JPH09262879A - 成形品の製造方法 - Google Patents

成形品の製造方法

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JPH09262879A
JPH09262879A JP7399696A JP7399696A JPH09262879A JP H09262879 A JPH09262879 A JP H09262879A JP 7399696 A JP7399696 A JP 7399696A JP 7399696 A JP7399696 A JP 7399696A JP H09262879 A JPH09262879 A JP H09262879A
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JP
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mold
molded product
cooling
release
molding
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JP7399696A
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Inventor
Masami Takimoto
正己 瀧本
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】両面に離型抵抗が大きな部分があっても、離型
不良を生じさせずに、成形品の生産性を向上させる成形
品の製造方法の提供。 【解決手段】成形品を製造するにあたり、金型1のキャ
ビティ2に充填された溶融樹脂3を冷却する冷却工程中
に、突き出し部35を前進させて、成形品3を移動金型部
20の成形面に押し止めながら金型1を寸開し、成形品3
の固定金型部30側を離型し、この金型1が寸開した状態
で引き続き冷却工程を継続し、冷却工程の完了後、成形
品3の固定金型部30側を離型する。これにより、各面の
離型が適切なタイミングで行われるようになり、離型不
良を生じさせずに、成形品3の成形サイクルが短縮され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型に溶融樹脂を
充填して成形品を製造する成形品の製造方法に関し、例
えば、貨物の搬送・保管に用いられるプラスチックパレ
ットや搬送トレー等の大型成形品の製造に好適な成形品
の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、フォークリフト等の搬送機械で
貨物を移動する際には、木製のパレットや、合成樹脂製
のパレットおよび搬送トレー等が利用されている。この
うち、合成樹脂製のパレットは、金型のキャビティに溶
融樹脂を充填することにより製造される大型成形品であ
り、重量を増加させずに全体の剛性を確保するために、
リブを格子状に設けたリブ構造を備えることが多く、表
側の面だけでなく、裏側の面にもリブが設けられること
がある。例えば、図4に示されるように、貨物が載置さ
れる上面側の上面部品41と、床面等と接する下面側の下
面部品42とを別個に成形した後、これらの上面部品41お
よび下面部品42の桁部41A, 42Aを相互に溶着する片面使
用のパレットがある。このようなパレットの場合、下面
部品42には、桁部42A の上側の面にリブ43が設けられる
とともに、デッキ部42B の下側の面にもリブ44が設けら
れる。そして、桁部42A のリブ43とデッキ部42B のリブ
44とは、金型からの型抜き方向が互いに逆方向となる。
そして、射出成形に用いる一般的な金型設計では、金型
を二つの金型部に分割し、金型を開く際に、一方の金型
部に成形品が取られるようにし、これにより、キャビテ
ィの中から成形品を取り出すようにしている。さらに具
体的に説明すれば、パレットを構成する下面部品42の場
合、固定金型部に、デッキ部42B のリブ44を成形するた
めの溝状部分を彫り込む一方、移動可能となった移動金
型部に、桁部42A のリブ43を成形するための溝状部分を
彫り込んでおく。そして、金型に溶融樹脂を充填した
