系への添加は必要
量の一括添加でもよく、また分割添加でもよい。
この脱水触媒の添加時期としては重縮合が完結す
る以前ならば、いずれの時期でもよいが少なくと
も一部は重合初期に添加するのが望ましい。 本発明のポリアミドイミド共重合体の直接重合
の重合反応は通常160〜350℃、好ましくは200〜
270℃の温度範囲の加熱状態で実施される。反応
の進行にともなつて、反応物の種類に応じて縮合
生成する水、アルコール、アンモニアなどはでき
るだけすみやかに系外に留去することが得策であ
る。この縮合生成成分の留去が遅れるとそれだけ
重合速度の低下をまねくことになる。本発明の重
合温度範囲においては、縮合生成成分の単独留出
もある程度起こるが、その効果だけでは実用的重
合速度を得るために必ずしも十分でないことがあ
り、その場合、たとえば次のような操作を併用し
て縮合生成成分の留出を促進することが望まし
い。すなわち(1)窒素、炭酸ガス、ヘリウムなどの
乾燥した不活性ガスを流通させる、(2)用いている
溶媒を徐々に留出させて共沸効果をもたせる、(3)
外部より積極的にベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロルベンゼンなどの不活性共沸剤を添加し
て効果的共沸現象を利用して留出させる、などで
ある。 本発明の製造方法として、直接重合法についで
推奨される酸クロリド法を具体的に説明すると次
のようである。すなわち無水トリメリツトクロリ
ド1モルおよび芳香族ジアミン()の一種また
は二種以上30〜96モル%および芳香族ジアミン
()の一種または二種以上70〜4モル%からな
る混合ジアミン0.9〜1.1モルとを、有機極性溶媒
中にて−20〜80℃の温度で反応させた後、これに
0.9モル以上の塩化水素スカベンジヤーを添加し
てポリアミド・アミド酸を生成させる第1工程お
よび生成ポリアミド・アミド酸を脱水閉環させる
第2工程からなることを特徴とする熱可塑性ポリ
アミドイミド共重合体の製造方法。 本酸クロリド法製造方法に用いられる芳香族ジ
アミン()、および芳香族ジアミン()は、
前記直接重合法に用いられるそれと共通である。
この酸クロリド法においてはまず無水トリメリツ
ト酸クロリド1モルに対して上記芳香族ジアミン
()/芳香族ジアミン()(30〜96/70〜4モ
ル比)、好ましくは50〜90/50〜10モル比)混合
ジアミン0.9〜1.1モルを有機極性溶媒中に溶解
し、−20〜80℃の温度条件下、約0.5〜1時間混合
した後、塩化水素スカベンジヤーを0.9〜2.0モル
程度添加して重合反応速度を促進させると、常温
付近、反応時間0.5〜10時間で重合反応が終了す
る。この段階で生成する重合体は、本発明のポリ
アミドイミド共重合体のA単位の大部分(たとえ
ば50〜100%)を閉環前駆体のアミドアミド酸単
に変換した構造、いわゆるポリアミド・アミノ酸
になつている。この第一工程に用いられる有機極
性溶媒は、ジメチルアセトアミド、などのN,
N′―ジアルキルカルボン酸アミド類、N―メチ
ルピロリドン、テトラヒドロチオフエン―1,1
―ジオキシドなどの複素環式化合物類、クレゾー
ル、キシレールなどのフエノール類などであり、
特に、N―メチルピロリドンおよびN,N―ジメ
チルアセトアミドが好ましい。また上記第1工程
に添加される塩化水素スカベンジヤーは、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミンのような脂肪族第3級ア
ミン類、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリ
ンのような環状有機塩基、アルカリ金属水酸化
物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属酢酸塩、
アルカリ土金属酸化物、アルカリ土金属水酸化
物、アルカリ土金属炭酸塩、アルカリ土金属酢酸
塩などの無機塩基類、エチレンオキシド、プロピ
レンオキシドなどのような有機オキシド化合物類
などである。 上記の第1工程で得られたポリアミドアミド酸
