JP2004033631A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】多くの遊技状態の遷移が行われることで遊技内容を多彩なものにすると共に、大当たりの種類毎の価値のギャップを少なくする。
【解決手段】特図ゲームの結果として導出表示された表示結果が、同じ種類の図柄が揃ったものであれば大当たりとなるが、その図柄の種類が奇数図柄であれば確率変動大当たりとなり、その後、最大10000回まで特図ゲームでの大当たりの発生確率が高くなる特別確率変動状態となる。大当たりの図柄の種類が偶数図柄であれば普通時短大当たりとなり、最大100回または最大30回分(現在の遊技状態によって異なる)の特図ゲームが終了するまで、普図ゲームでの変動表示の時間が短縮される普通時短状態に遊技状態が制御される。いずれにしても大当たりが発生すると、その大当たり制御により付与される価値以外に、遊技者に有利な遊技状態に制御されることでの価値も付与される。
【選択図】 図12
【解決手段】特図ゲームの結果として導出表示された表示結果が、同じ種類の図柄が揃ったものであれば大当たりとなるが、その図柄の種類が奇数図柄であれば確率変動大当たりとなり、その後、最大10000回まで特図ゲームでの大当たりの発生確率が高くなる特別確率変動状態となる。大当たりの図柄の種類が偶数図柄であれば普通時短大当たりとなり、最大100回または最大30回分(現在の遊技状態によって異なる)の特図ゲームが終了するまで、普図ゲームでの変動表示の時間が短縮される普通時短状態に遊技状態が制御される。いずれにしても大当たりが発生すると、その大当たり制御により付与される価値以外に、遊技者に有利な遊技状態に制御されることでの価値も付与される。
【選択図】 図12
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する特別可変表示手段と普通可変表示手段とを備える遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下、LCD:LiquidCrystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示させることで変動表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、前述の表示装置を特別図柄表示装置として用いた特図ゲームと、前述の表示装置を兼用または他の表示装置を専用に用いた普図ゲームとがある。特図ゲーム及び普図ゲームは、共に所定領域を通過する遊技球の検出に伴って抽選を行い、その抽選結果に従って表示図柄の更新表示を行い、表示図柄の更新表示が停止した際の停止図柄態様が特定表示態様となっている場合を「当たり」とするゲームである。
【0004】
特図ゲームの「当たり」(以下、大当たり)となると、大入賞口またはアタッカと呼ばれる特別電動役物を開放状態とし、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定期間断続的に提供する。ここで、特図ゲームにおいて大当たりとなり、特別電動役物が開放状態となって遊技球の入賞が極めて容易となる状態を特定遊技状態という。特定遊技状態となるためには、通常、特別図柄表示装置に表示される表示図柄の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となること(一般的には表示図柄が同一図柄で揃うこと)が条件となる。
【0005】
このように特図ゲームにおいて大当たりとなった場合には、遊技球の入賞が極めて容易になる状態が作り出されるものである。さらに停止図柄態様を構成する表示図柄の違いによって、例えば、通常の大当たりの他にその大当たり処理の終了後からの特図ゲームでの当選確率を高める確率変動大当たりを通常の大当たりとは別に用意することで、遊技興趣の一層の向上を図ったパチンコ遊技機も数多く知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
確率変動大当たりが発生した場合、その大当たり処理が終了した後も遊技者にとって有利な遊技状態が継続するので、遊技者の期待感が高められ、遊技の興趣が向上する。これに対して大当たりが発生しても、確率変動大当たりでなかった場合は、その大当たり処理が終了してしまうと、遊技者にとって有利な状態が得られなくなってしまい、期待感が殺がれてしまう。
【0007】
一方、遊技店の側の利益という観点からは、確率変動大当たりを頻発させることはできない。つまり、一般的に確率変動大当たりの発生する確率をあまり高く設定することはできなかったため、従来のパチンコ遊技機では、遊技者の期待感を効果的に高めさせるような遊技状態の遷移を実現しているものはなかった。また、従来のパチンコ遊技機では、確率変動大当たりの他には通常の大当たりしか用意したものしかなく、遊技状態の変化にも乏しく、遊技の興趣を向上させるのに十分ではなかった。
【0008】
特に確率変動大当たりは、次の大当たりが発生するまで前記の抽選に当選する確率が高くなることが約束されるものであり、大当たり制御の終了後に遊技者に付与される価値としては、非常に大きなものである。これに対して、通常の大当たりでは、大当たり制御の終了後に遊技者に何の価値も付与されないので、大当たりとしては同じであっても、その価値についてのギャップが大きかった。
【0009】
本発明は、多くの遊技状態の遷移が行われることで遊技内容を多彩なものにすると共に、大当たりの種類毎の価値のギャップを少なくすることで、遊技の興趣を向上させることのできるパチンコ遊技機等の遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する特別可変表示手段と普通可変表示手段とを備えた遊技機において、
打球を検出する検出手段と、
打球を受け入れやすい第1の態様と打球を受け入れ難い或いは受け入れない第2の態様に変化可能であり、前記検出手段を有する可変入賞手段と、
前記検出手段によって打球の検出があったことに基づいて、前記特別可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特別可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する特別変動表示制御手段と、
前記普通可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う普通抽選手段と、
前記普通抽選手段の抽選結果に基づいて、前記普通可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する普通変動制御手段と、
前記特別図柄変動表示制御手段による変動表示の表示結果が特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態へ遊技状態を制御する第1の遊技状態制御手段と、
前記普通変動表示制御手段による変動表示の表示結果が所定の表示態様となったときに、前記可変入賞手段を前記第1の態様に制御する可変入賞制御手段と、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を高くする特別確率変動状態と、普通有利状態として、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を変化することなく、前記普通変動制御手段による前記識別情報の変動表示の時間を短縮させる普通時短状態とを制御する第2の遊技状態制御手段とを備え、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記第1の遊技状態制御手段による前記特定遊技状態への遊技状態の制御に伴って、予め定められた終了条件が成立するまで遊技状態を、前記特別確率変動状態または前記普通時短状態のいずれかに制御する
ことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する特別可変表示手段と普通可変表示手段とを備えた遊技機において、
打球を検出する検出手段と、
打球を受け入れやすい第1の態様と打球を受け入れ難い或いは受け入れない第2の態様に変化可能であり、前記検出手段を有する可変入賞手段と、
前記検出手段によって打球の検出があったことに基づいて、前記特別可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特別可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する特別変動表示制御手段と、
前記普通可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う普通抽選手段と、
前記普通抽選手段の抽選結果に基づいて、前記普通可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する普通変動制御手段と、
前記特別図柄変動表示制御手段による変動表示の表示結果が特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態へ遊技状態を制御する第1の遊技状態制御手段と、
前記普通変動表示制御手段による変動表示の表示結果が所定の表示態様となったときに、前記可変入賞手段を前記第1の態様に制御する可変入賞制御手段と、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を高くする特別確率変動状態と、普通有利状態として、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を変化することなく、前記普通抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記所定の表示態様として決定される確率を高くする普通確率変動状態とを制御する第2の遊技状態制御手段とを備え、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記第1の遊技状態制御手段による前記特定遊技状態への遊技状態の制御に伴って、予め定められた終了条件が成立するまで遊技状態を、前記特別確率変動状態または前記普通確率変動状態のいずれかに制御する
ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかる遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する特別可変表示手段と普通可変表示手段とを備えた遊技機において、
打球を検出する検出手段と、
打球を受け入れやすい第1の態様と打球を受け入れ難い或いは受け入れない第2の態様に変化可能であり、前記検出手段を有する可変入賞手段と、
前記検出手段によって打球の検出があったことに基づいて、前記特別可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特別可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する特別変動表示制御手段と、
前記普通可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う普通抽選手段と、
前記普通抽選手段の抽選結果に基づいて、前記普通可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する普通変動制御手段と、
前記特別図柄変動表示制御手段による変動表示の表示結果が特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態へ遊技状態を制御する第1の遊技状態制御手段と、
前記普通変動表示制御手段による変動表示の表示結果が所定の表示態様となったときに、前記可変入賞手段を前記第1の態様に制御する可変入賞制御手段と、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を高くする特別確率変動状態と、普通有利状態として、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を変化することなく、前記普通変動制御手段による変動表示の表示結果が前記所定の表示態様となったときに前記可変入賞制御手段が前記可変入賞手段を制御する第1の態様を前記第1の態様よりもさらに打球を受け入れ易い特別態様によって制御する特別態様状態へ遊技状態を制御する第2の遊技状態制御手段とを備え、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記第1の遊技状態制御手段による前記特定遊技状態への遊技状態の制御に伴って、予め定められた終了条件が成立するまで遊技状態を、前記特別確率変動状態または前記特別態様状態のいずれかに制御する
ことを特徴とする。
【0013】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機では、特別変動表示制御手段による変動表示の表示結果が特定の態様となった場合に、特定遊技状態への制御に伴って、遊技者に有利な遊技状態として、特別確率変動状態と普通有利状態のいずれかに制御されることとなる。このため、遊技状態の遷移が多彩に行われるものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、特定遊技状態への制御に伴って何かしらの有利な遊技状態への移行があることから、遊技者の期待感を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、特定遊技状態への制御に伴って、特別確率変動状態が発生しない場合でも、普通有利状態が発生するので、いずれにしても何らかの有利な遊技価値が遊技者に付与されることとなり、いわゆる大当たり(特定の表示態様となり、特定遊技状態に移行すること)の種類毎の価値のギャップを少なくすることができる。
【0014】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機において、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記特別変動表示制御手段による変動表示の表示結果として導出表示された表示態様が前記特定の表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様となったときに、前記特別確率変動状態へ遊技状態を制御し、前記特別の表示態様以外の前記特定の表示態様となったときに、前記普通有利状態に遊技状態を制御するものとすることができる。
【0015】
この場合において、上記第1〜第3の観点にかかる遊技機は、それぞれ、
現在の遊技状態と前記特定の表示態様の種類との組み合わせに対応して、制御される遊技状態の終了条件を記憶した遊技状態記憶手段をさらに備えるものとすることができ、この場合、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記遊技状態記憶手段を参照して、制御される遊技状態の終了条件を決定することができる。
【0016】
この場合には、可変表示手段における変動表示の結果が特別の表示態様となったか否かにより、特別確率変動状態に制御されたか普通有利状態に制御されたかが分かり易く示される。また、遊技状態の終了条件を遊技状態記憶手段を参照して決定するものとすることで、遊技状態記憶手段の変更だけで遊技状態の終了条件が変えられ、機種の改良や開発が容易に行えるようになる。
【0017】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機において、
前記特別抽選手段は、遊技状態を前記特別確率変動状態とするか否かを決定する遊技状態抽選手段を含み、
前記第1の遊技状態制御手段により前記特定遊技状態に遊技状態が制御されたことを条件として、前記遊技状態抽選手段の抽選結果に基づいて、所定の報知を行う報知手段をさらに備えるものとすることができる。この場合、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記報知手段の報知結果が予め定められた特別の報知態様となったときに、前記特別確率変動状態に遊技状態を制御するものとすることができる。
【0018】
この場合において、上記遊技機は、
現在の遊技状態と前記報知手段の報知結果の組み合わせに対応して、制御される遊技状態の終了条件を記憶した遊技状態記憶手段をさらに備えるものとしてもよい。ここで、
前記遊技状態抽選手段は、前記遊技状態記憶手段を参照して、制御される遊技状態の終了条件を決定するものとすることができる。
【0019】
この場合には、特別確率変動状態や普通有利状態の報知のタイミングが特定遊技状態の報知のタイミングよりも遅れるため、特定遊技状態に加えられる価値について遊技者の期待感を持続させることができる。また、遊技状態の終了条件を遊技状態記憶手段を参照して決定するものとすることで、遊技状態記憶手段の変更だけで遊技状態の終了条件が変えられ、機種の改良や開発が容易に行えるようになる。
【0020】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技において、
前記特別確率変動状態の終了条件と前記普通有利状態の終了条件は、異なるように定められていることが好ましい。
【0021】
このように特別確率変動状態と普通有利状態を終了させる条件を異なるように定めることで、遊技状態の遷移がより多彩に行われるようになる。これにより、一層の遊技興趣の向上を図ることができる。
【0022】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機は、
前記特別確率変動状態に制御されているときにおいて、連続して新たに前記第2の遊技状態制御手段によって前記特別確率変動状態に制御された回数を計数する特別確率状態回数計数手段と、
前記特別確率状態回数計数手段が計数した回数が所定の回数に達しているときに、前記第2の遊技状態制御手段が前記特別確率変動状態に制御することを防止する特別確率変動防止手段とをさらに備えるものとすることができる。
【0023】
この場合、極端に遊技者に有利な遊技状態に遷移されることを防ぐことができるので、徒に遊技者の射幸心を煽るようなことがない。また、多様な遊技状態の遷移が得られても遊技者に極端に有利なものとはならないので、遊技者が得られる利益と遊技店側が得られる利益とのバランスを図ることができる。
【0024】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機は、
それぞれ外部で利用可能な信号であって、前記第2の遊技状態制御手段により前記特別確率変動状態に制御されていることを示す信号と前記普通有利状態に制御されていることを示す信号を生成する信号生成手段をさらに備えるものとすることができる。
【0025】
この信号生成手段が生成した信号を外部に出力して利用することによって、遊技状態が特別確率変動状態や普通有利状態に遷移されていることを、外部からも把握することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図1は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。図2は、図1のパチンコ遊技機のガラス扉(前面扉)の背面側の構造を示す図である。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を指示固定する遊技機用枠(ガラス扉枠)20とから構成されている。遊技盤2は、ガイドレールによって囲まれたほぼ円形状の遊技領域を形成している。
【0028】
遊技盤2の遊技領域のほぼ中央位置には、可変表示装置3が配置されている。可変表示装置3は、LCDからなる可変表示部4が設けられている。可変表示部4は、特図ゲームの保留記憶を表示するための特別図柄保留記憶表示部4aを前面側の画像とし、普図ゲームを行うための普通図柄表示部4cをこの後面側の画像とし、特図ゲームを行うための特別図柄表示部4bをさらに後面側の画像として、これらの画像を重ね合わせて表示する。
【0029】
特別図柄表示部4bは、特図ゲームに伴って、背景画像、キャラクタ、特別図柄等を表示する。特図ゲームに使用される特別図柄としては、「0」から「9」までの10種類の数字が用意されている。普通図柄表示部4cは、普図ゲームに伴って、その結果としての図柄を表示する。普図ゲームに使用される普通図柄としては、「◎」及び「×」の2種類の図柄が用意されている。
【0030】
特別図柄表示部4bでは、左、中及び右の3つの可変表示部で特別図柄が変動表示され、特図ゲームは、3つの可変表示部で同じ数字が揃って停止することによって大当たりとなり、後述するような大当たり制御が行われる。ここで停止した特別図柄の種類と、そのときに制御されていた遊技状態とに従って、通常の大当たりの他に、確率変動大当たりと時短大当たりとのいずれかの大当たりが発生する。いずれの種類の大当たりを発生させるかは、後述する大当たり種類テーブル(図4)を参照することによって決められる。
【0031】
ここで、確率変動大当たりは、通常の大当たりによる制御に加えて、以降の所定ゲーム数だけ(制限なしも可)特図ゲームにおける大当たり確率を高くするという確率変動制御を行うものであり、時短大当たりは、通常の大当たりによる制御に加えて、以降の所定ゲーム数だけ(制限なしも可)特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間を短縮するという時短制御を行うものである。時短制御時に特図ゲームにおける大当たり確率が高くされることはない。なお、大当たり制御が行われている遊技状態を特定遊技状態といい、確率変動制御が行われている遊技状態を特別遊技状態(特別確率変動状態)といい、時短制御がおこなわれている遊技状態を時短状態という。
【0032】
確率変動大当たりの発生に基づく特別遊技状態、或いは時短大当たりの発生に基づく時短状態は、新たな大当たり(いずれの種類をも含む)が発生したときに終了する。同じ種類の大当たりが発生した場合、それまでの特別遊技状態や時短状態が終了して、新たな特別遊技状態や時短状態が続けて開始したものとして考える。また、特別遊技状態及び時短状態は、それぞれの状態で行われた特図ゲームの回数が所定回数となったときに終了する。特別遊技状態及び時短状態の終了条件となる特図ゲームの回数は、後述するテーブル(図4)を参照することによって決められる。
【0033】
確率変動大当たりが連続して発生する回数は、所定回数(例えば、5回)に制限されている。すなわち、確率変動制御が行われているときの特図ゲームの結果として奇数の図柄が揃った回数(確率変動大当たりの連続発生回数)がカウントされており、このカウント回数が所定回数となると、後述する抽選に基づく特図ゲームの結果として確率変動大当たり表示態様となることはない。確率変動大当たり表示態様となることの防止も、後述するテーブル(図4)を参照することによって図られている。
【0034】
普通図柄表示部4cでは、「◎」及び「×」の図柄が交互に変動表示され、所定時間経過後に「◎」または「×」のいずれかが停止して表示される。普図ゲームは、最終的に「◎」が表示されて停止することによって小当たりとなり、小当たり制御として、後述するように電動チューリップ型役物6を一定期間開放状態とする制御が行われる。「×」の図柄が停止されたときはハズレである。
【0035】
可変表示装置3の可変表示部4の上側中央には、特図ゲームにおけるリーチ演出や、大当たり演出の際に駆動される役物11と、役物11の駆動に伴って発光する役物飾りランプ12a、12bとが設けられている。役物11及び役物飾りランプ12a、12bの左右には、例えば遊技者が特図ゲームにおいて表示されるキャラクタ画像を選択するために用いられる、反射型センサからなる左側及び右側センサ16L、16Rが設けられている。可変表示装置3の可変表示部4の下側には、普図ゲームの保留記憶を表示するための普通図柄保留記憶表示部10が設けられている。
【0036】
可変表示装置3の可変表示部4の左上、右上、左横及び右横には、装飾ランプ13a、13b、13c、13dがそれぞれ設けられている。可変表示装置3を離れて遊技盤2の遊技領域の左右側にも、それぞれ装飾ランプ13e、13fが設けられている。装飾ランプ13a〜13fは、リーチ演出や大当たり演出の際に、例えば特別図柄表示部4bに表示される画像の変化に伴って発光し、画像に加えて光による演出で遊技興趣を高めるようにするものである。
【0037】
可変表示装置3の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)6を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)5が配設されている。特図ゲームに関して、特別図柄始動口5を遊技球が通過したときに、その経過及び結果を決定するための抽選が行われる。特図ゲームは、先に通過した遊技球の保留記憶(後述)がなくなったときに開始して、特別図柄始動口5を遊技球が通過したときの抽選結果に基づいて特別図柄表示部4bにおいて表示がなされる。
【0038】
電動チューリップ型役物6は、例えば普図ゲームの結果が小当たりであった場合に、その小当たり制御として通常の態様(チューリップが閉じて、遊技球の通過が困難か不可能な状態)から一定期間だけ動作されて開放態様(チューリップが開いて、遊技球の通過が容易となった状態)とされ、特別図柄始動口5への遊技球の通過が容易になる。
【0039】
また、電動チューリップ型役物6の開放態様には、特別態様と非特別態様とがある。特別態様と非特別態様は、例えば開放動作が行われる時間の違いや開放動作が行われる回数、或いは開放度合いの違いによって区別される。いずれにしても特別態様は、非特別態様よりもさらに特別図柄始動口5への遊技球の通過が容易になった開放態様である。特別態様は、確率変動制御が行われている特別遊技状態のときか、時短制御が行われている時短状態のときにしか発生せず、通常の遊技状態では非特別態様しか発生しない。また、特別遊技状態と時短状態とにおいて、電動チューリップ型役物6の開放動作は全く同じように制御されており、特別図柄始動口5を遊技球が通過することとなる容易さの度合い(期待値)は、同じものとなっている。
【0040】
特別図柄始動口5の両側には、遊技球の通過により普図ゲームを開始させるための通過ゲート7a、7bが設けられている。普図ゲームに関して、通過ゲート7a、7bを遊技球が通過したときに、その経過及び結果を決定するための抽選が行われる。普図ゲームは、先に通過した遊技球の保留記憶がなくなったときに開始して、通過ゲート7a、7bを遊技球が通過したときの抽選結果に基づいて普通図柄表示部4cにおいて表示がなされる。特別図柄始動口5及び通過ゲート7a、7bの遊技球の通過は、それぞれ最大4つまで保留記憶され、保留記憶されている数が特別図柄保留記憶表示部4a及び普通図柄保留記憶表示部(ゲート通過記憶表示器)10に表示される。
【0041】
特別図柄始動口5の下側には、大当たり発生時にソレノイド等を駆動することで開放動作を行う大入賞口(第1種特別電動役物:アタッカ)8が配設されている。大入賞口8は、特別図柄始動口5への入賞に基づいて特図ゲームが行われた結果大当たりとなった場合に、大当たり制御の1つとして開放動作を行う。この開放動作は、遊技球が大入賞口8の内部の特定領域(図示せず)を通過することを条件として、断続的に最大15回継続して行う。また、通過ゲート7aの左側と下側、通過ゲート7bの下側と右側には、遊技球の通過によって賞球が払い出される入賞口9a〜9dが設けられている。
【0042】
ガラス扉枠20には、遊技領域を囲むようにして複数の遊技効果LED14a〜14hが設けられている。また、ガラス扉枠20の上部左右側(遊技効果LED14a、14bの内側)には、スピーカ15a、15bが設けられている。特別図柄表示部4bに表示される画像の変化に伴って、またはこの画像とは独立して、遊技効果LED14a〜14hが発光し、スピーカ15a、15bから音声が出力される。この光及び音声による演出でも遊技興趣が高められている。
【0043】
