JP2004201765A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】演出の状態の変化に遊技者が飽きることなく、また、その変化に対して遊技者が興味と期待感とを持つことができるようにする。
【解決手段】確率変動状態で特図ゲームが100回終了すると、特図ゲーム100回分の時短状態に移行する。時短状態に移行すると、特別図柄表示部4bにおける特図ゲームの実行とは別に、可変表示部に特殊ゲーム表示部4cが設けられ、ここで特殊ゲームが行われる。特殊ゲームは20回のミニゲームからなり、各ミニゲームで遊技者のキャラクタ401が相手キャラクタ402と闘うものとする。各ミニゲームの結果は、時短状態での特図ゲーム5回ごとに示される。20回のミニゲーム(100回の特図ゲーム)が終了して、全体として遊技者のキャラクタ401が15勝以上していると、時短状態の終了した後の特図ゲームが、特殊演出の態様で行われる。
【選択図】 図10
【解決手段】確率変動状態で特図ゲームが100回終了すると、特図ゲーム100回分の時短状態に移行する。時短状態に移行すると、特別図柄表示部4bにおける特図ゲームの実行とは別に、可変表示部に特殊ゲーム表示部4cが設けられ、ここで特殊ゲームが行われる。特殊ゲームは20回のミニゲームからなり、各ミニゲームで遊技者のキャラクタ401が相手キャラクタ402と闘うものとする。各ミニゲームの結果は、時短状態での特図ゲーム5回ごとに示される。20回のミニゲーム(100回の特図ゲーム)が終了して、全体として遊技者のキャラクタ401が15勝以上していると、時短状態の終了した後の特図ゲームが、特殊演出の態様で行われる。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させることが可能な可変表示手段と、所定の始動条件が成立することにより、前記可変表示手段による可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段と、前記可変表示手段上で前記識別情報を可変表示させ、所定時間経過後に前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果を導出表示させる可変表示制御手段と、前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果が特定の表示態様であったときに、前記可変表示制御手段により特定の表示態様が導出表示された後に、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態へ制御する特定遊技状態制御手段とを備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下、LCD:LiquidCrystal Display)等の可変表示装置上で識別情報(以下、表示図柄)を変動表示させ、最終的に導出表示された表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、前述の表示装置を特別図柄表示装置として用いた特図ゲームと、前述の表示装置を兼用または他の表示装置を専用に用いた普図ゲームとがある。特に特図ゲームの「当たり」(以下、大当たり)となったときには、大入賞口またはアタッカと呼ばれる特別電動役物が一定期間断続的に開放状態となり、遊技球の入賞が極めて容易となる。このような大当たり制御が行われている状態を特定遊技状態という。
【0004】
また、特図ゲームの結果(例えば、最終確定図柄が奇数か偶数か)によって、次の大当たり確率を高くする確率変動状態や、さらには図柄の変動表示の時間を短縮させる時短状態といった、遊技者にとって有利な特別遊技状態へと制御するものとしている。このように特図ゲームの結果は、遊技者が獲得できる遊技球の数に大きな影響を及ぼすものであるため、その結果が表示されるまでの間に、様々な演出を行うことで遊技の興趣が高められているのが一般的である。
【0005】
上記したように特別遊技状態において行われる特図ゲームは、通常の遊技状態において行われる特図ゲームよりも遊技者にとって有利なものであり、遊技者の注目度も高い。そこで、特別遊技状態として確率変動状態になると、そのときの特図ゲームにおけるリーチでは、通常の遊技状態の特図ゲームにおけるリーチでは出現しないキャラクタを登場させ、演出を行うものとした遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−141170号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の遊技機では、遊技状態が確率変動状態に変化することによって自然に演出の態様が変化するだけのものであり、演出の態様が変化したからといって、それ自体に遊技者が興味を持ったり、その変化によって特図ゲームの結果に対して期待感を持ったりということがあまりなかった。また、演出の態様が変化する場合は完全に決まっているので、演出の態様の変化に対して、遊技者がすぐに飽きてしまうものとなっていた。
【0008】
本発明は、演出の状態の変化に遊技者が飽きることなく、また、その変化に対して遊技者が興味と期待感とを持つことができるようにした遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる遊技機は、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させることが可能な可変表示手段(例えば、可変表示部4)と、
所定の始動条件が成立することにより、前記可変表示手段による可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段(例えば、ステップS26)と、
前記可変表示手段上で前記識別情報を可変表示させ、所定時間経過後に前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果を導出表示させる可変表示制御手段(例えば、ステップS220、S221)と、
前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果が特定の表示態様であったときに、前記可変表示制御手段により特定の表示態様が導出表示された後に、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態へ制御する特定遊技状態制御手段(例えば、ステップS107)と、
前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果が前記特定の表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様であったときに、前記特定遊技状態が終了した後に遊技状態を前記特定の表示態様となり易い特別遊技状態へ制御する特別遊技状態制御手段(例えば、ステップS103)と、
前記特別遊技状態制御手段により遊技状態を前記特別遊技状態へ制御したときに、前記識別情報の可変表示とは別に独立した特殊ゲームを実行し、その実行結果を報知する特殊ゲーム実行手段(例えば、ステップS204、S212、S214、S215)と、
前記特殊ゲーム実行手段による前記特殊ゲームの実行結果を特別な結果とするか否かを決定する特殊ゲーム結果決定手段(例えば、ステップS113)と、
前記特殊ゲーム結果決定手段により特別な結果にすると決定したときに、前記特殊ゲームの結果として特別な結果を報知した後に、前記可変表示手段における演出態様を第1の演出態様から、該第1の演出態様とは異なる第2の演出態様へ制御する演出態様制御手段(例えば、ステップS206)と
を備えることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる遊技機は、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させることが可能な可変表示手段(例えば、可変表示部4)と、
所定の始動条件が成立することにより、前記可変表示手段による可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段(例えば、ステップS26)と、
前記可変表示手段上で前記識別情報を可変表示させ、所定時間経過後に前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果を導出表示させる可変表示制御手段(例えば、ステップS220、S221)と、
前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果が特定の表示態様であったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態へ制御する特定遊技状態制御手段(例えば、ステップS107)と、
前記表示結果決定手段により可変表示の表示結果が特定の表示態様となることが決定されたときに、前記特定の表示態様となり易い特別遊技状態へ遊技状態を制御するか否かをさらに決定する特別決定手段(例えば、ステップS26)と、
前記特別決定手段により遊技状態を前記特別遊技状態へ制御することが決定されたときに、前記特定遊技状態が終了した後に遊技状態を前記特定の表示態様となり易い特別遊技状態へ制御する特別遊技状態制御手段(例えば、ステップS103)と、
前記特別遊技状態制御手段により遊技状態を前記特別遊技状態へ制御したときに、前記識別情報の可変表示とは別に独立した特殊ゲームを実行し、その実行結果を報知する特殊ゲーム実行手段(例えば、ステップS204、S212、S214、S215)と、
前記特殊ゲーム実行手段による前記特殊ゲームの実行結果を特別な結果とするか否かを決定する特殊ゲーム結果決定手段(例えば、ステップS113)と、
前記特殊ゲーム結果決定手段により特別な結果にすると決定したときに、前記特殊ゲームの結果として特別な結果を報知した後に、前記可変表示手段における演出態様を第1の演出態様から、該第1の演出態様とは異なる第2の演出態様へ制御する演出態様制御手段(例えば、ステップS206)と
を備えることを特徴とする。
【0011】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機では、遊技状態の変化に伴って演出の状態が変化するのではなく、特殊ゲームの結果次第で演出の態様が変化することとなる。このため、演出の変化が単純な事象によって行われるのではなく、演出の態様の変化に遊技者を飽きさせることがない。また、演出の態様の変化に対して、特殊ゲームの実行時から遊技者が興味と期待感を持つことができる。さらに、特殊ゲーム自体にも遊技者が興味を持つこととなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0012】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、前記特別遊技状態制御手段は、前記特定遊技状態が終了した直後に前記特別遊技状態へ遊技状態を制御するものであってもよい。もっとも、前記特別遊技状態への制御は、前記特定遊技状態が終了した後において前記特定の表示態様となることが決定されない限り確実に行われるのであれば、前記特定遊技状態が終了した直後でなくてもよい。
【0013】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記第2の演出態様において実行される演出態様には、複数種類の演出態様があってもよい。この場合において、上記第1、第2の観点にかかる遊技機は、
前記複数種類の演出態様の中から、所望の種類の演出態様を遊技者に選択させる演出選択手段(例えば、センサ16L、16R)をさらに備えるものとすることができ、
前記演出態様制御手段は、前記第2の演出態様において、前記演出選択手段により選択された種類の演出態様に制御するものとすることができる。
【0014】
この場合には、演出選択手段からの選択により、第2の演出態様では遊技者の意思に基づいた種類の態様の演出を行うことができるようになる。これにより、第2の演出態様に対する遊技者の興味が増すこととなる。
【0015】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記第2の演出態様は、前記識別情報の可変表示を通常の状態では出現し得ない可変表示パターンで実行する状態を含むものとすることができる(例えば、図5参照)。
【0016】
ここで、通常の状態では出現し得ない変動表示パターンは、例えば、スーパーリーチの変動表示パターンとすることができる。変動表示を行う際に特別な予告が含まれるものとすることもできる。通常の状態では用いられない態様の識別情報を用いて、変動表示を行うものとすることもできる。通常の状態では用いられない画像を識別情報の変動表示の背景として用いることもできる。
【0017】
このように通常の演出では出現し得ない変動表示パターンが出現することにより、第2の演出態様に対する遊技者の興味が増すこととなる。
【0018】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記第2の演出態様は、前記識別情報の可変表示を行う際に所定の予告が出現する確率が通常の状態よりも高くなる状態を含むものとすることもできる(例えば、図5参照)。
【0019】
このように識別情報の変動表示を行う際の予告の出現確率が高くなることで、特殊演出では特定の表示態様が導出表示され、特定遊技状態が発生することについて、特殊演出状態における遊技者の期待感が高くなる。
【0020】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記第2の演出態様は、前記識別情報の可変表示においてリーチが出現する確率が通常の状態よりも高くなる状態を含むものとすることもできる(例えば、図5参照)。
【0021】
このように識別情報の変動表示を行っているときにおいてリーチの出現確率が高くなることで、第2の演出態様では特定の表示態様が導出表示され、特定遊技状態が発生することについて、第2の演出態様における遊技者の期待感が高くなる。
【0022】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記特殊ゲームは、複数回のミニゲームからなるものであってもよい。この場合において、
前記特殊ゲーム結果決定手段は、各回のミニゲームの結果を決定することができる。
【0023】
この場合には、各回のミニゲームの結果の割合が特殊ゲームの実行結果となる。このため、特殊ゲームが最後まで終了しなくても、その途中においても個々のミニゲームの結果について遊技者の興味が向けられることとなり、特殊ゲームに対する遊技者の興味が高くなる。
【0024】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記特殊ゲームの実行結果としての特別な結果には、複数種類のものがあり、前記第2の演出態様には、前記特別な結果の種類に応じた複数種類のものがあってもよい。この場合において、
前記演出態様制御手段は、前記特別な結果の種類に応じた種類の第2の演出態様に制御するものとすることができる。
【0025】
この場合には、特殊ゲームの実行結果の種類に応じた種類の第2の演出態様で演出が行われるようになる。これにより、特殊ゲームの結果の種類に応じて第2の演出態様での演出の態様を豊富にすることができる。また、特殊ゲームの実行結果の種類により演出の種類も異なってくるため、特殊ゲームに対する遊技者の興味が高くなる。
【0026】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記特殊ゲームは、前記可変表示手段の一部の表示領域(例えば、特殊ゲーム表示部4c)において、前記識別情報の可変表示とは別個に実行されるものとすることができる。
【0027】
前記特殊ゲームは、前記可変表示手段とは別個に設けられた表示手段において実行されるものとすることもできる。
【0028】
特殊ゲームを可変表示手段の一部の表示領域を用いて行うことで、部品の共通化により、低コストで遊技機を構成できるようになる。一方、特殊ゲームを行う表示手段を可変表示手段とは別個に設けることで、可変表示手段の構成(例えば、ドラム機)に関わらず、特殊ゲームを行い得る遊技機を構成することができる。
【0029】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機は、
遊技の進行を制御し、遊技の進行状況に応じたコマンドを送信する遊技制御手段(例えば、遊技制御基板101)と、
前記遊技制御手段から送信されたコマンドを受信し、該受信したコマンドに従って、前記可変表示手段への表示を含む演出を制御する演出制御手段(例えば、演出制御基板102)とを備えるものであってもよい。この場合において、
前記遊技制御手段は、前記表示結果決定手段を含むと共に、
該表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果を示す可変表示コマンドを前記演出制御手段に送信する可変表示コマンド送信手段(例えば、ステップS28)と、
前記所定のゲーム開始条件が成立したときに、前記特殊ゲームを実行させるための特殊コマンドを前記演出制御手段に送信する特殊コマンド送信手段(例えば、ステップS114)とを備えるものとすることができ、
前記演出制御手段は、前記特殊ゲーム実行手段、前記特殊ゲーム結果判定手段、及び前記演出態様制御手段を含み、前記特殊ゲーム実行手段は、前記特殊コマンドの受信により前記特殊ゲームを実行するものとすることができる。
【0030】
この場合には、遊技制御手段としては特殊コマンドの送信を行えば、特殊ゲームの実行については、演出制御手段がこれを制御することとなる。これにより、遊技制御手段にかかる負荷を小さくすることができる。
【0031】
なお、前記特殊ゲーム結果決定手段は、前記遊技制御手段に含まれ、特殊ゲームの実行結果が前記特殊コマンド(さらに別のコマンドでも可)によって前記演出制御基板に通知されるものとしてもよい。前記特殊ゲーム結果決定手段は、前記演出制御手段に含まれるものとしてもよい。この場合、前記演出制御手段に含まれる前記特殊ゲーム結果決定手段は、前記遊技制御手段からの特殊コマンドの受信したときに特殊ゲームの実行結果を決定するものとなる。
【0032】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機は、また、
前記特殊ゲーム実行手段による前記特殊ゲームの実行に遊技者を介入させる特殊ゲーム介入手段(例えば、センサ16L、16R)をさらに備えていてもよい。
また、前記特殊ゲーム実行手段は、前記特殊ゲーム介入手段からの遊技者の介入状況に従って、前記特殊ゲームを実行し、その実行結果を変化させるものとすることができる。
この場合においては、特殊ゲームの実行結果を特殊ゲーム結果決定手段により決定するものとせず、遊技者からの介入に従って変化される特殊ゲームの実行結果が特別な結果となったか否かを判定する特殊ゲーム結果判定手段を備えることができる。
演出態様制御手段は、前記特殊ゲーム結果判定手段により特別な結果となったと判定したときに、前記可変表示手段における演出態様を第1の演出態様から第2の演出態様に制御するものとすることができる。
【0033】
この場合には、特殊ゲームの実行に対して遊技者が介入して、その実行結果を変化させることができるようになる。これにより、特殊ゲームに対する遊技者の興味が高くなる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0035】
図1は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。図2は、図1のパチンコ遊技機のガラス扉(前面扉)の背面側の構造を示す図である。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を指示固定する遊技機用枠(ガラス扉枠)20とから構成されている。遊技盤2は、ガイドレールによって囲まれたほぼ円形状の遊技領域を形成している。
【0036】
遊技盤2の遊技領域のほぼ中央位置には、可変表示装置3が配置されている。可変表示装置3は、LCDからなる可変表示部4が設けられている。可変表示部4は、特図ゲームの保留記憶を表示するための特別図柄保留記憶表示部4aを前面側の画像とし、特図ゲームを行うための特別図柄表示部4bを後面側の画像として、これらの画像を重ね合わせて表示する。このパチンコ遊技機1では、可変表示部4の特別図柄保留記憶表示部4aのさらに前面側に特殊ゲームを行うための特殊ゲーム表示部4cが設けられ、特別図柄表示部4b及び特別図柄保留記憶表示部4aに重ね合わせて表示される。
【0037】
特別図柄表示部4bは、特図ゲームに伴って、背景画像、キャラクタ、特別図柄等を表示する。特図ゲームに使用される特別図柄としては、「0」から「9」までの10種類の数字が用意されている。特別図柄表示部4bでは、左、中及び右の3つの可変表示部で特別図柄が変動表示され、特図ゲームは、3つの可変表示部で同じ数字が揃って停止することによって大当たりとなり、後述するような大当たり制御が行われる。
【0038】
停止した特別図柄の種類が偶数であれば、通常大当たりと、奇数であれば、確率変動大当たり(通常大当たりによる制御に加えて、以降の所定ゲーム数(例えば、100回)だけ特図ゲームにおける大当たり確率を高くするという確率変動制御を行うもの)となる。なお、大当たり制御が行われている状態を特定遊技状態といい、確率変動制御が行われている状態を確率変動状態という(特別遊技状態ともいう)。確率変動状態は、所定ゲーム数を消化した場合の他に、新たな大当たりが発生することによっても終了する(但し、連続して発生する場合がある)。
【0039】
確率変動大当たりが連続して発生する回数は、所定回数(例えば、5回)に制限されている。すなわち、確率変動制御が行われているときの特図ゲームの結果として奇数の図柄が揃った回数(確率変動大当たりの連続発生回数)がカウントされており、このカウント回数が所定回数となると、後述する抽選に基づく特図ゲームの結果として奇数の図柄が揃った確率変動大当たり表示態様となることはない。
【0040】
また、確率変動制御が行われる所定ゲーム数の間に大当たりが発生しなかった場合には、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示の時間を短縮する時短制御が行われる。時短制御が行われている状態を時短状態という。この時短制御が行われる回数も所定ゲーム数(例えば、100回)に制限されている。もっとも、確率変動大当たりの連続発生回数が所定回数に達していた場合には、確率変動制御が行われる所定ゲーム数の間に大当たりが発生しなくても、その後に時短制御が行われることはない。
【0041】
可変表示装置3の可変表示部4の上側中央には、特図ゲームにおけるリーチ演出や、大当たり演出の際に駆動される役物11と、役物11の駆動に伴って発光する役物飾りランプ12a、12bとが設けられている。役物11及び役物飾りランプ12a、12bの左右には、例えば遊技者が特図ゲームにおいて表示されるキャラクタ画像を選択するために用いられる、反射型センサからなる左側及び右側センサ16L、16Rが設けられている。可変表示装置3の可変表示部4の下側には、普図ゲームの保留記憶を表示するための普通図柄保留記憶表示部10が設けられている。
【0042】
可変表示装置3の可変表示部4の左上、右上、左横及び右横には、装飾ランプ13a、13b、13c、13dがそれぞれ設けられている。可変表示装置3を離れて遊技盤2の遊技領域の左右側にも、それぞれ装飾ランプ13e、13fが設けられている。装飾ランプ13a〜13fは、リーチ演出や大当たり演出の際に、例えば特別図柄表示部4bに表示される画像の変化に伴って発光し、画像に加えて光による演出で遊技興趣を高めるようにするものである。
