JP4806043B2 - 射出成形金型 - Google Patents

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Description

本発明は、ウエルドラインやショートショット等の成形不良を確実に防止して、高品質の樹脂成形品(射出成形体)を得るための射出成形金型に関するものである。
有機合成樹脂を成形材料とした射出成形においては、成形条件や樹脂成形品の形状によって、種々の成形欠陥を生ずることがある。例えば、貫通孔を有する樹脂成形品や角張った段差を有する樹脂成形品においては、貫通孔で分流した溶融樹脂の流れが貫通孔の後方で合流することによってウエルドラインが形成される可能性があり、段差の角部を残して溶融樹脂が充填された後に残された角部に溶融樹脂が充填されることによっても、ウエルドラインが形成される可能性がある。
このようなウエルドラインの形成を防止するためには、溶融樹脂の先端部分(メルトフロント)の温度が低下する前に溶融樹脂同士を密着させるために、溶融樹脂を高速で樹脂成形品の形状に対応した成形キャビティ内に注入する必要がある。しかし、かかる高速成形を行うと、成形キャビティ内の空気や高温の溶融樹脂から発生したガスが金型外部に十分に排出されないため、ショートショット等の別の成形不良を引き起こし易くなる。
そこで、このような問題を解決するために、特許文献1においては、スライド可能なブロックを用いて成形キャビティに連通する臨時空間を設け、溶融樹脂の射出量が成形キャビティの容量に達する前に、油圧機構等によってブロックを成形キャビティ側に押し戻すことによって臨時空間を消滅させる射出成形金型の発明について開示している。これによって、多点ゲート等の場合においてもウエルドラインの形成を防止することができ、目的の樹脂成形品の形状やゲート位置の設計の自由度に大きな制約を受けることなく、ウエルドラインやフローマークを確実に防止できるとしている。
また、特許文献2においては、固定型または可動型に成形キャビティに連通する連通孔が設けられ、該連通孔は減圧装置に接続されるとともに、連通孔内に連通孔を開口及び閉鎖し得る閉鎖部材が設置された射出成形金型の発明について開示している。これによって、成形キャビティを減圧装置で一気圧以下に減圧することができるため、射出成形用樹脂を高速で注入でき、高速成形が可能であって、表面にウエルドラインやガス焼けが発生せず、高品質の射出成形品を製造し得る射出成形金型となるとしている。
特開2005−007853号公報 特開2005−178184号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、臨時空間としての樹脂溜まり部を形成・消滅させるために、複雑な金型構造と油圧機構等の駆動装置を必要とし、射出成形装置全体が複雑で高価なものとなって、イニシャルコストもランニングコストも増大してしまうという問題点があった。
また、上記特許文献2に記載の技術においては、真空ポンプ等の減圧装置が必要になるだけでなく、減圧装置及び閉鎖部材を射出成形機と連動させて駆動制御するためのコントローラも必要となり、やはり射出成形装置全体が複雑で高価なものとなって、イニシャルコストもランニングコストも増大してしまうという問題点があった。
そこで、この発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、低コストの簡単な構成で、成形キャビティ内の空気及び溶融樹脂から発生するガスのガス抜きを行って、高速成形を可能とし、ウエルドラインやショートショット等の成形不良を確実に防止することができる射出成形金型の提供を課題とする。
請求項1に係る射出成形金型は、樹脂射出ノズルから射出される溶融した樹脂材料を通すゲートキャビティ及び該ゲートキャビティを介して前記樹脂材料で樹脂成形品を形成するための成形キャビティを有する一対の金型において、前記成形キャビティの前記ゲートキャビティから離れた部分に設けられ、前記一対の金型のいずれか一方に設けられたシリンダ部と、該シリンダ部にスライド可能に嵌合するピストン部分及び該ピストン部分と一体に形成され前記成形キャビティの一部を構成する先端部分とを有する閉鎖部材とからなるガスベントを具備し、前記シリンダ部は、前記一対の金型のいずれか一方の外部に連通しており、前記ガスベントは、前記樹脂射出ノズルから射出される前記溶融した樹脂材料の先端が前記ゲートキャビティを通過する時点においては開放されており、前記溶融した樹脂材料の圧力で前記閉鎖部材の先端部分が押圧されて前記閉鎖部材がスライドすることによって閉じられるものである。
ここで、ガスベントは、射出成形時に成形キャビティ内に流入する溶融した樹脂材料の圧力によって、機械的に閉じることができるものであればよい。なお、ガスベントを一対の金型のうちのいずれに配設するか、並びに成形キャビティのゲートキャビティから離れた部分のどこに配置するかは、金型構成によって任意に選択されるものである。
