JP6246597B2 - 射出成形装置 - Google Patents

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本発明は、固定金型と可動金型とを閉じた状態でゲートを介してキャビティ内に溶融した熱可塑性の合成樹脂を射出して成形する射出成形装置に関する。
この種の射出成形装置は、例えば特許文献1などに開示されているように、金型内の樹脂射出路からゲート(射出口)を介してキャビティ全体内に溶融した合成樹脂が射出され、その後射出、保圧によりキャビティ内の合成樹脂を圧縮し、硬化して、成形品として成形する。
特開2010−110932号公報
しかしながら、前述したような射出成形装置では、射出圧力により前記キャビティ内の合成樹脂を圧縮するが、ゲート部分又は前記キャビティ内のゲートに近い部分は保圧力は強く、ゲートより遠くなればなるほど保圧力が弱くなって前記合成樹脂の圧縮密度が低くなってしまう。このため、密度の差によって、成形品の応力変形や歪みが生じたり、寸法差やヒケ差なども生じ、多くの問題が生じるおそれがあった。
そこで本発明は、上記の点に鑑み、成形品の密度差による変形量の減少を図ることを目的とする。
このため第1の発明は、固定金型と可動金型とを閉じた状態でゲートを介してキャビティ内に溶融した熱可塑性の合成樹脂を射出して成形する射出成形装置において、
第1のベースプレートと、
この第1のベースプレートに固定され、一方の面に収納空間を形成すると共に他方の面に前記可動金型を取り付けるための取付凹部を形成した第2のベースプレートと、
前記取付凹部及び前記収納空間が形成されて薄くなった前記第2のベースプレートの中間片との間に隙間を存するように前記収納空間内に収納された状態で前記第1のベースプレートに固定される熱膨張する材質で形成された押圧体と、
この押圧体を熱膨張させるための加熱手段とを備え、
前記キャビティ内に溶融した前記合成樹脂を射出した後にこの合成樹脂の圧縮密度を高めるべく射出圧力を維持して保圧する動作を継続して、前記可動金型のキャビティが形成されていない面及び前記第2のベースプレートの前記中間片の前記キャビティから遠ざかる方向の面をそれらの中央部に向かうに従ってそれぞれ徐々に前記押圧体に近づく方向に凹ませ、その凹み量が所定量になると、前記保圧を停止させて、前記押圧体を加熱させることにより前記押圧体を前記加熱手段により熱膨張させ、凹んだ前記可動金型及び前記中間片の元の位置へ戻ろうとする弾性力と相まって、前記可動金型及び前記中間片を元の状態に戻らせることにより前記キャビティ内の前記合成樹脂をプレスして圧縮密度を高める
ことを特徴とする。
また第2の発明は、固定金型と可動金型とを閉じた状態でゲートを介してキャビティ内に溶融した熱可塑性の合成樹脂を射出して成形する射出成形装置において、
第1のベースプレートと、
この第1のベースプレートに固定され、一方の面に空間を形成すると共に他方の面に前記可動金型を取り付けるための取付凹部を形成して薄くなった中間片を有する第2のベースプレートと、
前記固定金型のキャビティ形成面と前記可動金型のキャビティ形成面との、少なくともいずれか一方を加熱する加熱手段と、
前記固定金型のキャビティ形成面と前記可動金型のキャビティ形成面との、少なくともいずれか一方を冷却する冷却手段とを備え、
前記固定金型のキャビティ形成面と前記可動金型のキャビティ形成面との、少なくともいずれか一方が前記加熱手段により加熱され前記キャビティ内に溶融した前記合成樹脂を射出した後にこの合成樹脂の圧縮密度を高めるべく射出圧力を維持して保圧する動作を継続して、前記可動金型のキャビティが形成されていない面及び前記第2のベースプレートの前記中間片の前記キャビティから遠ざかる方向の面をそれらの中央部に向かうに従ってそれぞれ徐々に前記第1のベースプレートに近づく方向に凹ませ、その凹み量が所定量になると、前記保圧を停止させると同時に又は前後して前記冷却手段により前記固定金型のキャビティ形成面と前記可動金型のキャビティ形成面を冷却し、前記保圧の停止に伴う前記合成樹脂の厚さ方向への圧力を加えて凹んだ前記可動金型及び前記中間片の元の位置へ戻ろうとする弾性力と相まって、前記可動金型及び前記中間片を元の状態に戻らせることにより前記キャビティ内の前記合成樹脂をプレスして圧縮密度を高める