【0043】
可変表示装置3の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)6を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)5が配設されている。特図ゲームに関して、特別図柄始動口5を遊技球が通過したときに、その経過及び結果を決定するための抽選が行われる。特図ゲームは、先に通過した遊技球の保留記憶(後述)がなくなったときに開始して、特別図柄始動口5を遊技球が通過したときの抽選結果に基づいて特別図柄表示部4bにおいて表示がなされる。
【0044】
電動チューリップ型役物6は、例えば普図ゲームの結果に従って、通常の態様(チューリップが閉じて、遊技球の通過が困難か不可能な状態)から一定期間だけ動作されて開放態様(チューリップが開いて、遊技球の通過が容易となった状態)とされ、特別図柄始動口5への遊技球の通過が容易になる。
【0045】
特別図柄始動口5の両側には、遊技球の通過により普図ゲームを開始させるための通過ゲート7a、7bが設けられている。特別図柄始動口5及び通過ゲート7a、7bの遊技球の通過は、それぞれ最大4つまで保留記憶され、保留記憶されている数が特別図柄保留記憶表示部4a及び普通図柄保留記憶表示部(ゲート通過記憶表示器)10に表示される。
【0046】
特別図柄始動口5の下側には、大当たり発生時にソレノイド等を駆動することで開放動作を行う大入賞口(第1種特別電動役物:アタッカ)8が配設されている。大入賞口8は、特別図柄始動口5への入賞に基づいて特図ゲームが行われた結果大当たりとなった場合に、大当たり制御の1つとして開放動作を行う。この開放動作は、遊技球が大入賞口8の内部の特定領域(図示せず)を通過することを条件として、断続的に最大15回継続して行う。また、通過ゲート7aの左側と下側、通過ゲート7bの下側と右側には、遊技球の通過によって賞球が払い出される入賞口9a〜9dが設けられている。
【0047】
ガラス扉枠20には、遊技領域を囲むようにして複数の遊技効果LED14a〜14hが設けられている。また、ガラス扉枠20の上部左右側(遊技効果LED14a、14bの内側)には、スピーカ15a、15bが設けられている。特別図柄表示部4bに表示される画像の変化に伴って、またはこの画像とは独立して、遊技効果LED14a〜14hが発光し、スピーカ15a、15bから音声が出力される。この光及び音声による演出でも遊技興趣が高められている。
【0048】
ガラス扉枠20の遊技領域の下側には、遊技領域に打ち出す遊技球を供給するための打球供給皿21が設けられている。その下側には、打球供給皿21への払い出しができなくなった賞球を払い出すための余剰球受皿22が設けられている。その右側には、遊技領域に遊技球を打ち出す発射モータ(図示せず)を駆動するための打球操作ハンドル23が設けられている。
【0049】
ガラス扉枠20の遊技領域の左側には、払い出しを完了していない賞球があることを示す賞球ランプ17が、遊技領域の上側には、払い出すべき賞球が切れてしまったことを報知する球切れランプ18が設けられている。また、パチンコ遊技機1の左側には、プリペイドカードを挿入し、遊技球の貸し出しを受けるためのプリペイドカードユニット200が設けられている。
【0050】
さらに、図2に示すように、ガラス扉枠20の背面側には、賞球を払い出すための球払出装置105と、球払出装置105が払い出し可能な賞球がなくなったことを検出するための球切れスイッチ52が設けられている。また、球払出装置105からオーバーフローした遊技球の貯留が満タンになったことを検出する満タンスイッチ53(図2には不図示:図3参照)が設けられている。
【0051】
上記の各部を制御するための制御基板として、遊技制御基板101、演出制御基板102及び入出力ドライバ基板103、並びに払出制御基板104も、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。各部に電力を供給するための電源基板100も、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。図3は、各基板100〜104を含む、パチンコ遊技機1の制御回路の構成を示すブロック図である。
【0052】
遊技制御基板101は、パチンコ遊技機1における遊技の進行全体の流れを制御するためのメイン側の制御基板であり、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113及びI/O(Input/Output)ポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる基本回路110を搭載している。また、遊技制御基板101は、スイッチ回路120、ソレノイド回路130、情報出力回路140及びアドレスデコード回路150を搭載している。
【0053】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能、及び乱数発生機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する制御を行うと共に、パチンコ遊技機1の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、基本回路110に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。基本回路110については、後にさらに詳細な説明を行う。
【0054】
スイッチ回路120は、通過ゲート7a、7bを通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ37、特別図柄始動口5を通過した遊技球を検出するための始動口スイッチ35、大入賞口8を通過した遊技球を検出するためのカウントスイッチ38、大入賞口8の特定領域を通過した遊技球を検出するためのVカウントスイッチ30、及び入賞口9a〜9dを通過した遊技球を検出するための入賞口スイッチ39に接続されている。また、満タンスイッチ53、球切れスイッチ52、及び球払出装置105が払い出した賞球をカウントするための賞球カウントスイッチ51にも接続されている。
【0055】
スイッチ回路120は、各スイッチ37、35、38、30、39、53、52及び51から出力されてくる入力信号を、ローパスフィルタ等を通してパルス波として整形した後に、バッファゲート等によって増幅し、I/Oポート114に出力して、CPU111に入力させるものである。
【0056】
ソレノイド回路130は、電動チューリップ型役物6を駆動するためのソレノイド45、大入賞口8の開閉を駆動するためのソレノイド48、及び大入賞口8内の内部にあり、遊技球を特定領域に寄せるためのシーソー(図示せず)を駆動するためのソレノイド40に接続されている。ソレノイド回路130は、I/Oポート114から出力される制御信号に基づいて、ソレノイド40、45及び48に駆動制御信号(励磁信号)を出力する。
【0057】
情報出力回路140は、I/Oポート114から出力された制御信号に基づいて、大当たりの発生により大当たり制御が行われていることを示す大当たり情報、時短制御が行われていることを示す時短情報、確率変動制御が行われていることを示す確変情報、特図ゲームの始動に関する情報である始動情報、支払われた賞球に関する情報である賞球情報等の各種情報を、端子(図示せず)に挿入されたケーブルを介して、製品検査用のコンピュータやパチンコホール(遊技店)の管理コンピュータに対して出力する。
【0058】
アドレスデコード回路150は、CPU111から出力されたアドレス信号を入力し、デコードする。デコードした結果、CPU111の制御対象がRAM112、ROM113及びI/Oポート114のいずれであるかを選択するための信号を、CPU111に出力する。
【0059】
演出制御基板102は、CPU、RAM及びROMを含む制御部を有し、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに基づいて、特図ゲーム、普図ゲーム及び特殊ゲームを含む各種の演出を制御する。演出制御基板102は、可変表示部4に接続されており、特別図柄表示部4bに特図ゲームにおける画像を表示させ、特別図柄保留記憶表示部4aに保留記憶の表示をさせ、特殊ゲーム表示部4cに特殊ゲームにおける画像を表示させる。演出制御基板102は、入出力ドライバ基板103に接続されており、入出力ドライバ基板103に対してその他の演出を制御するための制御信号を出力する。
【0060】
入出力ドライバ基板103は、左側及び右側センサ16L、16Rに接続されており、この検出信号を入力して、演出制御基板102に出力するためのドライバ回路を備えている。入出力ドライバ基板103のドライバ回路は、また、スピーカ15、遊技効果LED(14a〜14h)、賞球ランプ17、球切れランプ18、装飾ランプ13(13a〜13f)、役物飾りランプ12(12a、12b)、及びゲート通過記憶表示器10に接続されており、演出制御基板102からの制御信号に従ってこれらを制御する。入出力ドライバ基板103は、役物用ソレノイド41に接続されており、演出制御基板102からの制御信号に従って役物用ソレノイド41に駆動制御信号を出力し、役物11を駆動させるためのドライバ回路を備えている。
【0061】
払出制御基板104は、球払出装置105とプリペイドカードユニット200とに接続されており、遊技球の貸し出しのために必要な情報をプリペイドカードユニット200との間でやりとりし、また、球払出装置105に貸し出された遊技球または入賞により賞球として払い出される遊技球を払い出させるための制御回路を備えている。
【0062】
次に、遊技制御基板101に含まれる基本回路110について、詳細な説明を行う。基本回路110のRAM112には、現在の遊技状態が特定遊技状態にあるかどうかを示す特定遊技状態フラグが設定される。また、RAM112には、確率変動状態において新たな確率変動大当たりが発生することにより、確率変動状態が継続した回数(但し、各回の確率変動状態の間は特定遊技状態となる)をカウントするための確変継続カウンタの記憶領域が設けられている。
【0063】
さらに、RAM112には、確率変動状態において特別図柄が変動表示される残り特図ゲーム数を示す確変ゲームカウンタと、時短状態において特別図柄の変動表示時間が短縮される残り特図ゲーム数を示す時短ゲームカウンタの記憶領域が設けられている。確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタは、それぞれ確率変動状態、時短状態にあることを示すフラグを兼ねており、値が0になっているときには、現在の遊技状態が確率変動状態でないこと、時短状態でないことを示している。
【0064】
もっとも、確変ゲームカウンタの値が0でなくても、特定遊技状態フラグが特定遊技状態にあることを示していれば、確率変動状態にない。時短ゲームカウンタの値が0でなくても、特定遊技状態フラグが特定遊技状態にあることを示しているか、確変ゲームカウンタの値が0でなければ、時短状態にない。つまり、特定遊技状態フラグがセットされていないときであって、確変ゲームカウンタの値と時短ゲームカウンタの値のいずれも0ならば通常の遊技状態であり、時短ゲームカウンタの値に関わらず確変ゲームカウンタの値が0でないならば確率変動状態であり、確変ゲームカウンタの値が0でなく時短ゲームカウンタの値が0でないならば時短状態である。
【0065】
特定遊技状態フラグは、特図ゲームの結果として大当たりが発生したときにセットされ、該発生した大当たりに基づく大当たり制御が終了したときにリセットされる。確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタとには、大当たりが発生したときに、大当たり表示態様を構成する図柄の種類及び現在の遊技状態に従って、初期値がセットされる。これらの初期値は、それぞれ確率変動状態と時短状態の終了条件を示すものであるが、どのような初期値をセットするかは、ROM113に予め登録されたテーブルに従って決められる。
【0066】
図4は、大当たりが発生したときに確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタとにセットすべき初期値を登録したテーブルを示す図である。図4において、確変継続カウンタの値は、確率変動大当たりが発生した場合に、これに伴って更新される前の値を示すものであり、すなわち、既に確率変動状態が継続している回数を示すものである。
【0067】
図4のテーブルでは、大当たり図柄が奇数図柄(確率変動図柄)である場合と、偶数図柄(通常の図柄)である場合とで、確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタにセットされる初期値として異なる値が登録されている。また、現在の遊技状態として確率変動状態は、確変継続カウンタの値によって区別される場合がある。
【0068】
大当たり図柄が奇数図柄であって、この大当たりにより連続した5回目となる確率変動状態にある場合(確変ゲームカウンタの値が0より大きく、確変継続カウンタの値が4)において確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタにセットされる初期値として、それぞれ100、0が登録されている。大当たり図柄が奇数図柄であって、それ以外の場合には、確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタにセットされる初期値として、いずれも100が登録されている。大当たり図柄が偶数図柄である場合には、確変継続カウンタの値や大当たり時の遊技状態に関わらず、確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタにセットされる初期値として、いずれも0が登録されている。
【0069】
図3のRAM112に設定された確変ゲームカウンタと時短カウンタとには、図4のテーブルに従って初期値がセットされるが、それぞれ確率変動状態(確変ゲームカウンタの値が0より大きい)、時短状態(確変ゲームカウンタの値が0で、時短ゲームカウンタの値が0より大きい)において特図ゲームの実行が終了する度に、その値が1ずつデクリメントされていく。また、確変継続カウンタの値は、確率変動大当たりの発生によって1ずつインクリメントされ、確率変動状態の終了条件が成立するか、通常大当たりの発生によって初期値の0がセットされる。
【0070】
CPU111は、上記したRAM112に設定される特定遊技状態フラグ、或いはRAM112に設けられる各種カウンタの値を参照して、特図ゲーム及び普図ゲームに関する抽選を含む各種の処理を行っている。このCPU111が行う抽選によって、特図ゲーム及び普図ゲームの表示処理に関しては演出制御基板102の側で行われるものの、特図ゲーム及び普図ゲームの結果そのもの(結果が表示されるタイミングを含む)については、CPU111が認識することができる。
【0071】
CPU111は、演出制御基板102の制御部に特別図柄表示部4bにおいて特図ゲームを行わせるための特別図柄表示用のコマンドを生成して、I/Oポート114から演出制御基板102に送信させている。特別図柄表示用のコマンドを生成する際には、確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタの値が参照されており、特別図柄始動口5への遊技球の通過に基づく抽選結果が同じであっても、確率変動状態中と時短状態中には、特別図柄表示用のコマンドは、通常の遊技状態とは内容が異なり、これにより特図ゲームの内容が異なるものとなる。
【0072】
特図ゲームの内容は、特殊ゲーム表示部4cにおける特殊ゲームの結果によって特殊演出モードに設定された場合にも変化することとなる(但し、後述するように時短状態が終了するまでは除く)。特殊ゲームは、確率変動状態から時短状態に移行するときに遊技制御基板101から演出制御基板102に送られてくる特殊コマンドによって時短状態において実行される。時短状態が大当たりの発生でなく100回の特図ゲームの実行で終了して通常の遊技状態に戻ったときに、特殊演出の特図ゲームが実行されることとなる。もっとも、特図ゲームの結果そのものは、特殊演出であっても変化することはない。特殊ゲーム及び特殊演出の詳細については、後述する。
【0073】
CPU111は、さらに、RAM112に設定される特定遊技状態フラグの状態、確変ゲーム数カウンタの値、及び時短ゲームカウンタの値に基づいて、情報出力回路140から外部に出力可能となる大当たり情報(特定遊技状態にあることを示す)、確変情報(確率変動状態にあることを示す)及び時短情報(時短状態にあることを示す)をそれぞれ示す制御信号を生成して、I/Oポート114から情報出力回路140に出力させている。
【0074】
次に、特殊ゲーム及び特殊演出について説明する。特殊ゲームは、遊技状態が時短状態にあるときに行われるものであり、時短状態が終了するまでに20回のミニゲームが行われる(但し、時短中の大当たりによって時短状態が終了する場合を除く)。各ミニゲームの結果は、時短状態における特図ゲームが5回終了する度に示されて、20回のミニゲーム(100回の時短状態での特図ゲーム)が全て終了すると、ミニゲームのトータルの結果が示される。時短状態における特図ゲーム5回毎にミニゲームの結果を示していくため、演出制御基板102のRAMには、時短状態に移行してから実行された特図ゲームの回数をカウントする特殊ゲームカウンタが設けられている。
【0075】
各ミニゲームの結果は、確率変動状態から時短状態に移行するときに行われる特殊ゲーム抽選によって遊技制御基板101のCPU111が決定し、その抽選結果(各回のミニゲームの結果を含む)を特殊コマンドとして演出制御基板102に送信する。特殊コマンドを受信すると、演出制御基板102のRAMに特殊ゲームフラグが設定され、特殊ゲームフラグに従って各回のミニゲームが実行されることとなる。特殊ゲームフラグは、20回のミニゲームに対応して20ビットを有しており、各ビットが各回のミニゲームの結果を示すものである。
【0076】
特殊ゲーム全体の結果として、20回のミニゲームにおいて遊技者が15勝以上することとなると、時短状態が終了してから次の大当たりまでの特図ゲームが特殊演出の態様で行われることとなる。それ以外の場合の特図ゲームは、遊技状態が確率変動状態や時短状態にあることを含めて、通常演出の態様で行われることとなる。なお、特殊コマンドは、確率変動状態から時短状態に移行するときに送られてくるので、当該特殊コマンドが遊技者の15勝以上を示していると、演出制御基板102においてはその時点で特殊演出モードに設定されることとなるが、まだ時短状態にある時点では、特殊演出の態様で特図ゲームが行われるものではない。
【0077】
図5は、通常演出の態様と特殊演出の態様とで実行すべき変動表示パターンを登録したテーブルを示す図である。このテーブルは、演出制御基板102のROMに予め記憶されている。特図ゲームは、遊技制御基板101から受信した特別図柄表示用のコマンドと演出モードの設定が特殊演出か通常演出かに従って、このテーブルから読み出される変動表示パターンに従って行われるものとなっている。
【0078】
この図に示している特別図柄表示用のコマンドA〜Hは、全て通常の遊技状態における特別図柄表示用のコマンドである。図には示していないが、確率変動状態と時短状態における特図ゲームは特殊演出の態様で行われることがないので、確率変動状態や時短状態における特別図柄表示用のコマンドに対応しては、通常演出の態様の変動表示パターンだけがテーブルに登録されている。
【0079】
図5から分かるように、特別図柄表示用のコマンドがA、C、E、F、G、Hである場合には、特図ゲームの実行中に予告が出現する確率が、特殊演出の態様では通常演出の態様よりも高くなっている。特に特別図柄表示用のコマンドがF、G、Hである場合には、通常の演出態様では出現し得ない特別な予告である予告4が出現する場合がある。
【0080】
また、特別図柄表示用のコマンドがBである場合には、通常演出の態様ではノーマル(単にノーマルというときは、リーチ表示態様とならずに最終的にハズレとなる)の変動表示パターンで特図ゲームが行われるのに対して、特殊演出の態様ではノーマルリーチの変動表示パターンで特図ゲームが行われることになっている。この分だけ、特殊演出の態様で特図ゲームが実行される場合は、通常演出の態様で特図ゲームが実行される場合よりも、リーチが出現する確率が高くなっている。
【0081】
さらに、特別図柄表示用のコマンドがFである場合には、通常演出の態様ではロングリーチの変動表示パターンで特図ゲームが行われるのに対して、特殊演出の態様では、特殊演出の態様でだけ出現し、通常演出の態様では出現し得ない態様のスーパーリーチの変動表示パターンで特図ゲームが行われることとなっている。
【0082】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技動作について説明する。なお、パチンコ遊技機1における動作としては、スピーカ15からの音声の出力、役物飾りランプ12、装飾ランプ13或いは遊技効果LED14の発光、役物11の駆動などを含んでいるが、これらは本発明とは関係ないので、説明を省略することとする。
【0083】
図6は、遊技制御基板101の基本回路110内のCPU111が実行する処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、図6(a)に示すメイン処理が実行されることとなる。
【0084】
メイン処理では、まず初期設定処理が行われる(ステップS11)。初期設定処理では、後述する割り込み処理を実行するタイミングを規定するタイマ割り込み時間(例えば、2msec)をCPU111に設定する処理が行われる。これにより、電源投入等によるリセット後、最初の割り込み処理が実行されるタイミングを規定するための計時が開始される。また、初期設定処理においては、種々のタイマをセットするための処理も行われる。
【0085】
初期設定処理が終了すると、この電源投入前に生じた電源エラーによる電源遮断時における状態のバックアップがされていないかどうかを判定する(ステップS12)。電源遮断時における状態のバックアップがされていれば、バックアップされていた状態を復元して、電源エラーの前の状態に復帰する(ステップS13)。そして、復帰した電源エラーの前の状態からの処理を継続して行う。
【0086】
電源遮断時における状態のバックアップがされていなければ、RAM112を初期化すること、及び各種フラグの初期化などの処理が行われる(ステップS14)。次に、演出制御基板102、払出制御基板104などのサブ基板などに初期化コマンドを送信し、これらのサブ基板の状態を初期化させる(ステップS15)。
【0087】
サブ基板の初期化が行われると、確定図柄(予定停止図柄)を決定するための表示図柄乱数、及び特図ゲームの変動表示パターンを決定するための変動パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS16)。さらに、特図ゲームで大当たりとするかどうかを決定するための大当たり乱数に設定すべき初期値を決定する初期値決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS17)。ステップS15でサブ基板の初期化が終了した後には、ステップS16及びS17の処理が無限ループで繰り返して実行されることとなる。この間にタイマ割り込みが入ると、図6(b)のタイマ割り込み処理が実行され、タイマ割り込み処理が終了すると、再度ステップS16及びS17の無限ループの処理が実行されることとなる。
【0088】
