次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した場合における、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態によるスロットマシン1の外観斜視図である。
スロットマシン1は、前面側に矩形状の開口を有する箱状の筐体2から構成され、この開口は、筐体2の左端部に開閉自在に設けられた前面扉3によって覆われている。前面扉3のほぼ中央には、操作パネル4が水平方向に設けられている。操作パネル4の前面左方には、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー5が設けられ、前面中央には、リール表示窓6内に観察される図示しない3つのリールの回転を停止させる際に操作される3つの停止ボタン7L、7C、7Rが設けられている。また、操作パネル4の上面左方には、1枚の貯留メダルを遊技に賭ける1ベットスイッチ8a、2枚の貯留メダルを遊技に賭ける2ベットスイッチ8b、および最大の3枚の貯留メダルを遊技に賭ける最大ベットスイッチ8cが設けられている。また、操作パネル4の上面右方には、実際のメダルが投入されるメダル投入口9が設けられている。貯留メダルはメダル投入口9にメダルが投入されることによってスロットマシン1内に貯留される。また、メダル投入口9へのメダル投入によっても、その投入数に応じて遊技にメダルを賭けることが出来る。メダルはスロットマシン1で遊技を行うための遊技媒体を構成する。
また、前面扉3の下方には、スロットマシン遊技の結果に応じて、または、操作パネル4の前面左方に設けられた精算ボタン10の操作に応じて、遊技者に払い出されるメダルの払出口11が設けられている。払出口11から払い出されるメダルは受け皿12で受け止められて貯留される。また、前面扉3の上方および両側部には、視覚に訴える遊技演出に用いられる演出用ランプ21a、21b、21cが設けられ、上方の演出用ランプ21aの下方中央には、同じく視覚に訴える遊技演出に用いられる液晶パネル22が設けられている。また、液晶パネル22の左右および前面扉3の下方の払出口11の右方には、聴覚に訴える遊技演出に用いられるスピーカ23a、23b、23cが設けられている。
図2は、スロットマシン1の前面扉3を筐体2に対して180度開いた際の正面図である。
筐体2のほぼ中央に水平に設けられた支持板31上には、リールユニット32が設けられている。リールユニット32には、3つのリール33L、33C、33Rが回転自在に設けられており、各リール33L、33C、33Rの外周面には、図3のリール図柄配列表に例示される複数種類の図柄が描かれている。左リール33L、中リール33C、右リール33Rに21個ずつ描かれた各図柄には1〜21の図柄番号が付されており、各図柄は図柄番号によって特定される。これら図柄は、3列に可変表示され、各列3個で合計9個が、リール表示窓6を介して遊技者によって観察される。リール33L、33C、33Rは、複数種類の図柄を3列に可変表示する可変表示手段を構成する。停止ボタン7L、7C、7Rは、これらリール33L、33C、33Rに対応して設けられており、左停止ボタン7Lが操作されると左リール33Lの回転が停止され、中停止ボタン7Cが操作されると中リール33Cの回転、右停止ボタン7Rが操作されると右リール33Rの回転が停止される。停止ボタン7L、7C、7Rは、各リール33L、33C、33Rの可変表示を遊技者の操作に応じて停止する、各リール33L、33C、33Rに対応して設けられた複数の可変表示停止手段を構成する。
リールユニット32の下方の筐体2内左側には、スロットマシン1に搭載された種々の装置に電力を供給する電源ユニット34が設けられている。また、電源ユニット34の右側の筐体2内には、メダル投入口9から投入されたメダルを貯留しておくと共に、貯留しているメダルを払出口11へ払い出すホッパーから構成されるメダル払出装置35が設けられている。また、リールユニット32の上方の筐体2内には、スロットマシン1で行われる遊技の遊技処理を統括制御する主制御基板41が設けられており、主制御基板41の右方の筐体2内側面には、スロットマシン1の外部へ信号を送出するための外部中継端子基板43が設けられている。
また、前面扉3に設けられたリール表示窓6の上方の前面扉3裏面には、主制御基板41の制御に基づいてスロットマシン遊技の演出を制御する副制御基板42が設けられている。副制御基板42の表面には上述した液晶パネル22が設けられており、副制御基板42の左右の前面扉3の裏面には、上述したスピーカ23a、23bが設けられている。また、リール表示窓6の下方の前面扉3裏面には、メダル投入口9から投入されたメダルをメダル払出装置35に導くと共に、メダル払出装置35から払い出されるメダルを払出口11へ導くメダル通路36が設けられている。メダル通路36の下方の前面扉3の裏面には、上述したスピーカ23cが設けられている。
図4は、スロットマシン1の電気回路構成を示すブロック図である。
前面扉3の各箇所に設けられた演出用ランプ21a、21b、21c、液晶パネル22、およびスピーカ23a、23b、23cは、演出装置を構成しており、副制御基板42を介して主制御基板41に電気的に接続されている。副制御基板42は、主制御基板41から一方向に送られて来る制御信号に従い、各演出装置の作動を制御する。また、操作パネル4に設けられたスタートレバー5、停止ボタン7L、7C、7R、ベットボタン8a、8b、8c、および精算ボタン10は、操作装置を構成しており、中央制御基板44を介して主制御基板41に電気的に接続されている。各操作装置から出力される操作信号は、中央制御基板44によって主制御基板41へ転送される。また、リール表示窓6から観察されるリール33L、33C、33Rは、リール制御基板45を介して主制御基板41に電気的に接続されている。リール33L、33C、33Rは、主制御基板41の制御に従ったリール制御基板45の作動制御により、回転が制御される。また、リールユニット32の下方に設けられた電源装置34およびメダル払出装置35は、下部制御基板46を介して主制御基板41に電気的に接続されている。電源装置34およびメダル払出装置35は、主制御基板41の制御に従った下部制御基板46の作動制御により、電源供給およびメダル払出が制御される。
主制御基板41および副制御基板42は、それぞれ、演算を行うCPU(中央演算処理装置)、プログラム等を記憶したROM(リード・オンリー・メモリ)、および各データを一時的に記憶するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)を含んで構成される。主制御基板41のCPUは、RAMを一時記憶作業領域としてROMに記憶された遊技プログラムに従い、遊技処理の進行を統括制御する。副制御基板42のCPUは、RAMを一時記憶作業領域としてROMに記憶された演出プログラムに従い、各演出装置の作動を制御して、遊技の演出処理を制御する。
主制御基板41は、遊技の進行に伴って発生する所定の信号を外部中継端子基板43を介してスロットマシン1の外部へ送出する。送出された信号は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータ51に与えられ、ホールに設置された各遊技機の管理に用いられる。ホールコンピュータ51には表示装置52が接続されている。表示装置52は、スロットマシン1の上部の遊技機島設備にスロットマシン1に併設して設けられており、本実施形態では液晶パネルから構成され、操作ボタンが設けられている。遊技者がホールの店員を呼び出す際にこの操作ボタンを操作することにより、表示装置52は店員を呼び出す表示を行う。
スロットマシン1における遊技は、停止した複数のリール33L、33C、33Rの停止位置により定まる図柄の組合せにより、遊技結果が定まる。遊技者は有効ライン上に停止させる図柄の組合せが、所定の当選役を構成する図柄となるように、3つの停止ボタン7L、7C、7Rを操作してリール33L、33C、33Rの回転を停止させる。有効ラインは、操作されるベットボタン8a、8b、8cの種類、またはメダル投入口9に投入されるメダル数に応じて、リール表示窓6に設けられた図5に例示される有効ラインL1、L2、L4、L5の中から所定のラインが選択されることで、決定される。本実施形態では、有効ラインとして、リール表示窓6の中段に水平に設けられた有効ラインL1、上段に水平に設けられた有効ラインL2、斜め右下がりに設けられた有効ラインL4、および、斜め右上がりに設けられた有効ラインL5の4本が設けられている。下段に水平に設けられたラインL3は無効ラインで、この無効ラインL3に所定の図柄組合せが揃っても、当選役は成立しない。なお、有効ラインを設ける方向、設ける有効ラインの本数、有効にするラインの本数などは、本実施形態の態様に限定されることはなく、適宜変更することが出来る。スロットマシン1で行われる遊技は、スタートレバー5を遊技者が操作する度に行われ、リール33L、33C、33Rの回転開始から回転停止までを単一の工程として繰り返される。この単一の工程で行われる遊技を単位遊技と称する。