ことを特徴とする。
本発明によれば、成形品の密度差による変形量の減少を図ることができる。
第1の実施形態の射出成形装置の縦断正面図である。 型閉めした状態の前記射出成形装置の要部断面図である。 溶融した熱可塑性の合成樹脂を射出した状態の第1の実施形態の前記射出成形装置の要部断面図である。 保圧動作を継続している状態の第1の実施形態の前記射出成形装置の要部断面図である。 押圧体を加熱して熱膨張させた状態の第1の実施形態の前記射出成形装置の要部断面図である。 前記押圧体を冷却して収縮させた状態の第1の実施形態の前記射出成形装置の要部断面図である。 型開きして成形品の取り出しを説明するための第1の実施形態の前記射出成形装置の要部断面図である。 第2の実施形態の射出成形装置の縦断正面図である。 保圧動作を継続している状態の第2の実施形態の前記射出成形装置の要部断面図である。
以下図1乃至図7に基づき、本発明の第1の実施の形態について説明する。初めに、図1に示すように、後述する固定側組立体1を上方に位置するように、また可動側組立体10を下方に位置するように、配置して説明するが、このような配置に限らず、前記固定側組立体1を左方又は右方に位置するように、また前記可動側組立体10を右方又は左方に配置するようにしてもよい。
先ず、1は図示しない固定プラテンにボルトによって取り付けられた固定側組立体であり、この固定側組立体1は固定側第1ベースプレート2と、この固定側第1ベースプレート2にボルトによって固定された固定側第2ベースプレート3と、この固定側第2ベースプレート3の下面(一方の面)に形成された、例えば直方体形状の凹部(底面視四角形状を呈している)3A内に配設されてこの固定側第2ベースプレート3に断熱材9を介してボルトにより固定される固定金型4と、前記固定側第1ベースプレート2の前記固定プラテン寄りに設けられ固定側第1ベースプレート2を固定プラテンに対して位置決めするロケートリング5と、このロケートリング5に隣設して配設されたスプルーブッシュ6等から成る。
そして、前記スプルーブッシュ6の中心には、図示しない射出ノズルから射出される溶融した熱可塑性の合成樹脂を通すためのスプルー7が下方(キャビティCの方向)に延びて形成され、その端部にはゲート(射出口)8がキャビティCに臨むように形成される。
一方、10は図示しない可動プラテンにボルトによって取り付けられた可動側組立体であり、この可動側組立体10は可動側第1ベースプレート11と、この可動側第1ベースプレート11にボルトによって固定された可動側第2ベースプレート12と、この可動側第2ベースプレート12中央部に形成された開口部S1内にこの可動側第2ベースプレート12とその周側向及び上方に隙間を存して配設した状態で前記可動側第1ベースプレート11に載置される可動側第3ベースプレート13と、この可動側第3ベースプレート13にボルトによって固定された可動側第4ベースプレート14と、この可動側第4ベースプレート14にボルトによって固定された可動側第5ベースプレート15と、この可動側第5ベースプレート15の下面(一方の面)に形成された、例えば直方体形状の収納空間である凹部(底面視四角形状を呈している。)15A内に収納されて上方及び周側方に僅かな隙間S2、S3を存した状態で前記可動側第4ベースプレート14上面に下面が固定された、例えば直方体形状の押圧体16と、前記可動側第5ベースプレート15の上面(他方の面)に形成された、例えば直方体形状の取付空間である凹部(平面視四角形状を呈している。)15B内に配設されて前記可動側第5ベースプレート15に断熱材23を介して固定される可動金型17等から成る。
なお、前記固定金型4及び前記可動金型17は共に、例えば調質鋼で作製され、前記可動側第5ベースプレート15は、例えば炭素鋼で作製され、前記押圧体16は熱膨張率の高い、例えばアルミニウムで作製される。
そして、前述したように、前記可動金型17を一側に取り付けるための取付空間である凹部15Bと他側に前記押圧体16を収納するための収納空間である凹部15Aとを形成するために、前記可動側第5ベースプレート15は縦断面図が概ねH字形状を呈しており、水平方向に延びた中間片15Cは薄く形成される。