タイマ割り込み処理では、まずゲートスイッチ37、始動口スイッチ35、カウントスイッチ38、Vカウントスイッチ30等の状態を入力し、各入賞口や通過ゲートに対する入賞があったか否かを判定するスイッチ処理を行う(ステップS21)。始動口スイッチ35により始動入賞が検出された場合には、このスイッチ処理において始動記憶処理が実行される。具体的には、始動口スイッチ35により始動入賞が検出されると、そのタイミングで大当たり判定用の乱数値が抽出され、始動記憶用の特別図柄判定用バンクにその抽出値が記憶される。これにより始動記憶がなされる。始動記憶用の特別図柄判定用バンクは、バンク0〜3の4カ所から構成されており、この4カ所のバンクによって最大4個の始動記憶が可能となる。よって、始動入賞が検出された際に全てのバンクに記憶がある場合には、その始動入賞が無効とされる。
【0089】
次に、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断を行い、その結果に応じて必要ならば警報を発生させる等の処理を含むエラー処理を行う(ステップS22)。
【0090】
さらに、大当たり乱数を更新する処理が行われ(ステップS23)、初期値決定用乱数を更新する処理が行われ(ステップS24)、表示図柄乱数及び変動パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS25)。ここで、初期値決定用乱数は、大当たり乱数の値が周期的に更新されるのを避けるために、例えば大当たり乱数の値が最大値に達した後に最初に行われるタイマ割り込み処理で、大当たり乱数の値として設定する初期値を決定するための乱数である。
【0091】
ステップS23〜S25における各種の乱数値の更新が終了すると、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。この特別図柄プロセス処理では、入賞確認処理が行われた後に、上記した各種の乱数を抽出して、特図ゲームの結果を大当たり表示態様とするか、特図ゲームにおける確定図柄をどの種類の図柄とするか、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示パターンをどのパターンとするか、などを抽選によって決定する処理が含まれる。この抽選による決定を行う場合、RAM112に設けられた確変ゲームカウンタ、時短ゲームカウンタ及び確変継続カウンタの値が参照される。また、ここでは、これらの抽選結果に基づいて、後述するステップS28で演出制御基板102へ伝送する特別図柄表示用のコマンドを生成する処理も行われる。
【0092】
次に、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0093】
次に、特別図柄コマンド処理を行う(ステップS28)。この特別図柄コマンド処理は、ステップS26において特別図柄表示用のコマンドが生成されていれば、これを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。ここで伝送されるコマンドは、変動表示パターンや確定図柄に関する情報を含んでいる。次に、普通図柄コマンド処理を行う(ステップS29)。この普通図柄コマンド処理は、普通図柄を表示制御するためのコマンドを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。
【0094】
次に、情報出力回路140を介して確変情報、時短情報、大当たり情報、始動情報、賞球情報等の情報を外部に出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。次に、ソレノイド45、48、40を励磁制御するための制御信号をソレノイド回路130に出力するソレノイド出力処理を行う(ステップS31)。次に、基本回路110から払出制御基板104に賞球個数信号と賞球可能信号とを送信して、賞球の払出指令を行うための賞球処理を行う(ステップS32)。
【0095】
次に、保留記憶処理を行う(ステップS33)。この保留記憶処理は、例えば、特別図柄始動口5に遊技球の入賞があって保留記憶が増加した場合や特別図柄の変動が開始されて保留記憶が減少した場合などの保留記憶数が変化した場合に、保留記憶数の表示変更を指示するための保留記憶数コマンドを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。このステップS33の処理が終了すると、前述したステップS16及びS17の無限ループの処理に戻る。
【0096】
以上示した処理により、遊技制御基板101の側では、特別図柄始動口5への遊技球の通過によって抽選を行い、その結果が大当たりとなった場合に、大当たり制御として大入賞口8を一定期間断続的に開放させる。また、入賞によって遊技球を払い出したり、遊技状態を特定遊技状態、確率変動状態や時短状態に移行させている。これらの図6に示した処理以外で遊技制御基板101の側で行われる処理の詳細については後述する。
【0097】
大当たりに関する情報は、コマンドとして演出制御基板102に送られている。演出制御基板102の側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに従って、特別図柄表示部4bにおける特別図柄の変動表示処理(特図ゲーム)や大当たり時において特別図柄表示部4bにて行う大当たりデモ表示処理を含む各種の演出動作を行っている。また、普通図柄の変動表示処理(普図ゲーム)も行っている。なお、遊技制御基板101の側で制御する遊技動作は、送信したコマンドに従って演出制御基板102の側で制御さている演出動作とのタイミングが図られている。
【0098】
以下、遊技制御基板101の側で図6の処理以外に行われる処理について説明する。図7は、遊技制御基板101の制御部(特にCPU111)が遊技状態(通常の遊技状態、特定遊技状態、確率変動状態及び時短状態)を制御するために実行する処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、特図ゲームが終了する度に行われる。なお、特図ゲームの終了は、前述したように演出制御基板102に送信した特別図柄表示用のコマンドに基づいてタイミング制御を行うことによって、認識することができる。
【0099】
特図ゲームが終了したことを認識すると、まず、直前に演出制御基板102に送信した特別図柄表示用のコマンドを生成する元となった特別図柄始動口5への遊技球の通過時に行った抽選の結果に基づいて、特図ゲームが大当たり(通常大当たりまたは確率変動大当たり)で終了したかどうかを判定する(ステップS101)。
【0100】
特図ゲームが大当たりで終了していた場合には、大当たり図柄(直前の抽選で決定された確定図柄で判断)の種類と、現在の遊技状態(確変ゲームカウンタ、時短ゲームカウンタ及び確変継続カウンタの値で判断)とに従って、図4のテーブルを参照し、確変ゲームカウンタの初期値と時短ゲームカウンタの初期値とを取得する(ステップS102)。そして、それぞれ取得した初期値を、確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタにセットする(ステップS103)。
【0101】
次に、大当たり図柄の種類が確率変動状態への移行を伴う確変図柄(ここでは奇数図柄:直前の抽選で決定された確定図柄で判断)であったかどうかを判定する(ステップS104)。確変図柄であった場合は、確変継続カウンタの値を1だけインクリメントして(ステップS105)、ステップS107の処理に進む。確変図柄でない通常の図柄(ここでは偶数図柄)であった場合には、確変継続カウンタの値を初期値の0にリセットして(ステップS106)、ステップS107の処理に進む。
【0102】
ステップS107では、大当たり図柄が確変図柄であったか通常の図柄であったかに関わらず、共通の大当たり制御を行う。大当たり制御が行われているときに特図ゲームが行われることはなく、この大当たり制御を全て終了すると、このフローチャートの処理を終了する。
【0103】
なお、ステップS107の大当たり制御は、次のようにして行われる。大当たり制御においては、RAM112の特定遊技状態フラグをONし、断続的に最大15ラウンドの大入賞口8の開放動作を行う。最初の開放動作が開始する前に、大当たりとなったことを報知させ、各ラウンドのラウンド数を報知させ、全ラウンドの終了により大当たり制御の終了を報知させるために、各報知を行わせるためのコマンドを演出制御基板102に送信する。そして、RAM112の特定遊技状態フラグをOFFして、大当たり制御が全て終了となる。
【0104】
また、ステップS101において特図ゲームが大当たりで終了していなかった場合には、確変ゲームカウンタの値が0より大きいか否かにより、現在の遊技状態が確率変動状態であるかどうかを判定する(ステップS108)。確率変動状態であれば、確率変動状態において特図ゲームが1回行われたこととなっているので、確変ゲームカウンタの値を1だけデクリメントする(ステップS109)。
【0105】
次に、ステップS109でデクリメントを行った結果、確変ゲームカウンタの値が0となり、確率変動状態の終了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS110)。確変ゲームカウンタの値が0となっていなければ、そのままこのフローチャートの処理を終了する。確変ゲームカウンタの値が0となり、確率変動状態の終了条件が成立した場合には、確変継続カウンタの値が5であって、確率変動状態の後に時短状態に移行しない場合であるかどうかを判定する(ステップS111)。
【0106】
確変継続カウンタの値が5であったならば、確率変動状態が終了しても時短状態に移行しないので、特殊ゲーム抽選や特殊コマンドの送信を行うことなく、そのままこのフローチャートの処理を終了する。この場合において、次の大当たりは必ず通常の大当たりとなるので、当該次の大当たりが発生したときのステップS106で確変継続カウンタの値が0に戻されることとなる。
【0107】
一方、確変ゲームカウンタの値が0となって、確変継続カウンタの値も5でなかったときは、確率変動状態が終了するとすぐに時短状態に移行することとなる。この場合において、新たな確率変動状態が連続して発生することがなくなったので、確変継続カウンタの値を初期値の0にリセットする(ステップS112)。また、時短状態においては演出制御基板102の側で特殊ゲームを行うこととなるので、特殊ゲーム抽選を行い(ステップS113)、その抽選結果に応じた特殊コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS114)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0108】
また、ステップS108において現在の遊技状態が確率変動状態になかった場合には、時短ゲームカウンタの値が0より大きいか否かにより、現在の遊技状態が時短状態にあるかどうかを判定する(ステップS115)。時短状態でなければ、そのままこのフローチャートの処理を終了する。時短状態であれば、時短状態において特図ゲームが1回行われたこととなっているので、時短ゲームカウンタの値を1だけデクリメントする(ステップS116)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0109】
以下、演出制御基板102の側で行われる処理について説明する。演出制御基板102の制御部は、遊技制御基板101から送られてくる各種のコマンドに基づく処理を行っている。図8は、演出制御基板102の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【0110】
演出制御基板102の側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS201)。コマンドを受信するまでは、ステップS201の処理を繰り返し、コマンドの受信を待機している状態にある。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS202)。
【0111】
受信したコマンドの種類がステップS114で送信された特殊コマンドであった場合には、特殊コマンドに応じた特殊ゲームフラグをRAMに設定し(ステップS203)、設定した特殊ゲームフラグに従って特殊ゲーム表示部4cにおいて特殊ゲームを開始させる(ステップS204)。さらに、受信した特殊コマンドが特殊ゲーム中の20回のミニゲームで遊技者が15回以上勝利する内容のものとなっているかどうかを判定する(ステップS205)。遊技者が15回以上のミニゲームに勝利するものであれば、演出モードを特殊演出モードに設定して(ステップS206)、ステップS201の処理に戻る。遊技者が15回以上のミニゲームに勝利するものでなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
【0112】
ステップS202の判定において受信したコマンドの種類がステップS28の特別図柄プロセス処理で送信されることとなる確定コマンドであった場合には、当該確定コマンドが示す確定図柄を特別図柄表示部4bに表示させる(ステップS207)。さらに、特殊ゲームフラグの設定状況を参照し、現在遊技制御基板101の側で時短状態に制御されている状態で、特殊ゲームが行われているかどうかを判定する(ステップS208)。時短状態に制御されている状態でなく、特殊ゲームが行われていなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
【0113】
時短状態に制御されていて特殊ゲームが行われている場合には、時短状態での特図ゲームが1回終了した状態であるので、特殊ゲームカウンタの値を1だけインクリメントし(ステップS209)、インクリメントした後の特殊ゲームカウンタの値を5で除算する(ステップS210)。さらに、この除算結果の剰余が0であるかどうか、すなわち時短状態で5回毎のミニゲームが終了したかどうかを判定する(ステップS211)。剰余が0でなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
【0114】
一方、剰余が0であった場合には、時短状態で5回毎のミニゲームが終了したこととなるので、除算結果の商に応じた結果のミニゲームの勝敗を特殊ゲーム表示部4cに表示させる(ステップS212)。さらに、特殊ゲームカウンタの値が100となっているかどうか、すなわち時短状態で実行される1回分の特殊ゲームにおいて、その中の全てのミニゲームが終了したかどうかを判定する(ステップS213)。
【0115】
特殊ゲームカウンタの値が100となっていなければ、特殊ゲーム中の全てのミニゲームが終了していないので、一定期間経過後に特殊ゲーム表示部4cにおける特殊ゲーム(次のミニゲーム)を再開させる(ステップS214)。そして、ステップS201の処理に戻る。
【0116】
一方、特殊ゲームカウンタの値が100となっていれば、特殊ゲーム中の全てのミニゲームが終了したので、ミニゲームの勝敗を示した後、特殊ゲームを終了して特殊ゲーム表示部4cから表示消去する(ステップS215)。さらに、RAMに設定した特殊ゲームフラグをクリアし(ステップS216)、特殊ゲームカウンタの値も初期値の0にクリアする(ステップS217)。そして、ステップS201の処理に戻る。
【0117】
また、ステップS202の判定において受信したコマンドの種類が特別図柄表示用のコマンドであった場合には、特殊ゲームフラグの設定状況に基づいて、現在の遊技状態が時短状態にあるかどうかを判定する(ステップS218)。現在の遊技状態が時短状態にあれば、仮に特殊演出モードに設定されていたとしても、時短状態中の特図ゲームにおいて特殊演出が行われることはないので、ステップS221の処理に進む。
【0118】
現在の遊技状態が時短状態になかった場合には、特殊演出モードに設定されているかどうかを判定する(ステップS219)。特殊演出モードに設定されていればステップS220の処理に、特殊演出モードに設定されていなければステップS221の処理に進む。なお、現在の遊技状態が確変状態にある場合には、特殊演出モードに設定されることはないので、必ずステップS221の処理に進むこととなる。
【0119】
時短中でなく、特殊演出モードに設定されている場合に実行されるステップS220では、受信した特別図柄表示用のコマンドに従って図5のテーブルから特殊演出モードにおける変動表示パターンを選び出し、特別図柄表示部4bにおける特図ゲームを特殊演出の態様で行わせる。それ以外の場合に実行されるステップS221では、受信した特別図柄表示用のコマンドに従って図5のテーブルから通常演出モードにおける変動表示パターンを選び出し、特別図柄表示部4bにおける特図ゲームを通常演出の態様で行わせる。ステップS220またはS221で一連の変動表示パターンによる特別図柄の変動表示が終了すると、ステップS201の処理に戻る。
【0120】
また、ステップS202の判定において受信したコマンドの種類が大当たりの発生時に送信される大当たりコマンドであった場合には、大当たり後の特図ゲームを特殊演出の態様で行わなくするため、特殊演出モードを解除する。もっとも、特殊演出モードに設定されていない状態で大当たりコマンドを受信した場合には、特殊演出モードが解除された状態を維持するだけである(ステップS222)。
【0121】
さらに、時短中に大当たりが発生した場合には、RAMに特殊ゲームフラグが設定された状態で、特殊ゲームカウンタの値も初期値になっていないため、RAMに設定した特殊ゲームフラグをクリアし(ステップS223)、さらに特殊ゲームカウンタの値も初期値の0にクリアする(ステップS224)。そして、ステップS201の処理に戻る。
【0122】
ステップS202の判定において受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS225)。その後、ステップS201の処理に戻る。
【0123】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において、どのように遊技状態(通常の遊技状態、特定遊技状態、確率変動状態及び時短状態)が遷移し、特殊ゲームや特殊演出が行われるかについて、具体的な例に基づいて説明する。なお、以下のタイミングチャートに基づく具体例においては、遊技球が一定時間間隔で遊技領域に打ち出されるものとし、打ち出された遊技球が特別図柄始動口5を通過して特図ゲームが行われる割合も一定であるものとして説明する。
【0124】
図9は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技状態の遷移の第1の例を示すタイミングチャートである。この例では、まず、確変ゲームカウンタの値も時短ゲームカウンタの値も0の通常の遊技状態となっているタイミングt0において、通常大当たりが発生したものとする。このとき、図4のテーブルに従って確変ゲームカウンタにも時短ゲームカウンタにも初期値として0がセットされる。確変継続カウンタの値は0のままである。また、特定遊技状態フラグがONとなり、遊技状態が特定遊技状態となって大当たり制御が行われるようになる。
【0125】
次に、タイミングt1において、タイミングt0で発生した通常大当たりの大当たり制御が終了すると、特定遊技状態フラグがOFFとなるが、確変ゲームカウンタの値も時短ゲームカウンタの値も0となっているので、遊技状態が通常の遊技状態に戻ることとなる。大当たり制御の終了後に通常の遊技状態に戻ったときは、次の大当たり発生まで時短状態に移行されることはなく、遊技制御基板101から演出制御基板102に特殊コマンドが送信されることはないので、その後の特図ゲームは、通常演出の態様で行われることとなる。
【0126】
この通常の遊技状態が継続しているタイミングt2において、確率変動大当たりが発生したものとする。このとき、図4のテーブルに従って確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタとに、それぞれ初期値として100がセットされる。確変継続カウンタの値は1となる。また、特定遊技状態フラグがONとなり、遊技状態が特定遊技状態となって大当たり制御が行われるようになる。
【0127】
次に、タイミングt3において、タイミングt2で発生した確率変動大当たりの大当たり制御が終了すると、特定遊技状態フラグがOFFとなるが、確変ゲームカウンタの値が100となっているので、遊技状態が確率変動状態となって以降の特図ゲームが行われるようになる。
【0128】
タイミングt4において、確率変動状態で行われた特図ゲームの回数が100回に達して確変ゲームカウンタの値が0となると、このときの確変継続カウンタの値は1であるので、確変継続カウンタの値が0に戻されると共に、特殊ゲーム抽選が行われて特殊コマンドが遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信されることとなる。この特殊コマンドに基づいて特殊ゲーム表示部4cにおいて特殊ゲームが開始される。特殊コマンドに基づく特殊ゲームの結果がミニゲームで15勝以上となるときは特殊演出モードに設定される。
【0129】
また、タイミングt4においては、確変ゲームカウンタの値が0となったが、時短ゲームカウンタの値が100となっているので、遊技状態が時短状態となって以降の特図ゲームが行われるようになる。但し、特殊演出モードに設定されていたとしても、時短中であるため、特殊演出の態様で特図ゲームが行われることはない。タイミングt5において、時短状態で行われた特図ゲームの回数が100回に達して時短ゲームカウンタの値も0となると、遊技状態が通常の遊技状態に戻ることとなる。このときには、特殊ゲームも終了することとなる。
【0130】
タイミングt5以降、次に大当たりが発生するまでの特図ゲームは、通常の遊技状態における特図ゲームであるので、特殊演出モードに設定されているとすると(タイミングt4〜t5の特殊ゲームの結果としてミニゲームで15勝以上が示される)、特殊演出の態様で特図ゲームが行われる。特殊演出モードに設定されていないとすると(タイミングt4〜t5の特殊ゲームの結果としてミニゲームで15勝未満が示される)、通常演出の態様で特図ゲームが行われることとなる。
【0131】
その後、タイミングt6において、再び通常大当たりが発生したものとする。このときも、図4のテーブルに従って確変ゲームカウンタにも時短ゲームカウンタにも初期値として0がセットされる。確変継続カウンタの値は0のままである。また、特定遊技状態フラグがONとなり、遊技状態が特定遊技状態となって大当たり制御が行われるようになる。
【0132】
次に、タイミングt7において、タイミングt6で発生した通常大当たりの大当たり制御が終了すると、特定遊技状態フラグがOFFとなるが、確変ゲームカウンタの値も時短ゲームカウンタの値も0となっているので、遊技状態が通常の遊技状態に戻ることとなる。大当たり制御の終了後に通常の遊技状態に戻ったときは、次の大当たり発生まで時短状態に移行されることはなく、遊技制御基板101から演出制御基板102に特殊コマンドが送信されることはないので、タイミングt7以降の特図ゲームは、次の大当たりが発生するまで、通常演出の態様で行われることとなる。
【0133】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において、特殊ゲームの実行から特図ゲームにおいて特殊演出が行われるまでを、可変表示部4に表示される表示画面例に従って説明する。図10は、特殊ゲームの実行と特殊演出の実行との例を説明する図である。この例では、遊技制御基板101から演出制御基板102に、ミニゲームで15勝以上する特殊コマンドが送られてきているものとする。
【0134】