ガラス扉枠20の遊技領域の下側には、遊技領域に打ち出す遊技球を供給するための打球供給皿21が設けられている。その下側には、打球供給皿21への払い出しができなくなった賞球を払い出すための余剰球受皿22が設けられている。その右側には、遊技領域に遊技球を打ち出す発射モータ(図示せず)を駆動するための打球操作ハンドル23が設けられている。
【0044】
ガラス扉枠20の遊技領域の左側には、払い出しを完了していない賞球があることを示す賞球ランプが、遊技領域の上側には、払い出すべき賞球が切れてしまったことを報知する球切れランプ18が設けられている。また、パチンコ遊技機1の左側には、プリペイドカードを挿入し、遊技球の貸し出しを受けるためのプリペイドカードユニット200が設けられている。
【0045】
さらに、図2に示すように、ガラス扉枠20の背面側には、賞球を払い出すための球払出装置105と、球払出装置105が払い出し可能な賞球がなくなったことを検出するための球切れスイッチ52が設けられている。また、球払出装置105からオーバーフローした遊技球の貯留が満タンになったことを検出する満タンスイッチ53(図2には不図示:図3参照)が設けられている。
【0046】
上記の各部を制御するための制御基板として、遊技制御基板101、演出制御基板102及び入出力ドライバ基板103、並びに払出制御基板104も、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。各部に電力を供給するための電源基板100も、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。図3は、各基板100〜104を含む、パチンコ遊技機1の制御回路の構成を示すブロック図である。
【0047】
遊技制御基板101は、パチンコ遊技機1における遊技の進行全体の流れを制御するためのメイン側の制御基板であり、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113及びI/O(Input/Output)ポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる基本回路110を搭載している。また、遊技制御基板101は、スイッチ回路120、ソレノイド回路130、情報出力回路140及びアドレスデコード回路150を搭載している。
【0048】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能、及び乱数発生機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する制御を行うと共に、パチンコ遊技機1の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、基本回路110に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。基本回路110については、後にさらに詳細な説明を行う。
【0049】
スイッチ回路120は、通過ゲート7a、7bを通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ37、特別図柄始動口5を通過した遊技球を検出するための始動口スイッチ35、大入賞口8を通過した遊技球を検出するためのカウントスイッチ38、大入賞口8の特定領域を通過した遊技球を検出するためのVカウントスイッチ30、及び入賞口9a〜9dを通過した遊技球を検出するための入賞口スイッチ39に接続されている。また、満タンスイッチ53、球切れスイッチ52、及び球払出装置105が払い出した賞球をカウントするための賞球カウントスイッチ51にも接続されている。
【0050】
スイッチ回路120は、各スイッチ37、35、38、30、39、53、52及び51から出力されてくる入力信号を、ローパスフィルタ等を通してパルス波として整形した後に、バッファゲート等によって増幅し、I/Oポート114に出力して、CPU111に入力させるものである。
【0051】
ソレノイド回路130は、電動チューリップ型役物6を駆動するためのソレノイド45、大入賞口8の開閉を駆動するためのソレノイド48、及び大入賞口8内の内部にあり、遊技球を特定領域に寄せるためのシーソー(図示せず)を駆動するためのソレノイド40に接続されている。ソレノイド回路130は、I/Oポート114から出力される制御信号に基づいて、ソレノイド40、45及び48に駆動制御信号(励磁信号)を出力する。
【0052】
情報出力回路140は、I/Oポート114から出力された制御信号に基づいて、大当たりの発生により大当たり制御が行われていることを示す大当たり情報、時短制御が行われていることを示す時短情報、確率変動制御が行われていることを示す確変情報、特図ゲームの始動に関する情報である始動情報、支払われた賞球に関する情報である賞球情報等の各種情報を、端子(図示せず)に挿入されたケーブルを介して、製品検査用のコンピュータやパチンコホール(遊技店)の管理コンピュータに対して出力する。
【0053】
アドレスデコード回路150は、CPU111から出力されたアドレス信号を入力し、デコードする。デコードした結果、CPU111の制御対象がRAM112、ROM113及びI/Oポート114のいずれであるかを選択するための信号を、CPU111に出力する。
【0054】
演出制御基板102は、CPU、RAM及びROMを含む制御部を有し、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに基づいて、特図ゲーム及び普図ゲームを含む各種の演出を制御する。演出制御基板102は、可変表示部4に接続されており、特別図柄表示部4bに特図ゲームにおける画像を表示させ、特別図柄保留記憶表示部4aに保留記憶の表示をさせる。普図ゲームに関しても同様の制御を行う。演出制御基板102は、入出力ドライバ基板103に接続されており、入出力ドライバ基板103に対してその他の演出を制御するための制御信号を出力する。
【0055】
入出力ドライバ基板103は、左側及び右側センサ16L、16Rに接続されており、この検出信号を入力して、演出制御基板102に出力するためのドライバ回路を備えている。入出力ドライバ基板103のドライバ回路は、また、スピーカ15、賞球ランプ17、球切れランプ18、装飾ランプ13(13a〜13f)、役物飾りランプ12(12a、12b)、及びゲート通過記憶表示器10に接続されており、演出制御基板102からの制御信号に従ってこれらを制御する。入出力ドライバ基板103は、役物用ソレノイド41に接続されており、演出制御基板102からの制御信号に従って役物用ソレノイド41に駆動制御信号を出力し、役物11を駆動させるためのドライバ回路を備えている。
【0056】
払出制御基板104は、球払出装置105とプリペイドカードユニット200とに接続されており、遊技球の貸し出しのために必要な情報をプリペイドカードユニット200との間でやりとりし、また、球払出装置105に貸し出された遊技球または入賞により賞球として払い出される遊技球を払い出させるための制御回路を備えている。
【0057】
次に、遊技制御基板101に含まれる基本回路110について、詳細な説明を行う。基本回路110のROM113には、特別図柄が同一の種類のもので揃って大当たりとなったときに、その大当たり表示態様を構成する特別図柄の種類と大当たり発生時における遊技状態とに従って、その後に移行する遊技状態の種類を決定するための大当たり種類テーブルが記憶されている。もっとも、どのような種類の大当たりであっても、特定遊技状態となって大当たり制御が行われることについては変わりがない。
【0058】
図4は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1で適用される大当たり種類テーブルを示す図である。図示するように、この大当たり種類テーブルは、大当たり図柄の種類と現在の遊技状態との種類に従って、発生した大当たりをどのような種類の大当たりとするか、確率変動大当たりまたは時短大当たりとする場合には、確率変動制御または時短制御が次の大当たりの発生によらずに終了するまでに行われる特図ゲームの回数を登録したものである。
【0059】
図4の大当たり種類テーブルによれば、大当たり図柄の種類が奇数である場合に、最大10000回まで特図ゲームにおける抽選確率を変動させる確率変動大当たりとなる。確率変動制御が行われているときの大当たり確率は、通常70分の1程度であるため、この10000回という回数は、実質的に次の大当たりまで確率変動制御が行われることに等しいものとなる。確率変動制御が行われる特図ゲームの回数及び時短制御が行われる特図ゲームの回数とも0となっている場合は、通常の大当たりとなる。
【0060】
確率変動制御が行われている特別遊技状態における大当たり図柄の種類が偶数である場合には、最大100回まで特図ゲームにおける変動表示の時間を短縮させる時短大当たりとなる。時短状態または通常の遊技状態における大当たり図柄の種類が偶数である場合には、その後の特図ゲームで確率変動制御も時短制御も行われない通常の大当たりとなる。なお、この大当たり種類テーブルを後述する変形例に示す大当たり種類テーブルに差し替えることで、遊技性の異なるパチンコ遊技機を構成することができる。
【0061】
また、基本回路110のRAM112には、現在の遊技の進行状況(通常の遊技状態か、大当たり制御が行われている特定遊技状態か、確率変動制御が行われている特別遊技状態か、時短制御が行われている時短状態か)を示すフラグが設けられている。
【0062】
特定遊技状態を示すフラグは、特別図柄始動口5への遊技球の通過による抽選の結果により大当たりとなるときに、特図ゲームの終了タイミングを待ってONされ、大当たり制御の終了条件(大入賞口8の開放回数など)が成立するとOFFされる。特別遊技状態を示すフラグも、特別図柄始動口5への遊技球の通過による抽選の結果により確率変動大当たりとなるときに、特図ゲームの終了タイミングを待ってONされ、フラグ設定後の特図ゲームの回数が設定したゲーム数に達したときにOFFされる。また、当該抽選の結果により時短大当たりまたは通常の大当たりとなったときにも、特図ゲームの終了タイミングを待ってOFFされる。
【0063】
時短状態を示すフラグは、特別図柄始動口5への遊技球の通過による抽選の結果により時短大当たりとなるときに、特図ゲームの終了タイミングを待ってONされ、フラグ設定後の特図ゲームの回数が設定したゲーム数に達したときにOFFされる。また、当該抽選の結果により確率変動大当たりまたは通常の大当たりとなったときにも、特図ゲームの終了タイミングを待ってOFFされる。なお、特別遊技状態を示すフラグまたは時短状態を示すフラグがONされていても、特定遊技状態フラグもONされている場合には、確率変動制御または時短制御は行われないものとしている。もっとも、特定遊技状態を示すフラグがOFFされるのを待って、特別遊技状態を示すフラグまたは時短状態を示すフラグをONすることもできる。
【0064】
また、RAM112には、確率変動制御が行われている特別遊技状態における特図ゲームの残り回数や、時短状態における特図ゲームの残り回数をカウントするためのカウンタ(以下、それぞれ確変ゲームカウンタ、時短ゲームカウンタという)も設けられている。これらのカウンタの値は、確率変動制御または時短制御が開始したときにCPU111により大当たり種類テーブルに登録された値が設定され、それぞれの遊技状態で特図ゲームが行われる度にCPU111によりカウントダウンされる。これらのカウンタの値が0となったとき、特図ゲームの回数が設定したゲーム数に達したこととなり、特別遊技状態や時短状態が終了することとなる。
【0065】
また、RAM112には、既に確率変動制御が行われている状態において新たに確率変動大当たりが発生した回数が何回継続しているかをカウントするカウンタ(以下、確変継続カウンタという)も設けられている。このカウンタの値は、既に確率変動制御が行われている状態において新たに確率変動大当たりが発生するとCPU111によりカウントアップされ、特別遊技状態が終了して確率変動制御が行われなくなると、CPU111により初期値に戻される。
【0066】
CPU111は、ROM113に記憶された大当たり種類テーブル、RAM112に設定される各種フラグの状態、或いはRAM112に設けられるカウンタの値を参照して、特図ゲーム及び普図ゲームに関する抽選を含む各種の処理を行っている。このCPU111が行う抽選によって、特図ゲーム及び普図ゲームの表示処理に関しては演出制御基板102の側で行われるものの、特図ゲーム及び普図ゲームの結果そのもの(結果が表示されるタイミングを含む)については、CPU111が認識することができる。
【0067】
CPU111は、演出制御基板102の制御部に特別図柄表示部4bにおいて特図ゲームを行わせるための特別図柄表示用のコマンドを生成して、また、演出制御基板102の制御部に普通図柄表示部4cにおいて普図ゲームを行わせるための普通図柄表示用のコマンドを生成して、I/Oポート114から演出制御基板102に送信させている。
【0068】
特別図柄表示用のコマンドを生成する際には、特別遊技状態を示すフラグ及び時短状態を示すフラグが参照されており、特別図柄始動口5への遊技球の通過に基づく抽選結果が同じであっても、確率変動制御または時短制御中には、特別図柄表示用のコマンドは、通常の遊技状態とは内容が異なり、これにより特図ゲームの内容が異なるものとなる。
【0069】
CPU111は、また、大当たり制御として演出制御基板102の制御部に特別図柄表示部4bにおいて大当たりデモ演出を行わせるための大当たりデモ用のコマンドを生成して、I/Oポート114から演出制御基板102に送信させている。大当たりデモ演出としては、大当たりの発生を報知するためのデモ演出と、大当たりのラウンド数など(大入賞口8が開放された回数)を報知するためのデモ演出と、大当たり制御の終了を報知するためのデモ演出とがある。
【0070】
1番目のデモ演出を行わせるためのコマンドは、特図ゲームの抽選の結果として大当たりとなる場合に、演出制御基板102側で制御される特図ゲームの終了タイミングを待って送信される。2番目のデモ演出を行わせるためのコマンドは、大入賞口8の開放動作が行われる度に送信される。3番目のデモ演出を行わせるためのコマンドは、全ラウンドの大入賞口8の開放動作が終了したとき、或いは大入賞口8の内部の特定領域を遊技球が通過しないパンクが発生したときに送信される。さらに、上記した各デモ演出を一定期間内に終了させるための大当たりデモ終了用のコマンドもCPU111によって生成され、演出制御基板102に送信される。
【0071】
CPU111は、さらに、RAM112に設定される各種フラグの状態に基づいて、情報出力回路140から外部に出力可能となる大当たり情報、時短情報及び確変情報をそれぞれ示す制御信号を生成して、I/Oポート114から情報出力回路140に出力させている。
【0072】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技動作について説明する。なお、パチンコ遊技機1における動作としては、スピーカ15からの音声の出力、役物飾りランプ12、装飾ランプ13或いは遊技効果LED14の発光、役物11の駆動などを含んでいるが、これらは本発明とは関係ないので、説明を省略することとする。
【0073】
図5は、遊技制御基板101の基本回路110内のCPU111が実行する処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、図5(a)に示すメイン処理が実行されることとなる。
【0074】
メイン処理では、まず初期設定処理が行われる(ステップS11)。初期設定処理では、後述する割り込み処理を実行するタイミングを規定するタイマ割り込み時間(例えば、2msec)をCPU111に設定する処理が行われる。これにより、電源投入等によるリセット後、最初の割り込み処理が実行されるタイミングを規定するための計時が開始される。また、初期設定処理においては、種々のタイマをセットするための処理も行われる。
【0075】
初期設定処理が終了すると、この電源投入前に生じた電源エラーによる電源遮断時における状態のバックアップがされていないかどうかを判定する(ステップS12)。電源遮断時における状態のバックアップがされていれば、バックアップされていた状態を復元して、電源エラーの前の状態に復帰する(ステップS13)。そして、復帰した電源エラーの前の状態からの処理を継続して行う。
【0076】
電源遮断時における状態のバックアップがされていなければ、RAM112を初期化すること、及び各種フラグの初期化などの処理が行われる(ステップS14)。次に、演出制御基板102、払出制御基板104などのサブ基板などに初期化コマンドを送信し、これらのサブ基板の状態を初期化させる(ステップS15)。
【0077】
サブ基板の初期化が行われると、特図ゲームの確定図柄(予定停止図柄)を決定するための表示図柄乱数、及び特図ゲームの変動表示パターンを決定するための変動パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS16)。さらに、特図ゲームで大当たりとするかどうか及び普図ゲームで小当たりとするかどうかを決定するための大当たり乱数及び小当たり乱数に設定すべき初期値を決定する初期値決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS17)。ステップS15でサブ基板の初期化が終了した後には、ステップS16及びS17の処理が無限ループで繰り返して実行されることとなる。この間にタイマ割り込みが入ると、図5(b)のタイマ割り込み処理が実行され、タイマ割り込み処理が終了すると、再度ステップS16及びS17の無限ループの処理が実行されることとなる。
【0078】
タイマ割り込み処理では、まずゲートスイッチ37、始動口スイッチ35、カウントスイッチ38、Vカウントスイッチ30等の状態を入力し、各入賞口や通過ゲートに対する入賞があったか否かを判定するスイッチ処理を行う(ステップS21)。始動口スイッチ35により始動入賞が検出された場合には、このスイッチ処理において始動記憶処理が実行される。具体的には、始動口スイッチ35により始動入賞が検出されると、そのタイミングで大当たり判定用の乱数値が抽出され、始動記憶用の特別図柄判定用バンクにその抽出値が記憶される。これにより始動記憶がなされる。始動記憶用の特別図柄判定用バンクは、バンク0〜3の4カ所から構成されており、この4カ所のバンクによって最大4個の始動記憶が可能となる。よって、始動入賞が検出された際に全てのバンクに記憶がある場合には、その始動入賞が無効とされる。ゲートスイッチ37により入賞が検出された場合にも、始動口スイッチ35の場合と同様の処理が行われる。
【0079】
次に、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断を行い、その結果に応じて必要ならば警報を発生させる等の処理を含むエラー処理を行う(ステップS22)。
【0080】
さらに、大当たり乱数及び小当たり乱数を更新する処理が行われ(ステップS23)、初期値決定用乱数を更新する処理が行われ(ステップS24)、表示図柄乱数及び変動パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS25)。ここで、初期値決定用乱数は、大当たり乱数及び小当たり乱数の値が周期的に更新されるのを避けるために、例えば大当たり乱数の値が最大値に達した後に最初に行われるタイマ割り込み処理で、大当たり乱数及び小当たり乱数の値として設定する初期値を決定するための乱数である。
【0081】
ステップS23〜S25における各種の乱数値の更新が終了すると、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。この特別図柄プロセス処理では、入賞確認処理が行われた後に、上記した各種の乱数を抽出して、特図ゲームの結果を大当たり表示態様とするか、特図ゲームにおける確定図柄をどの種類の図柄とするか、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示パターンをどのパターンとするかなどを、抽選によって決定する処理が含まれる。この抽選による決定を行う場合、RAM112に設定される各種のフラグの状態やRAM112に設けられた各種のカウンタの値が参照される。また、ここでは、これらの抽選結果に基づいて、後述するステップS28で演出制御基板102へ伝送する特別図柄表示用のコマンドを生成する処理も行われる。
【0082】
次に、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。この普通図柄プロセス処理は、普図ゲームの小当たりまたはハズレを決定する抽選を行うものであり、その抽選結果に基づいて、後述するステップS29で演出制御基板102へ伝送する普通図柄表示用のコマンドを生成する処理も行われる。また、普通図柄プロセス処理においては電動チューリップ型役物6の制御が行われるが、その際には、時短状態を示すフラグが参照されて、普図ゲームの結果表示に合わせて電動チューリップ型役物6を開放状態とするタイミング制御が図られる。
【0083】
次に、特別図柄コマンド処理を行う(ステップS28)。この特別図柄コマンド処理は、ステップS26において特別図柄表示用のコマンドが生成されていれば、これを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。ここで伝送されるコマンドは、変動表示パターンや確定図柄に関する情報を含んでいる。また、確率変動制御が行われている特別遊技状態では、特別図柄表示用のコマンドの内容が他の状態のときと異なるものとなる。次に、普通図柄コマンド処理を行う(ステップS29)。この普通図柄コマンド処理は、ステップS27において普通図柄表示用のコマンドが生成されていれば、これを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。また、時短制御が行われている時短状態では、普通図柄表示用のコマンドの内容が他の状態のときと異なるものとなる。
【0084】
次に、情報出力回路140を介して確変情報、時短情報、大当たり情報、始動情報、賞球情報等の情報を外部に出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。次に、ソレノイド45、48、40を励磁制御するための制御信号をソレノイド回路130に出力するソレノイド出力処理を行う(ステップS31)。次に、基本回路110から払出制御基板104に賞球個数信号と賞球可能信号とを送信して、賞球の払出指令を行うための賞球処理を行う(ステップS32)。
【0085】
次に、保留記憶処理を行う(ステップS33)。この保留記憶処理は、例えば、特別図柄始動口5に遊技球の入賞があって保留記憶が増加した場合や特別図柄の変動が開始されて保留記憶が減少した場合などの保留記憶数が変化した場合に、保留記憶数の表示変更を指示するための保留記憶数コマンドを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。普通図柄に関する保留記憶数が変化した場合も同様である。このステップS33の処理が終了すると、前述したステップS16及びS17の無限ループの処理に戻る。
【0086】
以上示した処理により、遊技制御基板101の側では、特別図柄始動口5への遊技球の通過によって抽選を行い、その結果が大当たりとなった場合に、大当たり制御として大入賞口8を一定期間断続的に開放させる。また、通過ゲート7a、7bへの遊技球の追加によって抽選を行い、その結果が小当たりとなった場合に、小当たり制御として電動チューリップ型役物6を一定期間開放させる。また、入賞によって遊技球を払い出す制御も行っている。
【0087】
さらに、特図ゲームについての抽選結果によっては、次の抽選確率を変動させる確率変動制御や、特図ゲームの変動表示時間を短縮させる時短制御を行っている。これらの図5に示した処理以外で遊技制御基板101の側で行われる処理の詳細については後述する。
【0088】
大当たり、時短大当たり、及び確率変動大当たりに関する情報は、いずれもコマンドとして演出制御基板102に送られている。演出制御基板102の側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに従って、特別図柄表示部4bにおける特別図柄の変動表示処理(特図ゲーム)や大当たり時において特別図柄表示部4bにて行う大当たりデモ表示処理を含む各種の演出動作を行っている。また、小当たりに関する情報もコマンドとして演出制御基板102に送られており、演出制御基板102の側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに従って、普通図柄表示部4cにおける普通図柄の変動表示処理(普図ゲーム)を行っている。なお、遊技制御基板101の側で制御する遊技動作は、送信したコマンドに従って演出制御基板102の側で制御されている演出動作とのタイミングが図られている。
【0089】
以下、遊技制御基板101の側で図5の処理以外に行われる処理について説明する。図6は、遊技制御基板101の制御部(特にCPU111)が遊技状態(通常の遊技状態、特定遊技状態、特別遊技状態及び時短状態)を制御するために実行する処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、特図ゲームが終了する度に行われる。なお、特図ゲームの終了は、前述したように演出制御基板102に送信した特別図柄表示用のコマンドに基づいてタイミング制御を行うことによって、認識することができる。
【0090】
特図ゲームが終了したことを認識すると、まず、特図ゲームにおいて導出表示された表示結果が、大当たりとなったか否か、大当たりとなった場合にはどの種類の大当たりとなったかを判断するため、図4の大当たり種類テーブルを参照する(ステップS101)。大当たりか否か及び大当たりの種類の判断は、実際には終了した特図ゲームに関して行った抽選の結果に基づいて行われる。
【0091】
次に、大当たり種類テーブルの参照結果に基づいて、確率変動大当たりとなったか否かを判定する(ステップS102)。確率変動大当たりとなった場合には、その大当たり図柄と現在の遊技状態に対して大当たり種類テーブルに登録されている確率変動制御が行われる特図ゲームの回数を、確変ゲームカウンタにセットする(ステップS103)。
【0092】
この確率変動大当たりに基づく大当たり制御が終了した後の特図ゲームでは確率変動制御が行われ、時短制御が行われないこととなるため、RAM112の特別遊技状態フラグをONし(ステップS104)、時短状態フラグをOFFする(ステップS105)。さらに、確変継続カウンタの値を1だけインクリメントする(ステップS106)。そして、時短大当たりや通常の大当たりと同様の大当たり制御を行うため、ステップS116の処理に進む。
【0093】
確率変動大当たりとなっていなかった場合には、今度は大当たり種類テーブルの参照結果に基づいて、時短大当たりとなったか否かを判定する(ステップS107)。時短大当たりとなった場合には、その大当たり図柄と現在の遊技状態に対して大当たり種類テーブルに登録されている時短制御が行われる特図ゲームの回数を、時短ゲームカウンタにセットする(ステップS108)。
【0094】
この時短大当たりに基づく大当たり制御が終了した後の特図ゲームでは確率変動制御が行われず、時短制御が行われることとなるため、RAM112の特別遊技状態フラグをOFFし(ステップS109)、時短状態フラグをONする(ステップS110)。また、確率変動制御が続かないこととなったため、確変継続カウンタの値を初期値の0にリセットする(ステップS111)。そして、確率変動大当たりや通常の大当たりと同様の大当たり制御を行うため、ステップS116の処理に進む。
【0095】