後、金型を開く際に、成形品が固定金型部から離れ、移
動金型部に取られるように設計しておけば、移動金型部
の移動により、成形品がキャビティの中から取り出さ
れ、この後、エジクターピン等で移動金型部から成形品
が離型される。
【0003】ところで、前述のような固定金型部に形成
した成形品のリブ44は、冷却により収縮して金型(コ
ア)に抱きつき、型開きの際に、金型との間に大きな離
型抵抗が発生する。このような固定金型部側に離型抵抗
部のある成形品は、無理に型開きしようすると、離型抵
抗部が白化する、あるいは、破壊される等の離型不良が
生じる。このため、成形品は、抱きつき力が離型障害と
ならないように、溶融樹脂の冷却の進行状態に応じた適
切なタイミングで離型しなければならない。すなわち、
冷却工程が開始された直後の第1の冷却段階では、未だ
樹脂に固体剛性が充分なく、当該固体剛性よりも離型抵
抗が勝り、無理に離型しようとすると、樹脂の固体剛性
が離型抵抗に負けるので、離型が行えない。溶融樹脂が
ある程度冷却され、樹脂に充分な固体剛性が確保される
第2の冷却段階では、樹脂の固体剛性が離型抵抗よりも
勝る状態となり、離型が行える。第2の冷却段階から樹
脂の冷却がさらに進行し、樹脂の歪みが大きくなる第3
の冷却段階では、歪みにより、成形品に設けられたリブ
等の離型抵抗部がその間にある金型を挟み込み、いわゆ
る抱きつき力が著しく増大する。このため、第3の冷却
段階では、抱きつき力が固体剛性に勝り、離型不良が起
きる。以上において、第3の冷却段階に達する以前、第
2の冷却段階で離型を行えば、離型不良を発生させるこ
となく成形サイクルを短縮でき、成形品の生産性を向上
することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、両面に
リブ等の離型抵抗部が形成された成形品では、冷却時に
おける一方の面の温度降下速度と他方の面の温度降下速
度が異なるので、一方の面が第2の冷却段階に達してい
ても、他方の面が未だ第1の冷却段階であり、他方の面
が第2の冷却段階に達したときには、既に一方の面が第
3の冷却段階に達していることが多く、両方の面が同時
に離型可能となることは稀である。このような成形品を
従来のように離型したのでは、冷却が先に進行した面に
大きな離型抵抗が生じてしまうので、離型不良が生じや
すいという問題がある。
【0005】一方、離型抵抗を低減する手段、例えば、
先細りとなるようにリブをテーパ状にする、成形品のコ
ーナ部のRを大きくして、抱きつき力を低減する、およ
び、リブの根元部分と金型との間が負圧とならないよう
にエアを供給する、または、通気孔を設ける等により、
離型不良を防止し、成形品の生産性を向上することが考
えられるが、離型抵抗を低減する手段は、成形品の形状
によっては充分効果を発揮しないことがあり、前述の問
題の有効な解決手段とはならない。
【0006】本発明の目的は、両面に離型抵抗が大きな
部分があっても、離型不良を生じさせずに生産性を高め
る成形品の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、金型のキャビ
ティに溶融樹脂を充填して成形品を製造する成形品の製
造方法であって、予め前記キャビティ内に向かって前記
成形品を押圧する押圧手段を前記金型に設けておき、前
記キャビティに充填された溶融樹脂を冷却する冷却工程
中に、前記押圧手段を駆動させて前記成形品を一方の金
型面に押し止めながら前記金型を開いた後、この金型が
開いた状態で引き続き前記冷却工程を継続させることを
特徴とする。以上において、前記冷却工程は、プレス成
形方法、スタンピング成形方法、射出成形方法、およ
び、射出プレス成形方法のいずれかの一工程とすること
ができる。また、前記金型は、移動金型部および固定金
型部を含んで構成されたものであって、前記冷却工程中
の型開きの際に移動される移動金型部の移動距離は、1
〜10mmの範囲内であることが好ましい。さらに、前記
冷却工程中における移動金型部の移動は、前記冷却工程
が開始された後、当該冷却工程が完了するのに要する所
要時間の20〜95%の時間が経過したときに開始され
ることが望ましい。また、押圧手段としては、前記キャ