確率変動状態における特図ゲームが100回終了すると、特殊コマンドの送信により、図10(a)に示すように、特殊ゲーム表示部4cにおいて特殊ゲームが開始される。この特殊ゲームは、遊技者のキャラクタ(以下、自キャラクタ)401と遊技機のキャラクタ(以下、相手キャラクタ)402とが格闘を行うミニゲームが20回繰り返されるものである。また、特殊ゲームが開始されるのは、確率変動状態から時短状態に移行した場合であるので、図10(a)に示すように、特別図柄表示部4bにおいて時短状態で特図ゲームが行われる。
【0135】
次に、時短状態で行われた特図ゲームの回数が5回に達すると、図10(b)に示すように、1回目のミニゲームの結果が特殊ゲーム表示部4cに表示される。ここでは、自キャラクタ401が相手キャラクタ402に勝った場合を示している。以下、時短状態で行われた特図ゲームの回数が5回に達する度に、図10(b)の場合と同様にミニゲームの結果が特殊ゲームゲーム表示部4cに表示される(但し、自キャラクタ401が負けた場合もあり)。
【0136】
次に、時短状態で行われた特図ゲームの回数が100回に達すると、図10(c)に示すように、20回目のミニゲームの結果の後に各ミニゲームでの勝敗が特殊ゲーム表示部4cに表示される。ここでは、自キャラクタ401が相手キャラクタ402に対して20回のミニゲームにおいて15勝5敗であった場合を示している。
【0137】
この後、遊技状態が通常の遊技状態に戻ることとなるが、図10(d)に示すように、特殊ゲームの結果に基づいて、特別図柄表示部4bにおける特図ゲームが特殊演出の態様で行われることとなる。なお、この例においては、特別図柄の背景の画像の表示色を通常演出の態様で特図ゲームを行う場合と異なるものとすることにより、特殊演出の態様で特図ゲームが行われていることを遊技者に報知するものとしている。
【0138】
図10(d)における特図ゲームは、図5のテーブルにおける特殊演出の態様の変動表示パターンを選択して行われるものである。従って、予告の出現確率が高くなり、通常演出の態様では現れない予告4が出現する場合もある。変動表示の過程においてリーチとなる確率が通常演出の態様よりも高くなっている。さらに、通常演出の態様では出現し得ないスーパーリーチの変動表示パターンで特図ゲームが実行される場合も生じ得る。
【0139】
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、遊技状態が確率変動状態から時短状態になると特殊ゲームが実行されることとなり、その特殊ゲームの結果次第で、時短状態が終了した後の特図ゲームが特殊演出の態様で行われるようになる。ここで、特図ゲームが特殊演出の態様で行われるかどうかは、遊技状態の変化といった単純な事象に基づくのではなく、あくまでも特殊ゲームの結果(但し、事前に決定されている)によるので、演出の状態の変化に対して遊技者が飽きることがない。
【0140】
また、特殊ゲームの結果により特殊演出の態様で特図ゲームが行われることとなると、リーチや予告の出現確率が通常演出の態様よりも高くなる。リーチは、大当たりの前提となるものであり、予告が出現したときは一般的には大当たり確率が高くなるので、これによって特図ゲームの結果が大当たりとなることへの遊技者の期待感を高めさせることができる。また、特殊演出の態様での特図ゲームでは、通常演出の態様では出現し得ない変動表示パターンや予告が出現することがある。これにより、特殊演出の態様における特図ゲームに対して、遊技者の興味が増すこととなる。
【0141】
遊技者の興味や期待感を高めさせる特殊演出の態様で特図ゲームが行われるかどうかは、特殊ゲームの結果によるので、遊技者は、特殊ゲームに対しても興味を持つようになる。また、特殊ゲームは、20回のミニゲームからなり、時短状態での特図ゲーム5回毎に各ミニゲームの結果が示されて、その全体として遊技者が15勝以上したかどうかが、特殊ゲーム全体としての結果となる。各回のミニゲームの結果も特殊ゲームの最終的な結果に結びつくものであるため、特殊ゲームの途中においても、各回のミニゲームの結果に対して遊技者が興味を持つようになる。
【0142】
ところで、特殊ゲームの結果は、遊技制御基板101のCPU111が確率変動状態から時短状態への移行時の特殊ゲーム抽選において決定し、特殊コマンドで演出制御基板102に送信するものとしている。このように特殊ゲームの結果全体を事前に決定することで、特殊ゲームの結果を容易に決定することができ、また、演出制御基板102のCPUは、特殊ゲームの終了を待たずに実行結果を判断することができる。そして、特殊ゲームの実行に関する制御は、演出制御基板102において行うものとして、遊技制御基板101の側では、特殊ゲーム抽選と特殊コマンドの送信だけを行えばよいので、遊技制御基板101の側にかかる負荷を小さくすることができる。
【0143】
さらに、特殊ゲームを行うための特殊ゲーム表示部4cは、特図ゲームを行うための特別図柄表示部4bも設けられる可変表示部4に設けられるものとなっている。このように部品を共通化できることで、特殊ゲームを実行し得るパチンコ遊技機を低コストで構成できるようになる。もっとも、特殊ゲーム表示部4cは、特別図柄表示部4bの前面側の画像として構成されるものであるため、両者が干渉し合うことなく特図ゲームと特殊ゲームを行うことができる。
【0144】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0145】
上記の実施の形態では、特殊ゲームは、特図ゲームが実行される特別図柄表示部4bの前面側で、可変表示部4の左上に設けられる特殊ゲーム表示部4cにおいて実行されるものとしていた。しかしながら、特殊ゲーム表示部4cを設ける位置は左上とするのに限るのではなく、例えば、特別図柄表示部4bの後面全体に特殊ゲーム表示部4cを設け、特図ゲームの背景で特殊ゲームが行われるようにしてもよい。また、可変表示部4とは別個の専用の表示装置を設け、この専用の表示装置で特殊ゲームを行うものとしてもよい。この場合には、いわゆるドラム機などの画像表示装置以外で構成される可変表示部を有するパチンコ遊技機においても、特殊ゲーム、及びその結果に基づく特殊演出を実行できるようになる。
【0146】
一方、図5のテーブルに登録された変動表示パターン以外のものに関しては、特殊演出であるか通常演出であるかの違いによって全く変化させないものとすることもできる。この場合、遊技者が特殊演出の態様で特図ゲームが行われているかどうかを知らずに、予告の出現確率やリーチの出現確率が高くなる。これにより、特図ゲームの結果が導出表示されるまでにおいて遊技者が期待感を持つ場合が多くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0147】
上記の実施の形態では、特図ゲームにおける特別図柄として「0」〜「9」までの10種類の数字が、左、中及び右の3つの可変表示部で変動表示され、同じ数字が揃うことで大当たりとなるものとしていた。そして、通常大当たりであるか確率変動大当たりであるかは、特別図柄の種類が偶数か奇数かによって示されるものとしていた。しかしながら、特別図柄の構成や大当たりの種類の区別の方法は、これに限るものではない。
【0148】
例えば、「0」〜「9」までの10種類の数字でなる左、中及び右の3つの通常特別図柄と、赤、青及び緑の色の変化で変動表示される確変判定用図柄とが特別図柄表示部4bで変動表示されるものとしてもよい。通常特別図柄が同じ数字で揃うと大当たりとなるが、通常の(非確変)大当たりであるか確率変動大当たりであるかは、通常特別図柄の種類と確変判定用図柄との組み合わせ態様によって示されるものとすることができる。これにより、特図ゲームの結果と意味との関係を単調なものとせず、遊技の興趣を向上させることができる。なお、特図ゲームの結果としての通常特別図柄と確変判定用図柄の決定は、1つの抽選でまとめて行うものとしても、異なる抽選で別々に行うものとしてもよい。
【0149】
上記の実施の形態では、特図ゲームにおいて表示された結果は、単にハズレか大当たりかを示すだけでなく、大当たりである場合に確率変動大当たりであるか通常大当たりであるかをも示すものとしていた。これに対して、特図ゲームにおいて表示された結果は、単にハズレか大当たりかの違いだけをを示すものとしてもよい。この場合において、確率変動大当たりとするか通常大当たりとするかは、特図ゲームの結果を決定するための抽選と実質的に同じタイミングで別の抽選を行って、すなわち、ステップS26の特別図柄プロセス処理において行って決定することができる。
【0150】
この確率変動大当たりとするか通常大当たりとするかを決定するための抽選も、遊技制御基板101の側のCPU111が所定の乱数を抽出することにより行うものとすることができる。この抽選の結果に従って、CPU111によりRAM112の確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタに初期値がセットされることとなる。確率変動大当たりか通常大当たりであるかの抽選結果は、当該大当たりに基づく大当たり制御が終了するまでの任意のタイミングで遊技者に報知することができる。確率変動大当たりとした場合には、この間に予め定められた特定の態様での報知がなされる(通常の大当たりとした場合には、特定の態様以外で報知を行うか、全く報知を行わないものとしてもよい)。
【0151】
大当たり制御が行われている間に特図ゲームが開始することはないので、大当たり制御が終了した後の処理は、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1と全く同じに行うことができ、同様の効果を得ることができる。また、大当たりの種類を報知するタイミングを特図ゲームの結果を示すタイミングよりも遅らせることができるため、遊技者の期待感の持続という点でさらに大きな効果が得られる。また、確率変動大当たりか通常大当たりかについては、完全に内部の回路だけで決定するものとし、遊技者には全く報知しないようにすることもできる。
【0152】
上記の実施の形態では、遊技制御基板101において確率変動状態から時短状態に移行するときに特殊コマンドを演出制御基板102に送信するものとし、この特殊コマンドの受信により特殊演出モードに設定されるものとしていた。これに対して、演出制御基板102では、特殊コマンドの受信により特殊ゲームを開始させるが、特殊演出モードの設定は、特殊ゲームが終了してから行うものとしてもよい。
【0153】
上記の実施の形態では、遊技状態が時短状態にあるときに、特殊ゲームが実行され、時短状態が100回の特図ゲームで終了した後の通常の遊技状態における特図ゲームが、特殊演出の態様で行われるものとしていた。しかしながら、特殊ゲームを実行するのは、遊技状態が確率変動状態にあるときであってもよく、確率変動状態の後の時短状態においても特殊演出の態様で特図ゲームが行われるものとしてもよい。
【0154】
また、遊技状態の遷移の仕方として、確率変動状態の後に時短状態に移行するというものだけでなく、大当たり制御の終了後すぐに時短状態に移行するような場合でも、その時短状態にあるときに、特殊ゲームが実行されるものとしてもよい。いずれにしても、特殊ゲームは、確率変動状態や時短状態などの、通常の遊技状態とは異なる特別遊技状態のときに実行するものとすればよい。
【0155】
上記の実施の形態では、特別図柄の背景の色を変化させることで、特殊演出の態様で特図ゲームが行われていることを遊技者に報知するものとしていた。しかしながら、特殊演出の態様で特図ゲームが行われていることを遊技者に報知する方法はこれに限られず、背景の図柄のパターンを変化させるものとしてもよい。或いは、特殊演出の態様で特図ゲームを行う際に用いる特別図柄を、通常演出の態様で用いる特別図柄とは異なる種類のものとする(例えば、漢数字やローマ数字などとする)ことにより、特殊演出の態様で特図ゲームが行われていることを遊技者に報知するものとしてもよい。
【0156】
上記の実施の形態では、演出態様としては通常演出と特殊演出の区別があるのみであり、特殊演出の態様は1種類のみであった。これに対して、複数種類の特殊演出の態様を用意し、特殊演出の態様の種類毎に特別図柄表示用のコマンドに応じた変動表示パターンを登録するものとしてもよい。いずれの種類の特殊演出の態様による特図ゲームを行うものとするかは、遊技者が選択するものとしてもよい。特殊演出の態様の種類は、左側センサ16Lまたは右側センサ16Rを用いて選択することができる。
【0157】
また、特殊ゲームの結果としてミニゲームに15勝以上かどうかだけで区別するのではなく、ミニゲームに15勝以上、10〜14勝、9勝以下という区別を行い、15勝以上では第1の種類の特殊演出の態様で、10〜14勝では第2の種類の特殊演出の態様で、9勝以下では通常演出の態様で特図ゲームを行うものとすることもできる。
【0158】
このように特殊演出の態様として複数種類のものを用意することで、演出の態様が豊富なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者が特殊演出の態様の種類を選択できるようにすることで、特殊演出に対する遊技者の興味が増すことができる。また、特殊ゲームの実行結果の種類に応じて、特殊演出の態様の種類を変えることで、特殊ゲームに対する遊技者の興味を増すことができる。
【0159】
上記の実施の形態では、特殊ゲームの結果(より詳細には、特殊ゲームに含まれる各ミニゲームの結果)は、遊技制御基板101のCPU111が決定し、決定した結果を含む特殊コマンドを演出制御基板102に送信するものとしていた。ところが、特殊ゲームの結果の違いによって異なることとなるのは、特図ゲームにおける演出の態様だけであり、特図ゲームの結果そのものが変わる訳ではないので、特殊ゲームの結果は、演出制御基板102において独自に決定することができる。この場合、遊技制御基板101は、特殊ゲームの結果を含まずに実行開始のみを指示するコマンド(他のコマンドと兼用でも可)を演出制御基板102に送信するものとし、このコマンドの受信によって、演出制御基板102で特殊ゲームの結果を独自に決定し、独自に決定した結果に従って特殊ゲーム中の各ミニゲームを行っていくことができる。
【0160】
また、特殊ゲームの結果の違いによって特図ゲームの結果そのものが異なることはないので、特殊ゲームに遊技者が介入し、遊技者の介入による指示に従って特殊ゲーム(詳細には、特殊ゲームに含まれる各ミニゲーム)を実行し、結果を変化させるものとしてもよい。遊技者が特殊ゲームの実行に介入する手段としては、左側センサ16L、右側センサ16Rを用いることができる。
【0161】
この場合、演出制御基板102のCPUは、左側センサ16Lまたは右側センサ16Rから入力された指示に基づいて、時短状態での特図ゲーム5回毎に示される各ミニゲームの結果を変化させる。遊技者の介入に従って実行された各ミニゲームの勝敗をカウントしておく。そして、20回のミニゲームが全て終了するまでの勝敗結果に従って、時短状態が100回の特図ゲームで終了した後の特図ゲームを特殊演出の態様で行うか通常演出の態様で行うかを変化させるものとすればよい。このように特殊ゲームの結果に遊技者が介入し、これにより特殊ゲームの結果が、さらには特図ゲームの結果が変化するようにすることで、特殊ゲームに対する遊技者の興味を高くすることができる。
【0162】
上記の実施の形態では、特殊ゲームの結果により特図ゲームの演出態様が変化するものとしていたが、特図ゲームの結果そのものも変化、例えば、特図ゲームにおける大当たり確率も変化するようにしてもよい。もっとも、大当たり確率までに変化が生じるものとした場合には、特殊ゲームの結果について、演出制御基板102が独自に決定することや遊技者が介入することはできず、上記の実施の形態のように遊技制御基板101のCPU111が決定して、その結果を含む特殊コマンドを演出制御基板102に送信しなければならない。このように特殊ゲームの結果が特図ゲームの結果にも変化をもたらすものとすることで、特殊ゲームの結果に対する遊技者の注目度が高くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0163】
上記の実施の形態では、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明したが、画像表示装置を有するものであれば、例えば第2種或いは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、またはパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であってもよい。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機(CR機)だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機(現金機)にも適用可能である。
【0164】
さらには、パチンコ遊技機の動作をシミュレーションするゲーム機等に本発明を適用することができる。上記の実施の形態のパチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機では、ゲーム機のCPUが所定のプログラムを実行することにより、上記した遊技機の動きをシミュレーションし、その結果として特別図柄始動口5を通過したと判別したときに、上記と同様の抽選を行い、図柄を変動表示させることができる。このゲーム機のプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納したり、Web上のサーバ装置からゲーム機にダウンロードさせるものとして、ゲーム機とは別に流通させることができる。
【0165】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、特殊ゲームの結果次第で演出態様が変化することとなるので、演出の状態の変化に遊技者を飽きさせることがない。また、その変化に対して遊技者が興味と期待感を持つことができる。さらに、特殊ゲームに対しても遊技者が興味を持つこととなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0166】
請求項2発明によれば、特殊ゲームの結果次第で演出態様が変化することとなるので、演出の状態の変化に遊技者を飽きさせることがない。また、その変化に対して遊技者が興味と期待感を持つことができる。さらに、特殊ゲームに対しても遊技者が興味を持つこととなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0167】
請求項3の発明によれば、遊技者の意思に基づいた演出を行うことができるので、第2の演出態様に対する遊技者の興味が増すこととなる。
【0168】
請求項4の発明によれば、通常の演出では出現し得ない変動表示パターンが出現することにより、第2の演出態様に対する遊技者の興味が増すこととなる。
【0169】
請求項5の発明によれば、予告の出現確率が高くなることで、第2の演出態様における遊技者の期待感が高くなる。
【0170】
請求項6の発明によれば、リーチの出現確率が高くなることで、第2の演出態様における遊技者の期待感が高くなる。
【0171】
請求項7の発明によれば、各回のミニゲームの結果の割合が特殊ゲームの実行結果となるので、特殊ゲームに対する遊技者の興味が高くなる。
【0172】
請求項8の発明によれば、特殊ゲームの実行結果の種類に応じた種類の第2の演出態様に制御されるので、演出態様を豊富にすると共に、特殊ゲームに対する遊技者の興味が高くなる。
【0173】
請求項9の発明によれば、部品の共通化することで、低コストで遊技機を構成できるようになる。
【0174】
請求項10の発明によれば、特殊ゲームの実行を演出制御手段により制御することで、遊技制御手段にかかる負荷を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】図1のパチンコ遊技機のガラス扉(前面扉)の背面側の構造を示す図である。
【図3】図1のパチンコ遊技機の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタとにセットすべき初期値を登録したテーブルを示す図である。
【図5】通常演出の態様と特殊演出の態様とで実行すべき変動表示パターンを登録したテーブルを示す図である。
【図6】(a)は、遊技制御基板の基本回路内のCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートであり、(b)は、タイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
【図7】遊技制御基板の制御部が特図ゲームの終了時において遊技状態を制御するために実行する処理を示すフローチャートである。
【図8】演出制御基板内の制御部が実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機における遊技状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図10】特殊ゲームの実行と特殊演出の実行との例を説明する図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
3 可変表示装置
4 可変表示部
101 遊技制御基板
102 演出制御基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させることが可能な可変表示手段と、所定の始動条件が成立することにより、前記可変表示手段による可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段と、前記可変表示手段上で前記識別情報を可変表示させ、所定時間経過後に前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果を導出表示させる可変表示制御手段と、前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果が特定の表示態様であったときに、前記可変表示制御手段により特定の表示態様が導出表示された後に、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態へ制御する特定遊技状態制御手段とを備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(以下、LCD:LiquidCrystal Display)等の可変表示装置上で識別情報(以下、表示図柄)を変動表示させ、最終的に導出表示された表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、前述の表示装置を特別図柄表示装置として用いた特図ゲームと、前述の表示装置を兼用または他の表示装置を専用に用いた普図ゲームとがある。特に特図ゲームの「当たり」(以下、大当たり)となったときには、大入賞口またはアタッカと呼ばれる特別電動役物が一定期間断続的に開放状態となり、遊技球の入賞が極めて容易となる。このような大当たり制御が行われている状態を特定遊技状態という。
【0004】
また、特図ゲームの結果(例えば、最終確定図柄が奇数か偶数か)によって、次の大当たり確率を高くする確率変動状態や、さらには図柄の変動表示の時間を短縮させる時短状態といった、遊技者にとって有利な特別遊技状態へと制御するものとしている。このように特図ゲームの結果は、遊技者が獲得できる遊技球の数に大きな影響を及ぼすものであるため、その結果が表示されるまでの間に、様々な演出を行うことで遊技の興趣が高められているのが一般的である。
【0005】