時短大当たりともなっていなかった場合には、今度は大当たり種類テーブルの参照結果に基づいて、通常の大当たりとなったか否かを判定する(ステップS112)。通常の大当たりとなった場合には、大当たり制御が終了した後の特図ゲームでは確率変動制御も時短制御も行われないこととなるため、RAM112の特別遊技状態フラグをOFFし(ステップS113)、時短状態フラグをOFFする(ステップS114)。また、確率変動制御が続かないこととなったため、確変継続カウンタの値を初期値の0にリセットする(ステップS115)。そして、確率変動大当たりや時短大当たりと同様の大当たり制御を行うため、ステップS116の処理に進む。
【0096】
ステップS116の処理に進むと、確率変動大当たりでも、時短大当たりでも、通常の大当たりでも共通の大当たり制御を行う。大当たり制御が行われているときに特図ゲームが行われることはなく、この大当たり制御を全て終了すると、このフローチャートの処理を終了する。
【0097】
なお、ステップS116の大当たり制御は、次のようにして行われる。まず、大当たり制御を行うための条件とするため、RAM112の特定遊技状態を示すフラグをONする。また、大当たりの発生を報知するための大当たりデモ用のコマンドを演出制御基板102に送信し、一定期間が経過すると、この最初の大当たりデモ演出を終了させるためのコマンドを演出制御基板102に送信する。
【0098】
大当たり制御においては、断続的に最大15回大入賞口8の開放動作を行うが、その開放を行うときにラウンド数を報知するための大当たりデモ用のコマンドを送信し、大入賞口8の閉鎖を行うときに各ラウンドのデモ演出を終了させるためのコマンドを演出制御基板102に送信する。また、全ラウンドが終了すると、大当たり制御の終了を報知するための大当たりデモ用のコマンドを送信し、所定時間後にこのデモ演出を終了させるためのコマンドを演出制御基板102に送信する。そして、RAM112の特定遊技状態を示すフラグをOFFして、大当たり制御が全て終了となる。
【0099】
また、ステップS112において特図ゲームが通常の大当たりでも終了していなかった場合には、特別遊技状態を示すフラグがONされているか否かにより、このフローチャートの処理開始のトリガとなった特図ゲームが確率変動制御時に行われたものであったかを判定する(ステップS117)。特図ゲームが確率変動制御時に行われたものであった場合には、RAM112の確変ゲームカウンタの値を1だけデクリメントする(ステップS118)。
【0100】
次に、確変ゲームカウンタの値が0となったかどうか、すなわち確率変動制御が行われている状態でステップS103で設定された回数分の特図ゲームが行われ、確率変動制御の終了条件となったかどうかを判定する(ステップS119)。確変ゲームカウンタの値が0となっていなければ、確率変動制御の終了条件とはなっていないため、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0101】
確変ゲームカウンタの値が0となっていた場合には、ステップS103で設定された回数分の特図ゲームで確率変動制御が行われ、確率変動制御の終了条件となったため、RAM112の特別遊技状態フラグをOFFする(ステップS120)。また、確率変動制御が続かないこととなったため、確変継続カウンタの値を初期値の0にリセットする(ステップS121)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0102】
また、ステップS117において特図ゲームが確率変動制御時に行われたものでなかった場合には、時短状態フラグがONされているか否かにより、このフローチャートの処理開始のトリガとなった特図ゲームが時短制御時に行われたものであったかを判定する(ステップS122)。特図ゲームが時短制御時に行われたものでもなかった場合には、次の特図ゲームにおいても通常の遊技状態のまま変わらないので、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0103】
特図ゲームが時短制御時に行われたものであった場合には、RAM112の時短ゲームカウンタの値を1だけデクリメントする(ステップS123)。次に、時短ゲームカウンタの値が0となったかどうか、すなわち時短制御が行われている状態でステップS108で設定された回数分の特図ゲームが行われ、時短制御の終了条件となったかどうかを判定する(ステップS124)。時短ゲームカウンタの値が0となっていなければ、時短制御の終了条件とはなっていないため、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0104】
時短ゲームカウンタの値が0となっていた場合には、ステップS108で設定された回数分の特図ゲームで時短制御が行われ、時短制御の終了条件となったため、RAM112の時短状態フラグをOFFする(ステップS125)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0105】
以下、演出制御基板102の側で行われる処理について説明する。演出制御基板102の制御部は、遊技制御基板101から送られてくる各種のコマンドに基づく処理を行っている。図7は、演出制御基板102の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【0106】
演出制御基板102の側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS201)。コマンドを受信するまでは、ステップS201の処理を繰り返し、コマンドの受信を待機している状態にある。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS202)。
【0107】
受信したコマンドの種類が特別図柄表示用のコマンドであった場合には、そのコマンドの内容に応じて特別図柄表示部4bにおいて特別図柄を変動表示させる特図ゲームを行い、そのコマンドの内容に応じた所定の時間が経過したときに、特図ゲームの結果を表示する。ここで表示される特図ゲームの結果は、大当たりであるか否か、さらには確率変動大当たりであるか否かを遊技者に示すものである。なお、特別図柄表示用のコマンドは、遊技状態(通常の遊技状態、特別遊技状態、時短状態)に応じて内容が異なるので、特図ゲームとして行われる内容及び実行時間も遊技状態に応じたものとなる(ステップS203)。そして、ステップS201の処理に戻る。
【0108】
受信したコマンドの種類が普通図柄表示用のコマンドであった場合には、そのコマンドの内容に応じて普通図柄表示部4cにおいて普通図柄を変動表示させる普図ゲームを行い、そのコマンドの内容に応じた所定の時間が経過したときに、普図ゲームの結果を表示する(ステップS204)。そして、ステップS201の処理に戻る。
【0109】
受信したコマンドの種類が大当たりデモ用のコマンドであった場合には、そのコマンドの内容に応じて特別図柄表示部4bにおいて大当たりデモ演出を行う(ステップS205)。そして、ステップS201の処理に戻る。受信したコマンドの種類が大当たりデモ終了用のコマンドであった場合には、現在特別図柄表示部4bにおいて行われている大当たりデモ演出を終了させる(ステップS206)。そして、ステップ201の処理に戻る。
【0110】
受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS207)。その後、ステップS201の処理に戻る。
【0111】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において、遊技状態(通常の遊技状態、特定遊技状態、特別遊技状態及び時短状態)がどのように遷移するかについて、具体的な例に基づいて説明する。なお、以下の3つのタイミングチャートに基づく具体例においては、遊技球が一定時間間隔で遊技領域に打ち出されるものとし、遊技球が通過ゲート7a、7bを通過して普図ゲームが行われる割合も一定であり、遊技球が特別図柄始動口5を通過して特図ゲームが行われる割合も一定である(但し、時短状態か否かによって異なる)ものとして説明する。
【0112】
図8は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技状態の遷移の第1の例を示すタイミングチャートである。この例では、まずタイミングt0において確率変動大当たりが発生したものとする。この大当たりの発生によりタイミングt0では、特別遊技状態フラグがONとなって確率変動制御が行われ、確変ゲームカウンタに10000がセットされる。ここで確変継続カウンタの値が1となる。また、特定遊技状態フラグもONとなって大当たり制御が行われる。
【0113】
次に、タイミングt1において、タイミングt0で発生した確率変動大当たりの大当たり制御が終了したものとすると、ここで特定遊技状態フラグがOFFとなって大当たり制御が終了する。タイミングt1からは、確率変動制御が行われている状態で一定の間隔で特図ゲームが終了していくこととなるので、確変ゲームカウンタの値が順に減少していく。
【0114】
次に、タイミングt2において、確率変動制御が行われている状態であり、ここで時短大当たりが発生したものとする(このタイミングで通常の大当たりは発生し得ない)。この時短大当たりの発生により、特別遊技状態フラグがOFFされると共に時短状態フラグがONされ、時短ゲームカウンタに100がセットされる。ここで確変継続カウンタの値が0にリセットされる。また、特定遊技状態フラグがONとなって大当たり制御が行われる。
【0115】
次に、タイミングt3において、タイミングt2で発生した時短大当たりの大当たり制御が終了したものとすると、ここで特定遊技状態フラグがOFFとなって大当たり制御が終了する。タイミングt3からは、時短制御が行われている状態で一定の間隔で特図ゲームが終了していくこととなるので、時短ゲームカウンタの値が順に減少していく。そして、タイミングt4において、大当たりが発生することなく時短ゲームカウンタの値が0となると、時短状態フラグがOFFされ、通常の遊技状態に戻る。
【0116】
以後、通常の遊技状態で遊技を進行していき、タイミングt5において、確率変動制御が行われていない状態であり、ここでは通常の大当たりが発生したものとする(このタイミングで時短大当たりは発生し得ない)。この通常の大当たりの発生により、特定遊技状態フラグがONとなって大当たり制御が行われる。もっとも、特定遊技状態フラグも時短フラグもOFFされたままであり、タイミングt6において大当たり制御が終了したものとしても、以降の特図ゲームでは確率変動制御も時短制御もされない通常の遊技状態で遊技が進行していくこととなる。
【0117】
図9は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技状態の遷移の第2の例を示すタイミングチャートである。この例では、まずタイミングt0において確率変動大当たりが発生したものとする。この大当たりの発生によりタイミングt0では、特別遊技状態フラグがONとなって確率変動制御が行われ、確変ゲームカウンタに10000がセットされる。ここで確変継続カウンタの値が1となる。タイミングt1において、大当たり制御が終了すると、ここからは確率変動制御が行われている状態で一定の間隔で特図ゲームが終了していくこととなるので、確変ゲームカウンタの値が順に減少していく。
【0118】
次に、確率変動制御が行われている状態のタイミングt2において、さらに確率変動大当たりが発生したものとする。これにより、確変ゲームカウンタに改めて10000がセットされると共に、確変継続カウンタの値が2となる。タイミングt3において大当たり制御が終了するが、確率変動制御が行われている状態のタイミングt4において、さらに確率変動大当たりが発生したものとすると、確変継続カウンタの値が3となる。同様に、タイミングt6において発生した確率変動大当たりにより確変継続カウンタの値が4となり、タイミングt8において発生した確率変動大当たりにより確変継続カウンタの値が5となる。
【0119】
次に、タイミングt10において再び大当たりが発生するが、ここでは確変継続カウンタの値が5となっているため、図4の大当たり種類テーブルを参照すると時短大当たりしか発生し得ない。この時短大当たりの発生により、特別遊技状態フラグがOFFされ、時短状態フラグがONされると共に、時短ゲームカウンタに100がセットされ、確変継続カウンタの値が0にリセットされる。また、特定遊技状態フラグもONされて大当たり制御が行われる。そして、タイミングt11において、タイミングt10で発生した時短大当たりの大当たり制御が終了すると、特定遊技状態フラグがOFFされ、ここから特図ゲームの実行により時短ゲームカウンタの値が順に減少していくこととなる。
【0120】
図10は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技状態の遷移の第3の例を示すタイミングチャートである。この例では、まずタイミングt0において確率変動大当たりが発生したものとする。この大当たりの発生によりタイミングt0では、特別遊技状態フラグがONとなって確率変動制御が行われ、確変ゲームカウンタに10000がセットされる。ここで確変継続カウンタの値が1となる。タイミングt1において、大当たり制御が終了すると、ここからは確率変動制御が行われている状態で一定の間隔で特図ゲームが終了していくこととなるので、確変ゲームカウンタの値が順に減少していく。
【0121】
次に、確率変動制御が行われているタイミングt2において、時短大当たりが発生したものとすると(ここでは通常の大当たりは発生し得ない)、特別遊技状態フラグがOFFされ、時短状態フラグがONされると共に、時短ゲームカウンタに100がセットされる。確変継続カウンタの値は0にリセットされる。特定遊技状態フラグもONされて大当たり制御が行われるが、大当たり制御が終了して特定遊技状態フラグがOFFされたタイミングt3からは、特図ゲームの実行により時短ゲームカウンタの値が順に減少していくこととなる。
【0122】
次に、時短制御が行われているタイミングt4において、再び確率変動大当たりが発生したものとすると、特別遊技状態フラグがONされ、時短状態フラグがOFFされると共に、確変ゲームカウンタに10000がセットされる。確変継続カウンタの値は1となる。特定遊技状態フラグもONされて大当たり制御が行われるが、大当たり制御が終了して特定遊技状態フラグがOFFされたタイミングt5からは、特図ゲームの実行により確変ゲームカウンタの値が順に減少していくこととなる。
【0123】
さらに、確率変動制御が行われているタイミングt6において、時短大当たりが発生したものとすると(ここでは通常の大当たりは発生し得ない)、特別遊技状態フラグがOFFされ、時短状態フラグがONされると共に、時短ゲームカウンタに100がセットされる。確変継続カウンタの値は0にリセットされる。特定遊技状態フラグもONされて大当たり制御が行われるが、大当たり制御が終了して特定遊技状態フラグがOFFされたタイミングt7からは、特図ゲームの実行により時短ゲームカウンタの値が順に減少していくこととなる。
【0124】
そして、時短ゲームカウンタの値が0になる前で時短制御が行われているタイミングt8において、通常の大当たりが発生したものとする(ここでは時短大当たりは発生し得ない)。これにより、時短状態フラグがOFFされる。特定遊技状態フラグがONされるので、大当たり制御が行われることとなるが、大当たり制御が終了して特定状態フラグがOFFされるタイミングt9からは、確率変動制御も時短制御も行われない通常の遊技状態で、遊技が進行していくこととなる。
【0125】
なお、図8から図10のタイミングチャートに示すように、CPU111により生成され、情報出力回路140から出力可能となる確変情報と時短情報とは、それぞれ特別遊技状態フラグがONになっているときと、時短状態フラグがONになっているときとで、ONの状態となっている。
【0126】
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、通常の大当たりと確率変動大当たりに加えて、時短大当たりを用意している。それぞれの大当たりについて、大当たり制御が終了した後は、通常の遊技状態、特図ゲームの大当たり確率が高められる特別遊技状態(特別確率変動状態)、或いは特図ゲームにおける変動表示時間が短縮される時短状態のいずれかに遊技状態が制御される。このように遊技状態の移行を伴う大当たりとして確率変動大当たりの他に時短大当たりを加えたことで、遊技状態が多彩に遷移されるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0127】
また、確率変動大当たりは、特別図柄表示部4bに奇数図柄が揃って停止することで発生するが、偶数図柄が揃って停止しても、その図柄の種類によっては、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な時短状態に遊技状態が制御されるので、遊技者に通常よりも価値の高い遊技状態となることへの期待感を向上させることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。特に偶数図柄が揃って停止しても時短大当たりが発生するのは、現在の遊技状態が特図ゲームの確率変動制御が行われている特別遊技状態にあるときなので、確率変動制御が行われているときにおける遊技者の期待感をさらに向上させることができる。
【0128】
また、大当たりの種類は、特図ゲームの結果として特別図柄表示部4bに導出表示された図柄の種類によって示されるので、どの種類の大当たりとなったかが遊技者にとって分かり易いものとなる。特に奇数図柄が導出表示された場合には必ず確率変動大当たりとなるので、確率変動大当たりの発生は特に分かり易いものとなる。
【0129】
ところで、時短大当たりの発生によって、時短制御が行われる特図ゲームの回数は、所定の回数(100回)に限られている。これによって、確率変動大当たりが発生しなかったときに、次に遷移される遊技状態が遊技者にとって極端に有利なものとなることを防ぐことができる。確率変動大当たりの発生によって、確率変動制御が行われる特図ゲームの回数も、所定の回数(10000回)に限られている。このように時短大当たり後の時短制御と、確率変動大当たり後の確率変動制御とで終了条件を異なるものとしたことにより、遊技状態の遷移が多彩になり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0130】
もっとも、確率変動制御時における大当たりの発生確率は70分の1程度であるため、新たな大当たりが発生せずに確率変動制御の終了となってしまうことは、実際上はほとんど発生しないので、確率変動大当たりに対する遊技者の期待感を下げてしまうことがない。
【0131】
また、確率変動制御の継続回数も所定の回数(5回)に限られており、しかも確率変動制御の継続回数が5回に達した場合は、確率変動制御の終了に続けて時短制御が開始されることがない。これによっても、遊技状態の遷移が遊技者にとって極端に有利なものとなることを防ぐことができる。このため、徒に遊技者の射幸心を煽ることを防ぐことができると共に、遊技者にとって極端な利益が得られることがないので、遊技者が得られる利益と遊技店側が得られる利益とのバランスを図ることができる。
【0132】
また、特図ゲームの結果として大当たりが発生する場合に、いずれの種類の大当たりが発生するかは、図4の大当たり種類テーブルを参照して、現在の遊技状態と特図ゲームの結果との関係に従って決められる。大当たり種類テーブルは、基本回路110のROM113に記憶され、これによってパチンコ遊技機1における遊技状態の遷移を決定づけるものである。ここで、大当たり種類テーブルの内容だけを図4と異なるものとしただけでも(例えば、後述する変形例のように)、遊技状態の遷移のされ方が異なるものとなり、遊技性が違うパチンコ遊技機を構成できる。図4に示したような大当たり種類テーブルを適用することで、機種の改良や新機種の開発といったことを容易に行えるようになる。
【0133】
また、電動チューリップ型役物6の開放態様には、特別態様と非特別態様とがあるが、特別図柄始動口5への遊技球の通過がより容易になっている特別態様は、確率変動制御時と時短制御時とにしか発生しない。このため、確率変動制御を行わせる確率変動大当たりと時短制御を行わせる時短大当たりの発生に対して、遊技者の期待感をさらに向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、確率変動制御時と時短制御時とで電動チューリップ型役物6の開放動作が同じように制御されるため、時短制御時にも確率変動制御時と同じような期待感を遊技者に与えることができる。
【0134】
さらに、確率変動大当たりの発生に基づいて確率変動制御が行われている特別遊技状態と、時短大当たりの発生に基づいて時短制御が行われている時短状態とは、RAM112のフラグがONされることによって示されるが、これらのフラグの状態に基づいてCPU111が確変情報と時短情報とを制御信号として生成して、情報出力回路140から外部に取り出すことが可能となっている。これを外部に出力して利用することによって、特別遊技状態や時短状態に遷移されていることを外部からも把握することが可能となる。
【0135】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0136】
上記の実施の形態では、普図ゲームにおける普通図柄として「◎」と「×」の2種類を設けていたが、これに限るものではない。可変表示部4とは別の専用の表示器を用いて、普図ゲームを行ってもよい。また、特図ゲームにおける特別図柄として「0」〜「9」までの10種類の数字が、左、中及び右の3つの可変表示部で変動表示され、同じ数字が揃うことで大当たりとなるものとしていた。そして、確率変動大当たりであるか、時短大当たりまたは通常の大当たりであるは、図4の大当たり種類テーブルに従って、特別図柄の種類が偶数か奇数かによって示されるものとしていた。しかしながら、特別図柄の構成や大当たりの種類の区別の方法は、これに限るものではない。
【0137】
例えば、図11(a)に示すように、「0」〜「9」までの10種類の数字でなる左、中及び右の3つの特別図柄401L、401C、401Rと、赤、青及び緑の色の変化で変動表示される確変判定用図柄402(特別図柄の一種)とが特別図柄表示部4bで変動表示されるものとしてもよい。特別図柄401L、401C、401Rが同じ数字で揃うと大当たりとなるが、確率変動大当たりであるか時短大当たりであるは、図11(b)に示すように、特別図柄401L、401C、401Rの種類と確変判定用図柄402との組み合わせ態様によって示される。これにより、特図ゲームの結果と付与される遊技価値との関係を単調なものとせず、遊技の興趣を向上させることができる。
【0138】
上記の実施の形態では、特図ゲームにおいて表示された結果は、単にハズレか大当たりかを示すだけでなく、大当たりである場合に確率変動大当たりであるか時短大当たりであるかをも示すものとしていた。これに対して、特図ゲームにおいて表示された結果は、単にハズレか大当たりかの違いだけをを示すものとしてもよい。この場合においても、確率変動制御と時短制御のいずれかを行うかについては、特図ゲームの結果を決定するための抽選と実質的に同じタイミングで抽選されて、決定される。
【0139】
この確率変動制御と時短制御のいずれかを行うことを決定するための抽選も、遊技制御基板101の側のCPU111が所定の乱数を抽出することにより行うものとすることができる。この抽選の結果に従って、CPU111によりRAM112の特別遊技状態を示すフラグまたは時短状態を示すフラグがONされることとなる。確率変動制御と時短制御のいずれかを行うことについての抽選結果は、特定遊技状態を示すフラグまたは時短状態を示すフラグがONとなり、大当たり制御が行われている間の任意のタイミングにおいて遊技者に報知するものとしてもよい。確率変動制御を行う場合には、この間に予め定められた特定の態様での報知がなされる(時短制御を行う場合には、特定の態様以外で報知を行うか、全く報知を行わないものとしてもよい)。
【0140】
大当たり制御が行われている間に特図ゲームが開始することはないので、大当たり制御が終了した後の処理は、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1と全く同じに行うことができ、同様の効果を得ることができる。また、確率変動大当たりが報知されるタイミングが遅くなるため、遊技者の期待感の持続という点でさらに大きな効果が得られる。なお、抽選の結果として確率変動制御を行うことが決定されたこと(及び時短制御を行うことが決定されたこと)の報知は、例えば、大当たり制御時の大当たりデモ画面(大当たりの発生を報知するためのデモ演出と、大当たりのラウンド数などを報知するためのデモ演出と、大当たり制御の終了を報知するためのデモ演出)において行うことができる。また、確率変動制御を行うか時短制御を行うかについては、完全に内部の回路だけで制御するものとし、遊技者には全く報知しないようにすることもできる。
【0141】
このように確率変動制御を行うか時短制御を行うかを、特図ゲームとは別の抽選で決定し、特図ゲームの結果が表示されるのとは別のタイミングで報知する場合には、図4に示したような大当たり種類テーブルは、現在の遊技状態と大当たり図柄の種類との組み合わせに対応して、大当たりの種類及び当該大当たりの種類に基づく遊技状態の終了条件を登録するのではなく、現在の遊技状態とデモ演出のときなどにおける報知結果との組み合わせに対応して、大当たりの種類及び当該大当たりの種類に基づく遊技状態の終了条件を登録するものとすればよい。そして、このような大当たり種類テーブルが、確率変動制御と時短制御のいずれを行うかの抽選を行うときに参照されるものとなる。
【0142】
上記の実施の形態では、確率変動大当たりによって特図ゲームについて確率変動制御を行うものとし、時短大当たりによって特図ゲームについて時短制御を行うものとしていた。これに対して、確率変動大当たりにより特図ゲームに加えて普図ゲームについても確率変動制御を行うものとしてもよい。さらに、時短大当たりにより特図ゲームに加えて普図ゲームについても時短制御を行うものとしてもよい。
【0143】
上記の実施の形態では、遊技状態を遷移させるために、RAM112に特定遊技状態を示すフラグ、特別遊技状態を示すフラグ及び時短状態を示すフラグを設け、確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタを設けるものとしていが、確率変動制御が行われているか時短制御が行われているかは、それぞれのフラグの状態で示されるものとしていた。もっとも、特別遊技状態を示すフラグ及び時短状態を示すフラグは、対応するカウンタによって兼用されるものとすることができ、それぞれのカウンタの値が0であれば、確率変動制御や時短制御が行われていない状態を意味するものとすることができる。
【0144】
上記の実施の形態では、大当たり制御としてデモ演出を行うものとしていたが、このデモ演出の内容は、大当たりの種類(確率変動大当たり、時短大当たりまたは通常の大当たり)によらず同じものとしていた。これに対して、大当たり制御が終了した後の遊技状態に応じて異なる内容のデモ演出を行ってもよい。これは、CPU111により大当たりデモ用のコマンドの内容を異なるものとすることで実現できる。また、演出制御基板102の制御部が特別図柄表示用のコマンドの内容により大当たりの種類を判断することでも実現することができる。特に大当たり制御の終了を報知するためのデモ演出は、このように内容を異なるものとするのが好ましい。
【0145】
上記の実施の形態では、確率変動制御が行われていないときの大当たりが確率変動大当たりでなければ、通常の大当たりとなってしまい、大当たり制御が終了した後に遊技者に有利な遊技状態となることはなかった。これに対して、図12の大当たり種類テーブルに示すように、現在の遊技状態に関わらず、大当たりは確率変動大当たりか時短大当たりかのいずれかにするようにしてもよい。これにより、遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0146】