役の種類には、例えば、図6の役構成表に示す、特別役や、小役、再遊技役などがある。これらの役は、主制御基板41に設けられたCPUによって構成される当選役決定手段により、いずれか1つまたは所定の複数が、各単位遊技毎に当選役として決定される。いずれの当選役も決定されない場合には、外れとなる。CPUは、乱数発生手段によって発生される所定範囲の乱数から、例えばスタートレバー5の操作タイミングに乱数抽出手段によって乱数を抽出し、抽出した乱数の値をROMに記憶された確率テーブル中のデータと比較して、乱数抽選によって当選役を決定する。決定された当選役の種類は、RAMに当選フラグとして記憶される。また、主制御基板41に設けられたCPUは、可変表示停止制御手段をも構成し、停止ボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の操作、および当選役決定手段で決定された当選役に基づいて、リール制御基板45を制御してリール33L、33C、33Rの可変表示を停止制御する。
本実施形態によるスロットマシン1は、停止ボタン7L、7C、7Rのストップスイッチ操作信号が検出されたタイミングのリール回転位置からリール33L、33C、33Rを引き込んで移動させることが可能な図柄の移動量が、ストップスイッチ操作信号が検出されたタイミングに有効ライン上にある図柄を含めて5図柄の範囲内、つまり、5コマの範囲内に設定されている。各リール33L、33C、33Rの外周面には、図3のリール図柄配列表に示されるように、図柄「ベル」および「リプレイ」が、CPUによる図柄引込制御が可能な5コマの範囲内に設けられている。従って、図柄「ベル」および「リプレイ」については、遊技者の停止ボタン7L、7C、7Rの操作タイミングにかかわらず、CPUの制御によって任意のリール回転位置に停止制御させることが出来る。
特別役には、ビッグボーナス(以下、BBと記す)役や、レギュラーボーナス(以下、RBと記す)役などがある。
BB役は、遊技を特別遊技の1つであるBB遊技に移行させる役であり、その当選フラグはBB役が成立するまで複数の単位遊技に亘って持ち越される。当選役決定手段でBB役が決定されて、BB役に対応して予め定められた図柄組合せ例えば図6に示す「赤7−赤7−赤7」が、停止ボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の操作によってリール33L、33C、33Rの有効ラインに停止表示されると、BB役が成立して次の単位遊技からBB遊技に移行する。なお、BB役の成立にはメダルの配当はなく、BB役の成立はBB遊技への移行の契機となる。このBB遊技では、所定役が高確率で当選する特典遊技に複数回移行でき、より多くのメダルを取得する可能性が高められた特典が遊技者に付与される。BB遊技は、所定の終了条件が満たされるまで、例えば、払い出されるメダルの枚数が所定の枚数を超えるまで、行える。
RB役は、遊技を特別遊技の1つであるRB遊技に移行させる役であり、その当選フラグもRB役が成立するまで複数の単位遊技に亘って持ち越される。当選役決定手段でRB役が決定されて、RB役に対応して予め定められた図柄組合せ例えば図6に示す「青7−青7−青7」が、停止ボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の操作によってリール33L、33C、33Rの有効ラインに停止表示されると、RB役が成立して次の単位遊技からRB遊技に移行する。なお、RB役の成立にもメダルの配当はなく、RB役の成立はRB遊技への移行の契機となる。このRB遊技では、BB遊技における特典遊技に相当するゲームを1セット、すなわち、所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行える。
小役は、予め定められた枚数のメダルが払い出される当選役であり、その当選フラグは小役が決定された単位遊技に限り、有効とされる。本実施形態では、小役には、図6に示すように、ベル1、ベル2、ベル3、ベル4、ベル5、スイカ、およびチェリーの7種類がある。当選役決定手段でこれら小役が決定されて、小役に対応して予め定められた図柄組合せが停止ボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の操作によってリール33L、33C、33Rの有効ラインに停止表示されると、小役が成立して、成立した小役に対して予め定められた枚数のメダルが、メダル払出装置35によって払出口11から受け皿12へ払い出されるか、または、その分貯留メダル数が増加させられる。
図6に示すように、ベル1には「any−ベル−any」の図柄組合せが予め対応して定められており、配当枚数は3枚に設定されている。なお、「any」はどの図柄でもよいことを意味している。また、ベル2には「ベル−黒バー−スイカ」、ベル3には「ベル−チェリー−リプレイ」、ベル4には「ベル−青7−赤7」、ベル5には「ベル−スイカ−スイカ」の図柄組合せがそれぞれ予め対応して定められており、配当枚数はいずれも3枚に設定されている。また、スイカには「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄組合せが予め対応して定められており、配当枚数は6枚に設定されている。また、チェリーには「チェリー−any−any」の図柄組合せが予め対応して定められており、配当枚数は4枚に設定されている。
小役のうち、ベル1〜ベル5の5種類は、1つの単位遊技で当選役決定手段によって同時に複数が当選役として決定される。主制御基板41に設けられたCPUは、この重複当選小役が所定の当選役として当選役決定手段によって決定された場合に、停止ボタン7L、7C、7Rが所定の操作順で操作されると、重複当選した小役に対応した所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rの所定の有効ラインに停止表示させる図柄表示制御手段を構成する。
所定の操作順は、本実施形態では、図7に示す重複役別押し順対応表に示すように、ベル1とベル2との2つの重複当選に対応して左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、右停止ボタン7Rの操作順が定められている。なお、同表の「+」はその前後の役が重複して当選していることを示す。また、ベル1とベル2とベル3との3つの重複当選に対応して左停止ボタン7L、右停止ボタン7R、中停止ボタン7Cの操作順、ベル1とベル2とベル3とベル4との4つの重複当選に対応して中停止ボタン7C、左停止ボタン7L、右停止ボタン7Rの操作順、ベル1とベル2とベル3とベル5との4つの重複当選に対応して中停止ボタン7C、右停止ボタン7R、左停止ボタン7Lの操作順、ベル1とベル2とベル4とベル5との4つの重複当選に対応して右停止ボタン7R、左停止ボタン7L、中停止ボタン7Cの操作順、ベル1とベル3とベル4とベル5との4つの重複当選に対応して右停止ボタン7R、中停止ボタン7C、左停止ボタン7Lの操作順が定められている。
図柄「ベル」は、上述したように、遊技者の停止ボタン7L、7C、7Rの操作タイミングにかかわらず、図柄表示制御手段を構成するCPUの制御によって任意のリール位置に停止制御させることが出来るリール図柄配列になっている。このため、図柄表示制御手段は、停止ボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の操作が上記の所定の操作順で行われると、リール制御基板45に対する制御により、ベル1の小役に対応する図柄組合せ「any−ベル−any」を構成する図柄「ベル」を中リール33Cの中段に停止表示させて、3本の有効ラインL1、L4およびL5に同時にベル1の小役を成立させ、ベル1に対して予め定められた配当3枚を3倍した合計9枚のメダルを払い出させる。一方、停止ボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の操作が上記の所定の操作順で行われないと、リール制御基板45に対するCPUの制御により、図柄「ベル」を中リール33Cの上段に停止表示させて、1本の有効ラインL2にベル1の小役を成立させ、ベル1に対して予め定められた配当3枚のメダルだけを払い出させる。重複当選したベル1以外のベル2〜ベル5の各小役に対応する図柄組合せは、CPUのリール制御によって有効ラインに停止表示させられず、重複当選したベル1以外のベル2〜ベル5の各小役は成立させられない。
停止ボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の操作が上記の所定の操作順で行われて押し順が正解した場合には、上記のように、中リール33Cの中段に図柄「ベル」が停止表示されて3本の有効ラインL1、L4およびL5に同時にベル1の小役に対応する図柄組合せ「any−ベル−any」が揃えられるが、左リール33Lおよび右リール33Rに停止表示される図柄「any」はどの図柄でもよい。このため、遊技者は、押し順が正解しても、停止表示した図柄組合せから直ちに押し順が正解したことを認識し難い。従って、押し順が正解した場合には、押し順が正解したことが一見して分かるように、CPUのリール制御によって有効ラインに図柄「ベル」が一直線に「ベル−ベル−ベル」と揃えられ、左リール33Lおよび右リール33Rにも図柄「ベル」を停止表示させる制御が行われる。図柄組合せ「ベル−ベル−ベル」はベル1の小役以外のいずれの役の図柄組合せにも対応しない。この際、第1停止操作で左リール33Lまたは右リール33Rに図柄「ベル」を停止表示する場合、直ちに第1停止操作が正解押し順であることが分からないように、CPUは、図柄「ベル」を揃える有効ラインを選択する。例えば、第1停止の正解操作に応じて停止されるのが左リール33Lの場合、左リール33Lの中段に図柄「ベル」を停止表示すると、押し順が正解で有効ラインL1に図柄「ベル」が一直線に揃うであろうことが直ちに遊技者に分かってしまう。このため、CPUは、第1停止の正解操作に応じて停止されるのが左リール33Lの場合、左リール33Lの上段に図柄「ベル」を停止表示する(図16(c)参照)。このように図柄「ベル」を停止表示することで、押し順が正解で有効ラインL4に図柄「ベル」が一直線に揃うのか、押し順が不正解で有効ラインL2に図柄「ベル」が一直線に揃うのかが直ちに分からず、遊技の興趣が向上させられる。