なお、20は前記固定金型4の前記キャビティCに近い部位にこのキャビティCに沿って形成された熱媒体通路で、21は前記可動金型17の前記キャビティCに近い部位にこのキャビティCに沿って形成された熱媒体通路である。これらの熱媒体通路20、21内に加熱用媒体である、例えば熱い蒸気や、冷却用媒体である、例えば冷却水を流して、前記固定金型4のキャビティ形成面と可動金型17のキャビティ形成面とを加熱又は冷却する。従って、前記熱媒体通路20、21と加熱用媒体とで加熱手段を構成し、前記熱媒体通路20、21と冷却用媒体とで冷却手段となる。また、加熱手段は、加熱ヒーター等によっても構成でき、加熱手段及び冷却手段の構成の種類は種々考えられる。更には、前記固定金型4のキャビティ形成面と可動金型17のキャビティ形成面との両者を加熱又は冷却する場合に限らず、少なくともいずれか一方のみ加熱又は冷却するようにしてもよい。
また、22は前記押圧体16に形成された熱媒体通路で、この熱媒体通路22内に加熱用媒体である、例えば熱い蒸気や、冷却用媒体である、例えば冷却水を流して、前記押圧体16を加熱又は冷却する。従って、前記熱媒体通路22と加熱用媒体とで加熱手段を構成し、前記熱媒体通路22と冷却用媒体とで冷却手段となる。また、加熱手段は、加熱ヒーター等によっても構成でき、加熱手段及び冷却手段の構成の種類は種々考えられる。
また、19は上下動可能なエジェクターピンで、型開き時に前記可動金型17と前記固定金型4とで形成される直方体形状のキャビティC内で成形された成形品を前記可動金型17から離型するためのものである。このエジェクターピン19はその下部19Aが前記可動側第2ベースプレート12の前記開口部S1内で昇降可能な前記可動側第3ベースプレート13及び昇降プレート18に抜けないように固定されると共に、前記可動側第4ベースプレート14、前記押圧体16、前記可動側第5ベースプレート15の前記中間片15C及び前記可動金型17に挿通して、前記可動側第3ベースプレート13及び前記昇降プレート18と共に昇降可能である。
そして、前記可動側第4ベースプレート14に立設されたガイド棒(図示せず)が、前記可動側第5ベースプレート15や前記固定側第2ベースプレート3に形成されたガイド孔に挿入して、このガイド孔に前記ガイド棒が案内されて前記可動側組立体10が上下可能となる。
次に、図2乃至図7に基づいて、以下第1の実施形態の射出成形装置の成形動作について説明する。初めに、キャビティC内へ溶融した熱可塑性の合成樹脂を射出する前に、前記固定金型4の前記熱媒体通路20及び前記可動金型17の前記熱媒体通路21内に、例えば加熱用媒体である熱い蒸気を供給して、前記固定金型4のキャビティ形成面及び前記可動金型17のキャビティ形成面を加熱して、前記合成樹脂の種類に応じた所定温度、例えばこの合成樹脂の軟化点温度以上となるように加熱により昇温を開始させ、固定側組立体1と可動側組立体10とを型閉めする(図2参照)。このように、昇温を開始した後に型閉めする場合に限らず、昇温の開始と同時に型閉めしたり、型閉めしてから昇温を開始してもよい。
以上のように、キャビティC内への溶融した合成樹脂の射出前に、固定金型4の熱媒体通路20及び前記可動金型17の前記熱媒体通路21内に熱い蒸気を供給することにより、極めて短時間で、前記固定金型4のキャビティ形成面側及び前記可動金型17のキャビティ形成面を前記合成樹脂の種類に応じた前記所定温度以上(例えば、前記合成樹脂の軟化点温度以上)となるように昇温させることができる。
そして、前記固定金型4のキャビティ形成面側及び前記可動金型17のキャビティ形成面が前述した所定温度となると、蒸気の供給を止めて昇温を停止し、射出ノズルを前記スプルーブッシュ6に通して、前記スプルー7、前記ゲート(射出口)8を介して前記キャビティC内へ溶融した熱可塑性の合成樹脂Jを射出することを開始する(図3参照)。なお、前記固定金型4のキャビティ形成面側及び前記可動金型17のキャビティ形成面が前記所定温度となったら、前記合成樹脂Jの射出を開始するようにしたが、この所定温度は前記合成樹脂Jの前記軟化点温度や、軟化点温度より僅か低いか又は高い所定温度でもよい。