また、図12の大当たり種類テーブルでは、確率変動制御が行われているときに発生した時短大当たりは、その後に時短制御が行われる特図ゲームの回数を100回としているが、それ以外のときに発生した時短大当たりは、その後に時短制御が行われる特図ゲームの回数を30回としている。このように時短制御の終了条件を複数種類設けることで、遊技状態の遷移が多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、図12の大当たり種類テーブルを適用すると、ステップS112の判定結果は必ずNOとなり、ステップS113〜S115の処理は全く行われないものとなる。
【0147】
また、図13の大当たり種類テーブルに示すように、図柄の種類によって時短制御が行われる特図ゲームの回数が異なるものとなるようにしてもよい。確率変動制御が行われる特図ゲームの回数も、現在の遊技状態や大当たり図柄の種類によって複数種類設けてもよい。確率変動制御の終了条件として複数種類のものがあり、時短制御の終了条件として複数種類のものがある場合であっても、少なくとも終了条件の一部の種類は互いに異なるものとする方が、遊技状態の遷移を多彩にするという観点から好ましい。さらに、現在の遊技状態と大当たり図柄の種類によっては、大当たり制御後に有利な遊技状態とならない通常の大当たりとなる場合を含んでいてもよい。
【0148】
上記の実施の形態では、確率変動大当たりには、その後に確率変動制御が行われる特図ゲームの回数が10000回、時短大当たりには、その後に時短制御が行われる特図ゲームの回数が100回と、有利な遊技状態に制御される回数に制限が付けられていた。これに対して、図14の大当たり種類テーブルに示すように、単に大当たりの種類として確率変動大当たりとするか時短大当たりとするかだけをフラグによって示すものとし、確率変動制御や時短制御が行われる回数に制限を設けず、次の大当たりの発生まで継続させるようにしてもよい。
【0149】
これにより、大当たりが発生しないまま有利な遊技状態が終了してしまうことがなく、遊技者に不満を感じさせることがなくなる。なお、確率変動大当たりまたは時短大当たりのいずれか一方にだけ、確率変動制御または時短制御が行われる回数に制限を設けないものとしてもよい。例えば、図15の大当たり種類テーブルでは、確率変動大当たりはフラグで示して、確率変動大当たりが行われる回数には制限を設けないようにしているが、時短制御が行われる回数が数値で示されて、制限されるようになっている。また、図14の大当たり種類テーブルでは、現在の遊技状態と大当たり図柄の種類とによっては、有利な遊技状態に移行しない通常の大当たりとなる場合もあるが、大当たりの場合には必ず確率変動大当たりまたは時短大当たりのいずれかになるようにしてもよい。
【0150】
上記の実施の形態では、確率変動大当たりには、その後に確率変動制御が行われる特図ゲームの回数が10000回と、理論的には回数の区切りがあっても、確率変動時における大当たり確率を考えると、実質上は回数の区切りがないに等しいものであった。これに対して、図16の大当たり種類テーブルに示すように、確率変動大当たりに基づく確率変動制御が行われる特図ゲームの回数も100回に制限して、実質上の回数の区切りを設けてもよい。
【0151】
これにより、通常の遊技状態、時短状態、及び特別遊技状態(特別確率変動状態)という三者間で遊技状態が遷移される頻度が多くなり、遊技状態の遷移が多彩なものとなる。このため、遊技内容の変化を大きくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、図16の大当たり種類テーブルでは、確率変動制御の終了条件となる特図ゲームの回数と時短制御の終了条件となる特図ゲームの回数とに違いが設けられているため、遊技状態の遷移が多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当たりが発生するよりも先に特図ゲームの回数で特別遊技状態または時短状態の終了条件が成立することがあり、確率変動大当たりや時短大当たりによって遊技者に付与される価値を、通常の大当たりに比べて極端に大きなものとすることがない。
【0152】
上記の実施の形態では、確率変動制御が行われているときに発生した大当たりは、確率変動大当たりでなければ必ず時短大当たりとなるものとしていた(図12〜図16の変形例の大当たり種類テーブルでも)。これにより、確率変動制御が行われているときにおける遊技者の期待感をより高めさせるものとしていた。これに対して、確率変動大当たりとならない大当たりとして時短大当たりを発生させるのは、現在の遊技状態が確率変動状態にないときとするものとしてもよい。現在の遊技状態が時短状態にあるときも、確率変動大当たりとならない大当たりとして時短大当たりを発生させないものとしてもよい。これにより、徒に遊技者の射幸心を煽ることを抑えることができ、また、遊技者に特に有利な状態を発生させないので、遊技者側と遊技店側との利益の調和を図ることができる。
【0153】
上記の実施の形態では、確率変動制御や時短制御は、設定された回数分の特図ゲームが消化されなくても、新たな大当たりが発生することによって終了していた。この場合、残り特図ゲームの回数分だけ損をしたと遊技者に感じさせてしまう恐れもある。そこで、例えば、時短制御が行われる特図ゲームの残り回数として20回あるときに確率変動大当たりが発生した場合は、その残り回数分を確率変動大当たり後の確率変動制御が行われる最大ゲーム数に加算するものとしてもよい。また、その逆の場合の可能である。これにより、残り回数分の不満を遊技者に感じさせなくて済むようになる。このような制御は、特に図16の大当たり種類テーブルに示したように、全ての有利な遊技状態に実質的な回数の制限が付けられているときに特に有効である。
【0154】
上記の実施の形態では、大当たりの種類には、通常の大当たりの他に確率変動大当たりと時短大当たりとがあったが、確率変動大当たりに基づく確率変動制御や時短大当たりに基づく時短制御は、いずれも特図ゲームについてのみ行われるものであった。これに対して、時短大当たりが発生した場合には、特図ゲームだけでなく普図ゲームについても変動表示の時間を短縮させる時短制御を行う時短状態に、遊技状態を移行させるものとすることができる。普図ゲームについてのみ変動表示の時間を短縮させる時短制御を行うものとすることもできる。なお、普図ゲームの時短制御を行う場合は、時短状態(普通時短状態)であるか否かによって、CPU111により生成され、遊技制御基板101から演出制御基板102へと伝送される普通図柄表示用のコマンドの内容を、時短状態には異なる内容のものとすればよい。
【0155】
このように普図ゲームのみについて変動表示の時間を短縮させる時短制御を行う場合には、上記の実施の形態と同様に特図ゲームの回数が大当たり種類テーブルに従って決められる所定回数に達することで、その終了条件が成立するものとしてもよいが、普図ゲームの回数が所定回数(例えば、300回)に達することで、その終了条件が成立するものとしてもよい。この場合、大当たり種類テーブルには、時短制御が行われる回数として普図ゲームの最大回数が登録され、図6のステップS109では、大当たり種類テーブルに登録されている普図ゲームの最大回数が、時短ゲームカウンタにセットされることとなる。
【0156】
また、図6ステップS117において特別遊技状態フラグがOFFされていて、特図ゲームにおいて確率変動制御が行われていなかったと判定されると、ここでは普図ゲームの回数をカウントする必要はないため、そのまま図6のフローチャートの処理を終了するものとなる。ステップS122〜S125の処理は行われない。その代わり、遊技状態を制御するために、普図ゲームの終了時において、図17のフローチャートに示す処理を実行する必要がある。
【0157】
普図ゲームが終了したことを認識すると(演出制御基板102に送信した普通図柄表示用のコマンドに基づいてタイミング制御を行うことで認識可能)、時短状態を示すフラグがONされているか否かにより、このフローチャートの処理開始のトリガとなった普図ゲームが普通時短状態において行われたものであるかを判定する(ステップS301)。普図ゲームが普通時短状態において行われたものでもなかった場合には、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0158】
普図ゲームが普通時短状態において行われたものであった場合には、RAM112の時短ゲームカウンタの値を1だけデクリメントする(ステップS302)。次に、時短ゲームカウンタの値が0となったかどうか、すなわち時短制御が行われている状態でステップS108で設定された回数分の普図ゲームが行われ、時短制御の終了条件となったかどうかを判定する(ステップS303)。時短ゲームカウンタの値が0となっていなければ、時短制御の終了条件とはなっていないため、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0159】
時短ゲームカウンタの値が0となっていた場合には、ステップS108で設定された回数分の普図ゲームで時短制御が行われ、時短制御の終了条件となったため、RAM112の時短状態フラグをOFFする(ステップS304)。そして、このフローチャートの処理を終了する。このように普図ゲームの時短制御の終了条件を、当該時短制御が行われた普図ゲームの回数によるものとすることで、時短制御の終了条件が分かり易くなる。また、特図ゲームの確率変動状態の終了条件と普図ゲームの時短状態の終了条件とが全く異なるものとなり、遊技の進行に幅を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0160】
また、時短制御を行う対象を普図ゲームのみとした場合であっても、普図ゲームの結果が表示される平均時間間隔が短くなる(小当たりが結果として表示される平均時間間隔も短くなる)。このような普通時短状態でも、電動チューリップ型役物6が開放状態となる機会が増え、特別図柄始動口5へ遊技球が通過し易くなり、特図ゲームが行われる頻度を増やすことができるという遊技者にとって有利な遊技状態を作り出すことができる。これにより、確率変動大当たり以外の大当たりでも、普通時短大当たりとなれば通常の遊技状態とは異なる遊技状態に遷移させることができ、多彩な遊技状態の遷移によって遊技の興趣を向上させることができる。
【0161】
さらに、普図ゲームの変動表示時間を短縮する普通時短状態へ遊技状態を制御する以外にも、次に示すように遊技状態を制御することによっても、普通時短状態への遊技状態の制御を行う場合とほぼ同様の効果を得ることができる。なお、上記の実施の形態において情報出力回路140から出力可能となる時短情報と同様に、次に示すような遊技状態を示す情報についても制御信号としてCPU111により生成し、出力可能とすることができる。
【0162】
例えば、大当たりの種類として、特図ゲームの確率変動制御を行う特別確率変動大当たりの他に、普図ゲームの確率変動制御(普図ゲームの抽選において小当たりが決定される確率を高くするもの)を行う遊技状態に移行する普通確率変動大当たりを発生させることができる。この期間も、特図ゲームの所定回数に限ることができる。この場合にも、電動チューリップ型役物6が開放状態となる機会が増えるので、特別図柄始動口5への遊技球の通過が容易となるものである。
【0163】
また、特図ゲームの確率変動制御を行う特別確率変動大当たりの他に、普図ゲームの結果として小当たりが表示された場合に電動チューリップ型役物6を特別態様で開放させる遊技状態(この遊技状態以外では、電動チューリップ型役物6は非特別態様のみで開放され、特別態様で開放されない)に移行する普通開放大当たりを発生させることもできる。この期間も、特図ゲームの所定回数に限ることができる。この場合には、電動チューリップ型役物6が開放状態となる機会そのものは増えないが、1回の小当たりでの開放時間、開放回数または開放度合いが大きくなるので、特別図柄始動口5への遊技球の通過が容易となるものである。
【0164】
このような変形例の普図ゲームの時短制御を行う遊技状態(普通時短状態)、普図ゲームの確率変動を行う遊技状態(普通確率変動状態)、電動チューリップ型役物6を特別態様で開放する遊技状態(普通開放遊技状態)は、任意に組み合わせることができる(この3つの遊技状態及びその組み合わせによる遊技状態をまとめて普通有利状態という)さらに、上記の実施の形態で示した特図ゲームの時短制御を行う遊技状態(特別時短状態)とも組み合わせることができる。これらを任意に組み合わせた有利な遊技状態を移行させる大当たりを、特別図柄の確率変動制御に移行させる大当たりの他に発生させることできる。これにより、遊技状態が多彩に遷移され、遊技の興趣が向上される。
【0165】
なお、これら変形例に示した普通有利状態に遊技状態を制御するための大当たりを発生させる場合や、発生した大当たりに基づく普通有利状態の終了条件も、上記の実施の形態(及びその変形例)における時短大当たりと同様に、大当たり種類テーブルに従って様々な種類のものを適用することができる。上記した大当たり種類テーブルについて、時短回数を普通有利状態の回数として読み替えればよい。
【0166】
例えば、図4に示した大当たり種類テーブルを適用した場合は、特図ゲームの確率変動制御が行われる(すなわち、特別確率変動状態に制御される)特図ゲームの回数は、10000回となるが、普図ゲームの普通有利状態(普通時短状態、普通確率変動状態または普通開放遊技状態、もしくはこれらの組み合わせ)に制御される回数は、100回となり、その終了条件が異なるものとなる。図15または図16に示した大当たり種類テーブルを適用した場合も、特別確率変動状態に制御された場合と普通有利状態に制御された場合とで、その終了条件が異なるものとなる。このように、それぞれの遊技状態に異なる終了条件を適用することで、多彩な遊技状態の遷移が可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。特に図16に示した大当たり種類テーブルを適用した場合には、特別確率変動状態にも普通有利状態にも、特図ゲームの回数による終了条件として実質的な制限が付けらる。このため、大当たり制御によって遊技者に付与する価値以外に、遊技者に付与する遊技価値が大きくなりすぎることがない。
【0167】
また、図12または図13に示した大当たり種類テーブルを適用した場合は、特図ゲームにおいて大当たりが発生した場合には、その大当たり図柄の種類に応じて特別確率変動状態と普通有利状態とのどちらか一方に必ず制御されるものとなる。それぞれの遊技状態の終了条件も異なるものとなる。これにより、大当たり制御の終了後に必ず有利な遊技状態に移行するので、遊技者に付与する価値を高くすることができる。一方、期間の制限された普通有利状態程度であれば、遊技者が一方的に有利となるような遊技状態が続くこともなく、遊技者の利益と遊技店の利益とのバランスを図ることができる。
【0168】
普通有利状態に遊技状態を制御するための大当たりが発生しないときに特図ゲームについての確率変動大当たりを発生させる場合や、発生した確率変動大当たりに基づく確率変動制御の終了条件も、上記の実施の形態(及びその変形例)と同様に、様々なものを適用することができる。もっとも、普通有利状態における制御は、特別遊技状態フラグまたは時短状態フラグ(ここでは、これに対応する遊技状態を意味する)がONされていれば、特定遊技状態フラグがONされている期間においても行うことができる。すなわち、特図ゲームの大当たりに基づく大当たり制御が終了する前であっても、普図ゲームについて普通有利状態による制御を行うことが可能となる。
【0169】
以上示したように、特図ゲームについての時短状態への制御に変えて、普図ゲームについての普通有利状態への制御を伴う大当たりを、特図ゲームについて確率変動制御を行う確率変動大当たりの他に用意することで、大当たりの種類毎の価値の大きさの違いのギャップを少なくすることができる。これにより、遊技者の期待感を段階的に高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0170】
上記の実施の形態では、特図ゲーム、普図ゲーム共に保留記憶は4つまでとなっていたが、保留記憶の数が4つに達していると、特図ゲーム及び普図ゲームに関して時短制御を行うパチンコ遊技機もある。このようなパチンコ遊技機では、普通図柄の時短制御、確率変動制御或いは電動チューリップ型役物6の特別状態での開放を行うことによって、特別図柄始動口5を遊技球が通過し易くなるので、特図ゲームの保留記憶が4個に達する機会が増えることとなる。これにより、特図ゲームについて保留記憶の数に応じた時短制御が行われる機会が増えることで、さらに有利な遊技状態が作り出されるものとなる。
【0171】
また、このように保留記憶の数に応じて特図ゲームおよび/またはの時短制御を行う機能を備えたパチンコ遊技機では、普図ゲームの時短制御を必ず行うものではないが、例えば、時短制御が行われる保留記憶の数の条件を4個から2個に変更して、実質的に普図ゲームの時短制御が行われやすくする遊技状態に制御することができる。特図ゲームの時短制御が行われる保留記憶の数の条件についても、同様に変更することができる。
【0172】
上記の実施の形態では、特図ゲームにおける確率変動制御の継続回数は固定されていることを前提に説明したが、この回数についても可変とすることができる。この回数は、CPU111による別途の抽選で決定したり、最初の確率変動大当たりとなる場合の特図ゲームの結果として表示された特別図柄の種類に基づいてテーブルを参照した結果から、決定することができる。これによっても、遊技状態が遷移される態様がさらに多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0173】
上記の実施の形態では、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明したが、画像表示装置を有するものであれば、例えば第2種或いは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、またはパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であってもよい。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機(CR機)だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機(現金機)にも適用可能である。
【0174】
さらには、パチンコ遊技機の動作をシミュレーションするゲーム機等に本発明を適用することができる。上記の実施の形態のパチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機では、ゲーム機のCPUが所定のプログラムを実行することにより、上記した遊技機の動きをシミュレーションし、その結果として特別図柄始動口5を通過したと判別したときに、上記と同様の抽選を行い、図柄を変動表示させることができる。このゲーム機のプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納したり、Web上のサーバ装置からゲーム機にダウンロードさせるものとして、ゲーム機とは別に流通させることができる。
【0175】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、特別確率変動状態へも普通時短状態へも遊技状態を制御することが可能なので、遊技状態の遷移が多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当たりの種類毎の価値のギャップを少なくすることができる。
【0176】
請求項2の発明によれば、特別確率変動状態へも普通確率変動状態へも遊技状態を制御することが可能なので、遊技状態の遷移が多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当たりの種類毎の価値のギャップを少なくすることができる。
【0177】
請求項3の発明によれば、特別確率変動状態へも特別態様状態へも遊技状態を制御することが可能なので、遊技状態の遷移が多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当たりの種類毎の価値のギャップを少なくすることができる。
【0178】
請求項4の発明によれば、可変表示手段における変動表示の表示結果により、特別確率変動状態または普通有利状態の発生を分かり易く示すことができる。
【0179】
請求項5の発明によれば、遊技状態記憶手段の変更だけで遊技状態の終了条件が変えられ、機種の改良や開発が容易になる。
【0180】
請求項6の発明によれば、特別確率変動状態や普通有利状態の報知のタイミングが特定遊技状態の報知のタイミングよりも遅れるため、特定遊技状態に加えられる価値について遊技者の期待感を持続させることができる。
【0181】
請求項7の発明によれば、特別確率変動状態と普通有利状態の終了条件が互いに異なることから、遊技状態の遷移がより多彩に行われる。
【0182】
請求項8の発明によれば、極端に遊技者に有利な遊技状態に遷移されることを防ぐことができるので、徒に遊技者の射幸心を煽ることがなく、遊技者が得られる利益と遊技店側が得られる利益とのバランスを図ることができる。
【0183】
請求項9の発明によれば、遊技状態が特別確率変動状態や普通有利状態に遷移されていることを、外部から把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】図1のパチンコ遊技機のガラス扉(前面扉)の背面側の構造を示す図である。
【図3】図1のパチンコ遊技機の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】大当たりの種類を決定するための大当たり種類テーブルを示す図である。
【図5】(a)は、遊技制御基板の基本回路内のCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートであり、(b)は、タイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
【図6】遊技制御基板の制御部が特図ゲームの終了時において遊技状態を制御するために実行する処理を示すフローチャートである。
【図7】演出制御基板の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機における遊技状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機における遊技状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機における遊技状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図11】特別図柄の態様と大当たりの種類の区別についての変形例を示す図である。
【図12】大当たり種類テーブルの変形例を示す図である。
【図13】大当たり種類テーブルの変形例を示す図である。
【図14】大当たり種類テーブルの変形例を示す図である。
【図15】大当たり種類テーブルの変形例を示す図である。
【図16】大当たり種類テーブルの変形例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態の変形例で適用される遊技制御基板の制御部が普図ゲームの終了時において遊技状態を制御するために実行する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
3 可変表示装置
4 可変表示部
101 遊技制御基板
102 演出制御基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する特別可変表示手段と普通可変表示手段とを備える遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下、LCD:LiquidCrystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示させることで変動表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、前述の表示装置を特別図柄表示装置として用いた特図ゲームと、前述の表示装置を兼用または他の表示装置を専用に用いた普図ゲームとがある。特図ゲーム及び普図ゲームは、共に所定領域を通過する遊技球の検出に伴って抽選を行い、その抽選結果に従って表示図柄の更新表示を行い、表示図柄の更新表示が停止した際の停止図柄態様が特定表示態様となっている場合を「当たり」とするゲームである。
【0004】
特図ゲームの「当たり」(以下、大当たり)となると、大入賞口またはアタッカと呼ばれる特別電動役物を開放状態とし、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定期間断続的に提供する。ここで、特図ゲームにおいて大当たりとなり、特別電動役物が開放状態となって遊技球の入賞が極めて容易となる状態を特定遊技状態という。特定遊技状態となるためには、通常、特別図柄表示装置に表示される表示図柄の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となること(一般的には表示図柄が同一図柄で揃うこと)が条件となる。
【0005】
このように特図ゲームにおいて大当たりとなった場合には、遊技球の入賞が極めて容易になる状態が作り出されるものである。さらに停止図柄態様を構成する表示図柄の違いによって、例えば、通常の大当たりの他にその大当たり処理の終了後からの特図ゲームでの当選確率を高める確率変動大当たりを通常の大当たりとは別に用意することで、遊技興趣の一層の向上を図ったパチンコ遊技機も数多く知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
確率変動大当たりが発生した場合、その大当たり処理が終了した後も遊技者にとって有利な遊技状態が継続するので、遊技者の期待感が高められ、遊技の興趣が向上する。これに対して大当たりが発生しても、確率変動大当たりでなかった場合は、その大当たり処理が終了してしまうと、遊技者にとって有利な状態が得られなくなってしまい、期待感が殺がれてしまう。
【0007】
一方、遊技店の側の利益という観点からは、確率変動大当たりを頻発させることはできない。つまり、一般的に確率変動大当たりの発生する確率をあまり高く設定することはできなかったため、従来のパチンコ遊技機では、遊技者の期待感を効果的に高めさせるような遊技状態の遷移を実現しているものはなかった。また、従来のパチンコ遊技機では、確率変動大当たりの他には通常の大当たりしか用意したものしかなく、遊技状態の変化にも乏しく、遊技の興趣を向上させるのに十分ではなかった。
【0008】
特に確率変動大当たりは、次の大当たりが発生するまで前記の抽選に当選する確率が高くなることが約束されるものであり、大当たり制御の終了後に遊技者に付与される価値としては、非常に大きなものである。これに対して、通常の大当たりでは、大当たり制御の終了後に遊技者に何の価値も付与されないので、大当たりとしては同じであっても、その価値についてのギャップが大きかった。
【0009】
本発明は、多くの遊技状態の遷移が行われることで遊技内容を多彩なものにすると共に、大当たりの種類毎の価値のギャップを少なくすることで、遊技の興趣を向上させることのできるパチンコ遊技機等の遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する特別可変表示手段と普通可変表示手段とを備えた遊技機において、
打球を検出する検出手段と、
打球を受け入れやすい第1の態様と打球を受け入れ難い或いは受け入れない第2の態様に変化可能であり、前記検出手段を有する可変入賞手段と、
前記検出手段によって打球の検出があったことに基づいて、前記特別可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特別可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する特別変動表示制御手段と、