更に、前記ゲートキャビティと前記ガスベントとの間に、前面が前記成形キャビティのキャビティ面の一部を構成し、前記溶融した樹脂材料の圧力で前記前面が前記成形キャビティのキャビティ面と一致する方向にスライドする押圧部材を具備し、前記閉鎖部材と前記押圧部材とが一体にスライド可能に構成されており、前記ガスベントは、前記樹脂射出ノズルから射出される前記溶融した樹脂材料の先端が前記ゲートキャビティを通過する時点においては開放されており、前記溶融した樹脂材料の圧力で前記押圧部材の前面が押圧されて前記閉鎖部材が前記押圧部材と一体にスライドすることによって閉じられるものである。
請求項2に係る射出成形金型は、請求項1の構成において、前記閉鎖部材の先端部分または前記押圧部材の前面には、更に前記成形キャビティ内に突出した突出部分が設けられたものである。
請求項3に係る射出成形金型は、請求項1または請求項2の構成において、前記閉鎖部材の先端部分、その突出部分、または前記押圧部材の前面またはその突出部分は、前記溶融した樹脂材料が流入する方向に沿って次第に前記成形キャビティ内に突出する斜面形状部分を有するものである。
請求項4に係る射出成形金型は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つの構成において、前記樹脂成形品は、前記閉鎖部材及び前記押圧部材は、ばね部材によって前記成形キャビティ内に突出する方向に付勢されているものである。ここで、「ばね部材」としては、コイルスプリング、板ばね、ゴム製ブロック、等の種々のものを用いることができる。
請求項5に係る射出成形金型は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つの構成において、前記樹脂成形品は、貫通孔を有するものである。
ここで、「貫通孔」としては種々の形状の孔が含まれ、またその大きさは樹脂成形品の投影面積に対してごく小さいものから、樹脂成形品の投影面積の半分以上の大きいものまでが含まれる。更に、貫通孔は1つとは限らず、複数設けられていても良い。
請求項1の射出成形金型は、成形キャビティのゲートキャビティから離れた部分に設けられたガスベントを具備しており、このガスベントは一対の金型の外部に連通したシリンダ部と、シリンダ部にスライド可能に嵌合するピストン部分及びそれと一体に形成され成形キャビティの一部を構成する先端部分を有する閉鎖部材とからなる。そして、このガスベントは、溶融した樹脂材料の圧力で閉鎖部材の先端部分が押圧されて閉鎖部材がスライドすることによって閉じられることから、ガスベントを閉じるために制御装置や駆動機構等を全く必要とせず、簡単で低コストに構成することができる。
また、溶融した樹脂材料の先端部分の圧力によって、閉鎖部材の先端部分が押圧されて閉じられるものであるため、閉鎖部材とシリンダ部との間に溶融した樹脂材料が入り込むこともなく、かつ、成形キャビティ内の空気と溶融した樹脂材料から発生するガスとのガス抜きが十分に行われた後に、ガスベントが閉じられる。したがって、高速で射出成形を行った場合でも、成形キャビティ内に残留したガスによってショートショット等の成形不良を起こす恐れがなく、また高速成形が可能であることから、ウエルドラインが形成される事態を確実に防止することができる。
このようにして、低コストの簡単な構成で、成形キャビティ内の空気及び溶融樹脂から発生するガスのガス抜きを行って、高速成形を可能とし、ウエルドラインやショートショット等の成形不良を確実に防止することができる射出成形金型となる。
更に、ゲートキャビティとガスベントとの間に押圧部材を設けて、この押圧部材と閉鎖部材とを一体にスライド可能として、溶融した樹脂材料の圧力で押圧部材の前面が押圧されて、閉鎖部材が押圧部材と一体にスライドすることによってガスベントが閉じられるため、より確実に、溶融した樹脂材料の先端がガスベントに到達する前に閉じることができ、閉鎖部材とシリンダ部との間に溶融した樹脂材料が入り込むことがない。
そして、押圧部材と閉鎖部材とを一体にスライド可能として、溶融した樹脂材料の圧力で押圧部材の前面が押圧される構成であるから、ガスベントを閉じるために制御装置や駆動機構等を全く必要とせず、簡単で低コストに構成することができる。
このようにして、低コストの簡単な構成で、成形キャビティ内の空気及び溶融樹脂から発生するガスのガス抜きを行って、高速成形を可能とし、ウエルドラインやショートショット等の成形不良を確実に防止することができる射出成形金型となる。
請求項2の射出成形金型においては、閉鎖部材の先端部分または押圧部材の前面には、更に成形キャビティ内に突出した突出部分が設けられているため、請求項1の効果に加えて、突出部分が溶融した樹脂材料の圧力を受けて閉鎖部材または押圧部材がより確実にスライドして、高速でガスベントを閉じることができる。