上記したように特別遊技状態において行われる特図ゲームは、通常の遊技状態において行われる特図ゲームよりも遊技者にとって有利なものであり、遊技者の注目度も高い。そこで、特別遊技状態として確率変動状態になると、そのときの特図ゲームにおけるリーチでは、通常の遊技状態の特図ゲームにおけるリーチでは出現しないキャラクタを登場させ、演出を行うものとした遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−141170号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の遊技機では、遊技状態が確率変動状態に変化することによって自然に演出の態様が変化するだけのものであり、演出の態様が変化したからといって、それ自体に遊技者が興味を持ったり、その変化によって特図ゲームの結果に対して期待感を持ったりということがあまりなかった。また、演出の態様が変化する場合は完全に決まっているので、演出の態様の変化に対して、遊技者がすぐに飽きてしまうものとなっていた。
【0008】
本発明は、演出の状態の変化に遊技者が飽きることなく、また、その変化に対して遊技者が興味と期待感とを持つことができるようにした遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる遊技機は、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させることが可能な可変表示手段(例えば、可変表示部4)と、
所定の始動条件が成立することにより、前記可変表示手段による可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段(例えば、ステップS26)と、
前記可変表示手段上で前記識別情報を可変表示させ、所定時間経過後に前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果を導出表示させる可変表示制御手段(例えば、ステップS220、S221)と、
前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果が特定の表示態様であったときに、前記可変表示制御手段により特定の表示態様が導出表示された後に、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態へ制御する特定遊技状態制御手段(例えば、ステップS107)と、
前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果が前記特定の表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様であったときに、前記特定遊技状態が終了した後に遊技状態を前記特定の表示態様となり易い特別遊技状態へ制御する特別遊技状態制御手段(例えば、ステップS103)と、
前記特別遊技状態制御手段により遊技状態を前記特別遊技状態へ制御したときに、前記識別情報の可変表示とは別に独立した特殊ゲームを実行し、その実行結果を報知する特殊ゲーム実行手段(例えば、ステップS204、S212、S214、S215)と、
前記特殊ゲーム実行手段による前記特殊ゲームの実行結果を特別な結果とするか否かを決定する特殊ゲーム結果決定手段(例えば、ステップS113)と、
前記特殊ゲーム結果決定手段により特別な結果にすると決定したときに、前記特殊ゲームの結果として特別な結果を報知した後に、前記可変表示手段における演出態様を第1の演出態様から、該第1の演出態様とは異なる第2の演出態様へ制御する演出態様制御手段(例えば、ステップS206)と
を備えることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる遊技機は、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させることが可能な可変表示手段(例えば、可変表示部4)と、
所定の始動条件が成立することにより、前記可変表示手段による可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段(例えば、ステップS26)と、
前記可変表示手段上で前記識別情報を可変表示させ、所定時間経過後に前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果を導出表示させる可変表示制御手段(例えば、ステップS220、S221)と、
前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果が特定の表示態様であったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態へ制御する特定遊技状態制御手段(例えば、ステップS107)と、
前記表示結果決定手段により可変表示の表示結果が特定の表示態様となることが決定されたときに、前記特定の表示態様となり易い特別遊技状態へ遊技状態を制御するか否かをさらに決定する特別決定手段(例えば、ステップS26)と、
前記特別決定手段により遊技状態を前記特別遊技状態へ制御することが決定されたときに、前記特定遊技状態が終了した後に遊技状態を前記特定の表示態様となり易い特別遊技状態へ制御する特別遊技状態制御手段(例えば、ステップS103)と、
前記特別遊技状態制御手段により遊技状態を前記特別遊技状態へ制御したときに、前記識別情報の可変表示とは別に独立した特殊ゲームを実行し、その実行結果を報知する特殊ゲーム実行手段(例えば、ステップS204、S212、S214、S215)と、
前記特殊ゲーム実行手段による前記特殊ゲームの実行結果を特別な結果とするか否かを決定する特殊ゲーム結果決定手段(例えば、ステップS113)と、
前記特殊ゲーム結果決定手段により特別な結果にすると決定したときに、前記特殊ゲームの結果として特別な結果を報知した後に、前記可変表示手段における演出態様を第1の演出態様から、該第1の演出態様とは異なる第2の演出態様へ制御する演出態様制御手段(例えば、ステップS206)と
を備えることを特徴とする。
【0011】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機では、遊技状態の変化に伴って演出の状態が変化するのではなく、特殊ゲームの結果次第で演出の態様が変化することとなる。このため、演出の変化が単純な事象によって行われるのではなく、演出の態様の変化に遊技者を飽きさせることがない。また、演出の態様の変化に対して、特殊ゲームの実行時から遊技者が興味と期待感を持つことができる。さらに、特殊ゲーム自体にも遊技者が興味を持つこととなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0012】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、前記特別遊技状態制御手段は、前記特定遊技状態が終了した直後に前記特別遊技状態へ遊技状態を制御するものであってもよい。もっとも、前記特別遊技状態への制御は、前記特定遊技状態が終了した後において前記特定の表示態様となることが決定されない限り確実に行われるのであれば、前記特定遊技状態が終了した直後でなくてもよい。
【0013】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記第2の演出態様において実行される演出態様には、複数種類の演出態様があってもよい。この場合において、上記第1、第2の観点にかかる遊技機は、
前記複数種類の演出態様の中から、所望の種類の演出態様を遊技者に選択させる演出選択手段(例えば、センサ16L、16R)をさらに備えるものとすることができ、
前記演出態様制御手段は、前記第2の演出態様において、前記演出選択手段により選択された種類の演出態様に制御するものとすることができる。
【0014】
この場合には、演出選択手段からの選択により、第2の演出態様では遊技者の意思に基づいた種類の態様の演出を行うことができるようになる。これにより、第2の演出態様に対する遊技者の興味が増すこととなる。
【0015】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記第2の演出態様は、前記識別情報の可変表示を通常の状態では出現し得ない可変表示パターンで実行する状態を含むものとすることができる(例えば、図5参照)。
【0016】
ここで、通常の状態では出現し得ない変動表示パターンは、例えば、スーパーリーチの変動表示パターンとすることができる。変動表示を行う際に特別な予告が含まれるものとすることもできる。通常の状態では用いられない態様の識別情報を用いて、変動表示を行うものとすることもできる。通常の状態では用いられない画像を識別情報の変動表示の背景として用いることもできる。
【0017】
このように通常の演出では出現し得ない変動表示パターンが出現することにより、第2の演出態様に対する遊技者の興味が増すこととなる。
【0018】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記第2の演出態様は、前記識別情報の可変表示を行う際に所定の予告が出現する確率が通常の状態よりも高くなる状態を含むものとすることもできる(例えば、図5参照)。
【0019】
このように識別情報の変動表示を行う際の予告の出現確率が高くなることで、特殊演出では特定の表示態様が導出表示され、特定遊技状態が発生することについて、特殊演出状態における遊技者の期待感が高くなる。
【0020】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記第2の演出態様は、前記識別情報の可変表示においてリーチが出現する確率が通常の状態よりも高くなる状態を含むものとすることもできる(例えば、図5参照)。
【0021】
このように識別情報の変動表示を行っているときにおいてリーチの出現確率が高くなることで、第2の演出態様では特定の表示態様が導出表示され、特定遊技状態が発生することについて、第2の演出態様における遊技者の期待感が高くなる。
【0022】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記特殊ゲームは、複数回のミニゲームからなるものであってもよい。この場合において、
前記特殊ゲーム結果決定手段は、各回のミニゲームの結果を決定することができる。
【0023】
この場合には、各回のミニゲームの結果の割合が特殊ゲームの実行結果となる。このため、特殊ゲームが最後まで終了しなくても、その途中においても個々のミニゲームの結果について遊技者の興味が向けられることとなり、特殊ゲームに対する遊技者の興味が高くなる。
【0024】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記特殊ゲームの実行結果としての特別な結果には、複数種類のものがあり、前記第2の演出態様には、前記特別な結果の種類に応じた複数種類のものがあってもよい。この場合において、
前記演出態様制御手段は、前記特別な結果の種類に応じた種類の第2の演出態様に制御するものとすることができる。
【0025】
この場合には、特殊ゲームの実行結果の種類に応じた種類の第2の演出態様で演出が行われるようになる。これにより、特殊ゲームの結果の種類に応じて第2の演出態様での演出の態様を豊富にすることができる。また、特殊ゲームの実行結果の種類により演出の種類も異なってくるため、特殊ゲームに対する遊技者の興味が高くなる。
【0026】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機において、
前記特殊ゲームは、前記可変表示手段の一部の表示領域(例えば、特殊ゲーム表示部4c)において、前記識別情報の可変表示とは別個に実行されるものとすることができる。
【0027】
前記特殊ゲームは、前記可変表示手段とは別個に設けられた表示手段において実行されるものとすることもできる。
【0028】
特殊ゲームを可変表示手段の一部の表示領域を用いて行うことで、部品の共通化により、低コストで遊技機を構成できるようになる。一方、特殊ゲームを行う表示手段を可変表示手段とは別個に設けることで、可変表示手段の構成(例えば、ドラム機)に関わらず、特殊ゲームを行い得る遊技機を構成することができる。
【0029】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機は、
遊技の進行を制御し、遊技の進行状況に応じたコマンドを送信する遊技制御手段(例えば、遊技制御基板101)と、
前記遊技制御手段から送信されたコマンドを受信し、該受信したコマンドに従って、前記可変表示手段への表示を含む演出を制御する演出制御手段(例えば、演出制御基板102)とを備えるものであってもよい。この場合において、
前記遊技制御手段は、前記表示結果決定手段を含むと共に、
該表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果を示す可変表示コマンドを前記演出制御手段に送信する可変表示コマンド送信手段(例えば、ステップS28)と、
前記所定のゲーム開始条件が成立したときに、前記特殊ゲームを実行させるための特殊コマンドを前記演出制御手段に送信する特殊コマンド送信手段(例えば、ステップS114)とを備えるものとすることができ、
前記演出制御手段は、前記特殊ゲーム実行手段、前記特殊ゲーム結果判定手段、及び前記演出態様制御手段を含み、前記特殊ゲーム実行手段は、前記特殊コマンドの受信により前記特殊ゲームを実行するものとすることができる。
【0030】
この場合には、遊技制御手段としては特殊コマンドの送信を行えば、特殊ゲームの実行については、演出制御手段がこれを制御することとなる。これにより、遊技制御手段にかかる負荷を小さくすることができる。
【0031】
なお、前記特殊ゲーム結果決定手段は、前記遊技制御手段に含まれ、特殊ゲームの実行結果が前記特殊コマンド(さらに別のコマンドでも可)によって前記演出制御基板に通知されるものとしてもよい。前記特殊ゲーム結果決定手段は、前記演出制御手段に含まれるものとしてもよい。この場合、前記演出制御手段に含まれる前記特殊ゲーム結果決定手段は、前記遊技制御手段からの特殊コマンドの受信したときに特殊ゲームの実行結果を決定するものとなる。
【0032】
上記第1、第2の観点にかかる遊技機は、また、
前記特殊ゲーム実行手段による前記特殊ゲームの実行に遊技者を介入させる特殊ゲーム介入手段(例えば、センサ16L、16R)をさらに備えていてもよい。
また、前記特殊ゲーム実行手段は、前記特殊ゲーム介入手段からの遊技者の介入状況に従って、前記特殊ゲームを実行し、その実行結果を変化させるものとすることができる。
この場合においては、特殊ゲームの実行結果を特殊ゲーム結果決定手段により決定するものとせず、遊技者からの介入に従って変化される特殊ゲームの実行結果が特別な結果となったか否かを判定する特殊ゲーム結果判定手段を備えることができる。
演出態様制御手段は、前記特殊ゲーム結果判定手段により特別な結果となったと判定したときに、前記可変表示手段における演出態様を第1の演出態様から第2の演出態様に制御するものとすることができる。
【0033】
この場合には、特殊ゲームの実行に対して遊技者が介入して、その実行結果を変化させることができるようになる。これにより、特殊ゲームに対する遊技者の興味が高くなる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0035】
図1は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。図2は、図1のパチンコ遊技機のガラス扉(前面扉)の背面側の構造を示す図である。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を指示固定する遊技機用枠(ガラス扉枠)20とから構成されている。遊技盤2は、ガイドレールによって囲まれたほぼ円形状の遊技領域を形成している。
【0036】
遊技盤2の遊技領域のほぼ中央位置には、可変表示装置3が配置されている。可変表示装置3は、LCDからなる可変表示部4が設けられている。可変表示部4は、特図ゲームの保留記憶を表示するための特別図柄保留記憶表示部4aを前面側の画像とし、特図ゲームを行うための特別図柄表示部4bを後面側の画像として、これらの画像を重ね合わせて表示する。このパチンコ遊技機1では、可変表示部4の特別図柄保留記憶表示部4aのさらに前面側に特殊ゲームを行うための特殊ゲーム表示部4cが設けられ、特別図柄表示部4b及び特別図柄保留記憶表示部4aに重ね合わせて表示される。
【0037】
特別図柄表示部4bは、特図ゲームに伴って、背景画像、キャラクタ、特別図柄等を表示する。特図ゲームに使用される特別図柄としては、「0」から「9」までの10種類の数字が用意されている。特別図柄表示部4bでは、左、中及び右の3つの可変表示部で特別図柄が変動表示され、特図ゲームは、3つの可変表示部で同じ数字が揃って停止することによって大当たりとなり、後述するような大当たり制御が行われる。
【0038】
停止した特別図柄の種類が偶数であれば、通常大当たりと、奇数であれば、確率変動大当たり(通常大当たりによる制御に加えて、以降の所定ゲーム数(例えば、100回)だけ特図ゲームにおける大当たり確率を高くするという確率変動制御を行うもの)となる。なお、大当たり制御が行われている状態を特定遊技状態といい、確率変動制御が行われている状態を確率変動状態という(特別遊技状態ともいう)。確率変動状態は、所定ゲーム数を消化した場合の他に、新たな大当たりが発生することによっても終了する(但し、連続して発生する場合がある)。
【0039】
確率変動大当たりが連続して発生する回数は、所定回数(例えば、5回)に制限されている。すなわち、確率変動制御が行われているときの特図ゲームの結果として奇数の図柄が揃った回数(確率変動大当たりの連続発生回数)がカウントされており、このカウント回数が所定回数となると、後述する抽選に基づく特図ゲームの結果として奇数の図柄が揃った確率変動大当たり表示態様となることはない。
【0040】
また、確率変動制御が行われる所定ゲーム数の間に大当たりが発生しなかった場合には、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示の時間を短縮する時短制御が行われる。時短制御が行われている状態を時短状態という。この時短制御が行われる回数も所定ゲーム数(例えば、100回)に制限されている。もっとも、確率変動大当たりの連続発生回数が所定回数に達していた場合には、確率変動制御が行われる所定ゲーム数の間に大当たりが発生しなくても、その後に時短制御が行われることはない。
【0041】
可変表示装置3の可変表示部4の上側中央には、特図ゲームにおけるリーチ演出や、大当たり演出の際に駆動される役物11と、役物11の駆動に伴って発光する役物飾りランプ12a、12bとが設けられている。役物11及び役物飾りランプ12a、12bの左右には、例えば遊技者が特図ゲームにおいて表示されるキャラクタ画像を選択するために用いられる、反射型センサからなる左側及び右側センサ16L、16Rが設けられている。可変表示装置3の可変表示部4の下側には、普図ゲームの保留記憶を表示するための普通図柄保留記憶表示部10が設けられている。
【0042】
可変表示装置3の可変表示部4の左上、右上、左横及び右横には、装飾ランプ13a、13b、13c、13dがそれぞれ設けられている。可変表示装置3を離れて遊技盤2の遊技領域の左右側にも、それぞれ装飾ランプ13e、13fが設けられている。装飾ランプ13a〜13fは、リーチ演出や大当たり演出の際に、例えば特別図柄表示部4bに表示される画像の変化に伴って発光し、画像に加えて光による演出で遊技興趣を高めるようにするものである。
【0043】
可変表示装置3の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)6を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)5が配設されている。特図ゲームに関して、特別図柄始動口5を遊技球が通過したときに、その経過及び結果を決定するための抽選が行われる。特図ゲームは、先に通過した遊技球の保留記憶(後述)がなくなったときに開始して、特別図柄始動口5を遊技球が通過したときの抽選結果に基づいて特別図柄表示部4bにおいて表示がなされる。
【0044】
電動チューリップ型役物6は、例えば普図ゲームの結果に従って、通常の態様(チューリップが閉じて、遊技球の通過が困難か不可能な状態)から一定期間だけ動作されて開放態様(チューリップが開いて、遊技球の通過が容易となった状態)とされ、特別図柄始動口5への遊技球の通過が容易になる。
【0045】
特別図柄始動口5の両側には、遊技球の通過により普図ゲームを開始させるための通過ゲート7a、7bが設けられている。特別図柄始動口5及び通過ゲート7a、7bの遊技球の通過は、それぞれ最大4つまで保留記憶され、保留記憶されている数が特別図柄保留記憶表示部4a及び普通図柄保留記憶表示部(ゲート通過記憶表示器)10に表示される。
【0046】
特別図柄始動口5の下側には、大当たり発生時にソレノイド等を駆動することで開放動作を行う大入賞口(第1種特別電動役物:アタッカ)8が配設されている。大入賞口8は、特別図柄始動口5への入賞に基づいて特図ゲームが行われた結果大当たりとなった場合に、大当たり制御の1つとして開放動作を行う。この開放動作は、遊技球が大入賞口8の内部の特定領域(図示せず)を通過することを条件として、断続的に最大15回継続して行う。また、通過ゲート7aの左側と下側、通過ゲート7bの下側と右側には、遊技球の通過によって賞球が払い出される入賞口9a〜9dが設けられている。
【0047】
ガラス扉枠20には、遊技領域を囲むようにして複数の遊技効果LED14a〜14hが設けられている。また、ガラス扉枠20の上部左右側(遊技効果LED14a、14bの内側)には、スピーカ15a、15bが設けられている。特別図柄表示部4bに表示される画像の変化に伴って、またはこの画像とは独立して、遊技効果LED14a〜14hが発光し、スピーカ15a、15bから音声が出力される。この光及び音声による演出でも遊技興趣が高められている。
【0048】
ガラス扉枠20の遊技領域の下側には、遊技領域に打ち出す遊技球を供給するための打球供給皿21が設けられている。その下側には、打球供給皿21への払い出しができなくなった賞球を払い出すための余剰球受皿22が設けられている。その右側には、遊技領域に遊技球を打ち出す発射モータ(図示せず)を駆動するための打球操作ハンドル23が設けられている。
【0049】
ガラス扉枠20の遊技領域の左側には、払い出しを完了していない賞球があることを示す賞球ランプ17が、遊技領域の上側には、払い出すべき賞球が切れてしまったことを報知する球切れランプ18が設けられている。また、パチンコ遊技機1の左側には、プリペイドカードを挿入し、遊技球の貸し出しを受けるためのプリペイドカードユニット200が設けられている。
【0050】
さらに、図2に示すように、ガラス扉枠20の背面側には、賞球を払い出すための球払出装置105と、球払出装置105が払い出し可能な賞球がなくなったことを検出するための球切れスイッチ52が設けられている。また、球払出装置105からオーバーフローした遊技球の貯留が満タンになったことを検出する満タンスイッチ53(図2には不図示:図3参照)が設けられている。
【0051】
上記の各部を制御するための制御基板として、遊技制御基板101、演出制御基板102及び入出力ドライバ基板103、並びに払出制御基板104も、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。各部に電力を供給するための電源基板100も、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。図3は、各基板100〜104を含む、パチンコ遊技機1の制御回路の構成を示すブロック図である。
【0052】