再遊技役は、新たにメダルを賭けることなく、現在行われた単位遊技に賭けられたメダルと同数のメダルを賭けて、次の単位遊技を行える当選役である。当選役決定手段で再遊技役が決定されて、再遊技役に対応して予め定められた図柄組合せが停止ボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の操作によってリール33L、33C、33Rの有効ラインに停止表示されると、再遊技役が成立して次の単位遊技で再遊技が行われる。つまり、再遊技役の成立にはメダルの配当はなく、再遊技役の成立は再遊技への移行の契機となる。本実施形態では、再遊技役には、図6に示すように、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せに対応したリプレイ0と、「リプレイ−リプレイ−ベル」の図柄組合せに対応したリプレイ1との2種類があり、リプレイ1は、後述するRT遊技を発生させる契機の役となる。
また、本実施形態のスロットマシン1における遊技状態の種類には、通常遊技状態、特別遊技状態、RT遊技状態、およびART遊技状態がある。
図8に示す遊技状態遷移図に示すように、通常遊技状態は、スロットマシン1に電源が投入されて最初に行われる、遊技者によって最も多く行われる通常の遊技状態である。この通常遊技状態で、BB役またはRB役の当選フラグが当選役決定手段によって決定されると、それらの当選フラグが持ち越される内部当選状態になる。この内部当選状態で、BB役またはRB役に対応する図柄組合せがリール33L、33C、33Rの有効ラインに停止表示されてBB役またはRB役の特別役が成立すると、上述したBB遊技またはRB遊技が行われる特別遊技状態になる。ただし、BB役またはRB役の当選フラグが決定された単位遊技で、BB役またはRB役に対応する図柄組合せがリール33L、33C、33Rの有効ラインに停止表示されてBB役またはRB役が成立すると、内部当選状態になることなく、直ちに特別遊技状態になる。
特別遊技状態では、通常遊技状態と異なる確率抽選テーブルが用いられて当選役が決定され、所定役、例えば図7に示す重複当選小役が通常遊技状態時よりも高い確率で決定され、押し順に関係なく図柄「ベル」が中リール33Cの中段に停止表示されて、3本の有効ラインL1、L4、L5にベル1の小役が同時に揃うように、リール停止制御が行われる。また、ベル1の小役が成立して払い出される配当も増え、例えば、3枚の配当であったものが5枚の配当となり、3本の有効ラインL1、L4、L5にベル1の小役が同時に揃うことで、5枚の3倍の15枚のメダルが払い出される。この結果、特別遊技状態では、より多くのメダルを取得する可能性が高められた特典が遊技者に付与されることになる。特別遊技状態は、メダルの払出枚数が所定の枚数を超えると終了し、通常遊技状態に戻る。なお、特別遊技状態で遊技者に与える特典は、上記の態様に限らず、例えば、図7に示す重複当選小役が通常遊技状態時よりも高い確率で決定され、押し順に関係なく図柄「ベル」が中リール33Cの上段に停止表示されて、1本の有効ラインL2にベル1の小役が揃うようにリール停止制御が行われ、1本の有効ラインL2にベル1の小役が揃っただけで15枚の配当が払い出されるように構成してもよい。
RT遊技状態は、通常遊技状態でリプレイ1に対応する図柄組合せ「リプレイ−リプレイ−ベル」がリール33L、33C、33Rの有効ラインに停止表示されてリプレイ1の再遊技役が成立すると移行する、再遊技役高確率遊技状態である。このRT遊技状態では、RT(リプレイ・タイム)遊技が行われる。RT遊技では、当選役決定手段による当選役の決定に、通常遊技状態で用いられる非RT役確率抽選テーブルよりもリプレイ0の再遊技役の抽選確率が高いRT役確率抽選テーブルが用いられ、リプレイ0の再遊技役が高い確率で抽選される。図柄「リプレイ」は、上述したように、遊技者の停止ボタン7L、7C、7Rの操作タイミングにかかわらず、図柄表示制御手段を構成するCPUの制御によって任意のリール位置に停止制御させることが出来るリール図柄配列になっている。このため、RT遊技では、高い確率で抽選されたリプレイ0の再遊技役の図柄組合せ「リプレイ−リプレイ−リプレイ」をCPUの制御によって停止表示させて、リプレイ0の再遊技役を成立させることが出来る。RT遊技状態は、図7に示すベル1〜ベル5の重複当選小役が当選役決定手段で決定されたときに、決定された重複当選小役に対応した押し順で停止ボタン7L、7C、7Rが操作されないで、不正解に対応する図柄組合せが有効ラインに停止表示すると終了し、通常遊技状態に戻る。また、RT遊技中に特別役が成立すると、遊技状態は特別遊技状態になる。なお、RT役確率抽選テーブルは、リプレイ0の再遊技役の抽選確率が通常遊技状態と異なればよく、非RT役確率抽選テーブルよりもリプレイ0の抽選確率が低くなるように構成してもよい。また、RT遊技状態は、BB役またはRB役の特別役が当選役決定手段によって決定された場合や、BB遊技またはRB遊技の特別遊技が終了した後に、移行するように構成してもよい。
ART遊技状態は、RT遊技状態で所定のAT抽選契機役、例えば、スイカの小役が当選役決定手段によって決定され、AT抽選に当選して所定の条件が成立すると、移行する遊技状態である。主制御基板41に設けられたCPUは、当選役決定手段によってリプレイ0の再遊技役が決定される確率が他の遊技よりも高くなるRT遊技状態のときに上記の所定の条件が成立すると、ART遊技状態を特定遊技状態として発生させる遊技状態制御手段を構成する。ART遊技状態は、所定回数のART遊技が行われると終了し、RT遊技状態に戻る。また、ART遊技中に特別役が成立すると、遊技状態は特別遊技状態になる。なお、ここでは、RT遊技状態で所定の条件が成立するとART遊技状態に移行する場合について説明しているが、通常遊技状態で所定の条件が成立すると、RT遊技状態を経ることなく直ちにART遊技状態に移行するように構成してもよい。ART遊技状態では、ART遊技が行われる。ART遊技は、AT(アシスト・タイム)遊技とRT遊技とが同時に行われる遊技である。AT遊技は、所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作が報知される遊技である。
本実施形態のART遊技では、上述したベル1〜ベル5の重複当選小役が所定の当選役として当選役決定手段によって決定された場合に、重複当選したベル1の小役に対応した所定の図柄組合せ「any−ベル−any」を、リール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの所定の操作順が報知される。この報知は、リール33L、33C、33Rの表示態様によって行われ、本実施形態では、所定の操作順に従った順番の停止ボタン7L、7C、7Rに対応したいずれかのリール33L、33C、33Rの表示態様を変化させて、行われる。報知された押し順で停止ボタン7L、7C、7Rが操作されないで、不正解に対応する図柄組合せが有効ラインに停止表示した場合には、ART遊技状態は終了して、通常遊技状態に戻る。主制御基板41に設けられたCPUは、上述した各遊技状態を判別する遊技状態判別手段を構成する。また、主制御基板41に設けられたCPUは、操作報知手段をも構成し、遊技状態判別手段によってART遊技状態であると判別されると、重複当選小役が所定の当選役として当選役決定手段によって決定された場合に、重複当選したベル1の小役に対応した所定の図柄組合せ「any−ベル−any」をリール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作を、リール33L、33C、33Rの表示態様によって報知する。
また、主制御基板41に設けられたCPUおよび外部中継端子基板43は、所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作の報知が操作報知手段によって行われると、スロットマシン1がART遊技状態であることを示す特定遊技状態信号を、主制御基板41から遊技機外部へ送出する信号送出手段を構成する。
次に、主制御基板41に設けられたCPUによって行われるスロットマシン1の遊技処理について説明する。
図9は、主制御基板41に設けられたCPUによって行われるスロットマシン1のメイン遊技処理を示すフローチャートである。
CPUは、ステップ(以下、Sと記す)1において、スタートレバー5が操作されることにより、スタートスイッチから操作信号が検出されたか否かを判断する。操作信号が検出されない場合には、判断結果はNoとなり、CPUはS1の処理を繰り返す。スタートスイッチから操作信号が検出されてS1の判断結果がYesの場合、CPUは、単位遊技の処理を開始し、S2において後述する遊技状態確認処理を行い、現在の遊技状態を把握する。次に、CPUは、S3において、S2で把握した遊技状態に対応した確率抽選テーブルを用いた後述する役抽選処理を行い、当選役を決定する。次に、CPUは、S4において、ART遊技におけるAT遊技を発生させ得る状態であるか否かを確認する後述するAT確認処理を行い、S4での確認結果、AT遊技を発生させ得る状態である場合には、S5において、AT遊技を発生させる後述するAT処理を行う。