前記普通可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う普通抽選手段と、
前記普通抽選手段の抽選結果に基づいて、前記普通可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する普通変動制御手段と、
前記特別図柄変動表示制御手段による変動表示の表示結果が特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態へ遊技状態を制御する第1の遊技状態制御手段と、
前記普通変動表示制御手段による変動表示の表示結果が所定の表示態様となったときに、前記可変入賞手段を前記第1の態様に制御する可変入賞制御手段と、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を高くする特別確率変動状態と、普通有利状態として、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を変化することなく、前記普通変動制御手段による前記識別情報の変動表示の時間を短縮させる普通時短状態とを制御する第2の遊技状態制御手段とを備え、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記第1の遊技状態制御手段による前記特定遊技状態への遊技状態の制御に伴って、予め定められた終了条件が成立するまで遊技状態を、前記特別確率変動状態または前記普通時短状態のいずれかに制御する
ことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する特別可変表示手段と普通可変表示手段とを備えた遊技機において、
打球を検出する検出手段と、
打球を受け入れやすい第1の態様と打球を受け入れ難い或いは受け入れない第2の態様に変化可能であり、前記検出手段を有する可変入賞手段と、
前記検出手段によって打球の検出があったことに基づいて、前記特別可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特別可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する特別変動表示制御手段と、
前記普通可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う普通抽選手段と、
前記普通抽選手段の抽選結果に基づいて、前記普通可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する普通変動制御手段と、
前記特別図柄変動表示制御手段による変動表示の表示結果が特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態へ遊技状態を制御する第1の遊技状態制御手段と、
前記普通変動表示制御手段による変動表示の表示結果が所定の表示態様となったときに、前記可変入賞手段を前記第1の態様に制御する可変入賞制御手段と、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を高くする特別確率変動状態と、普通有利状態として、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を変化することなく、前記普通抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記所定の表示態様として決定される確率を高くする普通確率変動状態とを制御する第2の遊技状態制御手段とを備え、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記第1の遊技状態制御手段による前記特定遊技状態への遊技状態の制御に伴って、予め定められた終了条件が成立するまで遊技状態を、前記特別確率変動状態または前記普通確率変動状態のいずれかに制御する
ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかる遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する特別可変表示手段と普通可変表示手段とを備えた遊技機において、
打球を検出する検出手段と、
打球を受け入れやすい第1の態様と打球を受け入れ難い或いは受け入れない第2の態様に変化可能であり、前記検出手段を有する可変入賞手段と、
前記検出手段によって打球の検出があったことに基づいて、前記特別可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特別可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する特別変動表示制御手段と、
前記普通可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う普通抽選手段と、
前記普通抽選手段の抽選結果に基づいて、前記普通可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する普通変動制御手段と、
前記特別図柄変動表示制御手段による変動表示の表示結果が特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態へ遊技状態を制御する第1の遊技状態制御手段と、
前記普通変動表示制御手段による変動表示の表示結果が所定の表示態様となったときに、前記可変入賞手段を前記第1の態様に制御する可変入賞制御手段と、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を高くする特別確率変動状態と、普通有利状態として、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を変化することなく、前記普通変動制御手段による変動表示の表示結果が前記所定の表示態様となったときに前記可変入賞制御手段が前記可変入賞手段を制御する第1の態様を前記第1の態様よりもさらに打球を受け入れ易い特別態様によって制御する特別態様状態へ遊技状態を制御する第2の遊技状態制御手段とを備え、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記第1の遊技状態制御手段による前記特定遊技状態への遊技状態の制御に伴って、予め定められた終了条件が成立するまで遊技状態を、前記特別確率変動状態または前記特別態様状態のいずれかに制御する
ことを特徴とする。
【0013】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機では、特別変動表示制御手段による変動表示の表示結果が特定の態様となった場合に、特定遊技状態への制御に伴って、遊技者に有利な遊技状態として、特別確率変動状態と普通有利状態のいずれかに制御されることとなる。このため、遊技状態の遷移が多彩に行われるものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、特定遊技状態への制御に伴って何かしらの有利な遊技状態への移行があることから、遊技者の期待感を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、特定遊技状態への制御に伴って、特別確率変動状態が発生しない場合でも、普通有利状態が発生するので、いずれにしても何らかの有利な遊技価値が遊技者に付与されることとなり、いわゆる大当たり(特定の表示態様となり、特定遊技状態に移行すること)の種類毎の価値のギャップを少なくすることができる。
【0014】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機において、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記特別変動表示制御手段による変動表示の表示結果として導出表示された表示態様が前記特定の表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様となったときに、前記特別確率変動状態へ遊技状態を制御し、前記特別の表示態様以外の前記特定の表示態様となったときに、前記普通有利状態に遊技状態を制御するものとすることができる。
【0015】
この場合において、上記第1〜第3の観点にかかる遊技機は、それぞれ、
現在の遊技状態と前記特定の表示態様の種類との組み合わせに対応して、制御される遊技状態の終了条件を記憶した遊技状態記憶手段をさらに備えるものとすることができ、この場合、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記遊技状態記憶手段を参照して、制御される遊技状態の終了条件を決定することができる。
【0016】
この場合には、可変表示手段における変動表示の結果が特別の表示態様となったか否かにより、特別確率変動状態に制御されたか普通有利状態に制御されたかが分かり易く示される。また、遊技状態の終了条件を遊技状態記憶手段を参照して決定するものとすることで、遊技状態記憶手段の変更だけで遊技状態の終了条件が変えられ、機種の改良や開発が容易に行えるようになる。
【0017】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機において、
前記特別抽選手段は、遊技状態を前記特別確率変動状態とするか否かを決定する遊技状態抽選手段を含み、
前記第1の遊技状態制御手段により前記特定遊技状態に遊技状態が制御されたことを条件として、前記遊技状態抽選手段の抽選結果に基づいて、所定の報知を行う報知手段をさらに備えるものとすることができる。この場合、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記報知手段の報知結果が予め定められた特別の報知態様となったときに、前記特別確率変動状態に遊技状態を制御するものとすることができる。
【0018】
この場合において、上記遊技機は、
現在の遊技状態と前記報知手段の報知結果の組み合わせに対応して、制御される遊技状態の終了条件を記憶した遊技状態記憶手段をさらに備えるものとしてもよい。ここで、
前記遊技状態抽選手段は、前記遊技状態記憶手段を参照して、制御される遊技状態の終了条件を決定するものとすることができる。
【0019】
この場合には、特別確率変動状態や普通有利状態の報知のタイミングが特定遊技状態の報知のタイミングよりも遅れるため、特定遊技状態に加えられる価値について遊技者の期待感を持続させることができる。また、遊技状態の終了条件を遊技状態記憶手段を参照して決定するものとすることで、遊技状態記憶手段の変更だけで遊技状態の終了条件が変えられ、機種の改良や開発が容易に行えるようになる。
【0020】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技において、
前記特別確率変動状態の終了条件と前記普通有利状態の終了条件は、異なるように定められていることが好ましい。
【0021】
このように特別確率変動状態と普通有利状態を終了させる条件を異なるように定めることで、遊技状態の遷移がより多彩に行われるようになる。これにより、一層の遊技興趣の向上を図ることができる。
【0022】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機は、
前記特別確率変動状態に制御されているときにおいて、連続して新たに前記第2の遊技状態制御手段によって前記特別確率変動状態に制御された回数を計数する特別確率状態回数計数手段と、
前記特別確率状態回数計数手段が計数した回数が所定の回数に達しているときに、前記第2の遊技状態制御手段が前記特別確率変動状態に制御することを防止する特別確率変動防止手段とをさらに備えるものとすることができる。
【0023】
この場合、極端に遊技者に有利な遊技状態に遷移されることを防ぐことができるので、徒に遊技者の射幸心を煽るようなことがない。また、多様な遊技状態の遷移が得られても遊技者に極端に有利なものとはならないので、遊技者が得られる利益と遊技店側が得られる利益とのバランスを図ることができる。
【0024】
上記第1〜第3の観点にかかる遊技機は、
それぞれ外部で利用可能な信号であって、前記第2の遊技状態制御手段により前記特別確率変動状態に制御されていることを示す信号と前記普通有利状態に制御されていることを示す信号を生成する信号生成手段をさらに備えるものとすることができる。
【0025】
この信号生成手段が生成した信号を外部に出力して利用することによって、遊技状態が特別確率変動状態や普通有利状態に遷移されていることを、外部からも把握することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図1は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。図2は、図1のパチンコ遊技機のガラス扉(前面扉)の背面側の構造を示す図である。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を指示固定する遊技機用枠(ガラス扉枠)20とから構成されている。遊技盤2は、ガイドレールによって囲まれたほぼ円形状の遊技領域を形成している。
【0028】
遊技盤2の遊技領域のほぼ中央位置には、可変表示装置3が配置されている。可変表示装置3は、LCDからなる可変表示部4が設けられている。可変表示部4は、特図ゲームの保留記憶を表示するための特別図柄保留記憶表示部4aを前面側の画像とし、普図ゲームを行うための普通図柄表示部4cをこの後面側の画像とし、特図ゲームを行うための特別図柄表示部4bをさらに後面側の画像として、これらの画像を重ね合わせて表示する。
【0029】
特別図柄表示部4bは、特図ゲームに伴って、背景画像、キャラクタ、特別図柄等を表示する。特図ゲームに使用される特別図柄としては、「0」から「9」までの10種類の数字が用意されている。普通図柄表示部4cは、普図ゲームに伴って、その結果としての図柄を表示する。普図ゲームに使用される普通図柄としては、「◎」及び「×」の2種類の図柄が用意されている。
【0030】
特別図柄表示部4bでは、左、中及び右の3つの可変表示部で特別図柄が変動表示され、特図ゲームは、3つの可変表示部で同じ数字が揃って停止することによって大当たりとなり、後述するような大当たり制御が行われる。ここで停止した特別図柄の種類と、そのときに制御されていた遊技状態とに従って、通常の大当たりの他に、確率変動大当たりと時短大当たりとのいずれかの大当たりが発生する。いずれの種類の大当たりを発生させるかは、後述する大当たり種類テーブル(図4)を参照することによって決められる。
【0031】
ここで、確率変動大当たりは、通常の大当たりによる制御に加えて、以降の所定ゲーム数だけ(制限なしも可)特図ゲームにおける大当たり確率を高くするという確率変動制御を行うものであり、時短大当たりは、通常の大当たりによる制御に加えて、以降の所定ゲーム数だけ(制限なしも可)特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間を短縮するという時短制御を行うものである。時短制御時に特図ゲームにおける大当たり確率が高くされることはない。なお、大当たり制御が行われている遊技状態を特定遊技状態といい、確率変動制御が行われている遊技状態を特別遊技状態(特別確率変動状態)といい、時短制御がおこなわれている遊技状態を時短状態という。
【0032】
確率変動大当たりの発生に基づく特別遊技状態、或いは時短大当たりの発生に基づく時短状態は、新たな大当たり(いずれの種類をも含む)が発生したときに終了する。同じ種類の大当たりが発生した場合、それまでの特別遊技状態や時短状態が終了して、新たな特別遊技状態や時短状態が続けて開始したものとして考える。また、特別遊技状態及び時短状態は、それぞれの状態で行われた特図ゲームの回数が所定回数となったときに終了する。特別遊技状態及び時短状態の終了条件となる特図ゲームの回数は、後述するテーブル(図4)を参照することによって決められる。
【0033】
確率変動大当たりが連続して発生する回数は、所定回数(例えば、5回)に制限されている。すなわち、確率変動制御が行われているときの特図ゲームの結果として奇数の図柄が揃った回数(確率変動大当たりの連続発生回数)がカウントされており、このカウント回数が所定回数となると、後述する抽選に基づく特図ゲームの結果として確率変動大当たり表示態様となることはない。確率変動大当たり表示態様となることの防止も、後述するテーブル(図4)を参照することによって図られている。
【0034】
普通図柄表示部4cでは、「◎」及び「×」の図柄が交互に変動表示され、所定時間経過後に「◎」または「×」のいずれかが停止して表示される。普図ゲームは、最終的に「◎」が表示されて停止することによって小当たりとなり、小当たり制御として、後述するように電動チューリップ型役物6を一定期間開放状態とする制御が行われる。「×」の図柄が停止されたときはハズレである。
【0035】
可変表示装置3の可変表示部4の上側中央には、特図ゲームにおけるリーチ演出や、大当たり演出の際に駆動される役物11と、役物11の駆動に伴って発光する役物飾りランプ12a、12bとが設けられている。役物11及び役物飾りランプ12a、12bの左右には、例えば遊技者が特図ゲームにおいて表示されるキャラクタ画像を選択するために用いられる、反射型センサからなる左側及び右側センサ16L、16Rが設けられている。可変表示装置3の可変表示部4の下側には、普図ゲームの保留記憶を表示するための普通図柄保留記憶表示部10が設けられている。
【0036】
可変表示装置3の可変表示部4の左上、右上、左横及び右横には、装飾ランプ13a、13b、13c、13dがそれぞれ設けられている。可変表示装置3を離れて遊技盤2の遊技領域の左右側にも、それぞれ装飾ランプ13e、13fが設けられている。装飾ランプ13a〜13fは、リーチ演出や大当たり演出の際に、例えば特別図柄表示部4bに表示される画像の変化に伴って発光し、画像に加えて光による演出で遊技興趣を高めるようにするものである。
【0037】
可変表示装置3の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)6を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)5が配設されている。特図ゲームに関して、特別図柄始動口5を遊技球が通過したときに、その経過及び結果を決定するための抽選が行われる。特図ゲームは、先に通過した遊技球の保留記憶(後述)がなくなったときに開始して、特別図柄始動口5を遊技球が通過したときの抽選結果に基づいて特別図柄表示部4bにおいて表示がなされる。
【0038】
電動チューリップ型役物6は、例えば普図ゲームの結果が小当たりであった場合に、その小当たり制御として通常の態様(チューリップが閉じて、遊技球の通過が困難か不可能な状態)から一定期間だけ動作されて開放態様(チューリップが開いて、遊技球の通過が容易となった状態)とされ、特別図柄始動口5への遊技球の通過が容易になる。
【0039】
また、電動チューリップ型役物6の開放態様には、特別態様と非特別態様とがある。特別態様と非特別態様は、例えば開放動作が行われる時間の違いや開放動作が行われる回数、或いは開放度合いの違いによって区別される。いずれにしても特別態様は、非特別態様よりもさらに特別図柄始動口5への遊技球の通過が容易になった開放態様である。特別態様は、確率変動制御が行われている特別遊技状態のときか、時短制御が行われている時短状態のときにしか発生せず、通常の遊技状態では非特別態様しか発生しない。また、特別遊技状態と時短状態とにおいて、電動チューリップ型役物6の開放動作は全く同じように制御されており、特別図柄始動口5を遊技球が通過することとなる容易さの度合い(期待値)は、同じものとなっている。
【0040】
特別図柄始動口5の両側には、遊技球の通過により普図ゲームを開始させるための通過ゲート7a、7bが設けられている。普図ゲームに関して、通過ゲート7a、7bを遊技球が通過したときに、その経過及び結果を決定するための抽選が行われる。普図ゲームは、先に通過した遊技球の保留記憶がなくなったときに開始して、通過ゲート7a、7bを遊技球が通過したときの抽選結果に基づいて普通図柄表示部4cにおいて表示がなされる。特別図柄始動口5及び通過ゲート7a、7bの遊技球の通過は、それぞれ最大4つまで保留記憶され、保留記憶されている数が特別図柄保留記憶表示部4a及び普通図柄保留記憶表示部(ゲート通過記憶表示器)10に表示される。
【0041】
特別図柄始動口5の下側には、大当たり発生時にソレノイド等を駆動することで開放動作を行う大入賞口(第1種特別電動役物:アタッカ)8が配設されている。大入賞口8は、特別図柄始動口5への入賞に基づいて特図ゲームが行われた結果大当たりとなった場合に、大当たり制御の1つとして開放動作を行う。この開放動作は、遊技球が大入賞口8の内部の特定領域(図示せず)を通過することを条件として、断続的に最大15回継続して行う。また、通過ゲート7aの左側と下側、通過ゲート7bの下側と右側には、遊技球の通過によって賞球が払い出される入賞口9a〜9dが設けられている。
【0042】
ガラス扉枠20には、遊技領域を囲むようにして複数の遊技効果LED14a〜14hが設けられている。また、ガラス扉枠20の上部左右側(遊技効果LED14a、14bの内側)には、スピーカ15a、15bが設けられている。特別図柄表示部4bに表示される画像の変化に伴って、またはこの画像とは独立して、遊技効果LED14a〜14hが発光し、スピーカ15a、15bから音声が出力される。この光及び音声による演出でも遊技興趣が高められている。
【0043】
ガラス扉枠20の遊技領域の下側には、遊技領域に打ち出す遊技球を供給するための打球供給皿21が設けられている。その下側には、打球供給皿21への払い出しができなくなった賞球を払い出すための余剰球受皿22が設けられている。その右側には、遊技領域に遊技球を打ち出す発射モータ(図示せず)を駆動するための打球操作ハンドル23が設けられている。
【0044】
ガラス扉枠20の遊技領域の左側には、払い出しを完了していない賞球があることを示す賞球ランプが、遊技領域の上側には、払い出すべき賞球が切れてしまったことを報知する球切れランプ18が設けられている。また、パチンコ遊技機1の左側には、プリペイドカードを挿入し、遊技球の貸し出しを受けるためのプリペイドカードユニット200が設けられている。
【0045】
さらに、図2に示すように、ガラス扉枠20の背面側には、賞球を払い出すための球払出装置105と、球払出装置105が払い出し可能な賞球がなくなったことを検出するための球切れスイッチ52が設けられている。また、球払出装置105からオーバーフローした遊技球の貯留が満タンになったことを検出する満タンスイッチ53(図2には不図示:図3参照)が設けられている。
【0046】
上記の各部を制御するための制御基板として、遊技制御基板101、演出制御基板102及び入出力ドライバ基板103、並びに払出制御基板104も、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。各部に電力を供給するための電源基板100も、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。図3は、各基板100〜104を含む、パチンコ遊技機1の制御回路の構成を示すブロック図である。
【0047】
遊技制御基板101は、パチンコ遊技機1における遊技の進行全体の流れを制御するためのメイン側の制御基板であり、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113及びI/O(Input/Output)ポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる基本回路110を搭載している。また、遊技制御基板101は、スイッチ回路120、ソレノイド回路130、情報出力回路140及びアドレスデコード回路150を搭載している。
【0048】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能、及び乱数発生機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する制御を行うと共に、パチンコ遊技機1の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、基本回路110に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。基本回路110については、後にさらに詳細な説明を行う。
【0049】
スイッチ回路120は、通過ゲート7a、7bを通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ37、特別図柄始動口5を通過した遊技球を検出するための始動口スイッチ35、大入賞口8を通過した遊技球を検出するためのカウントスイッチ38、大入賞口8の特定領域を通過した遊技球を検出するためのVカウントスイッチ30、及び入賞口9a〜9dを通過した遊技球を検出するための入賞口スイッチ39に接続されている。また、満タンスイッチ53、球切れスイッチ52、及び球払出装置105が払い出した賞球をカウントするための賞球カウントスイッチ51にも接続されている。
【0050】
スイッチ回路120は、各スイッチ37、35、38、30、39、53、52及び51から出力されてくる入力信号を、ローパスフィルタ等を通してパルス波として整形した後に、バッファゲート等によって増幅し、I/Oポート114に出力して、CPU111に入力させるものである。
【0051】
ソレノイド回路130は、電動チューリップ型役物6を駆動するためのソレノイド45、大入賞口8の開閉を駆動するためのソレノイド48、及び大入賞口8内の内部にあり、遊技球を特定領域に寄せるためのシーソー(図示せず)を駆動するためのソレノイド40に接続されている。ソレノイド回路130は、I/Oポート114から出力される制御信号に基づいて、ソレノイド40、45及び48に駆動制御信号(励磁信号)を出力する。
【0052】
情報出力回路140は、I/Oポート114から出力された制御信号に基づいて、大当たりの発生により大当たり制御が行われていることを示す大当たり情報、時短制御が行われていることを示す時短情報、確率変動制御が行われていることを示す確変情報、特図ゲームの始動に関する情報である始動情報、支払われた賞球に関する情報である賞球情報等の各種情報を、端子(図示せず)に挿入されたケーブルを介して、製品検査用のコンピュータやパチンコホール(遊技店)の管理コンピュータに対して出力する。
【0053】
アドレスデコード回路150は、CPU111から出力されたアドレス信号を入力し、デコードする。デコードした結果、CPU111の制御対象がRAM112、ROM113及びI/Oポート114のいずれであるかを選択するための信号を、CPU111に出力する。
【0054】
演出制御基板102は、CPU、RAM及びROMを含む制御部を有し、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに基づいて、特図ゲーム及び普図ゲームを含む各種の演出を制御する。演出制御基板102は、可変表示部4に接続されており、特別図柄表示部4bに特図ゲームにおける画像を表示させ、特別図柄保留記憶表示部4aに保留記憶の表示をさせる。普図ゲームに関しても同様の制御を行う。演出制御基板102は、入出力ドライバ基板103に接続されており、入出力ドライバ基板103に対してその他の演出を制御するための制御信号を出力する。
【0055】