遊技制御基板101は、パチンコ遊技機1における遊技の進行全体の流れを制御するためのメイン側の制御基板であり、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113及びI/O(Input/Output)ポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる基本回路110を搭載している。また、遊技制御基板101は、スイッチ回路120、ソレノイド回路130、情報出力回路140及びアドレスデコード回路150を搭載している。
【0053】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能、及び乱数発生機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する制御を行うと共に、パチンコ遊技機1の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、基本回路110に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。基本回路110については、後にさらに詳細な説明を行う。
【0054】
スイッチ回路120は、通過ゲート7a、7bを通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ37、特別図柄始動口5を通過した遊技球を検出するための始動口スイッチ35、大入賞口8を通過した遊技球を検出するためのカウントスイッチ38、大入賞口8の特定領域を通過した遊技球を検出するためのVカウントスイッチ30、及び入賞口9a〜9dを通過した遊技球を検出するための入賞口スイッチ39に接続されている。また、満タンスイッチ53、球切れスイッチ52、及び球払出装置105が払い出した賞球をカウントするための賞球カウントスイッチ51にも接続されている。
【0055】
スイッチ回路120は、各スイッチ37、35、38、30、39、53、52及び51から出力されてくる入力信号を、ローパスフィルタ等を通してパルス波として整形した後に、バッファゲート等によって増幅し、I/Oポート114に出力して、CPU111に入力させるものである。
【0056】
ソレノイド回路130は、電動チューリップ型役物6を駆動するためのソレノイド45、大入賞口8の開閉を駆動するためのソレノイド48、及び大入賞口8内の内部にあり、遊技球を特定領域に寄せるためのシーソー(図示せず)を駆動するためのソレノイド40に接続されている。ソレノイド回路130は、I/Oポート114から出力される制御信号に基づいて、ソレノイド40、45及び48に駆動制御信号(励磁信号)を出力する。
【0057】
情報出力回路140は、I/Oポート114から出力された制御信号に基づいて、大当たりの発生により大当たり制御が行われていることを示す大当たり情報、時短制御が行われていることを示す時短情報、確率変動制御が行われていることを示す確変情報、特図ゲームの始動に関する情報である始動情報、支払われた賞球に関する情報である賞球情報等の各種情報を、端子(図示せず)に挿入されたケーブルを介して、製品検査用のコンピュータやパチンコホール(遊技店)の管理コンピュータに対して出力する。
【0058】
アドレスデコード回路150は、CPU111から出力されたアドレス信号を入力し、デコードする。デコードした結果、CPU111の制御対象がRAM112、ROM113及びI/Oポート114のいずれであるかを選択するための信号を、CPU111に出力する。
【0059】
演出制御基板102は、CPU、RAM及びROMを含む制御部を有し、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに基づいて、特図ゲーム、普図ゲーム及び特殊ゲームを含む各種の演出を制御する。演出制御基板102は、可変表示部4に接続されており、特別図柄表示部4bに特図ゲームにおける画像を表示させ、特別図柄保留記憶表示部4aに保留記憶の表示をさせ、特殊ゲーム表示部4cに特殊ゲームにおける画像を表示させる。演出制御基板102は、入出力ドライバ基板103に接続されており、入出力ドライバ基板103に対してその他の演出を制御するための制御信号を出力する。
【0060】
入出力ドライバ基板103は、左側及び右側センサ16L、16Rに接続されており、この検出信号を入力して、演出制御基板102に出力するためのドライバ回路を備えている。入出力ドライバ基板103のドライバ回路は、また、スピーカ15、遊技効果LED(14a〜14h)、賞球ランプ17、球切れランプ18、装飾ランプ13(13a〜13f)、役物飾りランプ12(12a、12b)、及びゲート通過記憶表示器10に接続されており、演出制御基板102からの制御信号に従ってこれらを制御する。入出力ドライバ基板103は、役物用ソレノイド41に接続されており、演出制御基板102からの制御信号に従って役物用ソレノイド41に駆動制御信号を出力し、役物11を駆動させるためのドライバ回路を備えている。
【0061】
払出制御基板104は、球払出装置105とプリペイドカードユニット200とに接続されており、遊技球の貸し出しのために必要な情報をプリペイドカードユニット200との間でやりとりし、また、球払出装置105に貸し出された遊技球または入賞により賞球として払い出される遊技球を払い出させるための制御回路を備えている。
【0062】
次に、遊技制御基板101に含まれる基本回路110について、詳細な説明を行う。基本回路110のRAM112には、現在の遊技状態が特定遊技状態にあるかどうかを示す特定遊技状態フラグが設定される。また、RAM112には、確率変動状態において新たな確率変動大当たりが発生することにより、確率変動状態が継続した回数(但し、各回の確率変動状態の間は特定遊技状態となる)をカウントするための確変継続カウンタの記憶領域が設けられている。
【0063】
さらに、RAM112には、確率変動状態において特別図柄が変動表示される残り特図ゲーム数を示す確変ゲームカウンタと、時短状態において特別図柄の変動表示時間が短縮される残り特図ゲーム数を示す時短ゲームカウンタの記憶領域が設けられている。確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタは、それぞれ確率変動状態、時短状態にあることを示すフラグを兼ねており、値が0になっているときには、現在の遊技状態が確率変動状態でないこと、時短状態でないことを示している。
【0064】
もっとも、確変ゲームカウンタの値が0でなくても、特定遊技状態フラグが特定遊技状態にあることを示していれば、確率変動状態にない。時短ゲームカウンタの値が0でなくても、特定遊技状態フラグが特定遊技状態にあることを示しているか、確変ゲームカウンタの値が0でなければ、時短状態にない。つまり、特定遊技状態フラグがセットされていないときであって、確変ゲームカウンタの値と時短ゲームカウンタの値のいずれも0ならば通常の遊技状態であり、時短ゲームカウンタの値に関わらず確変ゲームカウンタの値が0でないならば確率変動状態であり、確変ゲームカウンタの値が0でなく時短ゲームカウンタの値が0でないならば時短状態である。
【0065】
特定遊技状態フラグは、特図ゲームの結果として大当たりが発生したときにセットされ、該発生した大当たりに基づく大当たり制御が終了したときにリセットされる。確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタとには、大当たりが発生したときに、大当たり表示態様を構成する図柄の種類及び現在の遊技状態に従って、初期値がセットされる。これらの初期値は、それぞれ確率変動状態と時短状態の終了条件を示すものであるが、どのような初期値をセットするかは、ROM113に予め登録されたテーブルに従って決められる。
【0066】
図4は、大当たりが発生したときに確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタとにセットすべき初期値を登録したテーブルを示す図である。図4において、確変継続カウンタの値は、確率変動大当たりが発生した場合に、これに伴って更新される前の値を示すものであり、すなわち、既に確率変動状態が継続している回数を示すものである。
【0067】
図4のテーブルでは、大当たり図柄が奇数図柄(確率変動図柄)である場合と、偶数図柄(通常の図柄)である場合とで、確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタにセットされる初期値として異なる値が登録されている。また、現在の遊技状態として確率変動状態は、確変継続カウンタの値によって区別される場合がある。
【0068】
大当たり図柄が奇数図柄であって、この大当たりにより連続した5回目となる確率変動状態にある場合(確変ゲームカウンタの値が0より大きく、確変継続カウンタの値が4)において確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタにセットされる初期値として、それぞれ100、0が登録されている。大当たり図柄が奇数図柄であって、それ以外の場合には、確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタにセットされる初期値として、いずれも100が登録されている。大当たり図柄が偶数図柄である場合には、確変継続カウンタの値や大当たり時の遊技状態に関わらず、確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタにセットされる初期値として、いずれも0が登録されている。
【0069】
図3のRAM112に設定された確変ゲームカウンタと時短カウンタとには、図4のテーブルに従って初期値がセットされるが、それぞれ確率変動状態(確変ゲームカウンタの値が0より大きい)、時短状態(確変ゲームカウンタの値が0で、時短ゲームカウンタの値が0より大きい)において特図ゲームの実行が終了する度に、その値が1ずつデクリメントされていく。また、確変継続カウンタの値は、確率変動大当たりの発生によって1ずつインクリメントされ、確率変動状態の終了条件が成立するか、通常大当たりの発生によって初期値の0がセットされる。
【0070】
CPU111は、上記したRAM112に設定される特定遊技状態フラグ、或いはRAM112に設けられる各種カウンタの値を参照して、特図ゲーム及び普図ゲームに関する抽選を含む各種の処理を行っている。このCPU111が行う抽選によって、特図ゲーム及び普図ゲームの表示処理に関しては演出制御基板102の側で行われるものの、特図ゲーム及び普図ゲームの結果そのもの(結果が表示されるタイミングを含む)については、CPU111が認識することができる。
【0071】
CPU111は、演出制御基板102の制御部に特別図柄表示部4bにおいて特図ゲームを行わせるための特別図柄表示用のコマンドを生成して、I/Oポート114から演出制御基板102に送信させている。特別図柄表示用のコマンドを生成する際には、確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタの値が参照されており、特別図柄始動口5への遊技球の通過に基づく抽選結果が同じであっても、確率変動状態中と時短状態中には、特別図柄表示用のコマンドは、通常の遊技状態とは内容が異なり、これにより特図ゲームの内容が異なるものとなる。
【0072】
特図ゲームの内容は、特殊ゲーム表示部4cにおける特殊ゲームの結果によって特殊演出モードに設定された場合にも変化することとなる(但し、後述するように時短状態が終了するまでは除く)。特殊ゲームは、確率変動状態から時短状態に移行するときに遊技制御基板101から演出制御基板102に送られてくる特殊コマンドによって時短状態において実行される。時短状態が大当たりの発生でなく100回の特図ゲームの実行で終了して通常の遊技状態に戻ったときに、特殊演出の特図ゲームが実行されることとなる。もっとも、特図ゲームの結果そのものは、特殊演出であっても変化することはない。特殊ゲーム及び特殊演出の詳細については、後述する。
【0073】
CPU111は、さらに、RAM112に設定される特定遊技状態フラグの状態、確変ゲーム数カウンタの値、及び時短ゲームカウンタの値に基づいて、情報出力回路140から外部に出力可能となる大当たり情報(特定遊技状態にあることを示す)、確変情報(確率変動状態にあることを示す)及び時短情報(時短状態にあることを示す)をそれぞれ示す制御信号を生成して、I/Oポート114から情報出力回路140に出力させている。
【0074】
次に、特殊ゲーム及び特殊演出について説明する。特殊ゲームは、遊技状態が時短状態にあるときに行われるものであり、時短状態が終了するまでに20回のミニゲームが行われる(但し、時短中の大当たりによって時短状態が終了する場合を除く)。各ミニゲームの結果は、時短状態における特図ゲームが5回終了する度に示されて、20回のミニゲーム(100回の時短状態での特図ゲーム)が全て終了すると、ミニゲームのトータルの結果が示される。時短状態における特図ゲーム5回毎にミニゲームの結果を示していくため、演出制御基板102のRAMには、時短状態に移行してから実行された特図ゲームの回数をカウントする特殊ゲームカウンタが設けられている。
【0075】
各ミニゲームの結果は、確率変動状態から時短状態に移行するときに行われる特殊ゲーム抽選によって遊技制御基板101のCPU111が決定し、その抽選結果(各回のミニゲームの結果を含む)を特殊コマンドとして演出制御基板102に送信する。特殊コマンドを受信すると、演出制御基板102のRAMに特殊ゲームフラグが設定され、特殊ゲームフラグに従って各回のミニゲームが実行されることとなる。特殊ゲームフラグは、20回のミニゲームに対応して20ビットを有しており、各ビットが各回のミニゲームの結果を示すものである。
【0076】
特殊ゲーム全体の結果として、20回のミニゲームにおいて遊技者が15勝以上することとなると、時短状態が終了してから次の大当たりまでの特図ゲームが特殊演出の態様で行われることとなる。それ以外の場合の特図ゲームは、遊技状態が確率変動状態や時短状態にあることを含めて、通常演出の態様で行われることとなる。なお、特殊コマンドは、確率変動状態から時短状態に移行するときに送られてくるので、当該特殊コマンドが遊技者の15勝以上を示していると、演出制御基板102においてはその時点で特殊演出モードに設定されることとなるが、まだ時短状態にある時点では、特殊演出の態様で特図ゲームが行われるものではない。
【0077】
図5は、通常演出の態様と特殊演出の態様とで実行すべき変動表示パターンを登録したテーブルを示す図である。このテーブルは、演出制御基板102のROMに予め記憶されている。特図ゲームは、遊技制御基板101から受信した特別図柄表示用のコマンドと演出モードの設定が特殊演出か通常演出かに従って、このテーブルから読み出される変動表示パターンに従って行われるものとなっている。
【0078】
この図に示している特別図柄表示用のコマンドA〜Hは、全て通常の遊技状態における特別図柄表示用のコマンドである。図には示していないが、確率変動状態と時短状態における特図ゲームは特殊演出の態様で行われることがないので、確率変動状態や時短状態における特別図柄表示用のコマンドに対応しては、通常演出の態様の変動表示パターンだけがテーブルに登録されている。
【0079】
図5から分かるように、特別図柄表示用のコマンドがA、C、E、F、G、Hである場合には、特図ゲームの実行中に予告が出現する確率が、特殊演出の態様では通常演出の態様よりも高くなっている。特に特別図柄表示用のコマンドがF、G、Hである場合には、通常の演出態様では出現し得ない特別な予告である予告4が出現する場合がある。
【0080】
また、特別図柄表示用のコマンドがBである場合には、通常演出の態様ではノーマル(単にノーマルというときは、リーチ表示態様とならずに最終的にハズレとなる)の変動表示パターンで特図ゲームが行われるのに対して、特殊演出の態様ではノーマルリーチの変動表示パターンで特図ゲームが行われることになっている。この分だけ、特殊演出の態様で特図ゲームが実行される場合は、通常演出の態様で特図ゲームが実行される場合よりも、リーチが出現する確率が高くなっている。
【0081】
さらに、特別図柄表示用のコマンドがFである場合には、通常演出の態様ではロングリーチの変動表示パターンで特図ゲームが行われるのに対して、特殊演出の態様では、特殊演出の態様でだけ出現し、通常演出の態様では出現し得ない態様のスーパーリーチの変動表示パターンで特図ゲームが行われることとなっている。
【0082】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技動作について説明する。なお、パチンコ遊技機1における動作としては、スピーカ15からの音声の出力、役物飾りランプ12、装飾ランプ13或いは遊技効果LED14の発光、役物11の駆動などを含んでいるが、これらは本発明とは関係ないので、説明を省略することとする。
【0083】
図6は、遊技制御基板101の基本回路110内のCPU111が実行する処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、図6(a)に示すメイン処理が実行されることとなる。
【0084】
メイン処理では、まず初期設定処理が行われる(ステップS11)。初期設定処理では、後述する割り込み処理を実行するタイミングを規定するタイマ割り込み時間(例えば、2msec)をCPU111に設定する処理が行われる。これにより、電源投入等によるリセット後、最初の割り込み処理が実行されるタイミングを規定するための計時が開始される。また、初期設定処理においては、種々のタイマをセットするための処理も行われる。
【0085】
初期設定処理が終了すると、この電源投入前に生じた電源エラーによる電源遮断時における状態のバックアップがされていないかどうかを判定する(ステップS12)。電源遮断時における状態のバックアップがされていれば、バックアップされていた状態を復元して、電源エラーの前の状態に復帰する(ステップS13)。そして、復帰した電源エラーの前の状態からの処理を継続して行う。
【0086】
電源遮断時における状態のバックアップがされていなければ、RAM112を初期化すること、及び各種フラグの初期化などの処理が行われる(ステップS14)。次に、演出制御基板102、払出制御基板104などのサブ基板などに初期化コマンドを送信し、これらのサブ基板の状態を初期化させる(ステップS15)。
【0087】
サブ基板の初期化が行われると、確定図柄(予定停止図柄)を決定するための表示図柄乱数、及び特図ゲームの変動表示パターンを決定するための変動パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS16)。さらに、特図ゲームで大当たりとするかどうかを決定するための大当たり乱数に設定すべき初期値を決定する初期値決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS17)。ステップS15でサブ基板の初期化が終了した後には、ステップS16及びS17の処理が無限ループで繰り返して実行されることとなる。この間にタイマ割り込みが入ると、図6(b)のタイマ割り込み処理が実行され、タイマ割り込み処理が終了すると、再度ステップS16及びS17の無限ループの処理が実行されることとなる。
【0088】
タイマ割り込み処理では、まずゲートスイッチ37、始動口スイッチ35、カウントスイッチ38、Vカウントスイッチ30等の状態を入力し、各入賞口や通過ゲートに対する入賞があったか否かを判定するスイッチ処理を行う(ステップS21)。始動口スイッチ35により始動入賞が検出された場合には、このスイッチ処理において始動記憶処理が実行される。具体的には、始動口スイッチ35により始動入賞が検出されると、そのタイミングで大当たり判定用の乱数値が抽出され、始動記憶用の特別図柄判定用バンクにその抽出値が記憶される。これにより始動記憶がなされる。始動記憶用の特別図柄判定用バンクは、バンク0〜3の4カ所から構成されており、この4カ所のバンクによって最大4個の始動記憶が可能となる。よって、始動入賞が検出された際に全てのバンクに記憶がある場合には、その始動入賞が無効とされる。
【0089】
次に、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断を行い、その結果に応じて必要ならば警報を発生させる等の処理を含むエラー処理を行う(ステップS22)。
【0090】
さらに、大当たり乱数を更新する処理が行われ(ステップS23)、初期値決定用乱数を更新する処理が行われ(ステップS24)、表示図柄乱数及び変動パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS25)。ここで、初期値決定用乱数は、大当たり乱数の値が周期的に更新されるのを避けるために、例えば大当たり乱数の値が最大値に達した後に最初に行われるタイマ割り込み処理で、大当たり乱数の値として設定する初期値を決定するための乱数である。
【0091】
ステップS23〜S25における各種の乱数値の更新が終了すると、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。この特別図柄プロセス処理では、入賞確認処理が行われた後に、上記した各種の乱数を抽出して、特図ゲームの結果を大当たり表示態様とするか、特図ゲームにおける確定図柄をどの種類の図柄とするか、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示パターンをどのパターンとするか、などを抽選によって決定する処理が含まれる。この抽選による決定を行う場合、RAM112に設けられた確変ゲームカウンタ、時短ゲームカウンタ及び確変継続カウンタの値が参照される。また、ここでは、これらの抽選結果に基づいて、後述するステップS28で演出制御基板102へ伝送する特別図柄表示用のコマンドを生成する処理も行われる。
【0092】
次に、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0093】
次に、特別図柄コマンド処理を行う(ステップS28)。この特別図柄コマンド処理は、ステップS26において特別図柄表示用のコマンドが生成されていれば、これを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。ここで伝送されるコマンドは、変動表示パターンや確定図柄に関する情報を含んでいる。次に、普通図柄コマンド処理を行う(ステップS29)。この普通図柄コマンド処理は、普通図柄を表示制御するためのコマンドを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。
【0094】
次に、情報出力回路140を介して確変情報、時短情報、大当たり情報、始動情報、賞球情報等の情報を外部に出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。次に、ソレノイド45、48、40を励磁制御するための制御信号をソレノイド回路130に出力するソレノイド出力処理を行う(ステップS31)。次に、基本回路110から払出制御基板104に賞球個数信号と賞球可能信号とを送信して、賞球の払出指令を行うための賞球処理を行う(ステップS32)。
【0095】
次に、保留記憶処理を行う(ステップS33)。この保留記憶処理は、例えば、特別図柄始動口5に遊技球の入賞があって保留記憶が増加した場合や特別図柄の変動が開始されて保留記憶が減少した場合などの保留記憶数が変化した場合に、保留記憶数の表示変更を指示するための保留記憶数コマンドを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。このステップS33の処理が終了すると、前述したステップS16及びS17の無限ループの処理に戻る。
【0096】