請求項3の射出成形金型においては、閉鎖部材の先端部分、その突出部分、押圧部材の前面またはその突出部分は、溶融した樹脂材料が流入する方向に沿って次第に成形キャビティ内に突出する斜面形状部分を有するため、請求項1または請求項2の効果に加えて、この斜面部分に溶融した樹脂材料の圧力が掛かることによって、閉鎖部材または押圧部材をスライドさせる方向への分力が発生して、より高速でガスベントを閉じることができる。
請求項4の射出成形金型においては、閉鎖部材及び押圧部材が、ばね部材によって成形キャビティ内に突出する方向に付勢されているため、請求項1乃至請求項3のいずれか1つの効果に加えて、得られた樹脂成形品を金型から取り除くことによって、閉鎖部材及び押圧部材がばね部材の付勢力で元の位置に戻って、直ちに次の射出成形を行うことができ、閉鎖部材または押圧部材を元の位置に戻すための駆動機構を必要とせず、射出成形金型の構成がより簡単になる。
請求項5の射出成形金型は、貫通孔を有する樹脂成形品を成形するためのものであり、貫通孔を有する樹脂成形品においては、貫通孔に相当する金型の突出部の後方にウエルドラインが形成され易いが、本発明に係る射出成形金型においては高速成形が可能であり、またガス抜きも確実に行われるため、貫通孔を有する樹脂成形品においてもウエルドラインを確実に防止することができる。
図1(a)は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型によって成形される樹脂成形品(射出成形体)を示す斜視図、(b)は底面図、(c)は(a)のA−A断面図である。 図2は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型の上型と下型が閉じた状態における縦断面を示す縦断面図である。 図3は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型において、樹脂材料の射出充填によって形成された樹脂ランナーと一部の樹脂成形品を、上型を取り外して上方向から下型とともに見たところを示す概略部分平面図である。 図4は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型の成形キャビティにおいて、射出成形が開始された直後の状態を示す部分拡大縦断面図である。 図5は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型の成形キャビティにおいて、射出成形が完了した時点の状態を示す部分拡大縦断面図である。 図6(a)は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型において、射出成形が開始された直後のガスベント部分を示す部分拡大縦断面図、(b)は射出成形が完了した時点のガスベント部分を示す部分拡大縦断面図である。 図7(a)は本発明の実施の形態1の変形例に係る射出成形金型における射出成形が開始された直後のガスベント部分を示す部分拡大縦断面図、(b)は射出成形が完了した時点のガスベント部分を示す部分拡大縦断面図である。 図8(a)は本発明の実施の形態2に係る射出成形金型によって成形される樹脂成形品(射出成形体)を示す斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。 図9(a)は本発明の実施の形態2に係る射出成形金型の上型と下型が閉じた状態における縦断面を示す縦断面図、(b)は押圧部材及び閉鎖部材が一体化された複合部材を示す斜視図、(c)は本発明の実施の形態2の変形例に係る射出成形金型における押圧部材及び閉鎖部材が一体化された複合部材を示す斜視図である。 図10(a)は本発明の実施の形態2に係る射出成形金型の成形キャビティにおいて、射出成形が開始された直後の状態を示す部分拡大縦断面図、(b)は射出成形が完了した時点の状態を示す部分拡大縦断面図である。
実施の形態1
以下、本発明の実施の形態1に係る射出成形金型について、図1乃至図7を参照して説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型によって成形される樹脂成形品(射出成形体)を示す斜視図、(b)は底面図、(c)は(a)のA−A断面図である。図2は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型の上型と下型が閉じた状態における縦断面を示す縦断面図である。図3は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型において、樹脂材料の射出充填によって形成された樹脂ランナーと一部の樹脂成形品を、上型を取り外して上方向から下型とともに見たところを示す概略部分平面図である。