入出力ドライバ基板103は、左側及び右側センサ16L、16Rに接続されており、この検出信号を入力して、演出制御基板102に出力するためのドライバ回路を備えている。入出力ドライバ基板103のドライバ回路は、また、スピーカ15、賞球ランプ17、球切れランプ18、装飾ランプ13(13a〜13f)、役物飾りランプ12(12a、12b)、及びゲート通過記憶表示器10に接続されており、演出制御基板102からの制御信号に従ってこれらを制御する。入出力ドライバ基板103は、役物用ソレノイド41に接続されており、演出制御基板102からの制御信号に従って役物用ソレノイド41に駆動制御信号を出力し、役物11を駆動させるためのドライバ回路を備えている。
【0056】
払出制御基板104は、球払出装置105とプリペイドカードユニット200とに接続されており、遊技球の貸し出しのために必要な情報をプリペイドカードユニット200との間でやりとりし、また、球払出装置105に貸し出された遊技球または入賞により賞球として払い出される遊技球を払い出させるための制御回路を備えている。
【0057】
次に、遊技制御基板101に含まれる基本回路110について、詳細な説明を行う。基本回路110のROM113には、特別図柄が同一の種類のもので揃って大当たりとなったときに、その大当たり表示態様を構成する特別図柄の種類と大当たり発生時における遊技状態とに従って、その後に移行する遊技状態の種類を決定するための大当たり種類テーブルが記憶されている。もっとも、どのような種類の大当たりであっても、特定遊技状態となって大当たり制御が行われることについては変わりがない。
【0058】
図4は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1で適用される大当たり種類テーブルを示す図である。図示するように、この大当たり種類テーブルは、大当たり図柄の種類と現在の遊技状態との種類に従って、発生した大当たりをどのような種類の大当たりとするか、確率変動大当たりまたは時短大当たりとする場合には、確率変動制御または時短制御が次の大当たりの発生によらずに終了するまでに行われる特図ゲームの回数を登録したものである。
【0059】
図4の大当たり種類テーブルによれば、大当たり図柄の種類が奇数である場合に、最大10000回まで特図ゲームにおける抽選確率を変動させる確率変動大当たりとなる。確率変動制御が行われているときの大当たり確率は、通常70分の1程度であるため、この10000回という回数は、実質的に次の大当たりまで確率変動制御が行われることに等しいものとなる。確率変動制御が行われる特図ゲームの回数及び時短制御が行われる特図ゲームの回数とも0となっている場合は、通常の大当たりとなる。
【0060】
確率変動制御が行われている特別遊技状態における大当たり図柄の種類が偶数である場合には、最大100回まで特図ゲームにおける変動表示の時間を短縮させる時短大当たりとなる。時短状態または通常の遊技状態における大当たり図柄の種類が偶数である場合には、その後の特図ゲームで確率変動制御も時短制御も行われない通常の大当たりとなる。なお、この大当たり種類テーブルを後述する変形例に示す大当たり種類テーブルに差し替えることで、遊技性の異なるパチンコ遊技機を構成することができる。
【0061】
また、基本回路110のRAM112には、現在の遊技の進行状況(通常の遊技状態か、大当たり制御が行われている特定遊技状態か、確率変動制御が行われている特別遊技状態か、時短制御が行われている時短状態か)を示すフラグが設けられている。
【0062】
特定遊技状態を示すフラグは、特別図柄始動口5への遊技球の通過による抽選の結果により大当たりとなるときに、特図ゲームの終了タイミングを待ってONされ、大当たり制御の終了条件(大入賞口8の開放回数など)が成立するとOFFされる。特別遊技状態を示すフラグも、特別図柄始動口5への遊技球の通過による抽選の結果により確率変動大当たりとなるときに、特図ゲームの終了タイミングを待ってONされ、フラグ設定後の特図ゲームの回数が設定したゲーム数に達したときにOFFされる。また、当該抽選の結果により時短大当たりまたは通常の大当たりとなったときにも、特図ゲームの終了タイミングを待ってOFFされる。
【0063】
時短状態を示すフラグは、特別図柄始動口5への遊技球の通過による抽選の結果により時短大当たりとなるときに、特図ゲームの終了タイミングを待ってONされ、フラグ設定後の特図ゲームの回数が設定したゲーム数に達したときにOFFされる。また、当該抽選の結果により確率変動大当たりまたは通常の大当たりとなったときにも、特図ゲームの終了タイミングを待ってOFFされる。なお、特別遊技状態を示すフラグまたは時短状態を示すフラグがONされていても、特定遊技状態フラグもONされている場合には、確率変動制御または時短制御は行われないものとしている。もっとも、特定遊技状態を示すフラグがOFFされるのを待って、特別遊技状態を示すフラグまたは時短状態を示すフラグをONすることもできる。
【0064】
また、RAM112には、確率変動制御が行われている特別遊技状態における特図ゲームの残り回数や、時短状態における特図ゲームの残り回数をカウントするためのカウンタ(以下、それぞれ確変ゲームカウンタ、時短ゲームカウンタという)も設けられている。これらのカウンタの値は、確率変動制御または時短制御が開始したときにCPU111により大当たり種類テーブルに登録された値が設定され、それぞれの遊技状態で特図ゲームが行われる度にCPU111によりカウントダウンされる。これらのカウンタの値が0となったとき、特図ゲームの回数が設定したゲーム数に達したこととなり、特別遊技状態や時短状態が終了することとなる。
【0065】
また、RAM112には、既に確率変動制御が行われている状態において新たに確率変動大当たりが発生した回数が何回継続しているかをカウントするカウンタ(以下、確変継続カウンタという)も設けられている。このカウンタの値は、既に確率変動制御が行われている状態において新たに確率変動大当たりが発生するとCPU111によりカウントアップされ、特別遊技状態が終了して確率変動制御が行われなくなると、CPU111により初期値に戻される。
【0066】
CPU111は、ROM113に記憶された大当たり種類テーブル、RAM112に設定される各種フラグの状態、或いはRAM112に設けられるカウンタの値を参照して、特図ゲーム及び普図ゲームに関する抽選を含む各種の処理を行っている。このCPU111が行う抽選によって、特図ゲーム及び普図ゲームの表示処理に関しては演出制御基板102の側で行われるものの、特図ゲーム及び普図ゲームの結果そのもの(結果が表示されるタイミングを含む)については、CPU111が認識することができる。
【0067】
CPU111は、演出制御基板102の制御部に特別図柄表示部4bにおいて特図ゲームを行わせるための特別図柄表示用のコマンドを生成して、また、演出制御基板102の制御部に普通図柄表示部4cにおいて普図ゲームを行わせるための普通図柄表示用のコマンドを生成して、I/Oポート114から演出制御基板102に送信させている。
【0068】
特別図柄表示用のコマンドを生成する際には、特別遊技状態を示すフラグ及び時短状態を示すフラグが参照されており、特別図柄始動口5への遊技球の通過に基づく抽選結果が同じであっても、確率変動制御または時短制御中には、特別図柄表示用のコマンドは、通常の遊技状態とは内容が異なり、これにより特図ゲームの内容が異なるものとなる。
【0069】
CPU111は、また、大当たり制御として演出制御基板102の制御部に特別図柄表示部4bにおいて大当たりデモ演出を行わせるための大当たりデモ用のコマンドを生成して、I/Oポート114から演出制御基板102に送信させている。大当たりデモ演出としては、大当たりの発生を報知するためのデモ演出と、大当たりのラウンド数など(大入賞口8が開放された回数)を報知するためのデモ演出と、大当たり制御の終了を報知するためのデモ演出とがある。
【0070】
1番目のデモ演出を行わせるためのコマンドは、特図ゲームの抽選の結果として大当たりとなる場合に、演出制御基板102側で制御される特図ゲームの終了タイミングを待って送信される。2番目のデモ演出を行わせるためのコマンドは、大入賞口8の開放動作が行われる度に送信される。3番目のデモ演出を行わせるためのコマンドは、全ラウンドの大入賞口8の開放動作が終了したとき、或いは大入賞口8の内部の特定領域を遊技球が通過しないパンクが発生したときに送信される。さらに、上記した各デモ演出を一定期間内に終了させるための大当たりデモ終了用のコマンドもCPU111によって生成され、演出制御基板102に送信される。
【0071】
CPU111は、さらに、RAM112に設定される各種フラグの状態に基づいて、情報出力回路140から外部に出力可能となる大当たり情報、時短情報及び確変情報をそれぞれ示す制御信号を生成して、I/Oポート114から情報出力回路140に出力させている。
【0072】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技動作について説明する。なお、パチンコ遊技機1における動作としては、スピーカ15からの音声の出力、役物飾りランプ12、装飾ランプ13或いは遊技効果LED14の発光、役物11の駆動などを含んでいるが、これらは本発明とは関係ないので、説明を省略することとする。
【0073】
図5は、遊技制御基板101の基本回路110内のCPU111が実行する処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、図5(a)に示すメイン処理が実行されることとなる。
【0074】
メイン処理では、まず初期設定処理が行われる(ステップS11)。初期設定処理では、後述する割り込み処理を実行するタイミングを規定するタイマ割り込み時間(例えば、2msec)をCPU111に設定する処理が行われる。これにより、電源投入等によるリセット後、最初の割り込み処理が実行されるタイミングを規定するための計時が開始される。また、初期設定処理においては、種々のタイマをセットするための処理も行われる。
【0075】
初期設定処理が終了すると、この電源投入前に生じた電源エラーによる電源遮断時における状態のバックアップがされていないかどうかを判定する(ステップS12)。電源遮断時における状態のバックアップがされていれば、バックアップされていた状態を復元して、電源エラーの前の状態に復帰する(ステップS13)。そして、復帰した電源エラーの前の状態からの処理を継続して行う。
【0076】
電源遮断時における状態のバックアップがされていなければ、RAM112を初期化すること、及び各種フラグの初期化などの処理が行われる(ステップS14)。次に、演出制御基板102、払出制御基板104などのサブ基板などに初期化コマンドを送信し、これらのサブ基板の状態を初期化させる(ステップS15)。
【0077】
サブ基板の初期化が行われると、特図ゲームの確定図柄(予定停止図柄)を決定するための表示図柄乱数、及び特図ゲームの変動表示パターンを決定するための変動パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS16)。さらに、特図ゲームで大当たりとするかどうか及び普図ゲームで小当たりとするかどうかを決定するための大当たり乱数及び小当たり乱数に設定すべき初期値を決定する初期値決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS17)。ステップS15でサブ基板の初期化が終了した後には、ステップS16及びS17の処理が無限ループで繰り返して実行されることとなる。この間にタイマ割り込みが入ると、図5(b)のタイマ割り込み処理が実行され、タイマ割り込み処理が終了すると、再度ステップS16及びS17の無限ループの処理が実行されることとなる。
【0078】
タイマ割り込み処理では、まずゲートスイッチ37、始動口スイッチ35、カウントスイッチ38、Vカウントスイッチ30等の状態を入力し、各入賞口や通過ゲートに対する入賞があったか否かを判定するスイッチ処理を行う(ステップS21)。始動口スイッチ35により始動入賞が検出された場合には、このスイッチ処理において始動記憶処理が実行される。具体的には、始動口スイッチ35により始動入賞が検出されると、そのタイミングで大当たり判定用の乱数値が抽出され、始動記憶用の特別図柄判定用バンクにその抽出値が記憶される。これにより始動記憶がなされる。始動記憶用の特別図柄判定用バンクは、バンク0〜3の4カ所から構成されており、この4カ所のバンクによって最大4個の始動記憶が可能となる。よって、始動入賞が検出された際に全てのバンクに記憶がある場合には、その始動入賞が無効とされる。ゲートスイッチ37により入賞が検出された場合にも、始動口スイッチ35の場合と同様の処理が行われる。
【0079】
次に、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断を行い、その結果に応じて必要ならば警報を発生させる等の処理を含むエラー処理を行う(ステップS22)。
【0080】
さらに、大当たり乱数及び小当たり乱数を更新する処理が行われ(ステップS23)、初期値決定用乱数を更新する処理が行われ(ステップS24)、表示図柄乱数及び変動パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS25)。ここで、初期値決定用乱数は、大当たり乱数及び小当たり乱数の値が周期的に更新されるのを避けるために、例えば大当たり乱数の値が最大値に達した後に最初に行われるタイマ割り込み処理で、大当たり乱数及び小当たり乱数の値として設定する初期値を決定するための乱数である。
【0081】
ステップS23〜S25における各種の乱数値の更新が終了すると、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。この特別図柄プロセス処理では、入賞確認処理が行われた後に、上記した各種の乱数を抽出して、特図ゲームの結果を大当たり表示態様とするか、特図ゲームにおける確定図柄をどの種類の図柄とするか、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示パターンをどのパターンとするかなどを、抽選によって決定する処理が含まれる。この抽選による決定を行う場合、RAM112に設定される各種のフラグの状態やRAM112に設けられた各種のカウンタの値が参照される。また、ここでは、これらの抽選結果に基づいて、後述するステップS28で演出制御基板102へ伝送する特別図柄表示用のコマンドを生成する処理も行われる。
【0082】
次に、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。この普通図柄プロセス処理は、普図ゲームの小当たりまたはハズレを決定する抽選を行うものであり、その抽選結果に基づいて、後述するステップS29で演出制御基板102へ伝送する普通図柄表示用のコマンドを生成する処理も行われる。また、普通図柄プロセス処理においては電動チューリップ型役物6の制御が行われるが、その際には、時短状態を示すフラグが参照されて、普図ゲームの結果表示に合わせて電動チューリップ型役物6を開放状態とするタイミング制御が図られる。
【0083】
次に、特別図柄コマンド処理を行う(ステップS28)。この特別図柄コマンド処理は、ステップS26において特別図柄表示用のコマンドが生成されていれば、これを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。ここで伝送されるコマンドは、変動表示パターンや確定図柄に関する情報を含んでいる。また、確率変動制御が行われている特別遊技状態では、特別図柄表示用のコマンドの内容が他の状態のときと異なるものとなる。次に、普通図柄コマンド処理を行う(ステップS29)。この普通図柄コマンド処理は、ステップS27において普通図柄表示用のコマンドが生成されていれば、これを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。また、時短制御が行われている時短状態では、普通図柄表示用のコマンドの内容が他の状態のときと異なるものとなる。
【0084】
次に、情報出力回路140を介して確変情報、時短情報、大当たり情報、始動情報、賞球情報等の情報を外部に出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。次に、ソレノイド45、48、40を励磁制御するための制御信号をソレノイド回路130に出力するソレノイド出力処理を行う(ステップS31)。次に、基本回路110から払出制御基板104に賞球個数信号と賞球可能信号とを送信して、賞球の払出指令を行うための賞球処理を行う(ステップS32)。
【0085】
次に、保留記憶処理を行う(ステップS33)。この保留記憶処理は、例えば、特別図柄始動口5に遊技球の入賞があって保留記憶が増加した場合や特別図柄の変動が開始されて保留記憶が減少した場合などの保留記憶数が変化した場合に、保留記憶数の表示変更を指示するための保留記憶数コマンドを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。普通図柄に関する保留記憶数が変化した場合も同様である。このステップS33の処理が終了すると、前述したステップS16及びS17の無限ループの処理に戻る。
【0086】
以上示した処理により、遊技制御基板101の側では、特別図柄始動口5への遊技球の通過によって抽選を行い、その結果が大当たりとなった場合に、大当たり制御として大入賞口8を一定期間断続的に開放させる。また、通過ゲート7a、7bへの遊技球の追加によって抽選を行い、その結果が小当たりとなった場合に、小当たり制御として電動チューリップ型役物6を一定期間開放させる。また、入賞によって遊技球を払い出す制御も行っている。
【0087】
さらに、特図ゲームについての抽選結果によっては、次の抽選確率を変動させる確率変動制御や、特図ゲームの変動表示時間を短縮させる時短制御を行っている。これらの図5に示した処理以外で遊技制御基板101の側で行われる処理の詳細については後述する。
【0088】
大当たり、時短大当たり、及び確率変動大当たりに関する情報は、いずれもコマンドとして演出制御基板102に送られている。演出制御基板102の側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに従って、特別図柄表示部4bにおける特別図柄の変動表示処理(特図ゲーム)や大当たり時において特別図柄表示部4bにて行う大当たりデモ表示処理を含む各種の演出動作を行っている。また、小当たりに関する情報もコマンドとして演出制御基板102に送られており、演出制御基板102の側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに従って、普通図柄表示部4cにおける普通図柄の変動表示処理(普図ゲーム)を行っている。なお、遊技制御基板101の側で制御する遊技動作は、送信したコマンドに従って演出制御基板102の側で制御されている演出動作とのタイミングが図られている。
【0089】
以下、遊技制御基板101の側で図5の処理以外に行われる処理について説明する。図6は、遊技制御基板101の制御部(特にCPU111)が遊技状態(通常の遊技状態、特定遊技状態、特別遊技状態及び時短状態)を制御するために実行する処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、特図ゲームが終了する度に行われる。なお、特図ゲームの終了は、前述したように演出制御基板102に送信した特別図柄表示用のコマンドに基づいてタイミング制御を行うことによって、認識することができる。
【0090】
特図ゲームが終了したことを認識すると、まず、特図ゲームにおいて導出表示された表示結果が、大当たりとなったか否か、大当たりとなった場合にはどの種類の大当たりとなったかを判断するため、図4の大当たり種類テーブルを参照する(ステップS101)。大当たりか否か及び大当たりの種類の判断は、実際には終了した特図ゲームに関して行った抽選の結果に基づいて行われる。
【0091】
次に、大当たり種類テーブルの参照結果に基づいて、確率変動大当たりとなったか否かを判定する(ステップS102)。確率変動大当たりとなった場合には、その大当たり図柄と現在の遊技状態に対して大当たり種類テーブルに登録されている確率変動制御が行われる特図ゲームの回数を、確変ゲームカウンタにセットする(ステップS103)。
【0092】
この確率変動大当たりに基づく大当たり制御が終了した後の特図ゲームでは確率変動制御が行われ、時短制御が行われないこととなるため、RAM112の特別遊技状態フラグをONし(ステップS104)、時短状態フラグをOFFする(ステップS105)。さらに、確変継続カウンタの値を1だけインクリメントする(ステップS106)。そして、時短大当たりや通常の大当たりと同様の大当たり制御を行うため、ステップS116の処理に進む。
【0093】
確率変動大当たりとなっていなかった場合には、今度は大当たり種類テーブルの参照結果に基づいて、時短大当たりとなったか否かを判定する(ステップS107)。時短大当たりとなった場合には、その大当たり図柄と現在の遊技状態に対して大当たり種類テーブルに登録されている時短制御が行われる特図ゲームの回数を、時短ゲームカウンタにセットする(ステップS108)。
【0094】
この時短大当たりに基づく大当たり制御が終了した後の特図ゲームでは確率変動制御が行われず、時短制御が行われることとなるため、RAM112の特別遊技状態フラグをOFFし(ステップS109)、時短状態フラグをONする(ステップS110)。また、確率変動制御が続かないこととなったため、確変継続カウンタの値を初期値の0にリセットする(ステップS111)。そして、確率変動大当たりや通常の大当たりと同様の大当たり制御を行うため、ステップS116の処理に進む。
【0095】
時短大当たりともなっていなかった場合には、今度は大当たり種類テーブルの参照結果に基づいて、通常の大当たりとなったか否かを判定する(ステップS112)。通常の大当たりとなった場合には、大当たり制御が終了した後の特図ゲームでは確率変動制御も時短制御も行われないこととなるため、RAM112の特別遊技状態フラグをOFFし(ステップS113)、時短状態フラグをOFFする(ステップS114)。また、確率変動制御が続かないこととなったため、確変継続カウンタの値を初期値の0にリセットする(ステップS115)。そして、確率変動大当たりや時短大当たりと同様の大当たり制御を行うため、ステップS116の処理に進む。
【0096】
ステップS116の処理に進むと、確率変動大当たりでも、時短大当たりでも、通常の大当たりでも共通の大当たり制御を行う。大当たり制御が行われているときに特図ゲームが行われることはなく、この大当たり制御を全て終了すると、このフローチャートの処理を終了する。
【0097】
なお、ステップS116の大当たり制御は、次のようにして行われる。まず、大当たり制御を行うための条件とするため、RAM112の特定遊技状態を示すフラグをONする。また、大当たりの発生を報知するための大当たりデモ用のコマンドを演出制御基板102に送信し、一定期間が経過すると、この最初の大当たりデモ演出を終了させるためのコマンドを演出制御基板102に送信する。
【0098】
大当たり制御においては、断続的に最大15回大入賞口8の開放動作を行うが、その開放を行うときにラウンド数を報知するための大当たりデモ用のコマンドを送信し、大入賞口8の閉鎖を行うときに各ラウンドのデモ演出を終了させるためのコマンドを演出制御基板102に送信する。また、全ラウンドが終了すると、大当たり制御の終了を報知するための大当たりデモ用のコマンドを送信し、所定時間後にこのデモ演出を終了させるためのコマンドを演出制御基板102に送信する。そして、RAM112の特定遊技状態を示すフラグをOFFして、大当たり制御が全て終了となる。
【0099】
また、ステップS112において特図ゲームが通常の大当たりでも終了していなかった場合には、特別遊技状態を示すフラグがONされているか否かにより、このフローチャートの処理開始のトリガとなった特図ゲームが確率変動制御時に行われたものであったかを判定する(ステップS117)。特図ゲームが確率変動制御時に行われたものであった場合には、RAM112の確変ゲームカウンタの値を1だけデクリメントする(ステップS118)。
【0100】
次に、確変ゲームカウンタの値が0となったかどうか、すなわち確率変動制御が行われている状態でステップS103で設定された回数分の特図ゲームが行われ、確率変動制御の終了条件となったかどうかを判定する(ステップS119)。確変ゲームカウンタの値が0となっていなければ、確率変動制御の終了条件とはなっていないため、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0101】
確変ゲームカウンタの値が0となっていた場合には、ステップS103で設定された回数分の特図ゲームで確率変動制御が行われ、確率変動制御の終了条件となったため、RAM112の特別遊技状態フラグをOFFする(ステップS120)。また、確率変動制御が続かないこととなったため、確変継続カウンタの値を初期値の0にリセットする(ステップS121)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0102】
また、ステップS117において特図ゲームが確率変動制御時に行われたものでなかった場合には、時短状態フラグがONされているか否かにより、このフローチャートの処理開始のトリガとなった特図ゲームが時短制御時に行われたものであったかを判定する(ステップS122)。特図ゲームが時短制御時に行われたものでもなかった場合には、次の特図ゲームにおいても通常の遊技状態のまま変わらないので、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0103】
特図ゲームが時短制御時に行われたものであった場合には、RAM112の時短ゲームカウンタの値を1だけデクリメントする(ステップS123)。次に、時短ゲームカウンタの値が0となったかどうか、すなわち時短制御が行われている状態でステップS108で設定された回数分の特図ゲームが行われ、時短制御の終了条件となったかどうかを判定する(ステップS124)。時短ゲームカウンタの値が0となっていなければ、時短制御の終了条件とはなっていないため、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0104】
時短ゲームカウンタの値が0となっていた場合には、ステップS108で設定された回数分の特図ゲームで時短制御が行われ、時短制御の終了条件となったため、RAM112の時短状態フラグをOFFする(ステップS125)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0105】
以下、演出制御基板102の側で行われる処理について説明する。演出制御基板102の制御部は、遊技制御基板101から送られてくる各種のコマンドに基づく処理を行っている。図7は、演出制御基板102の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【0106】
演出制御基板102の側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS201)。コマンドを受信するまでは、ステップS201の処理を繰り返し、コマンドの受信を待機している状態にある。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS202)。
【0107】
受信したコマンドの種類が特別図柄表示用のコマンドであった場合には、そのコマンドの内容に応じて特別図柄表示部4bにおいて特別図柄を変動表示させる特図ゲームを行い、そのコマンドの内容に応じた所定の時間が経過したときに、特図ゲームの結果を表示する。ここで表示される特図ゲームの結果は、大当たりであるか否か、さらには確率変動大当たりであるか否かを遊技者に示すものである。なお、特別図柄表示用のコマンドは、遊技状態(通常の遊技状態、特別遊技状態、時短状態)に応じて内容が異なるので、特図ゲームとして行われる内容及び実行時間も遊技状態に応じたものとなる(ステップS203)。そして、ステップS201の処理に戻る。
【0108】