以上示した処理により、遊技制御基板101の側では、特別図柄始動口5への遊技球の通過によって抽選を行い、その結果が大当たりとなった場合に、大当たり制御として大入賞口8を一定期間断続的に開放させる。また、入賞によって遊技球を払い出したり、遊技状態を特定遊技状態、確率変動状態や時短状態に移行させている。これらの図6に示した処理以外で遊技制御基板101の側で行われる処理の詳細については後述する。
【0097】
大当たりに関する情報は、コマンドとして演出制御基板102に送られている。演出制御基板102の側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに従って、特別図柄表示部4bにおける特別図柄の変動表示処理(特図ゲーム)や大当たり時において特別図柄表示部4bにて行う大当たりデモ表示処理を含む各種の演出動作を行っている。また、普通図柄の変動表示処理(普図ゲーム)も行っている。なお、遊技制御基板101の側で制御する遊技動作は、送信したコマンドに従って演出制御基板102の側で制御さている演出動作とのタイミングが図られている。
【0098】
以下、遊技制御基板101の側で図6の処理以外に行われる処理について説明する。図7は、遊技制御基板101の制御部(特にCPU111)が遊技状態(通常の遊技状態、特定遊技状態、確率変動状態及び時短状態)を制御するために実行する処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、特図ゲームが終了する度に行われる。なお、特図ゲームの終了は、前述したように演出制御基板102に送信した特別図柄表示用のコマンドに基づいてタイミング制御を行うことによって、認識することができる。
【0099】
特図ゲームが終了したことを認識すると、まず、直前に演出制御基板102に送信した特別図柄表示用のコマンドを生成する元となった特別図柄始動口5への遊技球の通過時に行った抽選の結果に基づいて、特図ゲームが大当たり(通常大当たりまたは確率変動大当たり)で終了したかどうかを判定する(ステップS101)。
【0100】
特図ゲームが大当たりで終了していた場合には、大当たり図柄(直前の抽選で決定された確定図柄で判断)の種類と、現在の遊技状態(確変ゲームカウンタ、時短ゲームカウンタ及び確変継続カウンタの値で判断)とに従って、図4のテーブルを参照し、確変ゲームカウンタの初期値と時短ゲームカウンタの初期値とを取得する(ステップS102)。そして、それぞれ取得した初期値を、確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタにセットする(ステップS103)。
【0101】
次に、大当たり図柄の種類が確率変動状態への移行を伴う確変図柄(ここでは奇数図柄:直前の抽選で決定された確定図柄で判断)であったかどうかを判定する(ステップS104)。確変図柄であった場合は、確変継続カウンタの値を1だけインクリメントして(ステップS105)、ステップS107の処理に進む。確変図柄でない通常の図柄(ここでは偶数図柄)であった場合には、確変継続カウンタの値を初期値の0にリセットして(ステップS106)、ステップS107の処理に進む。
【0102】
ステップS107では、大当たり図柄が確変図柄であったか通常の図柄であったかに関わらず、共通の大当たり制御を行う。大当たり制御が行われているときに特図ゲームが行われることはなく、この大当たり制御を全て終了すると、このフローチャートの処理を終了する。
【0103】
なお、ステップS107の大当たり制御は、次のようにして行われる。大当たり制御においては、RAM112の特定遊技状態フラグをONし、断続的に最大15ラウンドの大入賞口8の開放動作を行う。最初の開放動作が開始する前に、大当たりとなったことを報知させ、各ラウンドのラウンド数を報知させ、全ラウンドの終了により大当たり制御の終了を報知させるために、各報知を行わせるためのコマンドを演出制御基板102に送信する。そして、RAM112の特定遊技状態フラグをOFFして、大当たり制御が全て終了となる。
【0104】
また、ステップS101において特図ゲームが大当たりで終了していなかった場合には、確変ゲームカウンタの値が0より大きいか否かにより、現在の遊技状態が確率変動状態であるかどうかを判定する(ステップS108)。確率変動状態であれば、確率変動状態において特図ゲームが1回行われたこととなっているので、確変ゲームカウンタの値を1だけデクリメントする(ステップS109)。
【0105】
次に、ステップS109でデクリメントを行った結果、確変ゲームカウンタの値が0となり、確率変動状態の終了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS110)。確変ゲームカウンタの値が0となっていなければ、そのままこのフローチャートの処理を終了する。確変ゲームカウンタの値が0となり、確率変動状態の終了条件が成立した場合には、確変継続カウンタの値が5であって、確率変動状態の後に時短状態に移行しない場合であるかどうかを判定する(ステップS111)。
【0106】
確変継続カウンタの値が5であったならば、確率変動状態が終了しても時短状態に移行しないので、特殊ゲーム抽選や特殊コマンドの送信を行うことなく、そのままこのフローチャートの処理を終了する。この場合において、次の大当たりは必ず通常の大当たりとなるので、当該次の大当たりが発生したときのステップS106で確変継続カウンタの値が0に戻されることとなる。
【0107】
一方、確変ゲームカウンタの値が0となって、確変継続カウンタの値も5でなかったときは、確率変動状態が終了するとすぐに時短状態に移行することとなる。この場合において、新たな確率変動状態が連続して発生することがなくなったので、確変継続カウンタの値を初期値の0にリセットする(ステップS112)。また、時短状態においては演出制御基板102の側で特殊ゲームを行うこととなるので、特殊ゲーム抽選を行い(ステップS113)、その抽選結果に応じた特殊コマンドを演出制御基板102に送信する(ステップS114)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0108】
また、ステップS108において現在の遊技状態が確率変動状態になかった場合には、時短ゲームカウンタの値が0より大きいか否かにより、現在の遊技状態が時短状態にあるかどうかを判定する(ステップS115)。時短状態でなければ、そのままこのフローチャートの処理を終了する。時短状態であれば、時短状態において特図ゲームが1回行われたこととなっているので、時短ゲームカウンタの値を1だけデクリメントする(ステップS116)。そして、このフローチャートの処理を終了する。
【0109】
以下、演出制御基板102の側で行われる処理について説明する。演出制御基板102の制御部は、遊技制御基板101から送られてくる各種のコマンドに基づく処理を行っている。図8は、演出制御基板102の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【0110】
演出制御基板102の側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS201)。コマンドを受信するまでは、ステップS201の処理を繰り返し、コマンドの受信を待機している状態にある。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS202)。
【0111】
受信したコマンドの種類がステップS114で送信された特殊コマンドであった場合には、特殊コマンドに応じた特殊ゲームフラグをRAMに設定し(ステップS203)、設定した特殊ゲームフラグに従って特殊ゲーム表示部4cにおいて特殊ゲームを開始させる(ステップS204)。さらに、受信した特殊コマンドが特殊ゲーム中の20回のミニゲームで遊技者が15回以上勝利する内容のものとなっているかどうかを判定する(ステップS205)。遊技者が15回以上のミニゲームに勝利するものであれば、演出モードを特殊演出モードに設定して(ステップS206)、ステップS201の処理に戻る。遊技者が15回以上のミニゲームに勝利するものでなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
【0112】
ステップS202の判定において受信したコマンドの種類がステップS28の特別図柄プロセス処理で送信されることとなる確定コマンドであった場合には、当該確定コマンドが示す確定図柄を特別図柄表示部4bに表示させる(ステップS207)。さらに、特殊ゲームフラグの設定状況を参照し、現在遊技制御基板101の側で時短状態に制御されている状態で、特殊ゲームが行われているかどうかを判定する(ステップS208)。時短状態に制御されている状態でなく、特殊ゲームが行われていなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
【0113】
時短状態に制御されていて特殊ゲームが行われている場合には、時短状態での特図ゲームが1回終了した状態であるので、特殊ゲームカウンタの値を1だけインクリメントし(ステップS209)、インクリメントした後の特殊ゲームカウンタの値を5で除算する(ステップS210)。さらに、この除算結果の剰余が0であるかどうか、すなわち時短状態で5回毎のミニゲームが終了したかどうかを判定する(ステップS211)。剰余が0でなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
【0114】
一方、剰余が0であった場合には、時短状態で5回毎のミニゲームが終了したこととなるので、除算結果の商に応じた結果のミニゲームの勝敗を特殊ゲーム表示部4cに表示させる(ステップS212)。さらに、特殊ゲームカウンタの値が100となっているかどうか、すなわち時短状態で実行される1回分の特殊ゲームにおいて、その中の全てのミニゲームが終了したかどうかを判定する(ステップS213)。
【0115】
特殊ゲームカウンタの値が100となっていなければ、特殊ゲーム中の全てのミニゲームが終了していないので、一定期間経過後に特殊ゲーム表示部4cにおける特殊ゲーム(次のミニゲーム)を再開させる(ステップS214)。そして、ステップS201の処理に戻る。
【0116】
一方、特殊ゲームカウンタの値が100となっていれば、特殊ゲーム中の全てのミニゲームが終了したので、ミニゲームの勝敗を示した後、特殊ゲームを終了して特殊ゲーム表示部4cから表示消去する(ステップS215)。さらに、RAMに設定した特殊ゲームフラグをクリアし(ステップS216)、特殊ゲームカウンタの値も初期値の0にクリアする(ステップS217)。そして、ステップS201の処理に戻る。
【0117】
また、ステップS202の判定において受信したコマンドの種類が特別図柄表示用のコマンドであった場合には、特殊ゲームフラグの設定状況に基づいて、現在の遊技状態が時短状態にあるかどうかを判定する(ステップS218)。現在の遊技状態が時短状態にあれば、仮に特殊演出モードに設定されていたとしても、時短状態中の特図ゲームにおいて特殊演出が行われることはないので、ステップS221の処理に進む。
【0118】
現在の遊技状態が時短状態になかった場合には、特殊演出モードに設定されているかどうかを判定する(ステップS219)。特殊演出モードに設定されていればステップS220の処理に、特殊演出モードに設定されていなければステップS221の処理に進む。なお、現在の遊技状態が確変状態にある場合には、特殊演出モードに設定されることはないので、必ずステップS221の処理に進むこととなる。
【0119】
時短中でなく、特殊演出モードに設定されている場合に実行されるステップS220では、受信した特別図柄表示用のコマンドに従って図5のテーブルから特殊演出モードにおける変動表示パターンを選び出し、特別図柄表示部4bにおける特図ゲームを特殊演出の態様で行わせる。それ以外の場合に実行されるステップS221では、受信した特別図柄表示用のコマンドに従って図5のテーブルから通常演出モードにおける変動表示パターンを選び出し、特別図柄表示部4bにおける特図ゲームを通常演出の態様で行わせる。ステップS220またはS221で一連の変動表示パターンによる特別図柄の変動表示が終了すると、ステップS201の処理に戻る。
【0120】
また、ステップS202の判定において受信したコマンドの種類が大当たりの発生時に送信される大当たりコマンドであった場合には、大当たり後の特図ゲームを特殊演出の態様で行わなくするため、特殊演出モードを解除する。もっとも、特殊演出モードに設定されていない状態で大当たりコマンドを受信した場合には、特殊演出モードが解除された状態を維持するだけである(ステップS222)。
【0121】
さらに、時短中に大当たりが発生した場合には、RAMに特殊ゲームフラグが設定された状態で、特殊ゲームカウンタの値も初期値になっていないため、RAMに設定した特殊ゲームフラグをクリアし(ステップS223)、さらに特殊ゲームカウンタの値も初期値の0にクリアする(ステップS224)。そして、ステップS201の処理に戻る。
【0122】
ステップS202の判定において受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS225)。その後、ステップS201の処理に戻る。
【0123】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において、どのように遊技状態(通常の遊技状態、特定遊技状態、確率変動状態及び時短状態)が遷移し、特殊ゲームや特殊演出が行われるかについて、具体的な例に基づいて説明する。なお、以下のタイミングチャートに基づく具体例においては、遊技球が一定時間間隔で遊技領域に打ち出されるものとし、打ち出された遊技球が特別図柄始動口5を通過して特図ゲームが行われる割合も一定であるものとして説明する。
【0124】
図9は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技状態の遷移の第1の例を示すタイミングチャートである。この例では、まず、確変ゲームカウンタの値も時短ゲームカウンタの値も0の通常の遊技状態となっているタイミングt0において、通常大当たりが発生したものとする。このとき、図4のテーブルに従って確変ゲームカウンタにも時短ゲームカウンタにも初期値として0がセットされる。確変継続カウンタの値は0のままである。また、特定遊技状態フラグがONとなり、遊技状態が特定遊技状態となって大当たり制御が行われるようになる。
【0125】
次に、タイミングt1において、タイミングt0で発生した通常大当たりの大当たり制御が終了すると、特定遊技状態フラグがOFFとなるが、確変ゲームカウンタの値も時短ゲームカウンタの値も0となっているので、遊技状態が通常の遊技状態に戻ることとなる。大当たり制御の終了後に通常の遊技状態に戻ったときは、次の大当たり発生まで時短状態に移行されることはなく、遊技制御基板101から演出制御基板102に特殊コマンドが送信されることはないので、その後の特図ゲームは、通常演出の態様で行われることとなる。
【0126】
この通常の遊技状態が継続しているタイミングt2において、確率変動大当たりが発生したものとする。このとき、図4のテーブルに従って確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタとに、それぞれ初期値として100がセットされる。確変継続カウンタの値は1となる。また、特定遊技状態フラグがONとなり、遊技状態が特定遊技状態となって大当たり制御が行われるようになる。
【0127】
次に、タイミングt3において、タイミングt2で発生した確率変動大当たりの大当たり制御が終了すると、特定遊技状態フラグがOFFとなるが、確変ゲームカウンタの値が100となっているので、遊技状態が確率変動状態となって以降の特図ゲームが行われるようになる。
【0128】
タイミングt4において、確率変動状態で行われた特図ゲームの回数が100回に達して確変ゲームカウンタの値が0となると、このときの確変継続カウンタの値は1であるので、確変継続カウンタの値が0に戻されると共に、特殊ゲーム抽選が行われて特殊コマンドが遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信されることとなる。この特殊コマンドに基づいて特殊ゲーム表示部4cにおいて特殊ゲームが開始される。特殊コマンドに基づく特殊ゲームの結果がミニゲームで15勝以上となるときは特殊演出モードに設定される。
【0129】
また、タイミングt4においては、確変ゲームカウンタの値が0となったが、時短ゲームカウンタの値が100となっているので、遊技状態が時短状態となって以降の特図ゲームが行われるようになる。但し、特殊演出モードに設定されていたとしても、時短中であるため、特殊演出の態様で特図ゲームが行われることはない。タイミングt5において、時短状態で行われた特図ゲームの回数が100回に達して時短ゲームカウンタの値も0となると、遊技状態が通常の遊技状態に戻ることとなる。このときには、特殊ゲームも終了することとなる。
【0130】
タイミングt5以降、次に大当たりが発生するまでの特図ゲームは、通常の遊技状態における特図ゲームであるので、特殊演出モードに設定されているとすると(タイミングt4〜t5の特殊ゲームの結果としてミニゲームで15勝以上が示される)、特殊演出の態様で特図ゲームが行われる。特殊演出モードに設定されていないとすると(タイミングt4〜t5の特殊ゲームの結果としてミニゲームで15勝未満が示される)、通常演出の態様で特図ゲームが行われることとなる。
【0131】
その後、タイミングt6において、再び通常大当たりが発生したものとする。このときも、図4のテーブルに従って確変ゲームカウンタにも時短ゲームカウンタにも初期値として0がセットされる。確変継続カウンタの値は0のままである。また、特定遊技状態フラグがONとなり、遊技状態が特定遊技状態となって大当たり制御が行われるようになる。
【0132】
次に、タイミングt7において、タイミングt6で発生した通常大当たりの大当たり制御が終了すると、特定遊技状態フラグがOFFとなるが、確変ゲームカウンタの値も時短ゲームカウンタの値も0となっているので、遊技状態が通常の遊技状態に戻ることとなる。大当たり制御の終了後に通常の遊技状態に戻ったときは、次の大当たり発生まで時短状態に移行されることはなく、遊技制御基板101から演出制御基板102に特殊コマンドが送信されることはないので、タイミングt7以降の特図ゲームは、次の大当たりが発生するまで、通常演出の態様で行われることとなる。
【0133】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において、特殊ゲームの実行から特図ゲームにおいて特殊演出が行われるまでを、可変表示部4に表示される表示画面例に従って説明する。図10は、特殊ゲームの実行と特殊演出の実行との例を説明する図である。この例では、遊技制御基板101から演出制御基板102に、ミニゲームで15勝以上する特殊コマンドが送られてきているものとする。
【0134】
確率変動状態における特図ゲームが100回終了すると、特殊コマンドの送信により、図10(a)に示すように、特殊ゲーム表示部4cにおいて特殊ゲームが開始される。この特殊ゲームは、遊技者のキャラクタ(以下、自キャラクタ)401と遊技機のキャラクタ(以下、相手キャラクタ)402とが格闘を行うミニゲームが20回繰り返されるものである。また、特殊ゲームが開始されるのは、確率変動状態から時短状態に移行した場合であるので、図10(a)に示すように、特別図柄表示部4bにおいて時短状態で特図ゲームが行われる。
【0135】
次に、時短状態で行われた特図ゲームの回数が5回に達すると、図10(b)に示すように、1回目のミニゲームの結果が特殊ゲーム表示部4cに表示される。ここでは、自キャラクタ401が相手キャラクタ402に勝った場合を示している。以下、時短状態で行われた特図ゲームの回数が5回に達する度に、図10(b)の場合と同様にミニゲームの結果が特殊ゲームゲーム表示部4cに表示される(但し、自キャラクタ401が負けた場合もあり)。
【0136】
次に、時短状態で行われた特図ゲームの回数が100回に達すると、図10(c)に示すように、20回目のミニゲームの結果の後に各ミニゲームでの勝敗が特殊ゲーム表示部4cに表示される。ここでは、自キャラクタ401が相手キャラクタ402に対して20回のミニゲームにおいて15勝5敗であった場合を示している。
【0137】
この後、遊技状態が通常の遊技状態に戻ることとなるが、図10(d)に示すように、特殊ゲームの結果に基づいて、特別図柄表示部4bにおける特図ゲームが特殊演出の態様で行われることとなる。なお、この例においては、特別図柄の背景の画像の表示色を通常演出の態様で特図ゲームを行う場合と異なるものとすることにより、特殊演出の態様で特図ゲームが行われていることを遊技者に報知するものとしている。
【0138】
図10(d)における特図ゲームは、図5のテーブルにおける特殊演出の態様の変動表示パターンを選択して行われるものである。従って、予告の出現確率が高くなり、通常演出の態様では現れない予告4が出現する場合もある。変動表示の過程においてリーチとなる確率が通常演出の態様よりも高くなっている。さらに、通常演出の態様では出現し得ないスーパーリーチの変動表示パターンで特図ゲームが実行される場合も生じ得る。
【0139】
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、遊技状態が確率変動状態から時短状態になると特殊ゲームが実行されることとなり、その特殊ゲームの結果次第で、時短状態が終了した後の特図ゲームが特殊演出の態様で行われるようになる。ここで、特図ゲームが特殊演出の態様で行われるかどうかは、遊技状態の変化といった単純な事象に基づくのではなく、あくまでも特殊ゲームの結果(但し、事前に決定されている)によるので、演出の状態の変化に対して遊技者が飽きることがない。
【0140】
また、特殊ゲームの結果により特殊演出の態様で特図ゲームが行われることとなると、リーチや予告の出現確率が通常演出の態様よりも高くなる。リーチは、大当たりの前提となるものであり、予告が出現したときは一般的には大当たり確率が高くなるので、これによって特図ゲームの結果が大当たりとなることへの遊技者の期待感を高めさせることができる。また、特殊演出の態様での特図ゲームでは、通常演出の態様では出現し得ない変動表示パターンや予告が出現することがある。これにより、特殊演出の態様における特図ゲームに対して、遊技者の興味が増すこととなる。
【0141】
遊技者の興味や期待感を高めさせる特殊演出の態様で特図ゲームが行われるかどうかは、特殊ゲームの結果によるので、遊技者は、特殊ゲームに対しても興味を持つようになる。また、特殊ゲームは、20回のミニゲームからなり、時短状態での特図ゲーム5回毎に各ミニゲームの結果が示されて、その全体として遊技者が15勝以上したかどうかが、特殊ゲーム全体としての結果となる。各回のミニゲームの結果も特殊ゲームの最終的な結果に結びつくものであるため、特殊ゲームの途中においても、各回のミニゲームの結果に対して遊技者が興味を持つようになる。
【0142】
ところで、特殊ゲームの結果は、遊技制御基板101のCPU111が確率変動状態から時短状態への移行時の特殊ゲーム抽選において決定し、特殊コマンドで演出制御基板102に送信するものとしている。このように特殊ゲームの結果全体を事前に決定することで、特殊ゲームの結果を容易に決定することができ、また、演出制御基板102のCPUは、特殊ゲームの終了を待たずに実行結果を判断することができる。そして、特殊ゲームの実行に関する制御は、演出制御基板102において行うものとして、遊技制御基板101の側では、特殊ゲーム抽選と特殊コマンドの送信だけを行えばよいので、遊技制御基板101の側にかかる負荷を小さくすることができる。
【0143】