その後、S6において、リール33L、33C、33Rを回転させる回胴回転処理を行い、S7において、停止ボタン7L、7C、7Rが操作されてストップスイッチから操作信号が検出されたか否かを判断する。操作信号が検出されない場合には、判断結果はNoとなり、CPUはS7の処理を繰り返す。ストップスイッチから操作信号が検出されてS7の判断結果がYesの場合、CPUは、S8において、リール33L、33C、33Rの回転を停止する後述する回胴停止処理を行い、S9において、全てのリール33L、33C、33Rの回転が停止したか否かを判断する。全てのリール33L、33C、33Rの回転が停止していなくて判断結果がNoの場合、CPUはS7の処理に戻ってS7およびS8の処理を繰り返す。
一方、全てのリール33L、33C、33Rの回転が停止してS9の判断結果がYesの場合、CPUは、S10において、リール33L、33C、33Rの有効ラインに払い出しのある役に対応した所定の図柄組合せが停止表示されて、払い出しがあるか否かを判断する。払い出しのある役に対応した所定の図柄組合せが停止表示されて、払出役が成立し、S10の判断結果がYesの場合、CPUは、S11において、その払出役に対して予め定められた枚数のメダルを払い出す。この際、CPUは、払い出しを行った場合には遊技状態にかかわらず、払い出したメダルの枚数を表す払出信号を外部中継端子基板43を介してホールコンピュータ51へ送信する。払い出しのある役に対応した所定の図柄組合せが停止表示されず、S10の判断結果がNoの場合、または、S11の処理の後、CPUは1つの単位遊技の処理を終了してS1の処理に戻り、次の単位遊技の処理を開始する。また、リール33L、33C、33Rの有効ラインにBB役またはRB役の特別役に対応した所定の図柄組合せが停止表示された場合には、メダルの払い出しはせず、次の単位遊技で特別遊技に移行する設定処理を行ってからS1の処理に戻り、次の単位遊技の処理を開始する。
図10は、図9、S2で行われる遊技状態確認処理の詳細を示すフローチャートである。
遊技状態確認処理では、CPUは、S15において、現在の遊技状態がRT遊技状態であるか否かを判断する。現在の遊技状態がRT遊技状態でなく、S15の判断結果がNoの場合、CPUは、S16において、RAMの所定のメモリ領域に設けられた現在の遊技状態を示すフラグに非RTフラグをセットして、遊技状態確認処理を終了する。一方、現在の遊技状態がRT遊技状態であり、S15の判断結果がYesの場合、CPUは、S17において、現在の遊技状態を示すフラグにRTフラグをセットして、遊技状態確認処理を終了する。
図11は、図9、S3で行われる役抽選処理の詳細を示すフローチャートである。
役抽選処理では、CPUは、S21において、現在の遊技状態がRT遊技状態であるか否かを遊技状態フラグを参照して判断する。現在の遊技状態がRT遊技状態でなく、S21の判断結果がNoの場合、CPUは、S22において、当選役の抽選に用いる確率抽選テーブルとして、通常遊技状態のときに用いる非RT役確率抽選テーブルを参照し、当選役を抽選する。その後、CPUは役抽選処理を終了する。
一方、現在の遊技状態がRT遊技状態であり、S21の判断結果がYesの場合、CPUは、S23において、非RT役確率抽選テーブルよりもリプレイ0の再遊技役の抽選確率が高いRT役確率抽選テーブルを参照して、当選役を抽選する。次に、CPUは、S24において、S23で抽選された当選役が、AT抽選契機小役であるスイカの小役であるか否かを判断する。抽選された当選役がAT抽選契機小役で、S24の判断結果がYesの場合、CPUは、AT遊技に移行するか否かの抽選を例えば1/2の確率で行い、S25において、その抽選結果、AT当選してAT遊技に移行することが決定されたか否かを判断する。AT当選してS25の判断結果がYesの場合、CPUは、S26において、RAMの所定のメモリ領域に設けられたATフラグを立ててONにする。ATフラグがONにされることにより、AT遊技が行われるようになる。ATフラグは、例えば50回の単位遊技が行われる間ONにされ、50ゲームの終了後、OFFにされて、ART遊技状態は終了する。
抽選された当選役がAT抽選契機小役でなくてS24の判断結果がNoの場合、または、AT当選しなくてS25の判断結果がNoの場合、または、S26の処理終了後、CPUは役抽選処理を終了する。
図12は、図9、S4で行われるAT確認処理の詳細を示すフローチャートである。
AT確認処理では、CPUは、S31において、現在の遊技状態がRT遊技状態であるか否か、遊技状態フラグを参照して判断する。現在の遊技状態がRT遊技状態でなく、S31の判断結果がNoの場合、CPUは、S32において、RAMの所定のメモリ領域に設けられたフリーズフラグをOFFのままにし、AT確認処理を終了する。一方、現在の遊技状態がRT遊技状態であり、S31の判断結果がYesの場合、CPUは、S33において、ATフラグがONになっているか否かを判断する。ATフラグがONになっておらず、S33の判断結果がNoの場合、上記のS32の処理を行う。一方、ATフラグがONになっており、S33の判断結果がYesの場合、CPUは、S34において、フリーズフラグを立ててONにし、AT確認処理を終了する。
図13は、図9、S5で行われるAT処理の詳細を示すフローチャートである。
AT処理では、CPUは、S41において、フリーズフラグがONになっているか否かを判断する。フリーズフラグがONになっていて、S41の判断結果がYesの場合、CPUは、S42において、AT役である、図7に示すベル1〜ベル5の重複当選小役のいずれかが、役抽選処理によって抽選されて当選したか否かを判断する。AT役が当選してS42の判断結果がYesの場合、CPUは、S43において、後述するレバーフリーズ処理を行う。一方、フリーズフラグがONになっていなくてS41の判断結果がNoの場合、または、AT役が当選していなくてS42の判断結果がNoの場合、またはS43の処理終了後、CPUはAT処理を終了する。
図14は、図13、S43で行われるレバーフリーズ処理の詳細を示すフローチャートである。
レバーフリーズ処理では、CPUは、S51において、スタートレバー5の操作後に行われるリール停止操作を無効にするレバーフリーズ処理を開始し、スタートレバー5の操作があってもリール33L、33C、33Rの全ての回転を行わせなくする。そして、続くS52において、レバーフリーズ処理の継続時間を計測するタイマをセットし、計時を開始する。次に、CPUは、S53において、図13、S42でAT役として当選していると判断された重複当選小役に対応した所定の図柄組合せ「any−ベル−any」をリール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させる、停止ボタン7L、7C、7Rの予め定められている所定の操作順で、最初に操作される第一停止の正解押し順が、左停止ボタン7Lであるか否かを判断する。本実施形態では、図7に示すように、ベル1とベル2との重複当選に対応して左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、右停止ボタン7Rの操作順、ベル1とベル2とベル3との重複当選に対応して左停止ボタン7L、右停止ボタン7R、中停止ボタン7Cの操作順が予め定められているので、図13、S42で当選していると判断されたAT役が、ベル1とベル2との重複当選小役、または、ベル1とベル2とベル3との重複当選小役である場合に、第一停止の正解押し順は左停止ボタン7Lになる。
この場合、S53の判断結果はYesになり、CPUは、S54において、左停止ボタン7Lに対応した左リール33Lを始動し、左リール33Lを上下方向に小刻みに振動させて左リール33Lの表示態様を変化させる。そして、S55において、スタートレバー5が操作されたのにも関わらず、リール33L、33C、33Rの回転が開始されずに停止操作が無効にされてレバーフリーズ処理が行われ、左リール33Lの表示態様が変化して左停止ボタン7Lの第一停止操作を促すAT報知が行われたことを示すフリーズ情報を、外部中継端子基板43へ送信する。
一方、第一停止の正解押し順が左停止ボタン7Lでなく、S53の判断結果がNoの場合、CPUは、S56において、第一停止の正解押し順が中停止ボタン7Cであるか否かを判断する。本実施形態では、ベル1とベル2とベル3とベル4との重複当選に対応して中停止ボタン7C、左停止ボタン7L、右停止ボタン7Rの操作順、ベル1とベル2とベル3とベル5との重複当選に対応して中停止ボタン7C、右停止ボタン7R、左停止ボタン7Lの操作順が予め定められているので、図13、S42で当選していると判断されたAT役が、ベル1とベル2とベル3とベル4との重複当選小役、または、ベル1とベル2とベル3とベル5との重複当選小役である場合に、第一停止の正解押し順は中停止ボタン7Cになる。