図4は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型の成形キャビティにおいて、射出成形が開始された直後の状態を示す部分拡大縦断面図である。図5は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型の成形キャビティにおいて、射出成形が完了した時点の状態を示す部分拡大縦断面図である。図6(a)は本発明の実施の形態1に係る射出成形金型において、射出成形が開始された直後のガスベント部分を示す部分拡大縦断面図、(b)は射出成形が完了した時点のガスベント部分を示す部分拡大縦断面図である。図7(a)は本発明の実施の形態1の変形例に係る射出成形金型における射出成形が開始された直後のガスベント部分を示す部分拡大縦断面図、(b)は射出成形が完了した時点のガスベント部分を示す部分拡大縦断面図である。
まず、本実施の形態1に係る射出成形金型によって成形される樹脂成形品について、図1を参照して説明する。図1(a)に示されるように、本実施の形態1に係る射出成形金型によって成形される樹脂成形品W1は、自動車用ドアの開閉時に人が手で持つための樹脂製のハンドルである。このハンドルW1には、図1(a)、(b)、(c)に示されるように、貫通孔W1aが設けられており、また、図1(b)、(c)に示されるように、ハンドルW1を自動車用ドアに取付けるためのネジ孔W1bが設けられている。
本実施の形態1に係る射出成形金型においては、このような樹脂成形品としてのハンドルW1を多数個取りで一度に成形するものであり、また、図1(a)、(b)、(c)に示されるように、ゲートをハンドルW1の取付け側W1cに設けて成形するものである。したがって、ゲートW1cから最も離れた位置にあり、また貫通孔W1aの後方に位置するハンドルW1の他端部W1dに、ガスベントが設けられる。
次に、本実施の形態1に係る射出成形金型の全体構成について、図2の縦断面図を参照して説明する。図2に示されるように、本実施の形態1に係る射出成形金型1は、一対の金型としての上型2及び下型3によって構成されており、上型2は射出成形機の固定部分に固定される固定型であり、下型3は射出成形機の昇降部分に固定される可動型である。上型2と下型3を閉じることによって、その間に樹脂成形品W1の形状に対応した一対の成形キャビティ1A、1Bが、図面の垂直方向に並んで複数個形成される。
すなわち、本実施の形態1に係る射出成形金型1は、1回の射出成形によって樹脂成形品W1を同時に偶数個製造する(多数個取りの)射出成形金型である。上型2と下型3を閉じることによって、同時に、射出成形機の下端(樹脂射出ノズルの先端)がスプルーブッシュ6の上端に密着した状態において、樹脂射出ノズルから射出される溶融状態の樹脂材料を2つの成形キャビティ1A、1Bに導くためのゲートキャビティ7A、7Bも形成される。
上型2には、これらのゲートキャビティ7A、7B、成形キャビティ1A、1Bの上面側の壁面が設けられた上型形成部材4が固定されており、下型3には、これらのゲートキャビティ7A、7B、成形キャビティ1A、1Bの下面側の壁面が設けられた下型形成部材5A、5Bが固定されている。更に、下型3には底部プレート3aが設けられており、底部プレート3aには、三本のエジェクタピン20が底部プレート3aと一体に昇降可能に固定されている。
そして、下型形成部材5A、5Bには、成形キャビティ1A、1Bの下面側の壁面に接して、ガスベント8A、8Bが設けられており、これらのガスベント8A、8Bは、排気孔9A、9Bを介して、下型3の外部に連通している。これらのガスベント8A、8Bによって、射出成形時に、成形キャビティ1A、1B内の空気及び溶融した樹脂材料から発生するガスが、確実にガス抜きされて、ショートショットやウエルドライン等の成形欠陥が発生する事態が、確実に防止される。
かかる構成を有する本実施の形態1に係る射出成形金型1においては、樹脂射出ノズルの先端がスプルーブッシュ6の上端に密着した状態で、樹脂射出ノズルから溶融状態の樹脂材料が射出されると、図3に示されるように、スプルーブッシュ6の内部に樹脂が充填された樹脂スプルーP1、ゲートキャビティ7A、7Bに樹脂が充填された樹脂ランナーP2、成形キャビティ1A、1Bに樹脂が充填された樹脂成形品W1が、樹脂材料によって一体に成形される。
そして、本実施の形態1に係る射出成形金型1の下型3には、図3に示されるように、樹脂成形品W1のゲート部分W1cと反対側の端W1dに接して、一対の下型形成部材5A、5Bに、それぞれガスベント8A、8Bが設けられている。なお、上述したように、射出成形金型1は、1回の射出成形によって樹脂成形品W1を同時に偶数個製造する(多数個取りの)射出成形金型であり、下型3には一対の下型形成部材5A、5Bが更に複数個ずつ(5C、5D、……)設けられている。
したがって、図3に示されるように、樹脂スプルーP1は途中で枝分かれして、これら複数個ずつの一対の下型形成部材5A、5B、5C、5D、……にそれぞれ樹脂材料を供給するように構成されているが、図2においては、かかる構成については図示を省略している。