さらに、特殊ゲームを行うための特殊ゲーム表示部4cは、特図ゲームを行うための特別図柄表示部4bも設けられる可変表示部4に設けられるものとなっている。このように部品を共通化できることで、特殊ゲームを実行し得るパチンコ遊技機を低コストで構成できるようになる。もっとも、特殊ゲーム表示部4cは、特別図柄表示部4bの前面側の画像として構成されるものであるため、両者が干渉し合うことなく特図ゲームと特殊ゲームを行うことができる。
【0144】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0145】
上記の実施の形態では、特殊ゲームは、特図ゲームが実行される特別図柄表示部4bの前面側で、可変表示部4の左上に設けられる特殊ゲーム表示部4cにおいて実行されるものとしていた。しかしながら、特殊ゲーム表示部4cを設ける位置は左上とするのに限るのではなく、例えば、特別図柄表示部4bの後面全体に特殊ゲーム表示部4cを設け、特図ゲームの背景で特殊ゲームが行われるようにしてもよい。また、可変表示部4とは別個の専用の表示装置を設け、この専用の表示装置で特殊ゲームを行うものとしてもよい。この場合には、いわゆるドラム機などの画像表示装置以外で構成される可変表示部を有するパチンコ遊技機においても、特殊ゲーム、及びその結果に基づく特殊演出を実行できるようになる。
【0146】
一方、図5のテーブルに登録された変動表示パターン以外のものに関しては、特殊演出であるか通常演出であるかの違いによって全く変化させないものとすることもできる。この場合、遊技者が特殊演出の態様で特図ゲームが行われているかどうかを知らずに、予告の出現確率やリーチの出現確率が高くなる。これにより、特図ゲームの結果が導出表示されるまでにおいて遊技者が期待感を持つ場合が多くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0147】
上記の実施の形態では、特図ゲームにおける特別図柄として「0」〜「9」までの10種類の数字が、左、中及び右の3つの可変表示部で変動表示され、同じ数字が揃うことで大当たりとなるものとしていた。そして、通常大当たりであるか確率変動大当たりであるかは、特別図柄の種類が偶数か奇数かによって示されるものとしていた。しかしながら、特別図柄の構成や大当たりの種類の区別の方法は、これに限るものではない。
【0148】
例えば、「0」〜「9」までの10種類の数字でなる左、中及び右の3つの通常特別図柄と、赤、青及び緑の色の変化で変動表示される確変判定用図柄とが特別図柄表示部4bで変動表示されるものとしてもよい。通常特別図柄が同じ数字で揃うと大当たりとなるが、通常の(非確変)大当たりであるか確率変動大当たりであるかは、通常特別図柄の種類と確変判定用図柄との組み合わせ態様によって示されるものとすることができる。これにより、特図ゲームの結果と意味との関係を単調なものとせず、遊技の興趣を向上させることができる。なお、特図ゲームの結果としての通常特別図柄と確変判定用図柄の決定は、1つの抽選でまとめて行うものとしても、異なる抽選で別々に行うものとしてもよい。
【0149】
上記の実施の形態では、特図ゲームにおいて表示された結果は、単にハズレか大当たりかを示すだけでなく、大当たりである場合に確率変動大当たりであるか通常大当たりであるかをも示すものとしていた。これに対して、特図ゲームにおいて表示された結果は、単にハズレか大当たりかの違いだけをを示すものとしてもよい。この場合において、確率変動大当たりとするか通常大当たりとするかは、特図ゲームの結果を決定するための抽選と実質的に同じタイミングで別の抽選を行って、すなわち、ステップS26の特別図柄プロセス処理において行って決定することができる。
【0150】
この確率変動大当たりとするか通常大当たりとするかを決定するための抽選も、遊技制御基板101の側のCPU111が所定の乱数を抽出することにより行うものとすることができる。この抽選の結果に従って、CPU111によりRAM112の確変ゲームカウンタ及び時短ゲームカウンタに初期値がセットされることとなる。確率変動大当たりか通常大当たりであるかの抽選結果は、当該大当たりに基づく大当たり制御が終了するまでの任意のタイミングで遊技者に報知することができる。確率変動大当たりとした場合には、この間に予め定められた特定の態様での報知がなされる(通常の大当たりとした場合には、特定の態様以外で報知を行うか、全く報知を行わないものとしてもよい)。
【0151】
大当たり制御が行われている間に特図ゲームが開始することはないので、大当たり制御が終了した後の処理は、上記の実施の形態のパチンコ遊技機1と全く同じに行うことができ、同様の効果を得ることができる。また、大当たりの種類を報知するタイミングを特図ゲームの結果を示すタイミングよりも遅らせることができるため、遊技者の期待感の持続という点でさらに大きな効果が得られる。また、確率変動大当たりか通常大当たりかについては、完全に内部の回路だけで決定するものとし、遊技者には全く報知しないようにすることもできる。
【0152】
上記の実施の形態では、遊技制御基板101において確率変動状態から時短状態に移行するときに特殊コマンドを演出制御基板102に送信するものとし、この特殊コマンドの受信により特殊演出モードに設定されるものとしていた。これに対して、演出制御基板102では、特殊コマンドの受信により特殊ゲームを開始させるが、特殊演出モードの設定は、特殊ゲームが終了してから行うものとしてもよい。
【0153】
上記の実施の形態では、遊技状態が時短状態にあるときに、特殊ゲームが実行され、時短状態が100回の特図ゲームで終了した後の通常の遊技状態における特図ゲームが、特殊演出の態様で行われるものとしていた。しかしながら、特殊ゲームを実行するのは、遊技状態が確率変動状態にあるときであってもよく、確率変動状態の後の時短状態においても特殊演出の態様で特図ゲームが行われるものとしてもよい。
【0154】
また、遊技状態の遷移の仕方として、確率変動状態の後に時短状態に移行するというものだけでなく、大当たり制御の終了後すぐに時短状態に移行するような場合でも、その時短状態にあるときに、特殊ゲームが実行されるものとしてもよい。いずれにしても、特殊ゲームは、確率変動状態や時短状態などの、通常の遊技状態とは異なる特別遊技状態のときに実行するものとすればよい。
【0155】
上記の実施の形態では、特別図柄の背景の色を変化させることで、特殊演出の態様で特図ゲームが行われていることを遊技者に報知するものとしていた。しかしながら、特殊演出の態様で特図ゲームが行われていることを遊技者に報知する方法はこれに限られず、背景の図柄のパターンを変化させるものとしてもよい。或いは、特殊演出の態様で特図ゲームを行う際に用いる特別図柄を、通常演出の態様で用いる特別図柄とは異なる種類のものとする(例えば、漢数字やローマ数字などとする)ことにより、特殊演出の態様で特図ゲームが行われていることを遊技者に報知するものとしてもよい。
【0156】
上記の実施の形態では、演出態様としては通常演出と特殊演出の区別があるのみであり、特殊演出の態様は1種類のみであった。これに対して、複数種類の特殊演出の態様を用意し、特殊演出の態様の種類毎に特別図柄表示用のコマンドに応じた変動表示パターンを登録するものとしてもよい。いずれの種類の特殊演出の態様による特図ゲームを行うものとするかは、遊技者が選択するものとしてもよい。特殊演出の態様の種類は、左側センサ16Lまたは右側センサ16Rを用いて選択することができる。
【0157】
また、特殊ゲームの結果としてミニゲームに15勝以上かどうかだけで区別するのではなく、ミニゲームに15勝以上、10〜14勝、9勝以下という区別を行い、15勝以上では第1の種類の特殊演出の態様で、10〜14勝では第2の種類の特殊演出の態様で、9勝以下では通常演出の態様で特図ゲームを行うものとすることもできる。
【0158】
このように特殊演出の態様として複数種類のものを用意することで、演出の態様が豊富なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者が特殊演出の態様の種類を選択できるようにすることで、特殊演出に対する遊技者の興味が増すことができる。また、特殊ゲームの実行結果の種類に応じて、特殊演出の態様の種類を変えることで、特殊ゲームに対する遊技者の興味を増すことができる。
【0159】
上記の実施の形態では、特殊ゲームの結果(より詳細には、特殊ゲームに含まれる各ミニゲームの結果)は、遊技制御基板101のCPU111が決定し、決定した結果を含む特殊コマンドを演出制御基板102に送信するものとしていた。ところが、特殊ゲームの結果の違いによって異なることとなるのは、特図ゲームにおける演出の態様だけであり、特図ゲームの結果そのものが変わる訳ではないので、特殊ゲームの結果は、演出制御基板102において独自に決定することができる。この場合、遊技制御基板101は、特殊ゲームの結果を含まずに実行開始のみを指示するコマンド(他のコマンドと兼用でも可)を演出制御基板102に送信するものとし、このコマンドの受信によって、演出制御基板102で特殊ゲームの結果を独自に決定し、独自に決定した結果に従って特殊ゲーム中の各ミニゲームを行っていくことができる。
【0160】
また、特殊ゲームの結果の違いによって特図ゲームの結果そのものが異なることはないので、特殊ゲームに遊技者が介入し、遊技者の介入による指示に従って特殊ゲーム(詳細には、特殊ゲームに含まれる各ミニゲーム)を実行し、結果を変化させるものとしてもよい。遊技者が特殊ゲームの実行に介入する手段としては、左側センサ16L、右側センサ16Rを用いることができる。
【0161】
この場合、演出制御基板102のCPUは、左側センサ16Lまたは右側センサ16Rから入力された指示に基づいて、時短状態での特図ゲーム5回毎に示される各ミニゲームの結果を変化させる。遊技者の介入に従って実行された各ミニゲームの勝敗をカウントしておく。そして、20回のミニゲームが全て終了するまでの勝敗結果に従って、時短状態が100回の特図ゲームで終了した後の特図ゲームを特殊演出の態様で行うか通常演出の態様で行うかを変化させるものとすればよい。このように特殊ゲームの結果に遊技者が介入し、これにより特殊ゲームの結果が、さらには特図ゲームの結果が変化するようにすることで、特殊ゲームに対する遊技者の興味を高くすることができる。
【0162】
上記の実施の形態では、特殊ゲームの結果により特図ゲームの演出態様が変化するものとしていたが、特図ゲームの結果そのものも変化、例えば、特図ゲームにおける大当たり確率も変化するようにしてもよい。もっとも、大当たり確率までに変化が生じるものとした場合には、特殊ゲームの結果について、演出制御基板102が独自に決定することや遊技者が介入することはできず、上記の実施の形態のように遊技制御基板101のCPU111が決定して、その結果を含む特殊コマンドを演出制御基板102に送信しなければならない。このように特殊ゲームの結果が特図ゲームの結果にも変化をもたらすものとすることで、特殊ゲームの結果に対する遊技者の注目度が高くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0163】
上記の実施の形態では、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明したが、画像表示装置を有するものであれば、例えば第2種或いは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、またはパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であってもよい。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機(CR機)だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機(現金機)にも適用可能である。
【0164】
さらには、パチンコ遊技機の動作をシミュレーションするゲーム機等に本発明を適用することができる。上記の実施の形態のパチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機では、ゲーム機のCPUが所定のプログラムを実行することにより、上記した遊技機の動きをシミュレーションし、その結果として特別図柄始動口5を通過したと判別したときに、上記と同様の抽選を行い、図柄を変動表示させることができる。このゲーム機のプログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納したり、Web上のサーバ装置からゲーム機にダウンロードさせるものとして、ゲーム機とは別に流通させることができる。
【0165】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、特殊ゲームの結果次第で演出態様が変化することとなるので、演出の状態の変化に遊技者を飽きさせることがない。また、その変化に対して遊技者が興味と期待感を持つことができる。さらに、特殊ゲームに対しても遊技者が興味を持つこととなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0166】
請求項2発明によれば、特殊ゲームの結果次第で演出態様が変化することとなるので、演出の状態の変化に遊技者を飽きさせることがない。また、その変化に対して遊技者が興味と期待感を持つことができる。さらに、特殊ゲームに対しても遊技者が興味を持つこととなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0167】
請求項3の発明によれば、遊技者の意思に基づいた演出を行うことができるので、第2の演出態様に対する遊技者の興味が増すこととなる。
【0168】
請求項4の発明によれば、通常の演出では出現し得ない変動表示パターンが出現することにより、第2の演出態様に対する遊技者の興味が増すこととなる。
【0169】
請求項5の発明によれば、予告の出現確率が高くなることで、第2の演出態様における遊技者の期待感が高くなる。
【0170】
請求項6の発明によれば、リーチの出現確率が高くなることで、第2の演出態様における遊技者の期待感が高くなる。
【0171】
請求項7の発明によれば、各回のミニゲームの結果の割合が特殊ゲームの実行結果となるので、特殊ゲームに対する遊技者の興味が高くなる。
【0172】
請求項8の発明によれば、特殊ゲームの実行結果の種類に応じた種類の第2の演出態様に制御されるので、演出態様を豊富にすると共に、特殊ゲームに対する遊技者の興味が高くなる。
【0173】
請求項9の発明によれば、部品の共通化することで、低コストで遊技機を構成できるようになる。
【0174】
請求項10の発明によれば、特殊ゲームの実行を演出制御手段により制御することで、遊技制御手段にかかる負荷を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】図1のパチンコ遊技機のガラス扉(前面扉)の背面側の構造を示す図である。
【図3】図1のパチンコ遊技機の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】確変ゲームカウンタと時短ゲームカウンタとにセットすべき初期値を登録したテーブルを示す図である。
【図5】通常演出の態様と特殊演出の態様とで実行すべき変動表示パターンを登録したテーブルを示す図である。
【図6】(a)は、遊技制御基板の基本回路内のCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートであり、(b)は、タイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
【図7】遊技制御基板の制御部が特図ゲームの終了時において遊技状態を制御するために実行する処理を示すフローチャートである。
【図8】演出制御基板内の制御部が実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機における遊技状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図10】特殊ゲームの実行と特殊演出の実行との例を説明する図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
3 可変表示装置
4 可変表示部
101 遊技制御基板
102 演出制御基板
Claims (10)
- 各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させることが可能な可変表示手段と、
所定の始動条件が成立することにより、前記可変表示手段による可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段と、
前記可変表示手段上で前記識別情報を可変表示させ、所定時間経過後に前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果を導出表示させる可変表示制御手段と、
前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果が特定の表示態様であったときに、前記可変表示制御手段により特定の表示態様が導出表示された後に、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態へ制御する特定遊技状態制御手段と、
前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果が前記特定の表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様であったときに、前記特定遊技状態が終了した後に遊技状態を前記特定の表示態様となり易い特別遊技状態へ制御する特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態制御手段により遊技状態を前記特別遊技状態へ制御したときに、前記識別情報の可変表示とは別に独立した特殊ゲームを実行し、その実行結果を報知する特殊ゲーム実行手段と、
前記特殊ゲーム実行手段による前記特殊ゲームの実行結果を特別な結果とするか否かを決定する特殊ゲーム結果決定手段と、
前記特殊ゲーム結果決定手段により特別な結果にすると決定したときに、前記特殊ゲームの結果として特別な結果を報知した後に、前記可変表示手段における演出態様を第1の演出態様から、該第1の演出態様とは異なる第2の演出態様へ制御する演出態様制御手段と
を備えることを特徴とする遊技機。 - 各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させることが可能な可変表示手段と、
所定の始動条件が成立することにより、前記可変表示手段による可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段と、
前記可変表示手段上で前記識別情報を可変表示させ、所定時間経過後に前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果を導出表示させる可変表示制御手段と、
前記表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果が特定の表示態様であったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態へ制御する特定遊技状態制御手段と、
前記表示結果決定手段により可変表示の表示結果が特定の表示態様となることが決定されたときに、前記特定の表示態様となり易い特別遊技状態へ遊技状態を制御するか否かをさらに決定する特別決定手段と、
前記特別決定手段により遊技状態を前記特別遊技状態へ制御することが決定されたときに、前記特定遊技状態が終了した後に遊技状態を前記特定の表示態様となり易い特別遊技状態へ制御する特別遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態制御手段により遊技状態を前記特別遊技状態へ制御したときに、前記識別情報の可変表示とは別に独立した特殊ゲームを実行し、その実行結果を報知する特殊ゲーム実行手段と、
前記特殊ゲーム実行手段による前記特殊ゲームの実行結果を特別な結果とするか否かを決定する特殊ゲーム結果決定手段と、
前記特殊ゲーム結果決定手段により特別な結果にすると決定したときに、前記特殊ゲームの結果として特別な結果を報知した後に、前記可変表示手段における演出態様を第1の演出態様から、該第1の演出態様とは異なる第2の演出態様へ制御する演出態様制御手段と
を備えることを特徴とする遊技機。 - 前記第2の演出態様において実行される演出態様には、複数種類の演出態様があり、
前記複数種類の演出態様の中から、所望の種類の演出態様を遊技者に選択させる演出選択手段をさらに備え、
前記演出態様制御手段は、前記第2の演出態様において、前記演出選択手段により選択された種類の演出態様に制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。 - 前記第2の演出態様は、前記識別情報の可変表示を通常の状態では出現し得ない可変表示パターンで実行する状態を含む
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記第2の演出態様は、前記識別情報の可変表示を行う際に所定の予告が出現する確率が通常の状態よりも高くなる状態を含む
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記第2の演出態様は、前記識別情報の可変表示においてリーチが出現する確率が通常の状態よりも高くなる状態を含む
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記特殊ゲームは、複数回のミニゲームからなり、
前記特殊ゲーム結果決定手段は、各回のミニゲームの結果を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記特殊ゲームの実行結果としての特別な結果には、複数種類のものがあり、
前記第2の演出態様には、前記特別な結果の種類に応じた複数種類のものがあり、
前記演出態様制御手段は、前記特別な結果の種類に応じた種類の第2の演出態様に制御する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記特殊ゲームは、前記可変表示手段の一部の表示領域において、前記識別情報の可変表示とは別個に実行される
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の遊技機。 - 遊技の進行を制御し、遊技の進行状況に応じたコマンドを送信する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段から送信されたコマンドを受信し、該受信したコマンドに従って、前記可変表示手段への表示を含む演出を制御する演出制御手段とを備え、
前記遊技制御手段は、前記表示結果決定手段を含むと共に、
該表示結果決定手段により決定された可変表示の表示結果を示す可変表示コマンドを前記演出制御手段に送信する可変表示コマンド送信手段と、
前記所定のゲーム開始条件が成立したときに、前記特殊ゲームを実行させるための特殊コマンドを前記演出制御手段に送信する特殊コマンド送信手段とを備え、
前記演出制御手段は、前記特殊ゲーム実行手段、前記特殊ゲーム結果判定手段、及び前記演出態様制御手段を含み、前記特殊ゲーム実行手段は、前記特殊コマンドの受信により前記特殊ゲームを実行する
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の遊技機。
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