JPH0642131U - 発泡成形機の離型装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 離型時の成形品の倒れ、脱落を防止し、梱包
作業が容易に行える発泡成形機の離型装置を提供し、高
い作業能率を達成することを目的とする。 【構成】 成形型１１にキャビティ画成面から突出可能
にエジェクト部材２１を設け、このエジェクト部材２１
に成形品Ａに刺入可能な針体２３を固設して発泡成形機
の離型装置を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、発泡成形機の離型装置に係り、詳しくは、離型時に発泡成形体の 倒れを防止し、発泡成形体を成形型から円滑に取り出して取出装置に受け渡すこ とができるようにした離型装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

発泡成形機は、発泡スチロール成形品等の発泡樹脂製品を開閉可能な成形金型 を用いて成形する。このような発泡成形機は、通常、閉止された成形金型内に原 料を充填し、蒸気を注入して加熱成形している。そして、この後、冷却して成形 金型をパーティング面から開き、離型装置により成形品を取出装置に受け渡し、 この成形品を取出装置により整列装置等に移送し、整列、梱包していた。

【０００３】 従来、上述のような離型装置としては、成形金型にエジェクトピンを移動可能 に支持したものが知られる。この離型装置は、エジェクトピンをキャビティ内に 突出させ、エジェクトピンにより成形品を成形金型のキャビティから押し出して 離型していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した従来の離型装置にあっては、成形金型のパーティング 面にエア抜きの段差が形成されるため、成型金型が開かれた状態、例えば、成形 金型が開かれた直後のエジェクトピンが成型品を押し出す前の状態、また、微小 距離押し出した状態等で、成形品が倒れ、脱落することがあり、成形品を取出装 置に確実に受け渡すことができないという問題があった。 この考案は、上記問題に鑑みてなされたもので、成形品を成形型から離型する 際に成型品の倒れ、脱落を防止して成型品を取出装置等に確実に受け渡すことが できる離型装置を提供し、成形作業の効率化、また、作業性の改善を図ることを 目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案は、成形型内に成形された発泡成形体をエ ジェクト部材で押し出して成形型から離型し、この離型された発泡成形体を取出 装置に受け渡す発泡成形機の離型装置において、前記エジェクト部材に、前記発 泡成形体に刺入可能な針体を設けた。

【０００６】

【作用】

この考案に係る発泡成型機の離型装置は、針体が発泡成形体に刺入して発泡成 形体がエジェクト部材に保持される。このため、成型型を開いて突出した状態で も、成型品が倒れ、脱落を生じることがなく、成型品を確実に受け渡すことがで き、高い作業能率が達成される。そして、発泡成形体が取出装置に受け渡されて 取出装置に保持された後にはエジェクト部材の移動で針体が発泡成形体から容易 に抜け、発泡成形体とエジェクト部材とが分離される。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。 図１から図３はこの考案の一実施例にかかる発泡成型機の離型装置を示し、図 １が離型装置が用いられた発泡樹脂製品処理システムの模式図、図２が離型装置 の要部の模式平断面図、図３が主要部品の平面図である。

【０００８】 図１において、１０は後述する離型装置２０が組み付けられた成形金型、３０ は取出装置、４０は整列装置、５０は段積収容装置である。成形金型１０は、図 ２に示すように、固定金型１１と可動金型１２とをパーティング面で分割可能に 組付けて構成され、金型１１，１２の組付け状態で発泡樹脂成形品Ａ成形用のキ ャビティが画成される。この成形金型１０は、固定金型１１が装置基体に固定さ れ、また、可動金型１２が装置基体に固定金型１１に対し接近、離隔可能に支持 されている。

【０００９】 固定金型１１には、パーティング面にエア抜き用の段差１５が形成され、離型 装置２０が設けられている。また、図示しないが、これら分割金型１１，１２に は蒸気通路と冷却水通路とが形成され、蒸気通路が透孔等を介してキャビティ内 に連通する。この成形金型１０は上述したように発泡樹脂成形品Ａを成形し、ま た、後述するように離型装置２０は発泡樹脂成形品Ａを離型して取出装置３０に 受け渡す。なお、離型装置２０に関しては後に詳述する。

【００１０】 取出装置３０は、昇降動可能なフレーム３１に、一対の弾性アーム３２Ｌ，３ ２Ｒを成形品Ａの幅寸法に略等しい間隔で取り付けて構成される。フレーム３１ は、成形時等の固定金型１１と可動金型１２とが組み付けられた場合には下降し て金型１０から離間し、固定金型１１と可動金型１２とが分離する成形品Ａの取 出時等には金型１１、１２間に位置する。この取出装置３０は、フレーム３１の 上昇位置で弾性アーム３２Ｌ，３２Ｒ間に離型装置２０によって成形品Ａが移送 され、弾性アーム３２Ｌ，３２Ｒが自身の弾性で成形品Ａを保持して整列装置４ ０に移送する。

【００１１】 整列装置４０は、押出機構４１、乾燥ドーム４２、移動機構４３、テーピング 機構４４、補正機構４５および検知器４６等を有する。この整列装置４０は、取 出装置３０の弾性アーム３２Ｌ，３２Ｒ間に保持された成形品Ａを押出機構４１ でスタック台４７上に取り出し、移動機構４３により乾燥ドーム４２に整列状態 で移送して乾燥させる。そして、乾燥ドーム４２から搬出される成形品Ａを検知 器４６で検出し、成形品Ａが所定の個数に達すると補正機構４５により押し返し てテーピング機構４４でテーピングを行う。