次に、本実施の形態1に係る射出成形金型1のより詳細な構造と、射出成形時における各部の動作について、図4乃至図6を参照して説明する。本実施の形態1に係る射出成形金型1において、樹脂材料が射出成形された直後の状態を示す部分縦断面図である図4に示されるように、溶融した樹脂材料の先端部分P3が、樹脂スプルーP1及び樹脂ランナーP2を形成しながら流入して、閉鎖部材10Aの前面に到達するまでは、ガスベント8Aが開いているため、成形キャビティ1A内の空気及び溶融した樹脂材料から発生したガスは、ガスベント8Aから排気孔9Aを通って射出成形金型1の外部に押し出される。
その後、図5に示されるように、溶融した樹脂材料の先端部分P3によって閉鎖部材10Aの前面が押圧されると、閉鎖部材10Aがスライドしてシリンダ部11Aに密着する。このように閉鎖部材10Aがばね部材12Aの付勢力に抗してスライドすることによって、図5に示されるように、溶融した樹脂材料の先端部分P3が到達する前に、ガスベント8Aが確実に閉じられて、樹脂成形品W1が製造される。
続いて、本実施の形態1に係る射出成形金型1におけるガスベント8Aを構成する各部の寸法について、図6を参照して説明する。
図4及び図5においては、説明の便宜のため、射出成形時におけるガスベント8Aの閉鎖部材10Aとシリンダ部11Aとの間隔を、大きく誇張して図示しているが、実際は図6(a)に示されるように、閉鎖部材10Aの先端部分10Abとシリンダ部11Aとの間隔は僅か0.15mmしかなく、溶融した樹脂材料の先端部分P3が到達する前に、この0.15mmの隙間から、成形キャビティ1A内の空気及び溶融した樹脂材料から発生したガスが、矢印に示されるように排出されてガス抜きが行われる。
そして、溶融した樹脂材料の先端部分P3によって閉鎖部材10Aの先端部分10Abの前面が押圧されると、閉鎖部材10Aがばね部材12Aの付勢力に抗して0.3mmスライドして、図6(b)に示されるように、先端部分10Abがシリンダ部11Aに密着する。これによって、溶融した樹脂材料の先端部分P3が到達する前に、ガスベント8Aが確実に閉じられて、樹脂成形品W1が射出成形される。
ここで、図6(b)に示されるように、閉鎖部材10Aの先端部分10Abは30度の角度で下方に突出しており、図6(a)に示されるように、溶融した樹脂材料の先端部分P3は上方から流入するため、0.15mmの隙間の隙間は溶融した樹脂材料の先端部分P3の裏側に形成される。したがって、溶融した樹脂材料の先端部分P3が回り込んで0.15mmの隙間に入り込む前に、確実にガスベント8Aを閉じることができる。
次に、本実施の形態1の変形例に係る射出成形金型におけるガスベントの構成について、図7を参照して説明する。
図7(a)に示されるように、本実施の形態1の変形例に係る射出成形金型11においては、成形キャビティ1Cの末端部分に斜めに設けられたシリンダ部11Cと、このシリンダ部11Cに嵌合する円柱状のピストン部分10Ca、ピストン部分10Caの先端に設けられたシリンダ部11Cを塞ぐための先端部分10Cb、及びこの先端部分10Cbから成形キャビティ1C内に突出した突出部分10Ccを有する閉鎖部材10Cとによって、ガスベント8Cが構成されている。
この変形例に係る射出成形金型11において射出成形が実施されると、図7(a)に示されるように、溶融した樹脂材料の先端部分P3が到達する前に、成形キャビティ1C内の空気及び溶融した樹脂材料から発生したガスが、閉鎖部材10Cの先端部分10Cbとシリンダ部11Cとの隙間から、矢印に示されるように排出されて、ガス抜きが行われる。
そして、溶融した樹脂材料の先端部分P3によって閉鎖部材10Cの先端部分10Cbの前面に設けられた突出部分10Ccが押圧されると、閉鎖部材10Cがばね部材12Cの付勢力に抗してスライドして、図7(b)に示されるように、先端部分10Cbがシリンダ部11Cに密着する。これによって、溶融した樹脂材料の先端部分P3が到達する前に、ガスベント8Cが確実に閉じられて、樹脂成形品W3が射出成形される。
ここで、図7(a)に示されるように、閉鎖部材10Cの先端部分10Cbも下方に突出しており、溶融した樹脂材料の先端部分P3は上方から流入するため、先端部分10Cbとシリンダ部11Cとの隙間は、溶融した樹脂材料の先端部分P3の裏側に形成される。したがって、溶融した樹脂材料の先端部分P3が回り込んで先端部分10Cbとシリンダ部11Cとの隙間に入り込む前に、確実にガスベント8Cを閉じることができる。
このように、本実施の形態1に固有の効果として、本実施の形態1に係る射出成形金型1及び変形例に係る射出成形金型11においては、ガスベント8A、8B、8Cのガス抜き用の隙間を、溶融した樹脂材料の先端部分P3が流入してくる側の裏側に設けているため、溶融した樹脂材料の先端部分P3が回り込んでガスベント8A、8B、8Cの隙間に入り込む前に、確実に、ガスベント8A、8B、8Cを閉じることができるという作用効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態1に係る射出成形金型1、11を用いた射出成形においては、成形キャビティ1A、1B、1C内の空気及び溶融した樹脂材料から発生したガスを、ガスベント8A、8B、8Cから射出成形金型1、11の外部に確実に押し出すことができることから、ショートショット等の成形欠陥を生ずることなく高速成形を行うことができるため、ウエルドライン等の成形欠陥も生ずることなく、極めて良好な樹脂成形品W1、W3を大量生産することができる。