ビティに対して進退可能に設けられたピン等の棒状の部
材や、圧搾空気を吹き出すことにより前記キャビティに
前記成形品を押し止める空気供給孔等を含んで構成され
たものが採用できる。なお、前記成形品としては、貨物
の搬送・保管に用いられるプラスチックパレット等の両
面に離型抵抗が大きな部分を有するものでも採用でき
る。
【0008】このような本発明では、押圧手段の作動に
より、成形品をキャビティ内の一方の成形面に押し止め
ながら金型を開くので、成形品の一方の面を金型から離
型する際に、他方の面に離型力が加わらない。このた
め、両面にリブ等の離型抵抗部が設けられた成形品に対
して、一方の面の離型と、他方の面の離型とをそれぞれ
別のタイミングで行えるようになり、成形品の両面の各
々について、それぞれの第2の冷却段階で離型を行うこ
とが可能となる。従って、成形品の離型を行うにあた
り、一方の面が過冷却になって離型不良になることがな
く、これにより前記目的が達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係る金
型1が示され、この金型1は、移動金型部20と固定金型
部30とに分割されたものであり、図示しない射出成形機
に設置される。移動金型部20および固定金型部30の間に
は、キャビティ2が設けられている。なお、この金型1
で成形される成形品は、片面使用のパレットを構成する
上面部品および下面部品のうちの下面部品である。これ
らの上面部品および下面部品は、別個に成形されるとと
もに、各々に設けられた桁部が相互に溶着されるように
なっている。
【0010】移動金型部20は、パレットの下面部品の上
側の面、換言すると、上面部品に溶着される面を成形す
る型であり、成形面のほぼ全体が凹んだ形状とされ、図
示しない型締装置に移動可能に設けられている。移動金
型部20には、パレットの両端部分および中間部分に設け
られる桁部を成形する桁成形凸部21と、パレットの桁部
の間に設けられるデッキ部を成形するデッキ成形凹部22
とが設けられている。このうち、桁成形凸部21は、デッ
キ成形凹部22よりも全体的に隆起した部位であり、桁部
のリブを成形するために、溝状に形成された複数のリブ
成形部23と、これらのリブ成形部23の間に形成されたコ
ア部24とを備えている。一方、デッキ成形凹部22は、桁
成形凸部21のコア部24に囲まれた、底面がほぼ平坦な凹
部となっている。桁成形凸部21の各リブ成形部23の内部
には、棒状の突き出し部25が固定金型部30に向かって進
退自在に設けられている。突き出し部25は、キャビティ
2の内部で成形された成形品をキャビティ2から押し出
すための押出手段である。各突き出し部25の基部25A
は、移動金型部20の図中右側に配置された一枚の突き出
し板26に固定されている。突き出し板26は、油圧シリン
ダ装置等の駆動装置27に連結されており、突き出し部25
を進退させるために、駆動装置27により図中左右方向に
駆動されるようになっている。
【0011】固定金型部30は、パレットの下面部品の下
側の面、換言すると、パレットの底面を成形する型であ
り、図示しない型締装置に固定されている。固定金型部
30には、移動金型部20の桁成形凸部21に対応して凹まさ
れた桁成形凹部31と、移動金型部20のデッキ成形凹部22
に対応して隆起したデッキ成形凸部32を備えている。こ
のうち、デッキ成形凸部32には、溝状に形成された複数
のリブ成形部33と、これらのリブ成形部33の両側に形成
されたコア部34とが設けられている。デッキ成形凸部32
の各リブ成形部33の内部には、棒状の部材からなる突き
出し部35が移動金型部20に向かって進退自在に設けられ
ている。突き出し部35は、金型1を開く際、換言すれ
ば、閉鎖状態の移動金型部20を固定金型部30から移動さ
せる際に、デッキ成形凸部32から移動金型部20側へ突出
し、キャビティ2の内部で成形された成形品を、移動金
型部20の金型面に押し止める押圧手段である。各突き出
し部35の基部35A は、固定金型部30の内部に移動可能に
設けられた一枚の突き出し板36に固定されている。突き
出し板36は、コイルばね等の付勢装置37により、移動金
型部20側に付勢されている。突き出し板36の両端部に