は、続いて第2の脱水閉環工程にかけて本発明の
ポリアミドイミド共重合体に変換される。脱水閉
環操作は、溶液中における液相閉環または固体で
加熱する固相熱閉環のいずれかで行なわれる。液
相閉環には化学的脱水剤を用いる液相化学閉環法
と、単純な液相閉環法の2通りがある。化学閉環
法は、無水酢酸、無水プロピオン酸のような脂肪
族無水物、POCl3,SOCl2のようなハロゲン化合
物、モレキユラーシーブ、シリカゲル、P2O5
Al2O3などの化学的脱水剤を用いて、温度0〜
120℃(好ましくは10〜60℃)で実施される。ま
た、液相熱閉環法は、ポリアミド・アミド酸溶液
を50〜400℃(好ましくは100〜250℃)に加熱す
ることによつて行なわれる。その際、水の除去に
役立つ共沸溶媒、たとえばベンゼン、トルエン、
キシレン、クロルベンゼンなどを併用するとより
効果的である。固相熱閉環は、まず、第一工程で
得られたポリアミド・アミド酸溶液からポリアミ
ド・アミド酸重合体を単離し、これを固体状態で
熱処理することによつて行なわれる。ポリアミ
ド・アミド酸重合体単離用の沈殿剤としては、反
応混合物溶媒とは混和性であるが、その中にポリ
アミド・アミド酸自体が不溶である液体たとえば
水、メタノールなどが採用される。熱処理は、通
常150〜350℃、0.5〜50時間の条件から目的の閉
環率および溶融時流動性を確保するように選定さ
れる。250〜350℃の領域で長時間処理しすぎる
と、重合体そのものが3次元架橋構造を形成し
て、溶融時の流動性を著しく低下させる傾向を示
すので注意する必要がある。 以上に詳述した製造方法によつて、本発明の目
的とするポリアミドイミド共重合体が得られる
が、更に反応系にA単位、B単位およびC単位を
構成する成分以外の他の共重合成分を併用し共重
合することは可能である。追加成分の具体例とし
てはたとえば、芳香族テトラカルボン酸、芳香族
ジカルボン酸、芳香族アミノカルボン酸およびそ
れらの誘導体などが挙げられる。これらの追加成
分の共重合により本発明のポリアミドイミド共重
合体を種々改質することができる。たとえば場合
により、引張強度、伸度、耐摩耗性、耐屈曲性、
溶解性、加工性、接着性などを改善することがで
きる。これら追加共重合可能成分は、C4〜C20
芳香族ベンゼノイド基および/または複素環基
(O,Sおよび/またはNなどを含む)を構成単
位とし、水酸基、アルコキシル基、アルキルアミ
ノ基、ハロゲン基などの核置換基を有するものも
含まれる。さらにこれらの酸成分は、遊離酸とし
て活用されるほかに、酸無水物、酸クロリド、エ
ステル、アミドおよび/またはアンモニウム塩な
どの酸誘導体として利用することもできる。 これら芳香族ジカルボン酸および芳香族アミノ
カルボン酸成分の例としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、4,4′―ジフエニルジカルボン酸、
4,4′―ジフエニルエーテルジカルボン酸、2―
メトキシジフエニルエーテル―4,4′―ジカルボ
ン酸、4,4′―ジフエニルスルホンジカルボン
酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルイソフタ
レート、4―クロロ―ジメチルイソフタレート、
ジフエニルテレフタレート、3―カルベトキシ安
息香酸、N,N′―テトラメチルイソフタルアミ
ド、イソフタル酸のトリメチルアンモニウム塩、
p―アミノ安息香酸、m―アミノ安息香酸、1―
アミノナフタリンカルボン酸、4―アミノフエノ
キシ安息香酸、4―(p―アミノベンジル)安息
香酸、メチル―m―アミノベンゾエート、フエニ
ル―p―アミノベンゾエート、メチル―p―アミ
ノフエノキシベンゾエート、p―アミノベンズ・
ジエチルアミド、m―アミノ安息香酸のジメチル
アンモニウム塩などがあげられる。これらの芳香
族ジカルボン酸の使用量は、芳香族トリカルボン
酸を加えた全酸性成分中の50モル%以下、好まし
くは30モル%以下が望ましい。また芳香族アミノ
カルボン酸の使用量は、芳香族トリカルボン酸お