このようにして、本実施の形態1に係る射出成形金型1、11においては、低コストの簡単な構成で、成形キャビティ1A、1B、1C内の空気及び溶融樹脂から発生するガスのガス抜きを確実に行って、高速成形を可能とし、ウエルドラインやショートショット等の成形不良を確実に防止することができる。
本実施の形態1においては、射出成形金型1を構成する一対の金型として、上型2及び下型3からなる場合について説明したが、一対の金型としてはこのような縦型形式に限られるものではなく、横型形式であっても良い。
また、本実施の形態1においては、射出成形金型1によって成形される樹脂成形品として、自動車用ドアの樹脂製のハンドルW1を成形する場合について説明したが、樹脂成形品としてはこれに限られるものではなく、本発明に係る射出成形金型は、どのような形状の樹脂成形品を成形する場合にも適用することができる。
更に、本実施の形態1においては、ガスベント8A、8B、8Cのガス抜き用の隙間を、溶融した樹脂材料の先端部分P3が流入してくる側の裏側に設けた場合についてのみ説明したが、ガスベントのガス抜き用の隙間はどの部分に設けられていても構わない。
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2に係る射出成形金型について、図8乃至図10を参照して説明する。
図8(a)は本発明の実施の形態2に係る射出成形金型によって成形される樹脂成形品(射出成形体)を示す斜視図、(b)は(a)のB−B断面図である。図9(a)は本発明の実施の形態2に係る射出成形金型の上型と下型が閉じた状態における縦断面を示す縦断面図、(b)は押圧部材及び閉鎖部材が一体化された複合部材を示す斜視図、(c)は本発明の実施の形態2の変形例に係る射出成形金型における押圧部材及び閉鎖部材が一体化された複合部材を示す斜視図である。図10(a)は本発明の実施の形態2に係る射出成形金型の成形キャビティにおいて、射出成形が開始された直後の状態を示す部分拡大縦断面図、(b)は射出成形が完了した時点の状態を示す部分拡大縦断面図である。
まず、本実施の形態2に係る射出成形金型によって成形される樹脂成形品について、図8を参照して説明する。図8(a)に示されるように、本実施の形態2に係る射出成形金型によって成形される樹脂成形品W2は、脚部W2aと脚部W2bと本体部W2cとを有する物品である。この樹脂成形品W2の本体部W2cの裏側には、図8(a)、(b)に示されるように、突出部W2dが設けられている。この突出部W2dは、後述するように、ガスベントを閉じるための押圧部材の位置に形成される。
本実施の形態2に係る射出成形金型においては、このような樹脂成形品W2を2個取りで一度に成形するものであり、また、ゲートを脚部W2aの下端に設けて成形するものである。したがって、ゲートが設けられる脚部W2aの下端から最も離れた位置にあり、また突出部W2dの後方に位置する他方の脚部W2bの下端に、ガスベントが設けられる。
次に、本実施の形態2に係る射出成形金型の全体構成について、図9(a)の縦断面図を参照して説明する。図9(a)に示されるように、本実施の形態2に係る射出成形金型21は、一対の金型としての上型22及び下型23によって構成されており、上型22は射出成形機の固定部分に固定される固定型であり、下型23は射出成形機の昇降部分に固定される可動型である。上型22と下型23を閉じることによって、その間に樹脂成形品W2の形状に対応した一対の成形キャビティ21A、21Bが形成される。
すなわち、本実施の形態2に係る射出成形金型21は、1回の射出成形によって樹脂成形品W2を同時に2個製造する(2個取りの)射出成形金型である。上型22と下型23を閉じることによって、同時に、射出成形機の下端(樹脂射出ノズルの先端)がスプルーブッシュ26の上端に密着した状態において、樹脂射出ノズルから射出される溶融状態の樹脂材料を2つの成形キャビティ21A、21Bに導くためのゲートキャビティ27A、27Bも形成される。更に、下型23には底部プレート23aが設けられており、底部プレート23aには、三本のエジェクタピン40が底部プレート23aと一体に昇降可能に固定されている。
そして、下型23には、成形キャビティ21A、21Bの底面側の壁面に接して、ガスベント28A、28Bが設けられている。これらのガスベント28A、28Bによって、射出成形時に、成形キャビティ21A、21B内の空気及び溶融した樹脂材料から発生するガスが、確実にガス抜きされて、ショートショットやウエルドライン等の成形欠陥が発生する事態が、確実に防止される。
