JP2011251478A - シール部材を備えた筐体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動側金型と、第一固定側金型10とを重ね合わせて成形された空間に、第一材料を射出して、筐体100を成形し、可動側金型に筐体100を保持した状態で、第一固定側金型10を可動側金型から離間させる。次に、筐体100を保持した可動側金型を第二固定側金型と対向する位置へ移動させ、可動側金型と、第二固定側金型とを重ね合わせて成形された空間に、第二材料を射出して、可動側金型に保持された筐体にシール部材を成形する。
【選択図】図1
Description
また、請求項2の発明は、請求項1のシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記第一材料として、非晶性材料を用い、上記第二材料として、熱可塑性エラストマーを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記第一金型を上記移動金型から離間させるときに、上記筐体を上記移動金型に保持させるための保持手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記保持手段は、上記第一金型に設けられ、上記第一金型を上記移動金型から離間させるときに上記筐体を上記移動金型側へ押圧する押圧手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかのシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記移動金型に保持された筐体にシール部材を成形した後、上記第二金型にシール部材が成形された筐体を保持した状態で、上記第二金型を上記移動金型から離間させる工程を有し、上記第二金型に、上記第二金型からシール部材が成形された筐体を取り出すための取り出し手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかのシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記筐体の内周面が、第一金型により成形されることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかのシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記シール部材のシール部以外の箇所に、最後に第二材料を流れ込ませるためのオーバーフロー部が成形されるよう上記第二金型を形成したことを特徴とするものである。
また、本発明によれば、筐体を成形してから、筐体にシール部材を成形するので、シール部材を成形してから、シール部材に筐体を成形する場合に比べて、次の効果を得ることができる。すなわち、シール部材を成形してから筐体を成形する場合、射出圧により移動金型に保持されたシール部材が変形する。その結果、移動金型とシール部材との間に隙間が生じ、そこに筐体を成形する材料が流れ込む所謂かぶりが生じるおそれがある。一方、筐体は、シール部材よりも硬質な第一材料で成形される。このため、成形された筐体は、シール部材よりも射出圧による変形を抑制することができる。よって、筐体を成形してから、筐体にシール部材を成形することによって、かぶりを抑制することができる。
図1は、二色成形機1の概略構成図であり、図2は、本二色成形機1により成形されるシール部材101を備えた筐体100の斜視図である。
図2に示すように、シール部材101を備えた筐体100は、上方に開口した凹部空間が形成され、開口の回りの開口端面にシール部材101が形成されている。筐体は、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)、PC/ABS系ポリマーアロイなどの非晶性材料で形成されている。シール部材は、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー(TPE)で形成される。
一次成形部2には、第一固定側部4aを有しており、二次成形部3には、第二固定側部4bを有している。また、二色成形機1は、不図示の回転盤に設置された2つの可動側部5a,5bが設けられており、図においては、第一可動側部5aが、第一固定側部4aと対向しており、第二可動側部5bが、第二固定側部4bと対向している。第一可動側部5aと、第二可動側部5bとは、同じ構成である。
まず、一次成形部における工程について、説明する。