よび芳香族ジアミンを加えた全反応物中の50モル
%以下、好ましくは30モル%以下が望ましい。 また本発明のポリアミドイミド共重合体を製造
するにあたつて、芳香族ジアミン()/芳香族
ジアミン()の混合物にさらに他のたとえばメ
タフエニレンジアミンのような芳香族ジアミン類
を添加して共重合させることも可能であるが、こ
れらその他の芳香族ジアミンの共重合使用量は生
成するポリアミドイミドの溶融加工性、物理的特
性を大幅に低下させることのない量、たとえば全
ジアミン成分の50モル%以下、好ましくは30モル
%以下に限定すべきである。 本発明の芳香族ポリアミドイミド共重合体はそ
のイミド単位が一部開環したアミド酸結合にとど
まつている場合もあるが大部分が閉環した構造と
なつており、またN―メチルピロリドン溶媒中、
重合体濃度0.5重量%、30℃で測定した対数粘度
(ηinh)の値が0.30〜0.65、好ましくは0.35〜0.65
の高重合度重合体であり、下記のような各種の用
途に活用することができる。 圧縮成形は本発明のポリアミドイミド共重合体
粉末に必要に応じて異種重合体、添加剤、充填
剤、補強剤などをドライブレンドした後、通常
300〜400℃、圧力50〜500Kg/cm2の条件下に実施
される。また押出成形および射出成形は、本発明
のポリアミドイミド共重合体に必要に応じて異種
重合体、添加剤、充填剤、補強剤などをドライブ
レンドしたもの、またはこれを押出機にかけてペ
レツト化したペレツトを押出成形機または射出成
形機に供給し、300〜400℃の温度条件下に実施さ
れる。特に本発明の芳香族ポリアミドイミド共重
合体は300〜400℃領域での熱安定性および流動特
性のバランスがきわ立つてすぐれており、押出成
形および射出成形用として有用である。これらの
溶融成形で得られた成形物品をさらに150〜300℃
の間の適切な温度条件下で固相熱処理すると、後
硬化が進行して物理的強度が増大する傾向がみら
れ実用性がさらに高められる。 フイルムおよび繊維製造用途としては、乾式ま
たは乾湿式注型プロセスに重合終了溶液を適用す
ることができ、また単離重合体に必要に応じて適
当な添加剤を添加して溶融成形することもでき
る。積層板は、ガラス繊維、炭素繊維、アスベス
ト繊維などで構成されるクロスまたはマツトに重
合体溶液を含浸させた後、乾燥/加熱による前硬
化を行なつてプリプレグを得、これを200〜400
℃、50〜300Kg/cm2の条件下にプレスすることに
より製造される。 塗料用途としては、重合終了溶液に必要に応じ
て異種の溶媒を添加混合した後、濃度調節を行な
いそのまま実用に供することができる。 以下、本発明を実施例および比較例を用いてさ
らに詳述する。なお、本実施例中で用いた%、部
および比の値は、特にことわりのない限り、それ
ぞれ重量%、重量部および重量比の値を示す。ま
た、重合体の分子量の目安となる対数粘度の値
は、N―メチル―2―ピロリドン溶媒中、重合体
濃度0.5%、温度30℃で測定したものである。重
合体の1%分解温度は、理学電機(株)製熱重量測定
機を使用し、あらかじめ250℃×2hrの予備熱処理
を行なつた試料を窒素雰囲気中に保ち、10℃/分
の昇温速度で加熱しながらその重量を連続的に測
定し、1%減量した温度を読みとる方法で測定し
た。重合体の溶融粘度は、(株)東洋精機製作所製の
「メルトインデクサー」を使用し、あらかじめ絶
乾状態に乾燥した試料を350℃に加熱したシリン
ダー内に入れて10分間滞留後、5.0Kgの荷重をか
けてダイス中央のノズル(直径2mm、長さ8mm)
から押出す方法で測定した。 実施例 1 撹拌機、トルクメーター、窒素ガス導入管、リ
グリユー管を経由した留出コンデンサーおよび追
加溶媒添加口を備えた内容積5のガラス製セパ
ラブルフラスコに無水トリメリツト酸672g(3.5
モル)、4,4′―ジアミノジフエニルエーテル457
g(2.28モル)、3,3′―スルホニルビス(p―
フエニレンオキシ)ジアニリン527g(1.22モル)
およびN―メチル―2―ピロリドン(以後NMP
と略称する)710g(初期仕込み溶液中の反応物