図9(a)に示されるように、これらのガスベント28A、28Bは、閉鎖部材29A、29Bと、閉鎖部材29A、29Bのうちの円柱形状を有するピストン部分29Aa、29Baがスライド可能に嵌合する、シリンダ部30A、30Bとから構成されている。閉鎖部材29A、29Bの先端部分29Ab、29Bbの上面は、成形キャビティ21A、21Bの一部を構成しており、この円錐形状を有する先端部分29Ab、29Bbの下面が、シリンダ部30A、30Bの上部に密着することによって、ガスベント28A、28Bが閉じられる。
そして、図9(b)に示されるように、閉鎖部材29A、29Bは、平板形状の接続部分31A、31Bによって、円柱形状のピストン部分と成形キャビティ21A、21B内に突出した先端部分とを有する押圧部材25A、25Bと一体にスライド可能に構成されて、複合部材24A、24Bとなっている。これらの押圧部材25A、25Bの前面25Aa、25Baは、図9(a)に示されるように、溶融した樹脂材料が流入する方向に沿って次第に成形キャビティ21A、21B内に突出する斜面形状となっている。
ここで、本実施の形態2の変形例に係る射出成形金型について、図9(c)を参照して説明する。変形例に係る射出成形金型の構成は、一部を除いて、本実施の形態2に係る射出成形金型21と同様である。変形例に係る射出成形金型が射出成形金型21と異なるのは、閉鎖部材と押圧部材とが一体化した複合部材の形状と、その複合部材が配設される部分の下型の構造のみである。
すなわち、本実施の形態2の変形例に係る射出成形金型においては、図9(c)に示されるように、複合部材36A、36Bにおいて、閉鎖部材29A、29Bと接続部分31A、31Bによって一体化される押圧部材37A、37Bが、樹脂成形品W2の幅とほぼ同一の幅を有する矩形形状の断面を有している。そして、押圧部材37A、37Bの前面37Aa、37Baは、溶融した樹脂材料が流入する方向に沿って次第に成形キャビティ21A、21B内に突出する斜面形状となっている。
これによって、本実施の形態2の変形例に係る射出成形金型においては、射出成形時に溶融した樹脂材料の先端部分について、樹脂成形品W2の幅方向に関してどの部分が最初に流入しても、確実にそのタイミングで押圧部材37A、37Bが押圧されて下降するため、どのような高速成形時においても、溶融した樹脂材料の先端部分がガスベント28A、28Bに到達する前に、より確実にガスベント28A、28Bを閉じることができるという作用効果が得られる。
これに対して、本実施の形態2に係る射出成形金型21においては、図9(b)に示されるように、押圧部材25A、25Bの前面25Aa、25Baの面積が必要最小限であるため、図8に示されるように、樹脂成形品W2の裏面に形成される突出部分W2dの大きさを最小限にできるという作用効果が得られる。
次に、本実施の形態2に係る射出成形金型21の射出成形時における各部の動作について、図10を参照して説明する。
本実施の形態2に係る射出成形金型21において、溶融した樹脂材料が射出成形された直後の状態を示す部分縦断面図である図10(a)に示されるように、溶融した樹脂材料の先端部分P23が、樹脂スプルーP21及び樹脂ランナーP22を形成しながら流入して、押圧部材25Aの前面25Aaに到達するまでは、ガスベント28Aが開いているため、成形キャビティ21A内の空気及び溶融した樹脂材料から発生したガスは、ガスベント28Aから射出成形金型21の外部に押し出される。
その後、図10(a)に示されるように、溶融した樹脂材料の先端部分P23によって押圧部材25Aの前面25Aaが押圧されると、押圧部材25Aが矢印に示されるようにスライドして下降し、複合部材24Aとして一体に形成されているために、閉鎖部材29Aも矢印に示されるように一体にスライドして下降し、シリンダ部30Aに密着する。このように複合部材24Aがばね部材32Aの付勢力に抗して下降することによって、図10(b)に示されるように、溶融した樹脂材料の先端部分P23が到達する前に、ガスベント28Aが確実に閉じられる。
このようにして樹脂成形品W2が成形された後、三本のエジェクタピン40が同時に上昇することによって、ブロック33A、33Bとともに複合部材24A、24Bが一体に上昇して、複合部材24A、24Bがブロック34A、34Bに当接するまで樹脂成形品W2を少し押し上げ、更に複合部材24A、24B及びブロック34A、34Bと一体に、樹脂成形品W2が下型23から完全に離れるまで押し上げる。これによって、樹脂成形品W2のエジェクタ機構がより簡単になるという作用効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態2に係る射出成形金型21を用いた射出成形においては、成形キャビティ21A内の空気及び溶融した樹脂材料から発生したガスを、ガスベント28Aから射出成形金型21の外部に確実に押し出すことができることから、ショートショット等の成形欠陥を生ずることなく高速成形を行うことができるため、ウエルドライン等の成形欠陥も生ずることなく、極めて良好な樹脂成形品W2を大量生産することができる。