図1に示すように、制御部200は、第一射出機203aを制御して第一射出機203aの不図示のノズルから、溶融した筐体100を成形する材料である第一材料(非晶性材料)をスプルー15aに射出する。本実施形態としては、第一材料として、PC/ABS系ポリマーアロイであるマルチロン D−3410FA(帝人化成株式会社製)を用いた。スプルー15aに射出された第一材料は、ランナー18a,17aを介して、第一可動側金型12aの筐体成形部と、第一固定側金型10の筐体成形部とで構成された空間に充填され、一次成形品たる筐体100が成形される。
以上が、一次成形部2における工程である。
まず、制御部200は、第二射出機203を制御して、図1に示すように、一次成形部2で溶融した第一材料がスプルー15aに射出されるのと、ほぼ同期して第二射出機203bの不図示のノズルから溶融した第二材料(熱可塑性エラストマー)をスプルー15bに射出する。本実施形態としては、第二材料として、ポリエステル系熱可塑性エラストマーであるプリマロイ A1600N(三菱化学株式会社製)を用いた。スプルー15bに射出された第二材料は、ランナー18b,17bを介して、第二可動側金型12bに保持された筐体100と、第二固定側金型20のシール部材成形部とで構成された空間内に充填される。これにより、筐体100の所定の位置にシール部材101が成形される。これにより、二次成形品であるシール部材101を備えた筐体100(以下、完成品という)が成形される。
以上が、二次成形部3での工程である。
図5は、一次成形部2でシール部材101を成形し、二次成形部3でシール部材101に筐体100を成形するよう構成した二色成形機における、二次成形部3の要部拡大構成図である。
図に示すように、二次成形部3において、樹脂材を充填する際、エラストマーからなる軟質のシール部材101が圧力により変形する。その結果、可動側金型12とシール部材101との間に隙間ができ、この隙間に、筐体100を成形する樹脂材が流れ込んで、樹脂かぶりが発生してしまう。筐体100を成形する樹脂材料は、ABS樹脂やPO樹脂などの比較的硬質の樹脂である。よって、完成品にこのような樹脂かぶりがあると、不図示の上部筐体を、シール部材101を備えた筐体100に取り付ける際に、この樹脂かぶりが、シール部材101が潰れるのを阻害してしまう。その結果、十分なシール性が得られなくなるという不具合が生じる。
図に示すように、まず、制御部200は、一次成形部2および二次成形部3において、金型プレート6a,6bを可動側部5a,5b側へ移動させて、型閉めを行う(S1)。次に、制御部200は、第一射出機203aおよび第二射出機203bからそれぞれ材料を射出し、各成形部2、3で成形品を成形する(S2)。次に、制御部200は、押付機構駆動部202aを制御して、空気圧シリンダ73aの空気圧を切り替える(S3)。次に、制御部200は、第一、第二プレート駆動部201a,201bを制御して、各成形部2,3で型開き動作を行う(S4)。このとき、押付機構7aのシリンダ73aの空気圧が押付プレート71aをランナープレート8a側へ押圧する空気圧から、押付プレート71aを第一固定側金型10側へ引き寄せる空気圧に切り替わっている。よって、押付ピン72aが、複数のスプリング16aの押圧力と、シリンダ73aの空気圧とにより第一固定側金型10から突出し、筐体100が第一可動側金型12aへ押し付けられる。これにより、筐体100が可動側金型12に保持される。次に、制御部200は、エジェクタ機構駆動部202bを制御して、空気圧シリンダ73bの空気圧を切り替えて、エジェクタピン71bを突出させて、完成品を第二固定側金型20から取り出す(S5)。
図8は、変形例の二色成形機で成形されるシール部材101を備えた筐体100の平面図である。図9は、一次成形部2で成形される一次成形品(筐体100)の平面図であり、図10は、二次成形部3で成形される二次成形品(シール部材101)の平面図である。図11は、シール部材101を備えた筐体100の断面斜視図である。
図8、9に示すように、筐体100には、部品が組み込まれるための複数の枠部102a、回路基板などがネジ止めされるための複数のネジ止め部102cなどを有している。図8、図11に示すように、筐体100の外枠の内壁面に沿って、無端状のシール部材101が形成されている。また、図11に示すように、シール部材101の頂部から外側の傾斜面が、この筐体100に取り付けられる不図示のもう一方の筐体と当接してシール性を発揮するためのシール部101cとなっている。そして、シール部材101のシール部101c以外の箇所であるシール部材の内周壁101dには、4箇所のゲート部101aと、第二材料(エラストマー)が最後に流れ込むオーバーフロー部101bが4箇所形成されている。このオーバーフロー部101bは、図8に示すように、4箇所のゲート部101aから流れ込んできた第二材料が交わる箇所に形成されている。
図12は、変形例2の二色成形機の一次成形部2における工程を説明する図であり、図13は、変形例の二色成形機の二次成形部3における工程を説明する図である。