濃度を70重量%に合わせる)を仕込んで窒素ガス
をゆるやかに流通させ、回転数90rpmで撹拌しな
がら内温を200℃まで上昇させたところ縮合生成
水が徐々に留出してきた。縮合生成水留出量が約
100gに達した時点で、外部より約85%濃度のリ
ン酸12.1g(純分0.105モル)を添加し、内温を
235℃まで上昇させ、撹拌を続行したところ次第
に重合反応が進行してトルクメーター指示値が
3.0Kg・cmまで上昇してきた。この時点からトル
クメーター指示値の上昇をおさえて3.0Kg・cmに
維持するように外部よりNMPの追加供給を始め
て重合系の希釈操作に入つた。それと同時に縮合
生成水の留出除去を促進するため重合系内の
NMPの一部を少量づつ連続的に留出させて重合
操作を行なつた。これらの操作を3時間継続して
重合系内の重合体濃度が48%まで低下した時点で
85%濃度のリン酸12.1g(純分0.105モル)を追
添加してさらに5時間、上記重合操作を行ない、
重合系内の重合体濃度が38%まで低下した時点
で、NMP1100gおよび無水炭酸ナトリウム22.3
g(0.21モル)を添加して重合反応を停止させ
た。続いて、重合終了液を高温のまま、高速撹拌
下の水中に徐々に投入して重合体を粒状に析出さ
せた。次に析出重合体を衝撃式粉砕機にかけて微
粉末状に粉砕した後、十分に水洗/脱水し、次い
で150℃の熱風乾燥機で1昼夜乾燥したところ対
数粘度が0.50の重合体粉末が約1.5Kg得られた。
この重合体の1%分解温度は412℃という高いも
のであつた。 ここで得られた共重合体の理論的構造単位式お
よびそれに対応する分子式は次のとおりであり、
結合形式はBまたはCとAとが交互に配列された
ものであり、得られた重合体の元素分析結果は下
記のとおり、理論値とよい一致を示した。 A/B/C=3.5/2.28/1.22モル比=50/
32.6/17.6モル%
【表】 次に得られた重合体粉末に焼け防止剤としての
四フツ化エチレン樹脂(旭硝子社“アフロンポリ
ミストF―5”)0.5%および酸化チタン0.5%を
添加した後、圧縮比2.0/1のスクリユーを備え
た30mmφ押出機(処理温度340〜360℃)で溶融混
練しながら押出す操作を行なつて均一配合ペレツ
トを得た。このペレツトの溶融粘度は35×103
イズであり、溶融成形用樹脂として実用レベルに
あつた。次に上記で得たペレツトを通常の射出成
形機(バレル温度350〜370℃、金型温度150〜200
℃、射出圧力1250〜1500Kg/cm2)にかけて射出成
形試験片を作成し、物理的特性を測定したところ
次の第1表のようにすぐれたものであつた。
【表】 実施例 2 無水トリメリツト酸672g(3.5モル)のかわり
にトリメリツト酸735g(3.5モル)またはトリメ
リツト酸モノメチルエステル784g(3.5モル)を
用いる以外すべて実施例1と同様に重合操作およ
び後処理操作を行なつたところ、実施例1に比べ
て特に操作上大きな変動はなく、順調に進行し最
終的に対数粘度がそれぞれ0.48および0.46の重合
体が得られた。またここで得られた重合体の溶融
混練特性は、実施例1で得られたものと全く同様
にすぐれていた。 実施例3および4 芳香族ジアミン混合物として4,4′―ジアミノ
ジフエニルエーテル561g(2.80モル)/3,
3′―スルホニルビス(p―フエニレンオキシ)ジ
アニリン302g(0.70モル)(この系を実施例3と
する)または4,4′―ジアミノジフエニルエーテ
ル280g(1.4モル)/3,3′―スルホニルビス
(p―フエニレンオキシ)ジアニリン907g(2.1
モル)(この系を実施例4とする)以外、すべて
実施例1と同様に重合操作/後処理操作を行なつ
てそれぞれ対数粘度0.44および0.55、1%分解温
度418℃および412℃というすぐれた熱安定性を有
する重合体を得た。 次に、さらに実施例1の後半と同様に配合ペレ
ツト化/射出成形を行なつて成形試験片を作成し
物理的特性を測定したところ次の第2表のように
すぐれたものであつた。
【表】
【表】 比較例 1 芳香族ジアミン成分として4,4′―ジアミノジ