そして、前記合成樹脂Jの射出動作を継続して、前記キャビティC内に所定量の前記合成樹脂Jが射出(充填)されると、保圧が開始され(この保圧開始前に、前記固定金型4のキャビティ形成面側及び前記可動金型17のキャビティ形成面の前述した加熱動作は終了する。)、この合成樹脂Jの密度が徐々に高められる。この合成樹脂Jの射出圧力を維持してこの保圧動作が継続されると、前記可動金型17の下面(前記キャビティCから遠ざかる方向の面、即ちキャビティCが形成されていない面)及び前記可動側第5ベースプレート15の前記中間片15Cの下面(前記キャビティCから遠ざかる方向の面)はそれらの中央部に向かうに従ってそれぞれ徐々に低くなるように(前記押圧体16に近づく方向に、言い換えると前記キャビティCの中央部が前記押圧体16に向けて膨らむように)凹むこととなる。
やがて、図4に示すように、保圧動作が継続されてこの保圧の圧力によって、前記可動金型17の下面及び前記中間片15Cの下面はそれらの中央部に向かうに従ってそれぞれ徐々に低くなるように下方へ凹むことにより、前記中間片15Cの下面の中央部が前記押圧体16に接触して上方から押圧するようになって、前記可動金型17及び前記中間片15Cの凹み量が多くなって希望の所定量(前述したように凹むことにより蓄積された弾性力により元の状態に復帰できる範囲内での所定量)に到達すると、前述した合成樹脂Jの射出動作を停止する。なお、この凹み量は、前記中間片15Cの厚みや加熱温度による熱膨張率等によって、任意の希望の所定量に設定し、この設定した希望の所定量に応じた保圧のための圧力が決定される。
そして、前述したように、前記中間片15Cの凹みの希望の所定量が確保できたら、前記押圧体16の前記熱媒体通路22内に加熱用媒体である、例えば熱い蒸気を供給して、この押圧体16を加熱させる。
そして、この加熱により前記押圧体16は熱膨張し、図5に示すように、また前述したように凹むことにより蓄積された前記可動金型17及び前記中間片15Cの元の水平状態へ戻ろうとする前記弾性力と相まって、前記押圧体16の前記熱膨張と前記可動金型17及び前記中間片15Cの前記弾性力による両者の圧力で前記中間片15C及び前記可動金型17を元の状態に戻させるようにしながら、即ち前記可動金型17の下面及び前記可動側第5ベースプレート15の前記中間片15Cの下面がそれらの中央部に向かうに従ってそれぞれ徐々に低くなるように下方へ凹んだ状態から前記中間片15C及び前記可動金型17を元の状態に戻させるようにしながら、前記キャビティC内の前記合成樹脂Jをプレス(「圧縮」の意、以下省略する。)して均一に万遍なく圧縮密度を高めることとなる。この場合、両者による圧力(圧縮力)で前記中間片15C及び前記可動金型17の凹みをなくすように元の状態に戻すようにしながら、前記キャビティC内の前記合成樹脂Jの圧縮密度を高める。
そして、このように、両者の圧力で前記キャビティC内の前記合成樹脂Jをプレスして圧縮密度を高めて、希望の所定密度を得られたら、前記押圧体16の加熱動作を停止する。
なお、前記押圧体16の加熱動作の停止前に、前記固定金型4の前記熱媒体通路20及び前記可動金型17の前記熱媒体通路21内に、例えば冷却用媒体である、例えば冷却水を流して、前記固定金型4のキャビティ形成面及び前記可動金型17のキャビティ形成面を冷却して、前記合成樹脂Jを硬化させる。そして、前記合成樹脂Jの固化により、成形品として両金型4、17から取り出せる程度まで前記冷却動作を持続し、前記キャビティCより取り出すのに十分なほど前記合成樹脂Jが固化したら、前記固定金型4の前記熱媒体通路20及び前記可動金型17の前記熱媒体通路21内への冷却水の供給を停止する。
そして、前記キャビティCより取り出すのに十分なほど前記合成樹脂Jが固化したら、前記押圧体16の前記熱媒体通路22内に冷却用媒体である、例えば冷却水を流し、前記押圧体16を冷却して収縮させて元の状態へと復帰させる(図6参照)。
その後、前記固定金型4及び前記可動金型17の型開きをして、前記エジェクターピン19を上昇させて成形品を離型して、この成形品を前記キャビティCから取り出して(図7参照)、次の成形品の生産に備える。