は、リターンピン38が設けられている。これらのリター
ンピン38は、固定金型部30の移動金型部20に臨む面から
突没自在となっている。ここで、金型1の閉鎖時には、
リターンピン38が移動金型部20に当接し、図示しない型
締装置の圧縮力を受け、突き出し板36を後退させて付勢
装置37を縮ませ、突き出し部35を固定金型部30の内部へ
没入させるようになっている。一方、金型1の開放時に
は、リターンピン38が前述の型締装置の圧縮力から開放
される。これにより、付勢装置37の付勢力により、突き
出し部35の先端を固定金型部30の外側へ突出させるよう
になっている。
【0012】次に、本実施形態における成形品製造のた
めの射出成形手順を説明する。まず、移動金型部20の突
き出し部25を後退させた後、金型1を閉じ、固定金型部
30の突き出し部35を内部へ没入させ、この状態で、図2
(A)に示されるように、金型1のキャビティ2に溶融
樹脂3を充填し、溶融樹脂3を成形品の形状に成形す
る。次いで、樹脂圧力を保持しながら、溶融樹脂3の冷
却をも行う保圧・冷却工程を開始する。保圧・冷却工程
の開始後、規定の冷却時間Tが経過する前であって、成
形品のデッキ側のリブが第2の冷却段階に達するのに充
分な所定時間tが経過した後、図2(B)に示されるよ
うに、固定金型部30の突き出し部35の移動距離に応じた
所定寸法cだけ、移動金型部20を後退させる。すると、
固定金型部30の突き出し部35が付勢装置37の付勢力によ
り前進する。前進した突き出し部35は、成形品3(固化
前は溶融樹脂3)を移動金型部20の成形面に押し止め
る。なお、移動金型部20の後退は、ゆっくり行うのが望
ましく、ここでは、微小寸法ずつ多段階に分けて断続的
にゆっくり行う。この金型1が若干開いた、いわゆる寸
開状態で、成形品3の冷却工程を継続し、冷却開始後、
成形品3の桁側のリブが第2の冷却段階に達するのに充
分な冷却時間Tが経過するまで、成形品3の冷却工程を
行う。冷却時間Tが経過したら、図3(C)に示される
ように、移動金型部20を後退させて金型1を開き、成形
品3を離型可能な状態にしておく。この状態で、移動金
型部20の駆動装置27を駆動し、図3(D)に示されるよ
うに、突き出し部25を前進させ、冷却工程が完了した成
形品3を移動金型部20の成形面から離型させ、成形を完
了する。以上において、冷却時間Tは、従来の射出成形
と同程度の時間を設定すればよい。また、所定時間t
は、成形品3の形状や大きさ等に応じて冷却時間Tの2
0〜95%の範囲で設定することができる。さらに、所
定寸法cは、成形品3に設けるリブの寸法等に応じて、
1〜10mmの範囲で設定できる。
【0013】前述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。すなわち、成形品3のデッキ側のリブ
が第2の冷却段階に達するのに要する所定時間tが経過
した後、成形品3のデッキ側のリブを固定金型部30から
離型したので、成形品3のデッキ部のリブに白化等の離
型不良が生じない。しかも、成形品3のデッキ側のリブ
を固定金型部30から離型する際に、突き出し部35を前進
させて、成形品3を移動金型部20の成形面に押し止めた
ので、成形品3の桁側のリブが移動金型部20から離型さ
れず、そのまま冷却工程が継続され、成形品3の桁側の
リブが第2の冷却段階に達するのに要する冷却時間Tが
経過した後、成形品3の桁側のリブを移動金型部20から
離型したので、成形品3の桁部のリブに白化等の離型不
良が生じない。従って、離型抵抗の大きなリブが成形品
の両面にあり、これらのリブの離型タイミングが異なっ
ていても、最適なタイミングで各々のリブについて離型
が行えるので、離型不良の発生を未然に防止できるう
え、最短の成形サイクルで成形が行えるようになり、成
形品の生産性を向上できる。
【0014】また、金型1を寸開する際に、桁側のリブ
を成形する移動金型部20を微小寸法ずつ多段階に分けて
断続的にゆっくり移動したので、成形品の桁側に不要な
力が加わらず、成形品の桁側のリブが充分固化していな
い状態であっても、成形品の桁側に変形等の不具合が生
じない。しかも、比較的長時間を要する冷却工程におい
て、金型1を寸開するようにしたので、固定金型部30を