フエニルエーテル701g(3.5モル)を単独使用す
る以外すべて実施例1と同様にして重合反応をス
タートさせたところ重合初期の段階で反応系に不
均一析出物が多量に発生し、重合操作の継続が不
可能となつた。また、パラ―ビス(4―アミノフ
エノキシ)ベンゼン1022g(3.5モル)またはメ
タ―ビス(4―アミノフエノキシ)ベンゼン1022
g(3.5モル)を単独使用した場合も、同様に反
応系の不均一析出が起こり、正常な重合操作がで
きなかつた。 比較例 2 実施例1と同一の装置に無水トリメリツト酸
672g(3.5モル)、4,4′―ジアミノジフエニル
エーテル700g(3.5モル)、NMP2400gおよび約
85%濃度のリン酸20.2g(純分0.175モル)を仕
込んで窒素ガスをゆるやかに流通させ、回転数
90rpmで撹拌しながら内温を200℃まで上昇させ
たところ縮合生成水が徐々に留出してきた。留出
水量が70g付近に達して、留出速度が低下した時
点で、内温を215℃に上昇させるとともに外部よ
り共沸剤としてのクロルベンゼンを20c.c./hrの速
度で連続的に添加する操作を開始した。その後、
定常的にクロルベンゼンを留出させながら重合操
作を16時間継続したところトルクメーター指示値
が最終的に1.5Kg・cmまで上昇した。この時点で、
無水炭酸ナトリウム18.6g(0.175モル)を添加
して重合反応を停止させた。続いて実施例1と同
様の後処理操作を行なつたところ、対数粘度0.52
の重合体粉末が約1.2Kg得られた。 次に得られた重合体粉末を用いて実施例1と同
様の配合操作および340〜360℃における溶融混練
操作を行なつたところ、この重合体粉末は全く溶
融性を示さず、押出機の運転が不可能であつた。
さらに混練温度を重合体の分解温度に近い400〜
420℃に上昇させたが、やはり均一な溶融性はみ
られなかつた。このことから
【式】単位および
【式】単位の2成分から構 成される芳香族ポリアミドイミドは溶融成形材料
としては全く不適当であることがわかつた。 比較例 3 芳香族ジアミン成分として4,4′―ジアミノジ
フエニルエーテル457g(2.28モル)/3,3′―
ジアミノジフエニルスルホン303g(1.22モル)
を用いる以外すべて実施例1の前半と同様に重合
反応を行なつたが、リン酸触媒添加後の重合時間
を20時間以上に延長しても、生成重合体の対数粘
度が0.29までしか達せず、重合活性の極めて低い
ものであつた。 比較例 4 芳香族ジアミン成分として4,4′―ジアミノジ
フエニルエーテル457g(2.28モル)/4,4′―
ジアミノジフエニルメタン242g(1.22モル)を
用いる以外すべて実施例1と同様に重合反応を行
なつたところ、対数粘度0.61という実用的分子量
の重合体が得られた。しかし、この重合体の1%
分解温度は350℃と低く、押出機にかけて実用的
処理温度300〜360℃で溶融混練処理を行なつたと
ころ、激しい分解ガスの発生があり、正常な押出
しガツトを得ることができなかつた。また、300
℃以下の温度では溶融粘度が高すぎて実質的に溶
融混練操作を行なうことができなかつた。 実施例 5 実施例1と同一の装置に無水トリメリツト酸
672g(3.5モル)、4,4′―ジアミノジフエニル
エーテル457g(2.28モル)、4,4′―スルホニル
ビス(p―フエニレンオキシ)ジアニリン)527
g(1.22モル)、ホウ酸10.8g(0.175モル)およ
びN―ブチルピロリドン710g(初期仕込み溶液
中の反応物濃度を70重量%に合わせる)を仕込ん
で窒素ガスをゆるやかに流通させ、回転数90rpm
で撹拌しながら内温200℃まで上昇させたところ
縮合生成水が徐々に留出してきた。その後、内温
を240℃に上昇させて撹拌を続けたところトルク
メーター指示値が3.0Kg・cmまで上昇してきた。
この時点から外部よりN―ブチルピロリドンを連
続的に供給してトルクメーター指示値を3.0Kg/
cmに維持した。さらに7時間重合操作を行なつて
重合系内の重合体濃度が35%まで低下した時点で
NMP1000gを添加して希釈した。次に得られた