なお、前記冷却により前記押圧体16が元に戻ったら、前記熱媒体通路22内への冷却水の供給を止めて、前記押圧体16の冷却を停止させる。
従って、従来の場合には、密度の高い成形品を得るためには、保圧の圧力を高くして前記合成樹脂を圧縮しなければならず、この射出動作の継続による保圧により前記キャビティ内の合成樹脂を圧縮すると、ゲート部分又は前記キャビティ内のゲートに近い部分は保圧力は強く、ゲートより遠くなればなるほど保圧力が弱くなって合成樹脂の圧縮密度が低くなってしまい、密度の差によって、成形品の応力変形や歪みが生じたり、寸法差やヒケ差なども生じ、多くの問題が生じるおそれがあったが、以上のような第1の実施形態によれば、加熱による前記押圧体16の熱膨張と凹むことにより蓄積された前記可動金型17及び前記中間片15Cの元の水平状態へ戻ろうとする前記弾性力と相まって、両者による圧力で前記キャビティC内の前記合成樹脂Jをプレスして圧縮密度を高めるようにしたから、保圧の圧力が低くとも成形品の部位によって圧縮密度に差があるようなムラが無く、均一に密度が高められて、成形品の密度差による変形量の減少を図ることができる。このため、圧縮差による歪みの減少、成形品全体の寸法の安定化、ヒケ差の減少等が図れると共に、合成樹脂の射出圧力が低くてもよく射出成形機のサイズダウンが図れることもできる。また、成形時間の短縮が図れると共に、均一性のある高度な転写を行うことができる。
次に、第2の実施形態の射出成形装置について図8及び図9に基づいて説明するが、特に第1の実施形態と異なる構成についてのみ説明する。先ず、図8に示すように、可動側組立体10を構成する可動側第4ベースプレート14にボルトによって固定された可動側第5ベースプレート15には、その下面(一方の面)に、例えば直方体形状の空間S4を成す凹部(底面視四角形状を呈している。)15Dが形成される。なお、図8に示すように、固定側組立体1を上方に位置するように、また可動側組立体10を下方に位置するように、配置して説明するが、このような配置に限らず、前記固定側組立体1を左方又は右方に位置するように、また前記可動側組立体10を右方又は左方に配置するようにしてもよい点は、第1の実施形態と同様である。
なお、前記可動側第5ベースプレート15の上面(他方の面)に形成された、例えば直方体形状の取付空間である凹部(平面視四角形状を呈している。)15B内には可動金型17が配設されて、前記可動側第5ベースプレート15に断熱材23を介して固定される点は第1の実施形態と同様である。また、固定金型4及び前記可動金型17は共に、例えば調質鋼で作製され、前記可動側第5ベースプレート15は、例えば炭素鋼で作製される点も同様である。
そして、前記可動金型17を一側に取り付けるための取付空間である凹部15Bと他側に前記空間S4を成す凹部15Dとが形成されるために、前記可動側第5ベースプレート15は縦断面図が概ねH字形状を呈しており、水平方向に延びた中間片15Cが薄く形成される。
次に、図8及び図9に基づいて、以下第2の実施形態の射出成形装置の成形動作について説明する。初めに、キャビティC内へ溶融した熱可塑性の合成樹脂を射出する前に、前記固定金型4の前記熱媒体通路20及び前記可動金型17の前記熱媒体通路21内に、例えば加熱用媒体である熱い蒸気を供給して、前記固定金型4のキャビティ形成面及び前記可動金型17のキャビティ形成面を加熱して、前記合成樹脂の種類に応じた所定温度、例えばこの合成樹脂の軟化点温度以上となるように加熱により昇温を開始させ、固定側組立体1と可動側組立体10とを型閉めする。このように、昇温を開始した後に型閉めする場合に限らず、昇温の開始と同時に型閉めしたり、型閉めしてから昇温を開始してもよい。
そして、前記固定金型4のキャビティ形成面側及び前記可動金型17のキャビティ形成面が前述した所定温度となると、蒸気の供給を止めて昇温を停止し、射出ノズルを前記スプルーブッシュ6に通して、前記スプルー7、前記ゲート(射出口)8を介して前記キャビティC内へ溶融した熱可塑性の合成樹脂Jを射出することを開始する。なお、前記固定金型4のキャビティ形成面側及び前記可動金型17のキャビティ形成面が前記所定温度となったら、前記合成樹脂Jの射出を開始するようにしたが、この所定温度は前記合成樹脂Jの前記軟化点温度や、軟化点温度より僅か低いか又は高い所定温度でもよい。