図14に示すように、第二固定側金型20のノズルから射出された第二材料が交わる箇所には、オーバーフロー成形部20aが設けられている。このオーバーフロー成形部20aには、不図示のガス抜き弁が設けられている。
この変形例の二色成形機の制御部200には、可動側押付機構駆動部206やスライダ駆動部205なども接続されている。
まず、制御部200は、型閉動作を行った後(S11)、図12(a)に示すように、第一射出機203aの不図示のノズルから、第一材料を射出して、一次成形品たる筐体100を成形する(S12)。このとき、スライダ21は、スライダ21の一部が、筐体100と対向する対向位置に位置させている。次に、制御部200は、第一プレート駆動部201aを制御して、図12(b)に示すように、スプループレート9をランナープレート8から離間する方向に移動させて、スプルーランナー部S1を、露出させる(S13)。次に、図12(c)に示すように、スプループレート9の第二プレート92を、第一プレート91から離間し、スプルーランナー部S1を除去しやすくする。
まず、制御部200は、型閉動作を行った後(S21)、図13(a)に示すように、一次成形部2で溶融した第一材料が射出されるのとほぼ同期して、第二射出機203bの不図示のノズルから溶融した第二材料(熱可塑性エラストマー)を射出する(S22)。すると、可動側金型12に保持された筐体100と、第二固定側金型20のシール部材成形部とで構成された空間に第二材料が充填され、筐体100の所定の位置にシール部材101が成形される。このとき、4箇所のゲートから筐体100と第二固定側金型のシール部材成形部とによって形成された空間に射出された第二材料は、図10に示すような経路を通って、最後に図14に示すオーバーフロー成形部20aへ充填される。このとき、上記空間内に射出された第二材料から発生したガスは、オーバーフロー成形部20aへ流れていき、オーバーフロー成形部20aに設けられた不図示のガス抜き弁から排出される。オーバーフロー成形部20aを設けることにより、次の効果が得られる。すなわち、ガスが完全に抜け切らずに上記空間内にたまったりして、充填不良などが生じても、その充填不良の発生箇所は、最後に第二材料が充填されて成形されるオーバーフロー部101bに生じる(図10参照)。これにより、シール部材101のシール部101cに充填不良による欠肉などが生じるのを抑制することができるという効果である。また、オーバーフロー成形部20aに不図示のガス抜き弁を設けることで、オーバーフロー部101cにガス抜き弁の跡が生じることになり、シール性に影響が生じることがない。
2:一次成形部
3:二次成形部
4a:第一固定側部
4b:第二固定側部
5a:第一可動側部
5b:第二可動側部
6a,6b:金型プレート
7a:押付機構
7b:エジェクタ機構
8a,8b:ランナープレート
9a,9b:スプループレート
10:第一固定側金型
11a,11b:金型保持部
12a:第一可動側金型
12b:第二可動側金型
14:スプルー部
15a15b:スプルー
16a,16b:スプリング
17a,17b,18a,18b:ランナー
20:第二固定側金型
71a,71b:エジェクタプレート
72a,72b:エジェクタピン
73a,73b:シリンダ
100:筐体
101:シール部材
S1,S2:スプルーランナー部
また、請求項2の発明は、請求項1のシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記第一材料として、非晶性材料を用い、上記第二材料として、熱可塑性エラストマーを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記第一金型を上記移動金型から離間させるときに、上記筐体を上記移動金型に保持させるための保持手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記保持手段は、上記第一金型側に設けられ、上記第一金型を上記移動金型から離間させるときに上記筐体を上記移動金型側へ押し付ける押付手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3のシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記保持手段は、上記移動金型側の上記第一金型との対向面にスライド自在に設けられ、少なくとも上記第一金型を上記移動金型から離間させるときに上記筐体の一部と対向する対向部材を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5のシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記移動金型に保持された筐体にシール部材を成形した後、上記第二金型にシール部材が成形された筐体を保持した状態で、上記第二金型を上記