重合体溶液を高速撹拌下の大量のメタノール中に
徐徐に投入して重合体をフレーク状に析出させ
た。次に析出重合体を衝撃式粉砕機にかけて微粉
末状に粉砕した後、十分にメタノール洗浄/過
を行ない、100℃の真空乾燥機で8時間乾燥した
ところ対数粘度が0.53の重合体粉末が約1.5Kg得
られた。この重合体の1%分解温度は416℃とい
う高いものであつた。次に、さらに実施例1の後
半と同様に配合ペレツト化/射出成形を行なつて
成形試験片を作成し、物理的特性を測定したとこ
ろ次の第3表のようにすぐれたものであつた。
【表】 実施例6および7 芳香族ジアミン混合物としてメタ―ビス(4―
アミノフエノキシ)ベンゼン511g(1.75モ
ル)/4,4′―スルホニルビス(p―フエニレン
オキシ)ジアニリン)756g(1.75モル)(この系
を実施例6とする)またはパラ―ビス(4―アミ
ノフエノキシ)ベンゼン511g(1.75モル)/4,
4′―スルホニルビス(p―フエニレンオキシ)ジ
アニリン756g(1.75モル)(この系を実施例7と
する)を用い、リン化合物触媒としてトリ―n―
ブチルホスフアイト(8.76g(0.035モル)およ
び2.50g(0.01モル)の2回分割添加)を用いる
以外すべて実施例1と同様に重合操作および後処
理操作を行なつたところ、それぞれ対数粘度0.46
および0.48、1%分解温度433℃および435℃とい
うすぐれた熱安定性を有する重合体を得た。ま
た、ここで得られた重合体はいずれも、溶融混練
時の熱安定性および流動性のバランスがすぐれた
ものであつた。 ここで得られた共重合体の理論的構造単位式お
よびそれに対応する分子式は次のとおりであり、
結合形式はBまたはCとAとが交互に配列された
ものであり、得られた重合体の元素分析結果は下
記のとおり、理論値とよい一致を示した。 A/B/C=3.5/1.75/1.75モル比=50/25/
25モル%
【表】 実施例 8 芳香族ジアミン混合物として4,4′―ジアミノ
ジフエニルエーテル491g(2.45モル)/4,
4′―カルボニルビス(p―フエニレンオキシ)ジ
アニリン416g(1.05モル)を用い、リン化合物
触媒としてN,N′,N″―ヘキサメチルホスフオ
リルアミド(12.5g(0.07モル)および6.27g
(0.035モル)の2回分割添加)を用いる以外すべ
て実施例1と同様に重合操作および後処理操作を
行なつたところ対数粘度0.54、1%分解温度425
℃の重合体が得られた。 ここで得られた共重合
体の理論的構造単位式およびそれに対応する分子
式は次のとおりであり、結合形式はBまたはCと
Aとが交互に配列されたものであり、得られた重
合体の元素分析結果は下記のとおり理論値とよい
一致を示した。 A/B/C=3.5/2.45/1.05モル比=50/35/
15モル%
【表】 実施例 9 芳香族ジアミン混合物として4,4′―ジアミノ
ジフエニルエーテル491g(2.45モル)/4,
4′―プロピルビス(p―フエニレンオキシ)ジア
ニリン431g(1.05モル)を用い、リン化合物触
媒として亜リン酸14.4g(0.175モル)を用いる
以外すべて実施例1と同様の重合操作および後処
理操作を行なつたところ対数粘度0.51、1%分解
温度450℃の重合体が得られた。この重合体を用
いて溶融混練操作を行なつたところ、熱安定性お
よび流動性のバランスがよく、安定したペレツト
化が可能であつた。 ここで得られた共重合体の理論的構造単位式お
よびそれに対応する分子式は次のとおりであり、
結合形式はAまたはBとCとが交互に配列された
ものであり、得られた重合体の元素分析結果は下
記のとおり理論値とよい一致を示した。 A/B/C=3.5/2.45/1.05モル比=50/35/
15モル%
【表】 実施例 10 無水トリメリツト酸672g(3.5モル)のかわり
に無水トリメリツト酸336g(1.75モル)/イソ
フタル酸291g(1.75モル)混合物を用いる以外
すべて実施例1と同様に重合操作および後処理操
作を行なつたところ対数粘度0.65、1%分解温度