この場合、S56の判断結果はYesになり、CPUは、S57において、中停止ボタン7Cに対応した中リール33Cを始動し、中リール33Cを上下方向に小刻みに振動させて中リール33Cの表示態様を変化させる。そして、S58において、レバーフリーズ処理が行われ、中リール33Cの表示態様が変化して中停止ボタン7Cの第一停止操作を促すAT報知が行われたことを示すフリーズ情報を、外部中継端子基板43へ送信する。
一方、第一停止の正解押し順が中停止ボタン7Cでなく、S56の判断結果がNoの場合、第一停止の正解押し順は残りの右停止ボタン7Rとなる。本実施形態では、ベル1とベル2とベル4とベル5との重複当選に対応して右停止ボタン7R、左停止ボタン7L、中停止ボタン7Cの操作順、ベル1とベル3とベル4とベル5との重複当選に対応して右停止ボタン7R、中停止ボタン7C、左停止ボタン7Lの操作順が予め定められているので、図13、S42で当選していると判断されたAT役が、ベル1とベル2とベル4とベル5との重複当選小役、または、ベル1とベル3とベル4とベル5との重複当選小役である場合に、第一停止の正解押し順は右停止ボタン7Rになる。
この場合、CPUは、S59において、右停止ボタン7Rに対応した右リール33Rを始動し、右リール33Rを上下方向に小刻みに振動させて右リール33Rの表示態様を変化させる。そして、S60において、レバーフリーズ処理が行われ、右リール33Rの表示態様が変化して右停止ボタン7Rの第一停止操作を促すAT報知が行われたことを示すフリーズ情報を、外部中継端子基板43へ送信する。
S55またはS58またはS60の終了後、CPUは、S61において、S52で計時を開始したタイマにセットしたセット時間が経過したか否かを判断する。セット時間が経過していなくてS61の判断結果がNoの場合、S61の処理が繰り返される。セット時間が経過してS61の判断結果がYesになると、CPUは、S62において、S51で開始させたレバーフリーズ処理を終了するレバーフリーズ終了処理を行い、スタートレバー5の操作後に行われるリール停止操作を受け付けるようにする。
図15は、図9、S8で行われる回胴停止処理の詳細を示すフローチャートである。
回胴停止処理では、CPUは、S71において、図9、S7で操作が検出されたいずれかの停止ボタン7L、7C、7Rに対応したリール33L、33C、33Rの回転を停止する回胴停止処理を行う。次に、CPUは、S72において、S71で行われたリール33L、33C、33Rの停止が、全回胴の中で最初の第一停止であるか否かを判断する。リール33L、33C、33Rの停止が第一停止でS72の判断結果がYesの場合、CPUは、S73において、図14に示すレバーフリーズ処理が行われて第一停止操作がAT報知されたか否かを判断する。レバーフリーズ処理が行われてS73の判断結果がYesの場合、CPUは、S74において、S72で検出された第一停止が、図13、S42でAT役として当選していると判断された重複当選小役に対応した所定の図柄組合せ「any−ベル−any」をリール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させる、停止ボタン7L、7C、7Rの予め定められている所定の操作順で、最初に操作される第一停止の正解押し順に対応したものであるか否かを、判断する。S72で検出された第一停止が正解押し順に対応したものであり、S74の判断結果がYesの場合、CPUは、S75において、停止ボタン7L、7C、7Rのうちで操作されていないいずれか2つのストップスイッチの操作検出を無効にして、停止ボタン7L、7C、7Rのうちで操作されていない残りの2つの操作を受け付けなくする停止フリーズ処理を開始する。そして、続くS76において、停止フリーズ処理の継続時間を計測するタイマをセットし、計時を開始する。
次に、CPUは、S77において、図13、S42でAT役として当選していると判断された重複当選小役に対応した所定の図柄組合せ「any−ベル−any」をリール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させる、停止ボタン7L、7C、7Rの予め定められている所定の操作順で、二番目に操作される第二停止の正解押し順が、左停止ボタン7Lであるか否かを判断する。本実施形態では、図7に示すように、ベル1とベル2とベル3とベル4との重複当選に対応して中停止ボタン7C、左停止ボタン7L、右停止ボタン7Rの操作順、ベル1とベル2とベル4とベル5との重複当選に対応して右停止ボタン7R、左停止ボタン7L、中停止ボタン7Cの操作順が予め定められているので、図13、S42で当選していると判断されたAT役が、ベル1とベル2とベル3とベル4との重複当選小役、または、ベル1とベル2とベル4とベル5との重複当選小役である場合に、第二停止の正解押し順は左停止ボタン7Lになる。
この場合、S77の判断結果はYesになり、CPUは、S78において、左停止ボタン7Lに対応した左リール33Lを始動し、左リール33Lを上下方向に小刻みに振動させて左リール33Lの表示態様を変化させる。そして、停止フリーズ処理が行われ、左リール33Lの表示態様が変化して左停止ボタン7Lの第二停止操作を促すAT報知が行われたことを示すフリーズ情報を、S79において、外部中継端子基板43へ送信する。
一方、第二停止の正解押し順が左停止ボタン7Lでなく、S77の判断結果がNoの場合、CPUは、S80において、第二停止の正解押し順が中停止ボタン7Cであるか否かを判断する。本実施形態では、ベル1とベル2との重複当選に対応して左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、右停止ボタン7Rの操作順、ベル1とベル3とベル4とベル5との重複当選に対応して右停止ボタン7R、中停止ボタン7C、左停止ボタン7Lの操作順が予め定められているので、図13、S42で当選していると判断されたAT役が、ベル1とベル2との重複当選小役、または、ベル1とベル3とベル4とベル5との重複当選小役である場合に、第二停止の正解押し順は中停止ボタン7Cになる。
この場合、S80の判断結果はYesになり、CPUは、S81において、中停止ボタン7Cに対応した中リール33Cを始動し、中リール33Cを上下方向に小刻みに振動させて中リール33Cの表示態様を変化させる。そして、停止フリーズ処理が行われ、中リール33Cの表示態様が変化して中停止ボタン7Cの第二停止操作を促すAT報知が行われたことを示すフリーズ情報を、S82において、外部中継端子基板43へ送信する。
一方、第二停止の正解押し順が中停止ボタン7Cでなく、S80の判断結果がNoの場合、第二停止の正解押し順は右停止ボタン7Rになる。本実施形態では、ベル1とベル2とベル3との重複当選に対応して左停止ボタン7L、右停止ボタン7R、中停止ボタン7Cの操作順、ベル1とベル2とベル3とベル5との重複当選に対応して中停止ボタン7C、右停止ボタン7R、左停止ボタン7Lの操作順が予め定められているので、図13、S42で当選していると判断されたAT役が、ベル1とベル2とベル3との重複当選小役、または、ベル1とベル2とベル3とベル5との重複当選小役である場合に、第二停止の正解押し順は右停止ボタン7Rになる。
この場合、CPUは、S83において、右停止ボタン7Rに対応した右リール33Rを始動し、右リール33Rを上下方向に小刻みに振動させて右リール33Rの表示態様を変化させる。そして、停止フリーズ処理が行われ、右リール33Rの表示態様が変化して右停止ボタン7Rの第二停止操作を促すAT報知が行われたことを示すフリーズ情報を、S84において、外部中継端子基板43へ送信する。
S79またはS82またはS84の終了後、CPUは、S85において、S76で計時を開始したタイマにセットしたセット時間が経過したか否かを判断する。セット時間が経過していなくてS85の判断結果がNoの場合、S85の処理が繰り返される。セット時間が経過してS85の判断結果がYesになると、CPUは、S86において、S75で開始させた停止フリーズ処理を終了する停止フリーズ終了処理を行い、停止ボタン7L、7C、7Rのうちで操作されていないいずれか2つのストップスイッチの操作検出を再開して、停止ボタン7L、7C、7Rのうちで操作されていない残りの2つの操作を受け付けるようにする。
一方、S71で行われたリール33L、33C、33Rの停止が、全回胴の中で最初の第一停止でなく、S72の判断結果がNoの場合、つまり、第二停止で、操作する残り1つの停止ボタン7L、7C、7Rの選択肢が決まっていてAT報知する必要がない場合、もしくは、第三停止で、全ての回胴が停止していてAT報知する必要がない場合、CPUは、回胴停止処理を終了する。また、AT役が当選したのにもかかわらずAT抽選に外れてレバーフリーズ処理が行われず、S73の判断結果がNoの場合、または、S72で検出された第一停止が正解押し順に対応したものでなく、S74の判別がNoの場合、または、S86の処理が終了した場合にも、CPUは、回胴停止処理を終了する。