受信したコマンドの種類が普通図柄表示用のコマンドであった場合には、そのコマンドの内容に応じて普通図柄表示部4cにおいて普通図柄を変動表示させる普図ゲームを行い、そのコマンドの内容に応じた所定の時間が経過したときに、普図ゲームの結果を表示する(ステップS204)。そして、ステップS201の処理に戻る。
【0109】
受信したコマンドの種類が大当たりデモ用のコマンドであった場合には、そのコマンドの内容に応じて特別図柄表示部4bにおいて大当たりデモ演出を行う(ステップS205)。そして、ステップS201の処理に戻る。受信したコマンドの種類が大当たりデモ終了用のコマンドであった場合には、現在特別図柄表示部4bにおいて行われている大当たりデモ演出を終了させる(ステップS206)。そして、ステップ201の処理に戻る。
【0110】
受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS207)。その後、ステップS201の処理に戻る。
【0111】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において、遊技状態(通常の遊技状態、特定遊技状態、特別遊技状態及び時短状態)がどのように遷移するかについて、具体的な例に基づいて説明する。なお、以下の3つのタイミングチャートに基づく具体例においては、遊技球が一定時間間隔で遊技領域に打ち出されるものとし、遊技球が通過ゲート7a、7bを通過して普図ゲームが行われる割合も一定であり、遊技球が特別図柄始動口5を通過して特図ゲームが行われる割合も一定である(但し、時短状態か否かによって異なる)ものとして説明する。
【0112】
図8は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技状態の遷移の第1の例を示すタイミングチャートである。この例では、まずタイミングt0において確率変動大当たりが発生したものとする。この大当たりの発生によりタイミングt0では、特別遊技状態フラグがONとなって確率変動制御が行われ、確変ゲームカウンタに10000がセットされる。ここで確変継続カウンタの値が1となる。また、特定遊技状態フラグもONとなって大当たり制御が行われる。
【0113】
次に、タイミングt1において、タイミングt0で発生した確率変動大当たりの大当たり制御が終了したものとすると、ここで特定遊技状態フラグがOFFとなって大当たり制御が終了する。タイミングt1からは、確率変動制御が行われている状態で一定の間隔で特図ゲームが終了していくこととなるので、確変ゲームカウンタの値が順に減少していく。
【0114】
次に、タイミングt2において、確率変動制御が行われている状態であり、ここで時短大当たりが発生したものとする(このタイミングで通常の大当たりは発生し得ない)。この時短大当たりの発生により、特別遊技状態フラグがOFFされると共に時短状態フラグがONされ、時短ゲームカウンタに100がセットされる。ここで確変継続カウンタの値が0にリセットされる。また、特定遊技状態フラグがONとなって大当たり制御が行われる。
【0115】
次に、タイミングt3において、タイミングt2で発生した時短大当たりの大当たり制御が終了したものとすると、ここで特定遊技状態フラグがOFFとなって大当たり制御が終了する。タイミングt3からは、時短制御が行われている状態で一定の間隔で特図ゲームが終了していくこととなるので、時短ゲームカウンタの値が順に減少していく。そして、タイミングt4において、大当たりが発生することなく時短ゲームカウンタの値が0となると、時短状態フラグがOFFされ、通常の遊技状態に戻る。
【0116】
以後、通常の遊技状態で遊技を進行していき、タイミングt5において、確率変動制御が行われていない状態であり、ここでは通常の大当たりが発生したものとする(このタイミングで時短大当たりは発生し得ない)。この通常の大当たりの発生により、特定遊技状態フラグがONとなって大当たり制御が行われる。もっとも、特定遊技状態フラグも時短フラグもOFFされたままであり、タイミングt6において大当たり制御が終了したものとしても、以降の特図ゲームでは確率変動制御も時短制御もされない通常の遊技状態で遊技が進行していくこととなる。
【0117】
図9は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技状態の遷移の第2の例を示すタイミングチャートである。この例では、まずタイミングt0において確率変動大当たりが発生したものとする。この大当たりの発生によりタイミングt0では、特別遊技状態フラグがONとなって確率変動制御が行われ、確変ゲームカウンタに10000がセットされる。ここで確変継続カウンタの値が1となる。タイミングt1において、大当たり制御が終了すると、ここからは確率変動制御が行われている状態で一定の間隔で特図ゲームが終了していくこととなるので、確変ゲームカウンタの値が順に減少していく。
【0118】
次に、確率変動制御が行われている状態のタイミングt2において、さらに確率変動大当たりが発生したものとする。これにより、確変ゲームカウンタに改めて10000がセットされると共に、確変継続カウンタの値が2となる。タイミングt3において大当たり制御が終了するが、確率変動制御が行われている状態のタイミングt4において、さらに確率変動大当たりが発生したものとすると、確変継続カウンタの値が3となる。同様に、タイミングt6において発生した確率変動大当たりにより確変継続カウンタの値が4となり、タイミングt8において発生した確率変動大当たりにより確変継続カウンタの値が5となる。
【0119】
次に、タイミングt10において再び大当たりが発生するが、ここでは確変継続カウンタの値が5となっているため、図4の大当たり種類テーブルを参照すると時短大当たりしか発生し得ない。この時短大当たりの発生により、特別遊技状態フラグがOFFされ、時短状態フラグがONされると共に、時短ゲームカウンタに100がセットされ、確変継続カウンタの値が0にリセットされる。また、特定遊技状態フラグもONされて大当たり制御が行われる。そして、タイミングt11において、タイミングt10で発生した時短大当たりの大当たり制御が終了すると、特定遊技状態フラグがOFFされ、ここから特図ゲームの実行により時短ゲームカウンタの値が順に減少していくこととなる。
【0120】
図10は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技状態の遷移の第3の例を示すタイミングチャートである。この例では、まずタイミングt0において確率変動大当たりが発生したものとする。この大当たりの発生によりタイミングt0では、特別遊技状態フラグがONとなって確率変動制御が行われ、確変ゲームカウンタに10000がセットされる。ここで確変継続カウンタの値が1となる。タイミングt1において、大当たり制御が終了すると、ここからは確率変動制御が行われている状態で一定の間隔で特図ゲームが終了していくこととなるので、確変ゲームカウンタの値が順に減少していく。
【0121】
次に、確率変動制御が行われているタイミングt2において、時短大当たりが発生したものとすると(ここでは通常の大当たりは発生し得ない)、特別遊技状態フラグがOFFされ、時短状態フラグがONされると共に、時短ゲームカウンタに100がセットされる。確変継続カウンタの値は0にリセットされる。特定遊技状態フラグもONされて大当たり制御が行われるが、大当たり制御が終了して特定遊技状態フラグがOFFされたタイミングt3からは、特図ゲームの実行により時短ゲームカウンタの値が順に減少していくこととなる。
【0122】
次に、時短制御が行われているタイミングt4において、再び確率変動大当たりが発生したものとすると、特別遊技状態フラグがONされ、時短状態フラグがOFFされると共に、確変ゲームカウンタに10000がセットされる。確変継続カウンタの値は1となる。特定遊技状態フラグもONされて大当たり制御が行われるが、大当たり制御が終了して特定遊技状態フラグがOFFされたタイミングt5からは、特図ゲームの実行により確変ゲームカウンタの値が順に減少していくこととなる。
【0123】
さらに、確率変動制御が行われているタイミングt6において、時短大当たりが発生したものとすると(ここでは通常の大当たりは発生し得ない)、特別遊技状態フラグがOFFされ、時短状態フラグがONされると共に、時短ゲームカウンタに100がセットされる。確変継続カウンタの値は0にリセットされる。特定遊技状態フラグもONされて大当たり制御が行われるが、大当たり制御が終了して特定遊技状態フラグがOFFされたタイミングt7からは、特図ゲームの実行により時短ゲームカウンタの値が順に減少していくこととなる。
【0124】
そして、時短ゲームカウンタの値が0になる前で時短制御が行われているタイミングt8において、通常の大当たりが発生したものとする(ここでは時短大当たりは発生し得ない)。これにより、時短状態フラグがOFFされる。特定遊技状態フラグがONされるので、大当たり制御が行われることとなるが、大当たり制御が終了して特定状態フラグがOFFされるタイミングt9からは、確率変動制御も時短制御も行われない通常の遊技状態で、遊技が進行していくこととなる。
【0125】
なお、図8から図10のタイミングチャートに示すように、CPU111により生成され、情報出力回路140から出力可能となる確変情報と時短情報とは、それぞれ特別遊技状態フラグがONになっているときと、時短状態フラグがONになっているときとで、ONの状態となっている。
【0126】
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、通常の大当たりと確率変動大当たりに加えて、時短大当たりを用意している。それぞれの大当たりについて、大当たり制御が終了した後は、通常の遊技状態、特図ゲームの大当たり確率が高められる特別遊技状態(特別確率変動状態)、或いは特図ゲームにおける変動表示時間が短縮される時短状態のいずれかに遊技状態が制御される。このように遊技状態の移行を伴う大当たりとして確率変動大当たりの他に時短大当たりを加えたことで、遊技状態が多彩に遷移されるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0127】
また、確率変動大当たりは、特別図柄表示部4bに奇数図柄が揃って停止することで発生するが、偶数図柄が揃って停止しても、その図柄の種類によっては、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な時短状態に遊技状態が制御されるので、遊技者に通常よりも価値の高い遊技状態となることへの期待感を向上させることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。特に偶数図柄が揃って停止しても時短大当たりが発生するのは、現在の遊技状態が特図ゲームの確率変動制御が行われている特別遊技状態にあるときなので、確率変動制御が行われているときにおける遊技者の期待感をさらに向上させることができる。
【0128】
また、大当たりの種類は、特図ゲームの結果として特別図柄表示部4bに導出表示された図柄の種類によって示されるので、どの種類の大当たりとなったかが遊技者にとって分かり易いものとなる。特に奇数図柄が導出表示された場合には必ず確率変動大当たりとなるので、確率変動大当たりの発生は特に分かり易いものとなる。
【0129】
ところで、時短大当たりの発生によって、時短制御が行われる特図ゲームの回数は、所定の回数(100回)に限られている。これによって、確率変動大当たりが発生しなかったときに、次に遷移される遊技状態が遊技者にとって極端に有利なものとなることを防ぐことができる。確率変動大当たりの発生によって、確率変動制御が行われる特図ゲームの回数も、所定の回数(10000回)に限られている。このように時短大当たり後の時短制御と、確率変動大当たり後の確率変動制御とで終了条件を異なるものとしたことにより、遊技状態の遷移が多彩になり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0130】
もっとも、確率変動制御時における大当たりの発生確率は70分の1程度であるため、新たな大当たりが発生せずに確率変動制御の終了となってしまうことは、実際上はほとんど発生しないので、確率変動大当たりに対する遊技者の期待感を下げてしまうことがない。
【0131】
また、確率変動制御の継続回数も所定の回数(5回)に限られており、しかも確率変動制御の継続回数が5回に達した場合は、確率変動制御の終了に続けて時短制御が開始されることがない。これによっても、遊技状態の遷移が遊技者にとって極端に有利なものとなることを防ぐことができる。このため、徒に遊技者の射幸心を煽ることを防ぐことができると共に、遊技者にとって極端な利益が得られることがないので、遊技者が得られる利益と遊技店側が得られる利益とのバランスを図ることができる。
【0132】
また、特図ゲームの結果として大当たりが発生する場合に、いずれの種類の大当たりが発生するかは、図4の大当たり種類テーブルを参照して、現在の遊技状態と特図ゲームの結果との関係に従って決められる。大当たり種類テーブルは、基本回路110のROM113に記憶され、これによってパチンコ遊技機1における遊技状態の遷移を決定づけるものである。ここで、大当たり種類テーブルの内容だけを図4と異なるものとしただけでも(例えば、後述する変形例のように)、遊技状態の遷移のされ方が異なるものとなり、遊技性が違うパチンコ遊技機を構成できる。図4に示したような大当たり種類テーブルを適用することで、機種の改良や新機種の開発といったことを容易に行えるようになる。
【0133】
また、電動チューリップ型役物6の開放態様には、特別態様と非特別態様とがあるが、特別図柄始動口5への遊技球の通過がより容易になっている特別態様は、確率変動制御時と時短制御時とにしか発生しない。このため、確率変動制御を行わせる確率変動大当たりと時短制御を行わせる時短大当たりの発生に対して、遊技者の期待感をさらに向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、確率変動制御時と時短制御時とで電動チューリップ型役物6の開放動作が同じように制御されるため、時短制御時にも確率変動制御時と同じような期待感を遊技者に与えることができる。
【0134】
さらに、確率変動大当たりの発生に基づいて確率変動制御が行われている特別遊技状態と、時短大当たりの発生に基づいて時短制御が行われている時短状態とは、RAM112のフラグがONされることによって示されるが、これらのフラグの状態に基づいてCPU111が確変情報と時短情報とを制御信号として生成して、情報出力回路140から外部に取り出すことが可能となっている。これを外部に出力して利用することによって、特別遊技状態や時短状態に遷移されていることを外部からも把握することが可能となる。
【0135】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0136】
上記の実施の形態では、普図ゲームにおける普通図柄として「◎」と「×」の2種類を設けていたが、これに限るものではない。可変表示部4とは別の専用の表示器を用いて、普図ゲームを行ってもよい。また、特図ゲームにおける特別図柄として「0」〜「9」までの10種類の数字が、左、中及び右の3つの可変表示部で変動表示され、同じ数字が揃うことで大当たりとなるものとしていた。そして、確率変動大当たりであるか、時短大当たりまたは通常の大当たりであるは、図4の大当たり種類テーブルに従って、特別図柄の種類が偶数か奇数かによって示されるものとしていた。しかしながら、特別図柄の構成や大当たりの種類の区別の方法は、これに限るものではない。
【0137】
例えば、図11(a)に示すように、「0」〜「9」までの10種類の数字でなる左、中及び右の3つの特別図柄401L、401C、401Rと、赤、青及び緑の色の変化で変動表示される確変判定用図柄402(特別図柄の一種)とが特別図柄表示部4bで変動表示されるものとしてもよい。特別図柄401L、401C、401Rが同じ数字で揃うと大当たりとなるが、確率変動大当たりであるか時短大当たりであるは、図11(b)に示すように、特別図柄401L、401C、401Rの種類と確変判定用図柄402との組み合わせ態様によって示される。これにより、特図ゲームの結果と付与される遊技価値との関係を単調なものとせず、遊技の興趣を向上させることができる。
【0138】
上記の実施の形態では、特図ゲームにおいて表示された結果は、単にハズレか大当たりかを示すだけでなく、大当たりである場合に確率変動大当たりであるか時短大当たりであるかをも示すものとしていた。これに対して、特図ゲームにおいて表示された結果は、単にハズレか大当たりかの違いだけをを示すものとしてもよい。この場合においても、確率変動制御と時短制御のいずれかを行うかについては、特図ゲームの結果を決定するための抽選と実質的に同じタイミングで抽選されて、決定される。
【0139】
この確率変動制御と時短制御のいずれかを行うことを決定するための抽選も、遊技制御基板101の側のCPU111が所定の乱数を抽出することにより行うものとすることができる。この抽選の結果に従って、CPU111によりRAM112の特別遊技状態を示すフラグまたは時短状態を示すフラグがONされることとなる。確率変動制御と時短制御のいずれかを行うことについての抽選結果は、特定遊技状態を示すフラグまたは時短状態を示すフラグがONとなり、大当たり制御が行われている間の任意のタイミングにおいて遊技者に報知するものとしてもよい。確率変動制御を行う場合には、この間に予め定められた特定の態様での報知がなされる(時短制御を行う場合には、特定の態様以外で報知を行うか、全く報知を行わないものとしてもよい)。
【0140】
大当たり制御が行われている間に特図ゲームが開始することはないので、大当たり制御が終了した後の処理は、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1と全く同じに行うことができ、同様の効果を得ることができる。また、確率変動大当たりが報知されるタイミングが遅くなるため、遊技者の期待感の持続という点でさらに大きな効果が得られる。なお、抽選の結果として確率変動制御を行うことが決定されたこと(及び時短制御を行うことが決定されたこと)の報知は、例えば、大当たり制御時の大当たりデモ画面(大当たりの発生を報知するためのデモ演出と、大当たりのラウンド数などを報知するためのデモ演出と、大当たり制御の終了を報知するためのデモ演出)において行うことができる。また、確率変動制御を行うか時短制御を行うかについては、完全に内部の回路だけで制御するものとし、遊技者には全く報知しないようにすることもできる。
【0141】
このように確率変動制御を行うか時短制御を行うかを、特図ゲームとは別の抽選で決定し、特図ゲームの結果が表示されるのとは別のタイミングで報知する場合には、図4に示したような大当たり種類テーブルは、現在の遊技状態と大当たり図柄の種類との組み合わせに対応して、大当たりの種類及び当該大当たりの種類に基づく遊技状態の終了条件を登録するのではなく、現在の遊技状態とデモ演出のときなどにおける報知結果との組み合わせに対応して、大当たりの種類及び当該大当たりの種類に基づく遊技状態の終了条件を登録するものとすればよい。そして、このような大当たり種類テーブルが、確率変動制御と時短制御のいずれを行うかの抽選を行うときに参照されるものとなる。
【0142】
上記の実施の形態では、確率変動大当たりによって特図ゲームについて確率変動制御を行うものとし、時短大当たりによって特図ゲームについて時短制御を行うものとしていた。これに対して、確率変動大当たりにより特図ゲームに加えて普図ゲームについても確率変動制御を行うものとしてもよい。さらに、時短大当たりにより特図ゲームに加えて普図ゲームについても時短制御を行うものとしてもよい。
【0143】
上記の実施の形態では、遊技状態を遷移させるために、RAM112に特定遊技状態を示すフラグ、特別遊技状態を示すフラグ及び時短状態を示すフラグを設け、確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタを設けるものとしていが、確率変動制御が行われているか時短制御が行われているかは、それぞれのフラグの状態で示されるものとしていた。もっとも、特別遊技状態を示すフラグ及び時短状態を示すフラグは、対応するカウンタによって兼用されるものとすることができ、それぞれのカウンタの値が0であれば、確率変動制御や時短制御が行われていない状態を意味するものとすることができる。
【0144】
上記の実施の形態では、大当たり制御としてデモ演出を行うものとしていたが、このデモ演出の内容は、大当たりの種類(確率変動大当たり、時短大当たりまたは通常の大当たり)によらず同じものとしていた。これに対して、大当たり制御が終了した後の遊技状態に応じて異なる内容のデモ演出を行ってもよい。これは、CPU111により大当たりデモ用のコマンドの内容を異なるものとすることで実現できる。また、演出制御基板102の制御部が特別図柄表示用のコマンドの内容により大当たりの種類を判断することでも実現することができる。特に大当たり制御の終了を報知するためのデモ演出は、このように内容を異なるものとするのが好ましい。
【0145】
上記の実施の形態では、確率変動制御が行われていないときの大当たりが確率変動大当たりでなければ、通常の大当たりとなってしまい、大当たり制御が終了した後に遊技者に有利な遊技状態となることはなかった。これに対して、図12の大当たり種類テーブルに示すように、現在の遊技状態に関わらず、大当たりは確率変動大当たりか時短大当たりかのいずれかにするようにしてもよい。これにより、遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0146】
また、図12の大当たり種類テーブルでは、確率変動制御が行われているときに発生した時短大当たりは、その後に時短制御が行われる特図ゲームの回数を100回としているが、それ以外のときに発生した時短大当たりは、その後に時短制御が行われる特図ゲームの回数を30回としている。このように時短制御の終了条件を複数種類設けることで、遊技状態の遷移が多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、図12の大当たり種類テーブルを適用すると、ステップS112の判定結果は必ずNOとなり、ステップS113〜S115の処理は全く行われないものとなる。
【0147】
また、図13の大当たり種類テーブルに示すように、図柄の種類によって時短制御が行われる特図ゲームの回数が異なるものとなるようにしてもよい。確率変動制御が行われる特図ゲームの回数も、現在の遊技状態や大当たり図柄の種類によって複数種類設けてもよい。確率変動制御の終了条件として複数種類のものがあり、時短制御の終了条件として複数種類のものがある場合であっても、少なくとも終了条件の一部の種類は互いに異なるものとする方が、遊技状態の遷移を多彩にするという観点から好ましい。さらに、現在の遊技状態と大当たり図柄の種類によっては、大当たり制御後に有利な遊技状態とならない通常の大当たりとなる場合を含んでいてもよい。
【0148】
上記の実施の形態では、確率変動大当たりには、その後に確率変動制御が行われる特図ゲームの回数が10000回、時短大当たりには、その後に時短制御が行われる特図ゲームの回数が100回と、有利な遊技状態に制御される回数に制限が付けられていた。これに対して、図14の大当たり種類テーブルに示すように、単に大当たりの種類として確率変動大当たりとするか時短大当たりとするかだけをフラグによって示すものとし、確率変動制御や時短制御が行われる回数に制限を設けず、次の大当たりの発生まで継続させるようにしてもよい。
【0149】
これにより、大当たりが発生しないまま有利な遊技状態が終了してしまうことがなく、遊技者に不満を感じさせることがなくなる。なお、確率変動大当たりまたは時短大当たりのいずれか一方にだけ、確率変動制御または時短制御が行われる回数に制限を設けないものとしてもよい。例えば、図15の大当たり種類テーブルでは、確率変動大当たりはフラグで示して、確率変動大当たりが行われる回数には制限を設けないようにしているが、時短制御が行われる回数が数値で示されて、制限されるようになっている。また、図14の大当たり種類テーブルでは、現在の遊技状態と大当たり図柄の種類とによっては、有利な遊技状態に移行しない通常の大当たりとなる場合もあるが、大当たりの場合には必ず確率変動大当たりまたは時短大当たりのいずれかになるようにしてもよい。
【0150】
上記の実施の形態では、確率変動大当たりには、その後に確率変動制御が行われる特図ゲームの回数が10000回と、理論的には回数の区切りがあっても、確率変動時における大当たり確率を考えると、実質上は回数の区切りがないに等しいものであった。これに対して、図16の大当たり種類テーブルに示すように、確率変動大当たりに基づく確率変動制御が行われる特図ゲームの回数も100回に制限して、実質上の回数の区切りを設けてもよい。
【0151】
これにより、通常の遊技状態、時短状態、及び特別遊技状態(特別確率変動状態)という三者間で遊技状態が遷移される頻度が多くなり、遊技状態の遷移が多彩なものとなる。このため、遊技内容の変化を大きくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、図16の大当たり種類テーブルでは、確率変動制御の終了条件となる特図ゲームの回数と時短制御の終了条件となる特図ゲームの回数とに違いが設けられているため、遊技状態の遷移が多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当たりが発生するよりも先に特図ゲームの回数で特別遊技状態または時短状態の終了条件が成立することがあり、確率変動大当たりや時短大当たりによって遊技者に付与される価値を、通常の大当たりに比べて極端に大きなものとすることがない。
【0152】
上記の実施の形態では、確率変動制御が行われているときに発生した大当たりは、確率変動大当たりでなければ必ず時短大当たりとなるものとしていた(図12〜図16の変形例の大当たり種類テーブルでも)。これにより、確率変動制御が行われているときにおける遊技者の期待感をより高めさせるものとしていた。これに対して、確率変動大当たりとならない大当たりとして時短大当たりを発生させるのは、現在の遊技状態が確率変動状態にないときとするものとしてもよい。現在の遊技状態が時短状態にあるときも、確率変動大当たりとならない大当たりとして時短大当たりを発生させないものとしてもよい。これにより、徒に遊技者の射幸心を煽ることを抑えることができ、また、遊技者に特に有利な状態を発生させないので、遊技者側と遊技店側との利益の調和を図ることができる。
【0153】
上記の実施の形態では、確率変動制御や時短制御は、設定された回数分の特図ゲームが消化されなくても、新たな大当たりが発生することによって終了していた。この場合、残り特図ゲームの回数分だけ損をしたと遊技者に感じさせてしまう恐れもある。そこで、例えば、時短制御が行われる特図ゲームの残り回数として20回あるときに確率変動大当たりが発生した場合は、その残り回数分を確率変動大当たり後の確率変動制御が行われる最大ゲーム数に加算するものとしてもよい。また、その逆の場合の可能である。これにより、残り回数分の不満を遊技者に感じさせなくて済むようになる。このような制御は、特に図16の大当たり種類テーブルに示したように、全ての有利な遊技状態に実質的な回数の制限が付けられているときに特に有効である。
【0154】
上記の実施の形態では、大当たりの種類には、通常の大当たりの他に確率変動大当たりと時短大当たりとがあったが、確率変動大当たりに基づく確率変動制御や時短大当たりに基づく時短制御は、いずれも特図ゲームについてのみ行われるものであった。これに対して、時短大当たりが発生した場合には、特図ゲームだけでなく普図ゲームについても変動表示の時間を短縮させる時短制御を行う時短状態に、遊技状態を移行させるものとすることができる。普図ゲームについてのみ変動表示の時間を短縮させる時短制御を行うものとすることもできる。なお、普図ゲームの時短制御を行う場合は、時短状態(普通時短状態)であるか否かによって、CPU111により生成され、遊技制御基板101から演出制御基板102へと伝送される普通図柄表示用のコマンドの内容を、時短状態には異なる内容のものとすればよい。