ゆっくり移動しても、冷却工程が完了する前に移動金型
部20の移動を完了させることができ、この点からも、成
形品であるパレットの生産性を低下させない。
【0015】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明する。 〔実験例1〕本実験例1は、前記実施形態で説明したパ
レットの下面部品を、ブロックポリプロピレン樹脂 M
I:12g/10分(230℃,2.16kgf) を用い、射出成形で製造
する実験である。本実験例1では、本発明に基づく成形
手順で行うとともに、金型を寸開するタイミングがそれ
ぞれ異なる実施例1〜4と、従来の成形手順で行うとと
もに、冷却時間がそれぞれ異なる比較例1,2とを行
う。表1には、実施例1〜4および比較例1,2の各々
についての、冷却時間T、冷却開始から寸開までの所定
時間t、および、寸開時の金型の移動距離c等が示され
ている。
【0016】
【表1】
【0017】〔実験例1の実験結果〕実施例1では、下
デッキに白化が発生しなかったが、当該下デッキに変形
が生じた。表1の取出時の成形品温度から考察すると、
寸開による離型のタイミングが早すぎ、溶融樹脂の固体
剛性が充分得られない第1の冷却段階で離型したため
に、変形したものと思われる。実施例2,3では、下デ
ッキに白化や変形が生じない良好な成形品を得ることが
できた。実施例4では、下デッキに白化が発生した。成
形品温度から考察すると、寸開による離型のタイミング
が遅すぎ、成形品のデッキ側の面が第3の冷却段階に達
し、樹脂の歪みによる抱きつき力が大きくなった状態で
離型したために、白化が発生したものと思われる。比較
例1では、下デッキに白化が発生した。比較例2では、
下デッキに白化が発生しなかった。これは、冷却時間を
著しく長くしたため、成形品のデッキ側のリブの剛性が
向上して変形が起きず、白化が発生しなかったものと考
えられる。
【0018】〔実験例2〕本実験例2は、前記実験例1
と同様のパレットの下面部品を、ブロックポリプロピレ
ン樹脂 MI:12g/10分(230℃,2.16kgf) を用い、プレス
成形で製造する実験である。本実験例2では、本発明に
基づく成形手順で行うとともに、金型を寸開するタイミ
ングがそれぞれ異なる実施例5,6と、従来の成形手順
で行うとともに、冷却時間がそれぞれ異なる比較例3〜
5とを行う。なお、本実験例2では、上型である固定金
型部の温度を60℃に、下型である移動金型部の温度を
35℃に、それぞれ調節しながら成形を行うこととす
る。また、移動金型部のコア部の材質として亜鉛合金を
採用し、移動金型部の冷却特性を向上(冷えやすく)し
ておく。表2には、実施例5,6および比較例3〜5の
各々についての、冷却時間T、冷却開始から寸開までの
所定時間t、および、寸開時の金型の移動距離c等が示
されている。
【0019】
【表2】
【0020】〔実験例2の実験結果〕実施例5,6で
は、下デッキに白化や変形が生じない良好な成形品を得
ることができた。比較例3,4では、下デッキに白化が
発生した。比較例5では、下デッキに白化が発生しなか
った。これは、前述の比較例2と同様の理由で、白化が
発生しなかったものと考えられる。以上のように、本願
発明に基づいて成形を行えば、寸開タイミングを適切に
設定することにより、冷却時間を長くとらなくとも、離
型不良のない良好な成形品を得ることができ、成形品の
生産性を向上できることがわかる。一方、従来の成形方
法で成形を行うと、冷却時間を長く設定しなければ、良
好な成形品を得ることはできず、良好な成形品を得るに
は、成形品の生産性を犠牲にしなければならず、成形品
の生産性を向上できないことがわかる。
【0021】以上、本発明について好適な実施形態や実
施例を挙げて説明したが、本発明は、この実施形態や実
施例に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない
範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能であ
る。例えば、押圧手段としては、バネ等の受動的な付勢
機構で移動されるものに限らず、油圧シリンダ装置、電
動機、ソレノイド、および、空気圧式の操作器等の能動