このような本実施形態によるスロットマシン1によれば、図13に示すAT処理のS42で、例えば、ベル1とベル2との重複当選小役がAT役として当選されたことが検出された場合、当選したAT役に対応した所定の図柄組合せ「any−ベル−any」をリール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させる、停止ボタン7L、7C、7Rの予め定められている所定の操作順の正解は、図7に示すように、左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、右停止ボタン7Rの順になる。この場合、図14に示すレバーフリーズ処理のS51で、リール停止操作が無効にされて全リール33L、33C、33Rの回転が停止された後、S54で左リール33Lが始動され、図16(a)に示すように左リール33Lが小刻みに上下動してブルブルと震えることで、遊技者は、スロットマシン1の内部でAT役が当選したことを知ることが出来る。さらに、当選したAT役に対応した所定の図柄組合せ「any−ベル−any」をリール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させる、停止ボタン7L、7C、7Rの予め定められている所定の操作順で、最初に操作される第一停止の正解押し順が、左停止ボタン7Lであることを知ることが出来る。このため、図14、S62でレバーフリーズ処理が終了させられた後、図9、S6の回胴回転処理によって全リール33L、33C、33Rの回転が開始させられた場合、図16(b)に示すように、ブルブルと震えた左リール33Lに対応した左停止ボタン7Lを遊技者が操作することで、そのストップスイッチ操作が図9、S7のストップスイッチ検出処理によって検出される。従って、当選したAT役に対応した所定の図柄組合せを構成する左図柄が、図15、S71の回胴停止処理により、図16(c)に示すように左リール33Lに停止表示させられる。
この第一停止が図15、S72の処理で検出されると、S75で停止フリーズ処理が開始され、残りの2つの停止ボタン7L、7C、7Rの操作が受け付けられなくなる。その後、S81で中リール33Cが始動され、図16(d)に示すように中リール33Cが小刻みに上下動してブルブルと震える。この場合、遊技者は、当選したAT役に対応した所定の図柄組合せ「any−ベル−any」をリール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させる、停止ボタン7L、7C、7Rの予め定められている所定の操作順で、二番目に操作される第二停止の正解押し順が、中停止ボタン7Cであることを知ることが出来る。このため、図15、S86で停止フリーズ処理が終了させられた後、図16(e)に示すように、ブルブルと震えた中リール33Cに対応した中停止ボタン7Cを遊技者が操作することで、そのストップスイッチ操作が図9、S7のストップスイッチ検出処理によって検出される。従って、当選したAT役に対応した所定の図柄組合せを構成する中図柄が、図15、S71の回胴停止処理により、図16(f)に示すように中リール33Cに停止表示させられる。
その後、回転している残りの右リール33Rに対応した右停止ボタン7Rを、遊技者が図16(f)に示すように操作することで、そのストップスイッチ操作が図9、S7のストップスイッチ検出処理によって検出される。従って、当選したAT役に対応した所定の図柄組合せを構成する残りの右図柄が、図15、S71の回胴停止処理により、図16(g)に示すように右リール33Rに停止表示させられる。この結果、リール33L、33C、33Rがブルブルと震えて報知される所定の操作順に従って遊技者が停止ボタン7L、7C、7Rを上記のように操作することで、スロットマシン1内部で当選したAT役に対応した所定の図柄組合せ「any−ベル−any」を、リール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させることが可能になる。この停止表示により、図9、S10で払出役の成立が検出され、S11で、3枚の3倍の9枚のメダルが払い出される。
すなわち、本実施形態によるスロットマシン1によれば、主制御基板41に備えられたCPUによって遊技状態が判別される。そして、CPUによってART遊技状態であると判別されると、重複当選小役が当選役決定手段によって決定された場合、操作報知手段により、所定の図柄組合せ「any−ベル−any」をリール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作が、リール33L、33C、33Rの表示態様によって今までになかった斬新な態様で報知される。本実施形態では、所定の操作順に従った順番の停止ボタン7L、7C、7Rに対応したいずれかのリール33L、33C、33Rの表示態様が、ブルブルと震えさせられて操作報知手段によって変化させられることで、所定の図柄組合せ「any−ベル−any」をリール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させる所定の操作順が報知される。
このため、遊技者は、リール33L、33C、33Rの表示態様から、AT役が当選役決定手段によって決定されたことが分かると共に、リール33L、33C、33Rの表示態様によって報知される停止ボタン7L、7C、7Rの操作に従って停止ボタン7L、7C、7Rを操作することで、本実施形態では、表示態様がブルブルと震えて変化して報知されるいずれかのリール33L、33C、33Rに対応した停止ボタン7L、7C、7Rを操作することで、所定の図柄組合せ「any−ベル−any」をリール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させて、当選役決定手段によって決定されたAT役を成立させることが出来る。この結果、複数種類の図柄を複数列に可変表示するリール33L、33C、33Rを用いた遊技の遊技性が向上して、興趣が増したスロットマシン1が提供される。
また、本実施形態によるスロットマシン1によれば、図11に示す役抽選処理のS21で、CPUによりRT遊技状態が判別され、S24でAT抽選契機小役が当選していると判断されて、S25におけるAT抽選でAT当選して所定の条件が成立した場合に、S26で、遊技状態制御手段によってATフラグがONにされて、ART遊技状態が特定遊技状態として発生させられる。このため、重複当選小役に対応した所定の図柄組合せ「any−ベル−any」をリール33L、33C、33Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作の報知は、RT遊技状態のときに、操作報知手段によりリール33L、33C、33Rの表示態様によって行われる。
従って、遊技者は、RT遊技により、再遊技を高確率で行いながら、AT遊技により、当選役決定手段によって決定された重複当選小役を有利に成立させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作の報知を受けることができる。この結果、遊技に用いるメダルの消費量を抑制しながら、重複当選小役に対応した所定の図柄組合せ「any−ベル−any」を停止ボタン7L、7C、7Rの有効ラインL1、L4、L5に停止表示させることができ、メダルの獲得量を増加させられるため、リール33L、33C、33Rを用いた遊技の興趣はさらに向上する。
また、本実施形態によるスロットマシン1によれば、いずれかのリール33L、33C、33Rをブルブルと震わせて、所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作の報知が、図14に示すレバーフリーズ処理のS54、S57、もしくはS59で、および図15に示す回胴停止処理のS78、S81、もしくはS83で操作報知手段によって行われると、スロットマシン1がART遊技状態であることを示す特定遊技状態信号が、フリーズ情報として、図14に示すレバーフリーズ処理のS55、S58、もしくはS60で、および図15に示す回胴停止処理のS79、S82、もしくはS84で、主制御基板41から外部中継端子基板43を介して遊技機外部のホールコンピュータ51へ送出される。
このため、ホールコンピュータ51で、特定遊技状態信号の受信回数を計数することで、AT役の入賞回数を計数することが出来、この入賞回数が所定の閾値を超えた場合に、スロットマシン1でART遊技が行われていると、判断することが出来る。この判断は、AT役の当選に対してAT報知を行ったという情報が主制御基板41で管理され、主制御基板41から外部中継端子基板43を介して送られて来る特定遊技状態信号を基に、スロットマシン1でART遊技が行われているか否かが判断されるので、正確に行われる。
また、遊技機外部で、スロットマシン1がART遊技状態であるか否かを知ることができる。従って、主制御基板41から外部中継端子基板43を介してスロットマシン1からホールコンピュータ51に送られて来る払出信号および特定遊技状態信号を基に、スロットマシン1がART遊技状態でないときにスロットマシン1から払い出されるメダルの払出量と、スロットマシン1がART遊技状態であるときにスロットマシン1から払い出されるメダルの払出量とを演算して比較し、スロットマシン1がART遊技状態でないときに、所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作が報知されていないのにもかかわらず、スロットマシン1から所定期間に払い出されるメダルの払出量が、報知のないその所定期間に確率的に払い出される払出量などの所定の基準値に比較して多い場合などには、何らかの不正が行われているとホール側で推測することが可能になり、不正行為の防止を図ることができる。