このようにして、本実施の形態2に係る射出成形金型21においては、低コストの簡単な構成で、成形キャビティ21A、21B内の空気及び溶融樹脂から発生するガスのガス抜きを確実に行って、高速成形を可能とし、ウエルドラインやショートショット等の成形不良を確実に防止することができる。
上記各実施の形態においては、樹脂成形品W1、W2、W3を成形するための樹脂材料の種類については特に言及していないが、樹脂材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、アクリル樹脂を始めとする熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂を始めとする熱硬化性樹脂等の、通常射出成形に用いられる樹脂材料を用いることができる。
また、上記各実施の形態においては、「ばね部材」としてコイルスプリング12A、12C、32A、32Bを用いた場合について説明したが、ばね部材としてはこれに限られるものではなく、板ばね、弾性ゴムのブロック等を始めとして、他のばね部材をも用いることができる。
本発明を実施するに際しては、射出成形金型のその他の部分の構成、構造、形状、材質、数量、大きさ、接続関係等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。なお、本発明の実施の形態で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
1、11、21 射出成形金型
1A、1B、1C、21A、21B 成形キャビティ
2、22 上型
3、23 下型
4、4C 上型形成部材
5A、5B、5C 下型形成部材
6、26 スプルーブッシュ
7A、7B、27A、27B ゲートキャビティ
8A、8B、8C、28A、28B ガスベント
9A、9B、9C 排気孔
10A、10C、29A、29B 閉鎖部材
10Aa、10Ca、29Aa、29Ba ピストン部分
10Ab、10Cb、29Ab、29Bb 先端部分
10Cc 突出部分
11A、11C、30A、30B シリンダ部
12A、12C、32A、32B ばね部材
24A、24B、36A、36B 複合部材
25A、25B、37A、37B 押圧部材
25Aa、25Ba、37Aa、37Ba 前面
W1、W2 樹脂成形品
W1a 貫通孔

Claims (5)

  1. 樹脂射出ノズルから射出される溶融した樹脂材料を通すゲートキャビティ及び該ゲートキャビティを介して前記樹脂材料で樹脂成形品を形成するための成形キャビティを有する一対の金型において、
    前記成形キャビティの前記ゲートキャビティから離れた部分に設けられ、前記一対の金型のいずれか一方に設けられたシリンダ部と、該シリンダ部にスライド可能に嵌合するピストン部分及び該ピストン部分と一体に形成され前記成形キャビティの一部を構成する先端部分とを有する閉鎖部材とからなるガスベントと、
    前記ゲートキャビティと前記ガスベントとの間に、前面が前記成形キャビティのキャビティ面の一部を構成し、前記溶融した樹脂材料の圧力で前記前面が前記成形キャビティのキャビティ面と一致する方向にスライドする押圧部材とを具備し、
    前記シリンダ部は、前記一対の金型のいずれか一方の外部に連通しており、前記ガスベントは、前記樹脂射出ノズルから射出される前記溶融した樹脂材料の先端が前記ゲートキャビティを通過する時点においては開放されており、前記溶融した樹脂材料の圧力で前記閉鎖部材の先端部分が押圧されて前記閉鎖部材がスライドすることによって閉じられ、
    また、前記閉鎖部材と前記押圧部材とが一体にスライド可能に構成されており、前記ガスベントは、前記樹脂射出ノズルから射出される前記溶融した樹脂材料の先端が前記ゲートキャビティを通過する時点においては開放されており、前記溶融した樹脂材料の圧力で前記押圧部材の前面が押圧されて前記閉鎖部材が前記押圧部材と一体にスライドすることによって閉じられることを特徴とする射出成形金型。
  2. 前記閉鎖部材の先端部分または前記押圧部材の前面には、更に前記成形キャビティ内に突出した突出部分が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型。
  3. 前記閉鎖部材の先端部分、その突出部分、または前記押圧部材の前面またはその突出部分は、前記溶融した樹脂材料が流入する方向に沿って次第に前記成形キャビティ内に突出する斜面形状部分を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出成形金型。
  4. 前記閉鎖部材及び前記押圧部材は、ばね部材によって前記成形キャビティ内に突出する方向に付勢されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の射出成形金型。
  5. 前記樹脂成形品は、貫通孔を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の射出成形金型。
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