そして、前記合成樹脂Jの射出動作を継続して、前記キャビティC内に所定量の前記合成樹脂Jが射出(充填)されると、保圧が開始され(この保圧開始前に、前記固定金型4のキャビティ形成面側及び前記可動金型17のキャビティ形成面の前述した加熱動作は終了する。)、この合成樹脂Jの密度が徐々に高められる。この合成樹脂Jの射出圧力を維持してこの保圧動作が継続されると、前記可動金型17の下面(前記キャビティCから遠ざかる方向の面、即ちキャビティCが形成されていない面)及び前記可動側第5ベースプレート15の前記中間片15Cの下面(前記キャビティCから遠ざかる方向の面)はそれらの中央部に向かうに従ってそれぞれ徐々に低くなるように(前記可動側第4ベースプレート14に近づく方向に、言い換えると前記キャビティCの中央部が前記可動側第4ベースプレート14に向けて膨らむように)凹むこととなる。
やがて、保圧動作が継続されてこの保圧の圧力によって、前記可動金型17の下面及び前記中間片15Cの下面はそれらの中央部に向かうに従ってそれぞれ徐々に低くなるように下方へ凹むことにより、前記中間片15Cの下面の中央部が可動側第4ベースプレート14に接触して上方から押圧するようになって、前記可動金型17及び前記中間片15Cの凹み量が多くなって希望の所定量(前述したように凹むことにより蓄積された弾性力により元の状態に復帰できる範囲内での所定量)に到達すると、前述した合成樹脂Jの射出動作の継続による保圧を停止する。なお、この凹み量は、前記中間片15Cの厚み等によって、任意の希望の所定量に設定し、この設定した希望の所定量に応じた保圧のための圧力が決定される。
そして、前述したように、前記中間片15Cの凹みの希望の所定量が確保できたら、前記射出動作の継続による保圧を停止(前記射出動作の停止)するが、この保圧の停止と同時に、前記固定金型4の前記熱媒体通路20及び前記可動金型17の前記熱媒体通路21内に、冷却用媒体である、例えば冷却水を流して、前記固定金型4のキャビティ形成面及び前記可動金型17のキャビティ形成面を冷却する動作を開始する。
なお、前記保圧の停止と同時に、前記固定金型4の前記熱媒体通路20及び前記可動金型17の前記熱媒体通路21内への前記冷却水の供給を開始する場合に限らず、前記保圧の停止の直前又は停止の直後に、前記冷却水の供給を開始するようにしてもよい。
このため、前記合成樹脂の射出動作の際には前記キャビティC内の前記合成樹脂の流れ方向に(前記ゲート8から遠ざかる方向に)圧力がかかっていたが、この状態から前述した保圧の停止によって前記合成樹脂の厚さ方向へ圧力が加わることになって、図9に示すように、前述したように凹むことにより蓄積された前記可動金型17及び前記中間片15Cの元の水平状態へ戻ろうとする前記弾性力と相まって、両者の圧力で前記中間片15C及び前記可動金型17を元の状態に戻させるようにしながら、前記キャビティC内の前記合成樹脂Jをプレス(「圧縮」の意、以下省略する。)して均一に万遍なく圧縮密度を高めることとなる。この場合、両者による圧力(圧縮力)で前記中間片15C及び前記可動金型17の凹みをなくすように元の状態に戻すようにしながら、前記キャビティC内の前記合成樹脂Jの圧縮密度を高める。
そして、このように、両者の圧力で前記キャビティC内の前記合成樹脂Jをプレスして圧縮密度を高めて、希望の所定密度を得られ、前記固定金型4の前記熱媒体通路20及び前記可動金型17の前記熱媒体通路21内への冷却水の供給による前記合成樹脂Jの固化により、成形品として前記キャビティCより取り出すのに十分なほど前記合成樹脂Jが固化したら、前記キャビティCより取り出す。
その後、前記固定金型4及び前記可動金型17の型開きをして、前記エジェクターピン19を上昇させて成形品を離型して、この成形品を前記キャビティCから取り出して、次の成形品の生産に備える。