的に作動する操作器で移動されるものでもよい。また、
押圧手段としては、キャビティに対して進退可能に設け
られた棒状部材で成形品を押圧するものに限らず、圧搾
空気を吹き出すことによりキャビティに向かって成形品
を押圧する空気供給孔でもよい。さらに、成形品として
は、パレットに限らず、搬送用のトレーでもよく、本発
明は、離型抵抗が大きな部分を両面に有する大型成形品
の製造に好適である。また、成形品を成形する成形方法
としては、プレス成形方法および射出成形方法に限ら
ず、スタンピング成形方法や射出プレス成形方法でもよ
い。なお、射出成形方法および射出プレス成形方法で
は、一般的に、移動金型部の成形面に成形品を押し止め
たいので、押圧手段を固定金型部に設け、押出手段を移
動金型部に設けるのが好ましい。一方、プレス成形方法
およびスタンピング成形方法では、逆に、固定金型部の
成形面に成形品を押し止めたいので、押圧手段を移動金
型部に設け、押出手段を固定金型部に設けるのが好まし
い。要するに、成形品が最後まで押し止められる一方の
金型部と対向する他方の金型部に押圧手段が設けられて
いればよい。
【0022】
【発明の効果】前述のように本発明によれば、両面に離
型抵抗が大きな部分があっても、離型不良を生じさせず
に、成形品の生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る金型を示す断面図で
ある。
【図2】前記実施形態の成形手順を説明するための図で
ある。
【図3】前記実施形態における図2の後の成形手順を説
明するための図である。
【図4】本発明の成形対象となる成形品の一例を示す四
面図である。
【符号の説明】
1 金型 2 キャビティ 3 溶融樹脂(成形品) 20 移動金型部 30 固定金型部 35 押圧手段としての突き出し部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型のキャビティに溶融樹脂を充填して成
    形品を製造する成形品の製造方法であって、予め前記キ
    ャビティ内に向かって前記成形品を押圧する押圧手段を
    前記金型に設けておき、前記キャビティに充填された溶
    融樹脂を冷却する冷却工程中に、前記押圧手段を駆動さ
    せて前記成形品を一方の金型面に押し止めながら前記金
    型を開いた後、この金型が開いた状態で引き続き前記冷
    却工程を継続させることを特徴とする成形品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の成形品の製造方法におい
    て、前記冷却工程は、プレス成形方法、スタンピング成
    形方法、射出成形方法、および、射出プレス成形方法の
    いずれかの一工程であることを特徴とする成形品の製造
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の成形品の
    製造方法において、前記金型は、移動金型部および固定
    金型部を含んで構成されたものであって、前記冷却工程
    中の型開きの際に移動される移動金型部の移動距離は、
    1〜10mmの範囲内であることを特徴とする成形品の製
    造方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の成形品の製造方法において、前記冷却工程中における
    移動金型部の移動は、前記冷却工程が開始された後、当
    該冷却工程が完了するのに要する所要時間の20〜95
    %の時間が経過したときに開始されることを特徴とする
    成形品の製造方法。
JP7399696A 1996-03-28 1996-03-28 成形品の製造方法 Pending JPH09262879A (ja)

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JP7399696A JPH09262879A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 成形品の製造方法

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