405℃の重合体が得られた。この重合体を用いて
溶融混練操作を行なつたところ、熱安定性および
流動性のバランスがよく、安定したペレツト化が
可能であつた。 実施例 11 撹拌機、温度計および窒素ガス導入管を備えた
内容積5のガラス製セパラブルフラスコに4,
4′―ジアミノジフエニルエーテル216g(1.08モ
ル)、3,3′―スルホニルビス(p―フエニレン
オキシ)ジアニリン51.8g(0.12モル)および無
水N,N′―ジメチルアセトアミド3000gを仕込
んで撹拌し均一溶液を得た。この反応混合物をド
ライアイス/アセトン浴で−10℃に冷却し、4―
(クロロホルミル)無水フタル酸253g(1.20モ
ル)を温度を−10〜−5℃に保持するような速度
で少量づつ分割添加した。さらに0℃で1時間撹
拌を続行した後、132g(1.3モル)の無水トリエ
チルアミンを温度を約5℃以下に保つのに十分な
速度で分割添加した。次に反応温度を3時間かけ
て徐々に150℃に昇温し、続いて外部よりトルエ
ンを連続添加して、ほとんど水の留出がみられな
くなるまでトルエン/水共沸混合物を留出させて
重合操作を完了した。 次に、重合終了液を高温のまま、高速撹拌下の
水中に徐々に投入して重合体を粒状に析出させ、
続いて析出重合体を衝撃式粉砕機にかけて微粉末
状に粉砕した後、十分に水洗/脱水し、次いで
150℃の熱風乾燥機で1昼夜乾燥したところ対数
粘度が053の重合体粉末が約410g得られた。この
重合体の1%分解温度は415℃という高いもので
あつた。次に得られた重合体粉末を圧縮成形(処
理温度330〜350℃、圧力50〜100Kg/cm2)にかけ
て試験片を作成し、熱変形温度(ASTM D648
―56、荷重18.6Kg/cm2)を測定したところ245℃
というすぐれたものであつた。 比較例 5 4,4′―ジアミノジフエニルエーテル216g
(1.08モル)および3,3′―スルホニルビス(p
―フエニレンオキシ)ジアニリン51.8g(0.12モ
ル)のかわりにバラ―ビス(4―アミノフエノキ
シ)ベンゼン350g(1.20モル)を用いる以外す
べて実施例11と同様に重合操作、後処理操作を行
なつて得た重合体粉末を圧縮成形(処理温度330
〜350℃、圧力50〜100Kg/cm2)したところ、極め
て溶融粘度が高く、満足な均一溶融成形品を得る
ことができなかつた。 比較例 6 4,4′―ジアミノジフエニルエーテル216g
(1.08モル)および3,3′―スルホニルビス(p
―フエニレンオキシ)ジアニリン51.8g(0.12モ
ル)のかわりに3,3′―スルホニルビス(p―フ
エニレンオキシ)ジアニリン518g(1.20モル)
を単独で用いる以外すべて実施例11と同様に重合
操作、後処理操作、溶融混練操作および圧縮成形
(処理温度290〜310℃)を行なつて得た試験片の
熱変形温度(ASTM D648−56、荷重18.6Kg/
cm2)は205℃であり、実施例11に比べて相当に耐
熱性の低下したものであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式【式】の構造単位A50 モル%、式 の構造単位B15〜48モル%および式 の構造単位C35〜2モル%からなり、N―メチル
    ピロリドン溶媒中、重合体濃度0.5重量%、30℃
    で測定した対数粘度が0.30〜0.65である、構造単
    位AとB、AとCのポリアミドイミド単位がラン
    ダムに配列した熱可塑性ポリアミドイミド共重合
    体。 (ただし、式中のZは3官能基のうちの2官能
    基が隣接炭素に結合されている3官能性芳香族
    基、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2は炭素
    数1〜4のアルキル基、ハロゲン基またはニトロ
    基、Xは―SO2―基、【式】基または 【式】aは0または1、bは0または1〜 4、Cは1〜25の整数を示す。)
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