移動金型から離間させる工程を有し、上記対向部材が上記筐体の一部と対向する対向位置から、上記筐体と対向しない退避位置へスライドしてから、上記第二金型を上記移動金型から離間させることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至5いずれかのシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記移動金型に保持された筐体にシール部材を成形した後、上記第二金型にシール部材が成形された筐体を保持した状態で、上記第二金型を上記移動金型から離間させる工程を有し、上記第二金型側に、上記第二金型からシール部材が成形された筐体を取り出すための取り出し手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかのシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記筐体の内周面が、第一金型により成形されることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記第一材料として、非晶性材料を用い、上記第二材料として、熱可塑性エラストマーを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記第一金型側に設けられ、上記第一金型を上記移動金型から離間させるときに上記筐体を上記移動金型側へ押し付ける押付手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかのシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記第二金型側に、上記第二金型からシール部材が成形された筐体を取り出すための取り出し手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかのシール部材を備えた筐体の製造方法において、上記筐体の内周面が、第一金型により成形されることを特徴とするものである。
Claims (8)
- 移動金型と、第一金型とを重ね合わせて形成された空間に、溶融した第一材料を射出して、筐体を成形する工程と、
上記移動金型に上記筐体を保持した状態で、上記第一金型を上記移動金型から離間させる工程と、
シール部材を成形するための第二金型と対向する位置に、上記移動金型を移動させる工程と、
上記移動金型と、上記第二金型とを重ね合わせて形成された空間に、上記第一材料よりも軟質な溶融した第二材料を射出して、上記移動金型に保持された筐体にシール部材を成形する工程とを有することを特徴とするシール部材を備えた筐体の製造方法。 - 請求項1のシール部材を備えた筐体の製造方法において、
上記第一材料として、非晶性材料を用い、上記第二材料として、熱可塑性エラストマーを用いたことを特徴とするシール部材を備えた筐体の製造方法。 - 請求項1または2のシール部材を備えた筐体の製造方法において、
上記第一金型を上記移動金型から離間させるときに、上記筐体を上記移動金型に保持させるための保持手段を備えたことを特徴とするシール部材を備えた筐体の製造方法。 - 請求項3のシール部材を備えた筐体の製造方法において、
上記保持手段は、上記第一金型側に設けられ、上記第一金型を上記移動金型から離間させるときに上記筐体を上記移動金型側へ押し付ける押付手段を備えたことを特徴とするシール部材を備えた筐体の製造方法 - 請求項3または4のシール部材を備えた筐体の製造方法において、
上記保持手段は、上記移動金型側の上記第一金型との対向面にスライド自在に設けられ、少なくとも上記第一金型を上記移動金型から離間させるときに上記筐体の一部と対向する対向部材を備えたことを特徴とするシール部材を備えた筐体の製造方法。 - 請求項1乃至5いずれかのシール部材を備えた筐体の製造方法において、
上記移動金型に保持された筐体にシール部材を成形した後、上記第二金型にシール部材が成形された筐体を保持した状態で、上記第二金型を上記移動金型から離間させる工程を有し、
上記第二金型側に、上記第二金型からシール部材が成形された筐体を取り出すための取り出し手段を設けたことを特徴とするシール部材を備えた筐体の製造方法。 - 請求項1乃至6いずれかのシール部材を備えた筐体の製造方法において、
上記筐体の内周面が、第一金型により成形されることを特徴とするシール部材を備えた筐体の製造方法。 - 請求項1乃至7いずれかのシール部材を備えた筐体の製造方法において、
上記シール部材のシール部以外の箇所に、最後に第二材料を流れ込ませるためのオーバーフロー部が成形されるよう第二金型を形成したことを特徴とするシール部材を備えた筐体の製造方法。
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