例えば、本実施形態では、重複当選小役を有利に成立させる停止ボタン7L、7C、7Rの所定の操作順は、左、中、右の3つの停止ボタン7L、7C、7Rの中から1つを選択する第一停止で正解操作する確率が1/3、残りの2つの停止ボタン7L、7C、7Rの中から1つを選択する第二停止で正解操作する確率が1/2である。このため、リール33L、33C、33Rによる所定の操作順の報知がない場合に、遊技者が予め定められた所定の操作順で停止ボタン7L、7C、7Rを正解操作する確率は1/6(=1/3×1/2)となる。従って、スロットマシン1がART遊技状態でないときに、所定期間におけるメダル払出枚数が1/6の確率以上で正解操作して払い出される枚数になっていることが、ホールコンピュータ51に入力される信号によって演算されると、何らかの不正が行われているとホール側で推測することが可能になる。
また、何らかの不正が行われているであろうとの推測は、スロットマシン1からリアルタイムに送られてくる特定遊技状態信号および払出信号を基に、不正が行われているであろうと推測される遊技中に行える。このため、ホールの営業終了後に、スロットマシン1からホールコンピュータ51に送られた各信号を解析して不正行為が事後的に発覚する場合と異なり、不正行為がまさに行われているときにその不正行為を停止させられるので、被害が拡大する前に不正行為を察知して、その後の不正行為を事前に防止することが可能になる。また、遊技機外部で、スロットマシン1がART遊技状態であるか否かを知ることができるため、スロットマシン1がART遊技状態であるのに、スロットマシン1から払い出されるメダルの払出量が少ない場合などには、店員がその遊技台に赴いて、スロットマシン1の操作の仕方を教えて上げたりすることも出来る。
なお、上記実施形態では、AT遊技において、所定の操作順を正解操作したときには、図柄「ベル」を中リール33Cの中段に停止表示させて、3本の有効ラインL1、L4およびL5に同時にベル1の小役を成立させ、ベル1に対して予め定められた配当3枚を3倍した合計9枚のメダルを払い出し、不正解のときには、図柄「ベル」を中リール33Cの上段に停止表示させて、1本の有効ラインL2にベル1の小役を成立させ、ベル1に対して予め定められた配当3枚のメダルだけを払い出す構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、所定の操作順を正解操作したときには、図柄「ベル」を中リール33Cの中段に停止表示させて合計9枚のメダルを払い出すが、不正解のときには、図柄「ベル」を中リール33Cの下段の無効ラインL3に停止表示させるリール引き込み制御を行って、メダルを一切払い出さない構成にしてもよい。
また、重複当選小役を同時に成立させる停止ボタン7L、7C、7Rの所定の操作順は、第一停止操作および第二停止操作の各操作について定める必要はなく、第一停止操作についてのみ定め、1/3の確率で正解操作を選択する構成にしてもよい。この場合、主制御基板41のCPUによる制御処理は、図15に示す回胴停止処理で、S72〜S86の処理を行わないことで、対応することが出来る。
また、上記実施形態では、AT遊技において、重複当選小役を有利に成立させる停止ボタン7L、7C、7Rの所定の操作順をリール33L、33C、33Rの表示態様によって報知する構成としたが、重複当選小役でなく、単独で当選するスイカやチェリーを成立させる停止ボタン7L、7C、7Rの所定の操作順をリール33L、33C、33Rの表示態様によって報知し、正解操作したときには、当選役に対応した図柄組合せを有効ラインL1、L2、L4、またはL5に停止表示させて、その小役に定められた枚数のメダルを払い出し、不正解のときには、当選役に対応した図柄組合せを無効ラインL3に停止表示させて、メダルを払い出さない構成にしてもよい。
また、上記実施形態では、図14に示すレバーフリーズ処理のS54、S57、またはS59で、停止ボタン7L、7C、7Rの所定の操作順をリール33L、33C、33Rの表示態様によって報知する際、報知に用いる1つのリール33L、33C、33Rの表示態様を変化させている間、残りの2つのリール33L、33C、33Rの回転を停止させた場合について説明したが、残りの2つのリール33L、33C、33Rを回転させておいてもよい。
また、上記実施形態では、所定の当選役が当選役決定手段によって決定された場合に、停止ボタン7L、7C、7Rが所定の操作順で操作されると、所定の当選役に対応した所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる図柄表示制御手段を主制御基板41が備え、操作報知手段が、所定の操作順に従った順番の停止ボタン7L、7C、7Rに対応したいずれかのリール33L、33C、33Rの表示態様を変化させて所定の操作順を報知する構成について説明した。しかし、所定の当選役が当選役決定手段によって決定された場合に、所定の当選役に対応した所定の図柄組合せを構成する所定の図柄が所定のリール33L、33C、33Rに停止表示されることを条件に、所定の当選役に対応した所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる図柄表示制御手段を主制御基板41が備え、操作報知手段が、所定の図柄を所定のリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作を、所定のリール33L、33C、33Rに所定の図柄を表示させて報知するように構成してもよい。
例えば、スロットマシン1が3種類の小役1、小役2、小役3をAT役として有し、小役1には「赤7−ベル−ベル」、小役2には「青7−ベル−ベル」、小役3には「黒バー−ベル−ベル」の図柄組合せが予め対応付けられている場合、図柄表示制御手段を構成する主制御基板41のCPUは、所定の図柄組合せ「赤7−ベル−ベル」を構成する所定の図柄「赤7」が、左リール33Lに第一停止で停止表示されることを条件に、小役1に対応した所定の図柄組合せ「赤7−ベル−ベル」をリール33L、33C、33Rに停止表示させ、小役1を成立させる。また、CPUは、所定の図柄組合せ「青7−ベル−ベル」を構成する所定の図柄「青7」が、左リール33Lに第一停止で停止表示されることを条件に、小役2に対応した所定の図柄組合せ「青7−ベル−ベル」をリール33L、33C、33Rに停止表示させ、小役2を成立させる。また、CPUは、所定の図柄組合せ「黒バー−ベル−ベル」を構成する所定の図柄「黒バー」が、左リール33Lに第一停止で停止表示されることを条件に、小役3に対応した所定の図柄組合せ「黒バー−ベル−ベル」をリール33L、33C、33Rに停止表示させ、小役3を成立させる。この場合のリール33L、33C、33Rの図柄配列は、「赤7」、「青7」、「黒バー」が、引き込み制御の出来ない6コマ以上の間隔をあけて左リール33Lに配置されて、同時に有効ラインに引き込めない、図3に示すものを用いることが出来る。
このような変形例の構成のスロットマシン1の場合、スタートレバー5の操作後、リール第一停止の前に、上述した図14に示すレバーフリーズ処理に対応した図17に示すフローチャートに従ってCPUによる制御処理が行われ、所定の当選役に対応した所定の図柄組合せを停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの第一停止操作がリール33L、33C、33Rの表示態様によって報知される。なお、図17において図14に示す処理と同一または相当する処理を行うステップには同一のステップ番号を付してその説明は省略する。この変形例の構成のスロットマシン1では、図15に示す回胴停止処理における、リール第一停止後に行われる、第二停止操作を報知するS72〜S86の処理は行われない。その他の制御処理は上述した実施形態と同様に行われる。
図13に示すAT処理のS42でAT役が当選していることが判別されて行われる図17に示すレバーフリーズ処理において、CPUは、S52の処理終了後、S91において、赤図柄の「赤7」を含む小役1が当選役決定手段によってAT役として当選したか否かを判断する。小役1が当選していてS91の判断結果がYesの場合、CPUは、S92において、左リール33Lのリール前面に赤図柄の「赤7」を停止表示させて「赤7」をアピールする。また、小役1が当選していなくてS91の判断結果がNoの場合、CPUは、S93において、青図柄の「青7」を含む小役2が当選役決定手段によってAT役として当選したか否かを判断する。小役2が当選していてS93の判断結果がYesの場合、CPUは、S94において、左リール33Lのリール前面に青図柄の「青7」を停止表示させて「青7」をアピールする。また、小役2が当選していなくてS93の判断結果がNoの場合、黒図柄の「黒バー」を含む小役3が当選役決定手段によってAT役として当選していることになる。この場合、CPUは、S95において、左リール33Lのリール前面に黒図柄の「黒バー」を停止表示させて「黒バー」をアピールする。
このような変形例によるスロットマシン1によれば、図13に示すAT処理のS42で、小役1〜小役3のいずれかの小役がAT役として当選されたことが検出された場合、図17に示すレバーフリーズ処理のS51で、リール停止操作が無効にされて全リール33L、33C、33Rの回転が停止された後、S92、S94、またはS95の処理で、左リール33Lのリール前面に赤図柄、青図柄、または黒図柄が停止表示させられていずれかの図柄がアピールされるので、遊技者は、スロットマシン1の内部でAT役が当選したことを知ることが出来る。さらに、例えば小役1がAT役として当選した場合には、当選した小役1に対応した所定の図柄組合せ「赤7−ベル−ベル」を構成する赤図柄「赤7」がS92でアピールされるので、遊技者は、当選した小役1に対応した所定の図柄組合せ「赤7−ベル−ベル」をリール33L、33C、33Rに停止表示させる条件となる、第一停止で左リールLに停止表示させる図柄が、「赤7」であることを知ることが出来る。このため、図18(a)に示すように左リール33Lにアピールされた図柄「赤7」が、左リール33Lの有効ラインに停止するように、同図(b)に示すように左停止ボタン7Lを遊技者が操作することで、所定の図柄組合せ「赤7−ベル−ベル」を構成する図柄「赤7」を、同図(c)に示すように左リール33Lに停止表示させることが出来る。