以上のような第2の実施形態によれば、保圧の停止によって前記合成樹脂の厚さ方向へ圧力が加わることになって、凹むことにより蓄積された前記可動金型17及び前記中間片15Cの元の水平状態へ戻ろうとする前記弾性力と相まって、両者による圧力で前記キャビティC内の前記合成樹脂Jをプレスして圧縮密度を高めるようにしたから、保圧の圧力が低くとも成形品の部位によって圧縮密度に差があるようなムラが無く、均一に密度が高められて、成形品の密度差による変形量の減少を図ることができる。このため、圧縮差による歪みの減少、成形品全体の寸法の安定化、ヒケ差の減少等が図れると共に、合成樹脂の射出圧力が低くてもよく射出成形機のサイズダウンが図れることもできる。また、成形時間の短縮が図れると共に、均一性のある高度な転写を行うことができる。
以上のように、本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
4 固定金型
14 可動側第4ベースプレート(第1のベースプレート)
15 可動側第5ベースプレート(第2のベースプレート)
15C 中間片
16 押圧体
17 可動金型
C キャビティ
S2 隙間
S4 空間

Claims (2)

  1. 固定金型と可動金型とを閉じた状態でゲートを介してキャビティ内に溶融した熱可塑性の合成樹脂を射出して成形する射出成形装置において、
    第1のベースプレートと、
    この第1のベースプレートに固定され、一方の面に収納空間を形成すると共に他方の面に前記可動金型を取り付けるための取付凹部を形成した第2のベースプレートと、
    前記取付凹部及び前記収納空間が形成されて薄くなった前記第2のベースプレートの中間片との間に隙間を存するように前記収納空間内に収納された状態で前記第1のベースプレートに固定される熱膨張する材質で形成された押圧体と、
    この押圧体を熱膨張させるための加熱手段とを備え、
    前記キャビティ内に溶融した前記合成樹脂を射出した後にこの合成樹脂の圧縮密度を高めるべく射出圧力を維持して保圧する動作を継続して、前記可動金型のキャビティが形成されていない面及び前記第2のベースプレートの前記中間片の前記キャビティから遠ざかる方向の面をそれらの中央部に向かうに従ってそれぞれ徐々に前記押圧体に近づく方向に凹ませ、その凹み量が所定量になると、前記保圧を停止させて、前記押圧体を加熱させることにより前記押圧体を前記加熱手段により熱膨張させ、凹んだ前記可動金型及び前記中間片の元の位置へ戻ろうとする弾性力と相まって、前記可動金型及び前記中間片を元の状態に戻らせることにより前記キャビティ内の前記合成樹脂をプレスして圧縮密度を高める
    ことを特徴とする射出成形装置。
  2. 固定金型と可動金型とを閉じた状態でゲートを介してキャビティ内に溶融した熱可塑性の合成樹脂を射出して成形する射出成形装置において、
    第1のベースプレートと、
    この第1のベースプレートに固定され、一方の面に空間を形成すると共に他方の面に前記可動金型を取り付けるための取付凹部を形成して薄くなった中間片を有する第2のベースプレートと、
    前記固定金型のキャビティ形成面と前記可動金型のキャビティ形成面との、少なくともいずれか一方を加熱する加熱手段と、
    前記固定金型のキャビティ形成面と前記可動金型のキャビティ形成面との、少なくともいずれか一方を冷却する冷却手段とを備え、
    前記固定金型のキャビティ形成面と前記可動金型のキャビティ形成面との、少なくともいずれか一方が前記加熱手段により加熱され前記キャビティ内に溶融した前記合成樹脂を射出した後にこの合成樹脂の圧縮密度を高めるべく射出圧力を維持して保圧する動作を継続して、前記可動金型のキャビティが形成されていない面及び前記第2のベースプレートの前記中間片の前記キャビティから遠ざかる方向の面をそれらの中央部に向かうに従ってそれぞれ徐々に前記第1のベースプレートに近づく方向に凹ませ、その凹み量が所定量になると、前記保圧を停止させると同時に又は前後して前記冷却手段により前記固定金型のキャビティ形成面と前記可動金型のキャビティ形成面を冷却し、前記保圧の停止に伴う前記合成樹脂の厚さ方向への圧力を加えて凹んだ前記可動金型及び前記中間片の元の位置へ戻ろうとする弾性力と相まって、前記可動金型及び前記中間片を元の状態に戻らせることにより前記キャビティ内の前記合成樹脂をプレスして圧縮密度を高める
    ことを特徴とする射出成形装置。
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