【0155】
このように普図ゲームのみについて変動表示の時間を短縮させる時短制御を行う場合には、上記の実施の形態と同様に特図ゲームの回数が大当たり種類テーブルに従って決められる所定回数に達することで、その終了条件が成立するものとしてもよいが、普図ゲームの回数が所定回数(例えば、300回)に達することで、その終了条件が成立するものとしてもよい。この場合、大当たり種類テーブルには、時短制御が行われる回数として普図ゲームの最大回数が登録され、図6のステップS109では、大当たり種類テーブルに登録されている普図ゲームの最大回数が、時短ゲームカウンタにセットされることとなる。
【0156】
また、図6ステップS117において特別遊技状態フラグがOFFされていて、特図ゲームにおいて確率変動制御が行われていなかったと判定されると、ここでは普図ゲームの回数をカウントする必要はないため、そのまま図6のフローチャートの処理を終了するものとなる。ステップS122〜S125の処理は行われない。その代わり、遊技状態を制御するために、普図ゲームの終了時において、図17のフローチャートに示す処理を実行する必要がある。
【0157】
普図ゲームが終了したことを認識すると(演出制御基板102に送信した普通図柄表示用のコマンドに基づいてタイミング制御を行うことで認識可能)、時短状態を示すフラグがONされているか否かにより、このフローチャートの処理開始のトリガとなった普図ゲームが普通時短状態において行われたものであるかを判定する(ステップS301)。普図ゲームが普通時短状態において行われたものでもなかった場合には、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0158】
普図ゲームが普通時短状態において行われたものであった場合には、RAM112の時短ゲームカウンタの値を1だけデクリメントする(ステップS302)。次に、時短ゲームカウンタの値が0となったかどうか、すなわち時短制御が行われている状態でステップS108で設定された回数分の普図ゲームが行われ、時短制御の終了条件となったかどうかを判定する(ステップS303)。時短ゲームカウンタの値が0となっていなければ、時短制御の終了条件とはなっていないため、そのままこのフローチャートの処理を終了する。
【0159】
時短ゲームカウンタの値が0となっていた場合には、ステップS108で設定された回数分の普図ゲームで時短制御が行われ、時短制御の終了条件となったため、RAM112の時短状態フラグをOFFする(ステップS304)。そして、このフローチャートの処理を終了する。このように普図ゲームの時短制御の終了条件を、当該時短制御が行われた普図ゲームの回数によるものとすることで、時短制御の終了条件が分かり易くなる。また、特図ゲームの確率変動状態の終了条件と普図ゲームの時短状態の終了条件とが全く異なるものとなり、遊技の進行に幅を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0160】
また、時短制御を行う対象を普図ゲームのみとした場合であっても、普図ゲームの結果が表示される平均時間間隔が短くなる(小当たりが結果として表示される平均時間間隔も短くなる)。このような普通時短状態でも、電動チューリップ型役物6が開放状態となる機会が増え、特別図柄始動口5へ遊技球が通過し易くなり、特図ゲームが行われる頻度を増やすことができるという遊技者にとって有利な遊技状態を作り出すことができる。これにより、確率変動大当たり以外の大当たりでも、普通時短大当たりとなれば通常の遊技状態とは異なる遊技状態に遷移させることができ、多彩な遊技状態の遷移によって遊技の興趣を向上させることができる。
【0161】
さらに、普図ゲームの変動表示時間を短縮する普通時短状態へ遊技状態を制御する以外にも、次に示すように遊技状態を制御することによっても、普通時短状態への遊技状態の制御を行う場合とほぼ同様の効果を得ることができる。なお、上記の実施の形態において情報出力回路140から出力可能となる時短情報と同様に、次に示すような遊技状態を示す情報についても制御信号としてCPU111により生成し、出力可能とすることができる。
【0162】
例えば、大当たりの種類として、特図ゲームの確率変動制御を行う特別確率変動大当たりの他に、普図ゲームの確率変動制御(普図ゲームの抽選において小当たりが決定される確率を高くするもの)を行う遊技状態に移行する普通確率変動大当たりを発生させることができる。この期間も、特図ゲームの所定回数に限ることができる。この場合にも、電動チューリップ型役物6が開放状態となる機会が増えるので、特別図柄始動口5への遊技球の通過が容易となるものである。
【0163】
また、特図ゲームの確率変動制御を行う特別確率変動大当たりの他に、普図ゲームの結果として小当たりが表示された場合に電動チューリップ型役物6を特別態様で開放させる遊技状態(この遊技状態以外では、電動チューリップ型役物6は非特別態様のみで開放され、特別態様で開放されない)に移行する普通開放大当たりを発生させることもできる。この期間も、特図ゲームの所定回数に限ることができる。この場合には、電動チューリップ型役物6が開放状態となる機会そのものは増えないが、1回の小当たりでの開放時間、開放回数または開放度合いが大きくなるので、特別図柄始動口5への遊技球の通過が容易となるものである。
【0164】
このような変形例の普図ゲームの時短制御を行う遊技状態(普通時短状態)、普図ゲームの確率変動を行う遊技状態(普通確率変動状態)、電動チューリップ型役物6を特別態様で開放する遊技状態(普通開放遊技状態)は、任意に組み合わせることができる(この3つの遊技状態及びその組み合わせによる遊技状態をまとめて普通有利状態という)さらに、上記の実施の形態で示した特図ゲームの時短制御を行う遊技状態(特別時短状態)とも組み合わせることができる。これらを任意に組み合わせた有利な遊技状態を移行させる大当たりを、特別図柄の確率変動制御に移行させる大当たりの他に発生させることできる。これにより、遊技状態が多彩に遷移され、遊技の興趣が向上される。
【0165】
なお、これら変形例に示した普通有利状態に遊技状態を制御するための大当たりを発生させる場合や、発生した大当たりに基づく普通有利状態の終了条件も、上記の実施の形態(及びその変形例)における時短大当たりと同様に、大当たり種類テーブルに従って様々な種類のものを適用することができる。上記した大当たり種類テーブルについて、時短回数を普通有利状態の回数として読み替えればよい。
【0166】
例えば、図4に示した大当たり種類テーブルを適用した場合は、特図ゲームの確率変動制御が行われる(すなわち、特別確率変動状態に制御される)特図ゲームの回数は、10000回となるが、普図ゲームの普通有利状態(普通時短状態、普通確率変動状態または普通開放遊技状態、もしくはこれらの組み合わせ)に制御される回数は、100回となり、その終了条件が異なるものとなる。図15または図16に示した大当たり種類テーブルを適用した場合も、特別確率変動状態に制御された場合と普通有利状態に制御された場合とで、その終了条件が異なるものとなる。このように、それぞれの遊技状態に異なる終了条件を適用することで、多彩な遊技状態の遷移が可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。特に図16に示した大当たり種類テーブルを適用した場合には、特別確率変動状態にも普通有利状態にも、特図ゲームの回数による終了条件として実質的な制限が付けらる。このため、大当たり制御によって遊技者に付与する価値以外に、遊技者に付与する遊技価値が大きくなりすぎることがない。
【0167】
また、図12または図13に示した大当たり種類テーブルを適用した場合は、特図ゲームにおいて大当たりが発生した場合には、その大当たり図柄の種類に応じて特別確率変動状態と普通有利状態とのどちらか一方に必ず制御されるものとなる。それぞれの遊技状態の終了条件も異なるものとなる。これにより、大当たり制御の終了後に必ず有利な遊技状態に移行するので、遊技者に付与する価値を高くすることができる。一方、期間の制限された普通有利状態程度であれば、遊技者が一方的に有利となるような遊技状態が続くこともなく、遊技者の利益と遊技店の利益とのバランスを図ることができる。
【0168】
普通有利状態に遊技状態を制御するための大当たりが発生しないときに特図ゲームについての確率変動大当たりを発生させる場合や、発生した確率変動大当たりに基づく確率変動制御の終了条件も、上記の実施の形態(及びその変形例)と同様に、様々なものを適用することができる。もっとも、普通有利状態における制御は、特別遊技状態フラグまたは時短状態フラグ(ここでは、これに対応する遊技状態を意味する)がONされていれば、特定遊技状態フラグがONされている期間においても行うことができる。すなわち、特図ゲームの大当たりに基づく大当たり制御が終了する前であっても、普図ゲームについて普通有利状態による制御を行うことが可能となる。
【0169】
以上示したように、特図ゲームについての時短状態への制御に変えて、普図ゲームについての普通有利状態への制御を伴う大当たりを、特図ゲームについて確率変動制御を行う確率変動大当たりの他に用意することで、大当たりの種類毎の価値の大きさの違いのギャップを少なくすることができる。これにより、遊技者の期待感を段階的に高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0170】
上記の実施の形態では、特図ゲーム、普図ゲーム共に保留記憶は4つまでとなっていたが、保留記憶の数が4つに達していると、特図ゲーム及び普図ゲームに関して時短制御を行うパチンコ遊技機もある。このようなパチンコ遊技機では、普通図柄の時短制御、確率変動制御或いは電動チューリップ型役物6の特別状態での開放を行うことによって、特別図柄始動口5を遊技球が通過し易くなるので、特図ゲームの保留記憶が4個に達する機会が増えることとなる。これにより、特図ゲームについて保留記憶の数に応じた時短制御が行われる機会が増えることで、さらに有利な遊技状態が作り出されるものとなる。
【0171】
また、このように保留記憶の数に応じて特図ゲームおよび/またはの時短制御を行う機能を備えたパチンコ遊技機では、普図ゲームの時短制御を必ず行うものではないが、例えば、時短制御が行われる保留記憶の数の条件を4個から2個に変更して、実質的に普図ゲームの時短制御が行われやすくする遊技状態に制御することができる。特図ゲームの時短制御が行われる保留記憶の数の条件についても、同様に変更することができる。
【0172】
上記の実施の形態では、特図ゲームにおける確率変動制御の継続回数は固定されていることを前提に説明したが、この回数についても可変とすることができる。この回数は、CPU111による別途の抽選で決定したり、最初の確率変動大当たりとなる場合の特図ゲームの結果として表示された特別図柄の種類に基づいてテーブルを参照した結果から、決定することができる。これによっても、遊技状態が遷移される態様がさらに多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0173】
上記の実施の形態では、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明したが、画像表示装置を有するものであれば、例えば第2種或いは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、またはパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であってもよい。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機(CR機)だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機(現金機)にも適用可能である。
【0174】
さらには、パチンコ遊技機の動作をシミュレーションするゲーム機等に本発明を適用することができる。上記の実施の形態のパチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機では、ゲーム機のCPUが所定のプログラムを実行することにより、上記した遊技機の動きをシミュレーションし、その結果として特別図柄始動口5を通過したと判別したときに、上記と同様の抽選を行い、図柄を変動表示させることができる。このゲーム機のプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納したり、Web上のサーバ装置からゲーム機にダウンロードさせるものとして、ゲーム機とは別に流通させることができる。
【0175】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、特別確率変動状態へも普通時短状態へも遊技状態を制御することが可能なので、遊技状態の遷移が多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当たりの種類毎の価値のギャップを少なくすることができる。
【0176】
請求項2の発明によれば、特別確率変動状態へも普通確率変動状態へも遊技状態を制御することが可能なので、遊技状態の遷移が多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当たりの種類毎の価値のギャップを少なくすることができる。
【0177】
請求項3の発明によれば、特別確率変動状態へも特別態様状態へも遊技状態を制御することが可能なので、遊技状態の遷移が多彩なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、大当たりの種類毎の価値のギャップを少なくすることができる。
【0178】
請求項4の発明によれば、可変表示手段における変動表示の表示結果により、特別確率変動状態または普通有利状態の発生を分かり易く示すことができる。
【0179】
請求項5の発明によれば、遊技状態記憶手段の変更だけで遊技状態の終了条件が変えられ、機種の改良や開発が容易になる。
【0180】
請求項6の発明によれば、特別確率変動状態や普通有利状態の報知のタイミングが特定遊技状態の報知のタイミングよりも遅れるため、特定遊技状態に加えられる価値について遊技者の期待感を持続させることができる。
【0181】
請求項7の発明によれば、特別確率変動状態と普通有利状態の終了条件が互いに異なることから、遊技状態の遷移がより多彩に行われる。
【0182】
請求項8の発明によれば、極端に遊技者に有利な遊技状態に遷移されることを防ぐことができるので、徒に遊技者の射幸心を煽ることがなく、遊技者が得られる利益と遊技店側が得られる利益とのバランスを図ることができる。
【0183】
請求項9の発明によれば、遊技状態が特別確率変動状態や普通有利状態に遷移されていることを、外部から把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】図1のパチンコ遊技機のガラス扉(前面扉)の背面側の構造を示す図である。
【図3】図1のパチンコ遊技機の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】大当たりの種類を決定するための大当たり種類テーブルを示す図である。
【図5】(a)は、遊技制御基板の基本回路内のCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートであり、(b)は、タイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
【図6】遊技制御基板の制御部が特図ゲームの終了時において遊技状態を制御するために実行する処理を示すフローチャートである。
【図7】演出制御基板の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機における遊技状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機における遊技状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機における遊技状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図11】特別図柄の態様と大当たりの種類の区別についての変形例を示す図である。
【図12】大当たり種類テーブルの変形例を示す図である。
【図13】大当たり種類テーブルの変形例を示す図である。
【図14】大当たり種類テーブルの変形例を示す図である。
【図15】大当たり種類テーブルの変形例を示す図である。
【図16】大当たり種類テーブルの変形例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態の変形例で適用される遊技制御基板の制御部が普図ゲームの終了時において遊技状態を制御するために実行する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
3 可変表示装置
4 可変表示部
101 遊技制御基板
102 演出制御基板
Claims (9)
- 識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する特別可変表示手段と普通可変表示手段とを備えた遊技機において、
打球を検出する検出手段と、
打球を受け入れやすい第1の態様と打球を受け入れ難い或いは受け入れない第2の態様に変化可能であり、前記検出手段を有する可変入賞手段と、
前記検出手段によって打球の検出があったことに基づいて、前記特別可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特別可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する特別変動表示制御手段と、
前記普通可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う普通抽選手段と、
前記普通抽選手段の抽選結果に基づいて、前記普通可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する普通変動制御手段と、
前記特別図柄変動表示制御手段による変動表示の表示結果が特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態へ遊技状態を制御する第1の遊技状態制御手段と、
前記普通変動表示制御手段による変動表示の表示結果が所定の表示態様となったときに、前記可変入賞手段を前記第1の態様に制御する可変入賞制御手段と、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を高くする特別確率変動状態と、普通有利状態として、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を変化することなく、前記普通変動制御手段による前記識別情報の変動表示の時間を短縮させる普通時短状態とを制御する第2の遊技状態制御手段とを備え、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記第1の遊技状態制御手段による前記特定遊技状態への遊技状態の制御に伴って、予め定められた終了条件が成立するまで遊技状態を、前記特別確率変動状態または前記普通時短状態のいずれかに制御する
ことを特徴とする遊技機。 - 識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する特別可変表示手段と普通可変表示手段とを備えた遊技機において、
打球を検出する検出手段と、
打球を受け入れやすい第1の態様と打球を受け入れ難い或いは受け入れない第2の態様に変化可能であり、前記検出手段を有する可変入賞手段と、
前記検出手段によって打球の検出があったことに基づいて、前記特別可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特別可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する特別変動表示制御手段と、
前記普通可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う普通抽選手段と、
前記普通抽選手段の抽選結果に基づいて、前記普通可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する普通変動制御手段と、
前記特別図柄変動表示制御手段による変動表示の表示結果が特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態へ遊技状態を制御する第1の遊技状態制御手段と、
前記普通変動表示制御手段による変動表示の表示結果が所定の表示態様となったときに、前記可変入賞手段を前記第1の態様に制御する可変入賞制御手段と、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を高くする特別確率変動状態と、普通有利状態として、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を変化することなく、前記普通抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記所定の表示態様として決定される確率を高くする普通確率変動状態とを制御する第2の遊技状態制御手段とを備え、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記第1の遊技状態制御手段による前記特定遊技状態への遊技状態の制御に伴って、予め定められた終了条件が成立するまで遊技状態を、前記特別確率変動状態または前記普通確率変動状態のいずれかに制御する
ことを特徴とする遊技機。 - 識別情報の変動表示を行い、表示結果を導出表示する特別可変表示手段と普通可変表示手段とを備えた遊技機において、
打球を検出する検出手段と、
打球を受け入れやすい第1の態様と打球を受け入れ難い或いは受け入れない第2の態様に変化可能であり、前記検出手段を有する可変入賞手段と、
前記検出手段によって打球の検出があったことに基づいて、前記特別可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選手段の抽選結果に基づいて、前記特別可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する特別変動表示制御手段と、
前記普通可変表示手段による変動表示の表示結果を決定するための抽選を行う普通抽選手段と、
前記普通抽選手段の抽選結果に基づいて、前記普通可変表示手段にて識別情報を更新表示することにより変動表示を行わせると共に、所定時間経過後に更新表示を停止させて変動表示の表示結果を導出表示する普通変動制御手段と、
前記特別図柄変動表示制御手段による変動表示の表示結果が特定の表示態様となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態へ遊技状態を制御する第1の遊技状態制御手段と、
前記普通変動表示制御手段による変動表示の表示結果が所定の表示態様となったときに、前記可変入賞手段を前記第1の態様に制御する可変入賞制御手段と、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を高くする特別確率変動状態と、普通有利状態として、前記特別抽選手段の抽選の結果により変動表示の表示結果が前記特定の表示態様として決定される確率を変化することなく、前記普通変動制御手段による変動表示の表示結果が前記所定の表示態様となったときに前記可変入賞制御手段が前記可変入賞手段を制御する第1の態様を前記第1の態様よりもさらに打球を受け入れ易い特別態様によって制御する特別態様状態へ遊技状態を制御する第2の遊技状態制御手段とを備え、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記第1の遊技状態制御手段による前記特定遊技状態への遊技状態の制御に伴って、予め定められた終了条件が成立するまで遊技状態を、前記特別確率変動状態または前記特別態様状態のいずれかに制御する
ことを特徴とする遊技機。 - 前記第2の遊技状態制御手段は、前記特別変動表示制御手段による変動表示の表示結果として導出表示された表示態様が前記特定の表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様となったときに、前記特別確率変動状態へ遊技状態を制御し、前記特別の表示態様以外の前記特定の表示態様となったときに、前記普通有利状態に遊技状態を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。 - 現在の遊技状態と前記特定の表示態様の種類との組み合わせに対応して、制御される遊技状態の終了条件を記憶した遊技状態記憶手段をさらに備え、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記遊技状態記憶手段を参照して、制御される遊技状態の終了条件を決定する
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。 - 前記特別抽選手段は、遊技状態を前記特別確率変動状態とするか否かを決定する遊技状態抽選手段を含み、
前記第1の遊技状態制御手段により前記特定遊技状態に遊技状態が制御されたことを条件として、前記遊技状態抽選手段の抽選結果に基づいて、所定の報知を行う報知手段をさらに備え、
前記第2の遊技状態制御手段は、前記報知手段の報知結果が予め定められた特別の報知態様となったときに、前記特別確率変動状態に遊技状態を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記特別確率変動状態の終了条件と前記普通有利状態の終了条件は、異なるように定められている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記特別確率変動状態に制御されているときにおいて、連続して新たに前記第2の遊技状態制御手段によって前記特別確率変動状態に制御された回数を計数する特別確率状態回数計数手段と、
前記特別確率状態回数計数手段が計数した回数が所定の回数に達しているときに、前記第2の遊技状態状態制御手段によって前記特別確率変動状態に制御されることを防止する防止手段とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の遊技機。 - それぞれ外部で利用可能な信号であって、前記第2の遊技状態制御手段により前記特別確率変動状態に制御されていることを示す信号と前記普通有利状態に制御されていることを示す信号を生成する信号生成手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の遊技機。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009268931A (ja) * | 2004-07-28 | 2009-11-19 | Sammy Corp | 弾球遊技機 |
JP2010136956A (ja) * | 2008-12-12 | 2010-06-24 | Sammy Corp | パチンコ遊技機 |
JP2011036710A (ja) * | 2010-10-20 | 2011-02-24 | Sankyo Co Ltd | 遊技機 |
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2002
- 2002-07-05 JP JP2002197775A patent/JP2004033631A/ja not_active Withdrawn
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