【００１２】 段積収容装置５０は、テーピングされた１梱包分の成形品Ａを順次段積みする 。そして、図示しないが、この段積みされた成形品Ａはコンベア等でストックヤ ードに自動的に搬送され、一括された製品として袋詰めするなりそのまま出荷さ れる。 なお、上述した取出装置３０、整列装置４０および段積収容装置５０に関して は、本出願人が先に提案した特願平４−１８０５３６号等に詳細に記載されてい るため、一部の説明と図示を割愛、簡略している。

【００１３】 離型装置２０は、図２に示すように、アクチュエータ（図示せず）に連結され た棒状のエジェクト部材２１を固定金型１１に摺動自在に貫通させて構成される 。エジェクト部材２１には先端に平板状のフランジ２２がキャビティ内への出没 可能に固着され、このフランジ２２のキャビティ側の面に針体２３が固設されて いる。エジェクト部材２１は、アクチュエータにより駆動され、成形品Ａをキャ ビティから取り出す離型時にフランジ２２をキャビティ内に突出させて成形品Ａ を押し出す。

【００１４】 フランジ部材２２は、図示の通常状態で固定金型１１のキャビティ側面に形成 された凹部１１ａ内に位置してキャビティの画壁として、離型時にはキャビティ 内に突出して成型品を押圧する押圧部材として機能する。針体２３は、テーパ形 状の金属針等から構成され、フランジ部材２２の中心部に固設される。この針体 ２３は、例えば、ステンレスを材料として、長さが５〜７ｍｍ、径が０．６〜０ ．８程度の寸法に形成される。 なお、この実施例では、フランジ部材２２の中心部に１つの針体２３を設ける が、任意の位置に設けることもでき、また、多くの針体を設けることも可能であ る。

【００１５】 この実施例にあっては、周知のように、発泡性熱可塑性樹脂粒子を予備発泡し 、あるいは予備発泡させることなく成型金型１０のキャビティ内に充填し、キャ ビティ内に蒸気を注入して発泡成型品Ａを加熱成型し、続いて冷却する。ここで 、この成型時においては、エジェクト部材２１のフランジ部材２２に設けられた 針体２３が成型品Ａに刺入される。

【００１６】 次に、固定金型１１から可動金型１２を離間させ、換言すれば金型１１，１２ のパーティング面を開き、固定金型１１と可動金型１２との間に取出装置３０の フレーム３１を位置させ、成型品Ａを離型して取出装置３０に受け渡す。この時 、離型装置２０は、エジェクト部材２１をアクチュエ−タにより駆動して成形品 Ａを押し出し、取出装置３０の弾性アーム３２Ｌ，３２Ｒ間に受け渡す。

【００１７】 ここで、この成型品Ａの離型時においては、固定金型１１に段差１５が形成さ れているため、金型１１，１２を開くと成型品Ａが倒れやすい。しかしながら、 上述したように、成型時に針体２３が成型品Ａに刺入し、この針体２３の刺入状 態で成型品Ａはエジェクト部材２１に保持される。したがって、成型品Ａが倒れ たり、脱落することがなく、成型品Ａを確実に取出装置３０に受け渡すことがで きる。

【００１８】 また、針体２３が成型品Ａに刺入されるため、成型品Ａが傷つくが、針体２３ の径および長さが極めて小さいため、その傷を目立たない程度に小さく、製品と しての価値、品質に影響を及ぼすこともない。また、針体２３は金属から構成さ れるため、熱影響を受けず、高い耐久性が得られる。

【００１９】 そして、成形品Ａを取出装置３０に受け渡した後は、エジェクト部材２１を後 退させると、成形品Ａが弾性アーム３２Ｌ，３２Ｒ間に保持されているため、針 体２３が成形品Ａから抜け、エジェクト部材２１が成形品Ａと分離する。この後 は、整列装置４０に移送され、この整列装置４０から段積収容装置５０に搬送さ れる。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、この発明にかかる発泡成型機の離型装置によれば、成型 品を押し出すためのエジェクト部材に成型品に刺入する針体を設け、この針体を 刺入させて成形型を開いた場合等の成形品の倒れ、脱落を防止するため、確実に 取出装置に受け渡すことができ、自動化を図って高い作業効率を達成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例にかかる発泡成形機の離型
装置が適用される発泡樹脂製品処理システムの模式構成
図である。

【図２】同発泡成形機の離型装置の要部の模式断面図で
ある。

【図３】同離型装置のエジェクト部材の平面図である。

【符号の説明】

１０ 成形金型 １１ 固定金型 １２ 可動金型 ２１ エジェクト部材 ２２ フランジ部材 ２３ 針体 ３０ 取出装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 成形型内に成形された発泡成形体をエジ
   ェクト部材で押し出して成形型から離型し、成形品取出
   装置に受け渡す発泡成形機の離型装置において、前記発
   泡成形体に刺入可能な針体を、前記エジェクト部材に設
   けたことを特徴とする発泡成形機の離型装置。