その後、回転している残りの中リール33Cおよび右リール33Rの有効ライン上にベルが停止するように、遊技者が中停止ボタン7Cおよび右停止ボタン7Rを操作することで、スロットマシン1内部で当選したAT役に対応した所定の図柄組合せを、リール33L、33C、33Rに停止表示させることが可能になる。なお、図3に示す図柄配列のリール33L、33C、33Rを用いた場合、遊技者の停止ボタン7C、7Rの操作タイミングにかかわらず、CPUの引込制御により、中リール33Cおよび右リール33Rの有効ライン上にベルが停止する。
すなわち、この変形例によるスロットマシン1によれば、主制御基板41のCPUによってART遊技状態であると判別され、小役1〜小役3の所定の当選役が当選役決定手段によって決定された場合、操作報知手段によって例えば所定のリール33Lに所定の図柄組合せを構成する所定の図柄「赤7」、「青7」、または「黒バー」がアピール表示させられて、所定の図柄を所定のリール33Lに停止表示させる停止ボタン7Lの操作が報知される。このため、遊技者は、操作報知手段によってアピール表示された所定の図柄を停止操作することで、所定の図柄を所定のリール33Lに停止表示させることができ、図柄表示制御手段の制御によって所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させることが出来る。このため、この変形例によるスロットマシン1によっても、所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作がリール33L、33C、33Rの表示態様によって報知され、上記実施形態と同様な作用効果が奏される。
また、上記実施形態および変形例では、RT遊技状態のときにAT抽選契機小役が当選して、AT抽選でAT当選した場合に、ART遊技状態を特定遊技状態として発生させた場合について説明したが、RT遊技状態のときにAT役に単に当選した場合に特定遊技状態を発生させて、当選したAT役に対応した所定の図柄組合せを停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作をリール33L、33C、33Rの表示態様によって報知する構成にしてもよい。
また、上記実施形態および変形例では、所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作の報知が操作報知手段によって行われると、スロットマシン1がART遊技状態であることを示す特定遊技状態信号が、信号送出手段によって主制御基板41から遊技機外部へ送出される構成について説明した。しかし、遊技状態判別手段を構成するCPUによってART遊技状態が検出されると、スロットマシン1がART遊技状態であることを示す特定遊技状態信号が、信号送出手段によって主制御基板41から遊技機外部へ送出されるように構成してもよい。この構成によっても、スロットマシン1の外部でスロットマシン1がART遊技状態であるか否かを知ることができ、不正行為の防止を図ることができる。
また、上記実施形態および変形例において、副制御基板42が、ART遊技状態などの特定遊技状態を発生させる第2の遊技状態制御手段と、遊技状態を判別する第2の遊技状態判別手段と、第2の遊技状態判別手段によって特定遊技状態であると判別されると、所定の当選役が当選役決定手段によって決定された場合に、所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作を、スロットマシン1の前面上部に設けられた液晶パネル22などの演出によって報知する第2の操作報知手段とを備えるように構成してもよい。
本構成によれば、主制御基板41および副制御基板42のそれぞれにおいて、特定遊技状態が発生させられ、遊技状態が特定遊技状態であると判別されると、所定の当選役が当選役決定手段によって決定された場合に、所定の当選役に対応した所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作が、主制御基板41により、リール33L、33C、33Rの表示態様によって報知され、副制御基板42により、演出によって報知される。このため、主制御基板41および副制御基板42のそれぞれにおいて独立して、所定の当選役に対応した所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作が報知され、報知態様が豊富になって遊技の興趣が向上する。
また、上記実施形態および変形例において、ART遊技状態であることを示す特定遊技状態信号が、主制御基板41から外部中継端子基板43を介してホールコンピュータ51へ送出された場合、ホールコンピュータ51が、スロットマシン1に併設された表示装置52に、当選したAT役に対応した所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作を、表示装置52の表示態様によって報知するように構成してもよい。例えば、停止ボタン7L、7C、7Rの所定の操作順が、左停止ボタン7Lの場合には表示装置52に「左」、中停止ボタン7Cの場合には表示装置52に「中」、右停止ボタン7Rの場合には表示装置52に「右」などと表示する。この場合、ホールコンピュータ51は、外部中継端子基板43から特定遊技状態信号を受信すると、当選役に対応した所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作を、表示装置52の表示態様によって報知させる表示制御手段を構成する。また、スロットマシン1、ホールコンピュータ51、および表示装置52は、遊技システムを構成する。
本構成によれば、スロットマシン1が特定遊技状態になって信号送出手段により主制御基板41から遊技機外部へ特定遊技状態信号が送出され、ホールコンピュータ51に受信されると、表示制御手段を構成するホールコンピュータ51により、当選したAT役に対応した所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させる停止ボタン7L、7C、7Rの操作が、スロットマシン1に併設された、店員を呼び出すための呼び出しランプを構成する表示装置52の表示態様により、今までになかった斬新な態様で報知させられる。このため、遊技者は、リール33L、33C、33Rの表示態様に加え、表示装置52の表示態様からも、所定の当選役が当選役決定手段によって決定されたことが分かると共に、表示装置52の表示態様によって報知される停止ボタン7L、7C、7Rの操作に従って停止ボタン7L、7C、7Rを操作することで、所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させて、当選役決定手段によって決定された所定の当選役を成立させることが出来る。この結果、スロットマシン1に併設された表示装置52の付加価値を高めることができる。
なお、上記の構成において、表示制御手段は、ホールコンピュータ51によって必ずしも構成される必要はなく、例えば、スロットマシン1に併設した表示装置52に併設して、または表示装置52内に、ホールコンピュータ51とは別途に設けるように構成してもよい。この場合、主制御基板41から外部中継端子基板43を介して遊技機外部へ送出される特定遊技状態信号は、直接、別途設けた表示制御手段に出力するように構成する。
また、上記実施形態および変形例においては、図11に示す役抽選処理のS25で行われるAT抽選の当選確率を1/2とした場合について説明した。しかし、ある特定役1に当選した場合は、主制御基板41のCPUが、AT抽選の当選確率を1/Xとする遊技状態を、特定役1に基づいた例えば50回の単位遊技の間行い、その間にAT抽選契機役である特定役2が当選した場合は、1/Xよりも高い当選確率1/YでAT抽選に当選する遊技状態に、特定役2に基づいた例えば50回の単位遊技の間、移行させる構成にしてもよい。ここで、特定役1および特定役2はそれぞれ複数種類あってもよく、また、高い当選確率1/YでAT抽選に当選する遊技状態への移行は、特定役2が当選してから所定遊技数後に行うようにしてもよい。
また、上記実施形態および変形例においては、図11に示す役抽選処理のS26でATフラグを例えば50ゲームの間ONにして、例えば50ゲームの間AT遊技が行われる場合について説明した。しかし、このAT期間が終了した後のRT遊技状態における、停止ボタン7L、7C、7Rの操作が報知されることのない非AT遊技で、AT役に当選すると、停止ボタン7L、7C、7Rを所定の操作順で正解操作するのを促す演出が行われ、この演出を見て遊技者が自力で停止ボタン7L、7C、7Rを所定の操作順で正解操作して、所定の図柄組合せをリール33L、33C、33Rに停止表示させた場合、所定の確率で、AT遊技が例えば50ゲーム行えるART遊技状態を復活させるように構成してもよい。